『・・・おいおい時間だ・・・起きなよ・・・』
肩を揺らされて目が覚める。俺・・・嫌、私はいつの間にか
眠ってしまったらしい。休憩時間だったとは言え、恥ずかしい。
『す、すみません主任・・・自分、いつの間にか・・・じゅるっ』
慌てて涎を拭い、言い訳を探した。居眠りをしていたなんて・・・
『シロー』一生の不覚。
もし、ここが戦場なら『かわいがり』という名の制裁を受けたり
下手をすれば『銃殺』されても文句は言えない。
(って言うか死んじゃったら本当に何にも言えないけど)
新たな職場で自分は、また下手こいてしまった
しかも、初日にである・・・・orz
取り繕う姿が我ながら見苦しい自分に工場長の息子でもある
『主任』は初日という事もあってか、本当に優しかった。
『シローさんだったね?前の職場では酷い目にあったそうだけど
ここでは決してそんな事はないから頑張って下さいね?』
『は、はい・・・すみません以後、気をつけます。』
『確かに、私たちの仕事はちょっぴり眠たくなるような
作業が多いけど、これも社会の為になってるんだ。判るよね?』
『はい・・・頑張ります。』
『おいおい、敬語は止めて欲しいなぁ・・・僕の方が年下だから
なんだか照れてしまうよ・・・タメ口でいいからさ。』
良かった・・・なんだかとっても良い人みたいだ。
下手こいた芸人が軽やかな音楽と共に復活?するように
私は自尊心を取り戻した。
前の職場では色々と酷い目にあった。それらの出来事については
また、機会があれば順におって紹介したいと思う。
(キーワード☆【障がい者】シローの天下り【自立支援】注:未完結)
取り敢えず、妻が子供を連れて出て行ってしまったという
惨めな境遇の私に、住む場所も提供し、障がい者であっても
文化的な生活を保障してくれるという今時、夢のような職場が
この今日から働く事となった工場である。
確かにその仕事は私を起こしてくれた主任が言ったように
眠たくなる単純作業の連続ではあったけれども・・・
『さあ、休憩時間は終わりだ。後もう少しで退社時間だから
一緒にがんばりましょうよ?シローさん?』
『はい・・・頑張ります!』
寝ぼけた頭に渇を入れ、作業に戻る。
その作業とは・・・お餅についたあんこをひっぺがすというものだ。
ひとつひとつ剥がさなければならないので結構、面倒である。
だが、これも地球環境の為である。きちんと分別しなければならない。
廃棄する食品を扱っていると言う事で
頻繁に消毒する為の休憩を取らされた
またまた休憩である。
主任はどこかに行ったままだけど・・・
作業場とは別の部屋で頻繁に取らされる休憩・・・
むう・・・これは我々、障がい者を気遣った措置なのかもしれない。
それはそれで有難かったけれども、どうも
私はその消毒が好きになれそうになかった
あの消毒用の煙を吸うと・・・何故だか
意識が朦朧として・・・なんだか眠くなってしまうのだ。
前にもこんな事あった気がする
妙な煙草の煙を嗅がされて
何もかも喋ったような・・・・
なんだか・・・また瞼が重くなってきた。
そう言えば新しい起動戦士ってば
メビウスの輪をタイトルにつけていたような。。。
(
>>525に戻っておわり)