177 :
名無しさん(新規):
今日は二〇〇〇年六月二七日ですが、今から三年前の明日つまり一九九七年の六月二八日にどんな出来事があったか
覚えていらっしゃるでしょうか。そう突然言われましても三年前のことですからすぐには思い出せないとは思います。
私はかれこれ一六、七年ほど前から少年法の研究会に参加させてもらって少年法の勉強を続けてきました。
しかし、少年法改正の問題がこれほど多くの人々の注目を浴びようとは想像しておりませんでした。
それが、三年前のこの日を境に表舞台に表れてきました。つまり、一九九七年六月二八日というのは、
例の神戸連続幼児殺傷事件の少年が逮捕された日です。通常の刑事事件ですと、犯人逮捕というのは事件解決の重要な第一歩です。
しかし、このときばかりは犯人逮捕が新たな問題の始まりとなりました。そして、ご承知の通り、今年五月はじめから、
愛知県豊川市の主婦殺人事件や西鉄バスジャック事件など、神戸事件当時一四歳であった少年たちによる
凶悪事件が相次いで発生しています。
マスメディアでも、このところ盛んに少年法の問題が論じられています。ある論者は言います。
「少年法は甘すぎる。子どもを甘やかすから、彼らは図に乗ってあんな凶悪な犯罪を行うのだ」と。
また、別の論者は、「現行少年法は戦後の混乱期に劣悪な環境に置かれた非行少年を念頭において制定されたものであり、
当時とは社会状況が変化しているのだから改正を考えるべきである」と述べています。
社会状況が大きく変化していることは間違いありません。やはり改正が必要なのでしょうか。
改正するとしますと、どのような方向において改正を行うべきなのでしょうか。そこで、今日の話の前半は、
この少年法改正問題について考えたいと思います。
178 :
名無しさん(新規):03/08/09 02:47 ID:eRtU0W1S
後半はより大きな問題を検討したいと思います。少年非行の現状を是正しようと考えた場合、
それは少年法の改正のみによっては実現されないでしょう。なぜなら、少年保護手続は、原則として、
犯罪が発生した後の事後的な対応にとどまるものであり、それ自体に非行の予防を期待することはできないからです。
非行防止に着目するならば、より広く地域社会のあり方や教育のあり方を考えざるをえません。
この講座には、「二一世紀の日本社会の諸問題」という大きな統一テーマが掲げられています。
教育問題は二一世紀に向けた課題の中でもひとつの柱になることは間違いありません。
そこで後半は、少々大風呂敷を広げて、非行対策としての二一世紀の教育の在り方について展望したいと思います。
少年非行問題につきましては、ここにお集まりの方々にもそれぞれご意見があるように思います。
私は比較的明確に自分の考え方を示したいと思いますので、私の話が終わりました後で、
みなさまのお考えもお聞かせいただければ幸いです。
179 :
名無しさん(新規):03/08/09 02:51 ID:eRtU0W1S
------------------------------------------------------------------------
被疑者のA少年が逮捕され、取り調べは進んでいきました。新しい事実が明らかになるにつれて、
その犯行の異常さが次々と新聞やテレビ、雑誌などで紹介されていきました。
しかし、そこでマスコミを支配していた空気が、変わってきたように思われたのです。
私にはA少年に〃同情〃しはじめたかのように感じられたのです。
〈事件と向き合わぬ中学〉
〈中学生に潜むストレス〉
〈新興住宅街の隙間が生んだ〉
〈環境が大きく左右〉
そんな見出しが新聞に躍っていました。
私と妻は新聞の記事をまともに読むことはできませんでしたが、警察の人が持ってくる新聞の見出しだけは、
それなりに読んでいました。それはA少年が逮捕された時から心配していたことでした。
あとから人に聞いた話ですが、テレビや新聞に登場する評論家やジャーナリストたちの意見は、
次のようなものだったようです。
少年はなぜあの犯罪に走ったのか。 少年の心の間を理解しよう。学校教育が、少年をあそこまでに追い込んだ。
少年を更生させるのには、どうしたらいいか。その主張や意見は、問題は少年そのものにあったのではなく、
少年を取り巻く学校や社会にあった、というものでした。
180 :
名無しさん(新規):03/08/09 02:53 ID:eRtU0W1S
それはそのまま、少年への「同情」ヘと流されていきます。A少年は、歪んだ教育、
そして病んだ社会の被害者なのです。一見、耳に心地よいこの意見は、しかし、
私たち被害著にとって耐えられるものではありませんでした。病んだ社会の被害者といえるのでしょうか。
もし、本当に少年がそうしたものの被害者なら、友が丘中学にはA少年のような生徒がいくらでもいなければなりません。
しかし、実際に彼のような生徒は、これまでだってあの中学に現れたことはありません。
かわいそうだったのは、逮捕直後から起こった友が丘中学へのバッシングでした。
生活指導の先生が少年に暴力をふるい、それが事件の引き金になったようなことまで
新聞やテレビが報じるようになりました。私たちの家にその当の生活指導の先生が、
事情を説明にやってきてくれたことがありました。その先生は、報道されていることと
実際はまったく違うことをきちんと私たちに説明してくれました。
私たちは、警察の人からも少年の学校に関する供述の極く一部について聞いていましたので、
学校や生活指導への反発が事件の引き金になったのではないことをあらかじめ知っていました。
しかし、マスコミは「社会」、特に「友が丘中学」に原因を求めていったように思います。
非行を防ぎ、乱れかけた生徒を矯正する役目を負った生活指導の先生が生徒に
煙たがられるのはごく当然のことで、それをあたかも事件の原因のように持ってくるマスコミの主張には、
違和感を超えて、脱力感、虚しさを感じてしまいました。
181 :
名無しさん(新規):03/08/09 02:57 ID:eRtU0W1S
七月初めに写真雑誌が、A少年の顔写真を掲載し、また別の雑誌が、目隠しの線を人れた
A少年の写真を掲載しました。たとえ、淳を殺害した犯人といえども、
A少年の顔写真を掲載することについては、よいことだとは、私も思っていません。
日本は当然法治国家ですし、基本的に法律は守られるべきだと恩います。
しかし、その後の経過については、少しとまどいを感じました。犯人が十四歳のA少年であったことで、
「事件の被害者」が淳であるということが、少しぼかされてきたのではないかと、私たちは、感じていました。
A少年も「事件の被害者」の一人ではないのかという意識がマスコミの根底にあったのかもしれません。
A少年の顔写真が掲載されたときには、批判がでました。 A少年の人権侵害ということが大きな埋由でした。
この時、私たちは、「人権とは一体何なのか」「被害者の人権は一体どうなるのか」
そのことを改めて考えさせられました。 目隠しの線が入った写真も、入ってない写真もありましたが、
氏名は一切出されていませんでした。一般の人たちには、この写真だけでは個人を特定することはまず、
困難だと思います。
それに対して被害者の側は顔写真も氏名も連日、新間やテレビに出されていたのです。
被害者側には、A少年に認められている人権さえ認められていないのです。
182 :
名無しさん(新規):03/08/09 02:58 ID:cWzJVFMx
だからなんやねん?
どうでもええわ、そんな事。
自分が幸せあったら、誰が犯罪を犯そうが死のうがどうでもええ。
少年犯罪のニュースを聞いても、何も感じらん。
183 :
名無しさん(新規):03/08/09 02:59 ID:eRtU0W1S
少年だから犯罪は許されるのでしょうか。少年が犯人だとわかったら、淳は生き返るのでしょうか。
少年の人権、犯罪者の人権擁護をいうあまり、本当に守らなければならない真の「人権」
というものを社会全体が見失っているのではないでしょうか。
最初に社会全体で守っていかなければならないのは誰なのでしょうか。
それは普通に、そして平穏に暮らしている一般の人々のはずです。
それは人を疑うことも知らなかった淳であり、そして、他人に迷惑をかけずにその日、
一日一日を一生懸命、生きている人々すべてだと私は思います。その一番大享な基本を見失えば、
社会全体が歪んでしまうのではないでしょうか。
184 :
名無しさん(新規):03/08/09 03:01 ID:eRtU0W1S
警察の人に聞いたことですが、犯罪をおかす少年たちは、「○○歳までやったら、
刑務所に行かんでもええ」ということをわかっていて、実際、取り調べの時でも
平気でそういうことをいってくる少年がいるそうです。そういうことを知った上で、
非行や犯罪を多くの少年がおこなっているのです。それに対して一方のマスコミは、
少年たちの気持ちを理解しようという態度をとります。そして、学校や社会に原因を求めようとします。
そのことが、少年犯罪がここまで増悪する現状を生んだ原因の一つではないでしょうか。
そしてそれは、「更生」だけを論じ、自分の犯した罪を「十分に自覚させていない」
という矛肩を生んでいると思います。その結果が、また新たな犯罪を生み、
そして新たな被害者を生んでいるのではないでしょうか。
185 :
名無しさん(新規):03/08/09 03:03 ID:eRtU0W1S
A少年には、多くの弁護士が付添人としてつきました。そして、 「鑑別所への送致」
「取り調べ時間の短縮」などの主張を行いました。 しかし、これらの付添人の方々には、
もっと被害者のことも考慮してほしいと思います。
人が殺されているという現実の重さを、第一に考えて欲しいのです。
事件の真相をまず明らかにすることを優先することは、被害者保護にとって、
非常に重要なことだと思います。また、真相を明らかにすることは、
A少年にとっても最適な保護処分を決定するにあたり、必要なことではなかったでしょうか。
私たち被害者は、やり場のない、どうしようもない悲しみにさいなまれています。
186 :
名無しさん(新規):03/08/09 03:47 ID:ZBSViFU+
>>185 考えさせられました・・・
>>少年だから犯罪は許されるのでしょうか。少年が犯人だとわかったら、
>>淳は生き返るのでしょうか。
日本はなんでこんな国になっちゃったんでしょうか・・・