シャクティ「唐突ですが、同人誌をつくりませんか?」
ティファ「同人誌…ですか?」
シャクティ「そうです…あ、同人誌ってのは個人で描いて出版する漫画や小説のことです。
…値段のつけ方にもよりますが、売れればそれなりに儲かりますよ」
ティファ「はぁ…絵を描くのは好きですけど…漫画とかよく判りませんし…」
シャクティ「私がちょっとした小説を書きます。ティファさんにはそれに合わせて絵を載せてもらえればバッチリデスヨ」
キラ「うぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?」
シロー「ど、どうしたんだキラ?」
アル「キラ兄ちゃんがこわれた〜(涙」
シュウト「なんかこの本読んだら急に…」
キャプテン「危険。その紙媒体の攻性精神汚染確率99.8パーセント…シュウト、すぐにその本から手を離してください」
ガロード「おい、まてよキャプテン。その表紙絵の見覚えのあるタッチ…ひょっとしてティファが描いたものじゃ…」
ジュドー「絵:スーチーパイ、文:ブラックカサレリアと書いてあるね。どれ中身はっと…………げ」
ウッソ「今度はジュドー兄さんが固まっちゃいましたよ?」
アムロ「ふむ…これは…成る程、確かに危険すぎるな。キャプテン、すぐに焼却処理を」
ガロード「待ってよアムロ兄さん。ティファが描いたかも知れない本をいきなり焼くなんて酷すぎるぜ。
せめて中身を見せてくれよ」
アムロ「駄目だ。ここに【Adult Only】と書いてあるだろうが…しかしこのつくりは正規の出版物じゃないな」
カミーユ「知らないのかい、兄さん。これは同人誌といって個人で出す本なんだぜ」
アムロ「そうか…まぁ一般書店に並ばないならとりあえず問題あるまい。表現の自由というものもあるしな」
キラ「うぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ(涙!!」
アムロ「…キラには少々可哀想だが」
その夏のコミケに彗星のごとく現れた新人BLサークル『褐色の予知夢』が販売した『綺羅綺羅の明日…いけない幼馴染』は
驚異的な売り上げを上げた事は参加BLサークルの語り草となった。
写実的かつ繊細なタッチのイラストとえげつなくこれでもかと微に入り細に入り書かれた文章のミスマッチ感が
新鮮な驚きをもって読者の乙女心を鷲づかみにしたようだった。
ミーア「こ…これは!!まさかジャンル買いの本の中にこんなイケてるやつがありましたとは!」
ルナマリア「不覚!保存用と貸し出し用に後二冊はかっておくべきだったあぁ」
ラクス「すばらしい出来ですわ!男男間の愛憎あふれた感情の機微をこんなにもリアルに書き上げられるなんて」
フレイ「お父様に頼んで後100冊買い入れよっと♪」
カガリ「どうした?アスラン。よく出来てる本じゃないか。私は感動すら覚えたぞ!」
アスラン「い、いっそ一思いに殺してくれぇええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
シャクティ「ひいふうみいよお…初参加にしてはなかなかなの売り上げでしたね」
ティファ「暑かったし…化粧臭かったです……」
シャクティ「評判も上々のようです。本を買ってくださった皆さんから
ティファさん宛のファンレターがたくさん届きはじめてますし」
ティファ「それは…とても嬉しいですけど…」
シャクティ「次の冬コミまで時間がありませんから、早々に次のプロットを考えないといけませんね」
ティファ「先生……次は…普通の男女間恋愛モノが…描きたいです…」