いくつになっても結婚してないシャアは駄目オトコ13

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1通常の名無しさんの3倍
何の因果か真っ二つのアクシズに取り残され、
自炊生活を送り始めた、アムロとシャア・・・

ところが無人のはずのアクシズには、何と・・!?

         ,-―- 、
        /ロ≠   ヽ
        .i    ノ|ノ)从)  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ヾ、 イ' l l |l <   12人のプルズがいました
         ゞl|、 ヮ,.イ!  .\_________
        . リへ.!]、リ

詳細は>>2-5あたり

まとめサイト(月光蝶氏編集)
ttp://axis2000.hp.infoseek.co.jp/log/dame/dame.html
前スレ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1186474273/
2通常の名無しさんの3倍:2009/09/27(日) 15:04:55 ID:???
アクシズの愉快な仲間たち。主食はスパム、おやつはプリン。

シャア・アズナブル…アクシズ一家の転落王。
 この歳にして手に入れた友人と幼女に囲まれた生活に、人生をやり直している気分との発言も飛び出す元総帥。
 でもアクシズ弾劾裁判だけは勘弁な!

アムロ・レイ…アクシズ一家の良心。
 シャアに人生を狂わされている機械オタの元ヒッキー(連邦軍エースパイロット)。
 腐れ縁が続いて一緒にアクシズで漂流生活を送る羽目に。
 技術力を生かして今日もアクシズのどこかで修理作業中。家事万能、漂流一家の大黒柱。

プル達…ニュータイプの少女エルピー・プルをベースにグレミー・トトが兵器として作り出した12人のクローン。肉体年齢は10歳。
 プルA〜Lとぞんざいな命名でモルモット扱いされていた上に、アクシズの冷凍睡眠カプセルに6年間も放置されていた。
 漂流中のシャアとアムロに解放され、騒々しくも平和な毎日を送っている。
3通常の名無しさんの3倍:2009/09/27(日) 15:05:42 ID:???
プルA…多分姉妹で一番オリジナルの「プル」に似た性格(甘いものとお風呂が大好き。天真爛漫)
    喫茶店跡でみつけたレシピが宝物。いつかチョコパフェ食べたいな。
プルB…姉妹中では最もプルツーに似ている(責任感が強く、独立独歩を愛する)
    たまには一人になりたくて散歩します。 12姉妹中ではあまり目立たないけど、やる時はやります。
    アムロが遭難しかけた時救出した功労者の1人。
プルC…おとなしくて無口。恥ずかしがりや。お裁縫はじめました。
    ちょっとだけアムロを意識してますが、まだまだコドモです。
プルD…オヤジっぽい。豪快に笑ったり人情話で泣いたり。はっきり物を言う。
    メカの扱いも得意。難しい事を考える前にまず手を動かしてみるタイプか。
    でも裁縫なんかは苦手らしく、他の娘に袋を作ってもらったりしている。
プルE…無口無表情。ア○ナミ系。ママに潜在的甘えッ子。
   「バカなの?」とか天然でマジメに訊いてしまうところはまだちょっと年齢の割に幼いかも。
   「がんばれ」「まけるな」のくじけない魂も持つ、12姉妹の白眉(実は「お父さん」も結構気に入っているらしい)。
プルF…辛口お姉さん系(セイラ風)。ちょっと寒がり。優しさ装いつつトゲがある。昨今名言増大中。
   (実は閻魔帳(ガクガクブルブル)をつけている・・その中身を知った者は(あうあうあうあうあうあ))
プルG…普通の「プル」の性格だが、男言葉で喋る俺女。Eと仲良し。
    星座に夢見る少女らしい面も。シャアの王子様らしい面をちょっとだけ意識。
    星座事件でも、某ミュージック事件でも(笑)、シャアの方が悪いのに
    きっぱり流したり、「ワルカッタヨ(TT)」と、謝ったりする所は好漢。竹を割ったような娘かな。
プルH…やり手の電波娘。NT能力12人中最強。実は策略家か!?
    時々ララァになっていた(笑)が、最近は本人も段々目覚めつつある(恋するIなどの影響か)。
    成長して、だんだん死者たちの業を乗り越えつつあるかも。
プルI…マジメで理路整然と喋る。シャアと日夜壮絶なディベートを繰り広げるプチギレン。
    シャアの得体の知れない面や怖い面をちょっと知りながらもダメ男と急速接近(笑)、
    自分の心が自分で割り切れないのに戸惑う乙女。
プルJ…軍人気質。シャアを「大佐」と呼ぶ。不器用に大佐ラブ、恋のためなら命賭けます。
    IやHと違って、演技や計算で自分や他人を誤魔化す事が全然出来ない分、恋はいつも体当たり。
    でも自分の気持ちに素直な分、恋の悩みも少ないかも。最近Iと結んだ淑女協定でちょっと複雑かな?
プルK…人当たりがよく落ち着いている(ミライ風)。誰に対しても敬語で喋る。
    伝記作者のように、日常生活を静かに送りながら全てを見ているヒトになるのかも。
プルL…怖がりですぐに泣く。末っ子系。マイナス感情に敏感。宝物の「お父さん」をいつも抱いている。
ハロ部隊…度重なる改造を加えられ、今その機能を正確に把握してるのはアムロのみ。
4通常の名無しさんの3倍:2009/09/27(日) 15:07:55 ID:???
>>1
5通常の名無しさんの3倍:2009/09/27(日) 15:13:25 ID:???
>>1乙っス!
6通常の名無しさんの3倍:2009/09/27(日) 20:25:14 ID:???
>>1
7通常の名無しさんの3倍:2009/09/28(月) 16:44:17 ID:???
http://feb.2chan.net/jun/b/src/1254123371971.jpg

http://feb.2chan.net/jun/b/src/1254123413282.jpg

http://jun.2chan.net:81/b/src/1254123428381.jpg


安いベッドがぎしぎしと軋む。〜蒼い瞳が上下に揺れる天井を見つめる。


ああ、まただ。また入ってくる。汚い男の物が、自分の中に入ってくる。
8通常の名無しさんの3倍:2009/09/28(月) 23:36:10 ID:???
前スレ983で落ちたか。
埋めネタ用意しようかと思ったのに。
9通常の名無しさんの3倍:2009/09/29(火) 01:03:31 ID:???
>>1
とにかく乙!
10サンシャイン農場:2009/09/30(水) 10:30:38 ID:???
プルG「やっぱりカボチャだよな?」
プルI「何を言うか。収穫量と成長速度、これはもうトマトしかあるまい」
プルC「私、リンゴが好き」
シャア「・・アクシズでリンゴは育たないぞ。重力が少ないので、上手く実をつけないのだ」
アムロ「ああ、違うよシャア。みんなが言ってるのは、これのことだ」
シャア「何・・ゲームアプリ?」
アムロ「昔、M○X○と言う日記サイトで流行したそうだ。友人知人で互いに手伝いながら、作物を育てるゲームだ」
プルL「お父さんの、でかにんじん」
プルA「うえー、にんじん苦手」
プルB「ゲームなど、時間を無駄にするだけのものだ」
プルF「でも、何かを育てるのは、心を豊かにしてくれてよ?」
プルJ「私は大佐とト、トマトを・・」
プルD「シャアとナニを育てるって?」
プルH「・・今、微妙なオーラを感じました(汗)」
プルE「キャベツ畑?」
プルK「どっとはらい。」
11大きなカブ:2009/09/30(水) 10:40:13 ID:???

                                 _....-‐フ!
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                               んU〜Uゝ  んU〜Uゝ    んU〜Uゝ
シャア「赤ければ完璧だ」
12大きなカブ:2009/09/30(水) 10:50:33 ID:???
                                 _....-‐フ!
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アムロ「シャア・・完璧なズレだったな」
シャア「面目ない・・・」
13通常の名無しさんの3倍:2009/10/06(火) 04:42:54 ID:???
保守
14通常の名無しさんの3倍:2009/10/08(木) 12:40:10 ID:???
アムロとシャアの性欲処理に使われる12人のプルの話か
15通常の名無しさんの3倍:2009/10/08(木) 14:32:41 ID:???
>>12
アムロとシャア、手伝ってやれよ。
16通常の名無しさんの3倍:2009/10/08(木) 21:34:06 ID:???
I「…『おおきな部下』か。…赤ければ完璧…」
シャア「√…む…何やらプレッシャーのようなものが…」
17月光蝶:2009/10/09(金) 12:44:05 ID:???
http://axis2000.hp.infoseek.co.jp/log/dame/dame.html

更新した。
顧みると、よくぞここまで生き延びて来た(最初のスレから、気がつけば6年・・)。

しかし、旅は続く。
同志諸君、毎度乙。
18通常の名無しさんの3倍:2009/10/09(金) 23:46:36 ID:???
>>17
月光蝶さん乙です!
19通常の名無しさんの3倍:2009/10/10(土) 03:14:09 ID:???
そうか、もう6年も…
木星には3年で着くという試算だったのに
アクシズ一家は永遠だなこりゃ
20通常の名無しさんの3倍:2009/10/10(土) 16:48:08 ID:???
Q:3年で着くという話だったのに、何故6年以上(最初の投稿は2002/10/06 23:06)も
  漂流を続けているのですか?

A:恐れ多くも賢くも、生きとし生ける者の頂点に君臨する絶対の支配者にして超越者 立てばビーナス座ってもビーナス歩く姿は絶対神 そうその名はプルI様が答えてやろう!
  我らアクシズ一家は、既に時空を超越しているのだッ!!
  従って、最初の頃食料がなくてシャアが冷凍睡眠させられた話とか(されてない)、
  木星に行こうと思ったら突然エンジンが故障してシャアが黒焦げになった話とか(なってない)、
  地球に着く寸前にシャアが恨みを買っていた男に首を取られた話とか(とられてない)、
  全てを同じ時間流の中で説明しようとすると、永劫の時間が過ぎてしまうのだ!!
  だから、3年が6年になったくらいの事でガタガタ騒ぐと、この絶対神が口から手ぇ突っ込んで脳みそガタガタいわせちゃうゾ!
  どうだ素晴らしいだろう!!

Q:プルIさんは何故、急に絶対神になってしまったのですか?
A:うむ、それはだな。B、J、2人合わせてB.J(ブラックジャック)!
  ・・やっておしまいなさい(ばきゅーんばきゅーん)。
  神に不届きな質問をするとは、不敬なやつよ。

Q:ムチャしてるわ
A:H、絶対神が「最高にハイって奴だ!」になってる時水をかけないように。
  では絶対神の忠実なる信者どもよ、これからも我らアクシズ一家の宴に付き従うのだ!!
  よいな!!!
21通常の名無しさんの3倍:2009/10/10(土) 18:51:51 ID:???
Q.シャアもアムロも公式では死んだはずなのに、何故このスレでは生きているのですか?と言うか、
  「われわれだけ殺しておいて、何故生きているんですかクワトロ大尉」(アポリー、ロベルト)
  「大佐、私たちを見捨てるおつもりですか」(ナナイ)
  「カミーユ、お前は俺の・・」(おまえは出てこなくて良い)
A:わたしがプルJ先任軍曹である。話しかけられたとき以外は口を開くな。
  口でクソたれる前と後に“サー”と言え。分かったか、ミノ虫ども!
  よし、おまえらミノ虫の疑問には、私が貴重な時間を割いて回答してやる。
  大佐とアムロは(軍事機密)(軍事機密)(軍事機密)だ。分かったか?
  何?同じ事を二度聞くのは、おまえらの脳がクソで出来てるからだ。
  記憶力が良くなるように、この私みずから教育してやろう。まず、この電撃ロッドの機能だが−−−
  (以後20分間通信途絶)
  ・・あっ大佐、お疲れ様です。え・・?いえ、ちょっと教育的指導をしただけです(ぽっ)。
22通常の名無しさんの3倍:2009/10/13(火) 23:23:15 ID:???
やべぇ…まだあった…懐かしさのなか記念カキコ
23通常の名無しさんの3倍:2009/10/18(日) 14:12:08 ID:???
チン      ☆  チン       ☆
       チン    マチクタビレタ〜   チン     ♪
           ♪
    ♪          ☆チン    .☆   ジャーン!   マチクタビレタ〜!
        ☆ チン   〃  ∧_∧  ヽ         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ  ___\(・∀・ #) /\_/ <  新作マダー?
        チン    \_/⊂    つ    ‖     \__________
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|     ‖        マチクタビレタ〜!
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|   /|\
        |             |/


―――――――――――――‐┬┘
                        |
                       _∧_∧_∧_
        ☆ パリン 〃   ∧_∧   |
          ヽ _, _\(・∀・ ) <  マ
             \乂/⊂ ⊂ ) _ |_ _ _ __
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| .  ∨ ∨ ∨
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
        |           .|/

   _  ___
   \>,\/

          <⌒/ヽ-、_ _
          <_/____ノ
ホシュ
24通常の名無しさんの3倍:2009/10/21(水) 20:39:53 ID:???
シャア「…そういえば、もうあと半月程だが…」
アムロ「…何を寝ぼけているんだ、あと10日しかないんだぞ」
シャア「…繰り上がったのかね、君の誕生日は?」
アムロ「何だ…てっきりハロウィンの準備の事かと…そういえば、誕生日だったな…。
    ……。…!……!?…おい、シャア。予定より多く…ないか?俺たちがここで
    迎えるハロウィンと、誕生日の回数…計算にあわな…」
シャア「まあ…宇宙の驚異、もしくは神秘というやつだな」
アムロ「なにを言っている…だいたいオレとお前、一体幾つになるんだ!」
シャア「私は二十…」
アムロ「 ほ ぉ ぉ う ?!」
シャア「…と五千日位かな。まあ気にするなアムロよ、ウラシマ効果を知らんのかね」
アムロ「…まあ確かに娘達を相手に、規則正しい生活を余儀なくされて正直若返った
    様な心地がないでもない」
シャア「そうだろう、そうだろう」
アムロ「…だが、今はそんな事を言っている場合じゃないっ!どうなっているんだ…
    時間の感覚と…計算と…あれ?おかしいな…せめて全員、小学校は無理だけど
    ジュニア・ハイくらいには間に合う様にしてやりたかったんだが…」
シャア「…うむ。アムロ、その思いだけで十分だ…娘達には伝わるさ」
アムロ「…シャア…いやだから違うだろ、計算が合わないって話だ!」
シャア「…お前ほどの男が、何て器の小さいっ!まあ手っ取り早く説明してやるとだな、
    (前略)(中略)(後略)って事だ。分かったかね?」
アムロ「…全然分からんっ!」
シャア「…くどくど同じ事を聞くのは、『あなた疲れてるのよ』状態だからだな…アムロ。
    そこで、君の疲れが取れる様に…と、私が一服盛ったこの薬の効能はだな…」
    (中略)
シャア「ん?…ああ、Iか。どうやら疲れているらしくて寝てしまったよ、アムロなら…」
25通常の名無しさんの3倍:2009/10/21(水) 20:56:59 ID:???
アムロ「(>>20-21 >>24)…という、夢を見たんだが…」
26通常の名無しさんの3倍:2009/10/23(金) 06:31:26 ID:???
>>25
モルダー、あなた疲れてるのよ
27通常の名無しさんの3倍:2009/10/23(金) 22:03:31 ID:???
>>26
アムロ「今、気前良くあんぱんを分けてくれそうな声が聞こえた」
シャア「ええい、愛と勇気だけが友だというのか!」
28通常の名無しさんの3倍:2009/10/23(金) 22:59:02 ID:???
シャアはともかくアムロには恩人でしょうが!
29通常の名無しさんの3倍:2009/10/24(土) 15:55:59 ID:???
>>26-28
そういえばスカリーとマチルダさんとアンパンマンは中の人同じか。
30通常の名無しさんの3倍:2009/10/28(水) 15:55:18 ID:???
シャア「そういえば、彼または彼女が何故ララァの歌を歌っ ヘブッ…」(ry

31通常の名無しさんの3倍:2009/11/01(日) 23:58:04 ID:???
大規模規制終わったら本気出す
32プルAの好奇心(1/6):2009/11/06(金) 00:14:28 ID:???
アムロとプルCとの間にゆっくりと流れる穏やかな時間。
機械を弄る音、編み棒同士が擦れる音だけが辺りを駆け巡る……

「ねぇ、ふたりはどうして喋らないの?」
「「……はい?」」
そんなふたりの日常が、どうやらプルAの好奇心を刺激したようだ。

「だって一言も喋ってないんだよ、つまんなくない?」
「うーん…そういわれてもな…」
(アムロと一緒だから楽しい、なんて言えないわよね…)

わいわいがやがや、みんなで騒ぐのが大好きなプルA。
それぞれ別の事を楽しんでいるふたりが不思議でしょうがない。

「同じ部屋にいるんだから一緒に遊んだほうが絶対に楽しいのに…」
33プルAの好奇心(2/6):2009/11/06(金) 00:15:09 ID:???

      |┃≡
      |┃≡ ⌒⌒ヽ
   ガラッ.|┃ (Fノ|ノ)从)
  .______|┃ ‖ *゚∀゚ノ  話は聞かせてもらったわ!
      | と       l,)



             三  |┃┃
                 |┃┃
             ⌒⌒ヽ|┃┃
          三 (Cノ|ノ)从)┃┃ピシャッ!
           ‖ *゚ー゚ノ|┃┃
             /    ⊃|┃┃
34プルAの好奇心3/6):2009/11/06(金) 00:16:27 ID:???
「ちょっと!なにするの!」
「はぁ…で、なにか用?プルF」
ため息混じりなプルC、嫌な予感がキュンキュンしている。

「えぇ、ちょっとプルAにおはなしが…」
「あたしに?」
手招きしているプルFの元にとてとてと駆け寄るプルA。
だが身に覚えが無いらしく、頭の上にハテナが浮ぶ。

「あたしにはなしってなーに?」
「アムロとプルCがなぜ喋らないのか……知りたくなくて?」
「えっ!プルFにはわかるの!?」
「もちろん…とゆーより、わからないプルAがお子チャマなのよ」
「あたしはお子チャマじゃないもんっ!!」
「あら、だったら私が言わなくてもわかるわね」
「うぅ…それは…」
「ふふっ、まぁいいですわ。今日は特別に教えてあげましょう」
「ホントに!」

「それはねぇ…」
35プルAの好奇心4/6):2009/11/06(金) 00:17:18 ID:???

                       ⌒⌒ヽ
                    (Fノ|ノ)从)
「ふたりは夫婦なのですm9‖ *゚∀゚ノ!」

決まった!とばかりにプルFに笑みが浮かぶ。
それとは対照的にプルCの顔が真っ赤に染まっていく。

「えぇっっ!?アムロとプルCは夫婦なの!!」
「そうなのよ」
「ん?夫婦になったらお喋りしなくなるの?」
「いえね、この本によると『長年連れ添った夫婦は喋らなくても意思疎通ができる』と」

怪しげな本を片手に、プルAとプルFの暴走は続く。
だけど二人は気づいていない…プルCが発する禍々しい気に。

「まるでニュータイプみたい!」
「ふたりともニュータイプなんだけどね」
「あっ!じゃあ二人はチューしちゃったりなんかして」
「なんったって夫婦ですから」
「いいなぁ…あたしもチューしたいなぁ…」
「それならいっそ、アムロに頼んでみたらどうかしら?」

ニヤニヤしながら振り向くプルF。
そこにはにっこりと微笑むプルCが立っていた。

「ちょっといいかしら、プルF♪」
36プルAの好奇心(5/6):2009/11/06(金) 00:18:05 ID:???
「だいじょうぶ♪いたくしないから♪」
「だれかたすけてぇぇぇ……」
首根っこを取られ身動きができないプルF。
そんな彼女の悲鳴がドアの閉まる音と共に小さく消えていった。

「なんだったんだ、いったい…」
まるで嵐の様な出来事に、心と体が追いつかない。
そんなアムロの膝にプルAがちょこんと座る。

「プルA?」
「あのね…あたしもアムロと夫婦になるっ!」
(話はまだ続いていたのか…)
プルCが聞いたら卒倒しそうな言葉に耳を疑う。
ターゲットが『夫婦』に変わって、プルAの暴走がさらに加速する。

「いや、だからね…僕とプルCは夫婦じゃなくて…」
「ところで夫婦ってどうやったらなれるのかな?」
「あの、はなし聞いてる?」
「うーん…」
「…まったく聞いてない」
「そっか!きっとチューしたらなれるんだよ♪」

                 ⌒⌒ヽ
             (Aノ|ノ)从)
くるりと振り向いて ‖ *゚ 3゚ノ キスしようとするプルA。
さすがにキスはまずいと逃げようとするアムロ。

「むぅ〜なんで逃げるの!?」
「キスは好きな人とするものなんだよ」
「あたしアムロのこと好きだよ?」
「うーん…その好きじゃなく、もっとこう別の…」

「アムロはあたしの事がきらいなんだ……」
37プルAの好奇心(6/6):2009/11/06(金) 00:22:34 ID:???
「僕がプルAを嫌うわけないじゃないか!!」
「……ほんとうに?」
「もちろん」
「あたしのこと…すき?」

女の武器である涙を使い、じわじわとアムロを追い詰める。
もはや彼に残された言葉はただ一つしかない。

「あぁ、好きだよ」
「じゃあキスして♪」
アムロの首に両手を絡ませぐいっと顔を近づけ、
逃げようとするアムロに強引にキスしようとした瞬間……

      |┃≡
      |┃≡ ⌒⌒ヽ
   ガラッ.|┃ (Cノ|ノ)从)
  .______|┃ ‖ *゚ー゚ノ  ただいま!
      | と       l,)

「……」「……」
「……」
部屋の空気が凍りつく音が聞こえた。

「二人してなにをしているのかしら…?」
「いや、あの、これには深いわけが…」
深いわけがあろうとなかろうと、このかっこはまずい。
どうにかして誤解を解かなければ……

「あのね、アムロとキスをしようとしてたの♪」
プルCの笑顔がまじ怖い。

「へぇ…キスしてたんだ…?」
「誤解だプルC!まだキスしていない!」
「まだ…?じゃあこれからしようとしてたの…?」
笑顔のまま淡々と問い詰めてくるプルCに恐怖を感じるアムロ。
そんなアムロに二つの視線が絡みつく。

 │⌒⌒'、
 │"メ""ミ)
 │Д▼ノ
 ⊂ _ .ノ
 │
 │B∧
 │゚∀゚.)
  ⊂ ノ
 │

どうやらこれからが本当の地獄のようだ…… おわり
38通常の名無しさんの3倍:2009/11/06(金) 01:02:25 ID:???
乙ー。

まあ一家は日本人じゃないからお休みのチューぐらいしてると思うんだけどさ。

フランス人は挨拶代わりぐらい頻繁に頬にキスをする
ロシアとかフィンランドとかは男同士でも頬にキスをする
ヨーロッパの他の国はキスの習慣はあるけどそこまでやらない
インドでは人前でやると公然猥褻になりかねないので、映画でキスシーンは使えず、代わりにミュージカル場面を挿入する
らしい。
39通常の名無しさんの3倍:2009/11/06(金) 09:51:59 ID:???
インドのアレはそういうことだったのかw
そういえば確かにそういうシーン見ない…けど、ダンスは結構色っぽいよな。
むしろ挨拶のキスの方が全然健全だよな。
40通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 19:52:21 ID:???
汚物マリーダでもヒロインになれる宇宙世紀
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1249936502/l50
肉便器マリーダ死亡を祝って虐待スレでも始めるか
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1243558351/l50
【マリーダ】ヒロインが肉便器のUC(笑)【娼婦】
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1244266122/l50
売国奴カガリvs売春婦マリーダ
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1245457117/l50
知能障害ステラvs肉便器マリーダ
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1245456841/l50
マリーダより汚いヒロインって存在するのか?
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1246621362/l50
【精液】アニメでも肉便器だったマリーダ【便所】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1249936390/l50
【少女】マリーダの客が集まるスレ【娼婦】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1232073166/l50
【肉便器】マリーダの死を楽しみに待つスレ【売女】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1239433519/l50
【ツンデレ】プルツーvsマリーダ【売春婦】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1246620881/l50
マリーダ・クルスだが質問に答えてやる!
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1246973207/l50
マリーダの娼婦・中絶設定って何だったの?
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1241707291/l50
マリーダならモテないお前らでもSEXさせてくれるよ
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1244277042/l50
41通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 19:54:41 ID:???
口しか使えない精液便所マリーダの有効活用法
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1245230830/l50
肉便器マリーダの声優は枕声優ゆかなだろ常考
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/comicnews/1247117640/l50
最悪の汚れキャラ・マリーダの声優を誰がやるのか
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/voice/1248248228/l50
マリーダの汚いマンコとアナル
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1250976146/l50
お前らマリーダとフェルトどっちとセックルしたい?
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1250972551/l50
【ガンダム】マリーダに萌えるスレ【UC】
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1250880603/l50
【マリーダ】売春婦専用声優・甲斐田裕子【月詠】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/voiceactor/1250976474/l50
売春婦マリーダの声優がまた甲斐田な件
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1250978184/l50
汚物マリーダを必死で擁護するユニコーン厨
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1255927049/l50
マリーダを保護する会
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1253692757/l50
マリーダがビッチっていう奴
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1255097485/l50
売春婦マリーダの声優やる奴って馬鹿だろ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1252130281/l50
プルツー・クインマンサvsマリーダ・クシャトリヤ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1255926831/l50
42通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 20:23:58 ID:???
眠いな…
43通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 23:55:32 ID:???
A「どしたの?眠いの、I?…大丈夫!王子様がキスすれば、眠り姫だってすぐに目を覚ますんだから!」
F「それじゃ白馬の王子様と、真紅の王子様どっちがいいかしら…あら?愚問だったわね」
I「…。貴様ら…そこへ座れ。覚悟はいいか。これより裁きの鉄槌を…」
44通常の名無しさんの3倍:2009/11/10(火) 00:29:46 ID:???
マリーダのように肉便器にされるプルズたち
45通常の名無しさんの3倍:2009/11/11(水) 22:59:52 ID:???
>>32>>37
GJ!!
久しぶりにこのスレ来たところで、ちょうど面白いの見れて満足です(゚∀゚)≡3
46通常の名無しさんの3倍:2009/11/16(月) 17:51:42 ID:???
SS職人がキタ―とにかく乙






















肉便器言ってる奴はコンクリ事件を知らないゆとりと見た。
47通常の名無しさんの3倍:2009/11/19(木) 23:44:38 ID:???
子供なんだからいちいち相手にするな。

そんなことよりも職人来たー!
48通常の名無しさんの3倍:2009/11/27(金) 23:14:08 ID:???
>>46
コンクリ事件なら知ってるよ
ゆずの片割れの出てるビデオも持ってるwwww

コンクリ事件の少女はレイプされただけで肉便器じゃないだろwwww

マリーダは客から金取ってたヤリマンビッチの肉便器だけどwwwwwwwww
49通常の名無しさんの3倍:2009/11/27(金) 23:23:38 ID:???
文字も読め無いとはな…直接あって話をしたいものだ。
50通常の名無しさんの3倍:2009/11/27(金) 23:32:40 ID:???
【栃木】3倍おいしい? イチゴの新品種「赤い彗星」が誕生 来春店頭に
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/yasai/1223375038/
51通常の名無しさんの3倍:2009/11/27(金) 23:55:46 ID:???
>>49
文字も読めない?
頭大丈夫ですか?
52通常の名無しさんの3倍:2009/11/28(土) 00:28:37 ID:???
もういい。あきらめた。
53通常の名無しさんの3倍:2009/11/28(土) 00:30:48 ID:???
>>52
じゃあ2度と来るなよw
54通常の名無しさんの3倍:2009/11/28(土) 16:31:52 ID:???
また荒らしが来るか、売春婦だけで叩く奴って何なの?
55通常の名無しさんの3倍:2009/11/28(土) 18:21:07 ID:???
売春婦といえば結構ネタがあるな
Wikipediaあたりで調べるといい。
56通常の名無しさんの3倍:2009/11/29(日) 19:29:06 ID:???
売春婦マリーダwwww
57通常の名無しさんの3倍:2009/11/29(日) 20:14:27 ID:???
安心しろ、このSSスレはマリーダが出ないから
58通常の名無しさんの3倍:2009/11/30(月) 02:12:09 ID:???
むしろマリーダが出ないから発狂して粘着してんじゃないの
この荒らしw
59通常の名無しさんの3倍:2009/12/01(火) 01:42:48 ID:???
シャア「プル達はようやく寝静まったか」
アムロ「ああ」
シャア「元気なものだな…セイラが小さい頃は、ああまでお転婆ではなかったが」
アムロ「…それは何時の話だ? だが、彼女達の元気さには正直救われてる、お前と二人きりだったらと思うとゾッとするよ」
シャア「無論、私もそんな状況は死んでも御免被りたいところだ」
アムロ「……はやいな、まだ実際には半年も経っていないのに、もう何年もたったかのようだ」
シャア「確かに、色々な事があったな、思えば…濃密な体験をさせて貰った」
アムロ「ああ、必ず脱出して見せるさ、このまま彼女達を冷たい匣に閉じ込めせはしないさ」
60通常の名無しさんの3倍:2009/12/03(木) 12:11:55 ID:???
ドラ時空に触れるとは
61通常の名無しさんの3倍:2009/12/03(木) 20:32:32 ID:???
安いベッドがぎしぎしと軋む。〜蒼い瞳が上下に揺れる天井を見つめる。

                                UC4巻

「…このカルテにある火傷や裂傷の痕というのは何だ?」
カルテに描かれた人体の線画に、創痕や火傷を示す無数の書き込みがあった。
添付された写真には、太股や乳房にまで残る古傷が克明に捉えられている。
モビルスーツに乗ってできる類いの傷とは思えない。
レイアムは顔を逸らし、
「変態どものオモチャにされてきたんでしょう」
と吐き捨てるように言った。
「ハサン先生の話では、もう女性の機能は破壊されているとか」
さすがに絶句した。
                                 
                                UC5巻

ああ、まただ。また入ってくる。汚い男の物が、自分の中に入ってくる。
  
                                UC6巻
62通常の名無しさんの3倍:2009/12/03(木) 21:51:22 ID:???
そういえば十年近く続いているよねこのスレ
63通常の名無しさんの3倍:2009/12/05(土) 17:32:28 ID:???
世の中にはたった一晩を10年近く続けている漫画もある
つまり、そういうことだ
64通常の名無しさんの3倍:2009/12/06(日) 06:57:06 ID:???
>>63
>たった一晩を10年近く続けている漫画

よかった、ガイバーの事じゃなかった…
65通常の名無しさんの3倍:2009/12/06(日) 09:04:16 ID:???
バスタードじゃね?
66通常の名無しさんの3倍:2009/12/06(日) 09:21:34 ID:???
 ざわ…ざわ…
             ざわ…ざわ…
       ざわ…ざわ…

アムロ「アガリだ.…」
シャア「(馬鹿な、そんな馬鹿な…あの捨牌から三色同順だと…馬鹿な…<グニャァ〜>)」
アムロ「終わった…」
67通常の名無しさんの3倍:2009/12/10(木) 21:28:53 ID:SOm4kooe
フォークル、その直後はまぁ、悪くない。程度。
が、世間一般で有名なのはこの時期。

しかし、本当にすごいのはこの後から。
ファーストソロ「ぼくのそばにおいでよ」で少し片鱗が見え始め、
プレ・ミカバンドというべきセカンドの『スーパーガス』、中でもつのだひろのドラムが炸裂する『地雷也冒険譚』。

そして、ミカバンド。特にファーストは加藤和彦色が強くてファンにはたまらない。
セカンドもバンドとして高みに。
サードは末期的でイマイチ。

以後のソロはAOR的になり、好き嫌いが分かれる。
80年前後は大村憲次、坂本龍一、高橋幸宏、細野晴臣、小原礼、などと組んだヨーロッパ3部作あたりはなかなか。

1987年の『マルタの鷹』は清水靖晃、大村憲司、小原礼、高橋幸宏などと組んだジャズっぽい作品で、典型的なジャズが嫌いなオレとしては、逆に『ぽさ』で留めているがゆえに非常にお気に入りの一枚。

プロデューサーとしてはよう知らん。
68通常の名無しさんの3倍:2009/12/10(木) 21:29:43 ID:???
とてつもない誤爆をしてしまった…orz
69通常の名無しさんの3倍:2009/12/10(木) 21:54:55 ID:hgUuNZe9
駄目オトコ。最初の邂逅はまぁ、悪くない。程度。
が、旧板一般に有名なのはあとで知る。

しかし、本当にすごいのはこの後から。
ファーストスレ「33歳にもなって結婚していない」で少し片鱗が見え始め、
四捨五入すると四十路というべきサードの『35歳にもなって結婚していない』、中でも渾身の女装が炸裂する『V作戦』。

そして、プル日記。特に序盤は大佐AAが多くてファンにはたまらない。
弾劾裁判・蓑虫も伝統芸能としての高みに。
悲鳴は断末魔的にイマイチ。

以後のスレは半年寿命になり、マッタリ進行が進む。
2スレ目以降の盗撮→流星拳→弾劾裁判→サウナ室→蓑虫、などと組んだコンボ5連鎖はなかなか。

2007年頃の『いくつになっても結婚していない11』前後はペースも落ちたが、落ち着いた小品揃いで、無理矢理な『萌え』が
嫌いなオレとしては、逆に『ぽさ』の表現が定着しているがゆえに非常にお気に入りのシリーズ。

他のプルスレとかはよう知らん。
70通常の名無しさんの3倍:2009/12/10(木) 21:56:02 ID:???
sage忘れてしまった…orz (わざとじゃなくて、素で)
71通常の名無しさんの3倍:2009/12/10(木) 22:08:09 ID:JCJusXwv
アムロ「オラは死んじまっただぁ〜オラは死んじまっただぁ〜」
シャア「死に損ねたがな」
アムロ「天国に行っただ〜」
シャア(ある意味天国だな(*▼∀▼*))
アムロ(どうせ幼女パラダイスだとか思っているに違いない)

プルA「アクシズ良いとこ一度はおいで♪」
プルK「どうやって来るのかしら」
プルD「酒はうまいし♪」
プルI「酒だと…?!誰か飲んだのか?」
プルD「姉ちゃんはきれいだ♪」
プルL「この中で誰がお姉ちゃん…」
プルF「あるいはイイ年の女のことだとして…10年早いわねフッ」
7267:2009/12/11(金) 07:04:19 ID:???
>>69-71
誤爆をここまでうまく改変していただき、ありがとう

けど、お二方ともおっさんと見た
73通常の名無しさんの3倍:2009/12/11(金) 19:51:04 ID:???
【社会】 "民間企業の3倍" 冬のボーナス、東京都職員は平均92万円…格差鮮明に
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1260523305/
74通常の名無しさんの3倍:2009/12/12(土) 06:08:39 ID:???
安いベッドがぎしぎしと軋む。〜蒼い瞳が上下に揺れる天井を見つめる。

                                UC4巻

「…このカルテにある火傷や裂傷の痕というのは何だ?」
カルテに描かれた人体の線画に、創痕や火傷を示す無数の書き込みがあった。
添付された写真には、太股や乳房にまで残る古傷が克明に捉えられている。
モビルスーツに乗ってできる類いの傷とは思えない。
レイアムは顔を逸らし、
「変態どものオモチャにされてきたんでしょう」
と吐き捨てるように言った。
「ハサン先生の話では、もう女性の機能は破壊されているとか」
さすがに絶句した。
                                 
                                UC5巻

ああ、まただ。また入ってくる。汚い男の物が、自分の中に入ってくる。
  
                                UC6巻
75通常の名無しさんの3倍:2009/12/15(火) 20:43:53 ID:???
>>72
そりゃ、ここは「いくつになっても」スレだから…
76通常の名無しさんの3倍:2009/12/22(火) 19:52:48 ID:???
シャア「それ以上(歳の話)はやらせん!」
77通常の名無しさんの3倍:2009/12/24(木) 16:06:17 ID:???
プルI:「地球圏では、シャアの名言というものが流布されているそうだ」
プルA:「へえ、どんなの?」
シャア:「認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを・・」
プルB:「ぶら下がりながら言ってるところに、説得力があるな。」
アムロ:「若さゆえの過ちで、カメラのチップを更衣室のフレームに金属粒子単位で焼き込んで発見不能にする技術なんか開発するか?途中で気づいたから良かったようなものの・・・」
シャア:「誤解だ。あれは学術的な研究に過ぎん。」
プルF:「不潔です・・」
プルC:「アムロ、ご飯にしようよ」
アムロ:「そうだな」


    ||
   ⌒||⌒ヽ
  ιミ ||  ι)
  (▼ソ || ミ丿   認めたくないものだな・・・・・。
   ミ≡≡≡j
   ミ≡≡≡j
   ミ≡≡≡j
   ヽ)ヽ)
78通常の名無しさんの3倍:2009/12/26(土) 03:21:20 ID:???
安いベッドがぎしぎしと軋む。〜蒼い瞳が上下に揺れる天井を見つめる。

                                UC4巻

「…このカルテにある火傷や裂傷の痕というのは何だ?」
カルテに描かれた人体の線画に、創痕や火傷を示す無数の書き込みがあった。
添付された写真には、太股や乳房にまで残る古傷が克明に捉えられている。
モビルスーツに乗ってできる類いの傷とは思えない。
レイアムは顔を逸らし、
「変態どものオモチャにされてきたんでしょう」
と吐き捨てるように言った。
「ハサン先生の話では、もう女性の機能は破壊されているとか」
さすがに絶句した。
                                 
                                UC5巻

ああ、まただ。また入ってくる。汚い男の物が、自分の中に入ってくる。
  
                                UC6巻

79通常の名無しさんの3倍:2010/01/01(金) 02:06:53 ID:???
プルG「今年も明けたらしいぜ!」
プルA「やったぁ!明けた明けた!」
プルB「でも、アクシズの中じゃ関係ないんじゃないか?」
プルD「堅い事は良いの!ほら、祝おうよ!」
プルE「…(コクリ)」
プルI「全く、落ち着きがない連中だ…」
プルJ「た、大佐はどこー!」
プルH「現在採決により芋虫中」
プルF「自業自得ですわ」
プルK「まあまあ今日はもう下ろしてあげましょう?」
プルC「新しい一年をまた皆で一緒に暮らせるように…ね」
プルL「アムロも一緒に…ね?」
アムロ「はいはい、そうだね、皆」
シャア「ふぅ…えらい目にあったな…」
アムロ「自業自得だ、全く」
プルズ「じゃあ皆で一緒に!」

明けましておめでとう!今年もよろしくお願いします!
80通常の名無しさんの3倍:2010/01/03(日) 19:33:25 ID:???
良く読むと、12月24日から釣られていたようだが・・・・
つまり「クリスマス釣り!?」
81通常の名無しさんの3倍:2010/01/03(日) 21:56:29 ID:???
これか!クリスマス釣りとは!     
.     _,,,,,,,||__ 
    /´.::::::::::::\.
  ,,,, ノ.:;; "イノダメハソ)ミ
 ミ,,,ミ--,,,'ヾ▼Д▼ノ クルシミマス
      ミ≡≡≡j    
      ミ≡≡≡j               
      ミ≡≡≡j
       (/(/ 
82通常の名無しさんの3倍:2010/01/09(土) 23:01:49 ID:???
安いベッドがぎしぎしと軋む。〜蒼い瞳が上下に揺れる天井を見つめる。

                                UC4巻

「…このカルテにある火傷や裂傷の痕というのは何だ?」
カルテに描かれた人体の線画に、創痕や火傷を示す無数の書き込みがあった。
添付された写真には、太股や乳房にまで残る古傷が克明に捉えられている。
モビルスーツに乗ってできる類いの傷とは思えない。
レイアムは顔を逸らし、
「変態どものオモチャにされてきたんでしょう」
と吐き捨てるように言った。
「ハサン先生の話では、もう女性の機能は破壊されているとか」
さすがに絶句した。
                                 
                                UC5巻

ああ、まただ。また入ってくる。汚い男の物が、自分の中に入ってくる。
  
                                UC6巻

83通常の名無しさんの3倍:2010/01/11(月) 12:28:54 ID:???
アクシズに見るアムロの天才力(と思ってみよう)
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8858782
84通常の名無しさんの3倍:2010/01/11(月) 19:32:41 ID:???
安いベッドがぎしぎしと軋む。〜蒼い瞳が上下に揺れる天井を見つめる。

                                UC4巻

「…このカルテにある火傷や裂傷の痕というのは何だ?」
カルテに描かれた人体の線画に、創痕や火傷を示す無数の書き込みがあった。
添付された写真には、太股や乳房にまで残る古傷が克明に捉えられている。
モビルスーツに乗ってできる類いの傷とは思えない。
レイアムは顔を逸らし、
「変態どものオモチャにされてきたんでしょう」
と吐き捨てるように言った。
「ハサン先生の話では、もう女性の機能は破壊されているとか」
さすがに絶句した。
                                 
                                UC5巻

ああ、まただ。また入ってくる。汚い男の物が、自分の中に入ってくる。
  
                                UC6巻
85通常の名無しさんの3倍:2010/01/18(月) 21:46:34 ID:???
シャアは肉食っぽいし実際何度か女いたことあるけど草食だよね
だから、いくつになっても結婚しない

アムロは逆に草食に見せかけて地味に肉食ってる
86通常の名無しさんの3倍:2010/01/19(火) 11:14:24 ID:???
強烈な敵意を孕んだ"気"がパイロットスーツを透過し、
汗で濡れた肌を嬲りながら後方に過ぎてゆく。

腐ったナメクジが全身を這い回り、股間に侵入してくるあの感じ―。

                                       UC4巻 P240



MSと戦闘中でもセックスのことを考えてる売女マリーダ
87通常の名無しさんの3倍:2010/01/26(火) 22:59:29 ID:???
>>85
メカオタなのにどの時代にも彼女らしき女がいて
小説によっては結婚して子供(胎児)までいるしな
88通常の名無しさんの3倍:2010/01/28(木) 16:31:20 ID:???
腐ったナメクジに体中を舐めまわされ  

全身を舐め回されるマリーダ


汚水でブヨブヨにふやけた生皮の袋

中出しされたマリーダのマンコ


安いベッドがぎしぎしと軋む。〜蒼い瞳が上下に揺れる天井を見つめる

ベッドの上でチンポ挿れられて腰振られてるマリーダ
89通常の名無しさんの3倍:2010/01/29(金) 22:33:21 ID:???
真美婆死ね
90通常の名無しさんの3倍:2010/02/01(月) 00:31:47 ID:???
腐ったナメクジに体中を舐めまわされ  

全身を舐め回されるマリーダ


汚水でブヨブヨにふやけた生皮の袋

中出しされたマリーダのマンコ


安いベッドがぎしぎしと軋む。〜蒼い瞳が上下に揺れる天井を見つめる

ベッドの上でチンポ挿れられて腰振られてるマリーダ
91通常の名無しさんの3倍:2010/02/03(水) 02:23:51 ID:???
怒ったアムロに全力でボテくりまわされ

全力で張り倒されるシャア

汗でグショグショにふやけた簀巻きの縄

サウナ吊りされたシャアの描写

キツいロープがミシミシと軋む。〜青い顔色で上下に揺れる床面を見つめる

サウナの中でスマキに吊るされて揺れているシャア


アムロ「…どうだ、反省は済んだか」
シャア「ご…誤解だ…私はただ、乾布摩擦の指導をしようとして…」
アムロ「乾布摩擦に、カメラは要らないだろ?…」
シャア「…」
92通常の名無しさんの3倍:2010/02/09(火) 01:33:31 ID:???
この親父はもう駄目だ…
滅ぼさなければならない
93通常の名無しさんの3倍:2010/02/10(水) 20:31:40 ID:???
シャアが吊(られ)る

シャア!シャア!(シャアを呼ぶアムロの怒号)

今はいいのさ全てをとぼけ(シャア「さあ、何の事だか私には分からないな」)
一人残った傷ついた俺が(流星拳を浴びた)
この裁判で罪に問われれば地獄に落ちる(サウナに吊られる)
シャア!シャア!
風呂場・脱衣所
カメラスポットにヤツの影
シャア!シャア!シャア! シャア!シャア!シャア!(一家総出で捜索中)
流した鼻血は後で後で拭け
あぶり出される 俺はターゲット

シャア「しまった…シャワーは音だけとは!ええい!…いや。違うぞ。これはだな」
J「大佐…言い訳なんて、男らしくありません!」
シャア「…ふ。ならば、何も言うまい…」
I「そうか…観念したか、いい心掛けだなシャア・アズナブル!」
シャア「ええい!どうすれば…」
アムロ「諦めるんだシャア、どうにもならん」

…シャア!シャア!シャア! シャア!シャア!シャア!
94通常の名無しさんの3倍:2010/02/10(水) 20:39:43 ID:???
>>93
ワロタw
95通常の名無しさんの3倍:2010/02/19(金) 15:45:10 ID:???
プランターの管理やアクシズ内部の探索などを終えて就寝前。
消灯時間までの束の間の自由時間。
サイド3時間を基準にしているアクシズでの時間帯は午後十時前だ。

プルAが、アクシズの図書館から持ち出した本を読んでいる。
絵本でも漫画でも、一般的に彼女達くらいの年齢の子女が読む読み物でもない。
分厚いそれを自室の寝袋に寝そべって、読んでいる。
重厚感があり、かなり分厚い本だ。
仰向けになったりうつ伏せになったり横を向いたりとやや落ち着きがないように見えるが、
本人は本以外の物事に意識を移そうとしないので、集中しているのだろう。

「A、来たぜ。…A?」
「えっ?あっ、G。どうかしたの?」
「どうしたじゃねーだろ。一緒に寝ようっつったのは、どこの」
「ああー、ゴメンッ!夢中になっちゃってたっ」
14人のアクシズファミリーには一応、一人一人に個室を宛がわれている。
部屋を交換したり、お泊り会をしたり、という遊興も稀に行われていた。
一つの部屋にみんなが集まって寝る日もある。
「Aが読書なんて珍しいな。何の本だ?」
「これよ」
ずっしりと重たい本のページを開いて、寝袋を放ったくるGに向ける。
「…パセリ、ブロッコリー。カリフラワー…?」
自分達の間に挟まった本を持ち上げて、背表紙を見る。
“地球の植物図鑑”。そのまんまタイトルの本だった。
それにしては食用の物ばかり、と思ったら、そこは
地球にある“春夏秋冬”の季節に応じた“旬の野菜”について
解説しているページだった。
成る程、うまいものより甘いもののプルAにしては珍しいが、
彼女が興味を抱きそうなページではある。
「これなんか、食べたことないよ」
「Ara…lia…cordata?なんだこれ。こんな、根っこみたいな、枝みたいなの、食べられるのか?」
「フライにしたり、ミソスープに入れたりするんだって」
アクシズの野菜といえばシャア農園の強化ホウレン草が代表的だ。
スパムと一緒になったメニューはもはや定番である。
「これはシャアが言ってた、ラディッシュ>>12じゃないか?真っ赤だ」
「ほら、見るの楽しいでしょ」
「“シチュー”に入れたり…いいなあ」
「聞いてる?」
無知というわけではないが、何しろ彼女らは物を、世間を知らない。
牛乳やら生クリームをふんだんに使う“シチュー”を食べたことなどない。
写真や映像などで、知識として知っているだけだ。
欧州で営まれる色とりどりの野菜のマーケットなどに行けば、少女達の好奇心は否応なく刺激されることだろう。
それこそ12人全員がいつのまにかちりぢりになってしまうほどの勢いで。
96通常の名無しさんの3倍:2010/02/19(金) 15:51:38 ID:???
落ちなしです、ごめん
なんとなく久し振りに一筆書いてみたらまたAの珍しい読書ネタになっちゃったか。
粉末乳があるからシチューも無理ではないかも知れないけど、どうなんだろう…
97通常の名無しさんの3倍:2010/02/19(金) 20:28:31 ID:???
物資はあっても物量がないからな
増産にも牛がいるし
98通常の名無しさんの3倍:2010/02/20(土) 01:11:52 ID:???
脱脂粉乳と植物性油脂で雰囲気は出せると思うがな。
イノシン酸とか旨味調味料の生産設備があればなおよし。
99通常の名無しさんの3倍:2010/02/20(土) 01:53:14 ID:???
プル    「きょうは♪たのっしいっ♪バレンタイン〜♪」
プルツー  「姉さん、それクリスマスの歌の節だから!」
プル    「じゃあ…バレンタインキ〜ッス♪デュワデュワ〜♪」
シスターズ 「国生さゆりキタ━━(゚∀゚)━━━!」
プルツー  「この曲ってZZ放送してた頃の曲だよな…
      って姉さん歌ってばかりいないでちゃんと手も動かしなよ」
プル    「動かしてるよう〜ほらっ☆プル特製特大ハートチョコできあがり〜♪」
(プル、顔より大きなチョコを頭上に掲げる)
プル    「“I LABU ジュドー”って文字も入れたよ!木星に送るんだー♪」
プルフォウ 「姉さん、ラブの綴りは“LABU”じゃなくて“LOVE”だよ」
プル    「え?!まあいっか♪ジュドーならわかってくれるもん♪」
ジンネマン 「お、みんな上手に出来たなあ」
シスターズ 「キャプテン、ハッピーバレンタイン♪(*´∀`)つ●*´∀`)つ〇*´∀`)つ◆」
ジンネマン 「おお、俺の分も作ってくれたのか…ありがとうな」
プルシックス 「ちょっと焦がしちゃったけど、皆でクッキー焼いたの」
ジンネマン 「いや嬉しいよ、ありがとう(´;ω;`)ウルウル
      マリーダからはさっき貰ったんだが、まさか皆から貰えるとは…」
プルツー  「あれ、そういえばマリーダは?」
プルセブン 「さっきエプロンはずして着替えてたの見かけたけど…」
(玄関の方でそーっと出かけようとしているマリーダ発見)
プル    「マリーダ!どこかお出かけ?」
プルツー  「彼氏にチョコあげに行くとか?(・∀・)ニヨニヨ」
マリーダ  「そ、そんなんじゃないよ/////」
プルツー  「スーツ着ておしゃれしちゃって…でもデートするなら
      足元はスニーカーじゃない方がいいんじゃない?(・∀・)ニヨニヨ」
マリーダ  「ごめんなさい…こんな時どんな格好すればいいかわからないの…!」
(照れながらチョコの包みを持って玄関を走り出るマリーダ)
シスターズ 「綾波キタ━━(゚∀゚)━━━!」
ジンネマン 「こらマリーダ!彼氏なんて俺は許さんぞー!(´;ω;`)ブワワッ」

100通常の名無しさんの3倍:2010/02/20(土) 22:41:29 ID:???
>>97-98
久し振りに読み返していたら、35歳スレの起き抜けプルズが
シチュー鍋にがぶりよりってのがありました
101自己補完:2010/02/23(火) 13:48:28 ID:???
>>95の地球の植物図鑑・旬の野菜のページに載っている
シチューの写真と二行にも満たない説明書きを見せてもらったK。

料理の知識についてはCに頼るのも良さそうだったのだが、
その時間はアムロと昼食の支度で忙しかったのだ。
作業の時間と昼食までの合い間を縫って、
“シチュー”についてGとAとD(食べ物の話題に吸い寄せられたのであろうか)に
問い掛けられたKは、目をぱちくりさせた。

「シチューなら、私達も食べたことがあるでしょう?」
「ええっ?」
「覚えにねーよぉ全然」
「見たことないよ」

図鑑にはカラー写真が載っている。
ごろごろと大きなじゃがいも、人参、口当たりのよさそうな玉ねぎ。
確実にスパムではないであろう薄い色のでこぼこした肉に、
なんだか綺麗な皿にたっぷりと注がれたゆるいホワイトソース。
Kに頼った三人は見たこともない。食べた覚えもない。

「そうね、野菜をこんなに大きく切っては食べなかったせいかしら…
 アムロとシャアに出会ったばかりの頃、食べさせてもらったのよ?
 やっぱり、思い出せない?」
「…言われてみれば」
「この、白いソースにはなんとなく見覚えがある気がするよ」
「じゃあ、あたし達が食べたシチューはニセモノってことじゃないの?」
「そんなことはないと思うけれど」

Kはちょっと困ってしまった。
自分達が“起こされた”後、余さず栄養補給が出来る料理としてこのシチューが出されたはずなのだが、
あのときのシチュー鍋の中身はこんなにごろごろ、にぎやかではなかったせいだろうか。
写真に使われているシチューには粉末乳などを使う必要も多分ない。
新鮮な牛乳や動物性油脂、ミノ粉などではなく小麦粉が使われていることだろう。
だからといってアムロが作ったシチューがニセモノというわけではない、とKには思える。

「じゃあさ、頼んでみようよ、アムロに!こういうの作れる?って」
「そうね。それがいいかも」

それが一番手っ取り早そうだ。
肉は、脂抜きと塩抜きを十分に施したスパムでもいけるかも知れない。
要は写真のように具を大きめに切ればいいのだ。
自分達が“起きた”ときのシチューに入っていた具はきっと、
早めに火を通すためにも、かなり細切れにされていたのだろう。
そうと決まれば話は早い。
騒がしく活発な欠食児童三人組はAを筆頭に、
アクシズの居住スペースの廊下をけたたましく駆け抜けていった。
目的地は勿論食堂だ。

「…シャアにも聞いてみようかしら」

じゃがいもなどの野菜のストックをだ。
プラント、通称シャア農園が機能している現在、アクシズの食糧事情は、
以前と比べて本当に豊かになった。
勿論心配事がゼロになったわけではない。
目的地である木星に到着するまでに、何があるか分からない。
それでも、みんなが満足に食べられるくらいには、豊かになった。
無に等しいものを、アムロやシャアが、一にしてくれた。
その一も、自分達が手伝うことで、十にも百にもなってきた。
もう、栄養失調の欠食児童なんて言わせやしない。
Kも、程よく減ったお腹が鳴るのを聞いて、食堂に向かうことにした。
10295:2010/02/23(火) 13:54:24 ID:???
アクシズあるある大辞典にシャア農園で出来るとされている野菜について
書いてないかな、と思ったんだけど、そういった記事は見当たらなかったなあ
ログをもう一回読み返して現スレにまとめてみたら需要はあるでしょうか?
(確かトマトは作っていて、大豆は作っていないはず。
 デザートのいちごをアムロが収穫してる場面もあったかな)
103通常の名無しさんの3倍:2010/02/25(木) 16:19:58 ID:???
机上のデジタルカレンダーが、宇宙世紀00XX年2月も下旬に入った事を示している。

ゞ▼∀▼ノ シャア:「時にアムロ。“ヒマナツリ”とやらは今年はやらんのか?」
ヾ ゚〜゚ノ アムロ:「それを言うなら“ひな祭り”だろう。どうした?除け者にされたからとあの後もいじけていただろう」
ゞ▼д▼ノ シャア:「見損なってもらっては困るな。この目で見てこそいないが、娘達の楽しげな声を私は覚えている」
ヾ ゚ー゚ノ アムロ:「…そうか」
ゞ▼∀▼ノ シャア:「ついぞ文献で読み知ったが、3月3日、“ヒナマツリ”の日は、平和の日ともされているようだぞ」
ヾ ゚一゚ノ アムロ:「女の子が健康に育っていることを祝う日でもあるからか」
ゞ;▼∀▼ノ シャア:「で、あるからしてだ、今年は平和の日を記念して、私も混z」
ヾ ゚一゚ノ アムロ:「断る。プル達から要望がない限りは、聞けない相談だ」
# ▼Д▼ノ シャア:「…そうやって君は!“ママ”の立場を利用して!永遠に私を除け者にしようとしかしないのだな!!」
ヾ.#゚∀゚ノて ムロ:「マ…言ったな?やるのか!?」

   丶     r'⌒⌒^'、 このスレ初のマウントAAを食らえ!
    ヽ\\ヽ(m#νyy'ソ/m)//
    \ (m ヽ #゚ー゚ノ/m)/
     丶\(m\  m)//
      (m\(m (m m)/
         ( (m /メ""ミ) ズガガ神拳とやらはどうした!
      ミヘ丿 ∩#Д▼||l 腕が鈍ったようだな!?
       (ヽ_ノゝ __ノ

○平和の日
1984(昭和59)年の国際ペンクラブ東京大会で、日本ペンクラブの発案により制定され、
翌1985(昭和60)年から世界中で実施された。
「女の子の健やかな成長を祝う雛祭りは平和の象徴である」との考えから。

J*;д;ノ .プルJ:「大佐…しかしっ…ひな祭りは、男子禁制…っ」
G;`д´ノ プルG:「…なあ、今年はどうする?シャアも入れてやる?」
E*‘−‘ノ .プルE:「…哀れ。」
L*・ヮ・ノ プルL:「あ、あの…シャアも…一緒に、おひな祭りしていいと思う、わたし」
K*´ー`ノ プルK:「ひとりぼっちでは寂しいでしょうからね。私は、Lに賛成します」
F*゚ ー ゚ノ プルF:「そういうことになりそうね。まあ、今年くらい、いいのではなくて?」
D*^□^ノ プルD:「じゃあさ!“平和の日”には何食べるのか調べて来なきゃな!」
I;@一@ノ プルI:(…結局は食い気なのだな、D)
104通常の名無しさんの3倍:2010/03/04(木) 04:03:51 ID:???
マリーダの経験人数

マリーダの娼婦期間
・10歳〜15歳までの6年間


1日平均3人の客と寝るとして2日休みありで
閏年を考慮に入れず
3×(365−144)×6=3978

4000人近くの男とセックスしているということになる



つまりマリーダはセックスできなくなっても
フェラや手コキのテクニックが超1流なので問題なし
105通常の名無しさんの3倍:2010/03/04(木) 07:57:32 ID:???
きめえ^^
106通常の名無しさんの3倍:2010/03/04(木) 17:30:17 ID:???
若き彗星の肖像みるとやっぱかっこいいからモテるよ。
107通常の名無しさんの3倍:2010/03/04(木) 20:02:46 ID:???
シャア「そうだろう、そうだろう」
108通常の名無しさんの3倍:2010/03/08(月) 17:02:11 ID:???
そんなシャアも、今では12人の娘を持ったダメ親父。


締める所で締めてるさ、きっと。多分。メイビー…
109通常の名無しさんの3倍:2010/03/12(金) 14:53:14 ID:???
福井 小説は尺がないし、描くべきだと思ったことは容赦せずに全部やろうと振り切りましたが、
    書いていてアニメにするときどうしようかなぁと悩んだ描写は、マリーダ・クルスという、物語の
    根幹にいる女の子の過去。かなり凄惨だけど、素通りすることもできないし、どうしようって。
    数年前に吐いた自分のツバが降ってきた感じですね。浴びてるのは主に古橋監督ですが(笑)。


マリーダに関するインタビューみつけてきた
福井もやっぱり後悔してるんだね
110通常の名無しさんの3倍:2010/03/13(土) 09:22:11 ID:???
エロゲのシナリオでも書いてろって感じだな
111通常の名無しさんの3倍:2010/03/13(土) 18:23:32 ID:???
昔読んだ、故・矢野徹氏の文章を思い出した。
矢野氏はSF作家・翻訳家で、ガンダムの元アイディアのひとつといわれる「宇宙の戦士」を訳した人。

で、その中身だが
「最近の作品は面白いが、セックスと暴力場面をとことん書ききってしまっている。
その人なりに面白さを押さえる克己心めいたものがあったほうが長持ちするように思う。
今の作家の克己心は、睡眠時間を削って大量の原稿を書く苦しみに耐えることだけに
向けられているようだ。」

時代が違うって言っちゃえばそうかも知れんが、なんか考えさせられるな。
112通常の名無しさんの3倍:2010/03/14(日) 02:56:17 ID:???
>>111

・・・ウィザード○ィ日記をリアルタイムで読んでいた者が俺以外にも居たとは・・・・
113通常の名無しさんの3倍:2010/03/14(日) 12:24:43 ID:???
結局福井ってプルレイプして何をしたかったのか?
114通常の名無しさんの3倍:2010/03/14(日) 17:24:31 ID:???
アレじゃないか?敗軍の兵士に対する扱いとかエロスとか…
ぶっちゃけマリーダの過去は最終的になくなるか曖昧表現になると思うんだけどな。
115通常の名無しさんの3倍:2010/03/14(日) 18:04:42 ID:???
>>112

ナカマー!

・・・どっちにせよスレ違いだったスマソ
以後反省はしないが自粛する
116通常の名無しさんの3倍:2010/03/14(日) 20:56:52 ID:???
プルを使ってレイプしたかっただけにしか思えん
117通常の名無しさんの3倍:2010/03/15(月) 20:00:34 ID:???
お前らB層向けだからな>ウンコーン
118通常の名無しさんの3倍:2010/03/15(月) 21:30:57 ID:???
ユニコーンって糞だろ
絶賛してる奴って頭おかしいよ
119通常の名無しさんの3倍:2010/03/28(日) 19:04:35 ID:???
まず膣に薬を打ち込んで赤ちゃんを殺す

その後に手足をハサミで切り落とす

胴体を掻き出す



UC4巻のマリーダの回想でも「掻き出された」とあるから
この方法だと思われ

http://jan.2chan.net/may/b/src/1269769995799.jpg
120通常の名無しさんの3倍:2010/03/29(月) 19:22:54 ID:???
マリーダのセックスシーンってアニメでもやること決定だなw


156 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 2010/03/29(月) 03:14:19 ID:???
海外版だけレイプシーンカットすればいいじゃない
サントラにはレイプ専用曲まであるのに、レイプシーン絶対入れてくるぞw

09. INFERNAL AFFAIRS (地獄のような情事)
121通常の名無しさんの3倍:2010/04/07(水) 15:36:42 ID:???
規制解除されたかな…
ある日、シャアは大変な事に気が付いた。
「アムロ、私達のアクシズ暮らしも、もう随分とたつが、おかしいと思わないか?」
「何のことだ?」
「プル達だよ」
「プル達がどうかしたか?」「アムロともあろう者が、気付いていないとは……」
「だから何のことだ」
「フッ、やはり娘達に対する心配りは私、シャア・アズナブルの勝ちだな!」

勝ち誇るシャア、いらつくアムロ。

「……シャア、言いたい事があるならさっさと言えよ」
「教えてやろう、それはプル達の体の事だ」
「?彼女達は健康に育っているぞ?何も問題は……あっ、まさか!」
「そのまさかだよ、アムるべらっ……!」

アムロの鉄拳がシャアの顔面をとらえた。

「貴様手を出したのか、誰にだ?言え!」
「あれ?いやそうじゃ無ぐぼりゅっ……!」

もう一発。

「言い訳は聞かん!今日こそ貴様を始末してやる!」

怒りで顔面蒼白のアムロ、さながら白い悪魔といったところか。

「まて、勘違いだアムロ君、プル達の成長速度が遅すぎるから心配にぎゃあああ……!」

宙に舞うシャア、殴ってから我に返るアムロ。

「なんだ、そのことか」
「……」
「それなら全員この前、精密検査をした。長い期間のコールドスリープの影響で、代謝が遅くなっているのさ。」
「なんだと?そんな馬鹿な!」
「心配ない。ちゃんと毎年検査しているが、全員健康体だ。それに段々普通の成長速度に近付いている」
「なんで……」
「もともと普通より健康に作られているからだろう」
「なんで……」
「ん?」
「なんで私に黙って……」
「それはお前が暴走するからだ」
「お前だけが(裸を)視たのか……」
「ああ、俺だけで(健康を)診た。」



その日からシャアは1週間寝込んだ。
123通常の名無しさんの3倍:2010/04/15(木) 16:57:11 ID:???
すれ違い宇宙w
124通常の名無しさんの3倍:2010/04/18(日) 11:30:08 ID:???
というかもう何年も漂ってる設定だったのか・・・
俺の中ではまだ1年ちょっとぐらいの気がしていた
125通常の名無しさんの3倍:2010/04/18(日) 15:38:58 ID:???
過去スレを見ると、最初は1年1年加算してたんだけど今はそこら辺うやむやみたい。
でもそのほうがネタとかやりやすいんじゃまいか
126月光蝶:2010/04/18(日) 17:29:09 ID:???
この月光蝶思うに・・・

  ___
 /~_ ~\
(_ヾ リ γ_)
  "i  i"
  |(゚Д゚) <長い漂流を生きのこるためには・・・カタい事はいいっこなしだ
  |(ノ |)
  |   |
  丶_ノ
   ∪∪
127通常の名無しさんの3倍:2010/04/18(日) 18:41:52 ID:???
おぉ、月光蝶氏でわありませんか!
いつもスレ保管ご苦労様であります!
128通常の名無しさんの3倍:2010/04/29(木) 17:05:07 ID:???
乙です

些細なことってやつだな
129通常の名無しさんの3倍:2010/05/06(木) 19:10:38 ID:???
保守
130通常の名無しさんの3倍:2010/05/08(土) 22:34:58 ID:???
131通常の名無しさんの3倍:2010/05/11(火) 22:10:32 ID:???
娘たちの性的虐待からの保護という名目でDVを振るう妻?を何とかしてくれ
132通常の名無しさんの3倍:2010/05/12(水) 07:40:41 ID:???
>>131
一瞬誤爆に見えたけどこのスレではそんなことはなかったぜ!
133通常の名無しさんの3倍:2010/05/12(水) 22:28:37 ID:???
>>131
性的虐待はエゴだよ!
それをわかれ
と妻が
134通常の名無しさんの3倍:2010/05/13(木) 02:06:05 ID:???
誰が妻だ誰が
と妻が

DVの腹いせの変態行為でもない限り糾弾はできねえなあどっちにしろないけど
135通常の名無しさんの3倍:2010/05/17(月) 01:53:41 ID:???
この大佐はもう駄目だ…
136通常の名無しさんの3倍:2010/05/17(月) 02:31:14 ID:gDU4V1xZ
「まだ終わらんよ!」
137通常の名無しさんの3倍:2010/05/27(木) 02:07:45 ID:???
大佐の終末/週末の過ごし方
138通常の名無しさんの3倍:2010/05/28(金) 15:03:07 ID:???
トイレの天井裏に忍んで覗き三昧
139通常の名無しさんの3倍:2010/05/29(土) 00:08:02 ID:???
シャア「…と思ったら家内、というかアムロだったござるの巻」

アムロ「…√そこォ!」(ラストシューティングのポーズ)

シャア「…分かるか、ここに誘い込んだわけを!」
アムロ「え?誘いこん…だ…だと?… 全 然 分 か ら ん っ ! 分かってたまるかよっ!
貴様だって父親役だろうにっ!」
シャア「いつもこんなキャラにされてしまう、我が身を呪うのだよッ!」(半泣き)

A「…なにやってんの?」
G「へ〜…何かシャア、すげえ善戦してんじゃん?今日は」
J「やめて下さい大佐!アムロっ!二人が戦うことなんてないでしょうっ!」
I「…うむ、シャアが懲罰されるだけでいい筈だな」
140通常の名無しさんの3倍:2010/05/31(月) 00:53:07 ID:???
ナナイが愛人ってことは誰かと結婚してんじゃないのかシャア
141通常の名無しさんの3倍:2010/06/09(水) 12:51:39 ID:???
>>140
戦前までは「愛人」は不倫相手に限らなかったそうだ。
普通に「恋人」と同じような意味しかなかったらしい。
ナナイは「情婦」のほうがしっくり来るかも知れんな。

ちなみに「妾」は「本妻が存在を認めている愛人(情婦)」ということだ。
よほどの甲斐性持ちでなければ二号三号を養うなどできまい。

そろそろアムロにマウントされそうなのでこの辺でうわなにをするやめr
142通常の名無しさんの3倍:2010/06/12(土) 22:59:00 ID:???
I「明日、帰るそうだ」
A「何々?」
F「私たちと一緒に出発した、宇宙の旅人さんですよ」
D「鳥の名前だよね?」
E「・・・・ハゲタカ?」
B「はやぶさだ」
I「われわれが金星と太陽の力を借りて木星に飛んだように、月と地球の力を借りてスイングバイ、小惑星イトカワにタッチダウン。
  サンプルを採集して地球に帰って来るそうだ。
  7年間、50億キロメートルの遥かな旅だ」
G「飛んだ距離自体は、俺たちの方が長いんだよな?」
シャア:
 「いかにも。われわれは同じ年月で、彼らの5倍以上の距離を旅した。
  これも、私の正確無比な誘導技術のたまも・・・むぐっ」
I「とりあえず自慢厨は吊るしとけ。
  地球に比べて木星は的が大きいし、近づけば重力によるホーミング効果も出て来るから、むしろ誘導は簡単なのだ。
  アクシズには核パルスエンジンがあるから、推力もきわめて大きいしな。
  はやぶさはメインエンジン4つのうち3つが故障、リアクションホイールも壊滅、バッテリーは放電、
  化学燃料はカラッポと言う悪条件下で地球帰還を果たす寸前だ。
  ネットワークはその健闘を讃える声で満ちているぞ」
C「私たちも、いつかは・・」
J「いつかは大佐と(ぽっ)」
143通常の名無しさんの3倍:2010/06/12(土) 23:19:30 ID:???
おお、遥かなる刻が見える…
144通常の名無しさんの3倍:2010/06/12(土) 23:57:40 ID:???
シャア「なにか小さいのが牽引してるんだが」
アムロ「なになに?イトカワ?いや、こっちはアクシズだよ」
145通常の名無しさんの3倍:2010/06/13(日) 13:49:31 ID:???
146通常の名無しさんの3倍:2010/07/03(土) 20:42:42 ID:???
保守
147通常の名無しさんの3倍:2010/07/04(日) 10:06:32 ID:???
墨守
148通常の名無しさんの3倍:2010/07/17(土) 15:05:56 ID:???
アクシズ一族
149通常の名無しさんの3倍:2010/07/19(月) 13:35:54 ID:???
>>148
「アクシズ一揆」に見えた
150通常の名無しさんの3倍:2010/07/19(月) 18:55:04 ID:???
>>149
プルI「我々は断固としてチョコパフェを要求する!」
プルA「よーきゅーするー!」
こうですかわかりま(ry

サツマイモの代用チョコは出来たから、次はアイスクリームか・・・
フルーツは缶詰でいいが、アイスは難しそうだ
151通常の名無しさんの3倍:2010/07/19(月) 22:43:51 ID:???
>>150
それだけじゃない、生クリームも必要だ。
やっぱし無理かのぅ・・・
152通常の名無しさんの3倍:2010/07/19(月) 22:46:26 ID:???
ポッキー、バナナ、チェリーも欲しいな。
チェリーは缶詰だろうけども、ポッキーとバナナはどうやっても無理ぽ・・・
153通常の名無しさんの3倍:2010/07/19(月) 22:50:48 ID:???
シャア「仕方ない、ここはわたs」
アムロ「却下」
154通常の名無しさんの3倍:2010/07/19(月) 23:05:05 ID:???
大佐のはポッキーなのかバナナなのか…
155通常の名無しさんの3倍:2010/07/20(火) 00:11:42 ID:???
>>151、152
生クリームは脱脂粉乳と植物性油脂で代用可能。
アイスも、ラクトアイスなら、同様にして作れる。

ポッキーは小麦があれば、あとは細いビスケットを焼くことで可能。
(代用チョコはあるわけだし)

果物系は、もうゼリーか何かに香料突っ込むしかないだろうな。
156通常の名無しさんの3倍:2010/07/21(水) 03:26:25 ID:???
アムロ「これで我慢してはくれないんだろうな」
シャア「パフェ味のスパムだと…!?しかしこれはナンセンスだ!」
157通常の名無しさんの3倍:2010/07/21(水) 05:28:34 ID:???
漂流アクシズ内の農耕プラントでは何を育てるのが最も効率がよいのか。

タンパク質は、いつまでも缶詰が保つと思えないから大豆で取るとして、
他は何を植えるべきだろう。

肥料が少なくてもよく育ち、人間に必須の栄養素がある植物。
できれば、可食部分以外も何らかの使い途があるとなおよい。(繊維から糸を取る?)
158通常の名無しさんの3倍:2010/07/21(水) 08:33:34 ID:???
そういった意味では芋…特に里芋が優れているな。
芋を食って、茎[芋茎]を干して汁物の具材や煮つけなどに持つかえる。
(戦国時代などでは歩兵の紐が芋茎でできており、物によっては味噌味を付けられていた)
葉っぱも食べれない事は無いみたいなので、アムロママンの腕の見せ所になるなw
ただし、どちらも一度あく抜きをしないと食べれないようなので、その辺の労力が大変だな。

後、そばやサツマイモ(紅いので現在もシャアが育てている模様w)が荒れた土地でも育て安い野菜なので、
残りの有機肥料や土壌改善の薬の量などを考慮するとここらをストックしておくのがいいかも。
159通常の名無しさんの3倍:2010/08/03(火) 00:13:22 ID:???
保守
160通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 23:59:06 ID:???
シャア「ああ、芋の世界とは奥深いものだ…こんな歌もある。

    ♪ゆうべ父さんと寝た時にゃ 変〜なところにイモ…

    …ぐふッ」
アムロ「何を歌っているんだ!娘たちの前で貴様は!
    …ああ、何でもない。みんな、忘れるんだ…
    シャア、ちょっとこっちに…」

J「…あ、戻って…大佐?…お顔が、ジャガイモみたいにっ…」


161通常の名無しさんの3倍:2010/08/27(金) 23:18:44 ID:???
シャア「ジャガイモの芽が…咲いている」
162通常の名無しさんの3倍:2010/08/28(土) 18:51:43 ID:???
ジャガイモは連作障害がありませんでしたっけ?
そもそもアクシズやコロニーの農耕プラントってどんな風なのか
水耕栽培?
163通常の名無しさんの3倍:2010/08/28(土) 20:59:29 ID:???
アムロ「ああ…土壌等複雑な要因の問題もないし、可能なものは水耕栽培で…
    なんだい?…ジャガイモの芽が?…シャアがブツブツ言ってる?そうか。
    ちょっと見てこよう、ははは。
    
    …シャアっ、発芽抑制措置をサボったのか!貴様の分担だろうに!」
164通常の名無しさんの3倍:2010/08/29(日) 12:52:26 ID:???
>>163
シャア「まてアムロ!発芽抑制のりんごが持たんときが来ているのだよ!」
165通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 01:04:28 ID:???
原始的ワロタww
166通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 12:23:34 ID:???
そもそもそのりんごはどこから出したのかと。

比較的最近に撃沈された食糧補給艦の、たまたま生き残っていた生鮮食料室の中から持ってきたとか・・・?
ものすごく低い確率どすばい。
167通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 17:06:23 ID:???
そのリンゴで小ネタを思い付いたが、投下して宜しいだろうか。
細部や性格付けなど、いろいろとお目汚しかとは思うが…
168通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 20:02:03 ID:???
>>167
まず投下してみるといいと思う。
ここの住人もきっと飢えてると思うし。

続けるか、終わりにするかは反応待ちでよいと思われ。
169通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 20:07:41 ID:???
>>167
楽しみにしてます
170通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 21:31:59 ID:???
では、お目汚し覚悟で…

Better an apple given than eaten1/3

アムロ「貴様というヤツは…じゃがいもの発芽抑制といえば、放射線でやるのが普
    通だろうに…まったく。…。ん?…あれ?…おい。そのリンゴは、一体ど
    こから出てきたんだ」
シャア「ああ…これか。以前見つけた酒壜類の中から、酒漬けが出てきたのだが」
アムロ「酒漬けだって?…そんなものを発芽抑制に使うなんて、貴様は一体何を…」
シャア「落ち着いて、手を離したまえ…待て、アムロ落ち着け…。やあ…」
A「何やってんの?」
B「取り込み中だな…行こうか」
アムロ「ああ…悪いね、ちょっと僕とシャアは話があるんだ…」
シャア「…別に、聞かせてマズい話でもないと思うが?」
アムロ「…なまじリンゴなんか見せて、酒漬けだって知ったらかわいそうだろう。
    …ああ、そうか。煮リンゴとかの、材料にはなるかな」
シャア「そうか、それは結構。それじゃ私はこれで…何だね」
アムロ「話はまだ終わってない…その酒漬けとやらの所に、連れて行ってもらうぞ」

A「見つめあってたね…手を握って」
B「見つめあう?…まあ、お互いの手を掴んでたな」

アムロ「…これか、その酒壜ってのは…ひい、ふう、みい…凄いな。十個以上が
    漬けてある…貴重な食材になるぞ。おい。何故黙っていたんだ、今まで。」
シャア「…いや、折りをみて言うつもりではあったのだが…何だその手は…襟に」
アムロ「何か企んだか?…いや、それとも単に『赤いから』隠匿したのか」
シャア「…疑心暗鬼だな。それに興奮すると、そうやってすぐに腕力に訴えようと
   …余り感心せんな、娘たちへの影響もよくない」
アムロ「何を今更言って…あ。」
C「…あ。あの…わたしたち、通りすがったんですけど…何してるんですか」
F「まあまあ…今日もお盛んだこと。C、邪魔しちゃ悪いわ。行きましょ…」
アムロ「…『お盛ん』って…不本意な言われ方だな」
シャア「まあ…一応、私たちは父さん母さんでやっているからな」
171通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 21:32:58 ID:???
Better an apple given than eaten2/3

I「…つまり、だ。目撃情報を総合すると、シャアとアムロは手を握って見つめあい。
 その後コソコソと居住区に戻って。顔を赤らめつつ話しながらお互いの首に手を…」
J「…いやぁああああ!そんなの不潔ですっ、大佐ぁあああ!」
F「いいのよ、夫婦なんだし」
G「ってえか、それいつものアレじゃん?」
E「…おしおき?」
I「だったら、コソコソする理由がない筈だ…おい。J、どこに行くっ…仕方ない。
 恐らく止めに行ったのだろうが、私も行って状況検分してこよう…」
H「…状況検分?」
I「おい、そこっ!…無用な詮索をしないっ」

アムロ「…ところでシャア、この壜だが…明らかに口が狭いな、リンゴよりも」
シャア「うむ…乾燥状態で入れたか、酒を吸って膨らんだか…いや。あるいは、
    入り口にリンゴを乗せ、壜ごと温め…冷えると中の圧力が下がるので
    リンゴが吸い込まれる…というのはどうかな。シュポンっ!とだな…」
アムロ「それは無理じゃ…大体どうやって出したんだ、貴様が持ってたやつは」
シャア「…そういえばそうだな、おや不思議。あれだ、『地下鉄はどうやって…」
アムロ「ふざけるな」
シャア「いや…口の部分にたまたま一個だけ、はめ込むようにしてあったのだよ。
    少しずつ斜めにして、酒を減らしてから出してみた。比較的強い酒でね、
    これを減らすのはなかなか骨だと思うが…」
アムロ「…そうか。最悪、割って出すしかないか…この酒だって、貴重な水分に
    違いないが…」
シャア「そうだな、勿体ないなら…飲まないかね?いっそ」
アムロ「…それこそ、娘達に悪影響だというものだろうに…なら、工房に運ん
    で首の部分だけ切り落とせないか…やってみるか。なんだ、不服なのか?」
シャア「いや…重そうだと思ったのだが」
アムロ「…重力ブロックにあったのが不運だが、二人掛かりで運ぼう。こっそり」
172通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 21:34:00 ID:???
Better an apple given than eaten3/3

J「大佐ーっ!どこですか大佐!」
シャア「…もう破綻したようだな、君の計画は。何だアムロ、私に密着して…」
アムロ「壜を、背で隠すんだ。ホラ…やあ?J、どうしたんだい?何かあった?」
J「あ…。何か不自然な笑い方して…密着してる…ちょっと、離れて下さいっ」
アムロ「いや…気にしない気にしない、ははは。ほら、シャア…」
シャア「ああ…ほら、私たちは仲良しさんだしな。はっはっは」
J「いやぁあーっ!やっぱりっ…酷いです不潔です最低ですっ!」
シャア「…ほら、アムロ。君の部屋が不潔なので、苦情が出たらしいぞ」
アムロ「…いや、シャアこそ酷くて最低なのは…おい。今度は何をした?貴様」
I「おい…待て、落ち着けJっ!…」
J「これが落ち着いていられ…あれ?…大佐が手に持っているのって…」
シャア「ああ…この赤いのはリンゴだ。アムロ、もう隠し立てはやめないか…ほら、
    私たちは家族なのだから。見ての通り、酒漬けのリンゴが見つかってね…」
アムロ「そうだな…もちろん生食は出来ないし、何より取り出せない状態だからね。
    君たちをぬか喜びさせないよう、取り出して調理なりできる段階までは隠 
    そうと思ったんだけどね…」
J「…なんだ、そうだったんですか…私はてっきり大佐が…」
シャア「…私が?」
J「あの。その…何でもないですっ!」
I「…。そうか、酒漬けのリンゴの隠匿のため…か。了解した。だが…2人とも。
 我々を見くびってもらっては困る。きちんと状況を説明されて、それでも不満
 を抑えられないような、自分勝手な姉妹など…存在しないのだからな?」
J「そうですよ、大佐…壜から出せないリンゴなんて、私たちは決して…
 あれれ?…この壜、口の下の…この模様の部分から、外れますよ?」
アムロ「何だって?…ああ。この部分から、簡単に外れたんだな…」
シャア「そうか…それは気付かなかったが」
I「…どう見てもごく最近、外した形跡があるな」
J「あ…金髪が挟まってますね、外した隙間に」
シャア「…。あー…あのだな。私が言いたかったのは…そう、協力!家族の間での
    協力というのがいかに重要か、だな…決して開け方を知っていたとかでは」
アムロ「そうやって…貴様は人を馬鹿にしてっ!シャアっ、覚悟っ!」

アムロ「…そんなわけで、食後のデザートに煮リンゴを…酒精を抜くため、煮崩れ
    てるけど…を提供する事ができた。みんな、今ここにいないシャアにも感謝
    して食べて欲しい。一応。ヤツも煮崩れてる頃かも知れないが…」
173通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 21:36:01 ID:???
Better an apple given than eaten・おまけ

J「あの…大佐。御無事ですか?返事をなさって下さい」
シャア「ん?…ああ。Jか…Iも来たのか」
I「アムロは"煮くずれてる"とか言っていたが…温度は平温じゃないか、ここ?」
シャア「ああ…発見したものをすぐに申告しなかった、それに対する罰だからな…
    君らへの示しもある。ただの自習室入りみたいなものさ」
J「よかった…あの。私たちの分の煮リンゴ、少しずつですけど大佐に」
シャア「少し…という量ではないな。君らで食べてくれる方が、私には嬉しい…
    そうだな、"Better an apple given than eaten"とも言うしな」
I「…少し意味が違わないか、その格言」
シャア「まあ…今の私には、ぴったり来る表現なのでね…こんな歌もある。
    "An apple, a pear, a plum, a cherry,
Any good thing to make us all merry,
One for peter, two for paul,
Three for Him who made us all.
    God bless the master of this house,
    And the mistress also"…」
アムロ「"And all the little children,That round your table grow."…だな。
    シャア、釈放の時間だよ。JとIは、そろそろ寝る時間じゃないか?」
シャア「釈放?…本当かな」
アムロ「いや…もう少し取り調べの必要があるかな、あの果実酒もある。
    残念ながら、梨やプラムやチェリー(a pear, a plum, a cherry)は
    ないけどな…おやすみ、JにI。ずいぶん、懐かしい歌だったな…」
シャア「ああ…季節外れだが、ハロウィンでおなじみの歌だな」
アムロ「…それじゃ、乾杯だ…"God bless the master of this house"」
シャア「"And the mistress also"…それから」
アムロ「ああ…"And all the little children,That round your table grow."」

※Better an apple given than eaten
「リンゴは食べるよりも与える方がよい」
(情けは人のためならず・貰い上手のあげ上手)

※"An apple, a pear, a plum, a cherry,
Any good thing to make us all merry,
One for peter, two for paul,
Three for Him who made us all.
God bless the master of this house,
And the mistress also
And all the little children,That round your table grow."
ハロウィンで歌われるA'Soalin(Soul Cake)の歌詞、
「リンゴに梨にプラムにチェリー、くれればみんな大喜び。
 聖ペテロにも一つ、聖パウロにも一つ、神様にも一つを捧げよう。
 この家の御主人に、神の祝福を。そして、おかみさんにも。
 食卓に集う子供たちが、すくすくと育ちますように」
参考(ttp://il.youtube.com/watch?v=pEGaHM1i7M8)
174通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 21:40:34 ID:???
以上です。過去ログの他の職人様方のように、12人の性格付けを
把握し切れていないので、キャラクターを誇張したり平板にして
しまっているかとは思いますが…長いので、行間の描写類は省き
ました。御指導・御指摘のほどよろしくお願いします。
175通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 23:01:40 ID:???
おもしろかったおw
俺には物書きの才能が無いから、凄いとしか言いようがない。
176通常の名無しさんの3倍:2010/08/31(火) 18:44:01 ID:???
GJ
この調子でどんどんやってくだちい。
177通常の名無しさんの3倍:2010/09/23(木) 11:36:53 ID:qHedEAf6
うむ
178通常の名無しさんの3倍:2010/09/23(木) 14:20:33 ID:???
アムロ「シャア、座ってろ…お前じゃない」
179通常の名無しさんの3倍:2010/09/23(木) 15:49:08 ID:???
シャア「久しぶりの今日の誕生花の時間だ!」
アムロ「えらい久しぶりの話題だな…」
シャア「うむ、作者が前スレぶりに書き込みをしようという事で…」
アムロ「メタるな」
シャア「と、言うわけで本日の誕生花はこの三つだ!」

『一位  花言葉:高尚』
アムロ「変わった花の名前だな」
シャア「うむ、私も始めて聞く名だ、名前と花言葉だけを見るとキシリアやハマーンが好みそうな花だな」

『コスモス  花言葉:清潔』
アムロ「コスモスか、コロニーでも群生していたな」
シャア「流石にコスモスの種はなかったが、いつかプル達に見せてあげたいな。」
アムロ「あの子達も喜ぶだろう」

『バロータ  花言葉:忍耐」
アムロ「…忍耐か…」
シャア「待てアムロ、何故私を見てため息をつく!」
アムロ「貴様がもう少し自重さえしてくれれば俺はこんなに忍耐をせずに済むんだ!」
シャア「エゴだよそれは!」
アムロ「人の台詞をパクるなぁぁ!!」

-結局最後はいつもどおりの二人でした  チャンチャン-
180通常の名無しさんの3倍:2010/09/23(木) 16:13:59 ID:???
あ、ネタが被った…

アムロ「貴様というヤツは!」
シャア「貴様がいなければ!」

A「あー…またやってる」
G「さっきまで、仲良さそうにしてたのになー…頑張れ〜」
J「た、大佐っ…アムロもやめて下さいっ」
D「ほっときゃい〜じゃん」
E「いつもの事だし」
I「何があったんだ…今度は」

アムロ「シャア、相談だが」
シャア「うむ」
アムロ「現在はデータライブラリから吸い出した資料とか、サルベージした
    書籍を中心とした学習資料。それから、簡単な球技や機械運動など
    トレーニングもやってもらっているわけだ…みんなには」
シャア「ああ」
アムロ「で、問題はアレだ。供覧させられるデータの総量と…トレーニング
    自体のメニューがどうにかならないか、だ。特に娯楽もない環境上、
    できればある程度、娯楽性のあるプログラムも提供出来れば…」
シャア「…で、何か具体性のある提案でもあるのかね」
アムロ「いや…残念ながら、ない。データのサルベージは続けるから追々…
    後はせいぜい、そうだな…ありあわせの部品で玩具でも…そういや、
    知育玩具に向くかどうか微妙だが…懐かしのミニ○駆みたいなのを」
シャア「何?…ミニ?…わからんな。着せ替え人形か何かかね?」
181通常の名無しさんの3倍:2010/09/23(木) 16:14:19 ID:???
アムロ「…いや、パーツは組み替えたりするけどさ…どういうボケだ、それは」
シャア「…いや、知らんよ」
アムロ「…どんな辺境にいたんだ、貴様は…あれ?5つ違いだよな…だとすると
    …シャア、ローティーンの頃の娯楽は何をしていた?」
シャア「ん?…そうだな、音楽…かな。あと舞踏を少し」
アムロ「え?…トレカとかは…知らない?…ああ、そう…音楽とダンスか。流石に
    その頃のヒットチャートなんか覚えてないけど…アーティストで言うと」
シャア「ラフマニノフかな…ヴォカリーズなんか、骨は折れたが好きな曲でね…
    サティなんかも結構…ん?どうしたアムロ」
アムロ「…いや。そういえば貴様とはいろいろ、断絶があるのを思い出した…
    だが。それならあれか、楽器でもあれば…いや。音源があれば、音楽や
    ダンス…って。勿論クラシックダンスなんだろうけど…みんなの娯楽や、
    情操教育には役立てられそうだな。あとは美術とか文学とかか…」
シャア「…ああ。だったらアレがあるじゃないか、ほら。学校で覚えただろう…
    ウェルギリウスとかアポリネールとかバイロンとか、シェイクスピアも
    いいか…"Shall I compare thee to a summer's day?"」
アムロ「…は?」
シャア「は?じゃないよ…"Thou art more lovely and more temperate"…」
アムロ「いや待て、そうじゃない…もういい。とにかく貴様が、いろいろと娘達
    の教育には役立ってもらえそうなのはわかった…何か、不愉快だけどな」
シャア「…アムロよ。逆に訊くが…君はローティーンの頃、何をやっていたのかね」
アムロ「まず機械いじり…次に機械いじり。それと機械いじり。それから機械…」
シャア「…何故だ…何故、私は負け続けたのだ…」
アムロ「…貴様はそうやって、人を見下す事しか!」
シャア「…貴様がいなければ!」
182通常の名無しさんの3倍:2010/09/23(木) 17:43:16 ID:???
今回ばかりはシャアの方が娘たちやアクシズ社会のためになる経験をしていたのに、不憫な
183通常の名無しさんの3倍:2010/09/24(金) 01:41:34 ID:???
合わせ技すると本当に色々出来そうだよなw>アムロとシャア
いつもの事だけどな!
184通常の名無しさんの3倍:2010/09/24(金) 12:52:58 ID:???
シャア「・・・やはりアムロにも娘達と一緒に情操教育を受けさせるべきか、受けさせないべきか、それが問題だな・・・」
185通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 20:49:32 ID:???
Char, We Dance?1/4

シャア「…それでは今日は、運動とレクリエーションの一環にダンスを指導させてもら…
    何だ、アムロも受講希望なのか?」
アムロ「いや…監視だよ。貴様が指導と称して、いかがわしい行為に及ばないとも限らん」
シャア「…まあ、勝手にしてくれ。ただし、邪魔だけはしないように…さて、諸君。
    それではまず…基本からだな。基本中の基本、ステップだ。ステップには2
    種類あって、スローステップはこう…2拍で、1歩分。クイックは1拍で1歩を
    …ん?何かな?…不満そうだな、受講者の諸君?」
A「はーい!はーいはーい!」
シャア「はい、A」
A「はーい、基本体操みたいでつまんないっ!って思いまーす」
シャア「…却下。何事であっても、基礎は重要だよ」
I「あー、それはもっともだ…だが。我々のモチベーションの問題もある。それに…だ。
  我々はシャアの『腕前』とやらを知らないのだから、最初に模範的な演技なりを見せ
 て貰いたいものだ」
D「さんせー」
G「さっすが委員長!」
I「待て、委員長って何だ委員長って」
E「いいんちょー♪」
J「…大佐の模範演技…って事は。相手役が…いやいやいや。今の私に、相手役は無理だし…」
シャア「ああ…そういう事か。なら…そうだな。ちょっと来てくれないか、J」
J「はい!?…何ですか大佐。まさか…相手役?む、無理です!無茶です!不可能であります!」
シャア「いや…あの。とにかく落ち着いてくれ」
J「う…運動能力はともかく、ダンスとか考えたりイメージした事もないですからっ!だから
 冷静なBとかIとか…落ち着きのある、FとかKとかの方が向いてますからっ」
シャア「…君ね。さっき教えた、ステップは頭に入っただろう?…いい子だ。だから大丈夫」
186通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 20:50:54 ID:???
2/4

シャアが小腰を屈めて、Jの右手を取った。急に近づいた顔を前に、Jの脈動は加速する。
きっと自分の顔は赤くなっているに違いない、そんな思いが一瞬だけ念頭に上った所で、
シャアから駄目押しの一言が浴びせられた。

「それでは…私と踊って頂けますか?お嬢さん」

お嬢さん?…何て事を言い出すんだろう、大佐…これじゃ間違いなく私は…

「あーあー」
「カッチカチになっちゃって…」

誰だろう、姉妹の声が頭上を通り過ぎてゆく…そう、手足だってモノコックのMSの外装の
様にカチンコチン。きっと動きは第一世代機みたいに…あ。でも、大佐のザクだってその
世代なのに、記録映像の中ではあれだけ柔軟に動けていたし…顔が真っ赤な私は、さしずめ
赤い彗星専用機。よし大丈夫だ…って。何を考えてるんだ私。

Jの中で、奔流の様に溢れ出た思考が錯綜し始めた…のも、実際にはほんの一瞬に過ぎない。
そして次の瞬間にはまた新たな一言が、そんな思考の流れを弾き飛ばした。

「君になら出来る…さあ、手を出して」

シャアはJの右手を取り、その左手で優しく包み込む。

「すまないが…左手を。そう、私の肩に添えて…届かない?なら」

シャアが、やや身を屈めた。更にその顔が近づいて来た…のだが。矢継ぎ早の指示が、Jの
思考から躊躇の時間をどんどん奪って、代わりにその次に対処すべき事を指示する。

「これなら、かろうじて届くだろう?…ああ、肘は下げない様に気をつけて」

右手が背中に回される。

「私の足運びを見て、合わせて動けばいい…大丈夫、君になら出来る」。
187通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 20:52:11 ID:???
3/4

「左肘を落とさない…胸を張って…いいぞ。スローステップの繰り返しだ」

景色がどんどんと、シャアの肩越しに切り替わって行く。それほど早い動きではないのに、
ひどく目まぐるしく感じられる…一方で、地から足を離したわけでもないのにひどく心地
のよい浮遊感もある。

「少し下がって…今度はクイックだ…結構、次は左側に切り替え…」

無伴奏で踊っている耳朶に、シャアの声と微かな…風音にも似た、空気の過ぎる音だけが
感じられる。どうやら、姉妹達も固唾を飲んで見守っているらしく…さっきまで早鐘の様
に四肢を響き渡っていた、自分の心音も気にならなくなっていた。

「よろしい…それでは」

また風景が一変した…左手の先を、風が…。…あ。左手、離しちゃった!?…右手、は?…

「その場で一回転」

視線の隅に映るシャアが、微笑みながら言う。シャアが取っている右手を軸に、ぐるぐると
その場で円を描きながら、Jは安心半分、不安もまた半分の気持ちで次の指示を待つ。

「…もう一回転…よし、行くよ?」

再びシャアが近づいてきて、背中に手を回した…そのまま更に近づいて来る。まるで抱擁
する様に近づいて…片足を、こちらの両足の間に差し入れて来るではないか。

「あ…」

あのっ、大佐!?と言いかける。そこに頭から、次の声が降って来た。

「左足を挙げる…もっと、ひっくり返るくらい思い切って。大丈夫、私が支えているから」

言われるまま、高々と挙げた足の動きに伴って上体が天井を見上げる。

「上出来だ…よく出来たね、ありがとうJ」
188通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 20:54:38 ID:???
4/4

シャアの声と、拍手・歓声が同時に降って来る中で…上体を起こしながら。そして現実へと
引き戻されながら。最後に掛けられた声にだけは、Jにも返答する事が出来た。

J「あ…ありがとうございます、大佐。楽しかったです…その。何というか…でも」
シャア「…それはよかった…ん?…『でも』?」
J「…眼が回りました…あの。また、踊って頂けますか…。私が上達したら…ですけど」
シャア「ああ、喜ん…でぇっ」
A「わーい!あたし次っ!」
G「あー、ずっりーっ…じゃ次の次っ!」
I「やめないか一同!こういう時は整列するのだ、整列!」
シャア「え…整列?………あー。もしかして君たち、全員が踊りたい…と?…そうなのか…
    私とてやぶさかではないが、しかしこの人数相手とは…アムロ。あれ?アムロは」
D「んー?仕事があるって、行っちゃったけど」
C「アムロ…面白くなかったのかなぁ」
K「そんな所かしらね?…でも」
F「人には、それぞれの役割があるものね…」
H「ええ…見えるわ。明日、起き上がるのに四苦八苦するシャアの姿が…」
B「…でも、並ぶんだな?」
E「それはそれ!」
L「これはこれ♪」


翌朝
シャア「いいかね、アムロ…ダンスでは常に男性がエスコートし、リードする事になっている
    のだ。そのため、一般に男性には『3倍の労力と修養』が必要とされる程なのだよ」
アムロ「お前の好きな『3倍』ずくめで結構な話じゃないか…早く起きろよ。昨日の今日で
    腰痛とは…せっかく上がった株もまた下がるだろ、『認めたくないものだな』?」
シャア「…失敬な。正確には『腰痛』ではない。普段使っていないあちこちの筋肉がだな」
アムロ「…どうするんだ、次回の指導は」
シャア「…そうだな。当分は、ストレッチや基本動作だけやって貰おうと思うのだよ。
   そう考えれば、昨日アレだけやった分…しばらく楽をさせて貰えるのではないかな」
アムロ「…それ見透かされて、全員と踊り終えるまで解放して貰えなかったんじゃないか?」
シャア「ははは…何をバカな。………。…バカな……」
アムロ「ははは…ごめん。今のは取り消す…」
189通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 21:31:19 ID:???
GJ

だが、恐ろしいことに気づいてしまった
このアクシズに出会った頃はまだギリギリ10代で遥か遠くに思えていたシャアの年齢と身体に己が近づいていることに
アムロなんかすぐ目の前であることに
190通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 03:07:22 ID:???
>シャアの年齢と身体に己が近づいている

お前はどれだけでかくなるんだw
シャアは何気に腰痛になるのもわかる位背高いぞ
191通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 13:49:36 ID:zHOX77Qb
ララー私を導いてくれ

大佐って童貞だったんですね
192通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 22:26:20 ID:???
シャア「…そういう訳でだな、私の身長ではあの子らに合わせてかがみ込む、
    不自然な姿勢になるから、こう…こうした状態にだってなろうものさ」
アムロ「…いいから起きるんだ。昼間っからいい大人がゴロゴロしてるのは、
    それこそ悪影響だろうに…娘達への。ああ、そういえば…なんでJを
    指名したんだ、最初に?」
シャア「ん…ああ、それはだな。AやDなら楽しがって、途中から指示通りに
    動いてくれないかも知れないし…EやLなら、本当に上がってしまう…
    いや。正直に言えば、あの子の『不器用』という自分自身への先入観
    を、取り払ってやりたくなったのかも知れないな…笑うな、アムロよ」
アムロ「ああ…笑わないさ、シャア。だからさっさと起きて農場へGO」
シャア「…」

B「…おい」
I「…170、172、175、180、187…やはり、異常だとは思わないか?」
J「…成人以降、最大で17cmも…あ。でも、年当たりなら1cmだから…」
I「…だとしたら還暦時には210cm、米寿では240cmにもなるのだぞ?」
B「何の話をしてるんだ?さっきから」
J「ひゃ!?…な、何でもな!…あ、Bだ。…Bでよかった…口も堅いし」
I「ああ…我々3人は冷静・勇敢・謹直な軍人気質トリオだからな。さしずめ
 『アクシズの赤い3騎士』…」
B「なんかやだな、その言い方…トリプラー…いや。何の話だ?」
J「ああ、それは大佐の身長データが…」
I「それぞれ士官学校卒業時・任官時・一年戦争終結時・グリプス戦争参戦時、
 そしてネオ・ジオン総帥就任時のものなのだが…成人後に17cmは伸びた
 計算になるのだ。少々、不自然ではないか?」
B「…最初の方のは、20歳頃なんだから伸びた可能性もあるだろ。それに、
  戦時下のデータだから…混乱してたのかもしれない」
J「じゃあ…グリプス戦以降は?」
B「それは…分かんないな」
I「うむ…可能性としては、だ…当時交戦中だったティターンズには長身の
 メンバーが多かったらしいのだ。対抗措置上、シャアは…」
J「ええっ!?まさか、大佐がシークレットブーツを!?」
B「いや待て!その後の更に+7センチ、その説明がつかないじゃないか?」
J「まさか!?スーパー・シークレットブーツを…」
B「え…いや。不自然だろ、それ」
I「ならば…そうか!オールバックに仕込んだシリコンで!」
J「し、新弟子検査方式っ!?」
B「おい…本当にお前ら、軍人気質なのか…」

シャア「…√…何だか随分、失礼な事を言われている気がするのだよアムロ。
    どうだろう…今日は農閑期ということで、ひとつ」
アムロ「ならないよ…いいから起きてくれ」

193通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 20:15:12 ID:???
そういやシャアの身長の設定って、結構変わってるんだな。
 シャア=180台後半 アムロ=170台後半 
・・ってイメージがあるんだが。
194通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 20:17:08 ID:???
アムロ容赦ねえなw
195通常の名無しさんの3倍:2010/10/02(土) 11:21:02 ID:???
シャアって大人になりたくないピーターパン症候群なんじゃないの
ララァに母親求めてたのも子供のままでいたいって願望の現われっぽいし
196通常の名無しさんの3倍:2010/10/02(土) 20:41:36 ID:???
久しぶりに来たら新規職人さんが来てたんだなGJ
197通常の名無しさんの3倍:2010/10/03(日) 23:14:34 ID:???
>>195

ブレックス「君が…君がエゥーゴの指揮を…とれ…」
シャア「働きたくないでござる」

シャア「しかしな…。これで私は自由を失った…」
アムロ「地球に居残った人を宇宙に上げようというのだ。こんな大仕事に、1人や2人の
    人身御供は要るよ…」
シャア「私は人身御供か?…働きたくないでござる」

シロッコ「そうさ、貴様はその手に世界を欲しがっている…」
シャア「…私が?…働きたくないでござる」

カミーユ「あなたはまだ、やる事があるでしょう!」
シャア「新しい時代を作るのは、老人ではない!」
カミーユ「…ちょっとぉ!?大尉だって、二十代でしょ!」
シャア「働きたくないでござる」

ハマーン「ここで終わりにするか、続けるか…シャアっ!」
シャア「そんな決定権が、お前にあるのかっ… 絶 対 に 働 き た く な い で ご ざ る 」

シャア「諸君らの力を私に貸していただきたいっ!…そして私は、父・ジオンの元に
    召されるであろう!働きたくないでござる!」

アムロ「√…何だ?全ての脈絡が…それで繋がってしまう気がしてきたぞ?」
シャア「何だ、ブツブツと…そんなことよりアムロよ、まあ聞いてくれ。
    今のアクシズの生活は良い。人生をやり直している気分だ…
    …って何だ急に人の襟首掴ん…ギャワワワー!!!何だ!?私が何をしたっ」
198通常の名無しさんの3倍:2010/10/05(火) 22:47:07 ID:???
シャア「…ほう。それは酷い言われ様だな。だが…
    今の私には、娘達の成長を見守ること以外はどうでもいいとも思えるのだ。
    だから今は、駄目な父親をやらせて貰っているのだよ…楽しんで、な…
    やがて…成長したあの子らは、自分の力でそれぞれの道に羽ばたいてゆく。
    そしていつか、駄目な父親の事を思い出してくれる日があるだろう…ふふ。
    とりあえず…それで十分なのさ、私にはな」
アムロ「そうだな、シャア…でも。それは『いつか』なんかじゃないさ。今も…
    この時だって、みんなの心の中にはシャアがいない筈がない…」
シャア「アムロ…。…なぜ、私の襟首を掴むのかね?」
アムロ「ああ…また新しくカメラが発見されてね、シャワー室から。今あの子たちは
    みんなで、裁判の準備に余念がない筈…『駄目な父親』をどうしようかと、
    誰もが考えているんじゃないかな」

I「…我々は、一台のカメラを発見した。これは結末を意味するのか?否、始まりなのだ!
 駄目親父に較べ、我ら姉妹の年齢は3分の1以下である。にも関わらず、今日迄裁いて
 来ることが出来たのは何故か!諸君!我々姉妹の弾劾裁判が正しいからだ!」
    
199通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 00:09:01 ID:???
シャア「それはともかくアムロよ、情操教育シリーズの続きだが」
アムロ「ああ…次は音楽らしいな?」
シャア「うむ…互いに子供時代に歌った、童謡でも教えてみようと思うのだが?」
アムロ「すごいアイデアじゃないか!お前が腰痛になる事もないしな」
シャア「ああ、アムロにいじけられたり…とげとげしく腰痛とか言われない、完璧な作戦だ」
アムロ「…。…さて。それじゃ、どんな歌を教えようかシャア?」
シャア「うむ。子供時代に歌った中でも記憶に残っているのはアレだ…
    "My Grandfathers Clock"!」
アムロ「ほう…いや待て。それって…」
シャア「大〜きなのっぽの古時計 おじいさんの時計♪…ぐふっ…
    …いきなり手刀とは、痛いな君ぃ!」
アムロ「なんでそんな歌にするんだ!それでは娘達が引きまくるぞ!…目に浮かぶ様だ、
    涙を溜めたLやEに『お…おじいさんが…おじいさんがっ』…って言われるぞ!」
シャア「…ああ。そういえばそうか…だが、アルテイシアはそんな事もなかったぞ?」
アムロ「…いや。そういうのは個人差あるけどさ…」
シャア「馬鹿な…アルテイシアは、もっと優しい…」
アムロ「…。話を戻すぞ。子供時代に歌った歌か…ああ。よく歌ったなあ…
    あ〜る晴れた昼〜下がり 市場に向かう〜道♪…そこぉ!!
    …何をするんだシャア、いきなり人にチョップしようとするなんて!?」
シャア「…ゲホッ…避けながら、肘を入れておいて何を…君だってさっき私に手刀を…
    もとい!よりによって…私の知る限り、最悪に悲しい童謡だぞそれは!…
    間違いなく、LやEはガン泣きし…GとかBだって泣き顔になるぞ、こんな歌では!
    下手をすれば我々は揃って弾劾、サウナ室にドナドナされてしまうかもしれん」
アムロ「…そういえば、そうか…」
シャア「娘達には、人の心の光を見せねばならんだろう!?」
アムロ「…あれ?…なんかそれ、昔貴様に向かって言った覚えがあるんだが?…しかし…」
シャア「ああ…教育とは、難しいものだな…」
200通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 01:17:23 ID:???
シャア「音楽の時間と言えば楽器にもふれさせてやりたいのだが、ここではそれもかなわんからな」
アムロ「そうだな」
シャア「ときにアムロ。君は楽器は何かやっていたのか?」
アムロ「ティーンエイジャーのころはギターをやっていたな。まあ、戦争のせいですぐにそれどころじゃなくなってしまったが」
シャア「ギターとは意外だな」
アムロ「あとはリコーダーくらいだな」
シャア「リコーダー?」
アムロ「知らないか?貴様だって子供のときにやっただろう」
シャア「いや、ラル家に居たときはピアノとバイオリンしかやらせてもらえなくてな」
アムロ「イラッ)そうやって貴様はまた人を見下してっ!」
シャア「いや、そういうわけでは;▼Д▼ノ」
201通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 07:15:33 ID:???
人数が多いのだから合唱で

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1215246
202通常の名無しさんの3倍:2010/10/10(日) 09:14:13 ID:???
が…合掌? …ドナドナされた2人に?
203通常の名無しさんの3倍:2010/10/11(月) 20:58:05 ID:???
シャア「ドナドナされてへん、されてへん」
204通常の名無しさんの3倍:2010/10/12(火) 20:52:08 ID:???
アムロ「ああ…オラオラは、しょっちゅうだけどな…」
205通常の名無しさんの3倍:2010/10/14(木) 19:32:48 ID:???
もしや>>201を歌ったのか、歌わせたのではあるまいな・・
206月光蝶:2010/10/23(土) 22:17:28 ID:???

生存報告。

「アクシズは不滅だ」

ついでに、地下工作中。

プルI:「何を?」

「ふっふっ・・いずれわかる」
207通常の名無しさんの3倍:2010/10/24(日) 00:29:57 ID:???
ミネバ様の為のバイオリンやリィナにも用意したピアノなど残っていないものか
208通常の名無しさんの3倍:2010/10/24(日) 00:38:43 ID:???
>>206
期待してるおw
209月光蝶:2010/10/25(月) 02:54:08 ID:???
>>208

第一段階開始。
210通常の名無しさんの3倍:2010/10/25(月) 13:42:12 ID:???
そうか、Infoseek のサービスが無くなるんだっけ!

「インフォシーク iswebライト 終了のお知らせ」
http://plaza.rakuten.co.jp/usersupport/diary/201008250000/

211通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 19:54:53 ID:???
上で出ていた合唱ネタに、
この旅路を照らし続けるある輝きの主への感謝を込めて

Thanks you for your tiny spark!!! 1/2

A「え〜♪」
B「びー」
C「…しー」
D「でいっ」
E「いーっ」
F「えふ」
G「じ〜♪」

アムロ「…合唱…って。輪唱の間違いじゃないのか?随分簡単なのに、したんだな」
シャア「…何事にも、順序というものはあるのさ。『山の端 月は満ち…』までの道は長い」
アムロ「そういうものか?…しかし、ABCの歌じゃ…足りないだろ?M以降が…」
シャア「うむ…アレンジするとか言っていたが」

H「えぃち」
I「…あい」
J「じぇい」
K「けい」
L「えるっ」
全員「「シャアあんどアムロっ♪」」

アムロ「ああ…なるほど。アレンジか」
シャア「少し、無理感があるがね…」

全員「「えーびーしーでぃーいーえふじーえいちあいじぇーけー」」

アムロ「ここは繰り返しなのか」

全員「「 C C A !!!」」

シャア「…は!?」
アムロ「何ぃ!?」

全員「「おーぴーきゅーあーる…CCA!!!
ぶいだぶりゅーあんどCCA!!!
えーびーしーでぃーCCA!!!
Now we sing our…CCA!!!」」

アムロ「ちょっとシャア…いいからこっちに来い!」
シャア「待ちたまえアムロ、私が教えた歌詞では…冤罪だギャワワ!!ぁあ!!っ…っ」

J「あれ…大佐たちがいない?」
F「…シャアなら、アムロが耳を引っ張って連れ去ったみたいよ?」
A「…CCA?」
H「そうね…"Char Crush by Amuro"かも?」
212通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 19:56:47 ID:???
Thanks you for your tiny spark!!! 2/2

シャア「きみたち…そういう冗談はやめにしてくれないか?」
アムロ「…いや、すまなかったな。シャア。気を取り直して、拝聴しようじゃないか」

Twinkle, twinkle, little star,  きらきら光る小さな星よ
How I wonder what you are?  あなたは一体何ものなの?
Up above the world so high,  世界の上にひときわ高く
Like a diamond in the sky! 空のダイヤモンドの様に…
Twinkle, twinkle, little star,  きらきら光る小さな星よ
How I wonder what you are? あなたは一体何ものなの?

アムロ「ああ…こっち、ね。マザーグースだったっけ…確か」
シャア「いや?…詩だ。ジェーン・テイラーの詩だよ」
アムロ「…」

Then the traveler in the dark, 闇夜の中をゆく旅人は 
Thanks you for your tiny spark, あなたの小さな輝きに感謝します
He could not see which way to go, あなたの輝きが点されなかったら
If you did not twinkle so.      行くべき道も見えはしない
Twinkle, twinkle, little star,  きらきら光る小さな星よ
How I wonder what you are?  あなたは一体何ものなの?

アムロ「…これも、元の歌詞なのか?"旅人"に、託しているみたいだけど…」
シャア「ああ…1番と3番か。この子たちが歌っているのは感謝の意かな…」

As your bright and tiny spark,  あなたの輝きと小さな煌めきとが
Lights the traveller in the dark  闇夜の旅人を導いています
Though I know not what you are… あなたが何ものなのか、それはわからないけれど…
Then the traveler in the dark,  闇夜の中をゆく旅人は、
Thanks you for your tiny spark!!! あなたの小さな輝きに感謝します!!!

シャア「最後に、5番をアレンジか…ふふ。私たちに代わって、言ってくれたらしい」
アムロ「…それはつまり、あれか?神様にとか…我々の出会いにとか、偶然にとか?…」
シャア「…それが"Little Star"なのか"Moon Light"なのかとか…詮索は野暮ってものじゃ
    ないかな、アムロ?"Though I know not what you are"…」
アムロ「…そうだな、"Then the traveler in the dark"…」

「「「Thanks you for your tiny spark!!! 」」」 
213月光蝶:2010/10/31(日) 05:36:30 ID:???
>>211

第二段階だ。
http://axis2000.web.fc2.com/log/dame/dame.html

「第二?」
「まさか?」
「フフフ・・いずれわかる」

同志の激励に感謝する。
214通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 21:35:24 ID:???
>>213
よかった…今月で、いろいろなサイトとお別れと思ってたから。
215月光蝶:2010/11/01(月) 00:06:49 ID:???
>>214

生き残るのは、この世の「真実」だけだ。
真実から出た気高い行いは、決して滅びはしない。
私の大好きな、ジョジョの台詞だが(笑)。

7年間、このスレに投稿してきた人々が、何を思い、何を求め、何をいつくしんできたか。
その行いには、滅びないなにものかがある。

たとえ、武運つたなく、将来何らかの原因でスレが、サイトが消失する事があったとしても。

去っていった者たちが、過去のページにその努力で刻み付けた記録。
その真実が消えうせる事は永遠にない。

その日が来たとしても。
去ってしまった者たちから受け継いだものは、さらに「先」へ進めなければならない。
この「歴史」は、破壊させない。
216通常の名無しさんの3倍:2010/11/01(月) 05:20:10 ID:???
月光蝶殿
我らがアクシズの核パルスエンジン点火による軌道修正
誠にお疲れ様&ありがとうございました。
2006年よりROM続けて幾星霜、ごあいさつ申し上げます。

往けアクシズ!14人のやかましくも楽しい家族を乗せて!

C「良かった。これからもアムロやみんなと一緒だね♪」
D「一時はどうなる事かと思ったぜ!」
シャア「私の野望が達成されずに終わるなどあり得んな…さて」
アムロ「ちょっと待て、お前また何か考えているな」
シャア(ギクっ!)「な、何のことかな?アムロ君」
アムロ「お前の考えていることなどお見通しだ」
シャア「ちいぃ完璧な作戦にならんとは」
アムロ「シャア!貴様!」

プル's「懲りないね。でもこんな生活もいいよね」

シャア「これでは道化だよ…」
アムロ「お前はずっと道化だ」

お目汚し失礼しました


217通常の名無しさんの3倍:2010/11/01(月) 23:43:22 ID:???
このスレのシャアは良い意味で
「迷いやしがらみを捨てた」
感じがして好印象
218通常の名無しさんの3倍:2010/11/02(火) 22:52:24 ID:???
楽しく拝見してまいりました。
創作家の方々に厚くお礼を。月光蝶氏の尽力にもお礼を。
これからもよろしくお願いします。
219通常の名無しさんの3倍:2010/11/18(木) 23:23:04 ID:???
A「ほっしの〜」
B「光に〜」
C「思いを〜」
D「かけてぇ〜」
E「熱い〜」
F「銀河を〜」 
G「胸に〜」
H「いだけば〜」
I「夢は〜」
J「いつしか〜」
K「この手に」
L「とどくぅ〜」
Char's believing !! Our play !! Play !!
Char's believing !! Our play !! Play !!

シャア「あれ?…あのね君たち、playじゃなくてprayですよ?」
アムロ「おもちゃにされてるんだろ…父親冥利に尽きるってもんだな、シャア」

Char's believing !! Our play !! Play !!
220通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 00:34:46 ID:???
>>219
アムロ「ところで、何であの曲を……まさか、シャア?」
シャア「私、シャア・アズナブルが音楽を教えようというのだ」
アムロ「エゴだよ、それは!」
221通常の名無しさんの3倍:2010/11/20(土) 08:49:47 ID:???
アムロ「ところでシャア、音楽もいいが…教育シリーズの続きだが」
シャア「うむ」
アムロ「算数の問題集を作ってみたんだが…」
シャア「ほう、なるほど…どれどれ…
   『いま5アースドルもっています 
    八百屋さんではリンゴが1個40アースセントします 
    となりまちの八百屋では35アースセントです…』
    …ちょっと待てアムロ!」
アムロ「…ああ、対象年齢が低いヤツになったから手直しようかと…方程式とか関数の」
シャア「まさか、隣町までかわいい娘たちを歩かせる気なのか!?」
アムロ「…え?…そっちかよ!?」
シャア「たかだか5アースセントの違いで!かわいい娘たちを…娘たちだけで、危険が一杯
    な街頭になど送り出せはさせん!」
アムロ「過保護だよそれは!…それにこれは算数の問題の中だろ!」

E「あー。二人がまたなんかやってるよ〜」
K「まあまあ、今度は何かしら」

アムロ「それに、そんなに過度に甘やかしてどうなる!?」
シャア「かわいい娘たちを、甘やかして何が悪いっ!?」
アムロ「甘やかすとグレたり…嫁き遅れになったりもする!」
シャア「グレるわけがなかろう!…そして!嫁になど誰も出さんというのだよアムロ!」
アムロ「…そういうわけにもいかないだろ!どうするんだ、将来恋人でも連れて来たら!?」
シャア「よーしパパアクシズ落としちゃうぞ」
アムロ「貴様はっ!どうしてそう極端から極端に…」
シャア「軽薄そうな輩に騙されたり!付け込まれている場合だってありえるだろう!」

A「失礼しちゃうよねー」
B「信用ないんだな…あたしら」

アムロ「いや、うちの娘たちに限ってそんなことは…そんなこと…させるものかよっ!」
シャア「うむ!かわいいのだ!娘たちは!…今日は意見の一致を見たな。何よりだ」
アムロ「ああ、よかったよかった…あれ?なんの話をしていたんだっけ」

C「…おわったみたいだね」
I「うむ、我々も解散して原任務に復帰しようではないか」
L「はーい、かいさーん」
G「えー、もう終わりぃ?」
J「『ちっ』とか言わないの!…では大佐、失礼します!」

シャア「うむ、ご苦労様…どうした、アムロ」
アムロ「…いや。俺たちはどうなんだろう、親として…」
222通常の名無しさんの3倍:2010/11/21(日) 02:00:44 ID:???
バカスw
親バカっていうより馬鹿親ジャマイカン
223通常の名無しさんの3倍:2010/11/21(日) 18:45:29 ID:???
>>222
そういえば、ジャマイカンに限らず、Zの登場人物には少なからず子孫が居そうな人物が居るんだが、CCAの時代には何をやってるんだろうね?
とくにジャミトフなんかは絶縁する親族が居たらしいし、それなりの地位にいたり、
逆に失脚の煽りでどっかに飛ばされて冷や飯を食ってたり、絶縁の時期次第で何をやってても不思議じゃなさそう

案外、木星からの帰還時に一家の乗ったジュピトリス4襲撃に関わってたり?
224通常の名無しさんの3倍:2010/11/21(日) 19:11:18 ID:???
ジャマイカン「そういえばどうなったんでしょうな…わたしの妻子は」
バスク「ふん…身内の事など、知らんなぁ今更…」
ジャミトフ「うむ…知りようもなければ、知ってどうなるものでもあるまいよ」
シロッコ「全くです…って、なぜ一斉にこっちを御覧になるのか…御一同」
ジャミトフ「…貴様が一番、子沢山な気がしてな…認知していないとかで」
シロッコ「心外ですな、閣下。まあそれより心外なのは…『女達のところ』ではなく、
     御一同と同じ場所に霊魂がおる事ですが…どうしてこうなったのか」
バスク「ぬうう…それはこっちの台詞だ!」
ジャマイカン「…おうち帰りたいよう」

H「…って言ってましたよ?口寄せしてみたら…」
アムロ「よりによってそんな連中、口寄せしちゃいけないっ…!」
A「はーい!はい!はーい!しっつもーん!『認知してない』ってなーに?」
シャア「…ああ、それはだな…その…アムロが詳しいんじゃないかな?」
アムロ「いやいや、シャアの方こそ…って!何言ってんだ貴様は!…えーと。
    そうだね…みんな、好き嫌いがなくなるくらい大きくなれば分かるよ…」
シャア「ふっ…逃げたな…」
アムロ「黙れシャア」
225通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 23:35:51 ID:???
アムロ「ま…しかし。『親はなくても子は育つ』さ…」
A 「うん、『寝る子は育つ』って言うもんね!」
B「えー…『かわいい子には旅をさせよ』だろ」
C「…そもそも旅の途中じゃない、みんな」
D「じゃ、『子供は風の子』っ!」
E「…『生みの親より育ての親』?」
F「あら…『血は水より濃い』とも言うけど?」
G「じゃあさ、『水と油』ってのは?」
H「それは揉めてる時の、シャアとアムロみたいなのを言うのよ」
I「うむ…時には『火と油』かも知れんが…」
J「それは…えーと。『三つ子の魂百まで』?」
K「そうね…人は変わって行く、とは言うけれど」
L「んんー…『子はかすがい』…ひゃ!なんでみんなこっちを見るのよー?」
シャア「いや、いいまとめをしてくれた…つまり私たち家族の団結と、
    一体感というものはだな……聞いてるのかね、諸君?…ふむ。
    『親の心、子知らず』か…」
226通常の名無しさんの3倍:2010/12/25(土) 10:47:50 ID:???
不滅の保守
227通常の名無しさんの3倍:2010/12/28(火) 01:23:23 ID:???
眠れない夜は大佐を数えよう保守

http://apr.2chan.net/jun/b/src/1293455742404.gif
228通常の名無しさんの3倍:2010/12/28(火) 23:23:34 ID:???
>>227
クソワロタ
229通常の名無しさんの3倍:2010/12/28(火) 23:56:20 ID:???
>>227
どうしてこうなった
230通常の名無しさんの3倍:2011/01/12(水) 10:10:55 ID:???
浮上
231通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 22:13:06 ID:???
“Can't sleep? Don't count sheep, talk to the shepherd.”
「 眠れないのですか?それなら羊を数えるよりは、羊飼いと話してごらんなさい」。
1/4
…姉妹達が、いつもの様にたわいのないおしゃべりに興じているうちに…
いつもの様に非情にも、消灯の時間がやって来た。姉妹達は慌ただしくも
手早く、各々のベッドへと潜り込むのだ。時としてとても残酷で、容赦ない
一日の終わりの時間の訪れを批難する様なため息や、噛み締めたあくびを漏
らしながら。それでも、消灯後に細々と会話が続く事だってある。たとえば、
こんな風に。

G「んじゃ、消すよ〜」
L「ストップ。ちょっと待ってて…これでよし」
B「ああ…やっぱりそれ、抱えるんだな」
A「まだ、眠れないよぉ…」
K「あらあら…自由時間に、昼寝なんかしてるからじゃなくて?」
F「そういう時には、羊を数えるといいって言うわよ?」
D「…なんで羊を?」
E「ひつじ?…ねえ、見た事あるの?ひつじさん…」
F「あるわけ、ないでしょ…映像ライブラリの写真でしか、見てないわ。羊を
 数えるのはね…羊(Sheep)と眠り(Sleep)の綴りが似てるから、らしいけど」
G「な〜んだ、語呂合わせかぁ…ま、気休めにやってみれば?」
A「うん…あ。そういえば羊って、どんなのだっけ?」
K「…えーとね、角があって」
C「…赤い?」
232通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 22:13:38 ID:???
2/4
…姉妹の何人かは、その言葉に吹き出した。

I「赤くない。青くもないぞ…MSじゃなくて、動物なんだから」
H「やさしい目をしていて…毛むくじゃらで、四本の足で立っていて…」
A「全然分かんないよぉ…せめて、絵か写真にしてよね」
J「駄目駄目、消灯後でしょ」
K「…だったら、数えやすいものを…何でもいいから、数えてみてはどうかしら?」
A「そっかー…よし。パフェがひと…」
H「…ああ。聞いてるだけで、何か食べたくなるからやめて」
A「…あ、そう…それじゃ…シャアが一つ、シャアが二つ…」
J「…ちょっと!物みたいに数えないでよっ」
I「しっ、声が大きいぞ!…何でシャアが出て来るんだ、そこで」
A「いいじゃない…浮かんだんだから。手を挙げたシャアが、ぴょんぴょんと…」
D「あははは!何だそれ」
B「うるさいなー…こっちが眠れなくなるし、せめて声に出さないで」
J「こ、声に出さなくたって駄目だから!」
I「…落ち着け、声が高いぞ」
A「えー…じゃ、アムロ数えよっかな…」
G「…"ひとぉつ!"”ふたぁつ!””そこぉーっ”って?」
I「ちょ…全員、声が大き…」
 
ガチャリ

アムロ「…僕がどうしたって?…みんな笑ってるのはいいけれど、消灯時間も…
    …何だい。みんな、僕の顔見て笑う事はないじゃないか?」
K「は…反則ですよ、アムロ…こんなタイミングで顔を出すなんて…」

…姉妹の笑い声が、消灯後の部屋に響き渡る。暗がりでの細々したおしゃべりが、
こんな結末を迎える晩だってあっていい…。
233通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 22:14:25 ID:???
3/4
シャア「ん…?アムロか?…どうぞ。…どうした、浮かない顔じゃないか?」
アムロ「ん…まあ、1〜2杯付き合えよシャア。どうせそのつもりだったんだろ」
シャア「…ああ、やぶさかではないがね…で。何かあったな…娘達の事かね?」
アムロ「ああ…最近は消灯後も、細々とおしゃべりをしている様だったが…」
シャア「ん…そうだな、そういう年頃だからな」
アムロ「うん…年頃だから…。!?…いや…年頃って言うには、早いだろ?」
シャア「いや、もう十分に年頃と言っていいと思うが?」
アムロ「いや…早いよ、早過ぎるだろ!」
シャア「ここは、君の認識が甘いと言うべきだろうな…早いものさ、女の子たちの
    『年頃』に掛かる年代というのはね。男子よりは2〜3歳程度、早熟だと
    考えていいだろう」
アムロ「…詳しいもんだな、流石と言うべきなんだろうか…主に嗜好上か?」
シャア「失敬な言い方をするね、君は…で、娘達がどうしたって?」
アムロ「ああ、そうだ…今日は少しばかり、声も高いし笑い声も響いているから…
    ちょっと、注意しに行ったんだ。そしたら…人の顔を見て、みんな一斉に
    笑うんだよ」
シャア「ほう…何故だろう?」
アムロ「いや、誰も教えてくれなくてね…ああ。Kからは、こんなタイミングで来る
    なんて反則だって言われたな。少しショックだよ、別に尊敬してくれとは
    言わないし…たわいのない会話の流れなんだろうけれども…内緒だってさ。
    …何だよ。嬉しそうじゃないか、人ごとだと思って…」
シャア「いや…人ごとじゃないさ。結構な事だと思ってね、娘達も順調に大きくなっ
    てくれているじゃないか…目出たい、と言ってもいいな」
234通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 22:17:23 ID:???
4/4
アムロ「…そういうものか?おい…」
シャア「そうさ…思い出してもみたまえ、我々と最初に邂逅したとき…あの子たちは
    一様に、硬い表情をしていたな?…それから紆余曲折あって、我々と彼女ら
    は…家族になっただろう。最初は形だけだったかも知れない。でも…お互い
    を信頼して、本当の家族に近づけたからこそさ…たわいのない『秘密』を、
    我々に対して構える様になったというのは。違うかな?」
アムロ「ああ…そもそも、信頼してない相手に殊更に『秘密』なんて事はないものな」
シャア「そう、信頼していない相手になら…そもそもごく一部分でしか接しないさ、
    自分のごく一部分だけでしか…そして、あの子たちの『秘密』はこれからも
    増えるだろう。それぞれの成長と、その歩みに従って…我々にも、姉妹の間
    に対しても。そしてそれぞれがそれぞれの道を、自分の足で歩いてゆける様
    にだってなるのさ。仮にも親として…喜ばしい事じゃないか、アムロよ」
アムロ「そうか…シャア…。…なんだ、急にサングラスを外して…」
シャア「…いや…すまん。それぞれがそれぞれの道を進む日を思うと…つい、嫁に出す
    様な思いになってしまってな…少し、涙腺が…その」
アムロ「…見直した早々、何だかなー…おい、大丈夫か」
シャア「…娘たちが嫁に出る日が来たら…すまないが、君にいろいろ介抱して欲しい」
アムロ「…約束はしかねるね、こっちだって大変な事になりそうだよ…」

…思い出した様に、シャアは空きかけていた御互いのグラスに、2杯目を注ぐ。少し
ばかり、翌朝に残る酒になるのかも知れない。そんな晩があったっていいさ、と互いに
思いながら…2人はグラスを掲げた。
 眠れない時には…羊たちを数えるよりも、羊飼いと話してみるといい。たぶん最初から
数えようとする人よりは、羊たちについて十分な答えを用意している筈だから。
235通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 01:04:24 ID:???
"ひとぉつ!"”ふたぁつ!””そこぉーっ”
からこんなに綺麗に〆てくるとは思わなんだ
GJ
アムロ数えると9まで(だっけ?)なんだろうかw
236通常の名無しさんの3倍:2011/02/04(金) 08:40:31 ID:???
未来へのホシュ
237通常の名無しさんの3倍:2011/02/06(日) 01:18:22 ID:???
「とうちゃんロボ」(小泉ヤスヒロ/小学館)というマンガを読んだのだが
これに出て来る自律型子守ロボット(とうちゃんロボ)が
このスレのアムロやシャアに重なって見えた・・・

ttp://big-3.jp/bigoriginal/tameshiyomi/zoukan/touchyan/01.html#tameshiyomi
238通常の名無しさんの3倍:2011/02/06(日) 14:12:04 ID:???
>>231
優しい感じの話ですごく好きだ、GJ
またなんか書いてくれたら嬉しい
239通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 09:36:34.00 ID:???
ほしゅ
240通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 19:45:23.69 ID:???
 一気に書いたらとても長くなり、少し読みづらいかもしれません。
 また、シャアを「上げ」る意図はないのですが、筆者がいい歳になったので仮託しやすい
のかも知れません…

不思議の国のL("L" in Wonderland )
1/6
…その日Lは、農場でシャアの横に座って…何もする事がないので、とても退屈しはじめていた。
時折、シャアの読んでいる本を覗いてみたけれど、そこには難しそうな単語ばかりが羅列されて
いるのを見て、うんざりして頬杖をついた。

 …やっぱり、アムロのとこに行けばよかったかな…でも。

 今日のアムロは、工作室での作業をしている。機械を相手に、生き生きとしているアムロを見て
いるのはとても好きだ。でも、そんな時のアムロには心の中にも眼中にも自分のことなど容れて
くれる余地がなさそうにも感じて、時にすごく寂しくなる。だから今日はこっちに来たのだった。

 反射板を通して弱められはしても、農場のブロックを照らす日差しはとても強くて、休息の為に
こうして日陰に入って和らげてみても。地球でいえば五月頃の、暖かくも鮮烈な光があちこちに反
射していて、眼が疲れそうになる。

 とうとう仰向けに寝転んだLは、どこにゆくのも一緒な大切な宝物である「おとうさん」を
胸の上に掲げ、退屈しのぎに舞踏に見立てて左右に振ってみたりしていた。

 …ここでクィック…ああ。最近とても上達したね、L。ふふ…お上手だね、おとうさん…

心の中で、「おとうさん」とそんなやり取りをしてみる…すると。「おとうさん」はやにわに
ポケットに手を突っ込んで、時計を出して呟いた。

「いかんな、時間だ…」

 あれ?ポケット?…縫い目がほどけたの?だったらやだな…

「やってみるさ」
 *'``・* 。
|     `*。
,。∩∧  ∧    *    
+ (▼∀▼) *。+゚
`*。 ヽ、  つ *゚*
`・+。*・' ゚⊃ +゚
 ☆   ∪~ 。*゚
  `・+。*・ ゚
241通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 19:46:17.09 ID:???
2/6
「時計を取り出した」「しゃべった」というもっと肝心な事実を、ぼんやりと見過ごしてしまった
Lの頭上で。浮き上がって、変なポーズになった「おとうさん」を中心に、光だけが急速に広がって
…周囲の景色とその強烈な光との、境目すらも定かではなくなってきた。

…気がつくと、なだらかな草原が広がっていた。そして信じられないほどに、空は広くて…雲が
幾筋も、西に傾きつつある太陽に照らされて浮き上がっているのが見える。え!…空?雲?太陽?
すごい…と、Lは思った。映像ファイルの中にもあった、雄大な風景が現実に広がっているのだ。
空は今迄に見た、アクシズ内のどんな空間も広やかで…太陽は反射板を通じた採光に較べて、
何と柔らかくて暖かいのだろうか。その光が雲と織り成す色彩と描線とは、想像した事もない
鮮やかな絵を描き出している…それに頬に当たる風の心地よさは、空調や空気循環機のそれなど
比べ物になりはしない。

 どうして、こんなすばらしい空間と風景を。シャアやアムロはアクシズの中に隠しておけたん
だろう…そんなスペースがあっただろうか。それとも、ここはアクシズの中ではないのかも知れ
ない。ふとそんな不安が、驚きで興奮していた胸を翳める…そうだ。傍らの、シャアに聞かなく
ちゃ。

 ところが、振り向いてみても…傍らで本を読んでいた筈のシャアは見当たらなかった。

「どこ…ねえ。シャア…あれ?…おとうさん?」

 大切な「おとうさん」も見当たらない。そこで心から信頼している、別の大人を呼んでみた。

「…アムロ…ねえ、アムロ…アムローっ!」

 返事の代わりに、風が少し強まったのかも知れない…耳元に、どこかから木の葉のざわめきが
伝わってくる。

「え…Aーっ!Bーっ!ねえ!誰か…誰かいないの…」

 知らない所にいる。誰もいない。つい先程迄の興奮もどこへやら、いまや不安の虜になったLは
気がつけば泣きだしてしまっていた。帰りたい。空も雲も、お日さまも風のそよぎもいらない…
みんなのところに帰りたい。
242通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 19:46:58.11 ID:???
3/6
 Lが泣き出し…でも、いつもはすぐに駆けつけてくれる姉妹たちも、アムロも、シャアも来ない。
だから一層悲しくなって、Lは盛大に泣き続けた。

 気がつくと、傍らに少年がいた。Lよりは少しだけ年下に見えるその少年は、プラチナブロンドの
美しい髪を丁寧に整えていて…いや。その顔立ちそのものこそが、際立って端正に整えられている
…と、いってよいのかも知れない。

「泣かないで」

そう語りかけてきた少年は、少し眼を細めて、これも少しだけ顔を傾けながら口元をほころばせて
みせた。

「泣かないで…君。名前はなんていうの?」

綺麗な子だな…と、Lは泣きじゃくりながらも心の片隅で思った。姉妹や自分もブロンドなのだが、
明るい色合いのアプリコット・ブロンドなのであって…シャアの髪なら、少年の色合いにとても近
いかも知れない。だけどシャアの頭の位置は、こんなに低くない…それがまた、世代の近しい人間
に出会った安心感よりは「知らない人」の認識を、より強く感じさせて。Lをいっそう悲しくさせた。

「ん…ん…んっ…え、L…」

 Elle(彼女)?…Elise(エリーゼ)とかの略称なんだろうか。少年は、混乱している少女のために口に
は出さない様にして、心の中で反芻した。この子は少なくとも自分より1〜2歳、年上なんだろうな。

「ねえ、エル…君は一人でここにいるの?どうして…」

 そう問いを発してから、少年は『しまった』と臍をかむ…少女はまた、火が着いた様に泣き出した。

 しばらくして、少年に手を引かれて。Lは歩き出していた…道々、アルファベットや「シャア」とか
「アムロ」といった単語を交えながら、「気がついたらここにいた。帰りたい」といった意味の事を
少年に伝えながら。聞き手である少年にとって、それはひどく根気のいる作業であったが…どうにか。
12人もいる姉妹の末娘であるこの少女が、父親らしき人物の傍らにいた筈なのにここに来ていたこと。
それから、こんな風景を見るのは初めてで、いつもは枢軸(Axis)という名前の岩石だか小惑星の中で
暮らしていること…などを聞き出した。
243通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 19:47:44.62 ID:???
4/6
「…僕もむかし、宇宙で暮らしていたんだ。君と一緒だね」

言葉を選びながら、少年は少女に語りかける。宇宙生活者が、地球に降りている…その事に若干の暗い
危惧を持ちつつも。そしてより悪い不安…不法滞在者とか、夜逃げとか置き去りとかいった単語を、
なるべく頭の隅に追いやる様に心掛けながら。

「…その『おとうさん』っていうのは、横で本を読んでいたって人とは違うの?」
「うん、違うの…『おとうさん』は『おとうさん』で、シャアはシャアなの。同じなのは赤い事だけ…」

 少女の話はとても分かり難い。傍らで本を読んでいた人が時計を出したのかと思ったら、それは別の
人で。「おとうさん」と、農場で働いて少女を扶養している人とは別人らしいし…それに、どうやら機
械工として生計を支えているらしい男性を、「おかあさんでもある」とも言う。

 とても複雑なんだな、と少年は思った。自分の両親も既にこの世にはいない…そして現在の「父親」
は、少年にとって気恥ずかしい程に優しくもある…それがかえって、居心地を悪く感じさせる程には。
そして育ての親を自認する一人の老人の狷介さが、今日少年がひとりぼっちで外歩きをしている原因に
なっていた。「義務」「お立場」「人類の革新」、「亡きお父上は」…「お父上を謀殺した一党は」と
老人が何度も繰り返し語りかける、言葉の一つ一つが少年にとってはひどい苦痛でしかなかったからだ。
しかし…ずっと一緒に過ごして来た、最後に残った肉親でもある妹の事を思うと、そこで自分が我慢す
ればいいだけだと歳不相応に覚悟はしてきた…でも。なるべくあそこには居たくない。だからこうして、
家人の眼を盗んで、今日はこんなにも遠く迄歩いてきてしまった。

 妹の手を引いてるみたいだ…少年は、背丈なら自分と変わらないか、少し高いくらいの少女の手を引
きながら思う。妹と2人だけで、他の誰もいない場所へ。こうやって、どこまでも歩いていけたら…。
でも、現実にはそうやって2人だけで生きてゆく事など出来はしないし、この少女と2人だけの彷徨、
少年にとっては逃避行だったこの小さな旅も、日暮れまでには養父の城館という定められた終着点に着
かねばならない。少年がそれを望まなくとも、少なくとも夜霧や空腹や様々な危険からは、それが一番
安全に遠ざけられる方法だから。実際に、少年が少女の手を引きながら選んでいた道は、起伏が少なく
て歩きやすい道筋を選んではいたが、養父の城館へと向かう道だったのだ。

 そこでこの子のことを、どう説明しようか…。まだ、少女は微かに嗚咽を含んでいた。
244通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 19:48:24.33 ID:???
5/6
「…エル、まだ悲しいの?…」
「ううん…わたしが、悲しいのはね。こんど悲しくなったのは…きっとみんなが心配してると思って。
みんなもきっと不安で、悲しがっていると思って…それが悲しいの」

 やさしい子なんだな…少年は思いながら、その言葉で自分自身の事も省みてみた。自分が急に姿を
消した事で、あの妹や養父はどんなにか不安で、悲しがっているだろうかと。どこかへ…ではなくて、
自分も今はやはり、あの場所へ帰らなくちゃ。そしてこの子も、大切に思い思われている家族の元へ…

「あ!お…おとーさんだ!?…おとーさーんっ!」

少女が素っ頓狂に叫んだ。彼女の父親を見つけたのだろうか…と、視線を送った先には。草むらから
赤い頭をのぞかせる、ぬいぐるみがいる…ぬいぐるみ?…何の?…あんな動物がいただろうか。

「あ…逃げ…逃げちゃやだーっ、おとうさん!」

おとうさん?…この子がそう呼ぶからそうなんだろうけれども、何でおとうさん…分からない。でも、
この子が必死になっているのは分かる。捕まえなくちゃ…
「やってみるよっ」
少年は叫んで、赤い物体…少女が呼ぶ「おとうさん」へと駆け寄った。
「そっち…そこっ」
少女も叫びながら、別の方向から「おとうさん」へと駆け寄ってゆく。さっきまでの泣き虫とは一変し
て、少女はとても軽快に。そして別人の様に機敏に動いた。

「…捕まえ…た。捕まえたよ!」
「ほーら捕まえたよ、おとうさん!」
 はじめて少女が笑ったので、嬉しくなった少年も笑顔を向け…顔を見合わせて、笑いあった。
「捕まった?しかし…もう遅い」
 少年の手の中から、「おとうさん」はフワリと浮き上がる。
「ええい、やってみるさ」
 *'``・* 。
|     `*。
,。∩∧  ∧    *    
+ (▼∀▼) *。+゚
`*。 ヽ、  つ *゚*
`・+。*・' ゚⊃ +゚
 ☆   ∪~ 。*゚
  `・+。*・ ゚
245通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 19:49:20.88 ID:???
また、あの強烈な色彩に富んだ光が広がって…視界の中を跳ね回る。
「あ…また…」
「また…?」
「う…ん。こうなって、わたしここに来たの。だからきっと、これで…これで帰れるの」
「なんだかわからないけど…信じるよ、よかったね…エル」
「うん、ありがとう…あ…あの。あなたの名前って何だっけ…」
「え?もう言ったじゃないか…ひどいなあ」
「んー…ご、ごめんね。でも…もう、さよならって言わなくちゃ。だから教えて、お名前…」
「さよなら…か。また会えるよ、きっと!それから、僕の名前はエドワ…」
「…もう待てんぞ」
待てんからなー…と。少年の声に、「おとうさん」の声が被さって…また、光の中で周囲の
景色の境目が消えてゆく。

6/6
Lは眼を覚まして、強い日差しの中にぼうっと浮かぶプラチナブロンドの髪を認めた。

 エド…?だっけ。なんだ。わたし、まだ…知らない場所にいるんだ。

そんな風に思っている所に、聞き覚えのある声が降ってきた。

 …あ、シャアだ!

「起きたかな、L…随分、とてもよく眠っていたみたいだね?」
「ん…うん。ねえ、すごく変な夢…わたし、すごく変な夢をみたの!」
「ほう?…それは興味深いね。だが…」

シャアは少しだけ眼を細めて、少しだけ顔を傾けて口元をほころばせた。
どこかで見た、誰かの仕草に似てるな、とLは思いながら。シャアの仕草を見ながら…次の言葉を待つ。

「お茶の時間に遅れるよ?さあ、行ってアムロや…他のみんなにも話してあげた方がいい。ほら」
「うん…ねえ。シャアも、すぐ来るよね?」
「ああ…ここを片付けたらすぐ行く。そう伝えてくれないか、みんなに…」
「うん!」

 Lは「おとうさん」をぎゅっと抱きかかえながら立ち上がり、ぱたぱたと走っていった。
…やっぱりポケットもないし、時計ももってないよね…おとうさん。

 シャアは、Lが行ってからしばらく片膝で頬杖を付き…反射板の照り返しの降り注ぐ中で眼を閉じてみた。
夢…か。子供の頃から、眠りや微睡みの度に。先刻のLの様に多くの夢を見ては、その多くは忘れてしまって
いる…どこかで見た風景。どこかで出逢ったきた、懐かしき人々をも。一体いつから、どこにどれだけ置き
去りにしてしまってきたのだろう…少年時代の自分が、とても克明に覚えていた夢の中身や、描いていた夢
そのものさえも。

 どこかが軋む様な、微かな痛みが広がる胸の中で…立ち去った「末娘」もまた、そんな思いをする日や…
いつかみた夢の事をすっかり忘れている自分自身にとまどう、そんな日を迎えるのかも知れないとも思う。
いや。きっとその感受性も、その優しさも保持したままに成長してくれるものと、願わずにはいられない。

 そして…現在のアクシズでの生活や、その中で見た夢の話を。または少女時代を「いつか見た夢の話」
に託して辻褄を合わせながら、傍らにいる「大切な誰か」や、彼女を取り囲む幼い顔ぶれに語り聞かせる
日が来るのだろう…と。心からの願いで描いた未来図という名の夢を描きながら。こればかりはきっと忘
れる事も、決してどこかに置き去りにすることもない事だけは確信しながら。シャアは立ち上がって、
ついさっきLが駆け抜けて行った小径へと、ゆっくりと歩み出した。
246通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 20:43:07.32 ID:???
GJ
職人の久々の投下に感動してる
247通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 21:16:50.63 ID:???
大丈夫、はね返したw
良い話ダナー
GJでした
248通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 00:20:45.38 ID:???
GJ!!
「おとうさん」が面白可愛過ぎるw
249通常の名無しさんの3倍:2011/03/04(金) 22:58:48.42 ID:???
A「へー…そんな夢、見たんだぁ」
L「んー…見たの」
K「まるで、『不思議の国のアリス』みたいね…」
C「『不思議の国の』…L?」
H「…『奇妙な冒険』?」
B「それ、違うだろ…」
I「うむ…『奇妙な冒険』をするなら、やはり『J』がついてないとな」
E「『Jの奇妙な冒険』?」
J「…ふーん……。…!?…いや!無理だからっ!無理っ…だいたい、何てタイトルなのよっ!」
D「ん〜…有りだろ?」
A「有り有り有り有り有りっ!」
J「む…無理無理無理無理無理無理ぃ!」
I「いいから…やれやれやれやれやれやれやれやれ!」
J「やだやだやだやだやだやだやだやだ…やだーっ!」
G「やれやれだぜ…」
F「何やってるの?…今日は駄々っ子大会だったかしら」
250通常の名無しさんの3倍:2011/03/07(月) 02:18:35.57 ID:???
そうきたかw
251通常の名無しさんの3倍:2011/03/07(月) 20:23:32.08 ID:l/EaIq+/
>>215
月光蝶さん、まことにありがとうございます。
久々にまとめに行ったらなくなっていて、このスレに久々に来ました。
書き込むのも久しぶりです。
末永くこの健やかな旅が続きますように。
252通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 18:29:06.88 ID:???
>>215
実は自分も、久しぶりにまとめ見ようとして焦った一人です(´・ω・`)ノ まだ職人さんも来るこのスレ、いつまでも続きますよう…
253通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 12:16:39.18 ID:???
みんな、地震は大丈夫か?
254月光蝶:2011/03/14(月) 23:58:17.90 ID:???
この月光蝶、そう簡単にはやられはせん。
255通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 00:49:03.43 ID:???
アクシズにゃ地震はないよなぁ
256通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 10:36:47.25 ID:???
νガンダムが押し返せば揺れるかもよ。
257通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 23:11:12.62 ID:???
アクシズの「災害」って言ったら…デブリとか隕石との、予想外の接触があるんじゃないかな。

旧アクシズ時代のセンサーや、防衛システムが健在とは思えないし。多分いちいち確認しては
計算して、場合によってはコース外に押し出したり、破壊したり…
258通常の名無しさんの3倍:2011/03/27(日) 09:43:05.63 ID:???
>>257
以前そういう作品もあったね
アクシズの危機とか
259通常の名無しさんの3倍:2011/03/27(日) 15:43:55.66 ID:???
「連邦軍の新兵器です!」
「あわてるな! これが地球の雷というものだ!」

このやりとりを思い出した
260通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 21:10:25.46 ID:???
災害と言えば古来より、地震・雷・火事・「親父」と…
261通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 23:02:36.72 ID:???
宇宙世紀だと
地震、雷、火事、デプリ
なのかな
262通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 01:54:29.97 ID:???
ジオン・連邦・火事・デブリ・・・
263通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 22:49:52.54 ID:???
「親父」とは台風をさしているようだが
アクシズの親父は・・・
264通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 23:36:13.31 ID:???
シャア「ふむ…監視・裁判・ハロ・サウナ。これらがなければ、暮らしやすいのだが…ここも」
アムロ「おっと…流星拳も忘れてもらっちゃ困るね、御無沙汰だからって?」
シャア「…永遠に、御無沙汰であって欲しいものだな?」
アムロ「お前が何もしなきゃ、起こらない事だろーが!」
265通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 23:57:35.15 ID:???
地震・雷・家事…親父

I「あの…ちょっといいか、アムロ」
アムロ「何だい?…ああ…何だいその本は。えーと…"Culture and legend of the Orient"…
    『東洋の文化と伝承』?…こんな本読んでるのか。そういう質問なら、シャアの方が
    詳しいと思うんだけどな?」
I「いや…記述上、シャアには聞きにくいのだが…」
アムロ「ふーん?…それじゃ、僕の分かる範囲でお答えしようかな」
I「助かる…あの。ここなんだが…"Jishin,Kaminari,Kaji,Oyaji"。これは旧世紀の日本語らしい
 が…その解釈が、ほら。"Earthquake, Lightning, A fire, Father"…って書いてあるだろう」
アムロ「なになに…『自然に恵まれ、長い歴史を持つこの島国では天然災害もまた数多く存在し、
    度重なるそうした災厄を「地震・雷・火事・親父」と数え上げる慣用句が存在した』…」
I「ああ…地震っていうのは分かる。ここで言ったら、大型の隕石に衝突される様な大災害だろう。
 雷というのも、突然高圧電流がビーム兵器の様に降って来るとかで…地上戦のマニュアルにも、
 しばしば地上進攻部隊が惑乱したと書いてあるしな。火事…っていうのも、場合によっては誘爆
 を伴う大規模災害になる…問題は最後の、だ」
アムロ「…父親、ねえ…僕個人としては、天然災害みたいなところもあったかな。うちの父親も」
I「世間一般では、そうしたものなのか?…私たちには、そうした肉親がいないから分からないが…
 あ。あの…アムロとシャアには感謝している、まったく不満がないという訳ではないが…その。
 特に、父親役の方には…だが」
アムロ「…終わりの方のくだりはともかく、シャアが聞いたら喜ぶな…ああ。シャアのお父さんも、
    偉人と言えば偉人だけど、肉親にとっては大変だったのかも知れないな?」
266通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 23:58:23.89 ID:???
I「そういうもの…だろうか。あ、そうだ…この記述が疑問だから、端末から言語系のデータも確認
 してみたんだが。そこには、日本語の"Kaji"は"Housework(家事)"、"Jishin"には"Oneself"
 の語意があると書かれていたのだ」
アムロ「…そうしてみると、つまり…『自身』・『雷』・『家事』・『親父』…意味が通らないね」
I「ただ、日本語というのは膠着語で語法や口語で『倒置』が頻繁に使われていたらしい…そこで、だ
 …これは『自ら家事を行う雷親父』が『災害』と等記号で扱われていたのかも知れないと考え…
 笑ったな。…やっぱりおかしいのか、この解釈は」
アムロ「…いや、ユーモアとして聞かせてもらったよ…」
I「笑うな…そんなにおかしいのだろうか、この仮説は」
アムロ「…想像してみるんだね、君の想定したケースを。たとえば、シャアで…」
I「…ふふっ。確かに変だな、それは…」
アムロ「…そうしたユーモアなのかも知れないし、どこかで伝承が間違って伝わったものなのかも
    知れないな。そいつは…そういえばI、君はここに書いてある『長い歴史を持つ島国』の
    その『歴史』について何か知っている事はあるかな?」
I「…そうだな。封建時代が長く続いた後で、奇跡的な近代化を成し遂げ…後に大戦では史上初の
 核攻撃を二度も受けながら、奇跡の復興を遂げたとか。そんな事が、別の本に書いてあった。
 …後は、戦術教則本に幾つかの代表的戦例が出ていたか。ツシマ沖海戦、ハワイ攻撃…それに。
 サムライとかいう、強力な封建軍事集団を持っていた国だったな」
267通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 23:59:28.90 ID:???
アムロ「よく知ってるね…僕は昔、そこに住んでいた事もあってね。一番最近では、カラバ時代に
    研究施設の接…いや。その後で演習にも行った事があったんだ。昔、災害で水浸しに
    なった事もある…って基地に降りたよ。そこの基地の部隊では、フェニックスみたいな
    不死鳥を部隊マーキングにしていたね…"何度でも、力強く甦る"…"Revived again, and
again"だそうだ、そこの基地と地域の標語は」
I「ふーん…大したものなんだな」
アムロ「だから少なくとも、君の仮説の方みたいな事態ではないみたいだね。そこの災害観は」
I「う…その仮説は、忘れてもらえると有り難いのだが…ん?何だか騒がしいな?」
G「あ…いたいた!あのさ、シャアがまた…その…いつもの!」
I「…ああ。…またか」
B「うん。『また』、あらぬ場所からカメラが。それで裁判員全員に、招集が掛かって…さ、行くよI」
シャア「あの…諸君?何故に、早くも私に嫌疑がかけられているのか…証拠などなかろうに!」
J「確かに、指紋なども採取されてはいませんが…」
シャア「そうだろう、そうだろう…その辺は細心の注意を払っ…。…今のはナシだ!ノーカンで頼む!」
I「やれやれ…確かに、我ら一家の天然災害には間違いないな…シャア?」
シャア「な…んだって?天然災害?私が一体…た…助けてくれ、アムロ!」
アムロ「…シャア。"Revived again, and again"だ…罪の方は、あんまりAgainされても困るが」
シャア「…話が分からん」
I「うむ…その辺は裁判でじ〜っくりと、分かる様にしようではないか?」
シャア「…」
アムロ「天然災害…か。団結しなければ乗り切れない…まさかシャア、わざとやってるんじゃ…
    …ないだろうなー、やっぱり…」
268通常の名無しさんの3倍:2011/04/19(火) 01:48:24.72 ID:???
上手く絡めたなあ
GJ
20年後の未来に撮ってきたよ!のネタみたいに
ちょっとUCの東北撮ってきた を想像した
269通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 22:55:34.46 ID:???
久々に覗くとまた上手いのが書いてあるな
作者さんGJ
270通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 23:21:39.54 ID:???
久々に覗いたらまとめ消えてんじゃんyoooooooo!!!!

新まとめってないの?
271通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 23:40:15.53 ID:???
272通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 09:08:28.08 ID:???
>>271
スマン、
273通常の名無しさんの3倍:2011/05/24(火) 17:32:12.65 ID:???
ほっしゅ
274通常の名無しさんの3倍:2011/06/03(金) 00:24:48.52 ID:???
保守
275通常の名無しさんの3倍:2011/06/06(月) 08:44:59.04 ID:???
久々にきたら素晴らしい作品が…遅くなりましたが、GJ!!ヾ(´∀`)ノシ
276 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/06/13(月) 01:13:47.07 ID:???
長生きだなあ、このスレも
277通常の名無しさんの3倍:2011/07/02(土) 01:36:14.97 ID:VHDv//zq
漂流アクシズは滅びぬ!何度でも蘇るさ!
278通常の名無しさんの3倍:2011/07/10(日) 20:29:36.76 ID:???
シャア「見ろ!人がゴミのようだ!」
アムロ「…お前が、な」
G「まーた、吊られてるんだシャア」
A「今度は何したのー?」
279通常の名無しさんの3倍:2011/07/12(火) 00:56:56.72 ID:???
そっちの大佐かよw
280通常の名無しさんの3倍:2011/07/13(水) 01:31:50.20 ID:07FZYMLY
ムスカwww
281通常の名無しさんの3倍:2011/07/13(水) 10:28:37.88 ID:???
ヘルメットが無ければ即死だった(酸欠で)
282通常の名無しさんの3倍:2011/07/13(水) 14:09:42.22 ID:???
シャア「(プルには振り向きもせず)俺はお前の事が好きだったんだアムロォーッ!」
アムロ「実は俺もオマエの事は嫌いじゃない…///」

その夜…

アムロ「オッ…なんだシャア、ケツマンコがもうトロトロじゃないか…」
シャア「貴様を待って10年以上もアナニーを続けていたからなッンッ…」
アムロ「ウッ俺のデカマラを易々とくわえこみやがった…ヘヘッこいつぁとんだ上物だな」
シャア「クハッ…アムロッ…イクッケツマンコイクぞ!ケツ穴ホジられてアッー!」
アムロ「なんだア、俺が子種汁吐き出す前にイッちまったのか…しょうがない奴め」
アムロ「だが安心しな…俺のテクニックで何度でもイカせてやるからな…ソレッ!」
シャア「ウァッ…アッ…アム…ロ…気持ちいいッ!頭がッアッ何も…考えられなッ…」
アムロ「なんだ俺のライバルだった男がだらしない顔をしやがって」
283通常の名無しさんの3倍:2011/07/13(水) 18:53:01.14 ID:???
はいスルースルー
284通常の名無しさんの3倍:2011/08/05(金) 10:00:49.10 ID:???
腐女子キモイです。
285通常の名無しさんの3倍:2011/08/16(火) 21:44:51.17 ID:???
な〜ぞの光で弾かれた
アクシズ破片に住んでいる
結婚してない シャア・アズナブルぅ〜
一家の生活守るため
12(人)の娘と労働だ

「…シャアっ!!!」

カメラが発見 流星拳
弾劾裁判 つるし上げ
サウナで幽閉 死ーにかーけるぅー

シャア「…。…何の歌なのかな、それは」
「「『ジオン2世』」」
シャア「…」
286通常の名無しさんの3倍:2011/08/17(水) 16:25:29.40 ID:???
かけ声にワロタ
287通常の名無しさんの3倍:2011/08/18(木) 01:55:12.87 ID:???
確かにシャアはジオン2世なんだよな(笑)
288通常の名無しさんの3倍:2011/08/22(月) 20:08:37.03 ID:WnxI2KO+
マリーダが妊娠に中絶に苦しんでる時にこいつらは能天気だな
289通常の名無しさんの3倍:2011/08/24(水) 18:48:49.38 ID:???
そういえばここの子たちは、ギレン2世な訳だよな。遺伝子的に・・
290通常の名無しさんの3倍:2011/08/24(水) 20:15:02.47 ID:???
つまり…この中の誰かとくっつくのは、ダイクン派・ザビ派の融和という事になるのか。だが…

ギレン・ザビを「お父様」と呼ぶのは、いかがなものだろうか…まあ、故人だからいいが。
デギン公を「おじいちゃん」、ドズル閣下を「おじさん」…この辺は順当かもしれんな、故人だが。
ガルマを「おじさま」…これでおちょくってやるのはアリだろう、私が謀殺しておいて何だが。
キシリア閣下を「おばさん」…SATUGAIされそうな気がするな。殺しておいて本当によかった。
グレミー・トトは「おじさん」か「従兄弟」なのか。どっちつかずだな、故人の事蹟同様に。
ミネバ様は従姉妹になるのか…今どうなっているのか分からんが、唯一の存命者だな…

アムロ「シャア…ちょっと手を貸してくれないか。すまないね、何か考え込んでたみたいだが…」
シャア「うむ…構わんよ。ややこしい連中は、概ね故人なので問題も障害もない見込みだからな」
アムロ「…何の話だ、一体…」
291通常の名無しさんの3倍:2011/08/26(金) 20:48:45.10 ID:???
上司だったキシリアはともかく個人的に呼ぶ時デギン「公」とかミネバ「様」とか言わないと思う
クワトロは人前ではミネバ様言ってたけど、結局血筋で言ったらもうシャア総帥の方が格上だしな
292通常の名無しさんの3倍:2011/08/26(金) 22:57:24.12 ID:???
I「ちなみに私になら、いくらでも『様』を付けて呼んでいいのだぞシャア」
293通常の名無しさんの3倍:2011/08/27(土) 23:19:24.49 ID:???
呼び方はいろいろあっても…

A rose by any other name would smell as sweet 
「薔薇はどんな名前で呼ばれても、甘く香るから」

1/6

 その唐突な流行は、ある朝のトレーニング中に始まった。

 この一家では日常生活の大半を、重力区画で営む様にしている。
それでも不安定な小惑星に居住している関係上、各種低重力障害の
危惧は皆無ではない。骨粗鬆症のリスクや筋力、呼吸及び循環器系
の低下といった諸々の問題。最初期の宇宙移民の多くが悩まされ、
それでも環境改善や各自の努力による克服を経ては来たものの。
地球至上主義者の中には、宇宙生活者の事を「低重力障害者」等と
揶揄したりする人間だって「残念ながら、いまだに」いたりもする。
これらの症状を軽減・克服する為にも、そして各自の将来の為にも。
日頃から肉体的なトレーニングを継続しておく事や、体を使う習慣。
これらをあだやおろそかにしてはならないのだ…。

 こう演説した当の本人、シャア・アズナブル自身は、この習慣の
励行から最速で脱落してしまったのではあるが。まあ多分本当の所は、
娘たちに日常的な運動習慣を定着させておきたいという親心なんだろう
…と、姉妹の前で珍しく好意的解釈を施してみせたアムロ・レイその人
も、間もなく2人目の脱落者になった。

F「大人って…」
K「2例しかない事象を、一般化しない方がよくてよ?」
E「でもここじゃ、あの2人が人口構成上は成人者の100パーセントだよ?」
G「そういうのはともかく。ああいうのって、どうなのさ…」
C「…アムロはほら、家事炊事から機械の保守・点検・修理と忙しいし」
D「シャアだって農場か、管制室に出ずっぱりだしさー」
A「えー?…こないだ、居眠りしてたよー」
294通常の名無しさんの3倍:2011/08/27(土) 23:19:56.27 ID:???
2/6

 批評されている大人たちがあれこれ考えるまでもなく、瑞々しく活発
な年代の少女ばかり12人。程度の差こそあれ、体を動かす事・活動的な
欲求はむしろ抑え切れない位な姉妹たち。同じ年頃の女学生たちと同様
に、おしゃべりをしながら今日も「運動場」へと向かう。もっともここ
は「運動場」と呼ぶかと思えば、ダンスの指導時には「ホール」と呼ば
れもし、弾劾裁判開廷の際にIなどは重々しく「法廷(The Coart)」なんて
呼んだりもする。要は一家の居住する重力区画中でも、空間的に比較的
広い部屋に過ぎないのだが…そして。

J「そこっ!私語は慎め!」

L「わあ…今日も張り切ってるね…」
K「まるでドリル・サージャントみたいね…」
F「『みたい』ですって?…とんでもないわ、彼女は本物よ?」

J「…言ってる端から、私語してるとはいい度胸だ!」

ここを「練兵場」と呼んで憚らない、軍人気質の姉妹の一人もいた。

J「さあ、さっさと整列して四人ずつで組になるんだ!今日は分隊行動の
 イロハを貴様らに叩き込んでやる…えーと。並んだか。それじゃ順番に、
 アントン・ブルーノ・カエサル・ドーラの四人から…」
A「…アントン…って…あたしの事なの?」
B「ブルーノ…だって?」
295通常の名無しさんの3倍:2011/08/27(土) 23:20:26.78 ID:???
3/6
J「ああ…これは、フォネティックコードってやつだ。戦闘中の混乱や通信の
 混線、それに各種雑音や爆音で聞き取り難い場合もあるだろう。そういう
 場合、Aならアントン、Bならブルーノ、Cはカエサル、Dはドーラ…と。
 そう呼び変えする事で、混乱を防ぐ。これは我が軍における慣習的な…」
A「でも、アントンなんて可愛くないよぉ…」
C「カエサル…男名前じゃないの…」
I「不満が多いようだ…ジオン式ではなく、連邦式のコードを使ってはどうか」
J「そうか…なら。Aはアルファ、Bはブラヴォー、Cはチャーリー…」
A「やだやだやだっ!そんな男の子みたいな呼ばれ方なんかされたくないよー」
J「…仕方ない…アンジェラ!ベアトリス!シャーロット!ダイアナ!」
A「…あ…あんじぇら!?」
B「べ…ベアトリスだって!?」
C「シャーロット!?」
D「ダイアナ!?」
J「ええい、何だ何だ!まだ不満なのか!?」
A「…アンジェラって天使って意味の、だよね…わーい♪あたし、アンジェラっ」
B「そうか…ベアトリスか…うん」
C「シャーロット…シャーロット…悪くないかも」
D「ダイアナかあ…たしか月と狩猟の女神様だよな、うん!今日からあたしは…
 ダイアナで行くぜっ!」
L「いーなー…ねえねえ、私たちの分は?」
G「自分たちにも適切で!女の子らしくて!そして可愛いフォネティックコード
の支給を要請するであります!」
E「賛成っ!」
J「え!?…ぜ、全員分かっ!?」
F「そうみたいですね先任軍曹殿、さっさと決めて下さい」
J「ぐ…じゃあ、エレン!フィオナ!グレイス!ヘレン!えーと、それから…」
296通常の名無しさんの3倍:2011/08/27(土) 23:20:59.14 ID:???
4/6
シャア「…もう一度説明してくれないかな、A」
A「だからAじゃなくて、アンジェラって事になったの!天使と同じ綴りのアンジェラ、
愛称はアンジーらしいけど…アンジェラって呼ばれる方が可愛いから、そっちで呼ん
でよねっ」
シャア「ほう…そうか。それはよかったね。私としても、アグネスとか名乗られなくて
    本当によかったよ…何となく」
アムロ「おいシャア、聞いたか?…。…やあ、あ…アンジェラ?も一緒だったのか」
A「はーい!アンジェラも一緒でしたっ」
アムロ「…じゃあ、もうシャアは聞いているのかな…みんなの呼び方が」
シャア「うむ…聞いていた所だよ、折しも」
A「えへへー♪…じゃあ、周知は徹底されんだー…今後よろしくねーっ」
シャア「ああ、また後で…まあ、こういう年頃なのさ。甘受しようじゃないか、この際」
アムロ「そうか…将来的にはそういう『普通の名前』が必要になるんだものな…全員分」
シャア「…いちいち合理的な意義を求めたがるのは、君の悪い癖だと思うが…その予行
    練習だと思っても、悪くはないかも知れんな」
アムロ「えーと…アンジェラ、ベアトリス、シャーロットにダイアナ…」
シャア「エレンにフィオナにグレイスにヘレン…」
アムロ「イザベルにジュリア…?」
シャア「そしてカレンにルイーズ、か…」
アムロ「…覚え切れるのか不安になってきたよ」
シャア「…頭文字同士は一致しているんだ、すぐに覚えるさ」
アムロ「ああ…シャアとキャスバルとクワトロも同じだったっけ?頭文字は…」
シャア「いや…最後の一つは違うぞ?」

アムロ「やあ、おはよう…あ、アンジェラ?」
A「あー!今アムロってば『A』って言いかけてたでしょ?」
アムロ「…いや!…まあ…うん。ごめん、まだ言い慣れなくてね。ごめんアンジェラ」
A「ふーん…言い慣れてないんだ。なら、ちょうどよかったー♪あのね、ゆうべ
おしゃべりしてて思い付いたんだけど…あたし、アリシアって名前に変えたの。
愛称はアリスって言うんだって…可愛いでしょ?」
アムロ「…あ…アリシア、か…了解」
A「あー!普段はアリスって呼んでよねっ」
297通常の名無しさんの3倍:2011/08/27(土) 23:21:27.84 ID:???
5/6
アムロ「…。…わかったよ、アリス…これでいいかな。それと、他の子たちにも変更点
があったりするのかな?」
A「えっとねー…Cは、シャーロットからクレメンタインにしようかって迷ってたの。
  Eはエレンからユージェニアに。Hはヘレンからハリエットに変更でーす、石鹸ブラ
  ンドの『ヘレンへレン』みたいでイヤなんだって。あとIはイングリッド、Lはローラ
  に変えるとか何とか言ってたよ?それからKはカテジナって名前にしようかと思った
 けど、みんなに悪女っぽい感じがするー…って言われてやめて、変更なしでー…
 …ねえアムロ、何で必死にメモしてんの?」
アムロ「…そりゃ、するさ…間違いのないようにね」
A「ふーん?あ…あとね、Jは最初なんでもいいって一番早くに寝ちゃってたんだけど…
 じゃあジュリエットって呼ぼうって話になったら、顔真っ赤にして起きて嫌がってたの。
 でも一部のメンバーはジュリエットって呼ぶ様になったから、気をつけてね。あとね…」
アムロ「…ややこしいな」

K「あ…J。じゃなくてジュリエット?…それともやっぱりジュリア?どこ行くの?」
E「…ジュリエットが行くのは、ロミオの所に決まってるでしょ」
D「ああ…今日はロミオなら管制室だからなー?農園じゃなくて」

J「…何でこんな事になっちゃったんだろ…
 あの…大佐?失礼します!…あれ?…大佐?…失礼しますよ!?」
シャア「ん?やあジェ…ジュリア。いや、ジュリエットだったね?さっき聞いた情報では」
J「…いけませんか」
シャア「…何が、かな?」
J「ただの『J』って名前じゃいけないんでしょうか…私は。そりゃあここの外に出たら、
 世間一般みたいな名前だって、必要になるんだと思います…でも。私は…私たちは、
 ずっとAからLまでの12文字で認識しあって、これまでやって来たんです」
シャア「そうだね。私に…いや。私たちにとっても、初めて出会った時からの馴染んだ
   呼び方ではあるかな、そっちが」
J「でもただの記号なのかも知れません、余所の人たちからしてみれば。だけど少なく
 とも、私にとってはこれが最初からの名前で、大佐たちに初めて会った時の名前で…
 なのに。フォネティックコードで呼び方を変えてみただけなのに、みんなこんなにも」
298通常の名無しさんの3倍:2011/08/27(土) 23:23:29.98 ID:???
6/6
シャア「浮き足立ってしまった…と、君は思っているんだね?」
J「私たちの呼び方を決めた人たちだって、ただの記号だと思って決めただけなのかも
 知れません…正直、適当なナンバライズと一緒だったんだとは思いますけど。でも、
 少なくともエルピー・プルJって名前は私だけのものだし、私にとってはただの記号
 なんかじゃないんです。その筈なんです…えーと」
シャア「…君の言いたい事は分かるよ。君にとって、その名前は尊厳に満ちた…誇るべき
    ものなのだろう?それなのに、姉妹たちは…と思っているね」
J「はい!私は…私たちは…」
シャア「君の思い、そしてアイデンティティへの矜持というものは分かるよ…でもね。
    君は自分の姉妹のそれについては、いささか軽く見積もってしまっている様だね」
J「安く…ですか?」
シャア「こんなにも閉鎖された環境にいるとね、気晴らしというものはどうしても限られ
    てしまう…だから、だろうな。君が提示した、フォネティックコードという新しい
    『遊び』に飛びついただけさ、今回のケースはね。だから、しばらくしたら誰かが
    言い出すだろうね…
    『面白かったけど、もうそろそろ止めにしようか?』
    って…ね。心配ない、我が家の娘たち…君を含めた姉妹一同は、とても強い芯を
    持っているのだから」
J「そう…でしょうか…?」
シャア「そうさ…それに『薔薇はどんな名前で呼ばれようとも、甘く香るのだから』
    ("A rose by any other name would smell as sweet")…ね」

アムロ「どうやら収まって来たみたいだね、ここ数日の変な流行は」
シャア「そうか…姉妹の間で、この件を話してみたりしたのかも知れないな」
アムロ「…変名・偽名の先輩から、何か助言でもしたんじゃないだろうな?」
シャア「…いいや?」
アムロ「疑わしいな…即答とは、尚更に」
シャア「気付いたんだろうさ、『薔薇はどんな名前で呼ばれようとも、甘く香る』って事を」
アムロ「ほう?…『ロミオとジュリエット』だったっけ、それは…ああ。さてはジュリエット
    …Jに言ったんだな、それを」
シャア「最初の方にはご名答、後の方には…ノーコメントと言っておこうか」
アムロ「…じゃあこっちからは、こう言っておくよ。
   『アザミとか水芭蕉って呼ばれることが、薔薇と呼ばれるよりいいなんて信じない』
   ("I don't believe a rose would be as nice if it was called a thistle or a skunk cabbage")」
シャア「…モンゴメリーだな、『赤毛のアン』?」
アムロ「ご名答…我々も考えておかなきゃならないんだったな、名前は…そう。偽名を使う事と、
    人生についての先輩がここにいるんだから、幸いに。一つ指導してもらおうかな…」    
シャア「…そうかね。それならまずは、我が家の薔薇たち…いや、蕾かな…の成長に」
アムロ「ああ、乾杯するとしようか。ますますの成長を祈って、ね」
299通常の名無しさんの3倍:2011/08/28(日) 01:56:01.02 ID:???


まだ生まれてもないのに微妙扱いされるカテ公……
Lまでで止まっててNまでいかなくてよかったなあ(棒)

とかいう馬鹿なことは置いといて名前って重いよね
ここに来るまでのシャアとアムロも苗字や自分自身の名前に
縛られ潰されかけて生きてきたようなもんだし
300通常の名無しさんの3倍:2011/08/28(日) 21:22:41.98 ID:???
ガンダム乙乙
なごんだよー。
301通常の名無しさんの3倍:2011/08/29(月) 00:52:51.95 ID:???
>>変名・偽名の先輩
え〜と、本名を含めるとこの人はいくつ名前があるんだっけ?
302通常の名無しさんの3倍:2011/08/29(月) 01:02:13.16 ID:???
キャスバル・レム・ダイクン
エドワウ・マス
シャア・アズナブル
クワトロ・バジーナ

が公式の偽名で、

キャシー

が、このスレ発祥の女装時限定偽名かな。
303通常の名無しさんの3倍:2011/08/29(月) 02:38:13.34 ID:???
キャスバルは本名でしょ。あと、シャア・ダイクンって名乗りも(ZかCCAの小説の)
どっかにあった筈。

それと非公式では北爪『C.D.A. 若き彗星の肖像』で、ジオン共和国入国時に
(パスポート用に)もう一つ偽名があったと思う。

あと、evolveでシャアがバーにいる時に駆け込んで来た自称シャアを含めて、
シャアを名乗る偽物もあちこちに沢山いそうな気がするなあ…
304通常の名無しさんの3倍:2011/08/30(火) 09:56:12.24 ID:???
Aにアルテイシアとか、Kにキシリアとか名乗られたらシャア涙目だな・・
305通常の名無しさんの3倍:2011/08/30(火) 18:09:17.71 ID:???
アムロニさん「大佐ネタはもうウケない」

http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1314669142/l50
306通常の名無しさんの3倍:2011/09/02(金) 05:42:30.09 ID:???
シャア:「アムロ兄さんと申したか」
セイラ:「兄さん…まさか酸素欠乏症に」
307通常の名無しさんの3倍:2011/09/02(金) 14:49:10.08 ID:???
アムロIIかと思った。
308通常の名無しさんの3倍:2011/09/02(金) 19:21:16.94 ID:???
アムロ「技の一号!」
アムロ二「力の二号!」
「「ダブル流星拳!!」」

こうですか!? わかりません><
309通常の名無しさんの3倍:2011/09/02(金) 23:38:15.66 ID:???
そういえばアムロの中の人はリメイク版キャシャーンもやってたか

「ううっ、超破壊光線とは、まさかあの・・・」

という車田ノリになるのかと思っていたが
310通常の名無しさんの3倍:2011/09/03(土) 22:15:15.26 ID:???
このながれで
「俺はすでに破壊光線の洗礼を何度も浴びている!そんなもので俺が倒せるか!」
って台詞を思い出した。

アムロ「RX-93、いきまーす」
311通常の名無しさんの3倍:2011/09/04(日) 01:26:30.53 ID:???
某DSゲームに出てくるマシンチャイルドのあの子達は
プルズの親戚になるのだろうか…
312通常の名無しさんの3倍:2011/09/18(日) 20:59:12.29 ID:???
ユニコーンのセックス恥辱シーン(マリーダ編)

4巻
・マリーダのセックスシーン(中出し)
・マリーダの中絶シーン
・マリーダが戦闘中に客にクンニされるのを思い出すシーン
・マリーダが尿瓶に排泄するシーン
・マリーダの回想でセックス中にマリーダを縛ったり殴ったりする客
5巻
・マリーダの体中の縄状痕、火傷→SM調教されてました
6巻
・マーサにマンコ付近を見られ、そんなにボロボロにされてと嘲笑される
・薬物による幻覚を見るマリーダ(輪姦されるマリーダ、おっぱいをもまれ、男2人に左右からマンコを広げられる描写
7巻
・マーサ「彼女、口しか使えないわよ」
313通常の名無しさんの3倍:2011/09/25(日) 22:52:46.15 ID:???
プルJ「あ、あの…大佐…その…メ、メモリアルライブラリで、こ…こんなデータを見つけたんですが……」

ttp://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/f9/fd/yoyon_bee/folder/1494485/img_1494485_48939169_6?1239590436
314通常の名無しさんの3倍:2011/09/27(火) 07:19:42.96 ID:???
大佐誕生日おめでとう
315通常の名無しさんの3倍:2011/09/29(木) 06:27:24.49 ID:???
>>313
「フフ・・・ガルマ、君はよい友人であったが、パーフェクトジオングとジオングでは脚の長さが違うのだよ!!」
「シャア!!計ったなシャア!!」
316通常の名無しさんの3倍:2011/10/09(日) 01:09:11.73 ID:???
ホッ守
317通常の名無しさんの3倍:2011/10/17(月) 15:37:11.65 ID:???
このスレも長生きだな支援
318通常の名無しさんの3倍:2011/10/25(火) 01:23:07.51 ID:???
そろそろホッ主ほしゅ
319通常の名無しさんの3倍:2011/10/29(土) 21:19:50.80 ID:???
レベル1 プルを売春婦にして妊娠・中絶
レベル2 レイプ専用コロニー誕生(原因はガトーとデラーズ)
レベル3 プルを輪姦
レベル4 美少年を近親相姦・ホモセックス
レベル5 ブライトが瀕死の味方を見捨てる
レベル6 シャアの幽霊が強化人間に乗り移ったのがフロンタル
レベル7 120億人の人間がサイコフレームによりNT化して心を1つにする
レベル8 バナージの体が溶けてMSと同化する
レベル9 人類初の神の誕生(ユニコーンガンダムと同化したバナージ)
レベル10 F90・F91・V・∀は神になったバナージがイメージしたパラレルワールド

機動戦士ガンダムUC
あなたはどこまで耐えられる?
320通常の名無しさんの3倍:2011/10/30(日) 20:27:48.04 ID:???
プルズ皆姉妹、プルズの尊厳を侵す者、これアクシズ弾劾裁判にかけられるべし

∀は「最後のガンダム」・・ディアナ様の尊厳を侵す者、これ全て天罰受けるべし(ライフルにより、ディアナ様自ら鉄槌を降される)

漂流アクシズはいつの日にか、約束の地にたどり着くべし


−赤と白の預言書より−
321通常の名無しさんの3倍:2011/10/30(日) 23:16:07.58 ID:???
なんだか長期化してるような気がしないでもない
ユダヤ人がそこそこ大集団とはいえ1年もあれば抜けられるシナイ半島で数十年彷徨ったごとし
322通常の名無しさんの3倍:2011/11/05(土) 18:43:58.24 ID:???
F「我が家のモーゼが、頼りないから…かしらね?」
323通常の名無しさんの3倍:2011/11/06(日) 21:21:52.56 ID:???
こんどのGジャネには「サブシート」という代物があるそうだな。


……さて、アムロとプルツーを同席させる作業に入るか。


微妙にスレ違い?
324通常の名無しさんの3倍:2011/11/06(日) 21:25:13.12 ID:???
>>323
何だと?夢の親子MSが実現するだと?
325通常の名無しさんの3倍:2011/11/06(日) 21:31:22.57 ID:???
Gジュネの、さぶシートとは…ゴクリ
326通常の名無しさんの3倍:2011/11/06(日) 21:38:57.74 ID:???
プルJ「あ、あの…大佐…サブシートに、一緒n」
シャア「ん?野菜用シートがどうした?」
327通常の名無しさんの3倍:2011/11/13(日) 21:43:00.57 ID:???
日本人女性の1年間のSEX平均回数 48回
日本人女性の初体験の平均年齢 19歳
日本人女性の初妊娠平均年齢  28歳

マリーダさんの1年間のSEX平均回数 5475回(365日×5人×3回)
マリーダさんの初体験の年齢 10歳
マリーダさんの初妊娠年齢  15歳
328口竹石敏規:2011/11/14(月) 03:07:23.13 ID:???
【超関連スレ】

社会現象まどか、池沼煮死汚信者専用化物語(笑)
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1320751083/
煮死汚異珍 その211
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1319855032/
奇面組ヲタZ ◆arZPBHyQxu5eからのお言葉
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1319189225/
329通常の名無しさんの3倍:2011/12/07(水) 20:01:04.33 ID:???
そろそろ保守を
330通常の名無しさんの3倍:2011/12/21(水) 23:06:04.92 ID:???
保守age
331通常の名無しさんの3倍:2012/01/23(月) 09:31:17.94 ID:???
保守三年ぶりにカキコ(笑)
332通常の名無しさんの3倍:2012/02/04(土) 22:01:21.23 ID:???
保守
333通常の名無しさんの3倍:2012/02/11(土) 01:49:14.38 ID:???
プル達が無事成長したらシャアとアムロで嫁に貰ってやらんの?
334通常の名無しさんの3倍:2012/02/11(土) 09:35:25.11 ID:???
シャア「逆に考えるんだ、成長していない今だからこそ…」
335通常の名無しさんの3倍:2012/02/11(土) 12:06:14.42 ID:???
一瞬納得しかけたけど、それは犯罪だ大佐エ…
336通常の名無しさんの3倍:2012/02/15(水) 18:54:35.00 ID:???
>>334
>逆に考えるんだ

そういえば逆転裁判の実写映画が公開になったんだっけ
337通常の名無しさんの3倍:2012/02/16(木) 09:51:59.31 ID:???
シャア「逝け、アグネス!忌まわしき規制と共に!」
338通常の名無しさんの3倍:2012/02/26(日) 01:08:21.31 ID:???
シャア:「私はシャア・アズナブルではない。赤レッドだ。ゆえに、地球の法律は適用されない」
アムロ:「…良く分かった。10年近く漂流しているというのに、お前の性根が少しも治らないのがな。…この白ホワイトが制裁してやろう」
シャア:「ま、待てアムロ!!話しあおう!!話せば分かる、何事


 / ̄ ̄/_7_7 __/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7
..  ̄ .フ ./  /__  __  / ./__  __  / ./__  __  /  /__  __  / /__  __  /
 __/  (_ _./  //  /  ._./  //  /  _./  //  /   _./  //  / . _./  //  /
/__.ノゝ_/ |_ノ |_/.    |_ノ |_/  . |_ノ |_/   |_ノ |_/   . |_ノ |_/
             \\\              //
             \ \ \\\  r'⌒⌒ヽ    ///  //
              \ \  (⌒\ ( rνyy'ソ⌒レm)///  この白ホワイト、いや元祖アカレッドの数年ぶりの制裁をくらうがいい!!
             \\ (mJ \ ヽヽヾ#゚Д゚ノ/ レm)レm)/   
             \\ \\(mJ(mJ∩]¶[ イレm)レm)レm)/
           (´⌒;; \\ (mJ(mJ(mJ| .|/ノハλ) //レm)/;;⌒`) ;;⌒`)
 (´⌒;;   (´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;/(mJ(mJ#Д▼||l レm)/;;⌒`);;⌒`)    
  (´⌒;; (´⌒;; \从从从从从(___へ_ノ ゝ__ノ从从从从从//;;⌒`);;

339通常の名無しさんの3倍:2012/03/01(木) 22:19:09.39 ID:???
今更だけど、アムロとシャア……
30過ぎたら男の頭は……
340通常の名無しさんの3倍:2012/03/02(金) 20:19:00.63 ID:???
認めたくないものだな、マープの必要な頭髪とは
341通常の名無しさんの3倍:2012/03/02(金) 23:48:08.86 ID:???
シャア「そういう訳なので、娘達の若さエキスで何とかならないかと思うのだよ。
    風呂の余り湯や汗を飲ませてもらうとか、薄着で密着してもらうとか…」
342通常の名無しさんの3倍:2012/03/03(土) 00:04:50.80 ID:???
もしプル達が居なかったら30過ぎのおっさん二人で暮らさなくちゃならなかったんだよな
もし自分がそんな羽目に陥ったら、むさ苦し過ぎて発狂しそう
343通常の名無しさんの3倍:2012/03/03(土) 02:18:36.07 ID:???
>>341
アムロ「まだまだ修正が足りないようだな!シャア!!」
344通常の名無しさんの3倍:2012/03/03(土) 06:16:39.37 ID:???
 ピンポンパポ〜ン↑♪

トリスティン 召喚状にて ルイズ様がお待ちです
至急 アクシズ持参でお越しください

 ピンポンパポ〜ン↓?
345通常の名無しさんの3倍:2012/03/03(土) 16:02:29.85 ID:???
あっちの世界だと赤いのが手出ししそうなのはルイズとタバサあたりか
まあ、その前に白い人に修正されるだろうが
346通常の名無しさんの3倍:2012/03/03(土) 21:36:50.41 ID:???
>>343
シャア「『まだまだ修行が足りないようだな!』に、見えてしまったぞアムロ!!」
アムロ「修行したいのか!?貴様は…そうか。それなら剃髪してやるっ」
シャア「ちが…やめ…やめてーっ!?」
347通常の名無しさんの3倍:2012/03/04(日) 05:35:44.55 ID:???
久しぶりに来たけどお前らが仲良さそうで安心したわ>大佐とアムロ

お大事に
348通常の名無しさんの3倍:2012/03/05(月) 23:00:43.41 ID:???
 美術の時間
シャア「まず私が描くが、希望はあるかな?」
プルA「チョコパフェ!!」
シャア「いいだろう」

シャア「よしで(ry」
プル'S「アムロうまーい!!」
アムロ「そうかな?」
シャア「完璧な作戦にならんとは!」
プルJ「御上手ですよ、大佐....」
349通常の名無しさんの3倍:2012/03/08(木) 20:57:10.07 ID:???
プルズ誕生日記念あげ

…このアクシズで何度目になるのかはわからないがw
350通常の名無しさんの3倍:2012/03/08(木) 21:19:07.95 ID:???
完璧な作戦にならんとは…!
351通常の名無しさんの3倍:2012/03/08(木) 21:40:58.76 ID:???
アムロ「…次の誕生日は、パフェやケーキで祝ってやるって…毎年の様に誓ったのに、
    一体いつになったら、俺たちはあの子たちを祝ってやれるんだ…」
シャア「このままではいずれ、娘たちが対象年例外に…ええい、これ以上はやらせん!
    そういうわけだアムロ、今日からアクシズをレッド・○ワーフ号と改名して…」
アムロ「…貴様というヤツは!!」
シャア「…貴様がいなければ!!」

プルA「やってるやってるっ♪」
プルB「あー、またか…」
プルC「また、だね…」
プルD「あっはっはー、どっちもがんばれーっ」
プルE「…無意味ね」
プルF「ほんと、よく飽きないものだわ…」
プルG「かといって、ほかに娯楽もないしさあ…」
プルH「あの2人にとっては、夫婦生活みたいなものだし…」
プルI「風紀上は問題だが、な」
プルJ「大問題よ!ふ…夫婦生活だなんてっ!た…大佐ーっ!」
プルK「友情表現…って言い換えた方がいいかもね」
プルL「うん…仲良しだもんね」
352通常の名無しさんの3倍:2012/03/08(木) 22:04:51.67 ID:???
レッド・ド○ーフって…大佐以外全滅して以降の物語になるんじゃ!?
いいのか、大佐w
353通常の名無しさんの3倍:2012/03/08(木) 23:21:32.11 ID:???
プルズおめ
354通常の名無しさんの3倍:2012/03/11(日) 02:35:45.53 ID:???
それならいっそ、アムロが謎の宇宙ガレオン船を建造し、一家を宇宙海賊「白き海賊団」として…
(同作品には大佐の人も一応、わずかながら出演している(笑))
355通常の名無しさんの3倍:2012/03/11(日) 15:13:04.19 ID:???
シロッコと一緒に悪事を働いていたな
356通常の名無しさんの3倍:2012/03/16(金) 00:23:07.52 ID:???
青:「ジオ、動けジオ…いや、ボキのクイズに耐えられるかな?」
赤:「アクシズを地球に落とせば、地球人は全てビックリして身動きが取れなくなる……そうなれば地球は征服したも同然」
白:「なるほど、良く分かった。


 / ̄ ̄/_7_7 __/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7
..  ̄ .フ ./  /__  __  / ./__  __  / ./__  __  /  /__  __  / /__  __  /
 __/  (_ _./  //  /  ._./  //  /  _./  //  /   _./  //  / . _./  //  /
/__.ノゝ_/ |_ノ |_/.    |_ノ |_/  . |_ノ |_/   |_ノ |_/   . |_ノ |_/
             \\\              //
             \ \ \\\  r'⌒⌒ヽ    ///  //
              \ \  (⌒\ ( rνyy'ソ⌒レm)///  このアカレッド、地球を護るため容赦せん!!
             \\ (mJ \ ヽヽヾ#゚Д゚ノ/ レm)レm)/   
             \\ \\(mJ(mJ∩]¶[ イレm)レm)レm)/
           (´⌒;; \\ (mJ(mJ(mJ| .|/ノハλ) //レm)/;;⌒`) ;;⌒`)
 (´⌒;;   (´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;/(mJ(mJ#Д▼||l レm)/;;⌒`);;⌒`)    
  (´⌒;; (´⌒;; \从从从从从(___へ_ノ ゝ__ノ从从从从从//;;⌒`);;

357通常の名無しさんの3倍:2012/04/05(木) 19:49:27.52 ID:???
アムロ、君より私の方がヒーローとして格上なようだな
358通常の名無しさんの3倍:2012/04/18(水) 14:21:14.79 ID:???
今更ながらUC視聴中なんだが、このスレのせいでシャアとアムロがプルズ率いて乱入せんものかとwktkしてしまうから困る
359通常の名無しさんの3倍:2012/04/28(土) 00:44:34.53 ID:???
>>358
このスレのシャアとアムロなら
ラプラス戦争について何か情報をつかんだとしても
「自分達はもう死んだこと」にしたいから参戦はしないだろう

万一参戦するなら
おっさん2人+若い娘12人の総勢14名の
仮面の騎士団になってしまう
360通常の名無しさんの3倍:2012/04/28(土) 01:00:32.92 ID:???
フロンタルを作った黒幕を成敗とかならあるかも知れない。
何かを感じたとあるジャーナリストがその足取りを追うが、犯人と思われる人物の行方はようとして知れず…。
361通常の名無しさんの3倍:2012/04/28(土) 01:28:20.75 ID:???
>>360
>犯人と思われる人物の行方はようとして知れず…

必殺仕事人みたいだなあ

普段は駄目お父さんでも
娘達の知らない所ではカッコよいのか?
362通常の名無しさんの3倍:2012/04/30(月) 22:42:52.51 ID:???
>>359
仮面の騎士団・・・
シャアとプルズがノリノリだったり仕方なしだったりしながら仮面を被る中、
最後まで抵抗しまくるアムロが脳裏を過ぎった
363通常の名無しさんの3倍:2012/05/01(火) 01:19:11.41 ID:???
>>362
でも結局タキシードとシルクハットで・・・ってあれ?何かビームっぽいものg
364通常の名無しさんの3倍:2012/05/03(木) 14:25:45.48 ID:???
てゆうか実際にNT-Dが発動しようがどうしようが、
駄目親父二人組みが真の意味でコンビ組めばどうとでも出来ちゃう気はするな。

ラプラス戦争にプルズの誰か一人でも巻き込まれたなら、訳解らん謎MSが二体ばかり物凄い勢いで介入してくるだろう。
365通常の名無しさんの3倍:2012/05/07(月) 09:15:19.67 ID:???
雑魚専の赤い駄目親父にエースキラーの白い駄目親父のコンビか……完璧じゃないか
366通常の名無しさんの3倍:2012/05/08(火) 03:20:52.89 ID:???
>>365
エースキラーと聞くと
ウルトラマンAに出てきた超獣の方を連想する
367通常の名無しさんの3倍:2012/05/08(火) 14:14:35.21 ID:???
>>366
「それは目を覆いたくなるような凄惨な戦いであった。」
368通常の名無しさんの3倍:2012/05/11(金) 01:35:46.39 ID:???
実際、アクシズ一家が地球圏に戻った後、連邦のつまらぬ陰謀の為にプルズの身に危険が生じて、
彼女等を守る為には連邦を敵に回さなければならないという状況に陥ったとき、シャアとアムロが何をするのか見てみたい気はする。
369通常の名無しさんの3倍:2012/05/13(日) 23:30:27.15 ID:???
そういう番外編もいいけど、ほのぼのとダメ親父っぷりに満ち満ちた「本編」が
いつまでも続いて欲しい気がするなあ…
370通常の名無しさんの3倍:2012/05/14(月) 23:23:35.68 ID:???
シャア「無論、あの子たちのためなら…私は全世界だって敵に回すつもりだ、アムロ」
アムロ「…お前が敵に回しているのは専ら『世間』と『法律』だろう、現状」
371通常の名無しさんの3倍:2012/06/13(水) 22:04:51.51 ID:???
保守
372通常の名無しさんの3倍:2012/06/15(金) 02:45:24.84 ID:???
何の因果か見つけたここのまとめサイトのログ(未修正)を1から半年かけて全て見てきました。
これでやっと読んでるうちに書きたくなったSSが書けるぞ…!

遅筆だからまた半年かかりそうな気がするが…やってみるさ。
373通常の名無しさんの3倍:2012/06/15(金) 22:17:47.33 ID:???
楽しみにしてるよー。
マイペースでがんばってくれぃ。
374通常の名無しさんの3倍:2012/06/29(金) 21:41:18.29 ID:???
結婚したら人気がた落ち
375通常の名無しさんの3倍:2012/06/30(土) 02:04:22.98 ID:???
√ピキーン!

始めての人かな?
まずは>>1を読むことをオススメする。
376通常の名無しさんの3倍:2012/07/20(金) 07:09:21.25 ID:???
皆が消息を絶ってから20日が過ぎた。「今までの出来事はすべて夢だったとでもいうのか?」食堂・・・いや、アムロやプル達と共に食堂として使っていた部屋に佇み、シャアは呟いた。
「そんなはずはない」
377通常の名無しさんの3倍:2012/07/20(金) 12:03:12.02 ID:???
うぉぉい!途中でやめないでくれぇぇぇ
378通常の名無しさんの3倍:2012/07/20(金) 12:31:47.68 ID:???
私だって独り身だ
379いつかその日まで 1/8:2012/07/20(金) 14:25:31.66 ID:???
せっかくなので勝手に続きを書いてみる


「そんなはずはない」
シャアは誰もいなくなったかつての食堂を見てそういった。
「どこかに隠れているか取り残されているのかもしれん」
シャアは椅子から立ち上がり食堂を出る

皆が居なくなった際によく使う部屋は調べ尽くした。
ならばあまり行かない部屋…あるいはまだ多少危険だが未探索のエリアを探すしかあるまい。

シャアは念のためノーマルスーツに着替えるとまずはかつてプルズが眠っていた部屋へ向かう
「アムロ! プル達よ! 居るか!? 居たら返事をしろ!」

…………返事はない。
シャアはプルズが眠っていたカプセルを確認する、やはり彼女達は居ない
シャアはカプセルにかつて眠っていた彼女達の影を重ねた。
不意に視界がぼやけた、シャアは泣いていた。
「…まだ終わらんよ」

380いつかその日まで 2/8:2012/07/20(金) 14:26:44.22 ID:???
シャアは踵を返し部屋をでた。
もう一つ確かめたい所がある。

それはかつてアムロと二人で封印した黒歴史の男、クローンマ・クベ
できれば会いたくは無いが今となっては手段は選べない
彼に会ってなぜこうなったかを話す事ができれば少しはヒントになるかもしれない

シャアは彼が眠っている部屋の前にたどり着く
扉の前には大きく「解放厳禁!絶対に開けるな!」とアムロの字で書いてあった

「アムロ…一体どこへ言ったのだ……」
シャアは開かずの部屋のロックを解除し中へ踏み入れる

当たり前だが部屋は当時のまま保存されていた
シャアは彼の眠るカプセルの蓋を開けた
プシュウと冷たい風がカプセルから漏れていく
「起きろ、マ…い、居ない!?」

彼も消えていた。
彼が居た痕跡など無かったかのようにクッションのへこみすら見当たらなかった

381いつかその日まで 3/8:2012/07/20(金) 14:27:56.58 ID:???
「馬鹿な…まさか…本当にアクシズには私一人しかいないのか…!?」
シャアは部屋を飛び出すとありとあらゆるエリアを探しまくった
プル達と不思議な冒険をした図書館、隠し部屋に危ない趣味が閉じ込められたハマーンの部屋、どこにも彼女達は居なかった

「ララァよ…どうしたらいい…私を導いてくれ……」
フラフラになっていたシャアは最後にアクシズの軌道をつかさどるコントロール室にたどり着いた
救難信号をだしてあわよくばどこかに助けてもらおうとしたのだろうか
シャアはパネルを操作すると周辺の地図を呼び出した

「こ、これは!?」
地図を呼び出したシャアは驚愕した
地図には細かいデブリが浮かんでいるだけで他には何も無かったからだ
慌てて広域地図に切り替える、しかし地球はおろか太陽も木星も全て消滅していた

「私は…私は…一体どこにいるんだ……」
シャアはガクッと崩れ落ちた
382いつかその日まで 4/8:2012/07/20(金) 14:29:00.49 ID:???

気付くとまわりは何も無い闇が広がっていた

「エドワゥ…エドワゥ…」
誰かが私を呼んでいる…?
シャア…いやエドワゥは声がする方向へ振り返った、そこには学生時代の親友、シャア・アズナブルがいた。

「君は…シャアか?」
エドワゥは立ち上がりシャアの元へと近づく

シャアは質問には答えず無表情のまま話しはじめた
「なぜ君一人だけアクシズに取り残されたのか…知りたくは無いかい?」
「あぁ、もちろんだとも。 教えてくれ! アムロやプル達はどうなったのだ!」
エドワゥはシャアの肩を揺する

「彼等は元から居ないよ」

「なに…っ!?」
シャアはエドワゥの手を振り払い一歩離れる
「話は、君がネオジオンを率いてアムロと戦った時まで遡る、君はアムロとの戦いに破れサザビーから脱出した。」
「そうだ、脱出した私はアムロのνガンダムに捕らえられアクシズの岩肌に押し付けられた。 その後生還した私はアムロとアクシズの中で…」
エドワゥの言葉をシャアが遮る

「違うんだエドワゥ、君はアクシズに押し付けられた時に死んだんだ」

383いつかその日まで 5/8:2012/07/20(金) 14:30:10.15 ID:???

「私が…死んでいるだと!?」
「正確には違うのかも知れない、でも君はサイコフレームの共震に巻き込まれた際にサイコフレームと溶け合って肉体は失った、つまり宇宙と一体化したんだ」
「宇宙と…!?」
「今まで見ていたのは全て君の『質量を持った幻覚』なんだ、宇宙と一体化した君は死んだことに気付かずサイコフレームの力でアクシズという仮装空間を作りそこで形を持った思念と対話していたに過ぎないんだ」
「幻覚……」

シャアはさらに話を続ける
「だがもうサイコフレームに残された力は残り少なくなっていた、最初は周りの惑星から消滅していきついには君の周りの友人も消えてしまった」
「そしてこの闇……か。」
「そうだエドワゥ、天に帰るときが来たんだよ」

シャアの後ろから一条の光が射す
「さぁ僕と一緒に行こう、エドワゥ」

シャアはエドワゥの手を握った
「帰るべきところなど最初から無かったのか…」
「違うよエドワゥ、帰るべき場所はこの先だ」
シャアは光の先を指差す
「そうか……シャア、私にも帰る場所が…」

384通常の名無しさんの3倍:2012/07/20(金) 14:38:20.43 ID:???
385いつかその日まで 6/8:2012/07/20(金) 14:55:15.02 ID:???
エドワゥが歩き始めたその時、光とは反対方向から声が聞こえた

「シャア! 戻ってこい!シャア!」
「目を開けてよぉ!」
「大佐! 大佐ぁー!」

エドワゥは声のした方に振り替える
「アムロ? それにプル達の声も・・・」
「彼等はサイコフレームの見せている幻聴だ!」
シャアは先程とはうって変わった態度でエドワゥの手を引っ張る

「・・・違う!貴様はシャアではない!」
エドワゥ、いやシャアはかつての友の手を振り払った
「エドワゥ!?」
「その名前で私を呼ぶな!今の私はシャア・アズナブルだ!」
「エドワゥ!このままサイコフレームの力と共に消滅しようと言うのか!」

「いくらサイコフレームの力とは言え人間を作り出す事は不可能だ!私にはアムロやプル達と暮らした思い出がある!あれはサイコフレームで作り出した紛い物では断じて無い!」

シャアは光とは逆方向に走り出した、変えるべき場所へと戻るために

「エドワゥ!エドワゥ貴様ァァァァァ!」
悪魔の断末魔が聞こえたと同時にシャアの意識は薄れていった・・・
386いつかその日まで 7/8:2012/07/20(金) 15:09:37.64 ID:???
ーーーーーーーーーーー

「シャア!起きろ!シャア!」
シャアは自身のベッドの上で目を覚ました
「・・・すまないみんな、どうやら長い夢を見ていたようだ」
「大佐・・・良かった大佐・・・!」
プルJが涙をポロポロと流しながらシャアに抱きつく
シャアはゆっくりとプルJを抱き締める

アムロはホッとした顔でシャアに事のてんまつを話した

「シャア、お前は一隻の身元不明の戦艦を見つけたんだ、人は居なかったからいつものように俺と相談した結果お前が向かうことになった。 だがお前が戦艦に着いた途端、サイコフレームの共振が起こったんだ」
「サイコフレームだと!?」
「そうとしか思えない、緑色の光だったしな。その後慌てて俺がお前を迎えに行くとお前をがコックピットの中で意識を失っていたんだ」
387いつかその日まで 8/8:2012/07/20(金) 15:13:04.95 ID:???

「そういう事だったのか」
「J達はずっとシャアの隣で帰りを待ってたんだぞ、ただいまの挨拶くらいしろよな」
「そうだったな……皆、ただいま戻った」
「お帰りなさい大佐…」
「おかえり。」
「帰ってくるのが遅いよシャア!」
プル達それぞれの言葉を聞いていたシャアは心の中でこう思った

『私にはまだ帰れる場所がある。 そう、アムロやプル達のいるこのアクシズだ』


fin.






宇宙空間の中ただよう一隻の戦艦があった
既に船には誰もいない

その船の中、唯一動いている機械があった。
その機械の表面には
『プロトタイプ NT-D』
と書いてあった…………


機械はニュータイプが訪れるのをただ待っている……
388いつかその日まで 後書き:2012/07/20(金) 15:19:41.34 ID:???
というわけで完結です。
以前半年はかかると言っていましたがなんとか早めに完結できました。
話の骨子はできていたのでそれに>>376のストーリーを混ぜて一本のストーリーにしました。

プル達が全くでてこないのは作者の力不足です、申し訳ない…

ユニコを全て読んでいないのでアクシズショックや本物シャア、NT-Dのくだりはネットの知識を元に自分なりにアレンジを加えました。


こんどは萌える話が書けたらいいなー(・ω・`)
389376:2012/07/20(金) 18:38:46.22 ID:???
すまん。途中で送信しちまった上に寝ちまった。素晴らしいストーリーに仕上がってるので自分の駄文は封印します
>>388GJ!
390通常の名無しさんの3倍:2012/07/21(土) 12:27:11.24 ID:???
落ちたスレを再び立ててくれる人がいる・・・こんなに嬉しいことはない。

まとめを読んだなら、姉妹スレのニューガンダムのほうもよろしく。
391通常の名無しさんの3倍:2012/07/21(土) 22:19:43.96 ID:???
「ν」じゃなくて「ニュー」なんだね。
道理で検索してて見つからんわけだw
392通常の名無しさんの3倍:2012/07/21(土) 22:40:46.88 ID:???
おかげで人が増えて大佐も喜んでますよ
393通常の名無しさんの3倍:2012/07/29(日) 11:08:47.15 ID:???
シャア:「アムロ、宇宙2chの記事をキャッチしたぞ」
アムロ:「ほう?お前が騒ぐ以上、ロクな記事じゃない気がするがな」

− 37歳の男性と結婚した9歳の女の子…ア○ブ首長国連邦 −
− 中東の国・ア○ブ首長国連邦より届いた、9歳の女の子のウェディングドレス姿 −

シャア:「見たまえアムロ、この子の初々しい笑顔を。心が洗われるよ。
     イス○ム法では、9歳で結婚が可能なのだ。素晴らしいじゃないか」
アムロ:「……シャア、この「連邦六法全書」は2000ページある。これからお前の頭にそれを叩き込んでやろう。」
シャア:「ほう?…待てアムロ、何故本を頭上に高々と…それでは読めんじゃないか。」
アムロ:「”叩き込む”と言っている。」
シャア:「何故だアムロ!何故、これがわからん!!」

シャアが連邦の法律を何発叩き込まれたかは、神のみぞ知る。
394通常の名無しさんの3倍:2012/08/02(木) 10:21:24.66 ID:???
サイド7で縞パンはいて機械いじりをしていた内気な少年が
どこをどうしたら、こんなバイオレンスな人に成長するのだろうか・・・
395通常の名無しさんの3倍:2012/08/02(木) 11:46:12.11 ID:???
アムロ「それもこれも全てお前のせいだ!」
シャア「なっ!? アムロ、それはエゴという物だよ!」
アムロ「人のセリフをパクるんじゃあない!(ドガガガガ」

AA略
396通常の名無しさんの3倍:2012/08/11(土) 09:59:45.74 ID:???
この前沖縄に言ってスパム買ってきたよ。
ガチで安かったな、ビックリしたよ。

スパム料理のレシピもあるようだしそれで話がかなり書けそうだ。
397通常の名無しさんの3倍:2012/08/16(木) 00:36:35.78 ID:???
誰も彼も乙
398通常の名無しさんの3倍:2012/08/19(日) 19:08:20.26 ID:+RYneJE6

         --ー-- ..,,           ::''" ̄ ̄ ゙~ヽ
      ゞ‐'´      `ヽ、       r''".       ヾ       〆 ̄| ̄`‐´ ̄|
     /           __    r''"         ヽ    彡─-、_|___/~ゝ、丿
     ,! /  人   \ 〈〈〈〈 丶   ! '     r, 人゙ヽ )..
    (    /  \\\\ ⊃  }   (  jl,/;==fノヽ ヾ 丿
   〈    ( 、 ェェ  ェェ! [ 二 ]   )   (_;:;:;ノ、 ェェ ゙i丿
   Y   フ    ,.ゝ |( |  |   (!   (     」. | ・.∴
    ヽ 丿  / ̄ 7 /ゝ!   !   ヽ   ア / ̄ 7 / ,.,
     ゝ  =-─┘/ /  / ,.,・ ,.,・丿=-─┘/
     _ | ̄ ̄l^T^l/\/  , ’, ∴・.∴ /、//|  ̄ ̄丶
   /、//|  ̄ ̄ 丶/  、・∵.’,∴ /   // |//  〉
   /   // |/   /         /    // | /  /

  そんなロリコン、修正してやる!!
                       これが若さか・・・

399君をみつめて 1/4:2012/08/27(月) 21:07:08.12 ID:???
自分はガンダムのパイロットになる以前は何をしていただろう。多分機械を触っていたぐらいでたいしたことはしていなかったはずだ。ずっと一人だった。学校には入っていたが近くに住んでいたフラウやハヤトぐらいしか交流はなかった。
両親からは愛されなかったとアムロは思う。母親はアムロがサイド7に引っ越す前に地球に残った。引っ越す前の母親の態度から男がいたのだ、ということは幼かったアムロでも感づいた。
父親は連邦軍の技術者で家にあまりいなかった。度々一人にするため自分を心配していたようだが如何せん触れ合う時間がなかった。父親との距離は次第に離れていった。
母親とは地球で再会したがすぐに別れた。連絡先も聞かなかった。母親は死んだのか、生きているのか、安否を確認する機会はいくらでもあったが母親のことなど気にする気持ちになれなかった。
何せ自分が殺されそうだったのに敵を撃ったことにショックを受けていたのだ。撃った後、母親は説教をしたが聞く耳は持たなかった。
「なんて情けない子なんだろう!」という声が聞こえたが自分を捨てた人が言える台詞じゃないと内心思った。あの出来事でアムロは完全に母親と決別した。
父親は宇宙に再び上がった時に再会した。だがその父親は酸素欠乏症にかかっていた。まさかガンダムで初めて戦った時にサイド7に開いた穴から宇宙に放り出されたのが原因だったとは知る由もなかった。
戦後父親の安否を確認したところ、住居の階段から転げ落ち、打ち所が悪かったらしく、発見された時にはすでに死んでいたと聞いた。
父親が死んだと聞いてもアムロは涙を流せなかった。ガンダムの強化パーツだと言われて渡されたジャンクパーツを叩き付けた時には涙を流せていたのに。今もその理由はわからない。
400君をみつめて 2/4:2012/08/27(月) 21:13:44.40 ID:???
ホワイトベースの乗組員とは家族のような存在だった。
フラウ、カイ、ハヤト、ブライト、セイラさん、ミライさん、リュウさん、スレッガーさん・・・
自分とさほど年の離れていない人から大人、子供までさまざまだった。
家族というのはこういうものなんだろうとアムロはホワイトベースでの生活の中で感じていた。
だが父親や母親の役目をする人物はいなかった。
結局、「親」とはなんなのかアムロはわからなかった。
幽閉されていた頃やチェーンやベルトーチカとの触れ合いで料理や裁縫など生活に必要な事は学んだが「親」ということをアムロはしたことがなかった。
シャアとの戦いの時、クェスという少女に出会った。彼女は父性を求めていた。
アムロに気を持っていたようだったがアムロは彼女の扱いがわからなかった。
結果としてクェスはアムロらを見限り、シャアのネオ・ジオンへ行き、アムロとシャアの戦いの間で死んだ。
アクシズを押し返す時、アムロはシャアにこう言った。

「俺はマシーンじゃない!クェスの父親代わりなどできない!」

親ということをわからなかった結果かもしれないとアムロは時々思う。
クェスはもしかしたら自分と似ていたのかもしれない。
自身の親の愛情がわからなかったところと。
401君をみつめて 3/4:2012/08/27(月) 21:15:46.31 ID:???
アクシズでの生活でアムロとシャアは12人のプルクローンを発見した。
突然「親」という役目をすることになったのだ。
最初は何をどうすればいいのかわからなかった。2人とも子供を持ったことはないのだ。
アムロ達は無理をせず、なおかつ彼女たちに教えられることは教えるようにした。
勉強の事、生活の事、生きる事、MSの操縦の事(これだけは2人ともなるべく教えたくはなかったが)
シャアは彼女たちのためにあえて悪役を買ったりしていた。(どこまでが本気でどこまでが冗談かはわからないが)
勉強での教え方もシャアのほうが人気がある。アムロの授業では寝ている子の方が多いのだ。
自分は彼女らに対して特別な事はしていないと思う。やっているのは探索や家事やハロの修理や改修ぐらいしか思い浮かばない。
それでもシャアよりアムロの方が人気があるようなのだ。(特にプルCには懐かれている。)
自分としては自然に振る舞っているつもりだった。
402君をみつめて 4/4:2012/08/27(月) 21:19:57.76 ID:???
ある日プルCと裁縫をしているとこんなことを言われた。
「アムロ・・・」
「ん?」
「いつか私が裁縫を担当してあげるから・・・」
彼女の精一杯の言葉だったのだろう。すぐに横を向いてまた手を動かし始めた。
その顔は微かに赤くなっている。
アムロはそんな彼女の頭に手を置き、撫でた。
「そうか・・・裁縫の次は料理を教えないとな」
と冗談を言うとプルCは一瞬驚くような表情をし、そして嬉しそうに微笑み
「うんっ!」
と言うのだった。
そんな彼女の表情を見て、今さら冗談と言うわけにもいかず、再び頭を撫でながら
「その日が来たら頼むよ」
と笑って言うしかなかった。

この子も日々成長している、恥ずかしがり屋だけど自分から進んで言ってくれた。
アムロはそんなプルCを見て、自分とシャアは間違ったことは教えていない、
辛いと思っていたが「親」というのは良いものだなと思った。
アムロはこの子たちが立派に育ち、旅立つまで親の役目を務めようと新たに決意するのだった。
403君をみつめて あとがき:2012/08/27(月) 21:30:25.48 ID:???
・・・終わりです。ダメ男スレのSSを書いたのは初めてだったのでプルCの性格がもしかしたら違うかも・・・
ていうかシャアや他のプル達の出番がない!初めはシャアらも入れるはずだったのにどうしてこうなった・・・
アムロの母親に男がいるから捨てたと感じた設定は小説「密会」より、
シャアはわざと悪役を買っているは過去のSSから参考にさせていただきました。
アムロやCの成長を感じていただければ幸いです。
次はシャアとJの話を書ければいいな、と思います。それでは・・・
404通常の名無しさんの3倍:2012/08/27(月) 22:31:56.58 ID:???
解説ともどもGJGJ。
シャアとJの話しもこれと対になっているのだろうか?
楽しみにしてます。
405通常の名無しさんの3倍:2012/08/28(火) 17:47:00.50 ID:???
GJ!
ほっこりするものを読ませていただきました。
シャア話wktk
406通常の名無しさんの3倍:2012/09/01(土) 15:53:32.64 ID:???
GJ

そういえばアムロって歴代でも親に恵まれてないんだよな
他のやつはだいたい最終的に決別したり死なせたりすることはあっても一応ある程度ともに過ごしてるから
407通常の名無しさんの3倍:2012/10/08(月) 21:35:31.32 ID:???
保守
408通常の名無しさんの3倍:2012/10/29(月) 08:21:43.43 ID:???
保守
409通常の名無しさんの3倍:2012/11/03(土) 00:03:18.83 ID:rdTZ7bpx
保守
410通常の名無しさんの3倍:2012/11/06(火) 02:27:11.55 ID:???
最近「UG☆アルティメットガール」なるアニメの存在を知ったが
古谷さんがエロオヤジの役をしていて
なぜかこのスレ思い出して違和感を感じまくりだった
411通常の名無しさんの3倍:2012/11/06(火) 08:10:00.80 ID:???
実際おっさんだもん>古谷さん
もうすぐ還暦なんだからエロ親父の声ぐらい当ててても不思議じゃない
412通常の名無しさんの3倍:2012/11/06(火) 11:47:19.03 ID:???
そこは池田さんを起用すべきだと(ry

ちなみに最近知ったけど池田さんと誕生日一緒だった
413通常の名無しさんの3倍:2012/11/07(水) 21:37:36.30 ID:TKpv8tNf
シャア「ええい!甘えさせてくれる幼女ほど素晴らしいもの無いと何故わからんアムロ!」
アムロ「エゴだよそれは!てか俺はある程度育ってた方がいい!」
シャア「なるほど、だから幼女ユーリを無視したんだな!」
アムロ「勝手に人の心にはいってくるな俗物!」
大の大人二人、枕投げ中
414通常の名無しさんの3倍:2012/11/27(火) 22:35:48.93 ID:???
保守
415通常の名無しさんの3倍:2012/12/06(木) 05:22:20.03 ID:???
断固、保守
416通常の名無しさんの3倍:2012/12/14(金) 23:33:36.27 ID:???
シャアって何かに似てると思ったけど、源氏物語の光源氏だわ。復讐心は…ないけどさ。じぶんの女と寝た男に対する仕打ちの冷酷さはシャアに通ずるよな?
417通常の名無しさんの3倍:2012/12/15(土) 10:16:43.05 ID:???
初恋が母親似で後に幼女捕まえて理想の女にしてるところもにてる
余談だが金正日も死んだ母親似の女優に恋心を母親に似てるからという理由だけで抱いていた
418通常の名無しさんの3倍:2012/12/15(土) 21:49:17.94 ID:???
それはきめえだけだわ
419通常の名無しさんの3倍:2012/12/18(火) 21:17:01.15 ID:???
うん
420通常の名無しさんの3倍:2012/12/28(金) 18:07:37.82 ID:???
ものっそい久しぶりに来たんだが、現在のまとめサイトどこ?教えてエロい人
421通常の名無しさんの3倍:2013/01/02(水) 07:30:30.93 ID:???
>>213かな
422通常の名無しさんの3倍:2013/01/12(土) 18:07:41.61 ID:???
3年ぶりぐらいに初代スレから読み返してみるかな
423通常の名無しさんの3倍:2013/02/02(土) 19:26:46.06 ID:T+OxC3pw
>>421ありがとう
424通常の名無しさんの3倍:2013/02/24(日) 01:50:16.92 ID:???
ご冥福をお祈りします
425通常の名無しさんの3倍:2013/02/24(日) 21:55:06.01 ID:???
中の人か…ここのプルズは本多ボイスなのかな…;ω;
426440:2013/03/05(火) 02:00:11.57 ID:???
私だって独り身だ・嫁さんももらえん
そんな気もないのに、こんなセリフ吐くぐらいならレコアさん嫁に貰ってくれよ
427通常の名無しさんの3倍:2013/03/05(火) 08:43:27.95 ID:???
シャアは甘えさせてくれる女性じゃないと無理でしょ
428通常の名無しさんの3倍:2013/03/05(火) 14:30:37.81 ID:???
ナナイは抱けて

レコア抱けなかったのは
なんか理由あるの

世間体?
429通常の名無しさんの3倍:2013/03/14(木) 05:11:40.49 ID:???
まだこのスレ残ってたのかよ
感動すら覚えたぞ
430通常の名無しさんの3倍:2013/03/14(木) 05:23:33.27 ID:???
感動ついでに愛憎カップルハマーン&シャアを検索したが
これはさすがに残ってなかった
431通常の名無しさんの3倍:2013/03/14(木) 22:00:43.10 ID:???
このスレの歩みは時が止まったかのようだ
何時きても同じ顔を見せてくれる
少し寂しいが、昔を懐かしむには最適の場所だろう兄弟
432通常の名無しさんの3倍:2013/03/19(火) 06:08:00.70 ID:???
でもネタは読みたいお・・・
433通常の名無しさんの3倍:2013/03/19(火) 19:38:12.19 ID:???
妻?ニモマケズ
時ノ流レニモマケズ
流星拳ニモ弾劾裁判ニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク…ナイゾ!?エエイ何故ソンナ顔ヲスル、アムロ!
決シテ焦ラズ
イツモ娘達ニハ見透カサレテ…イルダト!?
一日ニトマト四個トスパムト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンノカンジョウヲ入レズニヨク撮影シ記録シ
保存ヲワスレズ…ア、ココハカットデタノム
アクシズノ隅ノ管制室カ農場カ小サナ自分ノ部屋ニイテ
東ニ元気ナ娘達アレバ行ッテ玩具ニナッテヤリ
西ニ憑カレタ娘達アレバ行ッテソノ業ヲ代ワリニ負ヒ
南ニ寂シガル娘達アレバ行ッテコハガラナクテモイイトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバワタシハケッパクダトイヒ
判決ノタビニナミダヲナガシ
サウナノナカデハホトホトヨワリ
ミンナニ駄目オトコトヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニワタシハナリタ…ナッテイタノダッタナ、スデニ…
434通常の名無しさんの3倍:2013/03/23(土) 19:04:08.75 ID:???
パーパ・・・…
435通常の名無しさんの3倍:2013/04/19(金) 06:53:24.69 ID:???
ho
436通常の名無しさんの3倍:2013/06/02(日) 19:37:16.64 ID:UjL4cdMA
保守
437通常の名無しさんの3倍:2013/06/22(土) 01:27:39.76 ID:???
νガンダムスレ落ちた?

駄目男スレ、密室スレとか大好きだったな
妄想カップリングのイチャイチャSS系スレは色々読んでた

旧シャア全体の過疎化が進んで滅多に来なくなったけど
ずっと昔から見てたスレが無くなってるとさみしいもんだね

新シャアも見てる同士はまたそっちで会おうノシ
438通常の名無しさんの3倍:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:???
懐かしいスレだな
439通常の名無しさんの3倍:2013/09/16(月) 20:31:34.65 ID:S4CKO5AE
保守
440通常の名無しさんの3倍:2013/09/17(火) 13:30:41.54 ID:???
久々に、本当に久々に見たな
残っていた事に感謝
441通常の名無しさんの3倍:2013/09/20(金) 12:24:21.50 ID:???
CCA上映した時代は、どうか知らんがいまだと30代独身なんて特に
めずらしくないな。
うちの会社にいるし、俺もそう
やっぱね、年収400万あたりだと所帯もつと苦しくなるからね。
「私の収入では家庭を家庭を持てば悲劇が待ってるからな、」
442通常の名無しさんの3倍:2013/10/06(日) 20:53:37.73 ID:???
伴侶?が気の合う?同性で子供は娘
ある意味で理想的な生活な気がする
443通常の名無しさんの3倍:2013/10/09(水) 05:42:54.84 ID:???
>>411
古谷は80年代にアクションカメラのCMのナレーションをやった男だぞw
抵抗なんてあるわけない
444通常の名無しさんの3倍:2013/10/10(木) 06:48:20.11 ID:???
>>442
シャアってもう女にはウンザリしてそうだもん
プルプルズは別枠だけど
445通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 00:05:53.22 ID:???
tesu
446地球行if『墓場鳥』1/18:2013/11/19(火) 00:15:39.24 ID:???
「最悪の場合は私を売れ」
シャアははっきりとそう言った

「…正気か?」
二人しか居ない寒々としたアクシズ内にアムロの冷えた声が響く。
「君こそ正気か、アムロ」
シャアはどこか見下すようにそう言い放った。
「…本来ならそれが最善の道だ。それが判らぬ君ではあるまい。
何故我々は姿を隠す?何故我々は連邦やジオンから逃げようとする?」
「プル達のために決まっているだろう」
今はコールドスリープで眠っている12人の娘達に一瞬思いを馳せる。
彼女達の居ないアクシズは恐ろしいほど『寒い』。
その寒さがより一層二人の男の娘達への思慕を深めた。
「それも確かにあるさ。だが最大の原因は私だ。」
シャアはそう断定した。
447地球行if『墓場鳥』2/18:2013/11/19(火) 00:21:12.82 ID:???
「君はそもそも連邦から隠れる必要など皆無だ。地球を救った英雄として君は歓迎される」
「そして祭り上げられて貴方のような道化になるのか。そんなのはお断りさ…」
「その気持ちはわからんでもない。だがそれだけでこの先も逃亡生活を選ぶ理由としては弱いな」
「…言っただろう、プル達のためだ」
「本当にそれがプル達のためかな」
「…あの子達は連邦にとって強化人間の貴重なサンプルだ。連邦に捕まったら今までと同じような、
いや、もしかしたらそれよりひどいモルモットとして扱われる可能性が高いだろう?」
「だろうな。だが連邦にはブライトもいる。ロンド・ベルのシンパも居る。
そして伝説的な英雄、救世主としての君が居る…」
「…やり方次第、だと?」
「そうだ、世論を味方につけても良い、その場合有名税は支払われるだろうが、
少なくともプル達もモルモットにはならずに済む。…他にも幾らでも方法はあるぞ、アムロ」
「それは貴方なら、だろう?俺は政治家じゃない、そんな器用な立ち回りは出来ない…」
「なら私が教えてもいい、時間はまだあるしな。
もう一度いうぞ、アムロ。君がこんな生き方をする必要性は、皆無だ。」
448地球行if『墓場鳥』3/18:2013/11/19(火) 00:24:30.34 ID:???
「オーライオーライ!はーいそこでストープ!」
作業服を着たプルDの威勢の良い声がドックに響く
「こら〜!行き過ぎ!」
「わりーわりー、こうかな?」
同じく作業服を着たプルGがてへべろ、と舌をだししもう一度クレーンを操作する。
「おーし、ピッたし!アムロ!」
「OK!」
やっぱり作業服を着たアムロが親指を立てた。

・地球行if『墓場鳥』

「ふう、ようやくここまで来たな」
アムロは今日はこの辺にしよう、とデッキに降りて、それを見上げた。
それはモビルスーツの素体だった。
アムロたちはMSを一から作っているのである。
そのアムロにどーん!と柔らかい物がぶつかる。
「こらっ、G」
「えっへっへ」
プルGはそのままアムロの腰に引っ付く。
Gは何と言うか、悪い意味でなく子犬のような少女だった。
「でもまだまだ先はなげーなあー」
その作りかけのMSは良く見るとガンダムに似ている。
「なーに、中身は出来たんだから後はガワだけさ、あともうちょいだ」
プルDもアムロの隣に並ぶと感慨深げにいう。
そのときドッグの出入り口からきゃいきゃいと少女の声が聞こえた。

「あれ?今日はもう終わり?」
449地球行if『墓場鳥』4/18:2013/11/19(火) 00:27:35.81 ID:???
その少女達の集団からプルAが元気良くアムロに駆け寄ると不満をこぼした。
「なによ〜みんなで手伝いに来たのにい〜」
「ごめんよ。でも切りの良いとこだったんでね。
みんなだって毎日俺に付き合うのは疲れるだろ?」

「そんなことないよ?早く新しいにゅ〜見たいもん」とプルA
「右に同じ。ていうか操縦したい」B、
「…私も、みんなと作業するの楽しいから」とC。
「つかむしろ徹夜してでも作らせろよ〜アムロお〜」もちろんD
「…」その言葉にうんうん、うん?ふるふるふると首をうなずかせたり振ったりのE
「私も、整備士の仕事って以外と楽しくてよ」とお姉さん風にF
「俺も俺も!こう、少しづつ形になっていくのが良いよな」子犬みたいにG
「そうね、みんなで一緒に作業するのって悪くないわ…」相変わらずどこか浮世離れにHがいうと
「第一独りでMS作ってたら何年かかると思うんだアムロ?こういう時こそ一致団結だろう」とI
「そうですよ、アムロ。ところで大佐はまだ…?」そわそわと周りを見回しJ
「家族で共同作業って素敵ですよ、アムロ」とにっこりK
「アムロとお仕事楽しいよ?」と幼子のようにL。

なぜこうなったかと言うと。
450地球行if『墓場鳥』5/18:2013/11/19(火) 00:30:22.66 ID:???
紆余曲折はあったものの無事木星に到着、
ジュドー達に見送られひっそりと地球に出発したのが数ヶ月前。
その地球行きにジュドーが用意してくれた船の設備は、
当たり前だが半壊したアクシズにくらべ天と地だった。
もちろん食料もたっぷり積んであるし、着替え、そのほかもろもろ申し分ない。

つまるところ、アクシズのお母さん事アムロ・レイはおさんどんから開放され
暇をもてあましてしまったのである。
そこで火が付いたのは持ち前のメカオタ魂。
そういえばνガンダムは(最高ではあるが)そもそも急ごしらえの未完成な機体であった。
なにせ予測してたとはいえ、それ以上の速さでシャアのフィフスルナ作戦が始まったのだ。
のん気に開発する時間などあるはずも無く、
νは実質三ヶ月でつくられた(最高ではあるが)本来の理想とまではいえないMSなのである。
そして今の彼は時間があり、地球までの長い海港の間するべき事も無い。
それならば。
三つ子の魂百まで。メカオタの魂千まで。
レッツ理想のνガンダムを作っちゃおう!となったのだった。

と、いうのがプルたちへの建前である。
451地球行if『墓場鳥』6/23:2013/11/19(火) 02:08:21.91 ID:???
実際には(上記も嘘ではないのだが)他に理由がもちろんある。
木星到着時にνガンダムを含め全てのモビルスーツをジュドーに譲った。
これはギブ&テイクもあるし、それ以上に地球に行くに当たって
やはりνやサザビーをもっていくわけにはいかなかったのである。
なにせ自分達は死人なのだ。正体を知られる危険性は最低限に抑えたい。
だから作業用のプチモビを除いてこの船には一切MSは搭載されていない。
少なくとも木星出航時には。

だがMSを手放すに当たって、二人はνとサザビーの設計図と戦闘を含む基本データ、
それに両機に搭載されたサイコフレームをごっそり、跡形も無く抜きとっておくのを忘れなかった。
(シャアいわく、特にサイコフレームの技術は正体不明の木星に渡すわけにはいかない、との事。
そのくせ、それだけの革新的技術をアムロに渡すため『だけ』に
平気でアナハイムに横流ししたのだから酔狂な男というかなんというか…)
452地球行if『墓場鳥』7/23:2013/11/19(火) 02:11:12.36 ID:???
それはこの地球行きの旅でMSが必要になる可能性が十分考えられるからだ。
アムロもシャアも連邦のの執拗さを過小評価する気にはなれなかった。
もし、連邦のパトロールなどによって自分達の正体がばれたら。
その情報が広がる前にミノフスキーを散布し、速やかに、一瞬で。

…殲滅しなくてはいけない。

それは相手がネオジオンでも同じだった。だから、この船にはなんだかんだと理由をつけて
(シャアお得意のカモフラージュとジュドーの協力、そして幾分かの木星船団のお目こぼしもあって)
NT専用MSの2,3機作れるだけの資材と環境が備わっているのだ。
もちろん、それを隠すスペースも含めて。
そして抜きとっておいた設計図と基本データがあれば、
それを元に比較的少人数でもMS開発は可能だった。
453通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 02:24:03.83 ID:???
参った。ばいさるの事なんて知らなかったよ
全話投稿するのに朝までかかりそうだ…
454通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 02:27:09.97 ID:???
まだこの板にSS投稿する奴がいたとは…
俺も長らく書いてないしなあ
455通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 02:38:02.14 ID:???
>>454
アクシズ一家は永遠です。
ちなみに今度は連続規制だそうです
1レスに入る文量も予想の半分くらいだし、
話数も倍になりそうな。

慣れない事はするもんじゃないですね〜
もう今日は徹夜だ〜
456地球行if『墓場鳥』8:2013/11/19(火) 02:41:55.33 ID:???
アムロとて完全に暇というわけではない。アクシズ時代のように生活に必須というわけではないが、
裁縫を頼まれたり、ときにはデザートを作ってくれとせがまれたり。
なによりまだティーンの彼女達には教育が必要だったため教師役もこなさなければならなかった。
(もっとも、アムロも中学までしか行ってないので残念ながらこの辺りは基本的にシャアの担当だが)

そして時間が空くと独りでMS開発をしていたのだが、
最初に気づいたプルDが目をきらきらさせながら手伝わせて!と懇願されあれよあれよと
気が付けば全員で作業する事になったのだ。
(もちろん強制ではないので毎日全員そろうわけではないが)
特にプルDとGの熱中ぶりはすさまじく、その日のカリキュラムと夕食が済むと
アムロの両腕を二人で引っ張ってドックまで連行してくるのだ。
「よおアムロ、これってつまるところνの完成品、て事なんだろ?」
わくわくしながらプルDが言う。アムロとて完全に暇というわけではない。アクシズ時代のように生活に必須というわけではないが、
裁縫を頼まれたり、ときにはデザートを作ってくれとせがまれたり。
なによりまだティーンの彼女達には教育が必要だったため教師役もこなさなければならなかった。
(もっとも、アムロも中学までしか行ってないので残念ながらこの辺りは基本的にシャアの担当だが)
457通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 02:47:21.12 ID:???
>>456
失敗。下四段は無視してね〜
458地球行if『墓場鳥』9:2013/11/19(火) 02:54:12.39 ID:???
「よおアムロ、これってつまるところνの完成品、て事なんだろ?」
わくわくしながらプルDが言う。
「うん?まあ…仕上げてみないとわからないけど、そうなるかな。
なにせνはテストすらせず実戦投入させた機体だからな…」
「まじで!?それでサザビーやっつけちゃったの!?」とG
「あー、まあ一応ね…。でも、急ごしらえといったってνはいい機体だったよ。
十分俺の期待に応えてくれた最高の奴だった。だから未完成といったらかわいそうかな」
「にしたってなああ…」
プルGはにぱ、としか表現できない笑顔でいった
「アムロってすげーなー」
その一切のお世辞のない純粋でまっすぐな賞賛にさすがのアムロも照れてしまった。
「じゃあこいつが完成したらもうシャアじゃアムロに一生勝てねーな!あっはっは」とD。
「…さあ、それはどうかな。シャアの腕も捨てたもんじゃないさ」
シャアが聞いたらトイレに篭りそうなその言葉をアムロは大人の余裕で返した。
459地球行if『墓場鳥』10:2013/11/19(火) 03:00:56.50 ID:???
「そうよ大佐だって!そりゃ、アムロの方がパイロットとしては上だし、その…なんていうか」
「無理無理。そもそも基本スペック自体がνよりサザビーのが上なんだぞ?
なのにサザビーはぼっろぼろでνは綺麗に手足そろってたんだ。
多分Zガンダム辺りでもアムロが勝ってたんじゃない?」
と、シャアを擁護しようとしたJにIが辛辣に言う。彼女は特にシャアに辛辣極まりないが、
それが彼女の愛情表現だともちろんみんな気づいてる。
「そうね、シャアじゃどちらにしたってアムロには一生勝てないわね」
「まあ、無理でしょうねえ」
辛辣さじゃIに負けないFがつっけんどんに言うと、Kがのほほんと続ける。
流石にシャアが可愛そうになってきたアムロは話題を変えることにした。
「あー、ところでこいつの名前をどうするかで悩んでるんだが、何かいい案ないか?」
460地球行if『墓場鳥』11:2013/11/19(火) 03:23:38.43 ID:???
「名前ねえ…そうか、νの強化型なんだから名称を変える必要があるな」とB
「つーことはνガンダムマーク2になるの?」とG
「えー、へいぼーん」
Iの平凡という言葉にむ、としながらGはいった
「じゃあ、Iはどんなのが好いのさ」
「そうねえ…」
天真爛漫で天然なGと理論整然知的なIは不思議と相性が悪くない。
いや、だからこそか。理論的なIはGの天然にかまわずには居られないようだった。
「νガンダムの上位版ならHIνガンダムってどう?」
「はいにゅう〜?」
Gはしばし沈黙する
「…かっけえ…さすがI」
「ふっ、まあね」
くいっとめがねを上げて口角を上げるI。
「HIνか、悪くない」
アムロも満更でもなさそうに言う。
461地球行if『墓場鳥』12:2013/11/19(火) 03:32:13.49 ID:???
「じゃじゃじゃ、カラーリングはどーすんだよ?」とD
「ん?別に考えてないなあ…とりあえずνとおなじで良いんじゃないか」
「ええー、せっかくだからもっと派手なのにしようぜ!たとえば」とDが言いかけると、
「赤だな」
どこから現れたのかシャアがのそっと話に加わった。
「なんだ、仕事は終わったのか。」
「ああ、今日も順調だ。何も問題ない」
「そうか」
シャアがMS開発に関わらないのは、当人にその辺りの技術や知識が欠けているのもあるが
もちろんそれだけではない。
「お疲れ、艦長」
アムロは揶揄するように言った。
シャアはこの船の針路や航行の全てを任されているのだ。
JやIがあまりこちらに参加しないのは大抵シャアを手伝っているからである。
それ以外のプル達はその日の気分で7・3ぐらいでアムロを手伝う。(無論DとGは毎日だ)
「ふむ、では艦長命令だ、このMSは赤に…」
「駄目だ」
「そうよ、駄目よ」とF。
「む…では金…」
「ありえん」B
「無いわ」K
「ありえねー!」D
以下略。
462地球行if『墓場鳥』13:2013/11/19(火) 03:42:04.44 ID:???
「な、何故だ!?」
「シャア…前から言おうと思っていたが、
貴方は自分のセンスに少し疑いを持ったほうがいいぞ…?」
仮面とかノースリーブ赤軍服サングラスとかその他もろもろ。
アムロは大昔から確信していた。シャアはその手の美的センスはまっったく無いと。
そう言うアムロとて大して美的センスなど無いのだが、少なくとも自覚はしている
だがシャアの場合本人が美形でどんな格好でも似合うものだから本人も回りも誤魔化されてしまうのだ。
「そうだ、成金趣味め。今回ばかりはアムロが正しい」とI
「あ、あのでも、私は、その、大佐の趣味素敵だと思いますっ」とJ
と、そこまでうーんうーん唸ってたGがぼそ、と呟いた。
「…空。」
一瞬ぽかんとしてアムロは聞き返す。
「空?」
「本物の空ってどんな色?」
首をかしげてやはり子犬のようにGはアムロにたずねた。
463地球行if『墓場鳥』14:2013/11/19(火) 04:30:27.97 ID:???
「あほか、青に決まってるだろう?相変わらず馬鹿ちんだなGは」と横からI
「空の青ってどんな青?」
「どんなって…そりゃ、空色…でしょ?」ともう一度Iが、今度は自信なさげに言う。
「それが上一杯にあるってどんな感じ?」
Gはかつて見た夢を思い出した。大きな木の下に居る自分、見上げれば青い空。
アクシズに植えた苗は今どうなっているだろう。
「うううん…」
Iに目で訴えられたアムロが引き継ぐ。
「どんな感じといわれてもな…何と言うか…こう…」
アムロは自分のボキャブラリーの無さに舌打ちしたくなった。
だが、あの一年戦争時、
今は運命共同体となった隣の男の追撃をかわし(何と言う運命の皮肉だろう)
大気圏を命からがら突破した時に見たあの空の青!
あの本物の空を見たときの感動は、決して、言葉では説明できるものでは無い。
464地球行if『墓場鳥』15:2013/11/19(火) 04:42:05.12 ID:???
「もうすぐ見れるんだよなあ、本物の空」
「…そうだな」
だからアムロは思った。本物の空を、あの青を、あの想像を絶する美しさを子供達に早く見せてやりたい。
「…空!空色が好い!だって地球行くんだしさ、こいつを本物の空の下で動かしてやろうよ!」
「それでどうして空色になるんだ?脈絡がないぞ!」Iが呆れたようにいう
Gに感化されたようにDはきらきら目で言った
「うん、いいじゃん!空色!空みたいに青い色!決定!」
「青いガンダム…、うん結構似合うんじゃない?」
こうしてhiνガンダムのカラーはスカイブルーに決定した。
地球行きを象徴するように。

盛り上がってる子供達をよそに大人二人はこそこそ話し合う。
「アムロよ、一応これには私も乗る可能性もあるのだぞ?」
「だから?」
「なら、一応私の意見を少しは汲んでくれても良いのではないかね?
なぜよりによって赤の反対の青なのだ」
「安心しろ、すぐにあんたのMSも作ってやるさ」
「ほう…?」
シャアはこんなとき大抵嫌味を言うアムロが
素直に自分のMS開発を始めてくれるというので喜んだ。
465地球行if『墓場鳥』16:2013/11/19(火) 05:01:16.93 ID:???
「どういう心境の変化だ?あれだけサザビーを先に作れと言って頑なに拒んでたのに」
「作らないとは言ってないだろう?
俺が作るんだから俺のを優先するのはあたりまえだ。それに…」
その時が来たら、真っ先に手を汚すべきは自分だ、とアムロは囁いた。
その言葉にシャアの眉が僅かに歪む。
「何故だね?」
「俺はパイロットしか能がないが、貴方は違う。
この船の航行についてもさ。やれない事もないが俺には艦長の経験が無いからな。
貴方は居てくれなくちゃ困るのさ」
つまりアムロは優先順位としてシャアより自分が下だと言っているのだ。
仮に自分が死ぬ事があっても、シャアが居てくれれば子供達を無事地球へ送り届けてくれるだろう。
アムロはその事に一切の疑問すら持たなかったし、持つ必要も無い事を知っていた。
だがシャアが先に死ぬ事があったら、アムロは自分独りで子供達を守る自信が無いのだ。
それは地球到着後の子供達の戸籍や境遇に対してもだ。シャアなら何とかできるが、
真実、ただの一パイロットでしかないアムロには難しい。
だからシャアには絶対に生きてもらわなくてはいけないのだ。
466地球行if『墓場鳥』17:2013/11/19(火) 05:15:34.33 ID:???
そのアムロの思惟をシャアは正確に理解した。
「…アムロ」
「判ってる。今はまだ死ぬつもりはない。何としても生き残る。…誓ったろう?」
この子達のためならなんでもする。そして生き残ってこの子達の人生を見届ける。
「ああ…そうだな。…しかし、あまり不吉な事を言うものではない」
「…覚悟を言ったまでさ」
そうそっけなく言うと、アムロは子供達の輪に戻って行った。
「…覚悟、か」
シャアはしばし子供達と戯れているアムロの背を見つめた。

それは、二人だけで何度も話し合った事だった。
自分達はもう二度と表舞台には出ない事、
そして12人の娘達に地球で人並みの暮らしをさせてやる事。
それが大人たち二人だけの誓いであり、秘密だった。
人を殺す、などという経験をアムロもシャアもこの子達に一生させる気は無い。
そのためなら何でもしよう、仮に連邦やジオンすら敵に回す事があっても。

シャアはあの時のアムロとの会話をぼんやりと思い出した。
467通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 06:17:04.65 ID:???
ダメだ連続規制で一向に書き込み出来ないです。
完成してるの投稿するだけだから30分かからないと思ってたのに…2ちゃんて恐ろしい。
つか眠気がもう…
だれも見てないでしょうが続きはまた後日…
ね、寝る…じゃ〜…
468地球行if『墓場鳥』18/31:2013/11/19(火) 15:52:08.86 ID:???
木星への消耗を抑えるため交代でコールドスリープする時、二人は何日かは語らい過ごす。
それは片方にとっては今までの、もう一方にとってはこれからのアクシズでの孤独を慰めるためだ。
この半壊したアクシズで独りで居続けるのは、アムロやシャアのような大人をしても
どうしょうもなく『寒い』のだ。
子供達の暖かさを知っているゆえその寒さはなおさら拍車をかけた。
だからその語らいは、大抵は穏やかなものだった。
だが木星に近づくにつれ、段々と、二人の語らいは鋭さを増すようになった。
そう、今のように。

「…だから貴方を売れと?」
シャアは言う。何故自分の生存を隠してたかと問われたら?
アクシズで連絡の取りようが無かった、木星船団は警戒すべき相手で信頼できなかった、
地球到着まではネオジオンに通信傍受される可能性があった、etretr…
「よくもまあ次から次へと…あなたはまさに政治家になるべき人だったな」
「茶化すな。私は本気で言ってるのだ、アムロ」
シャアは誤魔化しは利かない、とばかりに強く光る目でアムロの目を射抜いた。
469地球行if『墓場鳥』19/31:2013/11/19(火) 16:01:09.33 ID:???
「……プル達が、それを許すと思うか?」
アムロが、その視線を真っ向から受けながら静かに言う。
「あの子達が、とくにIとJは、貴方を売った俺を許すと思うか?
貴方を売ることで得た人並みの生活とやらをあの子達が素直に甘受できると思うのか!」
「だがモルモットよりはマシだ。判っているだろう、アムロ。
心地の良い曖昧さで誤魔化すのはもう、終わりだ。
もうすぐ木星に着く。そこが、岐路だ。我々は決めなくてはならない…」

そんな事はシャアに問われずともとうに分かっている。
何故自分はシャアと当たり前のように運命共同体になっているのだろう?
大量虐殺者、人類始まって以来のテロリストと。
この男と行動を共にするリスクの絶大さを承知しながら。
470地球行if『墓場鳥』20/31:2013/11/19(火) 16:10:49.24 ID:???
分かっているのだ。シャアを捨てれば、この男を連邦に差し出せば、
この先に待っているであろう殆どの苦悩から開放されると。自分にとっても、プル達にとってもだ。
木星はすぐだ、そこですぐ連邦に自分達の生存を知らせれば良い。それで全て済む。
シャアの言ったブライト含むかつての仲間たちやシンパ、
そして自分の立場を利用してのプル達の保護はとうに考えた事がある。
たしかに不可能ではないと思われた。

なら話は簡単だ、なんならここでシャアを殺し、
プル達にはコールドスリープ中の事故と伝えても良い、
そして死体だけを連邦にさしだして全てが終わる。日常に戻る。
だが、自分は果たしてプル達に嘘を突き通すことが出来るか?NT能力を持つ彼女達に。
…違う、違うだろう。
「そう、違う。」
「何がだ」
「論点がだ。シャア、俺に何と言わせたいんだ?」
471地球行if『墓場鳥21/31:2013/11/19(火) 16:21:35.51 ID:???
しばしの沈黙の後、シャアはポツリと呟いた。
「…あの子達は私を失えば悲しんでくれるだろう。だが」
「だが?」
「彼女達は何も知らん。」
…ああ。
「後悔してるのか、隕石落しを」
「そう思うか?」
シャアは見下すように笑った。
「後悔などしない、私は今でも愚民どもを憎んでる。地球を浄化したいと願っている」
シャアは目を光らせ宣言した。そこに強がりは感じられない。
アムロにもその言葉が真実だとわかった。
「では、もう一度その機会があればまた同じ事をするのか!?」
「無論だ。」
「なら俺はお前を見過ごす事など出来ない!」
「だったら私を連邦に差し出せと言っているのだ!アムロ!」
しん、と。
「…違う、違うぞ、シャア。誤魔化してるのは俺じゃない、おまえだ」
472地球行if『墓場鳥22/31:2013/11/19(火) 16:30:54.35 ID:???
「何だと?」
「おまえはまだネオジオン総帥としてのシャアを完全には捨て切れていないんだ。
道化を装いながらプル達の間で苦悩している。だからあんたはその苦悩を俺に丸投げにして
選択を放棄してるんだ。判断を他者に委ねようとしてるんだ」
「私がそんな軟弱な男か?」
「シャア、お前の意思は何処にあるんだ?」
「…意思だと?」
「おまえは誰なんだ、シャア。それともキャスバルか?クワトロか?」
「…私は、」
「そうやって、貴方は流されて生きてきたのか。血に、境遇に、何もかもに!」
「…それが連邦で捨て駒にされていた男の言う事か!?」
シャアが声を荒げ吐き捨てる。
「アムロ、おまえの意思こそどこにある!何故腐っているのを知りながら連邦に居た!?
お前こそ才能を利用され流されて生きてきただけだろう!」
「そうだ、だが俺に他にどんな生き方が出来た!?俺にどんな選択肢があったというんだ!!
俺をこんな風にしたのはおまえだ、シャア!!」
「ララァを殺したお前が…!!」
「戦場に出したのはおまえだろう!」
「おまえが殺した!」
「そうだ!俺と、お前が、ララァを殺したんだ!」
473地球行if『墓場鳥』23/31:2013/11/19(火) 16:41:42.20 ID:???
気が付くと二人はお互いの胸倉をつかみ睨み合っていた。
「…俺がなぜ連邦で軍人をしてるかって?他に食っていく方法が無いからさ。
そうさ、流されてるだけだ。一年戦争の時も、ただ流され、適応して。
だがそんな生き方は昆虫だって出来る、そうだろう?シャア」
アムロはシャアと額が当たるような距離で睨みつけたまま言った。
「あんたも同じなんじゃないか?
あんたはただ周りの期待に応えようと生きていただけなんじゃないか。
常に仮面を被って、他者が期待する人物を演じて、そしてとうとう自分自身すら判らなくなったんだ」
シャアの腕にぐっ、と力が入る。
「…ララァをお母さんといったな、シャア」
シャアは思わず舌打ちした。今際の再(だったはずの)最後の瞬間の自分の軽率さを悔いた。
「あんたは、多分、ララァの死んだあの瞬間で止まってるんだ。」
「おまえは…!!」
「俺も同じだと言った、シャア」
その言葉にアムロを締め上げていたシャアの動きが止まった。

ララァの死、あの瞬間、確かにアムロ直感した。『何かが』終わったのだと。
それは二人の男の運命を致命的に変えてしてしまうにたる決定的な何か。
あの時シャアの運命を決定したのはアムロだ。
そして、アムロの人生を決めてしまったのもまた、シャアだった。
「…俺達は、同じなんだ。何も無い。空だ」
474地球行if『墓場鳥』24/31:2013/11/19(火) 16:50:31.53 ID:???
「……おまえは。おまえは私とは違うだろう、アムロ」
少し冷静さを取り戻したシャアは静かに言う。
「おまえはニュータイプだ。あの時、私は確かに見た。お前とララァが共鳴しあうのを。
私には何も無かった。ただお前達が理解しあうのを外で見ていただけだ…」
「俺がニュータイプだって?笑わせる。あなた自身いってるじゃないか。
ただ才能を利用されてるだけの男だと、それを知りながら何も出来ない男だと言ってるじゃないか…」
「だから歯がゆいと言っている。ニュータイプの君が何故…」
「それはただの願望だ、シャア」
「願望だと…?」
「そう、願望だ。ララァと共鳴した俺だからこそ、真のニュータイプであって欲しい、
いや、そうでなくてはならない、そうでなければ、ララァと共鳴できなかった自分が哀れだものな」
「…私は」
「あんたは自分をニュータイプと信じられないんだ。そして俺にニュータイプの理想を投影してる。
なら言わせてもらう、昔ア・バオア・クーでも言ったな。あんたも、ニュータイプだと!」
「…」
「貴方は世直しなど考えていないと言った。その意味がようやくわかったよ。
貴方は確かに人類のことなど考えていない。ただ理想郷を夢みているんだ」
475地球行if『墓場鳥』25/31:2013/11/19(火) 17:02:35.64 ID:???
シャアは全ての決着をつけるために隕石落しを行ったのだ、とかつてアムロはブライトに語った。
その洞察は間違っていない。だがそれが全てだとはもちろん思っていなかった。
アムロはシャアが一年戦争末期からグリプス戦役にかけてずっと
『いかに人類をニュータイプにするか』を考え続けた男だと知っているからだ。
その末路、究極の選択としての地球寒冷化作戦、それはシャアの理想を実現させるのにも、
ララァと、過去と、そしてアムロとの決着をつけるのにも好都合だったのだ。
だがその理想とはつまり
「自分を慰めるための代償行為にすぎない。」
「なんだと…!」
「自分が信じられない、自分をニュータイプの成りぞこ無いと思い込んでる貴方にとって、
せめて真のニュータイプを生む土壌を作る事こそ自分の使命と思ったんじゃないか?」
『シャアは純粋よ』
ララァのその言葉をアムロは理解し始めていた。
「成りぞこないなら、ただの失敗作でしかないのであれば、
せめて、真のニュータイプ達のための捨石になりたいと…
だがそれはただの自己満足だ」
476地球行if『墓場鳥』26/31:2013/11/19(火) 17:10:41.56 ID:???
「私は」
「言わせてもらうぞ。シャア、貴方のしてる事は無意味だ。
貴方が思うように俺が真のニュータイプだというなら、そう断言できる。
たとえ貴方の作戦が成功して、人類が宇宙に進出しても、そして人類全体がニュータイプになったとしても。」
ああ、たしかに。君の言うとおりだ、ララァ。この男は…
アムロは悲しむような目で、シャアをまっすぐ見た。
「人類は、大して変わらないよ、シャア。
そうなっても社会は狂ったままだし、人類は愚かなままだ。
…貴方のしている事は、ただの、無為だ」
シャアのアムロ胸倉をつかんでいた腕が緩む。
「だがララァが愛してたのは貴方だけだった。それは、真実だ」
ぴくり、とシャアの腕が一瞬止まった。
「俺達は同じさ、誰でもない。何者でもない。何も、無い。」
アムロは静かに続けた。
「でも、あの子達が居る。」
もうシャアの腕はアムロの胸倉を掴んでいなかった。
「…もう死者に引っ張られるのは終わりにしようシャア。
俺達に出来る事はなんだ?無為でしかない俺達に、
成りぞこないの、何も無い、俺達に出来る事は」
「…」
「そうさ。ただ一つだ。そうだろう?シャア」
477地球行if『墓場鳥』27/31:2013/11/19(火) 17:21:07.08 ID:???
「なあ、次はシャアの作るんだろ?」とD
「ただのサザビーじゃ芸が無いわね。HIνみたいに上位版を作ったら?」とF
「おー!面白そー!」子犬みたいにG。
と、アムロと少女達を遠巻きに見ていたシャアが参加する。
「ふむ、悪くないな。ではアムロ、さっそく…」
「おい…作るのは俺だぞ、余計な仕事を増やすなシャア!」
「あら作るのは『私たち』じゃなくて?」と辛らつにF。
「そーだーそーだー!うへへへへすげーの作るぞ〜!」無論D。
「と、子供達もいっているが?アムロ君」
「う…」
「まさか伝説のアムロ・レイともあろうものが
自分のMSだけ贔屓にするような小さい男じゃあるまい?
第一君の事だ、サザビーの設計図を見て色々思う所があったのではないかね?」
「何…!」ぎくり。
実はシャアの言うとおりであった。
サザビーはネオジオン総帥たるシャア専用の、この当時最先端技術の粋で作られた超ハイエンド機だ。
その設計データはアムロのようなメカオタクには興奮を抑えきれないものだったし、
ぶっちゃけデータを眺めているうちにここをこうしたい、いや、こうしたほうが良いんじゃないか?
というような魔改造の強烈な欲求が抑え切れなかったのである。
478通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 17:28:02.60 ID:???
>>477
>魔改造の強烈な欲求

時間はある
これで資材がたっぷりあったら・・・
恐ろしいシロモノが出来上がりそうだ(汗)
479地球行if『墓場鳥』28/31:2013/11/19(火) 17:30:22.90 ID:???
だから実をいうとアムロの方からサザビーの改造をシャアに掛け合おうと思っていたのだった。
渡りに船とはこの事である。
が、もちろん、そんな態度は出さない。

「わかった。わかったよ。サザビーもHIνに負けないくらいの強化版をつくってやる。
そのかわり俺の好きなように作るから文句ゆうなよ!まったく…」
「信頼してるさ。それにやけに嬉しそうに見えるが?」
「気のせいだ!」
「フッ…」
「なーなー、じゃやっぱサザビーマーク2になるの?」G
「あんたそればっかね…」とI。
「じゃあHIサザビー?」A
「…かっこ悪い…」ぼそっとE
「まったくだ」D

「ごほん!ではこんな名はどうだろう?」
シャアはもったいぶって間おくと、
アムロの目をまっすぐ見つめこう言った。
「ナイチンゲール」
480地球行if『墓場鳥』29/31:2013/11/19(火) 17:40:41.71 ID:???
「ないちんげえるうう?」
Gが素っ頓狂な声を上げる。
「変…」もう一度ぼそっとE
「大体どういう意味だそれ?」とD
「地球に生息する小鳥の事さ、とても美しい声で鳴くといわれている。
夜に鳴くので墓場鳥とも言われていたそうだがね。
だがもう一つ意味がある。旧世紀のある看護婦の名だ」
「それなら知ってるわ、白衣の天使の語源になった人物ね」とK
「良く知ってるわね、K」と、Kと馬の合うFが感心したように言う。
「そういう人物に興味あるのよ。
たしかむかーしの古い戦争に従軍して負傷者の死亡率を劇的に減らした人ね。
付いた渾名がなんとかの天使、って」
「クリミアの天使だな。クリミアとは地球にある島の名だ。
Kの言うとおり、それ以後女性の看護士を白衣の天使と呼んだ。」
その間もシャアは、一瞬もアムロの目から視線を外さなかった。
「なんか、シャアの乗るモビルスーツに似合わなく…な…い?」
とDがいうが、その場の奇妙な雰囲気に言葉が尻すぼみになった。
「その女性はランプの貴婦人とも呼ばれていたそうだ。
何故なら患者達を見守り夜回り欠かさなかったからだ」
「…」
気が付けば、シャア以外しんと、沈黙を保ってる。
481地球行if『墓場鳥』30/31:2013/11/19(火) 17:50:23.01 ID:???
シャアは、その空気を意に返した様子も無く、アムロをまっすぐ、見続けた。
「それは深い傷を負った者達に、死の淵でたたずむ者に。あるいは病に怯える幼子達に。
…正しく天使のように映ったのであろうな」
アムロもまた、シャアから目をそらさなかった。
その場の奇妙な緊張感に誰かがごくりと固唾を飲んだ。
「…だから、そう、サザビーは生まれ変わるのだ。」
ナイチンゲールに。
しばしの沈黙のあとアムロはただ一言こういった。

そうか、と。

それに続いてIが、どこか神妙な顔つきで言った。
「…いいんじゃないか。」
「…うん、良いと思う」とBがいうと、
「私も…」とA
「さすが大佐です…」ともちろんJが続く。
「そうかな?」
シャアが今までの奇妙な空気が無かったかのようにJに微笑みかけた。
「本当に私に合うかな?」
「はい!」
「Jはシャアが白といったら何でも白だからなあ…いや、シャアの場合は赤か」
とIが茶化すように言った。
「…合わなかったら、合う努力をすれば良いのさ。」
アムロはどこかそっけなくそういった。
「ああ、そうだな。」
そしてシャアは、アムロの言葉にはっきりとそう返した。
482地球行if『墓場鳥』31/31:2013/11/19(火) 18:00:04.68 ID:???
その時のシャアの告白の意味を正確に理解していたのは、この時点ではアムロだけだったろう。
何人かは何か感ずいたが、まだ理解まではしていない。だが今はそれで良いとシャアは思った。

アムロは、今のシャアの独白を反芻しながら、
Gの言う空色にカラーリングされたHIνの完成図に思いを馳せた。

そして、出来る事なら一生乗る事がなければ良いと思った。
(もちろん、完成させるにあたって何度かはテストする必要はあるが)
地球にいったら、昔カツの言った言葉のように地下に隠すのも良いな、と少し自傷気味に笑う。
そして永遠に空の青さを知らないまま埃を被っていればいいのだ。
近々完成するこのガンダムとシャアの機体(皮肉にもナイチンゲールという名)のどちらかに火が点るとき。

…誰かが死ぬのだから。

だから、永遠に表舞台に出なければ良い。自分とシャアと共に歴史の闇に消えていけばいい。
アムロはただ、それを強く願った。

その願いが叶うかどうかは、まだ、誰も知らない。
483あとがき:2013/11/19(火) 18:11:14.20 ID:???
ああ、やっと終わった。
むかーーしからROMってましたが一応処女作です。
2ちゃん投稿も初めてだったのでぐだぐだですいませんでした。
あと長すぎなくせに描写不足で参った。反省。

色々な押し付けっぽくなってしまいましたが
ただのパラレルなので華麗にスルーしてください。
がん無視してください、いや本当に。

では稚拙この上ない駄文スレ汚し失礼しました。
484通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 18:23:31.76 ID:???
>>483

485通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 21:32:28.31 ID:???
いやぁ、まだまだこのスレも捨てたモンじゃないね。
久々に良SSが読めたよ。

姉妹スレたるニューガンダムスレが落ちて以来、こんなに嬉しいことはなかったよ。
486通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 22:19:47.56 ID:???
487通常の名無しさんの3倍:2013/11/19(火) 22:40:22.99 ID:???
乙でした。
HIνとナイチンゲールの名前が出て、
なんだか感動してしまった。
488通常の名無しさんの3倍:2013/11/21(木) 00:26:38.01 ID:???
なんかスレがすっげー進んでると思ったら良SS来てた
残業の疲れも癒えたわwマジ乙です
これだからこのスレはあなどれん
489通常の名無しさんの3倍:2013/11/21(木) 11:52:41.66 ID:???
スレ読み返してみたらSS投稿されたの約一年ぶりなんだね。
どうにか職人さん達戻ってきてくれないかなあ…
490『すべてはFになる』1/36:2013/11/25(月) 11:34:48.68 ID:???
プルFは姉妹の中で一番の美人である。

だがそれは奇妙な事実だった。

何故なら彼女達は言うなれば12卵生双生児というべきクローンであり、
つまり顔の造詣は僅かな誤差はあれどまったく一緒なのだから。

ではその誤差の範囲内でFの顔が一番整っているのだろうか?
そうとも言えない。
彼女達のその誤差は殆ど好みの領域でしかないからだ。
だが、12姉妹の内誰が一番美人かと赤の他人(そんなのは居ないのだが)に聞いたら
まず大抵の人がFをさすだろう。

それほどFの美しさは際立っていた。

たとえばそれは凛とした雰囲気がそうさせてるのかもしれないし
あるいは姉妹の仲で最初に化粧を始めた事からもうかがえる大人っぽさや
(といっても薄めのルージュをひくぐらいだが)
良く手入れされた艶やかな、もみ上げだけ長めのボブカット(これがFにはとても良く似合う)
やどんな服でも着こなしてしまうセンスの良さがそうさせてるのかもしれない。
491『すべてはFになる』2/36:2013/11/25(月) 11:39:38.58 ID:???
(この子は将来さぞモテるだろうな)
とアムロなどは親心として心配になってしまうほどだ。
時にほんの僅かな仕草や無意識(多分、いやきっと)の流し目に
ロリコン属性皆無のアムロすらふと見ほれて感心してしまうのだから。

普段のツンとした態度と相まってまさにクールビューティーという言葉がぴったりだった。

(まあ、Fの場合はくだらない男に引っかかる心配はなさそうだが)
むしろ逆。

この子はたとえばセイラさんやベルトーチカをたして割ったような、
あるいは割らないで+αしたような。
そんな感じの魔性の女になるかもしれない。

正直、アムロはこの子が子供で良かったと思う。
もし二十歳以上だったら少し危なかったかもしれない。
ぶっちゃけこの手の女はアムロのタイプなのである。

もちろん、現在10代前半の彼女にどうこうの気持ちなどアムロには無いし、
今のうちに彼女に唾をつけとこう的なあこぎさも皆無だが。

赤い男じゃ〜あるまいし。
492『すべてはFになる』3/36:2013/11/25(月) 11:45:42.03 ID:???
「そうだろ?シャア」

「ピキーン√む、な、何がだね?」

アクシズでの仕事を終え夕食を済ませた後は大人達の時間である。
「Fの事さ。ほら」
アムロはコーヒー(擬似)を差し出す。
「すまんな」
とシャアはそれを受け取る。
大人の話し合いに気を使ったのか食堂には二人だけだった。
ラウンジあたりでみんなで遊んでいるんだろう。

「ふむ…旨い」
シャアはコーヒーをすすり機嫌を取るように言った。
「そうか?しかたなく飲んでるが、俺は本物のコーヒーが恋しいよ」
「贅沢を言うものではないなアムロ。アクシズでこれが飲めるだけで十分さ。
それだけでも君に礼を言いたいぐらいだ。君の働きにはつくづく頭が下がる」
「そうか。ところでFの事だが」
「う、うむ…」
誘導失敗。ちい、完璧な作戦にならんとは…!
「こんな稚拙な会話誘導が成功するわけないだろう。ところでFの事だが」
「な、何いっ!?心を読まれただと!?
アムロ、いちいち私の心に入るな!NTといえど踏み込んでr」
「そうだな。ところでFの事だが」
「…。」
「ところでFの事だが」
流石のシャアも観念した。
493『すべてはFになる』4/36:2013/11/25(月) 11:50:12.01 ID:???
しかたないので音も無く、優雅にコーヒーを啜る。
そんな些細な事でもずずずと、音を立てて飲むアムロと育ちの違いが判る。
そーゆー所が癇に障るんだ、と思いながらアムロは話を続けた。

が、シャアが先制する。
「もともと化粧や着こなしが上手くて綺麗な子だったが、
時間が経つに連れ美人になっていくな。あの子は将来女優かモデルになれるかもしれん。
言い寄ってくる男どもを捌くのに苦労するぞ。」
「…同感だ。で?」
「で、とは?」
「他には?」
「…何のことかね?」
アムロはポケットをまさぐると食堂のテーブルの上にちょこんと小さな器械をおく。
シャアの頬につーと冷たい汗が流れる。
「…」
「…」
「…隠し撮り、か。良い趣味だなシャア」
「ま、まて、落ち着けアムロ!」
「落ち着いているように見えないか。」
「…。すごくそう見えるな…」
「だろう?」
とアムロは落ち着いてコーヒーを啜る。

そういえばこういう時、大抵は拳が飛んでくるが今日はそんな気配が無い。
そして目の前のアムロは本人の言うとおり凄く平静だ。
(ではこのプレッシャーはいったい…)
494『すべてはFになる』5/36:2013/11/25(月) 11:55:30.48 ID:???
これはつまり…
(本気で怒ってる…!?)

シャアは気づいていた。アムロは怒るにつれ冷静になる男だと。
つまり流星拳でシャアをぼこったり蓑虫ぷらぷらさせてるときは、
恐ろしい事にアムロはまだ本気で怒っていないのである。

一年戦争末期にはもうその片鱗があったが、
先のシャアの反乱のときもアムロは戦闘中、凄まじいほどにクレバーだった。
エンゲージ直後のバズーカを使ったトラップには一瞬本気で死を覚悟したほどだ。
並のクレバーさではとっさにあんなフェイントは出来ない。

どんな人間でも戦いの最中というのは多少の興奮や緊張がある。シャアも例外ではない。
だが、アムロにはもしや、それが無いのではないか?

シャアはうっすら感づいていた。
自分がアムロに勝てないのは何も操縦センスやNT能力だけの問題ではない。
なによりもその異常とすらいえる、クレバーさが原因ではないかと。

つまり、今の冷静沈着クレバー極まりないアムロは。

臨 戦 態 勢。
495『すべてはFになる』6/36:2013/11/25(月) 12:14:45.49 ID:???
「ピキーン√は、はうあ!?」
こ、このままでは…
(し、死ぬっ!?)
シャアはかつて無いほどの恐怖を感じた。

「まてアムロ!話せば判る!」
「そうか、では話してみろ。ハロでFをストーキングしてた理由をな」
アムロは落ち着いて静かに、そう囁いた。
(怖っ!!)
生命の危機。シャアの頭がフル回転する。

「き、君は当然そのカメラの映像を見たのかね!」
「何…?」
どうやら当たりを引いた、と直感し
幾分か気を取り直してシャアは続けた。
「…君はまさか、中身も見ずに私を粛清しようとしたのかね?エゴだよそれは!」
「人の台詞を取るな。中身は見るまでもないだろう?
やましさが無いのなら何故隠しカメラで取る」
…どうやら命拾いしそうだ、とシャアはほくそえんだ。
496『すべてはFになる』7/36:2013/11/25(月) 12:21:24.98 ID:???
「君は何もわかっていないようだ…何なら中身を見てみるかね?」
「何?」
ここにいたってアムロは自分の早とちりの可能性に思い当たる。
確かに中身も見ずに断定するのは早計すぎたかもしれない。

「さて、どうするかね?アムロ君」
ほらほら、どうした、決めたまえ。
完全に余裕を取り戻したシャアが上から目線でそう言い放つ。
その変わり身にイラッとしつつアムロは思案した。

「…わかった。いいだろう、一緒に見てやる。
だがもしやましい映像があったら…わかってるな、シャア」

「それは見てから言いたまえ、アムロ君?」

シャアはにやり、と笑った。


・アクシズ漂流記『すべてはFになる』
497『すべてはFになる』8/36:2013/11/25(月) 12:26:23.28 ID:???
アクシズ〜♪アクシズ〜♪
ここは良いとこみんなでおいで〜♪

「はんはんふ〜ん♪」
「なんじゃそりゃ…」
とDが怪訝そうに言う。
「ん?アクシズの歌」
とAが陽気に応える。
ラウンジは年頃の娘達できゃいきゃいうるさい。
騒いでるのはもっぱらこのグループだが。

「おー!いいじゃん!おれも歌わせろー!」とG
「何いっ!?じゃ俺もだ!俺たちの歌をきけえー!」とD
「よーし!せーのっ!」A
ぱん、ぱん、ぱん!
「「「いた(てえ)い」」」
「下手な歌を聞かすなっ!」
アクシズの良心、アクシズのツッコミ役ことTが三人の頭をはたいた。

「ちょっとI、ぶつのはやりすぎよ…」
どうどう、とJがたしなめる。
498『すべてはFになる』9/36:2013/11/25(月) 12:29:48.66 ID:???
「いーや。お馬鹿は叩かなきゃ分からない。」
と、今やトレードマークになっている伊達めがねをくいっと上げるI。
「お馬鹿言ったー!」と涙目G
「馬鹿って言うほうが馬鹿なんだからねっ!」とA
「やーい!ばーかばーか!」べ〜と舌を出しD
「…子供か…」
Iがげんなりしながら言う。
私達も子供でしょ、とJが心で突っ込んだ。

アクシズは今日も平和だった。

そんなA、D、G、I、Jの漫才を遠巻きに眺めてる三人が居た。
「相変わらず仲いいのか悪いのか判らないわね、あの5人組」
とFがそっけなくそう言った。
「ふふふ、仲いいじゃない、いいグループだわ」
この若さで母性的、といえるような雰囲気をかもし出してるレア少女Kが柔らかくいう。
「ええ、とても楽しんでる…」
それに神秘的、という言葉がぴったりのHがふわふわと続く。
499通常の名無しさんの3倍:2013/11/25(月) 12:39:15.65 ID:???
しまったばいさる食らった
今日中に投稿できるのかこれ
500『すべてはFになる』10/36:2013/11/25(月) 13:31:25.01 ID:???
このF、K、Hの三人は俗にいって大人組だった。
姉妹達の騒動に参加するより、一歩距離を置いてその騒動を眺めてる方が好きなのだ。
そのためこの三人はよく一緒にいる事が多い。
「あっちもあっちで仲良さそうね〜」とK。
ラウンジのベンチに座ってなにやらしてるC、E、Lの三人だ。

「ふんふんふ〜ん」
お裁縫しながら鼻歌を歌っているC。
「…」
その隣で本を読むE。
「…お父さん大丈夫?」
とその向かい側でLは心配そうに言う
「よし、出来た」
とCが怪我したお父さんをなおして!
とせがんで来たLに渡す。
「わ〜、ありがとう!」
綻びを綺麗に裁縫されたお父さんを抱きかかえ嬉しそうにLが言う。
「…良かったね…」
「うん!」
と、EがLの頭を良い子良い子となでる。
501『すべてはFになる』11/36:2013/11/25(月) 13:36:29.80 ID:???
「あの三人見てると癒されるわ〜」Kがその光景を眺めて言う。
どうやらあの三人はKの母性本能をくすぐるらしい。
「…本当に同じクローンなのか信じられなくなるわね」
Fは、あの三人と自分との性格のあまりの違いにびっくりするのだ。
「ちょっと、その言い方は無いでしょう?」
Kがとがめるように眉をひそめて言う。もちろんFに悪意が無い事はわかっている。が、
「…クローンて言い方は、私もあまり好きじゃないわ」HもふわふわとFをとがめた
「事実でしょう?」
「そうだけど、わざわざそんな言い方しなくてもいいじゃない。
姉妹、て言えば済む事でしょう?」
「…そうね。」
Fはそっけなく言った。
「もう…」
Kは嘆息した。Fにはそういう偽悪的な所がある。ひねくれ者とも言うが。

KはそんなFの横顔を眺めた。
彼女は同姓からみても綺麗だった。
多分姉妹の中で一番美人だ。だから密かにFに憧れてる子は多い。
502『すべてはFになる』12/36:2013/11/25(月) 13:42:20.41 ID:???
アクシズで目が覚めたとき、12人は髪型から服装までまったく同じだった。
それが今では各自が個性と意思を持ち始め、それは外見にも表れるようになっている。

たとえば髪型にしてもCやIは伸ばしてるし、Gの髪はぼさぼさだ。
そしてFは三ヶ月ぐらい前からボブカットにするようになった。
その髪型は彼女のクールさをより際立たせ、美しく見せている。

でも、仮に自分が同じ髪型をしてもFほど似合わないだろう、とKは看破している。
そこがとても面白いとKは感じるのだ。
まったく同じ顔をしている自分達で、
それぞれ似合うものがまったく違うという事実が、面白い。
「人って不思議だわ」
「何よ、急に」

「ううん?なんでもない」
「ふ〜ん…」

「ところでシャアを射止めるのはIとJ、どっちかしら…」
Hは突然そんな事を言い出した。
「シャアがどちらに先に手を出すか、の間違いじゃなくて?」とF
「うふふ…それはどうかしらね?」と見透かしたようにHが言う。
503『すべてはFになる』13/36:2013/11/25(月) 13:47:57.65 ID:???
ちなみにHは、シャアに実は『言うほどの』ロリコン趣味など無い事に気づいてるし、
それどころか奴はマザコンである、とNT的感で見抜いてる。
だがそこはシャアの沽券にかかわるのであえて胸の中にしまっておいてやるのは彼女の優しさだ。

だったらロリコン疑惑も否定してやれば良いと思うかもしれない。でも。
(道化を演じていたいなら、そういう事にしておいてあげるわシャア)
本人が楽しんでいるならそれに水を差すのは無粋である。

「JにしろIにしろ、シャアの何処が良いのかしら?」
Fはポケットに手を突っ込みながらぼそっと言った。
シャアに対してFもちろんそれなりに感謝と親愛の情はもっている。
だが異性としてまったく興味を持てない(少なくとも今の所は)。

確かに見た目は満点だ、認めよう。だがそれが何だ。
Fは男の外見など興味が無い。
綺麗な男だからなんなのだ?女じゃあるまいし。
504『すべてはFになる』14/36:2013/11/25(月) 13:53:36.04 ID:???
そしてアクシズでの彼しかしらないFが見る限り、
シャアという男はただの情けない駄目男にしか見えなかった。

「なんとか食う虫も好き好きってよく言ったものね」とF
「だから、どうしてそういう言い方しか出来ないの?」とK
シャアもアムロも自分達のために良くやってくれている。
だからKは、どういう形であれシャアを悪く言う気にはなれない。

「事実でしょう」F
「しょうがないわねえ…」とKは眉を八の字にして苦笑いした。
それは正しく母親が幼い我が子に向けるようなそれだった。

それを見ながら、実は姉妹の中でマザコンのシャアを射止める可能性が一番高いのは
大穴中の大穴、Kではないか、とHは密かに思った。
Kもシャアも今のところにお互いに対して親愛の情以外無いのが、
それも今後しだいで分からない。
きっかけさえあれば、もしかしたら、もしかするかも。
Hは含み笑いしながら面白そうにその二人を眺めた。
505通常の名無しさんの3倍:2013/11/25(月) 14:31:10.81 ID:???
前後編にしとけばよかった。
連続規制で書き込み出来ないです。
つか皆さんよくこんな環境でSS投稿してましたね。
すげえや。

誰も読んでないでしょうが続きは後日。
さよならっ
506:『すべてはFになる』15/36:2013/11/25(月) 18:49:31.87 ID:???
Fは二人に別れを告げると、
なんとなくラウンジを出て当ても無く廊下をふらついた。

そしてやはりなんとなく展望室に行く。

想像してた通り、先客がいた。
Bだ。
「…」
「…」
互いに一瞬目を合わすだけで、会話もせず『そら』を見上げた。

宇宙。

Fはベンチに座り、
このそらが海だったらいいのに、と思った。
宇宙ではなく海の中を漂流してるアクシズ。
そうだったら、きっと『あれ』に会えるに違いない。
Fはアクシズと一緒に泳ぐ『あれ』を空想した。

「…」
その空想の虚しさにふ、とため息をつく。

そして別の事をぼんやりと考えた。
「…シャア、か」
そういえば、と。
最近はなくなったが、
シャアが一時期やたら自分に構って来たのを思い出す。
あれはなんだったたのだろう?とFは回想した。
507:『すべてはFになる』16/36:2013/11/25(月) 18:55:35.46 ID:???
「…」
つかつか廊下を歩くF。
「…」
その後をにこにこと金魚のふんのように付いて回るシャア。
「…」
「…」
「…」
「ぶえっくしょいっ!!!」
「…」
「ずずず」
「シャア」
「ん?何かね」と鼻水をすすりながらシャアが朗らかに言う。
「きもい」
「〜♪」
「消えて」
「ミ☆」
「…」
「ええい、私、シャア・アズナブルが構って欲しいといってるのだ!
それを分かるんだよっ、F!」
「分かっているわ。だからきもいと言ってるのよ?」
Fは最近のシャアが鬱陶しかった。
なによりこのままではIやJの嫉妬が面倒だ。
508:『すべてはFになる』17/36:2013/11/25(月) 19:00:06.10 ID:???
だからFは、ポケットに手を突っ込んだまま振り返り、
シャアにストレートに聞いたのだった。
「シャアは私に手を出したいの?」
「ふむ?」
面白そうにシャアは顎をなでる。
「そうだ、と言ったらどうする?」
「別に良いわよ」
それで気が済んで放っといてくれるなら。

これにはシャアも目をぱちくりした。
FはIやJのように自分に特別な感情を持っていないのを知っているし、
何よりそのFの言葉に嘘を感じなかったからだ。
「何故、と聞こうか」
「遅かれ早かれ経験する事じゃなくて?」と気だるくFは言った。
一応命を救ってもらった恩もあるし、と心で付け加える。
「確かに」
シャアはFの言葉を肯定しつつ。
「だが、逆に遅かれ早かれ経験する事だからこそ、
別段急いで経験する必要も無い。とも思わんかね?」
「ん?」
それは確かに、一理ある。かも?とFは思った。
「でも、シャアは子供が好きなんでしょう?」
509:『すべてはFになる』18/36:2013/11/25(月) 19:30:36.31 ID:???
「ああ、好きさ。
だが君の言う好きと私の好きにはかなり語弊があるようだ」
「どうかしら」
じゃあ何であんなにアムロにお仕置きされてるんだか。
「信じてくれないのかね?」
泣くぞ?パパ泣くぞ?
と言わんばかりの悲しそうな目でシャアが訴える。
「信じられないわ。なら何故私に構うの」
「娘を構いたくない父親がいると思うかい?」
「貴方は私の父親じゃないわ」
「だが私は君を娘だと思ってる。」
「そう…」
Fは静かに続けた。
「でも、もう構わないで。」
そこにはきっぱりと拒絶があった。
「…そうか。」

シャアはここが引き際か、と残念そうに目を伏せた。
510:『すべてはFになる』19/36:2013/11/25(月) 19:35:24.20 ID:???
「う〜ん」
あれは本当になんだったのだろう?
シャアという人物がさっぱり分からない。
本当に、あれのどこが良いんだろう?
まだアムロの方が理解できる。

アムロ、といえば。

Bに視線を向けると、彼女も相変わらず宇宙を見ていた。
結構時間が経つのにFとBはまったく会話していない。
別に彼女達は仲が悪いわけではない。
むしろ二人の間には一種のシンパシーがあった。
FもBほどではないが、どちらかというと孤独を愛してる少女だからだ。

それなりに器用なFは、集団の中でも心に立ち入らせない事で孤高を保てた。
だがはっきりと不器用なBにそんな器用な立ち回りは出来ない。
孤高を保つためには物理的に人と距離を置くしかない。

だからBは時にふ、と居なくなるのである。

「B」とFは呼びかけた。
511『すべてはFになる』20/36:2013/11/25(月) 19:50:27.30 ID:???
「…何だ」

一瞬Bの反応が遅れる。
たまにこうしてFとバッティングする時があるが、
話しかけてくる事は初めてだったから。
だからBは独りになりたい時でも
Fに限ってはそばに居ても気にならなかった。

「アムロのこと好き?」
「なっ」
Bが思わず赤面する。
「アムロのどういう所が好き?」
「…なんでそんな事聞くんだ。Fらしくもない」
少し気を取り直したBが赤面しつつも珍しそうに言った。
「そうね…」
たしかにFには珍しい。彼女は、自身の心に立ち入らせないかわりに
他者の心に立ち入る事も無い。干渉するのもされるのも嫌いだ。
だからたしかに自分らしくない、と認めながら続けた。
「知りたいの」
「…どう、説明して良いのか分からない」
「そう」
「…Fには、無いのか?」
恋心。
「無いわ。」
512『すべてはFになる』21/36:2013/11/25(月) 20:00:14.75 ID:???
IとJのようにシャアに恋する気持ちというのは理解不能だ。
まだB達のアムロへの気持ちの方が理解できそうだった。
「だから聞いてみただけよ」
「そうか…少し、安心した」
「どうして?」
「Fは美人だからな」
「そう?変な事言うのね」
そりゃ身だしなみには気を使ってるけど。とFは思う。
姉妹達は同じ顔なんだからだれが美人もないだろうに。

会話はそれだけだった。

興味を失ったのか、両手をポケットに入れ、
足を組んで気だるくベンチに座っているF。
自分と同じ子供なのに、Fはそんな大人びた仕草が異様に様になる。
同じ格好をしたら自分なら笑いを誘う自信があるのに。
何故こんなに違うんだろう?

実は、BはFに少しだけ(本当に少しだが)憧れと劣等感を持っていた。
武骨な自分に比べFの繊細さというか、女らしさはなんだろう、と。
歩き方や、些細な仕草一つとってもFはスマートで綺麗なのだ。
しかも彼女のそれはほぼ無意識だとBは分かっていた。
513『すべてはFになる』22/36:2013/11/25(月) 20:05:53.90 ID:???
だから一瞬不安に駆られたのだ。そんなFがアムロを好きになったらどうしよう、と。
(勝ち目が無いじゃないか…)

Fはどこか憂いのある表情で『そら』を見上げてる。
やはり憎らしいくらい絵になってる。

Bはその光景を見ながら思った。
姉妹で一番綺麗で大人びてるFは、
きっとこのまままっすぐ大人の美女になるのだろうな、と。
そして、旧世紀の映画に出てくるような異性を狂わす女になるんじゃないか。
ファム・ファタール。
白黒映画の女優は良くタバコを吸う、きっとFにも良く似合う。
Bは一種憧れをこめてFを見た。
きっと彼女は銀幕の女優に負けないぐらいかっこいい女になる、とBの感が告げた。

そしてBは、自分を抱きしめるような仕草で、宇宙とガラスに映る自分をぼんやり眺めた。
Fがうらやましい、と少しだけ思いながら。
514『すべてはFになる』23/36:2013/11/25(月) 20:11:53.95 ID:???
「…F」
「なあに」
「眠れないの?」
となりのベットのKが静かに言う。

消灯の時間になり、ベットに入ったFは
ぼんやりと天井を眺めていた。
同じく一緒になった姉妹たちはもう寝ている。

「別に」
「…アムロかシャアと、何かあった?」
「どうして?」
と不思議そうにFが言う。
今日夕食が済んでからシャアの姿を一度も見なかったから、とK。
「また何かしてアムロにお仕置きされたんじゃない?」
「ええ、だからF絡みかしら、って」
「だからなんでよ?」
「だってさっき…」
消灯の見回りにアムロが顔を出した時、ふとFと目が合った。
しばし、何の気なしに見つめあう。
そしてアムロはとても優しく微笑んで、お休みF、と言った。
お休み、アムロとFも返した。
「それだけじゃない」
「そうだけど…」

と、Kは何か思い出したように弾んだ声で言った。
「あ、そういえばね、Fが出て行ってから面白かったのよ?」
Kは含み笑いする。
515『すべてはFになる』24/36:2013/11/25(月) 21:00:44.31 ID:???
「怒ったAが凄い大声で歌いだしてね、ほら、あの有名な歌、題名なんだったかしら?
まあ良いわ、とにかく大声で歌って、Iはうるさい、てわめくんだけど、
当然DとGも負けるかって感じで大声で歌に参加して」
「ふうん」
「で、なんでか知らないけど、Eも歌い始めてね。
ああ、もちろん、あの子だから大声じゃないけど」
「そう」
「そしたらCもLも歌って、面白そうだから私とHも参加して、でとうとうJも歌い出してね!」
「へえ」
「でIはしばらくわめいてさ、でも流石に9対1でしょ?で、しばらく震えてたと思ったらね」
Kは今にも噴出しそうに続けた。
「ものすっごい大声で歌い始めたのよ!あのIが!もうやけくそって感じで!
それからしばらくみんなで大合唱よ!」
「ふうん」
「でね、歌い終わってからIたらね、顔真っ赤にして出てちゃったの!最高だったわ!」
あははは、とKが笑う。
「よかったわね」
「Fも居ればよかったのに…」
「そうね」
「…」
「…」
しばし言いよどんで、でも意を決したように、Kは言った。
「ねえ…F」
「なあに」

「私たちの事、嫌い?」

Fはかすれた声で言った。

「嫌いよ」
516『すべてはFになる』25/36:2013/11/25(月) 21:11:50.48 ID:???
その日Fは夢を見た。

目の前には水の塊。いや、湖だろうか。
いや違う、だって波がある、しょっぱい匂いがする。
そして空には太陽、見た事も無い、青。

ああ。

「これが…海」
自分は今地球に居るんだ。
そして遠くで、何か巨大なものがうごめくのが見えた。
モビルスーツ?
違う、だってこっちにバイバイ、て手を振ってる。
ああ。ああ!あれが。
「鯨!」

それは図書館にあったライブラリーを何の気なしに観賞してからだ。

鯨。

もちろんそういう生物が存在してるのをFは知っていた。
だが映像として見たのは初めてだった。

そして魅せられた。

こんな生物が存在する!
MSと同じぐらい巨大な生物が現実に存在するなんて!
Fはその事実にただただ圧倒された。生命の神秘を感じた。

ああ、この目で見てみたい。
そして一緒に泳ぎたい。
517『すべてはFになる』26/36:2013/11/25(月) 21:20:11.77 ID:???
だからFは嬉しくて飛び跳ねるように海に飛び込もうとした。
でもいつまで経っても、どれだけ走っても、海に近づく事が出来ない。
なんで、どうして!
鯨はやはりバイバイ、と手を振ってる。
いやだ、まって!
もっと近くで見せて!あなたを触らして!
一緒に泳がせて!

歌が聞こえる。知ってる、鯨の歌だ。
じゃああの鯨はザトウクジラだ、一番好きな鯨だ!

なのに。バイバイと手を振ってる、さようならって。
歌ってる、さよならって歌ってる。

嫌だ、嫌だ!まって!行かないで!
私も…!
「…って…」
Fの頬につーと涙が伝った。
それは誰にも知られず、枕に染み込み、乾いて消えた。
518『すべてはFになる』27/36:2013/11/25(月) 21:30:02.49 ID:???
「…て…」
「…F…F?」
Fの声が聞こえたような気がして、Kは小さく呼びかけた。
だが、こちらに背を向けているFは応えない。
しばらくして、静かな寝息が聞こえた。
「…」
Fは全てに壁を持った少女だ。Kはそう看破していた。
つまり彼女は誰一人心を開いていない。
シャアやアムロにも、姉妹達にすらも。
Bとはまた違う意味で孤独を愛してる。

つくづく難解な子だ、とKは思った。
Fは多分、姉妹の中ではもっとも複雑で難解な少女だった。
そしてだからこそ、Kの母性はFという少女を放っておけない。
そしてKは思うのだ。
(私達は本当に、『別の人間』なのね)
元は同じクローンだというのに、自分とFはこんなに違う。まったく理解できない程に。
それは姉妹たち全てに当てはまる。本当に、私達は一人一人が別の人間なのだ。
Kはその事実に感動を覚えた。生命の神秘を感じた。
519『すべてはFになる』28/36:2013/11/25(月) 21:40:17.62 ID:???
そして同時に思う。ニュータイプとは何だろう、と。
自分達は昔一つで、今は姉妹で、その上ニュータイプで、なのに。

お互いを理解出来ない。

Kは初めてジオニズムという思想に疑問を感じた。
彼女達はジオンに疑問をもつようには教育されていない。
だからその懐疑はまさに成長の証でもある。

(本当に人類が理解し合う日なんてくるのかしら?)
元は同じだった目の前の少女ですら理解出来ないのに。
それともそれは自分達が強化人間、つまりまがい物だからだろうか。
…分からない。

「…」
だからKは目を瞑った。
いずれ今の疑問に答えが出る日がくるのだろう、と思ったから。
大人になれば、きっと。

「…お休み、F」
520『すべてはFになる』29/36:2013/11/25(月) 22:00:14.54 ID:???
時間は少しさかのぼる。

「さて、じゃあ見せてもらおうか、シャア」
「うむ、良かろう」
アムロの部屋。モニターの前のソファに二人で腰掛ける。
「おっと、俺がやる」
小型カメラのメモリーから映像を出そうとするシャアにアムロが言う。
「おまえじゃ一瞬の隙をついてメモリーを消去しかねないからな」
シャアでももちろんその程度は出来る。
でなければハロに小型カメラを仕込むなど出来ないだろう。
もっとも、所詮付け焼刃だから簡単にアムロに発見されたが。

「つくづく疑り深い男だな君は。私がそんなあこぎな男か?」
シャアが少し憮然という。
「自分の胸に聞いてみろ…良し、写すぞ」
ピ、とモニターが灯る。

そして写ったのはFの写真、写真、写真。
「…シャア…」
静かにアムロが言う。
521通常の名無しさんの3倍:2013/11/25(月) 22:09:07.79 ID:???
最近このスレが活性化している・・・
うp主さんがんがれ。

とりあえず支援させてもらおうかね。
522『すべてはFになる』30/36:2013/11/25(月) 22:11:44.38 ID:???
「ま、まて!最後まで見ろアムロ!
第一、今まで写ってる映像を見て何か気づかないかね!?」
あわててシャアが言う。
「何か…?」
ずーとFの写真が続く。
姉妹達と話してる写真、歩いてる写真、仕事を手伝ってる写真、
展望室でそらを見上げてる写真…

「…良くわかったよ、シャア。つまりお前はストーカーなんだな?」
「違う!誤解だ!」
「この写真がストーカーのそれでなくて何なんだ!お前という男は…!」
「…これだ、見ろ、アムロ!」
「何?」
今にもシャアに掴みかかろうとしてたアムロの動きが止まった。

それは恐らく図書館だろう。
Fはライブラリーで何かの映像を見てるようだ。
問題はその表情。

まるでとろけるような、天使のような、Fの微笑み。
523『すべてはFになる』31/36:2013/11/25(月) 22:17:23.08 ID:???
「…」
Fのその写真にアムロは不覚にも見惚れた。
その写真は、一枚の絵画にしても良いくらい良く撮れていた。

「…気づいたかね、アムロ。というより君に聞こうとしてたのだが。
君は、Fの微笑を見た事があるかね?」
そう言われてアムロは記憶をさかのぼる。
が。

「…無い。」

アムロは愕然とした。
その事実にも、それに今まで気が付かなかった自分自身にも。
「…やはりそうか。私もだ。
まあ、私も気づいたのはつい最近さ。だから君を責める資格は無い」
「…」
「ここ数ヶ月で彼女は一際美しくなったろう?
姉妹の中でいち早く大人になり始めた、と言うべきかな。」
シャアは静かに語る。
「それでじろじろ観察してたのか?」
「茶化すな、今は真面目な話だ。まあ否定はしないがね」
「…すまん」
524通常の名無しさんの3倍:2013/11/25(月) 22:19:02.36 ID:???
よし、俺も支援するぞ
525『すべてはFになる』32/36:2013/11/25(月) 22:24:38.11 ID:???
「それで思ったのさ、何故彼女はいつもツンとした表情をしてるのかと。
姉妹と居る時も、私と居る時も…それで気が付いた。
私はFの笑顔を知らない事に。それに気が付いたらどうしても見てみたくなってな。
…私なりに笑わせようと努力したのだよ?」

笑い話をしたり、わざと滑稽な姿をみせたり。
「どうだった?」
「『ふーん』『そう』『で』『きもい』『きえて』」
「似てるぞ…」
アムロは笑いながら言った。
「時には眉を顰めたり、やはりツンとしたり。
つまり彼女はEのように表情が希薄というわけではないんだ。」
なのにアムロ達はFの笑顔を知らない。
「それで、ついハロを遠隔操作までしてFを隠し撮り、か…」
「ああ…そして想像通り…いやそれ以上に」
「…ああ、そうだな」

こんな笑顔を向けられたら、年の近い男は一瞬で撃沈するだろう。
アムロは、本当に、つくづく、Fが子供でよかったと胸をなでおろした。
526『すべてはFになる』33/36:2013/11/25(月) 22:30:20.87 ID:???
Fの微笑んでいる写真はそれ一枚きりだった。
それ以外はやはりツンとしていたり、どこか憂いのある表情をしていた。

「…しかしFは何を見てあんな笑顔をしたんだろうな?」
「ふっ抜かりない。ちゃんと調べたさ。ザトウクジラのライブラリーだ。
それ以外にも様々な鯨関連の映像を見てる。どうやら彼女は鯨が好きなようだ」
「…シャア。プライバシーというものを知ってるか?」
「無論だ。」
「だったらプル達の観覧記録など見るな!」
「何を言う、君だって知りたかったろう?それにあの子達の趣向を知るのは、
コミュニケーションにもプレゼントにも役立つと思わんかね?」
「それは…そうだが」
「これぐらいは多めに見ろ、アムロ」
珍しく真剣な調子でシャアは言う。
「私達は唯でさえ未熟な保護者なのだ。
これぐらいのズルはしなければ12人も対処できん。違うか?」
1人でさえ年頃の女の子は難しい。なのにそれが12人。
「む…ううむ…」
唸りながらアムロは腕を組んだ。
悔しいが反論できなかった。
527『すべてはFになる』34/36:2013/11/25(月) 22:37:45.56 ID:???
「なるほどな…確かに、今回はやましい心が無かったと一応認めてやろう」
アムロは何度もカメラのメモリーを確認しながらそう言った。
本当に下着姿やら裸の写真などなかった。

シャアはほっと胸をなでおろす。
「そうか、わかってくれたかアムロ。それでこそ私のライバルだ」
「ああ。だから、そうだな、サウナ室一時間で勘弁してやる」
アムロはロープをぴん、と張ってそう言った。
「うむ」

…。

「まてアムロ、その理屈はおかしい。
というよりそのロープはどこから出したのかねっ!?」
「そーゆー事は言いっこ無しだ。」
ロープをもってずんずん近づいてくるアムロにシャアは必死で言い募った。
「まて、写真の美しさは君も認めたろう!?君にしては珍しく見とれてたではないか!」
「まあな。だから蓑虫で勘弁してやると言ってるじゃないか」
「だから何故だ!」
528『すべてはFになる』35/36:2013/11/25(月) 22:44:48.12 ID:???
「ストーカーしてたのは事実だろう?
それに俺は隠し撮りが嫌いだ。写真をとりたきゃ堂々と撮ればいいだろうが!」
「愚かな、芸術というものをまったく分かってないぞアムロ!
そもそも君は私の話を聞いてたのかね!?
人間自然体が一番美しい、だから被写体に気づかれてはr」
「分かった分かった。サウナ室で喚いてろ」
「ええい、分からん男め!」

・・・

なにやらサウナ室で喚いていたが数分で静かになる。
いまごろぷらぷらしてるだろう。

「ま…写真の良さだけは認めてやるよ」
確かに、自然な状態でなければあの写真は取れないだろう。
だからシャアの言い分も今回ばかりは分からなくも無い。
Fの微笑んだ写真は本当に美しかった。額縁に入れて飾りたくなるほどに。
529『すべてはFになる』36/36:2013/11/25(月) 22:55:33.01 ID:???
だがシャアに言われるまでFの笑顔を知らない事に気が付かない自分とはなんだろう?
未熟者だと分かっていたがここまでとは。
自分は人として大切な何かが欠けてるんじゃないか。
アムロは自身に失望せずには居られなかった。

だが、やっぱり隠し撮りというのはアムロは好きになれない。
そして隠し撮りでしか笑顔を見せないFはつまり、
そのまま自分達の保護者としての未熟さを現してる。

「だから、今度は堂々と撮れよ、シャア」
はい、チーズ、と言ってあの笑顔で撮らせてくれるように。
頑張ろうぜ、シャア。
…お互いにな。

そしてその時が来たらあの写真をFにプレゼントしてやろう。
彼女はどんな反応をするだろうか。
ふーんとそっけなく受け取るか。
それとも自分の微笑みの美しさに驚くか。

アムロはその日が来るのが楽しみだった。
530おしまい。:2013/11/25(月) 23:00:01.66 ID:???
SS書くより投稿するほうがきついってどうゆう事(皆さんこんばんわ

初代スレから10年たつのに
未だに超絶影の薄いFを何とかしたくて書きました。
でも余計なことだったかもしれない。ううん。
そしてKが敬語で話す事忘れてて猛省。

見逃してるだけでFが微笑む描写のあるSSがあるかもしれません。
その場合、時間軸は出来るだけぼかしたのでそのへんのあれ的な。はい。
色々気に入らなかったらこのSSごと無視してくださいな。

ではスレ汚し失礼しました。あと支援してくれた人ありがとう!さよなら〜
531通常の名無しさんの3倍:2013/11/26(火) 00:43:04.74 ID:???
>>530
お疲れ〜

スレ汚しなんて言わずにまたなんか書いてくだちい。
待ってるじょ。
532通常の名無しさんの3倍:2013/12/01(日) 20:34:35.85 ID:???
>>530
おつかれさん!
また何か出来たら書いてね、楽しみにしてる
533通常の名無しさんの3倍:2013/12/13(金) 15:45:13.81 ID:???

>>初代スレから10年たつ
すげえなこのスレw
534通常の名無しさんの3倍:2013/12/14(土) 11:37:48.59 ID:???
ん?
これから20年30年続くのに何驚いてるんだ
『あなたは誰も愛してなければ守るものもないのに!』

それはかつてララァがアムロに放った思惟だ。
当時のアムロはそれに反発した。
それの何が悪いのか!と。
だがその意味を理解したのは一年戦争後の、あの軟禁生活でだった。

あの時、アムロは生まれて初めて真の孤独を経験したのだ。

もはや家族も無く、ホワイトベースの仲間たちとも連絡を取り合えないあの環境の中で、
アムロはいかに自分があらゆるものから守られ愛されてきたかを知ったのだ。
あんな家庭を帰りみない親からでさえ、守られていたのだという事実に。

そしてララァやランバ・ラルや自分が殺した名も知らない人々の死に思いを馳せた。
それは戦争の渦中では考えなかった事だった。正確には考える余裕など無かった。
忙しく目の前の現実に対処するのはある意味で楽だ、思考を殺してくれるから。

だが軟禁され無為の日々を送る事を余儀なくされた当時のアムロには
その死を直視させられるのは回避できなかった。

そして自分の罪深さに絶句した。
自分は彼らや彼女らを殺してまで生き残る価値があったのか。
まだ少年でしかなかったアムロにその問いは残酷すぎた。
アムロはただ独り震える事しか出来なかった。
戦いの後には休みが必要だ、と
シャイアンの7年を弁護してくれたのはベルトーチカだったか。
その言葉もたしかに真実だと思う。
自分はあの一年戦争で、ララァの死で、どうしようもなく疲れ果てていた。
魂が心底、疲弊していた。

だがそれだけではなかったと今のアムロは思う。

自分は恐らく、初めて真の孤独を経験し、初めて守るものも無くむき出しの自我をさらし、
そして社会の、世界のあまりの巨大さに、そしてそれに対する自我のあまりの脆弱さに

…戦慄いたのではないか。

事実カツとのあの場からの脱出劇をアムロは鮮やかにやってのけた。
輸送機で新型可変MSを撃墜するというおまけつきで。
つまりアムロは本気で、真剣にあそこから逃げ出そうとすればいつでもそれが可能だったのだ。
それをしなかったのは、どうしてもその気になれなかったのは、
自分にはそれが必要だったからなのだろう。

だがそれゆえに、アムロはララァの言葉の意味を理解した。
理解してしまったのだ。
ララァの事はあまり詳しい生い立ちは知らない。
傷が癒えない当時の自分は知りたくなかったのだ。
だが最低限の事は知っている。
シャアに拾われたこと、…親族が、いない、天涯孤独の身である事。

アムロは思った。
君は、もしかするとずっと子供のころから、こんな孤独に身をさらして生きてきたのか。

アムロの指先が震えた。社会のあまりの巨大さに立ちくらみを起こしそうになった。
アムロの足が震えた。自分が誰ともつながっていないというその不安に吐き気がした。
アムロの全身が震えた。自我のあまりの存在の薄さにめまいがした。

ララァ、ここは暗い…誰もいない…。
寂寥感に、歯ががちがちと鳴った。

『あなたは誰も愛してなければ守るものもないのに!』
それはララァの魂の叫びではなかったか。

二人が溶け合ったあの瞬間を思い出す。
それでも、君はシャアを守ろうとした。

君は、守ろうとした…。
『あなたは誰も愛してなければ守るものもないのに!』

「ああ…!」
それの意味を真に理解したとき、アムロはただ泣いた。
ただ激しく、むせび泣いた。

ああ…ああ…ぼくは…何て…取り返しのつかない…

アムロは鼻水と涎をたらしひたすら泣き崩れた。
それほどの無様さをアムロが世界に対して晒したのは初めてだった。
ララァを殺した時ですらこれほどの悲しみは無かった。
それはアムロが生まれて初めて経験する、絶望にも似た。

まさに、慟哭だった。



・地球行if『慟哭/プルBは孤独を嗜む。』
T

宇宙と孤独はよく似ている。

前面に青い宇宙が広がる。
そうやってそらに独り漂っていると時にこう思う。

帰りたい。

「何処に」
アムロは低く囁いた。

『何か言ったか?』
「いや」
シャアの通信にアムロは頭を振った。
『そうか…それで、HIνの調子は』
「上々だ」
バーニアを吹かしAMBACで縦横無尽に宇宙を駆ける。
シャアはブリッジで眺めながらその機動を美しいと思った。
海を泳ぐイルカのような。
まさに水を得た魚という表現がぴったりだった(イルカは哺乳類だが)。

HI−νガンダムは木星出発から五ヶ月も経たずほぼ完成した。
それはアムロの頭の中に完璧な完成図があったからでもあるし、
プル達の熱心な協力があったからでもあるし、
そもそもHIνの基礎モデルとして譲渡するまえ引っこ抜いていた
νの基本データがあったからでもある。
だがそれでもこんな短期間で完成するとはシャアにも予想外であった。

今はまだ地球圏から遠い、そのため連邦の監視を心配する必要はあまりない。
だがこの先は別だ、地球に近づくに比例してMSが必要になる危険性も高くなる。
だから一日も早く完成させたい気持ちは分かるし、シャアとしてもそれはありがたいのだが…
(何を焦っているのだ?アムロ)
シャアはついそんな印象を持ってしまう。
アムロは何かしらの焦燥感に駆られている、と。
それは地球が近づくほど強くなっているように感じられた。
かつて木星に近づくほど焦燥感を募らせたシャアとは対照的だった。

「お帰りっアムロ」とA
「ねねね、でどうだった?どうだった?」D。
テスト飛行を終えドックに帰還すると、そこではプル達全員が待ち構えていた。
「まだちょっと調整が必要だが上々だ。みんなのおかげさ」
アムロがハッチから出ながら騒いでるプル達に言う。
「次あたし!あたしが乗るっ!」A
「あーずるい!私もー!」とL
「ほらほら順番だ。二人づつだぞ」
「よーし!ならじゃんけんだ〜!」とA
「何い!?おーし受けてたつ!」D
じゃーんけーんぽい!あいこでしょ!あいこでしょ!しょ!しょ!しょ!しょ…

「それにしても、綺麗なモビルスーツね」
一向に勝負のつかないじゃんけん大会を開いてる姉妹達を尻目に、Fが珍しくそんな感想を言った。
HIνは確かにそう評価されるにふさわしい機体だった。

基本となる胴体部分はνとあまり変わらないが、背中のツインファンネルはまるで翼のようで、
そのフォルムに白とスカイブルーというカラーリングは、
この場に居る誰が想像するよりもHIνに良く似合っていた。
「本当にな…Gにしちゃあやるじゃないか」
Iもそう賛同した。そのカラーリングはG発案だったからだ。
「えっへっへ」
Gも満更でもなさそうに笑う。
後ろではあら、私の勝ちねとHが勝鬨を上げた。

完成間近という事で、ここしばらくプル達は全員HIνに付きっ切りだった。
消灯の時間になっても続けたがる彼女達を寝かすのにアムロは苦労したし、
時には彼女達の勢いにまけ、少しだけだぞと譲歩し結局徹夜させてしまった事すらある。
彼女達のHIνの入れ込みっぷりはアムロにも以外だった。
どうやら彼女達はHIνを自分達の子供のように思っているようだった。
そして一家総出(シャア除く)の協力作業に夢中になっているのだ。

が、もちろんそんな状況に寂しんぼ総帥ことシャアが耐えられる訳もない。
だがシャアはこの船の艦長なのだ、そうである以上あまり艦長席を留守には出来ない。
(もちろん自動航行可能なのだが、万が一もあるしそこは慣例という奴だ)
それでも頻繁に顔を出してはプル達に『邪魔「よ」「だ」「です大佐」』と言われ
時に古傷をえぐられ涙し艦長席で一人のの字を書くのはもはや日常風景だった。
「はあ…」
「お疲れ、と言おうかアムロ」
パイロットスーツのままブリッジに上がったアムロにシャアが揶揄するように言った。
処女飛行のあと、なんだかんだでプル達全員(二人づつ計6回も)乗せて流石にアムロも疲れたのだった。
ちなみに羨ましくてシャアは少し拗ねていた。
「からかうな…疲れたよ」
「いいではないか、娘達にかまってもらえるうちが華だぞ」
「ならおまえが乗せてやればよかったのに」
「HIνは一応君のだからな。後で私も乗せてもらうが今回は花を持たせてやったのさ。
ところで最終調整はどれほどかかる?」
「そうだな…一週間てところかな。機体そのものはいい出来だ、あまりいじる必要はないな。
だがサイコミュの調整はまだ少し時間がかかるだろう」
「そうか…」
「で用件は?」
とアムロは早く着替えたくて急かした。
プルを乗せた飛行を終えた直後、シャアから通信があったのだ。
『すぐに来てくれ、見せたいものがある』と。
「うむ、これだ。君の意見を聞きたい」
ディスプレイに宇宙が写る。
何もない。
「まだ遠すぎてな…これが最大だ。良く見てくれ、ここだ」

指差す先には小さな、小さな光。よく目を凝らしていないと気づかないほどの、光。

「…船?」
「…君はそう思うか。」
シャアは顎に手をあて思案するように言った。
「輸送船…か?木星の」とアムロ。
「わからん…HIνの飛行を眺めてるうちに気づいたんだ。
そうでなければ気がつかなかったろう。君は分からなかったか?」
「ああ…なら向こうもこちらに気づいてるかもな…」
「そうかな」
アムロは何度か目を瞬いた。
「…気づいてるな。こちらに近づいて来てるように思える…」
「…君がそう感じるなら信じよう。
だが、ただの輸送船ならわざわざこちらに接近する必要は無い…」
シャアは嫌な予感がした。
「船が接近してるんだって?」

ブリッジに入るなりTはシャアに聞いた。
「同じ木星輸送船じゃないんですか?大佐…」
J、K、が続く。
「まだわからん、が…。アムロ?」
少し遅れてブリッジ入りしたアムロに話を向ける。
万一を考えてオペレータが上手い子をドックから呼んできたのだ。
「ああ…あまり、良い感じはしない」
アムロは船らしき光を睨みながらそう言う。
「他の子達は?」
「Hiνの戦闘準備をさせている」
戦闘準備、という言葉にプル達が反応する。
「アムロ…戦うん、ですか…?」とK
「備えあればさ…。少し見えてきた」
最大望遠にしたウィンドウにようやく輪郭らしきものが見えてくる。

「この形は…少なくともジュピトリスではないな」とシャア
「ああ…連邦の、船のように、見えるが…」
「…K、継続して観測続けろ。J、操舵に、進路そのまま。
T、ミノフスキーに注意しつつ周囲索敵」
シャアがてきぱきと指示を出す。
「はい」「はっ!」「了解」
「アムロ、私より連邦の船には詳しいだろう、種類は分かるか?」
「この距離じゃな…それに俺はもう5年のブランクがある。新造艦だったらわからない」
「…ふむ」
「あの…ただのパトロールではないんですか?」とK。
ここまで大げさにする必要はあるのだろうか、と彼女は思った。
「うむ、もちろんその可能性もあるがな…
だがここはまだ木星圏だ。連邦はそんなに勤勉かな?」
シャアは諭すように優しく言った。
「ああ……。分かりました。観測続けます」
意味を了解してKは緊張しつつ仕事に戻った。
「たのむ」
「シャア、対象見えてきたぞ。」とT
「…シャア」とアムロ。
「何かわかったか?」
「これは恐らく、ラーカイラム…少なくともその系統の船だ」
「…ロンド・ベル、だと?」
シャアに緊張が走った。

アムロも眉をひそめている。
「それはわからん…あの後ロンド・ベルがどうなったのか知らないし、
ライカム級も他の部隊にも配属されるようになったのかもしれないが…」
だがラーカイラム級は93年当時ではロンド・ベル隊だけに配属された戦艦だったのだ。
「…シャア、俺はHIνで待機する。ブリッジの通信はつなげといてくれ」
アムロはそう言いつつブリッジを飛び出した。
「たのむ!T、ただちにミノフスキー粒子を20パーセント配布、
いつでも戦闘濃度まで上げられる様準備」
「了解!」
「艦長、対象より信号です」
Kがやや緊張気味に報告する。
「先手を打たれたな…停船命令か…」
悪い予感が的中した。
そしてHIνが実質完成した直後のこのタイミング。

もしやアムロが感じていた焦燥の理由はこれか?
それは改めてアムロのニュータイプとしての凄まじさを物語っている、とシャアは思った。
それに比べ自分ののん気さときたら。

「J、船を止めろ。ただしエンジンそのまま、いつでも最大船速で離脱できるよう待機」
「はいっ!」
「あ、熱源…MS接近!一機です!ええと」
「ジェガン、か…」
『シャア…先制しよう』
アムロの通信。
「まて、まだ早い」
『木星圏だぞ?正体がどうであれ、ただのパトロール目的じゃない!』
「だからこそだ。何としても理由が知りたい」
『包囲されてからじゃ遅いぞ』
「分かっている…MSが何機あるかだな」
「艦長、通信です!…どうします?」
「…音声だけ繋げろ」
少し考えてシャアはそう指示した。

雑音と共に通信がオープンになる。
「こちらジュピトリス4、何の御用か」
『こちら連邦所属ラー・エイム。映像が届いてないようだが?』
「ミノフスキーが濃いのでな。連邦政府がこんな所で何を?」
『応える義務は無い。直ちにエンジンを切れ』
「我々は監査役として地球に向かっている」
『聞いているよ。だから詳しい話を聞きに来たのだ』
「…そちらからわざわざ出向いてきた、と?」
シャアは眉を顰めた。これは…
『そういう事だ。もう一度言う、エンジンを切れ』
「君たちが海賊でない保証は?せめて所属部隊くらいは言ってもらいたいな」
『ロンド・ベルだ。』
最悪だ。
シャアは舌打ちしかけて危うくそれを止めた。
「そうか…ではブライト大佐は元気か?」
『…ブライト指令を知ってるのか?』
「古いなじみでね。船に?なら挨拶したいのだが…」
『いや、ブライト指令は今はロンデニオンだ…
…いいかげんにしろ。エンジンを切れと言った』
「了解した、信じよう」
通信を切る。
「大佐…どうします?」と心配気にJ。
「…」
IもKも固唾を呑んでシャアの指示を待った。
数瞬の沈黙の後シャアは落ち着いた声で言った。

「聞いていたか?アムロ」
『…ああ。』
「頼めるか?」
『艦長だろ、命令しろ』
「…良いのだな」
『今更だ…違うか?』
シャアは一つ、二つ肯いて、声を上げた。
「ではアムロ、準備出来次第HIνガンダム発進。
T、ミノフスキー戦闘濃度散布いそげいっ、
J、アムロが出撃次第即戦線を離脱!」
「了解!」「は、はい!」
「アムロ、出来たらで良い、敵艦を捕獲できないか?」
情報が欲しい。資材や食料も。
アムロはその意味を正確に理解した。
『まるで宇宙海賊だな。わかった、やってみよう…アムロ、HIν出るぞ!』

そのころドックはてんてこ舞いだった。

アムロの戦闘準備を、という指示どうりあわてて9人の姉妹達がHIνの武装を準備している。
が、どうもいまいち緊張感がなく、ようやくシールドを装備させただけだった。
だからアムロがドックに入るなり声を上げたのだった。
「遅いぞ!何をやっている!」
その剣幕に姉妹達に緊張が走った。
ようやく現実感が追いついた。

本当に、アムロが戦うんだ、と。
「え、出撃!?」
Dがあわててアムロに言う。

「ライフル準備だ!いそげ!」
「えっあっ、はいっ!」
いつもと違うアムロにDは思わず敬語で返した。
「なあ、出るのっ!?」とG
「みんなはブリッジに!ライフル!まだか!」
「…アムロ、どうなってるんだ!何があったんだ!?」
とBが言い募る。
「ブリッジでみんなと大人しくしてるんだ。いいね?」
その問いにはアムロは答えなかった。
「アムロ…」
Bはなにかを逡巡し、でも決意したように言った。
「アムロ、私も一緒に」
「駄目だ!」
アムロはぴしゃりと言った。
その剣幕に思わずBが首を竦める。
「…大丈夫、俺達にまかせてくれ。ライフル!遅いぞ!」
「ライフルできたよ!」とL。
コクピットのハッチを閉めアムロはバイザーを下げた。
『よし、出撃する。みんなはブリッジに!いいね!』
「ドック開放するわ。よくて?」とF
『たのむ!』
「みんな気おつけろー!HIνでるぞー!」G
秘密ドックが開放された。
「HIν出ます!HIν発進!!」とD。
ダブルアイに光が点る。

そしてHIνガンダムが、宇宙を駆けた。
「…」
Bはその青い一筋の光が走った先をずっと見つめていた。

状況が分からなくてもアムロが危険な事をするのだけは分かった。
アムロは事情を説明してもくれなかった。
それは自分達が子供で、知る必要がないと思ったからだろうか。
Bはそれに激しい疎外感を感じた。
とても、とても深い悲しみを覚えた。

ああ、子供なんて嫌だ。

Bは心で念じた。
私は嫌なんだ、アムロ。
私は嫌なんだ、守られているだけなんて嫌なんだ。
「アムロ…」
自分の無力さにBは泣きそうになった。
無意識に首に下げたサイコフレームの欠片を握り締める。
ああ早く大人になりたい。
守られるだけの子供なんて嫌だ。
貴方の隣にいたい。
貴方を助けたい。
ずっとそばに居たい。
「無事で…」
祈るしかない自分に絶望に近い感覚を持ちながら、
Bはただ、アムロが無事に帰る事を強く強く願った。
『ミノフスキー濃度上昇…?ジュピトリス4より熱源…MSです!数1!』
「なんだと?」
ジェガン隊の隊長はコクピットで待機しながらその女性クルーの通信に思わず呟いた。

『約200秒後エンゲージ!』
「本当か!?」
彼は今回の任務を艦長から聞かされたとき笑ってしまった。

シャア・アズナブルの生存確認。
ありえない、と思ったからだ。
もちろん、今もジオンシンパにはシャアの生存は信じられているが、
それは一種の宗教のように彼は感じた。
困った時のなんとやらだ。
彼は先のシャアの反乱の時も参加した古参パイロットだった。
だからこそ、あれだけの凄まじい戦闘でMIAになった以上生存はないと確信していた。
艦長も同意見のようだった。
だが命令だ、と憮然としつつ言ったものだ。
なのに。

「まさか…ほんとにネオジオンのシャアが生きてたってのか?」
『ジェガン隊全機出撃!』
「艦長!敵機の機種は!?」
『不明だ、だがサイコタイプの可能性がある。一機でも油断するな!』
「本当に、シャアが生きてたんですか!?」
『わからんよ!!俺が知りたい!』
艦長は吐き捨てた。
『敵機速度上昇!120秒後エンゲージ!』
『出撃だ!いそげ!』
「わかったよ、了解!」

ラーエイムから五つの光が発進した。
ジェガンを加速しながらブリッジに通信をつなぐ。
「艦長、先行した6番機を下がらせてくれ」
『駄目だ、ミノフスキーが濃くて通信が届かん!』
「あいつ接触する気か!?」
『ジェガン6番機、アンノウンと接触します!…あ、
え?爆発…あっ、げ、撃沈!6番機やられました!』
「………一瞬で?」
ぞわり、と全身に鳥肌が立った。
『…援護射撃する、射線をふさぐなよ!』
「…了解」
『アンノウンさらに速度上昇…約46秒後エンゲージ、ジェガン隊気をつけて!』
祈っててくれ、と思いながら隊長はジェガンを加速させた。
小さな光。
「…ライフル!?避けろ!」
ズゥオ!とメガ粒子が彼の側を通り過ぎた。
後方から爆発の光。船に直撃!?
『ラー…被弾…主砲…て…さい!』
『ジェガ…近づ…なっ!』
雑音の入った通信に再び彼は鳥肌を立てた。なんて正確な遠距離射撃!
「撃て!船には絶対近づけさせるな!帰るとこがなくなるぞ!」
彼は当たらないのを承知でアンノウンにライフルを連射した。
この相手にスナイプする隙を与えてはならない、他のジェガンも射撃を始める。

ようやく、敵機の姿が見えた。
「ガンダム…!?」
彼は戦闘中にもかかわらずそれに一瞬見ほれた。
ブルーとホワイトで統一されたカラーリングに羽のようなブースター。
その形状はまさに美しいとしか表現しようがない。
だから彼の脳内で人生最大のアラートががんがんと鳴った。
「拡散!」
いそいで部下達に命令をだす。
あれが普通のMSなわけが無い、MSとは兵器だ、そこには機能美しかない。
ガンダムである事を含めてもその特別さ、美しさは戦場であまりに異状すぎた。
ではそれに乗っているパイロットは?
「警戒しろ!!包囲するんだ!」
乱戦が始まった。

5機で連携しながら撃つ、撃つ、撃つ、
回避回避回避当たらない!
「回り込め!」
その指示に2番機がガンダムの背後に回る。

とった!2番機パイロットはその思惟が脳に走りきる前に蒸発した。
ガンダムが背のツインファンネルの一つから『装着したまま』メガ粒子砲を発射したのだ。
さらに4番機の至近距離からのライフル射撃に、やはり装着したままの左上のファンネルから擬似的にサーベルを発生させ
ぐるんと上方回避運動の機動に乗せ切り捨てその射線上の5番機をライフルでスナイプするとフルスロットルで岩の影に隠れた。

一瞬で3機。
「ニュータイプだっ!!!」
隊長はほとんど悲鳴のように絶叫した。
ちなみにアムロがフィンファンネルを発案した時の本来の使い方の一つがこれだった。
つまり死角の敵機に対しての背面射撃。
『背中に目が付いている』アムロにとって、既存のMSで最も不満があったのが
前面に対してだけの火力の集中だった。それもあたりまえだろう。
普通の人間にとってメインカメラの移らない箇所に火器があった処でどうしょうもないのだから。
(戦闘のコツを聞かれて背中に眼をつけろとのたまう人間は宇宙でもアムロぐらいだ)

だからアムロは自身にとって理想のガンダムを作る際、その辺りを補完した物を作るはずだった。
だが結局時間が足りず、彼は苦肉の策としてνガンダムのハイパーバズーカを背に装着したまま打てるようにしたのだった。
そしてHIνとはアムロの理想の体現である。
その理想どおり、翼のようなツインファンネルは六基全てが展開後も再装填、補充が可能で、
さらにジョイントにかなりのゆとりがあり、サイコミュ兵器であるためレバー操作する必要すらなく
装着したままの背面スナイプが可能なのだった。
つまり背中にすら目が付いているアムロが乗ったHIνには、実質死角が存在しなかったのである。

「なんて…」
ジェガン隊長は不覚にも敵に感嘆してしまった。
相手のNT能力にだけではない。
NT自体はさほど怖い相手ではないのだ。
特に熟練が足りない兵の場合、なまじっか気が判るばかりにこちらの殺気に面白いように反応する。
それを利用して相手を罠にかけるのも簡単だった。
だがこの相手は違う、操縦センスもNT能力も兵士としての熟練も上の上の上。
極まってる。
勝てない。
OTの彼にすらわかるほどはっきりと自身の死を予感した。
その予感に失禁した。漏らしたのは初陣以来だった。
彼は敵に憧れすら抱いた。

「…シャアだ」
だから彼はそれを信じた。ネオジオンのシャアが生きていたのだ。
あの赤い彗星として恐れられたシャアが、あれに乗っている。
機体がガンダムである事や、そのカラーリングが赤ではなくその反対の青である、
などと言う事はもちろん頭の隅に追いやられた。些細な問題だった。
これほどの凄まじいパイロットが無名なわけが無い、絶対に。
ならシャア以外に誰が居る?

そのパイロットが実はガンダムの象徴であり、
面識はないが元は同じ部隊に所属していたアムロ・レイその人なのだとは発想もしなかった。
当然だろう。連邦の英雄とそのライバルであるシャアが生きていて、
その上何の因果か家族をやっているなど。

そんな事を想像できる人間は宇宙に誰一人、いなかったのだ。
「ああ、ぜ、全滅…ジェガン隊6機全滅です…」
「…まだ、二分も経ってないんだぞ!!?」
ラーエイムのブリッジで、艦長は通信士の報告に絶叫した。

「シャアだ…」
クルーの一人がぽつりと言った。
彼らもジェガン隊の隊長と同じ考えに行き着いたのだった。
「弾幕いそげ!!」
艦長はどなりちらした。主砲は最初の狙撃で破壊された。
その時点で艦長は不吉さを感じたのだ、あの距離からの狙撃を成功させるなど普通じゃない。
まさか、と。
「なにをやってる!早く…」
どこか呆然と呆けているクルーにもう一度怒声を浴びせようとして、艦長は舌を噛んだ。
爆発音と共にブリッジが大きく揺れる、1回、2回、クルーの悲鳴がそこかしこから上がる。
「ああ、副砲、3番砲、狙撃されました!」
「だからどうした!何を呆けている!まだ生き…」
艦長はその言葉を続ける事が出来なかった。

目の前のブリッジのモニターに大きな穴が見えたからだ。
ブラックホール?艦長はそんな事を一瞬考えた自分に失笑した。
ああ、こんな男だからか、と己に失望した。
だから、私の人生は終わるのだな。

シャアが生きてる、その事を艦長も信じた。
そうでなければ単機にこうもたやすく…
なら何故もっと真剣にその可能性の意味を考えなかったのか?
この任務を受けた時点でなぜ。
もう何もかも遅い。

「降伏信号…だせ」
自分達の任務を知れば見逃してくれる可能性は無いだろうがな、と。
艦長はその穴、ライフルの銃口をブリッジに向け沈黙してるガンダムを見つめながらそう言った。

戦闘は終わった。

ジェガン隊出撃から僅か107秒の出来事だった。
558通常の名無しさんの3倍:2013/12/19(木) 19:35:52.88 ID:???
おのればいさるめえ…
小分けにして正解だった
誰も読んでないきがするけどまあいいや。

では続きは後日。さよならっ
559通常の名無しさんの3倍:2013/12/19(木) 21:45:28.54 ID:???
乙でした。

流石に手足や武器壊してMSで宇宙漂流刑はしなかったかアムロ。

続きを楽しみにお待ちしています。
560通常の名無しさんの3倍:2013/12/19(木) 23:00:45.83 ID:???
おおっ、なかなかの急展開。
このスレが盛んだったころには良くも悪くも書けなかったSSだと思うね。
プルたちの日常生活はもちろん好きだけど、たまにはこんな風に先の展開を書く人がいてくれると嬉しい。
U

シャアはラー・エイムのブリッジに全クルーが集められたのを確認してから乗り込んだ。
平行して出来るだけの資材や食料を運び込む。
その間アムロはガンダムのライフルをブリッジに向け続けていた。

アムロはブリッジに集められた数十人のクルーを眺めた。

不安そうだった。すでに諦めて泣いている人もいた。当然だろう。
(すまない、苦しめるつもりは無いんだ…だがもう少し待ってくれ…)
アムロは心でわびた。本当にすまない、と。
もしかしたらアムロの知り合いも居るかもしれない。

『調査はすんだぞ。搬入もな』
ようやくシャアから通信が入る。
「結論だけ聞こう」
『見逃せん…残念だが』
「…わかった。シャア、先に行っててくれ」
アムロは落ち着いてそう言った。
『アムロ、私がやる。いや、私にやらせろ』
「駄目だ。」
『アムロ!』
「…二度手間だろう?それに初めて見る実戦に何か感じすぎてしまった子が居るかもしれない。
そうなら慰めてやってくれないか」
『…ああ。……そうだな。わかった、そうしよう』
「ちなみに慰めるのにかこつけてプル達に何かしたらサウナ送りだ」
『ふっ承知している。だが私はチャンスを最大限に生かす男だ』
「お前に任せていいのか不安になってきたよ…」
2人はそんな軽言をたたいた。
そうでもしないと事態のあまりの重大さに心が塞いでしまうから。
『なら私がプルに手を出す前に早く帰って来い』
「そうしよう」
アムロは通信を切った。

そしてシャア達が戦闘区域から離脱するのをじっと待った。

(すまない…すぐ楽にする…本当にすまない…)
自分達には、こうするよりほかに無いのだ。

シャア達が戦闘区域から離脱したのを感じた。
ここまで距離があれば恐らく、大丈夫だろう。
だからアムロは、ビームライフルのトリガーを引いた。

大きな光。

「…」
アムロは戦艦の爆発を背にHIνを駆けた。
その光と共に、本来自分と同僚であった数十人の命が宇宙に溶けていくのを感じながら。
アムロにとってその命が溶ける感覚は少年だった時からすでに慣れてしまった感覚だった。
だが、今はその感覚がただただ苦い。
機体の性能差もあったがMS6機に戦艦一隻を単機で、数分で、撃破。
サイコミュの調整に不安があったので今回ファンネルは装着したままでしか使わなかった。
通常どおり使っていたら時間はさらに短縮されたろう。

アムロは改めて、自身の人殺しの手際の凄まじさとクレバーさに慄然とするのだった。
そこにはもちろん、自画自賛や一年戦争の時のような自惚れは無い。
むしろ、プル達という娘を持った今のアムロには苦さがあるだけだった。

あの人たちにも、きっと守るべき物があったのだ。

もちろん、その観念は大昔から知っている。
だが娘達をもって初めてその観念の実像を知った。
その事実に重力を感じたのだった。
ただただ、その現実が、重い。
だからアムロは頭を振った。
そうしないとその引力に引っ張られてしまうのを感じたから。

改めてアムロは、自分の異質さを考えた。
必要があるなら降伏した元同僚ですら殺せてしまう自分を考えた。
それは昔から自覚していた事だ。

自分は一種の奇形なのではないかと。
技術とは詰る所最適化なのだとアムロは思っている。
一つの動作に一切の無駄をそぎ落とし、最小限のエネルギーで行えるようになる事。
だがそれは、つまり、逆に言えば。
それ以外の動作が出来なくなる、という事ではないのか?

そしてそれは人物そのものにも当てはまるのではないか。
アムロは一年戦争で自分がはっきりと『最適化』されたのを感じた。

十代の少年が戦争という極限状態に置かれたとき、どうなるだろう。
その少年の精神、知能、肉体はただ生き残るという、生命の持つもっとも根源的で強烈な本能に、
ただ状況を生き抜くためだけに適応し変質するのではないか。
そうしてアムロは変質した。ものの見事に適応した。
しすぎてしまったのだ。

アムロは真のニュータイプであると同時にニュータイプの奇形児だった。
その形は正しく戦争の形をしていて、他の形にはまる事が出来ない。

では、そぎ落とされた部分は何処にいったのだろう?
もし、一年戦争の時、ガンダムに乗らなかったら自分の人生はどうなっていたのだろう。
何も想像できなかった。
アムロは自分が最適化されなかった未来をまったく、欠片も想像できない。
しょうが無いじゃないか、殺らなきゃこっちが殺される、奴が、シャアが来る、
ホワイトベースの皆が死んでしまう、フラウが、セイラさんが死んでしまう。
じゃあやるしかないじゃないか、僕は、男なんだから!

「…そうだ、やるしかないじゃないか」
その度に自分の形が削れて行くのをわかっていても、
一つの形に決定されていく自分を感じていても。
「やるしかないじゃないか」
そしてその先は?
「…何も無い。空だ」
そぎ落とされた自分を思う。

君がいたら僕はどんな人物になったんだろう?
人並みの人生を送ったかい?仕事は何をしてる?もしかして家庭ももっていたのかな。

アムロは輪郭しかない自分を感じた。その中は空洞で。なにも…
「だからどうした…」
そう、それがどうした。
「僕は男だものな」
この力があるから誰かを守れる。
そうだろう、フラウ・ボウ?
そういえば君を守りたくてガンダムに乗ったんだったな。
君は今何をしてる?健やかにいるだろうか。
恋心は無かった。だが妹のようで、時に姉のようで大切な家族だったフラウ…

「…」
そしてその全てのきっかけだったシャア。

奴との今の関係に、改めて驚く。
あの男との出会いが、アムロの早すぎる人生の始まりだった。
一年戦争で生き残る、とはつまり、そのままシャアを撃退し超えるという意味でもあった。
つまりアムロの形を決めたのは、アムロを最適化したのはほかでもない。

シャアだ。
自分をこの歪んだ形にしたその男と、その張本人と、運命共同体をやってる…

「…シャア、か」

アムロはブースターを切り、ゆっくりとガンダムを滑らせた。
もう少し独りソラを漂っていたくて。
孤独に身をさらしていたくて。
何故かこのまま皆の所に帰るのがとてもとても寂しくて。

アムロは青い宇宙を、ひっそりと泳いだ。
567通常の名無しさんの3倍:2013/12/20(金) 11:46:43.67 ID:???
すいません。正直連続規制とばいばいさるさんで投稿が辛過ぎる。
あまり長々とスレ占拠するのもあれですし、どっとうpろだに続きを上げました。
4748905パスはprpr
暇なら読んでね、読まなくても良いけど。
ちなみに好き勝手絶頂書いてますが、
あくまでCCAのパラレルであるアクシズ漂流記のさらにパラレルである
かの名作『終わりなき旅路』(もち作者は別人)のそのまたパラレル、
つまり三次創作…ん?四次創作?まあいいや、で、ある事をお忘れなく〜

そして他の人のSSが読みたい。職人さん帰ってきてー

ではスレ汚し失礼しました、本当に。じゃさよならっ
568567:2013/12/20(金) 20:25:25.47 ID:???
うぷろだ作りました。ttp://ux.getuploader.com/ccaaxis/
パスはprpr

気がむいたら読んでねん
では今度こそスレ汚し失礼しました。
569通常の名無しさんの3倍:2013/12/20(金) 21:43:35.97 ID:???
>>568
読んできた。相変わらず読み応えのある話を乙です
他の職人さん達の日常ほのぼのも好きだが
原作の雰囲気が強く出てる話も良いもんだね
また何か書けたらうpしたと教えに来てくれw楽しみにしてるよ
570通常の名無しさんの3倍:2013/12/21(土) 01:16:12.55 ID:???
今は無理だけど、明日にでも読むよ
571通常の名無しさんの3倍:2013/12/21(土) 12:40:20.03 ID:???
せっかくうpろだ作ったんだし、
ついでに月光蝶氏のとこでまとめられてない7〜12スレのSSをまとめてみたよ。
いつまでも月光蝶氏に甘えてる訳にもいかないですし。
でも、斜め読みでまとめただけだから見逃してるのやまとめ方がおかしいSSがあるかも。
その場合スレで報告してくれたら直します。
パスは同じ。

そして他の人のSS読みたい。
職人さーん!早くきてくれー!
572通常の名無しさんの3倍:2014/01/01(水) 08:16:32.56 ID:???
あけおめ保守
573通常の名無しさんの3倍:2014/01/01(水) 17:46:10.31 ID:???
今更だが結構読んでくれる人居るんだね。
2,3人読んでくれればマシかなと思ってたので嬉しいよ、ありがとう。
>>568に季節はずれこの上ないゆるい掌編をうpしたので暇なら読んでくれ〜
パスは付ける意味がない事に気づいたので無し。

あと、スレ占拠するの嫌だから基本もう書き込まないです。
何か書いたらろだにうpするので、まあ、気が向いたら、
たまーーーーに覗いてくれると嬉しい。

それじゃ今度こそ、さよなら〜
574通常の名無しさんの3倍:2014/02/06(木) 02:23:26.85 ID:???
このスレが過疎化したのは
ネタ的にやりつくしてしまったからなのだろうか。
それとも、ばいさるや規制で
投稿が辛くなったからなのかな
575通常の名無しさんの3倍:2014/02/16(日) 17:58:47.00 ID:???
ネタはこちら側の時代の技術の進歩や社会情勢、そして住人自身の変化でもわいてくるものだし
規制かな、やっぱり
576通常の名無しさんの3倍:2014/02/21(金) 09:12:50.53 ID:???
だったら規制のゆるい板に移行するのもありなのかね
まあ、このスレが完走するのにあと何年かかるか知らんけどw
このスレだけはこのまま終わらすには惜しすぎるからなあ。
577通常の名無しさんの3倍:2014/03/19(水) 20:30:22.71 ID:???
>573
半年ぶりくらいにこのスレに来たらまたすごい上手い人が来てたんだな。
リアルタイムで読みたかったよ。

しかしこれでホントに処女作?
だとしても他の所でSSなり何かの形でものを書いてそうな筆力だなぁ。
少なくともそれなりの年齢だったり読書量が多かったりしそう。
578通常の名無しさんの3倍:2014/03/25(火) 23:11:04.25 ID:???
>>577
あり。でも正真正銘処女作です。
SSどころか小説も書いたことありません。
このスレはそんなど素人にも書かせてしまう、
書きたいという衝動に駈られてしまう、そんな可能性を秘めたスレだと思うのです
だからなんとしてもこのスレだけは終わらせたくない
でも本当に投稿が辛すぎる。
一時間に六レスくらいしかできないし、レスに入る分量も少ないし
油断するとばいさるで一、二時間投稿出来ない。
正直、辛すぎてもう二度と投稿したくないレベルです。

そこでちょっと皆に相談。
実はろだを皆に解放しても良いと私は思ってるんです。
でもどこまで管理できるか自信ないのです。
何故なら住居の関係で家にネット環境が無いから
その上気まぐれに何時閉鎖するかわからない(もち事前報告はしますが)
そんな無責任な状況でろだ解放して良いのか
で、その場合はたして少しでも職人さんは戻ってきてくれるのか。
どう思います?
まじで悩んでます。だって他の人のSS読みたいもの。

誰か相談に乗ってくれプリーズ…
579通常の名無しさんの3倍:2014/03/28(金) 19:13:08.09 ID:???
うおお誰も相談に乗ってくれないwまあいいや。
色々悩んだけどやっぱり>>568のろだを開放することにしました。

アップパス uprpr

諸事情でやっぱもう無理、閉鎖する、という場合は必ずスレで事前に報告します。
事故で突然死でもしない限りは告知無しでの放置や閉鎖はしません。

色々な理由でスレに投下するのは辛い、または抵抗があるという人。
とりあえず気楽に投稿してくれると嬉しい。
あ、でもろだにも書きましたがエログロは禁止なのでご注意。

これで少しは職人さんが戻ってきてくれると良いのだけれど。
誰も来てくれなかったら笑えますね。
その時は独りで細々と書き続けるから良いのさ〜

じゃ今度こそ用件が無い限りあまり書き込みはしないようにします。
それじゃあ〜
580通常の名無しさんの3倍:2014/03/28(金) 22:06:52.21 ID:???
乙です

基本過疎ってるから1か月単位で放置して思い出したら見るって人もかなり多いと思う
仮に気づいてたとしても自分は貴方以上にろだの設定とかわからんので良いとも悪いとも言えなかったが
581通常の名無しさんの3倍:2014/03/28(金) 22:10:02.15 ID:???
SS読むのは楽しいが、書くのはなかなかハードル高くてなぁ
俺はZとZZを観てないから、ちょっと書くのは難しい。

いずれにしても、この過疎っぷりではなかなか書き手も戻っては来ない覚悟は必要かも。
読み専の俺でさえ、最近まで数か月に一回しかチェックしてなかったしね…。
582通常の名無しさんの3倍:2014/03/29(土) 01:19:09.51 ID:???
ありがとん。
もちろん気長に待ちますとも〜

ちなみに書き忘れてましたが、
削除パスを設定すれば管理人に頼まなくても自分で好きに削除できます。
ていうか投稿するときそれを必須に設定しました。
なのでネタを思い付いたけどスレに投下するのはなんだかなあ、とか
初めてで投稿が恥ずかしい、という人もお気楽に投稿して良いのよ?SSでも絵でも。
後悔したら削除して書き直しちゃえば良いんだし、
下手でも良いじゃない、愛があれば。
んなわけで気が向いたらお気楽に使ってくれ〜
それじゃ〜
583通常の名無しさんの3倍:2014/04/03(木) 18:53:56.92 ID:???
このスレどころか、板に来るのも数年ぶりでしたが
まだスレが存続していた事、新作が読める事に感動しました
うん、やっぱりこの家族大好きだ
何かうpしたいところだけど、自分もzもzzも観てないのよね…
584通常の名無しさんの3倍:2014/04/04(金) 00:11:04.04 ID:???
初期のスレ読み直していたら、2003年の時点で「このスレも寂しくなったな―」「職人さん何処行っちゃったんだろ」って心配してたんだなw
大丈夫だぞ10年以上前の俺ら
2014年4月現在もこのスレは生き続けておる
585通常の名無しさんの3倍:2014/04/05(土) 20:43:51.97 ID:???
>>581>>583
一応初代とCCAにこのシリーズを一通り見てれば
ZもZZも知らなくても問題なく書けると思うよ
そういう俺もZもZZも見てたけど内容まるで記憶にないしw
586通常の名無しさんの3倍:2014/04/06(日) 10:06:59.53 ID:???
初代は30年近く前だしCCAはリアルタイムで観たきりだから
見直さないといけないな・・・。
587通常の名無しさんの3倍:2014/04/08(火) 01:13:58.45 ID:???
楽しみにしてるぜ
588通常の名無しさんの3倍:2014/05/05(月) 20:49:04.19 ID:???
今更だがscてもしかして規制無くない?
589通常の名無しさんの3倍:2014/05/07(水) 23:57:09.48 ID:???
一年かそこら振りに覗いたら人来てるな

>>582
一気に最新の作品まで読ませてもらったけれど、もう随分と過疎ってきたところでこんな良いのを読めるとは思わなかった
ありがとう
俺もROM専だが、どこかでタイミング合うならロダ使わせていただきます

>>588
あーscってあれか
どうなんだろう
埋まるのもまだ先だろうが、移住も視野に入れたほうがいのかなあ
590通常の名無しさんの3倍:2014/05/12(月) 17:10:42.73 ID:???
なんかプルがグレミーの腹違いの妹で
ギレンの血引いてるて聞いたけどまじ?
ZZに出たクローン兵もプルじゃないとかなんとか。
今プルプルツーの公式設定てどうなってるんだろう
591通常の名無しさんの3倍:2014/05/13(火) 23:44:58.16 ID:???
>>590
プル&プルツーの出自についての公式設定は
(つまり映像からうかがえるものだけに限るなら)
はっきりした物は未だに存在しないのでは

「ギレンの精子を使った人工授精子」説は
ファンの誰かが言い出したものだったと思う

グレミーは ZZ 小説版では
「デキン公王の隠し子」となっていた
だとするとプルと兄妹というのは成り立たない気がする
592通常の名無しさんの3倍:2014/05/14(水) 07:19:59.06 ID:???
>>591
そうだったかサンクス
でもあくまで一説としてギレンの子もあるんならなんか妄想が広がるな
593通常の名無しさんの3倍:2014/06/29(日) 05:26:22.07 ID:???
そろそろ保守
594通常の名無しさんの3倍:2014/06/29(日) 11:16:00.57 ID:???
某所でチラっと話題に出たから記念カキコ
まあアクシズ一家と一緒にのんびり行きましょうや
595通常の名無しさんの3倍:2014/07/02(水) 13:00:03.64 ID:???
某所てどこ?
つか未だにこのスレが話題に出るてすごいなw
596通常の名無しさんの3倍:2014/07/04(金) 12:36:02.58 ID:???
最近、月光蝶氏はお元気だろうか・・・

ニューガンダムスレに続いてレッドスタースレまで落ちたっぽい。
ここだけは何とか持たせていきたいもんだが・・・

お前が何か書けって話ですねはいそのとおりです
597通常の名無しさんの3倍:2014/07/04(金) 14:49:20.12 ID:???
SSじゃなくてもネタ提供でも良いんじゃないかい?

ところでニューガンダムスレはまとめでしか見たことないけど、
再度立てれば需要ありそうな気がするけどなあ
でもこの規制の厳しさじゃSS投稿する人も居ないのかね

いっそ新シャア板に立てるのとか駄目なのかな?
あっちはまだ規制緩い?みたいだし
普通に現役でSSスレあるし。
でも板違いだから旧シャア行けとか言われるんだろうか
598通常の名無しさんの3倍:2014/07/12(土) 16:03:52.12 ID:???
>>595
凄い有名だけど評判はあまり……な実況系の板で立ってたガンダムスレだよ
599通常の名無しさんの3倍:2014/07/15(火) 21:06:36.31 ID:???
>>598
探してもよく解らんかったけどサンクス

ついでに保守るぜ。
600通常の名無しさんの3倍:2014/07/28(月) 14:13:38.22 ID:???
このスレは俺の青春
601通常の名無しさんの3倍:2014/07/28(月) 17:00:43.08 ID:???
俺の青春でもあるぞ
602通常の名無しさんの3倍:2014/07/28(月) 23:51:50.74 ID:???
俺も俺も♪
てか今でもたまにでも覗く俺ら全員の青春だわね♪
603通常の名無しさんの3倍:2014/07/29(火) 13:00:52.82 ID:???
正直ユニコーンでガンダム愛は完璧に冷めてしまったよ。
でもこのスレだけは今でも愛してるアンビバレンツ。
おかげでガンダムから完全には足を洗えない
罪作りなスレだわ
604月光蝶:2014/08/02(土) 07:51:36.55 ID:???
>>596

月光…蝶…である…
多忙…過ぎ…しかし…航行に…支障…なし…
605通常の名無しさんの3倍:2014/08/02(土) 07:58:17.81 ID:???
>>604
乙であります!
606通常の名無しさんの3倍:2014/08/15(金) 02:45:33.91 ID:???
>>598
自分もそこでチラホラここの話題目にして過去ログ読み直してみたり…

>>604
乙です
ありがたく読ませてもらってます
607通常の名無しさんの3倍:2014/09/04(木) 20:23:48.67 ID:R2zltrr3O
id表示されるようになったんだから規制ゆるめてくれないかなあ。
ついでに保守
608通常の名無しさんの3倍:2014/10/05(日) 07:00:12.31 ID:grDPeb7E0
ほしゅ
609Battle Field 1/32:2014/10/21(火) 00:14:37.98 ID:fflGOYAt0
中秋の名月。
晩夏,日も早や落ち,僅かに啼く蝉時雨,もの静かに。
秋の始まり,手を伸ばした空は高く,雲の山嶺も白く。
高みから降りてくる風。澄んで,清んで,つんと冷えた風が注ぐ季節の変わり目。
白紙上に薄墨を刷く。淡く滲んだ墨空が生まれ,残る白地が秋雲となり,浮かび上がる。
墨彩画に一筆で描かれた世界観。
夜空に月明かりのみで描き出す,宙の姿。
白と黒。混じり合うと灰ではなく,黄色く輝く月明かりと,蒼く見える夜空の真闇。
数多の人に見上げさせ,幾つもの問いかけを飲み込んできた,漠。
しかし,今,いるのは宙でも変わらず争い合う人と人。
兎たちが楽しく踊った月も,今はただの岩…人の駆る機械が月面を掘り返し,あばた面のような無粋な都市が,無数に建つ。
もちろん,おとぎ話のように高貴な姫君が地球から月に帰ってくる訳はない。
…ただ,地球ではない遠い星から帰ってきた少女たちが,いることはいたが。
610Battle Field 2/32:2014/10/21(火) 00:16:19.29 ID:fflGOYAt0
月面のクレーターに作られたその巨大な都市の名は,フォン・ブラウン。
厚いドームに包まれた巨大な都市で,元は地球から各コロニー群を建造するため作られた資材供給・資財搬出用基地。
その過程で大きな富と人工を得て都市となり…いつか,地球連邦も,各コロニーも無視できない規模となった月面都市の一つ。
かつて存在したジオン公国に統治されていたグラナダと違い,このフォン・ブラウンは中立を維持していたことを誇りとする。
その気質,ルナリアンと呼んでよいかもしれない。
中立…悪く言えば,商人的な気質。
常に発展と進歩を望むその街と住人は,かつてのこの街の最初の階層…コロニー建造のため作られた港湾部や工場群を下層部へと押しやり,
薄汚れた倉庫街と廃工場,廃棄物置き場,そしてジャンク屋が軒を連ねる一角を過去の思い出として仕舞い込んでいた。
そんな裕福な月面都市も,末端までは,なかなか予算が回らないものらしい。
じじ,と低く唸る街路灯が昼(とされる時間)も鈍く光る街区では,油と錆に汚れた店が埃と過去にコーティングされた商品…と称するガラクタを店先に並べていた。
もちろん,並んでいる以上,客は存在する。
今も1人の少年が手にした商品をひっくり返しながら,店主と価格交渉をしていた。
 「なぁ,おじさん,このジャイロ,SP−W03のだろ?もう少し安くしてくれよ」
雑多に並べられた商品の中からそれを見つけ出した少年は,それがどうしても欲しい,という熱意も露わに,店の親父に詰め寄っていた。
固めの髪質,短い金髪で健康的に日焼けした肌。
年齢の割にがっしりした体格をしており,汚れた作業着は彼自身,ジャンクを扱っていることを示唆させる。
日焼け…というのは,月面作業で「日焼け」したものであろう。
最低限の紫外線対策をした小型MSで鉱石を採掘する作業…そこは,年齢・経験を問わず,いつも人手不足の職場だから。
瞳は強い意思を思わせるが,まだ幼い顔貌は彼の年齢を感じさせる。
 「そんな高くしても売れないよ。これ,俺なら買うんだけどね。」
彼が口にするは空間作業機…俗にボールとも呼称される機体の,姿勢を保つためのバランサーであった。
彼の腰の一抱えほどもある大型の機材だが,決して高くはない。
昨今,ほとんどの作業機は,ボールのような手足のない宇宙機ではなく,手足を持ち汎用性の高いMS型が主流であり,このパーツにほとんど需要はない。
 「駄目だ…お前が言う値段じゃ,こっちの足があがったりだ」
親父は,けんもほろろである。
 「えーっ,あまり高くして死蔵しても仕方ないじゃん。」
 「駄目だ」
むすっとした顔つきの60絡みの親父は,全く取り合うつもりはないらしい。
 「でもさ,きちんと動作点検してんの?どうも水平盤の表示位置がおかしいみたいだし…これ,気づく人が見たら絶対に買わないさ?」
んぅ,と,のどの奥で変な息をした親父は,少年の脇からジャイロの表示を見て苦虫をかみつぶしたような表情に変わった。
図星だったらしい。
むすっとした表情を変えずに,少年の手にするジャイロを持ち上げると奥へ放り出す。
 「なぁ,なぁ??」
にやり,得意げな顔をする少年だが,親父は変わらず,むすっとしたままだ。
 「お前の機械に対する知識はたいしたもんだが…お前にだけは,売れねぇ」
 「なんでなんだよ…。」
言葉ほどには反抗的に感じない,その素直な声は,母親が大事に育ててきた…そんな,品性の良さを感じさせる少年に,親父はきっちりと引導を渡す。
 「ラトーラさんがな,お前に売るな,って言うんだよ」
ぐっ,とのどの奥で息を呑む少年。
 「だからな,もう大会は諦めな?いい加減,母さんを安心させ…」
納得する様子のない少年に,店主がなお諭そうと言葉を探す。
 「あー,こっちはどう?これなら代わりになるんじゃない?」
不意に,男たちの後ろ…店の入り口の辺りから,場にそぐわない,明るい声が響いた。
611Battle Field 3/32:2014/10/21(火) 00:17:29.52 ID:fflGOYAt0
 「これ,これ。SP−W03でなくても,RB−79の部品でもいいんじゃない?」
明るい,聞いた者は誰でも振り向いてしまうような明るい声が,店の入店を告げるベルより高く輝いた。
年齢はそれなり…15を超えたか超えないか。娘とは言えないが,子供ではない…愛らしさに美しさが滲み出てくる頃合い。
ふわっと膨らむ薄い栗色の髪は,髪質も1本1本が薄く,消えかけた街路灯のぼやけた光をいっぱいに反射して,明るく輝く。
整った卵形の容貌をしているが,美しい,というより可愛らしい,と表現したくなるのは,先ほどから手にしたジャイロをごろごろと転がす,
その仕草が子供っぽいからであろうし,笑顔に浮かべた興味心と好奇心が,いかにも子供っぽいからだろう。
胸元にリボンをあしらった少女趣味のブラウスは,埃まみれの部品に汚されないよう,二の腕まで捲り上げられ,
キュロットから伸びた足がよっこい,と踏ん張って重いジャイロを食い止める。
にっこりと大きな瞳を向けた少女に,釣り込まれるように,つい,彼らも言葉を返してしまう。
 「だがなぁ,お嬢ちゃん。SP−W03とボールは7メートル以上は差がある…それだけ質量も違えば,慣性も全然違うんだぞ」
 「それにこれだけ大きい代物だと,俺が作ってるモビルスーツに搭載するには,ちょっと重量がきついかなぁ…。」
 「えっ,モビルスーツを自作してるの?!」
ぱっ,と声に光が弾けた。
ぱっ,と手が離され,ぐわらん,ぐわだん,と大型のジャイロが手を離されて転がっていって床にへたり込む。
ぱっ,と少女が距離を詰め,より興味を剥き出しにして少年に詰め寄った。
 「ねー,ねぇ。どんなの作ってるの?!」
間近に迫る少女の迫力に,ぐっ,と声を詰まらせる少年…その代わりに答えたのは,店の親父。
 「おお,こいつはな,なかなか面白いのを作ろうとしてるんだ…なにせ,大会出場用に,SP−W03を上半身に,ミドルMSの下半身に繋げようって言うんだからな」
 「…え!?なにそれ?!」
大きく声を返す少女…その反応に満足したのか,親父は我がことのように自慢げに話し出す。
 「まぁ,聞きな。確かにボールの上半身をMSの下半身,これはとんだげてものだ…下半身にタンクを繋げた,どこぞの連邦のRX−75並に,な」
うんうん,頷く少女に自然に自分の脇の椅子の埃をぱっぱっ,払うと(実際,親父の手は白く埃をはいた),席を勧めるように自分もレジ前の椅子に座る。
少女がごく自然に,その椅子にぺたんと腰を下ろした。
612Battle Field 4/32:2014/10/21(火) 00:18:26.51 ID:fflGOYAt0
 「だが,まぁ,これは確かに安くつく…なにせもともと,MSなんかと違ってプチモビにAMBACなんかは意味ねぇ」
 「核融合炉積んでないしね」
AMBAC…MSがその四肢を振ることにより質量を慣性に変えることができる姿勢制御の手法…
これはほぼ無限に動力を供給できるMSだからこそ可能であり,さらに四肢にそれなりの重量を持つMSだからこそ,意味がある。
もちろん小型のプチモビでも四肢を振れば多少の姿勢制御は可能であるが…大型のMSが腕を振るとその分だけ機体が反転する一方,
プチモビが細い腕を振っても(質量がないため),却ってバランスを崩してじたばたもがくようなことになる。
まして推進剤で動力を得るプチモビであれば,貴重な推進剤を使ってAMBACを行い姿勢制御するよりも,
推進剤を純粋に「進む」ベクトルに用いた方が,よほど効率的に正しい。
つまり,燃料に限界のあるプチモビはほとんど効果の見られないAMBACを試みるよりも普通に,楽に進むということ。
それを要約した一言で伝えると,親父は少女が意味を理解していることに頷きながら,言葉を次ぐ。
 「そう,プチモビにAMBACはいらねえ…だのに,こいつはAMBACを搭載する大型プチモビを作ろうとしてやがる。こいつが,どういう意味かわかるか?」
うんうん,わからない,と頷きながら身を乗り出してくる少女…親父は,ニヤリと微笑むと,ヤニくさい息を大きく吐きながら,言った。
 「金がねえからよ」
ずるっ,と表情を崩すあきれ顔の少女の反応に満足したように,親父は続ける。
 「なにせ,こいつはおっかさんからプチモビ大会への参戦を許可されてないからな…だからてめぇのお小遣いと拾った部品でやりくりしている」
いつの間にか,脇の部品に腰掛けて素知らぬ顔であさってを見る少年を嬉しげに見ながら。
 「それで生命維持装置が壊れて外じゃ使えない作業用ポッド…SP−W03の操縦系にこれまた壊れて捨てられてた大型プチモビの下半身を繋げ,ただくっつけることはできないから『背骨』を作って,繋げた」
 「『背骨』?」
613Battle Field 5/32:2014/10/21(火) 00:19:28.70 ID:fflGOYAt0
MSには聞き慣れない単語に,ぴょんと耳を立てる。
 「あぁ。ただくっつけるだけなら,まぁ,溶接で強引にくっつけることもできる…が,そうすっと重さ的に不安定で,機体制御プログラムを1から作らないといけない」
節の太い人差し指を左右に振りながら,続ける。
 「で,こいつはわざと上半身と下半身をくっつけず,下半身は元のプチモビの制御系を使い,上半身の設定データを『重いものを持った状態』で設定することで制御する。」
 「あー,それはあまりプログラムいじらなくていいね。」
 「で,下半身と上半身をある程度強度のある,そして伸縮性のあるフレキシブルな『背骨』で接合する。
こいつだけは自己制御系のプログラムを組んで,動きに合わせて一定の高さを設定しつつバランスを保てるよう組み上げる。」
ふーん,と頷きながら。
 「でも,アイデアは面白いけどそこまでこだわる利点があるとは思えないね。」
 「それはそうかもしれない。」
そこまで黙っていた少年が,ぶっきらぼうに口を挟んだ。
 「だけど面白いアイデアで勝負しないと…金もない,学もない,コネもない,そういうガキが大会で勝ったところで,それで終わりだ。」
むすっと言う。
 「勝つだけなら,そこらの連中がやってるようにドラケンみたいな,軍用崩れのミドルMSを使えば優勝できる。だが,それじゃ誰にも目をつけられないんだ。」
まだ年齢は10代半ばなのかもしれない。
外見は働く男らしい,しっかりした…違う側面から言えば,荒れたところのある大人びた少年だが,こんなところ。
そう,女性に対する態度を一つ見ると,彼が年相応の少年であることが分かる。
…木星で会ったジュドー・アーシタも少年期にジャンク品を回収する仕事をしていたそうだが,こんな少年だったのだろうか…
いや,妹さんがいたから女性慣れしていたろうか。
ちら,と下から少年をのぞき込むように,見計るような仕草と表情をした後,少女はからりと明るい声で,言った。
 「それ,アイデア倒れでないか見てみたいなー,ぼく。」
そして。
 「…でもそれ,完成させるのにはそのジャイロが必要なんじゃない?」
今度はちら,と背中越しに店の親父に目をやる。
大人の女性がやれば艶っぽい仕草だろうが,この『ぼく』がやると憎めない,その場を苦笑いで納めさせてしまうような明るい仕草となった。
そんな少女の胸元で,ネックレスが一つ。
何かの欠片を繋いだ細い銀鎖のネックレス…欠片が,きらきらと緑色にきらめく。
親父は苦笑しながら首を振り…
少年の母親から頼まれた一方,自分も見てみたかったその『背骨』MSの完成のために,少年から差し出されたしわしわのクレジットを受け取った。
614通常の名無しさんの3倍:2014/10/21(火) 07:11:38.16 ID:lsVM1td3O
職人さんキター!
615Battle Field 6/32:2014/10/21(火) 07:39:11.75 ID:fflGOYAt0
しばらく後,店から借りた薄汚れたエアカーの荷台から下ろしたジャイロを機体の上半身にセットし,少年は機体を機動させる。
確かにその姿は異形…傍目には,むしろ『笑える』機体であった。
先刻,親父が説明したとおり,機体の上半身はSP−W03と呼ばれる空間作業用機,俗にボールと呼ばれる連邦軍製MAの元となった機体。
但し,それはボールより幾分も小柄で,大人の身長ほどの機体サイズであった。
その機体から重量に過大な割合を占める空間作業用の生命維持装置を取り払う。
その姿は,背部にあるスラスター類はそのままだが背部中央に1本の銀色の巨大な『背骨』…
大人の腕で一抱えはある,何段ものジョイントを繋いだ太い銀色の柱が,下半身に繋がっいた。
そして下半身は,俊敏な機動性よりは安定性を取ったミドルMSの下部が,腰部部位からどっしりと構えている。
その様は,まさしくプチモビ界のMA,と言えるかもしれない。
 「腕は,SP−W03のものをそのまま使うんだね。」
 「あぁ,こいつは頑丈だし,長いからな…リーチが取れる。」
ジャンク街のこの一角は,商店がならぶ界隈よりもさらに暗く,多く積まれたがらくたが暗がりを無数に作り,育ちのよい女性であれば恐怖を感じるであろう場所だった。
が,この少女は気にする風がしない。
それを少しは不思議に思いはしたが…少年は,熱心に機体の説明をしていた。
 「ハンドメイド部門のMS…とくに制作が簡単なジュニアMSなんかは設計から機体制御プログラムまでやらなきゃいけない…
そこはバックグラウンドがしっかりしていてデータの積み重ねもある,技術専門校の奴らが押さえてしまう。
だからノー・リミット…無制限部門で勝負するしか,俺みたいなジャンク屋くずれには方法がないのさ。」
 「でも無制限だからこそ,ドラケンみたいな大型がのさばるのね。」
その少女は,どこか浮世離れした空気をまといつつ,MSや機械に詳しく,ジャイロを積んでこの場所に向かう車中で,すぐに2人は意気投合した。
ディアーネ…Diane…『D』に強くアクセントを置いて名乗った…は,機体を一見してその意図を見抜き,簡単な改修を提案。
実際,それは彼自身が不安に感じ,処理を悩んでいたところであったため,その解決法は意を得たものであった。
ずん,と重たい音を立てて踏み込んだ脚がしっかりと地面を踏み固めると,SP−W03のアームが,そこに置かれていたジャンクのエアカーの車体を軽くつまみ上げる。
パワー溢れる腕部は,軽々とそれをジャンク山の頂上へと放り上げた。
だが,パワーは非殺傷であるプチモビ大会には不要。
というより,ルール上,軽く機動性ある機体が無制限部門でも主流である現在,このような一回り大きな機体で挑む理由は何なのか…
大きく伸ばされたアームに目をやり,ディアーネはつぶやいた。
 「長くパワーある腕部,取り回しはサイズの割に俊敏…ビグロみたいな機体ね。」
それは少年が挑む,現行ルールへの挑戦。
勝つために無難な,皆が同じような機体で挑むノーリミット級…かつては斬新なアイデアを得るために制限なしとされたコンテストが,
いつからか,勝つために固定化されたそら機体の設計概念を打ち破るべく,制作した機体。
もちろん安く作れるという利点もあるにはあったが,長く,強い腕部で相手を押さえつけて相手の俊敏性を奪い,戦闘不能に陥れるという作戦。
機動性は低いが,相手のプチモビの動きに対応できるだけの反応性を備えたこの機体は,確かに挑戦的な機体であった。
その反応性を生み出すのは,上半身と下半身を別個のパーツとしたことによりフレキシブルな動きを可能とし,それぞれを繋げる『背骨』。
『背骨』は,その名のとおり,幾つものパーツがフレキシブルに連結したアームはなめらかに可動するようにされていた。
機体色は,さび止めの鈍い赤色をつや消しコーティングした,シンプルな『赤い』機体。
少年は,その色から単純に,この機体を「クラブ」と呼んでいた。
 「…アに教えたら,どんな顔するんだろーな。」
 「何か,言った?」
 「ううん,見せたい人がいるかなー,って。」
 「さっき言ってた兄貴さん?」
機体の調整を確認した少年は,打ち解けた空気で,少女に近づく。
616Battle Field 7/32:2014/10/21(火) 07:40:31.51 ID:fflGOYAt0
「うん。えっと,まぁ…。」
(さっき話した方じゃ,ないけどね)
ちらっと浮かんだ,金髪の男ではなく,話にあがった白い方の男を念頭に話す。
 「兄貴さん,そんなにメカに詳しいんだ。」
 「そーだよー。ジャンクから幾つも機械を作り上げてさ,すっごく,役立つんだよ。危険地帯をパトロールできるハロとか,
盗撮されないよう監視するハロとか,不穏な発言に反応して迎撃できるハロとか,侵入者を迎撃できるハロとか♪」
 「…兄貴さん,警備会社でもやってんの。」
随分と警戒厳重な話に,そう尋ねてみると,少女は首を振って否定した。
 「まぁ,みんな,慣れてたしねー,あれには。」
 「そ,そぅ…。」
打ち解けると年相応の声音と,口ぶり。
そんな少年に汗ふきのタオルを渡しながら,少女はちらっと腕時計を見て,眉をひそめる。
 「あ,いっけない…そろそろ帰らないと。」
 「ごめん,付き合わせちゃったかな。」
時間はそろそろ8時を周り,あの店での初遭遇から5時間は経っていた。
ディアーネの口添えでジャイロを購入し,ここまで運び,取り付け,彼女の助言を得て修正し…。
その過程で彼女も手を出し,さっぱりした色合いの蒼と白のブラウスも油と埃,錆,グリース,溶接で跳ねた火花でできた焦げ跡…すっかり薄汚れ,まるでこのジャンク街に相応しい姿の少女になっている。
少女の鼻についたグリースの玉に笑った後,仕返しとばかりほほに油まみれの軍手を投げつけられ…笑い合った時間は,もう終わり。
少し寂しげな少年の口ぶりに,貸してもらっていた前掛けを渡しながら,Dianeは笑いかける。
 「明日から試合なんでしょ?見に行くね,ぼく。」
 「あ………」
またねー,と元気よく手を振って,キュロットに包まれた足を振り上げながら。
慌てて送っていくよ,と声をかけた少年に,だいじょうぶだいじょうぶ,などと言って少女は,楽しげに,軽やかに走り去っていった。
しばらく,軽い足取りの音が夜闇に少年の耳に届き…やがて,包まれて,消えた。

 『ところで,この子,お前の彼女かい?』
そのとき,ふと,ジャイロを積み込むときに親父がこそっと聞いてきた言葉が思い出され,首を大きく振る。
そして少年は明日に備えて,機体を片付けて家路についた。
だって,明日,あの子は見にきてくれる,って言ったから。
格好良いところを見せたい…そんなことも,少し思ったり。
だから,彼は,最初に感じた少女への疑問をとうに忘れていた。

 なんで,この子は,すんなり人とわかり合えるんだろう。
617Battle Field 8/32:2014/10/21(火) 07:42:00.10 ID:fflGOYAt0
翌日,フォン・ブラウンの一角にあるアナハイムの巨大な工場群,その一角にある競技場。
遙か頭上,厚いドームから覗く宙は黒く広がり,昼と設定された時刻通りに設定された灯りは,歓声が響くその辺りをしっかりと照らし出していた。
 「やったー,クラブ,2回戦突破だー!!」
異形の機体が見せつける圧倒的な強さに,観衆は大きく腕を振り上げてエールを送っていた。
丸い作業用ポッドの上半身と短足のミドルMSの脚部…そのユーモラスを通り越した滑稽な姿に,最初,観客は笑いをあげていた。
数百を超す観客の声,そして姿。
少年は,その人の群れに目をやり,ただ1人を探していた…探す人の姿は見つからない。
しかし。
 『ぼくはここだよー,がんばってー♪』
声が,どこからか聞こえた。
慌てて,ぶ厚い装甲が外部からの音声を撥ね付けるコックピットハッチを開け,身を乗り出して声が聞こえた方向に身体をひねる。
いた。
昨日と同じように,生真面目に,瞳を細めてまっすぐに見つめてくる,その少女。
ジャンク街では見かけない,ツンと澄ましたような,お嬢様のような印象のする細い首筋と染み一つない綺麗な輪郭。
やや尖ったような…清んだ,強い意志を感じさせる蒼い瞳をしていて,ちょっと長めの髪が肩にかかるくらいの長さをした…
ちょっ,…あれ?
いや,昨日の彼女は髪はもっと短めで明るい笑みを浮かべた,くるっと丸い青い瞳の…
…うん,いるよ。
 「…ていうか,2人。」
よく似た顔をした…というより,双子なのだろう,髪の長さや,少し雰囲気は違うが,ディアーネとその姉妹らしい少女が,並んでこちらを見ていた。
ディアーネは昨日に比べるともっと彼女らしい,柄を掛け合わせた明るい色のタンクトップと,健康的な脚が伸びるキュロットスカート。
観客席に設けられた手すりから身を乗り出し,こちらに伸ばした手に,長めの袖がひらひら振れる。
もう1人のよく似た少女は,薄手の白い襟付きシャツに醒めた蒼地がベースの水色と,白いストライプの入ったロングスカート。
かぶったつば広の帽子を片手の指で押さえ,こちらをもの静かに見つめていた。
ピピー,とホイッスルが鳴らされる。
審判からの無言の圧力を感じた少年は,慌ててコックピットを閉めると,安全ロックをガチリと跳ね上げ機体のロックを解除した。
核融合炉ではない,エレカと同じ電気駆動の大型発動機が一唸りすると,大型の機体に生命が宿り,ガタガタと震えながら機体が立ち上がる。
コンソール…といっても,元の空間作業機としてのパネルはほとんどが外されているか,ビニールテープで塞がれ,
僅かに出力系やバランスメーターなどが振動に目盛りをちりちりと震わせる。
『背骨』…スパインシステムが問題なく動き,SP−W03部がガシャンという音をたてて正常位置で動きを止め,相手より一回り大きい機体は,威圧するようにアームを稼働させた。
そして,クラブの快進撃は始まった。
618Battle Field 9/32:2014/10/21(火) 07:44:37.92 ID:fflGOYAt0
大きなどよめきが,意外だ,という響きを伴っていたのは2回までだった。
3回目には,それは大きな賛嘆の念を響かせていた。
搭乗者保護用のぶ厚いキャノピーを跳ね上げると,むっとしたコックピットに涼しい空気が流れ込む…
そして,機械の駆動音とコンピューターの小さな作動音,相手のプチモビがあげる弱々しい破壊音…それが消え失せ,耳に大きな声が流れ込む。
これまでのノーリミット級の概念で作られた機体にとって,初対戦となるクラブは難しい相手だった…
これは,3回戦目に戦った対戦相手が,1,2回戦の結果を踏まえて対戦し…そして,負けた後に語った言葉だった。
そう,ミドルMSを改造して作られた機体は,確かに機動性に優れ,俊敏で,より上級の…軍用MSを小型化したような,まさしくそういう戦いぶりをしている。
機体によっては,ビームサーベルを扱えるだけの出力もあるほどだ。
しかし,クラブは違う。
一見,鈍そうな機体でありながら機体の反応性が高く,すぐに相手の動きに対応した。
間違いなく一つ一つのその動きは鈍い…鈍重なのだが,近寄るとリーチの長い腕が素早く伸びてくる。
そして捕まると,強力なアームは軽い機体をあっさりと保持し,離れることができないうちに戦闘不能に陥れられていった。
それは,まさしくMAだった。
速度と敏捷性を捨て,リーチと威力に特化した機体。
反応性が低ければ,まだ軽く機動性に溢れた既存の機体でも背後に回り込むなどして弱点でありそうな腰部を攻撃し,戦闘不能に追い込むことは容易であるように見えるが…
上下を連結する『背骨』は,上下に伸縮してジャンプジェットを使い立体機動的に接近を試みる機体を易々と捕らえ,
ブースターやホバーを使い背部に回り込もうとするとずるり,となめらかに左右へと回転し,長い腕を振り回して近づけさせない。
うぃぃん,と奇妙な『背骨』の駆動音を響かせながら近寄るその機体。まるで大型の重機のような外見とは裏腹の戦闘力に,大穴的な魅力を見いだした人々の歓声。
 「やったね〜!!」
そしてそんな歓声が上がるなか,客席からぴょん,と競技場に飛び降りて走り寄り,機体の前に駆け寄ると大きく両手を振る少女。
クラブは,小さく機体を震わせると上半身の固定位置を下げ,巨大なアームを少女に伸ばした。
軽い動作で少女がその鋏部分に腰掛けると,大事なものを扱うような丁寧な動きで,アームはゆっくり上へ,持ち上がる。
再び,広いスタジアムに歓声が上がると,それに答えるように,にっこりと笑顔を転がした少女は,手を伸ばし,ゆるやかに手を振った。
619Battle Field 10/32:2014/10/21(火) 22:26:10.69 ID:fflGOYAt0
 「ディアーネ。どうしてこう,注目を集めるようなことに首を突っ込むんだ」
 「だってあの頃みたいで楽しいよ,こういう雰囲気。びあとりすぅ。」
機体を競技場からピットに戻すと,そこには一足早く,もう1人の少女が仁王立ちで2人を待ち構えていた。
次の試合に挑む選手たちの喧噪と,機械音の騒がしい一角で,その少女は機体から降りた少年に右手を差し出す。
 「Beatrice…ビアトリスという。初めまして。」
かぶっていた帽子を小脇に抱えたもう1人の少女は,『B』にアクセントを置きながら,そう名乗った。
こうして並んでみると,やはり似ている。
しかし,やはり別人だ。
2人とも年の頃は10代半ば…少年と同じくらいの歳だろう,少女から娘へと成長する,中性的な躯に艶気が身に付きだす,微妙な肉付き。
淡い栗色の髪は片方は肩にかかるくらい,片方はショートヘアにカットしているが髪質は細く,ややもすると純粋な金髪のように薄く輝いた。
白い肌が象る輪郭は形良く,どこに出しても美少女で通る,写真映えのする容貌を作り上げる。
2人とも,形は違うが同じような…何かの欠片を繋いだネックレスを首にかけているところも,変わらない。
印象は,2人の瞳で変わった。
ディアーネは楽しそうにさざめく,波打ち際の湖面を思わせる青。
ビアトリスは静かにたゆたう,夜半の湖面を思わせる蒼。
ちょっとの間,見とれていた少年は,慌てて手を取り,自分も名乗る。
 「でも,ディアーネのおかげで完成して出場することができた…できました,ビアトリスさん。」
 「さん付けは,別にいらない」
そっけなく言い捨て,すぐ傍らのクラブを見上げた。
こういうものの言い方をする人なの,アームから跳ね降りてきたディアーネはそう言いたげにちろっと舌を出し,ビアトリスに。
 「で,どう思う?ぼくとしては,結構面白い機体だと思うよ」
 「…まぁ,確かに。」
少女たちは機体を繋ぐ『背骨』を見ていた。
一つ,頷くと傍らに置いてあったアイソトープを『背骨』に当て,金属疲労を確かめながら。
 「アイデアはいいんだが,やはりこれだけ重い上半身を支え続けると疲労が蓄積するな」
 「短い期間…この大会で6戦するだけだから,それくらいなら保つかなーって。」
 「良い発想なんだが,激しい動きをすればそれだけ荷重が長くかかり,テンションの維持を短くするため,伸縮自在にするのはありだが…うん,寿命は短くなるな。
 それを避けるには,この『背骨』の設定だけではなく,やはり上半身と下半身,それぞれの機体制御プログラムもいじらなければ………D。」
 「えっへー,バレたぁ?」
アイソトープの検診器を片手に『背骨』に当て,音波診断の結果を見ていたビアトリスは,眉の端を僅かに上げながら,傍らに立つ姉妹を見つめた。
にっこり,と,にやり,の2種類の笑みを浮かべて見返すディアーネ。
 「このビアトリスは設計と応用,それにプログラムが得意なの。」
振り返り,少年ににっこりと伝える少女は,ぽむんと傍らにしゃがみこんでいる姉妹の肩に手を置く。
 「さっきの試合を見てたけど,やっぱり組立・構成・調整は,ぼくときみでしっかり出来ていても,それを統括するプログラムが適正でないといけないのかなーって。」
同年齢の少女の,華やかな笑顔にどぎまぎして視線を逸らす少年。
彼女のそれは,異性の反応を気にしない質なのか,それともあまり人付き合いのない,他人を知らない所以の無邪気さか。
 「お金がないなら,ないなりの機体はある。戦い方もある。あとは結果を出すだけ…ね,ビアトリスぅ。出発まで時間あるし,暇でしょー,ぼくたち〜。」
置いた手をゆさゆさ揺すると,ビアトリスという名の少女は,あぁもう,という表情を浮かべ。
 「…わかったわ。でも,この機体の整備,ここじゃできないんでしょ?」
内心の好奇心と自負心をくすぐられ,彼女もまんざらではないのだろう…立ち上がって膝をはらいながら,肩口を撫でた髪を払った。
620Battle Field 11/32:2014/10/21(火) 22:27:54.98 ID:fflGOYAt0
月は,地球を周回する衛星だ。
従って,24時…地球やその生活習慣を模したコロニーと違い,厳密には時刻の感覚は異なる。
しかし。そこに仕事で滞在し,いつか定住するようになった人々…ルナリアンからしても,やはり長年のリズムを崩すことはできない。
従って,月でも1日の周期は24時とされており,その時間に従ってフォン・ブラウンに点灯する灯火の明るさも変えられるようになっていた。
そんな24時の時刻から言えば,既に夜更けの頃合い。
低く蠢くアクチュエーターの駆動音が,その夜とされる時間も,ジャンク街のはずれにある資材置き場で響いていた。
老朽品とはっきり分かるカンデラの灯りが暗がりを鈍く燃やし,3つの影絵をゆらゆらと蠢かせている。
 「はい,50mm規格。」
言葉を端折り,スパナをほいっと…視線もやらずに上にかざすと,にゅっと突き出る手が無言で受け取り,受け取ったスパナを小さく左右に振る。
礼のつもりなのだろう。
言葉も言わずにそれだけの仕草を…自分の作業に集中していて,見えないはずなのに。
 「いいって,いいって。」
自分の手元…その機体の下半身基部,『背骨』の付け根に細い工具で微妙な調整をしながら,ディアーネは返事をする。
まるで熟年の夫婦が「あれ」「それ」で交わす会話のようだが,2人は昨日,知り合ったばかり。
だのに,こうして馴染んで作業を続けられる。
それを不思議に思わず…
 「ちょっと,君。右脚部可動ユニットMD−SのF15はこちらのプログラムに想定通り動かないわ。それ,付け替えて」
機体から伸びたケーブルが繋がれたコンピュータ,それに向き合って細い指を走らせていた少女が,決して大きくはない声で少年に言うと,
少年は無言で,その回路と繋がっている回路をいったん切断し,別の回路…そこらから拾ってきたようなジャンク品…と入れ替え,指で輪を作り,それを振った。
 「…OK。それでいいわ」
独り言のように呟いた言葉だが,それも聞こえたのか,少年は今し方交換した回路を部品の山の彼方へ放り投げると,再び作業に戻る。
本当なら,少年もおかしいと感じるはず…実際,後日に至り,彼もそう思うのだが…
現時点では,おそらく大会のことが先にあるのだろう,不思議に思わず,作業に没頭していた。
ぼんやりと浮かぶその機体は,やはり民間用のモビルスーツ…プチモビとかデコモビなどと呼称される機械としては大きい。
だがサイズでいえば,ノーレギュレーション部門での規定されたサイズ(そうでないと,軍用MSをダウンサイズしたもので出場しようとする者が出てきかねない)以下であり,いわゆるミドルモビルスーツの範囲の大きさではあった。
では,何がその巨きさを連想させるのか…
それは,前に突き出した2本のアーム。
SP−W03の作業用アームをそのまま使うこのミドルMSは,自らの機体の全高にほぼ等しいサイズの腕部(つまり現在の機体高の半分以上の長さ)を備えている。
もちろん,それだけ巨大なアームを振り回せばバランスを失い,転倒し,起き上がれなくなりそうだが…
上半身と下半身,それを繋ぐ頑丈・フレキシブルな『背骨』が,じんわりとしなって,アーム可動によるモーメントを打ち消していた。
もちろん,それだけでは振り子のようになり,モーメントが保存されてしまうことになるが上半身下部,
ボール用の巨大な空間作業用ジャイロがをSP−W03部分の機体を吊り独楽のように扱い,偏りを収斂させていく。
ある程度のバランスの悪さはもちろん存在するが,この日の第1戦から第3戦までは,それを表に出さずに,外見のインパクトとアームの利点を全面に押しだし,勝利した。
しかし,明日からは,違う。
621Battle Field 12/32:2014/10/21(火) 22:29:19.76 ID:fflGOYAt0
明日の4戦と5戦,そして明後日に予定される決勝では,同じように勝ち上がってくる機体が相手であり,それは機体の性能も,腕も,より上がってくるはず。
それが分かっているから,ディアーネはビアトリスを引き入れた。
そしてクラブは改修され,より洗練されていく。
長さと腕力さえ維持できればいいアームには一切手を触れず,各所のパーツは,更に精度の高いジャンク品に変える。
脚部は,たいして移動できなくてもいい,という今日のような試合展開にはもうならないであろうから,
多少は移動速度が速くなるよう,ディアーネが脚周りの流体駆動装置を徹底的に設定し直していた。
ビアトリスは上半身と下半身の操縦系プログラムを書き換え『背骨』をメインとする機体制御系をよりブラッシュアップし,
少年は少女たちの手先になり下がり,言われるまま,改修を行う。
 「…でも,変に軽量化は狙わないほうがいいわね」
細いうなじに,揃えた指先を当てながら,呟く少女。
 「あまり軽くすると,かえって揺れるわ」
暗がりにぼぉっと浮かぶノート端末の明かりに白い顔を照らし出す少女…ビアトリスに,両脚部のジョイント系をいじるディアーネが呟き返す。
 「ぼくもそれに同意見。」
 「…でも,これは外そうかしら」
冴えた眼差しで,ビアトリスは,SP−W03の機体後方に設置されたそれを見た。
 「う〜ん,使うかなぁ…確かにいらないかなぁ…。」
 「使っても,1G環境かつ,この機体の重さじゃたいした稼働時間は期待できないわ。せいぜい30秒。
この機体,剛性を維持するため他のミドルモビルーツほど軽くないし,外してもいいんじゃない」
 「…いや,それは残しておきたいんだけど。」
ようやくジャイロ部から顔を出して機体に腰を下ろすと,少年はグリースに汚れた袖で油のついた頬を拭きながら,
先ほど受け取ったレンチでこんこん,と背中から機体下部に設置された円形のパーツを叩いた。
SP−W03の元々の装備,宇宙空間で使用するスラスター。
 「確かにアームとのカウンターバランス的には,あったほうがいいわね」
あまり納得はしていない顔つきではあるが,そうビアトリスは続ける。
 「でも設計上,『背骨』にそのスラスター,直撃するから,使った後は立てなくなるわ…外した後のバランスは,プログラミングで何とかなるレベルだし」
 「『背骨』には,制御系ケーブルも通ってるから,ケーブルが焼けちゃうしね。」
髪を揺らし,うんうん,と頷くディアーネ。
 「せっかくのシステムを殺すような装備じゃない,使うのは最後の場面でしかないわ」
 「それ,使えるのって1回だけ。ジャンプで相手を踏みつぶすなんて戦法,見たことないし。」
同じ声が,声音と口調だけを変えて話し合う光景に軽い困惑を覚えながら,少年は言った。
 「必要がないってことはないと思うんだ…なにか,きっと,役に立つような気がする。だから,残しておいてほしいんだ」
なんとなく見上げた頭上は,この4階層の上の階層の床,岩盤。
その黒い岩盤から宙を見るような目線で,少年は言った。
特に何か警句や予言めいた言い方ではなかったし,彼自身もそういう意図は全くないだろう。
でも,華やかな声で話し合っていた少女たちは,口をつぐむ。
 「…なら,残しておきましょう。SP−W03の操縦系にプログラムは残しておくわ」
言って,実行キーを打ち込んで機体の制御系に自己診断プログラムをアクセスさせて,この機体の制御がどこまで可能か…その新たな限界値を計算させながら。
先ほどから,ずっとこちらを見ている中年の女性にようやく気を払うつもりになったビアトリスは,ゆっくりと立ち上がり,そちらに向かって静かにお辞儀をした。
 「遅くまでご迷惑をおかけします,お母さんでいらっしゃいますか」
622Battle Field 13/32:2014/10/21(火) 22:30:38.58 ID:fflGOYAt0
えっ,と慌ててそちらを見やる少年…確かにその暗がりには,30をとうに超したであろう女性が,静かに立っていた。
艶やかな黒髪をショートヘアにし,歳の割に崩れていない体型をした女性は,息子へきつい視線を向けながら,ゆっくりと挨拶をする。
 「こんばんは,お嬢さん方。私,その子の母親で,ラトーラと申します。」
 「お初にお目にかかります,ビアトリスです」
 「…あ,初めまして。ぼく,ディアーネと言います。」
 「こんな夜更けまですいません。息子のわがままに付き合わせてしまって…。」
丁寧な口調だが,その下には息子への怒りと不満,目の前の少女たちへの疑問と不審が深く蠢いていることは,その低い声音から容易に推測できた。
 「あー,かーさん,これはね,その…うん,まぁ…色々あって,さぁ。」
 「話は,家に帰ってからです。ではディアーネさん,ビアトリスさん。先ほどからうかがっていると,もう作業は終わったご様子。
遅くなりましたし,そろそろお帰りにならないと親御さんも心配なさるのでは?」
ぽん,とビアトリスが細い指先をキーボードに叩くと,システムのチェック画面は終了し,自動的にアップデートを開始する。
 「本当,もうこんな時間です…ディアーネ,そちらももう終わったかしら」
 「えっ,あっ,うそっ,ぼくの方は,もうちょ」
 「終わったようですので,私たちも帰らせていただきます。兄さんたちが心配して,そろそろ出撃してしまうかもしれませんから」
電源を落とし,バックアップしたディスクを手にすると,ビアトリスは姉妹の肩に手を置き,有無を言わさず,帰宅の途につく。
 「それでは,失礼しました」
 「あ,あぁ…なら明日,会場で………」
再会の希望を込めて,少年が言う。
 「う,うん。また明日ね〜。」
無言で頭を下げて見送るラトーラという女性。その顔を…表情を見ようとしたビアトリスだったが,伏せた顔は暗がりに包まれて女性の顔色をうかがうことはできない。
 (たぶん,この反感は私たちに直接向けたものではない…何か昔にある感情を整理できないでいる…その心理的な代替として,こちらに敵意を向けてきているのだろう)
大会の規定では,危険なコックピット部位への攻撃は反則攻撃で失格となるので,行う者はいない。
ただ,事故は何事にも付きものだ。
だから世の母親には,こうしたMSの競技会を嫌っている者も少なくない。
ただ,彼女のものは,そうした情愛とは違うような,重い…強い負の感情。
心の奥底に仕舞われている未整理の感情であるが所以に,ビアトリスにも彼女の強い反感の意を読むことはできなかった。
 (あの2人なら…読めたかしら?)
少女たちの細い足取りは,既に街区の一つほどは先ほどのジャンク置き場から離れていたが,ラトーラの強い負の感情は,まだ彼女たちの心のひだに触れてきている。
相当,彼は怒られているだろう。
ちょっと考え,Beatriceは,やはり首を横に振って否定した。
 (親の…母親の感情を,男の人が理解できるとは思えないわ)
 「いくら,片方はお母さんみたいな感じだったとは言っても,ね」
うーん,と疲れを取るように腕を伸ばしてから。
これから彼が夜通し受けるだろう母親の叱責と,自分たちが2人の「兄さん」から言われる小言,
どちらが面倒くさいのであろうと思いながら,少女は抗議の声をあげる妹の腕をつかんだまま,ホテルへの帰路についた。
623Battle Field 14/32:2014/10/21(火) 22:32:07.14 ID:fflGOYAt0
翌日,第4戦目は,前夜の危惧が嘘のような,圧倒的な勝利だった。
結局,相手は何も学んでいなかったのだろう…もしくは,対処するだけの策を思いつかなかったのかもしれない。
この階級で最も数を見る,ドラケン改造型の軽量化・高機動型機。
3戦目の相手の戦い方を踏襲し,軽い機動性からクラブの背面を狙って軽々と飛翔したが…
スムーズに前進して立ち位置を変えた少年が,振り返りざまにアームを振ると,ガインという重く硬質の音をたて,相手機の右脚がひしゃげて崩れ折れる。
すぐさま,審判が試合終了を告げ…そんな開始10秒のラッキーヒットが,準決勝への進出を決めた。
そして,その楽勝さ所以の油断が,すぐ後に事故を招いた。
 「やったあぁあ,準決勝〜♪」
遂に競技場の客席どころか,ピットで待ち構えるようになった2人の前で,クラブはゆっくりと鈍い足音を止めて駐機体勢を構える。
 「動作がすごくいいです,ビアトリスさん。ずっと反応が早くなって。」
重たいコックピットハッチを開けて,目の下に隈を作った少年は,疲れと睡眠不足を隠せない顔に笑顔を浮かべて礼を言った。
 「追従性がよくなって…鈍さはもちろんあるんですけど,ガクン,とくるような機動が出ないから。」
 「そうかしら。…で,『背骨』の負担は,どう?ディアーネ」
 「調べてみないと分からないけど,見た目には疲労してないみたいだね〜。」
それを聞いて,小さく頷く少女。
2人とも昨日とは違い,同じ服を着て来ていた。
襟のない青と白のチェニックに,深い紺色のズボン。
チェニックの上から薄い水色の作業着を羽織り,頭上には厚い布地の作業帽。
少女らしさというか,女学生めいた雰囲気は失われたが…無防備な首筋と柔らかくチェニックを押し出す胸元は,少年に女性の存在を意識させた。
眠い。
昨晩はあれから一睡もさせてもらえず,母親から叱られ…まだ終わっていない,と金切り声を上げる般若面を背に,朝飯も食べずにクラブをこの会場まで持ち込んでいる。
ディアーネがサンドイッチを差し入れてくれなければ,相手のMSが倒れる前に自分がクラブのコクピットで倒れたかもしれない…
そんなことをだらだら考えている間も,2人の少女はいそいそと機体を固定し,ケーブルを繋げて機体を充電し…また,『背骨』の状況や機体の具合を点検に入る。
ノーリミット級ミドルMS選手権は,全長が軍用MSの1/3…約6m以下,射出体の使用禁止,
高熱源を発する機具(要はビームサーベルやヒートホークの類)の使用禁止,コクピットの規定以上の装甲化と,それを狙った攻撃の禁止。
そうした攻撃の手法に制限をもうけたクラス,それがノーリミット級。
主立った機体は,1年戦争の頃に軍用として使われたこともあるドラケンや,軍での採用実績もあるメッドをチューンナップして登場する者ばかりのクラスでもある。
実際,それらの機体が4メートルから5メートルはあるのだが…そこに6メートルぎりぎりで登場したこのクラブ。
リーチとパワーで圧倒するスタイルは,まさにこの大会ではモビルアーマー的な,恐竜的な進化スタイルでもあった。
朝,ディアーネからもらったサンドイッチを食べながら,ビアトリスが差し出した技術系新聞の朝刊…
そこに写る,クラブとそれを操縦する自分,そしてアームに座ってラウンドガールのように手を振るディアーネという,昨日の姿。
それに赤面しつつ,ビアトリスの細い指が指す記事の箇所を見て,少年はにやりとした。
 『この機体は,定形化した大会におけるMA的な意味をもっており,ジャンク的な機体の外見に似合わないパワーを…』
 「分かってないよな,案外と。」
今朝,新聞を見たときにサンドイッチと共に飲み込んだ言葉の後半分を思い出しながら,目の前で,少女たちがしていることを見る。
ビアトリスは『背骨』の荷重状況を丹念に点検し,ディアーネは古来からの点検法…
手にしたスパナでこんこん,と軽く『背骨』を叩いて音色と,金属のねじれによる色の変わり目を丹念にチェックしていた。
 (この機体の肝は,『背骨』だ)
624Battle Field 15/32:2014/10/21(火) 23:07:14.65 ID:fflGOYAt0
単純に,この機体の勝因を問えば,確かにアームのパワーとリーチの長さにつきる。
低い機動力だが,見た目に反して高い反応性は,相手の機体に即時の反応が可能であり,
長いアームは射撃武器がないこの競技会においては強力な武器で…高いパワーは,華奢な民生用MSを易々と撃破してきていた。
しかし。長いためにバランスを損ね,パワーがあるが所以に重いアームを如何に有効に活用するか…
新聞の記者は,そこを見落としている。
それを欠点としないための『背骨』を,記者は単純にジャンク的な部品…上半身であるSP−W03と下半身を繋ぐ部品としか見ていない。
そこが,この機体…というよりアイデアの肝であることを見落としていた。
一昨日のディアーネや昨日のビアトリスが一目見て,看破したようなセンスは持ち合わせていない記者の記事など,単なるスポーツ新聞の予想屋でしかない。
この『背骨』は,確かに今は脆弱で,荷重に長時間耐えられるような部位ではない。
しかしフレキシブルに動くことが可能で,機体の上半身と下半身を独立して稼働することができる『背骨』は
軍用としてはともかく,一般作業用MSに使うシステムとしては,斬新なアイデアであるはずだった。
そもそも,大方のプチモビに腰はない。
上半身と下半身は一体化しており,椀部は作業用…脚部は降着や僅かな移動用程度。
SP−W03のような空間作業にしか使えない作業機より汎用性があるため,現在では非MS形態の同業の機体を駆逐していたが,作業用として考えるのであれば,
人型にこだわらず,より異形な形に進化する…いや,SP−W03の形状を考えると,人型から『退化』できる。
そしてそれが最適化となるはずであった。
『背骨』は,上半身と下半身に分かれているため,形こそ未だ人型を止めているのであるが…コンセプト的には,人型を失ってもかまわない。
脊椎生物が決して人型だけではないように,たとえば多くの(腕と脚との区別をしない)作業用四肢を備え,フレキシブルな胴体を持つ機体を
『背骨』を中心に構成してもいいわけで,人型であっても上半身部位と下半身部位を,それこそ業務に分けて交換して運用してもいい。
機体を支えるのではなく,機体を運用するためのシステム…それが『背骨』であった。
 「ふぅ。」
小さなため息を漏らして額を手の甲でぬぐいながら,身を起こしたディアーネが指先で胸元を開いて,ぱたぱた,帽子で扇ぐ。
 「あ。」
そして,そんな機械的なことをだけ,ずっと考え込んでいた少年は,コックピット全面に突き出すアーム部にまたがってベアリングに油を注していたため…つい,見えた。
人差し指で,くいっと開いた胸元。
見ちゃった。
健康的な肌色をしてて。
見てしまった。
あまりふくらんでいない胸部だけど,柔肉がゆるんと汗ばんで。
見入りました。
緩やかなまるみは下方が幅広く…頂点に向けてゆるやかなカーブを描く,円錐形。
見届けました。
切っ先には淡いふくらみが尖っていて,小さくて。
ごめんなさい。
ぱたぱたと扇がれるその胸元,何かの欠片を繋いだネックレスの先…ほんの僅かな映像だったが,思春期の少年には脳内コマ送りリピート可能なくらい,十分な時間だった。
罪悪感を感じるというか,幸運な状況に動転したというか,急に手のひらが発汗したというか。
つるっと取り落としたオイル缶が,彼女の脇をすり抜けて床に落ちる。
 「あ…,ごめっ」
それをかがんで拾ったディアーネが,少年の謝罪の声に眉を小さく寄せて。
 「もう,作業中は気を抜かないでよね。」
見上げながらオイル缶を渡す少女のふくれっ面は,どうも覗かれたことに気づいた様子はなく…少年はほっとした気持ちで頭を下げると,また作業に戻った。
脳内を,双つの膨らみに占められながら。
625Battle Field 16/32:2014/10/21(火) 23:08:39.78 ID:fflGOYAt0
本日,何度目か分からない歓声が,また競技場にこだまする。
競技場の粗い地面を低い機械音を軋めかせながら,巨大な脚が歩調を刻んでゆく。
鈍い赤色に塗られたクラブは,重たげにアームを揺らしながら,準決勝となる試合に臨む。
 (…)
無言で機体を歩ませる少年。
まっすぐ正面を向く目線は相手の機体…扁平な作業用ミドルMS,メッドを改造し幾つものスラスターを装着した機体を見据える。
操縦桿に添えられた指は必要以上に力を込めることなくグリップに添えられていた。
それは,彼がモビルスーツのパイロットに向いていることを示していた…おそらく,血筋なのだろう。
逸ることなく,ゆっくりと…相手を威圧するように歩を進めた機体は,競技場のフィールド中央に達したところで歩みを止める。
静かな呼吸音が,機械の僅かな音と電気式発動機の規則正しい音に混ざった。
機載の僅かなコンピューター…操縦系とバランサー系のみ…が明滅し,汗一つかかない少年の顔貌は,目前の敵機に集中する…
…わけでもなかった。
相手の機体に目を向ける一方,違う彼の視線は,つい,ピットからこちらを見ているであろう少女の視線を意識し,そして先ほど見た膨らみを連想する。
 (柔らかそうだったな)
子供の頃から親の手伝いと仕事…ジャンク屋を…していた少年は,学校こそ母親に言われてきちんと通ってはいるものの,普通の少女たちと話すことはあまりなかった。
ちょっとした心の鞘当てを楽しんだり,可愛い服で自分を飾って他の少女より可愛く・より美しく見せ,そして異性との関心事が人生の一大事であるような,そういう年頃の少女たちと。
今,彼の後ろから声援を送ってくれている少女は,違う。
自分と同じ趣味を持ち,同じレベル以上で会話が可能で,水準以上に美しく。
そんな少女であったが…彼女の持ち物は大人の女性のように大きくはなかったが…それ所以,自分の手に届きそうな,掌に包み込めそうな肉塊。
触ったら手に吸い付くようにしっとりして,柔らかいだろう。
頂点の蕾は…硬いのかな,どうなのかな。
ぐっ,と握った手の動きに合わせ,クラブのアームがグウィィン,と動く。
 「あっ…と。」
集中力が途切れていた少年は,それで自分がつかの間,集中力を失っていたことに気づき,慌てて意識を胸から正面の敵機に向けた。
そして。
試合開始のサイレンが…その瞬間,鳴り終わっていた。
 「やばい…!!」
626Battle Field 17/32:2014/10/21(火) 23:10:11.02 ID:fflGOYAt0
 ―…ッ
サイレンが鳴り終わったとき,これまでの試合と違い,クラブの動きがワンテンポ,遅れた。
 「あ,やばっ。」
その数瞬の空白に,ディアーネは思わず口走る。
立ち上がりに1歩,遅れたクラブ…その眼前で,相手の機体はクラブの左手側から,カシャンカシャンと脚に取り付けたスラスターを後方に向けて轟音をあげ,背面へと走り込む。
そのワンテンポの遅れで振り回したアームは空を切り,遂に,5戦目でクラブは背後を取られた。
 「何をしている」
むすっと呻いたビアトリスは,先ほど,ちらっと触れた彼の思念を思う。
 (…やはり,注意しておくべきだったか)
12人の姉妹でも,NTとしての能力には個々に差がある。
たとえば,HをトップにAや彼女…Bは高い方。
Hくらいになると,そのNTとしての能力(だけ)は,アムロやシャアに追随するものを持っている。
一方。
軍人としての素養を重視されたJや,NTとしての認識よりも知性を重視されたI,人としての感性に重きを置かれて調整されたLなどは,あまり高くない。
Dは,感性よりも感情面…Aの亜種として開発されたプルタイプで,NTとしての能力は姉妹間で意思の疎通は可能でも,知らない相手の意思をはっきり読み取れるほどではなかった。
それゆえ…先ほど,彼がDの胸元を覗いているのに気づいたときも,まぁ,あの年頃の健康的な少年なら気になるだろうし…
あまり邪心を感じなかったし…そもそも,Dは気づいていなかったし…それに,覗かれたのは自分ではないので。
 (まぁ,お守り代わりになるだろう)
などと,Bは思って放置していた。
元々,兵士的な教養・訓練をJの次くらいに受け,理解していたBだから,その程度の「ラッキースケベ」は男性兵士への験担ぎ程度に見逃すものだと,比較的寛容であった。
…しかし,彼はもっとも大事な瞬間に,集中力を乱してしまった。
 
相手の機体はアームの届かない距離から大きく側面を回り込むと,スラスターをここぞとばかりに噴かし,突っ込んでくる。
競技場の乾いた路面にドムタイプのような埃を巻き上げ,突っ込んでくるMSは,カラテの抜き身のような形に指を揃え,その腕を小脇に抱え込むような形にして,ぐいっと自機の腰辺りに構える。
クラブもぐいっと回したアームをそのままに,大急ぎで機体を反転させるが…間に合うだろうか,もし『背骨』を傷つけられでもしたら。
627Battle Field 18/32:2014/10/21(火) 23:14:01.49 ID:fflGOYAt0
 「っ。」
きゅっと拳を握りしめ,ディアーネが息を呑む。
これが最大のピンチであることを感じ取る。
今,彼女は感覚を最大限に開いていた。
そのため,機内にある少年の思惟…焦燥と後悔,そしてなお尽きぬ戦意を『感じた』。
クラブのコックピット内では,少年が姿勢制御PCに表示される赤い警告画面を無視して,思い切り機体を反転させようとしていた。
が,反応速度はともかく,『背骨』がある所以に,そこを基点に機体の胴体の回転が止まる構造であるクラブは,それ以上向き直るためには脚をどたどたと踏み込み,反転するしかない…
 『アームはそのまま,右に跳んで!!』
そのとき,なぜか,少年にディアーネの声が聞こえた。
どうしてか考える余裕もなく,少年はフットペダルを踏み込んで右側へ機体を跳ねさせる。
粗末な作りのシートベルトを根本の金具ごとバチンと弾け跳ばしながら,その勢いで機体に急制動がかかり,転倒しそうな傾きを強引にジャイロが支えながら…クラブがたたらを踏み,右へと向いた。
ガーン,という大きな音が競技場に響く。
…突っ込んできたメッドは,腰に添えた手を大きく前に突き出し…それは次の瞬間,爆破ボルトが点火され,鋭い勢いでクラブがほんの1秒前まで腰を置いていた空間を飛び去って行った。
飛び道具ではないが,火薬ボルトで強制的に分離した腕を相手の枢要部に打ち込む打突機具としての腕部の運用。
これを『背骨』や下半身にでも受けていれば,その強力な打撃で機体のバランスを失い,転倒し…易々と戦闘力を奪われたであろう。
が,必殺の一撃は上半身,SP−W03部の側面を激しい衝撃音と共に削り取りながら,5メートルほど飛んで,大きな音をたてて競技場に転がった。
次に転がったのは,その本体。
クラブがちょうど,振り払うように突き出したアームがメッドの脚部を撫でるように弾いた。
装甲板が火花をあげながら異音を発し,互いに激しい衝撃で機体を揺らしながら激突し…より軽いメッドが,弾き飛ばされる。
ジャンクめいた激突音をあげ,自分が切り離した腕の後を追うように競技場の床に2,3度と回り転がった。
ディアーネ,ビアトリス,審判,そして大勢の観客は,次にクラブを見る。
大きく『背骨』がしなる…そして,ビアトリスが設計したプログラムがおんぼろPCを演算処理能力限界まで働かせ…
下半身は2,3歩,そのまま右へと脚を進めて機体を止め,上半身はジャイロが大きく作動して上半身の揺れを最小限に抑えた。
『背骨』は,折れない。
ギシギシと嫌な音を立てながら左右に振れるが…僅かな上下の伸縮も行って,バランスよく機体への衝撃モーメントを逃す。
最後にギリリ,と歯ぎしりするような音をたてると,クラブはアームをロックし,ゆっくりと姿勢と立て直した。
審判がメッドの方を一瞥すると…その機体は戦闘不能と判断してホイッスルを鳴らし,試合の終了を告げる。
見守っていた人々から歓声が上がり,ついに,ジャンクなその機体は,決勝へと進むこととなった。
628Battle Field 19/32:2014/10/21(火) 23:54:53.71 ID:fflGOYAt0
 「勝った勝った〜♪」
ゆっくりと歩行しながらピットに戻ってきたクラブを迎え,手放しで喜ぶ少女。
ピットには,2日前ほどには,人がもういない。
敗退したチームや人が増え,試合の数も減り,広々としたスペースは,今はもう,彼女ら3人だけだった。
 「さっきは危なかったけど,これで次は決勝…あと1回で優勝だよー!!」
ディアーネはにこにこと機体に駆け寄るってアームに手をかけ,上半身に取り付く。
こんこん,とまだ操縦席から顔を出さない少年に合図をし,言葉を続けた。
 「最後の相手の突撃も何とか凌いだし,この『背骨』も結構,保つもんだよね〜。これならアイデアを売りつけるとかできるかもしんない。
お母さんも喜ぶでしょ,さすがに〜♪」
紺色の生地で縫製されたズボンは,作業を意識してか厚手の生地であったが,それでも細く長く伸びた脚は,すっと少女の躯をアームに立てる。
ちらっと目をやった側面の破損部…先ほどの激突で負ったもの…は,左側面の球状部に大きな擦過痕と内部のフレーム部分にまで及ぶ亀裂が生じていた。
もしこれが宇宙空間であれば,生命維持に影響が出るほどのダメージかもしれない…
機体内から,反応はない。
 「おーい。早く開けてよ〜,明日に備えて機体チェックしよーよ。」
再度,こんこん,と叩いて開けるよう,合図する。
いつもなら,勝利に興奮と…それでも次の戦いへ,落ち着いて自機のコックピットを開けてくる彼なのに。
 「ディアーネ。強制解放レバーを引くんだ」
下からビアトリスが声をかけた。
 「う,うん。」
戸惑うように反対側側面へと回り,腰の作業用ポーチから抜いた小さな金槌で強化プラスチックの板をパキッと割り,赤いレバーを引く。
がこん,と見た目より軽い音をたて,コックピットが開放された。
629Battle Field 20/32:2014/10/22(水) 07:27:06.70 ID:2r0xGik70
 「…よし,これで応急手当は終了だ」
ビアトリスが左腕に巻いた布をしぼると,少年が呻き声をあげた。
 「なんだ,この程度の傷で声を出すな,男だろう?」
やや強気な口調で言うビアトリス。
しかし,その発破は,彼女にしても,やや強がりめいて聞こえるくらいであった。
 「…。」
実際,隣で見守るディアーネは,姉妹のCecilia…シーリアや,ELe…エルであればそうするように,躯を小さく震わせている。
少年は,小さく呻いた後は,ぐっとこらえていた。
…あの戦いで機体は転倒(していれば『背骨』を損傷し,起き上がれなかっただろう)を免れていたが,右へジャンプした直後に敵機と接触し,激しい衝撃と共に左側面を大きく破損しており,
それはコックピットハーネスを失った少年を機体内に激しく叩き付け,左腕を激しく打ち付けて…その腕は,青黒い内出血と打ち身で,ぱんぱんに腫れ上がっていた。
 「幸い,骨は折れていないな。だが,しばらく動かすことは無理だ」
 「…ふざけんな,あと1回で優勝なんだぞ。」
 「しかし…,腕を動かすこともできないだろう?」
 「そーだよ,無理しない方がいいよ…無理して怪我を悪くしたら,元も子もないよ。」
普段明るいディアーネであるが,今は明るい声を抑えめに,しかし落ち込ませないよう,湿っぽい口調にならないように。
 「また来年,あるじゃない,ねっ?」
既に街路灯は暗めにシフトされる刻限。
まだ,どこかからか機械が動く音が静かに響くジャンク街の一角で,競技場から撤収してきた彼らは,機体を前に話していた。
どうしても,声音は低く,小さくなる。
シャツを脱がせ,汗をぬぐってから打ち身に軟膏を塗り…滅菌ガーゼで上腕部をぐるりと囲んでから包帯でくるみ,テーピングする。
そして首から紐で釣り下げたところで,少年はそれを拒んで腕を振り上げ…鈍い痛みが患部を走り,少年は呻きながら腕を下ろした。
作業場に駐機されたクラブは,損傷箇所もまだそのまま,悄然と立ち尽くす。
…ここに帰る前,少女たちは競技場から病院に向かって治療を受けようとしたが…少年は,それを拒否していた。
 『金がない』
少年が言わなかった事情はそんなところであろうが,なんとなく事情を察した少女たちは,帰り道に薬局で医療品をしこたま買い込んでここへ帰ってきていた。
実際のところ,アクシズで軍事教育課程を受講していたBeatriceには応急手当の知識もあったので,現状,できる限りの手当は行っていた。
それに応急手当だろうが医療機関に受診していようが,結果は変わらないだろう。
 (…まだ,熱は出ていないな)
にじみ出る汗を手にしたタオルでぬぐいながら,少年の様子を見守るビアトリス。
骨は折れていないようであったが,ヒビは入っているかもしれない…,彼が今夜半にでも高熱を発したら,どうにかして病院に行くよう,説得が必要かもしれなかった。
 「…私たちが出られれば,いいんだけどね。」
少年の額の汗を拭きながら,ぼそっとディアーネが呟く。
大会は,参加資格にこの都市の住人であることが明記されていた。
単純に他月面都市やコロニーからの助っ人を防ぐ条項であったが…
そもそも,この都市どころか公に存在を明かせない彼女たちが少年の代わりに,この機体のパイロットとして出場することはできなかった。
小声で呟くように言ったディアーネが少年の隣に腰かける。
ビアトリスは,治療に使った包帯や薬剤をガサガサと袋に詰め直しながらさりげなく,2人から身を離した。
 「いや,こんな怪我をするようなことを女の子にさせる訳には,いかないよ。」
ディアーネに言葉を返した少年は,きつい痛みを噛み締めながら…思う。
痛みは強いが,それは生きているということ。
まだ…まだ,行ける。
たとえ腕が折れていたとしても,心は折れていない。
630Battle Field 21/32:2014/10/22(水) 07:28:32.37 ID:2r0xGik70
時間は,もう夜も進んだ頃合い,街頭も暗く明かりも闇に沈む頃合い。
 「こういうことは,さ,最後は意地だと思うんだ。」
 「意地?」
腕は腫れ上がり,包帯に隠れた肉は最初赤黒く…もう今は,青黒くなっている。
骨が折れていなくとも,ひびくらいは入っているかもしれない。
それでもゆっくりと少年は腕を動かし,痛みと引き替えに,指先は僅かに動いた。
 「確かに来年はあるかもしれない。でも,今は明日の試合のことしか考えちゃいけないんだ。」
 「…。」
 「ここで負けるわけにはいかない,夢で終わるわけにはいかない。俺は,まだきっと戦えるから。」
少年の心の奥底でくすぶっていた何かが,目覚めようとしていた。
 「今はもう,優勝するとか…この機体のアイデアで世に出たいとか…そんなことは思っていないんだ。」
少年の声に力が篭もる。
少女は,黙って聞いていた。
 「何かをやること,何かをやれること…それが,ようやく俺に見えてきた,だから…ここで終わりたくない。」
日々の生活のためのジャンク屋生活。母親を安心させるための学校生活。
大事ではあっても,大切ではないこと。
熱くなれること,熱くなれるもの。
たった2日前には,そんなことを思いもせず,考えもせず…ただそういう日々の生活から脱出しようとしていただけ。
今は,もっと強くなりたい。
もっと,
もっと。
痛みを超えて,少年は両の手をぐっと握りしめる…そして,開いた左手に右手の拳を打ち付ける。
 「…〜っ!!?」
その瞬間,痛みが左手から頭のてっぺんまで,骨から伝達するように響いた。
つい,情熱のまま握った拳をぐっ,とこらえるように膝の上に置いて痛みを噛み殺していると…柔らかな指が包み込むように,少年の握られた右手をさする。
 「…わかった。」
ゆっくりと横を見ると,ディアーネが少年を見つめながら,言った。
 「最後まで,がんばろ?」
今も青い瞳は明るく輝いているけれども,そこに少年は違う光を感じた。
同年齢の他の少女には感じなかったもの。
それは,彼女にしか感じなかったもの。
たぶんそれは…
熱っぽい気持ちで目線をあげると,少女もそれをしっかり見つめ返してきた。
どこか潤んだような瞳が,彼の心の何かを取り払う。
自分の手を包むその手を強引に握り返し,指と指を絡め合うように繋ぎ直すと,少女が小さく,息を吐く。
そして,小さく喉を鳴らして,そっと顔と顔を近づ
631Battle Field 22/32:2014/10/22(水) 07:30:56.75 ID:2r0xGik70
 「…で,そろそろいいかな,お2人さん」
結構近くから,見下ろすように言葉が降ってきた。
びくん,と2人が体と躯を震わせ,そぅっと視線を見上げると…
ビアトリスが,むひょーじょーな目線で見下ろしている。
 「や,やぁ…びあとりすぅ…。」
どこか気まずげに,ディアーネ。
 「お2人に,面会だよ」
むひょーじょーにビアトリスが躯をずらすと。
 「か,かあさん…。」
はっきりと気まずく。
ビアトリスの後ろには,少年の母親であるラトーラが,無表情に立っていた。
まだ手を握ったままの少年少女と,それを見下ろす母親…どうにも微妙な空気が流れる。
…しばらくして。
くすっ,と小さな笑い声が出た。
 「…母さん?」
やや歳のいった女性だが…若い頃は,こういう笑い方をしていたのだろう。
 「そういえば,私,あなたのお父さんとそういう甘酸っぱいこと,あったかしら?」
ふふ,と大人の女性らしい寛容さで,彼女は笑った。
 「あ,あの,母さん,その…,あ痛っ」
 「あっ,だ,大丈夫!?」
異性を意識しても,親に紹介するにはまだ恥ずかしいのか。何か言い訳めいたことを口にしようとした少年は腕の痛みに顔をしかめ,慌てて手を伸ばす少女。
そしてラトーラは,手に持った物を少年に手渡した。
 「こ,これは…?」
それは,1本の操縦桿だった。
大きく握り手で把持するような…ちょうど巨大な輪っかのような形をしたそれは,操縦桿の半ばほどにも幾つかのトリガーが増設され,頂上部のボタンも複数になっている。
親指で押さえるボタンは,他のものとは色も大きさも違う。それは押すときにコクリと鳴りそうなくらい,やや硬質の作り。
少年が,差し出されたそれを健在な右手で受け取る。
不思議と,その操縦桿は彼の手にしっくりと収まった。
 「その操縦桿は,あなたのお父さんの操縦桿よ。」
 「お,お父さん…?」
手に握る操縦桿を確かめるように2,3度と握り返してから,少年は母親を見上げる。
 「そう。…あなたのお父さんは,ジオンでパイロットをしていたわ。そして怪我をして片腕となり,戦争を続けられなくなって,故郷にも帰れなくなって,このフォン・ブラウンにやってきた。」
いったい,いつの時代の話をしているのだろう…そのときのラトーラは,生活に疲れた主婦ではなく,娘のような面持ちで。
 「彼は,疲れ切っていたわ。…そして,ただ生きるため,ここで働き始めた。」
あぁ,その頃にこの人は会ってしまったんだ。
ビアトリスは,目の前の女性を,見つめる。
彼女の中で,彼はいつまでもその頃のままの男性だったのだろう…疲れ切り,戦争に倦み,何かを掴むことなく,ただ生きるためだけに戦い始めた男を。
そして,忘れられないのだろう,その人のことを。
 「これは,あの人が残したもの。あの人が自分で作った操縦桿。…先ほど,ビアトリスさんにこの操縦桿の動作プログラムの入ったディスクを渡しました。」
浮かべた笑みは,どこか寂しげで。
 「片腕でも戦えるよう,最後まで戦えるよう,あの人が作り上げたこの操縦桿…あなたも,あの人の息子なら,戦えるはずよ。」
本当は,まだ納得していないのかもしれない…この操縦桿を渡すことに,躊躇いがあるかもしれない。
それでも,彼女は操縦桿を少年に譲り渡した。
そして少年が手にした操縦桿に頷き返すのを見ると,黙って,その場に背を向けた。
 「私は,クラブをこの操縦桿1本で操縦できるよう調整する。ディアーネ,取り付け作業を頼む」
呼びかけられた少女は,立ち上がる。
 「お前は,片腕でクラブを操縦できるよう,特訓だ」
少年も,立ち上がった。
632Battle Field 23/32:2014/10/22(水) 07:33:15.56 ID:2r0xGik70
最終試合…決勝戦は,午後1時から開始であった。
既に競技場の客席はほとんどの席が埋まっており,既に立ち見する者もいる始末。
そうした観客の興奮気味な大声や,飲み物や軽食を売る売り子たちの華やかな声,それらが渾然一体となって起こす歓声…
そして,決勝に望んだ両機は,既にフィールドで向かい合っていた。
1体は,ドラケン…軍用としても使われたミドルMS。
綺麗に塗装され,その他の機体と同様にスラスターを増設されているが…この機体が目立つのは,その形状とカラーリング。
作業用機としての無骨な形状であるが,装甲板は角を丸く形成し,機体全体も丸みを帯びたスマートなライン。
背部に設置された2器の大型スラスターは,まるでもう2本の腕が背面に生えているようで,テスト稼働では左右にも振れるようになっているところから,機体の機動力を高める工夫のようであった。
そして,本来はない頭部を機体上面に設置し…より外部状況の把握を高めるためであろう,その頭部にはツインアイ型のカメラが装甲の裏で鈍く明滅し,頭部前面に設置されたV字型のアンテナがギラリと光る。
クラブがノーリミット級にMA的な戦闘法を持ち込んだことで勝ち進んだ一方,こちらの機体は高機動性に敵情視察&情報収集能力を高めることで,他の機体に勝ち進んできていたのであった。
そして,なにより。
 「ガンダム,か」
ビアトリスが,ちらっと相手の機体を見て,言う。
その機体のカラーリングは,今や宇宙世紀で誰もが知らぬはずのない白と青,それに赤い色のトリコロール。
ツインアイの上にV字型のアンテナが立っているところから,設計者が何を思って作ったのかは,言わずもがなであった。
いわゆるガンダムカラーに塗られたその機体は,塗装が違うだけなのに,不思議と強そうに見える。
 「だあいじょぶ,だいじょぶだって。」
母音にアクセントを置くような発言で,ディアーネが明るく返した。
開かれたハッチから覗く操縦席は暗い…幾つかの明滅するモニターがちかちかと反応し,その前に座る少年が,静かにチェックリストを点検する。
そして2人の少女は,機体上方に開いたコックピットハッチに2人揃って躯を折って上半身を入れ,ほぼ逆さまのような姿勢で最終作業を行っていた。
プログラムを細い指先1本で打ち込んでいたビアトリスは,最終調整のため機載コンピュータと繋いでいたモバイルのケーブルを引き抜くと,
機体内に潜り込むように差し入れていた上半身を優雅に引き上げ…
上がる瞬間,激励するように操縦桿を握る少年の右肩をそっと撫でた。
そして機体外に起き直ると,ぱっと視線を上げ,挑戦的に相手チームを流し目で見やり…口の端に笑みをはいて,ピットへ向けて歩き出す。
ディアーネの作業も終わった。
ビアトリスの反対側から上半身を突っ込んで作業を行っていた彼女も,内部の点検を終えると躯を外に引き上げようとして…何かに気づいたように,また機体内に躯を戻す。
そして両の手で少年の顔をぐっと挟むと,少年の唇に柔らかな唇を押しつけた。

 「…?!」
首筋から逆に下がったネックレスの欠片が,きらりと緑色に光る。
操縦桿を確かめるように握っていた少年は,不意に目の前いっぱいにディアーネの顔が広がると…唇に,湿り気を感じた。
 「がんばって,ね。」
声をかけると少女が躯を起こし,機体を下りてビアトリスの後を追い,走っていく。
 「…」
しばらく,無言で硬直していた少年。
そして,とうにそこにいない,先ほどまでそこにいたディアーネの後ろ姿に視線をやり,ふぅっと深呼吸一つ,すると。
少女たちが十分に離れたことを確認して,重い音を立てて操縦席のハッチを閉じた。
そして,試合開始のホイッスルが鳴らされる。
633Battle Field 24/32:2014/10/22(水) 22:52:27.25 ID:2r0xGik70
 「早っ…!!」
ホイッスルが鳴ると同時に,目の前のガンダムもどきが脚を1歩踏み込みながら,背部のスラスターを噴かす。
チーッ,と小さな音が鳴っているだろう…ツインアイがこちらを見据えると,背部スラスターを全開にして突っ込んでくる。
少年は,ぐっと受け止めるように操縦桿を前に突き出し…人差し指をホールドしながら中指でボタンを探り当て,軽く添えてクリック。
その操縦に合わせて,片腕用の操縦設定通りにクラブが動く。
突っ込んでくるガンダムもどきへ,探るように左手が伸びて行き…ガンダムもどきの背部スラスターがぐっと左に可動し,スラスターの向きがより下方へと向けられた。
その動きで,ガンダムもどきは自分の機体の身長ほどの高さへと飛翔する。
客席が大きくどよめく中,ガンダムもどきがクラブのアームをかいくぐるようにその上部を飛び去り…くっ,とスラスターの噴射を止めると柔らかにクラブの後方に着地する。
 「…柔らかい機体だなぁ。」
感心したように,ディアーネが呟く。
 「あの高さから,よく降りる」
ビアトリスもガンダムもどきの脚部,腰を見ながら言った。
実際,作業用MSでありながら,あれだけ『飛行』し『着地』する。
かつて1年戦争当時,地球上でガンダムと戦闘を行ったジオン地球軍は,ガンダムが機体をジャンプさせながら緩やかに滑空し,航空部隊を攻撃してくる様を見て驚愕したという。
それまでのMS…地球連邦を10年は優越していると評されたジオンであったが,一部技術では連邦がそれを優越していた。
その一つが,一つの機体で同時に2つのビーム兵器を稼働させることが可能であったジェネレーター技術であり,それはビームサーベルとビームライフルという兵器だけでなく。ガンダムという機体それ自体の機動性をも高めていた。
更に,それだけの高さから着地し,パイロットを負傷させることなく衝撃を吸収する,それを可能にした連邦の駆動装置やバランサーに関するレベルの高さも,特筆すべきレベルであった。
今,相手のガンダムもどきも小型の機体でそれを可能にしている。
(もっとも,月面の緩やかなGを考慮しなくてはいけないが)
そして軽やかに機体を反転させたガンダムもどきが,再びツインアイの輝きを靡かせながら走り出す。
観客の歓声が,後を追う。
昨日の5戦目と同じ展開を取ったこと,昨日はギリギリで避けたが…今回は。
しかし,クラブは昨日と同様には動かない。
1歩,右脚を後ろに踏み込みながらゆっくりと上半身を回転させ…アームで機体をガードするような動きで,しっかりと腰を据えた。
ガイン
金属と金属がひしゃげる音が,ぐわんと鳴り響く。
走り込んだガンダムもどきが相手と比べると細い腕を,クラブの脚に当てる…が,より自重のある機体は重たく立ち上がり続けた。
そしてアームがぬるりと近づくと,ガンダムもどきは背部のスラスターをくるりと反転させ,ごおぉ…という轟音をあげて噴射。
ぐいっと引っ張られるように,ガンダムもどきがクラブから一気に離れる。
しゅっ,とすぐにスラスターが止められると,着地する。
 「…そこが,欠点かな」
ビアトリスが見る限り,ガンダムもどきは良い機動性を持つが…機体容量の小ささは,機動性を生かす反面,欠点であるように見えた。
機体が小さいので,僅かなスラスター量でも機体は大きく『飛ぶ』ことができる…だが,小さいがために,長時間『飛ぶ』ためにスラスターの燃料を多く持つことはできない。
軽い機体と,スラスター燃料は両立しない。
よく飛ぶガンダムカラーの機体に観客は歓声を上げるが,決定打となる攻撃力がなければ,いずれスラスターが尽きたとき,勝利はクラブの手(アーム?)に落ちてくる。
はずであった。
634Battle Field 25/32:2014/10/22(水) 22:54:24.82 ID:2r0xGik70
まさしく,その戦いはゴーレムとガーゴイル,2頭の鋼鉄の幻獣が繰り広げる戦いだった。
重く,しかしパワーのある一撃を繰り出すクラブをガンダムもどきは小さな動きと大きな機動力で,いなす。
『背骨』に支えられた上半身のSP−W03を揺らすクラブは,赤い機体を重たく蠢かしつつアームを振り回し…白いガンダムもどきは背部のスラスターフレームを振り回して白い機体を軽く飛翔させる。
赤と白…伝説の戦いを思わせるその戦いに,観客はいっそう興奮して一挙一動に手を振り上げた。
 「…すごいな」
うんうん,とディアーネが声にならないので,首を振って返事をする。
ビアトリスが言ったのは,目の前の戦いぶりという訳ではなく…自分たちが関わった機体のこと。
そして,片腕でも操縦できるよう,作成された操縦桿。
初めての片腕での操縦であそこまでやり合う少年の腕もいい腕ではあるが…それより,自分たちが関わった機体が見せる,その戦いぶりに2人は魅入っていた。
楽しい。
MSの戦い…1歩間違えば殺し合いの道具と言えなくもない。
だが,それに関係なく,ただ自分たちの作り上げたものを見つめる。
アムロが日々,あのアクシズで行っていた機械製作…あれは無論,生活のためであった。
しかし一方で,戦いから解き放たれた男がようやく手にした時間…平穏な日々を象徴する,趣味の世界だったのではないだろうか。
アムロは,周囲の人々の話によるとガンダムに乗り込む前,サイド7で『機械オタクの少年』として有名であった。
それは当時,直接の知り合いではなかったミライ・ヤシマですら,そう聞いたことがあるほどだったという。
その少年期を戦いと幽閉に費やし…,続く青年期をグリプス戦争から第二次ネオジオン戦争で終え。
そして30代にして突入した,アクシズでの生活。
そこで得たものは,趣味と実益を兼ねた機械いじり。
彼は,失った時間を取り返そうとしていたのかもしれない。
Beatriceはそう考え,Dianeはそう思った。
そして…今の彼女たちも,そのアムロの気持ちを理解する。
 「面白い」
 「…うん。」
少女たちは,今,自分たちの夢と向かい合っていたことに気がついた。
635Battle Field 26/32:2014/10/22(水) 22:56:15.46 ID:2r0xGik70
白い腕がSP−W03のアームと交差する,鈍い金属音が耳をつんざく。
鋼鉄の腕が鈍い鋼色の腕を捉え,バランスを崩そうと逆手を取ろうとするが…重い脚部が1,2歩と後ずさるとそれを支えることができず,
手を離すと小さくスラスターを噴射して後退した。
ちゅいん,という軽快な音と共に縮んでいた『背骨』が再び伸び上がり…アームが伸びるとガンダムもどきを捕まえようとするが,その速さには追いつかない。
歓声が,残念がる呻きと…安堵する喜びの声で2種類の騒音を奏でた。
…戦いは,既に30分間。
集中力の限界とも言えるし,また,MSの稼働時間としても限界に近い。
機体の設計によっては,そこまで継戦能力を考慮しない機体だってある…そういう時間だった。
実際,ガンダムもどきは先ほどからスラスターの使用を極力制限するようになってきていたし,クラブとて動きが鈍い。
…これは,パイロットの負傷を考えると,少女の胸にちくりとした痛みを感じさせるものでもあった。
 「長いよぉ…。」
不安に思うが,今の彼女には祈ることしかできない。
意識せず,胸元のネックレスをさぐると…その先にある欠片を両の手でぎゅっと握る,何かに祈るように。
そしてそのとき,遂に,動いた。
ガンダムもどきがぐっと身構えるように姿勢を前傾させると…スラスターを噴射させて飛びかかるように,機動する。
クラブがアームを突き出し,牽制するようにゆっくり振り…それをぎりぎりでかいくぐると,着地した脚を大きく蹴り上げ,更に跳躍。
一気にクラブの腰部に目掛け…
 「っ」
ビアトリスが,呻く。
しかしクラブは,さらに脚を引き,『スパイン』を可動させて上半身を前に突き出す。
アームではない,上半身…いや,頭部。
巨大な胴体部を突き出されたガンダムもどきは,自重に勝る相手からの体当たりを回避するようにたたらを踏み,左に素早く脚を運ぶ。
小さく,右腕を振り上げて。
そして機体が離れたとき,クラブとガンダムもどきの間に,細い線が1本,繋がれていた。
次の瞬間,クラブの巨きな機体に一瞬,火花が散る。
 「…?!」
636Battle Field 27/32:2014/10/22(水) 23:00:32.49 ID:2r0xGik70
 「あ,あれって…」
先ほど,ガンダムもどきは離れる瞬間,右手部をクラブの脚部に掛けていた。
完全な人間形ではないが,指は脚部にあったメンテナンス用の取っ手に絡みつくと,機体が離れるときに椀部がそのまま機体から離れ…ずるり,と腕から機体にコードが垂れ落ちる。
直後,スラスターを大きく噴射させたガンダムもどきは10m以上機体を離し,『背骨』をしならせながらアームを伸ばしてくるクラブから距離を置くと,動きを止めた。
機体の間で強い電流が空気を灼く音がする。
数瞬遅れて,電流が空気を焼く臭いがした。
 「…プラズマリーダー。」
ディアーネが小さく呟いたそれは,かつてジオン公国軍がMAアッザムに搭載した,ミノフスキーコンデンサーに電力を蓄え,放出する兵器。
発振された電磁パルスが相手の電子部品を灼き切り,付随するマイクロ波が搭乗者を焼き殺す兵器…むろん,これはそこまでの威力はない。
そういう意味では,むしろグフのヒートロッドの弱体化版…高熱でもって敵機を灼き切る目的ではなく,そこから発振される電力で相手機の電子機器を破壊し,行動不能に陥れようというのだろう。
確かに,レギュレーション上,射出兵器やビームサーベルのような高熱源兵器は禁止されてはいるが…高電力を相手の機体に流し,電子機器を狙うことはルール上に記載されておらず,つまり規定違反ではない。
一瞬,機体に流された電流はクラブの外装を通して機体内部を走り抜け…幾つかの間接から薄い煙が立ち上っていた。
脚部の駆動装置が幾つか,損傷したのかもしれない。
そしてなにより…
 「もう…『背骨』が,もたない」
ビアトリスが呻くように言った。
ある程度の剛性は確保してある『背骨』だったが,そうした攻撃や不具合に対処できるような高靱性までは,考慮されていない。
しかも,『背骨』が未だ機能していたとしても,それは機体各所の駆動装置がセーブする機体のバランスを考慮してプログラミングされており,もし,今の一撃で幾つかの駆動装置が失われていたとしたら…
その失われたバランスは『背骨』の計算外であり,その分の負荷が『背骨』にかかる。
そうなると…不安定な上半身を支える『背骨』は一層の負荷を抱え,「折れて」しまうだろう。
1歩,クラブが前へと踏み出した。
よろめくような足取りと…軋むような音が聞こえたのは,気のせいではない。
踏み出した向きと反対側へと,必死にバランサーが反応し『背骨』がそれを支えようとするが,失われた駆動装置の分だけ,機体がふらつくようによろめいた。
それでも1歩…2歩と近づくと,アームが長いクラブはガンダムもどきに接近することになる…既に,ガンダムもどきもスラスターを噴かすだけの燃料はないのだろう。
白い機体は,動くことなく2度目のプラズマリーダーのスイッチを入れた。
637Battle Field 28/32:2014/10/22(水) 23:07:43.14 ID:2r0xGik70
再び機体間に光が走ると,今度ははっきりと,目に見える結果が現れた。
圧縮された電流がケーブルを伝って放電されてクラブの下半身に流れ…幾つかの絶縁体に邪魔されながらも,下半身部のあちこちを灼き切り,その機能を止める。
電子部品が焼ける白煙が,装甲の下から立ち上る。
ビアトリスが手をぎゅっと握り,視線を見張った。
ディアーネが掌で口元を押さえる。
大きな音をたて,がくん,と大きく振れたクラブの下半身が,2,3歩たたらを踏み…大きな音を立てて外れると,競技場に転がった。
見た目の印象よりはあまり大きくない音が,観客の声援すら飲み込むように,静かに倒れる。
白煙が小さく上がる脚部は,激戦を終えてなお,戦おうとするかのように相手を向いたまま倒れ伏し,装甲があちこちを黒く焦げていた。
そして…,鈍く立ち上る轟音。

観客が,まだ立ち上がっていなかった者まで,全員が立ち上がる。
ビアトリスが,ディアーネが,目を見張る。
2度目の放電を受けた機体が白煙を上げる…その瞬間,少年は瞳に力を込めて。
右手に握った操縦桿をぐっと握りしめ…親指にかけたボタンを押し込むと,続いて中指を折り曲げて緊急のイジェクトコールをした。
クラブが,その指示を受けて背部で繋がっていた,ここまで機体を支えてきた『背骨』をシステムから切り離す。
小さい警告音と共に下半身を示す表示がオフ表示となり,次に背中越しに鈍いスラスターの排出音が響いた。
左腕の痛みを戦闘の緊張感でねじ伏せたまま,少年は呟く。
 「30秒…だったよな,ビアトリス。」
クラブが『背骨』をずるりと下半身から引き抜くと,システムから切り離されたそれは,電流の直撃による白い煙を上げながら,鈍く倒れ込んだ。
そして上半身のみ…SP−W03部のみが,本来のスラスターを全開にして浮き上がる。
操縦桿を握る少年の手に力が入り,クラブは機体を前傾させた。
そして,少年は,操縦席の中,誰かに肩を支えてもらっているかのように,しっかりと相手を見据えて,何かを呟く。
見開いた目に,大きく,アームの先に,小さく。
対戦する相手は,ガンダム。
そして,スラスターが噴射された。
638通常の名無しさんの3倍:2014/10/22(水) 23:54:59.33 ID:CzZlAxwN0
新作キターーー!!
続きを楽しみにお待ちしています。
639Battle Field 29/32:2014/10/23(木) 08:17:35.91 ID:HTO6old20
わー,わー…。
幾重もの人々の思いを込めた叫び声が重なり合うと,一つの巨きく無個性な歓声となる。
フォン・ブラウンの一角。
MS製造・研究の,巨大な企業であるアナハイムの城下町。
そこに置かれた競技場では,今,彼らが次代を担う設計者や技術者を見いだすためのプチモビ選手権…レスリングによる競技会が行われていた。
過去には,かのNT…カミーユ・ビダンも自作のジュニアMSで参加したことのあるこうした大会は,月や各コロニーで大会が行われており,さらには各コロニー選出の選手による決勝戦も開かれるほど,盛況なものとなってきている。
ここは,そのフォン・ブラウンにおける競技場。
まだ学生の少年や少女らが,自家製(あるいは市販の改造による)ジュニアMSやプチモビ,さらにはミドル級MSを持ち込んで競技会・闘技大会に参加していた。
…今,目の前ではミドル級MS…全高約6mまでの機体によるノーレギュレーションの決勝戦が行われ,決着がついたところである。
 「なかなか,盛り上がっているんだな。」
 「機械ヲタクの血が騒ぐかい?」
あまり背は高くはないが,優しい雰囲気の青年が目の前で繰り広げられるプチモビ同士の格闘戦を見てそう言い,脇にいるやや年上の…そろそろ頭部が後退しかけてきている男が,旧知の仲らしい気さくさで尋ねた。
 「…うん,これは気になるぞ。」
 「だろうな。」
レギュレーションは,厳しい。
決められたサイズ,定められた重量,禁止される高品質のパーツ…それらのルールは,むしろ,お定まりな既製品のスクラッチによる高性能機を求めているのではなく,
設計者のセンスや技術者の部品選定に向けた技術力の高さ…そして,操縦者に合わせた設計者や技術者のチューンアップ。
これらを限界まで突き詰めた機体こそが,勝ち進むように計算されていた。
目の前で戦う機体に,一瞬でその機体に課せられた技術的テーゼ,制作上許されるまで施された軽量化と剛性の確保,そしてその設計意図と組立上の欠点を操縦者が認識する。
それを目の前の試合から見て取った青年は,目に異様な輝きを輝かせながら何かを考え出し…その様子を,ちらと横目で確認した少女が,歳に似合わぬ大人びた横顔に,どこか呆れた響きを織り交ぜながら,そうとわかるため息をついた。
 「お兄さま,そろそろ。」
脇に立つ少女が,小さな,声になるかならないかという声で青年に告げる。
その少女が上に羽織るベストは暖かみのある柔らかな紅,折り目のきっちりした白いブラウスには,胸元や襟元に可憐な織り紐。
波打つように足にまとわりつくやや朱の混じった桃色のロングスカートが,派手に衝突した機体同士の風に吹かれて裾をふぅわりと持ち上げた。
少女には,やや大人びたハイヒールが露わになる。
肩口を超える長い髪は,よく手入れしているのか,生まれつきなのか,1本1本が細く…よく梳かれた髪は,そよと,風にたなびいた。
深い碧色の瞳は,細縁の眼鏡の内側に納められる。
そんな少女のややきつめの言葉に,青年はぼやくように言った。
 「どうもお楽しみはお預けらしいよ,ジョブ・ジョン。」
 「君の妹さんは,手厳しいな。」
 「セイラさんも結構,うるさかったけど…アイリスに比べれば,優しいものさ。」
 「…お兄さま。」
Iris…『I』にアクセントを置いて呼ばれた少女が,眼鏡の蔓に指を当てた。
『兄』と呼ばれたアムロは,そんな彼女の仕草に肩をすくめ,話を進める。
640Battle Field 30/32:2014/10/23(木) 08:18:42.20 ID:HTO6old20
 「今回の件について,説明は君から口頭だけで伝えてほしい…録音も,メモもなしだ。」
 「私とだけ会おうとするから内密のことなんだろうとは思ったけど,よほどの事情なんだな。そちらの『妹』さんも含め。」
プチモビ大会の会場は,若い少年らが多く,活気があり…ようは騒がしかった。
その騒がしさの中に,2人の元ホワイトベース乗員…メカニックとパイロットの会話は消え込んでいく。
 「…そうか,そんなことがあったのか。」
かいつまんだ経緯ながら,青年の説明を受けたジョブ・ジョンはため息をつくような思いで…いや,実際にため息をついて,言った。
 「お前とシャ…が,2人して生存していて,しかもしがみついていたアクシズに12人もの強化人間が眠っていたとはな………これは,失礼。」
すぐ脇に,その12人のうちの1人が立っていることに,ジョブ・ジョンは非礼を詫びる。
気にしない,というふうにアイリスは黙って会場を見つめており,そんな彼女の肩をぽんぽん,とアムロが宥めるように撫でた。
…彼女の眼下では,勝利を収めた機体から操縦者が…負傷しているのか,片腕を吊った少年が這い出てきている。
そして,ピットから駆け寄ってきた少女が少年に勢いよく抱きつき…盛大に転倒。
歓声に掻き消されて悲鳴は聞こえないが,痛みを訴える強烈な悲鳴を,彼女は感じた。
そしてピットから出てきたもう1人の少女が,そんな少年に手を貸し,抱きついたままの少女ごと,2人は立ち上がる。
いっそう大きい歓声が,競技場を満たした。
誰も観客席の一角で密談をする2人の男になど,注意を払わない…皆,眼下の競技場で勝利を収めた優勝者に声援を送っている。
 「そうか,2人とも連邦軍に復帰しない,反地球連邦運動に復帰しない…そういう選択を選ぶのか…。」
アムロとシャア。稀代の英雄2人は,あの緑の光に包まれた戦いでMIAとして扱われていた。
戻れば,再び英雄だが,その2人がそれまでの自分たちを捨て,市井の1私人として暮らしていく。
…宇宙世紀も100年を迎え,そういう節目の年になるのか…
英雄たちのいなくなる宇宙。そんなことを漠然と考えながら,1点だけ,ジョブ・ジョンは確認した。
 「しかし,なんでうちなんだ?身元のカバーリングなら,アナハイムに接触をとってもいいだろう。」
 「あそこは,俺たちにとって関わり合いが深くなりすぎた。」
アナハイムは,月面都市…フォン・ブラウンを完全に掌握するような,巨大な企業体だ。
アナハイムであればアムロとシャア,そして12人のプルたちをカバーリングできるだけの力は十分に持っているであろう。
…だが,アナハイムが追い求める利益は,アムロやシャアたちとは大きく異なる可能性がある。
というより,14人の人生の自由と,都市を丸ごと抱えるような大企業の利益…それが同一であると考える方が,おかしい。
そしておかしい所以,アナハイムに接触した場合,遅かれ早かれ,彼らの存在を非公式にリークされ…バラバラに切り分けて身柄を提供される。
 「だから,うちか。」
 「そうだ。海軍戦略研究所は,小規模だが地球連邦軍の外郭団体だ。」
ジョブ・ジョンの所属する海軍戦略研究所は,コロニー建設を請け負っていた会社を買収することにより1年戦争後に設立された地球連邦軍の外郭団体であった。
外郭団体ではあるが,元地球連邦軍将官の天下り先であり,それなりの権限は持っている…14人分の非合法なカバーリングプロファイルを提供できるくらいには,実力がある。
その一方,外郭団体であるが所以,地球連邦軍の直接の影響下にない。
しかもトップは,かつてデラーズ紛争の際,ジャミトフとの政争に敗れていたコーウェン少将であり,彼になら,自分たちの存在を明かしても差し支えないと思われた。
641Battle Field 31/32:2014/10/23(木) 08:19:53.06 ID:HTO6old20
 「しかも,海軍戦略研究所は,だいぶ面白いことを始めているようじゃないか?」
アムロが,あのアクシズで長い旅路している間に海軍戦略研究所が始めたこと…その言葉に,ジョブ・ジョンは天を扇ぐ。
 「そこまで知っているのか…?その通りだ,うちは今,連邦軍に働きかけて軍直属の軍事技術顧問団体になろうとしている。」
20年近く前の1年戦争終結時…アナハイムの発足当時から,地球連邦軍とアナハイムは,一種,緊張した関係にあった。
それは,敗北したジオン公国の軍事技術を会社ごと,アナハイムが立て続けに買収したことに始まり,デラーズ紛争以降…
エゥーゴとティターンズ,アクシズ,そして地球連邦軍とネオジオン…敵対する双方に兵器を売りつける手口に,連邦軍は煮え湯を飲まされ続けてきた。
デラーズ紛争時,その苦汁を味わったコーウェン少将は,連邦軍のジレンマをよく知っており,アナハイムとは別の軍事技術を提供できる組織の設立を提言していたのである。
その1人として,ホワイトベースで最新鋭MSに触れていたジョブ・ジョンがおり,アナハイムから引き抜かれた技術者達もおり…海軍戦略研究所は,軍事技術の獲得に力を注いでいた。
現状ではMSとぎりぎりで言えるような機体しか制作しておらず,少数が特務部隊に採用された程度に過ぎないが,そこにアムロとシャアが参加することになればアドバンテージは計り知れないものとなる。
 「…断る理由は,ないな。」
眼下では,今度は審判団が何事か検討を始め…それに勝った側の,先ほど少年に抱きついた少女が,強く抗議をしているようであった。
どうも,あの『勝った』機体が最後に分離したのは,その段階で戦闘能力を失っていたのではないのかと,最後の脚部を持たない状況では『モビルスーツ』とは呼べないのではないのか…そんなことを議論しているらしかった。
アムロは,丸めた大会のカタログで審判団を指し示しながら,言う。
 「あの紅い機体の肝は『背骨』さ。単なるジャンク屋の機体としか思ってないから,スポンサーチームの抗議を受け入れる…アナハイムにも,そういう芽が出ている訳だ。」
目の前の試合の解説を始めたということは,既に話せる部分は話し終えたということだな…ジョブ・ジョンはそう解釈すると,襟元を整えながら,小さく息を吐いた。
 「うちはアナハイムとは違う方向からアプローチしなければいけないからな…彼らのような若者の柔軟な発想を盛り込める組織にしないと。」
眼下の少年たちに興味深そうな視線を向けながら,彼はきびすを返した。
 「とりあえず,君達の件は任せてくれ。コーウェン少将は,おそらく理解してくれるよ。」
あの1年戦争から20年…当時の少年兵も,今は30を越え,40も間近。
ジョブ・ジョンは自分が役員として所属する組織の代表として,アムロの提案を受け入れようと思った。
軍人というより商売人に近い判断であったが,組織に損はない。
何より,古い戦友の手助けとなれるのだ。
周囲の観客達は,更に騒ぎ立てており…先ほどまでガンダムもどきを応援していた観客たちですら,勝敗を審判団の判定に持ち込もうという彼らの方針に抗議の声を上げる。
その騒ぎの中で,2人の男は握手を交わすと,その場を離れていった。
642Battle Field 32/32:2014/10/23(木) 08:20:47.18 ID:HTO6old20
 (まったく…。)
ため息すら理知的に,アイリス…Irisは,ほぅっと肺腑に溜まった息を押し出す。
軽く床を刻むハイヒールは,彼女の年齢にはやや大人びているが…雰囲気が,彼女にそんな背伸びしたアイテムを相応しく魅せた。
 こんこん。
軽く蹴った観客席の床は,月の地面に繋がっている。
見上げるドームの向こうには,宙の彼方に,青い地球。
この月は,地球から見ると夜空に白く輝いて見えるという。
…あの懐かしいアクシズは,地球や月から見たら何色に見えたのだろう。
少女は,かすかな,ため息を漏らした。
長い旅路も,もうすぐ終わり。
もう一度,宙を見上げる。
地球に行ったら,何が見つかるのかしら。
何が,私の手元に残るのだろう。
 「ふぅ。」
白い月では,木星から戻ってきた少女が1人,ため息をつく。
643通常の名無しさんの3倍:2014/10/23(木) 08:22:09.24 ID:HTO6old20
以上です。長文,失礼いたしました。

Gレコを見ていて何かアクシズもので書きたくなり,久しぶりに投下させていただきました。
個人的には,これでF90の「A・R」「C・A」データに繋げたつもりです…。
それ絡みもあり,かの名作「12Years After」ではB,Dはアナハイムに就職していますが,こちらではサナリィに就職するかと。


あとタイトル,パチンコ版コンバトラーVの挿入歌から取っています。
あのクオリティで復活しないかな,コンV。
644通常の名無しさんの3倍:2014/10/23(木) 22:21:38.06 ID:wBvIYh1d0
乙でした。

クラブって、いずれ∀のウァッドとかの原型になるのかな?
645通常の名無しさんの3倍:2014/10/23(木) 23:34:03.12 ID:XzuvoW6A0
乙です

久々の長編、堪能いたしました
少年はあの人の息子かぁ
ケリィだっけ?0083をまた見たくなったな
646通常の名無しさんの3倍:2014/10/26(日) 16:39:41.62 ID:2ZtYxUqSO
規制の厳しい中乙です。
久しぶりに他の人のSS読めて嬉しかった。
また書いてくれるの楽しみにしてます
647通常の名無しさんの3倍:2014/10/26(日) 17:00:35.59 ID:2ZtYxUqSO
そう言えば思いだした。
12years afterの最終話未だにまってるんだけど、流石にもう無理かな。
当時は叩かれてしまっていたけど、これだけ過疎ってる今ならもう大丈夫、なはず。
読みたいんだけどなあ…
648通常の名無しさんの3倍:2014/10/26(日) 19:14:52.38 ID:JajBM3PV0
職人さんお疲れさまでした〜。
長文の物語が書けるってすごいよなぁ…。
649通常の名無しさんの3倍:2014/12/05(金) 03:24:57.48 ID:xmYweVp20
保守
650通常の名無しさんの3倍:2014/12/20(土) 20:24:49.08 ID:uoyP9ktP0
651通常の名無しさんの3倍:2015/01/06(火) 20:40:11.23 ID:BrFuoGn60
年明けたし保守
652通常の名無しさんの3倍
は無く