ガンダムバトルロワイアル新大会やろうスレ

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92マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/06/13(日) 00:08:01 ID:???
「……。」

結局私は撃てないまま、アーレイ=スリングはレーダーの範囲外へ行ってしまった。
まるで逃げるように……逃げるように?

……何故逃げる必要があったのだろうか。
この"オーキス"を見て、戦力差があると考えたのか。
いや……彼はこちらを見もせずに全力で去っていったように見えたのだが……。
他に何か理由が……?

ともかく。
"追いつけないモノは仕方がない。"
そう自分に言い聞かせ、私はコロニーに入る算段をつけ始める事にした。
確かに"あんなモノ"を野放しにしておくという心残りもあるのだが……気持ちの切り替えも大事だと考える事にする。

……もし、次会ったときは殺し合いになるだろう。

「その時は……その時は。」

倒……殺そう。私は殺されたくない。生き残りたい。
死んだら何も出来ない。何も変えられない……。

「……また……か。」
また思考がループする。
行動せよ。行動せよ。
自由に動ける内に出来る事をやっておかないと。
オーキスを港湾部の影にクローアームでしがみつかせ、ザクを分離させる。
その時……

───殺殺殺殺───

「……う……ッ」

先程自分に当てられた殺気を思い出し、一瞬目眩を覚える。
それによりコロニーの壁面にザクをぶつけそうになったが、何とか持ち直した。
……古い割には、意外と機敏に動く機体のようだ。

それにしても何だったんだろうか……あの殺気は。
……通信越しでしか知る事は出来なかったが、アーレイ=スリングという人物像からは
遠くかけ離れたあの感覚……。
まるで別人……そう、一つの身体に二つの……本当の意味で二つの人格があるような……。

……そんな事が有り得るのだろうか?

【行動:オーキス分離(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:K-8 コロニー壁面 】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
93アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/17(木) 13:42:21 ID:???
暗礁地帯を進む。
今更だけど、今の精神状態を考えればこっちに進む必要はなかったかもしれない。
俺の中の何者かに気を取られすぎて、岩塊に激突したりしたら目も当てられない。
操縦を間違えたりしないよう、飛行速度を落とした。
どうやらマルグリットが追ってくる気配はないようだし、ここは安全運転で行こう。
(…とは言え、こ、れからどうする?)
当然の悩みだ。
半ば焦ってコロニーから出てきたけど、コロニーにいた時も行動予定など考えていなかった。
未だに行き当たりばったりだ。
(とに、かく…じっくり考える、場所と時間が欲しい)
この状態でどこまで落ち着いて考えられるかは甚だ疑問だけど…。

殺殺殺殺殺

若干もやのかかったような意識を集中し、暗礁地帯を進む。
ともかく今は操縦する事に専念だ。
幸いな事にあの声に、体の自由までは奪われていない。
この先は分からないけど、今のうちならどこへでも行ける。

暗礁地帯を抜け出てみると、そこは戦場跡だった。
さっきまでの岩塊が残骸に変わっただけで、これといった印象の変化はない。
身を隠すには丁度いいけど、どうにも殺伐としすぎている気もする。
(あ、そうか…マップが、どこかに…)
マップの存在を思い出して、さっそく広げてみる。
見たところ周囲には何も…いや、コロニー改造要塞なるものがあった。
「コロニー…ニ戻ッテサッサトアノ女ヲ…」
つい口を開いてしまい、慌てて『声』を塞いだ。
(…コロニー改造、要塞か……読んで、字のごとくな、んだろうけど…)
要塞でもなんでも、少しでも落ち着ける場所があれば有難い。

殺殺殺殺殺殺

Gキャノンを南に向け、要塞を目指す事にする。

【行動:O-12に移動(-2)】
【残り行動値:2p】
【位置:O-12(要塞の外)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:混乱しているが多少落ち着く】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:少し落ち着きたい】
【仲間:】
94マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/06/17(木) 23:06:37 ID:???
「……。」

都合、3つ目の隔壁を開け、コロニー港湾部を進む。
……ここまで進むのに30分もかかってしまった。
別に道に迷った訳でもないのだが……隔壁を開けるのに"少し"手間取ったのだ。

「……ー。」

思わず溜息を出しかけて、止める。
どうにも"こういう事"に対して私はとことん無能であるらしい。
小惑星基地に入るのにも数分かかったし……
……それにしてもコロニーの居住区に入るのに……40分もかかるとは。

「……はぁ。」

目の前に現れた4つ目の隔壁を前に、今度は溜息がでる。
……さて、スイッチの類はどこだろうか。

───5分後、隔壁の周囲を行ったり来たりした結果、隔壁真横にある操作パネルを見つけた。

40分と見ていたところが35分で済んだと考えるべきか、
こんな場所のスイッチを探すのに5分もかかったと考えるべきか。
そんな割とどうでもよさそうな思考は、目の前に広がった光景によって吹き飛ぶことになる。


「───あ。」


円柱という不自然な空間の中に広がる自然。
その合間に作られた街。
それらを覆う雲。
その中心に今、私はいる。


まともな言葉が出なかった。

何も思考できなかった。

ただ、"凄い"とだけ。

まだまだ"世界"を知らない私には、その言葉しか思いつかなかった。


【行動:コロニー内部へ(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック 】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない ……。 】
95アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/18(金) 17:10:55 ID:???
(いざ来てはみたものの…)
コロニー改造要塞なる建造物の前に佇む。
(こうも印象が変わるもんかな)
巨大な円筒形の人工物というところはコロニーと同じ。
だけど周囲にハリネズミの針のように張り巡らされた火砲は、在り方が全く違う事を鮮烈に
示していた。
元が元だけに積載量も半端じゃない。
宇宙港はそのまま、1個艦隊くらいが停泊できる軍港になっているようだ。
それに妙に大きく見えるのは、本体の防御力を上げるために装甲を厚くしているのか。
パルスジェットも追加され、ある程度の行動力もあるらしい。
要するに…これは要塞ではなく、巨大な宇宙母艦とでも言うべきものだろう。
あのドロス級の規模を100倍くらいにした感じと言えば、少しは雰囲気が伝わるかも。

それはともかく、目的の場所まで来たんだから中へ入らねば。
(港は…入れるか、な?)
元がコロニーである以上、港から中に入れるはず。
その他にも細々とした出入口はあるみたいだけど、MSが通れるかというと心許ない。
ゲートを抜け、何もない港へと進む。
軍専用に改造されただけあって、港内も大きくなっている。
どこかしらに施設内に入る入口が…。

港内の建物の隣にGキャノンを停めて降りる。
そのまま壁沿いに入口を探して歩き始めた。
要塞とは言っても、全部が全部改造できるわけじゃない。
港にだって居住できるスペースくらいあってもいいと思う。
施設を流用しているのならなおさらだ。
それにさっきのコロニーから推測すると、施設はどこもある程度自由に使えるらしい。
だから出入口さえ見つかれば、中に入るのはさほど苦労はしないだろう。
そう考えつつ少し歩くと、エアダクトらしきドアを見つけた。
(…中、に入れば、どこかで、落ち着けられるかな)
そんな事を考えつつ、俺は中へと入っていった。

【行動:港内に入る(-1)入口を探す(-1)施設内に入る(-1)】
【残り行動値:1p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:多少落ち着く】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:少し落ち着きたい】
【仲間:】
96マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/06/27(日) 19:48:40 ID:???
「……。」

左目を細めて空を見上げる。その向こうに見えるのは……天井?床?
……理屈では解っていてもなんだか気持ちの悪いものだ。
どうにも地球に比べて世界が狭く感じる。
……まあ、2年前までに比べれば十分広いとも言えるのだが。
2年前までの私に許されていた"世界"は小さな個室と調整室、あとシミュレータールームだけだったのだから。
だが2年前、プログラムに参加させられて、私の世界は……。

……。
感傷に浸っている場合ではない。やる事は沢山あるし、のんびりもしていられない。
目の前にある店舗の駐車場と思わしき場所に停めた機体から降りる前に
レーダーを確認した時は何の機影もなかったが、
いつ他の参加者がやってくるとも限らないし、なにより……。

「アーレイ=スリング……。」

彼が戻ってくる可能性もある。……いや、高いと言えるだろう。

どちらにしても時間が無い事は確かだ。
久々の重力の所為か妙に重く感じるディバックを肩に掛けると、
早速私は目の前の店舗へ入って行った。

【行動:店舗を捜索(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック 】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
97アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/30(水) 01:06:57 ID:???
エアダクトを抜けて施設内に入ってみたが、どこにでもあるような建物と変わらない内装だ。
要塞と言うからもっとごてごてしたイメージがあったけど…。
やはりこの淡白さは、元の宇宙港の施設を流用してるからなのだろうか。
まあ、変に入り組んだ構造にされるよりかはましだから、これはこれでいいとは思う。

適当にいくつか部屋を覗き、休憩室と思われる部屋を見つけて入ってみた。。
部屋の中に置いてあるのは、ビリヤードやピンボールの台。
奥の方にはダーツのボードが見える。
…休憩室と言うよりは娯楽室みたいな感じだ。
勤務明けや当直時間外など、ここに集まってみなで騒いだりするのだろう。
部屋の一角にあったソファーに腰掛け、テーブルにコーヒーと保存食を出す。
ともかく腹が空いている。
何か食べない事には、この先の活力が沸いてこない。

(やっぱり、コー、ヒーはいい…)
喉は無論の事、食道や胃袋まで染み込んでくるような味に暫し感動。
さらに保存食に手を伸ばしながら考えを進める。
(だいたい、俺の中、に、いるのは誰なんだ?)
まるで覚えがない。
きっかけが何だったのか、それすらも分からない。
あのテストの時に初めて現れたのだが、前兆も何もなかったんだから…。
(こいつは、俺に何を、させたいんだ?)
…これは何となくというか…ほぼ分かっている。
こいつは俺に殺し合いをさせたいらしい。
最初に現れた時に、ヘビーガンで大暴れしたのもおそらくこいつだろう。
生意気にもMSの操縦を知っているらしい。
(…俺は、どうすれば、いい?)
…どうすればいい?
こいつに抗う…抗えるのか?
ましてや、こいつを追い払う方法なんて俺の知識で思いつくわけがない。
(悪魔、払いに、でも…頼んでみる、か?)
冗談も冗談ぽく聞こえない。
そのくらい洒落にならない状況だ。

「…くそ」
保存食を食べ終わり、思わず悪態が口から出る。
考えるだけ考えても、状況を好転させるものが何も出ない。
悪態だってつきたくもなる。
ソファーの背もたれに体を預ける。
(…俺、いったい、どうなる…んだ…)
不意に強烈な睡魔が襲ってきた。
そういえば、プログラムが始まってから満足に寝てない。
(…まあ…ひと寝入りしてから…もう、一度、考えて…みる、か…)
俺は睡魔に逆らうことなく、誘われるままに瞼を閉じた。

【行動:部屋を探す(-1)食事(-1)睡眠(-1)】
【残り行動値:1p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:睡眠】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:…】
【仲間:】
98アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/07/02(金) 16:56:54 ID:???
(………)
(………………)
(………………………………おや?)
俺はゆっくりと目覚めた。
きょろきょろと周囲を見回して首を捻る。
(俺…娯楽室で寝てたはずだけど…)
今俺の周囲は、完全に闇に包まれている。
文字通り一寸先も見えない闇の中だ。
「…ここは、一体どこだ?」
ぽつりと呟いてはっとする。
「俺は、コロニー改造要塞で休憩中」
声を出しても、例の声に邪魔されない。
「…どういう事だ…?」
邪魔されなくなった理由を考えてみる…。
だけどこれまでの事ですら理解不能なのに、新たに考えたところで分かるはずもない。
でもまあ、これはこれでいい傾向だと思う。
ああも邪魔されるのは俺だってさすがに辛い。
「…それにしても、本当にここはどこなんだ?」
今いる所がどこなのか分からないと、この先の行動がとりにくい。
《分からないのも無理はねえか》
その声は、目の前の闇の中から聞こえてきた。

「誰だ!」
そう言いながら、俺は声の正体について何となく見当はついていた。
この声は…ヘビーガンのテストの時に聞いたあの声と酷似している。
《ここはおめえの…ありがちな表現を使えば夢の中、だな》
「だから、お前は誰なんだ!」
もう一度同じ事を聞いた。
この声が俺の中にいた奴だという事は分かる。
だからこそ、俺はこいつが誰なのか知りたい。
《別に俺の事なんざどうでもいいだろ。
今重要なのは、おめえが…》
「俺にとって重要だから聞いてるんだ!」
《短気は損気って言葉を知らねえのかよ。
…まあ、早いか遅いかの違いだからな》
次の瞬間、何もない暗闇に何かの気配が生まれた。
「誰か」ではない…「何か」の気配…。
ここがこいつの言う通り夢の中なら…今感じる寒気は…何だ?
この現実感は…本当に夢の中で有り得るのか?
99アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/07/02(金) 17:03:42 ID:???
不意に暗闇が何かの形を形成し始める。
…それはどうやら、人型のようだ。
気配は得体が知れないけど、とりあえず見た目は怖くなさそうだ。
そして、やがて近づいてきたそれは、紛れもない人間の姿をしていた。
俺よりも少し高い背丈に、筋骨隆々とまではいかないまでもしっかりとした体つき。
ブラウンの短めの髪と無精髭。
顔つきは悪くはない、のだろう。
ただ一点…瞳が血のように真っ赤な事を除けば、姿かたちは人間と変わりなかった。

「お前が…俺の中にいたのか?」
その人物(?)は、小さくにやりと笑った。
《中にいたかどうかは知らねえが、ずっと近くにいた事は確かだなぁ》
小馬鹿にされているようで癪に障るけど、聞く事は聞いておかないと…。
「お前は、誰なんだ?」
腕組みして考えるような仕草をするそいつ。
《俺様は俺様だ。
おめえに説明したところで、理解する事なんてできねえだろうさ》
やっぱりまともに答えるつもりはないのか。
《つっても、俺様自身自分の名前ももう覚えちゃいねえ。
通称つうか…あだ名みたいなもんはあるけどな》
あだ名とか、そんなものを聞いても意味がない。
姿を現したからって、全てを明かしてくれる思う方が間違いなのか…。
《俺様としては、1つだけ気に入ってる名前はあるんだがな。
そうだな……まあ…取りあえず俺様の事は「レイモンド」とでも呼んでくれ》

【行動:夢の中?(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:睡眠】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:…】
【仲間:】
100マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/07/03(土) 19:48:06 ID:???
「……1階の東側に食料品で……西側のここに薬局で……。」

先程入ったモールの案内看板から、目当ての店を探す。
これだけ大きな店舗なら、大体の物資は手に入るだろうと入ってみたのだが……。

「どうしてこう、広い上に解りにくいのか……。」

少々失敗だったかもしれない。
街を歩き回るよりは楽だと思っていたのだが。
案内看板を後にし、まず薬局がある西側へ向かう。
途中、様々な店舗が目に入ったが、特に目を引く店舗はない……が、

「……相変わらず、完全に無人……」

足を止めて周囲を眺めてみるが、レジにいるべき店員も買い物客もおらず
店内音楽やCMの音声のみが空しく鳴り続けている。
そういえば"前回"初めて街に着いたときも……


―――んだよ、街には誰もいないのか。つまらねェ。
     全員殺して良いって聞いてたのになァ、それは参加者だけか。なぁマキ―――


「……場所が宇宙になっても人がいないのは相変わらずみたいだよ。」

ふと、ある人物を思い出し、思わずそれに応えるように呟く。さらに続けて、

「……私、もだけど。」

……

……独り言が過ぎた。全て"聞かれている"というのは解っているというのに。
こんな所で立ち止まって、昔の出来事を思い出していても仕方がない。今はやるべき事をやろう。

薬局は……あそこかな。


【行動:モール内探索・薬局発見(-4)】
【残り行動値:0P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
101アーレイ=スリング@代理:2010/07/13(火) 23:00:22 ID:???
「…レイモンド?」
思わず聞き返した。
《ああそうだよ。何かおかしいところでもあるか?》
「いや、おかしいというか…普通の名前だなって」
これだけ得体の知れない奴なのに、何でそんな普通の名前を好んでいるんだろう。
聞きたい事の本筋から外れているけど、興味はある。
《けっ、人様の好みに余計な口挟むんじゃねえよ》
予想はしてたけど、やっぱり教えてはくれない。

「それでレイモンド、さっきも言ったけど聞きたい事があるんだ」
さっきよりも落ち着いて話す事ができた。
レイモンドの妙な人間臭さが、多少なりとも影響しているのかもしれない。
《あーまあ、聞くだけなら聞いてやらあ》
ん、向こうも一応聞いてくれるようだ。
…あ、でも、聞くだけで話してくれるとは限らないのか。
「お前は…俺に何をさせたいんだ?」
とにかく話してみた。
まずは聞いてもらわない事には何も始まらない。
《いきなり核心だな。
まあ俺様としても話を長引かせたくないし、いいさ、話してやるよ》
聞くだけとか言っておいて、結構素直に話し始めた。
言葉遣いはあれだけど、話せない奴ではないのか?

《と言っても俺様の目的は単純だ。
おめえだって大体の見当くらいついてるんだろ?》
…そりゃまあ俺なりの予想は立ててるけど。
「俺に…殺し合いをさせる」
俺の口から出た言葉からして、レイモンドがそうさせようとしているのは間違いないだろう。
《厳密に言えば違うが、まあほぼ正解かもな。
俺様としては、ここらでおめえに殺る気を出してほしいわけだ》
別に完璧な正解でなんかなくたっていい。
レイモンドが何をしようとしているのか、大体でも分かればそれでいい。
102アーレイ=スリング@代理:2010/07/13(火) 23:01:13 ID:???
それに対する答えも決まっている。
「そう聞いて、俺が『はいやります』とでも言うと思うか?」
《やるもやらないも、このプログラムの中にいたら選択肢はないだろうが》
「選択肢がなくても、最終的に戦う時期は俺の意思で決めるよ」
《最終的にとか、んな温い事言ってたら結局は何もできねえで終わるぞ?
殺し合いだろうがセックスだろうが、やるべき時にやる。
それができねえなら…生きてる価値ねえだろ》
「俺の生きる価値ってのは、お前に決められるもんじゃないだろう!」
《プログラムにいる奴が、生きる価値なんて言葉口にすんな》
不毛にも思える問答の中、俺は考える。
(…何でレイモンドは俺に殺し合いをさせたがるんだ?)
まあどう見たって人間じゃなさそうだから、そういった血生臭い事が好きなのか。
(でも何故、俺なんだ?)
わざわざ俺にやらせようとしないで、自分でやればいいような気もするが…。
これ以上何を言っても無駄のように思えるけど、ここでやめるわけにはいかない。。

「でも俺は…」
《まあいいか》
俺の否定の言葉を、レイモンドはあっさりと遮った。
《おめえの方で殺る気を出してくれればしめたもんと思ったがよ。
これ以上何を言っても無駄みてえだし》
一瞬退いてくれるのかと期待した俺の考えは、次の瞬間あっさりと瓦解した。
《やっぱ俺様が動かす事にするわ》

【行動:夢の中?(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:睡眠?】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:…】
【仲間:】
103マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/07/15(木) 01:13:51 ID:???
「……!?」

薬局に着いた私は、手始めに自分が今持っている物資の確認を行う事にした。
……と、言うのも既に手持ちのディバックの容量に余裕がなかったからだ。
かと言ってこれ以上バックを増やしても、あの狭いコックピットには入らないので、
中身を再整理すると同時にいくつか荷物を捨てる事にした。
と言う訳で、ディバックの中身を漁ってみたのだが……。

まず拉致される前に着ていた私服。これは取っておこう。
次にあちこち擦り切れた真っ黒なコート。これは大事な物なので取っておく。
懐中時計。父上に、養子になって2年目の記念に貰った物だ。
これはねじを巻き直し、首から下げてノーマルスーツの中に入れておく。
針は相変わらず英国の時間を刻んでいたが、直さずそのままにしておこう。
整備マニュアル。まだ読み切ってないのでそのままに。
水とパン。必須品なのは言うまでもない。だがパンは痛む前に食べよう。


で、問題の……

「……肉?」

一つ見慣れない物が入っていた。
見たところ牛肉のようだ。明らかに生であり、わざわざ痛まないようにかパックされている。
重さは1sといったところか。それにしても何故生肉が……?

……そう言えばこの殺し合いの参加者は皆MSと、MS用の武装、それに何らかのアイテムが支給されるんだった。
それにしても……生肉か。"前回"と言い、私はこの辺りのクジ運は無いようだ。
とりあえずこれを捨てる事にしよう……と言っても、只捨てるのも勿体ないので、
モール内のフードコート辺りで調理して食べようと思う。

そんな事を考えつつ、生肉を出して、服等をたたみ直した事で空いたスペースに医療品を入れていく。
消毒液やガーゼ・包帯を多めに。あとは止血帯。基本的に応急処置に必要な物だけを確保する。
各種薬品などは……止めておこう。色々と人とは違う身体なので、何が効いて何が危険なのか解らないからだ。

さて、医療品はこんな所だろうか……?
次は食料品の確保。……それが終わったら、食事を取ろう。

【行動:薬局探索(-4)】
【残り行動値:0P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     生肉 懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
104アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/07/16(金) 15:28:43 ID:???
「なん…だと?」
その言葉に背筋が震えた。
《ん、聞こえなかったか?
俺様がお前を動かすって言ったんだよ》
世間話でもするようにとんでもない事を言い放つレイモンド。
でも俺は分かっている。
実際こいつは、あの時俺を動かしてヘビーガンで暴れている。
今言っている事は、何の嘘も誇張もない真実なのだ。
《おめえ、今寝ているのは単に眠くなったからだと思ってんだろ?》
「そ…それが、どうだって…」
《あれは俺様が眠らせただけだ。
起きていられると、もしかしたら邪魔されるかもしれないんでな》
「そ、んな事が…!」
《あるんだよ。
まあ恨むなら俺様と僅かでも相性の良かったおめえの体を恨むんだな》
目の前のレイモンドの姿が、また闇の中へと掻き消えていく。
「ま…まて…待ってくれ!
俺、俺の体…俺の体は俺のものだ!…俺の…俺の…!」
《心配すんな。
おめえが戦うよりは、俺様がやった方が生き残る確率は高いぞ?》
その言葉を最後に、レイモンドの姿は完全に闇の中に消えた。
「待てっ…おい、待て、待ってくれええええ!」
俺の声は闇の中に吸い込まれ…それだけだった。
右も左も分からない場所で、俺はただ呆然と立ち尽くすしかなかった…。



ふっと目が覚めた。
がばっと体を起こし、周囲を眺める。
眠った場所と寸分違わない、基地内の娯楽室のソファー。
額に浮かんだ汗を払うように拭う。
…寝汗の量からすると、あまりいい夢ではなかったようだ。
ゆっくり立ち上がり、部屋の隅にあるトイレの洗面台で顔を洗った。
冷たい水の刺激に、急激に感覚が冴えてくる。
全体的に少し気だるい感じがするが、そのうち慣れるだろう。
「…まあ、あとは俺様に任せとけ」
洗面台の鏡に映る血のような紅い瞳が、小さく笑みの形に歪んだ。

【行動:夢の中?(0)洗顔(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:睡眠?】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:…】
【仲間:】
105マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/07/22(木) 00:50:08 ID:???
「……。」
誰もいない食料品売場を歩く。
耳に入ってくるのはもう何週目かも解らなくなった店内BGMと、自らの足音のみ。

カツン――

とりあえず確保するべき物を確認しよう。
まず、無重力下でも食べられるような保存食。
味はこの際気にしない。そもそも相当濃くない限り私には味は意味が無いし。

カツン――

あと飲料水。
これも無重力下でも飲めるタイプの物を探さないと。
幸いここはスペースコロニーのショッピングモール。探せばあるだろう。

――ガタッ

「……!?」

不意に聞こえた音に身体が強張る。
腰に手を回したが、拳銃の一つも持っていない事に今更気が付いた。

「……人……?」

結局、音のした方を慎重に確認してみたところ、
無理矢理積まれていた商品が倒れただけだったようだ。

「はあ……。」

誰も仲間がいない状態での探索活動がこんなに心細……もとい、落ち着かない物だとは思わなかった。
と言っても今更仲間が必要だとかそう言う訳ではないのだが。

……とにかく、探すべき物が一つ増えた。
護身用に拳銃か何か……その辺の警察関係の施設か、コロニー管制ブロックの警備員室等で見つかればいいのだが。
コロニーを出る前に探してみよう。


【行動:食料品売場探索(-4)】
【残り行動値:0P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4.5本 コッペパン2個 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     生肉 懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
106アーレイ=スリング@代理:2010/07/30(金) 00:01:07 ID:???
男は洗顔を終えてから室内に戻った。
さっきまで寝ていたソファーにまた座り、体…特に手の指の動きを見る。
普通に動かす分には問題ないが、細かい動作…今回みたくMSの操縦をする場合は注意する。
操縦ミスなんかをして、あっという間に終わる事は避けたい。
「…まったく」
指の調子を確かめながら小さく文句を垂れる。
他に誰もいないから、ただの独り言になってしまっているが。
「やっぱ、何だかんだで面倒くせえな」
昔から死や破壊によって生ずる人間の負の感情が好物だったが、それを生み出すために自分
でアーレイの体を動かすのが億劫らしい。
ただ既に一度動かしている体だから、動かしにくいわけではないようだ。
この男にとっては、人間にとり憑いて負の感情だけを頂くのが基本なのだろう。
レイモンドの時もアルバートの時も、話しかけたりはするが直接体を動かそうとはしなかっ
のもそこらへんが理由と思われる。

指の動きもそうだが、男は体全体もまだ気だるい感じがしていた。
少しだけ相性がいいとはいえ、完全に馴染むまでにはまだ少し時間がかかる。
最高の相性を持っている、レイモンドやアルバートならこんな事はないのだろうが…。
「まあ、今更仕方ねえ」
吹っ切るように言い放つと立ち上がった。
多少体の重さは感じるが、MSに乗ってしまえば関係ない。
要は最低でも手足が普通に動けばいいのだ。
手足の動きに問題がない事を確認すると、男はディパックを担いで部屋を出て行った。

ヘルメットを被り、エアダクトを抜けてGキャノンに戻る。
一度も戦闘をしていない、真新しい綺麗な機体。
それを見ていると、これから戦火を交えるのが勿体無く思えてくる。
しかし、綺麗なままでいる事は男もGキャノンも望んでいない。
「俺もおめえも、理由は違えど戦うためにここに存在する…違うか?」
戦うために作られたのなら、その真価は戦場において発揮される。
そしてここは戦場だ。
プログラムがどうとか、そんな事は男にとっては些細な付加要素でしかない。
男は死と破壊を望み、Gキャノンは死と破壊のために作られた。
男が躊躇する理由はこの世界のどこにもないのだ。
コクピットに座り、各機器を確かめる。
見よう見まねだが、操縦は一通りできるから心配はしていない。
というよりも、元より心配という精神構造がないに等しい。
男は己の食欲を満たせれば、後の事は何も考えていないのだ。
だからマイナスの感情など、表に出てくる筈がない。
「それじゃあ、行くとするかね」
悲壮感とは無縁の笑みを浮かべて、男はGキャノンを発進させた。

【行動:体の確認(-1)港に移動(-1)O-10に移動(-2)】
【残り行動値:0p】
【位置:O-10】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
107マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/08/03(火) 20:06:53 ID:???
「もう少し……?」
私が物資の補給に選んだショッピングモールのフードコート。
当然、誰もいないそこで私は、"組織"から支給された生肉を調理していた。
……と言っても、食べる分を切って、店の鉄板で焼いているだけだが。

「そろそろいいかな……。」
体の調子を崩す訳にはいかないのでしっかりと焼いておく。
特に調味料で味等はつけない。私にとっては味も風味も……意味がない、から。

――――――

「……。」
同じく"組織"から支給されたパンと共に焼き上がった肉を食べる。
誰も見ていないので食前の祈りは省略した。
……正直神がどうとか、興味がない。
そんなものに祈りを捧げてどうするというのか。

そして肝心の食事なのだが……殆ど味は感じないし、匂いも余り感じない。
英国にいた頃から感じていたが、不便な身体にされたものだ。
……それにしても。

「……また少し、嗅覚が衰えて来てるような……。」
……気のせいだろうか?
味覚は初めから殆ど失われていたため比べようがないが、嗅覚は……。
理由は……特別な環境に放り込まれた事により嗅覚味覚に何か影響が出ている?
……私にとって何が特別で何が特別で無いかは正直解らないが。

もしくは……

「"壊れて"きている……?」

……何を言っているんだ。私は。
馬鹿な考えを頭を振って追い出すと、私は黙々と食事を進めた。


【行動:生肉を調理・食事(-4)】
【残り行動値:0P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 コッペパン2個 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
108アーレイ=スリング@代理:2010/08/07(土) 01:32:35 ID:???
男は暫く真っ直ぐに飛行を続けていた。
コクピット内は、見たところ彼が以前大暴れさせたヘビーガンとさほど変わらない。
多少の細かな違いはあるが、さして気にならなかった。
かつて男がとり憑いていた人間が言った事を思い出す。
『MSの操縦など、ザクの頃から基本は変わっていない』
きちんとした訓練を受け、それなりの時間の操縦経験があれば、突然違うMSに乗る事に
なっても応用を利かせられる。
パイロットの資質を持っていれば誰もが可能な事である。
まあ一部の特別な適格者は、何の訓練もなしにいきなり操縦できてしまったりするが。
それはともかく、男にはそういった訓練の経験も操縦経験もない。
男はMSの操縦を、さっきも言ったように見よう見まねでこなしている。
ずっととり憑いていた人間…レイモンド=デリックの戦いを男は誰よりも間近で見ていた。
クロスボーン=バンガード、バトルロワイヤル、そしてその後の傭兵生活…。
その膨大な時間は、男にとってもそれなりの経験になっているのだろう。
初めて乗るGキャノンを、何でもないように操縦しているところからもそれが窺える。

その他にも多少ではあるが運も味方していた。
Gキャノンは、軍の違いはあれどクロスボーンと同時代のMSである。
レイモンドも当然戦場で遭遇したし、鹵獲したGキャノンを試乗してもいる。
そういった経験も、男の操縦に影響しているのは間違いなさそうであった。

初めて男が操縦したヘビーガンに比べると、僅かに違和感があるようだ。
気になるのは、コンソールスティックのスイッチの数。
ヘビーガンよりも武器が多いため、切替に手惑わないよう確認しておく。
男の性格?からするとスカっと全弾発射してしまいたいのだが、それで相手を倒せるのなら
ともかく、そうならなかった時の事を考えるとこの手の準備は欠かさない方がいい。
「…ホントに、面倒くせえ…」
嫌そうな表情でコンソールスティックを弄る男。
だが嫌でも何でも、戦いを長く楽しむためにはこれも必要な手順なのだ。

【行動:武器切替の確認(-1)N-8に移動(-3)】
【残り行動値:0p】
【位置:O-10】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
109マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/08/10(火) 01:26:41 ID:???
「……よっし。」
調理に使った器具を洗って元に戻し、残った肉を冷蔵庫に仕舞う。
さて、ここでの用事は全て済んだ。

「……さて、次は……。」

自分自身が持つための武器。
先程モール内を歩いている内に気が付いた物だが……。
何処を探すのが一番手っ取り早いだろうか。
あまり大きな武器は持っていても邪魔になるだけだし、
何よりそういった訓練をした事がない私では多分扱いきれない。
となると拳銃の類……。これならわざわざ軍基地などを探さなくても、
警察署やコロニー警備隊の詰め所とかで見つかるだろう。

ではまず、警察署は……どこだろう。
とりあえずモールを出て、周囲を見渡す。
私の目で見える範囲にそういった施設は見えないようだ。

一度MSに戻って、MSの目で走査した方が早いだろうか。
それに……MSを降りてからだいぶん時間が経っている。
周囲に他の生徒がいないか、一度レーダーを確認しておく必要がありそうだ。


【行動:片づけ(-1) MSへ移動(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
110アーレイ=スリング@代理:2010/08/20(金) 00:37:24 ID:???
男は一旦Gキャノンを停めてマップを見直す。
ここまで来るとコロニーまではあと少しだ。
フィールドはかなり広いが、今のところ男が行く場所はそこしかない。
理由は、マルグリットがいる可能性があるから。
現在明確に居場所の予想がつくのが彼女しかいないため、男もコロニーに向かわざるを得ない。
他の参加者の動向が少しでも分かっていれば、男にももう少し選択肢があったのだろうが。
「…マルグリットね」
その名前を小さく呟く。
その声の響きには、傍目には何の感情も含まれていない。
男にとってマルグリットは間違いなく敵であり、食料でもある(ここでいう食料とは、あくまで
も彼女の負の感情の事だが)。

ただしマルグリットと戦闘するにあたって、どうしても考えなければならない事がある。
彼女との操縦技術の差はどの程度なのか。
アーレイの視線で彼女をモニターに見た時、さすがに素人という感じはしなかった。
その物腰も、年齢に似合わず落ち着いた印象を受けたような気がする。
以前男が見たニースという素人の少女に比べれば、印象の違いは一目瞭然だ。
断定はできないが、少なくとも素人ということはないだろう。
そして男と比べた場合どうなのか。
…はっきり言えば情報が少なすぎて判断できない。
素人ではないという憶測しかできないマルグリット。
ある程度は見よう見まねでできるが、戦闘そのものは未知数の男。
これで答えを出せと言う方が間違っている。

では何故無駄と知りつつ男は考えるのか。
これもひとえに食事のためである。
マルグリットが弱いのならいたぶって恐怖を頂く。
逆に手に負えないほど強いのなら、それはそれで別の感情を頂く。
男にとっては結局のところ、如何にして美味しく食事をするかというそこに尽きてしまう。
戦闘は食事への過程であり、それが長ければ長いほど食事にありつけられる。
だからどうしても、男はマルグリットの事を考えざるを得ないのだ。

【行動:マップの確認(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:N-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
111エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/08/21(土) 04:30:38 ID:???
そろそろ動き出すべきだろうか。

この狂ったゲームが始まってから、俺はずっとこの空域に留まり続けていた。
運良く辛うじて活きている戦艦を見つけ、そこを拠点として辺りの様子を伺いつつ
このジオングの完熟訓練に明け暮れていた。

今まで搭乗してきた汎用機と違い、小型艦艇といっても差し支えない程、
特殊なこのMSに慣れるのには、思った以上に苦戦したものの、
現在では各種動作に困らない程度には、動かせる様になっていた。

特に苦労したのは、有線式腕部の操作だった。
知識としては、インコムのような物とは理解できたのだが、
今までに使ったことの無い類の兵装を扱うと言うことは、言葉で言うより難しい物だ。
通常、完熟訓練と言う物には然るべき教官と、マニュアルの元に行われる物だが、
目下、この状況で望むべき物などあるわけが無い。

静止物なら9割、直線移動物なら6割。
自己流の訓練を重ね、ここまでの技量を確保できたが、
相手が複雑に起動する戦闘の際は、精々2割程度と考えるべきか。

だが、扱えるようになると、これ程心強い武器も無いかもしれない。
多方向から攻撃できると言うことはすなわち、面制圧が可能となる。
わかりやすく言えば、二本の腕を飛ばせるこの機体は、二体の味方を得たような物だ。
もっとも、そう言えるほど満足に扱えるようになった訳ではないのだが。
本当の意味でこの兵装に完熟すると言うのは、1、2年で済む話ではないだろう。
今は飛ばして、撃てるだけだ。

話を現在の状況に移す。

現在、廃艦となったチベ級CAを拠点に活動している。
艦橋が吹き飛ばされ、機関部が全損している艦だったが、幸いそれ以外のダメージは少なかった。
予備の発動機から電源は使用できたし、食堂には保存食や水もあった。
一番大きかったのは、格納庫が満足に機能したという所だ。
今まで満足に訓練できたと言うのも、こういった恵まれた環境が有ってこその物だった。

しかし、どうやら此処に留まっていても、何も始まらないようだ。
俺は、暫し世話になったこの艦を後にする事にした。
この素晴らしいダメージコントロールを行った乗組員・・・ジオンの兵隊ではあるが。
感謝の気持ちを捧げ、静止したこの空間から離脱した。

【行動:移動】
【残り行動値:0P】
【位置:U-10→S-9】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:取りあえず、コロニーを目指す 目的は無いけれど、動かないと仕方が無い】
112マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/08/23(月) 00:22:55 ID:???
「索敵終了。索敵可能範囲に機影……無し、と。」

索敵を終え、一つ息をつく。
"前回"と違って今回は他の参加者と会いにくい。
……それもそうだろう。教室で確認された初期参加者は4名。
あれからまだ追加の参加者が来ていないならば、他の参加者と遭遇する確率が低くて当たり前だろう。

……初めはアーレイ=スリングが戻ってくる、という可能性も考えたのだが……
彼が去り際に私に向けてきた殺気らしきもの。
それを考えれば、私を殺すためにすぐ戻ってきてもおかしくないだろうと思っていた。
だが、今のところそういう事はない……ようなのだが……。

「……?」

気のせいだろうか。先程から"右目"の奥が……痛い……?
いや……治まった。
実際には大した痛みでは無いのかもしれない。
だが、物心ついた頃には既に痛覚が壊れていた故に、痛みに慣れていない身体は
小さな異常を敏感に感じ取る。
こういった事は最近は無かったので少し不安だ。
……まあ、この状況では壊れかけの身体よりMSのレーダーの方がまだ信頼できる。

私は結果的に周囲に敵影無し、と判断して次の目的……対人用の武器が置いてありそうな施設の探査を始めた。


【行動:レーダー確認(-1) 周囲探査(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 ……?】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
113エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/08/24(火) 00:54:42 ID:???
数多くの兵器、将兵が眠る戦場跡抜け、開かれた宇宙空間へと出る。
障害物が殆ど無い空間に星々が瞬き、久々の開放感を覚えた。

俺は、一路コロニーへ前進していた。
目的は、他の参加者に会う事。

会ってどうするのだろうか。
このゲームとやらは、殺し合いだと言いう。
反抗者が目の前で殺されるという光景を目の当たりにすれば、
他の参加者も決心せざるを得ないのでは無かろうか。

ならば、相対即ち会敵と考えるべきか。
殺し合い、もとい戦いには慣れている。
だが、俺が体験してきたのは戦争で、ルールの無い殺し合いではない。
軍人は戦う為の存在であり、その生死に呵責は無い。

しかし、今回の相手は軍属とも知れない。
得体の知らない人物から殺意を向けられると言うのは正直な所、恐ろしい。
とはいえ、それはお互い様と言うものだろうが。

それにしても殺し合うために人を探すと言うのも、難儀である。

目下に、コロニーが近づいてきた。
レーダーは、以前沈黙を保っていた。

【行動:移動】
【残り行動値:0P】
【位置:S-9→S-5 コロニー外】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:人に会う】
114エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/08/30(月) 23:51:06 ID:???
ベイの入港ガイドビーコンをキャンセルし、隔壁へ張り付く。
手動開港スイッチを捻ると開き始めた隔壁を尻目に、一度距離を置いた。

暫く反応が無いことを確認し、入港する。
レーダーを注視しながらと内部を進むと、
内部隔壁を開き、コロニー内部が眼下に広がった。

何の反応も無いレーダーを、それでもマメにチェックしながら
コロニーの芯である、無重力地帯を航行する。
やがて、5分もしない内に対岸へ着いてしまった。

結局、このコロニーには誰も居ないらしい。

探索を始めた時から張っていた緊張を解くと、
コロニーベイ部の施設で、少し休憩を取ることにした。

【行動:探索−1】
【残り行動値:3P】
【位置:S-9→S-5 コロニーベイ】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:人に会う 休憩】
115マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/09/01(水) 19:16:38 ID:???
保守兼書き込みテストです。
116アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/01(水) 19:20:46 ID:???
取りあえず保守
117アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/02(木) 17:09:09 ID:???
男は暫しの物思いから現実へと戻った。
ここでこうして考えているだけでは腹は膨れない。
何はともあれ、あとは行動あるのみ。
コンソールスティックを握り直そうとして、ふと男は手のひらに微かな感触を覚えた。
それはどうやら汗のようだ。
「…まさか緊張でもしてるってのか?」
若干驚いた表情で、手を握ったり開いたりしてみる。
男にとっては意外ともいえる現象だった。
やはり自身で本物の戦闘を行う事は、いつも以上に神経を使ってしまうのか。

ごつんとヘルメットの上から頭を叩いた。
「らしくねえな…これからがお楽しみだってのに」
実際、食事を目の前にした男の精神はかなりの高揚状態にあった。
ともすれば弾けそうになる感情を、腹に力をこめて押さえつけている。
それはまさしく引き絞られた弓に似て、解き放てば真一文字に目標に突き進むだろう。
小さく深呼吸をすると、フットレバーを踏み込んでGキャノンを前進させる。
目的は勿論、あのコロニーだ。

そのまま暫く進むとレーダーが機影を捉えた。
考えるまでもなくマルグリットのザクだ。
ここからではマルグリットが搭乗しているかは分からない。
通信を送ってみたが応答がないため、現在は搭乗していないものと思われる。
ヘルメットの中で男が舌なめずりする。
このまま無人と思われるザクを撃ち落とし、マルグリットを絶望に突き落としたい欲求
に駆られたのだ。
勿論その行為は、食事を長く楽しみたい男の欲望にそぐわないから実行はしない。

さっきよりも大きく深呼吸した。
その時が近い事を感じ取り、一層落ち着こうと努力する。
ここで欲望のままに暴走してしまったら、せっかくの食事が台無しだ。
欲望の開放まではもう少しだけ我慢しなければならない。
男とGキャノンは、意外なほどの慎重さでコロニー港へと入っていった。

【行動:K-8に移動(-3)マルグリットに通信を送る(-1)】
【残り行動値:0p】
【位置:K-8(コロニー港)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
118マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/09/06(月) 00:27:03 ID:???
「うっ……。」

右目の痛みが治まらない。
むしろ痛みは増してきているようにも思えた。
遠い昔に痛覚を壊された私にとって、痛みは珍しいモノだ。
以前、痛みを感じたのは……前回大会で人を殺した時か。
と言ってもあの時痛くなったのは右目じゃなくて頭だったが。

じゃあ今回の原因はなんだろうか。
"まだ"今回の私は人を殺していない。
では私以外の参加者が殺したのだろうか。
でも、今回痛むのは右目……。
……まあ……いいか……気張りすぎているとか、そういうのだろう。

……さて、探査の結果だが、意外と近い場所に警察署があるのが確認された。
ビルの向こう側にあったために発見できなかったのだが、これぐらいの距離なら歩いていっても問題ないだろう。

私は機体から降り、警察署の方向へ向かおうとした、その時。

「っ……!?」

先程よりも強い痛みに思わず歩を止める。
なんだ……何か……近づいてる……?


【行動:警察署方向へ移動開始(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 起動中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 ……?】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
119通常の名無しさんの3倍:2010/09/06(月) 23:15:20 ID:???
てすと
120アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/09(木) 14:58:22 ID:???
港の中を通り、さっき出てくる時に使った隔壁へと向かう。
アーレイ=スリングに憑いていた時に見ていたから、構造については覚えている。
隔壁の開け方も覚えてはいたが、さすがに本職のアーレイ=スリングほど上手くはできない。
体を奪う事はできても、技術までは奪う事はできないのだ。
大雑把な事は見よう見真似でも十分できるが、細かい操縦はそう簡単にはいかない。
「………〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
言葉には出さないが、いらいらしているようだ。
食事という目標がなかったら、マシンキャノンでハッチを穴だらけにしていたかもしれない。
そんなのは弾の無駄遣いだというのは承知している。
しかし承知しているが故にいらいらしてしまう。

そんなストレスの溜まる作業を何度も繰り返して、ようやく最後の隔壁を開ける事ができた。
差し込んでくる人口の光は、妙に男の気持ちを落ち着ける効果があった。
それはただ単に、これ以上隔壁を開ける必要がないという安心感だったかもしれないが。
「…改めて見るとひれぇな」
コロニーの広大さに若干呆れたような声。
その街並みを見ていた男の表情が、また嫌そうに曇った。
「…あの女は、どこにいるんだ?」
頑張って隔壁を開けたら、今度は人捜しだ。
食事のためとはいえ、さすがに面倒くささが表情に出てしまったようだ。

実のところ、男には特定のものを感知する能力があった。
実際傭兵になったレイモンドは男の能力に助けられてもいる。
しかし今はその能力は殆ど使えない。
使えていたら、ザクに通信を送って所在を確かめたりはしないだろう。
相性の合わない体を奪った影響なのか、そこらへんの感覚がはっきりしない。
要するに今の男は、感覚的にも普通の人間と大差ないという事のようだ。
「くそっ…何だってこの体のせいでこんな苦労しなきゃならねえんだ」
アーレイ=スリングからしたら理不尽としか言いようのない文句を言いつつ、男はGキャノンを
街へと向かわせる。

「さ、てと…あの女はどこだ…?」
人っ子一人いない街を見下ろし、男はマルグリットを捜す。
「あ、そういやレーダーに…」
レーダーにザクが映っているのだから、基本的にはそちらへ向かうべきだろう。
ザクから降りているとすれば街中から捜し出すのは至難の業だ。
それならザクを見張り、マルグリットが帰ってくるのを待つ方がいいように思えた。
1回頷くと、男は構造物にぶつからない程度の高度でレーダーの光点に向かって移動する。
「…あれか」
男は建造物の間に、ザクの巨体が見え隠れしているのを見つけた。
機体から極端に離れる事はないだろうから、付近にいると見当をつける。
121アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/09(木) 15:01:53 ID:???
撃ってしまいたい衝動を抑えつつ回り込むように近づいてみると、ザクの足元に人影が見えた。
拡大するまでもなくマルグリットに違いない。
「…意外と近くにいやがんのな」
少々意表を突かれたが、早めに発見できたのはむしろ幸運だろう。
それに発見が早くても遅くても、男がすることに変わりはない。
男は外部マイクのスイッチを入れて、できるだけ落ち着いて話した。
「暫くぶりですマルグリットさん。
 ちょっとやり残した事があったんで戻ってきたんですけど…協力してもらえますか?」
余計な警戒心を持たれないよう、アーレイ=スリングの話し方を真似ている。
ヘルメットの奥の真っ赤な瞳が、ザクの足元の人影をじっと見つめる。

【行動:隔壁を開く(-2)マルグリットを捜す(-1)外部マイクで話す(-1)】
【残り行動値:0p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
122エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/09/22(水) 20:07:42 ID:???
コロニー内の索敵を終え、安全が確認されると
ジオングを港の補給施設に係留した。
推進剤はまだ十分な余裕が有ったから、補給は出発の時で良いだろう。

ヘルメットを取り、機体から降りると、久々の開放感に包まれる。
ようやく人心地がついたと言って良いだろう。
先に根城としていたCAチベは、状態が良いといっても傷ついた廃艦であり、
身近な所に注意を払わなければ無かった。

今はまず、窮屈な思いをさせてきた自身の体を伸ばしたかった。

港には作業員用の設備がある。
陸に上がらなくても、休憩だけならばここで十分だ。

【行動:機体係留-1 休憩-1】
【残り行動値:2P】
【位置:S-5 コロニーベイ】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:人に会う 休憩】
123マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/09/22(水) 23:29:01 ID:???
「……。」

右目の痛みを気にしつつ警察署へ。
確かに"嫌な予感"らしきモノはひしひしと感じる。
だが、予感などというモノに頼るつもりは今はない。
頼りになるのは予感よりも機械の情報。
目で見た物。
耳で聞いた――

―――ゴォン―――

「……?」

今、何か音がした……ような。
……自分以外、誰もいないコロニーで?
周囲を見渡してみるが、誰の姿も見えないし、音を立てるような物も見えない。
思い返してみれば、さっきの音はかなり遠くで鳴った音のように感じた。
遠く……ここまで聞こえるような音が鳴る場所……。

「あ……。」

思い至ってコロニ−港湾部へと繋がる隔壁の方を見る。
自分が入ってきた側……は閉まったままだ。

「まさか……まさか。」

もう片方の隔壁。数時間前、あの参加者が出て行ったはずの隔壁。
そこには、一機のMSがいた。
白色のMS。それは……数時間前、ここを立ち去ったはずの……。

「アーレイ……スリング……。」

ここを立ち去るときは一瞬しかその姿を捉える事が出来なかったが……間違いない。
機体名は解らないが、アーレイ=スリングの乗るMSだ。

「……う……ああ。」

以前向けられた殺気を思い出し、続いて今の状況を理解し、私は走り出す。
彼が"そのつもり"なら、私も、私のMSも次の瞬間には撃たれてもおかしくない。
走りながらも、何故先程の索敵で発見できなかったのか、とか
やはり"嫌な予感"は当たっていたのか、とか
彼は戻ってきたのか、それともこの時を待っていたのか、とか
……いや、それならモールにいる間にやられていたか……とか
色々思考したのだが、今はそんな事を考えている場合ではない……!

ザクの方へ走りつつ、隔壁から前進し上空に移動してきたMSを見上げる。
見た事が無い型ではあるが、形状から連邦系MSである事は推測された。
また、まだ距離があるので判りづらいが、宇宙世紀100年以降に造られたとされる小型MSの類だろう。
とりあえず目を引くのは両肩の二つの砲だが……それが実弾兵器なのかビーム兵器なのかは解らない。
あとは……ここから見えるのは外付け式と見られるミサイルポッドくらいだろうか。

そうこうしている内にMSの足下までたどり着いた。
だが、アーレイ=スリングのMSも既にザクの上空まで来ていた。
このままでは乗り込むのも危険なのだが……どういう訳か、未だにアーレイ=スリングは攻撃を仕掛けてこない。
何故だろうと思っていると……アーレイ=スリングは意外な行動に出た。
124マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/09/22(水) 23:30:28 ID:???
『暫くぶりですマルグリットさん。
 ちょっとやり残した事があったんで戻ってきたんですけど…協力してもらえますか?』

「え……?」

一瞬思考が止まってしまった。
彼がここを立ち去る前にこちらに向けてきた"殺意"。
これの所為で私は、彼が私を殺すつもりでここに来たのだとばかり思っていた。
だが上空のMSの外部スピーカーから聞こえてきたのは協力の要請だった。
……罠……というのはいくらなんでも考え過ぎか。今更そんな事をする理由が解らない。
ともかく、このままでは応えようが無いのでMSに乗らなくては……大丈夫だろうか。

私はザクの腕や足を蹴ってコックピットハッチによじ登ると、
そこから通信機を操作してノーマルスーツのヘルメットの通信機と繋ぎ、彼に応えた。

「暫くぶりです。協力するのは構いませんが……。
 何をすればいいんでしょうか?私に出来る事ならいいんですが。」

とりあえず、了承の返答を行う。
だが……なんだろう……解らない。
アーレイ=スリングの言っている事も、口調も、危険は感じないと頭は理解しているのに、


まだ"嫌な予感"がし続ける。


【行動:ザクに引き返す(-1)生徒番号3番 アーレイ=スリングに通信(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 起動中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 ……?】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 目的を知る 】



↑のレス、旧トリップですが同一人物です。申し訳ない。
125アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/29(水) 17:43:54 ID:???
言うだけ言ってから、マルグリットを見る。
何となく少なからず動揺している雰囲気が伝わってくる。
男が戻ってきた事に驚いているのか、それとも生身の体を晒している事に焦っているのか。
細かい原因までは探れないが、彼女のその感情自体は男には心地良いものではある。
しかしマルグリットが動揺を見せたのは一瞬だった。
すぐさまザクの手足を蹴ってよじ登り、コクピットに乗り込んでいく。
その行動の素早さと身のこなしは、素人にはあり得ない。
間違いなく何らかの訓練を受けた(または実戦を経験した)事があるのだろう。
戦闘になったらなったで、それは男も望むところである。
心のうちで密かな期待感を抱きつつ、男はマルグリットの応答を待った。

『暫くぶりです。協力するのは構いませんが……。
 何をすればいいんでしょうか?私に出来る事ならいいんですが。』
モニター越しにヘルメットを被ったマルグリットが応答してきた。
言葉の調子からすると、彼女は男を怪しんだりはしていないようだ。
まあ普通は、別の男が体を乗っ取ってるなどとは夢にも思わないだろうが。
男としては表情を見てみたかったが、ヘルメットのせいで表情が見えにくいのは残念ではあった。
「はい、マルグリットさんにしか頼めない事ですから」
ごく普通に話し1回頷く。
これについては男は嘘は言っていない。
他の参加者がどこにいるのか分からないのだから、男にしてみればそう言うしかない。
まあ他の参加者の居場所を知っていても、恐らく同じ事を言ったかもしれないが…。

コンソールスティックを握りなおす。
頭を2、3度振って小さく深呼吸。
多少の緊張を感じつつも、男は極力変わらない口調で話しかけた。
「と言っても、ごくごく簡単な事ですけどね。
何て言うか…俺の食事に付き合ってほしいんです」
傍から聞けばデートの誘いのように男は話を切り出した。
マルグリットがどう解釈しようが関係ない。
欲望を開放しようとしている男は、そこまで気を使おうとは思っていない。
「マルグリットさん…貴方を食べさせて下さい」
そう言うが早いか、男はザクに向けてダブルビームガンを放った。

【行動:観察(0)ザクに通信を継続中(0)ダブルビームガンを撃つ(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2(残量90%)、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
126マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/10/08(金) 00:14:59 ID:???
『はい、マルグリットさんにしか頼めない事ですから』

アーレイ=スリングの返答に、首を傾げる。
私にしか、出来ない事……?
"私に出来る事"なんて、あの人に教えただろうか。
"私に出来る事"なんて、結局の所、一つしか……。

『と言っても、ごくごく簡単な事ですけどね。
 何て言うか…俺の食事に付き合ってほしいんです』

「……え、食事……?」

再び意味がわからず、聞き返す。
どういう事だろう。食事?この状況下で一緒に?
これで余計、この人の事が解らなくなった。
とりあえず、ついさっき食べたところですとでも返すべきか。
だが、次の瞬間の彼の発言と行動は、私のそんな日和った思考を吹き飛ばした。

『マルグリットさん…貴方を食べさせて下さい』

「―――!」

アーレイ=スリングのMSの腕部が動く。
先程は見えなかったが、よく見ればそこには銃口らしき物が見えた。
だが、それがこちらに向けられる寸前に攻撃の意志は感じられた。
反射的にそれに対する行動を思考。
コックピットに戻る時間はない。
コントロールスティックを握る時間さえない。
どうにかして回避を。

どうやって―――?

「……ッ!」

ハッチから伸ばされた足に蹴飛ばされる左コントロールスティック。
ザクが本来あり得ないタイミングで身を捩る。
それに引っ張られる形で、私もさっきまでいた場所から高速で移動する。
直後にそこを通り過ぎていくビーム。
これを回避をしなければ、私は既にミンチより酷い状態になっていただろうし、
下手をすれば私の体は宙に投げ出されていた。


身に降りかかる"驚異"に対しての敏感さ。
物心ついたときから教え込まれてきた戦闘知識。
"前回で"培った様々な戦闘経験。

そのどれが欠けていても、このような曲芸じみた回避行動は成功しなかっただろう。

127マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/10/08(金) 00:17:30 ID:???
「……く……。」

と言っても不意をつかれたのもあったのだろう、完全に無傷とはいかなかった。
ノーマルスーツの右肩辺りが変色してしまっている。
恐らく、ビームが近くを通過したとき、その高熱で溶かされたのだろう。
だが、痛みを感じない体ではその下の身体の状態は解らない。
だが……右手は問題なく動く。なら、今は問題は、ない。
シートに収まり、機体をとりあえずビルの影に隠し、思考を再開。

―――身体状況に問題なし。
     敵機の武装はこちらにとって驚異的。
      宇宙用の機体かつ、相手の機体との開発年代差では恐らく機動力も装甲強度も凌駕されていると見るべし。
       ならば、こちらの能力を知られぬ内に即座に―――

……駄目だ。殺してはならない。
殺したら、"前回"と同じだ。
それは嫌だと、何度も考えたはずだ。


―――なら私は、どうすればいい―――


【行動:通信継続(-0) 回避行動(-1) ビルの影に移動(-1) 】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 右肩火傷(程度不明) 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない ……なら 】
128マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/10/08(金) 00:18:21 ID:???
>>127

すいませんまたトリップ間違えました。orz
129アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/10/08(金) 17:52:01 ID:???
Gキャノンが放ったダブルビームガンは1発のみ。
1撃で終わったりしないようザクに致命傷にならないように撃ったつもりだが…。
男の表情が曇る。
ザクの機体の陰で分からなかったが、マルグリットはまだコクピットに入っていなかった。
例えザクに致命傷は与えなくても、生身の人間は至近弾で蒸発しかねない。
満足に食事もしないうちに、マルグリットが消えてなくなる…。
瞬間、男の脳裏をそんな想像が駆け巡った。

しかしマルグリットの能力は、男の想像をあらゆる意味で上回ってきた。
殆ど機体の陰になっていてよく見えなかったが、マルグリットは何らかの方法でザクを操縦し、機体を翻してビームガンを躱し切ったのだ。
その際、振り回されながらも機体にしがみついているマルグリットが男にも見えた。
「おいおいおいおい」
その様を見ていた男は思わず苦笑していた。

もしも隣にレイモンドがいたら、男を押し退けてコンソールスティックを握っただろう。
本来ならば男は即座に追撃を加えるべきである。
あの状況でザクを動かした(だけでなく攻撃をも躱した)マルグリットの能力は驚嘆に値する。
しかし彼女にできたのはその1動作だけで、その後は機体から振り落とされないよう捕まっている
のが精一杯だった筈だ。
男が間髪をいれずに攻撃を加えれば、十中八九は撃破(若しくは撃墜)できただろう。
だが男はそうしなかった。
このままあっさり食事を終わらせたくないという思いはある。
だがそれ以上に、男は素直に驚いてしまった。
目の前の光景に目を奪われ、数秒間呆気にとられてしまったのだ。
実戦経験のない男としては無理もない事かもしれないが…。

ともあれ、男が逃したその数秒はマルグリットにとっては十分すぎる数秒だった。
素早くコクピットに入ると、即座にザクをビル陰へと退避させる。
しかし男は慌てていない。
確かにマルグリットの行為に呆気にとられてしまったが、それを失敗と捉えていないからだ。
「ああいう事ができるやつは、決まってただの人間じゃねえんだよな。
 …なんつったけ…ああ、サーティアだってあそこまで無茶な操縦はしねえぞ」
マルグリットの操縦を記憶にあった女性を例に挙げて例える男。
人間は時として男にも想像つかない事をやってのける。
プログラムを片手で戦い抜いたレイモンドにしてもその類だろう。

だからといって男の戦意には些かの衰えもない。
待ちに待った食事はこれからなのだから。
「マルグリットさんも付き合ってくれるっぽいですね。
 じゃあ…美味しく食べさせていただき…ます!」
Gキャノンをザクの隠れたビルに寄せ、飛び出しざまに左腕のダブルビームガンを連射。
実戦経験がないとはいえ、男も攻めるべき時ぐらいはわかている。
130アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/10/08(金) 17:53:25 ID:???
【行動:ザクに通信を継続中(0)ビルのそばに移動(-1)ダブルビームガンを撃つ(-1)】
【残り行動値:2p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2(残量:右腕90%、左腕80%)、脚部マウント式3連装ミサイル
    ポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
131マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/10/19(火) 00:12:25 ID:???
ビルの影から敵機の方向を探る。
……ここに逃げ込んでから3秒が経過している。
だが、どういう訳か敵機が追撃に来る様子はない。

その間に少しだけ、冷静に戻る事が出来た。
……とりあえず、機体の状態を確認。
注意は敵機に向けたまま、一瞬だけコンソールに目を通す。先程の攻撃による損害は無し。
駆動系、問題なし。この辺りは流石旧ジオン系の機体と言ったところだろうか。
宇宙用の機体とはいえ、重力下でも少しぐらいの無理は利くようだ。

4秒経過。
ここでもう一度、冷静に戻ってきた頭の中でさっきのアーレイ=スリングの言葉を反芻する。
私自身、まだ信じられないのだ。さっきの……

『…貴方を食べさせて下さい』

この言葉の意味が、全く理解できない。
私を、食べる……?
言葉通りに考えると…………やめて、おこう。
どちらにしても、好意的な言葉でない事は確かだ。

5秒経過。
レーダーを見る限り、敵機はまだ前進も後退もしていない。
なら、こちらから動くべきか。
敵機の性能と武装、こちらの性能と武装。
この2点から考えて、取るべき行動は……。

『マルグリットさんも付き合ってくれるっぽいですね。
 じゃあ…美味しく食べさせていただき…ます!』

「えっ!?」

またしてもアーレイ=スリングが通信と同時に起こした行動に不意をつかれた。
彼はこちらに近づき、ビルの影から飛び出してきたのだ。
……敵機はこちらより機動力に優れた中距離支援型の機体。
故に私は、後退して肩部の武装による攻撃を行ってくるのがセオリーだと思っていたのだ。
だが予測が外れた程度で驚いている場合ではない。既に左腕はこちらに向けられようとしている。
……また、さっきのビーム兵器!

「ッ!」

腕部のビームが発射される寸前に、一歩踏み出す。
そして左腕に装備したマシンガンの銃身で敵機の左腕を弾いた。
一発目のビームは弾く前に発射されたが、ギリギリの所で左腕を掠めつつ外れていった。
残りのビームは狙いを無理矢理変えられ、反対側のビルに直撃。
壁面の一部が吹き飛び、道路に面したガラスが全て粉砕されて地面に叩きつけられた。

「……!」

続いての行動は、染みつい……"染みつかされた"習性から来た反射だった。
―――機動力に差があるため、容易には接近できない敵機がすぐそこにいて、
    しかも左腕は無理矢理だが極めている。
     両肩の武装はまだこちらを向いていない。
      相手の右腕は確かに空いているが、体制はこちらが有利。
       故に、反撃を行うのに今以上の機会はない。―――
132マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/10/19(火) 00:13:19 ID:???

ザクの空いている右腕が右腰に伸び、続いて敵機に突き出される。
その手には逆手にヒートホークが握られていた。
ヒートすらさせずにほぼ抜き打ちの形で打ち出された鉄斧。
本来の威力は発揮できないが、双方の機体の重量差を考えれば、コックピットを叩き切るぐら……

「……!?、駄目!」

右腕が突き出される寸前に、とっさに鉄斧の軌道を変える。
命を狙われている状況でどうしてそうしてしまったのか解らないが、
とにかく無理矢理軌道を変えられた鉄斧は、意図したよりも一瞬遅れて敵機の右腕目がけて振り上げられた。


【行動:通信継続(-0) 攻撃回避(-1) ヒートホークで攻撃(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:左上腕装甲若干溶解 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 右肩火傷(程度不明) 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1)
            右腕:ヒートホーク(ヒート機能停止中) 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない ……なら 】
133アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/10/21(木) 16:28:07 ID:???
男は戦闘をしながら食事をしている。
前にも言った通り、その糧とはマルグリットの感情である。
でも感情であれば何でもいいというわけではない。
怒り、悲しみ、妬み、恐れ、憎しみ、驚愕…。
いわゆるマイナスの感情がこの男の主食である。
その感情が近ければ近いほど、そして強ければ強いほど男は美味しく食事ができるのだ。
その意味でプログラムは男にとっては歓迎すべきものであった。
自分で戦闘を行う事についても、許容範囲内ではある。
ここで問題があるとするならば…それは食事対象のマルグリットに対して、だろう。

人間が食事内容を選択できるように、男も感情を選り好んで食べる事ができる。
男もプログラム当初から、好みの感情を取り込もうとしていた。
だがこの広い空間に少人数しかいないために、殆ど感情を感じ取れなかった。
そこにきてのマルグリットとの戦闘だったから、男も楽しみにしていたわけだが…。
訓練されているからか、それとも生来のものなのかイマイチ強い感情を感じ取れない。
たしかに驚きや動揺の気配はあるが、それも蝋燭の炎の揺らぎのように小さなものだ。
男が満足できる食事にはまだ程遠い。
…だからこそ男は攻めなければならない。
美味い感情を味わうためには、それ相応の行動が要求されるのだ。

路地に飛び込み様に撃とうとした、Gキャノンの左腕があらぬ方向を向いた。。
男の想像以上にザクが近くにいたため、ビームガンの照準が完全に合うよりも先に跳ね上げられ
てしまったのだ。
勿論トリガーは引いてしまっていたため、放たれたビームは1発目がザクを僅かに掠めたが、2発
目は建物に命中して破片を撒き散らしただけに終わる。
しかし男は攻撃を外した事よりも、また食事の事に気が向いてしまった。
飛び込んだ瞬間、男はマルグリットからさっきよりも少しだけ強い感情を感じ取った。
まだ熟成されてはいないが、良い素材を使ったワインのような味。
その美味さに思わず笑いたくなるのを堪えつつ状況を見る。

マルグリットの感情を熟成させるには、更なる攻撃は必要不可欠だ。
それこそが一番の近道と言っても過言ではない。
攻撃と言っても今はザクとかなり接近しているから、使用できる武器も自然と限られてくる。
男は躊躇する事なくビームサーベルを選んだ。
この距離で最も使いやすく、攻撃力のある武器だと思ったのだが…。
男はここで少し勘違いをしていた。
確かにビームサーベルは攻撃力はあるが、この場面で使いやすい武器かといえばそうではない。
Gキャノンにとってこの距離でも効果を発揮し、且つ使いやすい武器はダブルビームガンである。
ダブルビームガンはその形状ゆえに近接距離でも使用でき、射撃時の隙も小さい。
ビームサーベルが取り出す→振るの2動作が必要なのに対し、ダブルビームガンは銃口を相手に
向けるという1動作で済むのだ。
しかし男はザクとの距離と武器の印象でビームサーベルを選んだ。
そしてGキャノンがビームサーベルを取り出して攻撃をするまでの時間は、ザクがGキャノンを攻撃する
のにも十分な間があった。
134アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/10/21(木) 16:42:17 ID:???
男が食事を優先した分もあってか、攻撃はザクが早かった。
矢継ぎ早に取り出されたヒートホークが、過熱する時間も惜しいとばかりに斬り下ろされる。
その一撃はビームサーベルを取り出したばかりの、右腕のダブルビームガンを叩き壊す。
「んなろ…!」
その衝撃に体勢が崩れ攻撃がワンテンポ遅くなったが、ここで躊躇するのは下策である。
男はGキャノンを小型MSらしい安定性で立て直すと、手の届く身近な目標…振り下ろしたザクの右
腕に向けてビームサーベルを横に薙いだ。

【行動:ザクに通信を継続中(0)体勢を立て直す(-1)ビームサーベルで攻撃(-1)】
【残り行動値:2p】
【位置:K-8】
【機体状況:右腕ダブルビームガン損壊】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×1(残量:左腕80%)、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
135エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/10/24(日) 02:23:17 ID:???
コロニーベイで働く社員や作業員の為の施設がある。
食堂に休憩用のラウンジ、シャワー室や狭いながらも宿泊できる個室もある。
それらの施設がコンパクトに纏められている為、休憩と言う目的には大いに適していた。

シャワーで垢を落とし、卸したての肌着を身につける。
食堂ではレトルトではあるが、久しぶりに暖かい食事にありつけた。

身を清めて腹を満たし、ようやく人心地を取り戻すと、体は更に睡眠を欲してきた。
そこで僅かの間だが世話になった施設に別れを告げ、再びジオングの元へ戻る。
仮眠ならば、機体でするのが一番安全だろう。

尚、水や食料は既に十分量があるので、手ぶらだ。
コックピットに身を滑らせ、緩くベルトを締める。

警報装置の動作を確認すると、ゆっくりとまぶたを閉じた。

【行動:休憩-1 仮眠】
【残り行動値:2P】
【位置:S-5 コロニーベイ】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:人に会う】
136マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/11/02(火) 23:54:39 ID:???
「サーベル!?」

ヒートホークが振り下ろされる寸前、敵機の右手にビームサーベルが握られるのが見えた。
敵機の外見からはサーベルは装備していないと思っていたので、これは完全な誤算だった。
だが、こちらの攻撃が届く方が一瞬早い。
僅かな衝撃音と共に、敵機の右腕の一部が潰されるのが見えた。
先程のヒートホークは敵機に命中。だが……浅い。右腕のビームガンを破壊するに止まった。
当初の想定では胴体……ではなく、右腕を破壊していたはずなのだが。
ただし、敵機の体勢を崩す事は出来たし、武器を減らす事が出来たのは大きい。
だが……

「速い!?」

敵機はこちらが思っていたよりも早く体勢を立て直し、ビームサーベルを振りかぶってきた。
体勢から見て横薙ぎの攻撃。回避は……間に合う!
スラスターは間に合わないので、ザクに地面を蹴らせ1ステップ後退する。
この距離ならそれで回避できるはず……。

「……!」

コックピットを僅かな衝撃が走る
だが、損傷を知らせるアラートは鳴らない。どこか他に損傷箇所は……?

「……ヒートホークがやられた?」

回避したと思っていたのだが、右腕のヒートサーベルの刃の部分が丸ごと消滅していた。
間合いを読み間違った……?
右目が塞がっている分の感覚の狂いを計算に入れてなかったのか。
次の瞬間コックピットに再び衝撃が走り、ザクの両足が地面についた事を知らせる。

……ここで一呼吸、と同時に現状を再分析する。
敵機の右腕武装を破壊する事には成功したが、こちらも武器を一つ喪失。
そしてここまでの動きから敵機の近接戦闘能力を上方修正。
ただの支援機だと思っていたが……小型MSというのもあるのだろう。小回りが利くようだ。
そしてビームサーベルがある事も頭に入れておく。
だがそれを考慮に入れても、これ以上距離を離すという選択肢は取れない。
火力の違いというのもあるのだが……。
さっきのヒートホークによる攻撃で気がついたのだ。
この距離なら、敵機の武装だけを破壊する事も不可能ではない……と言う事。
全ての武器を破壊すればもう、向かってくる事は無いだろうか。
こんな、品定めをされるような、奇妙な感覚はなくなる、だろう、か。
いや、殺して、無くしてしまわない、と、この感じ、は、
137マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/11/02(火) 23:55:35 ID:???

「……え、何?」

私は、今、何か……恐ろしい事を考えていなかった、か……?
……とにかく今は、余計な事を考えず、敵機を無力化させる。
撃破することよりも遙かに困難な事は解っている。
最終的にたった一人の参加者しか生き残れないこの戦場では、
ただの自己満足って事も解っている。
でも、それでも、人を殺すよりは……いい。

一瞬の分析と思考を中断し、敵機を見据える。
左腕と肩の砲。これを潰せば逃げられない事はない。
ならば。
右腕に残されたヒートホークの柄を敵機目がけて投げつける。
だがこれを直撃させる事によりダメージを与える意図はない。
敵機がこれを防御すればよし、回避してもよし。
とにかく、一瞬の隙を作る。

投げつけた直後に、左腰のヒートサーベルに右腕を伸ばす。
ここで全部の武装を使い潰してでも敵機を無力化させる……!

【行動:通信継続(-0) 攻撃回避(-1) ヒートホーク残骸を投擲(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:左上腕装甲若干溶解 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 右肩火傷(程度不明) 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
               フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 敵機の無力化 】
138アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/11/09(火) 18:00:52 ID:???
何とか体勢を立て直しつつ腕を振るGキャノン。
振り抜いた瞬間、ビームの
何かを斬ったのか、コクピットに僅かな振動が伝わってくる。
振動に釣られるようにザクを見やると、持っていたヒートホークが半分程度になっているのが分かった。
望んだ成果ではない事に若干表情をしかめる男。
しかし男が望んだそれは、いくら何でも贅沢と言うものだろう。
食事を優先して攻撃が後手に回り、ダブルビームガンを破壊されて体勢を崩されていたのだ。
Gキャノンの姿勢制御が(ザクに比べれば)優れていたとはいえ、その状態で相手の武器を1つ破壊
できたのだから寧ろ望外の成果であったと言える。

まあ、そのへんのところを男に言っても納得するわけがない。
これで納得するくらいなら、自分でMSを操縦してまで食事をしようなどと思わないだろう。
男はマルグリットの感情を味わうためには、相応の攻撃と成果が必要だと思っている。
武器1つの破壊は、男の意図する成果とはまだかけ離れているのだ。
武器を破壊するならば、それこそ全ての武器を破壊して戦闘力を喪失させるくらいの事はしなけ
ればならないだろう。

それにしても。
男は思う。
何故マルグリットはこうまで冷静でいられるのか。
そういう性格かもしれないが、何らかの訓練の賜物という感じがしないでもない。
どちらにしても、男にとってはマルグリットの冷静さは計算違いの1つではあった。
(…女1人の感情を喰うのにこうまで苦労するたあ……レイやアルバートに任せっきりにしてたの
が仇になったってか)
これまで2人にくっついているだけだっただけに、そういう思いが出るのも無理はない。
(色々な意味で)運が悪いといえばそれまでだが、獲物がマルグリットしかいない以上、男はここ
に全力を注ぐしかない。
「ん…」
男はマルグリットから新たな感情を感じた…ように思った。
一瞬だけ浮かんで消えた、強烈な敵意のようなもの。
しめたと思った瞬間には消えたから、それが何なのかは今のところ検討がつかない。

突然僅かに視界が揺れた。
いや、揺れたのは男の視界ではなく機体…正確に言えば頭部が揺れたのだ。
「?」
大胆にも敵前で考え事をしていた男には分からなかったが、その原因はザクが投げつけたヒート
ホークの柄だ。
投げられた柄が頭部に当たったせいで、視界が揺れたように感じたらしい。
振動が終わったカメラが捉えたのは、再度ヒートホークを抜こうとしているザク。
本来なら抜かせたくはないが、さっきの攻撃の際ザクがバックステップで後退しているため、ビ
ームサーベルは届かない。
距離を詰めるか離れるか。
Gキャノンの性能を活かすなら離れた方がいいに決まっているが、男はまだその気はないらしい。
139アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/11/09(火) 18:03:26 ID:???
男は残った左腕のダブルビームガンを2発放つ。
直ぐさま右腕のビームサーベルを構えて、バーニアを噴かして距離を詰めた。
ビームガンは、当たれば儲けものといった牽制射撃。
男は少しでもザクの動作を遅らせればいいと考えている。
本命のビームサーベルが狙うのは、ザクの腕。
機体の陰になっている左腕は狙い難いから、ヒートホークを抜こうとしている右腕に狙いを絞る。

【行動:ザクに通信を継続中(0)ダブルビームガンで射撃(-1)距離を詰める(-1)ビームサーベルで攻撃(-1)】
【残り行動値:1p】
【位置:K-8】
【機体状況:右腕ダブルビームガン損壊】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×1(残量:左腕60%)、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
140マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/11/24(水) 23:45:46 ID:???
こちらが投げたヒートホークの柄を、敵機は避けもせずに頭部で受けた。
それにより敵機が損傷を受けた様子はないが、一瞬程度の時間は作れたと考える。
動作を続行。
だが、右腕がヒートサーベルに届くよりも早く、敵機が左腕のビームガンをこちらに向けてきた。
こちらの予測より動作は速い。だが……これはまだ予測の範囲内。

「ッ!」

2発放たれたビームの内、一発が命中する。
だが、命中したのは丁度右半身を敵側に向けていた為に、機体前方に移動していたシールドだ。
これがビームライフル等なら只では済まなかっただろうが、命中したのは小口径のビームガン。
一発程度なら、シールドで何とか耐えられる。

敵機がビームサーベルを抜き、バーニアを吹かせてこちらに突撃してくる。
さっきのは牽制弾だったのだろう。
本来なら牽制弾を放って、そこから後方に下がって機体に合った距離まで下がるところだ。
だが、敵機はここであえて接近戦を選んだ。
おそらくだが……アーレイ=スリングは近距離での戦闘に拘る傾向があるのだろう。
故に先程までの私なら、ここでまた不意をつかれていた所だった。
だが、予測が出来ている上に真正面からの突撃なら……タイミングは計れる!

「……3、2、1……!」

敵機のビームサーベルが右肩のシールドの下半分を切り裂き、破片が右側のビルを粉砕する。
だがザク本体の損傷は若干右上腕部を溶かされた程度だった。
ビームサーベルが振り抜かれる直前に再度バックステップすることで、ギリギリ攻撃範囲から逃れたのだ。
そして、目の前にはビームサーベルを振り切った状態の敵機がいた。

「……ここ!」

再度、抜き打ちで放たれたヒートサーベルが正面にあった敵機左腕目がけて下段から斬り上げられた。

【行動:通信継続(-0) 攻撃防御・回避(-2) ヒートサーベルで攻撃(-1)】
【残り行動値:1P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:左上腕装甲若干溶解  右肩シールド半壊
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 右肩火傷(程度不明) 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腕:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
               フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 敵機の無力化 】
141アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU
牽制で放ったビームガンがザクに向かって伸びる。
1発目…外れ。
2発目が命中。
ザクの巨体が僅かに揺らぐ。
男はGキャノンを間髪入れずに突っ込ませた。
ビームガンが命中したのは偶然だろうが、その偶然を活かさないわけにはいかない。
寸前でGキャノンを急停止させながら、ザクの右腕にサーベルを振るう。

攻撃への布石も、攻撃のタイミングも男にすれば上出来だった。
Gキャノンの右腕からも、何らかの手ごたえが伝わってくる。
しかし次の瞬間、コクピットはこれまでで1番激しい振動に襲われた。
同時に鳴り始める警告音。
「ちい!」
何らかの損害をこうむった事は分かるが、今はそれに目を向けている暇はない。
まだザクは間近にいる。
攻撃できる体勢であるのなら、躊躇する理由はどこにもない。

停止したバーニアを再度吹かす。
右腕のビームサーベルはそのままに。
さっき右に薙いだビームサーベルを、ザクの右横をすり抜けざまに今度は左に横薙ぐ。

【行動:ザクに通信を継続中(0)ビームサーベルで攻撃(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:K-8】
【機体状況:右腕ダブルビームガン損壊、左腕大破】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】