物資搬入ゲート周辺…
各部署が補給の受け入れのために慌しく動いている
「野郎共!抜かるなよ!」
そんな声まで聞くことが出来る
青年が聞く限りでは補給は総出で行うらしいが…
>>749 「こんにちわ、先輩
(話しかけられた成年は彼に挨拶をする。以前この人に会っている)
実は機体関係の方でちょっと問題になりそうな気がするのです」
あくまでも個人的な見解なので・・・と付け加える青年
(これはビーム兵器のメンテが実弾より難しい事もあるのだが最近結構損害が・・・ということもあるのだろう)
>>750 こんにちわー
と挨拶する前からこれですか
青年の思考一時停止
>>752 「ふむ。
…しかしスネーク、もといリュート。
補給で届くのは予め頼んでおいた物が殆どだ、今から発注しても
今回の補給では多分、間に合わないぞ?」
「今見て来たけど、今回は何時もより荷物は少ないみたいだったしな。」
(そう、彼は今の今まで外に居た訳で。
当然足も目も遠くに届く彼の機体は、キャラバンの車列を見ているのだ。)
>>751 「あぁ…教官。
ええ、そうですね。
ただ何と言うか…着替えるモン忘れちまったんで、我慢です。
乗ってる間は全然気にならないんですけどね。」
(と、正確にはスーツも着込んでる訳では無い。
暑いからだろう、腰まで開けて、その上はそのまま腰に巻きつけてあるのだ。
無論その下の上半身が裸と言う訳では無い、
ちゃんと黒の肌着を着込んであるので、放送コードも大丈夫だ。)
「はいはい…何となくそう言われそうな気がしてましたよ。」
(苦笑交じりに、倒れた少女の方へと歩いて行く。)
>>750 「ほらケイト、大丈夫かい?
それと、走る時は両手を上げない方がいい、危ないから。」
(と、手を差し出しながらセルフツッコミなリヒャルトさんである。
この男も、慣れている。)
>>748 「━(゚∀゚)━ !!」
声無き叫び、そして一際巨大な、いやどうみてもMSサイズのコンテナ群へダッシュ。
「違う、これも違う、これは…似てるけど違う…」
その姿は、ショートパンツ姿なのもあってか、
まるで玩具を探す子供のように純粋に見える。
>>753 「うぇー………ありがとうございます」
死にそうな声を出しながら手を取り、立ち上がり。
反対の手で服をパンパン、身体についた砂を取り払い前を向くと。
「うぇあっ!? リリリリリリリリリリリリヒャルトさん!?」
遅すぎるタイミングで気づき、シュバッと触れていた手を引っ込める。
後ろに何歩か下がってから。
「すすすすすすみません、ごめんなさい、ありがとうございます」
ぺこりとお辞儀。
鼻血を出さないだけとても成長しました。
>>751>>752 「うぇあー………こ、こんにちわー………」
そして周りにいた人に気づき、慌てて挨拶。
一部始終を見られたのが恥ずかしいのか、
ぺこりと垂れた頭はたっぷりと下を向いた後、ゆっくりと上げられた。
>>751 「玖裳神教官こんにちわ」
挨拶する青年
>>753 「そうですか、
(通常のメンテとかなら大丈夫ととっていいだろう、強化、改造は別の話になるが)
・・・というかスネークってorz」
TACネームはともかく、もはや二つ名と化しているのはどうもアレであるが
い つ の 間 に ど こ ま で 拡 大 し て る ん だ
今回の物資量はいつもより少ないらしい
>753
「な、ネタを先読みされた……
君のせいでもう芸人への道は断たれたよ……」
これみよがしにがっくりと項垂れる男orz
>754
「教官まで……くっ。ここは地獄かっ。」
>755
「こんにちわ。今日は鼻血出てないみたいだね。」
わざとなのか天然なのか。無神経ですよ。
>756
「こんにちは。随分とこういう環境にも慣れてきたみたいだね。」
>>755 「いや…別に謝られる様な事はしてないと思うよ、ケイト。
大丈夫だと思うけど、怪我とかしてないか?」
>>756 (と、振り向いて。)
「ん、あぁ…嫌なら止めるよ、呼び方。
それにまぁ、こういうのはネタに出来る時にされるもんだと思うしな。
後は…そうだな、他のネタを提供すれば渾名も変わるんじゃ無いか?」
(要するに彼は、本人の意思に関係無い渾名が付けられるのは、
周囲がその人物に対して、話題にすべき点を知らないからだ、と言っている。
確かに、何か別の特徴が広まれば渾名を変える事など簡単だろう。)
>>757 「教官、たまに貴方がとても面白く思えます、いやホントまじで。
それに何と言いますか…俺としては助けるのが正解ですから。」
>>754 いました、ここに狼が
そういっても過言じゃない状況
興奮しすぎた人をいつ取り押さえようとして取っ組み合いが始まってもおかしくない
と、どこかの通が言いそうな事を思う青年である
>>755 青年も遅れて挨拶をする
(例えとしての)狼とかの出現率が高すぎですよ
>>756 「慣れというかまあなんというか・・・」
まあ、ここのふいんき(これは仕様)にはまだ付いてはいけてない点はあるのは事実だが
「あぁぁぁったーっ!」
歓喜の声の後、本来機械で開けるような重さのコンテナをクレーンで吊り上げて、
格納庫の方向に作業中の人を轢くスレスレのような速度で爆走。
「注文すること1年前」
目から、涙がホロリとこぼれる。
「手配ついたって連絡が入ったのが半月前!」
不意に、彼女のポケットから写真が落ちる。
写真に写っているMSは、一見すると何の変哲もないザフト軍のジンだ。
だが、それでは彼女の喜び方は説明がつかないのも事実である。
>>757 「りっちゃん教官、ちょうどいいところにいますね。
ついに手に入ったんですよ、前々から欲しかったMSが!」
クレーン車の操縦席から飛び降り、一同の前へ。
>>754 「うわぁ、教官さん元気だねぇ」
なんという能天気。
>>757 「うぇ………そ、そうですね。
流石に毎日出す訳にはいきませんから………」
酷い時は際限無く出ますもんね。
>>758 「は、はい。怪我は無いです。
大丈夫ですよ、慣れてますから」
言って、両手で力瘤を作ってガッツポーズ。
………慣れてるってのも考え物だよね。
>758
「え、本気?俺イケてる?
芸人として?それとも漢として?」
>759
「まぁ、あまり考えない方がいいよ。だって……」
そこで満面の笑みを浮かべて。
「無駄だから。」
>760
「モビルスーツ探してたんですか。私はもっと小さな探し物かと……」
>761
「どうにかしようって言っても無理だからねぇ……
まぁ、死なない程度に調整してくれるでしょ。体が。」
>>760 「………ジン…ん?」
(何だろう、と思う。
リヒャルトが搭乗しているのは、同じくザフトのディン改造機である。
その関係で、ジンにも訓練で何度か乗った事はあったのだが。)
「…半月前?」
(幾らなんでも、普通のジンならば手配だけで一年近くもかかるまい。
故に何か特殊な事情がある筈だ、彼はそう考えた。)
>>761 「そっか、慣れてるのか。
…それも何かな、とにかく気をつけよう…ケイト。」
(何処か遠い目線。
視力2.0を優に超えるとびきり上等な瞳が、何処か遠い所を眺めている。
あぁ、何と悲しい事に慣れてしまっているのだろう、と。)
>>762 「あれ…言って欲しいんですか?
と言うより
本 当 に 言 っ ち ゃ っ て 良 い ん で す か ? 」
(物凄い、笑顔で。)
>763
「……くっ、この俺に……プレッシャーだとッ!?」
たじたじと引きながら。
「……リヒャルト君なんて嫌いなんだからぁぁ!」
三三三三三三三三三(つД`)
そういいながら全力で補給物色に勇む戦場へ駆けて行く。
多分、彼はもう戻らない。
>>761 >>763 「その目。見たいですよね、ケイトさんもリヒャルトくんも見ていきますよね」
反論の隙なんて与えない一方的な断定
>>762 「もうあのドートレス、かなりボロボロなんですよ。
確かにいつもみたいに、お菓子の材料やらも確かに申請しましたけど、
あっちは悪くならない乾物ばっかりですから後回しです」
「去年から専門業者に頼んで、新しいMS探してたんです」
そして、観音開きのコンテナの扉を重そうに開ける。
「ジン・ハイマニューバです♪専用武器全部欠品でも、フル装備のゲイツR買うより高かったんですよ」
えらいマイナーな機体だが、エース用で値段が張る機体であることは確かそうだ。
わざわざ大気圏内を飛ぶために水色の迷彩が塗られている。
>>758 因みに二つ名については付くとかえって困るのである
二つ名がある者を狙ってくるのとかがいるから
そろそろ補給がはじまるころ・・・
と思った辺りで
>>760 これであるorz
(うん、気持ちはわかります
でも、いい年してはしゃぎすぎないでください、危ないですよ
CIWS持ってきて打ち込んでもイイデスカ?実際にはやらないけど)
「こんにちわ、モルテ教官。あの新しい機体は教官のでしたか」
>>762 「・・・そうですね」
確かこればっかしは・・・
人は変わっていくものと誰がいったか知らないけれど
>>760 「へぇー、教官さんジンが欲しかったんだー。
………あれ? ジンって珍しかったっけ?」
よく見る機体なような気がするけどなぁ、
などと記憶を思い出して考えてみる。
>>762 「えへへ、はい、多分調整してくれます。
ジュニアハイくらいからずーっとこの調子だけど大丈夫ですから」
明るく言う少女。
むしろ鼻血が出る事の方が普通みたいな感覚になっています。
>>763 「はい、気をつけます。
転ばないように足元に気をつけて………あと、なんとか免疫もつけようと思います」
某Z戦士並に足元がお留守な為、一日に十数回はコケているのはまぁ置いておいて。
鼻血の方はなんとかしないと命に関わるとは少女も思っている。
しかしこちらも中々治らないわけで。
なんせ体質というか性格上の問題ですから。
>>764 (どっちにしろこうなったのだろうが実際はどっちなんだろう)
駆け抜ける彼を見送る青年である
>>765 ジンハイマニューバにも二種あって装備とかにも違いがある。
たしかもう一方(後期の方?)はビームカービン装備だったか、
―彼女の機体は
>>764 「いや、だってなぁ………教官というかりっくん、面白いし。」
(そう言いつつ、駆けていく背中を見送る。
いや実の所、酷いくらいに淡白なドイツ人である。)
>>767 「そうだな…。
幾ら慣れてるとは言っても、打ち所が悪いと大怪我をするしな。
俺の知り合いが先日、前歯を三本折ってしまったとも言っていた。
え、免疫?」
>>765 (と尋ねた所で、教官の半ば強引とも思えるお披露目が始まった。
一目見てその機体が何か分かったのは、前述の理由による為だ。)
「ほう……ジン・ハイマニューバ……珍しい機体じゃ無いですか。
これは…一型の方ですか?専用武装が無いからちょっと判別し難いですが…
なるほど、生産機数が少ないから値段が高い……納得です、当然の事ですね。
それじゃ、これからはコイツと一緒に俺達を鍛え上げて頂ける訳だ。」
(そう言って、笑う。
半分程度には、冗談の意味合いも含んでいるのだろう。
そうして数秒後、急に何やら思い出した様に。)
「……あぁそうだ、俺も郵便出しておかないといけないんだった。
急いで渡して来ますんで、ちょっと失礼しますよ。」
(と、言うと同時に駆け出してゆくリヒャルト。
郵便と言うと、何か書簡で郵送しなければならないデータとか、そういう類だろうか。
余談ではあるが、通常この手の郵便はキャラバンが輸送するのが常である。
そもそもクレイドル間の連絡など通信回線を利用すれば良いのだし、
わざわざ集配を専門に行う様な人間も、この火星と言う星には居ないのだ。
無論、各クレイドル内ではそれぞれの"郵便局"にあたる組織が、ある所にはあったりするが。)
>>768 「おやおやおや、リュート君も興味ありありって顔してますねー」
親指を差して、ずいっと前に飛び出し、
いつのまにやら、抱きつくように背中に回って、MSの各部を指差しながら解説
>>769 「そうです。これは、配備早かったM1型のほうですねー、 頭のトサカの形状なんかが、M2型と見分けるコツです。
もっとも外見までカスタマイズしてる人のは、どっちがベース機か分からないですけど。
2型は私は工場出荷時の色とか、シルエットもドムっぽくて私はあまり好きじゃないですね。ドムに乗ってたヤマダ君なんかは好きそうだけど」
結構長々と解説は続く。
「あ、いってらっしゃーい」
>>765 「わぁー、すごーい♪ かっこいいー♪」
手をパチパチと叩いて拍手。
「ところでジン・ハイマニューバって何ですか?
ジンの凄いバージョン?」
どうやら何も知らずに拍手をしていた様子。
>>769 「はい、それに慣れたって言っても痛いですしね。
その知り合いさんみたいに歯を折っちゃうのも嫌だし………。
あ、えっと、免疫っていうのはー………えへへ、秘密です」
イケメンを見たりすると鼻血が出てしまうから、その免疫をつけたい。
なんていえませんよね。
「あ、それじゃ、私も失礼しますね。
ばいば〜い」
ぶんぶん、と手を振って別れの挨拶をしながら去ってゆく少女。
手にはいつの間にか目的のブツが握られていたそうな。
>>770 「ああ、成る程。」アレは確かに人を選ぶと言っていいだろう
装備とかの観点でも
外見のデコレートオーダーはよくある話
元々の始まりがいつだったかは定かではないが
色や機体形状(角付きはこの類型といっていいだろう)もカスタマイズできる
「ジンハイマニューバは高機動型にカスタマイズされた物でしたね」
主力が新型に取って代わられてもなお現行機としてにカスタマイズして乗る、
というのも機体の信頼性という観点からであるのだろうか
しかしここらへんの知識はまだまだだなと思う青年である
>>772 「そ、だから稼働率って観点では養成所みたいに物資が潤沢なところじゃなくても、
そこらに破損状態で転がってるジンのパーツで足りちゃうんで楽なんですよねー。
今の火星だと、火力不足も他のMSと共用の火器で足りるし、死角なしってとこです」
一通りの解説は終わったようだ。
「それじゃ、私も機体の登録申請で事務室いきますから」
リュートの背中から離れ、そこらへんに止めてあった褐色のジープに乗り込んで、事務部へ。
(さて、所変わってここは養成所の食堂だ。
時間は昼過ぎ、食事の時間も過ぎたとあって、
ごった返していた食堂内も、既に人影はまばらになりつつある。
そんな中で)
「ん…ん〜〜………?」
(何やら真剣な面持ちで、
その可愛らしい顔の眉間へシワを作っている女性が居る。
彼女の眼前―――手元には、電卓が握られている。)
>>774 「いょう整備科の。
電卓なんざ叩いて何やってんだ?」
色気も何も無い、イタリア男失格の挨拶と共にやってくる三つ編み童顔男。
尤も、16歳でこの顔ならば年相応と言えなくも無いのだけれど。
>>775 「あら…こんにちはー、ファビオさん。」
(のほほんとした口調で応える、彼よりも10以上も年上の女性。
……まぁ、しつこい様だが如何頑張ってもそうは見えないのだが。
それはそれとしても、笑顔なのに眉間には一筋の、汗。)
「いやー……実はちょっと…家計が。
……新しいアルバイトでも始めようかな、って思ってまして。」
>>776 「なるほど。
俺らみてーなパイロットコースなら、
MS使ってちょいと小遣い稼ぎってのもできるけどなぁ……」
整備科じゃあちょっと難しいよなぁと唸る。
「けどさ、バイト始めると勉強きつくなんね?」
>>777 「ええ、それがちょっと困り物で…。」
(溜息、一つ。
実際彼女が出来るアルバイト等、そう多くは無かったりする。
彼女以外の整備科の人間は、当然また状況が違うのだが。)
「かといってこれ以上生活を切り詰めるのも………
…やっぱりお休み返上で頑張るしか無いのかなー…。
そうだ、ファビオさんはMS以外でのアルバイトとか、やってるんですか?」
>>778 「あ、俺?」
彼女の前の席に、よっと一声腰掛けつつ。
「俺はさ、街の食堂でバイト中。
一応奨学金も受かったしさ、そこまで根詰めてやってるワケじゃねーけどな」
>>779 (あ、どうぞ。と、テーブルに備え付けのお茶を煎れつつ。)
「へぇー……凄いですねぇ。
私なんか前の職場の退職金、切り崩しちゃってますから…。
…けど、接客業なんかは良いかも知れませんね。
夜のお仕事なら、私も何とか働けますし……」
(どうでも良いが。
夜のお仕事って書くとどうにもアレな感じがするのは気のせいだろうか。)
>>780 「審査基準が結構緩かったしさ。別に凄かねーよ」
背もたれに思いっきり寄りかかり、天上を見上げる。
因みに彼の奨学金の出資団体は月の有名企業だ。
星間レースのレーサーを目指す若者たちを支援するという名目で、
毎月それなりの額を支給してくれる。
「……っつーか、夜の仕事なんてややこしい言い方すんなよ。
めっちゃ似合わねーぜ、アンタにはさ」
>>781 「……あら、ごめんなさい。
確かにちょっと変な言い方でしたね。」
(そう言って苦笑して、煎れたばかりのお茶が注がれたカップを
ファビオの前へと差し出して。)
「しかし、何にせよアルバイトは探さないと、ですね。
私は奨学金、落ちちゃってますから。」
(因みに、彼女はモビルスーツを最低限しか扱えない。
作業用機材ならば大体は扱えるが、やはりそれだけでは奨学生にはなれないのだろう。)
>>782 お、わりいなとお茶を受け取り、一口含んで喉を通す。
熱さと香りとが食堂を抜けていく感覚が心地良かった。
「何か世話してやれりゃ良いんだけどな。
生憎と知り合いでバイト募集してるようなトコはねーんだ。
そーいや、生協の総合窓口行ったか?
あそこならバイトの紹介も面倒みてくれるぜ」
>>783 (そうして、自分の分も注いで口を付ける。
幾分か落ち着いたか、ほっと一息ついた感じがした。)
「あぁー……スミマセン、何だか気を遣わせちゃったみたいで……。
そうですね、今日の分の講義が終わったら行って見ようと思います、
すっかり忘れてましたねー……」
(表情からして、忘れていたというのは嘘では無さそうだ。
実際、ファビオが言った事で初めて思い出したのでなければ……
こうまでも、驚いた表情にはならなかっただろうから。)
>>784 その表情を見て、ハハッと軽い笑い声。
「意外と抜けてんのな、アンタってさ。
真っ先に確認しとけよ、一番楽できる方法なんだからさー」
そう言ってお茶のカップをテーブルに置く。
既に中身は飲み干して、空っぽになっている。
>>785 (ええ、よく言われます。と苦笑する彼女。
実際その通りで、彼女は入学直後…書類の不備により
パイロットコースに入学させられるという事までやらかしているのである。
今まで整備関連で目立ったミスをしていないのが、むしろ奇跡に思える程だ。
そうしてこちらもカップを置く。
一気に飲んでしまったのだろう、こちらも既に空っぽだ。)
「さて………そろそろ私は格納庫に戻らないといけませんね。
それじゃあファビオさん。
助かりました、良い場所が決まった時は、是非いらっしゃって下さいね。」
(テーブル脇の返却スペースにカップを置いてそう言って、
ファビオにぺこりと一礼して、歩き出す。
何を思ったか、彼女の中でバイトの職種は接客業で確定しているらしい―――。
「黛さーん、今日はこれで失礼しますねー?」
『はいよー。
エレナちゃんお疲れー。』
(そんな会話を、バイト先である"白馬"で行ったのが少し前。
大きな楽器ケースを抱えて歩く白い少女の名前はエレナ・イグレシア。
彼女は今、数あるバイト先の中の一つから、養成所の寮への帰路を歩いているのだ。
養成所の正門を潜り、敷地内をゆっくりと歩いていく。
既にクレイドル内の時刻は夕方だ、自分と同じく帰路につく人影も、
ぽつぽつとだが見かけられた。)
養成所の敷地内は白い壁を緋に染め、夕暮れの彩りを存分に享受していた。
クレイドル内の夕暮れとは、もちろん人工照明のもたらす人為的な現象である。
しかしながら其処にノスタルジーを感じ取るのは、
傾きかけた太陽から投げかけられる赤い光が記憶の奥に刻み込まれているからだろうか。
ココにも一人。
自然ならざる朱色のひと時に感傷を覚える人間がいた。
エアロバイクを傍らに停め、
正門脇の壁に身を持たれ掛けさせて煙草のようなシルエットを口に咥えた妙齢の女性。
赤い髪は夕焼けの世界の中にあって尚紅い。
瞳は、校舎を遠く見つめていた。
>>788 (過ぎて行く人影を見やりつつ、歩を進める。
幾らかそうして歩いていただろうか?
唐突に瞳に飛び込んで来たのは紅――黄昏の空よりも尚紅い、その姿だ。)
「こんばんは、マーヴェリック教官。
今日は夕陽が綺麗ですね。」
(思わず声をかけたのは、白い長髪を夕焼けで赤く染め上げている自分。
その教官の姿をとても幻想的だなと思う一方で、何処か不安な気もしたのは何故だろう。)
>>789 彼女は何も応えない。
まるで、紅く塗り潰された景色の中に閉じ込められた人形のように。
ただ其処に在るだけのヒトガタ――
ややあって、彼女の瞳に漸く光らしきものが戻ってきた。
フッと脱力するように、背中を滑らせて地面に腰を下ろすスカーレット。
口に咥えたシナモンスティックを小さく揺らし、何気なく視線を上に向けて、
「ん?
……ああ、ちょいとぼうっとしちまってたかね」
悪いね、といつも通りの笑みを浮かべて彼女は自らの教え子に軽く手を挙げた。
>>790 (いえ、と柔らかく微笑んで。
彼女もまた、視線を移して遠くの校舎を眺めやる。)
「――ここからは、少し遠いですけどよく見えますね。
普段は余り、足を止めて見る様な事は無いのですけど。
…本当に、綺麗。」
(無論、それは作り物である。
本来ここは地球ではなく、そこに感じる郷愁はいわば幻覚に過ぎない。
しかしそれでも尚、それが美しい事に変わりは無いように思えた。)
「……何か、考え事でも?」
>>791 「ま、そんなトコ」
それ以上は何も言わない。
呼び起こされた記憶は、語る意味を見出せない代物だ。
若き日々――それは肉体的年齢のみならず、
精神の、吐き捨てたくなるような未熟さにより定義される――の記憶。
「今日の夕焼けがさ。
ちょいと、いや、随分と赤かったからさ」
柄にも無くセンチメンタルな気分になっちまった。
そう苦笑する彼女の顔に、束の間差した翳りの意味を知る者はいるのだろうか。
>>792 「そうですか―――。」
(夕焼けは、人を振り返らせる。
得てして妙な言い回しだと思いつつ、その様子を見ている。
違和感の様にも感じられる翳り、その理由まではエレナとて分からないから。)
「―――私は、こんな時は―――の事を。」
(不意に吹いた風、一体彼女は何を考えていたのか。
尤も、それを訊いても容易には応えてくれなさそうな予感もしたが――。)
>>793 「……」
シナモンスティックをプッと吐き捨て立ち上がり、
思い出したように腰を屈めてソレを拾う。
バツが悪そうにジーンズのポケットへねじ込むと、彼女は徐にエアロバイクのシートに跨った。
「逢魔ヶ時――ってワケでも無いけどさ。
アンタもとっとと帰りなよ」
お日様ってのは一人じゃ沈めない。
誰か道連れが欲しいんだ――昔聞いたそんな話を思い出し、教え子に冗談めかして諭すスカーレット。
そう言う彼女はこれからまた、クレイドルの中をマシンに跨り駆け抜ける予定だったりするのだが。
>>794 「…あら、それは怖い。
分かりました、早く帰らないと寮の方にも迷惑をかけますから、
今日はこのまま帰るとします。
こんな話をした後だから……という訳でも無いですけれど…
教官も気をつけて下さいね。」
(そう言って、再び大きな楽器ケースを背に負う少女。
先程までの雰囲気を払拭しようとするかの様に、その姿は元気な物だ。
そうして最後に、もう一度微笑んで一礼した後、彼女は再び歩き始めた。)
Yes.
利用者さん相手のイベントで季節を取り入れたのはあるけどね
俺らの勤務日程には季節・イベント関係なし
メディアセンター。
養成所の敷地内、やや奥まったところに建てられた象牙色の巨大な円筒は、
所謂図書館的な機能をベースとした総合情報保管・運用施設である。
内部には図書館やネット設備、AV機器のレンタル施設などが充実しており、
情報ネットワークの未発達な火星に於ける利便性の高さは相当のものである。
「……」
総合受付傍で検索システムの端末にアクセス。
細い指先が次々とキーを叩き、示される検索結果を携帯端末に保存。
モニターの光に淡く照らされた少女の顔は孤高にして高貴。
カナデ・ノースウィンド。
主席を争う候補の中には常にその名が挙がり、
そしてその名を口にする者たちは見えない壁に隔てられたかのように、
常に彼女に近づこうとしない。
孤独。
しかし氷のような彼女の意思はそれすらも是とし、粛々と日々を送り続ける――
(一方、こちらでは一人の青年が個室状に区切られたブースを利用していた。
紐解いていたのは、彼らの基準にすれば最早古代史。
かつて人類社会で西暦という単位が使われていた時代、
とある島国で作られた詩集、彼はそんな物を読んでいた。
速読して、三冊ほどを読み終わる。
返却して、新しい物でも借りてこようか―――
そうしてブースを出た所で、丁度彼の視線にその少女の姿が入って来た。)
「―――ん。」
(場所が場所だけに、大きな声を上げて挨拶する様な事はしない。
何時もどおり、些か軽薄にも見える素振りで軽く手を挙げて挨拶するだけだ。)
>>798 視界の隅に写るその姿に一瞥を送り、視線はまたモニターへ。
いくつかの検索結果の出力が終了して、漸く彼女は検索システムの端末から離れた。
「ふう……」
ラウンジに備え付けられたソファの一つに腰を下ろす、その様すら何処か優雅。
幼い頃から財閥の令嬢として相応しくあるようにと育てられた賜物だろうか――
端末を繰り、改めて検索結果に目を通す。
彼女の瞳は、先ほど自分に軽い挨拶を寄越してきた青年の姿を既に映していなかった。
>>799 (――やれやれ、と思う自分が居る。
尤も、初めから談笑などは期待しては居ない故に、腹の立つ様な事も無い。
こればかりは自分が如何かしようとして出来る物でも無く、しようとも思わない。)
「(…ま、興味が薄いってのも人其々とね。)」
(もう一度やれやれと思いつつ、携えた本を書架へと戻して行く。
"東洋古典文学"の棚から再び数冊の本を取り出すと、
再び青年は自分が使用していたブースへと戻って行った。
無論だが、彼は同じ相手に何度も声をかける程には無神経では無い。)
>>800 検索結果――142,431件。
そのうちから更に絞込み、選び抜いた107件の情報。
検索対象――遺伝子操作、デザイナーズチルドレン、コーディネーター。
それらの情報に目を通し終えた彼女はようやく顔を上げる。
「……」
一仕事を終えた彼女の思考に、先刻の記憶が蘇ってきた。
彼女の兄が執刀した青年――
全くの無縁な間柄というワケでもないのだから、軽く挨拶でも返せば良かったのかも知れない。
あからさまなスルー……少し悪いことをしたかなという気持ちになる。
立ち上がる彼女。
ドアへと続く通路を歩けば必然、ブースのドア越し、青年の背中を横に見ることになる。
「っ……」
声をかけようかと思うのも一瞬。
芽生えかけた意思は必要性というファクターの欠如を理由に摘み取られ、
言葉は形を成さずに霧散する。
何れまた、機会もあろう。
必要があればその時に、あの風変わりな――彼女独自の評価による――青年と言葉を交わせば良い。
孤独。
孤高。
少女の心は、寄る辺無き冷たさに慣れきってしまっていた。