∀ガンダム外伝〜逆襲のグエン

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俺が見たことのある字幕では「get up yes」だった>よしなに
ディアナ初登場のシーンで、グエン達が頭を下げてたから「面を上げなさい」って程度の意味なのかなぁ?
というわけでおまたせしました26話前半。

  26.グエンとの会見

 イングレッサ領の飛び地となった『月の繭』近辺は、グエンの帰還以前からわずかずつだが人が住みつき始めていた。
 ∀とターンXが戦った頃は荒野だったのが、今ではナノマシンの影響によるものか、緑が地面を覆っていた。
 中には作物を育て始めた者もいるらしく、数台の風車小屋まで建っている。 
 そののどかな風景の中に不釣合いな車輪のついた戦艦が一隻停泊していた。
 それはグエンのガリア軍の新たな旗艦となった、新たに発掘された例の車輪付き戦艦・アドラステアであった。
「黄金の機械人形がこちらに向かっているだと?」
 不審なMSがこちらに向かっているとの報告を受けたグエンは、しかし「黄金の機械人形」という言葉を聞き、すぐに思い至った。
「ハリー大尉? 地球に降りていたのか」
 やがて黄金の機体は、ブリッジからでも目視できる距離にまで近づいて来ていた。
 それは、スモーとはかけ離れたスリムなシルエットだったが、威風堂々と空を飛ぶ様は、間違いなく親衛隊長のハリー・オードの機体であろう。
 やがてその黄金の機体から通信が入る。
「着艦許可を求める! こちらは、ミリシャ連合軍のハリー・オードである!」
 ディアナカウンターではなくミリシャ連合軍を名乗ってはいるが、その機械人形の手に乗っているいるのは……。
「ディアナ・ソレル!? 女王まで地球に?」
 こうなる事はある程度予想もしていたが、実際にこの目にするとやはり驚いてしまったのも事実である。
 そしてその黄金の機械人形〈ヒャクシキ〉は、手のひらの人物を気遣うようにアドラステアの脇に降り立ち、艦の下部中央にあるMS格納庫へ歩いて入っていった。
「ついに女王自らのお出ましか。予想よりは少し早くはあるが」
 その着艦の様子は、ブリッジのモニターからも確認できたが、グエンは、詳しい話は艦長室で行うと言い残し、ブリッジを後にした。
「さて……月はどのような反応を見せてくれるのかな」
22132:2006/12/10(日) 16:58:53 ID:???
26話後半。支援保守のみなさま、ありがとです。

「グエン殿。ディアナ・ソレルです。お久しぶりであります」
 女王の威厳を放ち、ディアナはグエンと面会した。
「これはこれは女王陛下。ご機嫌麗しいようで」
 グエンは深々と頭を下げ挨拶する。
「よしなに」
 服装こそ市井のものだが、その態度は月の女王と何ら変わるものではない。
「ディアナ様。しかしこの会見は、非公式のものと考えてよろしいな?」
 グエンは用件を聞く前に、そのようなことを口にした。
「なぜでありましょう? 女王の言葉に変わるものなどありませんのに」
「しかし、護衛が一人のみとは、月の政府の意向とは思えませんので」
 まず外堀から、それも相手の弱いところに付け込んで攻めてくるグエンに一瞬たじろいだが、ハリーがフォローに乗り出した。
「先ほどディアナ様が申し上げたように、女王の言葉に代わりはありません。たとえこの会見が非公式のものであっても」
「ハリー、慎みなさい」
「はっ」
 ディアナの叱責に、ハリーは一歩引き下がる。
「しかしディアナ様、いつ地球へ降りられたのですか?」
 相手に決定的なダメージは与えず、グエンは話題を変える。
「実は……」
 ディアナが本当の事を言いそうになったのを察知したハリーが、一瞬顔を強張らせる。
「あのギンガナムとの戦いの後、地球に隠棲していたのです」
 が、ディアナは下手な嘘は却って逆効果と考え、正直に今の状況を話す事にした。
「ほう。ならば、月の政府はどうなっているのです?」
「……今は、女王はキエルさんが……」
「では、今のあなたは女王ではないということになりますね」
「しかし、このアメリアに戦乱をもたらすのは良くない事だと考えるのは、女王でも私でも同じ考えです。その証拠に、ハリーが地球に降りてきてくれたのですから」
「あなたたちが月の使者であるとは認めましょう。しかし、あなたが替え玉を女王に立てて月の民衆を騙している事に変わりはない」
 グエンが月の政府を恐れずにアメリアと開戦した理由は、まさにそこだった。
「予想はしていたが、まさか本当にそうしていたとはね。地球帰還作戦を進めていた女王ディアナならば、本人も地球で暮らしていると。だが、月には相変わらず女王がいる――ならば、あの女王はキエル嬢ではないか? 私はガリアで雌伏している間、ずっとそう思っていた」
「グエン・ラインフォード、私はそのような話をしにきたのではありませんよ」
 だがグエンはディアナに構わず話続ける。
「以前と同じく、女王がキエル嬢である事を知る者は少ないはず。ならば、月のムーンレィスは何も知らされていない。民衆を欺くとは、まったく、酷い為政者だ」
「グエン! 口を慎め!」
 堪らずにハリーが叫ぶ。
「私は本当の事を言っているまでだよ、ハリー大尉。それとも、話し合う前から交渉は決裂かな?」
 グエンは余裕の表情を崩さない。
「それに話し合うのならば、私は大賛成だよ――もっとも、大尉もいざとなれば機械人形でなんとかなるとは考えない方がいい」
 確かに、着艦した時に見たこの艦の搭載MSは数機程度だったが、このグエンの余裕はどこから来るのだろうか、とハリーは不審に思った。
「見たまえ、この『月の繭』の周りにも、人が住みはじめている」
 グエンが急に話題を変え、艦長室の窓から外を指し示した。
 ディアナとハリーも外を見る。が、それは、来た時と変わらぬ風景が広がっているのみである。
「それと同じように、次々と機械人形も発掘されていてね」
 グエンの言葉が終わらないうちに、麦畑に点在している風車が立ち上がり、機械人形に変形していった。
「ここが隠れた軍事拠点になっている事は、実は教えたくなかったんだが、そちらの出方次第ではそうも言ってられないようなのでね」
 胸に風車の羽根を回転させている機械人形が、アドラステアの周りに集結してきた。
「さて……用件を聞こうか、ディアナ・ソレル」
222通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 18:41:18 ID:???
ちょwwwwwwwネーデルガンダムwwwwwwwwww