いくつになっても結婚してないシャアは駄目オトコ10

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869通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:52:57 ID:???
プルH
にこにこ。ようやく久々に私のばんになったわ…

ばいお☆はざあどなんて
作り物のお話よりもまわりにたくさんいるというのに…
うふふふふ

さあて今日は何のお話をしましょうか……ねえ?

誰とお話しているか…それは想像におまかせします…わ

次はプルIね…お ま た せ
870通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 22:18:26 ID:???
プルI
Hまたか?
変な電波受け取って同化しないような。
ところでハロウィンなんだが前回はアムロとシャアに教えてもらった通りにやったのだが。
今回は作戦をねらないか??
やっぱりお祭りはたのしくやらなきゃだとおもうんだ!
いつまでも二人におんぶにだっこというわけにはいかないし
服はCに頼むとしてなにかいい妙案がないものか??
次はプルJ
871通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 22:44:38 ID:???
ヾ▼Д▼)ノ□ほう!ハロウィンか!
ふっふっふっ
コレでアムロになにもいわれることなく娘たちのコス…
ヾ゚ー゚ノシャア!!!
今日という今日はゆるさん!!!
あれほどのぞくなといっただろ!         ▼Д▼:)いやまつのだアムロこれには深い…
872通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 23:27:17 ID:???
ヾ▼Д▼)ノ仮装して街を練り歩く行事だったと聞いたが…
検索 お祭り>仮装>街:歩く
ヾ▼Д▼)ノふむふむ。恐ろしい仮装をして、街に繰り出して、一軒一軒渡り歩き、
……悪い子になら無いように「悪い子はいないか〜」と、驚かしながら歩くお祭りだと。
873通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 23:46:07 ID:???
 / ̄ ̄/_7_7 __/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7
..  ̄ .フ ./  /__  __  / ./__  __  / ./__  __  /  /__  __  / /__  __  /    _
 __/  (_ _./  //  /  ._./  //  /  _./  //  /   _./  //  / . _./  //  / _7_7 / /
/__.ノゝ_/ |_ノ |_/.    |_ノ |_/  . |_ノ |_/   |_ノ |_/   . |_ノ |_/    ノ_/
             \\\              //
             \ \ \\\  r'⌒⌒ヽ    ///  //
              \ \  (⌒\ ( rνyy'ソ⌒レm)///          スレ違いの話題をこれ以上続けるとこうだ!
             \\ (mJ \ ヽヽヾ#゚Д゚ノ/ レm)レm)/    
             \\ \\(mJ(mJ∩]¶[ イレm)レm)レm)/     
           (´⌒;; \\ (mJ(mJ(mJ| .|/ノハλ) //レm)/;;⌒`) ;;⌒`)
 (´⌒;;   (´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;/(mJ(mJ#Д▼||l レm)/;;⌒`);;⌒`)       シャアおとぼけはいい前にもやったろ!!
  (´⌒;; (´⌒;; \从从从从从(___へ_ノ ゝ__ノ从从从从从//;;⌒`);;      まてあむrfyhftふじこ
874873ミスった:2006/10/24(火) 23:50:24 ID:???
 / ̄ ̄/_7_7 __/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7
..  ̄ .フ ./  /__  __  / ./__  __  / ./__  __  /  /__  __  / /__  __  /    _
 __/  (_ _./  //  /  ._./  //  /  _./  //  /   _./  //  / . _./  //  / _7_7 / /
/__.ノゝ_/ |_ノ |_/.    |_ノ |_/  . |_ノ |_/   |_ノ |_/   . |_ノ |_/    ノ_/
             \\\              //
             \ \ \\\  r'⌒⌒ヽ    ///  //
              \ \  (⌒\ ( rνyy'ソ⌒レm)///          シャアおとぼけはもういいまえにもやったろ!!
             \\ (mJ \ ヽヽヾ#゚Д゚ノ/ レm)レm)/    
             \\ \\(mJ(mJ∩]¶[ イレm)レm)レm)/     
           (´⌒;; \\ (mJ(mJ(mJ| .|/ノハλ) //レm)/;;⌒`) ;;⌒`)
 (´⌒;;   (´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;/(mJ(mJ#Д▼||l レm)/;;⌒`);;⌒`)       待てあむsdrfgふじこ
  (´⌒;; (´⌒;; \从从从从从(___へ_ノ ゝ__ノ从从从从从//;;⌒`);;
875通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 00:06:30 ID:???
娘の日記を盗み読みするダメ親父…
876通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 13:01:39 ID:???
プルJ

た、大佐がまたアムロにズガガガ真拳をやられていたがなにがあったんだろう?
I妙案‥
前にやったビックリパーティは酔っ払いになっちゃってたいへんだったので
こんどこそとは思う
プルCじ‥自分は大佐と同じ衣裳ならなんでも…
(途中から破れていて読めない)
プルIこら抜け駆けはしない約束だろJ!!!
妙案をだせと書いたはずだ!
次はプルKだ!
877通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 21:56:55 ID:???
ヾ▼Д▼)ノ妙案…気になるな
ヾ゚ー゚ノいい加減にしろシャア!
今度はカミーユの三倍修正してやる!
ヾ▼Д▼)ノ何!?それはまさか…
やめjhvgとfdhvgふじfdkvfnぶklいやああああ!!!
878通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:22:55 ID:???
そしてまたまた吊されるシャア
ブラーンブラーン
ヾ▼д▼)「つぅ。アムロめ!娘の日記をみるのがおやくそくだとなぜわからん??」
「まあ私がこうされているうちは、幸せということか…」
(蓑虫AAないので誰かよろしく↓)
879通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:16:26 ID:???
     ||
   ⌒||⌒ヽ
  ιミ ||  ι)
  (▼ソ || ミ丿
   ミ≡≡≡j
   ミ≡≡≡j
   ミ≡≡≡j
   ヽ)ヽ)
ツルサレテモシアワセ・・・
880通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 21:20:40 ID:???
ハロウィンの前に降ろしてもらえるといいね大佐
881通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 12:04:51 ID:???
プルD「かぼちゃでちょっとしたものを作ってみたよ」
プルC「中身は後でお料理しますね」

| ▼Д▼ | | ゚ー゚ |
\___/  \__/ 

プルI「パーティーの日は中に明かりを入れるとよさそうですね。アムロに頼んでみましょう」

882通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 12:51:03 ID:???
ちょっとこのところ過疎化してますね…。

先月からここに来ているのですが。

がんばって書き上げつつあるのですが、ちょっとがんばりすぎて
175,000文字分ぐらいあるのです。(50×50×7枚)
この後うpしても大丈夫でしょうか。
次のスレにしたほうが無難でしょうか…。
883通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 13:45:57 ID:???
ヾ▼д▼)「いたたた!ようやくおりれたよJもIもたすけてくれなかったのでな。」
ピキーーン
ヾ▼д▼)「このシャアアズナブルがこのスレを埋めようというのだ!!」
884通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 16:03:30 ID:???
>>882
容量が残り32kbしかないから、多分このスレでは入りきらない
885通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 17:01:57 ID:???
>>884
ありがとうございます。
では分割して投下する事にします。

まだ手直し中だけど

886通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 17:25:08 ID:???
よっしゃ、待ってる
887通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:15:13 ID:???
アクシズの一番長い夜

アクシズの食事時はいつも喧騒の中に始まり喧騒の中に終わる。たとえ食事の内容が
豊かでなかったとしても、このにぎやかさがアクシズの幸せの源でもあった。この日も
いつもと同じようなにぎやかな食卓を12人の少女と2人の大人がともに囲んでいた。
しかし、アムロの隣に座っていたプルCは気づいていた。アムロの食事がいつもよりとても
少ないことに。そしてなんだか顔色もさえないことに。
プルC「アムロ、どこか調子でも悪いの?」
アムロ「あ、ああ、なんでもないよ。プルCが気にするようなことじゃないから」
プルCはいつもの大きな手で頭をなでられると少し安心した。
プルC「…でもやっぱりちょっと違う…」
888通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:44:31 ID:???
すみません、↑<アクシズの一番長い夜 1/20+α> でした。
慣れてないものですから、お許しくださいませ。
889通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:47:46 ID:???
<アクシズの一番長い夜2/20+α>

夕食後、いつものようにアムロとプルCは洗い物に追われていた。今日のアムロは普段より無口だな、
と思った次の瞬間、
アムロ「っつう、駄目だ・・・」
プルC「アムロ、どうしたの?」
アムロ「ああ、プルC、ち、ちょっとおなかが、痛いんだが・・・」
なんでもない、と言おうとしたがシンクに?まり床に膝をついて丸くなった姿勢からすでに起き上がることが
できなくなっていた。先刻あたりからにじんでいた気持ちの悪い汗がどっと噴出す感じがする。
思えば今朝あたりから腹具合はよくなかった。みぞおちの辺りに痛みを感じてはいたが、我慢できる範囲内
だったから、『胃でも荒れたかな・・・』とは思っていた。胃薬を飲んでもやっぱり不快な感じはあったが、そう気にも
留めず、いつもと変わらない日課をこなしていた。しかし午後になってもよくなるどころか、少しずつ痛みは増してくるし
吐き気も出てきたので、さすがのアムロもちょっと不安になっていたのだった。それでも12人の欠食児童と駄目親父
一人の世話に追われ、ついつい自分のことは後回しになる。結果的にとうとう立ち上がれなくなってしまったと言う
わけであった。
890通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:49:11 ID:???
<アクシズの一番長い夜3/20+α>

「アムロ、アムロ、大丈夫?」助け起こそうと思わずアムロに触れたプルCは驚いた。
熱い!プルLの言う「あったかいアムロ」を通り越している。39℃は出ていそう…緊急事態の
予感がした。
緊急事態でまずすることは「人を呼ぶ」ことである。プルCは直ちに食堂に残っていた
他のプル‘sを呼びに言った。
プルG「まっじかよ、大丈夫か?」 プルD「アムロ、何でこんなになるまで我慢するんだよ」
プルF「まあとりあえず、ここで苦しんでいても駄目ね、どこかへ動かして横になっていただかなくては」
プルK「でも自力で動くのは大変そうですよ。少なくとも担送する必要がありますね。」
さすがにF、Kは落ち着いたものだ。
プルJ「とにかく、大佐に来ていただかなくては。われわれだけでは動かすことも
ままなりませんから。」と言うとJは駆け出し、一緒にIも駆け出して行った。
891通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:50:40 ID:???
<アクシズの一番長い夜4/20+α>

あっという間にシャアは飛んできた。Cから簡単に事の次第を聞いてから、
アムロの傍らに膝まづく。
「アムロ、大丈夫か」
「・・・・・・悪いな、っシャア・・・っでも、っけっこうやばい、うっ・・・」
こういうとき、シャアの「士官学校卒(しかも実質主席)」という過去が非常に力を発揮することになる。
すなわち、士官が身に着けるべき知識・技能の中にいくらかの医学的知識も含まれている、
ということであった。プルIに毛布を持ってこさせ床に敷くと、すばやく静かにアムロを仰向けにさせて
腹部を触り始めた。だが、ちょっと触っただけで、今起きていることが少々面倒な事態であることに
シャアは気づいた。
シャア「お前、朝から調子悪かったらしいとCから聞いたが。」
アムロ「そ、そうだ。」
シャア「水臭いやつだ。それはともかく、歩くと右横っ腹に痛みが響くようになっていたのではないか?」
アムロうなづく。
シャア「痛いかもしれんが、腹を触らせてもらう」。そう言いつつ腹部を触診していく。
腹部は押し込むと硬く張るような手ごたえだ。痛くなさそうな場所から順にそうっとおさえていく。
左下腹部、左上腹部、右上腹部…あまりひどい痛みではなさそうだ…
右下腹部。「っつつつつ、痛い、痛い!」予想通り、ここが一番痛いようだ。
シャア「では痛いだろうがもうひと頑張りしてくれ。ここを押しこんだときの痛みと、
離すときの痛みではどちらがより痛いかな」
アムロ「…っはなす、ときだ…」
シャア「そうか。これでほぼ8割がた診断が付いた。」
プル’sが固唾を呑んでシャアの次の言葉を待っていた・
シャア「…君は虫垂炎のようだ。しかも腹膜炎になっているかもしれない」
892通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:51:59 ID:???
最後が完成していないので続は後日…お目汚しスマソ

893通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:19:26 ID:???
アッペかぁ!!
どうなるんだろうドキドキ
894通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 22:55:46 ID:???
腹膜炎になってたら外科手術か…
895通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:00:12 ID:???
うわっ怖いことに!どーすんのよドキドキ
896通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:07:44 ID:???
ここで自動手術機の登場ですよ。
897通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:12:34 ID:???
>>896
・・・それは考えませんでした。

予告しちゃうことになりますが、他スレの設定を一つ借りてきちゃってるんです。
きっと皆さんいろいろご意見もあるんだろうなあと思って、ドキドキなんですが、
せっかく書いたので、ゆっくり全弾投下してしてみますね。
898通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:12:43 ID:???
>>896
えええええええ!?wwww
「こんなこともあろうかと」作ってたのか、アムロw
899通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:23:12 ID:???
>>896

地球に帰還後、ミシンに取って代わることになる自動縫製器(過去スレに
あったヤツね)とともに、地球帰還後のアムロに莫大な収入をもたらす
ことになるのか(w
900通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:27:48 ID:???
お、大作だねぇ…
でも完全連作なら全部書いてから投下したほうがいいよ。待ってる間、
皆が他のネタを出しにくいし、何より後から設定を変更する必要がでても
後の祭りだからね。


後、ハロウィンネタがでているときに話をぶったぎるのは感心できないな。
どうせ容量の関係上、このスレで完結できないのだからじっくり推敲して
新スレで発表してほしかった。
901通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:31:42 ID:???
>>897
カビからペニシリンを作るのか?
しかし、それなら軍用の医療品とかアクシズ内の医務室に普通に
抗生剤のバイアルが残っているだろう?わざわざ作るまでもないだろう。
やはり、シャアがメスを持つのか?
それとも、法外な報酬を要求する全身ツギハギの無免許医の魂が
プルHに乗り移るのか?
902通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:40:07 ID:???
>>900
いや、本日20時をもって完成しているのですが、
スレの残りが少ないのでどうしようかと…

なんかあまりスレが伸びないので、次のスレを待つのがじれったかったんですョ

スマソ
903通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:58:39 ID:???
いやいや、職人歓迎!
ここはまとめサイトがちゃんと機能してるから、作品自体はきちんとまとめてもらえますよん
904通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:05:11 ID:???
このスレは過疎ったり、いきなり職人さん連続投下で盛り上がったりするスレですよ。
過疎などというほどの流れではないので、気にしなくても。

ただ、連続モノはいちどきに投下しないと言われることがあるので、どうせならこのスレで一気に投下した方がいいかも。
905通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:12:18 ID:???
>>900
後半がシャアの声で聞こえたのでつらかったす。

せっかくぶった切ってしまったのだから、できるところまででも
投下してみます。
906通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:14:18 ID:???
<アクシズの一番長い夜5/20+α>

ひとまずアムロを医務室に運び、アムロの傍を離れようとしないプルC、落ち着いて対処できるプルFとプルK、
伝令役にプルJを残して食堂で作戦会議となった。プルLはまだ泣いている。
プルA「チュウスイエン、って、なに?」
プルG「そりゃおめー、チュウスイのエンショウだろうよ」
プルD「馬鹿それじゃ、マンマじゃん。いったい何がどうしてどうなってるからアムロがこうなっているのかって
聞いてるんだろう、プルA?」
プルI「・・・腸の一部に細菌が感染して腫れているのだ。ほうっておくと穴が開いて、お腹の中全体に
炎症がひろがって、最終的には細菌が全身に感染して死んでしまう。」
プルL「!アムロ、しんじゃうの!?・・・そんなあ・・・」。お父さんを抱きしめてその場に泣き崩れた。
プルKがあわてて抱きしめる。
プルK「プルI!本当のことかもしれないけど、そこまではっきり言わなくてもいいじゃない!」。
シャア「だが、はっきり言わねばならんときもあるな。今はそういう時のようだ。」いつも駄目親父している
シャアもさすがに緊張を隠せない。掌にじっとり嫌な汗をかいているのがわかった。
プルG「シャア…。そんなに深刻な事態なのか」
シャア「ああ。軽いうちなら抗生剤の点滴で何とかなったかもしれんが、腹膜炎になりかかっているか、
あるいはすでになっているかもしれない場合には手術で炎症している虫垂を取らねばならん。」
プルD「し、しゅ、手術?!。誰が?!ここには医者はいないよ!」
シャア「そうだ、ここは宇宙の漂流島であって広大な無医村であるから、こういった場合も自前で
何とかしなくてはならないんだ・・・だがなあ、正直手が足りん。」
シャアは、戦場でもそうたびたび感じたことのない、背中が冷たくなるような、指先が冷たくしびれるような、
胃の辺りが締め上げられるような感じを覚えていた。それと同時に久しく感じていなかった戦略家としての
高揚感もまた感じているのだった。(大佐のこんな感じ、初めて感じる…?!)プルたちは感応度の差はあれ、
いつもと違うシャアを感じていた。それは、彼女らが初めて感じる、『赤い彗星のシャア』なのかもしれない。
プルL「シャアは、手術、できないの?」
シャア「うむ、士官学校では救急処置のための講義と実習があって手術にも何度か立ち会ったことが
あるだけだ。しかし、今はそうも言っていられまい。アクシズ中の電子媒体、紙媒体から情報を集めて
私が何とかするしかないだろう。」
プルB「では情報収集は私がやろう。他に参加してくれるものは?」
プルI「私が」 プルG「俺も行ってやる」
シャア「よし、では貴官らに情報収集をお願いする。あまり時間はないぞ。1時間以内に良い返事を聞かせてくれ」
プルB、I、G「了解!」
こういう類の情報はたぶん幹部の居住区付近か医務室周囲にあると踏んで、そのあたりをしらみつぶしに探しに行った。
907通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:15:44 ID:???
<アクシズの一番長い夜6/20+α>

3人が出て行ったあと、少し離れて皆の話を聞いていたプルHがスッとシャアの前に出てきた。
プルH「手が足りないと、言いましたわね?」
シャア「手は何本でもほしい、技量のある手が。プルH、まさか…」
プルH「そう、あなたの考えているとおりですわ、こんなときだからこそ、この能力を存分に発揮したいと思いますもの」
シャア「つまり、医者を呼んでこようと、そういうわけだな。だが、向こうが承知してくれるだろうか。
しかも生きている相手を・・・いや、迷っている場合ではないな、やってみよう。」
了解したと言うようにプルHはにっこり微笑んだ。瞳の色が変わったような気がする。
プルH「ところで今、妹さんの名とカミーユ・ビダンという名が浮かんだようですが」
シャア「!!(まだ言葉にもしていなかった思考を読むとは…こ、この電波娘は、化け物か…)そ、そうだ、
私の知る限り、この場を救ってくれそうな医者はこの2人しかいない…しかもカミーユのほうは優れたNTでもある。」
すでに最大戦速に達しているプルHの実力にシャアは圧倒されている。あの娘と同じだ・・・。
プルH「…こんなときにその女性を思い出しているなんて、後で弾劾裁判ですわよ、ふふふ」
シャア「…すまなかった、勘弁してくれ(ええぃ、なんという早さだ)」
プルH「さて、では始めましょうか。」
シャア「長くやると消耗が激しくて危険だ。話がついたらいったん報告してくれ。準備が万端整ったら一気にはじめるぞ」
プルH、E「了解しました」
シャア「では、プルA、プルDはプルLが落ち着き次第医務室に集合していてくれ。」
プルD「まーかして。さあプルL、ちょっとあったかい物でも飲んで落ち着こう。」
3人はキッチンの方へ移動した。
プルHとEがソファーに座って意識を広げ始めると同時に、情報収集に出ていたプルたちが戻ってきた。
プルB「軍の研修医が使っていたと思われる手術書が手に入ったぞ」
プルI「指導用動画資料も一緒だ」
プルG「…この『Life and death』というゲームはちょっと、使えそうにもないかもしれんが…」
シャア「(プルG、何でそういうものを持ってくるか…)三人とも、ご苦労。」
さて、アクシズほどの要塞になると、戦艦の出入りが多く、ミネバ・ザビなどのVIPが長期滞在することもあるため、
それなりのユーティリティーはそろっている。医務室も戦艦のものとは桁違いであり、ちゃんとした手術室やICUがあり
入院設備も整っていた。しかしめったに病気をしないプル’sと鍛えられているためにちょっとのことでは大きな怪我には
ならない大人2人であるからそうした設備はほとんど全く必要なく、診察室一つ分程度を残して普段は生命維持装置もオフにし、
酸素や電力の節約をしていた。だがここへ来て急ぎシステムを立ち上げなくてはならない。一刻の猶予もなかった。
シャア「疲れている三人には申し訳ないが、そのまま医務室へ行ってくれ。アムロにパスワードを聞いて、
医務区画全体のシステムを稼動させておいてもらいたい。でき次第連絡を。」
プルI「こんな状況で疲れたなどと誰も言ってはいられまい。直ちに急行する。行くぞ、プルB、プルG」
この娘達も交感神経全開らしく、機敏で迅速な動きである。シャアは頼もしいものだと感じたが
その余韻に浸る暇なくプルHから声がかかった。
908通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:17:13 ID:???
<アクシズの一番長い夜7/20+α>

プルH「シャア、アルテイシアさんからは了解が取れましたわ。アムロのことならnoはありえないとのことですが、
彼女のNT能力がやや弱いので、私がサポートすることにします。カミーユさんのほうは一言あなたと話をしてから
決めたいとのことなのですが…」
シャア「わかった。話を聞こう」
するとカミーユの声がシャアの精神に響いた。
カミーユ「大尉、いや大佐かな、お久しぶりです。死んでるような気がしないって、ブライトさんも話してましたが、
まさかこんなところに、アムロさんと一緒にいたなんて、驚きです。ところで、あなたがついこの間までやってたこと、
僕としては許せることではなかったと思うしできれば修正したいところです。そういうあなたが僕に頼みごとをするのであれば、
物の頼み方と言うものをわきまえていただきたいと思うのですが」
エゥーゴにいた頃よりは自制が聴いてはいるが、かなりのプレッシャーで言いたいことをぶつけてくるカミーユの言葉に、
あのときの頬の痛みが重なる。彼にとっては自分などよりアムロの方が明らかに尊敬の対象であるから、
そのアムロのためなら危険を冒しても力を尽くそうという気持ちがカミーユの中には必ずあるはずだと、
シャアは信じてもおり、感じてもいる。
シャア「(ここで私が何を言ったところで結論はあまり変わらないだろう。むしろ彼は私を試している、
私とアムロとの関係について、鎌を掛けようという気だ。私が本心としてどうしたいのかを聞き出してやろうと思っているのではないか。)」
そして、ここは何が何でもカミーユの力を借りなければならない。
シャア「そうだな、私が間違っていた、すまないと思っている。私のことはこの際いくら修正してくれてもよいが、
アムロのことは助けてほしい。このとおり。」
こういう時とりあえずちゃんと頭も下げてみせるところがこの人らしいところか。
カミーユ「あなたもガードの固い人ですね。そこがあなたらしいところかもしれませんが…それに僕はなんだか
ハマーンにでもなったみたいな気分ですよ。まあ本気で謝っているかどうかはさておいて、そこまでされては
悪い気がしませんね。いいでしょう、やってみますよ。」
プルH「話はつきましたね。アルテイシアさんには私の、カミーユさんにはプルEの体をお使いいただくことにします。
では、準備ができたら始めましょう。あ、それから、カミーユさんから伝言があります。点滴ルートを取って抗生剤を開始して置くようにと。」
医療区画の準備隊からも連絡が来た。
プルI「こっちのシステムは立ち上がった。あとは人の配置だけだ。指示を頼む、シャア。」
シャア「わかった、では、資料からわかる限りでよいので、必要な道具の準備に取り掛かってくれ。こちらも移動する。」
シャアには医務室においてきたアムロの容態が気がかりだった。喉がカラカラに渇いていた。
909通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:18:06 ID:???
<アクシズの一番長い夜8/20+α>

アムロの容態はよくなかった。痛みが強いため鎮痛剤を内服させたが吐き出してしまう。
シャアの指示で痛み止めを筋肉注射していくらか良くはなったが、熱と吐き気は続いていた。
プルC「アムロ、今シャアが手術の準備をするそうです」
アムロ「な、なんだって、奴が切るのか?あ、っつつつ、しょ、正気か…」
プルC「プルHとプルEが、アルテイシアさんとカミーユさんという方をお呼びするそうですが…」
アムロ「セ、セイラさん?カミーユも・・・だが、そんなことをして彼らも、プルH達も、だ、大丈夫なのか…?
魂だけのものならいざ知らず、セ、セイラさんにもカミーユにも、そ、そういうやり方は非常に危険なはずだ…」
プルC「…彼らにとってもあなたがそれほどの苦労のし甲斐のある、大事な人だということでしょ?」
アムロ「そんな、あ、危ない橋を、渡ってまでして、助けようとす、るのか…も、元はと言えば、おれは、人殺し、なのに」
プルC「そんなこと、言わないでください。過去がどうでも、今では私たちにとって、なくてはならない人なんです…」
そう言うとプルCは下を向いたままアムロの手を握り締めた。
プルK「さあさあお二人とも、手術室も人手も準備ができているようです。心の準備をしてください。」
患者の不安を和らげようと努めて穏やかに振舞うプルK。
その間に術場内では様々な機械のセッティングが行われてゆく。
910通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:20:03 ID:???
<アクシズの一番長い夜9/20+α>

プルB「目ぼしい道具類は出してみたが、この後はプロがいないと無理だ。」
シャア「では、いよいよプルH、プルE、お願いできるか」
プルH「わかりました。プルE、準備はいいかしら?」  プルE「…いつでも…」
瞳を閉じて、心を開いてゆく。と、瞳を開いた二人の表情はいつものプル達ではなかった。
はっきりとは見えないが、2人をふんわりと包み込む光のようなものを感じることができる。
ひとつは良く知っている雰囲気であり、もう一つはかつてともにすごしたことのある雰囲気であった。
目の前にいつ肉体はプルH、プルEのものなのだが、その雰囲気を通してみるとそれは
セイラ(アルテイシア)であり、カミーユ・ビダンであるように感じられるのだった。
セイラ(プルH)「あなたがカミーユね、よろしく。
カミーユ(プルE)「いえ、僕のほうこそ、ご一緒できて光栄です。」
セイラ「では急いで始めましょう。まずはアムロの容態よ。ちょっと診察させていただくわね。」
すばやくアムロの元へ行き、先ほどのシャアと同じように腹部を触っていく。
セイラ「なるほど確かに、そうに違いなさそうね。どう思って、カミーユ?」
カミーユ「そうですね、診断自体は難しくはなさそうですが、腹部単純写真やエコーができれば
もう少し詳しくわかると思うのですが、時間がありませんし、どの道開ける(開腹する)必要がありそうだし、
さっさと始めましょう。」
セイラ「では取り急ぎ、機械類の準備ね…滅菌してある手術道具入れから開腹セットを、
人工呼吸器に挿管チューブ、ジャクソンリース、それから…」
カミーユ「プルさんたちの中から第2助手に1人、外回りに3人、機械出しに一人選んで。
呼吸器とモニターの番は大尉、あなたがやってください。そのほかのプルさんたちも、
交代が必要になった場合に備えてナースステーションの監視モニターで術場の様子を見ていてくれませんか」
言葉はほとんど交わされないのに、スムーズに進んでいく。プル’sの中で最も指揮官としての資質の
高いFが自然と皆の中心になってゆく。いつもなら仕事の分担を決めるにもあれこれと大騒ぎになるはずなのに、
混乱する事もなく役割分担が決まって行った。外回りはプルB、F、Jが、
機械出し(術者に道具類を手渡す係り)はIが、第2助手はGが担当することとなった。
おのおのにはセイラ、カミーユから簡単な仕事の説明が行われた。
シャア「(緊張感のおかげでニュータイプ能力が程よく発揮されているのだ…)」

準備が整い、アムロに麻酔をかける段になった。
プルC「大丈夫です。目が覚めたら全部終わってますからね。」涙をこらえてささやいた。
プルL「…頑張って…アムロ」真っ赤になった目で見つめながら手を握った。アムロは
精一杯の笑顔でプルLの頭をなでてやった。そのほかのプル’sもかわるがわる手を握る。
シャア「正直私も、手のふるえが止まらんよ、だが私は何とかなると信じている。」
アムロ「ど、どのみちこのままでは、だめなんだし、し、信じるしかないね。たのみ、ました、よ。」
セイラ「アムロ、頑張るのは医者よ。あなたは寝てるだけなんだから」
カミーユ「そうですよ、アムロさん、あなたの虫垂を取れるなんて光栄です。」
アムロ「セイラさん、カミーユ、ありがとう…」
セイラ「さあ、時間がないわ、私たちも限界にならないうちにやってしまいましょう」
麻酔の導入が開始された。
911通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:21:15 ID:???
<アクシズの一番長い夜10/20+α>

実は2人とも外科医ではないので日常的にメスを握っているわけではない。
研修医時代に外科でこうしたポピュラーな症例を経験したことがあるという程度に過ぎない。
虫垂炎はポピュラーな疾患ではあるが「急性腹症は虫垂炎に始まり虫垂炎に終わる」と言われるとおり、
場合によってはかなり高度な技術を要する手術なのである。2人とも、そのことを
十分承知してはいたが、この場合アムロを助けるためにはやってみるしかないと言うこともわかっていた。
セイラ「カミーユ、あなたの方が医者になってから日が浅いでしょ、あなたの方が知識が新しいわね。」
カミーユ「ええ、そうだと思います。」
セイラ「でしたらあなたに、執刀をお願いできないかしら。私は第1助手をしますから。」
カミーユ「それでは僭越ながらそうさせてもらいます。」
セイラ「他の方たちも、準備よろしくて?」
皆が無言でうなずく。
カミーユ「では、虫垂切除術、始めます。よろしくお願いします。」
912通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:22:20 ID:???
<アクシズの一番長い夜11/20+α>

プルIはわずかな時間の間に必死で手術書を読み、術式と必要の器具について頭に叩き込んでいた。
今はそれを必死で思い出しつつ、他の姉妹よりも弱めのNT能力をフル稼働させてカミーユの必要とする
道具を感じ、渡し続けていた。また第2助手を務めるプルG、カミーユが考えている「ここをつまんで…
止血して…切って、開いて…止血して…」という思考を読み、それにあわせて動こうと懸命であった。
セイラ「兄さん、バイタルを5分おきに報告してください。アラームが鳴ったときも報告よろしく」
シャア「了解した」
カミーユ「プルG、つらいだろうけどもう少ししっかり鉤を引いてくれないかい?」
プルG「は、はい」。 モニターのアラームが鳴る。
シャア「む、血圧が上昇しているが」
セイラ「(モニターをちらっと見てから)麻酔が浅くて痛いのかもしれないわ。フェンタネスト0.05mg静注して。」
術場に入れなかったプル’sはナースステーションのモニター前に集合して手術の進行を見守っている。
怖がるプルLをプルDが抱きしめている。
カミーユ「よし、セイラさん、案外素直に虫垂が見えましたよ。ああ、良かった、まだ根元まで腐ってはいないようです。
外壁にも膿が付着していて、ピンホールぐらい開いてるかもしれませんがうまく腹膜が寄っていた為か、
周囲への波及は少なそうです。大丈夫、行けますよ。」
セイラ「ほっとしたわね。大きく破裂していたり、根元まで腐っていたりしたら最悪手に負えないところだった…。」
カミーユ「セイラさん、泣かないでください。まだ終わっていませんし、涙が落ちると術野が汚れますよ。さあ、
とっとと切り取って、お腹をきれいにして、終わりにしましょう。」
セイラ「そ、そうね、もう一息頑張りましょう。」
程なく赤くぼこぼこに膨れたアムロの虫垂が取り出された。腹腔内を滅菌ガーゼでぬぐい、ドレーンを入れて腹壁を閉じた。
913通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:25:43 ID:???
<アクシズの一番長い夜12/20+α>

セイラ「ここから先は術者と第2助手で大丈夫です。麻酔は私が代わるわ、兄さん」
腹部の皮膚を閉じ、カミーユは終了のコールをした。
創を消毒してドレッシング(ガーゼなど)をあてる。平行して麻酔も徐々に切ってゆく。
と、アムロの体がもぞもぞと動いた。
セイラ「アムロ、アムロ、起きなさい、終わったわよ」
カミーユ「終わりましたよ、アムロさん、わかりますか、腫れてたところ、ちゃんと取りましたからね。
後で見てください。」
アムロはうっすらと目を開けた。頭がぼうっとしてはっきりしない。口の中から呼吸器の管を抜くと
ゴホゴホと大きく咳をした。
プルB「アムロ!終わったぞ」 プルF「気がついた?アムロ」駆け寄るプルたち。
セイラ「さあさあ、このままストレッチャーに移して、ICUまで運んでしまいましょう。後片付けもお願いね。」
914通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:28:02 ID:???
<アクシズの一番長い夜13/20+α>

その後アムロはナースステーション待機組の手によってICUまで運ばれベットに移された。
たちまち周囲はプル’sでいっぱいになってしまったが、ICUが不潔になると言う医師たちの諌めがあって
プルCとプルKを残して自室待機とされてしまった。セイラとカミーユは簡単に今後数日間の管理のための
指示や注意点を話したり書いたりしてから、プルたちに後を任せて食堂へもどった。
シャア「2人とも、心から礼を言う、ありがとう。2人がいなければどうなっていたことか…」
セイラ「まだ安心するのは早くてよ。手入れが行き届いているとはいえない施設での手術なんですから、
二次感染が起きる危険性だって、十分あるわ。」
カミーユ「僕は、僕とこの娘たちの体力が回復し次第、また様子を聞きにきますよ。アムロさんのためですから。」
シャア「ありがとう、カミーユ君」
カミーユ「最初に言いましたけど、僕は純粋にあなたのためにしようと思って今回のことをしたんじゃないんです。もちろん、
苦しんでいるアムロさんをほうっておくこともできませんが、何よりも、この娘達のためなんです。
強化人間…少女達がどんな人生を送り、どんな最後を迎えたか、僕は良く知っている。だからこそ
この娘たちだけでも、救われてほしいんですよ。そのためにはアムロさんが必要不可欠だと思ったんです。
この娘…僕に体を貸してくれた娘だってアムロのために力を振り絞っているのを感じます。うらやましいですね、
アムロさん。…無事に戻って僕とセイラさんに手術料を払ってくださいね、ただ働きじゃあないんですから。
まあ、アムロさんの虫垂を切ったことだけでなく、あなたに頭を下げてもらったことも、僕にとっては大変な自慢ですよ。」
セイラ「正直、兄さんが私を頼ってくれるなんて思わなかったのよ。そのうえ、こんなに幸せそうにしてるなんて
思わなかった。この娘達、いい娘達ね。この娘達が兵器として作られたなんて、全然思えない。いいえ、
人間を兵器として作ると言うこと自体どうかしているのよね。兄さんもアムロも、本当はこの娘達を育てていると
言うよりはこの娘達に生かしてもらっているのでしょ。この娘達を大事にして、無事に戻ってくるのよ、兄さん。
で、くれぐれも、手なんか出すんじゃないのよ。そういうことがあったら、この娘が教えてくれるそうだけど。」
シャア「・・・・・(プルH、侮れん…)」

915通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:29:53 ID:???
<アクシズの一番長い夜14/20+α>

セイラ「ではそろそろ、お暇するわ。この娘達ももう限界よ、私もだけど。よく休ませてあげてね。兄さん…いずれまた。」
カミーユ「この数日は油断しないでくださいね、大尉。」
シャア「ありがとう、すまなかった。2人も良く休んでくれ。」3人は固い握手を交わした…というまに
プルH,Eの体から力が抜けた。あわてて抱きかかえると2人は満足そうな寝顔を浮かべてすっかり眠っている。
アルテイシアの気配もカミーユの気配もすでになかった。普段ならアムロのいないときにこんな風に
抱き抱えていれば弾劾裁判は免れないであろうし、自分としてもすっかりロリコン駄目親父になっている可能性大だろう。
だが2人の寝顔を見つめていると今日はただ静かな感動がふつふつと沸いてくるだけなのだった。
シャア「お前たち、本当にご苦労だった…。」それだけ言うともう後が続かない。
消耗のひどい2人はアムロの脇のベットに寝かせ、一晩シャアが自分で面倒を見ることにした。
アムロの傍について離れようとしないプルCも説得して休ませ、ICUには自分とアムロとプルH、プルEだけが残された。
916通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:37:47 ID:???
『Life and death』フイタ
それはヤバいだろ、それはw
ttp://ld12jp.hp.infoseek.co.jp/
917通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:38:21 ID:???
<アクシズの一番長い夜15/20+α>

その頃アムロは夢を見ていた。湖のほとりに白鳥が飛ぶ、例の夢だった。
アムロ「ララア…来ているのか?」
ララア「フフフ、そう、私はいつでも傍にいるのよ、そういったでしょう?」
いつの間にか宇宙空間にベットが漂い、横たわるアムロの前にララアの幻がゆらりと佇む。
アムロ「ひどいざまだろ?だが、シャアが俺れを助けてくれたんだよ。シャアだけじゃないよ。
俺の大事な娘たちもみなそれぞれに力を発揮して、俺を助けてくれたよ。遠くから駆けつけてくれた古い友人も…。」
ララア「人は分かり合えるって、言ったじゃない?それに、シャアは純粋よ。あなたのことも、本当はとても純粋に
想っているのよ…わかるでしょう?」
アムロ「ああ、わかるよ。今となってはやつほど僕のことをわかっている人間はいないだろう。
でもそれを素直に認めることは…時間がかかることなんだろうな。」
ララア「私が、あなたたち2人の間にいたいというわけを、少しはわかったのかしら…?」
アムロ「…少しはね…たぶんでも、やっぱり俺は、全部をわかりたいとは思わないよ。」
ララア「フフフ…私はそういうアムロも好きよ…そしてシャアも…」
そう言って白鳥は飛び去っていった。

同じ頃シャアもまた夢を見ていた。
シャア「…なんだ、ララア、来ていたのか?」
ララア「大佐、ご立派でしたわ…」
シャア「そういうものではない。ただ、今夜あいつが死にそうだと思ったとき、そんな事にはさせん、
まだおわらんよ、そんなことは許せないとまで思ったのだ。なぜだろうな。」
ララア「…大佐は、ちゃんとご自分で、わかっておいでのはずですわ…」
シャア「そうだな。昔私たちは敵同士だった。ララアが死んだときには本気で殺したいと思ったものだった。
しかし今日私はアムロを生かした…いや、私がアムロによって生かされているのか?あいつが死ねば、
私もただではすまないと言うことか…?いかんとも埋めがたい意見の隔たりは明らかに存在すると言うのに、
一方でなぜあいつが私のことを最も理解している相手だと、失い難い友人だと感じるのだ?…ララア、
君とアムロが分かり合うには一瞬あればよかったのだろう?。私とアムロがわかりあうには20年近い時間を要している。
それですら十分とは思えない。私はまさに、NTのなり損ないなのだな…。」
ララア「慌てることはありませんわ…。人は分かり合えるということ、そのための希望を失わないことが必要なだけ…」

目を覚ますと、肩には毛布がかかっていた。ベッドサイドの椅子で眠っていたようだ。
傍らのサイドボードにはメモが置かれていた。
『大佐、お目覚めになられましたら食堂へおいでください。お食事を用意してあります。プルJ』
こうして、アクシズの一番長い夜は明けた。どんな作戦でも感じたことのないような疲れと、
寄せては返す波のような満足感がシャアを支配していた。
918通常の名無しさんの3倍
<アクシズの一番長い夜16/20+α>

さて、その後アムロはひどい発熱をすることもなく、創部の感染をすることもなく順調に回復した。
翌日にはICUを出ることができ、3日後には自室(もちろんプルCが腕によりを掛けて片づけをし、
かつ機械いじりをしないよう工具はすべてシャアの部屋へ没収されていた)に移動することもできた。
そして1週間後には皆と一緒に食事をし、2週間後には台所仕事や小さな機械類の修理などの軽労働が可能になった。
プルH、Eは翌日昼ごろ目を覚ましたが、ふらついて歩くこともできないため点滴して一日横になって過ごした。
しかしさすがは強化人間、翌々日からは普通の生活にもどったばかりか、心配したカミーユからの連絡(電波)を
受信してアムロの容態を報告したりしていた。カミーユは1ヶ月目までたびたび訪れて経過を観察していたが、
1ヵ月後、アムロが無事元通りの生活に戻ったことを確認して以後訪れることはなかった。

アムロ「カミーユ君、本当にありがとう、今の僕には言葉のほかに君への感謝を表すものが何もないんだ。
君とセイラさんがいてくれなければ、俺は死んでいた。困難な戦闘をあれほど潜り抜けてきた俺だと言うのに、
こんなところで虫垂炎で死んでしまうところだった。いつかまた、君に会って礼ができるよう、がんばって戻るよ」
カミーユ「僕への礼はいいです。エゥーゴの頃の僕は何も知らない少年でしたから、あちこち突っ張ってあなたにも
大変お世話になったと思います。両親は死んでしまいましたが、あなたを含めた多くの人に育てられて今の僕がいます。
あなたには今、育てるべき娘たち、それも強化人間として兵器にされるはずだった少女たちがいるんです。
彼女らはあなたといることに幸せを感じ、あなたが必要だと感じています。シャアにも言いましたが、
そういう彼女らのためにあなたには生きていてもらいたかった。あなたが彼女らを幸せな大人になれるよう育ててくれれば、
僕には何の礼もいらないんです。」
アムロ「よくわかった。君の好意を無駄にしないように心がけよう。ありがとう…カミーユ君。」