【斧谷稔】大富野教信者の会part120【井荻麟】
「逆襲のシャア友の会」のひたすら長い押井インタビューから適当に抜粋
庵野 僕が『逆シャア』好きなのは、作り手としてですね、あれ、ものすごく生の声をストレートに出すじゃないですか、富野さんが。
でも、押井さんって、どっちかというとそういうのが嫌いで、できるだけオブラートに包んで、
裏に裏に隠そうとするじゃないですか、自分の本音みたいな部分を。
そういうことをやってる人が『逆襲のシャア』好きっていうのは結構意外なんですが。
押井 やっぱりその辺なんじゃないの。言われた通り、割と富野さんの肉声が全部出てるっていうか。
庵野 ええ、もうストレートですよね。敏感な人は嫌悪すら抱くんじゃないかと思うぐらい。
押井 伊藤(和典)くんが頭の5分で止めちゃったらしいね。
最初の「天誅」聞いた瞬間もう付いていけないと思って止めたって(笑)。
彼、サンライズにいたから余計わかるんじゃないの、その辺は。
だから「修正」とか「天誅」だとかさあ、そういう言葉にどう反応するかで決まるんじゃないの。
そういう風な言葉に嫌悪感持ってる人間って、相当いるはずだから。
特に年配の人間だと、例えば「粛正」とかさ、「修正」とかさ。
戦前派で言えば、「修正」って言えば軍隊のリンチのことだし、「70年」から上の連中で言えば、
「修正」っていうのはゲバだったり、統制的なリンチだったりしたわけだから。
後は赤軍派の問題もあるからね。
そういうのが、やっぱ映画だったら多分そんなに気にならないかという気がするんだけど、アニメーションだからね。
肉声の部分と描かれている絵の世界のギャップがあるんだよね。
それが、かなり逆にインパクトがあるわけよ。
だから、生な部分が出てくるのをとことん嫌う人は「駄目だ」って言う。