((これが・・・若さか・・・!))
青い怒りのままに繰り出された『 若 者 』の拳に
頬を殴られた出来事を、私は生涯・・・忘れないだろう。
あの時、思わず毀れた呟きは、自己を偽り続けて
生き長らえているという事が、只、虚しいだけだと
素直に受け入れる事が未だに出来ずにいる
心の葛藤から来たものだと、漸く判った。
何年ぶりであろうか・・・こんなにも心身共に穏やかなのは。
我々、組織の代表を護衛する任務と、会議が不首尾になった時の
サプライズ演説の為とはいえ、『陸行き』を渋っていた
意固地さに我ながら苦笑した。
『ふい〜〜〜っ』
流石は『名湯100選』に選ばれる事だけはある。
思わず毀れたため息と共に、私の・・・よからぬものが
血生臭い過去の過ちも含めて全て、洗い流してくれそうだ。
・・・十分にその効能を見せてもらった。
今の私なら全てを受け入れる事が出来るような気がする。
あの時、どさくさに紛れて『 若 者 』が
『サミング』を狙っていた事もこの際、忘れよう。
(サングラスはやっぱ必要だよなぁ・・・うん)
周りが止めに入らなかったら『 若 者 』はあの時
投げの体勢から、そのまま寝技に持ち込みそうな
勢いだった事もこの際、忘れてしまおう。
(空手をやってる人間が素人を殴り飛ばすなんて!ひどいや!(泣))
・・・・なんだか急に泣けてきた。
今夜も『 彼 女 』に慰めてもらう事にしよう。
『陸の上』だけど、きっと会いに来てくれそうな気がする。
それに、私に宛がわれたあの部屋は何か出そうな気がする。
間違いない。
『 彼 女 』の事を思い出したら
なんだか元気が出てきた・・・てへっ☆
そうだ!みんなのお土産には
『アカフク』にしよう。
また・・・『赤い奴wwwテラキモスwww』とか言われそうだけど。
(おわり)