447 名前:名無しさん名無しさん[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 21:24:29
2003(08.15)
日曜に「踊る(大捜査線)」二回目観る。そろそろ文章にしたいのだが、現状では長文が書
けず。未だに「踊る」をけなせば映画通であるかのように振舞える松本人志のような野蛮人
がこれ見よがしに湧いて出ているのには我慢ならんのだが・・・。
んでもって息抜きに富野由悠季「オーバーマン キングゲイナー」#1。やっと観る。
話題のOPには些かながらも昂奮。某所で「∀(モナーの口にしか見えん・・・)」批判をした
際に「ロボットアニメにおけるリアリティの希少さに抗って倒錯というフィルム的正当性に持っ
て行くには、余りにその希少なリアリティに甘え過ぎているのではないか」と言ってやったの
だが、これなら納得が行く。ロボットにゴーゴーくらいやらせないと彼の「狂気」は見えて来な
い。それには勿論、彼が漸く見つけた悲願の「アニメーションディレクター」、吉田健一の確
かな作画力に支えられての事であるのも忘れてはならない。
本編に入っても2コマ打ちを多用した安定したアニメート技術で安心して観ていられる。思
わず「富野という指揮者は漸く自分の表現をし切れるオケとコンマスを手に入れた!」とか書
きたくなるのだが、そんな気分も束の間、凡庸なパンとズームにああ、しょうがねぇなぁと、説
明なんかクソ食らえとばかりに観客を突き放す富野語録にああ、やっぱりなぁと、一本観終
えた時には結局、このヒトって惜しい守同様、「画」にも「言葉」にも頼る事の出来ない宙ぶら
りんな放浪者なのだなぁ、それはやっぱり多かれ少なかれ、「絵の描けない演出」という、実
写とはまた違う演出の特異面をある種剥き出しにしているのだなぁ、と、そればかりが痛感として重く残った。
ただ言っておくが、れっきとしたアニメーターが監督した筈の「なんとかパニック」(二作どっちも!)
如きよりかは遥かにアニメの刺激に富んだ作品である事は間違いない。「ザンボット3」「ガンダム」
「イデオン」の監督は、その有り余る欲望と精力で更なる高みを目指す。かなり長くはあるが、今は
まだまだその「過渡期」なのかも知れない。ならばわれわれは、あと数十年すればやってくる彼の
「完成期」を今から心待ちにしておけば良いではないか。そんな意味でワクワクさせる一作であります。
448 名前:名無しさん名無しさん[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 21:25:08
まぁしかし、二話以降を観たいとは思わないし(どうせ最後までこの調子・・・)、吉田健一はトミノの監禁
から解放されてもっと自由に仕事して欲しい、とも同時に思いました。悲喜こもごも。
あ、それとあの雪をあれだけ多くのカットに(総てバンク素材ではあるだろうが)辛抱強く貼り付け、レ
ンダリングして行ったデジタルのスタッフに最大限の敬意を。