ガンダムバトルロワイアル新大会やろうスレ

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1通常の名無しさんの3倍
依然あったリレー小説スレ「ガンダムバトルロワイアル」に関連するスレです

旧大会(第四回大会)のもの
テンプレ
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/tennpure.html
情報集積所
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/index.html
旧大会(第一回〜第三回)
ログ
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/rogusouko.html


緊急避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/1156/

現在は緊急避難所でのまばらなやろうかやるまいかの話だけです
現状アクティブなのはココだけなので、こちらにスレを立てさせていただきます

自分もちょくちょく見にはきますが多くの人が参加してくれることを願います

2通常の名無しさんの3倍:2010/02/13(土) 06:05:33 ID:???
本当に立てる奴がいたとは…

しょうがねえな、付き合ってやるから早く準備しな(ワクワクを抑えながら)
3通常の名無しさんの3倍:2010/02/13(土) 13:24:24 ID:???
>>2
まぁこのスレで人を集めて準備するというコトを趣旨としているんで
多分情報集積所やらログ管理所やらもwikiに置き換えてとか
いろいろあるんだが俺にそんな能力はない!
みんなに助けてほしい。というのが本音 まぁけっこう他力本願だったり

なんにしても参加者と先生募集からだねぇ
4通常の名無しさんの3倍:2010/02/14(日) 04:44:34 ID:kSyrfgw9
ttp://axiz.fcpo.net/test/read.cgi/axiz/1129983472/l50
アクシズにあった管制室を引っ張り出してきた
5通常の名無しさんの3倍:2010/02/15(月) 06:00:17 ID:NDkYgBz4
まぁいろいろなモンサルベージしてきたが
参加したいと思っている方はレスをいただけるとありがたいです。
現状私と>>2だけという状態であればリストやらなにやらを用意するのにも
無駄に作ってしまいそうで。

人が居るってことでまた集まってくるかもしれませんし。
6通常の名無しさんの3倍:2010/02/15(月) 13:57:31 ID:???
オーケイ、付き合おう。
3人目の予約を入れさせてもらうよ。
7通常の名無しさんの3倍:2010/02/16(火) 02:28:19 ID:XEbjVkxJ
ttp://www29.atwiki.jp/ngbr/pages/1.html

@wikiを作成準備しました。マニュアル見ながらの編集ですがご容赦を
ただいまくじリストを作成しております。

マップは宇宙か地球かにもよりますし。まだまだ先のことになるでしょう
8通常の名無しさんの3倍:2010/02/17(水) 03:05:02 ID:???
マップを宇宙にするか地球にするかによってリストが進まないです・・・
順次できかけのものをwikiにアップしつつ作業を進めております。
見ている方がいらっしゃったらどんどんレスしてください。
準備している身には励みになりますので。

だれかマップを宇宙か地球かで決めてほしいものです。
17日中にレスない場合は勝手にどっちか決めちゃうかもしれないです。

ある程度人が集まれば開始する予定ではあります。
9通常の名無しさんの3倍:2010/02/17(水) 20:28:10 ID:iO5a97vZ
宇宙・地上共にマップを作ってしまった

といってもほぼ旧大会のものを流用・改造したものだが
10通常の名無しさんの3倍:2010/02/17(水) 21:23:25 ID:???
ノシ
俺も参加表明させていただきます。
でマップですけど、俺的には第4回が地上だったから宇宙がいいかなとは思いますが…

>>9
マップ製作乙です。
新マップみたいに凝る必要はないと思いますよ。
俺は前回と全く同じマップでも楽しむ自信がありますし。

11通常の名無しさんの3倍:2010/02/17(水) 22:11:46 ID:iO5a97vZ
>>10
やぁ、ありがたいことだね
自分個人としては地上が好きだったんだが、まぁバランスで宇宙でいくかね

リスト作ってwikiにあげるから参加者は見てほしいぜ
18日AM3:00までにはあげるよ
12通常の名無しさんの3倍:2010/02/17(水) 23:23:38 ID:???
機体リスト完成につきwikiに掲載
13通常の名無しさんの3倍:2010/02/17(水) 23:41:11 ID:???
  A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z 
01■■■□□※□□□■■■■□■■□□□■■■■■□■
02■※■□□※□□□□■■■■□□□□□□□■■■■※
03■□□□※▼※□□□□■■□□□□□□□□□■■■■
04□□□▼▼▼□□□□■※■□□□□□□□□□■※■■
05□□□□▼▼□□□□■■■■□□□〓〓□□□□□□■
06■□☆☆□□□□□■□□□□□□□□□□□■□□□□   □:開かれた空間
07※※※■■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□   ■:暗礁空域
08■※※■■□□□□〓〓□□□□□■□□□※※□□□□   ※:戦場跡
09■■※■■□□□□□□□□■□□□□□※□※□□■■   〓:コロニー
10■■■■■□□□□□□■■■※※※□※※※※※□□■   =:半壊したコロニー
11■□■■■■□□■□※■■■■※□□□※※※□□□■   ▼:小惑星基地
12■■■■■□□□□□※■■●●■■□□□※□□□□■   ●:コロニー改造要塞
13※■■■□□□□※□■■■■■■■■□□□□□■□■   ☆:防衛システム地帯
14■■□■□□□▼□□☆■※■■■□□□□□■■■■■  
15■■■■■□□▼□□□☆■■□□□□□※※■■※■■   ◎:侵入禁止区域
16■□■■□□□□□□□□□□□□□□□※※□□■■■   ×:侵入禁止予告区域
17□□■□□□□□□□□■■■□□□□※※□□□□□■
18※□□□□□□□□□■■■□□□□□□□☆■■□□□
19□□□□□□==□□□■■==□□□□☆☆□□□□□
20□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□▼▼※□□
21□□□〓〓□□□□□※□※※□□□□□□▼▼▼※□□
22■□□□□□□□□※※※※□□□□□□▼▼▼▼▼□□
23■■□□□□□□□□※※※□■□□□□□▼▼▼□□□
24※■■□□□□□■□□※※■■■□□□□□□□□□■

作ってみたマップ
14通常の名無しさんの3倍:2010/02/18(木) 03:33:32 ID:???
各種クジがそろいました
あとは序章用意してクジに番号割り振れば開始の準備が完了いたします。
15通常の名無しさんの3倍:2010/02/18(木) 11:30:39 ID:uAQ3lDxi
何はなくともあとは人やね
16序章@先生 ◆wWIZCWYluM :2010/02/19(金) 03:06:56 ID:???

「今から、てめぇらには殺し合いをしてもらう。」

何の前触れもなく、突然男は言い放った。

学校の一室のような部屋、唯一違うところといえば、
性別も年齢も、人種もまるでてんでバラバラだということくらいだ。
目覚めたときにはすでにこの部屋に置かれた机に伏せっており、
そして彼らは”共通点”に気づく。

”共通点”に手をやると、冷たく硬い感触がある。

ざわめく室内
そして、その静寂を破る男の一言。
後ろには、武装した何人もの兵士がいる。

男の顔には額から左目、ほほにかけた戦傷らしき傷が見え、体格から軍人であるらしいということがわかるのみ。
そして男は続ける。

「これから、ルールを説明していくからな。一度しかいわねぇからしっかり聞けよ。」

『ふざけろアル!何故貴様の言うこと聞かねばならんネ!私は帰らせてもらうヨ』

室内に乾いた音が一つ響いた。
―――ドサリ―――
声の主はそのまま永遠の静寂へと崩れ落ちる。

【生徒番号無し:パー・ウー・ピン死亡 死因:銃殺】

「うるせぇんだよ、おとなしくしてろよクズが。あ、あと俺のことは先生って呼ぶように。」
17序章@先生 ◆wWIZCWYluM :2010/02/19(金) 03:08:04 ID:???
まだ硝煙が立ち昇る銃を握ったまま男は罵声を浴びせる。
そして、何事もなかったかのように続けるのだ。
周りにいたものは事態をつかめず、また死への恐怖から黙りこくる。

「……まぁルールは大体こんなもんだ、質問のあるヤツはいるか?  
   なければ、この後もう一度薬でオネンネしてもらうことになる。
   そのまま、支給MS・武器を添えて各地に射出する。俺はここでてめぇらを監視してるからな。
   んじゃ、紙と鉛筆配るからそこに”私達は殺し合いをします”って3回かけや、以上。」


紙と鉛筆を配りだす先生、そして最前列の男がその背後にすかさず立ち先生の腰から拳銃を奪う。

『大哥の仇ネ、死ぬヨロシ!』

引き金が引き絞られるより前に、先生は男を捕らえ拳銃を奪い返す。

「あーてめぇらに一つ説明し忘れたことがあるわ、 
 これなー、てめぇらの唯一の”共通点”の首輪だ、
 コイツはさっき説明した禁止エリアやら不穏な動きを見せたやつに対して使うモンでな。」

先生はポケットからリモコンを取り出す。
捕らえられた男は抗うものの、まったくの意味を成さない。
そして先生はリモコンのスイッチを押す、すると暴れていた男の首輪が反応し始めた。

『な、何アルか?コレは何アル?』

うろたえる男、その数秒後首輪が弾け飛ぶ。
男の周囲は血の海と化し、悲鳴が室内にこだまする。

【生徒番号無し:リャン・ウー・ピン死亡 死因:首輪爆発による失血死】

「じゃあ説明し忘れもないみたいだし、
 こいつみたいになりたくなければがんばって殺しあうこった。
 んじゃ、健闘を祈る。」
18先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/19(金) 03:11:04 ID:???
準備が整いました、ただいまより本スレで第1期生徒募集を開始いたします。
なお、登録されました生徒は開始までしばらくお待ちください、
こちらで開始をコール後の開始となります。

また、クジ詳細など各種はwikiをご覧ください
19通常の名無しさんの3倍:2010/02/19(金) 19:11:31 ID:wobbUUU2
始まるの早!
まだキャラも固まってないから少し待ってくれい
20先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/20(土) 00:55:38 ID:???
>>19
待ちますよー
一応23日スタートで考えてますー
初期メンバーはとりあえず順次生徒登録していただくという形で考えてます。
なんで23日かって言うと仕事の都合でゴールデンタイムにアクセスできる日程が
23日24日25日だけなんですねー今月は


あと、私管理やりつつキャラ登録したいんでそのときは誰かにクジ代理で引いてもらおうかな
21通常の名無しさんの3倍:2010/02/22(月) 00:21:46 ID:???
あれ、もう始まってるの?
人がある程度集まるまでは話し合いでもしてまったり進行してくのかと思った
ルール思い出すのもキャラを決めるのも全然進んでないから今しばらく待ってくれ…
22先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/22(月) 01:17:58 ID:???
>>21
ごめんね勝手なことして
でもはじめちゃったほうが人集まりやすいかと思ったんだ。
今大会に関しては管理はきっちりとやるし
人数少なめの早期終結で集まった人で話し合いで次いったほうがスムーズかなと思ったんだ
人が予想以上に集まり悪いから開始はしばらく延期するもよし
23通常の名無しさんの3倍:2010/02/22(月) 09:42:29 ID:sTrmdU9Z
生徒募集age
24通常の名無しさんの3倍:2010/02/23(火) 23:06:32 ID:???
うーむ、なかなか集まらんもんだな。
どっかで宣伝とかできたらいいんだが…。
25先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/24(水) 00:47:42 ID:???
>>24
そうですね〜
パロロワ関連のスレに宣伝するか
こういうのにホイホイ参加するのはVIPなんですがVIPPERは飽きも早くて放棄者が
多く出そうで怖いですしね

あとはキャラ固まってる人が一人も登録されてないから登録しにくい雰囲気では?
と思っていたり、ただ単に構想が固まりきっていないだけかも知れませんが
26通常の名無しさんの3倍:2010/02/24(水) 20:00:28 ID:M/EKdeY0
第3回の時は、某居酒屋スレにリーア先生が宣伝に来たんだよ。
俺、当時そのスレよく見てたんだけど、リーア先生の宣伝見てやってみようかな、と。

キャラ作りとか何も分からず参加したもんだから、最初と最後ではキャラの印象が随分違うw
まあバトロワを続けていくうちに慣れたというか、こつが分かってきたからキャラも変わっていったんだと思うけど。

27通常の名無しさんの3倍:2010/02/24(水) 20:20:02 ID:???
まぁ、でも舵は切り始めたんだし
そんな焦らず少人数で進めてみるのもいいんじゃない?
あの時はバトロワ系のスレ全盛期+1回2回やってきた実績があったからこその参加人数だし
さて、久々のキャラは真面目に行くべきかネタに走るべきか…
28通常の名無しさんの3倍:2010/02/24(水) 21:59:09 ID:???
そだね。
今は塾なんかも少人数制とかあるし(笑)
のんびりやってけば、後からでも参加してくれる人もいるかもね。

俺は第4回の頃から考えてたキャラいるけど、それは今回はやめて自由に作ろうかなと思う。
温めていたキャラは…まあそのまた次の機会があればね。
29先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/24(水) 23:29:06 ID:???
うーん正直早漏しちゃった自分としてはゴメンナサイという感もありますね
宣伝は節度を持ってご自由にと言うことで
こちらは管理側キャラを固定しておきますか
30通常の名無しさんの3倍:2010/02/25(木) 14:50:18 ID:???
避難所から転載します。

【氏名】エルゥド=サララ=ルダブーファ
【年齢】28
【性別】男
【容姿】頭髪は黒のショートカット、眼孔はグレーで目つきが鋭い。
    均整な体躯を持つ、人種はアジア系の混じった中東系
    身長180cm、体重67kg
【私物】パイロットスーツ、写真一枚
【経歴】地球連邦軍所属、階級は大尉。
    元はサイド4に住んでいた一般市民。
    一年戦争時に徴兵され、現在までを軍人として過ごす。
    現職は小隊長クラスのMSパイロット。
    第一次ネオジオン抗争の最中、プログラムにより拉致される。
【長所・短所】
    感情は人並みに持つが顔に出難い。
    仕事では支障なく喋る(筈)、基本的に寡黙。
    数々の戦場を経ているベテランで、RGM系列の運用に秀でる。
    戦争に対する考えや生死観は淡白。
    冷酷な部分もあるが、殺人願望等が有る訳では無い。
31先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/25(木) 20:12:05 ID:???
管理側も把握いたしましたー
私の参加キャラも出来上がっているんですが載せたほうがいいですかね〜?
あとクジ番号も書いておいて下さいねー避難所でかまいませんのでー
32先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/26(金) 00:09:46 ID:???
【氏名】アーダルベルト・フォン・ブラントミュラー
【年齢】29
【性別】男性
【容姿 金髪で長髪、髪を後ろでくくっている
    瞳の色は青で周囲より頭が一つ飛び出るぐらいの長身
    服装はジオン軍の軍服(将官)一式
【私物】タバコ ライター 携帯灰皿 ドックタグ(部隊章のストラップ付)

【経歴】U.C.0050生まれ20歳の時にジオン共和国国防隊少尉として任官
    機動教導大隊を経て一年戦争時にはドズル・ザビ中将麾下のMS師団において
    ルウム戦役・第一次降下作戦へ参加、功績により大佐へ昇進
    ソロモン防衛隊へと転属となる。
    ソロモン第9MS師団設立時に准将へ昇進、師団長へ着任する。
    ソロモン及びア・バオア・クー防衛戦に参加 
    ア・バオア・クーにおいてギレン総帥死後撤退するも連邦軍の追撃に会い、
    乗艦が撃沈・宇宙漂流中にプログラム側に拾われる結果に。
    
    余談ではあるが、部下に対してはかなり厳しく撃墜されかけた部下に
    説教を5時間もするなどという逸話もあるが、
    コレは彼なりの部下思いであると本人は思っているようだ。
   
【長所】職業軍人であり、またMSでの戦果において昇進してきた名実共にエースであることから
    MSの操縦技術、白兵戦に対する技術・体力などは申し分ない。


【短所】基本的には軍人としての能力以外は、料理を除いて
    まったくもって不器用である。本人曰く
    「自分にできる職なんてものは、軍人ぐらいしかなく、食うために軍人になった。」
    と言わしめるほどである。

先生なのになんで参加キャラ?ジョーカー?とか思われそうですが
普通に参加したいだけなのですはい。クジは誰かに引いてもらいましょうかー
機体クジだけAクジ指定で
33通常の名無しさんの3倍:2010/02/26(金) 13:49:01 ID:???
>>32
では僭越ながらクジを引かせていただきますー。
何が出ても恨みっこなしでお願いします(笑)
それでは…
A-18にしますね。

機体の番号だけでいいんですよね?
34先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/26(金) 14:46:40 ID:???
>>33
武装とアイテムも引いてくださいな。
中身割れてるんで人に引いてもらわないと
35先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/26(金) 14:50:22 ID:???
>>33
今クジの中身確認してきましたが・・・恨むぞ・・・艦船なんてややこしいもの引きやがってー
もう一丁機体クジ込みで3つ誰か引いてください
3633:2010/02/26(金) 17:53:11 ID:???
>>35
いきなり引き当ててしまいましたが…。
HAHAHA…まあいい寝床が見つかったと思って大目に見て下さい。
それでは再度クジを引きますよー。

機体…A-1
武装…b-10
アイテム…55

でお願いします。
37アーレイ=スリング ◆Ml1xdObljU :2010/02/26(金) 23:56:03 ID:???
【氏名】アーレイ=スリング
【年齢】20
【性別】男 
【容姿】真ん中で分けたブラウンの髪と紅い瞳。 
     少し細身ではあるが、鍛えられているのかひ弱には見えない。
     着ているのは普段着のTシャツとジーンズ。 
【私物】携帯ゲーム
【経歴】元地球連邦軍テストパイロット。
     本人は後方支援を希望していたが、たまたま受けた適正検査でパイロットの才能を
     見出され、テストパイロットとしてMSを操縦していた。
     なかなか腕が良かったため評判も悪くなかったが、ある時ヘビーガンのテスト中に錯
     乱し、多数の死傷者を出す事件を起こす。
     本人に聞いても何も答えなかったため錯乱の理由は全く不明。
     本来なら銃殺だが、たまたま組織から人材の要望があったため、もみ消しの意味も
     込めてプログラムに送られる。

【長所】テストパイロットとしていくつかのMSを操縦していたため、MSの扱いには慣れている。
     もともと後方支援を希望していたので、整備もある程度こなせる。

【短所】実戦経験がない。
     錯乱の影響か、以前に比べ性格が荒くなっている…という噂。 


とりあえずプロフを投下します。
実は結構ネタ的要素を含んだキャラになった…。
38アーレイ=スリング ◆Ml1xdObljU :2010/02/27(土) 00:00:05 ID:???
あ、そうだくじ引きの事忘れてました。

機体…C-39
武装…a-5
アイテム…80

でお願いします。
39先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/02/27(土) 04:42:10 ID:???
アーレイ=スリング様登録受付ました。

wikiを更新しております
アーレイ=スリング初期装備は
機体…C-39 Gキャノン(狙撃機)(初期武装 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、腕部ダブルビームガン×2)
武装…a-5 脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2(ザクU)
アイテム…80 歩兵用ヘルメット(頭上に注意)

私のキャラの装備はwikiで確認してくださいね。
艦船はけっこう配置してるんでもしかしたら艦隊戦レベルに!?
40先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/03/03(水) 22:44:08 ID:???
お、鯖復旧してる
4人目の生徒も登録しましたよっと。

ぞろぞろ集まってきて私はうれしいです。
41先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/03/04(木) 16:34:52 ID:???
wikiの「所持品・移動など関するルール」に項目を複数追加しました
参加者の方々はご覧ください
42先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/03/07(日) 19:14:28 ID:hzkLG1Fo
生徒さんこないなーと思いつつ上げで

開始日時もこないのならそろそろ4人で始めちゃおうかと考えてたり
43通常の名無しさんの3倍:2010/03/08(月) 11:57:58 ID:???
なんとかもう1人2人は欲しいとこですけど…。
でも中途半端な気持ちで参加してほしくないってのもありますし。

…難しいっすねぇ
44先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/03/09(火) 20:47:45 ID:8SUlWgHi
管理側から開始日時をお知らせいたします。

2010/3/13(土)18:00を持って新大会を開始したいと思います。
現在登録中の生徒の方はご準備願います。
また参加検討中の方はお急ぎください
なお途中参加も可能です
45先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/03/13(土) 18:03:56 ID:/i813SXb
お知らせです

ただいまより新大会開会をお知らせします

  A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z 
01■■■□□※□□□■■■■□■■□□□■■■■■□■
02■※■□□※□□□□■■■■□□□□□□□■■■■※
03■□□□※▼※□□□□■■□□□□□□□□□■■■■
04□□□▼▼▼□□□□■※■□□□□□□□□□■※■■
05□□□□▼▼□□□□■■■■□□□〓〓□□□□□□■
06■□☆☆□□□□□■□□□□□□□□□□□■□□□□   □:開かれた空間
07※※※■■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□   ■:暗礁空域
08■※※■■□□□□〓〓□□□□□■□□□※※□□□□   ※:戦場跡
09■■※■■□□□□□□□□■□□□□□※□※□□■■   〓:コロニー
10■■■■■□□□□□□■■■※※※□※※※※※□□■   =:半壊したコロニー
11■□■■■■□□■□※■■■■※□□□※※※□□□■   ▼:小惑星基地
12■■■■■□□□□□※■■●●■■□□□※□□□□■   ●:コロニー改造要塞
13※■■■□□□□※□■■■■■■■■□□□□□■□■   ☆:防衛システム地帯
14■■□■□□□▼□□☆■※■■■□□□□□■■■■■  
15■■■■■□□▼□□□☆■■□□□□□※※■■※■■   ◎:侵入禁止区域
16■□■■□□□□□□□□□□□□□□□※※□□■■■   ×:侵入禁止予告区域
17□□■□□□□□□□□■■■□□□□※※□□□□□■
18※□□□□□□□□□■■■□□□□□□□☆■■□□□
19□□□□□□==□□□■■==□□□□☆☆□□□□□
20□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□▼▼※□□
21□□□〓〓□□□□□※□※※□□□□□□▼▼▼※□□
22■□□□□□□□□※※※※□□□□□□▼▼▼▼▼□□
23■■□□□□□□□□※※※□■□□□□□▼▼▼□□□
24※■■□□□□□■□□※※■■■□□□□□□□□□■
25※■■□□□□□■□□※※■■■□□□□□□□□□■

46先生@”管理” ◆wWIZCWYluM :2010/03/13(土) 18:06:05 ID:/i813SXb
マップ 
各地形の説明

□ 開けた空間
 ほとんどデブリもない、開けた宇宙空間。
 移動は極めて楽ですが、遠くからも視認されやすく、物資の獲得はほぼ望めません。
 MAや、SFS・艦船に乗っているMSは、1点の行動値で2マス分移動できます。

■ 暗礁空域
 壊れたコロニーの残骸や、岩塊を中心としたデブリ地帯です。
 移動時には慎重に動かないと、岩塊に衝突して自滅するでしょう。
 身を隠したり生活物資を探したりするにはいいですが、戦闘関係の物資はほとんどありません。

※ 戦場跡
 暗礁空域よりも密度が薄く、戦艦やMSの残骸を中心としたデブリ帯です。
 どうやらここは、昔戦闘があった跡のようです。
 無傷のものはほとんどありませんが、多少は武器や弾薬・推進剤の補給が見込めるでしょう。
 ただ、見たくもないような無惨なものを見てしまうかも知れません。

= 半壊したコロニー
 戦闘により外壁などが傷ついたコロニー。住民はおらず、また破壊箇所もそれぞれです。
 重力はありませんが、ところどころ空気と物資は残っているようです。
 ですが、いつまた崩壊が始まるかわからないという点があります。

〓 コロニー
 無人となったコロニー。重力と空気は残っていますが、住民はいません。
 生活用品を中心に、さまざまな物資を獲得することができるでしょう。
 マップ上、2マス分で一つのコロニーとなります。

▼ 小惑星基地
 ルナ2やアクシズのような小惑星軍事基地です(その両者よりも小さめですが)。
 エリア内には、大中小の3つが存在しています。
 施設が整っていて、多少の武装強化も望めますが、中は入り組んでいて迷路のようです。
 戦闘するにも探索するにも、緊張を強いられることになるでしょう

● コロニー改造要塞
 茨の園のようなコロニーを改造・要塞化した軍事基地です。
 周りの暗礁地帯がその隠れ蓑になっています。
 外壁には通常のコロニーよりも装甲が施されていますが耐久力は小惑星基地ほどではありません
 また、軍事拠点であることから、生活物資および軍事物資の補給もできるかもしれません
 ベースがコロニーであるため迷路のように迷うことはありませんが、防御力も低いので
 攻撃力次第では、崩壊してしまうかもしれません。

☆ 防衛システム地帯
 拠点防衛用システムが設置されている地帯です。
 ところどころシステムが不安定で小惑星基地からのコントロールで再起動が必要なものや、
 そのまま生きているもの、完全に死んでいるものさまざまです。

◎侵入禁止区域
 ティーチャーにより立ち入り禁止が告げられたエリアです。
 このエリアに侵入すると、参加者の首につけられた首輪が問答無用で爆発します。
 みなさん、くれぐれも移動の際にはご注意を。

×侵入禁止予告区域
 ティーチャーにより、間もなく侵入禁止区域になることが予告されたエリアです。
 予告から現実時間で48時間(劇中の時間で4時間)経過すると、上の侵入禁止区域に変化します。

47アーダルベルト・V・ブラントミュラー ◆wWIZCWYluM :2010/03/13(土) 19:51:20 ID:/i813SXb
私達は殺し合いをする
  私達は殺し合いをする
    私達は殺し合いをする


はぁ、まるまる一年殺し合いなんて散々してきたというのに。
なんでまたこうわざわざ紙に書かなきゃいかんのかねぇ。

そもそもこいつらの目的は何だ?こんな物々しい格好しやがって
意味があるのかね?こんな戦争でもなんでもないものに。

いまさら生き残ったことを喜ぶ気にもならんさ……
だが、せっかく生き残ったんだ、コレも何かの思し召しってヤツかね?
48アーダルベルト・V・ブラントミュラー ◆wWIZCWYluM :2010/03/13(土) 21:19:21 ID:/i813SXb
『今から、てめぇらには殺し合いをしてもらう。』
"今から、あなた達には殺し合いをしてもらいます。"

同じだ

『これから、ルールを説明していくからな。一度しかいわねぇからしっかり聞けよ。』
"これから、ルールを説明します。1度しか言いませんからしっかり聞くように。"

同じだ

『うるせぇんだよ、おとなしくしてろよクズが。あ、あと俺のことは先生って呼ぶように。』
"静かに。大人しくしていないと、皆さんこの方のように無駄死にすることになる。
 あと、私のことは先生と呼ぶように。"

同じだ

2年前と何も変わらない。また私はここにいる。

 私達は殺し合いをします
   私達は殺し合いをします
    私達は殺し合いをします

2年前と何も変わらない。また私は同じ事をしている

『じゃあ説明し忘れもないみたいだし、
 こいつみたいになりたくなければがんばって殺しあうこった。
 んじゃ、健闘を祈る。』

先生が部屋から出て行った直後、睡眠薬が効き始めたのか意識が遠のく。
次に起きたときはMSの中で、戦場の中なのだろう。

「……私は……。」

私は2年前何を学んだ。
敵の効率的な殺し方? 無害な人間の装い方?

「今度こそ……。」

2年前の結果は変えられないけれど。
今回は違う結果に出来るだろうか。
さあ往こう。
闘いは始まったのだ。

転載しますねー
49アーダルベルト・V・ブラントミュラー ◆wWIZCWYluM :2010/03/13(土) 21:20:16 ID:/i813SXb
っと失礼
>>48
マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6
のものです転載です
50エルゥド ◆uGo4IMN91k :2010/03/13(土) 22:50:36 ID:???
一体、どうなっているのか。
それに答える物は誰一人としてなく、
だが、有無を言わさぬ光景が、目の前で起きていた。
散華する血しぶき、飛沫する肉片。

まるで、名も知れないB級映画の世界に来てしまったかのようだ。

成る程、ここでは私に選択権は無いらしい。
そして、ペンを持った。

  私達は殺し合いをする
  私達は殺し合いをする
  私達は殺し合いをする
51アーダルベルト・V・ブラントミュラー ◆wWIZCWYluM :2010/03/15(月) 03:54:30 ID:bNIMHHOT
マルグリットさん用の投下IDチェックします
エルゥドさんもIDできればお願いします。
あと一人の方はどうしたのだろうか
52アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/15(月) 17:16:17 ID:4LAUNwcr
……?
……………??
俺は…何でこんな所にいるんだろう?
いや…何でこんな所に来る事になったんだろう?
訳の分からない場所で、訳の分からない話。
見た感じは学校の教室のようだけど、どう見ても授業をする雰囲気じゃない。
…普通の学校だったら、こんな血塗れの場所で授業なんてしない。

…大体俺が、何でここに連れてこられなければならなかったんだろう?
真面目にテストパイロット勤めていた筈なのに。
そりゃ志望とちょっと違う所に配属されたから、不満がないわけじゃなかったけどさ。
それが何で…いきなり独房入れられなければならないんだろう?
しかも理由が、身に覚えのない破壊行為。
もう訳が分からない。
何日かして独房から出されて、ついに軍事法廷かと思いきやいきなり眠らされて、気がついたら
教室の中とか…。
これはもう、俺個人の想像の範疇を遥かに超えている。

ここまで色々考えて現実から目を背けてたけど、それもそろそろ限界だと思う。
俺みたいな未熟な軍人が人2人を目の前で殺されたら、もう現実逃避するくらいしか手はない。
しかし先生を名乗る人間の話と、周囲に満ちた血の臭いが俺にそれを続けさせてくれない。
…現実に戻った瞬間から、また指先が細かく震えはじめた。
怖いのは百も承知だけど、泣いても叫んでもこの現実は消えてはくれない。
…もう一度状況の確認。
今殺された2人と先生を除けば、教室に残ったのは俺を含めて4人。
どんな理由があるのか知らないけど、他の3人も無理矢理連れてこられたのだろうか。
ふと気になって3人を見ようとした時、先生の声で反射的に前を向いてしまった。

誓約書…。
事ここに至って、もうプログラムに参加するしか生き残る方法はないのに、更にそんなもの
まで書かせられなきゃならない。
そしてそれに反論する権利すら与えられていない。
これを書いたら覚悟を決めろって事なんだろうか。
覚悟…覚悟って何だ?
殺す覚悟か…それとも死ぬ覚悟か……多分、両方だろう。
後戻りはおろか、後ずさりさえさせてくれない。
戸惑ったままの俺の視界に、嫌味なくらい真っ白な紙が映る。
「………あれ…?」
目の前の白紙の紙に、俺の手がまるで別の意思を持っているかのように字を書いていく。

本当にもう…訳が分からない。

『私たちは殺し合いをする
 俺は殺し合いをする。
 俺が 殺す 殺す殺す』
53アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/15(月) 17:32:21 ID:???
【投下が遅れて申し訳ありません】
【これから暫くの間よろしくお願いします】
54アーダルベルト・V・ブラントミュラー ◆wWIZCWYluM :2010/03/16(火) 02:10:41 ID:nhh0WFQd
  A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z 
01■■■□□※□□□■■03■□■■□□□■■■■■□■
02■※■□□※□□□□■■■■□□□□□□□■■■■※
03■□□□※▼※□□□□■■□□□□□□□□□■■■■
04□□□▼▼▼□□□□■※■□□□□□□□□□■※■■
05□□□□▼▼□□□□■■■■□□□〓〓□□□□□□■
06■□☆☆□□□□□■□□□□□□□□□□□■□□□□   □:開かれた空間
07※※※■■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□   ■:暗礁空域
08■※※■■□□□□〓〓□□□□□■□□□※※□□□□   ※:戦場跡
09■■※■■□□□□□□□□■□□□□□※□※□□■■   〓:コロニー
10■■■■■□□□□□□■■■※※※□※※※※※□□■   =:半壊したコロニー
11■□■■■■□□■□※■■■■※□□□※※※□□□■   ▼:小惑星基地
12■■■■■□□□□□※■■●●■■□□□※□□□□■   ●:コロニー改造要塞
13※■■■□□□□※□■■■■■■■■□□□□□■□■   ☆:防衛システム地帯
14■04□■□□□▼□□☆■※■■■□□□□□■■■■■  
15■■■■■□□▼□□□☆■■□□□□□※※■■※■■   ◎:侵入禁止区域
16■□■■□□□□□□□□□□□□□□□※※□□■■■   ×:侵入禁止予告区域
17□□■□□□□□□□□■■■□□□□※※□□□□□■
18※□□□□□□□□□■■■□□□□□□□☆■■□□□
19□□□□□□=02□□□■■==□□□□☆☆□□□□□
20□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□▼▼※□□
21□□□〓〓□□□□□※□※※□□□□□□▼▼▼※□□
22■□□□□□□□□※※※※□□□□□□▼▼▼▼▼□□
23■■□□□□□□□□※※※□■□□□□□▼▼▼□□□
24※■■□□□□□■□□※※■■■□□□□□□□□□■
25※■■□□□□□■□□※※■■■□□□□□□□□□■

開始位置エルゥドさんは位置決定権持ってますので位置だけ宣言してくださいね
55エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/03/16(火) 11:36:45 ID:???
では、初期位置をU-10とさせて下さい。
皆さん、よろしくお願いします。
56アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/17(水) 17:56:21 ID:???
……?
…………??
俺は…何でこんな所にいるんだろう?
睡眠明けの覚醒しない意識の中で考える。
…ああ…そうだ、プログラム…。
俺、殺し合いのプログラムに参加させられているんだっけ。

教室の中で誓約書を書かされた後、俺は割り当てられたMSに搭乗させられて射出された。
だけど、その際また薬を嗅がされて眠らされてしまった。
多分…教室のあった場所(本部みたいなものか)を参加者に特定させないための処置じゃないかと思う。
でも俺に本部をどうこうできるわけじゃないから、別に場所がばれたっていいと思うんだけどな。
まあ、向こうからすればそういう訳にもいかないのか。
あまり余計な事を詮索しても仕方ないから、適当に結論付けておいた。
「あたた…」
何時間くらい寝ていたのか分からないけど、シートに縛り付けられていた体が痛い。
レーダーに何の反応もない事を確認してから、ベルトを解いて軽くストレッチを行う。
座ったままでも、暫く動かしていると硬直した筋肉や関節が若干解れたように感じた。

ある程度体が楽になったところで、コクピットの隅にある冊子に手を伸ばす。
「ん?」
何かと思ったら、俺の乗っている機体のマニュアルだった。
F-71…Gキャノン…聞いた事がないMSだ。
搭乗時に見た感じだと、俺がテストで乗っていたヘビーガンとよく似ている。
肩に背負っているキャノンや両腕に付いている…ええと、ダブルビームガンか。
その他ところどころに違いは見受けられるけど、全体的なイメージはアナハイムの機体のそれだ。
分からないのは、形式番号だ。
F-71という機体は、連邦に存在しない。
俺の記憶が確かなら、現在だけでなく過去においてもこんな形式の機体はなかった筈。
「…連邦のMSじゃないのか?」
連邦にない以上、それ以外の軍で使用されていたと思うしかない…が、だ。
フォルムといい名前といい、連邦のMSにしか見えないんだよなぁ…。

だけど、こいつが連邦のものじゃないという決定的な証拠もある。
Gキャノンの14.3mという頭頂高だ。
MS小型化計画に基づいて開発されたヘビーガンでさえ15.8m。
それをさらに1m以上小型化するなんて、今の連邦には無理な話だろう。
あくまでも連邦には、という事だけど。
そういう意味で、連邦以外の別の組織が開発した…という考えは、それはそれで難しい。
だって、今の時代にそこまでの技術と資金をもった組織なんて…。

全く…訳が分からない。

【行動:周囲の状況確認(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:L-1】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、携帯ゲーム】
【行動方針:状況確認】
【仲間:】
57アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/18(木) 16:34:30 ID:???
暫くして考えるのをやめた。
どんなに考えても分からないと分かっているのに、余計な時間を費やすのは勿体無い。
全く…身に覚えのない事で捕まってから、状況が目まぐるしく変わりすぎてついていけない。
だけど今は1人だ。
流石にこのまま、訳が分からないで済ませる事はできない。

じゃあ何をしようか…?
ある程度の自由があるとは言っても、何らかの目的があった方が行動しやすいと思う。
とりあえずの方向性を決めるため、再度機体の状況をチェック。
…武器弾薬に関しては現在十分な量がある。
武器の種類に関しても、中長距離から接近戦までこなせるだけの物がある。
弾薬は少々実弾系に偏ってるけど、まだ使用してみないと何とも言えない。
あ、でもキャノンの内径はちょっと小さいかな…。
威力に多少不安はあるけど…そこは口径の大きさと装弾数の多さでカバーか。

今のところ武器弾薬に不安がないなら…戦う、のか?
いやいや、他の参加者がどこにいるのかも分からないんだ。
探して闇雲に動くのはあまり得策には思えない。
幸いGキャノンは狙撃型で索敵範囲は広い。
どこかに拠点を定めて、レーダー網に引っかかった参加者を狙えばいいんじゃ…?
上手くすれば、キャノンで一方的に叩けるかもしれないし。
…多分。

拠点といえば、マップでは小惑星基地かコロニーが考えられる。
そして、そのどちらもが案外近くにあるようだ。
コロニーなら南にほぼ真正面。
小惑星基地なら、ここからやや南西方面。
どちらも、他の参加者が真っ先に立ち寄りそうな雰囲気だ。
もしも戦闘になったら…。
小便がちびりそうなくらい怖い。
さっきちらりと横目で見ただけだけど…いかにも軍人、みたいな参加者がいたんだよなぁ。
あんな人と戦う事になったら…考えただけで本当にちびりそうだ。

くそっ、こんな時に限ってコーヒーの1杯もないなんて…。
………あ、そうか。
せっかくコロニーがあるんだから、コーヒーでも飲みに行こう。
大好きなコーヒーを飲めば、一層心も落ち着くだろう。
そうだそうだ。
とりあえずの目的は、コーヒーを飲む事にしよう。

【行動:自機の状況確認(−1)L-4に移動(−3)】
【残り行動値:0p】
【位置:L-4】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、携帯ゲーム】
【行動方針:美味いコーヒーを飲む】
【仲間:】
58アーダルベルト・V・ブラントミュラー ◆wWIZCWYluM :2010/03/18(木) 17:36:39 ID:IhDcwIlz
薄暗く、狭い空間のなか私は目が覚めた。
ここは一体どこなのかを知る術もなく、またこの首輪が意味するところは
殺し合い、そして勝ち抜かなければならないということを意味する。
果たして私にはこの先を生き抜くことができるのか?
まだ、覚めきらない頭で考えてみても結論は見つからない。
そして、眠りに入る前薬を使われた事実を思い出し、まだ薬が抜けきっていないのかと考える内
ぼやけた視界がはっきりとしてくる。

「コックピットの中か、そりゃあ窮屈なわけだな。」

周囲の状況を確認する。
まずは機体、ゲルググマリーネ……よかった、ゲルググ系の機体ならば扱いは慣れたものだ
マリーネということは、海兵隊にまわされていたタイプのものだろうか?
そして、周囲索敵を試みようとしたときに違和感に気づく。

「ここは、艦内か?」

モニターに映されたのはどうやら艦船の格納庫らしき風景。
コックピットを空け、艦内を歩き回る。どうやらこちらはジオンの艦船ではないようだ。
ブリッジまでたどり着き窓の外の風景を見ると、見るも無残な姿のコロニーがあった。

ブリッジから艦内情報を呼び出す、ペガサス級強襲揚陸艦アルビオン
「木馬か?ソレにしては少し型が違うが。」

情報収集するにしても目の前のコロニーの状況を見れば絶望的なのは明らかだ。
会場内地図情報を引き出し少し先にもコロニーがあると知る。

「ここと同じで壊れているかもしれんが、立ち寄ってみるか。」

なにはともあれ、生き残るためには行動が必要だ、そう思いつつ、艦の操縦桿を握った。

【行動:艦内探索(-1)移動(-3)】
【残り行動値:0p】
【位置:E21】
【艦・機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:2連装メガ粒子主砲×2 2連装メガ粒子副砲×2 2連装レーザー砲×18(対空14・対地4基) 大型ミサイル発射管×4
(ゲルググマリーネ(初期武装 腕部110mm速射砲×2、ビームサーベル×2))】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、拳銃】
【行動方針:情報収集】
【仲間:なし】
59アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/19(金) 17:58:38 ID:???
コロニーへと向かっていた俺は、戦場跡へと入っていた。
「…何だこれ」
そこで最初に俺の口をついて出た言葉がそれだった。
戦場跡というからには戦闘の跡が残っている。
それは分かる。
だけど、これはちょっと古すぎるんじゃ…?

テストパイロットとは言え俺も一応軍人だから、MSにせよ艦船にせよそれなりの知識はある。
自軍もそうだけど、仮想敵国…昔ならネオジオンか。
そういう所のMSや艦船は、新旧を問わず徹底的に覚える。
連邦で言えばサラミス改級のように改修された艦船なども、元の艦型との違いを頭に叩き込む。
MSもカスタム機やマイナーチェンジの型まで、できる限り網羅しておく。
何故って、もし戦場でそう言ったMSや艦船に遭遇して、相手が分からないでは話にならない。
特にミノフスキー粒子などという物が開発されてからは、艦隊戦にせよMS戦にせよ、有視界下
での戦闘が激増した。
そういった状況で遭遇した敵の型が分からないというのは、戦場における状況判断の材料を1つ
を放棄したに等しい。
だから生き残るためには、暗記が苦手だとか勉強が嫌いなどと言ってられないのだ。

ただしそれは仮想敵国があればの話で、現在の情勢ではマニアでもない限りそこまで細かく
覚えようとする人間はいない。
かく言う俺も連邦以外の兵器は常識程度には知っているけど、昔の物や細かな違いとかはあまり
分からない。

それはともかく、この戦場跡に漂う兵器は俺の知識にある中ではかなり古い部類に入るものだった。
構造物の形状からすると…グリプス戦争当時のサラミス改級のようだけど…。
この時代にこんなに(破壊されているにしては)綺麗に残っているなんて…。
俺は暫しそのサラミス改を魅入るように見つめていた。

【行動:戦場跡の確認(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:L-4】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、携帯ゲーム】
【行動方針:美味いコーヒーを飲む】
【仲間:】
60マルグリット代理 ◆wWIZCWYluM :2010/03/19(金) 19:35:15 ID:RnBZIAaI
「……ん。」

目を覚ますとそこはやはり、支給された機体の中だった。
まず見えたのは真っ暗な世界と宇宙戦艦の残骸と隕石群。
そして私に着せられたジオン系のノーマルスーツ……ああ、今回は宇宙なのか。

あと目を引くのはモニターの大半を覆っている、白色の巨大な……MA?
一応レーダーを確認する……敵機の反応は無し。今この空間には私以外の人間は存在しない。
じゃあこれも残骸の一つなのだろうか?それにしては状態が良いようだが。
ところで、コックピットを眺めてみて気が付いた事が一つ

「妙に狭いような……これは?」

コンソールやモニターの配置と操縦桿などの形状から判断して、
機体は旧ジオンのものだろう。
だが、明らかに形式の違うコンソールやモニターが無理矢理設置されている。
それらによってコックピットは通常以上に狭く感じた。
……まず支給品のデータとマニュアルを見よう。この追加機器の答えがそこにあれば良いのだが。

「MS-06R-1A 高機動型ザクU。カラーリングは、白狼仕様?
 "前回"よりはスペックは遙かに劣るけど、"アレ"よりはマシな機体か……。
 支給武器はGP03オーキス……まさかこのMAが支給武器?」

もう一度メインカメラに写っているMAを見直す。
……これはもう支給武器というレベルではないような気もするが。
とにかく私の支給武器はこのMAらしい。さらにマニュアルを読み進めると
このザクとオーキスと呼ばれるMAはドッキングが可能らしい。
そしてオーキスに対応するためにザクにも改良が施されているようなのだが……
これらの無理矢理設置された機器と、腰部周りのジョイントがそうらしい。
……とりあえず一度ドッキングさせてみよう。
61マルグリット代理 ◆wWIZCWYluM :2010/03/19(金) 19:36:01 ID:RnBZIAaI
─────

「ドッキング完了。全機能問題なし……問題なし?」

もう一度確認したのだが、このオーキスというMAの型式番号は"RX-78GP03D"。
連邦系の機体にジオン系の機体がドッキング出来るとは思えないのだが……。
まぁ、問題なしと出ているならそうなのだろう。使えないなら質量弾にでもしてしまえばいい。
さて、ドッキングしたことで追加された機器が使えるようになったようだ。
まずは武装を確認する……多い。
メガ・ビーム砲、大型ビームサーベル、ビームライフル、フォールディングバズーカ、
爆導索、その他ミサイル類諸々……この2つのコンテナに殆どの武装が詰まってるようだ。
あとは……特殊兵装としてIフィールドジェネレータ。
……これだけの武装を一人で操作してかつ、無茶苦茶な推力を制御しなければならないようだ。
扱いきれるか自信はない。流石にこんな規格外のMAを操縦した経験はシミュレータでも無かった。
……サイコミュを搭載した実験機に乗せられたことは何度かあるが。

ともかく、強力な機体を手に入れられた事は確かなようだ。だが問題が無い訳ではない。
さっき確認した武装の内、ビームライフルとバズーカはMS用の手持ち武器であるようなのだが、
左右のコンテナの端に収納されているので取り出せない。
開発者は何を考えてこんな場所に配置したのだろうか……。
これは先に武装を取り出しておく必要がありそうだ。さてどの武装を取り出すか。
あらゆる敵機に対応するためには……。
……
……
何故だ。何故私は敵と戦って殺すことを前提に考えている。
今の私に人が殺せる訳が……ないだろう。
もう、私の中はいっぱいで、もう、アナタタチだけでいっぱいで、
ああでも、私は死にたくない、殺さなければ、殺される。
死にたくない。生き残れ。死んではならない。それがあのとき、下された、2つの内1つの、命──

「……!」

私は今何を考えていた?
……死にたくないのは確かだが、これは本当に私の意志……だけなのか?
ああもう……考えれば考えるほど悪循環をしていく。
そもそも考えるのは元々苦手なのだ。とにかく行動しよう。そう、まずは……。
マップを確認。機体から降りられそうな場所で一番近場にあるのは……小惑星基地?
暗礁空域を抜ける必要性がありそうだが……この巨体で暗礁空域を……。
少し躊躇したが、どちらに進んでも結果は同じようだ。

よし、行こう。

【行動:オーキスとドッキング(-1P) G-14へ移動(-3P) 】
【残り行動値:0P】
【位置:G-14】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし オーキスにドッキング中
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 機能的には問題なし】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能】
【武装:高機動型ザクU:左腰:ヒートホーク]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4]】
【所持品:ディバック[生肉1kg 懐中時計 コート 私服] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 一度機体から降りたい】
62アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/23(火) 15:44:47 ID:???
時間にしてほんの数分だったかもしれない。
漂うサラミス改を見つめていた俺は、喉の渇きでふと我に返った。
「そういえば、コーヒーを忘れるところだった」
グリプス戦争当時の艦が珍しいのは分かるけど、いつまでも見ているわけにはいかない。
万が一今の隙に襲われでもしたら、それこそお陀仏だったろう。

さて、先ずは喉の渇きを少しでも癒したい。
配給されたペットボトルの蓋を開けて1口飲む。
あまり飲むとコーヒーが美味くなくなるから、ここは自重自重。

ここを出て暫く進むと開けた空間に出る。
暗礁空域や戦場跡よりも、レーダーに捕まる確率が格段に上がる。
注意はいくらしても、しすぎという事はないだろう。
とにかく慎重に…。
せめて、コーヒーを飲み終えるまでは誰にも見つかりませんように。

【行動:水を飲む(-1)L-7に移動(-3)】
【残り行動値:0p】
【位置:L-4】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、携帯ゲーム】
【行動方針:美味いコーヒーを飲む】
【仲間:】
63エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/03/23(火) 23:56:41 ID:???
あの教室の出来事からどの位の時間が経ったのだろう。
ふと目を覚ますと、視界に入るのはスクリーンに映し出された宇宙。
ゆらりと体を起こすと、左右に目を配らせる。

モニターにコンソール、操縦桿。
機種そこ知れない物の、どうやらMSに搭乗しているらしい。

レーダーと思わしきパネルには熱源は探知されていない。
だが、多数の金属片が漂っている事を無機質に表示していた。

すっと息を潜め、耳に意識を傾けてみる。
……耳に入るのは機体の僅かな駆動音のみ。本当に静かだった。

不意に視界の端に、何かが映る。
ゆっくりと漂ってきたそれは、ジム……の残骸。
下半身を失くしたそれは、レーダーの表示する金属片のひとつ。

よく目を凝らすと、兵器の墓場とも思える光景がそこにあった。
数々のMSに、支援戦闘機、それに艦艇……。

全てが死んでいた。

暫く息を潜める。
目に映るのは停滞した空間と星の瞬き、耳に入るの機体の駆動音と己の心音。
……どうやら、差し迫った危険は無いようだ。

さて、そろそろ行動を起こさなくては成らないだろう。

差しあたって、この機体の情報を得なくてはならない。
ふと、シート脇にマニュアルが差してあるのに気が付いた。

“MSN-02、ジオング”

その印字に驚きつつ、表紙を捲った。

【行動:目覚め(-0)状況確認(-1) 】
【残り行動値:3P】
【位置:U-10】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個 写真】
【行動方針:先ずは状況確認、ジオングの管制】
64マルグリット代理 ◆wWIZCWYluM :2010/03/24(水) 03:45:43 ID:Py/QxEF+
「……ッ……ハァッ!」
暗礁空域を抜けて開けた空間に出る。
と同時に加速を緩め、オーキスを巡航速度に戻した。
自分の腕がどれぐらい鈍っているのか確認するために、あえて暗礁空域を全速で抜けてみたのだが
腕よりも体力の衰えの方が問題だったようだ。

「……たったあれだけの時間のあの機動だけで腕が震えてる……。」
痛覚その他諸々が麻痺してきている事は2年前には既に自覚していた。
だから限界まで身体を酷使出来るかと思っていたのだが。

「身体がついてこない……無理は禁物って事か。」
もしかしたら昔は定期的にやっていた投薬を行わなくなったのが原因だろうか。
まだ私が"強化人間"として訓練と改造が行われていた頃の。

「……投薬を続けていたら続けていたで拙かったんだろうけど。」
あの研究所での生活はまともではなかった。
と言うことは前回の大会と、この2年間の生活で解ってはいた。
いたのだが……たった2年と数日で14年間の道徳観がそう変わるものではない。
まぁ、"ここ"では強化人間としての道徳観も、旧世紀人としての道徳観も意味をなさない。
……少なくとも組織の思惑にのっている時点では。


そんな事を考えている間に小惑星基地に着いたようだ。一応レーダーを確認、周囲に反応無し。
さて、どこから侵入しようか。
外から見る限りでは、小惑星基地に目立った損傷は無く、どのゲートの状態も問題ないようだ。
となると艦船用のゲートへオーキスごと入るか、一度分離して入るか。
前者の方が楽ではあるが……敵が現れた場合、この狭い小惑星内部では身動きがとれなくなる可能性がある。
少し悩んだ後、オーキスは岩の影に隠して、ザクだけでMS用のゲートから入る事にした。
そこから入れば、ついでにザクでも使用可能な武器が確保できる可能性が高いと思ったからだ。
確かにザクの手持ち武器はオーキスに収納されているバズーカとビームライフルでもいいのだが……
前者は取り回しに欠け、後者はザクで使えるか不明だ。

早速オーキスを岩の影に隠すとザクを分離させ、MSサイズのゲートに近づいた。

「ゲート開放……スイッチは……。」

……ゲートの開け方で数分苦戦する羽目になったが、
なんとかゲートを開放すると私は小惑星基地内部へとザクを進ませた。

【行動:H-14へ移動(-1P) オーキスと分離(-1P) 小惑星内部へ(-1P)】
【残り行動値:1P】
【位置:H-14 小惑星基地MS格納庫】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 機能的には問題なし 小惑星外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能】
【武装:高機動型ザクU:左腰:ヒートホーク]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4]】
【所持品:ディバック[水2g入り2本、コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服] 】(前回水とパン書き忘れてました)
【行動方針:生き残る 殺せない 一度機体から降りたい MS用の武装確保】

65アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/24(水) 23:25:31 ID:???
殆ど隠れるような所もない空間を南へと進む。
もしもここで他の参加者に見つかろうものなら、問答無用で戦闘かもしれない。
それは嫌だ。
今は少なくともコーヒーを飲むという明確な(?)目的がある。
それを果たさないうちに命をかけるような真似はしたくない。
いやまあ、コーヒーを飲んだ後ならいいのかと言われると、それはそれで複雑だけど…。

そんな俺の他愛ない願が通じたのか、特に何事もなくコロニーへと辿り着く事ができた。
何の変哲もない普通のコロニー。
でもその見慣れた普通の姿が、俺を妙に安心させてくれる。
「警備は…いないのかな」
宇宙港の近くまで来てみたけど、港からは何も言ってこない。
向こうからすれば正体不明のMSが近づいて来るんだから、誰何の1つくらいあってもいいだろうに。
ただまあ、警備に見つかって面倒くさい事になるよりかは、こっちの方が楽かもしれない。
この反応のなさは不気味ではあるけど、こっちにも事情があるのだ。
とにかく港に入らせてもらおう。

ほんの少し罪悪感があったけど、俺はGキャノンを港へと入れた。
小型船から大型船まで停泊できる大きな港。
しかし見た感じ、1隻の船舶も見当たらない。
それどころか人影すらもない。
その事にますます不気味さを感じつつ、港の管制室と思しき一角の隣にGキャノンを停めた。
傍にMSが来ているにもかかわらず、中から人が出てくる気配はない。
Gキャノンのハッチを開けて、下に降りてみる。
建物の脇にエアロックらしき入口。
ここから中に入るのか…。
「すいませーん…」
エアロックを抜けて手近な部屋に入ってみたが、港の構内と同じく無人だった。。
どうやら本気で誰もいないらしい。
コロニー内へ入る旨を誰かに伝えたかったんだけど、この様子では無理みたいだ。

小さく溜め息をつくと、近くのデスクの脚を軽く蹴った。
別に人恋しいわけじゃないけど…でもやっぱりこの静寂は寂しい。

【行動:K-8に移動(-2)港の建物に入る(-1)】
【残り行動値:1p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、携帯ゲーム】
【行動方針:美味いコーヒーを飲む】
【仲間:】
66アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/26(金) 17:40:37 ID:???
若干の疲れを感じてそのままデスクの椅子に座った。
急に重力のある所に来て、体が慣れていないのだろうか。
これからどれだけこういった事が続くのか分からないのに、少し先が思いやられる。
「俺こんなに体力なかったっけか…?」
デスクに片肘をついてまた小さく溜息を吐いた。

しかし、何で人がいないんだろう?
本当は俺自身に係わらない事はあまり考えたくないけど、これだけは考えざるを得ない。
宇宙港といえばコロニーの玄関口だ。
軍艦、輸送船、商船…そういった船の管制や監視を行う義務がある。
その義務を放って誰1人いなくなるなど、普通は考えられない。
ならば普通では考えられない事態が起こったと言う事…か?
いやでも、それにしてはこの港の中は綺麗すぎる。
何かこう、破壊の跡とかがあれば1発で分かるんだけど…。

椅子から立って部屋の中をよく見回す。
…どこにも血の跡みたいなものはない。
部屋にあった棚や奥のロッカーを開けてみる。
どうやらいきなり中から死体がゴロン、という事にはならなかった。
とりあえずそれは安心したが、人1人いないという現実は変わりない。
ふうと息を吐いてもう一度椅子に座った。
「…くそ」
なんだか1人で馬鹿やってる気分になってきた。

もう一度デスクの脚を軽く蹴飛ばすと、ディパックを持って部屋を出た。
誰もいないんだから、かえって都合がよくなったと考える事にした。
いちいち面倒な手続きしないでコロニーに入れるんだからしめたものだ。
Gキャノンを起動させると、内部へ続く隔壁の前へ。
隔壁の開け閉めは以前何度かやったことがあるから、さほど違和感は感じずにできた。
一番外側の隔壁だけ閉めて、あとの隔壁はいざという時に通りやすいよう開けておく。

最後の隔壁の向こうに広がる景色。
人口の光であっても、この明るさはこれまでの陰鬱な気分を多少なりとも和らげてくれる。
俺とGキャノンは、取りあえずの目的を果たすために街へと向かった。

【行動:室内を調査(-1)Gキャノンに移動(-1)コロニー内に移動(-1)】
【残り行動値:1p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、携帯ゲーム】
【行動方針:美味いコーヒーを飲む】
【仲間:】
67代理@マルグリット:2010/03/27(土) 14:33:56 ID:???
「……外気圧1.0、酸素濃度33%、有害物質特になし……。」

小惑星基地MS格納庫の与圧状況を確認した後、
コックピットハッチを開け、格納庫に降り立つ。
そしてノーマルスーツのヘルメットを取り、

「すぅ……。」

とりあえず深呼吸を一つ。

「……けほっ。」

……結果、咽せた。あまり良い空気とは言えないようだ。
それでもまだ呼吸できるだけマシという所か。
ノーマルスーツの酸素をこんな場所で使う訳にもいかないし、このまま探索を続けよう。

「さて、使えそうな武器は……。」

とりあえず適当に結わえられていた髪の毛を結わえ直しながら周囲を見渡す。
ビーム兵器や小型MSの武装はザクでは使えないから除外するとして、実弾系の武装は……
目についただけでもM-120A1 や280oバズーカ等……ザクでも使えそうな武装もあるようだ。
さてどれを持っていくか。オーキスにドッキングさせなければならないという関係上、
あまり大量には持っては行けないし、大型の武装も無理だ。慎重に選ばないと……。
68代理@マルグリット:2010/03/27(土) 14:36:05 ID:???
─────

こんな所か。数十分ほど格納庫を彷徨った結果、持っていくことを決めたのは2つの武装。
MMP-80前期型グレネードランチャー装備型とその予備マガシン3つ
もう一つは何故か置いてあったグフカスタムが使用していたヒートサーベル。

前者はその使い勝手の良さから。
確かにルナチタニウム合金の装甲を貫くには威力が足りないが、間接部やモニター部を狙えば問題はない。
ちなみにグレネードランチャーにはスモーク弾を入れておいた。
後者は、近接戦用武装がヒートホーク1本では心許なかったため。
ヒートホークはその性質上、4、5回の戦闘しか保たなかった……はずだ。
まぁ、どちらにしてもビームサーベルとは切り結ぶことも出来ないのだが、残念ながらこれがザクで使える精一杯の武装だ。

あと、格納庫の探索中に見つけたMSの補給・整備に関するマニュアルも持っていく。
……これが無いと推進剤どころか酸素の補給すらままならないからだ。
宇宙空間でそれが無くなったら殺す殺される以前の問題である。


……小惑星基地で補給できるものはこんなものだろうか。
食料の類も補給したいところだが、
あまり機体から離れて、迷路のような基地を探索するべきではないだろう。

確保した武装をそれぞれ左腕と左腰に装備させ、整備マニュアルはディバックに仕舞う
そしてコックピットで水を飲みつつ一息。
一息つきながら、これからの方針を決めるためマップを開く。

「……北にコロニー、東に要塞、南に崩壊したコロニー……。」
さて、どう動こうか。

【行動:基地内探索(-1P)】
【残り行動値:3P】
【位置:H-14 小惑星基地MS格納庫】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 機能的には問題なし 小惑星外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4]】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本、コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない】
69アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/31(水) 15:46:40 ID:???
しかし改めて見てみるとコロニーは大きい。
宇宙にこんな大きい建造物を浮かべて、その中にいくつもの街を作って。
更には何万人もの人がここで暮らしている。
おそらく旧世紀だったら夢物語の産物としか思えない代物だっただろう。

人間の知恵は、思いは、時として夢物語を現実にする。
それは人類が初めて空を飛んだ時からの必然だったかもしれない。
結局のところ、コロニーも空を飛ぶ事の延長でしかないのだ。
違うのは、飛ばす物の規模が天文学的に大きい事。
単純にロケットを飛ばすのとは訳が違う。
そしてただ宇宙に浮かばすのとも訳が違う。
これだけの大きさのものを宇宙に浮かべ、尚且つ人の住めるようにしなければならない。
おそらく計画当初は、発案者の正気を疑いたくなるような状況だったかもしれない。
だけど人口爆発という現実を前にした人間の知恵は、それをも乗り越えた。
科学の進歩というやつには、本当に恐れ入る。
だけどその進歩の成果も、コロニー落としなどというものに使われては泣くしかない。
…が、それもまた技術の進歩の一端だと言う声もある。
見方を変えればそれもまた真実だろうとは思う。
そう思えてしまうのは、俺が戦争そのものを実体験として知らないからなんだろう…。

商店街らしき通りを発見し、俺はその一角にあった駐車場にGキャノンを駐機した。
傍目から見れば大迷惑ものだけど、これで大丈夫だという確信もあった。
上から見ていても、通りに誰1人として歩いていない。
家や店から驚いて出てくる人もいない。
多分、この場でキャノンを撃っても誰も出てこないのだろう。
これで宇宙港に誰もいなかった理由が分かった。
…このコロニーは無人だ。
だけど、見た限りでは廃棄されたコロニーじゃない。
多分…あの組織がプログラムのために用意したものだと思う。
そうであれば、この小惑星基地やコロニーが混在している空域にも納得できる。
もしも俺の想像が本当なら…組織の力は途轍もなく大きい。
この首輪の技術力やプログラム自体を開催する資金力…どちらも一企業では有り得ない。
相当な数の企業が協力しているか……それとも、国単位の協力があるか…。
何にせよ、俺個人ではどうする事もできない相手という事は確かだ…くそ。

自業自得とは言え、若干気が滅入りつつGキャノンから降りた。
とにかく当初の目的は果たしておかないと。
まあ、大した目的じゃあないけど…。
運良く駐車場の近くにスーパーを見つけて入る。
案内を見ながらコーヒーの棚を探し、そこにあったインスタントコーヒーを手にした。
俺にとっての美味しいコーヒーとは、値段ではなくあくまでも口に合うかどうかで決まる。
豆から淹るコーヒーも悪くないけど、俺はインスタントの方が好きだ。
簡単に淹れられるし。

奥の休憩室でお湯を沸かし、コーヒーを淹れて一緒に持ってきたミルクと砂糖を多めに。
ミルクと砂糖の量もその時の気分で変える。
今日は何となく、甘いコーヒーが飲みたい気分なのだ。
「………うめー」
一口飲んで心からの感想。
いやもう、マジで生き返る。
70アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/03/31(水) 15:48:21 ID:???
【行動:Gキャノンを停める(-1)スーパーに移動(-1)コーヒーを探す(-1)コーヒーを飲む(-1)】
【残り行動値:0p】
【位置:K-8(スーパーの中)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、携帯ゲーム】
【行動方針:美味いコーヒーを飲む】
【仲間:】
71ブラントミュラー ◆wWIZCWYluM :2010/03/31(水) 20:13:19 ID:r0pXGm/b
コロニーへと近づくと宇宙港への入港ゲートが見えてくる
軍艦であるこの船が近づいた次点でなんらかのアクションがあってもいいはずなのだが

すると近づくにつれて自然とゲートが開き、ガイドビーコンが示される

「これは……少しおかしいな?何かの罠か?」

だが、疑う間もなく艦はゲートの中へと入っていく
はっきり言って何も無い、他の軍艦はともかくとして商船の姿すらないのだ。
おまけに人のいる気配すらない。

艦をこのまま宇宙港へ係留するのは少々危険だろうか?
だが、こちらとしても緊急事態である。
「悪いが、少し荒っぽいまねをさせていただくか。」

コロニー内部へとそのまま艦を進める。
【行動:入港(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:E21】
【艦・機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:2連装メガ粒子主砲×2 2連装メガ粒子副砲×2 2連装レーザー砲×18(対空14・対地4基) 大型ミサイル発射管×4
(ゲルググマリーネ(初期武装 腕部110mm速射砲×2、ビームサーベル×2))】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、拳銃】
【行動方針:情報収集】
【仲間:なし】
72アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/04/02(金) 15:22:10 ID:???
座っている椅子の背もたれに思い切り寄りかかる。
美味いコーヒーを飲みながらのひと時。
ああ、こんなプログラムの途中でなければ幸せの一言だったのに。
いっその事、ここで死ぬまで美味いコーヒーを飲んでいようか。
そんな退廃的な考えが一瞬脳裏をよぎった。

勿論そんな事はできないのは自分でもよく分かっている。
死にたくない。
人間として当然の思い。
結局のところ、その思いだけあれば人間はどんな過酷な状況でも生きていけると思う。
このプログラムの中では生き残る以外の目的なんてないのだから、その思いだけでも十分だろう。
それは多分…他の参加者も同じ。
だからこそこのプログラムが成立する。
まさしく、組織の手のひらの上で踊らされている気分だ。

でも怒ったところで俺には何もできない。
ここに送り込まれた時点で、俺は連邦から見捨てられたという事なのだろう。
家族にも、適当に事故死とか伝えられているかもしれない。
つまりは俺を外から助けてくれる要素は、今のところ何1つないという事だ。
そしてこの先、その要素が増える可能性はゼロに近い。
つまりは…生きる為に、助かる為には俺自身でどうにかしなければいけない。

いつの間にかカップは空になっていた。
考え事をしていたからか、飲み終わっていた事にも気づかなかった。
「…頑張るしかないかぁ」
弱々しく意志を固めると、俺はまたカップにコーヒーの粉を入れる。
今度こそ美味いコーヒーを飲み終わりまで堪能しよう。

【行動:コーヒーを飲み直す(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:K-8(スーパーの中)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コッペパン2個、携帯ゲーム】
【行動方針:美味いコーヒーを飲む】
【仲間:】
73マルグリット@代理:2010/04/04(日) 04:41:20 ID:???
「……。」

誰もおらず、誰の声も気配も感じない宇宙空間を一人進む。
結局私は、北方向にあったコロニーに向かうことにした、
目的は……生活物資の確保。
戦闘に直接使用する訳では無いが、体調を万全に保つ為には必要である。
少し時間をかければ小惑星基地でも見つかったのだろうが、あえてそれはしなかった。
時間をかける事自体が危険であるというのはさっきも考えたことだが、あともう一つ。
誠に私らしくないのだが……意地、だろうか。
私は基地の物資で動く兵器ではなく、一人の人間だという。
……解っている。ここではそういうのが一番要らないものだというのは解っている。

─────

「スペースコロニー……。
 そういえば、実際見るのも入るのも初めて……だったかな。」

小惑星基地を出て数時間。ふと、そんな事を思い出した。
前回大会に参加するまではずっと研究所の中だったし、前回大会の会場は地球だった。
一応、知識としてどういうものであるかは知っているし、
シミュレータでコロニーの外部や内部を見たことはあるのだが。
確か円筒状の構造物の両端に港湾部があったはずだが、そこから入れば良いのだろうか?
またオーキスは外に置いておくことになるだろうか。


マップで言うところのH-8を抜け、H-9に入る。そろそろコロニーが見えてくる頃だろうか。

【行動:オーキスとドッキング(-1) H-9へ移動(-3)】
【残り行動値:0P】
【位置:H-9】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 機能的には問題なし】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない コロニーへ】
74アーレイ=スリング代理:2010/04/21(水) 00:30:07 ID:Vgyp+CAg
「ふう…」
一息ついてカップを机に置いた。
今鏡で自分の顔を見たら、多分この上ない至福の表情をしてるかもしれない。
あれから何だかんだで3杯もコーヒーを飲んでしまった。
本当はコーヒーのあとで軽く食事しようと思ってたけど、これだけで結構腹に溜まっている。
少し水っぱらになったのは、まあ仕方がないところだね。

満たされた腹を撫でながら、椅子から立ち上がる。
食後の運動というわけじゃないけど、もう少しスーパーの中を歩く事にした。
目的は食料。
今はコーヒーで満たされているけど、また腹が減ってくるのは分かりきっている。
その際もっているコッペパンだけでは心もとないし、何よりも味気ない。
ここは1つ、ちゃんとした食料を確保するべきだ。

コーヒーを心行くまで飲んで気分も高揚している。
知らず知らずに鼻歌などを歌いながら店内を物色した。
だけど、ちゃんとした食料といっても日持ちするものでなければならない。
プログラムがいつまで続くか分からないから、すぐ品質が落ちる物を持っていけない。
自然と俺の手は、コクピット内でも手軽に食べられる保存食に伸びていた。

そんな訳で何日分かの保存食と、おかず代わりの缶詰。
それとペットボトルのコーヒーを入手した。
コーヒーについてはあまり日持ちしないけど、手軽に飲める物が欲しかったのだ。
取りあえず食料については暫く心配は要らないだろう。
…あとは…何か必要なものはあるかな。

【行動:更にコーヒーを飲み直す(-1)食料物色(-1)】
【残り行動値:2p】
【位置:K-8(スーパーの中)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム】
【行動方針:物品入手】
【仲間:】
75マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/04/23(金) 23:29:18 ID:???
「スペースコロニー……あれが……。」

I-8エリアに入り、やっとコロニーが見えてきた。
前回の大会の時点で町をいくつか丸ごと会場としていたので解ってはいたのだが、
本当にコロニー一つを丸ごと用意してしまうとは……。

それにしても大きい。そして同時にこんなモノの中に2000万人以上の人間が住んでいるとは……。
こんなモノを作ってしまう人間というモノは凄い生き物なんだなと改めて思う。
私のようなモノを作ってしまうのもまた人間なのだが。

……違う、そんな事を考えている場合ではない。
私はオーキスを減速させると、コロニー外壁にオーキスが隠せそうな場所が無いか探し始める。
と、その時─────

"ピピッ"

突然コックピットに鳴り響く警告音。コンソールに表示される警告文。
[K-8エリアに機影あり]

「─────ッ」
オーキスを急減速。
メガ・ビーム砲チャージ開始。Iフィールドジェネレーターアクティブ。
敵機位置を再確認……コロニーの……中……。

「……!」

トリガーに掛かっていた指を外す。

「……ーッ……。」

メガ・ビーム砲のチャージを中止。Iフィールドジェネレーターをディアクティブ……。
落ち着こう、まだこちらは攻撃された訳でもないし、相手はコロニーの中。
いきなり攻撃される可能性は低い。
だから……まず敵を殺す方法を考えようとするのを止めよう。

「……フーッ……。」

深呼吸しつつ取るべき行動を考える。
彼我戦力の調査─────ではなく。
戦場となるこの地形の把握─────ではなく。
ひとまずの戦闘回避─────手段は?

思い出せ。前回、私と出会った人々はまずどういった行動をとったか……そうだ、通信。
76マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/04/23(金) 23:30:06 ID:???
【行動:I-8へ移動(-1)戦闘準備(-1)解除(-1) 生徒番号3番 アーレイ=スリングに通信要請(-1)】
【残り行動値:0P】
【位置:I-8】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 機能的には問題なし】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない コロニーへ ひとまず戦闘回避】
77アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/04/27(火) 14:41:25 ID:???
スーパーの中を暫し歩きながら考える。
人間が生きていくうえで必要なもの…必要な……うーむ。
どうにもこの状況ではうまく頭が回らない。
食料は当然だ。
昔から腹が減っては何とやらと言うし。
では他に何かと考えると…うまく思いつかない。
これでは何のためにコーヒーを飲んだのか分かりゃしない。

もっと気分を落ち着けよう。
…プログラムの中では、最低限でも生きていなければならない。
生きるためには他の参加者との競争(戦闘とも言う)に勝ち抜かないといけない。
多少MSが壊れようが怪我をしようが、先ずは生きている事が肝心だ。
ん…怪我?
「ああ、そうか。医療品は必要だよな」
なるべく怪我はしたくないけど、プログラムの性格上そうは言ってられない。
それなら少しくらいの怪我なら、自分で処置できるようにしておくべきだろう。

スーパーだと医療品はあまりないから薬局に行く事にした。
外に出て周囲を見たが、近くにそれっぽい店はないようだ。
かと言って、このまま薬局を探してどんどんGキャノンから離れるわけにもいかない。
一旦戻って、Gキャノンで移動しながら探す事にした。
普通なら住人からひんしゅくを買う行為だけど、誰もいないから平気だ。
などと考えながらGキャノンに乗り込んで、機体を起動させようとして気づいた。
…通信機…もしかして呼び出してる?
「でええええええええ!」
取りあえず慌てた。
通信の相手はまず間違いなく参加者だ。
組織がこの時点で俺に通信を寄越す意味はない…と思う。

とにかく落ち着こうと深呼吸。
1回、2回、3回。
そうだ、落ち着かないと。
通信を寄越してきてるという事は、戦闘の意思はまだないという証拠だ。
その気ならコロニー内に突入して、無人のGキャノンを破壊する事もできたはず。
まだ心臓はバクバクしてるけど、あまり向こうを待たせると怪しまれるかもしれない。
急いで通信機のスイッチを入れて回線オープン。
「こちら地球れんぽ…あいや、アーレイ=スリングです」
相手の生徒番号は4番……誰だっけ…?

【行動:Gキャノンに戻る(-1)マルグリット=エヴァンスに回線オープン(-1)】
【残り行動値:2p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム】
【行動方針:物品入手、相手の動向を確かめる】
【仲間:】
78マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/05/02(日) 04:14:17 ID:???
「……。」

通信要請を出して数分。未だ返答は無く、レーダーを見る限り動きも見られない。
迎撃の準備をしているのか、こちらの様子を伺っているのか……?

もし……もし何か罠を仕掛けていたりしたら……?
仮にそうなら、オーキスをわざわざ分離させてコロニー内に入り、仮にも宇宙戦用のザクで戦闘を行うのは下策と言えよう。
ならば、すぐにでも攻撃を仕掛けた方がいいのだろうか……。
幸いこちらの機体は火力には困らない。
コロニーに突入するまでもなく、ここから直接外壁に大型ミサイル、次いでメガビーム砲。
これなら外壁を破壊した上で十分に相手を殺せる。

出方次第ではそういった行動も辞さない覚悟で、私はJ-8エリアへ機体をゆっくりと進ませた。
この時、私の思考は再び戦闘を行うつもりで動いていた。
……だから、次の瞬間起こった事は私にとっては不意打ちであったと言えよう。

『こちら地球れんぽ…あいや、アーレイ=スリングです』
「ひぁっ!?」

もう繋がらないと思っていた通信機から突然聞こえてきた声に驚いて、こんな声を上げてしまったのは……
……ある意味油断していた所為か。というか自分で通信を出しておきながら、一瞬誰の声かと思ってしまった。
とにかく、上げてしまった声に今更どうこう言っても仕方がない。
相手はこちらの要請に応じ、通信回線を繋いだ。さらに名前を名乗った。
これは相手に戦闘の意志は無い……と取って良いのだろうか。
とりあえず交渉の余地はある、"まだ"まともな人間という事は確かだろう。
さて、どう返答すべきか……どうしようか……何も思い浮かばない。
とりあえず戦闘の意志は無く、ここには物資補給に来た事を伝えれば良いのだろうか。

……"前回"出会った人々に対しては、一部例外を除いて殺す意外に取った行動が無かったから、
こういうとき言葉が出てこない……。

ええと……ああ、そうだ……まずは。

─────まずは名乗るべきだったな。私の名前はマクスウェル。マクスウェル=エヴァンスだ。君の名は?─────

「マルグリット……マルグリット=エヴァンスです。
 ここへは物資の補給に来ました。一時休戦を申し出たいのですが。」

さて……これで相手はどう出るのだろうか。これより先は私にとって未知の経験となる。予測がつかない……。

【行動:J-8へ移動(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:J-8 I-8との境界】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 通信中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 機能的には問題なし】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない コロニーへ ひとまず戦闘回避】

79アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/05/04(火) 22:02:11 ID:???
思わず癖で地球連邦軍と言いそうになってしまった。
その事に思わず狼狽しそうになったが
『ひぁっ!?』
間髪をいれずに聞こえた悲鳴(?)に、俺の動揺は別の意味で拡大した。
(お、女の人?)
瞬時にあの教室内の風景をできる限り思い出す。
確か…俺を含めて生徒は4人…だった。
ええと…いかにも軍人みたいな風格のある人がいて…。
あと、中東系のような顔立ちをした人と……あ、そうか!
もう1人、たしかに女性…というよりは女の子がいた筈。
何か妙に落ち着いた印象があったけど…思い出せるのはあと…。
『マルグリット……マルグリット=エヴァンスです。
 ここへは物資の補給に来ました。一時休戦を申し出たいのですが』
俺の思案は、女の子…マルグリットの返信によって中断した。
「え?
 あ、ああ、ええと」
休戦という言葉にすぐに考えがまとまらず、口ごもったような声が出てしまった。

…その言葉を真に受けてもいいのか。
(俺を油断させるための嘘じゃないのか?)
当然といえば当然の疑念が脳裏をよぎる。
レーダーによると、彼女のMSはまだコロニーの外にいる。
機体は…高機動型…ザクか。
MS-06R-1Aという型式からすると、1年戦争当時のMSだと思う。
性能だけで言えばGキャノンの方が上だろう。
それだけを見れば、休戦しても問題ないように思えるけど…。
問題はマルグリットの操縦技術か。
俺はそこそこ操縦に慣れているとはいえ、実戦経験はない。
マルグリットみたいな女の子が腕利きって事はない、と思いたいけど…。
普段の生活ならともかく、プログラムの中で思い込みの行動は慎むべきだよな。

「お待たせしましたマルグリットさん。
 休戦の提案ですが、了解しました。
 コロニー内での補給も問題ありません」
とりあえずマルグリットに了解の意を伝えた。
彼女の性格が分からないだけに、下手に断って逆上されるような危険は冒したくない。
それに俺自身の補給がまだ終わってないのだから、現時点での戦闘も好ましくない。
何よりも、まだ俺自身の覚悟が曖昧なままなのだから。
…それはともかく、休戦するにしても何の考えもないわけではない。
「その位置からだとJ-8からコロニーに入る事になりますが、補給もそこで済ましますか?
 補給中に俺が奇襲をするかもしれないと疑ってるなら、マルグリットさんの補給が終わるまで
 コロニーの外で待機してますが」
さすがにサービスしすぎかもしれないけど…。
最初はこの商店街まで来てもらって、お互いの見える位置で補給してもらおうと思った。
だけどそうやって監視しあっていたら、満足な補給など望めないだろう。
それなら一時俺がコロニー外で待機して、先に補給を済ませてもらう方がいい。

俺はまだ明確な目的もないし…。
補給はマルグリットのあとでもいいさ。
80アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/05/04(火) 22:03:30 ID:???
【行動:マルグリット=エヴァンスに通信(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム】
【行動方針:物品入手、相手の動向を確かめる】
【仲間:】
81マルグリット=エヴァンス@代理:2010/05/12(水) 15:14:31 ID:???
『え?
 あ、ああ、ええと』

始めに通信機から聞こえてきたのは戸惑うような声だった。
無理もないだろう。私達に課せられたルールは"殺し合え"。休戦というのはその正反対な行動である。
正直なところ私自身手探りな訳だし。言われた側はそれなりに動揺もするだろう。
……それにしてもそんなに意外だったのだろうか。
ああ、もしかしてこんな容姿だから引かれたのだろうか。
うん、まぁ西暦世界での経験から人間としておかしい"色"だって事は理解してるのだが。
宇宙世紀では意外と普通だったりするのだろうか。

『お待たせしましたマルグリットさん。
 休戦の提案ですが、了解しました。
 コロニー内での補給も問題ありません』

そんな事を考えていると考えが纏まったのか、相手からの返信が来た。
……とりあえず交戦は避けられそうだ。
さらに彼はこう続けた。

『その位置からだとJ-8からコロニーに入る事になりますが、補給もそこで済ましますか?
 補給中に俺が奇襲をするかもしれないと疑ってるなら、マルグリットさんの補給が終わるまで
 コロニーの外で待機してますが』

休戦を受け入れると見せかけて、相手がMSを降りたところを狙って奇襲。
よくある事だ。というか……使った事のある手だ。
MSを降りた参加者は他の好戦的な参加者から見れば格好の獲物と言える。
もし参加者がMSを失った場合、別のMSを手に入れられなければ失格と見なされ首輪を爆破される。
……実際この目で見た光景でもある。
で、彼は奇襲が出来ないように、こちらの補給が終わるまでコロニーの外で待っていてくれるのだと言う。
そこまで親切にしてもらっていいのだろうか、と言いたいところなのだが……。

「すいませんが……その条件は飲めません。
 あなたを疑うようで悪いのですが……補給中に足下のコロニーの"壁"を破壊される。
 という可能性があるので。」

さっき、通信が帰ってくるまでの間に私が考えていた事そのままである。
相手の機種はまだはっきりしないのでそんな火力があるのかは解らないが、出来る可能性がある以上危険である事に変わりはない。
それに、私のようにどこかの小惑星基地や戦場跡でコロニーの外壁を壊せるだけの武装を手に入れてる可能性だってある。

モニター越しに映るアーレイ=スリングは一見普通の青年だし、ここまでの会話では物腰もおだやかだと思える。
でもそんなもの、この場所では相手を計る物差しになどなりはしない。
親切に背く事になっても、身の安全には変えられない。

「ですから、多少不便に感じようともお互い監視し合いながら補給するか、
 あなたを信じ切れない私がここを立ち去るか、
 あなたが私を……信じて先に補給を済ませてこのコロニーを立ち去るか。
 いずれかです」


【行動:通信(-0)】
【残り行動値:4P】
【位置:J-8 I-8との境界】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 通信中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 機能的には問題なし】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 安全に補給 】
82アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/05/13(木) 20:09:43 ID:???
通信を送って暫し無言の時間が過ぎる。
当然マルグリットも俺の提案に対して色々と考えているんだろう。
初対面の人間…しかもこのプログラムの中で出会う人間の言う事など、基本的に疑って当たり前だ。
だから
『すいませんが……その条件は飲めません。
 あなたを疑うようで悪いのですが……補給中に足下のコロニーの"壁"を破壊される。
 という可能性があるので』
という変身があった時、俺も懐疑的にならざるを得なかった。

マルグリットが懸念する事もよく分かる。
たとえコロニーの外にいたとしても、装備さえあれば外壁から攻撃することも不可能ではない。
万が一の事を考えれば、安易に提案は飲めないのも無理はないか。
だからと言ってこのまま無為に時間を使うわけにも…ん?
『ですから、多少不便に感じようともお互い監視し合いながら補給するか、
 あなたを信じ切れない私がここを立ち去るか、
 あなたが私を……信じて先に補給を済ませてこのコロニーを立ち去るか。
 いずれかです』
俺が何か考える前に、マルグリットからの提案がきた。

うーむ。
マルグリットから示された選択肢は、妥当といえば妥当なものだ。
示された選択肢に戦闘がなかった事を考えると、マルグリットはまだ戦闘は望んでいないのか。
ふとモニターに視線が移る。
白すぎるほどに白い肌と、赤すぎるほどに赤い瞳。
肌と同じように白い髪が、右の瞳を覆い隠している。
そのせいだろうか、モニターのマルグリットは無表情のように見えた。
俺の心を見透かしそうな視線…。
………ぬああああああ!
ようし、それならそちらの予想外な答えを出してやる。
俺も男だ、男なら一生に一度は大きな賭けに出る必要だってあらあな!

「分かりました、マルグリットさんを信用させてもらいます。
 なるべく早めに補給を済ませるつもりですが、少しの間待っててもらっていいですか?」
心は決めた、あとは行動あるのみ。
俺は薬屋を求めてGキャノンを移動させた。

【行動:マルグリット=エヴァンスに通信(0) 薬局を探す(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム】
【行動方針:物品入手、相手の動向を確かめる】
【仲間:】
83マルグリット@代理:2010/05/19(水) 18:31:07 ID:???
返答を待つ間も、アーレイ=スリングの一挙一動も見逃さないよう見つめ続ける。
モニターの向こうの彼は迷っているように見えた。
先程私が出した三つの条件。
私なら2つ目の条件を選ぶだろうか。
一つ目の条件、互いに監視しあっての補給は何より不便であるし、
ふとしたトラブルで戦闘になって互いに潰し合う事にもなりかねない。
人間って言うのはそういうモノらしいし、なにより私自身精神的に不安定になってる事は自覚している。
さっき、戦闘の意志は無いと言いつつ、少し疑わしいからって戦闘態勢を取りかけた訳だし……。
そして3つ目の条件も……私なら選ばない。と言うか、さっきの私の話を聞いてからこの条件を選ぶとは思えない。

……そうか。このコロニーに先客がいて、私に人を殺す意志がなくて、私が他の参加者を信じ切れない時点で
このコロニーでの補給は不可能と判断すべきだったのか。

そう結論づけた途端に彼から入った返信はまさに、私にとって完全に不意打ちと言えた。


『分かりました、マルグリットさんを信用させてもらいます。
 なるべく早めに補給を済ませるつもりですが、少しの間待っててもらっていいですか?』

「えっ?」

信用する?私を?

「何で……。」

私は何人もの参加者を、殺してきたのに?

「何で私なんかを信じられ……」

そこまで言ってはっとする。しまった。私は何を言って……。

「……いえ、何でもないです。補給を続けてください。」

崩れかけた表情を頭を振りつつ戻し、発言を訂正する。
敵意は無い事を信じて貰うための交渉だったはずなのに、最後の最後でボロが出てしまった。
交渉なんて不慣れな事を……いや、そもそも"信じてもらう"なんて事、今更しようとした私が間違いだったのだろうか。

【行動:通信(-0)】
【残り行動値:4P】
【位置:J-8 I-8との境界】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 通信中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 待機 】
84アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/05/21(金) 18:06:10 ID:???
Gキャノンを移動させ始める。
スーパーを出た時に周囲を見たが、近くには薬局はないらしい。
それでも商店街のどこかにあるだろうと歩きながら探していく。
『何で……。』
その呟きを耳に捉え、ふと視線をモニターに戻す。
呆気にとられたようなマルグリットが見えた。
『何で私なんかを信じられ……』
つい今まで冷静そのものだったマルグリットが見せるその表情は、俺の選択が予想通り意表を突い

たものである事を示している。
そしてその表情の変化は、肌や髪、瞳の色は違えど、マルグリットも普通の感情を持った人間であ

る事も示していた。
だけどマルグリットが戸惑いを見せたのは一瞬。
『……いえ、何でもないです。補給を続けてください。』
その表情はすぐにまた、元の冷静なものへと戻っていた。

私なんか、か。
薬局を探しながら、その言葉を頭の中で反芻した。
マルグリットは自分を卑下するような人生を歩んできたのか…。
などと思ったら、ある事に思い至った。
よくよく考えれば…プログラムに送られてきた人間って、みんなそれなりに裏のある人なのか?
錯乱してMSで暴れた(身に覚えはないが)俺は勿論の事だけど…。
周囲への影響を考えれば、ここに連れてこられる人間はいなくなっても問題のない者ばかり、と
いう事も十分考えられる。
外見を見る限りでは、マルグリットがそういった人間だとは一概には信じられない。
…でもさっきの『私なんか』という言葉からすると、何らかの事情は持っているのだろう。

ふうと息を吐いた。
そんな事詮索しても始まらないし、聞いたところでマルグリットが答えてくれるわけがない。
うーむ…でも言うべき事は言っておいた方がいいかな…?
薬局らしき店が見つかり、Gキャノンを店前に停止した。
「マルグリットさん」
シートベルトを外しながら、もう一度モニターを見る。
「お節介だとは思いますが…もっとリラックスしてもいいと思いますよ。
 今は貴方を信用してるのは間違いないと言い切れますから」
そこまで言って、思わず苦笑した。
「…『今は』って言わなきゃならないのが、ちょっと寂しいですけどね…」
言い終えてから、Gキャノンを降りて店へと向かう。
余計な疑念を与えないよう、通信回線は開いたままにしておいた。
誰もいないコクピットを見ても、向こうは面白くも何ともないだろけど。

【行動:薬局を探す(-1)薬局に入る(-1)マルグリット=エヴァンスに通信(0)】
【残り行動値:2p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:異常なし】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム】
【行動方針:物品入手】
【仲間:】
85マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/06/02(水) 02:30:32 ID:???
"7人"
私が前回"殺した"人間の数である。
老練な軍人がいた。殺し合いとは無縁な子供がいた。愛し合う者がいた。
それらを束ね、"先生達"に反抗するという高い志を持つ者がいた。
そして……■■■■■■■がいた。
……それら全て、私は殺したのだ。
あの時の私に戸惑いという感情はなかった。そうする事が正しいと思っていた。
だが今は……。

『マルグリットさん』

そんな事を思案しているとアーレイ=スリングが話しかけてきた。
私も、画面の向こうの彼に目を向ける。
この次出合ったその時、彼も殺さなければならなくなるのだろうか
こんな私を信用すると言った彼を。

『お節介だとは思いますが…もっとリラックスしてもいいと思いますよ。
 今は貴方を信用してるのは間違いないと言い切れますから』
『…『今は』って言わなきゃならないのが、ちょっと寂しいですけどね…』

苦笑しながらそう言うと、アーレイ=スリングが画面から消えた。
機体から降りて補給に向かったのだろうか。
通信を繋いだままなのは……私を信用させたいが為だろうか。
こちらも通信は繋いだままで、彼の言った言葉を頭の中で反芻する。

"信用してる"……その言葉が今の私には辛くて仕方がない。
そして、『今は』……そうだ。時間がない。いつかはこの戦場は進入禁止地点で埋め尽くされ、
最終的に私達は殺し合うしか無くなってしまうのだ。……そうなる前に何か手を打たなければ。
……"前回"、先生達に反抗した者達のように私も反抗を?
でも、私には反抗する上で絶対条件であろう"首輪"を解除できる知識も技術がないし、
そもそも一人では先生達を相手に勝てる筈もない。
だから私と同じく、先生達に対して敵意を持っている仲間を集めないといけないだろう。
そして丁度目の前には、この殺し合いに"今は"同調していない人物がいる。

でも何故だろう。私はこのアーレイ=スリングという人物が信じられないのだ。
確かにここまでの言動から見て、彼は信用に値する人物と言えよう。
休戦要請も受けてくれたし、今もこうして私を信じて行動している。
でも、どういう訳か怖くて仕方がない。
勘……などというモノではない。
私には殆ど無いはずのモノなのだがこれが……"新しい人類"とやらの直感……なのだろうか?


彼は……


人を"殺した"ことがある。


【行動:通信(-0)】
【残り行動値:4P】
【位置:J-8 I-8との境界】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 通信中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 待機 】
86アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/04(金) 19:43:10 ID:???
ようやく見つけた薬局に入る。
何の変哲もない普通の薬局。
だからこそ、ある程度の物はここで揃える事ができそうだ。
周囲をじっくり見回して見ると…
「薬箱か…これは必要だろ」
棚に置いてある家庭用の薬箱を見つけた。
これがあれば、少しくらいの怪我や体調不良には十分対応できる。
…だけどこのプログラムでは、体調不良はともかく怪我に対してはこれでは心許ない。
やっぱりそれなりの応急処置ができるような物が欲しい。

そう考えた場合…
「取りあえずは包帯かな」
薬箱にも包帯はあるけど、もっといい素材のやつがあれば貰っておきたい。
見るからに吸水性の良さそうな物をいくつかディパックに入れる。
あとは…
「コルセットだ。
 前にみたいに肋骨をやった時なんかは、少しは役に立つだろう」
さっそくコルセットを見つけてディパックに………え?
………俺、肋骨折った事なんかないぞ。
…緊張感が続いてるから疲れてるのかな。
ええと…次は…
「止血剤があればいいんだが。
 今度は腕じゃなくて足を飛ばされるかもしれないしな」
カウンターの中にあった薬もディパックへ………な…!?
……今度はって何だよ、今度はって!
俺はこの通り五体満足だ……腕や足を飛ばされた事なんてない……!

おかしい。
さっきから、俺自身が何かおかしい。
「何だってんだ…このソウカイカンは…」
!!!!!!
俺…何話して…!?
「なに、俺…言って…。
 ククク…イイ感じダ…」
口が…俺の口が、俺のものじゃなくってる…!?
いや…違、う。
「俺は、俺だ!
 …俺は…俺デアリ、俺様デモアル」
この、感覚…覚えがある。
あの時…ヘビーガンのテストをしていた時と…同じ…!
87アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/04(金) 19:45:15 ID:???
【行動:薬箱、包帯、コルセット、止血剤を探す(-4)マルグリット=エヴァンスに通信(0)】
【残り行動値:0p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:混乱】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム】
【行動方針:………】
【仲間:】
88アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/09(水) 15:52:01 ID:???
(そうだ…俺は…この感覚を、覚えている。
 そして、この声を聞いた事がある…!)
あの日…ヘビーガンの何度目かのテストの時…。
突然、一瞬だけ聞こえた声。
『借リルゾ』
その声を聞いた次の瞬間、俺の意識は闇の中へと沈んだ。
次に意識が戻った時、俺は独房で呆然と佇んでいた。
聞いた話では…大暴れしていた俺は、他のMSにヘビーガンを行動不能にされると、今度は
生身で大暴れしたらしい。
それを話していた看守の、俺に向けられた怒りの視線は未だに忘れられない。

(ああくそっ!
 看守の視線なんか、この問題に関係ないだろ!?
 今は、この俺じゃない誰かの声を…な、んとかしないと…!)
「くそっ…何なんだお前、は…!
 お、俺の中から、出て、イクワケナイダロ?」
(だ、めだ。
 俺の意識の半分近くが、この得体の知れないやつに乗っ取られてる。
 まだ体は動かせるけど…それだって数分後にはどうなってるか…。
 それなら、体が動くうちに…すぐにコロニーからでない、と。
 あの時の事を基準にすると…乗っ取られたら、やばい…!)
「早く…ここから出て、アノ女ヲ殺ス…わけ、ないだろ!」

(プロ、グラムのルールから逸脱していても、俺、は、休戦の約束をした。
 それを…こん、な、訳の分からない事で、破りたくない…!)

ディパックを掴むと、ふらふらとした足取りで薬局を出る。
意識がはっきりしないせいか、踏み出す足が重い。
気分が悪いわけでも、どこかが痛いわけでもない。
ただ眠気のようなものが、俺の思考を途切れさせようとしてくる。
殺殺
その誘惑に目一杯抵抗しながら、ようやくコクピットへと辿り着いた。
できる限り急いでヘルメットを被りシートに座る。
機体を起動させながら、モニターに向かって話す。
「お、お待たせしましたマルグリット、さん」
まだ、笑顔はできている…はず。
「俺の方はか、完了したので…殺…こ、コロニーからで、ます」
(あ、危なく殺し合いって、言わされそうになった…。
 上手く、誤魔化せてればいいけ、ど)

まだ…手も足も自分の意思で動かせる。
俺は再度眠気のような感覚に目一杯抵抗しながら、Gキャノンでコロニーの外へ出て行った。

殺殺殺

【行動:Gキャノンに戻る(-1)機体の起動(-1)K-10に移動(-2)マルグリット=エヴァンスに通信(0)】
【残り行動値:0p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:混乱】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:………!!??】
【仲間:】
89マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/06/10(木) 23:08:33 ID:???
「……人殺し……。」

アーレイ=スリングが補給を終えるのを待ちつつ、小惑星基地で手に入れた整備マニュアルに目を通す。
しかし目を通しながらも思考は別の所にあった。

「……人殺し……彼が?」

なぜそう感じ取ったのか未だに解らない。
一番初めの彼の発言。『地球れんぽ…』……地球連邦軍と言っていたから、彼は軍人なのだろう。
だから軍人として人を殺した事があってもおかしくは無……いや違う。
この感覚はそれとは別の……そう彼は……

"───ソウカ───ンは───"

「……?」

誰かの声が聞こえたような気がして、画面の向こうに目を向ける。
しかし、画面の向こうにはシートしか映っていなかった。
では別の……?
一応、他の参加者が来たのか確認するためにレーダーにも目を通してみたが、
相変わらずコロニー内に光点が一つあるのみである。

"───ク…イイ感───"

また聞こえた……?全体通信でも入っているのだろうか。

"…───デアリ、俺様デモアル───"

いや、これは通信じゃない……。

"─出─イクワケナイダロ?───"

誰……?誰……?

"───アノ女ヲ殺ス───"

「───ッ!!!」

言いようもない悪寒が前進を駆け抜け、呼吸が止まる。
操縦桿を握りしめ、無事な左目を見開き、精神を集中し、声の主を捜す。
コロニー内部……市街地……モビルスーツの側……見つけた。

「……まさか……。」
90マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/06/10(木) 23:09:54 ID:???

『俺の方はか、完了したので…殺…こ、コロニーからで、ます』

画面の向こうにアーレイ=スリングが戻ってきて、そう告げた。
ああ……やっぱり、そうなの、か。
"コレ"を向けたのは。よりにもよって。お前なのか。

「……私に殺意を向けたのはお前なのか……アーレイ=スリング……!」

そう言った時にはもうアーレイ=スリングはこちらの通信範囲外へ出る所だった。
それを見た私の行動は、殺意を向けられた事による反射のようなものだった。
オーキスのスラスターを吹かせ、K-8へ。同時にメガビーム砲のスタンバイを始める。
確かにここでは戦わないと約束はしたが、
あんな殺意を私にぶつけた人物を野放しにしていいはずもない。
……いや、待て。"あの声"は本当にアーレイ=スリングのモノだっただろうか……?
なにか違う感じがしたような……でも、確かに気配はアーレイ=スリングと同じ場所にある。

ここで私は"迷った"。
"アーレイ=スリング"との休戦の約束を守るか。
"殺意を私に向けた人物"をここで……■■■か。

そのどちらもK-10に向かおうとしているMSに乗っている。
……まだ、追いつける……どうする……?


【行動:通信・途中で途絶(-0) K-8へ移動(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:K-8 コロニー外部 】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 選ぶ 】
91アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/11(金) 17:50:30 ID:???
(俺は…俺の、名前は、アーレイ=スリング)
意識を繋ぐために、自分に何度も言いきかせる。
(地球連邦軍の、テストパイロットで、元々は…整備を希望していて…)
まだ俺は俺らしい。
言葉になってないような気もするけど、要するに俺は俺なのだ。
腕を見る。
腕はしっかりとコンソールスティックを握っている。
足を見る。
足もしっかりとフットレバーを踏み込んでいる。
俺は正常だ。
まだ、という但し書きは付くけど、俺は正常だ。

殺殺殺殺

ふと見ると、モニターには何も映っていなかった。
(……通信範囲、から、出てるんだから、繋げておく必要はないよな)
まだ混乱しているけど、そのくらいの判断はできる。
(通信といえば…さっきのマルグリットのあれは…)
通信を切りながら考えた。
『私に殺意を…』
多分通信範囲から出る直前の通信だったのだろう。
マルグリットの声は、その部分しか聞こえなかった。
むしろ混乱していたことを考えれば、そこだけでもよく聞けたものだ。
…マルグリットは…自分に殺意が向いた事に気づいたのだろうか。
気づいたとすれば、最後の通信という事になると思うけど…。
表情、言葉、仕草…どこで気づいたのか。
可能性で言えば、殺し合いを無理矢理コロニーに言い直したあの部分。
極力そういったものが見えないよう注意を払ったつもりだけど、マルグリットはかなり鋭い感性を
持っているのかもしれない。
…って言うか、まだ気づかれたかどうかも分からないし…。

「…参った、ワケネエダロ」
…口を開けばこれだ。
今のところ意のままにならないのは口だけだけど…気を抜いたら一気に乗っ取られるのだろうか。
それならば、体の自由があるうちにできるだけマルグリットから離れる。
もしかしたらこれは声だけで、体を乗っ取られる心配はないかもしれない。
でもそんな安易な考えで安心できるわけもない。
であれば…最悪のパターンを踏まえて行動するしかないだろう。

【行動:O-10に移動(-4)】
【残り行動値:0p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:混乱しているが多少落ち着く】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:マルグリットから離れる】
【仲間:】
92マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/06/13(日) 00:08:01 ID:???
「……。」

結局私は撃てないまま、アーレイ=スリングはレーダーの範囲外へ行ってしまった。
まるで逃げるように……逃げるように?

……何故逃げる必要があったのだろうか。
この"オーキス"を見て、戦力差があると考えたのか。
いや……彼はこちらを見もせずに全力で去っていったように見えたのだが……。
他に何か理由が……?

ともかく。
"追いつけないモノは仕方がない。"
そう自分に言い聞かせ、私はコロニーに入る算段をつけ始める事にした。
確かに"あんなモノ"を野放しにしておくという心残りもあるのだが……気持ちの切り替えも大事だと考える事にする。

……もし、次会ったときは殺し合いになるだろう。

「その時は……その時は。」

倒……殺そう。私は殺されたくない。生き残りたい。
死んだら何も出来ない。何も変えられない……。

「……また……か。」
また思考がループする。
行動せよ。行動せよ。
自由に動ける内に出来る事をやっておかないと。
オーキスを港湾部の影にクローアームでしがみつかせ、ザクを分離させる。
その時……

───殺殺殺殺───

「……う……ッ」

先程自分に当てられた殺気を思い出し、一瞬目眩を覚える。
それによりコロニーの壁面にザクをぶつけそうになったが、何とか持ち直した。
……古い割には、意外と機敏に動く機体のようだ。

それにしても何だったんだろうか……あの殺気は。
……通信越しでしか知る事は出来なかったが、アーレイ=スリングという人物像からは
遠くかけ離れたあの感覚……。
まるで別人……そう、一つの身体に二つの……本当の意味で二つの人格があるような……。

……そんな事が有り得るのだろうか?

【行動:オーキス分離(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:K-8 コロニー壁面 】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
93アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/17(木) 13:42:21 ID:???
暗礁地帯を進む。
今更だけど、今の精神状態を考えればこっちに進む必要はなかったかもしれない。
俺の中の何者かに気を取られすぎて、岩塊に激突したりしたら目も当てられない。
操縦を間違えたりしないよう、飛行速度を落とした。
どうやらマルグリットが追ってくる気配はないようだし、ここは安全運転で行こう。
(…とは言え、こ、れからどうする?)
当然の悩みだ。
半ば焦ってコロニーから出てきたけど、コロニーにいた時も行動予定など考えていなかった。
未だに行き当たりばったりだ。
(とに、かく…じっくり考える、場所と時間が欲しい)
この状態でどこまで落ち着いて考えられるかは甚だ疑問だけど…。

殺殺殺殺殺

若干もやのかかったような意識を集中し、暗礁地帯を進む。
ともかく今は操縦する事に専念だ。
幸いな事にあの声に、体の自由までは奪われていない。
この先は分からないけど、今のうちならどこへでも行ける。

暗礁地帯を抜け出てみると、そこは戦場跡だった。
さっきまでの岩塊が残骸に変わっただけで、これといった印象の変化はない。
身を隠すには丁度いいけど、どうにも殺伐としすぎている気もする。
(あ、そうか…マップが、どこかに…)
マップの存在を思い出して、さっそく広げてみる。
見たところ周囲には何も…いや、コロニー改造要塞なるものがあった。
「コロニー…ニ戻ッテサッサトアノ女ヲ…」
つい口を開いてしまい、慌てて『声』を塞いだ。
(…コロニー改造、要塞か……読んで、字のごとくな、んだろうけど…)
要塞でもなんでも、少しでも落ち着ける場所があれば有難い。

殺殺殺殺殺殺

Gキャノンを南に向け、要塞を目指す事にする。

【行動:O-12に移動(-2)】
【残り行動値:2p】
【位置:O-12(要塞の外)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:混乱しているが多少落ち着く】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:少し落ち着きたい】
【仲間:】
94マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/06/17(木) 23:06:37 ID:???
「……。」

都合、3つ目の隔壁を開け、コロニー港湾部を進む。
……ここまで進むのに30分もかかってしまった。
別に道に迷った訳でもないのだが……隔壁を開けるのに"少し"手間取ったのだ。

「……ー。」

思わず溜息を出しかけて、止める。
どうにも"こういう事"に対して私はとことん無能であるらしい。
小惑星基地に入るのにも数分かかったし……
……それにしてもコロニーの居住区に入るのに……40分もかかるとは。

「……はぁ。」

目の前に現れた4つ目の隔壁を前に、今度は溜息がでる。
……さて、スイッチの類はどこだろうか。

───5分後、隔壁の周囲を行ったり来たりした結果、隔壁真横にある操作パネルを見つけた。

40分と見ていたところが35分で済んだと考えるべきか、
こんな場所のスイッチを探すのに5分もかかったと考えるべきか。
そんな割とどうでもよさそうな思考は、目の前に広がった光景によって吹き飛ぶことになる。


「───あ。」


円柱という不自然な空間の中に広がる自然。
その合間に作られた街。
それらを覆う雲。
その中心に今、私はいる。


まともな言葉が出なかった。

何も思考できなかった。

ただ、"凄い"とだけ。

まだまだ"世界"を知らない私には、その言葉しか思いつかなかった。


【行動:コロニー内部へ(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック 】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない ……。 】
95アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/18(金) 17:10:55 ID:???
(いざ来てはみたものの…)
コロニー改造要塞なる建造物の前に佇む。
(こうも印象が変わるもんかな)
巨大な円筒形の人工物というところはコロニーと同じ。
だけど周囲にハリネズミの針のように張り巡らされた火砲は、在り方が全く違う事を鮮烈に
示していた。
元が元だけに積載量も半端じゃない。
宇宙港はそのまま、1個艦隊くらいが停泊できる軍港になっているようだ。
それに妙に大きく見えるのは、本体の防御力を上げるために装甲を厚くしているのか。
パルスジェットも追加され、ある程度の行動力もあるらしい。
要するに…これは要塞ではなく、巨大な宇宙母艦とでも言うべきものだろう。
あのドロス級の規模を100倍くらいにした感じと言えば、少しは雰囲気が伝わるかも。

それはともかく、目的の場所まで来たんだから中へ入らねば。
(港は…入れるか、な?)
元がコロニーである以上、港から中に入れるはず。
その他にも細々とした出入口はあるみたいだけど、MSが通れるかというと心許ない。
ゲートを抜け、何もない港へと進む。
軍専用に改造されただけあって、港内も大きくなっている。
どこかしらに施設内に入る入口が…。

港内の建物の隣にGキャノンを停めて降りる。
そのまま壁沿いに入口を探して歩き始めた。
要塞とは言っても、全部が全部改造できるわけじゃない。
港にだって居住できるスペースくらいあってもいいと思う。
施設を流用しているのならなおさらだ。
それにさっきのコロニーから推測すると、施設はどこもある程度自由に使えるらしい。
だから出入口さえ見つかれば、中に入るのはさほど苦労はしないだろう。
そう考えつつ少し歩くと、エアダクトらしきドアを見つけた。
(…中、に入れば、どこかで、落ち着けられるかな)
そんな事を考えつつ、俺は中へと入っていった。

【行動:港内に入る(-1)入口を探す(-1)施設内に入る(-1)】
【残り行動値:1p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:多少落ち着く】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:少し落ち着きたい】
【仲間:】
96マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/06/27(日) 19:48:40 ID:???
「……。」

左目を細めて空を見上げる。その向こうに見えるのは……天井?床?
……理屈では解っていてもなんだか気持ちの悪いものだ。
どうにも地球に比べて世界が狭く感じる。
……まあ、2年前までに比べれば十分広いとも言えるのだが。
2年前までの私に許されていた"世界"は小さな個室と調整室、あとシミュレータールームだけだったのだから。
だが2年前、プログラムに参加させられて、私の世界は……。

……。
感傷に浸っている場合ではない。やる事は沢山あるし、のんびりもしていられない。
目の前にある店舗の駐車場と思わしき場所に停めた機体から降りる前に
レーダーを確認した時は何の機影もなかったが、
いつ他の参加者がやってくるとも限らないし、なにより……。

「アーレイ=スリング……。」

彼が戻ってくる可能性もある。……いや、高いと言えるだろう。

どちらにしても時間が無い事は確かだ。
久々の重力の所為か妙に重く感じるディバックを肩に掛けると、
早速私は目の前の店舗へ入って行った。

【行動:店舗を捜索(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック 】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
97アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/06/30(水) 01:06:57 ID:???
エアダクトを抜けて施設内に入ってみたが、どこにでもあるような建物と変わらない内装だ。
要塞と言うからもっとごてごてしたイメージがあったけど…。
やはりこの淡白さは、元の宇宙港の施設を流用してるからなのだろうか。
まあ、変に入り組んだ構造にされるよりかはましだから、これはこれでいいとは思う。

適当にいくつか部屋を覗き、休憩室と思われる部屋を見つけて入ってみた。。
部屋の中に置いてあるのは、ビリヤードやピンボールの台。
奥の方にはダーツのボードが見える。
…休憩室と言うよりは娯楽室みたいな感じだ。
勤務明けや当直時間外など、ここに集まってみなで騒いだりするのだろう。
部屋の一角にあったソファーに腰掛け、テーブルにコーヒーと保存食を出す。
ともかく腹が空いている。
何か食べない事には、この先の活力が沸いてこない。

(やっぱり、コー、ヒーはいい…)
喉は無論の事、食道や胃袋まで染み込んでくるような味に暫し感動。
さらに保存食に手を伸ばしながら考えを進める。
(だいたい、俺の中、に、いるのは誰なんだ?)
まるで覚えがない。
きっかけが何だったのか、それすらも分からない。
あのテストの時に初めて現れたのだが、前兆も何もなかったんだから…。
(こいつは、俺に何を、させたいんだ?)
…これは何となくというか…ほぼ分かっている。
こいつは俺に殺し合いをさせたいらしい。
最初に現れた時に、ヘビーガンで大暴れしたのもおそらくこいつだろう。
生意気にもMSの操縦を知っているらしい。
(…俺は、どうすれば、いい?)
…どうすればいい?
こいつに抗う…抗えるのか?
ましてや、こいつを追い払う方法なんて俺の知識で思いつくわけがない。
(悪魔、払いに、でも…頼んでみる、か?)
冗談も冗談ぽく聞こえない。
そのくらい洒落にならない状況だ。

「…くそ」
保存食を食べ終わり、思わず悪態が口から出る。
考えるだけ考えても、状況を好転させるものが何も出ない。
悪態だってつきたくもなる。
ソファーの背もたれに体を預ける。
(…俺、いったい、どうなる…んだ…)
不意に強烈な睡魔が襲ってきた。
そういえば、プログラムが始まってから満足に寝てない。
(…まあ…ひと寝入りしてから…もう、一度、考えて…みる、か…)
俺は睡魔に逆らうことなく、誘われるままに瞼を閉じた。

【行動:部屋を探す(-1)食事(-1)睡眠(-1)】
【残り行動値:1p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:睡眠】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:…】
【仲間:】
98アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/07/02(金) 16:56:54 ID:???
(………)
(………………)
(………………………………おや?)
俺はゆっくりと目覚めた。
きょろきょろと周囲を見回して首を捻る。
(俺…娯楽室で寝てたはずだけど…)
今俺の周囲は、完全に闇に包まれている。
文字通り一寸先も見えない闇の中だ。
「…ここは、一体どこだ?」
ぽつりと呟いてはっとする。
「俺は、コロニー改造要塞で休憩中」
声を出しても、例の声に邪魔されない。
「…どういう事だ…?」
邪魔されなくなった理由を考えてみる…。
だけどこれまでの事ですら理解不能なのに、新たに考えたところで分かるはずもない。
でもまあ、これはこれでいい傾向だと思う。
ああも邪魔されるのは俺だってさすがに辛い。
「…それにしても、本当にここはどこなんだ?」
今いる所がどこなのか分からないと、この先の行動がとりにくい。
《分からないのも無理はねえか》
その声は、目の前の闇の中から聞こえてきた。

「誰だ!」
そう言いながら、俺は声の正体について何となく見当はついていた。
この声は…ヘビーガンのテストの時に聞いたあの声と酷似している。
《ここはおめえの…ありがちな表現を使えば夢の中、だな》
「だから、お前は誰なんだ!」
もう一度同じ事を聞いた。
この声が俺の中にいた奴だという事は分かる。
だからこそ、俺はこいつが誰なのか知りたい。
《別に俺の事なんざどうでもいいだろ。
今重要なのは、おめえが…》
「俺にとって重要だから聞いてるんだ!」
《短気は損気って言葉を知らねえのかよ。
…まあ、早いか遅いかの違いだからな》
次の瞬間、何もない暗闇に何かの気配が生まれた。
「誰か」ではない…「何か」の気配…。
ここがこいつの言う通り夢の中なら…今感じる寒気は…何だ?
この現実感は…本当に夢の中で有り得るのか?
99アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/07/02(金) 17:03:42 ID:???
不意に暗闇が何かの形を形成し始める。
…それはどうやら、人型のようだ。
気配は得体が知れないけど、とりあえず見た目は怖くなさそうだ。
そして、やがて近づいてきたそれは、紛れもない人間の姿をしていた。
俺よりも少し高い背丈に、筋骨隆々とまではいかないまでもしっかりとした体つき。
ブラウンの短めの髪と無精髭。
顔つきは悪くはない、のだろう。
ただ一点…瞳が血のように真っ赤な事を除けば、姿かたちは人間と変わりなかった。

「お前が…俺の中にいたのか?」
その人物(?)は、小さくにやりと笑った。
《中にいたかどうかは知らねえが、ずっと近くにいた事は確かだなぁ》
小馬鹿にされているようで癪に障るけど、聞く事は聞いておかないと…。
「お前は、誰なんだ?」
腕組みして考えるような仕草をするそいつ。
《俺様は俺様だ。
おめえに説明したところで、理解する事なんてできねえだろうさ》
やっぱりまともに答えるつもりはないのか。
《つっても、俺様自身自分の名前ももう覚えちゃいねえ。
通称つうか…あだ名みたいなもんはあるけどな》
あだ名とか、そんなものを聞いても意味がない。
姿を現したからって、全てを明かしてくれる思う方が間違いなのか…。
《俺様としては、1つだけ気に入ってる名前はあるんだがな。
そうだな……まあ…取りあえず俺様の事は「レイモンド」とでも呼んでくれ》

【行動:夢の中?(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:睡眠】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:…】
【仲間:】
100マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/07/03(土) 19:48:06 ID:???
「……1階の東側に食料品で……西側のここに薬局で……。」

先程入ったモールの案内看板から、目当ての店を探す。
これだけ大きな店舗なら、大体の物資は手に入るだろうと入ってみたのだが……。

「どうしてこう、広い上に解りにくいのか……。」

少々失敗だったかもしれない。
街を歩き回るよりは楽だと思っていたのだが。
案内看板を後にし、まず薬局がある西側へ向かう。
途中、様々な店舗が目に入ったが、特に目を引く店舗はない……が、

「……相変わらず、完全に無人……」

足を止めて周囲を眺めてみるが、レジにいるべき店員も買い物客もおらず
店内音楽やCMの音声のみが空しく鳴り続けている。
そういえば"前回"初めて街に着いたときも……


―――んだよ、街には誰もいないのか。つまらねェ。
     全員殺して良いって聞いてたのになァ、それは参加者だけか。なぁマキ―――


「……場所が宇宙になっても人がいないのは相変わらずみたいだよ。」

ふと、ある人物を思い出し、思わずそれに応えるように呟く。さらに続けて、

「……私、もだけど。」

……

……独り言が過ぎた。全て"聞かれている"というのは解っているというのに。
こんな所で立ち止まって、昔の出来事を思い出していても仕方がない。今はやるべき事をやろう。

薬局は……あそこかな。


【行動:モール内探索・薬局発見(-4)】
【残り行動値:0P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 生肉1kg 懐中時計 コート 私服 MS整備マニュアル] 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
101アーレイ=スリング@代理:2010/07/13(火) 23:00:22 ID:???
「…レイモンド?」
思わず聞き返した。
《ああそうだよ。何かおかしいところでもあるか?》
「いや、おかしいというか…普通の名前だなって」
これだけ得体の知れない奴なのに、何でそんな普通の名前を好んでいるんだろう。
聞きたい事の本筋から外れているけど、興味はある。
《けっ、人様の好みに余計な口挟むんじゃねえよ》
予想はしてたけど、やっぱり教えてはくれない。

「それでレイモンド、さっきも言ったけど聞きたい事があるんだ」
さっきよりも落ち着いて話す事ができた。
レイモンドの妙な人間臭さが、多少なりとも影響しているのかもしれない。
《あーまあ、聞くだけなら聞いてやらあ》
ん、向こうも一応聞いてくれるようだ。
…あ、でも、聞くだけで話してくれるとは限らないのか。
「お前は…俺に何をさせたいんだ?」
とにかく話してみた。
まずは聞いてもらわない事には何も始まらない。
《いきなり核心だな。
まあ俺様としても話を長引かせたくないし、いいさ、話してやるよ》
聞くだけとか言っておいて、結構素直に話し始めた。
言葉遣いはあれだけど、話せない奴ではないのか?

《と言っても俺様の目的は単純だ。
おめえだって大体の見当くらいついてるんだろ?》
…そりゃまあ俺なりの予想は立ててるけど。
「俺に…殺し合いをさせる」
俺の口から出た言葉からして、レイモンドがそうさせようとしているのは間違いないだろう。
《厳密に言えば違うが、まあほぼ正解かもな。
俺様としては、ここらでおめえに殺る気を出してほしいわけだ》
別に完璧な正解でなんかなくたっていい。
レイモンドが何をしようとしているのか、大体でも分かればそれでいい。
102アーレイ=スリング@代理:2010/07/13(火) 23:01:13 ID:???
それに対する答えも決まっている。
「そう聞いて、俺が『はいやります』とでも言うと思うか?」
《やるもやらないも、このプログラムの中にいたら選択肢はないだろうが》
「選択肢がなくても、最終的に戦う時期は俺の意思で決めるよ」
《最終的にとか、んな温い事言ってたら結局は何もできねえで終わるぞ?
殺し合いだろうがセックスだろうが、やるべき時にやる。
それができねえなら…生きてる価値ねえだろ》
「俺の生きる価値ってのは、お前に決められるもんじゃないだろう!」
《プログラムにいる奴が、生きる価値なんて言葉口にすんな》
不毛にも思える問答の中、俺は考える。
(…何でレイモンドは俺に殺し合いをさせたがるんだ?)
まあどう見たって人間じゃなさそうだから、そういった血生臭い事が好きなのか。
(でも何故、俺なんだ?)
わざわざ俺にやらせようとしないで、自分でやればいいような気もするが…。
これ以上何を言っても無駄のように思えるけど、ここでやめるわけにはいかない。。

「でも俺は…」
《まあいいか》
俺の否定の言葉を、レイモンドはあっさりと遮った。
《おめえの方で殺る気を出してくれればしめたもんと思ったがよ。
これ以上何を言っても無駄みてえだし》
一瞬退いてくれるのかと期待した俺の考えは、次の瞬間あっさりと瓦解した。
《やっぱ俺様が動かす事にするわ》

【行動:夢の中?(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:睡眠?】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:…】
【仲間:】
103マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/07/15(木) 01:13:51 ID:???
「……!?」

薬局に着いた私は、手始めに自分が今持っている物資の確認を行う事にした。
……と、言うのも既に手持ちのディバックの容量に余裕がなかったからだ。
かと言ってこれ以上バックを増やしても、あの狭いコックピットには入らないので、
中身を再整理すると同時にいくつか荷物を捨てる事にした。
と言う訳で、ディバックの中身を漁ってみたのだが……。

まず拉致される前に着ていた私服。これは取っておこう。
次にあちこち擦り切れた真っ黒なコート。これは大事な物なので取っておく。
懐中時計。父上に、養子になって2年目の記念に貰った物だ。
これはねじを巻き直し、首から下げてノーマルスーツの中に入れておく。
針は相変わらず英国の時間を刻んでいたが、直さずそのままにしておこう。
整備マニュアル。まだ読み切ってないのでそのままに。
水とパン。必須品なのは言うまでもない。だがパンは痛む前に食べよう。


で、問題の……

「……肉?」

一つ見慣れない物が入っていた。
見たところ牛肉のようだ。明らかに生であり、わざわざ痛まないようにかパックされている。
重さは1sといったところか。それにしても何故生肉が……?

……そう言えばこの殺し合いの参加者は皆MSと、MS用の武装、それに何らかのアイテムが支給されるんだった。
それにしても……生肉か。"前回"と言い、私はこの辺りのクジ運は無いようだ。
とりあえずこれを捨てる事にしよう……と言っても、只捨てるのも勿体ないので、
モール内のフードコート辺りで調理して食べようと思う。

そんな事を考えつつ、生肉を出して、服等をたたみ直した事で空いたスペースに医療品を入れていく。
消毒液やガーゼ・包帯を多めに。あとは止血帯。基本的に応急処置に必要な物だけを確保する。
各種薬品などは……止めておこう。色々と人とは違う身体なので、何が効いて何が危険なのか解らないからだ。

さて、医療品はこんな所だろうか……?
次は食料品の確保。……それが終わったら、食事を取ろう。

【行動:薬局探索(-4)】
【残り行動値:0P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り1.5本 コッペパン2個 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     生肉 懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
104アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/07/16(金) 15:28:43 ID:???
「なん…だと?」
その言葉に背筋が震えた。
《ん、聞こえなかったか?
俺様がお前を動かすって言ったんだよ》
世間話でもするようにとんでもない事を言い放つレイモンド。
でも俺は分かっている。
実際こいつは、あの時俺を動かしてヘビーガンで暴れている。
今言っている事は、何の嘘も誇張もない真実なのだ。
《おめえ、今寝ているのは単に眠くなったからだと思ってんだろ?》
「そ…それが、どうだって…」
《あれは俺様が眠らせただけだ。
起きていられると、もしかしたら邪魔されるかもしれないんでな》
「そ、んな事が…!」
《あるんだよ。
まあ恨むなら俺様と僅かでも相性の良かったおめえの体を恨むんだな》
目の前のレイモンドの姿が、また闇の中へと掻き消えていく。
「ま…まて…待ってくれ!
俺、俺の体…俺の体は俺のものだ!…俺の…俺の…!」
《心配すんな。
おめえが戦うよりは、俺様がやった方が生き残る確率は高いぞ?》
その言葉を最後に、レイモンドの姿は完全に闇の中に消えた。
「待てっ…おい、待て、待ってくれええええ!」
俺の声は闇の中に吸い込まれ…それだけだった。
右も左も分からない場所で、俺はただ呆然と立ち尽くすしかなかった…。



ふっと目が覚めた。
がばっと体を起こし、周囲を眺める。
眠った場所と寸分違わない、基地内の娯楽室のソファー。
額に浮かんだ汗を払うように拭う。
…寝汗の量からすると、あまりいい夢ではなかったようだ。
ゆっくり立ち上がり、部屋の隅にあるトイレの洗面台で顔を洗った。
冷たい水の刺激に、急激に感覚が冴えてくる。
全体的に少し気だるい感じがするが、そのうち慣れるだろう。
「…まあ、あとは俺様に任せとけ」
洗面台の鏡に映る血のような紅い瞳が、小さく笑みの形に歪んだ。

【行動:夢の中?(0)洗顔(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:O-12(要塞内)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:睡眠?】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:…】
【仲間:】
105マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/07/22(木) 00:50:08 ID:???
「……。」
誰もいない食料品売場を歩く。
耳に入ってくるのはもう何週目かも解らなくなった店内BGMと、自らの足音のみ。

カツン――

とりあえず確保するべき物を確認しよう。
まず、無重力下でも食べられるような保存食。
味はこの際気にしない。そもそも相当濃くない限り私には味は意味が無いし。

カツン――

あと飲料水。
これも無重力下でも飲めるタイプの物を探さないと。
幸いここはスペースコロニーのショッピングモール。探せばあるだろう。

――ガタッ

「……!?」

不意に聞こえた音に身体が強張る。
腰に手を回したが、拳銃の一つも持っていない事に今更気が付いた。

「……人……?」

結局、音のした方を慎重に確認してみたところ、
無理矢理積まれていた商品が倒れただけだったようだ。

「はあ……。」

誰も仲間がいない状態での探索活動がこんなに心細……もとい、落ち着かない物だとは思わなかった。
と言っても今更仲間が必要だとかそう言う訳ではないのだが。

……とにかく、探すべき物が一つ増えた。
護身用に拳銃か何か……その辺の警察関係の施設か、コロニー管制ブロックの警備員室等で見つかればいいのだが。
コロニーを出る前に探してみよう。


【行動:食料品売場探索(-4)】
【残り行動値:0P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4.5本 コッペパン2個 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     生肉 懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
106アーレイ=スリング@代理:2010/07/30(金) 00:01:07 ID:???
男は洗顔を終えてから室内に戻った。
さっきまで寝ていたソファーにまた座り、体…特に手の指の動きを見る。
普通に動かす分には問題ないが、細かい動作…今回みたくMSの操縦をする場合は注意する。
操縦ミスなんかをして、あっという間に終わる事は避けたい。
「…まったく」
指の調子を確かめながら小さく文句を垂れる。
他に誰もいないから、ただの独り言になってしまっているが。
「やっぱ、何だかんだで面倒くせえな」
昔から死や破壊によって生ずる人間の負の感情が好物だったが、それを生み出すために自分
でアーレイの体を動かすのが億劫らしい。
ただ既に一度動かしている体だから、動かしにくいわけではないようだ。
この男にとっては、人間にとり憑いて負の感情だけを頂くのが基本なのだろう。
レイモンドの時もアルバートの時も、話しかけたりはするが直接体を動かそうとはしなかっ
のもそこらへんが理由と思われる。

指の動きもそうだが、男は体全体もまだ気だるい感じがしていた。
少しだけ相性がいいとはいえ、完全に馴染むまでにはまだ少し時間がかかる。
最高の相性を持っている、レイモンドやアルバートならこんな事はないのだろうが…。
「まあ、今更仕方ねえ」
吹っ切るように言い放つと立ち上がった。
多少体の重さは感じるが、MSに乗ってしまえば関係ない。
要は最低でも手足が普通に動けばいいのだ。
手足の動きに問題がない事を確認すると、男はディパックを担いで部屋を出て行った。

ヘルメットを被り、エアダクトを抜けてGキャノンに戻る。
一度も戦闘をしていない、真新しい綺麗な機体。
それを見ていると、これから戦火を交えるのが勿体無く思えてくる。
しかし、綺麗なままでいる事は男もGキャノンも望んでいない。
「俺もおめえも、理由は違えど戦うためにここに存在する…違うか?」
戦うために作られたのなら、その真価は戦場において発揮される。
そしてここは戦場だ。
プログラムがどうとか、そんな事は男にとっては些細な付加要素でしかない。
男は死と破壊を望み、Gキャノンは死と破壊のために作られた。
男が躊躇する理由はこの世界のどこにもないのだ。
コクピットに座り、各機器を確かめる。
見よう見まねだが、操縦は一通りできるから心配はしていない。
というよりも、元より心配という精神構造がないに等しい。
男は己の食欲を満たせれば、後の事は何も考えていないのだ。
だからマイナスの感情など、表に出てくる筈がない。
「それじゃあ、行くとするかね」
悲壮感とは無縁の笑みを浮かべて、男はGキャノンを発進させた。

【行動:体の確認(-1)港に移動(-1)O-10に移動(-2)】
【残り行動値:0p】
【位置:O-10】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
107マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/08/03(火) 20:06:53 ID:???
「もう少し……?」
私が物資の補給に選んだショッピングモールのフードコート。
当然、誰もいないそこで私は、"組織"から支給された生肉を調理していた。
……と言っても、食べる分を切って、店の鉄板で焼いているだけだが。

「そろそろいいかな……。」
体の調子を崩す訳にはいかないのでしっかりと焼いておく。
特に調味料で味等はつけない。私にとっては味も風味も……意味がない、から。

――――――

「……。」
同じく"組織"から支給されたパンと共に焼き上がった肉を食べる。
誰も見ていないので食前の祈りは省略した。
……正直神がどうとか、興味がない。
そんなものに祈りを捧げてどうするというのか。

そして肝心の食事なのだが……殆ど味は感じないし、匂いも余り感じない。
英国にいた頃から感じていたが、不便な身体にされたものだ。
……それにしても。

「……また少し、嗅覚が衰えて来てるような……。」
……気のせいだろうか?
味覚は初めから殆ど失われていたため比べようがないが、嗅覚は……。
理由は……特別な環境に放り込まれた事により嗅覚味覚に何か影響が出ている?
……私にとって何が特別で何が特別で無いかは正直解らないが。

もしくは……

「"壊れて"きている……?」

……何を言っているんだ。私は。
馬鹿な考えを頭を振って追い出すと、私は黙々と食事を進めた。


【行動:生肉を調理・食事(-4)】
【残り行動値:0P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み 】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 コッペパン2個 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
108アーレイ=スリング@代理:2010/08/07(土) 01:32:35 ID:???
男は暫く真っ直ぐに飛行を続けていた。
コクピット内は、見たところ彼が以前大暴れさせたヘビーガンとさほど変わらない。
多少の細かな違いはあるが、さして気にならなかった。
かつて男がとり憑いていた人間が言った事を思い出す。
『MSの操縦など、ザクの頃から基本は変わっていない』
きちんとした訓練を受け、それなりの時間の操縦経験があれば、突然違うMSに乗る事に
なっても応用を利かせられる。
パイロットの資質を持っていれば誰もが可能な事である。
まあ一部の特別な適格者は、何の訓練もなしにいきなり操縦できてしまったりするが。
それはともかく、男にはそういった訓練の経験も操縦経験もない。
男はMSの操縦を、さっきも言ったように見よう見まねでこなしている。
ずっととり憑いていた人間…レイモンド=デリックの戦いを男は誰よりも間近で見ていた。
クロスボーン=バンガード、バトルロワイヤル、そしてその後の傭兵生活…。
その膨大な時間は、男にとってもそれなりの経験になっているのだろう。
初めて乗るGキャノンを、何でもないように操縦しているところからもそれが窺える。

その他にも多少ではあるが運も味方していた。
Gキャノンは、軍の違いはあれどクロスボーンと同時代のMSである。
レイモンドも当然戦場で遭遇したし、鹵獲したGキャノンを試乗してもいる。
そういった経験も、男の操縦に影響しているのは間違いなさそうであった。

初めて男が操縦したヘビーガンに比べると、僅かに違和感があるようだ。
気になるのは、コンソールスティックのスイッチの数。
ヘビーガンよりも武器が多いため、切替に手惑わないよう確認しておく。
男の性格?からするとスカっと全弾発射してしまいたいのだが、それで相手を倒せるのなら
ともかく、そうならなかった時の事を考えるとこの手の準備は欠かさない方がいい。
「…ホントに、面倒くせえ…」
嫌そうな表情でコンソールスティックを弄る男。
だが嫌でも何でも、戦いを長く楽しむためにはこれも必要な手順なのだ。

【行動:武器切替の確認(-1)N-8に移動(-3)】
【残り行動値:0p】
【位置:O-10】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
109マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/08/10(火) 01:26:41 ID:???
「……よっし。」
調理に使った器具を洗って元に戻し、残った肉を冷蔵庫に仕舞う。
さて、ここでの用事は全て済んだ。

「……さて、次は……。」

自分自身が持つための武器。
先程モール内を歩いている内に気が付いた物だが……。
何処を探すのが一番手っ取り早いだろうか。
あまり大きな武器は持っていても邪魔になるだけだし、
何よりそういった訓練をした事がない私では多分扱いきれない。
となると拳銃の類……。これならわざわざ軍基地などを探さなくても、
警察署やコロニー警備隊の詰め所とかで見つかるだろう。

ではまず、警察署は……どこだろう。
とりあえずモールを出て、周囲を見渡す。
私の目で見える範囲にそういった施設は見えないようだ。

一度MSに戻って、MSの目で走査した方が早いだろうか。
それに……MSを降りてからだいぶん時間が経っている。
周囲に他の生徒がいないか、一度レーダーを確認しておく必要がありそうだ。


【行動:片づけ(-1) MSへ移動(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 駐機中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
110アーレイ=スリング@代理:2010/08/20(金) 00:37:24 ID:???
男は一旦Gキャノンを停めてマップを見直す。
ここまで来るとコロニーまではあと少しだ。
フィールドはかなり広いが、今のところ男が行く場所はそこしかない。
理由は、マルグリットがいる可能性があるから。
現在明確に居場所の予想がつくのが彼女しかいないため、男もコロニーに向かわざるを得ない。
他の参加者の動向が少しでも分かっていれば、男にももう少し選択肢があったのだろうが。
「…マルグリットね」
その名前を小さく呟く。
その声の響きには、傍目には何の感情も含まれていない。
男にとってマルグリットは間違いなく敵であり、食料でもある(ここでいう食料とは、あくまで
も彼女の負の感情の事だが)。

ただしマルグリットと戦闘するにあたって、どうしても考えなければならない事がある。
彼女との操縦技術の差はどの程度なのか。
アーレイの視線で彼女をモニターに見た時、さすがに素人という感じはしなかった。
その物腰も、年齢に似合わず落ち着いた印象を受けたような気がする。
以前男が見たニースという素人の少女に比べれば、印象の違いは一目瞭然だ。
断定はできないが、少なくとも素人ということはないだろう。
そして男と比べた場合どうなのか。
…はっきり言えば情報が少なすぎて判断できない。
素人ではないという憶測しかできないマルグリット。
ある程度は見よう見まねでできるが、戦闘そのものは未知数の男。
これで答えを出せと言う方が間違っている。

では何故無駄と知りつつ男は考えるのか。
これもひとえに食事のためである。
マルグリットが弱いのならいたぶって恐怖を頂く。
逆に手に負えないほど強いのなら、それはそれで別の感情を頂く。
男にとっては結局のところ、如何にして美味しく食事をするかというそこに尽きてしまう。
戦闘は食事への過程であり、それが長ければ長いほど食事にありつけられる。
だからどうしても、男はマルグリットの事を考えざるを得ないのだ。

【行動:マップの確認(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:N-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
111エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/08/21(土) 04:30:38 ID:???
そろそろ動き出すべきだろうか。

この狂ったゲームが始まってから、俺はずっとこの空域に留まり続けていた。
運良く辛うじて活きている戦艦を見つけ、そこを拠点として辺りの様子を伺いつつ
このジオングの完熟訓練に明け暮れていた。

今まで搭乗してきた汎用機と違い、小型艦艇といっても差し支えない程、
特殊なこのMSに慣れるのには、思った以上に苦戦したものの、
現在では各種動作に困らない程度には、動かせる様になっていた。

特に苦労したのは、有線式腕部の操作だった。
知識としては、インコムのような物とは理解できたのだが、
今までに使ったことの無い類の兵装を扱うと言うことは、言葉で言うより難しい物だ。
通常、完熟訓練と言う物には然るべき教官と、マニュアルの元に行われる物だが、
目下、この状況で望むべき物などあるわけが無い。

静止物なら9割、直線移動物なら6割。
自己流の訓練を重ね、ここまでの技量を確保できたが、
相手が複雑に起動する戦闘の際は、精々2割程度と考えるべきか。

だが、扱えるようになると、これ程心強い武器も無いかもしれない。
多方向から攻撃できると言うことはすなわち、面制圧が可能となる。
わかりやすく言えば、二本の腕を飛ばせるこの機体は、二体の味方を得たような物だ。
もっとも、そう言えるほど満足に扱えるようになった訳ではないのだが。
本当の意味でこの兵装に完熟すると言うのは、1、2年で済む話ではないだろう。
今は飛ばして、撃てるだけだ。

話を現在の状況に移す。

現在、廃艦となったチベ級CAを拠点に活動している。
艦橋が吹き飛ばされ、機関部が全損している艦だったが、幸いそれ以外のダメージは少なかった。
予備の発動機から電源は使用できたし、食堂には保存食や水もあった。
一番大きかったのは、格納庫が満足に機能したという所だ。
今まで満足に訓練できたと言うのも、こういった恵まれた環境が有ってこその物だった。

しかし、どうやら此処に留まっていても、何も始まらないようだ。
俺は、暫し世話になったこの艦を後にする事にした。
この素晴らしいダメージコントロールを行った乗組員・・・ジオンの兵隊ではあるが。
感謝の気持ちを捧げ、静止したこの空間から離脱した。

【行動:移動】
【残り行動値:0P】
【位置:U-10→S-9】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:取りあえず、コロニーを目指す 目的は無いけれど、動かないと仕方が無い】
112マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/08/23(月) 00:22:55 ID:???
「索敵終了。索敵可能範囲に機影……無し、と。」

索敵を終え、一つ息をつく。
"前回"と違って今回は他の参加者と会いにくい。
……それもそうだろう。教室で確認された初期参加者は4名。
あれからまだ追加の参加者が来ていないならば、他の参加者と遭遇する確率が低くて当たり前だろう。

……初めはアーレイ=スリングが戻ってくる、という可能性も考えたのだが……
彼が去り際に私に向けてきた殺気らしきもの。
それを考えれば、私を殺すためにすぐ戻ってきてもおかしくないだろうと思っていた。
だが、今のところそういう事はない……ようなのだが……。

「……?」

気のせいだろうか。先程から"右目"の奥が……痛い……?
いや……治まった。
実際には大した痛みでは無いのかもしれない。
だが、物心ついた頃には既に痛覚が壊れていた故に、痛みに慣れていない身体は
小さな異常を敏感に感じ取る。
こういった事は最近は無かったので少し不安だ。
……まあ、この状況では壊れかけの身体よりMSのレーダーの方がまだ信頼できる。

私は結果的に周囲に敵影無し、と判断して次の目的……対人用の武器が置いてありそうな施設の探査を始めた。


【行動:レーダー確認(-1) 周囲探査(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック モール内】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 ……?】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
113エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/08/24(火) 00:54:42 ID:???
数多くの兵器、将兵が眠る戦場跡抜け、開かれた宇宙空間へと出る。
障害物が殆ど無い空間に星々が瞬き、久々の開放感を覚えた。

俺は、一路コロニーへ前進していた。
目的は、他の参加者に会う事。

会ってどうするのだろうか。
このゲームとやらは、殺し合いだと言いう。
反抗者が目の前で殺されるという光景を目の当たりにすれば、
他の参加者も決心せざるを得ないのでは無かろうか。

ならば、相対即ち会敵と考えるべきか。
殺し合い、もとい戦いには慣れている。
だが、俺が体験してきたのは戦争で、ルールの無い殺し合いではない。
軍人は戦う為の存在であり、その生死に呵責は無い。

しかし、今回の相手は軍属とも知れない。
得体の知らない人物から殺意を向けられると言うのは正直な所、恐ろしい。
とはいえ、それはお互い様と言うものだろうが。

それにしても殺し合うために人を探すと言うのも、難儀である。

目下に、コロニーが近づいてきた。
レーダーは、以前沈黙を保っていた。

【行動:移動】
【残り行動値:0P】
【位置:S-9→S-5 コロニー外】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:人に会う】
114エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/08/30(月) 23:51:06 ID:???
ベイの入港ガイドビーコンをキャンセルし、隔壁へ張り付く。
手動開港スイッチを捻ると開き始めた隔壁を尻目に、一度距離を置いた。

暫く反応が無いことを確認し、入港する。
レーダーを注視しながらと内部を進むと、
内部隔壁を開き、コロニー内部が眼下に広がった。

何の反応も無いレーダーを、それでもマメにチェックしながら
コロニーの芯である、無重力地帯を航行する。
やがて、5分もしない内に対岸へ着いてしまった。

結局、このコロニーには誰も居ないらしい。

探索を始めた時から張っていた緊張を解くと、
コロニーベイ部の施設で、少し休憩を取ることにした。

【行動:探索−1】
【残り行動値:3P】
【位置:S-9→S-5 コロニーベイ】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:人に会う 休憩】
115マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/09/01(水) 19:16:38 ID:???
保守兼書き込みテストです。
116アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/01(水) 19:20:46 ID:???
取りあえず保守
117アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/02(木) 17:09:09 ID:???
男は暫しの物思いから現実へと戻った。
ここでこうして考えているだけでは腹は膨れない。
何はともあれ、あとは行動あるのみ。
コンソールスティックを握り直そうとして、ふと男は手のひらに微かな感触を覚えた。
それはどうやら汗のようだ。
「…まさか緊張でもしてるってのか?」
若干驚いた表情で、手を握ったり開いたりしてみる。
男にとっては意外ともいえる現象だった。
やはり自身で本物の戦闘を行う事は、いつも以上に神経を使ってしまうのか。

ごつんとヘルメットの上から頭を叩いた。
「らしくねえな…これからがお楽しみだってのに」
実際、食事を目の前にした男の精神はかなりの高揚状態にあった。
ともすれば弾けそうになる感情を、腹に力をこめて押さえつけている。
それはまさしく引き絞られた弓に似て、解き放てば真一文字に目標に突き進むだろう。
小さく深呼吸をすると、フットレバーを踏み込んでGキャノンを前進させる。
目的は勿論、あのコロニーだ。

そのまま暫く進むとレーダーが機影を捉えた。
考えるまでもなくマルグリットのザクだ。
ここからではマルグリットが搭乗しているかは分からない。
通信を送ってみたが応答がないため、現在は搭乗していないものと思われる。
ヘルメットの中で男が舌なめずりする。
このまま無人と思われるザクを撃ち落とし、マルグリットを絶望に突き落としたい欲求
に駆られたのだ。
勿論その行為は、食事を長く楽しみたい男の欲望にそぐわないから実行はしない。

さっきよりも大きく深呼吸した。
その時が近い事を感じ取り、一層落ち着こうと努力する。
ここで欲望のままに暴走してしまったら、せっかくの食事が台無しだ。
欲望の開放まではもう少しだけ我慢しなければならない。
男とGキャノンは、意外なほどの慎重さでコロニー港へと入っていった。

【行動:K-8に移動(-3)マルグリットに通信を送る(-1)】
【残り行動値:0p】
【位置:K-8(コロニー港)】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
118マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/09/06(月) 00:27:03 ID:???
「うっ……。」

右目の痛みが治まらない。
むしろ痛みは増してきているようにも思えた。
遠い昔に痛覚を壊された私にとって、痛みは珍しいモノだ。
以前、痛みを感じたのは……前回大会で人を殺した時か。
と言ってもあの時痛くなったのは右目じゃなくて頭だったが。

じゃあ今回の原因はなんだろうか。
"まだ"今回の私は人を殺していない。
では私以外の参加者が殺したのだろうか。
でも、今回痛むのは右目……。
……まあ……いいか……気張りすぎているとか、そういうのだろう。

……さて、探査の結果だが、意外と近い場所に警察署があるのが確認された。
ビルの向こう側にあったために発見できなかったのだが、これぐらいの距離なら歩いていっても問題ないだろう。

私は機体から降り、警察署の方向へ向かおうとした、その時。

「っ……!?」

先程よりも強い痛みに思わず歩を止める。
なんだ……何か……近づいてる……?


【行動:警察署方向へ移動開始(-1)】
【残り行動値:3P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 起動中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 ……?】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 】
119通常の名無しさんの3倍:2010/09/06(月) 23:15:20 ID:???
てすと
120アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/09(木) 14:58:22 ID:???
港の中を通り、さっき出てくる時に使った隔壁へと向かう。
アーレイ=スリングに憑いていた時に見ていたから、構造については覚えている。
隔壁の開け方も覚えてはいたが、さすがに本職のアーレイ=スリングほど上手くはできない。
体を奪う事はできても、技術までは奪う事はできないのだ。
大雑把な事は見よう見真似でも十分できるが、細かい操縦はそう簡単にはいかない。
「………〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
言葉には出さないが、いらいらしているようだ。
食事という目標がなかったら、マシンキャノンでハッチを穴だらけにしていたかもしれない。
そんなのは弾の無駄遣いだというのは承知している。
しかし承知しているが故にいらいらしてしまう。

そんなストレスの溜まる作業を何度も繰り返して、ようやく最後の隔壁を開ける事ができた。
差し込んでくる人口の光は、妙に男の気持ちを落ち着ける効果があった。
それはただ単に、これ以上隔壁を開ける必要がないという安心感だったかもしれないが。
「…改めて見るとひれぇな」
コロニーの広大さに若干呆れたような声。
その街並みを見ていた男の表情が、また嫌そうに曇った。
「…あの女は、どこにいるんだ?」
頑張って隔壁を開けたら、今度は人捜しだ。
食事のためとはいえ、さすがに面倒くささが表情に出てしまったようだ。

実のところ、男には特定のものを感知する能力があった。
実際傭兵になったレイモンドは男の能力に助けられてもいる。
しかし今はその能力は殆ど使えない。
使えていたら、ザクに通信を送って所在を確かめたりはしないだろう。
相性の合わない体を奪った影響なのか、そこらへんの感覚がはっきりしない。
要するに今の男は、感覚的にも普通の人間と大差ないという事のようだ。
「くそっ…何だってこの体のせいでこんな苦労しなきゃならねえんだ」
アーレイ=スリングからしたら理不尽としか言いようのない文句を言いつつ、男はGキャノンを
街へと向かわせる。

「さ、てと…あの女はどこだ…?」
人っ子一人いない街を見下ろし、男はマルグリットを捜す。
「あ、そういやレーダーに…」
レーダーにザクが映っているのだから、基本的にはそちらへ向かうべきだろう。
ザクから降りているとすれば街中から捜し出すのは至難の業だ。
それならザクを見張り、マルグリットが帰ってくるのを待つ方がいいように思えた。
1回頷くと、男は構造物にぶつからない程度の高度でレーダーの光点に向かって移動する。
「…あれか」
男は建造物の間に、ザクの巨体が見え隠れしているのを見つけた。
機体から極端に離れる事はないだろうから、付近にいると見当をつける。
121アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/09(木) 15:01:53 ID:???
撃ってしまいたい衝動を抑えつつ回り込むように近づいてみると、ザクの足元に人影が見えた。
拡大するまでもなくマルグリットに違いない。
「…意外と近くにいやがんのな」
少々意表を突かれたが、早めに発見できたのはむしろ幸運だろう。
それに発見が早くても遅くても、男がすることに変わりはない。
男は外部マイクのスイッチを入れて、できるだけ落ち着いて話した。
「暫くぶりですマルグリットさん。
 ちょっとやり残した事があったんで戻ってきたんですけど…協力してもらえますか?」
余計な警戒心を持たれないよう、アーレイ=スリングの話し方を真似ている。
ヘルメットの奥の真っ赤な瞳が、ザクの足元の人影をじっと見つめる。

【行動:隔壁を開く(-2)マルグリットを捜す(-1)外部マイクで話す(-1)】
【残り行動値:0p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
122エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/09/22(水) 20:07:42 ID:???
コロニー内の索敵を終え、安全が確認されると
ジオングを港の補給施設に係留した。
推進剤はまだ十分な余裕が有ったから、補給は出発の時で良いだろう。

ヘルメットを取り、機体から降りると、久々の開放感に包まれる。
ようやく人心地がついたと言って良いだろう。
先に根城としていたCAチベは、状態が良いといっても傷ついた廃艦であり、
身近な所に注意を払わなければ無かった。

今はまず、窮屈な思いをさせてきた自身の体を伸ばしたかった。

港には作業員用の設備がある。
陸に上がらなくても、休憩だけならばここで十分だ。

【行動:機体係留-1 休憩-1】
【残り行動値:2P】
【位置:S-5 コロニーベイ】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:人に会う 休憩】
123マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/09/22(水) 23:29:01 ID:???
「……。」

右目の痛みを気にしつつ警察署へ。
確かに"嫌な予感"らしきモノはひしひしと感じる。
だが、予感などというモノに頼るつもりは今はない。
頼りになるのは予感よりも機械の情報。
目で見た物。
耳で聞いた――

―――ゴォン―――

「……?」

今、何か音がした……ような。
……自分以外、誰もいないコロニーで?
周囲を見渡してみるが、誰の姿も見えないし、音を立てるような物も見えない。
思い返してみれば、さっきの音はかなり遠くで鳴った音のように感じた。
遠く……ここまで聞こえるような音が鳴る場所……。

「あ……。」

思い至ってコロニ−港湾部へと繋がる隔壁の方を見る。
自分が入ってきた側……は閉まったままだ。

「まさか……まさか。」

もう片方の隔壁。数時間前、あの参加者が出て行ったはずの隔壁。
そこには、一機のMSがいた。
白色のMS。それは……数時間前、ここを立ち去ったはずの……。

「アーレイ……スリング……。」

ここを立ち去るときは一瞬しかその姿を捉える事が出来なかったが……間違いない。
機体名は解らないが、アーレイ=スリングの乗るMSだ。

「……う……ああ。」

以前向けられた殺気を思い出し、続いて今の状況を理解し、私は走り出す。
彼が"そのつもり"なら、私も、私のMSも次の瞬間には撃たれてもおかしくない。
走りながらも、何故先程の索敵で発見できなかったのか、とか
やはり"嫌な予感"は当たっていたのか、とか
彼は戻ってきたのか、それともこの時を待っていたのか、とか
……いや、それならモールにいる間にやられていたか……とか
色々思考したのだが、今はそんな事を考えている場合ではない……!

ザクの方へ走りつつ、隔壁から前進し上空に移動してきたMSを見上げる。
見た事が無い型ではあるが、形状から連邦系MSである事は推測された。
また、まだ距離があるので判りづらいが、宇宙世紀100年以降に造られたとされる小型MSの類だろう。
とりあえず目を引くのは両肩の二つの砲だが……それが実弾兵器なのかビーム兵器なのかは解らない。
あとは……ここから見えるのは外付け式と見られるミサイルポッドくらいだろうか。

そうこうしている内にMSの足下までたどり着いた。
だが、アーレイ=スリングのMSも既にザクの上空まで来ていた。
このままでは乗り込むのも危険なのだが……どういう訳か、未だにアーレイ=スリングは攻撃を仕掛けてこない。
何故だろうと思っていると……アーレイ=スリングは意外な行動に出た。
124マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/09/22(水) 23:30:28 ID:???
『暫くぶりですマルグリットさん。
 ちょっとやり残した事があったんで戻ってきたんですけど…協力してもらえますか?』

「え……?」

一瞬思考が止まってしまった。
彼がここを立ち去る前にこちらに向けてきた"殺意"。
これの所為で私は、彼が私を殺すつもりでここに来たのだとばかり思っていた。
だが上空のMSの外部スピーカーから聞こえてきたのは協力の要請だった。
……罠……というのはいくらなんでも考え過ぎか。今更そんな事をする理由が解らない。
ともかく、このままでは応えようが無いのでMSに乗らなくては……大丈夫だろうか。

私はザクの腕や足を蹴ってコックピットハッチによじ登ると、
そこから通信機を操作してノーマルスーツのヘルメットの通信機と繋ぎ、彼に応えた。

「暫くぶりです。協力するのは構いませんが……。
 何をすればいいんでしょうか?私に出来る事ならいいんですが。」

とりあえず、了承の返答を行う。
だが……なんだろう……解らない。
アーレイ=スリングの言っている事も、口調も、危険は感じないと頭は理解しているのに、


まだ"嫌な予感"がし続ける。


【行動:ザクに引き返す(-1)生徒番号3番 アーレイ=スリングに通信(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 起動中 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 ……?】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 補給 目的を知る 】



↑のレス、旧トリップですが同一人物です。申し訳ない。
125アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/09/29(水) 17:43:54 ID:???
言うだけ言ってから、マルグリットを見る。
何となく少なからず動揺している雰囲気が伝わってくる。
男が戻ってきた事に驚いているのか、それとも生身の体を晒している事に焦っているのか。
細かい原因までは探れないが、彼女のその感情自体は男には心地良いものではある。
しかしマルグリットが動揺を見せたのは一瞬だった。
すぐさまザクの手足を蹴ってよじ登り、コクピットに乗り込んでいく。
その行動の素早さと身のこなしは、素人にはあり得ない。
間違いなく何らかの訓練を受けた(または実戦を経験した)事があるのだろう。
戦闘になったらなったで、それは男も望むところである。
心のうちで密かな期待感を抱きつつ、男はマルグリットの応答を待った。

『暫くぶりです。協力するのは構いませんが……。
 何をすればいいんでしょうか?私に出来る事ならいいんですが。』
モニター越しにヘルメットを被ったマルグリットが応答してきた。
言葉の調子からすると、彼女は男を怪しんだりはしていないようだ。
まあ普通は、別の男が体を乗っ取ってるなどとは夢にも思わないだろうが。
男としては表情を見てみたかったが、ヘルメットのせいで表情が見えにくいのは残念ではあった。
「はい、マルグリットさんにしか頼めない事ですから」
ごく普通に話し1回頷く。
これについては男は嘘は言っていない。
他の参加者がどこにいるのか分からないのだから、男にしてみればそう言うしかない。
まあ他の参加者の居場所を知っていても、恐らく同じ事を言ったかもしれないが…。

コンソールスティックを握りなおす。
頭を2、3度振って小さく深呼吸。
多少の緊張を感じつつも、男は極力変わらない口調で話しかけた。
「と言っても、ごくごく簡単な事ですけどね。
何て言うか…俺の食事に付き合ってほしいんです」
傍から聞けばデートの誘いのように男は話を切り出した。
マルグリットがどう解釈しようが関係ない。
欲望を開放しようとしている男は、そこまで気を使おうとは思っていない。
「マルグリットさん…貴方を食べさせて下さい」
そう言うが早いか、男はザクに向けてダブルビームガンを放った。

【行動:観察(0)ザクに通信を継続中(0)ダブルビームガンを撃つ(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2(残量90%)、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
126マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/10/08(金) 00:14:59 ID:???
『はい、マルグリットさんにしか頼めない事ですから』

アーレイ=スリングの返答に、首を傾げる。
私にしか、出来ない事……?
"私に出来る事"なんて、あの人に教えただろうか。
"私に出来る事"なんて、結局の所、一つしか……。

『と言っても、ごくごく簡単な事ですけどね。
 何て言うか…俺の食事に付き合ってほしいんです』

「……え、食事……?」

再び意味がわからず、聞き返す。
どういう事だろう。食事?この状況下で一緒に?
これで余計、この人の事が解らなくなった。
とりあえず、ついさっき食べたところですとでも返すべきか。
だが、次の瞬間の彼の発言と行動は、私のそんな日和った思考を吹き飛ばした。

『マルグリットさん…貴方を食べさせて下さい』

「―――!」

アーレイ=スリングのMSの腕部が動く。
先程は見えなかったが、よく見ればそこには銃口らしき物が見えた。
だが、それがこちらに向けられる寸前に攻撃の意志は感じられた。
反射的にそれに対する行動を思考。
コックピットに戻る時間はない。
コントロールスティックを握る時間さえない。
どうにかして回避を。

どうやって―――?

「……ッ!」

ハッチから伸ばされた足に蹴飛ばされる左コントロールスティック。
ザクが本来あり得ないタイミングで身を捩る。
それに引っ張られる形で、私もさっきまでいた場所から高速で移動する。
直後にそこを通り過ぎていくビーム。
これを回避をしなければ、私は既にミンチより酷い状態になっていただろうし、
下手をすれば私の体は宙に投げ出されていた。


身に降りかかる"驚異"に対しての敏感さ。
物心ついたときから教え込まれてきた戦闘知識。
"前回で"培った様々な戦闘経験。

そのどれが欠けていても、このような曲芸じみた回避行動は成功しなかっただろう。

127マルグリット=エヴァンス ◆.9Kic3jHQ6 :2010/10/08(金) 00:17:30 ID:???
「……く……。」

と言っても不意をつかれたのもあったのだろう、完全に無傷とはいかなかった。
ノーマルスーツの右肩辺りが変色してしまっている。
恐らく、ビームが近くを通過したとき、その高熱で溶かされたのだろう。
だが、痛みを感じない体ではその下の身体の状態は解らない。
だが……右手は問題なく動く。なら、今は問題は、ない。
シートに収まり、機体をとりあえずビルの影に隠し、思考を再開。

―――身体状況に問題なし。
     敵機の武装はこちらにとって驚異的。
      宇宙用の機体かつ、相手の機体との開発年代差では恐らく機動力も装甲強度も凌駕されていると見るべし。
       ならば、こちらの能力を知られぬ内に即座に―――

……駄目だ。殺してはならない。
殺したら、"前回"と同じだ。
それは嫌だと、何度も考えたはずだ。


―――なら私は、どうすればいい―――


【行動:通信継続(-0) 回避行動(-1) ビルの影に移動(-1) 】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:問題なし 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 右肩火傷(程度不明) 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腰:ヒートホーク 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない ……なら 】
128マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/10/08(金) 00:18:21 ID:???
>>127

すいませんまたトリップ間違えました。orz
129アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/10/08(金) 17:52:01 ID:???
Gキャノンが放ったダブルビームガンは1発のみ。
1撃で終わったりしないようザクに致命傷にならないように撃ったつもりだが…。
男の表情が曇る。
ザクの機体の陰で分からなかったが、マルグリットはまだコクピットに入っていなかった。
例えザクに致命傷は与えなくても、生身の人間は至近弾で蒸発しかねない。
満足に食事もしないうちに、マルグリットが消えてなくなる…。
瞬間、男の脳裏をそんな想像が駆け巡った。

しかしマルグリットの能力は、男の想像をあらゆる意味で上回ってきた。
殆ど機体の陰になっていてよく見えなかったが、マルグリットは何らかの方法でザクを操縦し、機体を翻してビームガンを躱し切ったのだ。
その際、振り回されながらも機体にしがみついているマルグリットが男にも見えた。
「おいおいおいおい」
その様を見ていた男は思わず苦笑していた。

もしも隣にレイモンドがいたら、男を押し退けてコンソールスティックを握っただろう。
本来ならば男は即座に追撃を加えるべきである。
あの状況でザクを動かした(だけでなく攻撃をも躱した)マルグリットの能力は驚嘆に値する。
しかし彼女にできたのはその1動作だけで、その後は機体から振り落とされないよう捕まっている
のが精一杯だった筈だ。
男が間髪をいれずに攻撃を加えれば、十中八九は撃破(若しくは撃墜)できただろう。
だが男はそうしなかった。
このままあっさり食事を終わらせたくないという思いはある。
だがそれ以上に、男は素直に驚いてしまった。
目の前の光景に目を奪われ、数秒間呆気にとられてしまったのだ。
実戦経験のない男としては無理もない事かもしれないが…。

ともあれ、男が逃したその数秒はマルグリットにとっては十分すぎる数秒だった。
素早くコクピットに入ると、即座にザクをビル陰へと退避させる。
しかし男は慌てていない。
確かにマルグリットの行為に呆気にとられてしまったが、それを失敗と捉えていないからだ。
「ああいう事ができるやつは、決まってただの人間じゃねえんだよな。
 …なんつったけ…ああ、サーティアだってあそこまで無茶な操縦はしねえぞ」
マルグリットの操縦を記憶にあった女性を例に挙げて例える男。
人間は時として男にも想像つかない事をやってのける。
プログラムを片手で戦い抜いたレイモンドにしてもその類だろう。

だからといって男の戦意には些かの衰えもない。
待ちに待った食事はこれからなのだから。
「マルグリットさんも付き合ってくれるっぽいですね。
 じゃあ…美味しく食べさせていただき…ます!」
Gキャノンをザクの隠れたビルに寄せ、飛び出しざまに左腕のダブルビームガンを連射。
実戦経験がないとはいえ、男も攻めるべき時ぐらいはわかている。
130アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/10/08(金) 17:53:25 ID:???
【行動:ザクに通信を継続中(0)ビルのそばに移動(-1)ダブルビームガンを撃つ(-1)】
【残り行動値:2p】
【位置:K-8】
【機体状況:異常なし】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×2(残量:右腕90%、左腕80%)、脚部マウント式3連装ミサイル
    ポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
131マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/10/19(火) 00:12:25 ID:???
ビルの影から敵機の方向を探る。
……ここに逃げ込んでから3秒が経過している。
だが、どういう訳か敵機が追撃に来る様子はない。

その間に少しだけ、冷静に戻る事が出来た。
……とりあえず、機体の状態を確認。
注意は敵機に向けたまま、一瞬だけコンソールに目を通す。先程の攻撃による損害は無し。
駆動系、問題なし。この辺りは流石旧ジオン系の機体と言ったところだろうか。
宇宙用の機体とはいえ、重力下でも少しぐらいの無理は利くようだ。

4秒経過。
ここでもう一度、冷静に戻ってきた頭の中でさっきのアーレイ=スリングの言葉を反芻する。
私自身、まだ信じられないのだ。さっきの……

『…貴方を食べさせて下さい』

この言葉の意味が、全く理解できない。
私を、食べる……?
言葉通りに考えると…………やめて、おこう。
どちらにしても、好意的な言葉でない事は確かだ。

5秒経過。
レーダーを見る限り、敵機はまだ前進も後退もしていない。
なら、こちらから動くべきか。
敵機の性能と武装、こちらの性能と武装。
この2点から考えて、取るべき行動は……。

『マルグリットさんも付き合ってくれるっぽいですね。
 じゃあ…美味しく食べさせていただき…ます!』

「えっ!?」

またしてもアーレイ=スリングが通信と同時に起こした行動に不意をつかれた。
彼はこちらに近づき、ビルの影から飛び出してきたのだ。
……敵機はこちらより機動力に優れた中距離支援型の機体。
故に私は、後退して肩部の武装による攻撃を行ってくるのがセオリーだと思っていたのだ。
だが予測が外れた程度で驚いている場合ではない。既に左腕はこちらに向けられようとしている。
……また、さっきのビーム兵器!

「ッ!」

腕部のビームが発射される寸前に、一歩踏み出す。
そして左腕に装備したマシンガンの銃身で敵機の左腕を弾いた。
一発目のビームは弾く前に発射されたが、ギリギリの所で左腕を掠めつつ外れていった。
残りのビームは狙いを無理矢理変えられ、反対側のビルに直撃。
壁面の一部が吹き飛び、道路に面したガラスが全て粉砕されて地面に叩きつけられた。

「……!」

続いての行動は、染みつい……"染みつかされた"習性から来た反射だった。
―――機動力に差があるため、容易には接近できない敵機がすぐそこにいて、
    しかも左腕は無理矢理だが極めている。
     両肩の武装はまだこちらを向いていない。
      相手の右腕は確かに空いているが、体制はこちらが有利。
       故に、反撃を行うのに今以上の機会はない。―――
132マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/10/19(火) 00:13:19 ID:???

ザクの空いている右腕が右腰に伸び、続いて敵機に突き出される。
その手には逆手にヒートホークが握られていた。
ヒートすらさせずにほぼ抜き打ちの形で打ち出された鉄斧。
本来の威力は発揮できないが、双方の機体の重量差を考えれば、コックピットを叩き切るぐら……

「……!?、駄目!」

右腕が突き出される寸前に、とっさに鉄斧の軌道を変える。
命を狙われている状況でどうしてそうしてしまったのか解らないが、
とにかく無理矢理軌道を変えられた鉄斧は、意図したよりも一瞬遅れて敵機の右腕目がけて振り上げられた。


【行動:通信継続(-0) 攻撃回避(-1) ヒートホークで攻撃(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:左上腕装甲若干溶解 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 右肩火傷(程度不明) 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1)
            右腕:ヒートホーク(ヒート機能停止中) 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない ……なら 】
133アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/10/21(木) 16:28:07 ID:???
男は戦闘をしながら食事をしている。
前にも言った通り、その糧とはマルグリットの感情である。
でも感情であれば何でもいいというわけではない。
怒り、悲しみ、妬み、恐れ、憎しみ、驚愕…。
いわゆるマイナスの感情がこの男の主食である。
その感情が近ければ近いほど、そして強ければ強いほど男は美味しく食事ができるのだ。
その意味でプログラムは男にとっては歓迎すべきものであった。
自分で戦闘を行う事についても、許容範囲内ではある。
ここで問題があるとするならば…それは食事対象のマルグリットに対して、だろう。

人間が食事内容を選択できるように、男も感情を選り好んで食べる事ができる。
男もプログラム当初から、好みの感情を取り込もうとしていた。
だがこの広い空間に少人数しかいないために、殆ど感情を感じ取れなかった。
そこにきてのマルグリットとの戦闘だったから、男も楽しみにしていたわけだが…。
訓練されているからか、それとも生来のものなのかイマイチ強い感情を感じ取れない。
たしかに驚きや動揺の気配はあるが、それも蝋燭の炎の揺らぎのように小さなものだ。
男が満足できる食事にはまだ程遠い。
…だからこそ男は攻めなければならない。
美味い感情を味わうためには、それ相応の行動が要求されるのだ。

路地に飛び込み様に撃とうとした、Gキャノンの左腕があらぬ方向を向いた。。
男の想像以上にザクが近くにいたため、ビームガンの照準が完全に合うよりも先に跳ね上げられ
てしまったのだ。
勿論トリガーは引いてしまっていたため、放たれたビームは1発目がザクを僅かに掠めたが、2発
目は建物に命中して破片を撒き散らしただけに終わる。
しかし男は攻撃を外した事よりも、また食事の事に気が向いてしまった。
飛び込んだ瞬間、男はマルグリットからさっきよりも少しだけ強い感情を感じ取った。
まだ熟成されてはいないが、良い素材を使ったワインのような味。
その美味さに思わず笑いたくなるのを堪えつつ状況を見る。

マルグリットの感情を熟成させるには、更なる攻撃は必要不可欠だ。
それこそが一番の近道と言っても過言ではない。
攻撃と言っても今はザクとかなり接近しているから、使用できる武器も自然と限られてくる。
男は躊躇する事なくビームサーベルを選んだ。
この距離で最も使いやすく、攻撃力のある武器だと思ったのだが…。
男はここで少し勘違いをしていた。
確かにビームサーベルは攻撃力はあるが、この場面で使いやすい武器かといえばそうではない。
Gキャノンにとってこの距離でも効果を発揮し、且つ使いやすい武器はダブルビームガンである。
ダブルビームガンはその形状ゆえに近接距離でも使用でき、射撃時の隙も小さい。
ビームサーベルが取り出す→振るの2動作が必要なのに対し、ダブルビームガンは銃口を相手に
向けるという1動作で済むのだ。
しかし男はザクとの距離と武器の印象でビームサーベルを選んだ。
そしてGキャノンがビームサーベルを取り出して攻撃をするまでの時間は、ザクがGキャノンを攻撃する
のにも十分な間があった。
134アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/10/21(木) 16:42:17 ID:???
男が食事を優先した分もあってか、攻撃はザクが早かった。
矢継ぎ早に取り出されたヒートホークが、過熱する時間も惜しいとばかりに斬り下ろされる。
その一撃はビームサーベルを取り出したばかりの、右腕のダブルビームガンを叩き壊す。
「んなろ…!」
その衝撃に体勢が崩れ攻撃がワンテンポ遅くなったが、ここで躊躇するのは下策である。
男はGキャノンを小型MSらしい安定性で立て直すと、手の届く身近な目標…振り下ろしたザクの右
腕に向けてビームサーベルを横に薙いだ。

【行動:ザクに通信を継続中(0)体勢を立て直す(-1)ビームサーベルで攻撃(-1)】
【残り行動値:2p】
【位置:K-8】
【機体状況:右腕ダブルビームガン損壊】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×1(残量:左腕80%)、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
135エルゥド ◆vS5bjDFKMA :2010/10/24(日) 02:23:17 ID:???
コロニーベイで働く社員や作業員の為の施設がある。
食堂に休憩用のラウンジ、シャワー室や狭いながらも宿泊できる個室もある。
それらの施設がコンパクトに纏められている為、休憩と言う目的には大いに適していた。

シャワーで垢を落とし、卸したての肌着を身につける。
食堂ではレトルトではあるが、久しぶりに暖かい食事にありつけた。

身を清めて腹を満たし、ようやく人心地を取り戻すと、体は更に睡眠を欲してきた。
そこで僅かの間だが世話になった施設に別れを告げ、再びジオングの元へ戻る。
仮眠ならば、機体でするのが一番安全だろう。

尚、水や食料は既に十分量があるので、手ぶらだ。
コックピットに身を滑らせ、緩くベルトを締める。

警報装置の動作を確認すると、ゆっくりとまぶたを閉じた。

【行動:休憩-1 仮眠】
【残り行動値:2P】
【位置:S-5 コロニーベイ】
【機体状況:異常なし】
【生徒状況:健康】
【武装:両腕部メガ粒子砲*2 頭部メガ粒子砲 腹部メガ粒子連装砲】
【所持品:ディパック:携行食×10 水水2g入り×5 写真】
【行動方針:人に会う】
136マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/11/02(火) 23:54:39 ID:???
「サーベル!?」

ヒートホークが振り下ろされる寸前、敵機の右手にビームサーベルが握られるのが見えた。
敵機の外見からはサーベルは装備していないと思っていたので、これは完全な誤算だった。
だが、こちらの攻撃が届く方が一瞬早い。
僅かな衝撃音と共に、敵機の右腕の一部が潰されるのが見えた。
先程のヒートホークは敵機に命中。だが……浅い。右腕のビームガンを破壊するに止まった。
当初の想定では胴体……ではなく、右腕を破壊していたはずなのだが。
ただし、敵機の体勢を崩す事は出来たし、武器を減らす事が出来たのは大きい。
だが……

「速い!?」

敵機はこちらが思っていたよりも早く体勢を立て直し、ビームサーベルを振りかぶってきた。
体勢から見て横薙ぎの攻撃。回避は……間に合う!
スラスターは間に合わないので、ザクに地面を蹴らせ1ステップ後退する。
この距離ならそれで回避できるはず……。

「……!」

コックピットを僅かな衝撃が走る
だが、損傷を知らせるアラートは鳴らない。どこか他に損傷箇所は……?

「……ヒートホークがやられた?」

回避したと思っていたのだが、右腕のヒートサーベルの刃の部分が丸ごと消滅していた。
間合いを読み間違った……?
右目が塞がっている分の感覚の狂いを計算に入れてなかったのか。
次の瞬間コックピットに再び衝撃が走り、ザクの両足が地面についた事を知らせる。

……ここで一呼吸、と同時に現状を再分析する。
敵機の右腕武装を破壊する事には成功したが、こちらも武器を一つ喪失。
そしてここまでの動きから敵機の近接戦闘能力を上方修正。
ただの支援機だと思っていたが……小型MSというのもあるのだろう。小回りが利くようだ。
そしてビームサーベルがある事も頭に入れておく。
だがそれを考慮に入れても、これ以上距離を離すという選択肢は取れない。
火力の違いというのもあるのだが……。
さっきのヒートホークによる攻撃で気がついたのだ。
この距離なら、敵機の武装だけを破壊する事も不可能ではない……と言う事。
全ての武器を破壊すればもう、向かってくる事は無いだろうか。
こんな、品定めをされるような、奇妙な感覚はなくなる、だろう、か。
いや、殺して、無くしてしまわない、と、この感じ、は、
137マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/11/02(火) 23:55:35 ID:???

「……え、何?」

私は、今、何か……恐ろしい事を考えていなかった、か……?
……とにかく今は、余計な事を考えず、敵機を無力化させる。
撃破することよりも遙かに困難な事は解っている。
最終的にたった一人の参加者しか生き残れないこの戦場では、
ただの自己満足って事も解っている。
でも、それでも、人を殺すよりは……いい。

一瞬の分析と思考を中断し、敵機を見据える。
左腕と肩の砲。これを潰せば逃げられない事はない。
ならば。
右腕に残されたヒートホークの柄を敵機目がけて投げつける。
だがこれを直撃させる事によりダメージを与える意図はない。
敵機がこれを防御すればよし、回避してもよし。
とにかく、一瞬の隙を作る。

投げつけた直後に、左腰のヒートサーベルに右腕を伸ばす。
ここで全部の武装を使い潰してでも敵機を無力化させる……!

【行動:通信継続(-0) 攻撃回避(-1) ヒートホーク残骸を投擲(-1)】
【残り行動値:2P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:左上腕装甲若干溶解 
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 右肩火傷(程度不明) 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 左腰:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
               フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 敵機の無力化 】
138アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/11/09(火) 18:00:52 ID:???
何とか体勢を立て直しつつ腕を振るGキャノン。
振り抜いた瞬間、ビームの
何かを斬ったのか、コクピットに僅かな振動が伝わってくる。
振動に釣られるようにザクを見やると、持っていたヒートホークが半分程度になっているのが分かった。
望んだ成果ではない事に若干表情をしかめる男。
しかし男が望んだそれは、いくら何でも贅沢と言うものだろう。
食事を優先して攻撃が後手に回り、ダブルビームガンを破壊されて体勢を崩されていたのだ。
Gキャノンの姿勢制御が(ザクに比べれば)優れていたとはいえ、その状態で相手の武器を1つ破壊
できたのだから寧ろ望外の成果であったと言える。

まあ、そのへんのところを男に言っても納得するわけがない。
これで納得するくらいなら、自分でMSを操縦してまで食事をしようなどと思わないだろう。
男はマルグリットの感情を味わうためには、相応の攻撃と成果が必要だと思っている。
武器1つの破壊は、男の意図する成果とはまだかけ離れているのだ。
武器を破壊するならば、それこそ全ての武器を破壊して戦闘力を喪失させるくらいの事はしなけ
ればならないだろう。

それにしても。
男は思う。
何故マルグリットはこうまで冷静でいられるのか。
そういう性格かもしれないが、何らかの訓練の賜物という感じがしないでもない。
どちらにしても、男にとってはマルグリットの冷静さは計算違いの1つではあった。
(…女1人の感情を喰うのにこうまで苦労するたあ……レイやアルバートに任せっきりにしてたの
が仇になったってか)
これまで2人にくっついているだけだっただけに、そういう思いが出るのも無理はない。
(色々な意味で)運が悪いといえばそれまでだが、獲物がマルグリットしかいない以上、男はここ
に全力を注ぐしかない。
「ん…」
男はマルグリットから新たな感情を感じた…ように思った。
一瞬だけ浮かんで消えた、強烈な敵意のようなもの。
しめたと思った瞬間には消えたから、それが何なのかは今のところ検討がつかない。

突然僅かに視界が揺れた。
いや、揺れたのは男の視界ではなく機体…正確に言えば頭部が揺れたのだ。
「?」
大胆にも敵前で考え事をしていた男には分からなかったが、その原因はザクが投げつけたヒート
ホークの柄だ。
投げられた柄が頭部に当たったせいで、視界が揺れたように感じたらしい。
振動が終わったカメラが捉えたのは、再度ヒートホークを抜こうとしているザク。
本来なら抜かせたくはないが、さっきの攻撃の際ザクがバックステップで後退しているため、ビ
ームサーベルは届かない。
距離を詰めるか離れるか。
Gキャノンの性能を活かすなら離れた方がいいに決まっているが、男はまだその気はないらしい。
139アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU :2010/11/09(火) 18:03:26 ID:???
男は残った左腕のダブルビームガンを2発放つ。
直ぐさま右腕のビームサーベルを構えて、バーニアを噴かして距離を詰めた。
ビームガンは、当たれば儲けものといった牽制射撃。
男は少しでもザクの動作を遅らせればいいと考えている。
本命のビームサーベルが狙うのは、ザクの腕。
機体の陰になっている左腕は狙い難いから、ヒートホークを抜こうとしている右腕に狙いを絞る。

【行動:ザクに通信を継続中(0)ダブルビームガンで射撃(-1)距離を詰める(-1)ビームサーベルで攻撃(-1)】
【残り行動値:1p】
【位置:K-8】
【機体状況:右腕ダブルビームガン損壊】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    腕部ダブルビームガン×1(残量:左腕60%)、脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】
140マルグリット=エヴァンス ◆jIa9.f3cK2 :2010/11/24(水) 23:45:46 ID:???
こちらが投げたヒートホークの柄を、敵機は避けもせずに頭部で受けた。
それにより敵機が損傷を受けた様子はないが、一瞬程度の時間は作れたと考える。
動作を続行。
だが、右腕がヒートサーベルに届くよりも早く、敵機が左腕のビームガンをこちらに向けてきた。
こちらの予測より動作は速い。だが……これはまだ予測の範囲内。

「ッ!」

2発放たれたビームの内、一発が命中する。
だが、命中したのは丁度右半身を敵側に向けていた為に、機体前方に移動していたシールドだ。
これがビームライフル等なら只では済まなかっただろうが、命中したのは小口径のビームガン。
一発程度なら、シールドで何とか耐えられる。

敵機がビームサーベルを抜き、バーニアを吹かせてこちらに突撃してくる。
さっきのは牽制弾だったのだろう。
本来なら牽制弾を放って、そこから後方に下がって機体に合った距離まで下がるところだ。
だが、敵機はここであえて接近戦を選んだ。
おそらくだが……アーレイ=スリングは近距離での戦闘に拘る傾向があるのだろう。
故に先程までの私なら、ここでまた不意をつかれていた所だった。
だが、予測が出来ている上に真正面からの突撃なら……タイミングは計れる!

「……3、2、1……!」

敵機のビームサーベルが右肩のシールドの下半分を切り裂き、破片が右側のビルを粉砕する。
だがザク本体の損傷は若干右上腕部を溶かされた程度だった。
ビームサーベルが振り抜かれる直前に再度バックステップすることで、ギリギリ攻撃範囲から逃れたのだ。
そして、目の前にはビームサーベルを振り切った状態の敵機がいた。

「……ここ!」

再度、抜き打ちで放たれたヒートサーベルが正面にあった敵機左腕目がけて下段から斬り上げられた。

【行動:通信継続(-0) 攻撃防御・回避(-2) ヒートサーベルで攻撃(-1)】
【残り行動値:1P】
【位置:K-8 コロニー居住ブロック】
【機体状況:高機動型ザクU:左上腕装甲若干溶解  右肩シールド半壊
       オーキス  :装甲のあちこちに凹み コロニー外部に停泊中】
【生徒状況:痛覚・味覚・嗅覚麻痺(軽度?) 右目使用不能 右肩火傷(程度不明) 】
【武装:高機動型ザクU:左腕:MMP-80(残弾:マガジン4 スモークグレネード1) 右腕:ヒートサーベル]
     オーキス  :メガ・ビーム砲 大型ビームサーベル×2 フレア・ディスペンサー ビームライフル
               フォールディングバズーカ×2 爆導索×2 大型集束ミサイル×6 マイクロミサイル×4】
【所持品:ディバック[水2g入り4本 3日分の保存食 コート 私服 MS整備マニュアル 各種医療品]
     懐中時計 】
【行動方針:生き残る 殺せない 敵機の無力化 】
141アーレイ=スリング ◆257oWhBDWU
牽制で放ったビームガンがザクに向かって伸びる。
1発目…外れ。
2発目が命中。
ザクの巨体が僅かに揺らぐ。
男はGキャノンを間髪入れずに突っ込ませた。
ビームガンが命中したのは偶然だろうが、その偶然を活かさないわけにはいかない。
寸前でGキャノンを急停止させながら、ザクの右腕にサーベルを振るう。

攻撃への布石も、攻撃のタイミングも男にすれば上出来だった。
Gキャノンの右腕からも、何らかの手ごたえが伝わってくる。
しかし次の瞬間、コクピットはこれまでで1番激しい振動に襲われた。
同時に鳴り始める警告音。
「ちい!」
何らかの損害をこうむった事は分かるが、今はそれに目を向けている暇はない。
まだザクは間近にいる。
攻撃できる体勢であるのなら、躊躇する理由はどこにもない。

停止したバーニアを再度吹かす。
右腕のビームサーベルはそのままに。
さっき右に薙いだビームサーベルを、ザクの右横をすり抜けざまに今度は左に横薙ぐ。

【行動:ザクに通信を継続中(0)ビームサーベルで攻撃(-1)】
【残り行動値:3p】
【位置:K-8】
【機体状況:右腕ダブルビームガン損壊、左腕大破】
【参加者状況:意気軒昂】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル×2、 肩部130mm4連装マシンキャノン×2、
    脚部マウント式3連装ミサイルポッド×2】
【所持品:ディパック:水2g入り2本、コーヒー1.5g1本、保存食と缶詰4日分、コッペパン2個
     携帯ゲーム、各種医療品】
【行動方針:戦闘(食欲)】
【仲間:】