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「世界を救うためなんだ、わかってくれ」マサシは妻を抱きしめ、言った。
「でも・・・あなたがそこまですることないじゃない・・・」
「今この世界にあるのは憎しみと哀しみだけだ。テロ、報復、戦争。
俺は芸人として、世界に笑いをふりまかなくちゃいけない。命をかけて、名誉をかけて。
この一年の『顔』がラディンであっちゃいけない、ブッシュであっちゃいけない。
どちらがなっても憎しみを煽るだけだ。米国人にもアラブ人にも愛と平和そしてエロを。
誰かがやらなくちゃいけない、今こそ命をかけたネタを」
「だからって、覗きをやるなんて・・・そんな・・・」
「これで二回目だ。世間は、またか?と笑うだろう。
大丈夫、女は覗かない、ショックだろうからね。覗くのは男だ。
これなら誰にも迷惑がかからないだろうさ。だが・・・おまえたちには苦労をかけるな」
「わかったわ。あたしたちことなら気にしないで。
世間が何と言おうと、あたしたちは知っているのだから、世界を救ったのが誰なのかを」
「父さん・・・」
「おまえももう十分に大きくなった。母さんを頼むぞ。
そうだ、警察が来たら俺の机の引き出しにしまってある白い粉の入った袋を渡してくれ」
「それってなんなの?」
「オチは一つより二つの方がいい、そうだろ?」
「あなた・・・そこまで考えて・・・」
「じゃあ、もう逝くよ」
黒眼鏡にマスク、両手にはビデオとティッシュ。マサシは振り向きもせずに出て逝った。
「よくみておきなさい。これがあなたのお父さん、世界を救う男、エロリストなのよ」
「世界を救うためなんだ、わかってくれ」マサシは妻を抱きしめ、言った。
「でも・・・あなたがそこまですることないじゃない・・・」
「今この世界にあるのは憎しみと哀しみだけだ。テロ、報復、戦争。
俺は芸人として、世界に笑いをふりまかなくちゃいけない。命をかけて、名誉をかけて。
この一年の『顔』がラディンであっちゃいけない、ブッシュであっちゃいけない。
どちらがなっても憎しみを煽るだけだ。米国人にもアラブ人にも愛と平和そしてエロを。
誰かがやらなくちゃいけない、今こそ命をかけたネタを」
「だからって、覗きをやるなんて・・・そんな・・・」
「これで二回目だ。世間は、またか?と笑うだろう。
大丈夫、女は覗かない、ショックだろうからね。覗くのは男だ。
これなら誰にも迷惑がかからないだろうさ。だが・・・おまえたちには苦労をかけるな」
「わかったわ。あたしたちことなら気にしないで。
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