【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第9部

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117拳にて砕けるにあらず!!
Aブロック会場に静寂が戻ったのはしばらくしてからのことである。
いや、「戻った」という表現はおかしい。
なぜなら騒音を発する元がいなくなったのだから。
観客席には人っ子一人としていない。
中央の審判席にイヴがポツンと座っているばかりである。
彼女はは感情が乏しいゆえか、まだ幼いためか、かろうじて助かったのだろう。
実際はなにが起きているのか理解できなかった、といったところだろうが。

木多と巻来はそれぞれ各チームにより医務室へと運び込まれた。
そしてリングの上、そこら中に塩が散らばっていた。
塩――かつて小林よしのりという存在を構成していたもの――である。
あんどと木多にサンドイッチされた小林は塩の柱と化し、
リングに落ちて砕け散ってしまったのだ。

そのリング上には二人の男――
原哲夫とあんど慶周。

原 「どうしてもやるというのか、その体で」
あんど「無論だ。小林は我々を率いる器ではなかった、ただそれだけのこと。
   我々元祖変態チームが退く理由にはならん!」
原 「やるからには容赦はせぬ!」
あんど「望むところ!」

原vsあんど
――チームの勝敗を決める最後の一戦が今始まろうとしていた。