【バキ】漫画SSスレへようこそpart11【スレ】
――思い出した。
そう、あの言葉を聞いた時から、俺の身体は二人分の人生を背負っているのだ。
俺一人の勝手に出来る身体では無くなった筈。何を勝手に生を諦め、腑抜けていたのか。
我に返る伊達。
忘れていた記憶が、忘れていた決意を思い出させた。
(何が「死んだ友が許さぬ」だ。このまま腑抜けては、それこそ奴に会わせる顔なぞ無い)
そう思った時、伊達の全身を活風が吹きぬけた。心身に巣食っていたモヤが全て消し
飛ばされていく。身体の奥底から力が湧き上がる。久しく無かった感覚。
傍で様子を見ていた雷電も伊達の変化に気づいた。
これまで死んでいた伊達の目が、漢の眼差しになっている。
雷電の鉄面皮のような表情に一瞬、寂しさの混じった笑みが浮かぶ。
(友が…闇を晴らしたか)