臼井尚美は偉そうにドスンと席に座ると プラスティック・ラブの彼方に (仮称)のおばちゃんに偉そうに言った。
「おい!あれ持ってこい。例のビビンバだ。ゲヒヒヒヒヒ」
日本語の分からない プータ美佳であったが、ウスイが横柄にしていることはよーく分かっていた。
早くも来たことを後悔し始めている在日白丁の高田亨の妻・美佳であった。
運ばれてきたビビンバに生卵をぶっかけ、ぐっちゃぐっちゃと汚らしい音をたてながらウスイは食べ始めた。
「うん?まずくなったな。味が落ちたな。俺、味がわかるからな!俺、偉い!ゲヒヒヒヒ!」
実際のところイナゴとサソリくらい味も全く違うイワシとウナギの区別もつかないウスイであったが、
適当に味をわかったふりをして見栄をはることだけは大好きであった。
「まずいまずい!おい、おばはん、まずいぞ!」
他の客もいるのにウスイは大声で怒鳴った。もはや完全に嫌がらせであった。
調子に乗ったウスイは言った。
「なんだこれは?メニューに載ってる食事の値段が高いぞ!俺の食事の予算は250Bと決めてるんだからそれにあわせて安くしろ!」
他の客の誰もが思った。
『予算が決まってるならその予算にあう店に最初から行けよ!川口の珍獣』
臼井尚美は続けた。
「この プラスティック・ラブの彼方に (仮称)はな、俺のおかげで繁盛してるんだ。
この店があるのは俺のおかげなんだ。俺、偉い!ゲヒヒヒヒヒ」
ちなみに「 プラスティック・ラブの彼方に が繁盛しているのは俺のおかげ」という人間は少なくとも10人は居る。
もちろん実際のところ、その10人のほとんどは店に何かしたわけではなく、ネモトトラベルの常連客同様、ただの下品な在日白丁の常連客であった。
ウスイもその単なる常連客の一人に過ぎなかった。
いや、正確には店にとって迷惑な客にしかすぎなかった。
実際、プラスティック・ラブの彼方に (仮称)の常連客の中にはわざわざ電話で臼井尚美が居ないことを確かめてから来店する人間がいるのだ。
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