アスカからシンジは目を逸らした。
精液を舐め取るアスカの姿に、言い様のない不快感を覚えたのだ。
行為に慣れている、そんな風にシンジの目には映った。
だが、何故その不快感を覚えたのかという根の部分迄は解らない。
シンジにはまだ理解する程の知識も経験も無かったという事だ。
理解出来る様になる迄は、まだ幾分かの時間が必要なのだろう。
しかし、アスカの言葉はそんな時間を与えない。
「アンタは、どうしたいの? アタシなら別に良いわよ」
「何が……?」
「シたくないの?」
「何をだよ?」
「セックス」
「はぁ?! ア、アスカ……今、何て……」
「だぁかぁらぁ、セックスだってばぁ」
声だけ聞いていると無邪気な少女の様に感じるが、口にしている内容は相当危なっかしい。
シンジは自分の耳を疑い問い直したが、やはりアスカの口から出た言葉の聞き違いは無かった。
そして、アスカはいきなり何を言い出すのかという戸惑いがシンジの中に芽生えた。
再び、リビングに沈黙が満ちる。
時計の針の音に混じるクーラーのモーター音と外からの喧騒が大きく感じる。
「興味、無い?」
沈黙を破るアスカの呟き。
アスカの声色は言葉を紡ぐ度にコロコロと変わっていく。
蕩ける様な甘い声で誘惑したかと思うと、凍える様な声で罵倒する。
女の子の声がこんなに幾つもの種類に聞こえるとは。
そして、今。
素裸のままで目の前に座り込み、自分の顔を覗いている。
それも湯上りの甘いボディソープが鼻に付く程匂い立つままの姿で。
シンジは何処までが現実で、何処までが夢か一瞬では判断が付かない程動揺していた。
しかし、頭の何処かではこれが現実だという事も解っていた。
下半身を包む濡れた布切れの気持ち悪さと、微かに臭う排出物の生臭さは虚構ではない。
その時、アスカがポツリと呟く。
「……先に言っとくけど、今度は…………んかじゃ……んだからね」
「え?」
シンジの中に芽生えた戸惑いは一瞬大きく膨らんだかと思うと直後、続くアスカの言葉によって霧散してしまった。
「だから、暇潰しじゃないんだってば」
「こ、今度は……暇潰しじゃない?! いい加減にしろよ!」
からかうにも程がある。
先程の舐め取る仕草といい、コロコロと変わる口調といい、一体自分を何だと思っているのだろうか。
シンジの頭の中はそんな思いが犇き合う。
アスカにとっては遊びの様な物かも知れないが、自分にとっては屈辱以外の何物でもないのだから。
――冗談じゃない。
「何よ、アタシがシたいかどうか聞いちゃいけない訳?」
「そういう事じゃないよ! 自分は加持さんと慣れてるからって、僕迄巻き込むのは止めてくれって言ってるんだよ!」
「慣れてる……って、アンタ、アタシの事そういう風に思ってたの?!」
「違うのかよ?!」
剣呑な視線がぶつかり合う。
冷房が効いている筈の部屋の温度が、急激に上がった。
いや、上がった気がする。
視線に含まれた物は、猜疑や失望、怒り、他にも諸々の負の感情ばかり。
そして一番大きい物は、嫉妬。
尤も、当人達は気付いてはいないのだが。
――面白いじゃないの、バカシンジにしては。
シンジは既にアスカが加持と関係があるとでも思っているのだろう。
この時点でアスカはシンジを詰る事も可能だった。
が、敢えて彼女はそれをしなかった。
怒りを腹の中に収め、ただ事実をシンジに淡々と告げた。
「馬鹿ね、アンタ。加持さんの相手はアタシじゃないわ。アタシじゃなくてミサトよ、ミ・サ・ト。今日だってそうなんだから」
「嘘だろ……?」
「アタシが嘘言ってどうなるの。あの二人、この間から縁りを戻したのよ」
「え? 縁りって……?」
「付き合ってるの、隠してる。アンタも気付いたでしょ? ミサトが嘘付いてるの」
「……う、うん」
「何も隠す事ないと思わない? 隠すって事は、アタシ達の事なんかどうでもいいのよ、きっと」
「あ……」
確かにアスカの言う通りだ。
別にやましい事をしている訳ではないのだから。
事ある毎にミサトが吹聴する家族ならば、別に隠す必要は無い。
「って事は、アタシ達は別に家族じゃないんだわ。だったらアタシ達、気持ち良い事しても良いと思わない?」
「家族じゃ……ない……」
「そうよ……ミサト達が良くって、アタシ達が良くない訳ないじゃない。ミサト達はミサト達、アタシ達はアタシ達よ」
家族ではない。
だから、自分達は自分達で。
それは、悪魔の囁きに等しかった。
「……後悔、しない?」
「しないわよ……アンタこそ……」
「しない、よ……多分」
「……多分、ね。まぁ、良いわ……来て、シンジ」
アスカはシンジに向けて微かに口角を歪めた。
しかし彼女は気付いたのであろうか?
その歪みが厭らしい笑みではなく、花が綻ぶ様な笑みにシンジには映った事を。
兎にも角にも、賽は投げられた。
「……っ、バカ……っ、力入れすぎなのよぉ……」
乳房に手が喰い込みアスカは苦痛を訴えるが、シンジには力の調節に気を回す程の余裕が無かった。
羞恥から上気した滑らかな肌。
薄い紅が差した白い肌が目に眩しい。
「ご、御免」
「もう少し優しくしてよね……」
アスカから指摘されシンジは反射的に謝ったものの、その手がアスカの乳房から離れる事は無かった。
気を取り直して、シンジは手の力を緩める。
緩めると、まだ若い肌は弾力を持って元の形に戻る。
ぼんやりとした視界に飛込んで来たのは、茜色が差した太陽の光。
カーテンの隙間から射し込むその光が、少しずつ意識を覚醒させる。
傍らで寝息を立てるシンジの顔をアスカは覗き込み、薄ら明るい部屋の中で一人途方に暮れた。
どうして気が付けばコイツと一緒にベッドの中に居るのだろう、と。
嫌なのかと問われれば、けして嫌ではないのだが。
どうにも腑に落ちない事の方が多すぎるのだ、自分自身に対して。
――こんな筈じゃなかったのに。
一言で言えば、そういう事だ。
シンジと関係を持った時、イニシアティブを持っていたのは自分だった筈なのに。
それが今はどうだろう?
まるで正反対ではないか!
年相応の付き会い方ではないのは始めからアスカにも解っている。
恋人同士の様な甘い関係には成りえない事も理解していた筈なのだが。
しかし今ではそう言っていられなくなっている。
「っ……やぁ……っ、ダメよ、こんな所じゃ……。あ……っ」
玄関のドアのエアロックが閉まる音がした途端、タイルの上に鞄が落ちる。
やけに廊下に反響する冷蔵庫のモーター音をアスカの嬌声が掻き消していく。
ぐしゃりとポリ袋の中身が潰れる音。
シンジが持っていたスーパーの袋を抛り出し、その手で背後からアスカをドアに押さえ付けた。
「そんな事言っても……我慢出来ないよ……」
シンジの手はスカートの裾を捲り上げ、すべすべとしたアスカの太腿を撫で上げる。
そしてその指は無遠慮にショーツの中に潜り込む。
「んっ……だ、め……っ、シャワー位浴びさせてよぉ……」
指先は柔らかな繊糸と花弁を掻き分け、溢れる蜜を指の腹に絡ませていく。
トロトロと躰の奥から溢れ出ていく物を感じる度、アスカはいつも思う。
――こういう時だけ強気だなんて、やっぱりコイツは……。
>>297 俺がヤリ友にしてたJCは、ウォシュレットで小便出しながらイッてたけどね。
もう片方の手がブラウスのボタンを器用に外し、下着の上から弦を爪弾く様に乳首を弄り始めた。
ショーツの中に潜り込んだ方の手は溢れる蜜を塗り拡げながら、膨らみ始めた雌蕊を器用に剥き出して指の腹で転がす。
あれから何度も保護者が居ない時に関係を持ち続けた結果、シンジもアスカの躰の扱いに手馴れていた。
「ねぇ……もういいかな……?」
「きゃぁっ! 何すんのよぉっ! バっ、バカ……っ、いつも勝手に……ッ、あぁっ!」
シンジは取り敢えず痛みを感じないだろうという程度迄解すと、一気に杭をアスカの中に捩じ込んだ。
「ぅ……あぁ……キ、ツぅ……」
アスカの中はシンジが予想していたよりも、彼自身を強く締め付けていく。
それでいて最奥からは潤沢に溢れだす蜜。
シンジがアスカの中に自分自身を突き入れる度にそれは、アスカには聞くに堪えない水音を鳴らす。
「あ……はぁ……っ、動いちゃ、いっ……やぁっ!」
思い出すだけで赤面する。
結局あのまま、二人は玄関で最後まで続けてしまった。
それも、二度も。
最後の方にはアスカの方からシンジを求めていた。
そして満足に玄関を片付けないままに、シンジはアスカを彼女の部屋のベッドに放り込むと、再びアスカを求めたのだ。
――こんな時だけ、いつも強気で……やっぱり馬鹿、バカシンジだ。
のろのろとベッドから起き出すと、部屋を出て玄関の惨状を確認する。
まぁ、何と言うか……酷い有様だった。
買物のポリ袋からは、買った卵が幾つか割れたのか卵汁が零れていたし、タイルの上は然もありなん。
アスカが溢した蜜とシンジが吐きだした精液の混合物が液溜まりとなり、点々と廊下へと雫が続いていた。
「……またやっちゃったな」
この様な醜態を晒したのは、実は初めてではない。
関係を持ち始めた当初は、毎回がこの様な有様だった。
最近は少なくなってきたと思われたものの、その分行為は激しさを増し程度の酷さはエスカレートするばかり。
それもこれも、積極的に行為に耽るとは見えなかったシンジが、日を追う毎にアスカの躰に耽溺していったからだ。
『ミサトが居ない時、アタシ達だけの時ならいつでも良いわ。一緒に気持ち良くなりましょ? ミサト達みたいにさ』
初めての行為を終えた後、アスカがシンジと交わした約束事が不味かったのだろうか。
いや、結果論としてはそうとは言えないだろう。
アスカもその後のシンジの求めに拒否をしなかったのだから、どっちもどっちだ。
ぎゅう、と遠慮がちにシンジはアスカの躰を抱き締める。
苦い記憶しか残さなかったあの時とは違い、抱く腕に力を込めて。
求める事はあっても求められるという経験が少ないアスカにとって、それは何物にも代え難い心地好さだった。
例え行為には乗り気ではなくても、求められるという一点に於いては拒否しようという気は起きなかった。
シンジにしてもそれは同じ事で、躰の関係であったとしても手を差し伸べられた事の歓喜はとても大きかった。
今の彼にとってアスカを求めるという事は、その手に全てを委ねると同意だったのだろう。
二人がもう少し歳を重ねていれば、互いのその理由も解ったのだろうが、やはり今の二人は幼かった。
悲しい程に。だからなのだろう。
後々は馴れを重ねた惰性に近い行為になっていったとしてもアスカはシンジの稚拙な求めに応じた。
シンジも只ひたすらにアスカを求めた。
そんな日々が続く事に、続ける事に、二人は何もおかしいとは思わなかった。
学校に行き、ネルフに行き、エヴァを駆り使徒を倒す日々に比べれば、秘めたる関係はずっと普通だと思えた。
甘やかな会話など無かったが、それよりも触れる肌の温かさが全てを語っていた。
碌に家で顔を見せない保護者など、もうシンジにはどうでも良かった。
アスカにしても、あれ程焦がれていた元保護者への思いなど薄れてしまっていた。
肌を重ね、快楽に耽れば耽る程、凝り固まっていた思いは淡くなり、記憶の中から押し流されていく。
けれど、そんな関係に歪みという物は付き物で。
それに気付いたのは些細な事からだった。
レツ パーリィ
/i/i(V⌒ヽノ)
/ ・彡 >-ニ二ニイ
/丶ノ 彡ハ●∀・ハ〉
`ーイ \彡Юと {>\
丶===|[三]_>_>
へノ( |⊆ノ|=丿ノ)
/ヘ 丶 >_丶_ノ/_((
ヾフ く< // ))
ヾフ 〈く
ヾフ
おはよー♪
みんな元気?ン僕は元気だよ♪
昨日は夕方からナメコおばちゃんとイオンルクルに行って、おばちゃん付いてすぐに「おなかすいた」言うたから一緒にお好み焼きと牛すじの煮込みを食べたよ♪
そのあとおばちゃんはCDを買っておうちに帰りました。
あとはお風呂に入ってから寝て起きたらおばちゃんは帰って居なくなってました。
ンで、今はン僕んちの居間のDVDプレーヤーの中に、昨日おばちゃんが買ったCDのおまけに付いてたDVDが入ったままになってました。
今それをみてますが、なんか女の人がうたうたったり外人が英語(かな?)しゃべったりギターひいたりご飯たべてたりしてよくわかんない…ってゆーか、全然おもしろくないな…あ!飛行機飛んでる乗りたいなぁ〜
あと、犬を飼いたい。
― おわり ―
犬に生尻見せると匂い嗅いだ後アナル舐めてくるぞ
アナルって何の根?
八百長猿芝居のおっさんが一匹死んだくらいで大騒ぎwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
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「ねぇねぇ、聞いた? C組のあの子、遂にヤっちゃったんだってさ」
「あの子って、もしかして?」
「そそ、水泳部のキャプテン追っ掛けてたミーハー娘」
「もー幸せの絶頂って感じでさぁ、全身所かお頭の中までピンクって感じだったよねぇ。ずっとしゃーわせーって言ってたもん」
「よくやるわねぇ、あの子の親UNでしょ? もう直ぐ疎開するって言ってたのにさぁ」
「短い間でもきっと、好きな気持ちって止められないって事なんだよ」
「で、めでたくカプ成立で疎開後は遠距離確定?」
「いーなー。アタシもそんな恋ってしてみたーい」
「あははは、アンタにゃ無理よ。まだTVのアイドルにお熱な状態じゃん」
「それでも憧れない? 一途な恋ってカッコ良いわぁ」
「そりゃそうだけどさー。アタシ達にはまだ無理無理。そこはやっぱり、2-Aの恋の第一人者に聞いて見なきゃ。ね、アスカ?」
「アスカってそうなんだ?」
「ほらぁ、アスカ前に話してたじゃん。ドイツで護衛してくれてた人、すっごくカッコ良くて大好きなのって」
黙々と着替えていたアスカにその話は寝耳に水だった。
「なっ、急に何言い出すのよ!」
「照れない照れない。で、どうなの? あれから何かあったとか?」
体育の授業前の着替え時間。
女の子同士のネットワークは恐ろしいかも知れない。
「別に……何も無いわよ」
そう、加持とは……元保護者とは何も無い。
「とか何とか言っちゃってぇ! 最近何だか色っぽい気がするんだけど?」
「何も無いったら」
「嘘吐いちゃダメよ。ほら、ホントは何か進展したんじゃないの?」
「黙ってないでゲロっちゃいなよ」
ケラケラとあっけらかんとした笑い声が着替え中の教室内に響く。
「本当に! 何にも無いったら! アンタ達、ちょっとシツコイわよ!」
――ダメだ、アタシがアタシじゃない。
普段、学校ではそうそう声を荒げない筈のアスカが声を荒げた。
それは学年内の女子生徒の間では、ちょっとした騒ぎになった。
話題が色恋沙汰と来れば、その騒ぎも当然だろう。
囃し立てる者が出始めると、クラスを問わずに問い詰められる。
それは授業が終わった後も、昼休みや休憩時間も、果てには授業中にネットワークを通じてメッセージ迄送られて来た。
その全てに何も無い、関係無い、思い過ごしだ、とアスカは白を切り通した。
――アタシ、嘘吐いてる。
本当は、シンジとの関係を続けている。
家では二人でいやらしくって、気持ち悦い事ばかりしている。
でもこれは、誰にも言えない。
言わないと決めた。
だって、約束したから。
――誰、と?
違う、あれは約束ではない。
口にしたのは約束の様な言葉かも知れないが、厳密には違う気がする。
あの時のシンジは、一言も約束らしい事は言わなかったからだ。
ただ一言、後悔しないかどうか聞いただけ。
二人の間で交わされたのは、一人で居る事についてどうするかの確認。
約束だと思われていた事は、只の一人よがりな身勝手な提案。
そこに、二人の互いに対する気持ちは無い。
「止めてよ! 本当に何にも無いんだったら! お願いだから黙ってよ……ッ!」
放課後迄続いた追求に、とうとうアスカは感情を爆発してしまった。
静まり返る教室。
普段、女子の騒ぎ等見向きもしない男子生徒迄アスカに注目していた。
居た堪れなくなりアスカは苦虫を噛み潰すと、荷物を滅茶苦茶に鞄に詰め込み教室を飛び出してしまった。
「何やぁ……アレ……?」
「さぁ……?」
その時シンジは、アスカの後姿を見ている事しか出来なかった。
何が理由で飛び出したのかは判らないが、彼女の背中に見えた刺々しさに身が竦んだのもあった。
けれど、そのままにはしてはいけないという気がしてならなかった。
「……御免、今日は帰るよ」
「ん? あぁ、解った」
「惣流によろしゅうになぁ」
シンジはトウジとケンスケとの久々の約束を無かった事にし、一人家路を急いだ。
その時ふと思ったのは、一人で帰る事はあの日から無かったという事だった。
あの日からアスカは付かず離れずいつも目の付く所に居た事も思い出した。
ネルフに行く時にしても、スーパーに行く時にしても、常にシンジはアスカの気配を感じていた事に気付く。
だが裏を返せばそれはシンジにしても同じ事で、アスカは常にシンジの気配のする場所にいた事になる。
――早く、アスカの所に行かなくちゃ。
シンジは足早に校門を潜った。
その頃アスカは脇目も振らず、只真っ直ぐにコンフォートへの道を急いでいた。
学校でのアスカの胸中には様々な澱みが巻き上がっては沈んでいた。
例えば、シンジは自分を求めてくれるけれど、アスカに対しての執着は希薄だとしか思えない事。
それは恐らく誰かの身代わりなのかも知れないという事。
行為を終えた後、特にアスカを気遣う事も無く、ただ乱れた部屋の惨状を跡形も無く消し去る事しかしない事。
その癖、行為その物には執着し、アスカは気付けばシンジの為すがままに躰を明け渡す事ばかりになっていった事。
そしてその全てに於いて、アスカは幸せだと感じる事が出来なかったという事。
クラスメートの言葉の様に、行為そのものがそんなに幸せを齎すとはアスカには思えない。
ただ、側に誰かが居る、一人じゃないのを確認するだけ。
他人の体温なんて、その為の物じゃないかと感じていた。
セックスなんて、ただの生理的な欲望の捌け口でしかない、と。
『もー幸せの絶頂って感じでさぁ、全身所かお頭の中までピンクって感じだったよねぇ。ずっとしゃーわせーって言ってたもん』
しかしその言葉を頭の中で反芻している内にアスカは気付いてしまった。
シンジとの関係は只の傷の舐めあいの代償行為に過ぎず、どちらも満たされる事は無い。
躰の欲求は満たされたとしても、心が満たされないままでは悲しみと淋しさが積もるだけだと。
そして何より、シンジの事が何も解らない事で気付いてしまった。
躰だけじゃなく、本当に自分を求めてくれていたのなら……自分は僅かでも満たされていたのかも知れないと。
けれど、躰の関係だけを求めてしまったのは自分だという事も気付いてしまっていた。
そしてその事に拠って自分は今、苦しみを覚えている。
胸が、痛い。
「何で? 何で?! 何でアタシがこんな思いしなきゃいけないのよおっ?!」
シンジがコンフォートに辿り着いた時、リビングを始めダイニング、キッチンと言わず全ての部屋が荒らされていた。
既に家族だとは思っていなかったミサトの部屋は手付かずであったが、それがまた更にアスカの荒れ具合を物語っていた。
シンジは欠けた食器の破片を避けながら、部屋の奥へ、アスカの部屋へと足を進めた。
普段は許可無く入るなと書かれたボードは真っ二つに折れ、廊下の襖の脇に転がっている。
穴が開き半開きになった襖の向こうを覗くと、アスカは泣きじゃくりながらベッドの上に蹲っていた。
そして、部屋の彼方此方に破れた羽枕から飛び散った羽毛が散乱と舞い上がっている。
本棚の本と勉強机の上の教科書は床に撒き散らされ、縫い包みは床に転がっていた。
鞄は……リビングの真ん中に打ち棄てられている。
「……アスカ?」
「シン、ジ……?」
シンジはアスカのベッドサイドへと歩みを進め、その端に腰を掛け、アスカの顔を覗き込んだ。
普段は凛々しいと言っていい程自信に溢れた顔付が、涙に塗れ弱弱しくしゃくり上げている。
「シ、ンジ……シン、ジ……シンジ、シンジ、シンジ、アタシ、アタシ、アタシ……ッ、うわぁああぁぁん!」
アスカはシンジの胸に縋り付くと、喚き散らす様に大粒の涙を流して泣き崩れてしまった。
シンジは、恐る恐るアスカの肩に手を置いた。
すると、アスカは更に火の点いた様に泣き出す。
そして、シンジの名前をアスカは呼び続けた。
そうして幾らかの時間が過ぎ、アスカが泣き疲れた頃になってやっと、シンジはアスカを抱き締める事が出来た。
アスカの肩は、普段抱いているよりもずっと細くて、か弱いものの様に感じた。
その姿は、何時かの夜に見た、涙を流し母の事を呼ぶ姿よりも小さな子供の様に思えた。
そう思えた事でやっとシンジは、アスカの背を撫で緊張を解す為の手を伸ばす事が出来た。
「アスカ……どうしたの? 学校で何かあった? 苛められたとかした?」
「違う……違うの……でも……でも……うぅ……ああぁぁあぁぁっ!」
再びアスカはシンジに縋り付き、泣き崩れてしまった。
シンジにはサッパリ判らない。
只、アスカは泣き続ける。
シンジはアスカのその細い躰を抱き締めたまま、背をゆっくりと、そして優しく撫で続けた。
しかし、男の躰という物は単純な物で。
例え意図していなかった事でも、柔らかい女の躰を抱き締めていれば反応してしまう事がある。
今回の事も御多分に洩れず、涙を流すアスカのたおやかな姿と甘い体臭に、自身の欲が膨らみ上がるのを感じた。
けして他人の目には触れさせたくない、自らのこの手の中から手放したくない、とも思う。
シンジは、アスカも何一つ自分達と変わらない等身大の女の子に過ぎないんだという事を自覚した。
「ねぇ、アスカ……泣かないで……泣かないでよ、アスカ?」
「でもっ、でもねっ、アタシ……ッ」
シンジはアスカの頬に手を沿え、何とかして宥めようと声を掛け続けた。
しかし効果は無く、再びアスカの瞳から涙が溢れだす。
その時シンジは、今のアスカの小さな姿を見て守りたいという感情を覚えた。
その感情は、かつて倒した使徒達に向かった時とは異質の物だという事も感じた。
そしてその感情とは裏腹に、自らの欲の奥底にある昏い物の正体にも気付いてしまった。
――独り占めに、したい。
その感情を持ってしまった事で、アスカの躰にのめり込んだ事にも気付いた。
手を差し伸べてくれた事が嬉しくて、その手を離したくなくて、アスカに全力でしがみ付く。
その事に気付いた事で、自分の内にある諸々の事が説明出来てしまう事にも気付いた。
シンジは、アスカの頬に添えた手を頤に掛け、強引に唇を奪う。
その瞬間硬直したアスカの躰を、背に添えた手をずらし腕で背を固定させた。
「シン……っ……!」
躰の関係を持ち始めてから、自分の方からアスカを抱き締める事はあった。
しかし、記憶が後を引いていたのかシンジからキスをする事は無かった。
でも今は、シンジからアスカの唇を奪っている。
シンジの名を呼ぼうとして僅かに開けられたアスカの唇に、シンジは舌を差し入れ、アスカのそれと絡ませた。
そして頤にかけた手を外し、指の腹をゆっくりと首筋を撫でながら下に向けて下ろしていく。
制服の襟に指が届くと、柔らかく結ばれたリボンタイを解き、ブラウスのボタンを外していった。
その間腰を固定していた腕は、スカートの上から腰や尻を撫で回す。
舌を絡ませる度、くちゃくちゃと口元から水音が洩れる。
口角から涎が垂れ落ちていく。
シンジはアスカの口角から垂れ落ちた物を舌先で拭うと、そのまま垂れた筋に沿って舌を這わせていった。
そして、首筋に痕を残さない程度のキスを雨の様に降らせた。
ボタンを外していた手は既にブラウスの中で、指先をブラジャーの隙間に潜り込んでアスカの胸と乳首を弄っている。
「んっ……ゃあぁ……っ……」
アスカは顔と肌を紅く染め、シンジが爪先で乳首を弄る度にか細く喘いだ。
シンジは頃合だとアスカの躰をベッドへゆっくりと倒した。
そして再び、アスカの唇を奪った。
アスカは掴んでいたシンジのシャツから手を離し、シンジの首へと腕を絡ませて、くしゃりと彼の固めの髪へと手を添えた。
シンジはアスカの瞳を見た。
まだ涙が溢れたままではあったが、その中に拒否の色は無い。
顔に浮かべた表情にもまた、拒否の色は無かった。
シンジはスカートの中に片手を入れ、もう片方の手はアスカの首の後ろに回しながら頭を支え、柔らかい唇を貪った。
ショーツの中に指を入れると、そこはもう前戯等必要無い程濡れていた。
それでも年齢的に未完成な躰には負担が掛かる。
シンジは指を秘花に一本、二本、とゆっくりと入れ、ピストンを繰り返したり優しく掻き回したりした。
そうする度にアスカは何かを堪える様に、声を押さえ、涙を流し、腕の力を強め首筋に顔を埋めるとシンジの髪を弄った。
シンジの指が動く度、アスカの秘所からはくちゃりと音が鳴り響く。
引き抜いた指には、溢れ出た蜜が白く濁り纏わり付いていた。
それを見たシンジはもう充分だろうと、ズボンのジッパーを下げ、自身の熱い塊を取り出した。
入れる合図にシンジはアスカの耳を甘噛みした。
アスカもまたそれに答えるかの様に、シンジの首筋に唇を寄せた。
そして、蜜が溢れる坩堝の中に、シンジは欲望の全てを沈める。
「く……ぅ……」
「あ、あ、ぃやあ……っ!」
シンジはアスカの柔らかな襞を抉じ開ける様に自らを埋め、アスカは足を爪先迄ピンと伸ばし、シンジを躰の奥迄受け止めた。
アスカはまた、瞳から涙を流した。
羽毛が散乱する中、二人は繋がったままの体勢で抱き締めあっていた。
体液が躰のあちらこちらにこびり付いた跡に、部屋中に撒き散らされた羽毛がへばり付く。
そして、部屋の中ではアスカの啜り泣きが響いていた。
「アスカ……」
「シンジ……何で? 何でアタシ達、ずっとこのままで居なくちゃならないの……?」
大粒の涙は止まらない。
半裸のまま、アスカはシンジに縋り付き泣きじゃくる。
「アタシ、全然幸せなんかじゃない! 幸せになんかなれないよおっ! シンジと一緒なのにっ、一人じゃないのにっ!」
胸の痛みは強まるばかりで、アスカは息をするのさえ苦痛だった。
「……どうして、そう思うの?」
シンジは問う。
少なくともシンジはアスカに求められて、幸せとは言えないがそれなりに満ち足りた思いを得ていたからだ。
「だって、シンジはアタシじゃなくても良いんだもの。シンジが見てるのはアタシの躰だけで、誰かの身代わりなんだもの。
何時だってアタシの事なんて見てくれない、何も話してくれない、アタシとセックスするだけだもん。
この家に居たって、ミサトは殆ど帰って来ない、嘘ばっかり! シンジだって、ファーストの事ばっかり!
加持さんだってミサトの事ばっかり! この家も、ネルフも、誰もアタシの事なんてどうでもいい人しか居ないもの!」
アスカはヒステリックに叫ぶ様に、シンジの胸の中で泣きじゃくった。
シンジは、信じられなかった。
少なくとも、自分はアスカの差し伸べてくれた手が嬉しくて仕方なかったのだから。
それ故に、不器用でも勇気を振り絞って、二人の時はアスカを抱き締め続けた、アスカを抱き続けた。
そして、守りたいという感情を得た今、アスカを手放す等考えられなかった。
例えアスカが気紛れから求めた事だとしても、シンジはアスカの手を離そう等思えなかった。
「そんな! そんな事無いよ! 僕、嬉しかったよ! だって、僕の事構ってくれたの、アスカだもん!
綾波は、そんなんじゃないよ。ミサトさんだって……今は構ってくれない。でもアスカは違ったから……!
アスカは色々言うけど、ちょっと乱暴な所もあるかも知れないけど、それでも……僕を一番構ってくれたもの。
だから、僕は……アスカと……」
シンジはアスカを力一杯抱き締めた。
後始末をしなかった為、シーツや服に吐きだした精液が飛び散るのも構わずにアスカの躰を命一杯抱き締めた。
腕の中の温もりが虚ろにならない様、自分の存在を確認させる様に、シンジはアスカを抱き締め続けた。
それでもアスカは泣きじゃくる。
「今日学校で聞いたの。セックスしたら幸せになれるんだって。恋人同士になれるんだって。寂しくなんかないんだって。
でも、アタシは全然違う。シンジもミサトも加持さんも、みんなアタシの事なんか見てくれない。寂しいだけ。
ミサトは嘘ばっかり。関係無いって言いながら、アタシから加持さん取っちゃう。家の中でだってそう。
シンジには甘い癖に、アタシには正反対。シンジだって、ファーストばっかり見てる。アタシの事なんて見てくれない。
だったらこの家にも、日本にも、アタシの居場所なんて無いわ。アタシの居場所はエヴァの中だけよ!
ドイツにだってアタシの居場所なんて無いんだから! パパはアタシを見なくなった! 新しいママはアタシのママじゃない!」
そんな事無いと、どうしたら信じて貰えるのか、シンジには判らなかった。
只ひたすら、アスカの躰を力一杯抱き締める事しか出来ない。
そして、アスカは泣き叫んだ。
「みんな、みんな、見てくれない! 死んじゃったママも一緒よ! アタシを見なくなって、アタシを置いてきぼりにする!」
シンジは気付いた。
ユニゾン最終日の夜、アスカが溢した寝言の真意を。
あれは、甘えではなかったのだ。
幼児の頃から一人でがむしゃらに走り続けたアスカの、精一杯の強がり。
シンジはその時、思った。
少しだけだけど、自分に似ていると。
そして、自分がアスカの手に縋った様に、アスカもまた自分に縋ったのではないかと。
そう考えれば、アスカが泣きじゃくる理由も、学校で感情を爆発させた理由も判らないでもない。
シンジはゆっくりと、アスカに語り掛けた。
「ねぇ、アスカ……僕、一緒にずっと居るよ。だから、もう泣かないで?」
「……嘘。シンジはパパと一緒。他の人ばかり見て、アタシの事見てくれないもの」
「そんな事無いよ。ずっと、アスカと一緒に居るから。信じてよ」
「嘘。だってシンジ、ファーストばっかり見てる。アタシの事なんて、どうでもいいんでしょう?」
「そんな事ないよ。アスカとずっと一緒に居る。アスカが嫌だって言っても、ずっと一緒に居るよ」
その言葉に、アスカはようやく泣き止んだ。
「ホント……? ホントに、アタシの側に居てくれる……?」
シンジはアスカを抱く腕に力を込めた。
「うん、ずっと側に居る」
その言葉にシンジは、アスカの涙の色が変わった気がした。
「でも……御免ね。僕が、いけなかったんだ。僕も、誰かの代わりなんだと思ったら、何も言えなかったから」
シンジが突然謝りだした事が、アスカには腑に落ちなかった。
「どうして……シンジが謝るの? 悪いのは、何も言わなかったアタシなのに」
「違うんだ。もっと早く、僕が言っていれば……アスカがこんなに苦しむ事は無かったんだ。
だって、僕……ずるい事考えちゃったんだ。アスカと一杯セックスして、二人でおかしくなっちゃえばいいって。
そうしたら、始めは僕の事を見ていなくても、最後には僕の事を見てくれる……ずっと構ってくれるって。
だから……御免なさい。僕、アスカの事なんて全然考えてなかった。自分の事しか、気持ち悦くなる事しか考えてなかった」
しかし、それはシンジばかりを責める訳にはいかないだろう。
シンジはアスカに話したのだ。
自分は幼い頃、父親のゲンドウに駅で置き去りにされて捨てられた事を。
保護されてからのその後数年、身元不明扱いで児童保護施設に入れられた事。
第三に来る前の数年はゲンドウの遠縁の教師に引き取られた事を。
そしてその間、ゲンドウに捨てられた事から自分は要らない存在なんだと思っていた事を。
エヴァに乗るのも、多分ゲンドウに要らない存在じゃないと認めて貰いたいからかも知れないと。
「……アタシ達、ちょっとだけ似てるの?」
「うん、ちょっとだけ似てる。だから……二人でなら、何とかなると思わない?」
「二人で……?」
「そう、二人で」
「ホントに……何とかなる?」
「何とかしてみようよ、二人で」
シンジは再びアスカを抱き締めた。
「僕、まだ好きとか嫌いとかよく解らないけど……でも、アスカの事は守りたいと思うんだ。これって多分、好きって事だと思う」
「じゃあ多分アタシも、シンジの事、好きなのかな? シンジもアタシの事見てくれないんだと思ったら、ゾッとしたの」
そこでやっと、二人はまともに互いの瞳を見つめ合った。
多分、瞳の中の色は真実だ。
「アタシも、ホントに好きになるってどういう事か、余り解らないけど……シンジにはアタシの事、見ていて貰いたいの。
だから、これってきっとシンジの事、アタシ好きなんだと思う……」
「ホント? ホントに僕の事、そう思ってくれるの?」
幼い感情。
余りにも淡過ぎて、自らの気持ちに気付いたばかり。
只二人に出来る事は、互いの手を離さない事。
「うん……って言うか、そう思いたいの。いけない?」
アスカのその言葉に、シンジの胸が高鳴る。
二人の恋は、多分ここから始まった。
おしまい
普段真面目なアイツが、珍しく零した。
「授業、つまんないね。サボる?」
その日の授業は、欠席をした所で出席が足りなくなる様な問題も特に無い。
「そうね。それも良いかもしんない」
それは、昼休みの事。
アタシ達は適当にクラスメートの目を誤魔化し、昼休みが終わる前に学校を飛び出した。
コンビニで適当にお菓子や飲み物を買い込んだ後、二人乗りの自転車で街を走り抜ける。
茹だる様な暑さも、自転車のスピードが作る風に飛ばされていく。
アイツの背にしがみ付いている分、体温が伝わって少しだけ暑いけれど、それもまた良い物だ。
「ねー、今日は何処まで行くのー?」
「そうだなぁ……今日は、植物園に行こうよ」
アタシ達の住むコンフォートの近くに、廃棄された植物園の跡地がある。
草が生え放題で、植えられていた高山植物もこの暑さで全て枯れてしまっていた。
でも敷地の奥迄行けば、所々に休憩所が残っている。
傷んだ東屋や、芝生の絨毯もある。
「……良い天気だね」
人気の無い場所だが、ゴミゴミした場所よりはずっと良い。
外野が五月蝿い場所でのデートなんて御免だ。
芝生に寝転び、空を眺めながら手を繋ぐ。
「うん。学校に居るのが勿体無いわよね」
「偶にはこういうのも良いよ」
「ふふふ……アンタにしては上出来じゃないの」
アタシは体を起こし、ご褒美としてアイツの頬にキスを落とした。
「場所が違うよ」
「場所って……きゃっ」
アイツはアタシの腕を掴むと体を引き寄せて、唇を乱暴に塞ぐ。
唐突に奪われたキスはそのまま激しくなり、次第に全身へ熱を溜め込む。
夏の暑さよりもずっと熱い。
「ねぇ……熱いわよぉ……」
「陽が照ってるもの。仕方ないんじゃないかな?」
そんな訳ない。
全身がじっとりと汗ばむにしても、ぬる付きを感じるのは暑さの所為じゃない。
「熱いってばぁ……」
アイツの指が背の窪みをなぞる。
制服の上からなのに、ゾクゾクする位感じてしまう。
ショーツの中がじわじわと潤っていくのが判るのが、ちょっと悔しい。
背に回された手がそのまま腰を撫で、スカートの中に入るまで時間は掛からなかった。
「ぅんっ……ダメ……」
「アスカ早いね、濡れるの」
クロッチをずらし、指がアタシのクリトリスを捕らえる。
何度も指先で転がしたり押し潰されるだけで、アタシの中から溢れてくる物が増えていく。
「やっ……そんな事言わ……あぁ……ッ!」
大して触れられてもいないのに、アタシの体はすっかり出来上がってしまった。
多分、条件反射になってる。
アタシはアイツとキスするだけでとろとろに融かされてしまう。
「ね、挿れて良い? 我慢出来ないや」
「ぅ……そんなの聞くなぁ……」
――わざわざ聞かなくても挿れちゃう癖に。
アタシも、アイツも、バカになっちゃってるのかも。
アタシは、アイツにおちんちんをおまんこの中に挿れて貰う事しか考えられなくなってるし。
アイツだって、アタシのおまんこの中におちんちんを挿れる事しか考えてないみたいだし。
アイツはアタシをうつ伏せにすると、クロッチをずらしたまま後ろからアタシの中に挿れてきた。
「くぅ……お腹一杯になってるぅ……あ、ダメ、まだ動いちゃ……ッ、はぁん!」
「そんなの、無理だよ……アスカのおまんこ……すっごい気持ちいーもん……」
アイツったら、お腹の奥に響く程思い切り突っ込んでくる。
突っ込まれる度に、何だか頭の中がぼーっとしちゃう。
もう、気持ちいー事しか考えらんない。
アタシ、バカになっちゃったよ。
くちゅくちゅと音が立っちゃう位、アタシのおまんこが掻き回されてる。
ショーツはもう、とっくに役立たずになってる。
ねぇ、もっと。
もっと、シて。
アタシのおまんこ、いっぱい掻き回して、おちんちん突っ込んで。
一緒にバカになっちゃおうよ。
「あ、あ、ダメっ、それ……ッ、そこいぃのぉ……あぁっ、だ、めぇ……ッ!」
「……ッ、締ま、るぅ……ッ!」
「も、ダメ、イっちゃう、おかしくなっちゃうぅ……あああぁぁ……ッ……!」
何度も突っ込まれて、掻き回されて、ショーツも太腿もドロドロになった頃。
アイツがアタシのおまんこの奥でたっぷりと精液を吐き出すと、ようやくアタシは開放された。
「あー……スカート迄汚れてるぅ……どーしてくれんのよ!」
「これなら洗えば落ちるよ。クリーニングに出さなくてもいいんじゃないかな?」
「……ホント? って、こんなのクリーニングに出せる訳ないじゃないのよ!」
時計を見たら、まだ授業が全部終わってない時間。
陽も高いし、蝉の鳴き声も五月蝿いままだ。
今から直ぐに帰って洗ってしまえば、明日迄には乾くだろう。
勿論洗うのはアンタの仕事よ、バカシンジ!
僕らが生まれる前迄はあって、生まれた時は無くなっていて、つい最近取り戻せたモノ。
大雪。
前世紀で失われたと思われていたモノ。
写真や映像でしかまともに見た事が無かったのに、窓に目をやればウンザリする程見える。
そんな事知ったこっちゃないけどね。
ただ早朝から、能天気な位外から聞こえる鴉(カラス)の鳴き声には吐き気がする。
野生ってのは逞しいよ、ホントに。
布団の中、傍らで背を丸めて眠るアスカの肌に、触れるか触れないかの加減で指を這わせてやる。
それも時間を掛けてゆっくりと。
首筋や脇腹、腰を中心に。
そうすると、薄暗い部屋の中でも判る位に肌の赤味が増して来る。
白人の血が濃くて色白ならではの反応。
少しずつ呼吸が荒くなって来るのを見計らって、背筋を指で何度もなぞり、耳朶を甘噛みする。
「ぅ……ん……」
もう少しで目が覚めそうだ。
後一息。
小刻みに震える腰を片手で抱え、首筋に唇を落としながら、もう片方の手を胸に伸ばす。
半ば尖った乳首を指先で捏ねて、軽く爪で弾いてやる。
「ゃ……ダメっ……ぁ…んっ……」
薄く目を開き、小さな喘ぎを洩らした所をキスで塞ぐ。
「――――――っ!」
口を抉じ開ける。
抵抗する様にもがくアスカを全身で上から押さえつける。
抉じ開けた所から舌を差込み、唾液を送りながら舌を絡ませる。
腰を抱えていた手を上にずらし、乳房を鷲掴みに。
乳首を弾く手は僕自身のペニスに。
触れるともう、先端は先走りの汁でぬるぬるしてる。
我ながら呆れるね。
もう我慢出来ないのか?って。
でも生理現象だから仕方ないよ。
寧ろ、こうならなくなる方がヤバい。
キスをし続けて息苦しいけど、後少しは辛抱しなきゃ。
「っ…ちょ…っと…っ……起抜けに、なぁああぁっ!」
限界。
キスを中断してぬるついたペニスの先端で、アスカのクリトリスを捏ね回す。
何だ、もう出来上がってるじゃないか。
花弁も開き切って、熱く蕩(とろ)けてる。
「悦(よ)くなかった?」
「んっ…そぅいうっ…事っ…ゃぁんっ……ぅあぁ……」
胸に回した手の指先に力を込める。
乳首を押し潰し、耳を舐めてやる。
ピクン、ピクンとアスカの腰が跳ねる。
「ねぇ、悦(よ)くなかった?」
もう一度耳元で囁き、今度は首筋に舌を這わせる。
先走り汁と溢れる蜜を混ぜ合わせる様にして、花弁の内側を広げながらペニスで上下になぞる。
動かす度にペニスに添えた指がクリトリスを弾く。
「やっ……だからっ、そうじゃ、なくっ……てぇっ……ぁんっ!」
指がクリトリスに当たる度に、アスカは全身を痙攣させる。
プチュ…クチュ…と痙攣させる動きに合わせて、音を立てて溢れる蜜の量が増え、ペニスを伝い僕の手と脚を濡らす。
その上濃さも増しているから、手も脚もペニスもドロドロだ。
これ、多分糸引いてる。
「……ちゃんと答えないと、ずっとこのままだよ?」
舌を首筋から下に向かい這わせる。
胸を掴む手を元の位置に戻し、腰を抱えて固定する。
親指でクリトリスを捏ねながら、添えている他の指を揺らして花弁にペニスを押し付けてやる。
蕩(とろ)けて蜜塗(まみ)れになっているから、腰が浮く度に更に音が立つ。
「あ、あっ……ぃゃぁ…っ……ぉとっ…立てちゃ……ゃあぁぁっ!」
「立ててないよ、勝手に立っちゃうだけだよ」
乳首を舌先で突(つつ)く。
また腰が浮く。
腰が浮くと、自然にクリトリスと花弁を僕に押し付ける形になる。
そうすると更に溢れた蜜が音を立てる。
悪循環だ、音が立てば立つ程全身を染める赤味の濃さが増していく。
見ている方に取っちゃ目の保養だけどね。
乱れていく姿を堪能出来るのは実に気分が良い。
さて、もう一押し。
「ほら……どうなの、アスカ?」
腰が摺り寄せる様な動きになってきた。
腰を抱えている方の手の指で、背骨の窪みに沿って撫でてやる。
「ぃ、言うからぁ……ちゃんとっ、言うから……ぁっ!」
花弁の奥が更に濃さを増した蜜を吐き出しながら、飢えた様にひくひくと蠢(うごめ)き始めたのを、ペニスの先端で感じる。
尖り切った乳首を口に含み、一頻(ひとしき)り舌で舐(ねぶ)り転がしてから甘噛みする。
「きゃぅっ! ぃっ、ぃいっ、悦(い)いのっ…だからっ、もぅ、お願い……っ、ねぇっ……」
「ん、よく言えました…っ」
暖房が切れた部屋の中は、温度計を見ると凍えそうな程冷え切っている。
でもそんな事は微塵も感じない。
ただただ、熱く蕩(とろ)けた蜜の溜まりが、全身に熱を溜めていくから。
僕はその溜まった熱を喰らい尽くすだけ。
喘ぎ哭(な)く甘い声を口で塞ぎ、花弁を押し分けて、蜜を吐き出す坩堝(るつぼ)と化したアスカの胎内(なか)に腰を沈める。
欲情し貪欲に咥え込む力に逆らう様に、突いて、掻き回す。
クチュクチュと音を立てて白濁した濃い蜜の糸を引く、熱を帯びたクリトリスと花弁を捏ね潰す様に。
快楽に浸るペニスが欲望を吐き出すまで繰り返す。
浅く、深く、円を描く様に、何度も、だ。
解ってるよ。
悲惨な位お互いを曝け出して、そのままの感情をぶつけ合った結果がこれだって事位。
愛情がどうしたって?
関係無い。
ただ、我慢出来ないんだ。
アスカが目の前に居るだけで。
その一挙一動が僕を狂わせる。
気配を、視線を、声を、吐息を、感じるだけで。
足りない。
もっと、もっと。
頭の天辺から爪先迄、それこそ髪の毛の一本一本に至る迄。
全て手に入れて、犯し、貪り尽くしても、僕の飢えや渇きは満たされない。
満たされないから愚かだと解っていてもまた、繰り返す。
そこには終わりも無ければ一筋の光も、救いの欠片も無い。
アスカの存在そのものが、僕の狂気。
そしてこの狂気が恋だと言うのなら、間違いなく僕は―――――恋(アスカ)に酔っている。
嫌ではない。
嫌ではないけれど、好きでもない。
どっち付かずの曖昧さ。
結局の所、アタシは欲張りなのだ。
繰り返される行為は神聖でも何でもなく。
疵の舐め合いにすらならず。
最早、無くてはならないモノ。
欠けてはイケナイのだ。
証拠にほら、欠けた部分が空白を埋めるモノを求めてる。
「んっ……もぅ、我慢っ…出来なぃ……ねぇっ……」
「ダメだよ、まだ……そのまま我慢ね?」
ベッドの上で四つん這いになり、手脚を大きく広げる。
突っ伏す事も、布団の中に潜り込む事も許されない。
触れる指の刺激にひたすら耐え続ける。
決して触れて欲しい所には触れてはくれない。
延々と項や背筋、脇腹を指先でなぞり続ける。
全身の肌が粟立ち、腰は震え、体勢が崩れないようにするのがやっと。
「ねっ、まだっ、我慢っ…あぁっ…しなきゃっ……ダメ……?」
こんなにも近いのに。
目の前には、シンジが居るのに。
アタシから触れたくても触れられない。
「まだダメだよ。殆ど何もしてないのに、我侭言わない」
せめてキス位したい。
それなのに。
アタシの体の下に仰向けに寝そべったシンジは、それすら許してくれない。
アタシはただ、飼い主に可愛がられるペットの様に全身をシンジに撫で回され続ける。
但し、敏感な場所以外を。
「やっ…そこっ、もっとっ、してぇっ……あっ、ぃやっ…ゃめちゃやっ……ぁあぁぁっ!」
背筋と脚の付け根の内側をなぞりながら、時折思い出したかの様にシンジの舌先が乳首を掠める。
もっとシテ欲しいのに。
程好く質量と柔軟さを増した乳房は、重力に逆らわずにその存在を誇張する。
シンジの顔の真上で。
殆ど愛撫らしい愛撫も受けていないのに、乳首は痛い程尖る。
躰が震えれば震える程、硬さは増す。
「そこって何処? 止めて欲しくないのって何?」
意地が悪い響きを含ませた声。
でも、甘い声。
アタシの理性を融かす声。
この声を耳にする度に、アタシの下半身ははしたなく疼く。
ほら、一度も触れられていないのにもう……。
「……冷たい」
「だってっ、アンタが焦らすから……っ、ぁんっ、意地悪っ、しないでっ………ぅあぁぁ……」
……ヴァギナは、だらしなく涎を垂らしている。
宛らパブロフの犬の如く。
涎を受ける皿はシンジだ。
シンジのお腹の上は、アタシが零した涎で水溜りの様になっている、多分。
「ほら、言ってくれなきゃ解んないよ?」
アタシよりもアタシの躰の事を知っているんじゃないかと思う。
そう、解っていてアタシに問うのだ。
甘い声でアタシの理性を融かし、その指で恥じらいも引き剥がす。
残されるのは、只の女としてのアタシ。
恥も外聞も無く快楽に溺れ、狂う様に求める姿を、この男は楽しんでいる。
「んっ……キス、した……っ」
「したよ?」
掠める様に唇が触れるだけのキス。
ずるい。
アタシがシタいのはそんなキスじゃないのに。
「ぅうん……もっとぉ……もっと…キスしたい……ね、キスして?」
「キスだけ?」
片手でアタシの髪を一房手に取り、そのままペットを撫でる様にアタシの頭を撫でる。
もう片方の手は両の脚の付け根と内側を交互に撫で続けて。
触れそうで触れない事で、アタシの躰を支配し続けて。
「胸も……触って……」
「触ったよ?」
頭を撫でる手が下がり、アタシの乳房に触れた。
でもそれだけ。
本当に触れただけ。
「ゃ…ぁん、違うの……指で、弄って……欲しいの…いっぱい、乳首弄って……」
ピン!
聴こえる。
シンジの指がアタシの乳首を弾く。
その度に手榴弾の安全装置を引き抜く時の、金属を弾いた様な幻聴がアタシの頭の中で響く。
爪で引っ掻いたり、指先で摘んだり、指の腹で押し潰して捏ね回したり。
「満足?」
下から覗き込む眼は、あくまでも無邪気な子供みたいで。
その仕草は何処までも、使い慣れた玩具を手にした様で。
「ぅ…ぁ……ぃゃぁ…もっとっ、弄ってっ……舌でっ、舐めて…噛んでっ……んあぁぁっ!」
甘い声は、何処までも残酷で。
齎すものは、無慈悲な快楽のみ。
「はぅっ…それっ、悦ぃのっ……あ、あ、ゃだっ、もぅ…無理っ……」
手足はガクガクと震え、姿勢を保つ事も困難な位。
片方の乳首を舌先で転がしたと思うと、口に含み歯を軽く立てたまま舐られる。
もう片方は指先で弾かれる。
余りにも悦過ぎて体中の血液が沸騰しそう。
乳房は母性の象徴だなんて、嘘。
男の手で弄られ、舌で舐られる程、胎内が連動して疼くと言う事。
それは、雌としての本能を目覚めさせる物以外に在り得ない。
「んっ…何が……無理なの? ……ねぇ、何がなの?」
「だかっ、らっ……も、耐え……られっ、ないっ……ああぁぁぁっ!」
痛みを感じる程の強さで同時に、片方は指先で摘まれ、舐られていた方は吸い立てられる。
鈍い痛みを伴う程の疼きが胎内の奥で湧き上がる。
濃い蜜の塊がたらたらと、雫になって脚を伝い落ちる感覚。
ヴァギナを物欲しそうにひくつかせ、ラヴィアを綻ばせて、クリトリスを充血させて、大きく膨らませて。
ましてや四つん這いの格好で全身を震わせながら、善がり声を上げ続ける姿は発情期の獣みたいで。
アタシだって解ってる。
「ね、こっ…ちもっ……弄ってっ…早くっ……触ってぇ……」
欲情し、浅ましく男を自ら求める姿は、アタシが一番否定し、忌み嫌う姿だと。
「……あーあ、シーツ迄濡れてる」
それでも求めずには居られない。
「……どうして、欲しい?」
シンジが与えてくれるモノが唯一、アタシの欠けた部分を埋めるモノだから。
「ぅ…くぅっ……クリトリスも弄ってっ、いっぱい……ねぇ…いっぱい、舐めて……あぁ…んっ」
腰ごと抱き寄せられ、どちらともなく舌を出し、ゆっくりと絡ませて。
漸く時間が判らなくなる程耐えさせられた四つん這いの姿から開放される。
深い、深い、キス。
アタシから、シンジに触れる事が出来た、やっと。
アタシが零した涎溜まりが、重なる肌の間に広がる。
汗でヌルついた肌の滑りが更に増す。
「ぅ……ん、他には?」
「……シンジの……ぃ、れて……胎内に…欲しいの……っ」
「挿入れる? 何処に? 何を? 言わなきゃ判んないよ?」
「ぃゃ、お願いっ…だからぁ……ね、胎内にっ、頂戴っ……」
四肢を絡ませたまま、体を半回転させる。
今度はアタシが仰向けになり、シンジがアタシに覆い被さる。
腰を腕で固定し、耳を食みながら、シンジはアタシに囁き続ける。
「ほら、お強請りならちゃんと言う」
指がクリトリスを掠める。
触れそうで触れない、微妙な匙加減で。
「ゃだぁ…もぅ、許してぇ…っ……!」
「どうして欲しいか、子供じゃないんだから言えるでしょ……?」
「ぅ……ぁ……も、逝きた、いのっ……逝かせてっ、楽、にっ、させてぇ…っ!」
際限無く快楽の波が押し寄せる。
胎内の疼きが脳天迄駆け上がり、足の指先迄痙攣する位。
「ねぇっ、も、欲しっ…のっ、ぉ願いっ、頂戴っ……胎内にっ、ペ「アスカ、日本語」
―――――死刑宣告。
「……っ、シン、ジのっ……おちんちん、アタシの……おまんこの…中にっ…挿入れて、欲しぃの……っ」
「挿入れるだけで良いの?」
ラヴィアが。
限界迄開き切り。
花を咲かせて。
「…くぅ………ぉく、迄っ、突っ、込んでっ……掻き、回してっ……ぐちゃぐ、ちゃにし、てぇっ……」
「それから?」
子宮が。
鷲掴みにされた様に。
締め付けられて。
「はぁ…んっ…ぁぁ……い、ぱいっ……してっ、めちゃく、ちゃに……っ、犯し、て………っ!」
ヴァギナが。
大きく口を開いたまま。
涎を流す。
そうして、アタシが狂いそうな程耐えて、哀願して、求める事で。
やっとシンジは心底愉しそうな笑みを浮かべて、甘く響く冷たい声で、アタシに刑を下す。
「淫乱」
乱暴にアタシの体を裏返し、再び四つん這いにさせると、ヴァギナにペニスを一気に捩じ込む。
涎でドロドロになっているから、抵抗もなくするりと、奥まで入り込む。
コツコツと、グランスが子宮口に当たる。
当たる事自体は余り悦いとは言えない。
でも欠けた部分を満たす感覚は、悦い。
躊躇無く、容赦無く。
獣の交尾宛らに。
シンジはアタシを陵辱する。
裏腹に、アタシの躰は歓喜に震え続けて。
撃ち点けられるペニスを、ヴァギナは銜え込んで放さない。
押し広げ、掻き回される度に、淫らにクチュクチュと音を立てて。
アタシの子宮が、シンジの精液を、全て飲み干して、最後の一滴を搾り取る迄。
アタシをそういう躰に造り替えたのは、シンジだ。
その感覚を味わう様に喘ぎ、求め、胎内のシンジの存在とその形を確かめる様に締め付けて。
欲情して乱れた姿をこれ見よがしに見せ付けて。
そんな行為を何度も繰り返した末、心身共に満たされる事でやっと、アタシは安らぎを得る事が出来る。
だから、抱かれる。
好きだの嫌いだの、愛だの恋だの、そういう次元の話じゃない。
アタシを必要として欲しい。
ただそれだけ。
その確認手段の一つがセックスだというだけ。
だって、アタシはシタいのはセックスじゃないもの。
朝も、昼も、夜も。
ゼータクだと解っていても。
アタシを必要としてくれるのなら、ずっとこうして居たいだけ。
アタシを求めてくれるのなら、時も場所も選ばない。
シンジがアタシを求める限り、アタシはそれに応えるだけ。
アタシに触れる事を赦すのは、シンジだけ。
全ての柵を放り出して、こうして早朝から悦楽に耽るなんて、自堕落もいいところなのは解ってる。
人生の無駄遣い。
そう言われても仕方がない。
でも、アタシは思う。
たとえ他人から見れば無駄遣いに思える時間だとしても。
それが唯一人の相手と共に過ごすのならば、その絶対量は無駄じゃない。
大体恋が甘いモノだなんて、嘘よ。
アレは、お互いの身も心も蝕むモノ。
じわじわと蝕んで、気付いた時には留まる事も引き返す事も出来ないもの。
求め合い、与え合い、愛を育むなんてただの理想だわ。
喰うか、喰われるか。
犯すか、犯されるか。
違う。
冒すか、冒されるか。
だとするとアタシは―――――恋−シンジ−という不治の病に冒された事になるのかしらね?
相も変わらずジリジリと焼ける様な日差し。
茹だる様な夏の暑さは、容赦なく堕落へと引き摺り込む。
とは言ったものの、ズル休みで学業をサボる訳には行かない。
拠って、頭に入るかどうか甚だ怪しい状態で、毎日授業を受ける事になる訳なのだけれど。
「……ちょっと、これは暑過ぎない?」
「仕方ないわよ、元々夏は暑いものって決まってるんだから……」
「体育の後に空調が壊れた図書室で自習だなんて、とても正気の沙汰とは思えないわよ?」
――やっぱり、サボれば良かったかしら?
梅雨が明けたからと言って、安心してはいけなかった。
気温は毎日鰻上りに上がっていく。
雨の鬱陶しさから開放され、晴れた空にホッとしたのも束の間。
兎にも角にも暑い、の一言。
そりゃそうでしょうとも。
大体学校施設なんて物は、快適さを求めて造られている訳ではない。
「こう暑いと頭に入るもんも入らんわ……」
「言えてる……」
「一年中夏みたいな環境で育ったから、体は慣れてると思ったけど違ったみたいだね……」
三馬鹿トリオもこの通り。
一人、普段の賑やかさが嘘の様に静まり返るだけでこうも違うとはね。
「エネルギー切れや……なあ、冷こいもんでも食いに行かんか?」
「何馬鹿な事言ってるのよ! 期末がヤバいから何とかしてくれって言ったのアンタじゃないの!」
あ、ヒカリが鈴原に一喝。
そりゃそうよねぇ……この時期に自習の時間と来たら、テスト対策って事だもの。
「ま、僕達はそこまで切羽詰ってないから気楽だよね」
「だな。要は赤点さえ取らなきゃいい、って事で俺は帰る!」
「あら、相田は帰っちゃう訳?」
「この暑さじゃ体中の血液が沸騰しちまうよ」
そう言い残すと、相田はいそいそと帰ってしまった。
彼が帰りたくなる気持ちも解らなくもない。
周囲を見回すと、真面目に自習をしているクラスメートなんて殆ど居なさそうだった。
机の上に突っ伏していたり、自習と関係ない本を広げていたり。
携帯電話でお喋りしている人も居る。
かく言うアタシ達も、辛うじて教科書を机の上に置いている程度だったりする。
もしかして真面目に自習してるのって、ヒカリと鈴原だけかしら?
「ね、アタシ達はどうする? 相田の言う事も尤もだと思うけど?」
「うーん……確かに。どうやら自習と聞いただけでサボった人も居るみたいだしね」
そう言われれば、人数が足りない。
「もう! どうして同じポイントを何度も間違えるのよ?!」
「じゃっかぁしぃわッ! そないな事言われたかてぇ、解らへんもんは解らへんねやッ!」
うーん、ヒカリも暑さで相当気が立ってるわね。
あの口振りだとここが図書室だって事、忘れてるみたいだし。
鈴原の方は多分、暑さで自棄を起こした逆切れだと思う。
ヒカリの涙ぐましい努力も、この暑さの前には形無しね。
「……帰ろっか」
「そうね、夫婦喧嘩の邪魔しちゃ悪いし」
アレでも二人共付き合ってない、と主張しているのがまた可笑しい。
いー加減にくっ付けばいーのにね?
それにしても、暑い。
ちょっとは風が吹いても良いと思うけれど、そんな気配は全くしない。
突き刺す様な直射日光がアスファルトから照り返してくる。
車道を車が通り過ぎる度、照り返した日光が作り出す熱気が熱風となって歩道を包む。
「しかし、これだけ暑いと食欲も失せるわね」
「でも食べないと体力落ちるよ。それでなくてもアスカは最近食が細いじゃないか」
「ダイエットじゃないけど、食べる気がしないのよねぇ……」
クルクルと日傘を回しながら、シンジの少し後ろを歩く。
普段なら傾いた陽が影を伸ばし、日傘の骨とシンジの頭が同じ位置になる筈なのに。
今日はまだ陽が高い所為か、余り影は伸びずに足元に留まったままだ。
「もう夏バテ? ちょっと早過ぎない?」
「そういう訳でもないんだけど」
「へぇ? 具合が悪い様なら、これから医療部にでも行く?」
「そこまで酷くないわ。ちょっとした気の物だから気にしないで」
そう、その程度の物なのよ。
だからそんな顔で、チラチラ何度も振り向かなくても良いってば!
「もぅ、心配性なんだから! 大した事じゃないからアンタは気にしなくていいって言ってるの!」
アタシはシンジの手を取って、歩く速度を僅かに速めた。
影が重なる。
二人で一緒の日傘に入っているみたい。
実際は位置が逆転して、アタシの方が先に歩いているだけ。
アタシの方が背は低いから、シンジが少し後ろに居ると影は同じ背の高さに見える。
逆転されちゃったのは何時だろう?
初めて会った頃はアタシの方が高くて、サードインパクトの頃は同じ位かシンジが心持ち高いかどうか位だった。
腕だって女のアタシみたいに細かったし。
と言うか全体的に線が細くて、女の子だと言われたら信じてしまいそうだった。
それが今では背が伸びて、何だか手も大きくて骨張ってきて……あぁっ、ムカつくッ!
理由も何も滅茶苦茶不条理だけど、とにかくムカつく。
「ちょっ……そんなに引っ張ったら危ないってば」
「ほらっ、さっさと帰るわよっ! アタシは早く汗を洗い流して、クーラーの効いた部屋で涼みたいのっ!」
帰宅後、直ぐにリビングのクーラーのスイッチを入れ、ベランダの洗濯物を取り込む。
シンジは給湯器の温度設定とシャワーの用意。
それぞれ部屋から着替えを持ってくる頃には、リビングも僅かにクーラーの冷風の恩恵を受けていた。
「ふぅ……やっぱりクーラーは良いわね、汗が引くわ」
「特別教室棟は直射日光で建物自体が他の校舎より熱いからね。そこに空調の故障じゃ仕方ないよ」
「そりゃそうだけど、やっぱりあれは酷すぎるわ。下手なサウナより蒸し暑かったじゃない」
「確かに。あ、先入る?」
「勿論。それとも一緒が良い? でも一緒だと……」
「……確実に、シャワーだけじゃ済まないですよね?」
「ん、解ってるならヨロシイ! じゃ、お先ぃ♪」
アタシはシンジをリビングに残し、着替えを手にバスルームへと向かった。
先ずは髪を軽くシャンプーで洗い流す。
車道で車が通る度に舞い上げた埃が、汗で髪にくっ付いて気持ち悪い。
その後、クレンジングフォームで薄いメイクと首回りや手足に塗った日焼け止めを浮かせる。
メイク自体も校則に触れない日焼けを防ぐ程度で、色味が全く無いから落とすのは楽だ。
反面、日焼け止めは効果が高い物を選んでいるので、しっかりと落とさなければ肌が荒れてしまう。
アタシの肌は四分の一の日本人の血のお陰か、肌理が細かい分肌が薄い。
残り四分の三の白人系の血が肌の色を白人のそれに近くしている所為か、肌荒れを起こすと目立つ事この上ない。
その上全身には、使徒戦……や訓練で付いた傷痕が結構残っている。
そして紫外線は傷痕を、黒く、強く、肌に焼き付ける。
只でさえ多い女の子らしくない傷痕をこれ以上体に残したくない。
服から露出する部分の傷痕を一つ一つなぞりながら、丁寧に浮き上がった汚れを手で洗い流す。
スポンジを使って洗うのは、クレンジングで残った滑りと汗を流すだけに留めた。
どうせ、夜にもう一度入るんだし。
それに……余り長くシンジを待たせるのも悪いしね。
手早くバスタオルで水気を拭い、ショーツとキャミソールだけ身に着けて脱衣所を後にした。
「お待たせ。待ちくたびれたんじゃない?」
リビングに戻ると、クーラーの冷風が一番届く位置の床の上でシンジが伸びている。
「そうでもないよ。じゃ、入ってくる」
傍らに置いてあった着替えを手にし、のそっと起き上がる姿の向こうに、数年後のシンジが見えた気がした。
「行水はダメだかんね?」
すれ違うのを狙って、つい一言釘を刺してしまう。
「解ってるよ……ったく、妙なとこは細かいんだからなぁ……」
――細かくて悪かったわね!
内心カチンと来たけれど、ブツブツぼやきながらバスルームに向かうシンジの背を、アタシは大人しく見送ってやった。
窓の外を見ると、熱気で景色が揺らめいて見える。
流石に蜃気楼は見えないけれど、周囲の建物が揺れて映る姿は砂漠を思い起こさせる。
「……やだ、冷房の中に居るのに暑くなってきそう」
これ以上そんな景色を見るのは御免だ。
アタシはリビングと言わず、全ての部屋のカーテンを一気に閉めてしまった。
その足でキッチンに向かい、冷蔵庫の中を覗く。
ミネラルウォーターと牛乳と麦茶はある……が、生憎と今喉を潤したい飲物は無さそうだった。
「ちぇっ……ジュース系は無いか。今は牛乳が飲みたい気分でもないのよねぇ……」
ふと冷蔵庫の傍らに視線を移すと、冷えていないスポーツドリンクのペットボトルが数本見える。
「何だ、冷えていないんじゃ意味無いじゃないのよ」
無ければ麦茶を飲めば良いだけの話なんだけれど、諦める前にもう一箇所確認しなければ。
――ほら、やっぱり。
冷凍庫の扉を開けると、上手い具合にアイスが入っている。
「……ふぅん、2種類か。どっちにしようか迷うわね」
迷いに迷った結果、取り敢えずはカップに入った方を選んでみた。
「よく考えれば半分ずつにすればいーのよねー」
いざ食べようとアイスにスプーンを入れると、冷え過ぎて固くなっている。
これではアイスを食べる為には、削る様に表面をこそぎ落とさなければいけない。
そんなしみったれた食べ方はアタシの性に合わなかった。
仕方なく、アイスはテーブルの上に放置する事にしておく。
数分も放っておけば、スプーンで掬う事が出来る程度まで柔らかくなる筈だ。
その頃にはシンジも風呂から戻っていると思う、多分だけど。
勢いが削がれたアタシは、手足を伸ばしてリビングの床に寝転んだ。
取り込んだ洗濯物が手を伸ばした位置の床に広がっている。
触れてみると、まだ陽の温度が抜け切っていない。
クーラーの冷気だけでは中々冷めないんだろう。
タオルなら使っても大丈夫かなと思わないでもないが、流石に服は身に着けるのは勘弁したい温度だ。
早く乾くのは有難いけれど、その分熱気が篭ってしまっている。
アタシは布地に篭った熱を指先で玩びながら、アイスが柔らかくなるのを待つ事にした。
ホンの数分間の事だが、何かを待つと言うのは退屈だ。
昔のアタシなら、『待たせるのは当然だが、待つのは論外』と言って憚らなかったと思う。
――傲慢?
――生意気?
――ううん、違う。
アタシはただ、誰かの『特別』になりたかっただけ。
見捨てられるのが嫌で、一人で待ち続ける事が怖かっただけ。
今はどうだろう?
少なくとも嫌ではない。
平坦で変化の少ないこの生活の事は結構気に入っている。
何故だろうかと理由を考えてみたら、思い当たる節は一つしかない。
そんな事を考えながら、指先にタオルを絡ませる。
絡ませて、振り回してみる。
冷風が生地全体によく絡み、指先から熱気が失せていく。
熱気が失せていく度に、アタシの躰と頭の中は逆に熱っていく気がしてくる。
ーおしまいー
ユニコスレすごいね
みんな興奮してすごい
チンコたってんのかなぁ?
THE END
こんちはー♪
みんな元気?ン僕は元気だよ♪
昨日は、朝起きてご飯食べてウンコして夜寝ました。
今日は、朝にプラモのチビケロを作りました。
目が回転して遊べます。
あと、これは成型色が何色もあるので、塗装しなくてもきれいにしあがるので好きです。
お昼はパパのバンドの練習について行きます。
ン僕もボンゴや酒のビンを「♪ポコポコチンチン!」叩いて参加するんだよ。
あと、たまにバンデイロも使うよ♪
パパはベースギターだよ。
そして、あまり上手くないよ。
ンじゃ行てくるねー♪
― 糸冬 了 ―
にんにくアク禁くらったらしーね(合掌)
まじの話ですか?
コピペ貼り過ぎじゃね?
あ〜あれは酷かったからな;
只でさえ少ない住人があのコピペで多分減ったからな
ぺんたの人気が出たのが原因ですね
今回の事件はにんにくコピペの乱と名付けます
それにしてもデミスレを潰したにんにくは強敵だった
冷たくなったタオルを後ろに放り投げた。
今度は別のタオルを指先に絡ませ、さっきと同じ様に振り回してみる。
また冷たくなったので、後ろに放り投げる。
そんな事を何度か繰り返した。
「……何やってんだよ、アスカ」
声を掛けられて、シンジが戻って来た事に気付いた。
「あーあ、洗濯物全部皺になっちゃってるし……どうすんの、これ?」
「さぁ?」
放り投げられた洗濯物が、背後の床のあちらこちらに散らばっている。
「ちょっと熱を冷ましてあげただけよ。さぁてと、アイスは柔らかくなってるかしらン?」
「誤魔化すなよ、もう」
別に意図があってした訳じゃない。
ただ、退屈を紛らわせただけ。
シンジには、適当に理由を付けて答えてやっただけだ。
テーブルで放置されたアイスは、カップの縁回りがトロっと融けていたが、真ん中はまだ少し固さを残している。
この分なら周囲の柔らかくなった部分を食べている間に、芯の様な真ん中も柔らかくなる筈だ。
「あぁ、アイスはカップの方取ったわよ」
融けた部分にスプーンの先を差し込む。
今度はすんなり掬う事が出来た。
口に入れると甘さと冷たさが広がり、熱る躰と頭の中との温度差が際立つ。
「じゃあ僕の分は棒付きの方か」
ペリペリとパッケージの袋を剥がす音とペタペタとした裸足の足音が、シンジがソファに座ると同時に途切れた。
もう一口分アイスを掬い、口の中に放り込む。
「ちぇっ、カップのバニラ狙ってたんだけどなぁ」
バニラの香りが広がる。
勿論ただの香料だから、安っぽい人工の香りだけれど。
それでも甘さと冷たさを愉しむには充分過ぎる、とアタシは思う。
更にもう一口分スプーンで掬い、口の中に放り込んだ。
四分の一程食べてしまった所で、交渉に入る事にした。
多分、アタシの思った通りに事は進む筈。
「ね、シンジ。それ半分頂戴? アタシの、半分あげるから。ダメ?」
ソファに体を沈ませたシンジの足元に座り込み、上目遣いで強請ってみる。
「いいの?」
――ほら、思った通り。
「うん、じゃあ口開けてよ。食べさせてあげる」
「え? いいよ、自分で食べられるから」
「だぁめ。口開けてくれないなら、カップはアタシ一人で全部食べちゃうわよ? バニラ、食べたいんじゃなかったっけ?」
「えー……」
「ほら、どうするのよ? 早くしないと融けちゃうわよ? あーんして?」
念を押してスプーンに掬ったアイスをシンジの口元に押し付けてやる。
スプーンの上でアイスの表面が蕩けて滑らかになっていくにつれて、周囲に甘ったるい香りが広がる。
「仕方ないなぁ、判ったよ。あーん……」
バニラの香りに観念したシンジが口を開いたので、アタシはすかさずアイスを放り込んだ。
何度かそんなやり取りを繰り返している間に、シンジが手にしているアイスは表面が殆ど融けてしまっていたみたい。
融けたアイスは棒を伝い、僅かにシンジの手を濡らしているのが見えた。
「じゃ、今度はアタシの番よね? アタシにも食べさせてよ」
「食べさせてって、もう半分融け掛けてるけど……」
「それでもいいの。 ね、食べさせて?」
「棒付きのアイスなんて、どうやって食べさせるのさ? 棒を口に突っ込む訳にいかないだろ?」
「んもう、じれったいわねぇッ!」
アタシは上半身をシンジの膝の上に乗り出し、アイスを持っている手を引き寄せて、甘く濡れた部分を舌先で舐め取った。
そのまま棒からアイスが落ちてしまわない様、慎重に力を入れすぎない程度でアイスから滴る滴に舌先を伸ばす。
毒々しい水色のそれは、舐め取ると安っぽくて甘ったるいだけの砂糖水みたいな感じ。
でも僅かに鼻先に香る匂いは、多分ラムネかソーダだろう。
シンジが口にして既に齧られている部分から、中身なのか白い別の種類のアイスが見える。
「ちょっ、アスカ! 何してるんだよ?!」
「何って、アタシの分を食べてるだけよ?」
膝の上からアタシを下ろそうとするシンジを無視して片手を腰に回して体を固定させ、そのまま再びアイスに舌を伸ばす。
白く顔を覗かせた形の部分を、舌先で突いて舐め取ってみる。
ほんのりと舌に残った味は、妙に気の抜けたような軽さが印象に残った。
色からして、多分バニラかミルク系。
でも後味が軽くて、この部分はアタシの好みじゃない。
妙に甘ったるい表面部分のアイスの方がずっと良い。
「ん……色の付いた所の方が美味しいわね」
シンジの奴、今度は腰からアタシの手も引き剥がそうとしてる。
――やーよ。
――絶対離さないし、降りてやるもんですか。
アタシはシンジの腰に回した方の手の力を強め、自らの胴体をシンジの腰へと引き寄せた。
その体勢のままアイスの表面に浮き上がる水滴を下から上に舐めとり、時には吸い取る。
甘い。
甘すぎてクラクラしそう。
洗濯物から吸い取る様に増した躰と頭の中の熱りが、甘さを舌が覚える度に一層強くなった気がした。
舌で舐め切れなかった水滴がたらたらと汁になってシンジの指を濡らしていく。
シロップに浸した様に指が艶々と光る。
アタシは濡れた指の一本一本に舌を伸ばし、丁寧過ぎる位丁寧に舐め取ってやった。
「アスカ、頼むから。頼むから膝の上から降りて」
シンジがとうとう音を上げた。
まだ約束の半分どころか、その半分の量しか食べてないのに。
「やだ」
「頼むから降りてよ」
「いーやッ! まだ半分食べてないもの」
「あのね、今自分がどんな格好してるのか気付いてる?」
「格好って?」
何の事だろう?
今一つピンと来ない。
首を傾げていると、今度は逆に腰に押し付けられる様に片手で抱きすくめられる。
「……これなら解る?」
――はい、解りますとも。
「降りてって言ってるのに、あんなに押し付けるから……責任、取ってよ」
少し低く抑えた声がアタシの耳元で弾ける。
アタシを抱きすくめている手が、項から背筋の窪みを指でなぞりながら腰に下りていく。
「取って欲しい?」
「勿論」
「どうして欲しいの?」
「自分で考えて」
気付いたらアイスはアタシの胸を濡らしていた。
残りの部分が融け始めて、滴がキャミソールの上に落ちたのだ。
それを合図にアタシ達は甘ったるいアイスの味がするキスを始めた。
延々と舌を絡ませながら、アタシはソファの上に座ったままのシンジの膝の上に座り込む。
棒の周りに残されたアイスがフローリングの上に落ちる音が背後から聞こえた。
アタシは腕をシンジの首に、手はやや固めの髪に、足は腰に絡ませて何度もキスを続けた。
その内、躰と頭の中の熱りが燻り続ける様に熱量を増し始めたのを感じた。
増していくのを自覚する度に、全身から力が抜けそうになる。
ソファの上から落ちない様に、腕と足を一層シンジに絡ませる。
そうするとシンジもアタシの背と腰をきつく抱きしめてくれた。
その度にアタシは、下着越しのシンジのペニスに股間を擦り付けてしまう。
擦り付ける度に、ショーツの中が蕩けているのを感じてしまい、また全身から力が抜けそうになった。
下着の生地が擦り合わさる度に、くちくちと粘液が音を立てる。
多分、既にショーツはその役目を放棄している筈だ。
クリトリスは痛い程膨らみ、ラヴィアがその中で蜜塗れになって開き切っているのだろうと思った。
「……相変わらず濡れ過ぎ」
「ぅ……んっ、悪かったわねっ……ぁあっ」
無遠慮なシンジの指が、ショーツ越しにクリトリスを押し潰す。
「僕の下着まで濡れてきてるし……ほら、透けてクリトリスが見えてる」
「ばッ、馬鹿……ッ! 一々言わなくても……ッ、ゃあん、ダメだったらぁ……」
指先に力が込められて布地が擦り付けられる所を見せ付けられた。
クロッチに薄らと見える影。
その影を指先でなぞりつつ、カリカリとクリトリスに軽く爪立てられる度に、背が仰け反り何度もソファから落ちそうになる。
支点が股間に集中している所為か、ラヴィアがショーツの中でペニスの形に沿って開いているのを感じる。
クリトリスを弄られ背を仰け反らせる度に、ヴァギナから溢れた蜜がラヴィアとショーツに挟まれて酷く音を立てた。
「あ、あ、ダメッ……そんなに……ッ、や、だぁ……」
キャミソール越しに乳首に絡む舌の動きと背筋の窪みをなぞる指の動きが、アタシの腰を何度も震わせる。
腰が震える度にまたアタシは股間をペニスに擦り付けてしまう。
今度は開き切ったラヴィアがペニスに蜜を絡ませ、擦り合わされる布地同士の間で粘液が白く泡立つのが見えた。
「あーあ、音まで立てちゃって……もうドロドロになってるんだ?」
「ぅ……悪い?」
「まさか。もっとドロドロになってもいーよ、いつもみたいに」
「それじゃ、矛盾してない? アンタ、さっきアタシに責任取れって言ってたじゃない」
「だね。でも、アスカに出来る? いつも先に音を上げるのは誰だっけ?」
意地の悪い笑みを浮かべたシンジがキャミソールごと乳首に軽く歯を立て、ショーツの隙間からヴァギナに指を差し込む。
――あぁっ、ムカつく!
差し込まれた指がヴァギナを掻き回す度、全身の肌が粟立っていくのと同時にムカつき度合いは膨らんでいく。
「……言ったわね?」
「うん、言ったよ? 事実だからね」
「その言葉、後で後悔しても知らないわよ?」
「出来るものならやってみろよ」
「く……ッ! そ、こは……ぅぁッ……!」
上目遣いでシンジの目を見つめながら、舌先を尖らせてコロナを突いてやる。
そのまま何度かコロナをなぞった後、尿道に舌先を捻じ込んで。
グランスを口の中に含んで軽く吸い付いては、シャフトを下から上に舐め上げるのを繰り返す。
勿論、グランスを口に含んでいる間は舌全体で転がして舐め回してやる。
空いている手で脇腹や内股を筋肉の筋に沿って撫でてみたりもする。
そんな事をじれったくなる位、何度も何度も繰り返す。
腰に抱き付くと、丁度乳房の谷間にアタシの唾液でぬる付いたペニスがすっぽりと収まった。
そのまま抱き付く腕の力を強めると、乳房に挟まれたペニスがぬる付きで肌を滑る。
その状態で舌を伸ばすと、コロナとシャフトの境目に触れた。
執拗にそこを舌先で突いたり、舐め上げたり、キスの要領で吸い付いたりする。
そうすると面白い位にペニスがひくついて尿道から蜜を垂れ流す。
アタシはシンジの目を見ながら、シャフトを伝いアタシの胸に落ちるそれを少しずつ舌先で舐めとる様を見せ付けてやった。
>>689 おひさぁー(^o^)o
わたしゎちゅうがくの時ゎ吹奏楽部だったよ
いっしょにえんそうしたいね(^o^)o
「んふ……どう? 後悔してる?」
ショーツの中は相当酷い有様だろう。
シンジに問いかける自分の声で、アタシは子宮が疼くのを自覚する。
ヴァギナが吐き出した蜜がショーツから零れ、内股をゆっくりと雫になって伝っていく感触が更にアタシを欲情させた。
「……さぁね?」
努めて平静を保とうとする声色から察すると、シンジも焦れている風だ。
それでも発言を撤回しないという事は、どうせアタシが先に降参すると高を括っているに違いない。
――ふぅん……そう出る訳。
アタシは再びグランスを口に含み、ひとしきり飴玉の様に舌で転がした後、ゆっくりとペニスを飲み込んだ。
ただ飲み込むだけでなく、舌全体を使いシャフトを舐め回して吸い付いてやる。
喉の奥までグランスが届くと軽い吐き気を感じたが、それはグッと押さえて飲み込んだ。
その代わり、根元に届いた唇に軽く力を入れシャフトに吸い付く力を強めてやる。
そのまま吸い付く力を緩め、舌を伸ばし根元を舌先で舐めてやったり。
はしたない音をさせながら頭を上下に動かしてペニス全体をしゃぶったり。
そんな事を何度か繰り返した。
「はぁ……っ、どう? いい加減に降参したら?」
「冗談……っ!」
シンジはアタシの頭を押さえ付け、無理矢理口の中にペニスを捻じ込んだ。
勢い付いて一気に喉の奥を突いた所為か、胃液が逆流しそうになる。
――随分乱暴にしてくれるじゃないのよ。
アタシが降参するのを狙ったのだろうが、そう簡単に問屋を卸す訳にはいかない。
アタシは捻じ込まれたペニスに吸い付きながら軽く歯を立てた。
「……ぃいっ?!」
――ふん、いい気味。
痛みを感じたのか呻き声を挙げるシンジを無視し、アタシはさっきよりも強くシャフトに吸い付いた。
そして緩急を付けながらグランスだけを舐め回しては、根元迄ゆっくりと見せ付ける様に飲み込んで。
その後はコロナ迄をまたゆっくりと口から吐き出しては、舌先でコロナを突きながらグランスを口の中で転がす。
時々は尿道に舌先を捻じ込んだりもして。
そんな事を何度も、何度も。
内股を伝い落ちる蜜の雫が何本もの線になり、床に付いた膝を濡らし水溜りが出来る位の時間が過ぎる迄繰り返す。
それでも呼吸は荒いものの薄い笑みを浮かべているだけあって、シンジの口からは降参宣言が出る気配は全く無かった。
このまま根競べをしても埒が明かない。
そう思ったアタシは一気に勝負に出る事にした。
熱った躰をふら付かせながら床から立ち上がったアタシは、もう一度シンジの首に腕を絡ませ膝の上に座る。
「ん……ねぇ……もう一度聞くわ、後悔した?」
そのまま抱き付いてキスを交わし、耳元で囁いてみる。
「してないよ? する必要ないし」
そう嘯く口調を考えると、どうあってもシンジは降参するつもりが無いらしい。
「じゃあ……悦くなかったとか?」
片手をペニスに伸ばし、指先でコロナやシャフトをなぞってみた。
ペニスは触れる度に脈打つ様に跳ねて、掌に蜜を擦り付けてくる。
「悦かったよ。口も、舌も……全部、ね」
「だったら……ッ!」
「でも、それとこれとは別。アスカがどんな事しても、僕は降参なんてしない」
――まだ、そんな事言うんだ。
「へぇ……言い切るなんて、随分強気なのね?」
「簡単な事だよ」
シンジはアタシの肩から肩紐を落として、キャミソールの胸元を剥き出しにすると思い切り乳房に吸い付いた。
そのままアタシはソファの上に組み敷かれ、体勢を逆転されてしまう。
シンジはアタシのショーツを力任せに毟り取り、乱暴に床に投げ捨てた。
「あぁぁあぁああぁ……ッ!」
ショーツが水音を立てて床に落ちるのと、シンジがヴァギナに口付けて蜜を啜るのは、殆ど同時だった。
それを皮切りにワザと大きく音を立てながら指でヴァギナを掻き回し始める。
一本、二本と掻き回す指を増やし、舌先でクリトリスを転がした後、口の中に含むと吸い付き様に何度も軽く噛み付いた。
「きゃあぁぁっ! ぃった……ぁぃ……ぃや、いた……ッ、しん、じ……ぃ、たぃ……あぁん!」
「お返し」
直ぐにヴァギナへ勢いよくペニスが突っ込まれる。
「あ、あ、ぃやっ、そこは……ッ、ゃだ、やめてっ……ぁは……っ、やめてっ……た、らぁ……」
――シンジの奴、一体何考えてるのよぉっ?!
ペニスは動かさずにアタシの腰を固定させていた手をゆっくりとずらしていく。
手の動きが止まったその位置は。
「随分と悦さそうだね? ここまでドロドロになってる……」
手をずらしたシンジは、アタシのアヌスに伝い落ちた蜜を塗り付けた。
「今日は何もしないけど……その内こっちもね……いいだろ?」
「馬鹿ぁ……」
その動きは円を描く様に、水音を立てながら、位置を確認するように指先でなぞり続ける。
それだけじゃない。
同時にもう片方の手の指の腹でクリトリスを押し潰し、膨らんだ部分を指で摘み上げた。
「こっちもしないと不公平だからね」
一度に敏感な部分を三箇所も弄られる。
「――――ッ!」
過ぎる刺激という物は声を失わせてしまうのか、アタシは抗議の声を上げることすら出来ない。
どれだけの時間か判らないが、アタシはシンジの嬲る指の動きに操られ続けた。
腰を上下に動かしたり引いたり押し付けたり、ペニスを軸に右に左に腰を回したり、ヴァギナを締めたり緩めたり。
そんな動きをひたすら繰り返させられる。
その間アタシはまともに声を上げることも出来ず、口からは荒い呼吸音を漏らす事しか出来なかった。
そうしてアタシが息絶え絶えに全身を痙攣させる頃、シンジは漸くアタシの子宮に精液を飲み込ませた。
逸早く余韻から抜け出したシンジがアタシの躰を抱き起こし、まだ幾分か硬さを保つペニスをヴァギナから抜き取る。
そしてアタシを腕の中に収めると、アタシに何度もキスをした。
辺りに血腥い臭いが広がり、ドロリとヴァギナから精液が零れ落ちる。
シンジは零れ落ちる精液を指で掬い取り、ヴァギナに指を差込み精液を掻き出すと、ラヴィアやクリトリスに塗り広げ始めた。
余韻が抜け切らないまま交わすキスは意識を混濁させ、夢と現実の境目にアタシを閉じ込める。
アタシはそんな朦朧とした意識のまま、シンジのその動きを受け入れ続けた。
舌を絡めて何度も互いに唾液を交歓させ、唇が離れると間に透明な橋が掛かる位迄ずっと、アタシ達はキスを続けた。
そうやって互いの余韻を引き伸ばし続けるのも限界だと思われた頃、シンジが掠れたけれど熱の篭った声で呟いた。
「僕はね、アスカに何かを『させたい』欲求よりも、アスカに何かを『したい』欲求の割合の方がずっと大きいんだ」
――馬鹿ね、もっと早く言いなさいよ。
そんなの、アタシだって同じ様な物だ。
もっとシンジに悦くなって貰いたいし、悦くしてあげたい。
一方的に遣り込められるなんて真っ平だ。
それでもいざとなったら多分、アタシはシンジに逆らえない。
シンジはアタシを何もかも絡め取り、その全てを熱で融かしてしまう。
そう、アイスの様に。
アタシはヴァギナから精液を更に掻き出そうとしているシンジの手を制し、蜜と精液塗れの指を口に含んだ。
「あ……アスカ……?」
口の中で指に絡んだ精液を舌先でこそぎ落とし、舌全体に乗せて味わった後、ゆっくりと喉に流す。
「……何でもないわ」
アタシには血腥いそれが、シロップの様にとても甘く思えた。
>>696 にんにくちらっと来たときあったがそんなに書き込みしてねーよ
名無しだからわからんとかナシにね
荒い息遣い。くぐもった嬌声。電気は消してほとんど真っ暗なのに、お互いの存在を嫌というほど肌で感じる。
空調は効いているはずなのに、骨の芯から熱が湧き上がるように、暑い。熱い。
ほとんどままならなくなった思考を脇に押しやって、アスカの腰を掴んで、ただ欲望が命ずるままに何度も突き上げる。
揺れている、それなりに大きさのあってとても形のいい乳房に手を伸ばす。
こんなふうに身体を重ねるのは、もう何度目だったか。
お腹の下から押し上げてくる猛烈な感情に突き動かされてたまらなくなった僕は、アスカに覆いかぶさって、ぐっと身体を密着させるように抱きしめる。
腰は相変わらずアスカの体奥を求めるように突きながら、ほとんど喘ぐように耳元で何度もその名を呼ぶと、
アスカも荒い呼吸の合間にわずかに「シンジ」と言ってくれたような気がした。
そうして限界がやってきてしまうと、さっきまであれほど激しい想いでいっぱいだったはずの僕の胸は、
まるで精とともにそっくり放出されてしまうようにすっかりからっぽになって、ひどい寂寥感にさいなまれるのが、このところの常だった。
始まりは、あの夜だった。
ミサトさんが結婚式の帰りで加持さんと遅くなるという連絡を受けたあの夜、僕はアスカとキスをした。《退屈だからよ》という理由にならない理由を真に受けて、
《お母さんの命日に、女の子とキスするの嫌?天国から見てるかもしれないからって》という挑発に乗って。
そうして自分から言い出しておいて、《鼻息こそばゆいから、息しないで》と注文したくせに僕の息が続く限りキスしておいて、
キスが終わると逃げるようにうがいをしに行ったアスカの考えていることなんて、僕にはわからなかった。
アスカはいつも何も言わない。何も言ってくれない。
ほどなくして加持さんがミサトさんを連れて帰って、その加持さんもすぐに帰って行った。酔いつぶれていたミサトさんを部屋に寝かせて、
僕も寝ようと自室に戻ってしばらくしたら、ほとんど僕の部屋なんか来たことがなかったアスカが突然やってきて、「ちょっと来て」と言われるがままにアスカの部屋に誘われた。
以前は僕の部屋だったアスカの部屋。アスカがやってきてからはほとんど入ったことがなくて、もとより女の子の部屋なんて数えるほどしか入ったことのない僕は、
そのときはちょっと緊張していた。淡いピンクを基調にしたカーテンやカーペットが、いかにも女の子の部屋らしい雰囲気を醸し出していて、時間も時間だったし、
いつも顔を合わせているはずのアスカだというのに、胸が妙に高鳴った。そんな気持ちの高ぶりをひた隠しながら、一体何の用かと考えていると、アスカは「さっきの続き、するわよ」と、至極何でもないことのように言った。
「さっき……の?続きって……その」
「だから!」と要領を得ない僕の様子に苛立ちを隠さず、僕の目の前まで歩を進めてきて、青い瞳で射抜いてきた。「あんたも子供じゃないんだから、わかるでしょ」と、
みなまで言わせるなという態度だった。確かにキスの先にどうするかぐらいは知識で知っていたが、それをこんなところでアスカに迫られるとは微塵も考えていなかった僕は、
「なっ、何を言って……いきなり……」としどろもどろに返答するのが精一杯だった。どういう風の吹きまわしなんだろうか。
さっきは《うぇぇぇっ!やっぱ暇つぶしにやるもんじゃないわ!》と後悔していたくせに。《あんたとキスなんかしたからよ!》と罵ったくせに。
ふと、これはいつもの腹いせなのだろうかとも考えた。加持さんとミサトさんがうまくいっているのが面白くなくて、気晴らしに僕にちょっかいでもかけようというのか。
こんな無茶を言ってみて、僕の反応でも楽しむつもりなのか。そしてきっと、僕が本気で乗ってくるなんて思ってはいないんだ。
そう考えるとなんだか随分バカにされたような気がして、バカにされるのはいつものことだったが、今日ばかりはちょっと腹に据えかねた。だったら、根比べだ。僕もその気になったふりをして、アスカに一泡吹かせてやればいいんだ。
アスカは相変わらず、青い瞳で僕を射抜いたままだった。そんなアスカのまっすぐな視線にちょっと気押されそうだった僕は、目をそらさないようにして、精一杯の強がりで「……いいの?」と、まずはアスカの肩に両手をかけた。
抵抗はなく、さらに顔を寄せた。もう、ほとんど相手の鼓動が聞こえるような距離にまで詰め寄った。しかし、いざとなったらかわしにかかるだろうという僕の予想に反して、アスカは身じろぎ一つせず、ただじっと僕の目を見つめるばかりだった。
僕はどうしたものか、逡巡した。アスカは本気なんだろうか。本気で僕とセックスするつもりなんだろうか。もしそうなら、なぜ僕と?
てっきりアスカは加持さんが好きだとばかり思っていたのに。もしくは、アスカは好きでもない男とセックスするような、軽い女性だったのか。
これも退屈だからか。そうしてアスカがその気なら、では僕は本当にセックスするのか。様々な疑問が次から次へと湧き上がり、
それに対する答えは何一つ見つからず、何かがいびつだと思ったが、結局この場ではアスカとセックスできるという曖昧な性欲が勝ってしまった僕は、
アスカを抱くことにした。
まずはキスのやり直しだろうか、とアスカの唇に自らの唇を重ねようとすると、それはすっと脇へそれていってしまった。ちょっと面喰ってアスカの顔を覗き込むと、
「キスはもういい」と、すっと逸れてゆく青い瞳はなんだかひどく澱んでいるように見えて、まるでアスカの心に膜が一枚張られているかのようだった。
そんなアスカの瞳に僕はわずかに拒絶されたような、言い知れぬ孤独感を感じたが、今目の前にあるアスカの生身の柔肌が放つ艶美な魅惑には結局抗いようもなく、
そのまま首筋に唇を走らせた。
あとはもう、ほとんど訳が分からなかった。初めて見る女性の身体はとても綺麗で、Tシャツをまくり上げてこぼれおちた胸も、ショーツの奥の秘めた部分も、
艶めかしくて、いやらしかった。僕の拙いはずの愛撫にも、アスカは身じろいで甘いため息を漏らした。そうして僕自身がアスカの中に入り込むと、
アスカは訪れた痛みに必死に耐えるようにしていたが、僕はそんなアスカの様子に気を配れる余裕もなく、ただえもいわれぬ快感に心奪われて、
あっという間に果てたのだった。興奮が治まってふと我に帰った時に、「痛いわよバカ!」と罵られたのは、記憶に鮮明だ。
初めてがそんなだったから、てっきりもう次はないと思っていたのに、アスカはまたやってきた。僕も肉欲に溺れるのにそう時間はかからず、
結果僕たちは同居人の目を盗んで、僕の部屋で、アスカの部屋で、リビングで、昼夜を問わず幾度となく身体を重ねることになった。そういうときはおおかた、
アスカが何を言うでもなくそばにやってきて、なんとなくお互いが手を伸ばしあってことが始まるのだった。たまに僕が抑えきれない衝動で迫ることがあったが、
アスカの方もそれを断るのは生理のときくらいで、ただ何を言うでもなくそれを受け入れたのだった。
ただ、僕はいつもキスをしたがったのに、アスカはそれを許さなかった。初めて身体を重ねたときのようにすっと逸れてゆき、あの混濁した瞳で抗いようのない壁を作り出して、
それを拒むのだった。それがまた孤独で、そんな寂しい気持ちをごまかすように、ことの最中は必死にアスカを求めた。しかし身体を重ねれば重ねるほど、
あの青く透き通るようだったはずの葡萄の瞳は混濁の度合いを増してゆくようで、どうしてこんなことを続けているのか、直接訪ねることすらはばかられて、
その真意の手がかりさえ一向につかめなかった。あれ以来、キスはしていない。
アスカはいつも何も言わない。何も言ってくれない。
そうこうしているうちに、僕とアスカの関係に影響を及ぼす出来事が起こり始めた。僕のシンクロ率が一時的にアスカを抜いたこと。
第14使徒にアスカが惨敗して、僕がそれを倒したこと。その際僕が初号機に1ヵ月も取り込まれていたこと。アスカが第15使徒の精神攻撃にさらされたこと―――。
二人の間にはぎすぎすした空気が流れるようになって、日常生活では微笑みあうこともほとんどなくなって、会話することすらすっかり減ってしまった。
それでも依然として身体の関係だけは続いていて、僕も日常の孤独をそこで埋めるように、前以上にアスカに溺れていったが、同時に孤独感もひどくなっていった。
いつしか、もしかしたら僕が求めていたのは二人が身体を重ねあうようになる前の、普段の他愛のないお喋りやちょっとしたお出かけだったのではないかと思うようになった。
好きな音楽がどうとか、ちょっとスーパーに一緒に買い物に行ったりとか、それらは実に他愛のない、どうということのない出来事だったけれど、
少なくともそのときに見せてくれたアスカの笑顔に僕は引き込まれていて充実していたのだ、幸せだったのだと、今更のように確信してしまった。
僕はあの頃のアスカが、好きだったんだろう。そんな充実した瞬間の自分を、少なくとも今までの人生の中では一番、好きでいられたんだろう。
そしてそれらはもう、日常生活の冷え切った関係では望むべくもないものだった。
思いの丈をぶつけてみれば、何か変わるのだろうか。ずばり尋ねてしまえば、望んだものが得られるのだろうか。いや、多少は自分の気が晴れるかもしれないが、
そのことで今のこの関係すら失ってしまうことが僕には怖くて、そんなコミュニケーションをとることすら放棄しているのが現状だった。ただ自身の性欲に流されるように、
アスカに迎合するように、曖昧なものを曖昧なまま、受け入れ続けて来たのだった。
どんなに抱きしめて身体を密着させても、どんなに身体の奥に入り込んでも、満たされたような気持ちになれるのは男と女という獣になっているほんの僅かな間だけで、
終わってしまえば残るのは、目の前にいるはずの人間に感じる途方もない距離感と、決して気持ちが通い合うことはないと思い知らされる絶望感。
もしかしたら僕たちの関係が変わるかもしれないという儚い希望も力なく湧いてはすぐに消え、ただただ寂しいばかりだった。
僕を独りにしないで。僕を見捨てないで。
今夜もことが終わって、衣服もろくに着ずに僕の部屋を出て行こうとするアスカを、背中から抱きとめた。もう寂しいのも、孤独に打ち震えるのも限界だった。
「……もう、今夜はいいでしょ」と、アスカの返答は至極冷たく感じられた。しかしすでに、流れ出した感情のうねりは制御がきかなくなっていて、
返答に構わず抱きとめたままにした。
「離して」
「離さないよ」
「離してったら!」
「いやだ!もういやなんだよこんなの!こんなの……こんなのってないよ……ひどすぎるよ……」と言う最後の方はもう言葉にならず、僕は泣き出していた。
元押入れの真っ暗な部屋の中で、女の背にすがりついて、聞こえるのはクーラーの低い稼働音と僕の泣き声だけ。我ながらあまりに惨めな光景だと思ったが、
もう格好などどうでもよかった。ただ僕自身の気持ちをぶつけたかった。
「なんで僕らは、こんなこと続けてるんだよ……。ねえ、お願いだからちゃんと、ちゃんと僕のこと見てよ……前みたいに僕のことバカにしてよ……。
好きなんだよ。僕はアスカのことが好きなんだ。アスカにとっては僕なんて取るに足らない存在かもしれないけど、僕は真剣なんだよ。
だからちゃんと、僕と向き合ってよ……!」
こっちを振り向いたアスカも涙を流していた。そして一言、「あんたなんか大っ嫌い」と、その濡れた瞳で射抜くように告げると、
さらに感極まった様子でその胸の内に秘められた思いをぶつけてきた。
「あんた、アタシがどうでもいいような男とこんなことするような人間だと思ってたわけ?ふざけないでよ!あんたこそアタシのことなんて何にも見ちゃいないくせに!
あんたなんか、あんたなんか……!」
アスカはそこまで言って、僕の胸に飛び込んでくると、また「大っ嫌い……!」と言って、あとはただむせび泣くばかりだった。
アスカはいつも何も言わない。何も言ってくれない。
ここまでやってくるのにずいぶん時間がかかってしまったと思う。けれども、この直截と韜晦を兼ね備えたとにかく複雑な感情の持ち主を、
ようやくちょっとだけ理解することが出来たような気がする。今ならアスカも受け入れてくれるはず、そう思った僕はアスカの顎に手を添えると、
目を閉じて唇を重ねた。実に久しぶりのキス。唇を離し、アスカを見つめると、その潤んだ瞳は以前の透明度を僅かに取り戻していたかのようだった。
「……ふう、これでよし」
ある休日の午後、シンジは休日の日課であるお風呂場の掃除を終えるとマスクを外し、カビ取り剤のせいですっかり塩素臭くなったお風呂場を後にした。
台所に出て時計を見ると、時刻はそろそろ午後の3時に差し掛かろうとしていた。そういえば朝から家事に奔走して、働き通しだった。
律儀に時を刻む秒針をしばし眺めたところで、昨日ミサトが珍しくお土産に買ってきてくれたシュークリームの残りがまだ冷蔵庫にあるのを思い出して、
おやつにしようと考えた。お土産を買ってくれた張本人は朝から外出中だった。
お湯を沸かして紅茶を入れたところで、アスカもおやつ食べるかなと考えたシンジは、アスカが雑誌を読んでいたはずのリビングの引き戸を開けた。
クーラーで冷やされた空気が流れてきて、肌をかすめてゆき心地好かった。
アスカは雑誌、スナック、マグカップを枕元に放り出したまま、リビングにごろりと仰向けに寝息を立てていた。
「アスカ、お茶にしない?」とシンジは声をかけてみたが反応はなく、すっかり寝入っているその様子はずいぶんと気持ち良さそうだった。
「アスカ」
もう一度声をかけてみたが、やはり起きる気配はなかった。アスカはキャミソール1枚にショートパンツという格好で、
クーラーをつけっぱなしにした部屋で眠ってしまってはさすがに風邪をひくだろうと心配したシンジは、
「んもう、ずぼらなんだから」と独りごちて、アスカのそばに歩み寄って腰をおろした。「ねえ、風邪引いちゃうよ」とやさしく肩をゆすってみたが、
これまた反応はなく、すっかり眠り込んでいるようだった。
しょうがないなあと眉をひそめて、安らかそうに寝息を立てているアスカの寝顔をまじまじと見つめた。頭上でクーラーの低い稼働音が聞こえるだけの静かな部屋で、
自分の目の前で規則正しい寝息を立てているアスカ。その無防備さと吐息のやさしさに誘われるように、シンジも無意識のうちにさらに顔を寄せていた。
家事の疲労も忘れて、鼓動が徐々に高鳴って顔が少しずつ火照ってくるのがわかった。
眼と鼻の先の距離で見るアスカは、その肌のきめ細かさも、唇の瑞々しさも、長い綺麗なまつ毛も、やはり綺麗だと思った。そういえば以前アスカから、
ヒカリに「最近ますますきれいになった」と言われたと聞いたのを思い出す。その意見には自分も賛成だと考えながら、
アスカが綺麗になってゆくのは少しは自分の影響もあるのかもしれない、などとちょっとした自負も湧いてきたものだった。
その美貌の理由は育ち盛りの年頃というだけではない、恋をする女性特有の雰囲気とでもいうもので、それを身につけたこのところのアスカの艶やかさは、
普段からそばで見ている自分にも鮮やかに伝わってくる。『恋する女は綺麗さ』という有名な歌のフレーズはそういい加減なものではないと実感しつつ、
身体の芯から徐々に熱くなってくるのを感じたシンジは、美しいものを愛でたくなる気持ち半分、静かに湧きあがる欲望半分の心持で、アスカに触れてみたくなってきた。
シンジは寄り添って寝そべった姿勢のまま、恐る恐る手を伸ばしてアスカの髪をちょっとつまんだ。まるでキュッキュッと音のしそうな、
艶やかで潤いたっぷりの赤い髪。使っているシャンプーの値段を差し引いても、とても美しい髪だと思った。
視線をアスカの顔に戻すと、ふと、唇に目を奪われた。自分の頭の方はぼんやりとほとんど思考が効かなくなっていて、
まるで吸い寄せられるように自身の唇を重ねようと、少しずつ顔を近づけていった。頭の片隅にユニゾン訓練の夜のことを思い返しながら、
いつの間にかこんなふうにアスカの拒絶を恐れなくなった自分に驚きもしたが、あのときよりは自分はずっと他人に、
特にアスカに近づくことができるようになったものだと考えもした。
ほんのわずかに唇が触れ合った。しかし、アスカが目を覚まさないかというちょっとした王子様気取りのシンジの期待は裏切られて、
一向に起きる気配はなかった。何となく悔しくなったシンジは、もう少し悪戯をしてやることに決めて、今度は普通に唇を重ねた。とてもやわらかいと感じた。
アスカは「ん……」と少しだけ声を漏らしたが、それだけだったので、唇を重ねたままキャミソールの上から胸に手を伸ばしてみた。
想像していたよりもやわらかな感触が薄い布切れ1枚越しに感じられて、シンジはここで初めてアスカがブラをしていないことに気がついた。
その無防備さに少々あきれつつも、自分の男としての本能は正直なもので、下半身はみなぎって、欲望の奔流に全身を支配されてゆくのがわかった。
左の胸をやわらかく揉んで、首筋に唇を落とし吸いついた。さらに少し舌を這わせてみると、アスカはぴくりと身体を身じろがせた。ようやく目覚めたようだった。
「あ……ん……」と寝惚け眼でシンジの方を見、自身の胸が弄ばれているのを見て、ようやく状況を理解したらしいアスカは、「ちょっ、ちょっとシンジ」と言いかけたが、
シンジはそのまま強引にキスをして、その口をふさいだ。
「んんっ」
アスカは右手を伸ばしてきたが、シンジは左手でそれを掴んで、指をからめた。起き抜けの身体には力が入らないようで抵抗は弱く、
それをいいことにシンジはさらに愛撫を続けた。唇を外すと首筋から耳たぶへと、ゆっくりと舌を往復して這わせる。
「ひゃっ、やぁん。だめぇ……」
アスカは喘いだが、あまり嫌がっているようには聞こえなかったシンジは、さらに舌を這わせ続けた。キャミソールの肩紐を外して、肩まで舌を進める。
首筋から肩まではあっというまに唾液で湿って、そのなめらかになった道のりを何度も往復していると、アスカの快感も高まってゆくようで、
「ああんっ、はぁっ」とさらに悩ましい声をあげるのだった。
かなりアスカの息が上がってきたところで、アスカはにやりとして「夢を見てたの」と言った。
「何の夢?」
「知りたい?」
「うん」
「んふふ……実は加持さんとねぇ、いいことしてたの」と言うアスカは心底嬉しそうな、しかしどこか意地の悪そうな笑みを浮かべていた。
どうしてこんなところで加持の名前が出てくるのか。シンジは疑問に思うとともに、やはりアスカはまだ加持への未練が残っているのではないかという疑心が湧いてきて、
一瞬にして穏やかならぬ心境になった。胸に鈍い痛みが走った。
アスカを欲しいという想いに支配されていた身体に、誰にもアスカを渡したくないという嫉妬と独占欲という燃料が加わって、欲情は業火となって燃え上がり、
心身をさらなる欲望の果てへと突き動かした。
キャミソールを下へずらして胸をあらわにさせ、夢中になって吸いつく。両手でしなやかにもみしだきながら、舌ですでに引き締まった乳首を転がし、
ときどき音をたててしゃぶりつく。アスカの息も荒くなってゆく。さらに吸いつきながら、片手だけをアスカの下半身に下ろして、
ショートパンツの上から秘部をなぞるように、何度も指を沿わせる。
「夢では、加持さんはよかったの?」
キスの嵐を降らせ、全身に舌を這わせながら聞いたが、アスカは眼を閉じて与えられる快感に没頭している様子だった。
「あぁ……はぁっ、やぁぁん……」
「ねえ、よかったの?」と、もう一度聞いた。たかが夢の話、聞いても傷つくだけだというのに、自分でもどうしてそれが知りたいのか分からなかったが、
とにかくシンジは知りたくて仕方がなかった。胸がちくちくするのを感じた。
「気になるんだ」
アスカは顔を上気させ、妖艶な笑みを浮かべながら答えた。
「よかったわよ」
それを聞いたシンジは頭に血が上り、胸にえぐられるような痛みを感じた。すでに燃え立っていた嫉妬の炎に今の一言はさらなる燃料となって、
シンジの胸の内は煮えたぎるような衝動でいっぱいだったが、同時に目の前の愛しい存在を失うまいと、アスカを求める気持ちも大きく膨らむのを感じた。
そして現実にアスカは自分の身体の下にいて、自分の思うがままだ。嫉妬で胸が痛むそばから、アスカをめちゃくちゃにしたいと気持ちは高ぶるばかりで、
そんなある種の倒錯した感情に身を焦がして興奮を高まらせるシンジだった。これが先ほどの加持の話を聞きたかった理由かと軽く自覚しながら、
ただアスカを必死に求めた。僕のアスカ。アスカ。
ショートパンツのホックを外しパンティごと手をかけると、アスカもそれを待ちわびたかのように軽く腰を浮かせた。
するりと一気にずり下ろすと、両足を通すのも待ち切れず、片方の足だけ外したところでぐいと腰を持ち上げて、股を大きく開かせた。
左の腿に残ったピンクの水玉パンティが可愛らしかった。
昼間の明るい部屋であられもない格好をさせられたアスカは恥ずかしそうに顔を赤らめていたが、すでに秘部は十分に充血し潤っていて、
血色のよいピンク色の肉襞が淫靡でいやらしかった。その先端の奥にちょっと隠れた一番敏感なところをめがけて無心でしゃぶりつく。
「恥ずかしい……ああぁぁっ!」
アスカは激しく喘ぎながら、しかし快楽を欲しがる本能は抑えられないようで、さらにシンジの次なる一手を誘うように、自らの手でその割れ目を開いてみせた。
シンジもそれに呼応して、舌で先端を転がしながら、人差し指を奥の穴へ挿入してみると、もうすっかりぐしょぐしょになっているそこはいとも簡単にシンジの指を受け入れた。