ガンダムバトルロワイヤル第四回大会 第十章

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1管制室代理
                 黙祷




       ガ ン ダ ム バ ト ル ロ ワ イ ヤ ル



             第四回大会 第十章

         現在生存者 13名と1匹 死亡者 13名


      この祈り 捧げる者が一人になるまでこの狂宴は続く


ルール等の詳細は>>2-4ぐらいに。

新規参加受付は終了させていただきました。
2管制室代理:2005/10/20(木) 18:56:29 ID:???
第三回までの過去ログミラー
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/rogusouko.html

第四回テンプレ
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/tennpure.html

新規申し込みテンプレ
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/sannkamousikomitennpure.html

現行管制室(第十二管制室)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1118518405

ネタ・遊び・気長な議論
ガンダムバトルロワイアル緊急避難所
ttp://jbbs.shitaraba.com/anime/1156/

基本情報・人気投票
第四回バトルロワイヤル 情報集積所
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/index.html

今回は本スレ容量節約の為、現在状況のマップと名簿以外を
別アドレスにてご案内させていただきます。
ご了承お願い致します。
3ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/10/20(木) 19:00:51 ID:???
一仕事を終えたファッツは再び化粧室へと戻っていた。
両手を水で洗い流しながら鏡に映る自分を見て、呟く。

「あんのガキ、厄介なモンつけやがって………」

右頬の丁度中心辺りにある切り傷、
あのわけわからん怪現象によって果物ナイフにつけられたものだ。
まぁ、見ようによってはアウトローな雰囲気が漂うナイスガイにも見えない事もないが………
どうも自分のキャラには合わない、と思う。

ハンカチで手を拭き、さてこれからどうしようかと思う。
あのロイドをこのままにしておくのはどうも嫌な気がする。
なんとなく、化けて出られても文句を言えないような気がする。

「じゃあ、まぁ、埋めるか」

土葬。これっきゃない。即決だ。
とするとあいつの身体に触れなきゃいけないわけだが、手を洗った以上なるべく触りたくないなぁ………
とりあえずどっかから台車でも持ってきてそれに乗せて適当な場所に埋めるか。
ああ、穴掘るんだからスコップも必要か。

「あ、そういえば例の放送で会った事無いヤツ殺せばコンテナの場所教えてくれるっつってたよな。
 ………なぁ、これって会った事無いヤツ殺した事にならね?」

首輪に向けてそう語りかけながら化粧室を出る。
時間からしてそろそろ定期放送が流れる頃だ、ロイドが死んだという事を聞けばセイバーフィッシュは勿論。
リトラもファッツを問いただすだろう。
厄介な事になりそうなので、出来ればその前にロイドを埋めて逃げたいところだが………無理だろうなぁ。
でも、まぁ、とりあえず。

「これでまた一歩、父上と母上を助けだせるのに近づいたわけだー」

大きな伸びをして満面の笑みで言いながら、ファッツはスコップと台車を探しに基地内を周る事にした。

【行動 :基地内移動(-1P) ロイドと戦闘(-3P) 残り0P】
【位置 :D-13】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:リトラに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:基地からとんずら】
【最終行動方針:優勝】
4ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/10/20(木) 20:22:42 ID:???
とりあえずゲルググの手首は無事だったが、まだまだ安心はできない。
今度はゲルググJの手首を外して、取り付けなければならないのだ。
1人でするには過酷な作業だったが、ニースはもとから覚悟の上で行っているのだ。
それに、生来機械好きのニースである。
難しくても、可能性が低くても、未知の機械を扱う喜びは何にも替え難かった。

まず、クレーンの操作室に入って、目をつけたクレーンを、ゲルググJの左手の部分まで持ってくる。
クレーンは規模が違うだけで、基本は自宅の工場にあったものとほぼ変わらなかったから、操作するのは意外
と困難ではなかった。
そして操作室から出るとクレーンに付いている硬質のバンドを、ぐるぐるとゲルググJの手首に巻き付け、外
しても向きが変わらないように固定する。

「…つ…かれた〜」

作業自体は単純だが、その作業量は生半可ではない。
いくら機械が好きとは言っても、自分の限界以上の動きはできない。
つなぎの上半身をはだけると、ニースは壁に寄り掛かって腰掛けた。

「おいで、ハリ−」

少し離れてニースの作業を見ていたハリーを呼ぶと、ディパックを開いて保存食を出す。

「ごめんね。ハリーにまで断食させちゃって」

考えてみれば、もう一昼夜は何も口にしていないかもしれない。
エルナの死という出来事があって、食欲もなくなっていた事も影響したか。
保存食をパクつくハリーを微笑みながら見つめ、ニースも自分の分を頬張る。

辛い事もたくさんあった。
でも、今はアルバートとハリーと、そして機械いじりがそれを忘れさせてくれる。

【行動:操作室へ(−1)クレーン操作(−1)バンド取り付け(−1)小休止(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:V-14】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番に回線継続】
【人物状況:夢中】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g2と1/2本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、修理できそう?】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
5ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/10/20(木) 22:24:33 ID:???
レーダー上で理解した、ロイドの敵機撃破。
そして、リトラからの通信。
ジェンセン=スティール、ファッツ=シュヴィール両名との遭遇。
及び、会食。彼らは交戦を求めないらしいが……。

ロイドは基地へと帰還する。
武装を満載にしたZプラスを降り、三名の待つ会食場へ。
彼が異議を唱えない所を見ると両名に依存は無いのか、先ずは様子見といった所か。
ならば、俺はもう暫く艦に詰めておいた方が良いだろう。
もしや、彼等とも手を組む事になるのだろうか?
両名がどういった人物かは知らないが、あのリトラが提案を受け入れた。
その事実だけで、問題は無さそうにも思えるのだが……。
まあ、当面の状況が収まった今、彼等については落ち着いて対処すれば良いだろう。

……だが、先程から気になる事が一つ。

「ファッツ=シュヴィール」

そうだ、この名前だ。
どうも記憶の奥底に引っかかる名前なのだ。
だが、どうにも思い出せない。
何かの空覚えか、同姓同名の可能性も有るのだが、しかし、どうも気になる。
何処かで……。昔、何処かで……。
オデッサ…アラル…タジキスタン…ペキン…カスピ…アフリカ…ジャブロー……。
過去に巡った古戦場を一つ一つ思い起こしてみるが、その名に該当する物は無かった。
一応、それからの幾つか基地を転属したが、それらの記憶は憶えるに値しない物。
意義の見出せない、大変に平坦な日々であった為に、その名に結びつく物は無い。

皆が戻って来たら、一度会ってみたい物だ。
今はそう自分を納得させると自分一人、温めただけの缶飯をかっ食らった。

【行動 : 飯の確保−3 食事−1 残行動数2】
【位置 : D-13 (着陸、陸上に格納中)】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み) ちょい貧血気味
          右手右腕の不自由  服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【通信状況 : 通信中…6番リトラ】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残50%) 60mm機関砲×1(残11発)
       両用ロケット弾×2 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分 レーション×5食分
       上は機体ディパック内 拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) レーション1】
【方針 : ロイドを失わない 機体の補修 】
【同盟 : 19番 ロイド・エンデバー 6番 リトラ=クローム】
6管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/10/20(木) 22:30:42 ID:???
連絡事項

17番 アルマ=フローライトさん
最終書き込みが10/12で以後の書き込みがありません。
この書き込みから24時間以内に書き込みが無い場合には
残念ですが放棄扱いとさせていただきます。
尚、いかなる理由で書き込みが出来なかったとしても
以後の復帰は出来ません。
ご了承ください。
7アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/10/21(金) 00:43:07 ID:???
ビームショットライフルをショットランサーと一緒に右脇に抱えさせ、シャッコーを
再び基地へと向かわせる。
マップに記されている近場のコンテナは、この2つだけだ。
もしかしたら例の隠されたコンテナが近くにあるかもしれないけど、何の手掛かりも
なし探しても、それこそ時間の浪費にしかならないだろう。

…でも、手掛かりを得ようと思ったら、組織の思惑に乗らなければならない。
これからの事を考えたらニースを新しい機体に乗せてやりたいけど、組織の思うよう
になるのは嫌だし、ニースもそれで貰った機体に乗るのを拒むような気もする。
…まあ組織の誘いに乗ろうとしても、条件を満たさない事には褒美が出ない。
「…会った事のない生徒…ね」

これまでさほど行動距離が長くないせいか、俺は結構会ってない生徒がいる。
いちいち名前を調べるのは面倒臭いからしないけど。
…基地を出た時にレーダーに映った機体のパイロットも、そういった生徒の1人の可
能性は十分にあり得る。
誰が乗るのか、誰が乗らないのか。
これから会う事になる初対面の生徒には、信用できると判断できるまではとにかく注
意が必要になるだろう。
…考えるだけで神経がすり減りそうだ。
小さく溜息をつく俺を乗せたシャッコーは、基地へと入っていった。

例の機体は、以前と変わらない場所にいた。
あそこに止まるのは何らかの理由があっての事なんだろうけど、それが俺に分かる筈
もない。
そこに映ったのは、エビル・S。
パイロットは…アルマ=フローライト。

それだけを確認すると、俺はデッキのある地点へと針路を変えた。
あまりじっと見て警戒感を持たれてもまずいし、先ずはニースにも注意を促しておく
べきと思ったからだ。

【行動:高速道路のボーナスを使ってW-16に移動(−1)V-14に移動(−3)】
【残り:0】
【位置:X-17→W-17→W-16→W-15→W-14→V-14(基地内)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー、νガンダム
    シールド、ビームショットライフル】
【所持:ディパック、水2?入り3本、コッペパン1個、保存食41/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、
    マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:機体の補給及び修理】
【同盟:ニース】
8ミヒャエル ◆wDvbiOAaYk :2005/10/21(金) 18:46:32 ID:W22ePwSk
『何だ。まだ何かあるのか。用件なら、手短に言ってくれ』

 その不機嫌な声に、ミヒャエルは、少しムッとした。

「用件……先程言っていたのですけど、薬が……
 診療所程度では無くて、そっちの倉庫を探したい」

 ぱっと両手を掲げ、素手をひらひらと見せる。

「勿論攻撃の意思は無い」

 もうひとつ。言いたいことが有る。
 今、あちらに何人の参加者が居るのかは知らない。
 だが、一人では無理なのも確かだ。自分が変われるか、否か。
 人と関わるのを避けているだけなら、目指す方向が違っても、今までと何も変わらない。

「ん?」

 考え込みそうになって、ふと顔を上げる。

「……く、ふ、ははっ、は……」

 笑っておいて、後悔。

「あ、いや、その……口の端に……」

 言いながら、自分の口端を指差した。
(見た目ほど厳しくも怖くも無いのかな……
 それとも、油断させようとして演戯を?
 ……いや、どちらにしても反則だよ、その”お弁当”は!)
 心の中でなおも笑いを堪える。
 顔には出てない、出ていないと、思うが……
 あいにく、自分で自分の顔は見えなかった。

【行動:会話(−0)】
【残り :4P】
【位置:E12】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ちょっと躁】
【通信状況:リトラ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻
     周辺の詳細な地図(フォルダ)、地形データディスク
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機、
【携帯:包帯5本、消毒液、抗生物質、腕時計、拳銃(10発)、基地の地図】
【方針:薬!・相手の様子見・ゲームからの脱出】
【同盟:―】
9ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/10/21(金) 20:28:11 ID:???
 良く眠れたような。そうでもないような。
 ただ、何か夢を見ていたのは間違いない。
 何を見ていたのだろう。
 だが、思い出せない。
 茫漠とした気分のまま、椅子から身を起こした。
 
 ……血の匂いがしたのは。夢の中か。それとも、現のことか。
 ふらつきながら、厨房を歩み出る。
【行動】起きる(0)
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・正常】
【パイロット状況:発症】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数2)
   ドダイYS】
【所持品:ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分)
     料理を載せたワゴン、】

10リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/21(金) 21:02:46 ID:kUapNF6S
ではお言葉に甘えてIDチェック!
11リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/21(金) 22:57:17 ID:???
>>8
両手を挙げ、あらためて敵対意思のない事を示すミヒャエルの目を、リトラは暫し鋭い眼差しで見つめた。
……今更、この男を警戒したところでさしたる意味は無いかとも思える。
少なくとも、それで自分が不覚を取るような事にはなるまい。
自分が警戒する理由は、ロイド達に危険が及ぶ事を恐れるのみだが。

「……ま、構わんか。どうせ会食にも水を差された事だ、今更席に戻る気もあまりせん。
 ならば万一の事態が起こらぬよう、私が見張っていれば良いだけだ」

そう呟いたところで、ミヒャエルが唐突に笑い始めた。
人を馬鹿にしたような彼の様子に、リトラの眼差しが、鋭さを増す。

「……何を笑っている」

自然と、ドスの効いた声となった。
……面倒だ、血祭りに挙げてしまおうかとも思ったが。

『あ、いや、その……口の端に……』

取り繕うように真顔に戻りながら、自分の口の端を指差すミヒャエル。

「……何が言いたい」

心の奥底の笑いを隠せないのか、ミヒャエルの取り繕ったような顔は崩れがちだった。
まさかと思い至り、リトラが自らの唇の端に触れてみると―――
……不覚どころの話ではない。
指先には、先程食したカリーが付着していた。

先程の言葉を、訂正せなねばならない。
今の自分は、隙だらけである。
不意の来訪者を抑えるのが今の自分の役割だと言うのに……これでは威圧するも何もあったものではない。

「……なっ……き、貴様……わら…笑うなッ!
 くそっ、倉庫を漁りたいのならば勝手にすればいいだろう!
 しかしだ、少しでも妙な素振りを見せたら容赦なく殲滅する!
 その笑いの代償をお前の身に刻んでやるからなっ!」

顔を真っ赤に紅潮させながら、叫ぶリトラ。
もはや負け犬の遠吠えにしか聴こえないだろう。

何かが、自分の調子を酷く狂わせていた。

そうだ、あの男だ……ファッツ=シュヴィール。
あの男を前にすると、自分はどうも隙を許しがちになってしまう。
ロイドの前で不覚を取ったのとはまた、別の理由。
私は、あの男に心を許してしまっている。
決して他者に身を任せぬ私の凍てついた心も、あの男の前では融けてしまうのだ。
油断ならぬ男だというのに。
何れ決着をつけねばならぬ好敵手だというのに。
……全く、無様極まりない。
12リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/21(金) 23:00:06 ID:???
だが、そんなリトラの感情とは無関係に、その融けた心を凍てつかせる事件が起こってしまっている事を、
現段階では彼女に知る術はない。

その非情な殺戮の儀式は、彼女の目の届かぬ所でひっそりと執り行なわれていた。
“天才”ファッツ=シュヴィールは、殺人技術に関してもまさに天才という他は無かった。

だが、彼は二つのミスを犯していた。

彼は、手を下すタイミングを誤った。
そして、手を下す相手を誤った。

警笛が鳴るまで、あと僅か。
定期放送によってロイドの死が知らされるまで―――あとわずか。

【行動 :  通信継続中(0) 残4 】
【位置/場所 : D-13/基地・格納庫の傍ら 】
【通信状況 : 07番・ジンペイ 13番・エドワード 15番・ファッツ 19番・ロイド 21番・ジェンセン
        26番・ミヒャエル 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン ショットガン(残0/6発) 】
【携帯品: 首輪 煙草数箱 グルカナイフ 軍用拳銃(弾17) ケブラーベスト 】
【方針 : “好敵手”との決着をつける ロイドのZプラスの整備 会食中断―――残念だが仕方あるまい 】
【同盟?: 19番・ロイド=エンデバー 07番・ジンペイ=カザマキ 】
13ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/10/22(土) 00:52:00 ID:???
「さっ、続き続きっと。ハリーはちゃんと待ってるのよ?」

手っ取り早く食事を終えたニースは、つなぎを着なおして作業の続きに入る。
早速ゲルググJの手首を切り取るべく、アームを構える。
さっきのように、ただ邪魔なところを切れば良いというものではない。
今度は切った後で、それをつなぎ直さなければならないのだ。
それだけに、切るのはあくまでも慎重に、丁寧に行わなければならない。

手首の根元の方からにアームを近づけて、スイッチを入れる。
吹き上がる火花の中、焦らず少しずつ、滑らかに切るよう心がける。

何も聞こえず、何も目に入らない。
ただひたすらに目の前のゲルググJと、アームを通じて会話を続ける。
その火花に全てを込めて、エルナが遺した物を無駄にするまいと腕を振るう。

たしかに時間はかかった。
しかし、出来栄えは予想以上に良かった。
ニースの目の前には、切断されてクレーンに吊るされた左手首があった。
汗を拭ったニースは、満足そうに頷くと再び操作室に入り、クレーンを動かして、その手首を自分のゲルグ
グの左手に近づける。

そこまで終えたニースはペットボトルを取り出して、心行くまで喉を潤した。
もう随分時間が経っているような気分になっているニースだが、作業はここからが佳境だ。
ニースは今、心地よい緊張感の中にいた。

【行動:作業(−1)操作室へ(−1)クレーン操作(−1)水を飲む(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:V-14】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番に回線継続】
【人物状況:夢中】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g2と1/2本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、修理できそう?】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
14ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/10/22(土) 21:25:19 ID:???
ボロボロに傷ついた体は鈍痛を放ち、全ての行動に支障をきたす。
全快の言葉は遠い彼方に。それでも傷は僅かながらも回復しているらしい。
飯を調達する為に艦内を歩いた感想がそれだった。

足取りは若干軽くなった。
相変わらず肩は動かないが、指先は回復して支障無く動く。
もちろん、指だけ動いても飛行機を操作できる訳ではないのだが。
まあ、やろうと思えば飛ばす事は出来る。飛ばす“だけ”ならば……。
当面の問題は、不足した血の気か。
貧血を治すことが出来ればある程度の行動は保障出来る。
足りない血液を補充する為には、栄養が第一となる。
今し方摂った缶飯は、それらの中で一番カロリーの高い牛めし缶だった。

食事を終えた所、これといってすることも無い。
いや、する事が出来ない。と、言った方が確かか。
今の容態もそうだが、艦の面倒も見なければならないのだ。
……実の所、愛機の様子がそれなりに気掛かりなのが……。

しかし、何だと言うのだろう。この、嫌な……不快、感?
はて、何時の間にこんな物を抱いた?
……解らない……が、確かに感ずるこの、へばり付くような……。
……気分が、悪い。

【行動 : ぶらぶらしつつ何かに反応-0 残行動数4】
【位置 : D-13 (着陸、陸上に格納中)】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み) 
          ちょい貧血気味 右腕の不自由  服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【通信状況 : 通信中…6番リトラ】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残50%) 60mm機関砲×1(残11発)
       両用ロケット弾×2 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分 レーション×5食分
       上は機体ディパック内 拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) レーション1】
【方針 : ロイドを失わない 機体の補修  艦の保持】
【同盟 : 19番 ロイド・エンデバー 6番 リトラ=クローム】
15ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/10/22(土) 22:53:40 ID:???
 男の魂は、夢に導かれたかさらに狂いゆく。彼岸と雌岸をさまよいながら、
千切れた魂はそこに彼を見出した。
 心の内よりわき出ずる衝動。男はこらえられない。
 狂気のままに。男はロイド・エンデバーだった物体への陵辱を開始した。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/1156/1078833659/6-9
(注;性的な同性愛描写およびグロテスクな表現を含んでいますので、
ご注意ください)

【行動】放浪、そして発見……陵辱(基地内移動;合計ー2、遺体発見;−1、
玩弄;ー1、総計ー4P)
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・正常】
【パイロット状況:人格転換『僕』】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数2)
   ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2、ロイドだったもの、
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分)
     料理を載せたワゴン、】

16ミヒャエル ◆wDvbiOAaYk :2005/10/22(土) 22:53:57 ID:???
『……なっ……き、貴様……わら…笑うなッ!
 くそっ、倉庫を漁りたいのならば勝手にすればいいだろう!
 しかしだ、少しでも妙な素振りを見せたら容赦なく殲滅する!
 その笑いの代償をお前の身に刻んでやるからなっ!』

「あ、いや、ごめんなさい。
 笑うつもりは無かったの…だ」

 語尾を濁しながら頬から顎を撫でる。

「じゃあ、今から、そっちへ行く。
 頼むけど…撃たないでよ」

 操縦桿を握りなおし、ペダルを踏み込む。
 ガズRはゆっくりと足を踏み出し、位置を変えていった。
 向かう先で人殺しが行われている等と、思いも寄らなかった。
 そう、ああいう、真赤になる顔を見ていて、忘れていた。

(…確か、リストに同じ顔が…)

 MSをオートで移動させながら、横目でリストを覗き込む。

(…82年? …ジオン残党? …マフティー?
 以前の経歴は抹消…何なんだろ、一体。
 …どちらにしてもいい加減な情報しか無い、か)

 顔をあげ、コックピットハッチを開いた。

「さて、と…これで良いかな?
 心配なら、これも預かってくれてて良いけど」

 腰の拳銃を顎で示しながら、降りる。
 その間、MSを降りるワイヤーに掴まった以外は、手を上げていた。


【行動:D13へ移動(−2)、データ参照(−1)、MSから降りる(−1)】
【残り :0P】
【位置:E12→E13→D13】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ちょっと躁】
【通信状況:リトラ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:腕時計、拳銃(10発)、基地の地図、周辺の詳細な地図(フォルダ)】
【方針:薬!・ゲームからの脱出】
【同盟:―】
17管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/10/23(日) 00:02:29 ID:???
『みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。

 まず。脱落者の連絡。
 生徒番号19番 ロイド=エンデバー君。
 注意一秒怪我一生どころじゃなかったね。
 注意一秒人生終りってところ。
 自分以外はみーんな敵なんだからな。
 それを忘れないようになー。

 次に立ち入り禁止区域の発表は前言ったとおりに無し。
 おんめでとう。

 あと天気予想。
 晴れな。

 さて。今回のロイド君を入れてちょうど生き残っている人が半分になりました。
 さ、残り半分だ。気を引き締めてがんばれー。

 んじゃ、これで今回の放送はこれで終わり。
 みんなの事いつでも先生は見守ってるからな。』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】 【残り行動値:∞】
【位置:Z-21】
【行動方針:殺し合い頑張れ】
18管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/10/23(日) 00:03:17 ID:???
生徒名簿

 番号          名前                   年齢 性別      機体

 死亡 アロンソ=セルバンデス                (70) 男性  グフ・フライトタイプ
 死亡 エルネスティーネ=デア=フォーゲルヴァイデ   (16) 女性  ゲルググJ
 死亡 ハロルド=P=アンダーソン              (35) 男性  ズサ
 死亡 マサヤ=タカノ                      (23) 男性  ガンダムGP02
 死亡 キリト=ヴァルリック                   (28) 男性  Gキャノン
 06番 リトラ=クローム                     (25) 女性  ディジェ
 07番 ジンペイ=カザマキ                    (32) 男性  セイバーフィッシュ
 死亡 ルイス=ガルシア                     (22) 男性  BD3号機
 死亡 クラウディア=ゲール                  (16) 女性  ビギナギナ
 10番 レベッカ=テスタロッサ                 (18) 女性  ベルガギロス(黒の部隊専用機)
 11番 アルバート=パーシング                 (18) 男性  シャッコー
 死亡 ネイゲスト=ザームズ                  (18) 男性  ザメル
 13番 エドワード=S=ボールドウィン             (28) 男性  ボリノークサマーン
 14番 ニース=エルネージュ                  (15) 女性  ゲルググ (ガトー専用機)
 15番 ファッツ=シュヴィール                 (23) 男性  EWACザック(+マラサイ◎)
 16番 ナインティ=アウェイキング               (27) 男性  バウ
 17番 アルマ=フローライト                  (17) 女性  エビル・S(+νガンダム)
 死亡 サイモン=クレイカー                  (43) 男性  アッシマー
 死亡 ロイド=エンデバー                   (18) 男性  Z+A型
 死亡 クルル=ヴァンデーン                 (11) 女性  メタス
 21番 ジェンセン=スティール                 (35) 男性  ハイザック
 死亡 ブレイム=オリディス                  (36) 男性  νガンダム(+V2AB◎)
 23番 ジョセフ=ロバーツ                   (15) 男性  ハンブラビ
 死亡 アリウス=エルツベルグ                (33) 男性  ホビーハイザック
 25番 T=ドライツェン                     (25) 男性  クロスボーンガンダム三号機
 26番 ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ              (21) 男性  カズアル

 生存者13名+一匹 死者 13名
19管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/10/23(日) 00:04:06 ID:???
>16時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡◇□□彡彡彡◎◎彡彡★彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡◎彡□□△□□□◎彡彡彡★◎〓△彡
 04彡◎□◎△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎┛□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎彡◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□25△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡10□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎┃□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━┛◎彡□17△◎○  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━┓□◎彡□△□┏┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━〓▼▼▼┛□□彡彡◎11★□△◎  ★:基地
 15◎◎△◎∴□◎□┃□□彡◎▼□□彡◎◎□□★≡◎□△  U:灯台
 16△△∴∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18△△◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U23◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃□◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼16━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃□□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○○

06と07と13と15と21と26は同一地点【D-13】
11と14は同一地点【V-14】

コンテナAの位置
『C-21』 『F-13』 『L-18』 『O-18』
上記の全4箇所
(C-21は16と O-18は23と同一地点の為、地図上表記無し)
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
20管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/10/23(日) 00:06:08 ID:???
定期放送中の騒音の最中にそれは起きた。
ボンッ。と、騒音に掻き消されそうな小さな爆発音が鳴る。
その音の正体は、Z+のジェネレーターに取り付けられていた爆弾の爆発音だった。
外見からは分からぬが、Z+は主と共に息を引き取った。
21ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/10/23(日) 12:10:05 ID:???
>>17
「何かいつもより放送早くねー?」

ただ単に急いでいたファッツにとっては、
いつも以上に時間の経過が早く感じられただけで、定時放送の時間はいつも正確だ。
ともかく、こうやって皆に知られた以上は一刻も早く基地を脱出しなければならない。
ガラガラと押していた台車を通路の横にどけ、スコップを放り出して格納庫へと向かった。

「おう、ちょいと急いでるから、会食は俺欠席って事で」

エドワードにそれだけ声をかけ、急いでマラサイに乗り込み、起動させる。
ロイドの仲間はリトラにジンペイとかいうセイバーフィッシュ乗り。
それに加えてこの基地にはエドワードというイレギュラーと、ガズRもいる。
何とも厄介だ。

仮に、リトラとセイバーフィッシュが自分に攻撃を仕掛けてきたなら………
………リトラの強さを知っている以上、逃げるしかないだろう。
ファッツの目的はあくまで優勝………つまりは生き残る事だ。
それまでは恥も外聞もプライドも捨てて、守りに徹する。
リトラの実力はファッツと同等かそれ以上、それに加えてセイバーフィッシュもいるのだ。
ならば逃げる、これしかない。

「でも、簡単に逃がしてくれるかねぇ………」

チラリと格納庫内を見回す。
未だに姿を見せないジェンセン………
もし彼がここにいたのならば、これ以上に心強い事は無いだろうに。

「いない人間の話をしても仕方ないか」

その彼が、自分が殺害した例の死体に接触をしている事に気付かず。
ファッツはゆっくりとマラサイを格納庫から出した。

【行動 :基地内移動(-1P) 基地内探索(-1P) マラサイに乗り込む(-1P) マラサイ起動(-1P) 残り0P】
【位置 :D-13】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷 頬に切り傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:リトラに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:基地からとんずら】
【最終行動方針:優勝】
22『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/10/23(日) 14:57:51 ID:???

青年はゆっくりとタイヤを転がしていく。
途中、うとうとと船を漕ぎながら、ハッと目を覚まして進路を確認する。
間違って立ち入り禁止区域にでも入ってしまってはいけない。
でも、それ以上のことを気にするだけの余裕もない。

速度の違う少女を待とうか――とも思いつつ、なんとなく先行してしまう。
……青年は気づいていない。自分の判断力が、疲労で鈍っていることに。
かつての彼の『強さ』の少なからぬ部分が、マインドコントロールによるもので……
不眠不休で3日3晩くらい平気だった『T-13』も、今はただのガタイの大きな1人の青年。

>>17
と、そんな寝ぼけた頭の青年が、定期放送の内容に――はッと目を覚ます。
ロイド・エンデバー。それは、あのZ+のパイロット。
因縁も深い難敵の死に……しかし、青年は素直に喜べない。

あの少年は。あの、青年が願っても得られなかった能力を持っていた少年は。
……やはり、最期まで、青年のことを『誤解』して逝ったのだろう。
それが、少し青年には、哀しかった。

……『T-13』だった頃には、そんな哀しさからは遠い存在だった自分に、彼は気づかない。
目の覚めた青年はようやくタイヤをいったん停止し、少女の方を振り返る。

いったい……どれくらい先行してしまったのだろうか?

【行動:移動(Y-08→Y-07→Y-06→Y-05→Y-04)
   (過積載状態につきSFSボーナスなし)(−4p)】
【残りP:0p】 【位置:Y-04(山中)】
【人物状況:頭頂部に傷。左肩に大きな傷(処置済み)。疲労気味。黒のスーツ姿。
      強化人間としてのマインドコントロール崩壊。10番レベッカに明らかに好意】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2(ただし左側弾切れ、右側弾詰まり)、肩部マシンキャノン×2(未試射)
    右腕部Iフィールド発生装置×1、ビームサーベル×3(専用/Z+/ZZのハイパービームサーベル)
    ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、防水布のマント、ガドリングシールド(右腕装備)、
    メガガドリングガン(左腰アンカーを利用し背部に担ぐ)、半壊したプチモビ(両足破損)
    アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損、過積載状態)】
【所持品:無貌の面(着用せず)、エプロン、『サバイバルの手引き』(数ページ損傷)、日本刀
     サンドウィッチ入りのタッパー(1食分)、ペットボトル入り紅茶(900ml一本)、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復 レベッカドコー?】 
【同盟:10番レベッカ】
23ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/10/23(日) 17:09:05 ID:???
何なのだろうか、この不快感は……。
艦橋からの風景は何も変わっていない。
変わっていない筈なのだが、この凍て付くような……何かが……。

時計を見る。
時刻はそろそろ定時放送が入る頃だった。

     『みんな。こんばんわ。
         定期放送の時間だ』

  ―― この放送が終わったら ――

     『まず。脱落者の連絡。』

―― 一度、下へ降りてみるか…… ――

『生徒番号1―― ロイ――バーく――。』

   「―――――?………?、?」

                       まさか
            なぜ?
なにが?

見ると、Zプラスが腹部から少量の火花が散り、重々しい黒煙が揚がり始めていた。

フラリと体を反転させ、艦内通路へ向けて一歩、二歩。
そのおぼつかない歩みは、すぐさましっかりとした駆け足へと変わった。

息を切らして艦外へ。
と、急かす足を止める。
この音――MSの機動音!
巡らせた視界の先に朱色のMS……マラサイ!!
それを認めるや否や、向かおうとしていた会食場を一度だけ睨みつけると、
進路を90度変え、愛機の元へと走る。

格納庫、もとい掘っ立て小屋へと駆け込み、機体に被せたシートを取っ払う。
……酷い状態だった。
今、愛機を動かす事は自殺行為に近い。そんな言葉が脳裏に過ぎる程だった。
だが、今はあのマラサイを放って行動する訳には行かない。
ロイドが自殺する可能性はゼロに近い。ならば、彼を殺める事が出来るのは3名に絞られる。
犯人は一人か、全員かは解らない。
だが、犯人なら最も早く行動を起こすだろう。
ならば目の前のマラサイは逃がす相手ではない。
24ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/10/23(日) 17:09:52 ID:???
だが。
セイバーフィッシュは動かない。
酷く傷き、レッドアラートがあらゆる所に表示される。
そして何より、燃料が底を突いているのだ。

『俺を散々放っておいて、必要な時にそれか。
 お前も見れば解る筈だ、こんな状態で飛べるわけが無と。
 10年間待った……昔の、あの時のお前ならこんな事は……。』

赤く染まるコンソール。
愛機が、そう叫んでいるような気がした。

「スマナイ」

一言だけポツリと漏らし、弛緩しかけた腕に力を込める。
その叫びに背を向け、血の滲んだ足を無視してコクピットから飛び降りた。

機体の損傷は激しいが、燃料さえあれば動かす事は出来る。
だが、掘っ立て小屋に航空機用の燃料が有るはずも無い。
しかし―――あった。

「このドラム缶――灯油に、軽油……有り難い!」

比較的使い易い燃料が有って助かった。
燃料に融通が利く、ジェットならではの利点。
要は、必要量の熱量さえ得られれば、エンジンは機能するという事だ。

小屋に有った燃料を全て投げ込み、得られた燃料はメインタンクに15%程。
炊き上がりの効率を考えると、正規の燃料の10%といった所か。
上空を飛ばすだけなら、何とかなる数値だ。

警告をを全て無視し、静かにエプロンへ。
その途中、『知らないぞ、お前と俺がどうなっても。』愛機がそう語っている様な気がした。
動いてくれる愛機に感謝する。
次の瞬間、傷だらけの鮫は再び空へと舞い上がった。

【行動 :  下艦-1 格納庫へ-1 燃料補給-1 発進-1 残0 】
【位置/場所 : D-13/基地・上空 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠気味】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み、足から出血)
          少し貧血気味 右腕の不自由  服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残50%) 60mm機関砲×1(残11発)
       両用ロケット弾×2 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×5食分  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 : ワカンネ 機体の補修 】
【同盟 : ドウナッタノカシラネ 】
25リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/23(日) 17:14:21 ID:???
>>16
笑った事を謝って後、ミヒャエルはこのエリアまで足を運んできた。
愛機のコックピットハッチを開き、手を挙げながら敵対意思の無い事を示すミヒャエル。
身を護る為の最低限の武装と言える拳銃すらも手放して構わないなどと口にする彼に対し、
リトラは憮然とした様子で答える。

「いらんっ!それくらいは持っていろ!」

ぷい、と顔を背け、ため息をつくリトラ。
自分は間違いなく好戦的な筈なのに、集まってくる連中はその言動も行動も悉く突拍子もなさすぎて
どうも調子を狂わされる。

だが、リトラは間もなく冷酷な狩人へと引き戻される事となる。
この殺し合いのフィールド全てにかき鳴らされる、警鐘によって。

>>17
定期放送の終了と共に、ひとつの通信回線が途切れた。
パイロットを失った機体が、おそらく管制側によって処分されたという証。

心が、凍てついた。
だが、取り乱しはしなかった。
この瞬間、このエリアの全ての者は、リトラにとって“味方”と言える存在ではなくなった。
酷く冷静な頭でもって、リトラは“敵”―――いや、“目標”を見定めていた。
ジンペイ=カザマキとミヒャエル=レニ=ハイドリヒは“目標”ではないだろう。
彼らの存在は、常にモニタ越しに確認する事ができたのだから。

「ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ。状況が変わった。
 まともに戦える状態にあるとは思えないお前は、一刻も早くここから離れた方がいい。
 これは、私の最後の忠告だ」

ミヒャエルが機体に残っている事を確認せずに告げる。
リトラの視線は、ガズRのコックピットの映像にではなく、
レーダーが示す熱源の増大を示す反応へと向けられていた。

>>21
格納庫内で、他の機体より先んじて一機のMSが慌しく起動していた。
その機体は―――マラサイだった。

「随分と、慌しく動き出すんだな」

いっさいの揺らぎを感じさせない、静かな声だった。
静かだが、聴くものの耳を突く鋭さを秘めていた。
冷たい光を宿した瞳を、モニタの一角へと向ける。
そこにはマラサイのパイロット、ファッツ=シュヴィールの姿が映っていた。
そのファッツの頬に刻まれた証が、この基地内で起こった出来事を何よりも雄弁に物語っていた。

「少し席を外しているうちに、えらく男前になったものだ」

瞳を細め、唇の端を僅かにあげて微笑むリトラ。
凍てついた眼差しを除けば、酷く穏やかな笑みだった。
26リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/23(日) 17:23:41 ID:???
「……この基地で別れる前のお前の眼差し、好きだったよ」

呟き、さらに言葉を紡ぐ。
それは、穏やかではあるが強固な意志を秘めた決別の言葉であった。

「あれは、間違いなく何かを決意した眼差しだった。
 お前は決意を直接語ってはくれなかったが、お前の過去を知った私には、
 それが何であるか漠然と察する事はできる。
 私はな、お前に協力してやるのも悪くはないかと思っていた。
 お前は、さっさと私の前から姿を消してしまったがな。

 ―――無理もない。牙を折られた私では、お前にとって轡を並べるに値しなかっただろうから。
 だから私は、自らの牙を取り戻すべく必死になったさ。
 そして、見ての通り、取り戻した。
 すぐにお前を追う事が出来なかったのは、あるいは我々にとって不幸だったのかもな。

 この戦場のボニー&クライドとして共に戦い抜き。
 最後に残った者が私とお前であったならば。
 その時、お前との間に雌雄を決するのに、私は一切の手心を加えるつもりなどはなかった。
 ―――それでもお前ならば、自らの願いを叶える為の手駒として、私をみごと利用しただろうな。
 お前には、それをやってのけるだけのしたたかさがある。

 そして、たとえ利用されたまま果てる事になったとしても。
 私にとっては、それはそれで満足のゆく生であっただろうさ。

 ―――全ては仮の話だ。もはや、泡沫にきえた」

砲撃用ではなく、中近距離における戦闘の切り札として、左の脇腹より砲口を覗かせるように取り付けた
ビームキャノンが、マラサイへと向けられる。
マラサイの傍らの、会食の会場となった格納庫内には、エドワードやジェンセンが居るかもしれない。
だが、それは最早どうでも良い事だ。
いや、巻き添えを受ける形となるエドワードは気の毒かもしれないが、ジェンセンはファッツの同盟者であり、
極めて敵に近い存在だといえる。何を、気に病む事があろうか。

「お前が、消した」

ビームキャノンの砲口より放たれた破壊の凶光がマラサイを襲う。
格納庫の外壁を融解―――いや、蒸発させながら。
沸き起こる炎の饗宴に身を潜め、リトラのディジェは再び戦場の肉食獣と化し、マラサイへと迫った。

紅蓮の炎は心地良い。
私の身を隠すヴェールとなり、私の闘争心を刺激する最高の糧となる。
―――獣は、炎と共に踊る。

【行動 :  通信継続中(0) ビームキャノンでマラサイに攻撃(-1)
       炎に身を潜めつつ、マラサイに踊りかからんと迫る(-1) 残2 】
【位置/場所 : D-13/基地・格納庫の傍ら 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、右肩機構露出 左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下
        左肩に焼け焦げた白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナ&タンクトップ&カーゴパンツ姿 凍てついた眼差し 】
【通信状況 : 13番・エドワード 15番・ファッツ 21番・ジェンセン 26番・ミヒャエル ホワイトアーク 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン(エネルギープール残量50パーセント) 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : “目標”の殲滅 】
27ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/10/23(日) 19:15:08 ID:issY6q1z
 響く爆音に、「私」は意識を取り戻した。
 おそらく眠りについているあいだに、私の体を操った奴がいるのだ。
 多重人格障害をきたしているこのジェンセン・スティールという存在
のなかで、私は比較的上位の人格であると自負している。
 上位人格である「私」は、下位人格である「俺」の行動、そしてその
思考をも知りうる立場にある。
 だが、その私をしてその行動を予期できぬ存在が、私の中に在るのだ。

 おそらくは、奴が何かをしでかしたに違いない。 

 見覚えがある。ここは、厨房の食料保管庫のひとつだ。

 ・・・・・・口がひどく血で穢れている。床に散らばっているのは、肉片と骨の欠片。
 天井から吊り下げられたフックに、吊り下げられているこの肉の塊は。
 おそらくは、人間。 

 ・・・・・・やはり「食人鬼」か。
 餓えては居たが、いま少しましなものを腹に詰め込みたかったのだがな。

 厨房の、まだ生きている冷凍庫に備え付けられたタイマーを見る。
 調理のとき、時間を計るために使ったものだ。
 この寒さで遺体は硬直し、そしておそらくは私自身の手で見るも
無残に破壊されつくしている。
 だが、調理を行なってから経過した時間、周囲の血痕、そして私の
肉体のダメージ・・・・・・どうもあごで直接骨を噛み千切るなどという
マネをしでかしたらしく、ひどくあごが痛いが、それだけだ・・・・・・
そして、この部屋の温度と、遺体の温度からして、おそらくは私が
手を下したものではなく、何者かが殺した遺体を、あの食人鬼めが
見つけ出し、ずたずたに引き裂いてしまったのだろう。

 だれがどう殺したのか。わからんが。
 困ったものだな。ああ。実に困ったものだ。
 せっかくのお膳立てが、すべて台無しになってしまったではないか。
 まったく・・・・・・世の中とは、ままならぬものだな。

 私は、私の中の一人が巻き起こした惨劇の場を去った。
 距離、方向からして、おそらくは・・・・・・格納庫で事態が発生している。
 ・・・・・・急がねばなるまい。私は足早に厨房を離れると、格納庫へと向かった。
【行動】何らかの行為(遺体の玩弄) ;−1
    基地内移動(厨房→格納庫);−1

【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・正常】
【パイロット状況:人格転換『私』】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数2)
   ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分)
     料理を載せたワゴン】



 
28ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/10/23(日) 19:44:17 ID:issY6q1z
 案の定、というべきか。格納庫は早くも炎に包まれつつあった。
 炎の中、蠢く巨大な黒い影は、MSか。
 煙と陽炎に阻まれて、その姿からそのMSが何者であるか、さぐる
ことはできない。
 
 火の周りが、思いのほか早い。
 体力維持も兼ね、つねにデイバッグを携帯しているのが幸いした。
 私は迷わずペットボトルを何本か取り出すと、中身を頭からかぶる。
デイバッグにも充分に水をかけた上で、私は炎渦巻く格納庫へと
走り出した。
 一直線。炎と煙が満ちゆく中、コンテナの陰を走り抜ければ
私一人の姿など、おそらくあのMSからは見て取ることはできないだろう。
 水に濡れた袖を口に当て、熱された大気と煙とを吸い込まぬように
してはいるが、やはりのどに焼け付くような感覚が走る。
 ひどく、熱い。

 私は駐機姿勢のハイザックに飛び乗ると、すばやくコクピットへと
もぐりこんだ。
 ジェネレータではなく、ジェネレータ起動用のバッテリーに残された
予備電力を用いてMSを待機モードへと移行する。
 何かが起これば、即座にこれでMSを起動し、迅速な回避行動を
とることが可能となる。むしろ、直接ジェネレータを起動するべきかも
しれんが。
 この状況だ。ジェネレータの駆動音など、聞かれる心配もなかろうが。
念には念を入れる必要がある。
 どうせ、ジェネレータなど即時起動できるのだから。
 さて・・・・・・想定していたのとはまったく違う状況が訪れつつあった。
 どうしたものかな。どうしたものか・・・・・・
 
 頬が引きつる。誰とも知らぬ人間の血の穢れが、乾いているのだ。
 ともかく、ここは見の一手に尽きる。
 状況がわからぬ以上、うかつに動くは愚策というもの・・・・・・

【行動】火炎防御・水をかぶる(−1)
    MS搭乗(−1)
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・正常】
【パイロット状況:人格転換『私』】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数2)
   ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】

29通常の名無しさんの3倍:2005/10/23(日) 19:59:19 ID:???
何このスレ、熱いけど意味わからん
30エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/10/23(日) 22:46:31 ID:???
 どうやらジェンセンとは入れ違いになったらしい。
もっとも、先に食事を始めてもいいらしいので、
私も後に続いて小皿に並べられた料理を盛り付け、口に含んだ。

 最初に感じたのはスパイスの辛味出なく、
ものを食べているという安堵感と幸福感。
辛味、旨味が遅れてやってくる。
飲み込めば腹が満ちていくのが実感できる。
向こうの提案を受けてよかったと心底実感した。

 だしぬけに響き渡った声に1人出て行き、
程なくもう1人も小皿を置いて何処かに行ってしまった。
辺りを見渡せば、がらんとした格納庫に1人っきりとなっていた。
しかし、小皿がそのままで置いてあることから、
すぐに戻ってくるだろうと深く考えることなく続行した。


 パンッ……

 突然耳にした音は、戦場で飽きるほど聞いた音。
火薬が燃える、銃声。
口の中に入れたばかりのスプーンをそのままにして音の方向に首を向ける。
リトラは外でMSに乗っているから除外すると、
ファッツかジェンセン、何人かいるらしいほかの参加者達の間で何かが在ったのだろう。
何がどうであれ穏やかでないことは確かだ。
食事もそろそろ潮時だろう。
かさ張るサラダを口に押し込み数度咀嚼、
潰して隙間を無くすと小皿に盛り付けてあったカレーやらペペロンチーノやらを口に流し込む。
頬をぱんぱんに膨らませて、品性も何もあったもんではないが致し方ないだろう。
ファッツが戻ってきたのはこのときだったが、
船を捨てるネズミよろしくさっさとMSに乗って出て行ってしまった。
いよいよこの茶番も終わり、このゲームにおいて正しい状態に戻るみたいだ。
何回かに分けて頬の中の物を飲み下すと、
僅かに皿に残っていた物をかき込み、
殺伐とし始めた空気をひしひしと感じながら格納庫を出た。
31エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/10/23(日) 22:49:38 ID:???
 激しい爆発音と共に大小さまざまな破片が背中や後頭部を叩き、
脇を駆け抜けた熱風が微かに私の身体を持ち上げバランスを失わせる。
したたかに床に打ち付けた身体を起こし後ろを見れば、
粉塵が漂う廊下の向こうで赤い火の手が上がっていた。
自分の手で、自らの身体をべたべたと触るが、運良く異常が見当たらない。
そのことを神に感謝したくなったが、生憎祈っている時間はなかった。
身を翻すと、無防備なまま外に駐機してあるボリノーク・サマーンへ向けて駆け出した。
さんざん歩き回ったおかげか、外にはすぐに出れた。
駆け寄りながら自機を見上げる。
食事に遅れる原因を作った野外駐機が功を奏したのか、
機体には新たに付けられたらしい損傷は見当たらずそこに存在していた。
悪運にだけには恵まれている自分に軽く笑いながら乗り込むと、機体を起動させさた。

 レーダーを確認し、辺りをうかがう。
どうやら下手に動くのはかなりという修飾がされるほど危険なようだ。
機をしゃがませると、建築物の影に身を潜めた。


【行動:食事(1)、移動(1)、機動(1)】
【残り:1】
【位置:D−13(基地)】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂】
【パイロット状況:特に問題なし】
【通信状況:6番(継続)、15番(継続)、21番(継続)】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0),ビームトマホーク】
【所持品:布、綿、糸、裁縫道具、色鉛筆、型紙、人形
        水1L弱、MS整備の本】
【方針:生き残る】
32ミヒャエル ◆wDvbiOAaYk :2005/10/23(日) 23:47:20 ID:???
『いらんっ!それくらいは持っていろ!』
「そう?」

 くいと顎を上げて機体を見上げ、それじゃ、と手を下げる。
 歩き始めたその頭上に鳴り響く定期放送も、何時もの事だ。
 だから、それを気にする事なんか、無かったのだ、普段は。

『ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ。状況が変わった。
 まともに戦える状態にあるとは思えないお前は、一刻も早くここから離れた方がいい。
 これは、私の最後の忠告だ』

 突然の言葉。事態の急変。
 僕が何かしただろうか、ふとそう考えもした、が、違う。
 先程の定期放送が頭をよぎった。
 いけない。本当に、タイミングが悪かった。
 誰かが死んだ。それが、彼女にとって何らかの意味を持っていた。

「……どうなってるんだ」

 ぽつりと言葉にし、コックピットへと足を運ぶ。
 機体を叩き起こす。モノアイが光った。膝を立てる。背筋が伸びた。

「目覚ましでも鳴ったみたいに……こうも!」

 起き上がらせた目が、ぴたりと止まる。

「セイバーフィッシュに、彼女のディジェ。
 それに……マラサイ!?」

 彼は未だ、ハイザックとボリノーク・サマーンに気付いてはいなかった。
 だが、マラサイだ。そう、マラサイだ。忘れてはいない。
 好きにやられて、黙っていられる性分ではない。それがミヒャエルという人物だ。
 だが、耐えなければならない。
 己が存在の薄さを、享受せずして、どうするのか。

「殺すな。殺すな。殺すな」

 目元を押さえて呟く。
 此処に来た意味を見出せ、逃げるな、戦え。
 現実は迫っている。己のプライドに固執するな。
 薬は忘れろ、イライラなんて信じるな。
 色を見ろ、見極めろ! 放って置いても、混乱はやってくる。
 混乱の色を見落とすな、避けるのでもない。

 受けて、逃げるな。
33ミヒャエル ◆wDvbiOAaYk :2005/10/23(日) 23:48:43 ID:???
【行動:機体再起動(−1)】
【残り :3P】
【位置:D13】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ちょっと躁】
【通信状況:リトラ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:腕時計、拳銃(10発)、基地の地図、周辺の詳細な地図(フォルダ)】
【方針:薬!、逃げない、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
34アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/10/24(月) 00:00:25 ID:???

「やれやれ、行ったか……」

あの二人は北へ向かった。
しばらくは顔を合わせることもないだろう。
もしもその間に……と、これは余計か。

エビル・Sはようやく目的地の基地に入る。
隣のエリアには11番と14番の反応があるが、アルマは
向こうから接触してこない限りは放置しても害はないと見た。
接触の機会が二度ほどあったにもかかわらず、いずれも素通りしたのだから、
積極的な接触を好むタイプではないと見えるし、
仮に罠を張って待ち伏せているにしても、
向こうのテリトリーに入らなければ掛かっては来ない。
こちらから接触する理由はどこにもない。
戦闘にでもなったら、今のエビル・Sで二機も相手にするのは自殺行為だ。

手頃な格納庫を見つけ、機体を収容させると、彼女はドリンクを片手にエビル・Sのチェックに取り掛かった。
この華奢な機体は想像以上によく働いてくれた。
砂地を進み、そこでの戦闘を潜り抜け、雨に打たれ、その後も再び戦闘を切り抜けた。
メンテナンスなしでそれほどのことをやってのければ、当然各所にガタがくる。
残った兵装はオール・グリーン。 しかし、関節部はあちこち動きが悪くなっているようだ。
戦えないわけではないが、厳しい。

「ふむ……どうするかな」

整備用ハッチを開いてあちこち覗き込み、考え込んでいた彼女は、
少し面白くないもの――考えようによっては面白いもの――を発見してしまった。

(おやおや、これはこれは……なかなかどうして。
 連中もいやに几帳面なことだ)

使いようは……まあ、あるにはあるか。
何より隣のエリアには他の参加者がいるのだから、
調子の悪いところを丁寧にメンテナンスするわけにもいかない。
ならば。

取り敢えずの方針を固めると、彼女は格納庫の中を物色しに向かった。

【行動:W-12→W-14(-2)、入庫(-1)、チェック(-1)】
【位置:W-14/軍事施設】
【残り行動値:0p】
【機体状況:Green/通信回線:νガンダム】
【武装:ビームサーベル、内蔵ヘビーマシンガン(50)、ビームライフル、
     偵察ポッド、Iフィールド、コンテナ(νガンダム)】
【生徒状態:Green?】
【所持品:デイパック、コッペパン、水2gx1.5、栄養ドリンクx6、ノートPC、食糧、生活雑貨、
      ベレッタ(16/15)、弾薬ケース、マント、バニーセット、ルージュ、携帯端末】
【行動方針:…………】
35ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/10/24(月) 14:52:14 ID:???
>>25-26
まずはリトラのその行為に純粋に腹が立った。
確かに手を先に出したのはファッツであり、殺した今でも罪悪感は無い。
だがしかし、すぐに彼を疑うというのは如何なものだろう。
頬の傷が決定的証拠ではある、急いでマラサイを起動させた事も判断材料となる。
しかし、少しは考えてほしい。
あのロイドは、ファッツに対して強烈な悪意を抱いていた。
休戦協定を破ってまで、ファッツがロイドを殺したのは遠からず確実に彼が己に武器を向けるとわかっていたからだ。
もしファッツが何の考えも無しに殺戮をしているだけなのならば、
エドワードと二人きりになった、あの瞬間にエドワードを殺していたはずだ。
詭弁かもしれないが、ファッツはロイドが己に強烈な悪意を抱いていなければ殺すつもりは無かった、という点を考慮していただきたい。
しかしながら、ロイドを殺害した事は事実であり、リトラの怒りは理解できる。
理解は出来るが、納得は出来ない。

「ライオンは群れで行動するみたいだけど、豹ってのはどうなのかな………」

己を女豹と例える彼女の事を少しばかり考えながら、まずは眼前に迫るビームキャノンの対処だ。
怒りと冷静さを兼ねそろえた女豹は、どうやら他の連中の事を考えていないらしい。
己の目的を達成する為なら何をしでかしても構わないというその精神に、ファッツは単純に共感した。
ビームキャノンの一撃を、軽いステップで回避する。
向けられてすぐの射撃なら危なかったかもしれないが、数秒の間があった。
それだけあれば回避運動に全神経を注ぐ事も可能であった。
36ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/10/24(月) 14:52:58 ID:???
後方で大きな爆音と爆風が響き、続けて火が上った。
マラサイは体勢を立て直しながら、ディジェとの距離を離す。
開けた地にいないところを見ると、恐らくディジェはあの炎の中に身を潜めているはず。
別にそんなのに付き合ってやる道理は無い。
今までのリトラの戦闘を見る限り、彼女は接近戦を好むようだ。
なら、接近戦を挑むのは不利。
というよりも、戦うつもりさえ無い。
そう思って基地に表を向けつつ、ゆっくりと後退していった時に………
レーダーの一部が光点を捉えた。

セイバーフィッシュが、動き始めた。
無論、普通ならばここでセイバーフィッシュが出てきたところで逃げの一手を変えはしないだろう。
ファッツにしても、方針は変わらず基地から逃げ出す事だ。

だが、問題はこの基地に現在いるMSの数と………敵意を向けてくる相手の数。
セイバーフィッシュが動き始めた瞬間、ファッツの脳裏にあの悪夢が蘇った。

「は………ぁっ!」

息遣いが荒くなり、目が霞み始めた。
手が震える、足が言う事を聞かない、全身が思い通りにならない。
幼き日に彼の心を深く傷つけたトラウマは、そう簡単に消え去りはしない。

「ぁぁああああああああ!」

ビームピストルを炎の中へと乱射する。
しかし、全て当たるはずが無い。
視界でもレーダーでも確認する事の出来ないディジェを、どうして正確に撃つ事が出来ようか。
加えて、今の震える手と心では………その天賦の才も発揮出来ない。
まるでMSに乗りたての新兵か、或いはそれ以下の操縦技術だ。

「ふ………ぅぅっ!」

全てを撃ちつくし、EN切れとなっているビームピストルにも気づかず、
マラサイは後退しながらも無駄にトリガーを引き続ける。
基地に立ち込める真紅の炎。
それはあの日、少年が見た悪夢の色となんら変わりなく青年の目に映った。

【行動 :通信継続(-0P) 回避運動(-1P)
     炎の中にビームピストルを乱射しながら後退(E-13方面)(-1P) 残り2P】
【位置 :D-13】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :恐怖心 左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 頬に切り傷】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 0%)】
【通信状況:リトラに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:逃げる】
【最終行動方針:逃げる】
37レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/10/24(月) 21:49:57 ID:???
どれだけの時間が過ぎ去っただろうか。
気付けばテオドールの駆るガンダムは、タイヤと共に遥か北へと走り去っていた。
慌てて追いかけるレベッカとベルガ・ギロス。
荒地を駆ける機体の中、脚部から伝わってくる振動がコックピットを揺さぶらないのは流石未来の高級機と言ったところか。
けれども、レベッカ・テスタロッサの心は今や大きく揺さぶられ、千々に乱れようとすらしていた。

もう長くない。
多分自分は治らない。
だから、お前は生きろ――

レベッカがテオドールと名付けた青年は、怒りすら混じった彼女の問いにそう答えを返してきた。
まるで自分と同じ境遇。
その身を侵すのが不治の病か、実験台にされた後遺症かの違いしか其処には無く。
ならば何故。

(どうしてボクらはこんなにも違うんだ……)

生きる為に、只一つの約束の為だけに他人の命を犠牲にする事も厭わないと、そう決めたレベッカ。
その彼女の為に、残り少ない命を捧げようとする青年、彼女が付けた名前はテオドール。
青年の自己犠牲の精神は、彼女にとって余りに眩し過ぎた。
その姿が、かつてシャトル事故で宇宙に投げ出された自分を救おうと己が身を犠牲にした、一人の青年を思い出させて――

「ボクの価値はボクだけが認めれば良い。
 なのに、どうして……どうしてキミ達は、ボクに……ッ!」
38レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/10/24(月) 21:52:24 ID:???
冷酷たらんとする彼女にとって、そのような想いは正に13番目の魔女でしかない。
ぎしり、と軋んだのは噛み締めた歯か、それとも彼女の心か。
レバーを握りこんだ両手の骨が上げる悲鳴をすら少女の叫びは掻き消せず。
最早それは叫びというより、声にすらならぬ熱と悲嘆の込められた吐息でしかない。
耳にする者は傍に居らず、仮令誰かが其処に居たとしても言葉として耳に届いたかどうか――

戦いに臨む者の抱える想い。
様々な色彩を放つ其れの、何と眩しく何と重い事か。
改めて痛感するレベッカの脳裏に、不意に銀色の煌きが浮び瞬いた。
リトラ・クロームなら。
先に刃を交えた折、レベッカの心に舌鋒鋭く言葉の刃を突き立てたあの戦士ならば。
このような想いを向けられる事に果たしてどんな応え方をするのだろうか。

*  *  *  *  *

そうした煩悶を抱えながら進むレベッカの耳に、通信機から耳慣れた定期放送の声が聞こえてきたのは、丁度荒野から山地へと入った時だった。
ロイド・エンデバー。
聞き覚えのあるその名前は、奇しくも今しがた脳裏に浮かべたリトラ・クロームと、恐らくは共闘していたであろう人物のものだ。
仲間割れか、それともあの場に居なかった他の参加者によって殺されたのか。
死の理由にさして興味は湧かず、重要なのは生存者の数がまた一つ減ったという事だけ。
殺すべき相手がまた一人減った、ただそれだけ。

そう考える事にした。
39レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/10/24(月) 21:53:31 ID:???
【行動:W-09→X-09→X-08→Y-08→Y-07(-4)】
【位置:Y-07(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)、「どうしたらいいんだ」】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:サマーセーター+ジーンズ、上記のロングコート、白手袋】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい】
【同盟:No.25「テオドール」】
40リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/24(月) 22:30:12 ID:???
荒れ狂う炎が、かつてロイドだった“もの”を焼き清めてゆく。
リトラにはその事態を確認する術はないが、彼女の放った一撃が結果としてそのような事態を招いた事は、
意図せぬ偶然とはいえロイドの霊を僅かでも慰める事となったやも知れなかった。

だが、当のリトラにとってすでに死した者はその意中にはない。
女豹の頭にあるのは、ただ目標と定めたファッツ=シュヴィールを追い立て殲滅する事のみだった。
もっとも、戦場全体の動きを掴む事が疎かになる事はない。
格納庫より飛び立つセイバーフィッシュも、破壊の狂宴より逃れたエドワードのボリノーク・サマーンが
起動した事も、ミヒャエルが再び機体を起動させた事も、把握していた。
唯一、炎の中で息を潜めるジェンセンの動きについては、掴む事は叶わなかったが。

>>35-36
炎と共に迫り来る獣より逃れたマラサイは、距離を取ると共に手にしたビームガンより幾筋ものビームを
炎の中へと一心不乱に撃ち込み続けた。
マトモに狙いもつけぬ乱射ではあったが、それ故に運悪く被弾する可能性は皆無ではない。
だが、炎の内に、リトラはその身を長くは置かなかった。
ファッツが早々に離脱するとみるや、リトラは彼と逆方向へと急行したのだ。
数発が近距離に着弾し、周囲の建造物や地のアスファルトを吹き飛ばしはしたが、被弾はない。

炎の壁を越え、リトラが到達した場所には、すでにその命を終えたZプラスが地に伏していた。
その傍らに転がる、ロイドが探してきたという巨大なビームライフルを駆ける勢いのまま掴みあげ、
リトラは踵を返して愛機を跳躍させる。
増加した重量にスラスターが悲鳴をあげるが、構わず出力をあげた。
さすがアムロ=レイがシートに身を預けた機体だけに、ここ一番の地力はあるらしい。
みごと大空に舞ったディジェは、そのモノ・アイでもって遠方の一機の赤いMSを見下ろしていた。

上空で巨大なビームライフル、「ハイ・メガランチャー」を右腕に構えさせ、
左腕のクローアームに砲身を乗せるようにして支えながら、眼下のマラサイに照準を向ける。
―――Eパックの残量はおよそ二発分。
これを撃ちきるまでは、機体のジェネレーターにさほど負荷はかからない。
このディジェでも、充分にドライブさせる事が可能だろう。

レーダーに映るひとつの光点に一瞬だけ目を向ける。
もはやジンペイは友軍ではなかったが、その動きは最大限に利用させてもらうつもりだ。
無論、ジンペイの方にもその意図があるだろう。

―――何はともあれ、先ずはこのエリアから逃れようとしているファッツの脚をとめる。

ファッツの進路上に向けられたハイ・メガランチャーが火を噴いた。
禍々しく輝く破壊の粒子の奔流が、マラサイの眼前を撃つ。

間髪いれずスラスターを吹かして急降下し、ファッツの追撃にうつる。

陽光に照らされ、左腕のクローアームが冷たく輝いた。
まるで、女豹の殺意を体現するかのように。

リトラを突き動かす冷たくも激しい怒りは、果たしてファッツ=シュヴィールのみに向けられたものなのか。
―――そうではない。
自らの判断の誤りと油断がこのような事態を招いた事が、何よりも許せなかった。
リトラ=クロームはそんな不甲斐ない自分を、今度こそ完璧に殺し尽くすつもりでいた。
その為には、ファッツ=シュヴィールは是が非でも殺さねばならなかった。

ロイドを殺されてもなお、リトラの凍てついた心の奥底には、いまだファッツを慕う感情があった。

―――彼の生命と共に、それを抹殺せねばならなかった。
41リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/24(月) 22:32:59 ID:???
【行動 :  通信継続中(0) ビームガンの乱射をやり過ごし(-1)
       Zプラスの傍らのハイメガランチャーを拾う(-1)
       跳躍し、ハイメガランチャーでファッツの進路上に攻撃(-1) 追撃にうつる(-1) 残0 】
【位置/場所 : D-13/基地・上空 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、右肩機構露出 左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下
        左肩に焼け焦げた白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナ&タンクトップ&カーゴパンツ姿 凍てついた眼差し 】
【通信状況 : 13番・エドワード 15番・ファッツ 21番・ジェンセン(通信は届かぬ状態) 26番・ミヒャエル
        ホワイトアーク 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン(エネルギープール残量50パーセント) ハイメガランチャー(Eパック残量1発ぶん) 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : “目標”の殲滅 】
42『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/10/24(月) 23:46:19 ID:???

後ろを振り返り、少女を待つかどうか逡巡した彼だったが――ふと、気づく。
そういえば、自分たちは距離関係なしに通話できるのだった。

タイヤをなおも進めながら、コンテナから手に入れたアイテムを手にする。
特殊な、トランシーバー。
片方が声を出している間は、もう片方は聞くしかできないという不便さはあるが。
それでもこれは、2人の絆。

岬の突端から、橋を渡る。
橋の真ん中で――1度止まる。
橋の向こう側の小島にある軍事基地、しかしその入り口のエリアは立ち入り禁止だ。
残された基地施設も、2箇所に分断される格好になっている。
青年は、周囲の地形を念入りに観察する。
X-02、マップ上は海となっているところに……なんとか足場にできそうな浅瀬がある。
ここを踏んで移動すれば、W-03の禁止区域を避けW-02の基地に入れるだろう。
彼はタイヤを跳躍させ、「その浅瀬」に着地する。
……着地して、彼は足場を探して良かったと感じる。彼自身のためにも。
どうやら――荷物の積みすぎで、このタイヤも海上を満足には走れないようだ。
半ば沈んで、タイヤの上のクロスボーン・ガンダムの足元にまで、波が届く。

彼は基地の方に再度跳ぶ前に、トランシーバーを取り出す。

「レベカ? ……X-02、アサセ。W-02、イケル。
 チュウイ、キンシクイキ。オーヴァー」

それは、純粋な心配。
彼女が何に思い悩み、苦しんでいるのかも気づかぬ――鈍感な、優しさ。


【行動:移動(Y-04→Y-03→X-03→X-02)(過積載状態につきSFSボーナスなし)(−3p)】
    特殊トランシーバーで10番レベッカに通信(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:X-02(海上)】
【人物状況:頭頂部に傷。左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ姿。
      強化人間としてのマインドコントロール崩壊。10番レベッカに明らかに好意】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2(ただし左側弾切れ、右側弾詰まり)、肩部マシンキャノン×2(未試射)
    右腕部Iフィールド発生装置×1、ビームサーベル×3(専用/Z+/ZZのハイパービームサーベル)
    ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、防水布のマント、ガドリングシールド(右腕装備)、
    メガガドリングガン(左腰アンカーを利用し背部に担ぐ)、半壊したプチモビ(両足破損)
    アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損、過積載状態)】
【所持品:無貌の面(着用せず)、エプロン、『サバイバルの手引き』(数ページ損傷)、日本刀
     サンドウィッチ入りのタッパー(1食分)、ペットボトル入り紅茶(900ml一本)、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復 レベッカドコー?】 
【同盟:10番レベッカ】
43管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/10/25(火) 00:04:23 ID:???
>42時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
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 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎┛□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎彡◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎10△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎┃□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━┛◎彡□┃△◎○  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━┓□◎彡□△□┏┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━〓▼▼▼┛□□彡彡◎1117□△◎  ★:基地
 15◎◎△◎∴□◎□┃□□彡◎▼□□彡◎◎□□★≡◎□△  U:灯台
 16△△∴∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18△△◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U23◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃□◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼16━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃□□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○○

06と07と13と15と21と26は同一地点【D-13】
11と14は同一地点【V-14】

コンテナAの位置
『C-21』 『F-13』 『L-18』 『O-18』
上記の全4箇所
(C-21は16と O-18は23と同一地点の為、地図上表記無し)
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
44ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/10/25(火) 07:42:01 ID:???
発進完了
危険:不良箇所を発見しました、帰還してください
垂直尾翼より異常を感知しました
舵不良
索敵レーダー不良
機体維持……やや不安定、概ね“可”
推進力……やや不足、概ね“可”
推進器(右)……磨耗しています、注意して下さい
推進器(左)……磨耗気味です、注意が必要です
残燃料……危険数値
飛行可能時間……不明、エラーが出ました
飛行可能距離……不明、エラーが出ました
戦闘可能時間……0min
欠陥が見つかりました(エラー0012)帰還してください
欠陥が見つかりました(エラー0025)帰還してください
欠陥が…////////

コンソールに表示された、それらの情報。
簡略化されたそれらでさえ、異常の報告は数画面に及ぶもので有った。
軽く目だけ通すとそれらの画面を消去し、いつも見ている情報画面に切り替えた。
続いて耳に障るアラートも切ってしまう。

コックピットに響くのは、轟々と吹きすさぶ風の音のみ。
前の戦いで破損したキャノピーから、容赦無く暴風が吹き込んでいるのだ。
風圧を体全体で感じるが、顔はメットで守られているので問題は無い。

さて、マラサイの出現により何も考えずに発進したが、次の行動は……と
その時、地上でビームキャノンの光が瞬いた。
地形物が薙ぎ払われ、其処此処で火の手が揚がり始める。
上に揚がったのは、一先ず正解だったようだ。
今の攻撃はディジェ、リトラ機によるものらしい。
その射線の先には、朱色をしたMS……マラサイだった。
他にガズアル、これは確認済み。どう動くか解らないが、優先度は低いと見る。
ボリノーク・サマーン、あいつか……数度目の顔合わせだが、特にアクションは無い。
状況を考えて、今回も今までのように行くと良いのだが……。
そして、ハイザックも居るはずなのだが、反応は未だに出ていない。
ついでに言えば、エドワード機の反応も消えてしまった。
索敵レーダー破損の影響が、モロに出たという訳か。

最早、他の参加者との繋がり等、無きに等しくなった感が有る。
だが、リトラとミヒャエルの両名は、害は無いと信じたい。
ジェンセン、エドワードの二名は、状況によってどうなるか解らない。
残る一人は……そうか、今、ようやく気付いた。
名簿に乗っていない機体、マラサイの搭乗者はファッツだったのか。

セイバーフィッシュを旋回させ、マラサイの上空を抑える。
もし攻撃の余地が有るならば、自由落下による一撃だけだろう。
だが、その前に聞きたい事が、そして知りたいことがあった。
45ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/10/25(火) 07:43:03 ID:???
「……聞こえるか。
 俺はジンペイ=カザマキ。貴様は―――」

其処で、一旦言葉に詰まる。
その間にも、リトラの射撃が打ち込まれる。
彼女と連携する気は無いが、攻撃に移るならこれは大きなチャンスだ。
……だが、攻撃には移れず、少しかすれた声でマラサイの主に問うのだった。

「……何故、キサ……いや、貴方が此処に……。
 間違いない、ファッツ=シュヴィール……!
 何故……貴方程の方が、そんな表情を……!!
 やはり、本当に貴方が、殺したのですか!?ロイドを……。」

通信機に映る、ファッツの顔。
怯えるようなその顔には些か戸惑ったが、確かに見覚えが有った。
遠い遠い昔、拙い志を背負っていた青年の瞳に焼きついたその人。
最早、風化してしまったとさえ思われたその人影が今、鮮明に蘇りつつあった。

【行動 :  上空確保-1 ファッツ通信-1 残2 】
【位置/場所 : D-13/基地・上空 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠気味】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み、足から出血)
          少し貧血気味 右腕の不自由  服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残50%) 60mm機関砲×1(残11発)
       両用ロケット弾×2 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×5食分  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 : マスマスワカンネ 機体の補修 】
【同盟 : ドウナッタノカシラネ 】
46ファッツ@代理:2005/10/25(火) 18:42:23 ID:???
>>40
「はっ………ははっ………」

最早使い物にならないビームピストルを構え、マラサイは後退する。
奇妙な泣き笑いの表情のまま、後退をする。
目の前の炎を見た瞬間に、ファッツの脳裏にあの悪夢が過ぎってから、
あの日の少年の心と、現在生きている青年の心は混ざり合ったのだ。

自分は過去に戻ってやり直す 目の前の炎が怖い
その為に必ず生き残る    目の前の敵が怖い
リトラが好きだ       僕を苛めるMSが嫌いだ

あらゆる感情が渦巻き、ファッツの精神を蝕む。
怖い、恐ろしい、逃げたい、一刻も早く立ち去りたい、嫌いだ、大嫌いだ、
理不尽だ、撃つな、近寄るな、来るな、死にたくない、絶対に死にたくない。

「死にたくない………!!」

>>44-45
かつて天才と、戦場でエースと呼ばれた腕とは呼べない無様な姿。
そんな姿のエースに、かつて共に修錬をした事のある戦闘機乗りから通信が入った。

「……聞こえるか。
 俺はジンペイ=カザマキ。貴様は―――」

通信の途中で、遠くから光が迫ってきた。
眼前に迫るハイ・メガランチャーをオーバーな体勢で避ける。
隙だらけ、余りにも無駄な動き、素人以下の操縦技術。
その隙故に、ファッツはオーバーな回避運動をしたマラサイを制御出来ず………
無防備に、ただ、地面にこけた。

「あぁっ!」

大きな衝撃がコックピットを揺さぶり、頭をどこかにぶつける。
その間にも大好きで大嫌いな人の乗るディジェはマラサイに接近し、
上空をセイバーフィッシュが舞う。
万事休すだ。
47ファッツ@代理:2005/10/25(火) 18:44:10 ID:???
腫れた頭を抑えながらマラサイを立ち上がらせる………
が、駄目。簡単な動作も、何一つ出来ない状態。

「……何故、キサ……いや、貴方が此処に……。
 間違いない、ファッツ=シュヴィール……!
 何故……貴方程の方が、そんな表情を……!!
 やはり、本当に貴方が、殺したのですか!?ロイドを……。」

僕を知っている?
いや、僕も彼を知っている、名簿で見た名前だ。ジンペイ=カザマキ。
でも………彼はそれ以上に僕を知っている様子だ。
ジンペイ=カザマキ………ヘルメットで少しばかり見にくい顔。
確かに、どこかで会った事もあるような気もする。

ジンペイにとっては十数年前の出来事だろうが、
ファッツにとってはつい数年前の出来事だ。
どこかで見たような気がするのも当然の事だが、完全には覚えていない。
いったいどこで会ったのか、いつ会ったのか………
思い出せずにもやもやした気分だったが、今はそんな事を考え込んでいる暇はない。

「殺したよ!だって………死にたくないじゃないか!」

通信に答えながら、マラサイを立ち上がらせる。
………が、やはり駄目。

「なんだよ、あんたらは………ずるいぞ畜生!
 殺さなかったらあの時死んでて、殺したら今死ぬなんて………
 どっち選んでも僕、殺されるんじゃないか!」

正確にはあの時ではなく、遠くない未来。
ファッツがあの時、ロイドを殺していなかったら………
遠からず、ロイドはファッツの敵となって現れただろう。
それほどの悪意を、敵意をむき出しにしていたから、殺した。

「誰だよアンタ!?畜生………!
 僕を知ってるって………誰なんだよ!?」

泣き腫らした瞼が重い。
それでも瞳に一杯の涙を溜めて。

「畜生………!絶対生き残るんだ!
 僕は………生き残って………!」

そう言ってマラサイを立ち上がらせる。
………が、駄目。
48ファッツ@代理:2005/10/25(火) 18:45:55 ID:???
【行動 :通信継続(-0P) ジンペイに通信(-1P) 回避運動(-1P)
     マラサイを立ち上がらせようとする(-1P) 残り1P】
【位置 :D-13】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :恐怖心 左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 頬に切り傷】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 0%)】
【通信状況:リトラ・ジンペイに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:逃げる】
【最終行動方針:逃げる】
49アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/10/25(火) 21:27:19 ID:???
V-14に戻ってきた頃には、すっかり1日が終わろうとしていた。
そして1日駆けて集めた物は、それなりに価値のある物だった。
特に、ゲルググの装備を充実させる事が出来そうなのは何よりだ。
もとからある狙撃用らしいビームライフルに加えて、近・中距離で有効そうなビーム
ショットライフル。
更にビーム砲が備え付けられたシールド。
ゲルググの左手が直れば、という条件付きだけど、これなら上手く使えればかなり戦
闘をこなせるかもしれない。
デッキに向いながらこれからの事を考える。

ロイド=エンデバーの脱落。
夜の定期放送で伝えられたその情報は、プログラムが順調に進んでいる事を嫌と言う
程教えてくれる。
ロイド=エンデバーとは面識はない。
名簿を見ても、分かるのは性別と搭乗していた機体くらいなものだ。
…でも、もし出会う事ができたなら、もしかしたら仲間になれたかもしれない。
そう考えると、面識のない生徒の死ですら俺の心を締めつけた。

とにかくデッキに戻った。
中ではニースがゲルググに貼り付いて、修復作業を続けている。
ある程度行程は進んでいるらしく、よくもまあ1人でここまで出来たものだと思う。
感嘆の溜息をつきながら、外部マイクのスイッチを入れた。
「ただいまニース。
 結構いい武器を拾ってきたから、ニースも頑張って修理をしてくれよ」
そこまで言った時、アルマ=フローライトのエビル・Sが基地に移動してくるのに気
づいた。
それをレーダーで確認しながら言葉を続ける。
「俺も手伝いたいところだけど、新しい生徒のMSが基地内に進入してきてる。
 奇襲の危険も考えられるから、俺は外で監視をしていようと思う。
 ニースは、そっちは気にしないで修理を進めてくれ」

外部マイクを切ると持ってきたゲルググ用の武器を置き、俺はシャッコーをデッキの
外に出した。
エビル・Sはついさっき俺が通ってきた、W-14に留まっている。
今の所は動く気配はないけど、当然油断は禁物だ。

【行動:デッキに入る(−1)外部マイクで話す(−1)武器を置く(−1)デッキか
    ら出る(−1)】
【残り:0】
【位置:V-14(基地内)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、コッペパン1個、保存食41/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、
    マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:エビル・Sの監視】
【同盟:ニース】
50『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/10/25(火) 22:07:59 ID:???

青年は少女に通信を送ると、自身は再びタイヤを走らせる。
なんだかんだ言って……青年はある意味、能天気に少女を信頼している。
彼女の心の強さも、戦闘力も。
それでも困難な敵に遭遇すれば、おそらくトランシーバーで呼んでくれるだろうし。

そんなわけで彼は、遅れている少女をあまり気にすることなく、自分の仕事を始める。
まずは基地に入り込み、MSの整備ができそうな場所を探す。
それは……すぐに見つかった。タイヤを外に停め、ガンダムを降りさせる。
整備ドックに、タイヤに乗せていた大量の荷物を何回かに分けて運び込む。
大振りなメガガドリングガン、グフカスタムのガドリングシールド、2本の余計なビームサーベル。
両足を失ったプチモビの残骸。
機体を覆う防水布のマントも外し、メガガドリングガンに絡んだ鎖も外す。

青年はそれらを格納庫に並べ、考え込む。
このうちいくつかは、少女が望めばプレゼントしても良い。
ひょっとしたら、少女が見つけたアイテムの中には、こちらが持った方が良いものもあるかもしれない。
その辺は、彼女が到着したら相談すれば良い。

ひとまず青年は愛機を整備用ベッドに設置し、簡単なところから取り掛かることにした。
頭部装甲を手際よく外し……頭部のバルカン砲を露出させる。
左側のバルカン、弾詰まりを起こしていた部分をチェックする。
……なるほど、これなら不発弾を取り除くだけで解決だ。


【行動:移動(X-02→W-02)(過積載状態につきSFSボーナスなし)(−1p)】
    基地施設探索(整備用施設捜索)(−1p)、荷物運び込み(−1p)
    頭部バルカンの弾詰まり解決(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:頭頂部に傷。左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ姿。
      強化人間としてのマインドコントロール崩壊。10番レベッカに明らかに好意】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2(ただし左側弾切れ)、肩部マシンキャノン×2(未試射)
    右腕部Iフィールド発生装置×1、ビームサーベル×1(専用)
    ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、(右腕装備)】
【武装(非装備):ビームサーベル×2(Z+/ZZのハイパービームサーベル)、防水布のマント
    メガガドリングガン、半壊したプチモビ(両足破損)、ガドリングシールド
    アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面(着用せず)、エプロン、『サバイバルの手引き』(数ページ損傷)、日本刀
     サンドウィッチ入りのタッパー(1食分)、ペットボトル入り紅茶(900ml一本)、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復 レベッカマダー?】 
【同盟:10番レベッカ】
51ミヒャエル=L・H ◆wDvbiOAaYk :2005/10/26(水) 00:59:53 ID:???
(私はどうすれば良い……)

 重い息を吐いて、見上げる。
 既に大勢は決していた。
 マラサイは死に体で倒れ、リトラと、セイバーフィッシュが辺りを囲む。

 ただ、この状況でも出来る事が一つ。

「もう、良いだろ!」

 ただ、それは、流れを読めて居なかった事も確か。

 MSを走らせ、マラサイの前に立たせた。
 もう左しか残っていない、その腕を広げて。

 吐き気もする。頭痛もする。
 だが問題は、それだけじゃ無い。
 心臓が激しく波打つ。自分自身に自信が無い。
 自分の”キャラ”じゃない。

 人を助ける事も、庇うことも、慣れていない。
 本当は、どうしたら良いのか解らなかった。
 何が助ける事で、何が庇う事になるのかも。
 解らなかった。何も解らなかった。

 ただ、ただ、単純な方法しか、考えられなかった。


【行動:マラサイの前へ移動(−1)】
【残り :3P】
【位置:D13】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ちょっと躁】
【通信状況:リトラ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:腕時計、拳銃(10発)、基地の地図、周辺の詳細な地図(フォルダ)】
【方針:薬!、逃げない、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
52ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/10/26(水) 20:07:10 ID:???
『畜生………!絶対生き残るんだ!
 僕は………生き残って………!』

ファッツの、その顔は泣き顔だった。
彼は言った。死にたくない、生き残る。と。
その思いは、この狂ったゲームに投げ込まれた殆どの人間の願いだろう。
そう、ロイドもククルも、目の前のファッツも……ああ、キリトはどうだったか知らないが……。
結局、俺は皆が抱いた同じ思惑の中からロイドを選んだ。
只、それだけなのだ。

しかし、それは既に自分の中で『それだけ』の一言で済まされない程大きく膨れ上がっていた。
あいつは不器用な奴だった。
何故か大人を妙に毛嫌いして、妙な殺気すら漂わせていた。
戦いで傷ついた俺を、何故あのまま堕とさなかったのか不思議な程だった。
しかし、巻き寿司を頬張ったあの表情。
人の愛機をジロジロと見ていた後の、あの気恥ずかしそうな顔。
そして、クルルと対面した時のあの笑顔……。

必死に立ち上がろうとして、それも叶わぬ紅いMS。
彼は、自分の事を知らないと言った。
そうだ、考えてみれば勝者だった彼が敗者を、それも只の訓練の出来事をどうして覚えていよう?
……忘れ去られたのならば、わざわざ名乗ることは無い。
なら、それまでの関係だったのだ。
……そう、結局……そんな物なのだ………。

倒れたMS等、地表に設置された的に過ぎぬ。
腹部にロケット弾を打ち込めば、パイロット等……。
静かに操縦桿に力を込めたその時、不意にガズアルが立ち塞がった。
進路上を阻まれ、咄嗟に降下体制を直す。

『もう、良いだろ!』

確か、ミヒャエルと言った。
何が『良い』物か、何も知らない人間がでしゃばった真似をッ……!!
兎に角、攻撃のチャンスは一度きり。弾薬にも限りがある。
それに……今の体調では体力にも限界がある。
現に、体は凍えるように寒い。
何としてもミヒャエルは邪魔な存在だった。

「仲間を殺され、何が良い物か……。
 貴様には関係ない事の筈、今すぐ其処を退けッ!!」

血液不足と吹き荒ぶ風による体温低下を堪え、ミヒャエルを一喝する。

【行動 :  攻撃態勢失敗-1 ミヒャエルに返信-0 残3 】
【位置/場所 : D-13/基地・上空 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠気味】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み、足から出血)
          少し貧血気味 右腕の不自由  体温低下中 服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残50%) 60mm機関砲×1(残11発)
       両用ロケット弾×2 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×5食分  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 : ファッツの撃破…? 機体の補修 】
【同盟 : ドウナッタノカシラネ 】
53ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/10/26(水) 20:16:10 ID:???
これから手首を繋げるわけだが、その前にニースは、再度整備マニュアルを見直した。
当然の話だが、このまま繋げても手首は動かない。
燃料がジェネレータを動かし、そこで生み出された電気がケーブルを使って隅々まで伝わり、初めてこの巨大
な機械を動かす基礎になる。
勿論それだけではなく、機械を構成する各部品や、それをスムーズに動かす為の潤滑油。
全てが完璧でなければ、100%の整備とは言えない。
ましてや今回は同系列のMSとはいえ、スペアの部品ではないのだ。
繋がったとしても、何らかの不具合があるかもしれないし、それがゲルググ自体の動きの邪魔になってしまう
最悪の展開も考えられる。

しかし、そこまで考えるのはまだ早い。
ニースが今するべきは、目の前の機械の修理に全力を注ぐ事。
整備士の父を持つ者として恥ずかしくない、できる限り完璧な作業をする事。
そしてゲルググを見つめるニースの目は、それを証明するだけの力に満ちていた。

マニュアルとゲルググの手首を見比べながら、繋げるべきケーブルを見つける。
ケーブルの1本1本にマジックで印をつけ、ゲルググとゲルググJの接続部分を判断していく。
そして最後の1本まで付け終えたところで、デッキにシャッコーが戻ってきた。

「ただいまニース。
 結構いい武器を拾ってきたから、ニースも頑張って修理をしてくれよ」

アルバートの励ましに、満面の笑顔で応えるニース。
ゲルググの修理にメドが立ちそうな事が、ニースにそのような笑顔をさせるのか。
コンテナまで行って武器を見つけてきてくれた、アルバートに対する感謝の意味もあっただろう。
大好きな機械いじりをして、大好きな人に励まされて喜ぶ。
とにもかくにも、ゲルググに貼り付いて作業をする少女は、このプログラムに参加する前の、ありのままの
ニース=エルネージュになっていた。

「俺も手伝いたいところだけど、新しい生徒のMSが基地内に進入してきてる。
 奇襲の危険も考えられるから、俺は外で監視をしていようと思う。
 ニースは、そっちは気にしないで修理を進めてくれ」

次のアルバートの言葉に、ニースは真顔に戻ってこくりと頷いた。
そして駆け出すと、また倉庫の中へ入っていく。
今、ゲルググはとても動ける状態ではない。
だからアルバートの言っている事は至極もっともであり、ニースもそれに反論しようとはしなかった。

暫くして、倉庫から持ってきたのは圧着の道具。
これで印を付けたケーブルを繋いでいく。

【行動:マニュアルを見直して(−1)印を付ける(−1)倉庫に行って(−1)道具を持ってくる(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:V-14】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番に回線継続】
【人物状況:夢中】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g2と1/2本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、修理できそう?】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
54リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/26(水) 20:32:47 ID:???
>>46-47
ハイメガランチャーの一撃を無理な体勢で回避したファッツのマラサイは、無様に地に倒れた。
先程の無茶苦茶な乱射、今の素人同然の機動。
そして、通信回線の向こうより聴こえてくる情けない悲鳴。
今のファッツ=シュヴィールは、普段の自信に満ち満ちた“天才”とは、まるで別人だった。

ファッツのその反応を、リトラは全くの意外とは思わなかった。
これほど極端ではなかったにせよ、ファッツが時折こういった弱い面を見せる事を知っていたから。

スラスターを吹かして姿勢制御し、ディジェが地響きをたてながらマラサイの傍らに降り立った時、
怯える少年のような悲痛な声がリトラの耳を打った。
「あんたら」と口にする所からして、明らかにリトラだけに向けられたものではない。
いまだ攻撃に移らず、獲物を狙う猛禽類のように、上空を旋回するジンペイのセイバーフィッシュ。
ファッツの言葉は、彼に対しても向けられたものなのだろうか。
そのような事は、今はさして問題ではなかったが。

『畜生………!絶対生き残るんだ!
 僕は………生き残って………!』

目を泣き腫らして叫ぶファッツ。
まるで、棄てられた子供のようだった。

ギュ、と抱きしめ、頭を撫でてやりたい衝動に駆られる。
心配するな、私がついているからと、慰めの言葉をかけてやりたい衝動に―――

「ファッツぼうや……今更ビビッたところで、もう遅いんだよ」

リトラの口から出た言葉は、冷たく突き放すものだった。

「あのロイドという少年は、愚かではあったよ。軽率でもあった。
 あの少年がお前に襲い掛かり、お前はただ反撃を行い、死に至らしめた。
 あるいは、そういう流れなのかもしれん。
 だが、どうであろうと、私がお前を討とうとする理由とは関わりなき事だ」

およそ血の通う者が発するとは思えない冷徹さに満ちた声で、淡々と口にする。

「立てよ」

地に伏したマラサイへとハイメガランチャーを構え。

「生き残りたいのなら、立って戦ってみせろ。
 それが出来なければ、お前はここで無残に死んでゆくだけだ。
 勇敢な父に及ばぬ、臆病者としてな」

今まさに、トリガーを引かんとした時。

>>51
『もう、良いだろ!』

マラサイを庇うように、ミヒャエルのガズRが眼前へと躍り出た。
その行為に、リトラはほんの瞬きするほどの間だけ、呆気に取られ。
そののち、低く、静かに笑い始める。

「フフ……フフフ……」

リトラの笑いは、彼の行為のあまりの無意味さをあざ笑うものだった。
ミヒャエルがなぜこのような行為に及んだのか、その理由など今はどうでもいい。
あくまで立ち塞がるのであれば、彼を撃つ事に躊躇などはしないし、モビルスーツ一機が立ちふさがった所で、
ハイメガランチャーより放たれるビームの貫通力の前には、盾の代わりにさえなりもしない。
55リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/26(水) 20:37:24 ID:???
「無意味だよ、ミヒャエル。
 その行為は、全くの無意味なのだ。
 お前に用意された選択肢は、二つ。
 そこをどくか……マラサイごと吹き飛ばされるか―――ッ!?」

突然、身体の奥底から以前にも感じた悪寒が沸き起こる。
以前よりも強く、全身に絡みつき縛るようなその感覚には、まるで何らかの意思が
宿っているかのようにも感じられた。

<<ダァ……メ……>>

何だと―――!?

<<ヤダヨ……>>

私だって嫌だ―――!

<<ヤメテ……>>

「―――ぁぁあああぁぁぁぁッ!」

あまりにも単純で、直接的で、強力な意志。
トリガーを引かんとする指を縛り付けるその意思の強さは、リトラの抗う意思をも増大させていた。

「どいつも“こいつ”も……私の邪魔を、するな―――ッ!!」

絶叫と共に、引かれるトリガー。
リトラの殺意を乗せたかのように、凶暴な光を放つメガ粒子の奔流がハイメガランチャーより放たれた。
立ちふさがるガズRごと、マラサイを撃ち貫かんと。

【行動 :  通信継続中(0) 姿勢制御し、ファッツの近くへ着地(-1) 
       マラサイに向けて、ハイメガランチャーを放つ(射線上にガズRが残っていれば巻き込むように)(-2)
       残1 】
【位置/場所 : D-13/基地・E-13との境界付近 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、右肩機構露出 左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下
        左肩に焼け焦げた白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナ&タンクトップ&カーゴパンツ姿 凍てついた眼差し
         何かが自分の中に―――「居る」ッ!? 】
【通信状況 : 13番・エドワード 15番・ファッツ 21番・ジェンセン(通信は届かぬ状態) 26番・ミヒャエル
        ホワイトアーク 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン(エネルギープール残量50パーセント) ハイメガランチャー(Eパック残量ナシ) 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : “目標”の殲滅 】
56ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/10/26(水) 21:59:13 ID:???
>>54
「ぁぁぁぁぁっ!」

間に合わなかった、立ち上がれなかった。
殺されるんだ、この人に、今から、この場で、無残に、無様な姿で、
そんなの、嫌だ………

「嫌だぁぁぁぁっ!」

もはや彼には彼女が何を言っているかを理解出来ない。
ただ、彼女が彼に対して猛烈な敵意を向けていて、
確実に、自分を殺そうとしている事だけはわかった。
上空のセイバーフィッシュもそうだ。
何も言ってこない、誰だと言ってるのに答えもしない。
わけがわからない。
どこかで、戦場で、撃墜したパイロットだろうか?
だが、だとしたら自分の名を知ってるのはおかしい。
エースとは言っても、ジオン側に知られてるほど有名ではなかった。

いや、そんな事を考えている暇ではない。
今はどうやって、この窮地を脱するか。
それを考えなくちゃならない。
そうだ、まず立たないと………立たないと逃げられない。

一瞬聞こえた、父という言葉にビクッと反応したが………それだけ。
それもそのはず、今このときのファッツは、あの時のファッツも混ざっている。
誇りを取り戻す、その為に生き残ると誓った彼もいて、
誇りを投げ出し、生きる為に逃げて、逃げて、逃げ続けた少年の日の彼もいるのだから。
決して、戦う為に立ち上がろうとしなかったのだ。
逃げる為に立ち上がる、その行為を再びマラサイは開始した。
57ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/10/26(水) 22:00:21 ID:???
>>51
何度かの試行錯誤、しかし未だにマラサイは立ち上がらない。
立ち上がれない。
まるで、いつまで経っても父のようになれぬ彼自身のように。
戦おうと、父のように凛々しくも戦おうと立ち上がる事が出来ぬように。

と、レーダーの中の光点が素早くマラサイへと向かってくる。
ハイザックなら、味方のはずだ。
まだ、死ぬと決まったわけじゃない。
だが………希望は打ち砕かれた。
向かってきたのは、ガズR。
よりにもよって、自分が殺そうとした相手。
もう、完全に駄目だ。
殺したロイドを火種にここまで追い込まれ、殺そうとしたガズRにとどめを刺される。
自業自得。
丸っきり、そんな言葉が似合いそうな状況だった。
ガズRがマラサイのすぐ横に到達する。
もう、駄目。これでお終い。
どうやっても、きっと、優勝なんて出来なかった。

………しかし、いつまで経ってもとどめの一撃は来ない。
不信に思い、ガズRがいる方向へと目を向けると………
そこには、片腕を精一杯に伸ばし、マラサイを守るようにして立つガズRがいた。

「どう、して………?」

殺そうとしたのに、どうして?
赤の他人なのに、どうして?
死ぬかもしれないのに、どうして?

沢山のどうしてがファッツの脳を駆け巡った。
自分が愛した人が自分に銃を向け、自分を知っている男が銃を向け………
そして、自分が殺そうとした人が自分を守っている。
理解が、出来ない。
わからない。
どうして?
58ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/10/26(水) 22:01:19 ID:???
>>55
悶々と考えていたところを、突然の絶叫がファッツの耳を劈いた。
危険だ。
咄嗟に、そう、ごく自然に、腕と足が動いた。
本当の生命の危機に晒された時、動物は反射的に身を守る。
それと同じように、ファッツはマラサイを起動させた。

だが、それは、中途半端な反射。
あの日と今とが混ざり合ったファッツが出すに相応しい、中途半端な反射だった。
足で大地を踏みしめ、スラスターを吹かして飛び上がる。
ただただ、それだけの行為。

中途半端なそれは、完全に光を避け切れなかった。
避け切れなかった、という事は直撃だけは免れた、という事だ。
だが、それは全く無駄な行為だったかもしれない。
なぜなら………

「がぁっ………!」

地面に激突し、破損する装甲。
衝撃で器機が破損し、破片がファッツを襲う。
痛い、けど、気にしている暇はない。
立たなきゃ、早く立たなけりゃ、死ぬ。
ガズRが気になるけど、今は、自分の事で精一杯だ。
そう思い、立ち上がらせようとするも………無駄。
やはり、素人以下の、今のファッツの技術では起き上がらせる事が出来ないのだろうか?
………違う。

「あぁっ!」

足が、右足が無くなっていた。
ハイメガランチャーは、マラサイの右足を撃ち貫いた。
まるで、もう二度とファッツが立ち上がれない………
もう二度とファッツが、誇りを取り戻せない事を教えるように。
マラサイの右足は無くなっていた。

【行動 :通信継続(-0P) 回避運動(-1P)
     マラサイを立ち上がらせようとする(-1P) 残り2P】
【位置 :D-13】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷 胸部装甲破損 右足半壊】
【パイロット状況 :恐怖心 左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 頬に切り傷】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 0%)】
【通信状況:リトラ・ジンペイに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:逃げる】
【最終行動方針:逃げる】
59『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/10/26(水) 22:05:10 ID:???
青年は続いて、機体の左腕に取り掛かる。
防水・防砂を目的としたシーリング剤で覆った部分を、剥がす。
出てきたのは無残な傷口と、各種のコード類。
エネルギー伝達系あり、命令伝達系あり。冷却系のパイプもある。
それらをより分け、それぞれの種類を見極める。

そうしておいた上で、青年が向かったのは……わざわざ苦労して持ってきた、プチモビだった。
両足を失ったソレの、分解にかかる。
分解……というより、胴体をほぼ中心から真っ二つ、と言った方がいいか。
青年は途中でガンダムに乗り、ビームサーベルでプチモビの表面装甲を斬ってゆく。
内部の複雑な機構は、再びガンダムを降りて、傷をつけないように各種工具でバラしてゆく。

やがて取り分けられたのは、プチモビのボディの左上半身。肩関節ごと揃った小さな腕。
それを、青年はクレーンで吊り上げ、ガンダムの『左肩』に繋げてゆく。
「血管」に当たる動力パイプ、「神経」に当たる命令伝達系、「骨格」は外骨格を溶接して。

破損したMSの「腕」を修理する際、難しいのは「肩関節」の動きと強度の確保だ。
純正品の予備パーツが在れば良いのだが、そうでない場合、これらは大きな問題になる。
しかし――発想を、転換すれば。
「胴体ごと」肩関節と腕を移植してしまえば、多くの問題はほぼ解決する。
普通サイズのMSから取った材料でソレをやると、今度は重量バランスが著しく失われるが……
それを、プチモビでやるならば。
小柄な15m級MSでも、なんとかなる。

バチバチと溶接作業を続けた彼は、やがて額の汗を拭って愛機を見上げる。
『ガンダム』の胸の左側に膨らんだ、半球状のパーツ。
そこから生えた、小さな腕。
……どう見ても短く無様なものではあったが、もちろんないよりはあった方がいい。
ここまでの戦い、「腕が1本しかない」ことでどれだけ苦労したことか。
もっとも――ここからさらに、微調整が必要だ。青年はガンダムのコクピットに上がりこむ。


レベッカを守り、彼の『エゴ』を貫き通すには、まだまだ『力』が必要なのだ。
そのためには、この機体をもう少しの間、戦えるようにせねばならない。


【行動:大改造(−4p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:頭頂部に傷。左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ姿。
      強化人間としてのマインドコントロール崩壊。10番レベッカに明らかに好意】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2(ただし左側弾切れ)、肩部マシンキャノン×2(未試射)
    右腕部Iフィールド発生装置×1、ビームサーベル×1(専用)
    ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、(右腕装備)】
【武装(非装備):ビームサーベル×2(Z+/ZZのハイパービームサーベル)、防水布のマント
         メガガドリングガン、ガドリングシールド
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面(着用せず)、エプロン、『サバイバルの手引き』(数ページ損傷)、日本刀
     サンドウィッチ入りのタッパー(1食分)、ペットボトル入り紅茶(900ml一本)、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復 レベッカマダー?】 
【同盟:10番レベッカ】
60アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/10/28(金) 00:19:08 ID:???
それから暫くW-14のエビル・Sを見ていたけど、いっこうに動く気配がない。
…向こうもこちらを監視してるのか、それとも何らかの用事があるのか。
どちらにしても、W-14で留まられるのはこちらにとって困った事になる。
何故なら、周囲が進入禁止地点に囲まれてる為、こちらが北または南に移動するには、
必ずW-14を通らなければならないからだ。

アルマ=フローライトがどのような生徒なのか。
話の分かる人物なら、何事もなく通してくれるだろう。
いや、話しようによっては仲間になってくれるかもしれない。
だけど彼女がキリトのような人物だったら。
その時は、まず間違いなく戦闘は避けられない。
戦闘するにしても、正面からきてくれるならまだいい。
しかし、必ず2対1になる事が分かっていて正面から仕掛けてくるとは思えない。
そうなれば、考えられるのは当然奇襲になる。

ただ…奇襲と言っても、こうしてお互いがレーダーで所在を確認しあっている状態で
は、奇襲など九分九厘無理だ。
…であれば、アルマ=フローライトが、この先こちらに対して取ってくると思われる
戦術は……。

1…正々堂々と正面からぶつかってくる。
2…素直に通すふりをして、背後からの攻撃。
3…こちらの戦闘準備が整わないうちに、V-14に移動して先制攻撃。
4…捲土重来を期して、ここは戦わずに通してくれる。

とりあえずはこれくらいなものか。
最も注意するべきは2と3だけど、これはあくまでもこちらが油断してた場合だ。
そのへんのところをニースにも伝えておけば、隙を突かれる可能性は低く……。

そこまで考えを進めたところで、俺は自分の頭を小突いた。
「…俺はバカか」
まだ何も分かってないうちから、アルマ=フローライトを敵として考えている自分自
身を諌める。
世の中のあらゆる事は、裏があるからこそ表と言う表現が成り立つ。
アルマ=フローライトを敵として見ているだけでは、対応としては不十分すぎる。
彼女を味方だと判断する材料は無きに等しいけど、可能性を捨ててはいけない。

軍人たるもの、ありとあらゆる可能性をあらゆる方向から見つめて、そこから最良の
判断をしなければならない。
それが一介の兵士であれ総司令官であれ、考えるべき事の広さや大きさは違っても、
その原点は何も違わない。
だからこそ、アルマ=フローライトを敵と決めるのはまだ早いと言い聞かせた。

【行動:エビル・Sの監視(−1)】
【残り:3】
【位置:V-14(基地内)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、コッペパン1個、保存食41/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、
    マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:エビル・Sの監視】
【同盟:ニース】
61ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/10/28(金) 10:30:27 ID:???
>>52
『仲間を殺され、何が良い物か……。
 貴様には関係ない事の筈、今すぐ其処を退けッ!!』
「……」

 言葉が無かった。
 議論でも何でも、理的な討論で負けた事は無い。
 けどどうやら、そんなモノは本当に、何の役にも立たないようだった。
 感情だけが心を渦巻き、頭を駆け抜けていく。

「殺してどうする……今ここで、彼撃ってどうするの?
 仲間の仇を討って、復讐でもする気!?」

 本当は解ってるのだ。
 感情の起伏というものを、理性は制御出来ない事くらい。
 それは、自分だって同じだ。

「それだったら、何も変わらない……
 自分の為に相手を殺すのと一緒だよ……」

>>54
『フフ……フフフ……』

 リトラから返る、笑い。

『無意味だよ、ミヒャエル。
 その行為は、全くの無意味なのだ。
 お前に用意された選択肢は、二つ。
 そこをどくか……マラサイごと吹き飛ばされるか―――ッ!?』
「私はただ……」
『―――ぁぁあああぁぁぁぁッ!』

 衝撃のような絶叫。

『どいつも“こいつ”も……私の邪魔を、するな―――ッ!!』

 誰の話だ? 彼は顎を引いた。
 その言葉が解らずに。
 だが、しかし、それが命取りだった。

「……え?」

 死んだな、と、最初にそう思う。
 この距離で、今からは避けきれない。
 けれども、その直後に、未だに身体が見える事に不思議を感じた。
62ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/10/28(金) 10:32:40 ID:???
>>58
 死んでいない。ビームは横を駆け抜け、地を焼き、マラサイの足を貫いていた。
 マラサイが起き上がろうとして、もがく。
 まだ、生きている。
 それは確かだ、だがこの状況で、どうする。
 あの状態で、リトラは攻撃を外したのか?
 でなければ、何故自分は生きている。
 生きている実感が湧かない。
 ふらふらとマラサイへと足を進める。

「手を」

 掴め、と言うように。手を出した。
 考えての行動ではなかった。
 目の前で子供が転んでいたら、手を差し出す。
 それくらい、単純な話であるというだけ。


【行動:ジンペイ機と通信(−1)、手を差し出す(−1)】
【残り :3P】
【位置:D13】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ちょっと鬱】
【通信状況:リトラ、ジンペイ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:腕時計、拳銃(10発)、基地の地図、周辺の詳細な地図(フォルダ)】
【方針:薬!、逃げない、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
63ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/10/28(金) 20:15:42 ID:m5xXAuLR
>>54リトラ
 魔女の釜だな。内心で思う。だからどうした?それがどうした。

 私はただ状況を吟味するだけのことだ。

 そうであるが故に、ファッツと言う名の男が屠殺されようとしている
現状を看過する気にはなれなかった。

 何が起こっているのか。何へと向かっているのか。ただ、看過できぬ。
 
 私は、問うた。この地獄を生み出したものに、ただ一言。
 リトラ・クロームに、ただ一言。画像付き通信で、こう告げる。

「すまぬが、約束があるのでな。惑わず……死ね」

 基地を焼く炎の嵐。
 陽炎の中、揺らめく黒い巨人の影。
 輝くは単眼。
 蠢くは腕。
 
 リトラの機体めがけ、放たれる一弾のグレネード。
 
【行動】MS起動(−1)通信回線接続;対象リトラ(−1)奇襲(−2)
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・正常】
【パイロット状況:人格転換『私』】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数2)
   ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】


64リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/28(金) 22:41:27 ID:beXRYLQx
IDチェック
65アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/10/29(土) 00:32:48 ID:???
リファニア=ニールセンは、不思議な魅力を持った少女だった。
それが何かと聞かれたら、明快な答えを出すのは難しい。
でも強いて言ってみれば…それは年端もいかない少女の中に見え隠れする、様々な顔
なのかもしれない。
…俺は父さんの目を通してしか見てないから、簡単に断定する事はできない。
でもリファニア=ニールセンは最初に父さんと出会った時だけで、戦場を見渡す腕
利きパイロットと、仲間の身を心配する戦友という2つの顔を見せている。

その2つの顔の大きな落差が、リファニア=ニールセンをより魅力的に見せるのか。
現に父さんも、ルイを殺した生徒の仲間と知りながら、リファニア=ニールセンを
攻撃しようとはしないし、責める事もなかった。
…それは、父さんのリファニア=ニールセンへの好意だったのか。
いや、ただの好意なら生死を賭けて戦うことを約束したりはしない。
そこにあるのは…純粋な尊敬…なのか。
自分よりずっと年下の少女を尊敬する、というのも変な話だけど、リファニア=ニールセン
の言動や立ち振る舞いは、俺の目から見ても立派だと思う。
そしてそれは…戦士というものに通じるヒントにもなるかもしれない…。

……………………………。

「…うぁ…?
 や、べ……居眠りしてたの、か」
浅い眠りから飛び起きて、慌ててレーダーを凝視する。
……運が良い事に、エビル・Sはその後も動いていない。
ふうと安堵の息を吐いて、シートに体をあずける。

それにしても…。
こんな居眠りの間にも、あの夢を見るとは思わなかった。
果たしてあいつは……俺の頭の中にいるあいつは……何を見せるつもりなのだろう?
未だに俺の疑問は消化されていない。

【行動:居眠り(−1)】
【残り:3】
【位置:V-14(基地内)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、コッペパン1個、保存食41/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、
    マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:エビル・Sの監視】
【同盟:ニース】
66ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/10/29(土) 15:23:20 ID:sDXEUn8E
一体、コイツは何なのだ。
ロイドを殺され、犯人が目の前に居る。
それを倒した所で意味など無いから、この状況に納得して彼を許せとでも?
同じ釜の飯を食べ、同じ時を過ごし、共に敵へ立ち向かった。
そんな仲間を殺されて平気な顔が出来る程、俺は出来てはいない―――

―――ならば、ファッツも同じではないのか。
         俺は嘗て、その背中に何を想ったのだ?―――

―――彼を殺せば、お前は二重の悔恨に憑かれるよ、絶対に―――

その時、直感……だろうか。とにかく、そのような思念が頭を過ぎった。
瞬間、怒鳴り返そうとした口がピタリと止まる。
ロイドも、ファッツも、結局は同じ……?
いや、だがそれでは殺されたロイドの無念は―――

と、その時。
地上に一筋の光線が走る。
リトラの放ったそのビームは何故か、酷く不安定に見えた。
その時、あらぬ方向から熱源が探知される。
……まったく、どいつもコイツも……。
少しの間、目を閉じる。
そして、凍える大気の中、ふっと一息。
目を開いた俺は、何時もの『オマジナイ』を唱え、機体を自由落下させた。

ガズアルへ向けて落下していったそれは、急に進路を変え、
捻り込みにより速度を増したセイバーフィッシュは、久々の獲物と言わぬばかりに炎を吐いた。
ロケット弾の初弾に始まり、幾筋のも機銃弾が地上を舐めてゆく。
その最初で最後の攻撃の目標は、ジェンセン機、ハイザックだった。
勿論、今更リトラの仲間を気取っている訳ではない。
彼女もそうであろうし、いきなり攻撃を受けるやも知れない。
だが、リトラには恩がある。
只、それだけだ。

「くっ、暫く見ないと思いきや、陰湿な攻撃をしてくれるじゃないか……。
 おい、ミヒャエル、と言ったな。
 俺は仲間が殺されて平気で居られるほど、出来た人間じゃないよ。
 だが、この場は手を引こう……。
 ファッツを連れて、此処から離れろ。」

そう言うと低空に陣取り、ゆっくりと旋回を始める。
残り燃料を考えると大した時間は戦えないが、低空に下りたお陰で体温は少し戻った。

【行動 : ジェンセンに射撃攻撃-1 ミヒャエルに返信-0 残3 】
【位置/場所 : D-13/基地・低空 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠気味】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み、足から出血)
          少し貧血気味 右腕の不自由  体温低下 服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残30%) 60mm機関砲×1(残4発)
       両用ロケット弾×1 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×5食分  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 : この場は忘れよう 機体の補修 】
【支援 : リトラ 】
67ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/10/29(土) 20:34:03 ID:kMUqU84w
IDチェック
68ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/10/29(土) 21:06:33 ID:kMUqU84w
>>66ジンペイ 
 甲高い音が、響く。
 ヤーボ。
 あまりにも懐かしく、あまりにも呪わしいジェットエンジンの響き。

 セイバー・フィッシュ。
 
 何年ぶりだろうか。あやうく「俺」が目を覚ましかける感覚。
 だが・・・・・・いま、やつを目覚めさせるわけにはいかない。
 あの戦馬鹿が出張ってきたならば、交渉も何もなくすべてを破壊しに
かかるだろう。己自身の、命も含めて。
 やれやれだ・・・・・・まったく。わずかな意識の喪失が、このような
事態を招いてしまうとは。まったく。
 モニターの中。ガズアルめがけ突進すると見えたセイバーフィッシュは、
斜め宙返りから横滑りしつつ、私のハイザックめがけ機銃掃射とロケット
弾の火線を放ってきた。

 私は深々とため息をつく。
 全速でギアを前進に入れた。
 愛機たるハイザックは後方に跳躍。敵のロケット弾から逃れる。 
だが機銃掃射は避けられない。しかしそれがなんになる?
 装甲表面を弾丸が爆ぜる音。忌々しく耳障りだが、それ以上の
何者にもならない。機銃弾程度でこのハイザックの装甲を抜くことは
できない。
 そして、このハイザックはかつてドップを相手に空中戦を演じた
ガンダムなどより、はるかに機動性において勝っているのだ。 
 見れば、セイバーフィッシュは損傷を受けているように見えた。
 そういう状態で、機体に高い負荷をかける機動を行うとは……
 無謀を超えて自殺行為に等しい。

 おそらくハイザックの機動性をなめているのだ。
 このハイザックの推力重量比の凄まじさは、全備重量状態に
あってすら並みのジェット機を凌駕しうる。
 
 やつの動きを、読む。やつは低速で、低空での旋回運動に
入りつつあった。
 つまり……急降下による緊急回避はできない。

 ならば、恐れる必要もない……料理するだけの、ことだ。リトラともども。
【行動】回避(−1)通信回線レーザーロック中;対象リトラ(0)残り3P
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・正常】
【パイロット状況:人格転換『私』】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数2)
   ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】

69ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/10/29(土) 21:51:53 ID:???
持ってきた圧着工具で、最初のケーブルを繋ぐ。
ケーブルも工具も大きいから、ニースのような少女にはかなりの力が必要になる。
が、初めて扱うのと扱った経験があるのとでは、天と地ほどの差がある。
そしてここでも、父親の工場での経験はニースの役に立っていた。
繋いだケーブルに、今度は絶縁テープをぐるぐると巻いていく。
作業を進めながら、改めて仕込んでくれた父親に感謝するニースだった。

本当は作業に集中しなければならないのだが、頭の片隅には基地にやってきた新しい生徒の事がある。
その生徒は誰なのか?
どんな目的でここに来たのか?
戦う事になるのか、それとも握手をする事ができるのか?
アルバートは、その生徒が既に基地に入ってきていると言っていたが、外からは爆発の音や、戦闘を思わせる
雰囲気は欠片も伝わってこない。
基本的に戦闘を望まないニースにとっては、それはありがたい事なのだが。
それに外の静けさは、アルバートの無事を知らせてくれるものでもある。
その静けさがなるべく長く続く事を祈りながら、ニースはまた1本ケーブルを繋げた。

流れる汗を拭おうともせずに、ニースは圧着工具を締め続ける。
時計がない為に、ニースには時間の経過が分からない。
それでも、かなりの時間作業を続けているようではある。
ハリーも作業を見るのに飽きてしまったのか、ころんと丸まって寝ている。

「……お、わった〜〜!」

デッキに響く歓喜の声。
そんな中、ようやくニースは最後のケーブルを繋ぎ終えた。
まだ作業の行程は残っているが、とにかく最大のヤマを越えたのだ。
またペットボトルを開けて、水分を補給する。
喉を潤しながらニースは、初めてのMSの修理にしては出来は悪くないと思った。
ケーブルも、マニュアル通りに繋いである。
動くかどうかはやってみないと分からないが、とにかく、どのような結果になっても、後悔しないだけの仕事
ができたとニースは信じた。

【行動:ケーブルの圧着(−2)水分補給(−1)】
【残り行動値:1】
【位置:V-14】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番に回線継続】
【人物状況:夢中】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、修理できそう?】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
70『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/10/29(土) 22:28:12 ID:???
無理やりつけた『左腕』をソフト面からも適合させるため、青年はコクピットでソフト操作を続ける。
時折、接続部に向かって直接コードを繋ぎ換えたり、調整したり。
やがて、だましだまし、左腕が動くようになってゆく。

……やはり、純正品のようには行かない。
良く動くようにはなってきたが、それでも元の左腕と比べてコンマ数秒ほどのタイムラグが発生している。
動きも滑らかさに欠けるし、長さも違うし、重さも違うし、出力も違うし……
これではあまり、役には立たない。
立たないが……ないよりは、はるかにマシだ。

一通り左手の修理を済ませた彼は、次に武装の取り付け変更に移る。
使うのは、今までの戦いの過程で数的に余剰の出てきた、ビームサーベルだ。
奪ったはいいが――そのままなあなあになってしまっていた、Z+のサーベル。

彼はそれを、ガンダムの右足に仕込もうとしていた。
元々ガンダムの両足には、ヒートダガーが仕込まれているが……薔薇の騎士との死闘で1本失われている。
それを補うために、右足に1本仕込もうというのだ。

ダガーを収納していた空洞は、ビームサーベルには狭すぎた。
だから、青年は……右脛の後ろに、サーベルを固定する。
脛近くの装甲を開き、動力系と命令伝達系から枝を取り、サーベルのON/OFFをこれに委ねる。
これで、サーベルをONにすれば、カカトの辺りからビームサーベルの刃が出ることになる。
脛の後ろに増設したサーベルは目立ちにくいし、隠し武器としては相当な不意打ちを狙えるだろう。

……ただ、なにぶん素人細工に過ぎないので、不具合の発生と耐久性に不安が残る仕掛けではあるが。


青年は、改造作業を進めながら、そのサーベルの「前の持ち主」に思いを馳せる。
……ロイドは、どういう状況で殺されたのだろう?
青年の知りうる限り、あの少年の「不意を討つ」ことは極めて困難なハズだ。

少年は、危機を察知してもなお力及ばず倒れたのだろうか?
それとも、疲労などにより、危機の察知ができなかったのだろうか?
どちらにせよ……今頃、誰かが彼のために戦っているはずだ。
あの少年には、信頼しあう「仲間」が2人、いたはずだから。

ひょっとしたら、次の定期放送あたりで、そろそろ聞けるかもしれない。
その戦いで死んだ、誰かの名前を。

【行動:左腕の調整(−2p) 右足部ビームサーベル新設(−2p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:頭頂部に傷。左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ姿。
      強化人間としてのマインドコントロール崩壊。10番レベッカに明らかに好意】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2(ただし左側弾切れ)、肩部マシンキャノン×2(未試射)
    右腕部Iフィールド発生装置×1、ビームサーベル×1(専用)、ヒートダガー×1(左足収納)、
    腰アーマー部の錨&鎖×2、(右腕装備)、右足踵部ビームサーベル】
【武装(非装備):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント
         メガガドリングガン、ガドリングシールド
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面(着用せず)、エプロン、『サバイバルの手引き』(数ページ損傷)、日本刀
     サンドウィッチ入りのタッパー(1食分)、ペットボトル入り紅茶(900ml一本)、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復 レベッカマダー?】 
【同盟:10番レベッカ】
71管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/10/30(日) 00:06:43 ID:???
『みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。

 まず。脱落者の連絡。
 無し。

 次に立ち入り禁止区域の発表。
 
 『B-07』 『D-21』 『I-19』 『K-08』 
 『O-17』 『S-10』 『W-15』 『Z-26』

 気をつけろよ?

 あと天気予想。
 晴れな。

 んじゃ、これで今回の放送はこれで終わり。
 みんなの事いつでも先生は見守ってるからな。』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】 【残り行動値:∞】
【位置:Z-21】
【行動方針:殺し合い頑張れ】
72管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/10/30(日) 00:07:39 ID:???
生徒名簿

 番号          名前                   年齢 性別      機体

 死亡 アロンソ=セルバンデス                (70) 男性  グフ・フライトタイプ
 死亡 エルネスティーネ=デア=フォーゲルヴァイデ   (16) 女性  ゲルググJ
 死亡 ハロルド=P=アンダーソン              (35) 男性  ズサ
 死亡 マサヤ=タカノ                      (23) 男性  ガンダムGP02
 死亡 キリト=ヴァルリック                   (28) 男性  Gキャノン
 06番 リトラ=クローム                     (25) 女性  ディジェ
 07番 ジンペイ=カザマキ                    (32) 男性  セイバーフィッシュ
 死亡 ルイス=ガルシア                     (22) 男性  BD3号機
 死亡 クラウディア=ゲール                  (16) 女性  ビギナギナ
 10番 レベッカ=テスタロッサ                 (18) 女性  ベルガギロス(黒の部隊専用機)
 11番 アルバート=パーシング                 (18) 男性  シャッコー
 死亡 ネイゲスト=ザームズ                  (18) 男性  ザメル
 13番 エドワード=S=ボールドウィン             (28) 男性  ボリノークサマーン
 14番 ニース=エルネージュ                  (15) 女性  ゲルググ (ガトー専用機)
 15番 ファッツ=シュヴィール                 (23) 男性  EWACザック(+マラサイ◎)
 16番 ナインティ=アウェイキング               (27) 男性  バウ
 17番 アルマ=フローライト                  (17) 女性  エビル・S(+νガンダム)
 死亡 サイモン=クレイカー                  (43) 男性  アッシマー
 死亡 ロイド=エンデバー                   (18) 男性  Z+A型
 死亡 クルル=ヴァンデーン                 (11) 女性  メタス
 21番 ジェンセン=スティール                 (35) 男性  ハイザック
 死亡 ブレイム=オリディス                  (36) 男性  νガンダム(+V2AB◎)
 23番 ジョセフ=ロバーツ                   (15) 男性  ハンブラビ
 死亡 アリウス=エルツベルグ                (33) 男性  ホビーハイザック
 25番 T=ドライツェン                     (25) 男性  クロスボーンガンダム三号機
 26番 ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ              (21) 男性  カズアル

 生存者13名+一匹 死者 13名
73管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/10/30(日) 00:08:56 ID:???
>70時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡◇□□彡彡彡◎◎彡彡25彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡◎彡□□△□□□◎彡彡彡★◎〓△彡
 04彡◎□◎△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎┛□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎×◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎10△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡×□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎×□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━┛◎彡□┃△◎○  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━┓□◎彡□△□┏┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━〓▼▼▼┛□□彡彡◎1117□△◎  ★:基地
 15◎◎△◎∴□◎□┃□□彡◎▼□□彡◎◎□□★×◎□△  U:灯台
 16△△∴∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18△△◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U23◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃×◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼16━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃□□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○×

06と07と13と15と21と26は同一地点【D-13】
11と14は同一地点【V-14】
16と23は立入禁止予定区域と同一地点 【16=C-21 23=O-18】
コンテナAの位置
『C-21』 『F-13』 『L-18』 『O-18』
上記の全4箇所
(C-21は16と O-18は23と同一地点の為、地図上表記無し)
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
74リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/30(日) 20:53:01 ID:???
>>58 >>61
ハイメガランチャーより放たれたメガ粒子の奔流によって、マラサイとガズRは薙ぎ払われたかに思えた。
だが、リトラの内に居る何者かの抵抗は照準を乱れさせ、火線を僅かに逸れさせる事となった。
それが引き起こした事態に、リトラは打ち震える。
ディジェの右腕より、Eパックを撃ち尽くしたハイメガランチャーが、ドサリと地に転がり落ちた。

「なぜ…だ……」

ビームをその身に受ける事なく、いまだ立ち塞がったままのガズRの背後で、
片脚を喪失しもがくマラサイの姿を瞳に映しながら、リトラは呆然と呟く。

脚部を失っては、MSはロクに移動する事もままならない。
増して、戦い抜く事などは―――

果たして、リトラの放った砲火が引き起こした結果は……彼女の最も望まぬ結果となった。

「立ち上がれないのならば、せめて一撃で終わらせてやるつもりだったというのに……!
 私に、ファッツを嬲り殺しにさせるつもりか……ウッ」

突如、吐き気を催し、口元を抑える。
自分の中に形作られようとしている“何か”。
まだ生命と言うに、固体と言うには曖昧すぎる“何か”。
それは、酷く忌まわしく、そして、恐ろしく感じられた。

>>62
ミヒャエルのガズRが、地に伏したマラサイに手を差し伸べる。
その行為はリトラを“逆上”させ、その戦意を再び奮い立たせる事となった。

「……冗談じゃ、ない」

自らの内に居る“何か”か、そして、このミヒャエル=レニ=ハイドリヒが邪魔しなければ……。
この最悪の結果を招くことだけは、無かったというのにっ!

ビームナギナタを右手に携えて、ガズRへと踏み出す。

「お前達に、私とファッツの間に入る権利などはっ……!?」

>>63
“逆上”が致命的な隙を生んだ。
戦闘において、リトラ=クロームが逆上し、完全に自分を見失う事などは、
今までただの一度としてなかったというのに……。
己を見失った戦士というものは、脆い。

『すまぬが、約束があるのでな。惑わず……死ね』

ミヒャエルのガズRへと意識を集中しすぎたリトラは、戦場の動きを掴む事をおろそかにしてしまっていた。
死神の声が、リトラの耳に響く。
リトラがジェンセン=スティールの存在に気づいた時、すでに死神の手よりグレネードが放たれていた。

咄嗟に反応し、回避運動を行おうとするリトラだったが、まるで金縛りにあったかのように身体が動かなかった。
否、動いてこそいたが、感覚と剥離したスローな動きだった。
そもそも、リトラの反応は、致命的なまでに遅れていた。
時の刻みが酷く遅く感じられる程に感覚が研ぎ澄まされていたが、
それは迫り来る死に抗うのに、何の役にも立ちはしない。
75リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/30(日) 20:56:43 ID:???
―――が。

<<……マァ―――!>>

“何者か”の声が、言葉にもならない叫びが、リトラの生存本能を揺さぶり起こした。
考えるよりも先に、リトラの身体が動き出す。
マトモな回避運動を行えない程に、僅かにしか残されていない時間で行った行動とは―――

直後、ディジェに前方に弾き出されるような衝撃が走ると共に、爆発が沸き起こる。
グレネードの直撃により、誘爆が引き起こされたのだ。

ディジェのコックピット内のそこかしこに、リトラは滅茶苦茶に叩きつけられた。
頭部を固定した影響により、緩衝能力が著しく低下した所為だ。
だが、直撃を受け、機体が誘爆したのならば、この程度で済むはずも無い。
リトラの身は、挽肉よりもなお酷い状態にされていただろう。

誘爆したものは、ディジェが背負っていたビームキャノンのバックユニットだった。
回避が不可能とみるや、リトラはバックユニットをパージし、機体を前方に飛び退かせたのだ。
直後、グレネードがバックユニットに直撃して誘爆を引き起こし、弾き飛ばされたディジェは、
爆煙のむこうで、地に伏して止まっていた。

「……う…ぅ…」

コックピット内で呻くリトラは、全身を打撲していたが、操縦に支障が出るような骨折はない。
顔をあげ、機体の身を起こさせようと試みる。
機体は全身のそこかしこより異音を発していたが、戦闘不能には陥ってはいなかった。

レーダーに、先程まで確認する事は叶わなかった、一機のMSの反応が映っていた。
ジェンセン=スティールのハイザック。攻撃を仕掛けてきたのは、奴か。
炎の中に身を潜めて気配を消し、機を伺って必殺の一撃を加えてくるなどといった戦い方は、
自分も得意とするものだ。だからこそ、いいようにやられた事が口惜しくて仕方ない。

>>66
牽制するように飛ぶセイバー・フィッシュ。
ジンペイのこの援護がなければ、身を起こす間もなくやられていたのかも知れない。
だが、どういうつもりだ。
ロイドの仇たるファッツに止めを刺さずに、自分を助けるなどと。
しかも、機体の運動性能を低下させるだけの損傷を被ったセイバー・フィッシュで
低空攻撃を仕掛けるなどという危険極まりない真似をしてまで、である。

セイバーフィッシュに通信を送る。

「援護には感謝する。私が仕掛ける隙に、離脱しろ」

ロイドをみすみす殺されておきながら、ジンペイは自分の生命を救った。
……ここで見殺しにする事など、出来よう筈がなかった。

それに、幾分冷静さを取り戻したリトラは、この戦場で最も脅威たりえる者は、
ジェンセン=スティールだと判断していた。

となれば、ジンペイと連携し、奴を叩くのが先決だ。

もう一人、エドワードの同行も気になりはしたが、もう二度と先程のような不覚をとるつもりは無い。
76リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/30(日) 20:59:46 ID:???
ハイザックが炎より出ると共に、通信状態が回復し。
ジェンセンの凄惨な顔が、サブモニタにうつる。

ジェンセンの口元を濡らすものは―――すでにそれは半ば乾いてはいたが―――明らかに血だ。
そして血に混じる、ギトギトと“てかる”なにか。
自らの手にした刃で敵を殺す事も珍しくは無かったリトラは、それが何であるのか、よく知っていた。

それは、間違い無く―――“脂”だった。

何の脂なのかは、確信できない。いや……理性が確信を拒んでいた。

どうすれば、そんなものが口のまわりに付着するのか。
この基地で、血が滴るほどに新鮮な生肉をどうやって調達するというのか。
このプログラムが開始されて経った時間を顧みても、“ある方法”を除いては、
それを入手する手段は考えられない。

「貴様……あの基地で何を……何をやっていたッ!」

リトラの叫びと共に、スラスターを咆哮させ、ディジェはハイザックへと一気に距離を詰める。

【行動 :  通信継続中(0) バックユニットをパージし、グレネードの直撃を免れる(-1) 
       立ち上がる(-1) ジンペイに通信(-1) ハイザックへ急速接近(-1) 残0 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、右肩機構露出 左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下
        左肩に焼け焦げた白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み) 全身を打撲 バンダナ&タンクトップ&カーゴパンツ姿 凍てついた眼差し 】
【通信状況 : 07番・ジンペイ 13番・エドワード 15番・ファッツ 21番・ジェンセン 26番・ミヒャエル
        ホワイトアーク 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 今排除すべき敵を討つ 】
77ジェンセン@代理:2005/10/30(日) 22:28:57 ID:???
「屍肉を食らったのだろう」
 私は人ごとのように彼女に告げた。 
「それだけのことだ。それがどうした?なぜ怒る。
 たかがそれだけのことで、なぜそれほどに激怒できる?」

 笑うでもなく。驚くでもなく。
 ただ淡々と、私は語った。
 そう。それだけのことなのだ。私は傍観者。ただ命のまま動くのみだ。
 ブレイムと言う存在が生きることをやめて後、傍観対象はファッツとなった。
 故に、彼の命を守っただけのことなのだ。

「『私』の望みではなかった。何もかもが。 
 だが目覚めてみればすべては崩壊していた。それだけのことだ。
 そしてリトラ・クローム、貴女はファッツを殺害しようと動いている。
 ならば脅威として排除せざるを得ない。それが私が彼と結んだ盟約なのだ。
 今しばらくの遠乗りは、いまだ続いているのだから」
 
 そして、私はため息をついた。

「まったく。幾許かの可能性を探らず自ら死へと踊りこむ様は炎に飛び込む
虫にも似る。

 なぜ誰も、もっと楽に生き延びられる道を模索しようとしないのだろう?

 そう。可能性はいくらでも存在するというのに。
 このゲームを傍観してずいぶんになるが、まったくもって疑問に尽きる」

 私のハイザックは深々と大地を蹴った。 
 炎を巻きながら高速で跳躍する。
 互いに接近しあう以上、会敵の瞬間は即座に訪れた。
 腰のハードポイントから居合いのごとくにビームソードアックスを抜き放ちながらの
一閃。輝く刃が瞬時に点る。胴体めがけての横なぎの一撃。
 何一つ躊躇なき一撃。
 惑う必要など何一つない。なぜなら私は傍観者なのだ。

【行動】抜刀・ビームソードアックス(−1)攻撃・リトラ(−1)通信継続・リトラ(0)
    残り2P
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・正常】
【パイロット状況:人格転換『私』】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数1)
   ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
78エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/10/30(日) 23:53:15 ID:???
>>30-31
 地面に手を付き四つんばいの姿勢をとると、
その体勢を維持したままゴキブリのように建物の影から影へと移動させる。
身を低くするのはいかなる戦場でも当てはまる物だ。
突然の銃声から事を発した戦闘は相当混乱しているらしく、
この原則を忠実に守るだけで、乱舞するビームの粒子から身を守ることができた。
建築物の後ろから頭部だけを出して辺りをうかがい、
そして考える。

 さて、私はどうすればいいのだろうか。
黒煙と炎と、陽炎に邪魔されてよく見えないが、
どうやらディジェ、セイバーフィッシュとマラサイ、ハイザック、ガズRとが争っているようだ。
額面上なら後者の有利に思えるが、
マラサイは座り込んだまま動こうとせず、戦意を喪失したように思える。
対する前者のセイバーフィッシュのパイロットがかなりのエースパイロットであることも鑑みれば、
両者の戦力は均衡している。
となれば、どちらに転ぶべきか瞬時には判断しかねる。
尤も、どちらかに加担する以外にも、
このまま局外中立を貫き勝手に消耗してくれるのを待つという選択肢もある。
現在はその選択肢に甘える形でどうするかを保留していた。

 どうしたものか、と指で頬をかく。
途端、じょりっという擬音が聞こえてきそうな不快な感触が指先に突き刺さった。
いい加減、髭を剃らなければいけないな、
そういえば、これに参加して以来身だしなみを整えたことはなかったな、
最後にシャワーを浴びたのは何時だったか? 思考の大半を下らない事に持っていかれる。
目の前で戦闘が続いているのに呑気ものだ。
戦場には到底相応しくないことを考えていた自分に気づき、
ため息と共にやれやれ、と肩をすくめる。
こんなことでは生き残ることはできないのに。
当然、帰ることだって出来ないのに。
何をやっているんだ自分。

 胸ポケットに手を伸ばす。
膨らんでいるのは人形が中に入っているから。
掌で包み、その感触を確かめる。
それを終えると、気合を入れるように頬を叩き、
しっかりと視線を前に向けた。


【行動:思考(1)、気合(1)】
【残り:2】
【位置:D−13(基地)】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂】
【パイロット状況:特に問題なし】
【通信状況:6番(継続)、15番(継続)、21番(継続)】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0),ビームトマホーク】
【所持品:布、綿、糸、裁縫道具、色鉛筆、型紙、人形
        水1L弱、MS整備の本】
【方針:生き残る】
79ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/10/31(月) 00:24:12 ID:???
 セイバーフィッシュが、地すれすれを飛ぶ。
 やれるのだろうか。相手がMSならばともかく、戦闘機の装甲は貧弱だ。
 破壊せずに動きを止める手段が有るとは思えない。

(ならば、ただひたすら避‥‥?)

 だが、その機体の動きに、眉をひそめた。

『おい、ミヒャエル、と言ったな。
 俺は仲間が殺されて平気で居られるほど、出来た人間じゃないよ。
 だが、この場は手を引こう……
 ファッツを連れて、此処から離れろ』
「離れろ? 離れろって言ったって‥‥」

 マラサイはまだ動きを見せない。

『……冗談じゃ、ない。
 お前達に、私とファッツの間に入る権利などはっ……!?』
「冗談は、どっちさ!」

 リトラの言に噛み付いた。

「あなたは一体‥‥何なの!
 そんな、女性だったり戦士だったり‥‥
 ここでやりあったって、何も‥‥」

 マラサイへ振り向きかけた視界の隅、何かが光った。
 ハイザックはその腕を振るい、炎を巻き上げる。
 登場した第三者は、リトラへと襲い掛かり、それを牽制して、セイバーフィッシュが空を飛ぶ。
 そうだ。リトラは。ディジェはどうなったんだ。
 急変していく状況を把握しようと必死に頭を揺り動かす。
 常に感じる、吐き気と倦怠感が、どうしても纏わりつく。

「リトラが‥‥いや、まだ居るのか?」

 爆煙の中に、微かにリトラ機を見た。
 辛うじて動いている、あのハイザックの機体と戦うだけの姿勢は、ある。
 だが、ダメだ。このままでは、ダメだ。
 いまここにいる、ファッツだけを助けて、どうする。
 いや違う、ここが最大限だ。之以上何もする事は出来ない。
 二つの想いがせめぎあい、喉元を下っていく。

 どん。

 叩きつけるようにスイッチを押し、ファッツとの通信回線を開く。

「生きたいんでしょ!?
 ぼさっとしないでよ!」

 ただ、その言葉は、酷く乱暴だった。
 彼の体力は、休息によってある程度回復していた。
 だが、精神的には、酷く疲れていた。
80ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/10/31(月) 00:26:10 ID:???
【行動:ファッツと通信接続(−1)】
【残り :3P】
【位置:D13】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ヒステリー】
【通信状況:リトラ、ジンペイ、ファッツ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:腕時計、拳銃(10発)、基地の地図、周辺の詳細な地図(フォルダ)】
【方針:薬!、逃げない、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
81レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/10/31(月) 14:25:03 ID:???
記憶の空白が其処にはあった。
同盟者からの連絡に、了解の旨返そうと特殊トランシーバーを手に取り――気がつけば、空の様子は一変していた。

眠ってしまったのか。
そんな筈は無いと首を振り、思い至ったもう一つの可能性に少しだけ寒気を感じた。
身を侵す病、不治の其れと付き合い始めてから半年程度しか経っていない。
更には症例自体非常に少なく、彼女の時代に於いてはさして研究も進んでいない。
故にあらゆる変化が、レベッカにとっては未知の恐怖となる。
細胞の変質が既に神経にまで至り始めたのかと思い、気付けば震える両肩を掻き抱いて必死に鎮めていた。

生きている。
死ぬことも無く、殺されることも無く、自分はまだ生きているのだ。

*  *  *  *  *

北を目指す。
結局トランシーバーはシート脇に置かれたままだ。
今更了解の旨、送ったところで遅きに失している。
加えて言えば――今は、青年の声を聞きたくなかった。

「かなり……離されちゃったかな」

肩が痛む。
二の腕がひりひりする。
きっと服を脱げば、指の跡が薄らと赤く残っていることだろう。
痛みがあるということは生きているということ。
自然と少女の唇は笑みを浮かべ、しかしすぐに引き締められて元に戻る。

基地に辿り着けば、其処で彼女は答えを返さねばならない。
レベッカ・テスタロッサが名前を与えた青年の、彼女へ託そうとする願いと想いに対して、何らかの答えを――

足音は重く、それでも黒い鉄の騎士は弛まず歩き続ける。
82レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/10/31(月) 14:26:13 ID:???
【行動:Y-07→Y-03(-4)】
【位置:Y-03(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、「どうしたらいいんだ」】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:サマーセーター+ジーンズ、上記のロングコート、白手袋】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい】
【同盟:No.25「テオドール」】
83ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/10/31(月) 15:18:11 ID:???
生きたい、生きたい、生きたい、生きたい、生きたい。
惨めでも、情けなくても、侮辱されようと、生きたい。
今現在、ファッツの脳裏を過ぎっている言葉はただそれだけだった。
誇り高き戦士も、天才も、そんな称号が何になるというのだろう。
それで死んでしまっては、全てが終わりだ。
死にたくない、絶対に。

大地でもがき続けるマラサイに、手が差し伸べられる。
………ガズアル。
右肩から先を失い、全身に多数のへこみがあるそれが、マラサイに手を差し伸べている。
一体、どうして………
もし自分なら、きっと自分なら………
こんな状況になれば、まず一目散に逃げる。
ましてやガズアルは酷く損傷している、戦闘に巻き込まれれば命の保障は出来ない。
なのに………なぜ。

呆然としていると、レーダーの光点がまたひとつ増えた。
ハイザック………ファッツの同盟相手、ジェンセンの乗る機体。
それは宙を舞うセイバーフィッシュの攻撃を簡単に防ぎ、
リトラのディジェに攻撃を仕掛ける。
チャンス………!
ただ単純にそう思った。
今が、逃げるチャンスだ。今しかチャンスは無い。
ジェンセンが二人の気を引いている今が、逃げ出すには絶好のチャンス。

「生きたいんでしょ!?
 ぼさっとしないでよ!」

考え事をしていた脳を、苛々した声が刺激した。
わかってる………ぼさっとしている暇は無い。
僅かに動くマラサイの左手をガズアルのそれに近づけ………掴んだ。
そのままの体勢で左足をしっかりと地面に立て、立ち上がらせる。
………いささか足元が不安定なのは、仕方が無い。

「逃げよう………早く、逃げないと………」

立ち上がるまでは成功だが、その体勢はいささかガズアルに寄り添う形になっている。
所謂?まり立ち。
逃げ出すには、少々無理がある形だった。

【行動 :ミヒャエルに通信接続(-1P) マラサイを立ち上がらせる(-1P) 残り2P】
【位置 :D-13】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷 胸部装甲破損 右足半壊】
【パイロット状況 :恐怖心 左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 頬に切り傷】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 0%)】
【通信状況:リトラ・ジンペイに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:逃げる】
【最終行動方針:逃げる】
84ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/10/31(月) 19:47:01 ID:???
さて、ニースはいよいよ最終行程にとりかかった。
言うまでもなく、ゲルググの腕と、ゲルググJの手首を溶接するのだ。
ニースは溶接棒とトーチを構えて、慎重に繋げていく。

ここで困るのは、腕と手首の切断面が一致しない事だ。
以前にも言ったように、系列が同じとはいえ、全く同じ機体ではないのだから当たり前ではある。
それでも、まだましな方かもしれない。
機体の特徴が良く似ている為に、やろうと思えば溶接できない事はなかったからだ。
多少強引な溶接になり、溶接部分の強度に不安が残ってしまうが、もともと失っていた手首なのだ。
繋げる事ができて、更に動かせるようになるのなら、それは望外の幸運というものだろう。

じっくりと、1ケ所1ケ所、確かめるように溶接していく。
それは、ニース1人でするには、とてつもなく根気のいる作業だった。
ニースのように機械が好きで、幼い頃から機械に慣れ親しんだ人間でなければ、こうまでじっくりとはできな
かったかもしれない。
更に運がよかったのは、プログラムを生きていくうちに、以前にはなかった集中力が身に付いた事だろう。
少し前までのニースなら、こんな長時間の作業は、好きであっても続かなかったに違いない。
しかし、ここで生きる術を必死に身に付けていく過程で、ニースは自身も気づかないうちに信じられないくら
いの集中力が養われていたのだ。

それは、ニースの内に目覚めた力と関係しているのだろうか?
あの静寂に満ちた湖を思わせる精神状態は、ニースの極限まで高められた集中力がなせる技なのか?

「…これで、できあがりっと!」

手首をぐるりと溶接し終えて、一応の修理は完了した。
それこそ、ニースの全才能を賭けたような作業だった。
ただ、それが実を結ぶかどうかは、実際に動かしてみないと分からない。
でも、結果がどうなってもニースに悔いはない。
ニースは、自分にできる事を精一杯やった。
失敗したのなら、それはまだニースに足りないところがあったというだけだ。

コクピットに乗り、少し震える指でゲルググを起動させる。
久し振りに、モノアイが鈍い光を放つ。
1つ唾を飲み込むと、ニースは左手を上げた。
…そしてモニターに映った左手は、ぐぐっと力強く拳を握ってみせた。
ニースの顔に、みるみる笑顔が広がっていく。

「ア、アルバートさん!アルバートさん!
 あたし、あたしやったよおお!ゲルググの左手、動いたよおぉ!」

大声で通信機に叫ぶニース。
この喜びを最初に伝えるのは、やはりアルバートしかいなかった。
85ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/10/31(月) 19:48:31 ID:???
【行動:腕の溶接(−2)ゲルググの起動(−1)左手のテスト(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:V-14】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番に回線継続】
【人物状況:歓喜の中】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、やった!】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
86リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/31(月) 21:04:57 ID:/AH352TR
IDチェック
87リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/10/31(月) 22:22:27 ID:???
>>77
その答えは、果たしてリトラの抱いていた確信が正しかった事を証明するものではあった。
が、実際に耳にする事を恐れた答えでもあった。
屍肉……それが誰のものなのかは、問うまでも無いだろう。
怒りと共に、先程とは異なる種の吐き気がこみ上げてくるが、
それで行動に支障をきたすほどにリトラ=クロームはヤワではない。

「美味かったか?あの少年の肉は。
 生でガッつくくらいだ、さぞかし美味かったんだろうな」

脳裏に浮かびかけていたロイドの顔を振り払い、内に沸き起こる怒りをただ敵へと向ける。

「……貴様をモビルスーツから引きずり下ろし、
 汚らわしい腸をアスファルトの上にブチ撒けてやる」

バランスを失う瀬戸際の前傾姿勢で、リトラのディジェはハイザックへ猛然と迫る。
相対するジェンセンは、こちらの突撃に対し、退くどころか自らも踏み出した。
瞬きほどの間に、一気に距離が詰まる。
エンゲージの瞬間、奴のビームソード・アックスが閃いた。
並の腕のパイロットならば一刀のもとに斬り捨てられ、果てた所であるが―――


>>79
ミヒャエルの問いには、言葉で以っては応えない。
自分は……戦士だ。雌などではない。
ファッツが戦えないというのであれば、構わない。
自分も敢えて、戦えないファッツを手にかける真似はすまい。
だが、ファッツに振り下ろされるべき刃は、ジェンセン=スティールの身で受けて貰う。
クローム    スティール
白銀の輝きは鋼鉄のそれよりも眩い事、ここで示し―――それをあの男への返答としよう。


―――ジェンセンの斬撃を、リトラは片側だけ刃を出現させたビームナギナタを
叩きつけるようにして、受け止める。
それは「受け」などという生易しいものではなく、敵を断つべく振るわれた斬撃である。

「フン、そのような生に縋った所で、私にとっては何の意味もないんだよ」

ジェンセンに刃を引かせぬよう、刃を交差させたまま圧し。

「私が生きるという事は……こういう事だッ!」

咆哮と共に、ハイザックの横腹へと重い蹴りを叩き込んだ。

【行動 :  通信継続中(0) ビームナギナタの刃を片側出現させ、ジェンセンの斬撃を受ける(-1)
       刃を交差させたまま圧し(-1) ハイザックの横腹に蹴りを叩き込む(-1) 残1 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、右肩機構露出 左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下
        左肩に焼け焦げた白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み) 全身を打撲 バンダナ&タンクトップ&カーゴパンツ姿 凍てついた眼差し 】
【通信状況 : 07番・ジンペイ 13番・エドワード 15番・ファッツ 21番・ジェンセン 26番・ミヒャエル
        ホワイトアーク 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 今排除すべき敵を討つ 】
>>71
ウトウトしていた僕は、その定期放送で慌てて目を覚ました。
どれくらい寝てたんだろう。ひどくお腹が空いている。

「O-18って……この場所じゃないか!」

僕は慌ててハンブラビを飛び立たせる。
手元に「ビームショットライフル」とかいう銃を持ったまま。
なんだか知らないけど、ひょっとしたら聞き逃した定期放送で言ってたのかもしれないけど、
とにかく気づいたら同じエリアにあった、コンテナの中にあったやつだ。
ハンブラビは、足を畳んでも手があるから、持ったまま飛べる。

「でも、これからどうしよう……」

誰も来ないところに逃げていよう、と思ったけれど、じっとしてると今度は立ち入り禁止区域が怖い。
それにここは、よく見たら灯台の近く。これを目当てにやってくる人がいるかもしれない。

「人が来なさそうで、動ける場所で、ついでにいろんなものが揃ってるところは……」

とても不便な町か基地がいい。地図を見ながら考える。
右下の町は、人も近づかないと思うけど……なんだか禁止区域に囲まれてるようで嫌だ。
左下の町は、砂漠の中っていうのが不便そうだ。
湖の上側にある町は、なんだか人が沢山集まってきそうで怖い。

……そんな中、僕は右上の基地に目をとめた。
うん、ここならなかなか人も来ないだろう。
一部が立ち入り禁止になっているけど、囲まれてるわけじゃないから、逃げるのも簡単だ。
誰かに会ったら、すぐに逃げればきっと大丈夫。

僕は、こんなところで死ぬわけにはいかないんだから。


【行動:コンテナチェック(ビームショットライフル獲得)(-1)、ウトウトする(-0)、
    移動(O-18→P-17→P-15→P-13)(-3)】
【位置:P-13】【残り行動値:4】
【機体状況:ハンブラビ(MA形態)】
【武装:背部ビームガン×2、ビームサーベル×2、腕部クロー×2、テールランス、
    ビームショットライフル)】
【所持品:ディパック、教科書、ノート、筆記用具、携帯音楽プレーヤー】
【行動方針:サラとの約束を守る】
【同盟:なし】
89『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/10/31(月) 22:44:16 ID:???
>>71
……定期放送に、新たな死者の名前はなかった。
ということは、少年の死は誰の悪意にもよらぬ事故だったのか?
それとも、少年の死の発覚にタイムラグでもあり、今まさに戦いの最中なのだろうか?
少し考えて……青年は首を振った。
そんなことは、どっちだって良いことだ。
新設した右足のビームサーベルの調子を確認しながら、青年は自分に言い聞かせる。

さて、青年はひとまずやることを終え、ガンダムに乗り込んで立ち上げる。
他にも修理したい部分は色々あったが、ここから先は「材料」が必要だ。
弾丸の補給だとか、装甲の補修だとか。基地である以上、どこかに何かあるはずなのだが。
……基地の中央、立ち入り禁止区域に指定されているエリアに、それらが集中していないことを祈るばかりだ。
積み上げた未使用武装の中から、ガドリングシールド(これも予備弾があるなら欲しいところだ)を拾い、基地を歩く。


……小一時間ほど基地を歩き回った青年は、溜息をついた。
探し方が悪いのかもしれないが、このエリアにはどうも見つからない。
こうなれば……南西にある、もうひとつの探索可能エリアを調べる必要があるだろう。
青年はガンダムを動かし、W-03の立ち入り禁止エリアを避けるようにガンダムを進める。
海の中、波の下に見える比較的浅いところを通り、再び基地に上陸する。

【行動:右足踵部ビームサーベル調整(−1p)、探索(W-02の基地内)(空振り)(−1p)、
    移動(W-02→V-02→V-03)(−2p)】
【残りP:0p】 【位置:V-03(基地内)】
【人物状況:頭頂部に傷。左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ姿。
      強化人間としてのマインドコントロール崩壊。10番レベッカに明らかに好意】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2(ただし左側弾切れ)、肩部マシンキャノン×2(未試射)
    右腕部Iフィールド発生装置×1、ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、
    腰アーマー部の錨&鎖×2、右足踵部ビームサーベル】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面(着用せず)、エプロン、『サバイバルの手引き』(数ページ損傷)、日本刀
     サンドウィッチ入りのタッパー(1食分)、ペットボトル入り紅茶(900ml一本)、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復 レベッカマダー?】 
【同盟:10番レベッカ】
90管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/01(火) 00:06:15 ID:???
>89時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡◇□□彡彡彡◎◎彡彡★彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡◎彡□□△□□□◎彡彡彡25◎〓10彡
 04彡◎□◎△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎┛□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎◎◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡◎□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎◎□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━┛◎彡□┃△◎○  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━┓□◎彡□△□23┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━〓▼▼▼┛□□彡彡◎1117□△◎  ★:基地
 15◎◎△◎∴□◎□┃□□彡◎▼□□彡◎◎□□★◎◎□△  U:灯台
 16△△∴∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18△△◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U◎◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃◎◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼◎━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃□□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○◎

06と07と13と15と21と26は同一地点【D-13】
11と14は同一地点【V-14】
コンテナAの位置
『F-13』 『L-18』
上記の全2箇所
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。

C-21の立入禁止予定区域には16在中であったが
移動無しの為、首輪・機体ともに強制爆破
生徒番号16番 ナインティ=アウェイキング  死亡

>>88修正。「ビームショットライフル」を、「携帯式6連装ミサイルポッド+ブランドマーカー」に変更
 「手元に「ビームショットライフル」とかいう銃を持ったまま。」
 →「手元にミサイルポッドと、「ブランドマーカー」とかいう板状の武器を持ったまま。」に変更)


他の人とまた会うんじゃないか、と思った湖の北の町には、でも誰もいなかった。
みんなどこにいるんだろう。この調子で会わずに済ませたい。
このままこの街でのんびりしたい誘惑に駆られたけど、やめておく。
この地形じゃ、きっとまた他の人が来るはずだから。

周囲の景色は、とても綺麗だ。どこかで殺しあってる人がいるなんて信じられないくらい。
でも、なんでだろう。
どんな綺麗な山を見ても、川も見ても、良い詩が思い浮かばないんだ……

【行動:移動(P-13→R-13→R-11→T-11→T-09)(-4)】
【位置:T-09】【残り行動値:0】
【機体状況:ハンブラビ(MA形態)】
【武装:背部ビームガン×2、ビームサーベル×2、腕部クロー×2、テールランス、
    携帯式6連装ミサイルポッド、ブランドマーカー)】
【所持品:ディパック、教科書、ノート、筆記用具、携帯音楽プレーヤー】
【行動方針:サラとの約束を守る】
【同盟:なし】
92『テオドール』(T−13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/01(火) 12:23:32 ID:???

青年は基地の中を歩き回り、やがて弾薬庫を見つける。
もちろん入口は封鎖されているが、ビームサーベルで切り裂いて中に入る。

小一時間ほどして、純正品ではないものの、頭部バルカンに規格の合う弾を見つける。
肩のマシンキャノンにも合うものがあるようだ。
運び出して、装填。
センサー類にダメージを受けた頭部は、言ってみればバルカンの砲塔のようなものだ。
弾がなければ、どうしようもない。

ついでに……前の反省を踏まえ、青年は試射してみることにする。
目標は手近なところにあったトラック。
頭部と、両肩の付け根からバリバリと閃光が出て、トラックを吹き飛ばす。
……問題なし。今度は前のように弾詰まりなど起きないだろう。
再びガンダムの動きを止め、今の試射で消費した分の弾を補充しておく。

残念なのは、このガドリングシールドに合うような弾は見つからないことだ。
これは、撃ち尽くしたら砲身ごと破棄するしかないだろう。


【行動:探索(弾薬庫発見)(−1p)、頭部バルカンに装填(−1p)、
    試射(−1p)、さらに補充(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:V-03(基地内)】
【人物状況:頭頂部に傷。左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ姿。
      強化人間としてのマインドコントロール崩壊。10番レベッカに明らかに好意】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、ガドリングシールド、
    腰アーマー部の錨&鎖×2、右足踵部ビームサーベル】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面(着用せず)、エプロン、『サバイバルの手引き』(数ページ損傷)、日本刀
     サンドウィッチ入りのタッパー(1食分)、ペットボトル入り紅茶(900ml一本)、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復 レベッカマダー?】 
【同盟:10番レベッカ】

(前回、文章内で書いているにも関わらず、武装欄にガドリングシールドが抜けていました。修正します)
93ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/11/01(火) 20:23:28 ID:aWgrKRA/
ロケット弾が爆ぜ、それを退避したハイザックに後尾の砲弾が喰らい掛かる。
だが、手応えは無い。

(……効果無し、か。
 さて、燃料もいい加減限界と来た。
 如何にしてヤツに一泡を吹かせられるか。だな……。)

低空に降りたセイバーフィッシュ。
最早、再び高空に上がるだけの力は無く、巡航速度を維持するのが精一杯。
それどころか、エンジンは息を付き始める始末だ。
だが、まだ戦える。
と、其処へリトラの声が飛び込んだ。

『援護には感謝する。私が仕掛ける隙に、離脱しろ』

「なに、心配しなくとも、すぐに撤退させてもらうさ。
 武器も燃料も無いし、体調も優れん。
 だが、尻尾を巻いて逃げるのは、どうも気が進まんからナ。
 それに、貴様には恩がある。」

そう答えた顔は、何故か微笑んでいた。

戦況はその間にも進んでゆく。
ハイザックとディジェは、格闘戦に移行した。
等のセイバーフィッシュは、まるで覇気を無くした様に、フラフラとハイザックへ接近した。
そして、まるでディジェに圧し掛かる様にダイブする。
二体が離れた隙を見計らい、精密な射線が真っ直ぐと、ハイザックの顔面目掛けて襲い掛かった。

【行動 : ジェンセンに射撃攻撃-1 リトラへ返信-0 残3 】
【位置/場所 : D-13/基地・低空 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠気味】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み、足から出血)
          少し貧血気味 右腕の不自由  体温低下 服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残10%) 60mm機関砲×1(残弾無し)
       両用ロケット弾×1 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×5食分  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 : ディジェの支援 撤退 機体の補修 】
【支援 : リトラ 】
94ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/02(水) 15:12:21 ID:jQg43Pv6
 ID チェック
95ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/02(水) 18:02:36 ID:???
>>87
「私が殺したわけではないのだが・・・・・・君にとっては同一人物の
所業に思われるのかな。
 まぁ、いい。私個人としても望ましいところだった。あの結果はね。
 
 ブレイム=オリディスを殺したのは、彼だろう?
 ならば、むしろ当然のことだ。
 彼の生き方には興味があった。だが、その道も閉ざされた。
  
 ならば、あるいは私が殺すべきだったのかも知れぬ。
 彼の遺志を知るものとして。

 では、粛々と屠らせていただく、リトラ・クローム。私は再び、
観察対象を失うわけにはいかぬのだ」
 
 彼女のディジェは轟然たる殺意と共に肉薄する。
 互いの刃が互いの刃に牙を突き立てあい、ビーム干渉の火花が
飛び散るのが見えた。すさまじい圧力。敵は刃を交えたまま、
さらに押し込んでくる。崩しか。ならば次が来る。
 強烈に押される機体。右足を後方に回し、踏みとどまりつつ、
圧力を流す。
 その動きに殺意。来る。

「私が生きるという事は……こういう事だッ!」

 跳ね上がる敵の足。読んでいた。だが、予想よりはやい。
 直撃を食らう前に、機体を横倒しにして、スラスターを
噴射。蹴りから逃れるような機動。蹴りの衝撃を、そうして
逃がせば……
 
 しかし。
 機体を横倒しにした瞬間。
 
 眼前に広がったディジェ。その背後に。
 
「セイバーフィッシュッ……ッ!!!」
96ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/02(水) 18:05:16 ID:jQg43Pv6
 
 馬鹿な。この低空で。ありえん。火災で生じた上昇気流、
乱気流を起こすに足る。その範囲は相当に広いはずだ。
 おそらくまともに操縦することすら困難だろうに!
 いや……寸毫の時間にひらめく。
 表面効果だ。
 航空機が着陸のため地面に近づくと翼と地面の間にある空気が
圧縮され、上に押し上げようとする力が働く。
 セイバーフィッシュは、文字通り倒れこむような姿勢のディジェに
覆いかぶさるようにして飛行していた。
 そして、闘争が生み出した偶然か、それともそれが奴の狙いだったか、
奴のセイバーフィッシュは私のハイザックから「見えない」位置に存在
していたのだ。

 そして、ディジェとセイバーフィッシュの
間には……表面効果が働く……まるでホバークラフトのように!
 その運動性……もはや常識では推し量れまい……
 見れば失速寸前の速度で、こうも機体を安定させるか……
 
 抜かった……何たる、魔技ッ!!

 セイバーフィッシュの機首が、ハイザックを正面からにらみすえていた。
 奴の狙いはッッ……

 反応する間などあるはずもない。
 機銃の一撃がモノ・アイをえぐり、砕く。
 
 いかんッ……反応が遅れたッ……!!

 最後のスラスター加速が、間に合わない。
 リトラ・クロームが放った強烈な蹴撃がハイザックの横腹を見舞う。

 強烈な衝撃。私のハイザックは、やはり横に吹き飛んでいた。
 蹴りの孕むすべての衝撃エネルギーを、まともに横腹に受けて。
 リニアシートが衝撃を吸収しきれぬ。
 衝撃。
 激痛。
 脳裏に火花が走る。
 意識が、眩む……
【行動】通信継続(0)回避行動;失敗(−1)残り三ポイント
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・モノアイ全損、側面動力パイプ損傷
      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『私』、
         頭部をコンソールに打ちつけた結果として、頭部裂傷】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数1)
   ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】


97アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/11/02(水) 18:41:55 ID:???
その後もエビル・Sの動きはない。
もしかしたら俺の事に気づかずに寝てしまっているのではないか、というある意味
馬鹿な考えがもたげてくる。
どう考えても、隣の地点にいるシャッコーに気づかない筈はないのだ。
もし気づいていないのなら、それは馬鹿を通り越して愚か者だと言った方がいい。
だけど…仮にもここまで生き残る運と実力を備えた生徒なら、間近にいる他の生徒
に気づかないなど、万に一つの可能性もないだろう。
だからこそ動かないエビル・S…アルマ=フローライトの意図がいまいち見えない。

これで1対1ならこちらを誘っているとも言えるのだけど、1対2になると分かり
きっていて、尚も誘うとは考えにくい。
それとも1対2でも勝てると踏んでいるのか。
それともこちらの動向を窺っているのか。
…いや、それなら別に隣の地点でなくてもいい筈だ。
それともニースと同じように機体の修理をしているのか。
…いや、出会った事もない生徒がすぐ近くにいるのに、のんびり修理するわけがない。
もしかしたら、何らかのコンタクトを取ろうとしているのか。
…であれば、とっくに向こうから通信なりのアクションが来てる筈だ。

次々と考えが浮かび、それを直ぐ否定する。
エビル・Sが留まる、確固たる理由が見当たらない。
まさしく俺の思考は、迷路へと入っていこうとしていた。

…しかしそれを打ち消したのは、ニースの歓喜に満ちた声だった。
暫くしかめっ面だった俺の顔に、久しぶりの笑顔が浮かぶ。
「そうか〜。
 えらいぞニース。
 たった1人で、よくそこまで出来たね」
モニターのニースに親指を立てると、続けて頭を撫でるゼスチャーをした。
これがモニター越しでなかったら、多分俺はニースを抱き締めていたかもしれない。
誰の手も借りず、自分1人の力で修理を成し遂げた。
それだけで俺にとっては、尊敬に値するものだった。

微笑んだまま更に話を続ける。
「ゲルググの修理という、当面の目標はこれで達成した。
 …そろそろ基地を出ても良いころだから、いつでも動けるようにしておいて」

【行動:ゲルググに通信回線接続(−1)】
【残り:3】
【位置:V-14(基地内)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:14番に接続中】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、コッペパン1個、保存食41/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、
    マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:エビル・Sの監視】
【同盟:ニース】
98ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/03(木) 11:14:05 ID:???
『そうか〜。
 えらいぞニース。
 たった1人で、よくそこまで出来たね』

シャッコーで難しい顔をしていたアルバートが、笑ってニースを褒めてくれた。
続けて頭を撫でるような仕草。

ニースは嬉しかった。
アルバートが褒めてくれた事は勿論だが、それ以上に笑ってくれた事が。
言い方を変えれば、何かを悩んでいたようなアルバートの気分を、少しでも自分が和らげることができたと
いうのが、何よりも嬉しかった。
ニースの頑張りは、あくまでも彼女にとって最高の形で報われた。

何だか本当に、アルバートに頭を撫でられているような気分になり、薄く頬を染めて微笑んでいると、続け
てアルバートから通信が送られてきた。

『ゲルググの修理という、当面の目標はこれで達成した。
 …そろそろ基地を出ても良いころだから、いつでも動けるようにしておいて』

「…そういえば、そうだっけ…」

エルナの事もあり、正直ここには良い場所とは言い難かった。
だが、このプログラムが始まって、初めてニースの本当の自分らしさが出た場所でもあった。
複雑な気持ちではあるが、どちらにせよ生きている限り、ニースには忘れられない場所だろう。

ただ、疑問もある。
ニースは素直にそれを口にした。

「ここにいつまでもいられないのは、あたしも分かってるけど…。
 …その、ここ出たら、次はどこに行くの?」

【行動:コクピットで喜ぶ(0)】
【残り行動値:4】
【位置:V-14】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番に回線継続】
【人物状況:歓喜の中】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、これからどうしよう?】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
99アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/11/03(木) 14:29:43 ID:???
……探索には思ったよりも時間が掛かった。
工具と機材の操作パネルだけを探すつもりが、向かった先でガンダムMk-IIの伸縮式シールドを見つけたためだ。
おかげで機体と操作パネルの間を何度も行ったり来たりする羽目になった。
隣のエリアの連中は動いてはいないが、こちらもあまり時間を掛けられない。

手始めに、彼女はエビル・SのIフィールド発生器を外す。
"アルマ"がやったことの逆をしたわけだが、彼女は難なく作業を終えた。
そしてνガンダムのフィン・ファンネル連結部にかぶせるように取り付け。
エネルギーラインの開通を確かめて作業終了。

実は、基本的な出力や機動性はνガンダムよりエビル・Sの方が若干優れている。
もし完全なメンテナンスが可能なら乗り換える必要はなかったかもしれない。
しかしそうではなかったし、例えそうできても時間はあまりなかった。
サイコフレームの存在が気に掛かるが、そんなものはないと思って掛かった方が堅実だ。
彼女はνガンダムのサイコフレームには期待していないし、自分に起動させるだけの素養があるとも思わない。
自惚れは死を招く。

"仕事先"では何度か自信家と組んだこともあった。 大抵の場合そういう奴から先に死んでいった。
実力が伴わないことがほとんどだったが、"仕事中"に余計なことをしてアルマに始末される奴も少なくなかった。
無意味に自信を持つ必要はない。 実力があるのなら、自然と弱気にはならないものだ。

彼女はνガンダムのシートに座ると、エビル・Sの手からビームライフルを奪い取った。
サイズが小さい、と言うより規格が違うのでそのまま使うことはできない。
νガンダムのマニピュレータが大き過ぎて普通に持つことすらできないのだ。
彼女がこの問題をどう解決したかと言うと――

トリガーガードをもぎ取った。
これで(割り箸銃を握るような格好だが)一応ライフルを持つことができる。

さて。
エビル・Sの後始末がまだだが、一応の作業は終わった。
そう判断したアルマは、再び使えそうなものの探索に向かった。

【行動:探索(-1)、移植(-1)、加工(-1)、再探索(-1)】
【位置:W-14/軍事施設】
【残り行動値:0p】
【機体状況:Green】
【武装:ビームサーベル、バルカン(100)、ビームライフル、Iフィールド、シールド、エビル・S】
【生徒状態:Green?】
【所持品:デイパック、コッペパン、水2gx1.5、栄養ドリンクx6、ノートPC、食糧、生活雑貨、
      ベレッタ(16/15)、弾薬ケース、マント、バニーセット、ルージュ、携帯端末】
【行動方針:…………】
100レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/03(木) 21:59:04 ID:???
荒れ野を抜ければ目の前には海岸、島、そして二つを繋ぐ鋼鉄の橋。
橋脚に寄せる波は白く散って青に還り、青を揺らして白く呑み込む。
故郷の海に想いを馳せながら暫しその光景を見つめていたレベッカは、唇の端を小さく歪めてフットペダルを踏み込んだ。

「?」

橋から浅瀬へと飛び移り、浅瀬から浅瀬へ次から次へと渡りながら漸く辿り着いたW-02エリアには何の反応も無かった。
先に送られてきた通信から、レベッカはてっきりテオドールが其処にいるものだとばかり思い込んでいたのだが――

数秒経ってやっと気付く。
見れば索敵範囲内、V-03に馴染みの機影。
粗方修理を終えたか、或いは必要なパーツを探す為か。
何れかの理由で基地内の違うエリアを探索しているのだろうと見当をつけ、少女は自らも作業に取り掛かるべくグルリと施設内を見渡した。
探すべきはドック。
パーツ探しも武装の捜索も、先ずは拠点となる場所を見つけてから。

其れらしき場所を見つけたのは、基地に入ってから凡そ10分程後の事だった。
101レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/03(木) 22:00:13 ID:???
【行動:Y-03→X-03→X-02→W-02(-3)、ドック発見(-1)】
【位置:W-02(パイロット:コックピット内)(機体:W-02軍事基地ドック前】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、「どうしたらいいんだ」】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:サマーセーター+ジーンズ、上記のロングコート、白手袋】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい、先ずは修理を】
【同盟:No.25「テオドール」】
102リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/04(金) 11:48:13 ID:???
>>95
「ロイドがブレイムという男を殺した時点で、彼は貴様達に殺される理由を自ら作り出した。
 そんなロイドの愚かさと、彼をみすみすお前達に殺させる隙を与えた私の愚かさが
 あの少年を殺したのだという事は、私自身理解している。
 だがな、私が貴様に抱いた怒りは、そういう理屈とは関係無いんだよ……。
 貴様の汚らわしい口が、あの少年の体を貪っていたかと思うと……
 貴様の髪の毛一本たりともこの世に残さんと思う程の怒りに駆られるのさ!」

交差する光の刃、圧し潰さんと、堪えんとする二機のMS。
女豹の咆哮とともに蹴撃が放たれんとした瞬間、リトラは信じられないものを目の当りにした。

>>93
およそ神業と言っても過言ではない。
接近戦を繰り広げる二機のMSの間に割って入るなどいう事を可能とする操縦技術は。
セイバーフィッシュは、まさにジンペイ=カザマキ自身の翼も同然だった。
このリトラ=クローム、モビルスーツの動作を自らの感覚に刷り込ませ、限りなく一体に近いまでに
操れると自負しているが、ジンペイのそれには到底及ぶものではない。

―――羨ましい。
それが、第一に浮かんできた感情だった。

次いで、浮かんできた感情は。

「馬鹿な……離脱す……!」

ロイドを殺される理由を自分は作り出したというのに……
それでも“恩”があるなどと言い、決死の援護を加えてきたジンペイに対する戸惑いだった。

>>96
セイバーフィッシュの機銃がハイザックのモノ・アイを抉り。
生じた隙に、ディジェの蹴りはハイザックの横腹に完璧な打点で叩き込まれる。
蹴り飛ばされ、姿勢を乱すハイザック。
生じた好機を戦士の本能がとらえ、心に生じていた戸惑いをかき消した。

冷たくギラついた瞳で、ハイザックを見据え。

「傍観者を気取る貴様を討ち……私は自身の生を貫く」

双刃と化したビームナギナタを振りかぶり。

「死者が、生者に勝てると思うな」

ハイザックの身を断つべく、円と化した刃が振るわれた。

【行動 :  通信継続中(0) ビームナギナタのもう一方の刃を出現させ、ハイザックに回転切り(-1) 残3 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、右肩機構露出 左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下
        左肩に焼け焦げた白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み) 全身を打撲 バンダナ&タンクトップ&カーゴパンツ姿 凍てついた眼差し 】
【通信状況 : 07番・ジンペイ 13番・エドワード 15番・ファッツ 21番・ジェンセン 26番・ミヒャエル
        ホワイトアーク 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 今排除すべき敵を討つ 】

空を飛びながら、僕は考えるともなく考えてしまう。

これからのこと。他の参加者のこと。逃げて逃げて逃げ延びて……その先のこと。

「考えたら……最後の2人までなんだな、逃げてなんとかなるのは」

僕は気づいてしまった。
他の人たちが、殺し合いをしてるなら……上手く逃げれば、最後の2人のうち1人にはなれる。
でも、その先は?
サラとの約束を守って、生き延びるためには……

「だめだだめだ! こんなこと考えちゃ!
 ………ん? なんだこれ?」

ふと、僕はコクピットの中、メーター類の隅に光るものに気がついた。
何か警告が点滅している。

「えーっとこれは……推進剤不足?」

しまった、そうだよMSが飛ぶにも燃料?がいるんだよ。
何やら警告が出てるけど、今更止まるわけにもいかない。
海の上で止まったら、どうなるかは僕だってわかる。

「基地につけば、どこかで補給できるかなぁ……」

僕はなんとか基地まで持ってくれることを祈りながら、ハンブラビを飛ばし続けた。
僕は、残りの推進剤と、立ち入り禁止区域を避けて飛ぶことだけが心配で……
だから、前に会った1機のMSがそこにいたことに気づいたのは、直前になってのことだった。
慌てて減速するけど、もう間に合わない。
避けてどこかに行くには、もう推進剤の残りが――!

【行動:移動(T-09→T-07→T-05→T-03→U-03)(-4)】
【位置:U-03】【残り行動値:0】
【機体状況:ハンブラビ(MA形態)、推進剤残り僅か】
【武装:背部ビームガン×2、ビームサーベル×2、腕部クロー×2、テールランス、
    携帯式6連装ミサイルポッド、ブランドマーカー)】
【所持品:ディパック、教科書、ノート、筆記用具、携帯音楽プレーヤー】
【行動方針:サラとの約束を守る】
【同盟:なし】
104『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/04(金) 21:12:01 ID:???
青年は続いて、推進剤の補給に入る。
これまでの戦闘、かなりの跳躍などをしていながら、補給はしてなかった。
まあ、背部のX字スラスターの損傷で、逆説的に消耗が少なくなったのが幸いしてたのだが……。
ともかく青年は、タンクを見つけて推進剤の補給を開始する。

パイプを繋ぎ、ポンプが推進剤を注ぎ始めたのを横目に、青年はお弁当を広げる。
自分の作ったサンドウィッチを食べ、ペットボトルの紅茶を飲む。
そういえば、この基地ならレーションなどの保存の利く食料も手に入るかもしれない。
そう思って、青年が腰を上げた、その時……

……最初は、音だった。何かが飛んでくる音。
青年は慌てて機体に飛び乗る。推進剤補給用のホースを、ガンダム自身の腕で引き抜く。
センサー始動。ノイズ交じりの不安定なセンサーが、接近する飛行物体を感知する。
RX-139 ハンブラビ。エイのような独特のシルエット持つMA形態。かつて一度出会った相手。
フラフラと、基地に向けて飛んでくる。

青年は反射的に通信回線を開いた。
開いてから……青年は、困惑する。
何をどう話しかければよいのか、わからない。

もともと彼の言語障害は、精神的な要素の強いもの。
少女相手にはかなり喋れるようにはなったが……しかし、それは全てをさらけ出せる信頼があった上でのことで。

「あ……うあ……お……
 う、ウガッ! お、おマエ……たたかウ気……あ、るな、……フシュっ!!」

脂汗を浮かべながら、モジモジと言葉につまり。
上手く喋れない自分自身への怒りで、青年の顔はまるで怒りに捕らわれたかのように歪んで……!


【行動:探索(推進剤発見)(−1p)、推進剤補給(−1p)、食事(−1p)、通信(23番ジョセフ)(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:V-03(基地内)】
【人物状況:頭頂部に傷。左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ姿。
      強化人間としてのマインドコントロール崩壊。10番レベッカに明らかに好意】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、ガドリングシールド、
    腰アーマー部の錨&鎖×2、右足踵部ビームサーベル】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面(着用せず)、エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復 レベッカマダー?】 
【同盟:10番レベッカ】
105アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/11/05(土) 00:26:28 ID:???
ニースの通信を黙って聞く。
その表情に垣間見えるのは、見えない行き先への不安か。
…たしかに、ニースの気持ちも分かる。
こんな最低のプログラムの中で、常に死の不安と戦いながらここまできた。
だけどまだ生き残る為の術は、生と死を賭けて戦う事しか見出せてない。
ニースにとっては現実の行き先だけでなくて、このプログラムそのものの行き先にも
不安を感じているのかもしれない。

それは俺だってそうだ。
何とか戦う以外の道を探ってはいるけど、それはまだ形にはなっていない。
時間だってあるわけじゃない。
このまま時間が経って、進入禁止地点が増え続けていけばいくほど、生き残れる確率
はどんどん低くなっていく。

「…まあ、俺に任せろなんて偉そうな事は言えないけど、一応行き先は決めてある。
 本当はまだここに留まっていてもいいんだけど、ニースも気づいたと思うけど、今
 隣の地点には新しい生徒がいる」
レーダーを見つめながら話をする。
…エビル・Sは相変わらず動こうとしない。
ただいい加減、ここでじっとしてるのには嫌気も差してきていたところだ。
俺達が動いて、向こうが襲ってくるのならそれでもいい。
向こうがどんな戦術を採るのだとしても、こちらのペースを守ればそうそうやられは
しないだろう。
「このままあの生徒の近くにいても落ち着かないと思うし。
 だから、いっその事新しい街か、基地に移動しようと思う。
 とりあえず俺にも少し、やっておきたい事があるから」

そうだ。
俺のやるべき事はこれからだ。
戦う以外の方法を現実のものにする為に。

【行動:ニースと会話(0)】
【残り:4】
【位置:V-14(基地内)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:14番に接続中】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、コッペパン1個、保存食41/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、
    マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:どこかの街か基地に移動】
【同盟:ニース】
このままじゃ、あそこに降りるしかない。あのMSのいるところへ。
逃げられない。
どうする、どうする、どうする――

この殺し合いに放り込まれてずっと逃げてきた僕は、どうしたらいいのか分からない。
けれど、推進剤は残り少ないから。墜落して死ぬのは嫌だから。
僕は答えの出ないまま、着陸態勢に入る。

『あ……うあ……お……
 う、ウガッ! お、おマエ……たたかウ気……あ、るな、……フシュっ!!』
「うわッ!?」

突然入った通信に、僕は思わず声を上げる。
何を言ってるのかまるで分からない。傷だらけの男。なんだかこめかみには機械まで埋まっている。
その顔は、怒っているように歪んでいて、「戦う気がある」とかなんとか……。

「うわ……う、うわッ……! く、来るなッ!!」

僕は逃げ出そうとした。でも、もうハンブラビは高度を維持できない。
反射的に人間の形にして、基地の端、港のところに着地させる。
飛んで逃げられないなら――歩いて逃げるしかない。
でも、どこに?

「く、来るなよッ!」

ガンダムがゆっくり僕の方に近づいてくる。
……よく見れば、このガンダム、ボロボロじゃないか。全身傷だらけで、胸のコクピットなんて車の屋根で。
なんだかチグハグな小さな腕や、腰の前にぶら下げた2つの錨なんて、かえってみすぼらしいくらいだ。
こ、これなら、僕でも……!
僕のハンブラビは、傷ひとつないんだから……!

……気がついたら、僕の腕は勝手に動いていた。
目の前のガンダムに向けて、右手に持ったミサイルポッドを構えて――撃ち続けていた。
左手には、光る盾を構えて、自分を守りながら――

【行動:移動(U-03→V-03)(-1)、変形(-1)、攻撃(携帯式ミサイルポッド連射)(-1)】
【位置:V-03】【残り行動値:1】
【機体状況:ハンブラビ(MS形態)、推進剤残り僅か】
【武装:背部ビームガン×2、ビームサーベル×2、腕部クロー×2、テールランス、
    携帯式6連装ミサイルポッド(弾切れ)、ブランドマーカー(ビームシールド展開中)】
【所持品:ディパック、教科書、ノート、筆記用具、携帯音楽プレーヤー】
【行動方針:サラとの約束を守る】
【同盟:なし】
107『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/05(土) 02:00:08 ID:???
――この世界は、理不尽だ。
青年は、改めて思う。
かつてすれ違った時も、決して好戦的な様子を見せなかったハンブラビ。
それに戦意の有無を問おうとしただけで――こんな目にあう。

頭の片隅でそんなことを思いながら――しかし、青年は必死だった。
慌てて、本当に慌てて、重たい盾を構え防御の姿勢を取る。

「ふ、フシュッ! ひゃひッ!」

――弾速の遅いロケット弾は直撃を食らえば威力はあるが、しかし本当はそれほど避けにくいものではない。
腕の良いMSパイロットなら、本命を見極めて――回避できる。最小限の動きで良ければ、それで良い。
まあ、腕の良い撃ち手にかかれば、フェイントを混ぜ、その「本命」の見極めが困難になるのだが――
しかし、ジョセフは正真正銘の素人。
強化人間『T-13』の腕ならば、容易に避けきることのできるもの、だったはずだ。

が――『テオドール』は。素顔の青年は。
まるで素人のように、必要以上に大きな動きで、回避して。
余裕がないものだから……二発目以降を避ける、余裕がない。
慌てて構えた盾で、ロケットを受ける。
盾越しに伝わる、凄まじい衝撃。強固な盾が大きく歪み、足腰強靭なガンダムが、その場に尻餅をつく。
倒れたことが幸いし、残りのロケットはガンダムの頭上を飛び越え、飛んでいく。
流れ弾の当たった基地の建物が、爆発炎上する。

一瞬にして地獄絵図と化した基地の中――青年は、己自身の「弱さ」に唖然としていた。
少女に出会い、素顔を晒してから、青年は色々なものを取り戻していた。
言葉。表情。感情。記憶。そして、名前。
しかしそれと同時に、戦いに必要な多くの「もの」が零れ落ちて。

今や青年は、最強の強化人間どころか、操縦桿を始めて握った素人にさえ劣る――

「うあ、ア……。ておどる、守ル……」

それでも。
それでも、青年は守りたいものがある。
己の存在と引き換えでも、構わないと思った相手がいる。
青年の殻を破ってくれた少女。貴族的な誇りとプライドを持った少女。強い少女。未来望む少女。
レベッカ・テスタロッサ。
108『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/05(土) 02:01:14 ID:???

だが、こんなザマでは守れない。こんな自分では守れない。
目の前の少年一人、倒せない。
青年は、倒れたガンダムの中から、まだ晴れない爆煙の中から、ハンブラビを見上げつつ必死で考える。
どうする。どうする。どうする――

と――その時。
青年が身じろぎしたはずみに、「あるもの」が青年の懐から零れ落ちた。
斜めに傾いだコクピットに、乾いた音を立てて「それ」は転がる。

「ア………!」

――それは、仮面。無貌の仮面。
強化人間『T-13』の『顔』であり、精神面のマインドコントロールの「条件付け」に使われていた面。
これを再び被れば、あるいは――

しかし、もしこれを被ることで、彼を無敵の戦士たらしめていたマインドコントロールが復活するなら。
恐らく二度と、『テオドール』には戻れまい。
『T-13』は、半ば自立した自己を持たされた仮面の人格は、己を脅かすモノの存在を知ってしまったが故に。
人の手で仮面を外され、人の前に素顔を晒すことの意味を学習してしまったが故に。
強固なマインドコントロールは、それ自身の自己防衛機能により、二度とそのような『隙』を見せぬはずだ。

そしてまた、仮面を被れば――彼自身が、『T-13』が、レベッカに襲い掛かるかもしれない。
他ならぬレベッカの存在自体が、『T-13』のアイデンティティにとって危険な存在であるが故に。
この強い思慕の念が、仮面を被ってなお消えぬ希望はあったが――しかし、見込みは五分五分といったところか。
下手をすれば、この「レベッカを特別に思う気持ち」もまた、『テオドール』と一緒に消え去る。


それでもなお、青年は――仮面を手に取った。
なおもロケットランチャーを構え、ビームシールドを構えて近づくハンブラビに対抗するために。
彼自身を、レベッカを、守るために。
震える手で、仮面を被ろうとして――ふと気づいて、通信機に手を伸ばす。
相手は、ついに追いついてくれた、レベッカのベルガ・ギロス。

「レベカ? ……ごめン。あリがト。テオドル、たのシかッた。
 …………さよナラ」

それだけ言うと、通信をブチンと切って。手短に、『テオドール』としての最後の別れを告げて。
涙も拭かず、『テオドール』は、己の存在の『死』を意味しかねない仮面を、自らの顔に――
109『テオドール』(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/05(土) 02:03:31 ID:???

【行動:回避&防御(ガドリングシールドで受け)(−1p)、レベッカに通信(−1p)、仮面を被る(0p)】
【残りP:2p】 【位置:V-03(基地内)】
【人物状況:頭頂部に傷。左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ姿。
      強化人間としてのマインドコントロール崩壊。10番レベッカに明らかに好意】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、ガドリングシールド(盾に歪みと亀裂)、
    腰アーマー部の錨&鎖×2、右足踵部ビームサーベル】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面(着用せず)、エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカを優勝させる レベッカと自分を守るため『テオドール』を『殺す』】 
【同盟:10番レベッカ】
――ロケット弾は、見事に命中した――ように思えた。
一発目は避けられたけど、2発目は大きな爆発を上げる。
大きな炎と煙に遮られて見えなかったけど、何発かは外れて遠くで爆発したけど、でもダメージは与えたはずだ。

「は、ハハハッ……! な、なんだ、簡単じゃないか!
 やったよサラ! 僕は生き残れるんだ……!」

僕は笑う。面白くもないのに、怖くて仕方ないのに笑いが止まらなかった。
なんだ、素人なのは僕だけじゃなかったんだ。みんな下手なんじゃないか。
なんとかなるよ。

……煙が晴れて、よく見たら、まだガンダムは原型を留めているようだった。
地面に尻餅をついたような格好で、こっちを見上げている。
僕はこのままトドメを指してやろうと、ハンブラビを近づける。

と――その時。
突然、僕は、背筋に冷たいものを感じた。

――なんだ、これ?

目の前の光景は、何も変わっていない。燃える基地と、尻餅をついた傷だらけのガンダム。
相手を見下ろしている、僕のハンブラビ。
何かが僕のココロの奥の方で叫ぶ、「早く逃げろ」と。
けれど、全身が金縛りにあったみたいに、動けない。手のひらに滲む汗が、やけに不快だ。

目の前で、ガンダムがゆっくり立ち上がる。全身を軋ませながら、見るからに辛そうに。
けれど、なんだろう……その圧倒的な存在感は。
小柄でボロボロのガンダムが、やけに大きく見える――
そして僕は、向こうのコクピットの中にいる、男の顔を見た。
そこにいたのは、さっきまでの傷のある青年ではなく、いやその青年自身で間違いはないのだけど――

無。
なにもない。
表情というものが一切欠けた、無貌の面。
顔の輪郭よりも小さなその端正な面は、しかし僕の目にはどんな怪物よりも恐ろしく。
その怪物が――こっちを、見た。

ガンダムが、こっちを見て――その顔を覆うフェイスカバーを開け、熱い息を吐く。

「う……う……うわあああああ!」

僕は叫んだ。叫んでミサイルポッドを向けた。
けれども、引き金をいくら引いても弾は出ないで――そう、既にそれは弾切れで。
気がついたら目の前に、ガンダムが迫る。
その右手に、細いビームサーベルを構えて。

閃光が、目の前を素早く通り過ぎたような気がした。
次の瞬間――目の前のモニタの映像が、赤く光って、歪む。
ビームの高熱に、溶けて裂けて消える。
裂け目の向こうに、夕焼けに染まりゆく空と、鬼面を露にしたガンダムの顔。

ビームサーベルが、コクピットハッチを切り裂き、全天周モニタを切り裂いたのだ――と気づく余地もなかった。
紙一重で即死を免れた、と感謝するヒマもなく。
ハンブラビの身体が、傾く。

「え……あれ、えッ!?」

重力の方向が変わる。切れ目の向こうの空が、動く。
いつの間にか――きっと、コクピットを斬られた時と同時に斬られたのだろう――両足が斬られていて。
ハンブラビは、抵抗もできずに後ろに倒れる。
咄嗟に身体を支えようとした両腕も、同じように斬られていて。
どうしようもなく、背中から地面に倒れていく。
リニアシート越しにも、激しい衝撃が僕を襲う。

「ぐ、グフっ! ゲホ、ゲホッゲホッ……!」

僕はしたたかに空気を吐いて、そのまま咳き込む。
どうしようもなく空を見上げた格好で、一瞬意識が飛びかける。

……なんだか、肉の焼けるような匂いがした。
はッとして見上げると――目の前の裂け目に、大きな『手』がかかっていた。
大きな、人間の『手』。そのすぐ外側にいる、誰かの手。
焼き斬られたコクピットハッチの断面、その余熱で、手の表面の皮膚が焼けているのだ。


  そして僕は、真の恐怖というものを知る。



メキッ……メキッ……!
恐ろしい音を立てて、目の前の亀裂が広がっていく。
バカな。そんなバカな。いくらなんでも、そんなことがあってたまるものか。
いくらビームサーベルで裂け目ができたからと言って……それが、人間の手で押し広げられるなんて。
けれど、それは事実だった。
ガチガチと歯をならす僕が成す術もなく見守るその目の前で、亀裂はどんどん広がっていって。
『怪人』が、顔を出す。

それは空耳だったのかもしれない。
だけど僕は確かに聞いた。『フハハハ、怖かろう』と哂う、怪人の声を。
『我がエゴ故に、ここで死ね!』と叫ぶ、怪人の声を。


「うわ……う、うわぁぁぁぁあぁぁぁ!」

何を考えているのか分からない、無貌の面。傷だらけの身体。肩口などに覗く、わけのわからない機械。
化け物と呼ぶ他ないソイツが――その巨体が通れるほどに亀裂を広げると、こっちに手を伸ばしてくる。
叫びながら僕は暴れるが、まるで叶わない。

そのまま巨漢は、僕の襟首を掴んでハンブラビの外に引きずり出した。外の外気が肌に冷たい。
片腕一本で引っ張り出され、片腕一本で吊し上げられる。万力のような手で、首を締め上げられる。
僕は両足をバタつかせ、全身で抵抗するが、全くビクともしない。
暮れゆく夕空の下、僕の意識は急速に遠ざかっていく。

「い、いやだ……まだ、死にたくない……死ぬわけにはいかないんだ……!」

暴れる僕の手から、一冊のノートが落ちる。The Poetic Works of Sarah。
ああ、あれは預かりものなんだ。僕のノートじゃないんだ。だから落とすわけにはいかないんだ。
僕は手を伸ばすけれど、それはヒラヒラと遠くに飛んでいって。届かない。

「お母……さん……ッ! ……サ……ラ……ッ!」

ゴキリ、という音が、首元から聞こえたような気がして。
それっきり、僕の意識は、闇に沈んだ。


【死亡確認:生徒番号23番 ジョセフ・ロバーツ】 【死因:T-13の手により扼殺】
113『T-13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/05(土) 02:10:08 ID:???

――落ちゆく夕日の下。動きを止めたいくつかのシルエット。

四肢を失い、大地に倒れたハンブラビ。
その傍らに膝をつき、コクピットハッチを開けたクロスボーンガンダム。
そして、ハンブラビの腹の上、コクピットの直上に立つ、巨漢の影。
その手で高々と吊るされた少年の身体は――力なく、有り得ぬ角度に首を曲げ、吊るされるままで。

無貌の仮面の下、僅かに覗く小さな目には、動揺の色は一切ない。
己の意思で、全てを納得した上で被りなおした仮面。
そう、その『覚悟』によって――強化人間『T-13』は、『完成』していた。
研究者たちが苦労した、『エゴの強化』という難題。

そして彼らの求めたその『エゴ』は、生半可なものではない。
人類の半数を殺さんというほどの『エゴ』なのだ。己の『エゴ』ゆえに無数の命を奪わんというのだ。
そんな巨大なエゴを抱えた怪物が――罪なき、前途有望な青年一人縊り殺すのに、何の躊躇があるだろう!

『この世は理不尽だ』――と巨漢は思う。
そして、考える。『ならば、我こそこの世で最も理不尽なる存在と化し、我がエゴを貫き通さん!』


再び仮面を被った巨漢は、何を思うのか。
彼は少年の遺体を、片手で軽々と吊るしたまま、しばらく動こうとはせずに――


【行動:ビームサーベルで連続攻撃(両腕・両足・コクピットハッチ破壊(−1p)、
    素手で23番ジョセフに攻撃】
【残りP:0p】 【位置:V-03(基地内)】
【人物状況:左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツに、無貌の面を被った姿。両手の平に火傷。】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、ガドリングシールド(盾に歪みと亀裂)、
    腰アーマー部の錨&鎖×2、右足踵部ビームサーベル】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面、エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー】
【方針:………??】 【同盟:??】
114ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/11/05(土) 12:27:30 ID:???
獲った。確かに獲った。
その戦果を確かめる事は出来ず。
だが、その手応えは確かめる必要も無かった。

敵は未だ健在で、援護対象はなおも剣戟を繰り出す。
こちらも最後の一手は残していた。
だが、援護として十分な効果が出せた今、尚も食い下がる余裕は無かった。
援護は、果たせた。
リトラ機に向かってバンクを振り、援護の終了を告げる。
彼女には恩がある。
傷を診て貰った。快く基地の仕様を認めてくれた。
そして何より、青年の身を案じてくれた。
それらは、今の援護だけでは到底補い得ない物だ。

思えば、彼女はかなりの上玉だった。
戦士として只ならぬ素質を持ち、それでいて青年を案じられる心の持ち主。
信頼に値するだけの態度を示し、其処かしこに憂いを持った女性……。
互いに、一人の青年を案じた。
だが、ソレを失った事で、互いの関係は無に帰そうとしている。
それが消える前に、少しだけ花を添えた。
只、それだけの事だった。

……寒い。
未だ戦闘領空なのは解ってるのだが……。
頭痛と目眩を抑えていた気は限界を向かえ、少しずつ弛緩してゆく。
戦闘機動を抑えたので、燃料は幾許か残っているが……限界、か。

セイバーフィッシュは一路、進路を西へ。
その姿は巡察飛行のように穏やかに、或いはやつれた敗残兵のようにも取れた。

【行動 : 撤退行動−1 残3 】
【位置/場所 : D-13/基地・低空 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠気味】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み、足から出血)
          少し貧血気味 右腕の不自由  体温低下 服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残10%) 60mm機関砲×1(残弾無し)
       両用ロケット弾×1 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×5食分  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 : 支援終了 撤退 機体の補修 】
115ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/05(土) 13:42:37 ID:???
コクピットハッチを開けて、ハリーを迎え入れる。
どんな時もニースの心を癒してくれるハリーは、今やニースには欠かせない存在だった。
抱きついてくるハリーの頭を撫でていると、アルバートの答えが返ってきた。

『…まあ、俺に任せろなんて偉そうな事は言えないけど、一応行き先は決めてある。
 本当はまだここに留まっていてもいいんだけど、ニースも気づいたと思うけど、今
 隣の地点には新しい生徒がいる』

その答えに、ニースは少しだけ安心した。
行く当てもなく彷徨うよりも、何でもいいから目的があった方がいい。
戦って殺すというほどの覚悟は、まだ備わっていない。
しかし、その他の手段を考えたり、実行したりする力もさほどない。
そんなニースにとって、アルバートの言葉はありがたかった。

勿論、ニースだってこのままではいけない事は分かっているつもりだ。
今の状態が、永遠に続くわけがない。
進入できる場所が減っていけば、その分他の生徒に出会う可能性が高くなる。
そしてそれは、否応なくニースを殺し合いへの道を歩ませる事になるだろう。
…ニースは心優しい少女だ。
だが、いくら優しくても、いくら戦いが嫌いでも、ニースは聖人君子ではない。
痛みも苦しみも、できれば受けたくはない。
ましてや、死ぬなんて絶対に許容できるわけがない。
どんなに不様でも、ニースは生きる為に足掻いてきた。
だからニースは、キリトに向けて引き金を引いた。

この先もおそらく、ニースは引き金を引く。
自分自身が生きる為に。
アルバートと、一緒にいる為に。
レベッカに対する、自分への約束の為に。


116ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/05(土) 13:44:03 ID:???
「…エビル・S……アルマ、さん…」

レーダーに示された新しい生徒を確認して、ぽつりと呟く。
今まで修理とテストに夢中だったせいか、その存在に全く気づかなかった。
キリトの時に発露したような能力も出なかったのは、ニースの集中力が別に向いていたからか。

『このままあの生徒の近くにいても落ち着かないと思うし。
 だから、いっその事新しい街か、基地に移動しようと思う。
 とりあえず俺にも少し、やっておきたい事があるから』

どうやらアルバートは、アルマへ声をかけようとはしないらしい。

(アルバートさんらしくないな…。
 ん〜。でも、アルバートさんと2人でいられるから、それもおっけーかも…♪)

少しだけ不謹慎な事を考えるニース。

(いやでも…話しかけたら、アルマさんとも友達になれるかもしれないし…)

アルバートとの時間か、それとも多くの仲間か。
迷う選択ではあったが、ニースは前者を取る事にした。
これは不謹慎な理由からだけではなく、下手に話しかけて攻撃される危険を考えての選択だった。

一度決めれば、あとは行動するだけだ。
ニースは、アルバートが置いていった武器をゲルググに持たせる。
そのライフルとシールドはゲルググの専用ではないようだが、大きさには違和感はなかった。
そして、ゲルググをデッキから出す。

もうすぐ夜が明ける。
移動するには、丁度いいタイミングかもしれない。

【行動:武器を拾う(−1)ゲルググをデッキから出す(−1)】
【残り行動値:2】
【位置:V-14】
【機体状況:左肩装甲破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番に回線継続】
【人物状況:少し緊張】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ、ビームショットライフル、νガンダムシールド】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
117ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/05(土) 23:14:36 ID:dPNJM6iF
IDチェック
118ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/06(日) 00:00:10 ID:???
「死者が、生者に勝てると思うな」
 そう告げて、リトラのディジェはハイザックへと踏み込んだ。
 大木が朽ち果てるごとく、ハイザックは力なく倒れこんでゆく。
 ディジェのナギナタが高速で回転し、ビームの大渦を作り出す。
 触れるものすべてを瞬時に切り裂くメガ粒子の渦。
 それは咎人に打ち下ろされる断罪の刃。
 唸りもろともハイザックが引き裂かれる姿が鮮やかに脳裏に
浮かび上がる。
 それほどの渾身、それほどの会心の斬撃。
 
 衝突音。

 斬撃が…止まる。
 大地を打ったか。否……
 ハイザックの砕き散らされた単眼が、静かにリトラを見据えている。
 動いている。生きているのだ。
 右横腹を地に付けた、横臥姿勢。
 右腕を大地に立てて上半身を起こし、高々と左腕を掲げている。
左腕に供えられたシールドの先端が、ビームの大渦の中心たる柄と
柄握る手のひらとを受け止めていた。
 
 倒れた姿勢のまま、バックパックを噴射しつつ左腕を立てわずかに
機体を前進させ、刃の間合いの内側に入り込んだ後、ナギナタの回転
の中心点にシールドを押し付け、回転を止める。
 
 単純な動作ではある。不可能に等しいことを除けば。
 わずかにでも防御動作のタイミングが狂えば、シールドもろとも機体を
引き裂かれていただろう。ギラ・ドーガのシールドでは、ビーム刃を受け
はじくことなど不可能なのだから。
 振るわれる二本の刃の殺到するパターンを見切り、ビームを避けながら
シールドを敵の腕にもぐりこませる。
 常人のたどり着ける域ではなかった。
119ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/06(日) 00:02:04 ID:???
 ゆらり。連結されたままの映像画面の中。 
 血まみれた男の顔が、静かに笑う。傍観者を気取るインテリもどきの
面影など、もはや一分子も残ってはいない。
 その顔にみなぎるのは、闘志。獲物を食らう猛獣の笑み。
 沸き起こるは鍛造されし蛮刀じみたプレッシャー。
 
 そこに在るのは、鋼だ。
 鉄と火と、肉と血を持って鍛え上げられたダマスカス鋼を人とすれば、
このような男となるのか。
 
 男は、静かに口を開いた。
「死人は勝てぬとあんたは言う……」
 鍔競り合いの状態を保ちながら、静かにシールドの切っ先がうごめく。
拳と刃を押さえ込み、その先端が指し示さんとするはディジェの命の核
たるコクピット、その内側にある命。
 ジェンセン・スティール。鋼のジェンセン。鋼とはすなわち刃金(ハガネ)、
人殺すために生み出されしマガネ。
 男が宿るは鋼鉄の巨人。人殺すために生み出された単眼の悪鬼。
 
 鋼は鋼に宿る。その殺意はすでに充分なほどに膨れ上がっている。

「死んだこの俺をなおさら殺す。
 殺せるものなら殺して見せろ。
 死人は死を恐れない。
 死人は死を怒らない。
 死人は死を笑わない。
 死人は死を拒まない。
 死人は、死とともにある。

 クローム・イズ・モノクローム。
 白と黒とはまさに喪の色弔いの色。
 
 お前も死人となってみるか?」

 シールドに備えられたグレネードがディジェをにらみすえる。
 ゼロ距離。間合い、必中。
 
 ハイザックは右の手で大地を着いた。
 アポジモーターをスラスターを噴射して、瞬時に身を跳ね上げる。
 シールドがディジェの拳から滑る。グレネードを放とうとしてみせたのは、
偽りの誘い。
 0距離、必中。しかし敵の腕が楯にかかる以上、敵が力を込めれば
その射撃軸はたやすくそれる。必中に見えて必中ならざる愚策。
 崩れた体では殺されるは必須。
 避け、体の勢を得るをすなわち攻撃とせしめる……!

 上半身のひねりを受け、愚風が如く振るわれる右手にはビームサーベルが握られている。
 神速の抜刀術。
 すさまじいまでのスラスター炎は陽炎を呼び起こし、その爆風は
大地から砂誇りを舞い上げる。 
 炎熱と砂埃に身をゆがませて。
 鋼の魔人は、刃を振るう!
120ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/06(日) 00:05:30 ID:???
【行動】通信継続(0)回避行動;成功(−1)フェイント(−1)抜刀(−1)斬撃;ビームサーベル(−1)
残り0ポイント
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・モノアイ全損、側面動力パイプ損傷
      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部をコンソールに打ちつけた結果として、頭部裂傷】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数1)
   ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
121管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/06(日) 00:06:14 ID:???
『みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。

 まず。脱落者の連絡。
 生徒番号16番 ナインティ=アウェキング君。
 立入禁止エリアへの侵入で死亡。
 ま、みんなもこんな情けない事はしないようにな。
 生徒番号23番 ジョセフ=ロバーツ君。
 一発当てただけで大喜びしてちゃだめだよー。
 ちゃーんと相手を倒した事を確認しないで
 コクピットの中で小躍りしてたせいで
 逆にやられちゃーお話しになりませんよーと。
 以上、二名死亡。

 んじゃ、立ち入り禁止区域の追加は無しな。

 あと天気予想。
 晴れな。

 あー。
 どーしよーかなー。
 うん。ま、これはあんまり言わない方がいいのかもしれないけどー
 今回ジョセフ君をぶちのめした人は
 これで四人目だ。撃墜スコアトップ!
 でも、これからでもこのスコアを抜く事はみんな可能だじょ。
 がんばれなー。 

 んじゃ、これで今回の放送はこれで終わり。
 みんなの事いつでも先生は見守ってるからな。』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】 【残り行動値:∞】
【位置:Z-21】
【行動方針:殺し合い頑張れ】
122管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/06(日) 00:07:31 ID:???
生徒名簿

 番号          名前                   年齢 性別      機体

 死亡 アロンソ=セルバンデス                (70) 男性  グフ・フライトタイプ
 死亡 エルネスティーネ=デア=フォーゲルヴァイデ   (16) 女性  ゲルググJ
 死亡 ハロルド=P=アンダーソン              (35) 男性  ズサ
 死亡 マサヤ=タカノ                      (23) 男性  ガンダムGP02
 死亡 キリト=ヴァルリック                   (28) 男性  Gキャノン
 06番 リトラ=クローム                     (25) 女性  ディジェ
 07番 ジンペイ=カザマキ                    (32) 男性  セイバーフィッシュ
 死亡 ルイス=ガルシア                     (22) 男性  BD3号機
 死亡 クラウディア=ゲール                  (16) 女性  ビギナギナ
 10番 レベッカ=テスタロッサ                 (18) 女性  ベルガギロス(黒の部隊専用機)
 11番 アルバート=パーシング                 (18) 男性  シャッコー
 死亡 ネイゲスト=ザームズ                  (18) 男性  ザメル
 13番 エドワード=S=ボールドウィン             (28) 男性  ボリノークサマーン
 14番 ニース=エルネージュ                  (15) 女性  ゲルググ (ガトー専用機)
 15番 ファッツ=シュヴィール                 (23) 男性  EWACザック(+マラサイ◎)
 死亡 ナインティ=アウェイキング               (27) 男性  バウ
 17番 アルマ=フローライト                  (17) 女性  エビル・S(+νガンダム◎)
 死亡 サイモン=クレイカー                  (43) 男性  アッシマー
 死亡 ロイド=エンデバー                   (18) 男性  Z+A型
 死亡 クルル=ヴァンデーン                 (11) 女性  メタス
 21番 ジェンセン=スティール                 (35) 男性  ハイザック
 死亡 ブレイム=オリディス                  (36) 男性  νガンダム(+V2AB◎)
 死亡 ジョセフ=ロバーツ                   (15) 男性  ハンブラビ
 死亡 アリウス=エルツベルグ                (33) 男性  ホビーハイザック
 25番 T=ドライツェン                     (25) 男性  クロスボーンガンダム三号機
 26番 ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ              (21) 男性  カズアル

 生存者11名+一匹 死者 15名
123管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/06(日) 00:08:26 ID:???
>120時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡◇□□彡彡彡◎◎彡彡10彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡◎彡□□△□□□◎彡彡彡25◎〓△彡
 04彡◎□◎△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎┛□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎◎◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡◎□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎◎□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━┛◎彡□┃△◎○  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━┓□◎彡□△□┏┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━〓▼▼▼┛□□彡彡◎1117□△◎  ★:基地
 15◎◎△◎∴□◎□┃□□彡◎▼□□彡◎◎□□★◎◎□△  U:灯台
 16△△∴∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18△△◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U◎◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃◎◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼◎━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃□□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○◎

06と07と13と15と21と26は同一地点【D-13】
11と14は同一地点【V-14】

コンテナAの位置
『F-13』 『L-18』
上記の全2箇所
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
124リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/06(日) 09:55:59 ID:+brIrN+M
IDチェック
125アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/11/06(日) 14:41:03 ID:???
ニースからは特に反対の意見は出なかった。
彼女の性格からしたら、もしかしたら細かい事を考えていないのかもしれないけど、
面倒がなくて助かる。
「それじゃ、ここから北の方に向かおうと思う。
 分かってると思うけど、呉々もエビル・Sを刺激するような動きはしない事」
一応の注意をあたえてから、シャッコーを発進させる。

W-14。
この近くにはレーダーの反応はない。
…この地点のどこかに、エビル・Sが機体を休めている。
…いや、休めているというのは俺の勝手な想像にすぎない。
もしかしたらアルマ=フローライトは、こちらの移動に気づいてどこからか窺って
いるかもしれない。
「…出てくるなら出てきてほしいところだけど…」
油断なく辺りを見回しながら呟いた。

生き残る事を重視するのなら、ここで数の優位を活かして戦闘を仕掛けるべきだ。
大体、さっきの定期放送にあったように、1人で4人を殺してる生徒もいる。
アルマ=フローライトがそいつと同じ類の生徒とは限らないが、だからって油断する
わけにはいかない。
…それに、奇襲するような真似は、今は何となくしたくない。

おかしな考えだと思う。
プログラムが始まった当初なら、俺は迷う事なく奇襲を仕掛けていただろう。
勝つ事を念頭に置くのならここでの奇襲は、戦術的にも戦略的にもある程度の合理性
を持った行動だから。
でも俺はそれをしたくない。
脳裏に今までに見てきた夢の映像が浮かぶ。
父さん…レイモンド=デリック。
パイロットではなく、戦士としての戦い。
その全てを理解したわけじゃないけど、奇襲という手段は、父さんの好むものではな
いと思う。

俺は、父さんから名前を受け継いだ。
その真意はまだ分からない。
…でも。
騙し討ちをして生き残って、俺はそのあとで父さんの顔を見れるだろうか。
プログラムで、そして傭兵として、勇敢に戦ってきた父さんに顔向けできるだろうか。

勿論、それを綺麗事と言うのは簡単だ。
だけどそれを見失ってしまったら、俺は一生父さんに追いつけないような気がする。
レイモンド=デリック。
父さんから受け継いだこの名前は、ひょっとしたら…父さんからの試練なのだろうか。

【行動:W-11に移動(−4)】
【残り:0】
【位置:V-14→W-14→W-13→W-12→W-11(高速道路上)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:14番に接続中】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、コッペパン1個、保存食41/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、
    マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:どこかの街か基地に移動】
【同盟:ニース】
126リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/06(日) 15:24:04 ID:???
白銀は鋼鉄よりも優美ではあるが、鋼鉄の強靭さには及ぶべくもない。
あるいは、野生の中に優雅な美をも匂わせる豹は、猛虎の暴威に抗う力は持ち得ぬともいえる。

ジンペイの生み出した好機をも無にする、ジェンセン=スティールの魔技。
振るわれた刃は、刃を握りし掌を、シールドによって受け止める事で防がれていた。

―――信じられない光景ではあったが、認める他は無い。

ディジェの頭部へ、女豹が身を預けるコックピットへと、突きつけられる破壊の牙。
シールド裏にに一発だけ据え付けられた、グレネード。
絶対的な死が、すぐそこにあった。
一瞬だけ、身も心も凍りつく程の恐怖がリトラを支配する。
「死ぬ訳にはいかない」との想いが、その恐怖の源だった。
それは、数多の血肉を喰らった女豹が、いままで一度たりとも味わった事の無い想いであった。

ジェンセンを死者と称し、自らを生者と称したリトラ。
自らの生き様を模索し、貫かんとする姿勢は確かに死者と言えるものではなかったが、
それは死を恐れていなかったのではなく、ただ死に意味を見出していないに過ぎなかった。
果たしてそれは、真に生者と言えたのだろうか?
死者ともなりきれず、生者ともなりきれない狭間の存在。
そのアイデンティティは、ただ「戦士」たらんとする自らの姿勢のみに他ならない。

あるいは、死を恐れるべきものと認識したこの瞬間にこそ、
リトラ=クロームは初めて生者と言える存在となったのかも知れない。
女豹の内に在りし何か。その何かを、護らんと。

―――恐怖に凍った時間は、一瞬だった。
絶対的と思えた死は、抗う術のある死であると、リトラの戦士の本能は判断した。
突きつけられたシールドを跳ね除けるに不足ない判断速度。

だが、恐怖で凍った一瞬が。
その一瞬が、奪ったものは。

続く本命たる、神速の抜刀術への反応時間だった。

 ハイザック
鋼鉄の巨人が生み出す狂熱により、陽炎のように揺らぐ世界。
揺らめく視界の中、迅雷のごとく光の刃が閃く。

それでもリトラは抗った。
ハイザックの斬撃姿勢により、離れるシールド。
振るわれんとする刃のもとへ、自らの光の刃を滑り込ませる。

スパークが、二機のMSを眩く照らす。

装甲が焼かれる、耳障りなチリチリという音。
光の刃がめり込んだディジェの胴。
高熱によって傷口周囲の装甲が融解し、ブツブツと泡立った。
127リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/06(日) 15:26:14 ID:???
―――だが、ディジェの胴は、断たれてはいない。

装甲を断ち、胴をも断たんとする刃は、ビームナギナタの下方に生じた刃によって受け止められていた。
これが双刃のビームナギナタでなかったら、受け止める事は不可能だっただろう。

そして、ジンペイの援護によって生み出された好機は、無と化してはいなかった。
熟練の戦士同士の格闘戦においては、手札の豊富さが時に明暗を分ける。
リトラはこの期に及んでも、まだ全ての手札を切ってはいなかった。

ジェンセンの斬撃を耐え凌いだ時、改めて生じた機会。
それは、ジンペイの援護によって生じた機会の積み重ねがもたらしたものと言えた。

「モノクロームだと……?」

今まで一度たりとも敵に振るわれる事のなかった、左腕の鋭き爪。
それは、己を獣と称すリトラの酔狂によって愛機に与えられたものではない。

「モノクロームは、追憶の色。
 だがな、私は追憶の中にではなく……今なお、生きている!」

光の刃を、交差させたまま。
ハイザックのビーム・サーベルを胴にめり込ませたまま。
左腕の鋼鉄の爪が、ハイザックの胴を衝き上げんと振るわれる。

【行動 :  通信継続中(0) フェイントにかかる(-1)
       ビームナギナタで斬撃を受け止め(受け止めきれず胴に光の刃がめり込む)(-1)
       左腕クローアームをハイザックの胴へと突き上げる(-1) 残1 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、右肩機構露出 左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下
        胴にビームサーベルがめり込み、表面装甲および内部エネルギーライン破損
        左肩に焼け焦げた白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み) 全身を打撲 バンダナ&タンクトップ&カーゴパンツ姿 】
【通信状況 : 07番・ジンペイ 13番・エドワード 15番・ファッツ 21番・ジェンセン 26番・ミヒャエル
        ホワイトアーク 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 今排除すべき敵を討つ 】
128ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/07(月) 21:32:42 ID:J9cstMJG
運命のIDチェック
129『T-13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/07(月) 23:57:49 ID:???
落ちゆく太陽の下――巨漢は無造作に、ジョセフ・ロバーツだった「もの」を投げ捨てる。
己を誇るように、ハンブラビの上で仁王立ちになる彼を、背後で燃える建物が照らし出す。

>>121
定期放送が、流れ出す。触れられるのは、巨漢と縁ある2名。

ナインティ・アウェイキング。
かつて巨漢が剣を交え、「殺し損ねた」相手。巨漢を「できそこない」と扱った者。
そうか、彼は――死んだか。

ロイドといい、ナインティといい、巨漢が決着をつけるべき相手が、再戦の機会もなく死んでゆく。
しかし、巨漢に動揺はない。無貌の面そのままに、フラットな雰囲気のままで。

定期放送は容赦なく続く。次の1人は今しがた縊り殺した少年。
そして放送は、巨漢の手にかけた人数にも及ぶ。

4人――そう、既に4人。
アリウス・エルツベルグは、その騎士としての生き様で巨漢の心の仮面にヒビを入れた。
クルル・ヴァルデーンは、勢いだけで倒したようなものだが、亡き彼女を慕う者たちが巨漢の心を揺さぶった。
サイモン・クレイガーを殺したのはほとんど事故だったが、それは青年の少女への想いを明確にさせ。
そしてジョセフ・ロバーツは……巨漢に再び仮面を被らせ、T-13を「完成」させた。

それぞれ意味合いは違うが、巨漢に大きな影響を与えた4名。
それを想う巨漢は、何を考えているのか。

放送が終わり、巨漢は自分のガンダムのコクピットに戻る。
手足をバラされたハンブラビの装備から、左手に持っていたブランマーカーを拾う。
ガドリングシールドは、もはや盾として使えない。盾を失い盾を得た形になるが……正直、割りに合わない。

巨漢はそして、少し迷うような態度を見せたが……
すぐに機体を動かす。このV-03基地でやるはずだった仕事は、後回しに。
レベッカのいるはずのW-02に戻り、彼女を探す。
……ベルガ・ギロスの反応は、少し探したら簡単に見つかった。巨漢が先に見つけた整備ドックだ。
巨漢は、ガンダムをそこに寄せる。

そして、機体から飛び降りて――巨漢は、少女の前にその姿を晒した。
無機質な仮面をつけた、初対面の頃よりなお不可解な雰囲気を身にまとった姿で。
日本刀を、片手にぶらさげた姿で。


【行動:ブランマーカーを拾う(−1p)移動(V-03→V-02→W-02)(−2p)、ベルガ・ギロスの所へ(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツに、無貌の面を被った姿。両手の平に火傷。】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ガドリングシールド(盾に歪みと亀裂)、ブランマーカー】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面、エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー】
【方針:………??】 【同盟:??】
130管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/08(火) 00:06:45 ID:???
>129時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
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 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎┛□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎◎◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡◎□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎◎□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━11△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━┛◎彡□┃△◎○  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━┓□◎彡□△□┏┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━〓▼▼▼┛□□彡彡◎1417□△◎  ★:基地
 15◎◎△◎∴□◎□┃□□彡◎▼□□彡◎◎□□★◎◎□△  U:灯台
 16△△∴∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18△△◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U◎◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃◎◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼◎━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃□□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○◎

06と07と13と15と21と26は同一地点【D-13】
10と25は同一地点【W-02】

コンテナAの位置
『F-13』 『L-18』
上記の全2箇所
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
131ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/11/08(火) 17:48:43 ID:???
 通信機から声が返る。
 その声は、彼には酷く弱々しく聞こえた。

『逃げよう………早く、逃げないと………』

 今、リトラと、セイバーフィッシュと、ハイザックが戦っている。
 ファッツの事は、止めさせた。だが、あの三者の戦いも止めなくて良いのか。
 自分のやった事を貫き通すのならば、同じ事ではなかいのか。
 うつむき加減で、膝を見る。
 だが、顔をうつむかせ、ふと注意力が途切れたその時、機体がぐらりと傾いた。
 マラサイの荷重、重みに引かれて、ガズRは、微妙にその身体を傾かせたのだ。

(……違う。今は自分一人じゃない)

 モニターの隅で、マラサイの頭部を見た。
 そう、今の自分は、マラサイの、ファッツの間に入った時とは違う。
 今、自分が自分の理を通す事は、このファッツを殺す事にもなりかねない。
 助けておいて、死地に追い込む……
 それがどれだけ残酷な事か、解らない訳ではなかった。

「行きますよ……」

 ガズRの各バランサーを若干調整して、機体に一歩を踏み出させた。
 まずは、可能な限り戦場から離れなくてはならない。


【行動:E13へ移動(−1)】
【残り :3P】
【位置:D−13 → E−13】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ヒステリー】
【通信状況:リトラ、ジンペイ、ファッツ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻、周辺の詳細な地図(フォルダ)
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質、基地の地図
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:腕時計、拳銃(10発)】
【方針:薬、自分から逃げない、マラサイを逃がす、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
132アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/11/08(火) 21:25:00 ID:???
格納庫の奥には大小様々な武器があった。
そのうちのほとんどがどこか壊れていたりエネルギー切れだったりで使い物にならない中、
わずかながらそのまま使えるものも紛れ込んでいる。
前回発見したガンダムMk-IIのシールドがそうであり、今回発見したガルバルディβのビームライフルがそうだ。
撃ち切ったらそれでおしまいだが、加工や面倒な調整なしでそのまま扱える武器というものは貴重だ。

「む……今……」

ざらっとした。 誰かがアルマを見ていたような。
何か動きがあったのかもしれない。
彼女はライフルと共にガンダムの元へと戻る。
レーダーに目をやると、11番が移動を開始したようだ。
いずれ14番も動き出すだろう。
挟まれることは避けたいが、出遅れるのも好ましくない。
               . . .. . . .
何れにせよ、この基地はじきに自爆するのだ。
正確にはこのW-14エリアがエビル・Sの自爆によって吹き飛ばされる。
もしかしたら隣のエリアにまで被害が及ぶかもしれないし、及ばないかもしれない。

だが、なぜだろう。
この14番を巻き込むことは躊躇われる。
だからかどうかは知らないが、エビル・Sの自爆装置はその優れた索敵機能を用いて
半径2エリア以内が無人となったら作動するように仕掛けられていた。

(なぜだ。 なぜ一思いに吹き飛ばせない?
 この身の内に眠る"アルマ"の残響が邪魔をするのか?
 どこまでも忌々しい、どこまでも鬱陶しいことだ)

まあいい。 この基地の機能を殺すことが目的であって、
誰かを吹き飛ばそうと思って自爆させるわけではないのだから。
そう自分に言い聞かせると、彼女はフットペダルを踏み込んだ。
νガンダムが格納庫から姿を現す。

そこでしばし立ち止まった後、彼女は通信機のパネルに手を伸ばした。

「14番、ニース=エルネージュだな?
 この勧告はただのお節介だ。
 この基地はW-14の半径2エリアが無人になると自爆する。
 慌てて出て行く必要はないが、忘れ物をしないようにな」

……この短時間で……
どこまで堕ちてしまったのだろう。 どこまで腑抜けてしまったのだろう。
あの頃の冷徹な彼女は、全く姿を現すことがない。

「…………ふぅ」

通信回線を切ってから、己の甘さを嘲るように息を吐き出す。
さあ、まずは北へ。
νガンダムは移動を開始した。

【行動:セット(-1)、勧告(-1)、W-14→W-11(-2)】
【位置:W-11/高速道路】
【残り行動値:0p】
【機体状況:Green】
【武装:ビームサーベルx2、バルカン(100)、ビームライフルx2、Iフィールド、シールド】
【生徒状態:Green?】
【所持品:デイパック、コッペパン、水2gx1.5、栄養ドリンクx6、ノートPC、食糧、生活雑貨、
      ベレッタ(16/15)、弾薬ケース、マント、バニーセット、ルージュ、携帯端末】
【行動方針:…………】
133ジェンセン・スティール@代理:2005/11/08(火) 21:46:44 ID:???
>>126
 こみ上げる戦闘衝動が胸を焼く。
 頭蓋を砕かれた戦友の幻覚が俺をうつろな眼窩で見据える。
 なぜまだ動いている。お前はすでに死んでいるのに。
 死んでいる人間がなぜ動き続ける。
 俺にわかるか。わかるはずがない。死人は何も理解しない。
 ただひとつ、俺に理解できるのは。
 この胸を焼く戦いへのたぎりだけなのだ。
 わからない。なぜなのかがわからない。
 リトラ・クローム。なぜこの女を相手にしているときに限って。
 あの男と戦った時には。こんなことには。
 強烈な衝動に覚える疑念。 
 その瞬間の疑念こそが隙になった。
 かわし得ぬ。
 そう確信した斬撃が……敵を捕らえていない。 
 何故だ。間に合うはずがない。それだけの一撃のはずだ。 
 だというのに、やつは。
 ビームナギナタだ。ビームナギナタの刃が下に伸び、俺の放った
ビームトマホークの斬撃を食い止めている。
 見れば、やつのナギナタとビームホークの刃、その干渉によって飛び散る
メガ粒子の嵐はディジェの腹部装甲、その一部すらかみ破っている。
そうだ。まともに受け止められる一撃ではない。
 己自身を焼く覚悟なくして受け止められぬ一撃。
 ビームホークとビームナギナタの刃に己を焼いて、それでも生きる
というのか。生き延びようというのか。リトラ・クローム。
 純粋なまでの勝利への意思。純粋なまでの生存への欲望。
 己の体を損なおうとも勝利しようとする貪欲そのものの意思。
 
 お前は。
 お前は何故。

「お前は一体……何を求めている。リトラ・クローム」

 俺は、ぽつりとつぶやいた。
 直後。眼前に。巨大な爪が。モニターいっぱいに広がって。
 かわせるはずがない。かわしうるはずもない。終わる。これで、終わりだ。
 見事な、見事な一撃だ。
 金属と金属がぶつかり合い、装甲が瞬間悲鳴を上げ、甲高い断末魔の叫び
とともに引きちぎられる。
 衝撃がコクピットにまで伝わってきた。
 この肉体が、死ぬ。魂に続いて、ようやく。
134ジェンセン・スティール@代理:2005/11/08(火) 21:48:29 ID:???
 だが……おれは、生きていた。何故。何故だ?
 おれは何故生きている。おれは何故死なずにいる
 また、か。また死ねないのか。おれは。
 おれの。おれが戦い続け、この身に焼き付けてきた戦技は、俺を生かし続ける。
もう生きようなどとはまったく思っていないのに。
 俺は思考すらしていないのに。
 コクピットを直撃していたはずのクローは、コクピットを捕らえなかった。
 反射的に機体の右足を引き、コクピットへの直撃を避けてしまっていたのだ。
まったく……なんと因果な体だろう。なんと因果な心だろう。
 斬撃をかわされた瞬間に、もう体が動いてしまっている。
 モニターを見ずとも、己の機体がどうなっているかはよくわかっていた。
 右わき腹をえぐられた。まともに歩行できるかどうかすら怪しい。
 強烈なGをかければ、斧を打ち込まれた巨木のように、損傷部から折れるかもしれない。
この一戦で、この機体の命は尽きる。
 だが、まだだ。まだ機体は死んでいない。まだこいつは動いている。まだこいつの意思と
こいつの肉体は動いているのだ。
 俺のように。すでに魂が滅んだ俺のように。
 すでに死んでいるも同然だというのに、ハイザックはまだ生きている。
 まだだ。まだ吐き出しつくしていない。俺もこいつも、まだ吐き出すべき何かを、
この体に残している。
 何故だ?わからない。ただ、俺は。
 この体に残った熱さのすべてを、この戦いの中で吐き出しつくさなければ気がすまない。
その原動力は、俺の魂からだけのものではない。俺の過去から。俺の歩んできた今から。
生まれている何かだった。その何かのために。俺は、動き続けねばならなかった。
 まだだ。まだ、まだ、終われない。もはや死んだこの魂、惜しむものは何もない。
 たとえ死のうとも。たとえこの肉が果てようとも。求めねばならない何かへ向かい、
俺の肉体は動き続ける。

 すでに体は動いていた。俺は戦いにおいてまったく思考も計算もしない。
 死んでいるのだ。当然のことだ。俺を動かしているのは蓄積された戦闘経験によって
体と神経と脳に刻み込まれた反射行動だけなのだ。
 その反射が、敵を殺せとほえ続けている。
 わき腹をえぐられることで、この瞬間においてハイザックはむしろ兵器として完成
された。この瞬間に特化された理想の兵装を備えることができた。
 砕かれた破口、そう、それは口。あぎと。
 奴の腕を捕らえる牙供えた顎。
 左脚部を僅かに右方向へと踏み込ませる。
 ビームサーベルの切っ先でもって奴のナギナタ、その刃をそらさせつつ。
 ビームサーベルを握った右腕のひじをたたみ、クローを供えた右腕の肘部分をわき腹の
破口とハイザックの肘とで絡めとろうとする。
 左腕のシールドが獲物を見出した毒蛇のように再びうごめく。ゼロ距離からのグレネード。
必殺へのプロセス、死んだわけではない。
 奴がクローアームという最後のカードを残していたように。
 この俺もまた、カードを残していることには変わりないのだ。
135ジェンセン・スティール@代理:2005/11/08(火) 21:49:02 ID:???

【行動】回避行動(−1、失敗、右わき腹全損)攻撃;クローアーム掌握行動(−1)
   グレネード照準(−1)ドダイ操作(−1)
残り0ポイント
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・モノアイ全損、側面動力パイプ損傷・腹部右側面大破
      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部をコンソールに打ちつけた結果として、頭部裂傷】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ギラドーガシールド(グレネード装填済、弾数1)
   ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
136管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/08(火) 22:21:19 ID:???
連絡事項

13番 エドワード=S=ボールドウィンさん
最終書き込みが10/30で以後の書き込みがありません。
この書き込みから24時間以内に書き込みが無い場合には
残念ですが放棄扱いとさせていただきます。
尚、いかなる理由で書き込みが出来なかったとしても
以後の復帰は出来ません。
ご了承ください。
137リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/08(火) 22:28:02 ID:kHS5HKhh
IDチェック
138ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/08(火) 22:56:47 ID:???
『それじゃ、ここから北の方に向かおうと思う。
 分かってると思うけど、呉々もエビル・Sを刺激するような動きはしない事』

アルバートの言葉にこくりと頷くニース。
もとよりニースも、わざわざ事を荒立てようとは思わない。
アルマがどのような操縦の腕を持っているのかは分からないが、少なくとも、自分よりも上である事くらいは
ニースにも判断できた。

先に基地を出ていくシャッコー。
すぐに追い掛けようとしたニースだが、スラスターを吹かした瞬間、ゲルググが左手のシールドを落としてしまった。
新しい手首だけに、まだ動作が万全ではないのだろうか?
ニースがいくら丁寧に行っても、もともとは応急手当てに近い修理だ。
手首が馴染むまでは、無理な動きは避けたほうがいいかもしれなかった。

ニースは、暫く確認の為にゲルググの左手を色々動かしてみる。
アルバートとの間は離れてしまうが、あまり不安を残したくなかった。
とその時、レーダーの反応に変化があった。
そして次の瞬間。

『14番、ニース=エルネージュだな?
 この勧告はただのお節介だ。
 この基地はW-14の半径2エリアが無人になると自爆する。
 慌てて出て行く必要はないが、忘れ物をしないようにな』

思いも寄らぬ、アルマからの通信だった。
そしてアルマは一気にそれだけを言うと、アルバートと同じ方向へ去っていった。

あとに残されたニースは、今のアルマの言葉を頭の中で反すうした。
その中の「自爆」という単語に、さあっと顔色を青ざめさせる。

「…ちょ…ちょっと何、何、何なのそれ!
 ぢ、ぢばくって、そんな勝手な……そ、そりゃ、忘れ物なんてないから、焦る事ないけどさ…」

既にいないアルマに向かって、ぶうたれるニース。
そうは言いつつも、爆破される基地にいつまでもいるのは、いくらニースだって気持ち良いものではない。
そして、同じ方向に行ったアルバートとアルマが出会う可能性を考える。
それが即戦闘とは限らないが、色々な意味で不安である事は違いない。
ニースも、2人を追い掛けて北へと向かった。
139ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/08(火) 22:58:24 ID:???
【行動:落とした武器を拾う(−1)高速道路のボーナスでゲルググをW-11に移動させる(−3)】
【残り行動値:0】
【位置:W-11】
【機体状況:左肩装甲破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番に回線継続】
【人物状況:慌てている】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ、ビームショットライフル、νガンダムシールド】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
140リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/09(水) 17:45:52 ID:???
>>133-135
『お前は一体……何を求めている。リトラ・クローム』

ジェンセンの呟きが、耳に響いた。
直後、リトラ自ら与えた愛機の切り札が、渾身の力を込めて突き上げたクローアームが、
敵機の装甲を突き破った。
その衝撃の前に、クローアームを備えた左腕も、全くの無事では済まない。
接合部よりオイルの血が飛び散り、両機の装甲を汚す。

その一撃は、コックピットを貫く必殺の一撃かとも思えたが―――
まるで幽鬼に憑かれているかのごとく、ハイザックはその動きを止めはしなかった。
クローの一撃はコックピットを僅かにそれ、敵の右脇腹を抉ったのだ。
そしてジェンセン=スティールは、この戦鬼は、自機の決して軽からぬ損傷でさえも、武器にしてみせた。
抉られた己の脇腹を顎と化し、ディジェのクローアームを右肘で押さえる事によって銜え込み。

顎に捕らわれた哀れな獲物を噛み砕かんと、左腕に携えしシールドのグレネードが、再びリトラを狙―――

「フフ……私自身にも良くわからん。
 私は、闘争の中にこそ生き様を見出していた筈なんだがな。
 今の私は、本能によって揺り起こされたかつて無い程に強い衝動に従っている」

切り札を必殺の罠へと転じられても、リトラの呟きは穏やかなものだった。
奇妙なまでに、心が安らいでいた。
先程までは、この衝動を恐れていたというのに。
自身を全く別のものに変じさせてしまう、忌むべきものに思えたこの穏やかで強い衝動を、
怒りの炎で焼き尽くさんと、猛っていたというのに。

だが今は、この衝動が確固たる力へと変じてゆくのを感じている。
かつて自身を衝き動かしていた怒りや闘争本能よりも、遥かに強く。

ジェンセン=スティールは自分にとって、かつて対峙した敵の中で最も手強い相手といえる。
得意とする土俵が酷く似ている上、それでいて、悉く自分を上回っている。
そのジェンセンとの戦いの中、自身の合わせ鏡のようでもある強敵との死闘のなか、
揺さぶられた生存本能によって、リトラは自らの衝動を理解した。
ハロルドに感じ、顔も知らぬ少女に感じ、ロイドに感じた衝動を。
その源が、何であるのかを。

衝動と共に、研ぎ澄まされてゆく感覚。
が、どこか借り物のような感覚。

T−13の刃を受ける瞬間。
ジェンセンに、奇襲のグレネードを撃ち込まれる瞬間。

それらの時にも、戸惑いと共にこの感覚を味わったが、今は素直に受け入れられる。


―――自分の存在をわかってもらえずに、示す事も出来ずに、消えたくはない。
私には、その気持ちがとても良くわかる。
だから、精一杯頑張ってあげる。
141リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/09(水) 17:47:28 ID:???
「その衝動が、言っている。
 私に、生きろと。生き残れと」

交差した刃をそらすべく、ディジェの体勢を崩すべく、ハイザックが体に捻りを加えた時。
リトラは、銜え込まれた左腕を一瞬自ら押し込み。間髪いれず、ビームナギナタを一気に振り上げた。
その刃の軌跡には、ディジェ自身の左腕があった。

愛機の左腕が断たれた瞬間、解放された反動をも利用し、リトラは愛機を右へと鋭く踏み込ませる。

もはや残された武装は、一振りのビームナギナタのみ。
このプログラムにおいて、リトラにとって最も信頼する武器となった、双刃の光の剣のみ。

その光の剣を、敵機のシールドへと突き立てるべく、返す刃で繰り出した。
狙いは、シールド裏のグレネード。

【行動 :  通信継続中(0) 抱え込まれた左腕を押し込んだ瞬間に(-1)
       ビームナギナタを振り上げ、愛機の左腕を自ら断ち(-1)
       右(敵機の左側)に一歩飛び退き(-1)
       返す刃を敵機のシールドに突き立てんとする(狙いは裏のグレネード)(-1) 残0 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        破損箇所:背部放熱フィン一枚 右肩機構露出 左肩ウェポンラック 左肩より下切断
        防塵処理能力低下 胴にサーベルによる裂傷(表面装甲および内部エネルギーライン破損)
        左肩に焼け焦げた白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み) 全身を打撲 バンダナ&タンクトップ&カーゴパンツ姿 】
【通信状況 : 07番・ジンペイ 13番・エドワード 15番・ファッツ 21番・ジェンセン 26番・ミヒャエル
        ホワイトアーク 】
【武装 : ビームナギナタ 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 眼前の恐るべき敵を討ち、生き残る 】
142ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/11/09(水) 17:54:42 ID:???
「行きますよ……」

「はい………」

背後で死闘を繰り広げるディジェとハイザック。
自分の行為が発端で起こった戦闘。
一人の少年を殺した事によって起きた悲劇。
そんなものから、今はとにかく逃げ出したかった。
足を失くし、己を失くし、愛を失くし、誇りを失くした敗者の敗走。
惨めだった。
嘲笑も罵倒も彼には向けられなかったが、それでも惨めだった。
彼は恐らく、もう戦う事は出来ないだろう。
マラサイの足を修理、或いは他のMSを入手したところで………
二度とその両足を立ち上がらせる事は出来ない。
自分が、誇り高き戦士になれぬという事がこの時初めて、彼は理解した。

その虚ろな瞳は何を見つめているのだろうか。
それはわからない。
ただ、とにかくこの場から早く、遠い所へと離れたかった。

【行動 :移動(D-13→E-13)(-1P) 残り3P】
【位置 :E-13】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷 胸部装甲破損 右足半壊】
【パイロット状況 :恐怖心 虚ろな瞳 左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 頬に切り傷】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー
     ビームピストル(EN 0%)】
【通信状況:リトラ・ジンペイに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:逃げる】
【最終行動方針:逃げる】
143ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/11/09(水) 20:17:37 ID:???
逼迫した白兵戦を展開する二機。
それを尻目にセイバーフィッシュは空域を離れた。

……あの基地には、色々な物を残してしまった。
ロイドを弔う事も出来ず、ホワイトアークも放置してしまった。
そして、リトラは未だ戦いに身を置いている。
愛機は傷ついたままで、牙も、砕け散りそうな程脆くなっていた。

「何を、やってたんだろうな……。」

守りたい者も守れず。
残されたものも受け取れず。
今ではたった一人、虚空を彷徨っている。
果たしてその敗走に、意味は有るのだろうか……?

ふと、昔のことを思い出した。
もう何年前の事だろうか……。
0079年の春、32飛行大隊に配属していた頃。
オデッサ防衛に失敗し、カスピ海での決戦で大隊が壊滅したあの日。
残機は散り散りになり、遥か後方の基地まで後退した時だった。

部隊長を始めた大隊の主要陣が尽く堕ち、
実戦に慣れて無かった俺も、狙う目標も解らないまま狂ったようにミサイルを、機銃を放った。
夕暮れが闇に染まり始めた頃、代行の大隊指揮官機は撤退を決意した。
既に部隊としての統率は無に等しく、傷ついた班長機にやっとの事で縋り付いた。

『……残った者は、ざっと二十と言う所か……。
 六十機を数えた大隊が壊滅とは……、随分と派手にやられたもんだ。
 俺の班で残ったのも、お前だけのようだな……。』

様々な感情が篭ったその声を、俺は黙って聞いた。
その後会話も無く、辺りが闇に囲まれて一刻が経とうとした時。

『……ジンペイ、お前は進路このまま、巡航速度を維持しろ。
 タジキスタン迄飛ぶには、燃料に余裕が無いからな。
 途中、何があっても進路を変えるな、速度を緩めるなよ。』

そう告げられたと同時に、班長機はみるみる速度を落としてゆく。
すぐさまそれに追従しようとした時、班長の罵声が飛んで来た。

『進路と速度を維持しろ!これは命令だッ!!
 停止したエンジンを、お前がどうこう出来る問題じゃあるまいに……。
 大丈夫だ、脱出装置がやられた訳じゃない。
 俺だって、こんな所でくたばるのは御免さ。
 這ってでも、基地にたどり着く。
 だから、お前は先に行け。』

その言葉が終わる前に、班長のTINコッドはすっぽりと闇へ堕ちて行った。
その後の単独飛行は、酷く心細い者であり、限りなく泣きたい衝動に駆られたが、
だが、堕ちて行った仲間達を想うと、どうも涙が出ない。
只、侘しさと虚しさが、心の中で渦巻いていた。
入隊同期も居た、同い年の奴も居た、苦楽を共にした仲間が大勢居た。
悲しいはずが無い。泪が出ない方がおかしいと思える程だ。
だが、失った物が余りにも大きかっただけなのだ。

やがて、レーダーから班長機の反応が消えた。
それを確認した時、絞り出したかのような涙を落すと、それはさめざめと頬を濡らし始めた……。
(※描写はありませんが、I-13の道路上に着陸しました)
144ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/11/09(水) 20:18:42 ID:???
【行動 : 移動-3 ガス欠により着陸-1 残0 】
【位置/場所 : D-13→I-13/道路上 着陸中 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み、足から出血)
          少し貧血気味 右腕の不自由  体温低下 服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残10%) 60mm機関砲×1(残弾無し)
       両用ロケット弾×1 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×5食分  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 : 機体の補修 】
145レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/09(水) 20:52:12 ID:???
サヨナラ、と青年は言った。

基地を見渡し漸く見つけた整備・修理用のドック。
踏み込んだフットペダルに応じてその前に降り立ったベルガ・ギロス。
シートから伝わる軽い振動を背中に感じたレベッカ・テスタロッサ。
其処に、入った一つの通信。
伝わってくるのは緊迫した空気。
そして、それ以上に張り詰めた強い決意。
Theodoreと名付けた青年が手にし、被り直した仮面の持つ意味をレベッカは知らない。
ただ、紅茶を一緒に飲む。
その為だけに外した仮面。青年が何を得て何を失ったのかなど、知る由もない。
それでも。
仮面を手にした青年が零した涙と見せた瞳だけは――

*  *  *  *  *

レーダーに映るMS反応が一つ消え、続くように入った定期放送が脱落者の名前を読み上げた。
ジョセフ・ロバーツ。
殺したのは、かつてテオドールと名乗っていた一人の青年だ。
レベッカに確証は無く、けれども確信はあった。

そして今、目の前にその青年がいる。
鋼鉄の黒い鎧を纏った騎士、その足元。佇む異形、携える白刃。
少し力を込めるだけで、簡単に踏み潰せてしまうような場所に姿を晒す巨漢は何を考え其処に在るのか。
146レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/09(水) 20:53:10 ID:???
サヨナラ、と青年は言った。
楽しかった、と青年は言った――言葉は全て過去形。

振り返って考えてみる。
自分は、彼と共に過ごした短い時間を楽しいと感じていただろうかと。
出会い。
共闘し。
共に逃げ。
マンションの同じ一室で一夜を明かし。
過ぎ去った時間をなぞる思考は明確な結論を示さず、けれどもレベッカの唇には薄く微笑の色が乗せられていた。

きっと仮面はキッカケだったのだ。
ほんの偶然から外れたソレが青年に何かを引き起こし。
明確な決意を伴って再び被り直されたソレが、青年から何かを奪い何かを与えた。
奪われたものも与えられたものも分からない。
ただ、紅茶の淹れ方がとても上手だったあの青年はもう、あの時の姿を失ってしまったのだと。
それだけが、レベッカには少しだけ。そう、少しだけ――寂しかった。

ハッチが開いた。
降り立つ人影、小柄な少女。
白いコートが裾を広げ、アスファルトに着く両足から僅かに遅れて閉じた。
目を閉じ、息を吐く。
目を開き、見上げれば巨躯と仮面が目の前に在る。
携えられた刀剣は巨漢の腕力を以ってすれば容易く少女を両断してしまうだろう。
無防備極まりない状況に在りながら、それでもレベッカは真っ直ぐに仮面を見据えて――
147レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/09(水) 20:54:29 ID:???
「ふざけるなっ!」

精一杯背伸びして、仮面ごと巨漢の頬を平手で叩いた。
白い手袋ごしに伝わる堅い感触は、掌にひりつくような痛みを与える。
構わず口を開く。

「約束はまだ終わっちゃいない。サヨナラだとか、勝手に抜かすな」

それとだ、と少女は続けた。

「ボクはキミの自己犠牲なんていらない。
 ボクを縛れるのはボクだけだ。
 キミの願いなんて知ったこっちゃ無い。
 だから、ボクはボクの判断でキミを切り捨てる。必要となったら、迷わず即座にね。
 キミの事情を多少は知った上で――多少程度しか知らない身の上で言うよ。
 ボクは我が侭で傲慢な人間だからね」

刀と、巨躯を前に一歩も退かず。

「良いか、ボクが切り捨てるんだ! キミが犠牲になるんじゃない。
 ボクが、キミを犠牲にして、踏み台にして生き延びてやると言っているんだ!
 だからキミも足掻け。
 先が長くない? もう限界?
 だからどうした、今、こうしてキミは生きているじゃないか!!」
148レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/09(水) 20:58:46 ID:???
いや、寧ろ斬れるものならば斬ってみろと言わんばかりに。
肩幅に開いた両足にぐっと力を込め、仮面を、その奥に潜む双眸を睨みつけた。
仮令彼が最早、かつて少女が心を交わした青年と全く別の存在になってしまっていても。
仮令そうだとしても、これだけは言っておかねば気が済まなかった。
これだけは言っておかねば、きっと――

「だったら足掻け!
 ボクとキミとで最後の二人になって、そうしてボクをすら倒して見せろ!
 生きてるって事は、生きるって事は! そうするだけの価値がある筈だろう!!」

【行動:機体を降りる(-1)、背伸び→平手打ちキャンセルゴーマンかまし(-1)】
【位置:W-02(パイロット:コックピット内)(機体:W-02軍事基地ドック前】
【残り行動値:2】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、「ゴーマンかまします」】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:サマーセーター+ジーンズ、上記のロングコート、白手袋】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい、先ずは修理を】
【同盟:No.25「テオドール」】
149『T−13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/09(水) 23:02:52 ID:???
>>145-148

避けられたはずの平手を――巨漢は、しかし避けなかった。

『フシュル、』

仮面の隙間から奇怪な息を漏らしただけで。見た限りダメージもない。
にも関わらず、彼は少女の叫びを全て真正面から受け止め。

少女が思いのたけを叫び切ったのを見て、――巨漢は、口を開く。
いや、口の動きは無貌の面に隠され、見えはしないのだけれども。

『……言いたいことは、それだけか?』

それは確かに「テオドール」の声。
しかし発音は滑らかで、しかし口調は氷のように冷たく。
仮面を通すことで、奇妙なエコーがかかったような声で。

『……『テオドール』は消えた。お前の良く知る、気の弱い青年は消えた。
 我は『テー・ドライツェン』。『エゴ』の権化なり。『エゴ』を強化されし者なり。
 『自己犠牲』など――笑止』

巨漢は少女に見せつけるように、手にした日本刀を抜き放つ。
凶刃がドッグの明かりに照らされ、ギラリと光る。

『……言われずとも――お前を『犠牲』にさせて貰う。
 言われずとも――お前を『用い』、我が『生』、貫かせて貰う。
 言われずとも――お前の『エゴ』を踏みにじり、我が『エゴ』を貫かせてもらう。
 ――我に『生き方』を押し付けるな。『生き方』を押し付けるは、我の方なり。
 ……………フシュルッ!!』

そして、巨漢は、日本刀を振り下ろす。
目にも止まらぬスピードで、何度も剣閃が閃く。

だがしかし――その刃は。
決して少女の柔肌を狙ったものではなく、決して殺気の篭ったものではなく。
達人級の腕前で狙われたものは――少女の、衣類。
衣類、だけ。


『……レベッカ・テスタロッサ。 我が子を、生め。

 お前には、それだけの価値がある。 我がその価値を認めた。

 我が血を、我が種をその胎に宿し――この戦場を、出よ。

 それこそが、我がエゴ。 我が望み 』


それこそが、『テオドール』が真に望み、しかしとても言えなかったこと――
巨漢は青年の持っていた躊躇いも慎みもなしに、己のエゴを剥き出しに、少女に迫る――
150『T−13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/09(水) 23:04:18 ID:zjyJa79S

【行動:抜刀(−1p)、攻撃(レベッカの服を切り裂き裸にしようとする)(−1p)
    攻撃(レベッカに襲い掛かる)(−1p)】
【残りP:1p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ。無貌の面。両手の平に火傷。「準備万端」】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ガドリングシールド(盾に歪みと亀裂)、ブランマーカー】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面、エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカに、自分の子を宿させる レベッカを優勝させる (その後、彼自身は?)】 【同盟:??】
151アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/11/09(水) 23:09:03 ID:???
高速道路はここから西へと続いている。
ここで選択できる道は、単純に考えれば2つ。
このまま道なりに西に行くか、それとも更に北へ道無き道を進むか。
西に行くとその先には街があって、更に先には基地もある。
進入禁止にされなければ、かなり便利な配置だと思う。
だけど便利だけに、誰もが利用するのではないかという懸念もある。
高速道路が通る交通の要所。
誰か別の生徒がいたとしても、何も不思議はない。

北の方には、岬の端っこに小さな基地がある。
ここは交通の利便性が全く無いところだ。
その上基地の真ん中を進入禁止にされていて、不便な事極まりない。
…でもそれだけに、身を隠すには恰好の場所ではあるかも。
ただ、俺が利用するには、北の基地は利便性が低すぎる。
基本的に俺が望むのは、知識と情報と、物資と才能と、運と………まあそんなとこだ。
それを全てとまではいかなくても、ある程度揃えるのなら、西に行くべきだろう。

道の真ん中でそんな事を考えていると、レーダーに後方からの機影が映った。
遅れているニースが来たのかと思ったら、そうではなかった。
レーダーに映ったその機体は、アルマ=フローライトのものだった。
しかも、乗ってるのはエビル・Sではない。
「…νガンダム?
 …どこ、かで聞いた事があるような…」
その名前に思わず思案顔になってしまう俺。
昔…と言うほど昔じゃないけど、確か連邦の資料かなんかで…。

「…ん…その後ろから来るのがニースかな…」
レーダーを見ると、νガンダムの更に後方からゲルググが接近してきている。
ぱっと見では、まるでゲルググがνガンダムを追ってきてるように見えない事もない
けど、俺が基地を出てからのタイムラグを考えると戦闘をしたとは思えない。
おそらくアルマ=フローライトにも、何らかの事情があってこちらに来たのだろう。

…向こうの思惑は分からないけど、何も話さないのも不自然だ。
俺はやや固い表情で通信を繋げた。
「こちら生徒番号11番、レイモ…いや、アルバート=パーシングです。
 たまたま同じ地点にいるというだけで、こういう事を聞くのも何ですけど……何か
 俺に用事か何かあるんですか、アルマ=フローライトさん」
あとから追ってきたように見えるだけで、俺に用事があると考えるのは早計だけど、
ただこうして姿を見せてくれたのだから、何か話もしてみたかった。

【行動:曲り角で思案(0)17番に通信回線接続(−1)】
【残り:3】
【位置:W-11(高速道路上)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:14、17番に接続中】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、コッペパン1個、保存食41/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、
    マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:どこかの街か基地に移動】
【同盟:ニース】
152レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/10(木) 14:50:04 ID:7HZpiie7
貞操を守るべくIDチェック
153レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/10(木) 15:33:13 ID:???
捉えきれぬ剣閃、断ち割られた大気は凶ツ風。
少女の胸の前で裂かれたコートは左右に開き、返す一太刀がサマーセーターの布地を引き裂いた。

其処から零れ出るもの。
百合の花咲くように露わになる、何処までも白く透き通った素肌。
無駄な肉の一切無い腹部と慎ましやかな臍。
可愛らしいとは言い難く、けれども可憐さを備えた下着。
更には其処に押し込められた果実の作る深い谷間が、花弁の如く開いた衣服の間に垣間見えた。

嗚呼、と漏らす嘆息は心の中。
何故、と尋ねる問いは胸の奥。
大切に思った人間は皆、生者死者問わず、どうして自分を置いて何処かへ行ってしまうのか。
アレックス。エステル。大佐。
そしてテオドール――割と憎からず思っていたのだな、と。
最早逢えなくなってから始めて気付くなど、安い芝居のようだとレベッカは小さく笑った。

嗚呼、そんなものかもしれない。
All the world's a stage,
And all the men and women merely players.
シェイクスピアを引くまでも無く、この世は安い芝居で満ちているのだろう。

それでも生きたいと願った。
三文芝居の筋書きのように、次々と手の届かぬところへ行ってしまう人たちを見送ることしかできなかった。
それでも、たった一つの大事な約束が、生きたいと願う心を呼び覚まさせてくれた。
きっと砕けるこの想い。
初恋とは大抵実らないものであると言うし、事実恋した相手の傍らの席は、既に一人の女性が埋めている。
ならば砕けた欠片を集めて額縁にでも入れ、壁に飾って眺めるとしよう。
そうやって、叶った願いも叶わなかった願いも全て、余すところ無く壁を飾り立ててしまおう。
最期にその壁を見て、美しいと思えるならばきっと――

「そっか。エゴって事は……アイツ、ボクのこと、好いててくれたんだ……」

―――嗚呼、ボクはとんでもないエゴイストだ。
154レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/10(木) 15:35:17 ID:???
「お断りだね、フニャチン野朗」

迫る巨躯をひらりとかわし、肩――というより腕――を押し込んで力を流し足を払う。
丸太のような太い足に、ぶつけた己の足が痺れるように痛んだ。
それでも目の前にある凶刃を恐れぬままにレベッカは口を開く。
理由は三つ、と立てた指は三本。

「アンタのじゃでか過ぎる。命の危険すら感じちゃうね。
 これがまず一つ。
 アンタは勝手にボクの価値を決めた。
 ボクの価値を量れるのはボクだけだ――それも分からないような奴に、抱かせてやるほどこの体は安くない。
 これが二つめ」

息を吸う。
大切な約束を果たすまで、ずっと清い体でいるつもりだった。
今も当然、誰にも屈服させられるつもりはない。
レベッカ・テスタロッサを従えられるのは唯一、レベッカ自身が下した決断、定めたルールのみだ。

「初めての時はキスからって決めててさ。
 どうしても抱きたきゃその不細工な仮面を外すんだね、フニャチン――これが三つ目だ」

三本目の指を折り、新たに中指一本突き立てて見せてから、不意に。

「情けなくてもさ。弱くても。
 素顔のキミの方が、ボクは好きだよ、テオドール……
 本当のキミと、どこか別の場所で出会いたかったと思うぐらいにはね」

でも、と不意に思った。
心を通わし合えた相手ならば――

例えば、無器用な笑い方しか出来なかった、紅茶の淹れ方と料理の腕前だけは素晴らしかった一人の青年のような。

――初めての唇ぐらいは、許してやっても良かったのかもしれない。
155レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/10(木) 15:36:35 ID:???
【行動:刀回避失敗(-1)、回り込み+合気道っぽく足払い(-2)、】
【位置:W-02(パイロット:ベルガ・ギロス足元)(機体:W-02軍事基地ドック前】
【残り行動値:1】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:サマーセーター+ジーンズ、上記のロングコート、白手袋】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい、先ずは修理を】
【同盟:「テオドール」】
156ジェンセン・スティール:2005/11/10(木) 19:15:53 ID:9QXwDUfQ
IDチェック
157ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/11/10(木) 19:42:31 ID:???
持ちに持たせた燃料も、遂に限界を迎えた。
補給の手立ても見つからないままに、機体を着陸させる。
何処までも続くアスファルト。
前後を闇夜に飲み込まれたその道の様は、今の自分を表しているようだった。

情けとばかりに、ポツンと建った小さな一軒家。
メットを外し、機体の外へ出る。
集中の切れた頭、足の再出血。
何かを失った心。
ずるずると引きずりながら、民家の戸へ向かう。
……当たり前だが、中には誰も居なかった。
だが、今更何故か、それが妙に淋しく感じられる。
少し埃っぽい玄関を抜け、休める場所を探す。
寝室と見られる部屋にベッドが三つ、並んでいた。
真中のは一回り小さく、子供用に拵えられた物だった。
手前のベッドに倒れこむ。
上等の寝具を汚してしまう事を前の住人に詫びる。

ロイド、ファッツ、リトラの事。
愛機の事。
そして、この先の事。
途端に流れ込むそれらの思考に答えは、無い。

しんと静まった空気は、夜の闇が永遠に続くような錯覚を思わせ、
全ての思考をまどろみの中へ溶かし、深い眠りへと誘っていった……。

【行動 : 機体から降りる-1 民家へ-1 就寝-1 残1 】
【位置/場所 : I-13/道路上 民家 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み、足から出血)
          少し貧血気味 右腕の不自由  体温低下 服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残10%) 60mm機関砲×1(残弾無し)
       両用ロケット弾×1 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×5食分  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 :  … 】
158ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/10(木) 21:03:01 ID:???
高速道路を、北へと走るゲルググ。
レーダーは、まだしっかりとアルマのMS…νガンダムを映している。
そしてその先には、アルバートのシャッコーがいるだろう。
アルバートがどんどん先に行ってしまえば、アルマと出会う事はなさそうだが、アルバートの性格からすると
、どこかでニースを待っている可能性が高い。

もし2人が出会ったらどうなるのか。
まさか問答無用で戦闘になるとは、さすがにニースも考えていない。
アルバートはニースよりも冷静な判断力を持っているし、先ほどの会話からすると、アルマもかなり冷静な性
格のようにニースには思えた。

それに、よく考えてみれば、アルマのさっきの忠告も不思議だった。
敵としてニースを見ているのなら、あのような時限装置を組まないで、ニースを巻き込んでしまった方がいい。
余計な労力を使わないで、ニースにダメージを与える事ができただろう。
アルマは、そんな手を使わなかった。
だからと言ってすぐに味方とは言えるわけがないが、話し合う余地が少しでもあるのなら、アルマとまだ話を
してみたかった。
その為には、絶対に2人を戦わせてはいけない。

ニースの瞳が、微かに揺れた。
レーダーに、シャッコーを示す光が現れた。
予想通り、アルバートはニースを待っていてくれたらしい。
そしてそれは、自然とアルマとの遭遇にもなったのだ。

シャッコーはまだ動かない。
アルバートは戦うつもりなのか、それとも……。
ニースは、通信機から聞こえるアルバートの声に、じっと耳を傾けた。

【行動:νガンダムを追い掛ける(−1)】
【残り行動値:3】
【位置:W-11】
【機体状況:左肩装甲破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番に回線継続】
【人物状況:少し神経が昂っている】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ、ビームショットライフル、νガンダムシールド】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、アルマさんと話せるかな…?】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
159管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/10(木) 22:05:01 ID:???
連絡事項

13番 エドワード=S=ボールドウィンさん
最終書き込みが9/23で以後の書き込みがありません。
そして、>136の書き込みから24時間経過しましたが連絡がありません。
残念ですが、エドワードさんを放棄と確定させます。
尚、以後どのような事情があったとしても復帰はできません。
ご了承ください。
160『T−13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/10(木) 22:13:04 ID:Mtx4phsL
足払いについて……IDチェック
161『T−13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/10(木) 23:03:10 ID:???
>>152-155

少女の足払いに――巨躯が倒れる。
いわゆる、「力み過ぎ」の体勢を上手くあしらわれた格好。
天井を向いて、無様に大の字に倒れる。
手から日本刀がはじけ飛んで……クルクルと回転し、近くの床に、突き刺さる。

ダメージというほどのダメージではない。
が、しかし巨漢は起き上がろうとはせず。
倒れたまま、少女の言葉を聴く。上から突きつけられるような、3本の指。
巨漢は黙って、少女が語り終えるのを待って。

『……これが、我だ。これが『本当の』我だ。
 お前が『テオドール』と呼んだアレは……過去の、亡霊だ』

巨漢は語る。倒れたまま語る。
否、少女に聞かせるというより……1人過去を思い出すように。

『かつて、彼は死んだ。一度死んだ。事故に巻き込まれ……想い半ばにして、死んだ。
 その最期の願いを受け、彼の信じた理想のために……『T-13』は造られた。
 彼の『身体』を用いて。彼の望みとは、いささか違う形で』

巨漢は起き上がらない。倒れたまま、少女の問いとは少し外れた語りを続ける。

『我はしかし、彼に承認されざる者だった。ゆえに未完成だった。
 彼が我を真に欲した時……我と彼はひとつになった。我は、完成した』

そこまで語って、巨漢は唐突に飛び上がる。
予備動作なしに、機械仕掛けのように――起き上がる。
おもむろに、己のシャツに手をかけて、引き裂くように上半身裸になる。

『レベッカ・テスタロッサ。その誇り高さこそ、我が認めたものだ。
 お前はお前の価値を抱いて生きろ。我が子と共に』

巨漢は少女に歩み寄りながら、己の仮面に手をかける。
仮面が少しだけズレて――口周りだけが、露出する。
仮面越しに響いていた奇妙なエコーは消えたものの、口調はまるで変わらずに。
162『T−13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/10(木) 23:03:57 ID:???

「……まさか、生命の危機はあるまいが……手加減は、できぬぞ。
 我にとっても、過去の亡霊にとっても――これが初陣ゆえに」

半ば露出した素顔は――『テオドール』そのままで。
そこに浮かぶ表情は、口調とは裏腹な無器用な笑み。
ただ目元だけは仮面に遮られ、見えなくて。

――目線まで合わせてしまったら、エゴよりも強い何かに流されるかもしれないから――

そのまま、巨漢は半裸の少女を力強く抱きしめ。
少女の意思も何も踏みにじるように、強引にその唇を奪わんと――


【行動:回避失敗(転倒、日本刀が手から離れる)(−1p)、起き上がる(−1p)、
    攻撃(?)(唇を奪おうとする)(−1p)】
【残りP:1p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に大きな傷(処置済み)。黒のスーツ。無貌の面。両手の平に火傷。「準備万端」】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ガドリングシールド(盾に歪みと亀裂)、ブランマーカー】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面、エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー】
【方針:レベッカに、自分の子を宿させる レベッカを優勝させる (その後、彼自身は?)】 【同盟:??】
163ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/10(木) 23:06:38 ID:???
>>140-141リトラ
「その衝動が、言っている。
 私に、生きろと。生き残れと」
 朝の海のように穏やかな、なめらかな響きをはらんだ言葉。 
 騒音に満ち満ちた戦場の中だというのに、その言葉は不思議な
静謐さすらまとっているように思う。
 だが、その言葉の中に、確かな熱。 
 それは命の暖かさ。命の熱さ。
 
 戦いの中刃を交わすことで、この女のことを徐々に理解することが
できた気がした。
 生きたい、のだ。命あるものとして、彼女は己の命をまっとうしつくし
たいのだ。
 
 だから、俺は彼女を羨望した。生きるに足る何かを見出した彼女に、
嫉妬すら覚えた。
 あるいはそれは同属嫌悪であるのかもしれない。
 彼女の戦いぶりは狂える修羅すら蒼ざめるほどに苛烈なものだ。
 己自身が傷つくことを厭いもせず、敵を屠らんとする明確な決意を、
その一太刀一太刀に秘める。
 ありとあらゆる手段を用いて勝利を手に入れんとするその獰猛さ。
 そして、あらゆる不利、あらゆる状況を己の利と変え、反撃してくる。
 俺の戦闘手段に、似ている。そんな気がした。 
 
 しかし、似てはいるが。彼女の本質は、正に俺の正逆。
 俺は生きながらにしてすでに死んでいる、動く死人に他ならない。
 死に場所をただ求めるだけの疲れ果てたただの残骸だ。
 魂の中に残ったわずかな熱の命ずるままに、惰性で動いているだけの
存在。
 
 彼女は、違う。
 己の命を己のままに全うし、永らえんとする。
 それは素直で純粋な、存への意思。
 そして、今や彼女はそうした己のあり方を悟ったように見える。
 こういう人間は、強い。あるいは、俺は、彼女に。

 瞬間の拮抗に生じた、瞬間の思考。
 機体を、押された。体が崩れる。
 光の刃が跳ね上がった。
 巨大なクローが宙を舞う。
 自らを拘束する自らの片腕を自ら切り落として、彼女は勝利へと
ただ邁進する。
 
164ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/10(木) 23:48:51 ID:???

 無駄な足掻きだ。0距離のグレネード、かわす術も、防ぐ術もあるまい。
 おれは瞬時にディジェのコクピットに再照準し、グレネードを放った。
 サブ・カメラがことごとく光に染まり、爆風と爆音とが耳とハイザックの
装甲とを苛む。
 
 だが、手ごたえがない。背筋に走る寒気と胃の腑を犯す熱さとが、敵の
生存を俺に知らせている。
 何が−−

 サブ・カメラが爆風に苛まれ、いくつかやられたのだろう。
 つぎはぎだらけになった全周囲モニターが、煙のなか茫漠とたたずむ巨人の影を映し出す。
 ……やられた。左腕に破損表示。
 射出直前に、腕ごとグレネードを叩き切りやがったッ……!!
 かわす術も防ぐ術もない、だが、攻める術はある、ってわけか……
 恐ろしい女だよ。まったく。本当に。
 ハイザックの腰部装甲が、耳障りな悲鳴を上げた。 
 クローによって半ばをもぎ取られ、さらに今グレネードの爆風によって
蹂躙された腰部ジョイントは、上半身をもはや支えきれなくなってしまっ
ている。
 もうじき、折れるだろう。
 
 終わる。この戦いは、終わる。
 
 俺は、モニターの中のディジェを見つめた。
 広がる平原の中、俺のハイザックと絡み合うようにして戦う
ディジェの姿を。
 それは、ハイザックのサブカメラが捕らえた映像ではない。
 俺たちの上空、火災の煙にまぎれて飛ぶドダイから送り込まれて
来た映像だ。
 そして……機は訪れた。
 俺の持つ、本当の切り札。本当のジョーカー。
 すべての攻撃。すべての損害。俺のすべてを費やした、
文字通りのラスト・アタック。
165ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/10(木) 23:49:27 ID:???


 完全に俺に注意をひきつけた上での、必殺の一撃。 
 それでも、生きるなら。
 それでも、生き延びられるというなら。
 
 
「その傷ついた身で生き抜ける、というならば、逃れて見せろ。
逃れて生者が死者に勝る、ということを……証明して見せろよ!
リトラ・クローム!」

 目標、ディジェ。ドダイは高速で急降下しながら、対地ミサイルを
大地めがけて次々に撃ちはなった。

【行動】回避行動(−1、失敗、左下腕部消失)ドダイ操作(−1)
    攻撃;ドダイ・対地ミサイル発射(−1)

残り0ポイント
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・モノアイ全損、側面動力パイプ損傷・腹部右側面大破
      左下腕部全損・サブカメラ一部損壊
      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部をコンソールに打ちつけた結果として、頭部裂傷】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】

166レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/11(金) 12:09:41 ID:n6HTtX1e
唇守る為にIDチェックです
167リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/11(金) 18:02:28 ID:DkCYoDEA
IDチェック
168リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/11(金) 18:52:24 ID:???
>>163-165
敵の牙を、敵自身の身に突き立てるべく振るわれた双刃。
ディジェの身へと放たれる直前、断ち切られたグレネードが爆ぜ、ハイザックを爆圧が襲った。

―――これで勝ったとは思っていない。
この男、ジェンセン=スティールは戦場の幽鬼だ。
その身を確実に断ち切るまで、勝利が訪れたとは言い難い。

視界を遮る爆光が収まった瞬間。
或いは、爆光に紛れてハイザックが踊りかからんとする瞬間。

敵の身を一刀のもとに断つべく、リトラはハロルドとの決闘の最後の一撃と同じ、最速の太刀の構えをとる。

研ぎ澄まされた感覚が、教えてくれている。
ジェンセン=スティールは爆光の向こう、全ての気迫を込めた一撃をまさに放たんとしている事を。

『その傷ついた身で生き抜ける、というならば、逃れて見せろ。
逃れて生者が死者に勝る、ということを……証明して見せろよ!
リトラ・クローム!』

幽鬼が、咆哮した。
殺気が、膨れ上がる。

「―――証明させて、いただく」

呼応して、振るわれんとするビームナギナタ。
敵の殺気の、先を取った。
そう、確信した。

だが。

敵の殺気は眼前にあれども、ジェンセンの切り札たる一撃は、何の殺気を纏わずに、背後より迫っていた。
直前だった。ジェンセンの殺気に違和感を感じたのは。
背後に、我らが魂を刈り取らんとする死神の鎌の存在を感じたのは。

フットペダルを蹴り付けた。
何処へと逃れんと。

背後より、身を引き裂かんとする衝撃が襲う。
放熱フィンがズタズタに引き裂かれ、冷却機能が致命的に低下した事を示すレッドランプが灯るが、
リトラの目にはとまらない。
169リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/11(金) 18:54:00 ID:???
「ままま護ってあげるるかららららね」

立て続けに襲い来る衝撃に弄ばれるディジェの片脚が無残にちぎれ飛ぶ様は
凄まじいまでの爆炎の渦中にあって、誰にも確認する事はかなわないだろう。

衝撃によって砕け散ったモニタの破片が、身に降りそそぐ。

リトラは我が身を庇わない。

降りそそぐ破片に、ただ身を晒すまま。

幾度身体が打ち付けられようとも、アームレイカーを決して放そうとはしなかった。

「そのの為めにははこのみ身ミがどうなってももm」

かおが、あつい。

からだは、ジンジンと痺れ―――いや、すでにそんな感覚すらも感じているのか、定かではない。

だが、鼓動は、いまだ身の奥で―――

【行動 :  通信継続中(0) ジェンセンの先を取り、最速の太刀を降るわんと(-1)
       背後より迫り来る危機に気づいた時にはすでに遅し、
       だが必死で爆炎の宴より逃れんとアームレイカーは放さない(-1) 残2 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/爆炎の渦中に 】
【生徒状況 : ――――――――― 】
【通信状況 : 07番・ジンペイ 13番・エドワード 15番・ファッツ 21番・ジェンセン 26番・ミヒャエル
        ホワイトアーク 】
【武装 : ビームナギナタ 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 護ももモもm 】
170ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/11/12(土) 00:58:18 ID:???
>>142
「……」

 コックピットでは、ミヒャエルは無言だった。
 マラサイのパイロット、確か、ファッツとかいう、その男性に掛ける言葉が無い。
 ただひたすら、ひきずるように道を移動し続ける。
 相手の意思も確認せず、街への道を目指した。
 このまま直進すれば、街がある。
 アロマが居た筈だったが、流石にあのまま残っているとは思えない。
 今まで人が居て、居なくなった後なら、誰も居ないんじゃないだろうか…
 そう思えての移動だった。

「……なんで、殺したんですか?」

 ふと、思いついたように、ファッツへと聞いた。
 責める事はするな、と自分に言い聞かせ、ふとぽつりと。


【行動:T13へ移動(−4)】
【残り :3P】
【位置:E−13 → T−13】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ヒステリー】
【通信状況:リトラ、ジンペイ、ファッツ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻、周辺の詳細な地図(フォルダ)
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質、基地の地図
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:腕時計、拳銃(10発)】
【方針:薬、自分から逃げない、マラサイを逃がす、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
171レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/12(土) 09:53:18 ID:???
突然目の前に現れた、筋骨隆々たる男性の半裸体に思わず小さく息を呑んだ瞬間。
気付けば太い腕が二本、レベッカの小さな体を強く抱きしめていた。
その拍子にコートのフードが脱げ、雪色の金糸を束ねた髪が、そして束ねる赤いリボンが露わになった。
容易く逃れられない腕力に物を言わせ、身を捩る少女の唇を奪わんと仮面を被った青年の顔がゆっくりと近づいてくる。
小さく身を捩れば衣服は擦れ肌蹴て、華奢な両肩と鎖骨までが冷たい外気に晒される。
軋む骨。
締め付けられるような痛みが肩から内側へと走った。

圧倒的な体格差が二人の間には存在していた。
抗える筈が無い。
抜け出せる筈も無い。
蜘蛛の巣に捕らえられた蝶の如く、無慈悲な抱擁の果ての蹂躙を待つ事だけがか弱き少女にできる唯一つの行い。

悲鳴は無い。苦痛の喘ぎも無い。
見たいのなら見せてやる。
そう言わんばかりに肌を隠そうともせず、彼女はしなやかに肢体を捻ってコートの袖から腕を引き抜く。
ワンサイズ大きい仕様だからこそできた芸当だ。
抜いた両腕を、巨漢の首に絡めるように回すその姿は、傍から見れば唇を受け入れる姿勢と取れなくも無い。
お互いの唇が相対距離を縮めていく。

受け入れたのか。
観念したのか。
今目の前にある醜さを、少女の為、仮面と共に手にする道を選んだ青年への、或いはせめてもの詫びの印なのか。
己のプライドを守る為に、屈服ではなく需要を選んだとでも言うのだろうか――
172レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/12(土) 09:56:42 ID:???
「目ェ逸らさなきゃキスもできないなんてね……」

回した腕の先、両手が引いて緩めるのは仮面の保持具。
更には右足が地面を蹴って膝を蹴り上げ、膝頭の当たる先は大腿部付け根の間――即ち金的。

「大したヘタレ野郎だよアンタ!」

反動を利用するように、コートの中の体を滑らせ一気に拘束から抜け出して見せると、唾を吐き捨てレベッカは叫んだ。
身に纏うのはボロボロのサマーセーター、既にそれは服としての様相を為しておらず、上半身の殆どが露出してしまっている。
引き裂かれた際に解れた糸が、強引な拘束と脱出の際に追打ちを受けた結果だ。
自分を犯そうとした男の前に半裸の姿で肌を晒す。
危険極まりないそんな状況に在って、雪を帯びた金色の髪持つ少女の瞳は冬の湖の色を少しもくすませず。
真っ直ぐ、仮面を、その奥の双眸を二つの青が睨みつけていた。

受け入れる筈が無い。
観念する筈が無い。
何を詫びる必要があるというのか。
そして、何を恐れる必要があるというのか。
レベッカ・テスタロッサを従えられるのは唯一つ。従うと、そう決めた彼女の心だけだ。
暴力も権力も彼女の前には無力。
何者も彼女の価値を量ること能ず、彼女が価値を認めぬ何者もその心身を屈服させること能ず。

傲慢が罪と言うなら、今の彼女は間違いなく大罪人だ。
173レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/12(土) 10:02:12 ID:???
二歩下がれば足元に転がる日本刀。
それを拾い、切っ先を仮面に突きつけレベッカは言った。

「力を欲しがった結果がこれじゃあ、アイツもとんだ間抜けだよ。
 仮面に縋らなきゃ何も出来ない。
 仮面に隠れなきゃ本心すら口に出来ない。
 キスしたいと、そう思った相手の目すらまともに見られない――

 テオドール、キミはそんな臆病者になりたくてもう一度仮面を被ったのか!?」

切っ先を地面に向け、柄から手を離せば落ちて倒れたその先は巨漢の足元だ。
硬質な金属音がドックに反響し、暫くの余韻が消えぬ間に少女の言葉は途絶えず続く。

「選べよ、テオドール。
 その刀を取ってボクを殺すか。
 その刀で、キミを縛るその仮面を叩き割って……そして、真っ直ぐボクを見て、キミの言葉でボクを口説くか」

リボンが揺れる。
己の背中に回した手、カチリと鳴った小さな音は留め金を外す音。
腕からするりと抜け落ちたブラ、露わになる二つの果実は豊かな実りをドックのライトの下に晒す。
その左側を左手の、石のような灰色の親指がぐいっと内へ押し込みたわませた。

即ち其処は、心臓のある場所。

 チカラ
「暴力で此処を貫き殺すか、言葉で此処を揺さぶり落とすか。
 よぉく狙うんだね、テオドール!!」
174レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/12(土) 10:04:23 ID:???
【行動:仮面を緩ませる(-1)、金的+脱出(-2)、選択肢の突き付け(脱衣含む)(-1)】
【位置:W-02(パイロット:ベルガ・ギロス足元)(機体:W-02軍事基地ドック】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:サマーセーター+ジーンズ、上記のロングコート、白手袋】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る(他の方針は今のところ保留)】
【同盟:「テオドール」】
175ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/11/12(土) 17:19:45 ID:???
>>170
「……なんで、殺したんですか?」

いきなりの問い。
基地から大分離れ、
そろそろ安全圏かと思われる場所まで来たところでの質問。
確かに、その質問はもっともだと思う。
自分が守った相手が、自己中心的に他人を殺す相手だったとしたのなら。
守る価値も無い人間だとしたら、守る事も無いのだから。
それを聞くのは当然といえば当然。

「………俺を、殺そうとしたから。
 それに、こんな事になるなんて………思わなくて」

それは事実だ。
こんな事を予想していたわけじゃない。
そりゃ罪は問われるとは思っていたが、ここまでになるとは思っていなかった。

「………俺を、守ってくれるんですよね?」

それを聞いたのは不安だったから。
ただそれだけ。

【行動 :移動(E-13→F-13→G-13→H-13→I-13)(-4P) 残り0P】
【位置 :I-13】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷 胸部装甲破損 右足半壊】
【パイロット状況 :恐怖心 虚ろな瞳 左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 頬に切り傷】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー
     ビームピストル(EN 0%)】
【通信状況:リトラ・ジンペイに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:逃げる】
【最終行動方針:逃げる】
176『T−13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/12(土) 18:06:36 ID:???
>>171-174

金的蹴りに悶絶し、巨漢はその場で膝を曲げる。かろうじて膝をつかずに耐える。
無防備な姿を晒す巨漢――しかし目の前の日本刀を臆せず見つめて。少女は、刀を床に落とす。

「……我をして臆病者、か。あいも変わらず誇り高い女だ、レベッカ・テスタロッサ」

ようやく、股間の痛みからある程度回復し、巨漢は背を伸ばして少女を見下ろす。
こんな鍛えようのない急所へのダメージに対してさえ、強化された巨漢は常人以上のタフネスを持つ。
ズレた仮面の影に、片目が光る。

「まさに『本物』だな。
 彼が望んだのは、まさにそのような魂のあり方で――同時に、完成した我にも届かぬ境地。
 ますます、惚れたぞ」

そう……まさに、少女の指摘した通り。
巨漢は強いが、同時に弱い。とてつもなく強いが、同時にどうしようもなく弱い。
弱いから、仮面を必要とする。仮面に守られてしまうから、いつまでたっても弱いまま。
……それは巨漢を踏み台にして作り上げられた『完成品』も、のちに直面させられた事実。

「だが――」

巨漢はその身を屈めて、落ちた刀を拾う。
凶刃を、すッと手に取り、少女に向け。

「だが――己の魂の望まぬ事を口にするな、レベッカ・テスタロッサ。
 つまらぬ駆け引きは、その輝きを曇らせる」

おもむろに左手を伸ばした先には、少女の胸。
少女の胸が柔らかく歪んで……そこに埋もれた、灰色の腕が握られる。
傷だらけの巨漢の腕が、真新しい火傷に爛れた手のひらが、少女の細い手首を握り、胸から引き剥がす。

「『生きたい』、それがお前の『エゴ』だったはずだ。貫き通してみよ」

そう――誰も少女の死など、望んではいないのだ。少女自身も、巨漢も、青年も。
あるいは、「誇りを汚されるくらいならいっそ」という想いはあるのかもしれないが。
177『T−13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/12(土) 18:07:27 ID:???

強引に、少女の手に日本刀を握らせる。握らせながら、ほとんど抱きしめんばかりの距離に身を寄せる。
刀身は巨漢の胸板に押し付けられ、うっすらと血を滲ませて。傷だらけの身体に、新しい傷が刻まれる。
切っ先は仮面に突きつけられ。繊細な仮面を割ることも、頼りない留めヒモを断ち切るのも容易に見えて。
巨漢の表情は、斜めに傾いだ仮面に隠れたまま。

つまりはレベッカに、逆に選べと言うのだ。
巨漢を斬るか。仮面を斬るか。それとも、刀を捨てて受け入れるか。あるいは……

「……選ぶ前に、言っておく。
 彼が欲したのは、より直裁な『力』だ。我の人格でなく……我の戦闘力。
 彼がそれを欲する理由は……ただ一つ。
 その意味、考えた上で、選べ」

元より、巨漢も青年も、己の生の長さには執着はない。
自ら死を覚悟し、その後に与えられた余録のような第二の生。
今さらその長さに、さほどの価値は感じない。短い生の定めも、足掻くべき障害とも思われない。
ある意味で……少女とは異なり、本気でココで死んでも良いと思っている部分さえある。

だが、ならば――その第二の生に、彼らは何を求める?

青年は、義憤から己を生んだ組織の暴走を止めんと欲し。
巨漢は、己のエゴを踏みにじった組織を懲らしめんと欲した。
青年は、そのための手段として優勝を目指し。
巨漢は、そのための手段として戦闘を重ねた。

しかし――より大きなモノと出会ってしまえば。
より重き存在が生まれてしまえば。
誠実なる青年は、その双方を得んと願い、傲慢なる巨漢は、いともあっさり自分の執着を捨て去る。

青年は、何としても少女を生き残らせたいと欲し。
巨漢は、己の生きた証をその先に遺さんと欲し――


「……もし、選べぬというのなら――我は、彼は、躊躇せぬぞ」

巨漢と少女の身体は、間に日本刀を挟んだまま、ほとんど密着せんほどで。
そのまま巨漢は、己のベルトを外し、ズボンを落とす。
しかし近づきすぎて、互いに見えない。互いの顔しか見えない。

日本刀を胸に突きつけられたまま、巨漢はその手を少女の方に伸ばし……
178『T−13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/12(土) 18:08:26 ID:llX/V5jO

【行動:回避失敗(金的・悶絶)(−1p)、日本刀を拾い、レベッカに握らせる(−1p)、
    脱衣(−1p)、手を伸ばす(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に大きな傷(処置済み)。無貌の面(かなりズレてる)。両手の平に火傷。全裸。臨戦態勢】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ガドリングシールド(盾に歪みと亀裂)、ブランマーカー】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:無貌の面、エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ】
【方針:レベッカに、自分の子を宿させる レベッカを優勝させる】 【同盟:??】
179管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/13(日) 00:02:38 ID:???
『みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。

 まず。脱落者の連絡。
 無し。

 んじゃ、立ち入り禁止区域の発表。

 『C-15』 『G-11』 『I-11』 『L-15』
 『P-01』 『R-05』 『W-21』 『Z-12』

 気をつけろよ?

 あと天気予想。
 晴れな。

 んじゃ、これで今回の放送はこれで終わり。
 みんなの事いつでも先生は見守ってるからな。』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】 【残り行動値:∞】
【位置:Z-21】
180管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/13(日) 00:03:50 ID:???
生徒名簿

 番号          名前                   年齢 性別      機体

 死亡 アロンソ=セルバンデス                (70) 男性  グフ・フライトタイプ
 死亡 エルネスティーネ=デア=フォーゲルヴァイデ   (16) 女性  ゲルググJ
 死亡 ハロルド=P=アンダーソン              (35) 男性  ズサ
 死亡 マサヤ=タカノ                      (23) 男性  ガンダムGP02
 死亡 キリト=ヴァルリック                   (28) 男性  Gキャノン
 06番 リトラ=クローム                     (25) 女性  ディジェ
 07番 ジンペイ=カザマキ                    (32) 男性  セイバーフィッシュ
 死亡 ルイス=ガルシア                     (22) 男性  BD3号機
 死亡 クラウディア=ゲール                  (16) 女性  ビギナギナ
 10番 レベッカ=テスタロッサ                 (18) 女性  ベルガギロス(黒の部隊専用機)
 11番 アルバート=パーシング                 (18) 男性  シャッコー
 死亡 ネイゲスト=ザームズ                  (18) 男性  ザメル
 13番 エドワード=S=ボールドウィン             (28) 男性  ボリノークサマーン
 14番 ニース=エルネージュ                  (15) 女性  ゲルググ (ガトー専用機)
 15番 ファッツ=シュヴィール                 (23) 男性  EWACザック(+マラサイ◎)
 死亡 ナインティ=アウェイキング               (27) 男性  バウ
 17番 アルマ=フローライト                  (17) 女性  エビル・S(+νガンダム◎)
 死亡 サイモン=クレイカー                  (43) 男性  アッシマー
 死亡 ロイド=エンデバー                   (18) 男性  Z+A型
 死亡 クルル=ヴァンデーン                 (11) 女性  メタス
 21番 ジェンセン=スティール                 (35) 男性  ハイザック
 死亡 ブレイム=オリディス                  (36) 男性  νガンダム(+V2AB◎)
 死亡 ジョセフ=ロバーツ                   (15) 男性  ハンブラビ
 死亡 アリウス=エルツベルグ                (33) 男性  ホビーハイザック
 25番 T=ドライツェン                     (25) 男性  クロスボーンガンダム三号機
 26番 ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ              (21) 男性  カズアル

 生存者11名+一匹 死者 15名
181管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/13(日) 00:04:40 ID:???
>178時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡×◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡◇□□彡彡彡◎◎彡彡10彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡◎彡□□△□□□◎彡彡彡★◎〓△彡
 04彡◎□◎△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎×□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎◎◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡◎□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎◎□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎××□□彡◎■■△△□□┣━〓━11△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━┛◎彡□┃△◎×  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━07□◎彡□△□┏┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━〓▼▼▼┛□□彡彡◎★≡□△◎  ★:基地
 15◎◎△◎∴□◎□┃□×彡◎▼□□彡◎◎□□★◎◎□△  U:灯台
 16△△×∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18△△◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U◎◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃◎◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼◎━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃×□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○◎

06と13と21は同一地点【D-13】
07と15と26は同一地点【I-13】
10と25は同一地点【W-02】
1と14と17は同一地点【W-11】

W-14はエビル・Sの自爆によって延焼。

コンテナAの位置
『F-13』 『L-18』
上記の全2箇所
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
182ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/11/13(日) 02:04:23 ID:???
『……俺を、殺そうとしたから。
 それに、こんな事になるなんて……思わなくて』

 迂闊だ。そう思えた。
 言っても仕方が無いのだが、そう思ってしまった事は、事実だった。
 ただ、自分だって同じ状況にあれば、殺さないとは限らない。
 他参加者が多数いる状況下なら別の手段も考えただろうが…

『……俺を、守ってくれるんですよね?』

「何……だって?」

 その言葉に、全身の血が逆流する。
 叫ぶような声は、ややもすると金切り声のようだった。

「私は、君一人を守る為に飛び出したんじゃないっ。
 あの場にいて、僕がやらなければならない事をやっただけだ。
 もう……もう、知らない、あとはアナタで……」

 勝手にしろ、という言葉を、ぐっと飲み込んだ。
 下を向き、膝を見るように俯いて、下唇を噛む。
 助けたのは、自分だ。戦いを無理やり圧しとどめ、あの場から連れ出したではないか。
 それを、今更。今更放って行くのは、もっと残酷だ。
 脚は動かない。それをこんな道路の真上に放って行くのが、どういう意味か、解っていない訳では無い。

「もう、良いです……
 街で休んで、それから対岸にある基地へ向かいましょう。
 禁止エリアの指定も増えてますけど、もしかしたら、修理出来るかもしれませんから」

 今はもう、言葉を抑えるだけで精一杯だった。


【行動:L14へ移動(−4)】
【残り :0P】
【位置:T−13 → T−14 → L−14】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ヒステリー気味】
【通信状況:リトラ、ジンペイ、ファッツ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻、周辺の詳細な地図(フォルダ)
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質、基地の地図
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:腕時計、拳銃(10発)】
【方針:薬、自分から逃げない、マラサイを逃がす、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
183ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/13(日) 11:19:55 ID:D0/uWJlr
IDチェック
184ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/13(日) 11:20:27 ID:D0/uWJlr
>>168-169
 ドダイが放った対地ミサイルの爆風は、俺のハイザックにも
容赦なく襲い掛かる。
 MSの装甲すら破壊しうるその強烈な爆圧は、容赦なくハイザックの
腹部、その傷口を苛んでいく。
 スーサイド・アタック。 
 特攻。
 リトラ・クロームは、そう思ったろうか。
 だが……この俺は、常に二の手を考えているのだ。
 
 爆圧が胴体を襲う刹那、残る腕に握ったビームサーベルの刃を己の
腹に走らせる。
 侍が腹を切るように、真横へ。
 腹部破口から、機体は真一文字に切断されていく。
 
 切り離されると同時に、アポジモーターおよびスラスターを噴射。
傷口の部分で、爆圧に「乗る」。
 傷口の内部を破片がうがつ。おそらく、この機体はもはやスクラップ
と化する定めだろう。
 だが……コクピットとジェネレータが生きているならば、まだゲーム
オーバーにはならない。
  
 眼下に、爆発に巻き込まれて足掻くリトラ・クロームのディジェが
見えた。
 
『ままま護ってあげるるかららららね』

 一心不乱に、彼女は何かを叫んでいた。誰を護るというのだろう。
何を護るというのだろう。
 脳裏によみがえるあの過去の記憶。 
 護れなかった部下たち。護れなかった人々。
 俺は唇をかみ締める。
 あんたの昔に、何があったんだ?
185ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/13(日) 11:21:24 ID:D0/uWJlr
 
『そのの為めにははこのみ身ミがどうなってももm』

 苦悶ですら、ない。それは……死という熱病に侵されたものの、
明白な断末魔。
 その言葉はあまりに真摯で、正直で。
 だから、俺の冷え切った胸に、わずかにだが痛みが走った。
 畜生。あんたと一杯やれたなら、な。 
 あんたとなら、きっと美味い酒が呑めたろうに。 
 こんな無様な結末を、お互い迎えずに済んだろうに。
 あんたは、きっといい女なのだろうから。
 畜生。

 これが、勝利。
 おそらくは、そうなのだろう。
 だが、喜びはない。ただ、苦いだけだ。
 敵とこうも深く交わりあう戦場を、俺は知らない。
 
186ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/13(日) 11:24:24 ID:D0/uWJlr
「だめじゃないか、リトラ」

 俺は、最後に彼女にこう呟いた。

「生き残らなきゃならないんだろう。 
 この俺を、殺してくれるんだろう。
 なんて、ザマだ。
 なんで……殺さなかった。この俺を」

 生きながらにして焼かれて居るのであろう彼女と、
その唐櫃となるだろうディジェを見つめて。
 俺は鎮魂のブーケ代わりに、手にしたビームサーベル
を振り上げ、投げ降ろした。

 この動作で上半身のみとなった機体がこまのように回る。
ハイザックの下側に、ドダイが静かに滑り込んできた。
 ドダイのフットレストに、残った右手で磁気吸着をかけ、
断たれた胴体を下にしてハイザックをドダイの上に固定する。 
 低速でも飛行可能なドダイだからこそ、可能な技だ。  
 それでも、油断すれば機体はドダイから滑り落ちそうになる。

 ……生き残る、か。
 ……なんであんたみたいのが、こうなって。
 この俺みたいのが、生き残っちまうんだ。
 
 ドダイは再び基地へと舞い戻っていく。

 心は充分に冷えている。

 俺は未だに死んでいる。
 
 体は未だに、生きている……

【行動】通信継続・リトラ(−0)
    攻撃・ビームサーベル投擲(−1)
    爆圧を利用してドダイに搭乗(−1)
    離脱(−1)
    移動;D=13→C=13(−1)

残り0ポイント
【位置;>D13基地、格納庫】    
【機体状況:ハイザック・モノアイ全損、側面動力パイプ損傷・腹部右側面大破
      左下腕部全損・サブカメラ一部損壊
      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部をコンソールに打ちつけた結果として、頭部裂傷】
【武装:ビームサーベル、ビームソードアックス、ドダイYS】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
187ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/13(日) 11:25:53 ID:???
データ訂正。

残り0ポイント
【位置;>C=13基地上空】    
【機体状況:ハイザック・モノアイ全損、下半身脱落
      左下腕部全損・サブカメラ一部損壊
      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部をコンソールに打ちつけた結果として、頭部裂傷】
【武装:ドダイYS(対地ミサイル全弾射耗】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
188ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/11/13(日) 17:13:12 ID:???
>>182
「私は、君一人を守る為に飛び出したんじゃないっ。
 あの場にいて、僕がやらなければならない事をやっただけだ。
 もう……もう、知らない、あとはアナタで……」

その言葉に恐怖を覚える。
怒りの前に、まず恐怖。
怖い、この人に………誰かに見捨てられる事が。
捨てられたくない。
一人は、嫌だ。

「もう、良いです……
 街で休んで、それから対岸にある基地へ向かいましょう。
 禁止エリアの指定も増えてますけど、もしかしたら、修理出来るかもしれませんから」

………そうだ、禁止エリア。
さっきまでは禁止エリアなど気にせずにただくっついてきただけだったけど。
俺自身も気をつけなくてはならない。
ポケットから震える手でレーダーを起動させ、画面を見る。
………南も北も高速道路は禁止エリアで立ち入り不能。
さっきミヒャエルが言っていたように、確かに街で休息を取る事も必要だと思う。
けど………対岸の基地へ向かうのは少し無茶かもしれない。
その間には11番達がいる。
………果たして、彼らが黙ってファッツ達を通してくれるだろうか。

【行動 :移動(I-13→I-14→J-14→K-14→L-14)(-4P) 残り0P】
【位置 :L-14】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷 胸部装甲破損 右足半壊】
【パイロット状況 :恐怖心 虚ろな瞳 左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 頬に切り傷】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー
     ビームピストル(EN 0%)】
【通信状況:ミヒャエルに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:逃げる】
【最終行動方針:逃げる】
189レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/13(日) 20:27:48 ID:???
「惚れた、か。
 ボクはますますアンタが嫌いになったよ」

強引に握らされた刀の硬さに顔をしかめる。
後一歩、踏み出せば触れ合う距離にある二人。

「見透かしたような台詞ばかり吐いて、勝手に人を祭り上げる。
 誇りだのプライドだの……アンタ、何か勘違いしてんじゃない?」

伸ばされた手を邪険に払い、刀を引く。
巨漢の胸に刻まれた真新しい傷に、そっと右手の指先を当て――力を込めて押し込めば。
傷口から滲み出た血が指を赤く染め、汗に混じって鉄錆によく似た臭いがレベッカの鼻をついた。
視線を下げれば自然と行き着く先には……いっそ切り落としてやりたくなるような、グロテスク。
突発的なその衝動を押し殺し、レベッカは再び視線を上げた。

仮面の巨漢は口にした。
青年が力を欲したその意味を考えろと。
言われるまでも無い。
その力はレベッカを守る為に欲したもの。
少女を優勝させる為ならば己の人格すら犠牲にして見せようという、青年の覚悟が其処にはあったのだろう。
たとえニュータイプならずともそのくらいは推察できる。
ニュータイプだからこそ、その覚悟は痛いほど伝わってきた。
190リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/13(日) 20:27:49 ID:injTu1K6
IDチェック
191レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/13(日) 20:29:33 ID:???
最悪だ、とレベッカは思った。
感情の押し付け、自己犠牲の押し付け。
彼女が最も嫌うその二つを、あろう事かテオドールはやってのけたのだ。

下手な駆け引きなどするなと巨漢は忠告した。
うるさい。
黙れ。
アンタの駆引きの方がよっぽど下手糞だ。
女を抱きたいのならもっと上手く口説け。

「そんなご大層なもんじゃない。
 教えてやるよ。
 ボクのはね……我が侭って言うのさ!」

再び、金的を蹴り上げる。
今度はもっとダイレクトな感触。喩えようの無い不快感が膝頭から伝わってきた。
その拍子に膝を曲げ腰を曲げた巨漢、顔は必然と少女の目の前に落ちてくる。

「アンタの力なんかボクは要らない。
 紅茶とサンドイッチの方がよっぽど大事さ」
192レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/13(日) 20:31:57 ID:???
仮面を剥ぎ取る右手、叩き割る左手の白刃。
携えた刀の切っ先が地面に落ちた無貌の面を貫き、割り、引き裂き散らせた。
刀から手を離す。
床に落ちる金属音の傍には貫かれ、割られ、引き裂かれて散らされた「仮面」だったもの。
其処に視線を落としてレベッカは言う。

「とまあこういう訳だから、変な幻想を持つのは、止めるんだね」

そして、お互いの姿を改めて確認し、僅かばかりの苦笑と共に次の行動へ。
ボロボロのコートを拾い、羽織って前を合わせる。

「ボクはキミの理想になれないよ、テオドール。
 ボクには他に好きな人がいるから。
 けどね。
 キミの事は、うん……嫌いじゃ、ないよ」

キミの淹れてくれる紅茶は好きだし、と笑い。
だから、と少し背伸びをして。悶える半裸の青年の頬に、軽く唇で触れた。

「こういうの、慣れてないけどさ。
 18年物……今はこれで我慢して貰えるかな?」
193レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/13(日) 20:32:49 ID:???
【行動:金的(-1)、仮面外し+破壊(-2)、はぢめてのきす(-1)】
【位置:W-02(パイロット:ベルガ・ギロス足元)(機体:W-02軍事基地ドック】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:ジーンズ、上記のロングコート(ボロボロ)+サマーセーターだったもの、白手袋】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい、先ずは修理を】
【同盟:「テオドール」】
194リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/14(月) 17:51:22 ID:???
>>184-186
炎禍の中、のたうち回るリトラのディジェ。
右脚を失い、放熱フィンをもがれ、光の剣が砕かれてもなお、
身を引き裂かんとする爆撃より逃れんと地を這い回っていた。

自らを脅かした強敵への手向けとして、哀れな女豹の生命にピリオドを打つべく、
ジェンセンのハイザックがビームサーベルを投げ放つ。

ディジェは地に伏し、爆圧を利用して上空へと逃れたハイザックは、ディジェに引導を渡す
切り札となったドダイを翼とし、炎熱地獄と化したこの戦場を後にした。

ディジェは動かない。
鋼鉄の屍を地に横たえ、炎に炙られたまま―――

―――かに思えた。

だが、ディジェはいまだ死しては居なかった。
瀕死と言うに等しい状態であったが、そのジェネレーターには生命の炎が灯っていた。
モノアイがおぼろげにひかり、遺された右腕と左脚とでもって、地を這いずるようにして炎より逃れる。

「か、感謝しないとね……ミスター・スティール……」

コンソールに灯るレッドランプにより、紅く染まるディジェのコックピット。
其処に在るリトラの身も紅く照らされていたが、彼女を紅く染めるものは、レッドランプだけではない。

「貴方が居なければ、私は自分自身の魂の乾きすら理解する事ができぬまま、死していたでしょう」

彼女の身に降り注いだモニタの破片は、彼女の顔に幾筋もの傷を残していた。
―――ひと際大きな傷跡が、彼女の左目を切り裂くようにはしっていた。失明は、免れない。
流れ出る血が、彼女の半顔を紅く染めていた。
だが、その壮絶さとは裏腹に、彼女の表情も、口から漏れる声も、穏やかそのものであった。

「絶望は、私にとって最も縁のない言葉。
 生き延びる。地虫のように、地を這いずってでも」

地を這うようにして、リトラのディジェが向かわんとする先。
すでにここを飛び立ったかつての同盟者。
彼が、ジンペイ=カザマキが残した輸送艦へと、彼女は向かわんとしていた。

【行動 :  通信回線断線(0) 投げつけられたビームサーベルは……?(-1) 残3 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/背部放熱フィン全損、左腕及び右脚喪失、頭部はギプスによって固定
        その他数々の損傷 】
【生徒状況 : 頭に巻かれた包帯 顔のそこかしこに裂傷、左目失明 全身打撲 】
【通信状況 : 断線 】
【武装 : ビームサーベル 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 生き延びる 】
195エドワード ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/14(月) 17:53:33 ID:???
まさに壮絶という他はなかった。
二頭の猛獣、そして一羽の猛禽によって繰り広げられた戦いは。

敵対する猛獣に一撃を加えた猛禽が戦場より離れてもなお、
二頭の獣は互いの身を引き裂きあう事をやめない。

冗談じゃない、冗談じゃない。

血で血を洗うような殺し合いを繰り広げておきながら。
通信回線より飛び込んでくる声は、なぜそうも活き活きとしている?

自分の生きた世界の住人に限りなく近い存在によって繰り広げられる血の狂宴を目の当りにして。

―――身の内の禿鷲が、彼奴等の肉をついばませろと、荒々しく羽ばたく。

だが、まだだ。自分が手を下すべき時は。

このエドワード=S=ボールドウィンは禿鷲だ。
奴等の如き獣とは違う。

血で血を洗う狂宴の終焉。
それこそが、自分の動き出す時なのだ。

閃く鋭き刃。振るわれる鋼鉄の爪。沸き起こる爆炎の渦。

決着の時は近い。
胸ポケットの内に在る人形の感触を、自らの想いの形を掌で確かめ。

エドワードは、自らが羽ばたくべき瞬間を待っていた。

この戦いを生き延びるのに、自らには決定的に足らぬものが一つある。
―――恐るべき猛獣ども、その肉を喰らいて、自らに欠落したものを取り戻さん。

身をちぎられんばかりに傷ついたハイザック。
爆炎の宴のなか、無残に身を裂かれるディジェ。

雌伏の時は、終わりだ。
勝者の肉を喰らわんと、エドワードが動き出さんとした瞬間。

勝者たるハイザックは敵に止めを刺す流れのまま、ドダイに乗って早々に戦場を後にした。

見事な引き際。だが、奴はすでに死に体。
自らの覚悟を満たす為、逃す訳にはいかぬと。
エドワードが、追撃に移ろうとした時。

>>194
炎の渦中より、這いずり出てきたディジェの姿が、目にとまった。

何という事だ。
あの壮絶な攻撃に晒されてなお、死にきれぬとは。
だが、地を這いずるディジェの姿は、誇り高き女豹の末路としては見るに忍びない。
リトラ=クローム。
貴女の生命を絶って、その覚悟、我が物にせん。

ビームトマホークを手に、ディジェへとにじり寄るボリノークサマーン。
振りあげたトマホークをディジェの頭上へと、その内の女豹へと振り下ろす。
196エドワード ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/14(月) 17:54:47 ID:???
【行動:観察(0)、ビームトマホークでディジェに攻撃(-1)】
【残り:3】
【位置:D−13(基地)】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂】
【パイロット状況:特に問題なし】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0),ビームトマホーク】
【所持品:布、綿、糸、裁縫道具、色鉛筆、型紙、人形
        水1L弱、MS整備の本】
【方針:生き残る その為に必要な覚悟を得る 】
197リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/14(月) 17:57:46 ID:???
>>195-196
眼前に、エドワードの駆る鋼鉄の巨人が立ち塞がった。
女豹の生命を刈り取らんと、巨大な斧を振りかぶる。

その様子を、リトラは穏やかな片眼で見あげていたが。
刃が振り下ろさんとする瞬間、穏やかな光のなか、鋭き光がともる。

右腕が、閃いた。
握られていたものは、ジェンセンのハイザックが投擲した、ビームサーベルだった。


爆炎に弄ばれながらも、活路を見出さんと決して閉じられることの無かったリトラの瞳は、
炎の隙間より垣間見えた光の剣を捉えていた。
投擲されたビームサーベルを掴み止めるなどといった荒業を可能としたものは、
生に対する執念と、ビームサーベルの軌道を頭の内に描かせた“借り物の感覚”だった。


振るわれたビームサーベルが、ビームトマホークの柄を絶つ。

間髪入れず、踏み込まれるフット・ペダル。

スラスターが咆哮し、前方へと弾き飛ばされたディジェは、左肩の付け根より、
ボリノーク・サマーンへと渾身の力を込めて我が身を叩きつけた。

二体の鋼鉄の巨人はもつれ合ったまま、傍らの建造物へと激突する。

【行動 :  ビームサーベルによってビームトマホークの柄を絶ち(-1) 
       体当たりによって敵を建造物へと激突させる(-1) 残1 】
【武装 : ビームサーベル 機体の身そのもの 】
198エドワード ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/14(月) 18:00:20 ID:???
>>197
ディジェが激突した衝撃により遠くなりかけた意識のなか、エドワードはリトラの底力に驚嘆していた。
建造物へと叩きつけられるボリノーク・サマーン。
再び、コックピット内でエドワードは無茶苦茶に揺さぶられた。

調子に乗るな、死に損ないが。

そう言わんばかりに、スラスターを吹かし続けるディジェを引き剥がさんと、右腕を伸ばすものの。
ベギン、といった異音と共に、右腕は力なく垂れ下がった。
右腕の内部機構が損壊した事を示すレッドランプが、コックピット内に灯る。
建造物に叩きつけられる際に、打ち付けでもしたというのか。

舌打ちし、ディジェをスラスター推力でもって押し返さんと、フットペダルを踏み込む。

【行動:ディジェの身を引き剥がさんと右腕をのばす―――異音と共に右腕の内部機構が破損(-1)
    スラスターによってディジェを圧し返さんと試みる(-1)】
【残り:1】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂、右腕の機能損失】
【パイロット状況:軽い脳震盪】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0)】
199リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/14(月) 18:02:30 ID:???
>>198
ボリノーク・サマーンのスラスターが咆哮し、その身を引き起こさんとする力が生み出される。
体勢を立て直されるのも時間の問題かと思われたが、リトラは冷静に敵の解体を遂行した。

敵機の背にまわした右手に握られたビームサーベルをバックパックへと突き立て、推力を奪う。
ディジェの手にした光の剣は、その途端に輝きを喪失した。
破損していた武装へのエネルギー供給ラインが、焼き切れたのだ。

ボリノーク・サマーンの推力が失われ、再び建造物へと叩きつけられる。
建造物を倒壊させながら、二機は瓦礫へと、その身を倒れこませた。

【行動 : ビームサーベルをバックパックへと突き立てる(-1) 残0 】
【武装 : 機体の身そのもの 】
200エドワード ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/14(月) 18:04:47 ID:???
>>199
―――推力が、あがらない。
バックパックの損傷を示すレッドランプが、点灯していた。

再度建造物へと叩き付けられる愛機。
瓦礫へと倒れこんだ身を起こそうと、ボリノーク・サマーンはディジェを引き剥がすべくもがく。

片腕を失ったのみの愛機だ。
四肢の半ばを失ったディジェを引き剥がす事など容易い。

【行動:ディジェを引き剥がし、身を起こそうとする(-1)】
【残り:0】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂、右腕の機能損失、背部スラスター損傷】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0)】
201アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/11/14(月) 19:52:38 ID:???

『こちら生徒番号11番、レイモ…いや、アルバート=パーシングです。
 たまたま同じ地点にいるというだけで、こういう事を聞くのも何ですけど……何か
 俺に用事か何かあるんですか、アルマ=フローライトさん』

一瞬別の名前を出そうとするアルバート。
偽名か? ならば"アルバート=パーシング"の方を偽名と考えるのが筋だが……。
アルマはそんなことを考えながら通信回線を繋ぐ。

「特に用事はない。
 マップを見てもらえばわかると思うが、南〜南西への道は至るところで寸断されているんでね。
 禁止区域に囲まれつつある領域に人がいるとも思えん。
 こちら側に進むのが然したる障害もなく手っ取り早いということだ。
 ま、私としては来た道を戻っていることになるのだが……」

彼女は自分でもマップを確認しながら答える。
そうしてモニターを見た瞬間、彼女は凍りついた。

「……な」
(バカな)

そこにはアルバートが映っていた。
それだけのはずだった。
しかし。
それだけでは済まなかった。

モニター越しの映像は不鮮明だった。
直接会って確認したい。
しかしそれは、"私"の時間の終わりを意味する。
アルマはそう感じた。

何れにせよ道路の真ん中で確認するわけにもいかない。
平静を無理矢理に取り戻すと、アルマは言葉を続けた。

「……君たちはこれからどうするつもりだ?
 私は西の街で休息した後、さらに西へと向かうつもりでいる。
 北の基地には先客がいるはずなのでな。
 方向が同じなら君たちに同道してもいいと思うが」

さらりと言葉を終えた彼女は、ポーカーフェイスの裏で考える。

ああ。
私はいったいどうしてしまったのだろう。
腑抜けたばかりか余計な記憶が揺さぶりを掛けるとは。
いい加減に"自分"を取り戻さなくては。

……"自分"? "自分"とは何だ?
何を以って"自分"とするのか。 その証は。

思考は廻る。 ぐるぐる廻る。

【行動:通信回線接続(-1)】
【位置:W-11/高速道路】
【残り行動値:3p】
【機体状況:Green/通信回線:シャッコー】
【武装:ビームサーベルx2、バルカン(100)、ビームライフルx2、Iフィールド、シールド】
【生徒状態:Green?】
【所持品:デイパック、コッペパン、水2gx1.5、栄養ドリンクx6、ノートPC、食糧、生活雑貨、
      ベレッタ(16/15)、弾薬ケース、マント、バニーセット、ルージュ、携帯端末】
【行動方針:…………】
202『T−13』 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/14(月) 20:01:00 ID:???
>>189-193

片方の睾丸の潰れる音が、身体の中に響き渡る。
甘んじてそれを受け、膝をつきながら、巨漢は思う。

ますます、惚れた。これなら、悔いはない。

少女は果たして、自分の言葉を正確に理解したのだろうか?
青年が覚悟したのは、己の人格を犠牲にすること、だけではない。
元より自己の存在の「長さ」には価値を見出していない青年、そこにはさほどの躊躇はない。
気の弱い、青年が覚悟したのは――他ならぬレベッカに嫌われる覚悟、だ。

仮面が少女の手に取られる。魂が身体から引き剥がされる感触。
抵抗すればできるところを、巨漢はなされるがままに任せて。
仮面と共に、巨漢の自我はバラバラに砕け散る。

砕けながら、巨漢は考える。

 まあ、いい。我がエゴは、たとえ我が意識が滅しようとも、……





203テオドール(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/14(月) 20:02:31 ID:???





……青年は、呆然としていた。
目の前で砕け散る仮面。永遠に失われる力。
なぜ。どうして。
あるいは、少女が身を拒むのは分かる。貞操を重んじるのは分かる。
けれど。

完全なものと化した『T-13』が、本気で戦い、本気で少女を守れば――二人の願いは、果たせるのに。

不完全な状態のままでも、薔薇の騎士を少ない損傷で倒し、幼い少女を一刀のもとに切り捨てた巨漢だ。
つい先ほどの巨漢の状態なら、あのリトラとジンベイが束になってかかっても一蹴できただろう。
何の不安もなく、何の心配もなく、レベッカに優勝をプレゼントすることができただろう。
少なくとも、青年にはそれだけの自信があった。それだけの確信があった。
なのに。

それこそ、他の参加者を全部倒したら身体を許す、とか適当なことを言って騙せばよいではないか。
他の参加者全てを殺す覚悟を考えたら、その程度の詐術、むしろ褒められるべきものではないか。
わからない。わからない。
なぜ、あの無敵の巨漢を捨てて――『テオドール』を選ぶのだ。

……しかし、その無数の疑問は、とても彼の言語能力を超えたもので。
青年は呆然としたまま……少女の顔を、間近に見つめる。
少女は、そして、唇を重ねて。

……その接触で、青年の中に渦巻いていたものが、もうどうしようもなくなってしまった。
溢れ出す感情が、止められない。あるいはそれは、仮面で押し隠されていたものの反動で。
ポロポロ、ポロポロと涙をこぼしはじめる。

「……ナンデ……ヒック……ナ、ナンデ……レベカ……ッ!」

顔をグチャグチャに歪めて、こぼれる涙はやがて滝のようにあふれ出し。
どうしようもなくなってしまった青年は、そのまま少女に抱きついて泣き出す。
性的な意図も何もなく、ただただ、母親に泣きつく子供のように、少女の胸で泣きじゃくる。
あまりに強くすがりつき、半ば押し倒すような格好になり。
それでもなお、少女の胸の中で、泣き続ける。

「ゴメナサイ……レベカ、ゴメ、ゴメナサい……ヒック……」
204テオドール(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/14(月) 20:03:52 ID:???

――どれほどの間、そうしていたのだろう。
いつしか外には日が昇り、ドックの戸の隙間からは陽光が差し込み。
どこか遠くで、定期放送が流れる声がする。
ようやく落ち着いてきた青年は、いささかバツが悪そうな顔で少女の胸から顔を上げ、涙を拭う。
今更にして、自分がどこに顔を埋めていたのかを認識し、慌てて視線を逸らす。

「ゴ、ごめン、レベカ。スグニ、ドクカラ……」

青年は本気で謝りつつ、本気で焦りつつ、少女の身体から身を離そうとして……

 下半身の方で、何か硬い、熱いモノが、少女の足に触れる。

一瞬、固まる青年。自分でも自分の身体の反応が信じられずに。
人間として、男性として……ある意味究極の激痛が続いているというのに、まるでそれは衰えておらず。
いや確かに、片方さえ残っていれば、男性として十分な機能は発揮できるのだが……しかしそれでもこれは。
不可解な自分の身体、しかしそれを一旦認識してしまえば、もはや無視することなどできようもなく。

「ア、アノ、ソノ、コレ……チ、チガウ」

その感触は、厚いジーンズ越しにも少女の感じているはずだ。
何と言っていいのか分からず、ただ慌てる。慌てながらも、そこからどくことができずに。

素顔の青年は、仮面の巨漢ほど欲望に忠実でも、厚顔無恥でもなかったが……
しかしそれは、青年も望んでいたことだったのだ。青年の願いだったのだ。
けれど、それをストレートに言うことは、青年にはできず。
だからと言って、巨漢のように強引にコトを進めることもできず。

「ウ……レ、レベカ……テオドル、ガマン、デ、デキナ……イヤ、ソノ……」

意味の判じにくい言葉を、あうあうと口の中で転がしながら。
押すも引くもできず、青年はただ慌てながら、少女の反応を待つ――


【行動:回避放棄(金的蹴りで睾丸一つ破裂・仮面破壊)(−1p)、『T-13』消滅(0p)、
    号泣(−1p)、すがりついて押し倒す(−1p)、身体を起こしかけて……(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に傷跡。両手の平に火傷。左の睾丸破裂。全裸。臨戦態勢……というより何故か収まらない】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ガドリングシールド(盾に歪みと亀裂)、ブランマーカー】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復・改造 ……股間のコレどうしよう?】 【同盟:レベッカ】
205ジェンセン(代理):2005/11/14(月) 20:09:21 ID:nTsiYsUo
代理でIDちぇっく
206ジェンセン(代理):2005/11/14(月) 21:35:26 ID:???
>>200 エドワード

『手前は正しい』

 不意に、割り込んでくるレーザー通信があった。
 それはあまりに突然で。それはあまりに不可解すぎて。 
 それは聞いたことのある男の声。 
 野太く雄雄しい、戦場で枯れた深いバリトン。
 舞い戻るはずのない……死神の声。 
 
『だが……気にくわねえ。だせぇ。
 それだけだ。それだけで充分だ』

 風の唸る音。鋼が大気を巻いて襲い掛かる音。 
 猛禽は再び舞い降りた。
 
 頭上から降り注いでくるのは鋼鉄の鉄拳だ。
 残されたバックパックのスラスターが生み出す推力と、
はるか上空から落下することによって得られた重力に
よる加速とで、とてつもない速度にまで加速した鋼の拳。

『生きるも死ぬも半端な手前……腹の座らぬ手前の在り様……
 手前に命は勿体ねえ。
 餓鬼が来たぞ。禿鷲喰らいに地獄から。
 俺の前から、砕けて消えろァ!!』

 体の半ばを失って、しかしなお10トンを上回る質量を
誇るハイザック。
 その恐るべき豪腕が、必死必殺の念もろともに、ボリノーク・
サマーンへ襲いかかる!

残り0ポイント
    
【行動】通信回線開放・エドワード(−1)
    移動・C=13→D=13(−1)
    奇襲攻撃・急降下しつつエドワードに鉄拳制裁(−2p、内訳加速に1p、攻撃に1p)
    
【位置;>D=13基地上空】    
【機体状況:ハイザック・モノアイ全損、下半身脱落
      左下腕部全損・サブカメラ一部損壊
      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部をコンソールに打ちつけた結果として、頭部裂傷】
【武装:ドダイYS(対地ミサイル全弾射耗】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
207管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/15(火) 00:05:06 ID:???
>206時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡◎◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡◇□□彡彡彡◎◎彡彡10彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡◎彡□□△□□□◎彡彡彡★◎〓△彡
 04彡◎□◎△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎◎□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎◎◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡◎□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎◎□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎◎◎□□彡◎■■△△□□┣━〓━11△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━┛◎彡□┃△◎◎  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━07□◎彡□△□┏┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━15▼▼▼┛□□彡彡◎★≡□△◎  ★:基地
 15◎◎○◎∴□◎□┃□◎彡◎▼□□彡◎◎□□★◎◎□△  U:灯台
 16○〇◎∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17○〇◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18○〇◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U◎◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃◎◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼◎━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃◎□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○◎

06と13と21は同一地点【D-13】
15と26は同一地点【L-14】
10と25は同一地点【W-02】
11と14と17は同一地点【W-11】

コンテナAの位置
『F-13』 『L-18』
上記の全2箇所
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
208アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/11/15(火) 02:14:56 ID:???
少ししてアルマ=フローライトの返答がくる。
…モニターに映る彼女を見て、一瞬俺は目を見開いた。
そこに映ったのは、年のころ17、8の少女だった。
…いやまあ、俺も偉そうにアルマ=フローライトを少女と呼べる歳じゃないけど…。
レイモンドと同化するあの夢のせいか、どうも最近自分がすごく年上のような錯覚に
陥っているような気がする。

まあ今はそんな関係ない事はどうでもいいのだ。
俺が驚いたのはアルマ=フローライトの年齢ではない。
色白の肌もブロンドの髪も、目を見張るほど珍しいものではない。
俺が思わず見入りそうになったものは、彼女の目だった。
紅い右目と蒼い左目。
どこかの本で色違いの瞳を持つ人がいるというのは見た事があったけど、こうして実
際に会うとは思わなかった。
烈火を思わせる紅と、氷雪を思わせる蒼。
正反対の色彩がもたらす衝撃に、彼女への返答を一瞬忘れそうになった。

慌てて平静を取り繕おうと、2、3回咳払い。
「……?」
何か…彼女も俺の顔を見て驚いてるような気がしたけど……今は返事の方が先だ。

えっと…確かにマップによれば、南はもう殆ど進入禁止地域に分断されている。
湖を渡って行けない事もないけど、防水機能のないMSでは浸水する危険がある。
南に明確な目的がないのなら、北に行くのが無難な道だろう。
(それにしても…)
少し渋い顔で思う。
いつの間にか、随分戦場も狭くなってしまった。
もう本気で時間が迫ってきている。
全てが無に帰す、絶望の時間が。

アルマが更に通信を送ってくる。
その表情に、さっき垣間見えた動揺はない。
…おそらく俺の気のせいだったのだろう。
(北の基地には先客、か。
 誰かは分からないけど……これで俺の行き先もはっきりした)
アルマの情報で、俺の目的地は決まった。

(続く)
209アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/11/15(火) 02:16:31 ID:???
自然と口元に笑みが浮かんだ。
うん、やっぱりやるべき事が決まると、心も軽くなるもんだね。
「情報をありがとうございます、アルマ=フローライトさん。
 おかげで俺の行き先もはっきり決まりました。
 俺もこれから西の街に向かおうと思います。
 短い間ですけど、同行しましょうか」

すぐさまシャッコーを西に向ける。
このまま高速道路を行けば、そんなに時間をかけずに辿り着ける。
「ニース。
 俺はこれから西の街に向かおうと思う。
 遅れないように来てくれ」
ニースにもその旨を伝える。
本当はニースにも意見を聞いた方が良いとは思うけど、さっきの基地でもこの先の行
動で迷っていたから、あまりプレッシャーをかけるわけにもいかない。
腹ごしらえのつもりでコッペパンにかじりつきながら、シャッコーを発進させる。

「ああそうだ、アルマさん。
 図々しいのを承知で聞きたいんですけど、もしよければ北の基地にいる生徒が誰な
 のか、知っていたら教えてください。
 役に立つ情報を教えることは出来ないかもしれませんが、アルマさんも俺に何か聞
 きたい事があったら聞いてください」
W-11を出る直前に、アルマに通信を送る。
北の基地にいる生徒の名前が分かれば、この先にいると思われる生徒を少しだけだけ
ど絞り込む事ができる。

【行動:行き先決定(0)コッペパンをかじる(−1)高速道路でR-12に移動(−3)】
【残り:0】
【位置:R-12(高速道路上)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:14、17番に接続中】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、保存食41/3日分、お守り、ペンライト、ポー
    タブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:とりあえず西の街に移動】
【同盟:ニース】
210レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/15(火) 14:58:44 ID:???
少し強く蹴り上げ過ぎたかな、と今更になって少しばかりの不安が湧き、相手の様子を窺えば。

「な……っちょっと……!」

押し倒され、肌蹴た胸に顔を埋められ、その上泣きじゃくられるという怒涛のラッシュに成す術も無い。
呆気に取られながらも押し退けようという気にはならなかった。
不思議と嫌悪感が湧かなかったのは、一連の行為に何ら特別な意味合いが含まれていなかったからだろうか。
幼い弟をあやす姉の心境とはこんなものなのかもしれない。
そのままにさせておくのが一番のような気がして、レベッカは苦笑いと共に溜息をついた。

やがて。
ドックのドアの隙間から差し込む光と、遠くに響く定期放送の声とが朝の訪れを報せた頃。
止め処ない嗚咽もようやく終わりを迎え、青年の体が離れていく感覚にホッと一息、安堵する。

一連の騒動はこれで区切りがついたのだ。
後は、基地の中から適当に軍服を探し出して代わりの衣服とすれば良い。
サイズの合う服はあるだろうか。
身長の割に平均よりもだいぶ成長している各パーツが、少しばかり恨めしい。

そんな事を考えていたレベッカは目の前、青年の様子が少しおかしい事に気付いた。
顔を背ける青年に何事かと思えば、彼が直前まで見つめていたのは――

「!」
211レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/15(火) 15:01:20 ID:???
慌ててコートの前を閉じた。
見られた。バッチリと。ダイレクトに。この上無いほどの至近距離で。
言葉が出なかった。
'T-13'と渡り合う間中ずっと張り詰めていた緊張の糸が、青年の慟哭でやっと緩んだその途端。
それまで自分が如何に破廉恥な格好をしていたのかを再認識してしまい、レベッカの顔が耳まで真っ赤になる。

見られた。見られた。見られた。
見たね、大佐にも見せたこと無いのに!
混乱した頭はそんな台詞すら叫びたくなる衝動を生み。

挙句。
ジーンズの布越しに伝わってくる、とてもとても奇妙な熱と感触。
そして、青年の泣き出しそうな謝罪と、告白。

「い……」

何事かと目線を下げれば――熱と硬さの正体が、コンニチワ。
じわり。
目尻に薄く涙が滲んだ。

「いやぁぁっ!!」

ばしーん。
平手一閃頬を直撃。
実に小気味良い音が爽やかな朝の空気に鳴り響き、新しい一日の始まりを高らかに告げたのだった。
212レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/15(火) 15:02:21 ID:???
【行動:平手打ち(-1)】
【位置:W-02(パイロット:ベルガ・ギロス足元)(機体:W-02軍事基地ドック】
【残り行動値:3】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:ジーンズ、上記のロングコート(ボロボロ)+サマーセーターだったもの、白手袋】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい、先ずは修理を、「やらせるものかよ!」】
【同盟:「テオドール」】
213ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/11/15(火) 19:25:14 ID:???
朝が来た。
風は無く、草原には朝靄がたち込めていた。
少々肌寒いその空気に肺を満たし、黎明を待つ。

夢を見る事も無く、ひたすら熟睡したのは久しい事だった。
それでも職業柄か、日の出前には眼を覚ましてしまったが。
だが、そのお陰で既に傷の再手当ても終え、朝飯すら済ます事が出来た。
傷の手当てが簡単に終わったのは、前の接合が良かったお陰だろう。
腕の調子もまあまあで、重量物は持てない程度には回復しているようだ。

残るは、ずうっとほったらかしにしてきた愛機。
本格的な修理は出来ないが、点検や簡単な整備なら、大掛かりな道具は必要ない。
燃料の問題は深刻だが、この状況では後回しにするしかないだろう。
しかし、よくもまあ此処まで酷使した物だと、我ながら少し呆れてくる。
ハイザックがその気なら、俺はあの場で終わっていたのではないだろうか?

靄が、晴れてきた。
最後にもう一度、朝露の空気で肺を満たす。
目を開けると、道具箱を片手に愛機へと向かった。
太陽が顔を出した空は、殺し合いの場とは思えない、雲ひとつ無い青空だった。

【行動 : 起床-1 怪我の治療-1 食事-1 晴れを待つ-1 残0 】
【位置/場所 : I-13/道路上 民家前 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み)
          僅かに貧血気味 右腕の不自由  服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残10%) 60mm機関砲×1(残弾無し)
       両用ロケット弾×1 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム(未発見) 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×4食分(-1)  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 :  機体の整備 】
※傷に使った救急品と工具箱は、民家より調達しました。
214テオドール(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/15(火) 21:32:14 ID:???
>>210-212

頬を張られ、青年は慌てて視線を逸らす。
地面に座ったまま、少女に背を向け、身を小さく縮こませる。

仮面の巨漢ならいざしらず。
青年にとっては……自身も激しく羞恥を感じていて。

「ゴ、ゴメ……。レ、レベカ、キレイ、ダタカラ……」

なおも鎮まる気配のない股間を押さえつつ、正直な感想を口にする青年。

そう……綺麗だったのだ。
少女の裸身も。
少女の肌も。
少女の身を蝕む、傷痕さえも……青年の目には、美しくて。
視線を逸らしたくらいでは、脳裏から離れてくれない。

「ナ、ナニモシナイカラ……テ、イテテ」

青年は少女に背を向けたまま、自分が脱ぎ散らかした服を拾いに立ち上がろうとして……
足の付け根に走る激痛に、再び座り込む。

掛け値なしに手酷いダメージを受けているのだ。
痛みに対する耐性があるはずの身体でも、これはキツい。
とはいえ、少女に心配をかけるわけにはいかない――と青年は考えて。
なんとか誤魔化さねばならない――と考えて。
だって、負傷部位のすぐ上には、まだ、その……。

青年は這うようにして散らばった衣類を集め、大きく溜息ひとつ。
たったこれだけの行為で、全身脂汗が滲んでいる。


青年も少女も、目の前の事態に追われて、認識するヒマがない。
今、青年の身に起きた一種の奇跡のことを。
仮面の巨漢、その仮面を砕いただけで――もう二度と戻らぬ覚悟で仮面を被った青年が、戻ってきたことを。

青年自身、まだ自覚はない。
先程の巨漢が、仮面を被り直す行為によって変質し、彼自身の言葉で言えば『完成』したように――
今の青年が、仮面を砕かれることにより、仮面を被り直す前の青年とは微妙に異なる存在になっていることを――

建物の外は、良い天気。憂いも何も感じられぬ晴れ渡った空を、小鳥たちが鳴きながら飛んでゆく。


【行動:衣類を集める(−1p)】
【残りP:3p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に傷跡。両手の平に火傷。左の睾丸破裂。全裸。臨戦態勢……というより何故か収まらない
      強化されているハズの心身が……?】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ガドリングシールド(盾に歪みと亀裂)、ブランマーカー】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復・改造 ……股間のコレどうしよう?】 【同盟:レベッカ】
215エドワード・ボールドウィン(代理):2005/11/16(水) 20:32:53 ID:resTOR5q
 最終IDチェック
216エドワード・S・ボールドウィン(代理):2005/11/16(水) 21:12:24 ID:mEev0Cy1
『手前は正しい』
 その声はあまりに唐突に、エドワード・ボールドウィンの鼓膜を振るわせた。
 腹に走るおぞましい感触。
 そんな、馬鹿な。もはやモビルスーツと呼べぬ、ただのスクラップ同然に
成り下がった機体で、武装も全て失っているというのに。
 ジェンセン・スティールと言う名の狂人は、何一つ迷うことなくこの戦場に
舞い戻ってきた。
 エドワード・ボールドウィンには、理解できない。 
 この男は、狂っているのだ。死に狂っている。狂犬のように戦い抜いて、
そして潰えたいだけなのだ。
 あの戦い。後先など何一つ考えていない、ただ戦うためだけに戦っている
狂戦士さながらの奮戦。
 押し潰された風が立てる悲鳴が爆音となり、鋼の狂人がいずこにあるかを
エドワードに告げる。頭上高く、信じがたいほどの速度で加速しながら、
スラスター炎を彗星のごとくに引きながら。
 もはや上半身のみと化したハイ・ザックが、潰れた単眼でボリノーク・サ
マーンを睨み据え、殺意の弾丸と化した拳を突き出して。
 コクピットに響く、絶叫。
『生きるも死ぬも半端な手前……腹の座らぬ手前の在り様……
 手前に命は勿体ねえ。
 餓鬼が来たぞ。禿鷲喰らいに地獄から。
 俺の前から、砕けて消えろァ!!』
 眩む頭が、怒声に冴える。
 特攻だ。
 この愚か者は、己の命と引き換えに、私の命を刈り取ろうとしているのだ。
モニター越しにさえ感じられる圧倒的な、溢れんばかりの殺意が。
 エドワードの胃の腑で騒ぐ冷えた怯えを−−
「ふざけるな」
 侮蔑へと、変じせしめた。
 この男は、どうしようもない馬鹿者だ。何のつもりだ?男の結晶がごとき
存在であるがゆえに、活劇の中にしか存在しない武侠でも気取っているのか?
 なるほど、それならあの奮迅にも納得がいく。ただ己に酔いたいだけなのだ。
 好きに酔えばいい。好きなだけ己にうぬぼれればいい。
 ジェンセン・スティール、お前はそうやって恐れをかき消しているのだろう。 
 そうやって、今まで生き延びてきたのだろう。
 だが、私は違う。
 私はいつだって戦いが恐ろしい。そして、その恐ろしさと常にともにあり続けた。
だからこそ−−生き延びてきた。だからこそ、生き延びられた。 
 ジェンセン・スティール。貴様からすれば、私は生きるべからざる醜さを持った、
小手先の知恵もて生きる矮小な人間に他ならないのだろう。
 だからこそ、私を憎んだ。だからこそ、私を殺そうと迫る。
 いいだろう、受けてたとう。私は戦うときめたのだ。
 ならば、ジェンセン・スティール。
 その、恐れるに足るその猪突。
−−その突進の先にあるのはお前の、お前一人の孤独な死だ−−
 身を起こす。圧し掛かったリトラ・クローム操るディジェを振り払うように、
後退する。わずか一歩の後退。それだけで、ハイ・ザックの進路から逃れる。
 奴の戦いは、見ていた。奴は、渾身と見せて、常に最後の一手をその内に
残している。
 そして、奴のモビルスーツに残された『武装』。それを用いて行える、攻撃は−−
【行動:一歩後退(0)】
【残り:4 】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂、右腕の機能損失、背部スラスター損傷】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0)】
217ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/16(水) 22:33:39 ID:???
通信機から聞こえるアルバートの声。
モニターに映る、アルバートの落ち着いた顔。
ニースはじっと耳をすまして、アルマとのやりとりを聞いていた。
シャッコーの通信機越しでは、アルマの声は殆ど聞こえない。
ニースが通信回線を繋いでも、アルマが通信を開いてくれなければ意味は無い。
確かに、ニースが参加できる類の話ではなさそうだし、ここまでのアルバートの反応と、シャッコーとνガン
ダムの動きを見ていると、何となく心配はいらないような気がした。

そんな中、ニースをほっとさせてくれるものがあった。
アルバートが笑った。

(やっぱり、アルバートさんは笑っている方がいいな…)

微かに頬を染めてニースは思う。

ニースは、アルバートの笑顔に何度もほっとさせられている。
初めて見せてくれた時から、アルバートの笑顔は、ニースにとって生きる糧だった。
生徒の誰もが疑心暗鬼になってしまいそうな、殺伐とした空間。
そんな中で、アルバートは最初にあった時からずっと変わらない、自然な笑顔を見せてくれている。
たったそれだけ。
だが、そのたったそれだけの事が、どんなにニースの励みになっただろう。
アルバートに抱かれたホテルの出来事が、どれだけニースの救いになっただろう。

あれからアルバートは、ニースの保護者のような立場を崩そうとしない。
もしかしたら、あの夜の事を意識しているのは、ニースだけなのかもしれない。
でもそれでもいいと、ニースは思う。
今はアルバートに、余計な事で悩ませたくはない。
生きてさえいれば、また寄り添える時が来る。
そう信じて、ニースはアルバートの背中を追っていく。
218ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/16(水) 22:36:21 ID:???
『ニース。
 俺はこれから西の街に向かおうと思う。
 遅れないように来てくれ』

話を終えたらしいアルバートが、通信を送ってきた。

「うん、もっちろん!おくれるわけないよ!」

ニースも元気に返事を返す。
そして更にνガンダムにも通信回線を繋げた。

「あ、あの、アルマさん!あ、改めて自己紹介するけど、あたしニース=エルネージュです!
 まだMSも上手く操縦できないけど、よろしくお願いします!」

アルマが、もう仲間になったかのような通信を送り、シャッコーを追い掛けるニース。

クラウディア、そしてエルナ。
ニースはこれまで、2人の仲間を失った。
どちらも、親友になれたかもしれない人たちだった。
…だがニースは、それだけの悲しみに会いながらも、仲間をいらないと思った事はない。
たった1人で生きるよりは、誰かと助け合っていたい。
ニースという少女は、そうする事でよりいっそうの強さを持つのかもしれなかった。

【行動:17番に回線接続(−1)高速道路のボーナスを使ってR-12に移動(−3)】
【残り行動値:0】
【位置:R-12】
【機体状況:左肩装甲破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番と17番に回線継続】
【人物状況:色々な意味で嬉しい】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ、ビームショットライフル、νガンダムシールド】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
 やはり……エドワードの視界の中、もはや頭上を覆わんばかりの
大きさでもって頭上モニターを陰らせるハイザックの拳が、動いた。
 奴の突進は、所詮直線軌道しか描けない。こうしてわずかにその
軌道から機体をそらしてやるだけで、事実上無力化できる。
 強引に軌道変更して打撃を加えようが、速度と重量が乗り切らぬ、
まして自重の大半を失ったハイザックの拳撃など、恐れるに足りない。
 だからこそ、奴は二の手を秘めているはずだ……
 そのエドワードの読みどおり、ジェンセン・スティールは動いた。
 拳が、開かれる。ハイ・ザックは背部スラスターを全開にして、
急激に突進方向を変じ、ボリノーク・サマーンの頭上を通り過ぎる
ように機動する。開かれた手のひらが、ボリノーク・サマーンの上部
に触れる。数十トン近い負荷をかけてすら剥がれぬ強烈な磁力がその
掌から放出され、チタンからなるボリノーク・サマーンの装甲に掌部
を密着させる。
 見ていたぞ、ジェンセン・スティール。お前は、そうやってあの
爆発から逃れ、離脱していった。
 ならば、あの拳撃は囮。本当の狙いは、他にある……私の機体を、
高速飛翔で重量とパワー不足を補い、強引に機体を転倒させ、
あのドダイに止めを刺させる……
 破壊されすぎていたのが、運の尽きだ。その機体状態ならば、
いかに貴様が歴戦だろうが、私にも貴様の手の内が読める……!
 操縦桿を握り締める。急激に機体が後方に押し倒されていく。
左腕を真っ直ぐに伸ばし、背部スラスターを全開にしているハイ
ザックの姿が、コクピットからはよく見えた。
 知らず、操縦桿を握り締める。
 完全に、奴は私の思惑にはまっていた。 
 機体を直立させたのは戦闘態勢に入るためではない。まして、
ディジェを完全に振り払うためでもない。
 ディジェを盾にしたところで、奴は構わずディジェごと私を打ち
砕くだろう。まして、横たわったまま転げるなど論外。確実に
ドダイに殺られるのは目に見えている。
 だからこそ、奴のプロットに嵌った。奴がもっとも私の機体を
倒しやすくなる、直立姿勢を機体にとらせた。
 そして、奴は案の定……私の期待を倒しに来た。 
 あとは、仕上げればいい。
 そのための兵装が、まだボリノーク・サマーンには残っている。
 指に痛みが走る。緊張のあまり、力の限り操縦桿を握り締めて
しまっていたのだ。 
 この痛み……この痛みこそが、私の生きる動機なんだ。私が
是が非でもこのゲームを生き延びなければならない唯一無二の
理由なんだ。
 ジェンセン・スティール、お前のような男にはわからないだろう。
ただ戦いの中にあって戦いを想い、戦いに果てるだけの貴様には、
絶対にわからないだろう。
 この、痛み。何度となく味わった指への痛み。
 高Gの中でも操縦を誤らぬために鍛えに鍛え上げ、太く無骨に
膨れ上がった不細工な指に、何度針を突き刺したことだろう。
 繊細な動きなど全く得意としない、この指で。
 痛みと労苦を持って縫い上げた小さな、そして不細工な熊は
胸ポケットの中にある。
 私の想いと、私の知と汗を吸い込んで。
──そうだな、テディベアなんてどうかな?
 そんな、クロード中尉の言葉が頭によぎる。
 命を懸けた瞬間に、よぎる不意の疑問。そして、答え。
 なぜ、私は熊を選んだのか。別に、もっと簡単につくる
ことができる動物でもよかったはずなのに。もっと愛らしい
生物でもよかったはずなのに。
 生死の瀬戸際に、私は胸の中のぬいぐるみのことを想う。
 なぜ、私は熊に自分の名前を与えてしまったのだろう。
 そうか。私は、熊を作りたかったのではない。 
 熊に、なりたかったのだ。まだ歯も生えそろわない小熊を
守るためには、どれほどの蛮行を成そうとも悔いない熊に。
 戦場で築き上げたこの強さ、己同然に無価値だと思っていた。
しかし、私は無意識に、この強さにこそ意味があるということを
見出していたのだ。
 お前のために、私は帰る。
 レイチェル=ボールドウィン。
 あの幼な子を守るためなら、俺は何者にでもなってみせる。
 たとえ魔人となってでも、他のあらゆる人間に蛇蝎と憎まれ
ようとも、俺は必ずお前のところに帰る。
 今度はもっといいものを作ってあげられるだろう。
 おまえのためだけのテディ・ベアとして、俺はお前と生きて
いたいから。
 だから、帰る。このバカを、リトラ・クロームを殺して帰る。
このゲームに生き残って、お前のための熊になる−−
 胸に沸くこの思い、この愚か者にはわかるまい。戦場にしか
価値を見出せぬ程度の男には、絶対にわかるまい。
 だから、勝つ。絶対に、勝つ。
 左肩を、最大角までまわす。目標、後方、ハイザックコクピット。
 脳裏に走る妹の幻影が、最後の力を与えてくれた。
 緑色の禿鷹は、無防備にその最大の弱点たる胸部を曝している。
お前になど、この命を奪われてたまるものかよーー
 
 飢えに耐え、荒野をさまよい、今まで生き延びてきた。
 どれほど醜いと思われようと、どれほど汚いとののしられようと、
生き延びる。この怯えさえ、私にとっては生き残る手段。
 エドワード・ボールドウィンは、この瞬間を持って己の存在を
確立せしめた。己の全てを認め、己の有様を定めた男は、
己の信念のままに動く。人間の感情、人間の五感、人間が人間で
あるための、愛。
 それを貫くために、男は吼える。
 この瞬間まで限りなく無様にあり続けた男は、その無様さこそが
正当であるとあらゆるものに吼え猛る。
 生命が生命であるために。己が己であるために。 
 エドワード・ボールドウィンは、生の化身と化して眼前の死者を
冥府へと還さんとする。
 機体に掌が触れたときに走った衝撃。機体が押し倒されることに
よって生じる強烈なG。可動径が限定されるがゆえに、照準困難な
兵装でのコクピット狙撃。
 およそ人間には不可能としか思われぬ高等MS操作を、エドワード・
ボールドウィンは可能としてみせた。
 トリガーはついに引き絞られる。
 男の想いの全てを乗せて、ミサイルが左肩から放たれる。 
 絶対に避けえぬ一撃が、ハイザックのコクピットめがけ、
真っ直ぐに−−
 爆風を、視界が覆った。
 勝った。確信する。確実に奴の命を、ミサイルが貫いた。 
 その、手ごたえ。
 
 押し倒される。前に。
 強烈な衝撃。顔面をコクピット・シートに設けられた照準用モニタに、
激しく顔面を打ち付ける。 
 Gに翻弄されていた脳が、頭蓋骨の中で踊る。
 しかし、エドワード・ボールドウィンはその強烈な意思で持って
顔を上げた。まだだ。まだ終わっていない。まだリトラ・クロームが
残っている。あの女を殺さなければ。
 不意に聞こえた。風を切る音。
 コクピットの中、下向きにつるされたようなリニアシート、その
背中で、エドワードは禿鷹の羽音を聞いた。
 死神の鎌唸りにもにた、不吉なスラスター噴射音を。
 振り返る。
 ミサイルによって、頭部と左腕を完全に吹き飛ばされたハイザック
が、わき腹を見せながら肘を突き出しながら、落下してくる−−
 照準がわずかにずれていたのか−−
 回避操作の時間など、なかった。
 再び、強烈な衝撃。肘が、ボリノーク・サマーンの背に食い込んだ
のだ。ダメージを受けていたバックパックは、槍のような肘による
一撃の前に破壊され尽くした。バックパック部のダメージレベルが、
イエローからレッド・コンディションに切り替わる。
 しかしエドワードは動じない。
 まだ俺は生きている。この機体も生きている。 
 ならば、戦える。ならば、勝つ。この一撃に耐え抜いたならば、
もう奴に手札は残ってなどいない−−
「私の勝ちだ、ジェンセン・スティール!!」
 我知らず叫びながら、エドワード・ボールドウィンは機体を立ち
上がらせる。
 だが、重い。立ち上がる動作が、重いーー何故だ!
 機体がふらついた。重量バランスに異変。 
 そうか、奴はーー

 ジェンセン・スティールのハイザックは、肘を繰り出した直後、
そのままエドワード・ボールドウィンのボリノーク・サマーンの頭部に
ハイ・ザックの頭上を回すような姿勢で右掌の磁力を持って吸着していた。
 破壊されつくしたバックパックに押し当てられているのは、エドワードの
ミサイルの爆風によって肩口まで砕かれた左腕の破口。

『お前の負けだ、エドワード・S・ボールドウィン』

 死神の声が響く。
 奇跡的に生き残ったバックパックサブ・カメラに映し出されるのは、
奈落の底にも似た破口だ。
 その中に、青白い輝きを認めたとき……
 すさまじい爆音と衝撃が、エドワード・ボールドウィンの耳と全身に
襲い掛かった。
 砕かれたバックパックから気化して漏れ出した推進剤が、ハイ・ザック
の左肩の破口に走ったスパークによって引火し、急激に膨張−−爆燃現象を
引き起こしたのだ。
 鳴り響くアラームはボリノーク・サマーンの断末魔。
 だがエドワード・ボールドウィンはまだ死んでいない。 
 まだだ、まだ俺は生きている。
 まだ終わっていない。私の人生は終わってはいない。
 待っていてくれるのかもわかりはしない。けれど、私には帰りたいと
願う場所があるんだ−−
 その想いと執念とが、爆発の衝撃に苛まれ身動きすることすらかなわぬ
筈の肉体を動かさしめた。一息に脱出レバーを引く。 
 鋼の従者は主の命を救うため、己の子宮もろともエドワードを放出した。
落下の衝撃、だがこうしている暇は無い。ジェンセン・スティールならば、
かならず私を殺しに来る。
 逃げなければ。恐れと怯え。そして、執念。
 ふらつく体でハッチを開く。
 這い出した外界は、砕かれたMSの装甲やパーツ、燃え上がる草木やプラスチック
でさながら煉獄の有様。だがエドワード・ボールドウィンは迷わない。
 首をめぐらし、ハイザックとディジェの位置を探る。
 ハイザックは大地に、破壊されつくしたその全身を横たわらせていた。
 ディジェは未だ動く気配を見せていない。 
 走る。走る。生きるために、勝つために走る。
 私はまだ人生を生き尽くしちゃいないんだ。
 エドワード・ボールドウィンはこの戦場で為してきたように妹を想う。
 妹との明日を想う。 
 自分が生きるべき人生を想う。
 まだだ、まだ私の演じるべき役割は、終わっちゃいない−−まだ終幕には
早すぎる−−
 だが終焉のベルは無慈悲に鳴った。
 静かに、やがて甲高く。
 どこからともなく鳴り響くアラーム。
 何だ、どこだ−−

 首だ。首に巻かれたこの忌まわしい鉄輪が。
 
 待ってくれ。まだ生きているんだ。まだ戦える。まだ終わるには早すぎる。
 生きる理由を見つけたんだ。まだ約束を果たしつくしていないんだ。
 もう少しだけ、もう少しだけ−−

「レイチェルーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 男の絶叫も願いも夢も、無慈悲に爆音によってかき消された。
 胴体から断ち切られた首が、宙高く舞い上がる。
 男が最後に見たセカイは、妹の棲む地までも広がっている空ーー

【生徒番号13番 エドワード・S・ボールドウィン:ポイントD-13、遺棄基地において死亡】
【死因:機体喪失による首輪爆破】
223エドワード・S・ボールドウィン:2005/11/17(木) 00:03:10 ID:???
 空を越えて、海を越えて。あるいは、時すらも越えて。
 陰惨な戦場からははるかに離れ。
 都市部の喧騒から遠ざかること20キロの郊外。
 その田舎町の一角に、そのコンクリート二階建ての孤児院はあった。
 時の中緩やかに朽ちつつあることを物語るかのごとく、壁のいたる
ところに亀裂が走っている。
 その建物の二階に、少女の部屋は在った。
 木材を適当に組み合わせて作ったような安いベッドの上、ピンク色の
マットレスに腰を下ろしながら、少女は泣きながら千切れたぬいぐるみの
腕を繕っていた。
 熊のぬいぐるみは、よほど裁縫が下手な人間が作ったらしく、腕や
足といったパーツの位置もおかしければ、縫い目も全くそろっていない。
目の位置も互い違いで、愛らしいというよりはむしろこっけいな印象を
見るものに与えてしまうようなものだった。
 しゃくりあげながら針と糸を操る少女を、少女の担任である孤児院の
女教師は、困ったような顔をして見つめている。
「また、フミちゃんにいたずらされたの?」
 教師の問いに、少女は目を赤くしながらうなずいた。
「そのコが欲しいって。ちょうだいって。いやだっていったら、いいもんって
持っていこうとしたから、だから……」
 たぶん奪い合いになったのね、それで腕がちぎれた。
 まったく、フミちゃんにも困ったものだわ。あの子は親も友達もなくして 
しまったから、どこかひねくれた子に育ってしまった。そんな形でしか、
友情を表すことが出来ないでいる。
 この子にしてみれば、本当にいい迷惑。あとで、叱らなければ。
「あ痛」
 少女が呻いた。指を押さえている。あやまって指を刺してしまったのね。
「かしなさい、先生がつくろってあげるから」
 やさしく微笑みながら、手を差し出す教師に、少女は何度も首を振って
拒絶した。
「いいの」
 少女は、その小さな瞳に、子供にしか持てぬ強い決意を秘めて言った。
「これは、お兄ちゃんが作ってくれたくまだから。わたしがなおさなきゃ、
だめなの」
 しかたないわね。女教師はため息をつくと、ひざまずいて腰のポーチ
から消毒薬が塗られた絆創膏を取り出し、少女のかすかに血がにじんだ
指に丁寧に巻いていく。
「そうね、おにいちゃんの熊だものね。だから、レイチェルちゃんが
治してあげないとね」
「うん」
 少女は痛みを覚えているだろうに、けなげに微笑みながらうなずいている。
 春の昼過ぎのような暖かさを宿した、本当に柔らかな笑み。
224エドワード・S・ボールドウィン:2005/11/17(木) 00:03:56 ID:???

 少女の部屋を辞して、宿直室への廊下を歩みながら、教師は思う。
 本当に、いい顔で笑うようになった。
 戦争で両親を失ったあの子の瞳は、まるでガラス球のようで。
 泣き腫らした目は輝きを失って、ただ絶望だけを映し出していた。
 この孤児院で日々を過ごすうち、だんだんと笑うようになったけれど、でも
あの目だけは変わらなかった。幼心に戦場という刃は、あまりに冷たく
鋭利すぎた。いつまでも消えない傷は、いつもあの子の心でうずいていた。
 彼女の兄を名乗る人物が現れたときも、彼女は全く変わる様子を見せなかった。
幼すぎて、兄のことを全く覚えていなかったのだ。彼女にとって、あの「兄」
はただの他人に過ぎなかった。
 けれど……二度目に彼が訪れたときだ。
 あの時からだ。あの子の眼差しに、あの日心が戻ったのだ。
 たった一つの不細工な熊。なにものにも溶かせないとカウンセラーが匙を投げた
あの子のいてついた心は、そんな些細なものでいとも簡単に溶けてしまった。
 今でもはっきりと憶えている。
 不器用にも程があるぎこちない笑みを浮かべたあの青年は、包帯と絆創膏だらけ
の指と掌に、縫いぐるみの熊をこわごわと収めて。
 少女にどこか罰の悪そうな顔で、何を言っていいかもわからないのか何も言わずに
渡していた。
 あの子は−−本当に、本当に嬉しそうにその熊を受け取っていた。
 いいえ、たぶんあの子は、熊を貰ったことを喜んでいたんじゃない。
 彼が、どれほど苦労してあの熊を縫い上げたか、どれほどの愛情を注いだかを、
傷だらけの指に見出したんだわ。
 だから、あの子は……笑った。誰とも知らぬに等しい人間を、「お兄ちゃん」
と呼んだのよ。
 そう、あの子は愛情に餓えていた。愛情を与えてくれる父と母を失って、
知らない子供や教師達の中で一人、売り物ではない本物の愛はもう手に入らない
のだという事実を悲しみ、そして絶望し、心を凍らせていった。
 けれど……たった一つの縫いぐるみだけが、少女に愛を与えてくれた。
 彼女を愛してくれる人間が、この世に一人存在することを、少女に再び悟らせて
くれた。
 最近、そういえば連絡がないわね。軍人さんだと言っていたから、たぶん
任務なのだろうけれど。
 連絡先を聞いておくべきだったかしら。教師は廊下で足を止める。
 窓の外には星空が広がっていた。
 あの人が聞いたら、驚くに違いない。
 あの子があれから笑うようになって、お兄ちゃんを驚かせるんだとこっそり
裁縫の練習を始めて。
 周りのお友達に縫いぐるみを作ってあげるようになって、それが本当に
喜ばれていて、孤児院の雰囲気がまるで変わってしまったと知ったら。
 今では、教室に、遊戯室に、あの子の作った縫いぐるみが溢れている。
親を、兄を、姉を失って、あるいは存在すら知らずに絶望だけを友として
生きてきた子供達が、その暖かさと柔らかさでどれほど癒されているかを
知ったら。
 あの縫いぐるみときたら、幼子が作ったとは思えないほどの出来で。
 やはり今度連絡がきたら、連絡先を確かめなければならない。
 教師はまた、歩み始めた。宿直室に戻り次第、ペンと便箋を探す
必要がある。
 そして、彼の元に手紙を送ってあげなければ。
 この孤児院で起こった奇跡を伝えてあげる必要がある。
 沢山の縫いぐるみと笑う園児達、そして針仕事をするあの素敵な少女の
写真を添えて。
225エドワード・S・ボールドウィン:2005/11/17(木) 00:05:15 ID:???
 だいぶ夜が更けて、もう他の園児も、宿直の教師も眠ってしまった頃、
ようやく少女は熊の手当てを終えた。
「もう、痛くないよね?」
 千切れた腕の縫い目は、全く目立たない。目立たないようにするために、
糸の色つやを見極めながら慎重に選んで、隠し縫いを施し、腕をつなげた
のだ。
 少女は、その熊を枕元に置く。夜眠りに入るとき、そして一日の始まりを
その不細工な熊に見守ってもらうために。
 熊は黒いビーズの目を、同意の意思で輝かせた。
 無論、ただ蛍光灯の光が反射しただけだ。けれど、少女はそうは思わない。
 だって、お兄ちゃんが縫ってくれたくまなんだもの。
 そして、少しだけ誇らしげに目を輝かせると、指に巻かれた包帯にじっと
見入る。もう、あまり指を刺すこともなくなった。
 おさいほうをはじめたばかりの時は、何度も何度も指を刺して、本当に
痛くて、やめたくなったときもあったけど。
 でも、お兄ちゃんはもっともっとゆびをさしてたんだぞ、あんなふとい
指じゃあ、おさいほうなんてとてもむずかしいのに、それでもがんばって
くまさんをつくってくれたんだぞ、って思ったから、がんばれた。
 ずっと冷たい目をしていたみんなも、いつもわたしのことを悲しそうに
見ていた先生も、みんな今は笑ってくれる。 
 それが、本当に嬉しくて。
 お兄ちゃん、ありがとう。早く来てくれないかな。話したいこと、いっぱい
あるのに。お仕事大変なのかな?
 うん。そろそろ寝なきゃ。だって、あんまり夜更かしすると、体によくない
って先生がいってたから。
 お兄ちゃんが来たとき、ぐあい悪そうにしてたら、きっとお兄ちゃん悲しむから。
お兄ちゃんには笑っていて欲しいし、私もそんな私で会いたくないもの。
「お兄ちゃん、早く来てくれるといいね?サイモン」
226エドワード・S・ボールドウィン:2005/11/17(木) 00:07:39 ID:???
 少女は兄の名が付けられた熊におやすみの挨拶をすると、立ち上がって
蛍光灯のスイッチを切り、ベッドにもぐりこんだ。
 待ちかねたかのような素早さで訪れた睡魔が少女の目に眠りの砂を
撒き散らし、少女の意識はゆっくりと暖かな闇に沈んでいく。
 重いまぶたをかすかに開けて、少女は窓の外を見つめた。
 雲ひとつない満点の空。この空の下のどこかに、お兄ちゃんがいる。
 たった一人の、お兄ちゃんが。
「おやすみ、お兄ちゃん……」
 あの兄が訪れて以来、一夜も欠かすことの無い最後の儀式を終えると、
少女の意識は幸せな夢の世界へと旅立っていく。
 
 星明りにかすかに照らされた部屋の中。
 かすかに光る、不細工な熊の縫いぐるみの黒いビーズで出来た眼は、
今日もレイチェル・ボールドウィンを一晩中見守り続けている。
 少女が目覚めるその瞬間まで。
 もう、彼を作った人間はこの世に存在しない。
 しかし、熊は彼の遺志を継いだかのごとくに、少女の成長を見守り
続けていくのだろう。 
 少女が年を取り、恋をし、親愛とは異なる愛を知り、そして子を
生み、はぐくみ、やがて老いていくときも、彼は常に傍らにあり続け、
かつては少女であった女性を見守ってゆくのだ。 
 やがて年老い、彼女の子が彼女のように子を生んだとき、彼女は
孫に昔語りをするに違いない。 
 彼女の人生のほんの一瞬に現れて、そして彼女に愛を与えてくれた
男の話を。彼女に生きる意味を与えてくれたたった一人の兄の話を。
 
 エドワード・S・ボールドウィンはその願いをかなえることなく、
荒野に屍を横たえる。
 しかし、彼の愛は残り、いついつまでも続いていくのだ。
 
 彼は、あるいは不幸な人間であるのかもしれない。
 しかし、彼の残した愛は、今日も一人の少女を見守っている。
 彼の残した想いのままに。
 この生きるべき意味すら不確かな世界の中、それだけがーー
確かに、静かに……今も、息づいている。

【エドワード・ボールドウィンの行動・
 攻撃回避せず(0ポイント)ミサイルランチャーによる攻撃(−1ポイント)
 機体を起こす(−1ポイント)脱出行動(−1)戦場離脱(−1)】

【ジェンセン・スティールの行動
 磁場による掌握(−1)押し倒す(−1)肘による打撃(−1)放電攻撃(−1)】
 
227ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/17(木) 02:40:40 ID:???
 大地に横たわるハイ・ザックの残骸。 
 命を失ったかのように、横たわる。
 だがその内部にあって、死者と自らを定義した男は、
運命に抗おうとした男の最後を、ところどころ画像が
失せてモザイクのようになった全周囲モニターから見
届けていた。
 今も耳に残る男の咆哮。最後まで生き延びようとした
男の、無様な、愚かな、しかし何者にも笑うことが許さ
れぬ最後の足掻きまでを。
 ジェンセン・スティールは、心の中で男の屍に侘びを
告げる。 
 すまなかったな。半端だなんて言っちまって。
 あんたはただ必死だっただけだったんだな。 
 俺の手の内を、ここまで読んだのはあんたが初めてだよ。
 生きる理由が、あったんだな。
 生きて、生き延びなけりゃならない理由があったんだな。

 レイチェル、って最後に言ったよな。 
 それが、あんたの……魂の動機か。

 あんたにだったら、殺されてもよかったんだがよ。
 因果なもんだ……また、生き延びちまった。

 ……すまないな。本当に、すまない。
 地獄で、また。そのときは、存分に殺されてやる。 
 エドワード・ボールドウィン、あんたの死は……
確かにこの屍に刻んだ。
 
 男は死んだ心で追憶する。
 エドワード・ボールドウィンが読み違えたとするならば、
この男は絶対に己には陶酔し得ないという点にこそあった
ろう。
 ジェンセン・スティールという男は、絶対に無謀を行わぬ
男だ。ただひたすらに戦場を求め、ただひたすらに戦い続け
る。ただ、敗れて死ぬべき戦場を求め続ける。 
 キリト・ヴェルリックの殺戮衝動は、ジェンセンに取り闘争に
値しなかったがゆえに、闘争を切り上げただけのことだ。
  
 ジェンセン・スティールの魂は、過去のトラウマにより
4つに分かたれている。
 部下を救えず、部下を殺し、救うべき人々をも殺した過去は、
屈強極まる男の精神を引き裂くのに事足りた。
228ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/17(木) 02:41:40 ID:???
 第一の魂、生存衝動。
 人間が人間として生きるための欲望。
 男は自らの行動を悔いるがために、その魂を殺し、魂のうちに
封じ、心中の煉獄でそれを苛み続ける。
 煉獄に在るならば、その魂は死んでいるのだ。
 ゆえに、ジェンセン・スティールは死者を名のる。

 第二の魂、知悉衝動。
 人間は知りたがる欲望を持つ。ゆえにこの魂は学者のごとくに
振舞いつづける。
 生きる意味を失ったジェンセン・スティールに取り、生きうる
可能性は己のうちではなく外部に求めるもの。
 ゆえに全てを傍観し、全てを観測する。 
 自分以外のことごとくを実験対象とし、観測するために不可解な
言動や行動をとるのが常である。
 この人格は魂のうちにあってすら他の魂を観測し続ける。  
 冷ややかなる視線は人格をことごとく知るも、しかし生存衝動を
失っているがゆえに知るだけにとどまり、けしてその知恵は役立たぬ。 
 第一の魂、生存衝動。
 人間が人間として生きるための欲望。
 男は自らの行動を悔いるがために、その魂を殺し、魂のうちに
封じ、心中の煉獄でそれを苛み続ける。
 煉獄に在るならば、その魂は死んでいるのだ。
 ゆえに、ジェンセン・スティールは死者を名のる。

 第二の魂、知悉衝動。
 人間は知りたがる欲望を持つ。ゆえにこの魂は学者のごとくに
振舞いつづける。
 生きる意味を失ったジェンセン・スティールに取り、生きうる
可能性は己のうちではなく外部に求めるもの。
 ゆえに全てを傍観し、全てを観測する。 
 自分以外のことごとくを実験対象とし、観測するために不可解な
言動や行動をとるのが常である。
 この人格は魂のうちにあってすら他の魂を観測し続ける。  
 冷ややかなる視線は人格をことごとく知るも、しかし生存衝動を
失っているがゆえに知るだけにとどまり、けしてその知恵は役立たぬ。

 第三の魂、同化衝動。
 人間は、他社と己を同一視したがる。それは、彼とおのれが同一存在で
ある事を望むものだ。赤子は己と外界を区別しえぬ。その知恵が脳にまだ
やどらない。成長するにつれその衝動は魂のうちに篭り行くが、その
衝動は心のうちに確かに残る。
 原始の昔、人間は敵の魂を取り込むためにその肉や心臓をくらい、己の
血肉として取り込んだことはその証明の一つだろう。
 この衝動が脈づくは第三の人格。
 敵を殺し肉を食らう事に喜びを覚える食人者としての人格。 
 その魂のありようは妄想と捻じ曲がった信仰に満ち、そうであるがゆえに
合理を好む知悉衝動者はその存在を知りこそすれそれを理解することを
拒絶する。

229ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/17(木) 02:42:06 ID:???
そして、第4の魂、戦闘衝動。
 人間が人間として進化するはるか以前より脈々と生命が築き上げてきた、
他者を滅ぼし、勝利することへの欲望。
 ありとあらゆる生物は、戯れに生き物を殺す。 
 猫が無為に獲物をもてあそぶように、鳥がねずみを嬲るように。
 戦い、勝利することを楽しむ衝動、残忍性の発露がこの人格の正体である。
 しかし、ジェンセン・スティールは、戦士としてあるための教育をジオン
公国軍においてその魂に焼き付けられてきた。
 叩き込まれた軍人精神が魂をも犯すがゆえに、その衝動はただ戦闘し勝利
することを望む。己の感情に酩酊するを知らぬ。
 ゆえに勝利以外の何者をも求めはしない。
 その無意味さを知りながら、それでもただ戦いを求め勝利を求め続ける。
生存衝動が存在せぬ以上、結末に求めるのは死。戦場での勝利と死あるのみ。
 
 そして、この「ゲーム」こそは闘争劇である以上、ジェンセン・スティール
の主人格は戦闘衝動者となるは必然であった。
 戦いを望み、戦いに生き、戦いに死する。
 それは欲望ではない。欲望でないのなら、それは機能に過ぎない。
 ただそれだけを求める男は、それに美学など憶えはしない。
 美学を憶えられるのは知悉衝動者だけだ。
 男はおびえることすらしない。
 おびえは生きるための衝動ならば、それは生存衝動者の領域となる。
そして生存衝動者は男の中に在る地獄の中今もその身を炎に焼く。
 それは既に死んでいる。

 ならば、ジェンセン・スティールは恐れない。
 
 いかにその心に敵への親愛がわいたとしても、ジェンセン・スティールは
容赦などしない。
 親愛を求めるのは同化衝動者だ。群れとして一体となる衝動。
 ならばジェンエン・スティールはそれに支配されない。
 
 今この地にあるジェンセン・スティールこそは、魂から猥雑物を
ことごとく弾き出した戦闘の権化に他ならなかった。
 何もかもがかけ落ちた魂は、もはや魂ではなく概念にすぎない。
 己の機能が停止するその瞬間まで、ジェンセン・スティールは己にふさわしい
戦場を求め、疾駆し続ける。
 万物を兵器となさしめ、万物を防壁とならしめ、万物をもって闘争する。

 それは一個の死神だった。ただ死を蒐集する存在だった。 
 それは生の対極に存在する概念としてこの戦場に在った。

 生と相克しあう存在は、エドワード・ボールドウィンという生の権化を
飲み込んで今もなお機能を続けている。  
 持てる武装の全ては使い果たされた。 
 鋼の体は砕けて朽ちた。
 だが、まだ命がある。命があり続け、肉体が機能する限り、闘争し続ける
ジェンセン・スティールという概念は、次の戦場を既に定めている。
 
 リトラ・クロームは、まだ生きているのだ。
 あるいは彼女こそが、俺に敗北をもたらしてくれるのかもしれない。

 死の概念は鋼の繭の中、静かにモニタに映し出されたディジェの巨身に
視線を滑らせた。
  
230ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/17(木) 02:43:30 ID:???
【行動】ディジェ、捕捉(0P、残り0P)
    
【位置;>D=13基地上空】    
【機体状況:ハイザック・頭部全損、下半身脱落
      左腕部全損・サブカメラ一部損壊、
      操縦系統に損傷

      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部裂傷悪化】
【武装:ドダイYS(対地ミサイル全弾射耗】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】


 
 
231管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/20(日) 00:03:11 ID:???
『みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。

 まず。脱落者の連絡。
 生徒番号13番 エドワード=S=ボールドウィン君。
 取った行動は何も悪い所はなかったんだけどなー。
 言うなれば運が無かった。
 もしくはちゃんとした武器を手に入れてればこうはならなかったかもしれないけど
 ま、現実は現実。すっぱりきっぱりあきらめてねー。
 って、もう死んじゃってるか。あははははははは

 んじゃ、立ち入り禁止区域の追加は無しな。

 あと天気予想。
 晴れな。

 んじゃ、これで今回の放送はこれで終わり。
 みんなの事いつでも先生は見守ってるからな。』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】 【残り行動値:∞】
【位置:Z-21】
【行動方針:殺し合い頑張れ】
232管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/20(日) 00:03:51 ID:???
生徒名簿

 番号          名前                   年齢 性別      機体

 死亡 アロンソ=セルバンデス                (70) 男性  グフ・フライトタイプ
 死亡 エルネスティーネ=デア=フォーゲルヴァイデ   (16) 女性  ゲルググJ
 死亡 ハロルド=P=アンダーソン              (35) 男性  ズサ
 死亡 マサヤ=タカノ                      (23) 男性  ガンダムGP02
 死亡 キリト=ヴァルリック                   (28) 男性  Gキャノン
 06番 リトラ=クローム                     (25) 女性  ディジェ
 07番 ジンペイ=カザマキ                    (32) 男性  セイバーフィッシュ
 死亡 ルイス=ガルシア                     (22) 男性  BD3号機
 死亡 クラウディア=ゲール                  (16) 女性  ビギナギナ
 10番 レベッカ=テスタロッサ                 (18) 女性  ベルガギロス(黒の部隊専用機)
 11番 アルバート=パーシング                 (18) 男性  シャッコー
 死亡 ネイゲスト=ザームズ                  (18) 男性  ザメル
 死亡 エドワード=S=ボールドウィン             (28) 男性  ボリノークサマーン
 14番 ニース=エルネージュ                  (15) 女性  ゲルググ (ガトー専用機)
 15番 ファッツ=シュヴィール                 (23) 男性  EWACザック(+マラサイ◎)
 死亡 ナインティ=アウェイキング               (27) 男性  バウ
 17番 アルマ=フローライト                  (17) 女性  エビル・S(+νガンダム◎)
 死亡 サイモン=クレイカー                  (43) 男性  アッシマー
 死亡 ロイド=エンデバー                   (18) 男性  Z+A型
 死亡 クルル=ヴァンデーン                 (11) 女性  メタス
 21番 ジェンセン=スティール                 (35) 男性  ハイザック
 死亡 ブレイム=オリディス                  (36) 男性  νガンダム(+V2AB◎)
 死亡 ジョセフ=ロバーツ                   (15) 男性  ハンブラビ
 死亡 アリウス=エルツベルグ                (33) 男性  ホビーハイザック
 25番 T=ドライツェン                     (25) 男性  クロスボーンガンダム三号機
 26番 ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ              (21) 男性  カズアル

 生存者10名+一匹 死者 16名
233管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/20(日) 00:04:31 ID:???
>230時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡◎◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡◇□□彡彡彡◎◎彡彡10彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡◎彡□□△□□□◎彡彡彡★◎〓△彡
 04彡◎□◎△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎◎□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎◎◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡◎□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎◎□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎◎◎□□彡◎■■△△□□┣━〓━17△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━11◎彡□┃△◎◎  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━07□◎彡□△□┏┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━15▼▼▼┛□□彡彡◎★≡□△◎  ★:基地
 15◎◎○◎∴□◎□┃□◎彡◎▼□□彡◎◎□□★◎◎□△  U:灯台
 16○〇◎∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17○〇◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18○〇◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U◎◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃◎◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼◎━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃◎□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○◎

06と21は同一地点【D-13】
15と26は同一地点【L-14】
10と25は同一地点【W-02】
11と14は同一地点【R-12】

コンテナAの位置
『F-13』 『L-18』
上記の全2箇所
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
234リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/21(月) 12:19:11 ID:???
両の脚がいまだ健在なボリノーク・サマーンがその気になれば、死に体のディジェ如き引き剥がすのは容易。
エドワードはそう考えていただろうし、この戦いに傍観者が居るとすれば、誰もがそう思った事だろう。
だが、リトラにとってこの間合いこそは必殺の間合い。
そして、唯一、エドワードを仕留めうる間合いでもあった。
獰猛な女豹は、一度食らいついた獲物を容易に逃がしはしない。
リトラにとって、ディジェの四肢のうち、「片腕」と「片脚」が残っていた事は、不幸中の幸いと言える。
残された四肢を顎と化して、ボリノーク・サマーンに食らいつかんと―――

とうの昔に、精神が肉体を凌駕している状態だった。

意識と、現実の身体の動きが、剥離していた。
意識の上では、リトラのディジェはボリノーク・サマーンの動きをみごと拘束していた。
アームレイカーを握る両の腕と、フットペダルに乗せられた両の脚が、その動作を実行していれば、
事実そうなっていた事だろう。

だが、リトラの四肢は、思い描いたとおりに動いてはくれなかった。

それは、決意や覚悟ではどうにもできない、肉体の限界。

エドワードのボリノーク・サマーンが女豹の顎より逃れる様が、ぼんやりと眼前に描かれる。

リトラは、先ほど自らの意識が描かせた光景に溺れず、それが現実だと理解していた。

>>206 >>216 >>219-230
と、緑色の鋼鉄の巨人が、眼前へと舞い降り、ボリノーク・サマーンへと鉄拳を振るう。

ぼんやりとした意識の中、ハイザックとボリノーク・サマーンの戦いが眼前で行われ始めた。
とうの昔に喪失してもおかしくない意識を、何とか繋ぎ止め。
リトラは、その戦いから片時も視線を逸らさない。

二度―――いや、三度、爆発が起こった。

一度目の爆発は、死神ジェンセン=スティールを葬り得なかった。
二度目の爆発は、ボリノーク・サマーンの機能を完膚なきまでに殺すのに不足なかった。
三度目の爆発は―――エドワード=S=ボールドウィンの生命を、無慈悲に奪い去っていった。

『レイチェルーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!』

辛うじて生きているディジェのスピーカーが、その叫びをリトラの耳に伝えたのかどうかはわからない。
だが、その叫びは鮮明に、リトラの意識を震わせていた。
歪なテディ・ベア。そして、その向こうにある幼子のイメージが、脳裏に描かれる。

「ああ、貴方もでしたか……その子の所に、行けるといいです……ね」

朦朧とする意識の中、自然と言葉が出た。
その声色は哀悼の意に満ちていたが、一方で、生者である自らと死者である彼を、完全に隔絶していた。

そう、自分はまだ、生きている。

そして、そんな自分を見据える死神の視線を、リトラは感じていた。
235リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/21(月) 12:21:10 ID:???
「フフ……」

片腕のみを残し、他の四肢も、頭も、全て失ったハイザックを見遣り、リトラは穏やかに笑う。

「お互いに、とても見られた姿じゃありませんね。
 それでも私達は、活動をやめない。
 私は、生きるという活動を。
 貴方は―――戦鬼である自分を貫く活動を、かしら?
 互いの在り様は変わってしまったけど、これくらいの事では止まれませんね」

微笑みを浮かべながら、言葉を紡ぐが、その声はジェンセンへと届いてはいないだろう。

「―――あら?」

その原因に気づき、自らの無様さに微かに頬を紅潮させ。

「いけませんね。
 通信機が、壊れている事を、忘れていました――……」

アームレイカーを握り締め、ハイザックの元へと愛機を這い寄らせんとした時。
リトラの意識は混濁し、闇へと沈んでいった。

【行動 :  ボリノーク・サマーンに絡み付こうとするも、ならず(-1)
       ハイザックのもとへ這い寄ろうとして、昏倒(-1) 残2 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/背部放熱フィン全損、左腕及び右脚喪失、頭部はギプスによって固定
        武装へのエネルギー供給ライン損傷、通信機故障 】
【生徒状況 : 頭に巻かれた包帯 顔のそこかしこに裂傷、左目失明 全身打撲
        昏倒 】
【通信状況 : 断線 】
【武装 : なし 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 生き延びる 】
236レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/21(月) 14:42:29 ID:???
何もしないから、と巨漢は言う。
当然だ。
何かしようものなら三千大千世界の果てまででも追いかけて必ず殺す。
と、言ってやりたいところだったが――

キレイだったから、と青年は言った。
初めてだ。
異性からこうも直接的に容姿を褒められるという体験は、レベッカにとって初めてだった。
顔が熱い。

「……ま、良いか」

仰向けになったまま、視線を横に向ける。
脂汗を額に浮かべながらも気丈に耐える姿を見ると、ほんの少しだけ罪悪感に苛まれた。
あくまで、ほんの少し。
劣情に任せて女性を襲おうとした報いとしては安いものだろうとさえ思った。
裸体を見られた分の貸しは後でじっくり徴収してやれば良い。
とりあえず視界に件の異物は納めぬよう細心の注意を払いつつ、彼女もゆっくりと身を起こす。
差し込む光が教える時間は朝。
彼女にとって最も危険な時間帯だ。
日光に含まれるある波長の光が、病気の進行を格段に早めてしまう作用を持つのだから。

「トレンチコートの一つや二つあるだろうし、シャツだって探せばその辺に転がってるだろ」

青年の背中に声を掛ける。
何が言いたいのかと言えば、

「探してきて」

ボロボロになったコートをもう一度しっかり羽織りなおすと、彼女はドックの奥の暗がりへと歩を進め。
壁に背中を預けて腰を下ろし、膝を抱え込むようにして目を閉じた。
肩から胸元に垂らした髪、それを纏めるリボンに顎を、唇を埋めるようにして――
237レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/21(月) 14:43:23 ID:???
【行動:服探し依頼(-1)、仮眠(-1)】
【位置:W-02(パイロット:ベルガ・ギロス足元)(機体:W-02軍事基地ドック】
【残り行動値:2】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:ジーンズ、上記のロングコート(ボロボロ)+サマーセーターだったもの、白手袋、赤いリボン】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい、先ずは修理を、「服を探してきて」】
【同盟:「テオドール」】
238テオドール(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/21(月) 16:45:52 ID:???
服を着た青年は、時折ふらつく怪しい足取りで格納庫の外に出る。鞘に収めた日本刀を杖代わりに歩く。
確かに陽光は少女の天敵。自分が取ってくるしかない。
青年は衣類を求めて近くの建物を漁る。
シャッターが閉ざされていたりもしたが、青年は持ち前の怪力で強引に壊して入る。

……どうやらそこは、PX(基地内の売店)だったらしい。軍人たちの日用品を揃えた店構え。
もちろん、衣類もそれなりにある。大体は支給品の代用になる衣類だ。
少女の体格を思い浮かべながら探し、選び出す。
Tシャツは、白・黒・迷彩柄など、色と柄を違えて何枚か。
戦闘服(生地の厚い、実用的な服)は、緑一色と迷彩柄の二通り。
もちろん、その上から羽織る軍用のコートも。
下着類はどうしよう、と思ったが、「そういえばそれは破ってはいないな」と思い直す。

そしてまた、ついでとばかりに缶詰・レーション類もかき集める。
通常、軍では食糧は支給される。支給されるのに、何故軍の売店でも売っているかと言えば……
要するに、普通に支給されるものは、あまり美味しくもないのだ。
だからここにあるのは、ちょっとした贅沢用。自腹切っても美味いものを喰いたい者用のもの。

一通り必要なものを揃え、同じく売店で見つけた袋に詰め。
ちょっと一息つこうと床に腰を下ろしたその時――青年を、とてつもない疲労感が襲う。

「ア……??」

それは――青年が「今の身体」になってから、初めて感じる疲労。
過去の記憶が欠損した彼にとっては、いわば「生まれて初めての」感覚。

この程度の不眠不休、全然大丈夫なハズなのに。
この程度の疲労、まだまだ持ちこたえられるハズなのに。
なのに、なんで急に――

青年には、自覚がない。
それは、「ごく普通の人間」にとっては、無理からぬ話なのだ、と。
あれだけの行動を休み無く行い、あれだけの戦闘、あれだけの緊張の後ならば、疲労のない方がおかしい。
だが、青年は自分の心身が悲鳴を上げていたことに気付かず――

――ズルズルと、その場に崩れるように、眠ってしまった。
完全に疲労の限界に達したことによる、気絶である。
無人の売店に、安らかな寝息が響く。
239テオドール(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/21(月) 16:48:23 ID:???

……青年は、床の冷たさにハッとして顔を起こす。

気が付けば、外はもう夕暮れ。いったいどれだけの時間、意識を失っていたのか。
彼は慌ててPXを出て、少女の待つドックに走る。沈んでいく夕日。

ドックに戻れば、聞こえてくるのは定期放送。停めてある2人の機体のコクピットから漏れる。
また一人、死んだらしい。となれば残りはあと10人か。
青年の顔が、少しだけ曇る。

「ア、レベカ、モテキタ……遅レテ、ゴメン」

青年は謝りながら少女に衣類を差し出した。
……余分に多く持ってきて、少女に選択の余地を残しているのは、果たして気遣いか単なる優柔不断か。


【行動:探索(女性用の衣服一式、食料品)(−1p)、気絶(−3p)、ドックに戻る(0p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に傷跡。両手の平に火傷。左の睾丸破裂。臨戦態勢……というより何故か収まらない
      強化されているハズの心身が……? 黒のスーツ姿】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ガドリングシールド(盾に歪みと亀裂)、ブランマーカー】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、メガガドリングガン
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ、少女の衣服
     レーション類(10食分相当)】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復・改造 ……股間のコレどうしよう?】 【同盟:レベッカ】
240ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/11/21(月) 19:23:14 ID:???
整備の手を止めたのは、定時放送だった。
又一人。脱落者の名は、エドワード。
このゲームにおける、初めて接触した参加者。
それから数度に渡り、接触の機会があった。
だが結局、会話らしい会話も無く、奴は逝ってしまった。
冥福を。等とは思えず、だが、僅かに哀愁のようなものが立ち込める。

気が付いてみれば、残りの参加者は10を数えるほどに減ってしまった。
本当に、何時の間に、と思うほどだ。
その生存者の中には、護るべき者の名は既に無く―――。

「変わらんなぁ……昔と……。」

夕暮れに呟いたその言葉。
ぞくりと、背筋に複雑な感情が湧き上がる。

……じきに暗くなる。
作業は、ここまでだ。と、工具を置き、民家の中へと戻る。
その小脇には、一冊のアルバムが挟まれていた。

【行動 :  機体整備-2 アルバム発見-1 民家へ-1 残0 】
【位置/場所 : I-13/道路上 民家 】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、
           速度低下、風防後端部破損 ガス欠】
【人物状況 : 右腕、右大腿部に中度の裂傷(処置済み)
          僅かに貧血気味 右腕の不自由  服装/連邦軍夏服(規定外な略装)】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残10%) 60mm機関砲×1(残弾無し)
       両用ロケット弾×1 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 水2L入りペットボトル×2 デジカメ アルバム 巻き寿司1食分(腐) 
       レーション×3食分(-1)  拳銃(弾倉×2) サブマシンガン×1(弾倉×2) 】
【方針 :  機体の整備 休息 】
241管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/22(火) 00:00:50 ID:???
>240時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡◎◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡◇□□彡彡彡◎◎彡彡10彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡◎彡□□△□□□◎彡彡彡★◎〓△彡
 04彡◎□◎△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎◎□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎◎◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡◎□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎◎□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎◎◎□□彡◎■■△△□□┣━〓━17△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏━11◎彡□┃△◎◎  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━07□◎彡□△□┏┛□□◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣━━15▼▼▼┛□□彡彡◎★≡□△◎  ★:基地
 15◎◎○◎∴□◎□┃□◎彡◎▼□□彡◎◎□□★◎◎□△  U:灯台
 16○〇◎∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17○〇◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□  ◆:コンテナA
 18○〇◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U◎◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃◎◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼◎━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃◎□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼彡∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎△◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○〇○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○◎

06と21は同一地点【D-13】
15と26は同一地点【L-14】
10と25は同一地点【W-02】
11と14は同一地点【R-12】

コンテナAの位置
『F-13』 『L-18』
上記の全2箇所
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
242ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/22(火) 20:08:58 ID:???
>>234-235リトラ
 ジェンセン・スティールは、コクピット・ハッチを開放した。 
 塗装と、それ以外の何かが焼ける臭いがかすかに香る風を
頬に浴びながら、片腕と片足でもって必死に這いずってくる
ディジェを感情の宿らない瞳で見つめ、小さく呟く。
 唇の端だけに、わずかな笑みが浮かんでいた。
「そうだ。そうやって。そうやって俺を殺しに来い、リトラ・クローム。
お前は俺を殺すことができる女だ。お前なら俺を殺すことができる」
 だから、来いよ、リトラ・クローム。この俺の死を、お前の生が
上回れるということを証明して見せろ……。
 最後の武装を、握り締める。
 9ミリ自動拳銃。地球連邦軍の制式装備。
 それが、ジェンセン・スティールという名の死神が、最後に選んだ
武装だった。
 自殺覚悟、というわけではない。
 彼の中で、勝算は完全に組みあがっていた。
 リトラ・クロームが何をなすか。いかなる戦術をとりうるか。
 そして、俺はいかにしてその戦術を打破し、かの尊敬に値する
女性を殺害せしめるか……
 
 プロットは、立った。
 ただ、瞬間を待ちわびる。リトラ・クロームを殺害する瞬間を。
 しかし、その瞬間は、来なかった。
 ディジェが、動きを止める。
 どれほど待とうと、動かない。

 待てども、待てども。

 ……死んだか?しかし、定期放送がそれを否定する。 
 リトラ・クロームの肉体は、まだ生命活動を続けているようだった。

 ならば、殺す……とは、ジェンセン・スティールは考えない。
 彼が望むのは、純然たる闘争。
 必勝を必勝として勝つことなど、概念たる彼は望みはしない。 
 死者は生のための勝利など望みはしない。
 ただ、己のうちにある律に従い、動くのみ。

「……やれ、やれだ。世話を焼かせてくれる……」
【行動】ディジェ、捕捉(0P、残り4P)
    
【位置;>D=13基地上空】    
【機体状況:ハイザック・頭部全損、下半身脱落
      左腕部全損・サブカメラ一部損壊、
      操縦系統に損傷

      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部裂傷悪化】
【武装:ドダイYS(対地ミサイル全弾射耗】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】


243ジェンセン・スティール ◆evuyt29krA :2005/11/22(火) 21:48:38 ID:???
 周囲に、敵の気配はない。
 視界が、赤みを帯びていた。額の傷から、血が目に入り込んできて
居るのだ。
 デイバッグから、かつて仕込んでおいた治療用キットを取り出し、
手当てを施していく。
 薬を塗ったガーゼを額に当て、包帯を巻く。
 何度か瞬きすると、視界は正常に戻っていった。
 
 スラスターを利用して、跳躍。
 操縦系統がおかしくなり始めていたが、ただスラスターを
噴射する程度ならばまだ可能だった。
 残った腕を大地に足の変わりに立て、ひじを曲げて着地の
衝撃を緩和する。 
 ディジェの眼前に着陸し、コクピット・ハッチを開放。
 慎重にディジェによじ登り、外部からディジェのコクピット・ハッチを
開放しようと試みる。
【行動】手当て(−1)
    跳躍(−1)
    MSから降りる(−1)
    攻撃行動;コクピットハッチ開放 ;対象リトラのディジェ(−1)
    
    残り0P
【位置;>D=13基地上空】    
【機体状況:ハイザック・頭部全損、下半身脱落
      左腕部全損・サブカメラ一部損壊、
      操縦系統に損傷

      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部裂傷(応急手当て完了)】
【武装:ドダイYS(対地ミサイル全弾射耗】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×18
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
 
244ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/11/23(水) 00:24:46 ID:???
 肩に担いだような状態で、町の中心部へと、足を踏み入れた。
 そして、機体のエンジンを切るその前に、機体の位置を調整する。
 エンジンを切った途端に機体が転ぶような事にでもなれば、目も当てられない。
 肩膝をついて傾かせ、半ば支えるような形で、機体は動きを止めた。
 コックピットハッチを開き、マラサイを見上げる。

「……つきましたよ!」

 そうして出てくるのを待った。
 トイレに行きたいとか、薬局に行きたいとか、そういう事は後回しにした。
 今此処でさっさとトイレに行くのは何だか気まずい。
 相手と挨拶を交わした上で、どうするかある程度、見通しを立てる……。
 それくらいはしておかないと安心できるものも安心出来ない。

(休んでる間に、他の参加者が来なければ良いけどね……)


【行動:N14へ移動(−2)、ガズRを降りる(−1)】
【残り :0P】
【位置:L−14 → N−14】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:無気力・嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:ヒステリー気味】
【通信状況:リトラ、ジンペイ、ファッツ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻、周辺の詳細な地図(フォルダ)
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質、基地の地図
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:腕時計、拳銃(10発)】
【方針:薬、自分から逃げない、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
245ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/11/23(水) 13:54:51 ID:???
>>244
ガズRに担がれた状態のまま街に入り込み、そのまま中央部まで移動する。
ガズRが停止したと同時に、マラサイの唯一残った左足をしっかりと固定する。
………といっても、出来る事は微妙なバランスを保つ事だけだ。
もしもハッチを開けて外に出た瞬間、マラサイが倒れ込むような事があれば、
その瞬間ファッツの死は確定する。
この高さから勢いをつけて地面に叩きつけられたら………
汚いミンチになってしまう事は確実だろう。

そういうわけで必死に固定した後、ハッチを開けておっかなびっくり下へと降りていく。
下には既に先に下りたミヒャエルがこちらを見上げて待っていた。
慎重に降りて、ミヒャエルの前に立つ。
………見たところ、ただの少年だ。
いや、どちらかと言うならば中性的………
それを通り越して、女性的な感じがする。
しかし、その彼が実際には傷ついたファッツを助け、ここまで運んだのだ。
感謝の意を込めて、頭を垂れる。

「ありがとう、ございました………ミヒャエルさん。
 あなたのお陰で、なんとか、生きる事が出来ました」

頭を上げて、ミヒャエルを見つめる。

「あの………それで、これからどうしたらいいんでしょうか」

【行動 :移動(L-14→M-14→N-14)(-2P) マラサイから降りる(-1P) 残り1P】
【位置 :N-14】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷 胸部装甲破損 右足半壊】
【パイロット状況 :恐怖心 虚ろな瞳 左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 頬に切り傷】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー
     ビームピストル(EN 0%)】
【通信状況:ミヒャエルに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:ミヒャエルに従う】
【最終行動方針:生き残って優勝】
246アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/11/23(水) 21:18:03 ID:???

『情報をありがとうございます、アルマ=フローライトさん。
 おかげで俺の行き先もはっきり決まりました。
 俺もこれから西の街に向かおうと思います。
 短い間ですけど、同行しましょうか』

交渉成立。
これでもうしばらく撃ち合いになることはない。
その間に何とか"人を撃てるようにならなくては"。

『ああそうだ、アルマさん。
 図々しいのを承知で聞きたいんですけど、もしよければ北の基地にいる生徒が誰な
 のか、知っていたら教えてください。
 役に立つ情報を教えることは出来ないかもしれませんが、アルマさんも俺に何か聞
 きたい事があったら聞いてください』
『あ、あの、アルマさん!あ、改めて自己紹介するけど、あたしニース=エルネージュです!
 まだMSも上手く操縦できないけど、よろしくお願いします!』

アルバートの返信に遅れて、ニースからも通信が寄越されてきた。
明るい声。 殺し合い<こんな場所>にはとても相応しくない。
人生、どう転ぶかは本当にわからないものだ。
本当に。

「こちらこそ、よろしく。
 あまり当てにされても困るがな」

通信回線をゲルググにも開き、半ば自嘲気味に声を返しておく。
実際問題、当てにされては困る状態だ。

「では、アルバート。
 北の基地に居るのは――」

レベッカ=テスタロッサ。 黒いベルガ・ギロス。
T=13。 クロスボーン・ガンダムX3。
増えていなければ、減っていなければ、そして基地にあらかじめ先客がいなければ。
この二名が北東の基地に居座っているはず。
クロスボーン・ガンダムの方はやたらと損傷していたこと。
また、クロスボーン・ガンダムがベルガ・ギロスを守るような行動を取ったこと。

「……こんなところだな」

北東の基地で何が起きたか知りようのないアルマは、記憶している限りの情報をスラスラと話す。
もっとも、最近のアルマは何かおかしい。 思い出せないことのひとつやふたつはあったかもしれない。

(脳に負担でも掛かっているのか?
 どうも頭がぼうっとする)

不眠不休での行軍は特に問題ではなかった。
だが、"奴"の方に徐々に記憶が戻りつつある以上、それが
脳組織に余計な負担を与えているということは充分に考えられる。

(やはり……お前は邪魔だな、"アルマ")

胸の内で吐き棄てると、アルバートへの言葉を続ける。

「今のところは特に聞きたいこともない。
 必要になったら聞くことにしよう」

そう答えると、アルマは遠ざかっていくシャッコーとゲルググを追った。
247アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/11/23(水) 21:18:40 ID:???

【行動:通信回線接続(-1)、W-11→S-11→S-12(-3)】
【位置:S-12/高速道路】
【残り行動値:0p】
【機体状況:Green/通信回線:シャッコー、ゲルググ】
【武装:ビームサーベルx2、バルカン(100)、ビームライフルx2、Iフィールド、シールド】
【生徒状態:Green?】
【所持品:デイパック、コッペパン、水2gx1.5、栄養ドリンクx6、ノートPC、食糧、生活雑貨、
      ベレッタ(16/15)、弾薬ケース、マント、バニーセット、ルージュ、携帯端末】
【行動方針:…………】
248リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/24(木) 21:22:25 ID:???
>>242-243
闇へと沈もうとする意識のなか、這い寄る死神の存在をリトラは感じ取っていた。
内なる鼓動がリトラの意識を鼓舞しようとするが、女豹はその身体に力を取り戻す事はかなわない。

ディジェのコックピットハッチが開かれ、コックピット内に光が射す。

「………ィール」

闇の淵より僅かに引き戻された意識が、リトラの口からかすれる程の声を漏れさせ。
アームレイカーを握ったままの両の腕が、何かを掴まんと僅かにあがり。

ダラリと力なく垂れ下がるとともに、リトラの意識もまた、再び闇の淵へと沈んでいった。

【行動 :  機体のコックピットハッチは開放される(0)
       僅かに意識を取り戻し、身を起こさんとするも、ならず(-1) 残3 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/背部放熱フィン全損、左腕及び右脚喪失、頭部はギプスによって固定
        武装へのエネルギー供給ライン損傷、通信機故障 コックピットハッチ解放 】
【生徒状況 : 頭に巻かれた包帯 顔のそこかしこに裂傷、左目失明 全身打撲
        昏倒 】
【通信状況 : 断線 】
【武装 : なし 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 生き延びる 】
249レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/24(木) 22:15:35 ID:???
懐かしい声が聞こえた。
懐かしい顔がそこにあった。

夢だと分かっていた。
それでも、レベッカ・テスタロッサの心は虚しさではなく嬉しさを感じていた。

「ケネス……大佐」

*  *  *  *  *

ゆっくりと開いた瞳に見慣れた顔が映る。
テオドール。
少女に馴染みのある英語風の発音をすれば、セオドア。
そう名付けた青年が、やや遠慮がちな顔をしながら控えめに両手を差し出していた。
どうやらこんなに近くに来られるまで気付かず眠ってしまっていたらしい。
その事実に、悔いる気持ちは無く。悪くない――そんな気分だった。

「ん……ありがと……」

起き抜けでもやのかかった頭で、差し出されたものが頼んでおいた衣類だと認識し、簡単に礼を述べる。
立ち上がって伸びをしようとして――慌ててコートの前を閉じた。

*  *  *  *  *
250レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/24(木) 22:17:41 ID:???
整備員用の休憩室、その奥に簡単なシャワールームがあったのはレベッカにとって幸いだった。
色々とあって――例えばテオドールの涙やら鼻水やら――汚れた肌をそのままに、新たな服に袖を通すのは流石に躊躇われたからだ。
自分の中で先刻の一件を水に流し、区切りを付けるためという意味合いもある。

一糸纏わぬ姿。
熱い水流が白い肌を打って薄く桜色に染めていく。
けれども灰色は灰色のまま。
滑らかな石のように見える、腕から胸へかけての部分は色も冷たさも決して変わりはしない。

「あと、どれぐらいもつんだろう……」

指で押してみた。
人肌としての柔らかさは辛うじて留めつつ、明らかに硬質な感触が指先を押し返した。

*  *  *  *  *

渡された衣服の中から選んだのは、黒いシャツに緑一色の戦闘服、そして同じ色のコート。
コートに関して言えば、少しばかりサイズが大きめだったが問題は無い。
髪と肌の水気をしっかりとタオルで拭い取ってから、下着を履いてブラのホックを留めた。
小さな硬質の音。
本当なら下着も代えたかったのだけれども、流石にそれは贅沢だとレベッカには分かっている。
シャツに袖を通し、戦闘服を身につけ、念入りに乾かした髪をリボンで纏めてコートを羽織る。
古い衣類は纏めてダストシュートへ。
余ったシャツや戦闘服は、もう一度綺麗に畳み直してから小脇に抱え込んだ。
何れ着替えるかもしれないし、三角巾の代用品に用いる事もあるかもしれないと考えれば、捨ててしまうのは余りに勿体無い。

鏡の前に立つ。

「悪くない」

力強さを含んだ微笑で、レベッカは鏡の中の自分に頷いて見せた。
そうしてから、戻ろう、と決める。
さっぱりとした気持ちで、彼女は再び己の機体の元へと戻っていった。
251レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/24(木) 22:18:30 ID:???
【行動:仮眠+目覚め(-1)、シャワー(-1)、着替え(-1)】
【位置:W-02(パイロット:ベルガ・ギロス足元)(機体:W-02軍事基地ドック】
【残り行動値:1】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)
      シャツ(数枚)、戦闘服及びコート(迷彩柄一着ずつ)】
【服装:下着一式、黒のシャツ、緑の戦闘服、コート、赤いリボン】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい、先ずは修理を、】
【同盟:「テオドール」】
252テオドール(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/25(金) 20:39:48 ID:???
少女に衣類を渡した彼は、彼女が休憩室に消えたのを見送って、自分の機体のところに向かう。
少女の方の機体も要整備だが、手助けが必要なら彼女からも言ってくるだろう。
ひとまず、中断していた自分の方の作業を始めよう。

まずは、先ほどの戦闘で破損したものと、獲得したものを検証する。
破損したのは、ガドリングシールド。ガドリング部分は無傷だが、盾はもう頼りになるまい。単なるデッドウェイトだ。
一方……獲得したブランマーカー、これはこの機体には綺麗にフィットしていた。プログラム上の調整もなしに使用できる。
ただし、それはガンダムの腕持つ右手で扱えば、の話だ。プチモビの貧弱な左腕では使用できない。

まず青年は、ガドリングシールドを、壊れた盾とガドリングガンとを分離する。
本来、簡単な操作で分離できる構造になっていたが、接続部分が歪んでいたために、いささか手間取ってしまう。
……取り外したところで、それだけでは使えない。照準システムやトリガーが単独で使うようになっていないのだ。

これを青年は、脇にどけてあった大型のビーム兵器、メガガドリングガンと並べた。
そして――2本の銃身を、上下に並べるように、接続する。メガガドリングの下に実体弾ガドリングがぶらさがる構造。
トリガーも上下で同時に連動するよう、回線を繋ぎ、照準を連動した設定にし、ガンダムに持たせてバランスを見る。

一本でも重い巨大銃を、上下2つ並べた超重量級兵器。
しかしそこから放たれるビームと弾丸の入り混じった弾幕は圧倒的な制圧力を持つことになるだろう。
クロスボーンガンダムの怪力でも、扱いきれるかどうか怪しい、ツインガドリングガンの完成だ。

続いて青年は、ブランマーカーの方に取り掛かる。
ビームの刃持つ打突武器としても、ビームシールドとしても使用可能なこの兵器。
彼は今後の戦闘のことも考え、左腕に持たせようと考えていた。
ブランマーカーの裏側のアタッチメントを、プチモビから移植した貧弱な左腕の手首付近に固定する。

ただ、このままでは使えない。プチモビの貧弱なエネルギーラインでは、この兵器に十分なエネルギーを供給できない。
青年は格納庫の中を漁って適当なケーブルを見つけ出すと、ガンダムの胴体を弄り始めた。
本来、ガンダムの左腕にIフィールドジェネレーター用のエネルギーを送っていたラインを見つけると、そこに接続する。

ガンダムの胴体から生えた、プチモビの貧弱な左腕。そこの手首に固定されたブランマーカー。
そして……そのブランマーカーと胴体を直接繋ぐ、2本のケーブル。長さには少し余裕を持たせ、腕の動きを阻害しない。

青年はガンダムに乗り込み、ブランマーカーの動作を確認し、ツインガドリングガンの取り回しを確かめる。
どうやらどちらも、なんとか問題なく動いてくれるようだ。


【行動:整備(ガドリングシールド分解)(−1p)、武装改造(ツインガドリング作成)(−1p)
    整備(ブランマーカーを左腕に装備)(−1p)、作動確認(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に傷跡。両手の平に火傷。左の睾丸破裂。強化されているハズの心身が……? 黒のスーツ姿】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ブランマーカー(左腕装備・胴体からエネルギーライン直結)】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、
           ツインガドリングガン(ビームのメガガドリングガン+ガドリングシールドの実弾銃)
        アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ、少女の衣服
     レーション類(10食分相当)】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復・改造】 【同盟:レベッカ】
253ジェンセン@代理:2005/11/25(金) 22:19:36 ID:???
開放されたハッチの内部。
 薄暗い球状の空間の中、かすかにうごめく影があった。
 顔が緋色に染まっているのは、砕けた破片に裂かれたか。
 戦い尽くした果て残った骸のようなそれは、しかしまだ蠢いているのだ。

「………ィール」

 両の腕が何かをつかまんと、ゆっくりとアームレイカーから持ち上げられてゆく。
 つかまんとするのは、己の命か。
 それとも、この俺の命か。
 このざまで、おまえはまだ戦おうというのか。 
 しかし・・・・・・その腕は急激に力を失い、命を失ったかのように彼女の両脇へと
垂れて下がる。 
 だが、胸は正常に上下動を繰り返し、耳にわずかな呼吸音も聞こえる。 
 生きて、いるのだ。
 ならば、殺すか。

 握り締めた拳銃を、ホルスターに仕舞いこむ。
 力のうせた彼女の肢体を抱えあげると、倒れたディジェのコクピット
から這い出し、基地へと向かう。
 戦うにせよ、殺すにせよ。
 それは彼女が全ての生を賭けて対峙したそのときにこそ。
 今の彼女はジェンセンとではなく、己の体に刻まれた致命の傷との
闘争に忙殺されていた。
 ならば、今殺すのは背後からナイフを突き刺すに等しい。
 それは闘争ではない。暗殺、ただの殺害行為に他ならない。
 そのような行為をもって他者を殺害することをジェンセン・スティール
は望まない。
 この女となら、エドワードと同等、あるいはそれ以上に殺しあうことが
できるだろう。
「生き延びるのだろう、リロラ・クローム。
 ならばこの俺に、つまらない殺し方など許すなよ」

 昏迷の眠りに落ちた女を、ジェンセン・スティールは
叱責する。そのまま、未だ火災がくすぶりつづける基地へ
向かって歩いていった。
254ジェンセン@代理:2005/11/25(金) 22:20:17 ID:???
破壊を免れた施設の一室に、ジェンセンは彼女を運び込んだ。
 危険な負傷は無いように見える。奇跡的といっていいことに、手足にも
動脈・静脈の損傷につながるような、大きな負傷は認められなかった。

 しかし、顔面の傷には微細な破片がもぐりこんでいる可能性があった。
 とくに左眼を切り裂くように走る傷は深い。
 それが証拠に、左眼からは血だけではなくなにかぬめった液体までもが
流れ出し、涙のようにリトラの頬を濡らしている。
 ひとまず、ペットボトルの水でもって傷口を洗浄した後、治療用キットから
消毒薬を取り出し、傷に塗っていく。抗生物質を含んだ創傷治癒促進作用のある
難航を塗ったガーゼを当て、改めて包帯を巻きなおした。
 頭部に巻かれた包帯も解き、同じく消毒薬を塗った上で新しいガーゼに
軟膏を塗り、傷口に当て、あらためて包帯で固定する。
 機械的な動作でそれらの治療を終えた後、ジェンセンは指を首から肩、
腕にかけて這わせていった。
 さらに胸を両の手で触り、感触を確かめた後、腹部、腰椎、臀部、大腿部、
ふくらはぎからつま先に至るまでを丁寧に触り確かめていく。 
 服の胸元を開き、胸の間に耳を押し当てて心音と呼吸音もたしかめる。
 やはり、脈拍・呼吸とも異常は無い。 
 打撲による血管、ないし心臓破裂の心配はないだろう。

 骨に異常は無いように思われたが、しかし、ところどころわずかだがおかしな
手ごたえがある。
 
 ・・・・・・全身を打っていたか。

 舌打ちする。
 しかし、胸の上下動・呼吸などに、ショック症状の兆候は無い。
 黄疸症状も認められない。

 内臓か脳がやられていないよう、祈るほかないな。
 
 毛布をかけてやる。やるべきことはやった。
 もうしばらく様子を見るべきだろう。

 ひどく、眠くなっていることに気づいた。 
 そういえば、まともに眠っているような、いないような
心地がする。
 疲労を自覚すると、倒れるのは早かった。
 床の上にうつぶせに寝そべって。男の意識は迅速にやみに沈む。

【行動】リトラ回収(−1)
    基地施設へ移動(−1) 
    診察(−1)
    リトラの治療(−1)   
    体力の限界、寝る(0)
    残り0P
【位置;>D=13基地上空】    
【機体状況:ハイザック・頭部全損、下半身脱落
      左腕部全損・サブカメラ一部損壊、
      操縦系統に損傷

      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部裂傷(応急手当て完了)
         睡眠中】
【武装:ドダイYS(対地ミサイル全弾射耗】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×14
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
255アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/11/26(土) 01:22:21 ID:???
アルマ=フローライトが返答を返してくれた。
それが本当かどうかを判断する材料はない。
だけど、ここでアルマ=フローライトが嘘を言うメリットは何もない。
だからおそらく、今の情報はほぼ真実だろうと思う。
そして聞かされた名前。
(…レベッカがいるのか…)
情報によると、北の基地にいるのはレベッカ=テスタロッサ。

この名前を他人から聞いたのは、随分久しぶりに思える。
黒いベルガ・ギロスを駆った、天才的ともいえる操縦の腕を持つ生徒。
俺もそれなりに実戦を重ねてそれなりに腕を上げたと思うけど、それでもいざ戦う事
になったら…1対1で勝てる自信はない。
勿論簡単に負けるつもりもないけど、現時点では4:6で不利のような気がする。
(…いや、それよりも情報を聞いたニースがどうするか…)

そうだ。
ニースの思いを全部知ってるわけじゃないけど、彼女にとってレベッカの存在は特別
な意味を持っているように思える。
そのレベッカの名前を聞いたニースが、どうするのかが気になる。
…ニースはレベッカに会いに行こうとするのだろうか。
ニースの思いを考えると止めにくいけど、戦おうとするのなら、今は何としても止め
た方がいい。
ニースが成長しているのは確かだけど、それを過信すると…一瞬でやられる。
「…ニース。
 レベッカに会いに行くのなら…俺は止めない。
 だけど、戦うのだけは今はやめておくんだ。
 俺は、西の街でニースを待ってるから」

思った事をそのままニースに伝えた。
それが正しいかどうかは分からない。
ニースに戦うつもりがなくても、レベッカに戦うつもりがなくても、レベッカと一緒
にいるという生徒がどうするかが分からない。
でも、やっぱり。
ニースが望むことなら、できる範囲でそれを認めてやりたい。

(続く)
256アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/11/26(土) 01:23:34 ID:???
アルマ=フローライトの情報から分かった事。
腕を組んで考える。
レベッカと一緒にいるというT−13。
彼?の乗機はかなり損傷しているらしい。
それはレベッカを庇おうとした時に付けられた傷なのか。
…そしてアルマ=フローライトは、その戦場にいたという事になる。
レベッカやT−13と戦ったのは、アルマ=フローライトなのか。
もしそうなら、彼女の腕はかなりのものである事は間違いない。
…まあ、知っていたイコール戦ったなんて単純なものでもないか。
レベッカとT−13が誰かと戦っているのを、たまたまアルマ=フローライトが見た
だけかもしれない。

アルマ=フローライトからは特に何も聞かれなかった。
…多分俺も何か聞かれてもろくな事答えられなかったから、少しほっとしてたりする。
あとから追ってくるνガンダムをレーダーが捉える。
西の街に着いた時、アルマ=フローライトは敵になるのか。
好ましくない事だけど…もしそうなるのなら、決して油断はできない。

小さく溜息を1つ。
色々考えることがありすぎて、頭が痛くなりそうだ。

【行動:色々考える(0)】
【残り:4】
【位置:R-12(高速道路上)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:14、17番に接続中】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、保存食41/3日分、お守り、ペンライト、ポー
    タブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:とりあえず西の街に移動】
【同盟:ニース、(アルマ)】
257管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/27(日) 00:02:32 ID:???
『みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。

 まず。脱落者の連絡。
 無し。

 んじゃ、立ち入り禁止区域の発表な。

 『C-22』 『G-24』 『J-14』 『P-17』
 『S-13』 『U-09』 『V-24』 『Y-16』
 
 気をつけろよ?

 あと天気予想。
 晴れな。

 んじゃ、これで今回の放送はこれで終わり。
 みんなの事いつでも先生は見守ってるからな。』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】 【残り行動値:∞】
【位置:Z-21】
【行動方針:殺し合い頑張れ】
258管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/27(日) 00:03:09 ID:???
生徒名簿

 番号          名前                   年齢 性別      機体

 死亡 アロンソ=セルバンデス                (70) 男性  グフ・フライトタイプ
 死亡 エルネスティーネ=デア=フォーゲルヴァイデ   (16) 女性  ゲルググJ
 死亡 ハロルド=P=アンダーソン              (35) 男性  ズサ
 死亡 マサヤ=タカノ                      (23) 男性  ガンダムGP02
 死亡 キリト=ヴァルリック                   (28) 男性  Gキャノン
 06番 リトラ=クローム                     (25) 女性  ディジェ
 07番 ジンペイ=カザマキ                    (32) 男性  セイバーフィッシュ
 死亡 ルイス=ガルシア                     (22) 男性  BD3号機
 死亡 クラウディア=ゲール                  (16) 女性  ビギナギナ
 10番 レベッカ=テスタロッサ                 (18) 女性  ベルガギロス(黒の部隊専用機)
 11番 アルバート=パーシング                 (18) 男性  シャッコー
 死亡 ネイゲスト=ザームズ                  (18) 男性  ザメル
 死亡 エドワード=S=ボールドウィン             (28) 男性  ボリノークサマーン
 14番 ニース=エルネージュ                  (15) 女性  ゲルググ (ガトー専用機)
 15番 ファッツ=シュヴィール                 (23) 男性  EWACザック(+マラサイ◎)
 死亡 ナインティ=アウェイキング               (27) 男性  バウ
 17番 アルマ=フローライト                  (17) 女性  エビル・S(+νガンダム◎)
 死亡 サイモン=クレイカー                  (43) 男性  アッシマー
 死亡 ロイド=エンデバー                   (18) 男性  Z+A型
 死亡 クルル=ヴァンデーン                 (11) 女性  メタス
 21番 ジェンセン=スティール                 (35) 男性  ハイザック
 死亡 ブレイム=オリディス                  (36) 男性  νガンダム(+V2AB◎)
 死亡 ジョセフ=ロバーツ                   (15) 男性  ハンブラビ
 死亡 アリウス=エルツベルグ                (33) 男性  ホビーハイザック
 25番 T=ドライツェン                     (25) 男性  クロスボーンガンダム三号機
 26番 ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ              (21) 男性  カズアル

 生存者10名+一匹 死者 16名
259管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/27(日) 00:03:56 ID:???
>25時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01○◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡◎彡◎◎彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡◇□□彡彡彡◎◎彡彡10彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡◎彡□□△□□□◎彡彡彡★◎〓△彡
 04彡◎□◎△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△◎▼□彡彡□□△△△◎□◎◎彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎◎□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎◎◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡◎□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡×彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎◎□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎◎◎□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏1117◎彡□┃△◎◎  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━07□◎彡□△□┏┛□×◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣×━〓▼15▼┛□□彡彡◎★≡□△◎  ★:基地
 15◎◎○◎∴□◎□┃□◎彡◎▼□□彡◎◎□□★◎◎□△  U:灯台
 16○〇◎∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17○〇◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡×彡◎□□□┏┛□×□  ◆:コンテナA
 18○〇◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U◎◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃◎◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼◎━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃◎□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼×∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎×◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○×○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○◎

06と21は同一地点【D-13】
15と26は同一地点【N-14】
10と25は同一地点【W-02】
11と14は同一地点【R-12】

コンテナAの位置
『F-13』 『L-18』
上記の全2箇所
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
260ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/27(日) 08:18:09 ID:???
『こちらこそ、よろしく。
 あまり当てにされても困るがな』

静かだが、はっきりした声でアルマから返事が来ると、ニースは思わず笑顔になった。
どんな理由でも、どういうきっかけでもいいから話ができる。
それはニースにとって…友人の少なかった彼女にとって、とても重要だった。
最初に話があるから、次がある。
このプログラムで、ニースは操縦だけでなく、人間としても少しずつ成長しはじめていた。

そのニースの笑顔が凍りついた。
アルマからもたらされた情報。
その中にあった、レベッカという名前に。
遠いような、近いような、でもニースの脳裏にはっきりと記憶された光景。
デパートの柱に書かれた、言葉。
町で別れ際に伝えられた、言葉。
レベッカが、ここからそう遠くない所にいる。
ニースの心に細波が立つ。

行ってみたい。
でもそれは許されない行動。
仲間として、そして女として。
でも…でも。

『…ニース。
 レベッカに会いに行くのなら…俺は止めない。
 だけど、戦うのだけは今はやめておくんだ。
 俺は、西の街でニースを待ってるから』

ニースの心を見透かしたかのような、アルバートの言葉。
ニースの心の細波が、うねりになっていく。
だがそのうねりの片隅で、ニースはある程度冷静にアルバートの言葉の意味を悟ろうとした。
アルバートは、ニースの思いを知っている。
ニースがレベッカを目指しているのを知っている。
アルバートは、条件付きではあるが、その気持ちを汲んでくれているのかもしれなかった。

「…ありがと。アルバートさん。
 アルバートさんの気持ち、あたしとっても嬉しいよ」

にっこりと笑ってニースは言った。

「あたし、アルバートさんに迷惑かけっぱなしでさ。
 …また、迷惑かけちゃうけど……でも、行ってくる」

ニース自身も、自分がまだレベッカと同じ視線に立てない事くらいは分かっている。
それでも、たとえレベッカに拒絶されようとも、レベッカの鼓動が聞こえる場所に行きたかった。
できる事なら、声も聞きたかった。
その1歩間違えれば裏切りと取られかねない思いを、アルバートは認めてくれた。
少なからずニースを信じてくれている。
その事実が、ニースはとても嬉しかった。

「…アルバートさんの言うとおり、無茶な事は絶対にしないから。
 だから、西の町で待っててね、アルバートさんっ」

最後にいつもの元気な声で伝えると、ニースはもと来た道を戻っていった。
目的は、北の基地。
261ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/27(日) 08:19:37 ID:???
【行動:アルバートに決心を伝える(0)高速道路のボーナスを使ってV-11に移動(−3)V-10に移動(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:V-10】
【機体状況:左肩装甲破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:11番と17番に回線継続】
【人物状況:色々な意味で嬉しい】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ、ビームショットライフル、νガンダムシールド】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、北の基地へ…】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
262テオドール(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/27(日) 18:51:40 ID:???
MSに乗り込み、作動確認を終えた青年は、機体を降りようとはしなかった。
作り上げたツインガドリングをその場に置いて機体を外に出す。

『ザイリョウ……取テクル……』

機体の外部スピーカーで少女に一言告げて。
アインラッドに乗り込み、走り出す。

海の上に飛び出し、再び上陸。
そう、そこは――『T-13』がジョセフ・ロバーツを殺した現場。

青年はハンブラビの残骸を見つけ、アインラッドを近くに停める。
倒れたままのハンブラビ、それをガンダムで抱え上げてアインラッドに乗せる。
切り飛ばされた手足も、一緒に乗せて。

後に残されたのは……少年の遺体。
青年はそれに向けて十字を切って、その場を後にする。
ガンダムがハンブラビの上に乗るようにして、おっかなびっくりタイヤが動き出す。

途中、何度もバランスを崩しそうになりながら、来た時の倍の時間をかけて元のドックに移動する。
積荷を降ろそうとした、その時……定期放送が、響き渡った。


【行動:移動(W-02→V-02→V-03)(アインラッド移動ボーナスあり)(−1p)、ハンブラビ残骸回収(−1p)、
    移動(V-03→V-02→W-02)(過積載につき移動ボーナスなし)(−2p)、定期放送聞く(0p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に傷跡。両手の平に火傷。左の睾丸破裂。強化されているハズの心身が……? 黒のスーツ姿】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター左下一本残して3本喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ブランマーカー(左腕装備・胴体からエネルギーライン直結)
    アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、
           ツインガドリングガン(ビームのメガガドリングガン+ガドリングシールドの実弾銃)】
【所持品:エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ、レーション類(10食分相当)
     ハンブラビの残骸(丸ごと1体分)】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復・改造】 【同盟:レベッカ】
263ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/11/27(日) 23:06:26 ID:???
『ありがとう、ございました………ミヒャエルさん。
 あなたのお陰で、なんとか、生きる事が出来ました。
 あの………それで、これからどうしたらいいんでしょうか』

 どうにも、印象が違う。
 印象と言うよりも、イメージが違ったというべきか。
 マラサイで戦った時の気迫、参加者データからの情報。
 それらが一致しない感がした事は事実だ。
 その御礼の言葉に、どう言葉を返すべきなのか、それを一瞬考えた。
 だが、助けた行為そのものが、まだ自分の中で整理が付いていない。
 今出来る事が何かを感じ取って、それに行き着いた……。
 ただそれだけの理由で、彼を助け、ここまで運んできたのだ。
 自分の中さえも整理されていない以上、ここで返せる言葉は無かった。

「ひとまず休んで、その後に必要なものは物色してしまいましょう。
 基地に行けば修理の算段も付くかもしれませんし、
 そうすれば、マラサイだって今みたいな状態でなくなるから……」

 言うだけ言って、辺りを見回した。
 幸い、ドラッグストアや診療所の看板が見当たる。
 そのどちらかなら、必要な分くらい転がってるだろう。

「私は、別にどこで休むのでも構わないけど、
 薬局とか寄って来ますので、休む場所だけ教えておいてくれれば……」

 振り返りかけて、ふと足を止めた。

「……場所を教えておいて欲しいっていうのは、その、
 少し込み入った話とかも、ありますから……」


【行動:会話(−0)】
【残り :4P】
【位置:N−14】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:精神不安定】
【通信状況:リトラ、ジンペイ、ファッツ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻、周辺の詳細な地図(フォルダ)
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質、基地の地図
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:首輪、腕時計、拳銃(10発)】
【方針:薬、自分から逃げない、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
264ジェンセン@代理:2005/11/28(月) 16:39:26 ID:???
 目が覚めた。
 疲れはほとんど取れていないが、それでも動く必要はあるだろう。
 基地内部を歩き回り、ジェネレータを探し出す。
 非常用ジェネレータがまだ生きていた。起動。
 電力を、この周囲の施設に供給する。
 ジェネレータを探す途中で見つけた格納庫にMSトレーラーが放置されていた。
 バッテリーに充電用のケーブルを差込み、充電を開始。
 程なく充電が終わる。
 さて、次は俺とリトラの機体を回収する必要があるな……
【行動】基地施設内部捜索・発見、ジェネレータ室・MSトレーラー(−2) 
    ジェネレータ起動(−1)
    MSトレーラーへの充電開始(−1)   
    
    残り0P
【位置;>D=13基地】    
【機体状況:ハイザック・頭部全損、下半身脱落
      左腕部全損・サブカメラ一部損壊、
      操縦系統に損傷

      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部裂傷(応急手当て完了)
         睡眠中】
【武装:ドダイYS(対地ミサイル全弾射耗】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×14
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
265ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/11/28(月) 18:07:14 ID:???
>>263
「ひとまず休んで、その後に必要なものは物色してしまいましょう。
 基地に行けば修理の算段も付くかもしれませんし、
 そうすれば、マラサイだって今みたいな状態でなくなるから……」

ミヒャエルはファッツの感謝の言葉には返答せず、今後の方針のみを話した。
もっとも、ファッツにしてみれば冷たい言葉を掛けられなかったというだけで安堵していたのだが……

「私は、別にどこで休むのでも構わないけど、
 薬局とか寄って来ますので、休む場所だけ教えておいてくれれば……」

そう言って付近を見回すミヒャエル。
薬局……確かに、医薬品の類はこのフィールドでは必需品だろう。
医薬品を探すのを手伝おうかとも思ったが、自分も疲労困憊だ。
出来る事なら、早く休みたい。
そう思って適当な家を探していると、再びミヒャエルから声をかけられる。

「……場所を教えておいて欲しいっていうのは、その、
 少し込み入った話とかも、ありますから……」

込み入った話……。
詳細はわからないが、そう言うという事は何かしら重要な事柄なのだろう。

「わかりました……。
 そこの家で休んでいますから、用事が終わったら……」

そう言って、一つの民家を指差す。
どこにでもありそうな、普通の家だ。

「それじゃあ……」

指で指し示した後、そのどこにでもありそうな一軒の民家の方に歩み、
ファッツはミヒャエルに一礼をしてから家の中へと入っていった。
266ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/11/28(月) 18:08:46 ID:???
「……普通の家みたいだな」

外観でもわかっていたが、中に入ると更にその中流家庭っぷりが目を引いた。
どこにでもありそうなテーブル、その上に乗ったマグカップが二つに子供用と思われる小さなカップが一つ。
中身はコーヒーとオレンジジュース『だった』もののようだが……
それはもはや液体となっていなかった。
それらのカップを持って流しに持ってゆき、水につける。

「……別に、やらなくてもいいんだよな」

だが、手は止まらない。
食器を洗うのなら全自動食器洗い機にでも入れればいいのだろうが、
このカップの底にこびりつく固体はそれでは取れないだろう。
仕方なく、両袖を捲り上げて手にスポンジを持ち、水で濡らして洗剤を泡立たせる。
そして、マグカップの一つを手に取るとゴシゴシと洗い始めた。
休憩をしようとは思っていたが……
何かしら、体を動かしていないと気分が悪かった。



食器を洗い終えて一息つく……
ダイニングテーブルの横の椅子に腰掛け、廊下を見る。
……シャワー、浴びたい。

ここに来るまで緊張の積み重ねだった。
当然、汗も多分にかいている。
こんな状況で何を言っているんだとも言われるかもしれないが、汗が気持ち悪いのは仕方が無い。
それに、どうせやる事などないのだ。
レーダーを見る。……自分とミヒャエル以外の者がもしここに来るにしろ、
シャワーを浴びるくらいの時間はある。

思い立ったが吉日。
ファッツは腰を浮かせ、シャワールームへと向かった。

【行動 :探索(-1P) シャワーを浴びる(-1P) 残り2P】
【位置 :N-14】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷 胸部装甲破損 右足半壊】
【パイロット状況 :恐怖心 虚ろな瞳 左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 頬に切り傷】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー
     ビームピストル(EN 0%)】
【通信状況:ミヒャエルに通信接続】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種2食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)
     全身タイツ 生徒レーダー 拳銃】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:ミヒャエルに従う】
【最終行動方針:生き残って優勝】
267リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/28(月) 19:38:35 ID:???
>>264
ジェンセン=スティールが部屋を出て暫しの後、リトラの意識を覚醒させた。
ゆっくりと片眼を開くと、味気ない化粧石膏ボードの天井が目にうつる。
雰囲気からして、ここが基地施設内の一室である事は間違いないだろう。

頭部のなかばを覆う包帯の感触に気づき、そっと触れながらゆっくりと身を起こそうと試みる。
身体の至る所が鈍く痛むが、何とか動けない事はなさそうだった。
室内の鏡の前に行き、映った自分の姿を確認する。
左眼を覆うようにして巻かれた包帯は、明らかに誰かの処置によるものだ。
頭の包帯も、間違いなく新しい物に換えられている。

一体、誰が。
いや、状況からすれば、その相手が誰であるのかは確定しているようなものだが、
何故彼がこのような事をしたのか、その理由ははっきりとは解らない。

「……何にせよ、生命を拾ったらしい事には感謝しないとね」

首輪が爆破されていない所から察するに、愛機の完全撃破も免れたらしい。
もっとも、戦闘可能とはとても言えない状況である事には変わりはないだろうが。

室内に置かれている時計で確認する限り、意識を喪失して以降経過した時間は数時間。
その間、定期放送は確実に流されているだろう。厄介な場所が禁止区域指定されていなければ良いが。

とにかく、動けるのならばモタモタしていられる状況ではない。
自分をここに運んだ相手がどうしているのかもわからないし、状況を把握する必要がある。

ふらつく足取りで施設の外に出みると、戦闘による火災はおおむね鎮火しているようだ。
ディジェと、その傍らのハイザック。そして、例の輸送艦の姿も確認できた。

どうやら、まだこのプログラムを生き抜く為の手段は失われていないようだ。
あの輸送艦を使えれば、移動手段に困る事はないだろう。
戦闘能力に関しては、申し訳程度に配置された砲塔……あとは、ミサイル発射口だろうか。
その程度の武装では、あのレベッカ=テスタロッサとT−13という強敵に対抗する事はかなわないだろうが。

それでも、生きている限りは絶望ではない。
状況がどうであれリトラの生きる意思が揺らぐ事はなかっただろうし、そう思えるだけの更なる理由もあった。
……もっとも、それは垂らされた蜘蛛の糸に縋るようなもので、絶対といえるものではないが。

「さて、ハイザックが居るという事は……居ますね、彼も」

自分を助け、傷の処置をもしてくれたであろう男は、まだこのエリアに居るだろう。
彼がどういうつもりなのかは解らないが、会って真意を問う必要はある。
アテもなく探すのも骨が折れるので、取り敢えずは出来る事からやるべきか。
愛機に置いてあるものを回収し、可能ならば定期放送の確認をするべく、徒歩でディジェへと向かう。
268リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/11/28(月) 19:41:46 ID:???
ディジェのコックピットへよじ登ったリトラは、コンソールをいじり、最新の定期放送を確認しようと試みる。
ノイズ混じりの酷く聴き取りにくい声ではあったが、何とか最新の定期放送の内容は確認できた。
どうやら、通信機そのものが壊れている訳ではらしい。
爆撃に晒され、外部のアンテナ等が破損したおかげで、発信、受信の能力が著しく低下しているのだろう。
定期放送の電波が強力なおかげで、それでも辛うじて受信する事はできたようだが。

「……あまり、良い状況とは言えないようね」

定期放送で確認できた新たなる禁止区域は、あまり望ましくはない場所であった。
これによって、移動できるルートは一本のみに限られる事となった。
あの輸送艦を用いる事ができなければ、完全に手詰まりだっただろう。

最新の定期放送を確認するついでに、過去の定期放送のログを再度確認する。
戦闘中に聞いた定期放送も、最低限内容は把握しているものの、それでも禁止区域の情報と脱落者の情報以外は
記憶が曖昧なところもあるからだ。
暫く前に流された、とある定期放送を確認した時、リトラは唇の端を僅かにあげた。

【行動 :  目覚め、施設の外へ(-1) 愛機のもとへと向かう(-1) 愛機に乗り込む(-1)
       定期放送確認(-1) 残0 】
【位置/場所 : D-13/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/背部放熱フィン全損、左腕及び右脚喪失、頭部はギプスによって固定
        武装へのエネルギー供給ライン損傷、通信機故障 コックピットハッチ解放 】
【生徒状況 : 全身打撲、左眼失明、顔に裂傷、頭と左目周辺に巻かれた包帯 】
【通信状況 : ――― 】
【武装 : なし 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食 グルカナイフ 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 ケブラーベスト
      歩兵用ヘルメット 換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)  】
【方針 : 生き延びる “彼”を捜す 】
269ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/28(月) 20:42:20 ID:???
定期放送が入る。

「…よかった」

脱落者がいない事に、ほっとした表情を見せるニース。
勿論そんな事言ってはいられないのだが、人が死んだ事を伝えられるのは、ニースにとってはやはり嫌だった。

暫く走ってから、ニースは高速道路から外れて北に向かった。
北の基地に行くには、ここから先の山々を越えていかなければならない。
侵入禁止になっている箇所は多いが、まだ道は繋がっている。

「……」

当然だが、アルバートと別れてから、ニースはずっと無言だ。
モニターにはもう、アルバートの優しい笑顔は映っていない。
アルマの、落ち着いた端整な顔も映っていない。
…ニースは、今1人なのだ。

ニースの心の隅に、プログラムが始まった頃の思いが浮かぶ。
たった1人放り出された世界。
とてつもなく恐くて、寂しくて、悲しくて、泣いているだけだった時。
いくら成長しているニースでも、その全てを消し去る事は不可能だ。
自然とニースの身体が、微かに震えた。

だが。
ニースには、その不安を覚悟してでも会いたい人がいる。
一目で良いから、顔を見たい人がいる。
何を話そうかなんて考えていない。
沸き上がる不安を、こみ上げる恐怖を乗り越えて、ニースは北を目指す。

【行動:X-8に移動(−4)】
【残り行動値:0】
【位置:X-8】
【機体状況:左肩装甲破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:】
【人物状況:少しの不安】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ、ビームショットライフル、νガンダムシールド】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、北の基地へ…】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
270テオドール(T-13) ◇8pZ1aGg3Pw @代理:2005/11/28(月) 23:57:51 ID:???
ドックに帰ってきた彼は、何回かに分けてハンブラビをドックの中に運び込む。そしてガンダムを降りる。

「もびるすーつ。ぱーつツカウ、構ワナイ」

少女の方に向け、ハンブラビのパーツを使っても構わないことを告げた上で、しかし彼もまたハンブラビに向かう。
整備用クレーンを使って吊し上げ、そのバックパック部分を分解し分離していく。

異形の可変MS、ハンブラビ。『バックパック』とは言ったが、かなり胴体と一体化している。
それでも、装甲板から外していけば、胴体から切り離すことは可能だ。
蝶の羽根のように、扇のように左右に突き出た翼の部分、そして背後の2門のビームガン。
それが、胴体の中枢から切り離され、吊り下げられる。
断面からは、何本ものパイプやコードがぶら下がる。

必要な「部品」を切り出した彼は、続いて今度は自分の愛機に回る。
背中のX字スラスター、そのうち3本は途中から折れていたが、これらを無事なものも含め全て取り外す。
X字の基部、スラスターを可動させるパーツ、これもまた切り離す。

……要するに彼は、X字スラスターを失った背中に、ハンブラビのバックパックを移植しようというのだ。
乱暴に言って、クロスボーンガンダムもハンブラビも連邦系の機体。
しかもハンブラビの方が旧式で単純な構造だから、移植はまあ頑張ればなんとかなる話だ。
もちろん、基本的な機動性は低下するし、見た目は不恰好だし、コアファイターの脱出は不可能になるが……
それでも、折れたままのスラスターよりはマシだ。

青年はガンダムとバックパックの位置を決めると、面倒な作業に取り掛かった。
各種パイプ類を繋ぎ、力のかかる骨格部分を接続していく。
長い作業になりそうだった。


【行動:ハンブラビ運び込み(−1p)、ハンブラビ分解(バックパック分離)(−1p)、
    ガンダムのX字スラスターを根元から全て分離(−1p)、移植作業開始(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に傷跡。両手の平に火傷。左の睾丸破裂。強化されているハズの心身が……? 黒のスーツ姿】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      メインカメラ沈黙。左肩から先がプチモビ。X字スラスター喪失。
      右肩・左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨。マント装着】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、腰アーマー部の錨&鎖×2、
    右足踵部ビームサーベル、ブランマーカー(左腕装備・胴体からエネルギーライン直結)
    アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、
           ツインガドリングガン(ビームのメガガドリングガン+ガドリングシールドの実弾銃)】
【所持品:エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ、レーション類(10食分相当)
     ハンブラビのバックパック(移植作業中)】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復・改造】 【同盟:レベッカ】

(バックパック以外のハンブラビのパーツは一旦所有権放棄)
271管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/29(火) 00:01:14 ID:???
>276時点

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 06◎彡□◎△□┣━〓◎━━┓△◎△◎◎□彡◎彡彡◎△△  ■:森林
 07◎◎◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡◎□◎△◎△┗┓◎彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡◎彡┃□△□彡◎■◇△◎△□┗┓彡◎彡□14◎△  彡:海 川 オアシス
 10○◎彡彡□┗┓□◎□彡□◎◎△◎□◎◎□彡□□◎△△  ━:道路
 11◎◎彡★□◎◎◎□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△◎  〓:橋
 12彡彡彡◎★━┫□□◎彡◎□□△◎┏1117◎彡□┃△◎◎  ≠:破壊された橋
 13◎彡★06□◆┗━07□◎彡□△□┏┛□◎◎彡◎┣━◎○  ▼:市街地
 14□□◎□□□□◎┣◎━〓▼15▼┛□□彡彡◎★≡□△◎  ★:基地
 15◎◎○◎∴□◎□┃□◎彡◎▼□□彡◎◎□□★◎◎□△  U:灯台
 16○〇◎∴◎∴□□◎◎□彡彡彡◎彡◎彡□◎◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17○〇◎∴∴∴□┏┛□◎彡◎彡彡◎彡◎□□□┏┛□◎□  ◆:コンテナA
 18○〇◎◇∴◎∴┃◎□彡◆彡U◎◎≠□□□□┃□□□□  ◇:コンテナB 
 19◎◎∴◎◎∴∴┃◎◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃◎◎□◎  ◎:立入禁止区域 
 20∴∴▼∴┏◎━┫□彡彡◎彡彡彡◎彡彡◎□┏◎◎□△△  ×:立入禁止予定区域
 21━▼◎━┛∴◎┃□彡◎□◎□□彡彡彡彡◇┃◎□△◎◎  〇:立入不可能区域
 22◎▼◎∴∴∴∴┃□□□■■◎■◎□彡□◎◎□□◎○〇
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎○〇◎
 24∴◎∴∴◎◎◎◎■┗━◎━━┛■◎彡□◎◎○◎○○○
 25∴∴∴△△△△□■■◎■◎■■◎■彡彡■■◎○〇◎○
 26△◎△△◎△□◎■■■■■◎■■■■彡◎◎○〇○○◎

06と21は同一地点【D-13】
15と26は同一地点【N-14】
10と25は同一地点【W-02】

コンテナAの位置
『F-13』 『L-18』
上記の全2箇所
コンテナBの位置
『D-18』 『M-02』 『M-09』 『T-20』
上記の全4箇所
(コンテナBは生徒の地図上では表記無し)
コンテナの中身 http://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/konntena.txt
この中より、好きなものを一点選んで入手。
入手されたものはリスト上から消えたものとする。
272テオドール(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw :2005/11/29(火) 23:25:50 ID:???
作業は続く。

動力系を繋ぐ。命令伝達系を繋ぐ。冷却系を繋ぐ。推進剤タンクを繋ぐ。骨格を繋ぐ。
言葉にするのは簡単だが……いちいち規格が合っているわけではない。
1つ繋ぐ度にドックの片隅でアタッチメントパーツを探し、繋ぎ合わせ、あるいは誤魔化す。
どれも100%の性能は求めない。動けばいい、繋がってくれればいい。

小一時間ほどの作業の末、ハンブラビのバックパックはガンダムの背中に装備された。
……シルエットの与える印象が、かなり変化していた。
初期状態で目を惹くX字のスラスターの代わりに、二枚の扇を背負ったような形状。
両肩からはビームガンが顔を覗かせる。テールランスはつけていない。

続いて、青年はハンブラビの両足つま先の分解に入る。
中身はいらない。必要なのは、角張って尖ったつま先の、装甲だけだ。
足の裏を外し中身を捨て、装甲だけを切り分ける。

続いて、青年はこのパーツを適当な長さに切ると……ガンダムの両肩につけ始めた。
右肩は、フレームは無事だが装甲はボロボロ。
左肩は、無理やりプチモビの腕をつけただけで、肩口は無防備に剥き出し。
このそれぞれを、防御してやる必要がある。
幸い、ハンブラビのつま先装甲部分は、ちょっと大きくはあるが十分に肩を覆ってくれそうだった。

青年は溶接用のマスクを被り、しばらく作業に没頭する。
……やがて作業が済んだ時、ガンダムのシルエットは大きく変化していた。

性能上はほとんど変化なし、むしろ無用な重量増加で総合力は落ちるだろう。
ただ、装甲だけは強固になる。見た目だけは、ダメージを誤魔化せる。ハッタリが効く。

……そのためには、まだ手を加えるべきところはいくつかあった。
一見した時、見るからに「応急修理」の感を拭えぬ、コクピットハッチ。
腰の前面にぶらさがる、場違いな船の錨。
サイドスカートアーマーの大きな損傷。

青年は、ハンブラビの残骸に目をやる。……まだ使える部分は残っているだろうか?


【行動:バックパック移植作業(−2p)、ハンブラビのつま先分解(×2)(−1p)、
    ハンブラビのつま先を両肩の装甲に転用(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に傷跡。両手の平に火傷。左の睾丸破裂。強化されているハズの心身が……? 黒のスーツ姿】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチがエレカの屋根&フロントガラス(防弾性ゼロ)
      左肩から先がプチモビ。両肩装甲は突き出した形状。X字スラスターの代わりにハンブラビのバックパック。
      メインカメラ沈黙。左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、ビームガン×2(背部・ハンブラビバックパック)
    腰アーマー部の錨&鎖×2、 右足踵部ビームサーベル、ブランマーカー(左腕装備・胴体からライン直結)
    アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、
           ツインガドリングガン(ビームのメガガドリングガン+ガドリングシールドの実弾銃)】
【所持品:エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ、レーション類(10食分相当)】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復・改造】 【同盟:レベッカ】
273ジェンセン・スティール@代理:2005/11/30(水) 11:08:15 ID:???
 いたるところに転がる瓦礫や装甲の破片を避けるようにして、
俺はMSトレーラーを走らせる。
 ……ハイ・ザックのところまでたどり着いたとき。
 人の、気配を感じた。
 
 ……無茶をする。
 だが、あの女がどう動こうが、たしかにあの女の勝手では
あることだ。 
 俺は彼女の行動にはかまわず、自らのハイ・ザックに乗り込んだ。

【行動】MSトレーラーに搭乗(−1)
    滑走路まで移動(−1)
    トレーラーを降りる(−1)
    ハイ・ザックに搭乗(−1)  
    
    残り0P
【位置;>D=13基地】    
【機体状況:ハイザック・頭部全損、下半身脱落
      左腕部全損・サブカメラ一部損壊、
      操縦系統に損傷

      ドダイ・正常】
【パイロット状況:人格転換『俺』
         頭部裂傷(応急手当て完了)】
【武装:ドダイYS(対地ミサイル全弾射耗】
【所持品:拳銃、予備弾倉×2
     ディパック(食料セット2日分 ペットボトル(水入り)×14
     エレキギター、自作治療用セット×1、自作栄養剤セット25回分】
274ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/11/30(水) 15:34:21 ID:???
『わかりました……
 そこの家で休んでいますから、用事が終わったら……
 それじゃあ……』

 そう言い、ファッツは民家の方へ足を進めていった。
 やはり印象が違う。どうしても、あの時のマラサイとは被らない。
 しかし、機体が変更された様子も無いのだ。
 理由の如何は解らないにせよ、本人である事は確かだろう。

「はぁ、考えても仕方ないか……」

 小さく溜息をし、薬局の方へと身体を向けた。
 薬局はそれほど大きくは無いが、街は、この付近では最も大きい。
 それに見合うだけの規模があるのは、端から見ても解った。
 店の前に立つ。しかし、電気は通っていないのか、自動ドアが開かない。
 電線でも切れてしまったのだろうか。

「……ごめんね、っと」

 近くにあった看板を手に持って、思い切り振り下ろした。
 甲高い音を響かせ、ガラスが辺りに飛び散る。
 その中へと足を踏み込ませると、じゃりじゃりと細かな音が鳴った。
 だが、それ以外の音は響きはしなかった。それは当然だ。
 街には、自分とファッツ以外、人一人残っていない。
 猫や犬程度なら居たかもしれないが……

 キキッ……

 そんな事を考えていると、何かが聞こえた。
 ふと音のした方向を見る。ネズミが、天井の隅を駆け抜けていった。

「えっと……」

 ネズミから目をそらし、店全体を見回す。目当ての薬は、無い。
 やはり売れ行きが良いとは思えないし、在庫程度しか無いかもしれない。
 店の中心に立っていた彼は、ふいと顔を奥へと向けた。
 レジを乗り越え、その奥の薬品棚に顔を覗かせる。
 部屋は暗かったが、電気が無い以上、部屋の電気も付かない。

「あった、これだ……
 ……強いのにしておこうか」
275ミヒャエル=R=H ◆wDvbiOAaYk :2005/11/30(水) 15:37:03 ID:???
 手に取った薬は、ホルモン剤。袋ごと手に取って小脇に抱える。
 続いて睡眠薬、精神安定剤、そして他の薬に手を伸ばしかけて、止めた。
 半ば無意識に、これくらいにしておこうと思った。
 楽になるから使いたくなる。けど、あまり乱用しても良い事なんか何も無い。
 近くにあったビニール袋を手に取ると、彼はその中に薬を放り込んだ。
 外に出る。更にシャンプーからガーゼから清潔なタオルまで、手当たり次第に放り込む。

「あー……コクピットに戻るのも……うーん……」

 数秒考えた後、消毒液や抗生物質も袋へと詰め込む。
 普通に買ったら、どれだけのキャッシュが居るのか何て考えていない。
 どれだけ使うかは解らないが、どうせタダなんだ。使わなければ捨てたら良い。
 ファッツだって何か使うかもしれないし、目的のものは手に入れているし、後は手当たり次第だ。
 袋は入りきらなくなり、二枚目、三枚目のビニール袋を失敬する。

「……店主さん、ゴメン!」

 流石に気まずくなって、ぱちんと手を合わせた。
 けどそれだけ。もう後は気にしないで、そのまま店を出て行った。


【行動:ドア破壊(−1)、薬局物色(−1)、薬局を出る(−1)、民家へ移動(−1)】
【残り :4P】
【位置:N−14】
【機体:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能
     モニターに障害、胸部装甲破損、全身に多数のへこみ】
【人物状況:嘔吐感、腹部に怪我(応急処置済み)】
【精神状態:精神不安定】
【通信状況:リトラ、ジンペイ、ファッツ】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、鉢巻、周辺の詳細な地図(フォルダ)
     地形データディスク、包帯5本、消毒液、抗生物質、基地の地図
     拳銃の弾倉(12発×2)、サブマシンガン(4マガジン)、参加者データ、声色変換機】
【携帯:首輪、腕時計、拳銃(10発)、ホルモン剤、睡眠薬、精神安定剤、ハサミ、
     大判ガーゼ数十枚、包帯20本、タオル10枚、目薬、各種サプリメント、栄養ドリンク、
     カミソリ、シャンプー、リンス、ボディソープ、洗顔石鹸、化粧水、歯ブラシ、湿布、
     頭痛薬、ハゲを直す薬、正体不明の漢方薬、アガリ○ク、マムシドリンク】
【方針:泥棒!、逃げない、ゲームからの脱出】
【同盟:―】
276レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/30(水) 18:57:36 ID:???
材料を取ってくるというテオドールの言葉に頷いたレベッカが、やっていたのは機体状況のチェックだった。
スラスターやアポジモーターに生じた損傷の程度や装甲の破損具合など。
それらをデータで、また己の眼で一つ一つ確かめながら必要なパーツの見当をつけていく。
レベッカ自身には秀でた整備・修理能力など無い為、そうした初期段階の作業であってもかなりの時間を割かねばならない。
曲りなりにもパイロット、応急措置には多少の心得がある。
けれども今、レベッカが相手をせねばならないのは、彼女が暮らした時代の遥か先を行く技術の塊なのだ。
間に軽い食事休憩等を挟みつつ、作業はゆっくり、着実に進められた。
ようやく一通りの作業を終え、彼女の腕でも修理可能と思われる箇所と必要なパーツのリストアップを済ませると、丁度ガンダムがドックに戻ってきた。
髑髏マークの機体が降ろした荷物は、どうやらMSの残骸らしい。
見覚えのあるような、そんな気がしてレベッカは残骸の近くまで寄ってみた。

「ハンブラビ……?」

間違いない。
グリプス戦役の時代に数多登場したTMSの内の1機だ。
既にパーツ取りを終えたガンダムの中から、必要なパーツがあれば使っても良いと青年が伝えてきた。
使えるだろうか、と自問する。
目下の急務は右マニピュレーターの正常化とビームシールドの修理だ。
その為に必要なパーツが、目の前の残骸の中に存在しているかどうか――

幸運を願いながら大型機械でハンブラビの解体を進めていくレベッカ。
その小さな唇が、良し、と快哉の声を上げた。
277レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/11/30(水) 18:58:25 ID:???
【行動:リストアップ(-2)、食事(-1)、ハンブラビ右腕解体(-1)】
【位置:W-02(パイロット:ドック内大型機械傍)(機体:W-02軍事基地ドック】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/胸部/頭部/左右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター13%破損、右腕反応率7%低下、ビームシールド実質使用不能】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る不治の病を抱えてます)、】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド(事実上使用不能)、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量10%)
     ザンバスター、ビームマシンガン】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン、特殊トランシーバー
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、サンドイッチ弁当(1.5食分)
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:下着一式、黒のシャツ、緑の戦闘服、コート、赤いリボン】
【方針:優勝、テオドールとの「約束」を守る、リトラ・クロームに勝ちたい、先ずは修理を】
【同盟:「テオドール」】
278ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/11/30(水) 20:42:45 ID:???
ここから先は山地が続く。
ハリーを撫でながら眼前に広がる山々を見上げて、感嘆の溜息を漏らすニース。

「…きれーだな〜」

状況を考えれば、完全に的違いの感想。

確かに遠くまで連なる山々は、プログラムを別にすれば素晴らしい眺めではあった。
だがニースには、その景色に魅入っている暇はない。
これから、この山地を越えていかねばならないのだから。

と言っても、えっちらおっちら山を登っていくわけではない。
勿論、空を飛んでいくわけでもない。
ニースが進んだのは、山の梺にある、輸送用の道路だった。

人がいて、北の端に基地を作ったのなら、それには資材を輸送する道路が必要だ。
空輸という手段もあるが、空輸では輸送できる量に限界がある。
だから山の梺を縫うように、輸送用の道路を作った筈である。
ニースはそう考え…たわけではなく、単に偶然でこの道路を見つけただけらしい。
簡易的に作られただけあって、鋪装などされていない道路だったが、MSにとっては気にならない。

美しい景色に少しだけ癒されたニースを乗せて、ゲルググは北へと走る。

【行動:Y-5に移動(−4)】
【残り行動値:0】
【位置:Y-5】
【機体状況:左肩装甲破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:】
【人物状況:少しの不安】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ、ビームショットライフル、νガンダムシールド】
【所持品:ディパック 水2g2と1/4本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食
6日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ、コピー紙、マジック】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、北の基地へ…】
【同盟:アルバートさん】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
279管制室 ◆9yyDY2Jc2w :2005/11/30(水) 21:33:54 ID:???
280アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/11/30(水) 22:23:44 ID:???
ニースは来た道を引き返していった。
北の基地に行く為に。
レベッカ=テスタロッサに会う為に。

俺は戻っていくニースに、何も話し掛けなかった。
…いや…話し掛けられなかったのかもしれない。
ニースが自分の意思で行くと決めたんだから、それを妨げるような事だけはしたくな
かった。
むしろ、自分の決断で動くニースの成長を喜ぶべきだと思う。
あとはニースの無事を祈るだけ。
西の街に、ニースが戻ってくる場所を作っておくだけだ。

「それじゃあアルマさん。
 街に向かいましょうか」
アルマ=フローライトに一言告げると、俺は再びシャッコーを発進させた。
街まではそう遠くないから、少し走れば到着するだろう。


「…まあ…予想できない事ではなかったけどね」
レーダーを見ながら呟く。
レーダーには、街中に留まる2機のMSが映っていた。
残り少なくなった行動範囲。
その中で残っている街に、生徒が集まるのは至極当然の事だから。

そこに示された機体は、ガズRとマラサイ。
ガズRの方は初対面だけど…マラサイは確か…。
街に入ると、見晴しの良い大通りに面したビルの陰にシャッコーを止めた。

【行動:高速道路をP-14に移動(−3)O-14に移動(−1)】
【残り:0】
【位置:O-14(大通りの脇)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:17番に接続中】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター、ビームピストル(左40%右40%)ショットランサー】
【所持:ディパック、水2?入り3本、コッペパン1個、保存食41/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、
    マジック3本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:】
【同盟:ニース(アルマ)】
281テオドール@代理:2005/11/30(水) 22:59:30 ID:???
>>276-277

青年は一息ついて、少女の方の作業を見る。
青年の改装が、主に大雑把に外装や外部パーツを丸ごと交換・丸ごと追加していく方式なのに対し、
少女は丁寧に、内部のパーツを探り元の機能の回復に努めるつもりらしい。
確かに……それができるならそれに越したことはあるまい。

青年が次に手を出したのは、ハンブラビの左肩だった。
正確には、その内部パーツではなく、嘴のように張り出した肩アーマーである。
ガンダム自身の手と、ドックの各種機材を使い、作業を進める。
外し、装甲板とモノアイカバーだけを分離する。

ハンブラビは、両肩にもモノアイを装備している。
そして、そのモノアイカバーは、透明でありながらそれなりに頑丈な素材が使われている。
もちろん、MSからの本格的な攻撃に耐える力はないが……それでも衝撃に強く、簡単には割れない。
これを、コクピットの「屋根」に使おうと言うのだ。

もちろん、そのままではサイズが合わない。
青年はガンダムにビームサーベルを持たせ、慎重に、丁寧に肩アーマーを斬る。斬って整形する。
そしてできあがったのは……中央に縦にモノアイカバーを抱いた、鳥の嘴のような装甲板。

青年は今度は、コクピットハッチに使っていたエレカの屋根を排除する。
排除して、今整形した装甲板を移植する。
本来のクロスボーン・ガンダムのコクピットハッチ、その少し残った基部にしっかり溶接する。
これで、元々のハッチの開閉機構を利用して、コクピットの開閉ができる。
モノアイカバーだった透明板を通して、今までどおり外部を視認することもできる。

次はフロントスカートの部分にぶら下がっている、見栄えの悪い2本の錨だ。
見栄えが悪いだけなら良いが、武器としての使い勝手もイマイチ。
青年は鎖をそのまま残して、錨を2つとも取り外す。
そして青年が目を向けたのは……ハンブラビの左腕。
正確に言えば、その前腕の外側についている、クロー部分。

【行動:ハンブラビの右肩装甲分解・切断・整形(−1p)、エレカの屋根を排除(−1p)、
    ハンブラビの右肩装甲をコクピットハッチに転用(−1p)、錨を外す(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に傷跡。両手の平に火傷。左の睾丸破裂。強化されているハズの心身が……? 黒のスーツ姿】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチにハンブラビの肩アーマー&モノアイカバー(肉眼で外部を視る)
      左肩から先がプチモビ。両肩装甲は突き出した形状。X字スラスターの代わりにハンブラビのバックパック。
      メインカメラ沈黙。左腰装甲に一部損傷。腰部左右フロントアーマーの代わりに錨】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、ビームガン×2(背部・ハンブラビバックパック)
    腰アーマー部の錨&鎖×2、 右足踵部ビームサーベル、ブランマーカー(左腕装備・胴体からライン直結)
    アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【武装(W-02に放置):ZZのハイパービームサーベル、防水布のマント、
           ツインガドリングガン(ビームのメガガドリングガン+ガドリングシールドの実弾銃)】
【所持品:エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ、レーション類(10食分相当)】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復・改造】 【同盟:レベッカ】
282アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/12/01(木) 05:03:39 ID:???
短い遣り取りの後、ゲルググは北東の基地を目指して進み出した。
レベッカとニースの関係を知らないアルマはまさに部外者。
口を挟む余地などない。

「すまないな、アルバート。
 私は余計なことを言ったのかもしれない」

遣り取りを耳にしていれば、アルバートとニースが親密な関係であることは容易に察知できる。
ニースが倒れるようなことになれば、アルバートがどんな行動に出るかわからない。

実際、今ニースに倒れてもらっては困る。
最後のふたりになるまでニースには生きていてもらわなくてはならない。
同じ撃つなら素人だ。
その時になって撃てるかどうかはともかくとして、
その方がいろいろとこちら側に選択肢が若干増えることになる。
さっさとビームをぶつけて蒸発させるもよし。
眉間に銃弾を叩き込んでやるもよし。
獲物を前に舌なめずりをするもよし。
三者三様の選び方があるだろう。

殺せる時に殺さないのは三流のやることだが。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

『…まあ…予想できない事ではなかったけどね』
「む……」

街に近付くにつれてレーダー上にマーカーが増える。
マラサイにガズアルとは……如何ともし難い組み合わせだ。

「最悪だ」

一言吐き棄て、アルマはアルバートの後に続く。
機体を並べると、駄目元でアルバートに相談を持ち掛けた。

「どうする?
 私はマラサイのパイロットを知っているし、
 あのガズアルと戦ったこともあるんだが……」

ちなみにマラサイのパイロットとも戦っている。
夜の砂漠で。 地形条件をフルに生かさなければなかなかに危険だった。
再び戦うことになるのだろうか。
その時、撃てるだろうか。

答えは、"Yes"だ。

【行動:通信回線継続(-0)、S-12→0-14(-3)】
【位置:0-14/市街地】
【残り行動値:1p】
【機体状況:Green/通信回線:シャッコー】
【武装:ビームサーベルx2、バルカン(100)、ビームライフルx2、Iフィールド、シールド】
【生徒状態:Green?】
【所持品:デイパック、コッペパン、水2gx1.5、栄養ドリンクx6、ノートPC、食糧、生活雑貨、
      ベレッタ(16/15)、弾薬ケース、マント、バニーセット、ルージュ、携帯端末】
【行動方針:…………】
283テオドール(T-13) ◆8pZ1aGg3Pw
青年は、ハンブラビの左腕をクレーンで吊り上げ、分解に入る。
正確には、クロー部分だけ。クローを可動させる軸部分も必要ない。
手際の良い作業で2本の鉤爪だけを外して取る。

鉤爪は、真横から見れば一枚の板状になっている。これをそのままフロントスカートアーマーの位置に据える。
鉤爪の上部で、鎖と溶接。巨大な船を繋ぎとめるための錨の鎖だ、接続さえしっかりすれば強度は十分。
しばらく溶接作業を続けて、2枚の鉤爪をそれぞれ鎖に繋ぐ。
鎖を巻き上げれば、鉤爪は少し歪なフロントアーマーとして適切な位置に固定された。

続いて取り掛かったのは、左腰の側面の装甲だ。サイドスカートアーマーがボロボロになっている。
元々ここは、武装懸架用のハードポイントがあったのだが……
しかし青年は、そのハードポイントを潰す格好で、ハンブラビから切り取った装甲板を当てる。
まずはコレで、装甲としての機能を回復させる。

さらに青年は、あり合わせの材料でビームサーベルラックを作り始めた。
入手はしたものの持て余し気味だった、ZZのハイパービームサーベル用のラックである。
運ぶ手段さえあれば使える局面はあるはず、との考えだ。
仕上げたそのラックを、装甲板を張ってのっぺりした表面を見せる左腰サイドアーマーの上に溶接した。

最後に――青年は、ガンダムの顔部分に取り掛かる。
メインカメラの修復は、整備に強くとも所詮はパイロットに過ぎない青年の手の及ぶところではない。
ただ、見るからに損傷を受けたままのその外観は、ちょっとマズい。
実際には機能は喪われたままだが、外から見て見栄えの悪い破損部を取り除き、ツインアイを点灯させるライトを取り替える。
カメラアイを被うカバーは、ハンブラビのモノアイカバーから流用。細かい傷はパテを埋めて見た目だけ誤魔化して。
……これで、外から見た分には、顔面に受けたダメージはまず分からなくなった。


一通りの補修を終え、これで外見上、ガンダムに損傷はなくなった。
見るからに貧弱なプチモビの腕や、無理やりつけた風のバックパックのちぐはぐさはあるが、まずは傷はない。

だが――やはり、まとまりが悪い。木に竹を接いだような印象が拭えない。
仕上がった愛機を、少し離れた所で見ていた青年は、その理由に思い至り、手を打った。
そうだ、塗装だ。
色がパーツごとにちぐはぐなのと、部分的に塗装のはげた部分がある。これをなんとかしよう。
青年は、ドックの片隅にある塗装用の機材に目を向けた。


【行動:ハンブラビ左手クロー分解・接続(×2)(−1p)、サイドスカートアーマー修復(−1p)
    左腰にハイパービームサーベル用のラックを新造(−1p)、ガンダム顔面の損傷修復(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:W-02(基地内)】
【人物状況:左肩に傷跡。両手の平に火傷。左の睾丸破裂。強化されているハズの心身が……? 黒のスーツ姿】
【機体状況:額に「13」のマーキング。 コクピットハッチにハンブラビの肩アーマー&モノアイカバー(肉眼で外部を視る)
      左肩から先がプチモビ。両肩装甲は突き出した形状。X字スラスターの代わりにハンブラビのバックパック。
      メインカメラ機能喪失。腰部左右フロントアーマーの代わりにハンブラビのクロー】
【武装:頭部60mmバルカン×2、肩部マシンキャノン×2、右腕部Iフィールド発生装置×1、
    ビームサーベル×1、ハイパービームサーベル×1、ヒートダガー×1、ビームガン×2(背部バックパック)
    腰アーマー部の鎖&クロー×2、 右足踵部ビームサーベル、ブランマーカー(左腕装備・胴体からライン直結)
    ツインガドリングガン(ビームのメガガドリングガン+ガドリングシールドの実弾銃)
    アインラッド(ビームキャノン×2、9連装ミサイルランチャー×1、オートバランサー破損)】
【所持品:エプロン、『サバイバルの手引き』、日本刀、特殊トランシーバー、黒のスーツ、レーション類(10食分相当)】
【方針:レベッカを優勝させる 二人の機体の修復・改造】 【同盟:レベッカ】