Q.E.D. -証明終了- 9

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277作者の都合により名無しです
久しぶりに8巻を読みなおしてみてふと思った。
「フォーリング・ダウン」の出来が酷い。

「二人のうち片方は無関係の第三者」の根拠が薄い。

「速水さんに高所恐怖症を克服させようとしたから」
「再度大沢さんに抗議しなかった」も無理がある
(実際に高所恐怖症を克服させる意思があったなら大沢さんにその旨を伝えている方が自然)。

想の推測した情景もかなり不自然。
(「居残りで練習しよう」→「そうだな何とかしなきゃ」の流れから殺人には結びつきにくい)

そして何より、殺害のトリックが穴だらけ。
呼び出した場所が夜の河原であるという不自然さもさる事ながら、
目印のない河原で大沢教官を狙いの場所に誘導するのは極めて困難。
片手に鎌を持っていればトリックを仕掛けなくても殺意は伝わるし、
イラストに描かれているような四隅に縄を張ったビニールシートの上に
教官を誘導しようとすれば、腕が縄に当たってばれる可能性が高い。

何より、このトリックは実行不可能である。
理由は、速水さんが高所恐怖症だから。
このトリックは、バンジージャンプの縄の端を仕掛ける場所が必要で、
その場所は80ページより、想の立っていた場所、つまり橋の中央付近。
つまり速水さん、あなたは犯人ではありえない。

それよりは大沢さんを説得しようとして橋の上に呼び出した南部さんが、
口論の末にカッとなって大沢教官を突き落としてしまったとする方が
まだ筋が通る。