ガンダムバトルロワイヤル第四回大会 第七章

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1”管理”室@代理


             頭上に広がる青空


         ふと上を見上げるとそこにあるのは空

         地上の喧騒など関係無いと言わんばかりに

            何処までも蒼く広がる

          まるで世界の全てを包み込むように          



      ガ ン ダ ム バ ト ル ロ ワ イ ヤ ル



             第四回大会 第七章

         現在生存者 19名と1匹 死亡者 06名


     だがこの空をまた明日も見上げる事はできるのだろうか


ルール等の詳細は>>2-4ぐらいに。

当スレでは、随時参加希望者を募集しております。
参加ご希望の方は>>2-4ぐらいの参加申し込みテンプレをお読みいただきまして
管制室にてお気軽にお申し込みください
2”管理”室@代理:2005/07/11(月) 22:39:54 ID:???
第三回までの過去ログミラー
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/rogusouko.html

第四回テンプレ
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/tennpure.html

新規申し込みテンプレ
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/sannkamousikomitennpure.html

現行管制室(第十二管制室)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1118518405

ネタ・遊び・気長な議論
ガンダムバトルロワイアル緊急避難所
ttp://jbbs.shitaraba.com/anime/1156/

基本情報・人気投票・おおまかな現在状況
第四回バトルロワイヤル 情報集積所
ttp://gbatorowa.hp.infoseek.co.jp/index.html

今回は本スレ容量節約の為、現在状況のマップと名簿以外を
別アドレスにてご案内させていただきます。
ご了承お願い致します。
3キリト=ヴァルリック ◆OBrG.Nd2vU :2005/07/11(月) 22:47:49 ID:gM3UwuHV
早速IDチェック
4エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/11(月) 22:50:32 ID:drZktOUQ
「ゔ……あぁ……。」
気が付いたときに初めに戻ってきたのは、痛覚。
後頭部だけでなく、全身を鈍痛が走るようだった。

「痛……ぅ……。」
だがその痛みが、私はまだ生きているという事を自覚させる。
生き、てる……?…………!

慌てて周囲の状況を探る。
……どうやら、Gキャノンからは少し離れた位置に移動させられているらしかった。
機体状況は、あれから変わりない。良好とは言い難いけど、まだ闘える状態。
体は……大丈夫。ちょっと痛いけど、全部動く。
頭を打ったはずだから……少し時間をおいてみないと解らないけど……。

「……動……けるよね。」
機体を持ち上がらせる。……ちょっと嫌な音がするけど、まだ、大丈夫……。
ゲルググJは、ゆっくりとした、自分の体の状態を確かめるような動作で起きあがった。

「すいません……少し、気を失ってました……。
 次からは……いえ、次なんて無いですよね。」
謝罪の言葉を三人に述べつつ、機体を完全に立ち上がらせた。
確かに、万全な状態とは言えない。だが、まだ狩人−Jager−としての力を失ってはいなかった。
対し、Gキャノンは……その左腕を失いながらも、未だ、その動きに衰えは感じられない。
それどころか、どんどんと鋭く、機敏になってきている。
そして、今はアルバートさんに狙いを絞っているらしく、近接戦闘に入っている。
故に、狙いを付けるのもそろそろ困難になってきていた。
ましてや、センサーに異常が見られるこの機体じゃ……。では……どうするか?

「なら……。」
跳躍。私の操作に対し、先程転倒した事を感じられない動きで−Jager−は答えた。
ビルの影から、機体を一気に空中へ。そして、ニースの位置を確認する。……敵機後方……!

ニースの位置を確認した私はスラスターをもう一度噴かせ、
先程確認したニースと、ルイスさんの射角から位置をずらし、再度Gキャノンに向けスラスターを噴かせる。
急加速する機体。相対距離が一気に縮まる。
そして私はGキャノンのほぼ真上に辿り着いたところで、二挺のビームピストルを抜いた。

「……今……ッ!」
Gキャノンとアルバートさんの機体の真上を掠めるように飛ぶゲルググJ。
その両腕のビームピストルから、真っ直ぐにGキャノンに向け、ビームが放たれた。

【行動:復帰(-0) 状況把握(-1) 跳躍、位置確認(-1)
突撃・Gキャノンにビームピストル×2で攻撃(-1)】
【残り:1】
【位置:U-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷 センサー一部障害】
【人物状況:症状緩和? 脇腹に打撲(応急処置済み) ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分)
    ビームピストル(残弾:右腕50% 左腕50%) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
         保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品)
    ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる 恩を返す この場でキリトを殺す】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース】
【共闘?:08番 ルイス?】
5レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/11(月) 22:55:32 ID:???
喉を潤す程度に水を口に含み、一拍置いてから嚥下する。
冷たく流れる感触が食道から胃へと伝わっていくのが分かる。
もう一口。
余り飲みすぎると少々厄介な事になるので、其処で止めておく。
じっとりと湿った額をコートの袖口で拭いながら、街でハンドタオルを調達しておかなかった事を少しだけ悔やんだ。

時刻は既に昼が近い。
マラサイとの戦闘が決着を見ぬままに終わり、既に半日近くが過ぎている。
朝というよりは昼に近く、けれども日はまだ東の空へと傾きを残したままだ。
その間ずっとベルガ・ギロスを歩かせてきた。
目指すは北。
特に理由は無い。強いて挙げれば、海が見たかったという程度。
それもまた感傷だと気付き、けれどもそんな感傷なら悪くないと口元を綻ばせる。
海の青は空の青。
だからレベッカは、海もまた好きだった。

時計を見る。
モニター端の時刻表示はやがて11時に至ろうという数字を示していた。

「今だとさしずめブランチか」

朝食というには遅く、昼食と呼ぶにはやや早い。
とは言え付近には敵影も無い。
都合良く近くにはモーテルまである。
動き続けてきた体をクールダウンさせるには丁度良いだろう。
そう考え、モーテルの駐車場に機体を駐機させてからレベッカはディパックの中身を漁り始めた。
取り出したるはスティックタイプの栄養食品。
次いでアイソトニック系のスポーツドリンク。
更には、

「〜♪」

BGM代わりに流していたオルゴールの音色に合わせて、鼻歌と共に缶詰を取り出す。
表面にプリントされたイラストはチェリー。
北米大陸産の黒味を帯びた品種ではなく、ニホン産の鮮やかな紅が目を引く、やや小粒の品だ。
6レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/11(月) 22:59:08 ID:???
楽しみは最後に。
先ずはスティックを齧り、スポーツドリンクで口中を漱ぎ、更にもう一口。
計6本を胃に収め、最後にもう一口だけドリンクを飲んでから。

「〜♪」

知らず零れる鼻歌、緩む頬はそのままに缶詰へと手を伸ばす。
と。
その手が不意に止まった。
何かを思い出したように慌てて荷物を漁り出す。
一度。
僅かな間の後、二度目の荷物漁り。
瞬き。
更に少しの間を置いて三度目の荷物漁り。
ややあって、沈黙。
鼻歌は何時の間にか止まり、がっくりと目に見えて落ちる肩。
がさごそとディパックの中身を掻き分けていた手は、スッと抜かれて力なく膝の上へ。
まるで全てに絶望してしまったかのように、全身の筋肉が弛緩してしまっていた。
項垂れたままの少女の唇から言葉が漏れる。

「缶切、忘れた……」

*  *  *  *  *

北へ向かう理由がもう一つ出来た。
北の街で缶切を手に入れ、食べ損ねたデザートを今度こそ。

そう。
例えば、口の中で長めの茎をリボンのように結べるくらいに。
瑞々しいニホン産のチェリーは、レベッカ・テスタロッサの大好物だったのだ。
7レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/11(月) 23:00:27 ID:???
【行動:V-11→S-11→S-09→R-09(-3)、食事(-1)】
【位置:R-09(機体:ハイウェイ傍のモーテル)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.2L×1、携行食糧6日、救急箱一式)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:チェリー食べたいよぅ(つД`)、優勝】
【同盟:なし】
8ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/11(月) 23:27:16 ID:???
前スレ>>216-218
 白い悪魔へ、突っ込んでいく塊が2つ。
一つは何の感情も持たずただ主の指し示した方向へ一直線へ向かう少し大き目の太った鉛球。
もう一つは怒りのままに刃を持ち相手の体を切り刻まんとする壊れた狂闘士。
目標に向かいただひたすら一直線。何の迷いを感じさせる事も無くその視線は真っ直ぐ。
自分が歩く道は大いに踏み外し当ても無く彷徨っているくせに。

 ガンダムは何時だって機械的で冷静な動きをしてきた。今回もそうだ。
直進してくる2条の狂気にも何の反応を示す事は無く、例によって律儀に対策をこなしている。
モノアイから連動されてコクピットに到達する映像にもはっきりと動きだす姿が捉えていた。
今回もそんなありきたりの反応を見せるらしい。ナインティもそれには気が付いていた。
だから顔をすこししかめた。相変わらずかと突っ込みたくなるように。

 肩部から発射される2対のマシンキャノンが弾幕を形成しだす。
攻撃のためではなく撃墜のための一手。幾重もの弾丸が直線を描き出すと二つの火線が完成する。
その中から何発かがグレネードと物理的接触。金属同士がぶつかり合うオレンジの火花が見える。
次の瞬間、お互いの弾頭に衝突した小さな弾丸と大きな弾丸が複雑な動きを見せて絡まりあい
中の爆薬と相まって衝撃と爆発を巻き起こす。辺り一面がその衝撃の恩恵を受けて乱れるが
爆発の中心であった場所には既にサーベルを構えたベウがいる。
煙すら消えきらないうちにその中から猛然とその姿を表したのはガンダムを斬り捨てるため。

 ──殺った!

 ガンダムはマシンキャノンを展開させている物の、この距離では十分な威力は期待できない。
一番厄介なあの大剣も構えていないし、例の妙なアンカーが動く様子も無い。
スローモーションで繰り広げさせる1秒にも満たない時間の中でガンダムをあちこち確認。
武器・道具・その他色々、動かす様子も動ける状態でもない。
こんな時でもガンダムは冷静な乱れぬ感覚のままだ。その姿勢は素晴らしい。
自らに施される介錯を静かに受け入れて、今頃中の出来そこないは別れの言葉でも考えているころか。
確信の感覚を受け取ると、バウのサーベルはそのまま頭上へとまっ逆さま…。

「(……何だ??)」 

 サーベルに向かい両手を繰り出すガンダム。まさか古武術にある白羽取りをやろうとでも?
幾ら相手が伝説の白い悪魔だからって迫ってくるサーベルを手で止めたと言う伝承は無い。
悪あがきにしてはお粗末な行為に小馬鹿にした笑いが漏れた。
だが、ガンダムの掌表面で流れる磁場の流れが織り成す独特な光がそれは大きな間違いだと伝える。
細かく四散していくサーベルを次の光景として。
9ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/11(月) 23:27:51 ID:???
「(…しまっ!!)」

 "バシィ!!"という何かが弾かれる鮮烈な音と目が眩むほどの閃光がガンダムの頭上で轟いた。
脳裏にハイザックとガンダムと自分の姿がフィードバックしてくる。あの時と同じことをやったのだ。
自分が両機もろとも切り伏せようと向かった時に、そうはさせじと防いだあの『Iフィールド発生器らしき物』。
覆水盆に返らず、後悔先に立たず、記憶の欠落はこのような重要な場面でやってくるものなのだ。
何とかサーベルを引っ込めて掌以外の部分を切りつけようともがいてみるが
両の掌でしっかりと握り締められたサーベルは徐々にその光をすり減らしていく。
そして、遂には完全に手の中で握りつぶされてしまった。

 呆気に取られるナインティをさらに絶望に追い込んで見せるが如くガンダムの手がゆっくり動く。
握りつぶした刃からその発生装置を伝いさらには持ち主の手首まで。
味わった事など無いが、霊につかまれる感覚というのはこう言うものなのかと顕著に感じた。
だが、眼の前にいるのは形も存在も曖昧な幽霊の類ではなく、しっかりと存在する悪鬼そのものである。
煌々と炎でも吐き出しそうな口を大きく開き、圧倒的な脅威のままに睨みつける吊りあがった瞳。
いや、あれは放熱の為の行為に過ぎない。しかし、知識と感覚のズレはひどく激しい。

 咄嗟にこれから起こる危険を察知した。感覚・知識、両方で。
放熱させる装置が起動すると言う事はメインエンジンに負荷が掛かっているということ。
つまり機体の出力を増加させているわけだ。この有利な場面では攻撃以外の何がある。
これから何かしら強力な攻撃が行われようと言うことだ。
一方で先程から頭の中に響き渡るこの唸り声。もはや人とも獣とも言い難いような声。
ジオンの兵士達は低く野太いこの唸り声に戦場で恐怖し、奴を白い悪魔と呼称したんじゃないだろうか。
俺ならではの新説発見などと浮かれる余裕すら一欠けらも残されてはいない。

 ──咆哮一閃!

 ガンダムが吼えた瞬間、奇妙な事が起こった。
こちらがバーニアを吹かしたわけでもないのに機体がふわりと持ち上がったのだ。
頭の中は疑問符と感嘆符で埋め尽くされている。理解など出来るわけも無い。
そうしているうちに今度は横方向から掛けられた強烈なG。まるでジェットコースターのスタート時のように。
「うわぁぁぁ」と言う声にもならない叫び声をコクピット内で上げるナインティ。
グルグル回るカメラの映像と何度かの強烈な衝撃と三半規管が麻痺しそうなほどの重力。
ガンダムとバウの手同士が奇妙に繋がれて、ガンダムはその場で大きく大回転。
そして、力のままに振り回されて当たりの建物にぶつかって行くバウ。
数回の地獄のメリーゴーラウンドに乗せられた後、今度は力の解放とともにそのまま放り投げられた。
最後に来たのは後方からのこれまでで一番強烈な衝撃。投げられた先の建物が砕かれていく。
バウは、一応五体満足だ。だがその動きは激しくぎこちない。駆動部全体にダメージを与えられたようだ。
それは中のパイロットも同じことで、こちらは強烈な眩暈と吐き気に苦しめられている。
何をされたのかは今もって理解していない。

 ──プロレス技の一つである豪快なジャイアントスイングを掛けられたとは。

「クソがぁ…」

 ふらふらと立ち上がるバウの中で、中の人間の闘志だけはギラギラと鋭さを増していく。
込み上げる吐き気を無理矢理に飲み込み、汗にまみれた蒼白の顔面を振りかざし怒りに打ち震えているこの感情。
もう形振りなど構っていられるか。目の前のコイツを殲滅しなければ腹の収まり様が無い。
手足を潰していたぶって泣き叫ぶ姿をしっかりと眼と脳に焼き付けてから殺す。
いや、殺すだけじゃ済まさない。機体から死体を引きずり出して焼き尽くして無様に野に晒してやる。
"アレ"を使ってやろう。この機体【AMX-107 バウ】に取り付けられた最強の兵装を。
変形機構はまだ生きている。全ての憎悪と憤怒を込めてアイツに最後の一撃を。最高の死に様を。
怒りと憎しみに全てを任せたナインティはバウのコンソールにゆっくりと手を伸ばす。
10ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/11(月) 23:28:48 ID:???
前スレ>>273-274
 コンソールに伸びかけたナインティの腕が不意に動きを止めた。
何者かの意識が強烈に割り込んできたのだ。これは眼の前のあの出来そこないの物じゃない。
誰かは知らないがこの戦場に割り込んできた。それも自分と同じか同様の天然ニュータイプ…。

「ぐぅっ!!」

 それと同時に襲ってきたのは先程の三半規管の揺れとは違う頭痛と嘔吐感。
この不快感自体には痛いほどに覚えがある。強化人間同士あるいはNTが干渉した際に生じる不協和音。
だが…なんだこれは。何故ここで猛烈な既視感が湧き上がる!?
以前、遭遇した事のある相手だというならこんな強烈な干渉は記憶に存在するはずだ。
記憶に混乱が起こっているのか。それとも別の要因なのか。わからない!わからない!!わかるか!!!

 レーダーとカメラが遠方に航空する黄色い機体を捕らえた。
あれはエゥーゴ所属の支援機か。機体が分かったからどうだっていうんだ。頭痛がひどい。
アイツか?アイツなのか?このひどくノイズにまみれて自分の感情もコントロールできていない糞餓鬼は。
いや、今はあんな奴に構っている場合じゃない。ともかくガンダムを眼の前のガンダムを…。

 その時だ。一方のメタスが急速に旋回してこちらに一直線に向かってくる。
目標は弱ったバウではなく…ガンダムに向かって。小柄なその体でビームガンを2丁持ちガンダムに向けて。
連射されるビームの光がバウを照らす。傍目から見ればバウの援護に颯爽と参上したメタス…と見えなくも無い。
ガンダムの注意もこちらからそっちに引かれたようだ。今度はこの2機が主役の戦場となりうるかと思えた。
だが、バウの中の狂気は依然として収まりきっているわけではなく…。

 ──待テ! ソイツハ! 俺ノ! 獲物ダ!!!!!!!!!!!

 急速にバウが動いた。先程までのダメージを感じさせないほどに滑らかに鮮やかに。
この頭痛の要因がガンダムに攻撃している。この行為が、酷く癇に触った。わけのわからなさも相まって。
モニターに映し出された真っ赤な【ROCK ON】のデジタル表示が向いているのは…。
繰り出された右腕からは何の躊躇も無く発射された最後のグレネード。全ての狂気を乗せたままで。
あれほど憎んでいたはずのガンダムの横をすり抜けて、着弾したのはメタスの腹の中心。どてっ腹。
大きな爆発がメタスの体を包んだ。爆風に乗せて辺りに黄色い破片が儚く飛び散っていく。
メタスのモノアイがこちらを向いてチカチカと2・3度光り輝いた。その視線が何を訴えているのかは知る由も無い。
ただ、こちらには得も知れぬ大きな満足感が残っただけだ。

「…ッハッハッハッハッハハハハハハ!!! ざまあみやがれ……」
11ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/11(月) 23:31:16 ID:???
【行動:20番へグレネードによる波状攻撃(-1P)】
【残り:3P】
【位置:C-21】
【機体状況:左肩口から右腰に掛けての切り傷 表面装甲へ傷 駆動系へのダメージ】
【人物状況:頭部裂傷・精神大いに不安定】
【通信状況:無し】
【武装:ビームサーベル】
【所持品:デイバッグ(コッペパン×2 水2L入りペットボトル×2(少量消費) 前回のデータ入りディスク)
      タブレット状の精神安定剤 タブレット状の睡眠剤】
【方針:狂気に取り付かれて…】
【同盟:無し】
12管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/12(火) 00:04:10 ID:???
>11時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z 
 01彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡□□□彡彡彡彡彡彡彡★彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡彡彡□□△□□□◎彡彡彡★★〓△彡
 04彡◎□□△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△□┃□彡彡□□△△△□□▼▼彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06彡彡□□△□┣━〓━━━┓△◎△◎┛□彡彡彡彡彡△△  ■:森林
 07◎彡◎□□┏┛◎彡□□□┗━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓□彡彡彡彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡彡彡┃□△□彡◎■■△◎△□10┓彡彡彡□□△△  彡:海 川 オアシス
 10彡彡彡彡□┗┓□□□彡□■△△△□□┃□彡□□□△△  ━:道路
 11彡彡彡★□□┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△△  〓:橋
 12彡彡彡16★━┫◆23◎彡◎□□△△┏━┛◎彡□┃△◎△  ≠:破壊された橋
 13◎彡★★□□┗━┓□彡彡□△□┏┛□□彡彡□15━━━  ▼:市街地
 14□□□□□□□□┣━━1817▼26┛□□彡彡□★★□△◎  ★:基地
 15◎◎△∴∴□◎□┃□□彡□▼□□彡◎◎□□★≡★△△  U:灯台
 16△△∴∴∴∴□□┃◎□彡彡彡彡彡◎彡□□□□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□彡彡◎彡彡彡彡彡□□□┏┛□□□
 18△∴19∴∴◎∴22□□彡彡彡U□≠≠□□□□┃□□□□  ◎:立入禁止区域  
 19∴∴∴07◎∴∴21□彡彡彡彡彡◎彡彡彡◎□□┃□□□◎  ×:立入禁止予定区域
 20∴∴▼∴┏━━┫□彡彡彡彡彡彡◎彡彡◎□┏┛◎□△△
 21━▼16━┛∴∴┃□彡□□◎□□彡彡彡彡□┃□□△◎◎
 22∴▼∴∴∴∴∴┃□□□■■■■◎□彡□▼02□□△△△
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼┓□□△◎
 24∴◎∴∴◎△△□■┗━━━━┛■◎彡□□□┗┓□□△
 25∴∴∴△△△△□■■■■■■■■■彡彡■■□┗┓□△
 26△◎△△◎△□■■■■■■◎■■■■彡■◎■□┃□□
 
02と05と08と11と14は同一地点
07と13は同一地点
16と20と25は同一地点

H-12の◆は23が置き去りのコンテナ(中身はフィンダーインライフル)
13T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/12(火) 00:28:58 ID:???
>>9-11
「強制冷却マデ……40……20……」

警告の鳴り響く中、巨漢は冷静に機体を操作し続ける。
数回転バウを回したところで、ガンダムは「それ」を放り捨てる。
それはちょうど、Iフィールドジェネレーターの限界時間。
手の中に「握り潰した」、ビームの刃が復活するまでの時間。
限界ギリギリで、相手を投げ捨てた。

ビルをなぎ倒して飛んでいくバウ。
熱い息を吐き陽炎を身に纏い、それを睨む悪鬼の如きガンダム。
15秒の強制冷却時間、そして機体のオーバヒート対策。
説明してしまえばそれだけのことなのだが。

さらに止めをささんと、ガンダムがバウに歩み寄ろうとした、その時。

>>前スレ273-274
突如、乱入者が登場する。

ビームを乱射しながら突進してくるメタス。
巨漢は一瞬、ガンダムの手を翳して防御しようとして――慌てて身を翻す。
曲げられなかったビームがまっすぐ飛び、ガンダムの装甲を掠める。
まだIフィールド発生装置の冷却時間が終わっていなかったのだ。
バウの前で、その「限界」を見せてしまうガンダム。
横跳びに逃げようとするが、すぐに立ち並ぶビルに追い詰められる。
その連射、邪魔なビルの多い街中では、避け切れないかに見えた。
14T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/12(火) 00:29:38 ID:???
>10
しかし、その連射がガンダムを捕らえんとしたその時。
メタスの横腹が、爆発する。
バウの放ったグレネードが、その脆弱なボディを食い破っていた。
上半身と下半身を繋ぐ貧弱な3本の柱がへし折れ、下半身が砕け散る。
変形が崩れMSの上半身だけになり、ガンダムに向かって飛んでいく。

それでも、メタスはなおも戦う意思を示した。
慣性と爆風と背中のバーニアで、そのまま突進を続ける。
上半身だけの姿になってもなお、ビームガンをガンダムに向け――

しかし、既に間合いは剣の間合いで。
ガンダムの腰の大剣に、手が掛かっていて。
二機が、交錯する。


一瞬目を焼くビームの閃光。
下から剣を振り抜いた姿勢のガンダムの、左前腕外側の装甲が弾き飛ばされる。
そして、メタスは。

斜めに切り上げられ、上半身がさらに切り刻まれる。
コクピットは外したが、その特徴的な、尖ったMAの機首が斬り飛ばされる。
左腕が、肩のあたりで断ち切られる。
コントロールを失った胸ブロックが、なおも止まらぬ慣性とスラスター噴射で、地面を滑っていく。
コンクリートとの摩擦で火花を上げ、次々とぶつかる信号や道路標識を押し倒し。

完全に制御を失った形で、街の南に向けて暴走し、隣のエリアに姿を消した。
1分ほど遅れて、上半身の去った方角から爆発音が響く。
15T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/12(火) 00:30:26 ID:???

ボロボロのメタスの下半身だけが、街の交差点に残されていた。
それを見下ろす巨漢には……何の感傷もないようだった。
乱入者を始末したガンダムは、改めてバウに向き直る。
東の空から日が差し、定期放送が流れ始める。

【行動:20番の攻撃を回避(Iフィールド使いかけて回避に移行、掠める)(−1p)
    20番に攻撃(片手持ちのムラマサブラスターで居合い切り)(−1p)】
【残りP:2p】 【位置:C-21】
【機体状況:額に「13」のマーキング。胸部の髑髏のレリーフに斜めに傷痕。
      ヒートダガー・ビームサーベル各1本喪失。メインセンサー不良。
      左腕Iフィールド発生装置に損傷。左肩装甲破損。
      X字型スラスターの右下一本破損。コクピット直上の装甲に亀裂。】
【人物状況:ほぼ無傷】【通信状況:なし】
【武装:頭部60mmバルカン、ビームサーベル×1、 胸部ガトリングガン×2、
    肩部マシンキャノン×2 腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、
    ヒートダガー×1、ムラマサブラスター】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、コッペパン×1、水×1、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 改めて、16番との戦闘】 【同盟:無し】
何が悪かったんだろう。
メタスの腰で爆発するグレネードを感じながら、わたしは考える。
やっぱり出かける前にロイドさんには相談するべきだったのかなぁ。
ジンベイさんも、利用できるなら利用した方が良かったのかなぁ。

何でこうなっちゃったんだろう。
ガンダムに斬られるメタスの上半身の中で、わたしは考える。
何か、すごい間違いをしたような気がする。
最初っから、わたしは大きな勘違いしてたような気がしてきた。

何でまた負けちゃったんだろう。
激しく揺れるコクピットで、わたしは考える。
やっぱりガンダムには勝てないのかなぁ。だとしたら悔しい。
そういえば、前もガンダムには負けたもん。やめとけば良かったのかもしれない。

何が良くなかったんだろう。
緊急脱出装置のスイッチに手をかけながら、わたしは考える。
やっぱり頭が痛いのが悪いと思った。もうちょっと痛くなかったらちゃんと考えられるのに。
おにいちゃんがいてくれれば、楽になるのになぁ。

わたしのメタスは、街の大通りを南に向かって滑っていく。全然止まってくれない。
見えてきたのは、大きな湖。
重力下で脱出しても落ちちゃうけど、あそこなら大丈夫かもしれない。
わたしはメタスが水に突っ込むその瞬間、緊急脱出装置で飛び出した。
コクピットだけが丸く分離して、メタス本体から離れて湖の中に転がる。
ゴロゴロ転がって目が回って、訳分からないまま水の中に落ちた。
激しい衝撃で、一瞬気が遠くなる。

……。
…………。
………………クシュン。

わたしは、濡れた服のまま、湖の中に立っていた。
湖は思ったより浅かったけど、なんとか怪我もせず脱出できた。
少し近くには、水に半分漬かった状態で傾いている、メタスの上半身。
爆発して燃え上がるそれは、もう再起不能に見えた。
でも、あのガンダムがこっちに追いかけてきたら、戦う方法がない。
困ったなぁ。
何百回負けても生きてればいいんだけど。でもこれからどうしよう。

困ってるわたしとは裏腹に、湖はとっても綺麗だった。
少し風が出て波があるけど、すごく綺麗。
おにいちゃんと一緒に、こんなとこで遊べたらいいのにな。

「……あれ?」

わたしはふと、足元に漂ってきた赤い「何か」に気づいて拾い上げた。

「……薔薇の花?」

そう、それは薔薇の花だった。
何か透明なのに覆われた、薔薇の花。
それを拾った瞬間……わたしは、分かっちゃった。
湖の西の岸の方を見て、青と白の金属の塊が水面に覗いているのを見つける。

 ああ、なんだ。
 アリウスさん、もうやられちゃってたんだ。


    「ポンッ」


ボーッとしてたわたしの耳に、急に軽い音が聞こえた。爆発音?
同時に、まわりの風景が、くるくると回り始めて。
急に、頭がボーッとして。
白くなっていって。
青空が綺麗で。
湖に、誰かの身体が倒れていくのが見えて。
あれっ? って思ったけど、声が出なくて。
くるくると回って。
全部白くなっていって。




 ……白い光に包まれた世界で、わたしは浮いていた。
 たくさんキラキラしたものが光って、流れていく。
 わたしも、キラキラしている。
 やっぱり、綺麗だな、と思った。

 遠くにおじいちゃんが浮いていた。
 謝らなきゃ、と思ったけど怒ってないみたい。
 敬礼して、わたしを迎えてくれている。

 遠くにアリウスさんが浮いていた。
 やっぱり変な格好だと思うけど、でも似合ってるとも思った。
 ちゃんと薔薇持ってるね。こっちじゃ離さなくていいんだもんね。

 遠くに何人か見覚えのある人たちが浮いていた。
 施設で友達だった子たち。先生とか検査とかしてた大人のひと。

 そして、わたしが探してたあのひと。

 わたしは、おじいちゃんの、アリウスさんの、みんなのところに向かって飛んでいく。
 今度はちゃんと近づける。こんどは一緒に行ける。
 そして、わたしは、その中の一人の胸の中に飛び込む。

 逢いたかったよ、おにいちゃん!


【生徒番号20番 クルル=ヴァルデーン:死亡】【死因:機体喪失による首輪爆破】
【特記事項:死亡場所はC-22湖畔】
20ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/12(火) 21:09:08 ID:???
>>10
「・・・くそ!」
ジンペイの返事を待たず、駆け出す。待っていたら間に合わない!
走る。ただ走る。あまり体力が無い自分だが、それでも確実に世界新だと思える速さ。そしてZ+のコックピットに駆け登る。
戦況は不利。クルルのメタスは後ろから撃たれて損傷。
更に、邪魔するなと言わんばかりに後ろから撃った奴は強化人間だかニュータイプらしい。
おまけに、俺はそのどっちなのか判別が出来るほど能力が戻っていない。
だけど。この事実は他の側面も持つ。
そう。ニュータイプとオールドタイプの判別ぐらいができるくらいは力が戻ってる、という事実!
だから。俺はやれる。・・・やれるはずなんだ!
そんな想いと裏腹に、足は震え、冷や汗が流れる。
「この期に及んでビビるのかよ、臆病者!」
・・・相手はガンダムと強化人間?俺だってサイキッカーでガンダムのパイロットだ!
・・・能力が使えない?あっちだって戦闘し続けてるみたいだ、疲れでイーブンだろ!
だから!俺は・・・俺は負けないんだ!
そう自分にハッパをかけ、更に。
「・・・ロイド・エンデバー!ゼータガンダムプラス、行くぜ!」
叫んだ。自分の中にある不安を振り払い、自分の持つ「ガンダム」という名の力を信じるために。

C−19。
心臓は高鳴る。・・・しかし、それは何から来るのか。
『まだ』ここなのかという焦りか。それとも・・・『もう』ここなのかという恐怖か。
「くっ・・・『まだ』に決まってるんだろッ!」
焦り。恐怖。不安。そんな物が混ざり合って、これ以上ない最悪のメンタルコンディション。そう、これ以上ない。
―――だが。更に上があった。
>>14
「あ・・・」
そんな、情けない声が出た。・・・出すしかなかった。パイロットの力が抜けるのと同時に、Z+も失速する。
完膚無きまで。そう、完膚無きまで、斬られた。斬られて・・・墜ちていく。
脳裏に、ここに連れてこられる際にされたルール説明が再生される。
『機体が無くなれば爆破』
メタスはどう見ても戦闘不能だ。例え機体が爆発するにせよしないにせよ関わらず。
脱出ポッドが作動したところで、このプログラムのルール上そんな事に意味が・・・
「いや・・・まだだッ!!!」
再び、砕けよと言わんばかりにペダルを踏み込む。
俺にはこのガンダムと、ホワイトアークがある。ガンダムをクルルに渡して、俺は生身でホワイトアークの所まで戻ればいい、だから・・・!
「頼むっ、爆破しないでくれ!数分でいいんだ・・・!」
神に祈りながら。先生に懇願しながら。首輪の不調を願いながら。
メタスが1秒でも長持ちして爆発しないで、時間を稼いでくれる事を望みながらガンダムを飛ばす。
21ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/12(火) 21:09:55 ID:???
―――だけど。

メタスが、爆発した。

―――分かっていたんだ。

脱出ポッドから出たクルルを、俺のガンダムが捉えた。

―――あの厭な予感がした時から。

C−20に、ガンダムが入った。

―――ぼくは、彼女を失うって―――

・・・首輪が、爆発した。

倒れる。首を失った胴体が。
落ちる。黒こげの生首が。
・・・なんてスローモーション。ゆっくりどころか、刻が止まっている。

―――記憶が、フラッシュバックする。
「えっと、えっと、そのボールペンを浮かせて…………」
 わたしの手のひらまで届かせられますか?」

「どう・・・して」
もっと、彼女に見せてあげたかったのに。
もっと・・・彼女に笑ってほしかったのに。

「おにいちゃんはね…………
 おにいちゃんは、クルルとずーっと一緒にいたの。
 わたしの力はジオンの為にあるけど、おにいちゃんを守る為にもあるの。
 だから、早くおにいちゃんを見つけたい…………そう思うんです」

「何で・・・」
もっと、彼女を助けてあげたかったのに。
もっと・・・彼女に笑ってほしかったのに。

・・・俺には、救えないって、いうのか。
22ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/12(火) 21:11:57 ID:???
―――マリーが叫ぶ。
「どうして!お兄ちゃんが出ていく必要なんて無いでしょ!?
 お父さんとお母さんは私が説得するからっ!」
妹も。
―――スケイルが語る。
「だからこの化け物みたいな力を、俺は自分のためにしか使わないと決めたのさ。
 醜い大人達を利用して、自分の思い通りに生きるために」
親友も。
―――ルミテスが叱る。
「できそこないに構わないで。自然、そいつらに引きずられてしまうわ。
 ・・・私は、君に死んで欲しくない」
恋人も。
―――クルルが気遣う。
「大丈夫?お腹痛くない?熱はない?気分悪くない?お腹空いてない?わたしに何か、出来る事ない?」
少女も。
全て。ぼくには、何も、救えないって、いうのか。
そこまで、無力だって、いうのか・・・。

「は、はは・・・」
分からない。顔を伏せて、手を当てて、ただ笑った。だって他にどうすればいいか、分からない。
分からない。悲しみとか怒りとか憎しみとか悔しさとか、今自分が持っている感情が多すぎて、どんな気持ちか分からない。
いっそ壊れてしまう事ができれば、どんなに楽だろう・・・?
23ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/12(火) 21:13:02 ID:???
【行動:格納庫へ移動(1)搭乗・発進(1)移動C−18→C−20(2)】
【位置:C−20、街】
【残り行動値:0p】
【機体状況:MS,背面部装甲表面に擦り傷、ABCマントを脚部に着用済
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(全て新品同然)
        クレイバズーカ・拡散弾(気付いていないがヒビあり)
    予備(C−18に放置) 二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦(C−18に放置) メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:一部のニュータイプ的ESP系能力以外使用不能・狂い気味・Z+A型搭乗】
【通信状況:無し(艦は7番と繋がっている)】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.9、木刀、写真、重り×3、ボールペン、スポーツドリンク350ml
 艦内倉庫に入っている物・果物缶詰×2、魚の缶詰×2、拳銃×3 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(30食分) コーヒー紅茶セット クッキー、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:ただ、笑うしかできない・・・】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】
24キリト=ヴァルリック ◆OBrG.Nd2vU :2005/07/12(火) 23:43:40 ID:???
振り下ろされたビームサーベルはシャッコーを頭部から、
両断するはずだった。完璧に捕らえたと確信していたが
それを避けられてしまった。
その直後、衝撃と共にその意味を理解する。

辺りを覆っていた煙を三本の閃光が貫きGキャノンを襲ったのだ。
その閃光は残っていたマシンキャノンを破壊し
回避をしたシャッコーのビームサーベルが脇腹付近を
抉り取りコクピット内にも被害が及んだ。

その場に力無く倒れこんだGキャノン
キリト自身も壊れた破片を体中に突き刺さっていた。
額も割れ大量の血が頭から顔を伝い
血涙を流がしているような血の道ができていた。
視界もろくに見えていない状況で彼はまた出会う。
キリトを見守る子供たちを・・・。
エラーメッセージや警告音が鳴り響く中、彼には
静寂しか感じられなかった。
手を伸ばし触れられぬ事を知りながらそれでもその子達の
頭を撫でるよにその血塗られた手で。

?!

感触が伝わってきていた。血で濡れた手で子供が汚れることは無かった。
でも、確かに触れている。

「もうすぐです。もうすぐ先生もそちらに逝けそうですよ。」

何も無い空間にそれでもキリトの紅い瞳に映る子供たちに向けて
そして、現実に意識が引き戻された。
ボロボロの機体。それでも彼は自分を見失うことは無かった。

「くくくくっくくくくはははっはははははh 
 刃八派は8派はっ八母は刃は葉覇波破杷
 杷八派は母は歯は爬は端は琶簸覇波覇波h。」

笑うしかないそれだけ楽しいのだろう、それほど愉快なのだろう。
ぎこちなく駆動系が火花を上げながら本当に壊れ掛けの人形のように
狂ったように立ち上がる。

そして、腰に取り付けられたミサイルポットが一斉に
後方射撃をしていた三機に向かっていく
彼の狂気が乗り移ったかのようにただ殺戮に走るミサイル
残された光の剣を構えることなくGキャノンが
シャッコーに向かって走り始める。
最後の生命の輝きを垣間見るため、ただ本能の赴くままに
それでいて壊れ掛けとは思えないほどの奇怪で悪夢のように
鋭い動きでシャッコーに向かってサーベルを振り下ろす。

そして、ジェネレーターが限界を超え暴走。
Gキャノンから禍禍しい閃光が漏れ爆発。周辺を巻き込んだ。

最後まで彼の狂った笑い声が止むことは無かった・・・・・・・・。

【生徒番号05番 キリト=ヴァルリック:死亡】
【死因:ジェネレーターの暴走による爆死】
25天狗:2005/07/13(水) 00:35:26 ID:uAXftHhO
寝る前にIDだkでも
26ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/13(水) 00:41:17 ID:uAXftHhO
…_| ̄|○
何寝惚けてるんだろう…。
本当に申し訳ありません。>>25は私です。
27ジョセフ・ロバーツ ◆dzi5iUzr8I :2005/07/13(水) 01:30:52 ID:???
空の上で旋回を続けるモビルスーツ、いや、モビルアーマー。
先程から同じ場所をぐるぐると回りつづけている。
理由はわかっていた。

「僕に勇気がないからだ」

ここまでついてきたのはいいんだけれど。
話し掛ける勇気というか決意がなかなか湧いてこない。
本当についてきてよかったのだろうか?
……何も出来ない僕なんかがきても仕方がないよ。
役立たずどころか足を引っ張るだけだ。
そんな考えばかりが浮かんでくる。

「お願い、勇気をかして」

抱えたノートの表紙に指をなぞらせる。
見覚えのある字で書かれた題名。自分で書いたのだから当たり前と言えば当たり前なんだけど。
この詩集には僕の希望が、未来が、笑顔が、力がつまってる。
表紙を開くと同時にそれが心に溢れてくる。

「あっ…」

――延々と続く並木道の途中で
――僕は久しぶりに虹を見たんだ
――今の僕の目には5色ぐらいしか見えないけれど
――ずっと昔には虹の7色全てが見えていた
――いつだったんだろう
――その記憶は空に映る虹のように微妙に霞んでいて
――どうも、思い出せない

「ハハハ、懐かしいな」

それは預かっているだけの物。
だけど、僕にとってはそれ以上の物。

【行動:精神安定(-0)】
【位置:K-14】【残り行動値:4】
【機体状況:ハンブラビ(MA形態)】
【武装:背部ビームガン×2、ビームサーベル×2、腕部クロー×2、テールランス】
【所持品:ディパック、教科書、ノート、筆記用具、携帯音楽プレーヤー】
【行動方針:サラとの約束を守る、アルマさんを追う】
【同盟:なし】
28アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/13(水) 09:39:16 ID:fi17Lyxu
ではIDチェックをば
29リトラナ=クロームウェル ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/13(水) 14:07:52 ID:???
>前スレ299
『南・・・分かったよ、ありがとうおねーさん!さよなら!』

相当な早口で例を述べるなり、ロイドは通信を切った。
間髪入れず、輸送艦よりジンペイ・カザマキのセイバーフィッシュが飛び立ち、
それを追うようにしてロイドを乗せた輸送艦も基地より飛び去って行く。

彼らの飛び去った南の空を見上げているうちに、リトラの頭の内には、
かつて傭兵時代に触れる事になった、虐げられた者達の子らの姿が思い浮かべられた。
幼い瞳を憎悪に、そして力持つ者への憧れに煌かせ、銃を取る事を決意する子らの姿。
リトラを姉貴と呼んで慕った子も、モビルスーツの動かし方を教えてくれと真剣な眼差しと共に訴えた子も。
戦いに取り込まれた子らは、やがて死へと囚われる事となったのだ―――

と、リトラはいつのまにか彼らを追うように愛機の歩みを進めようとしている自分に気がつき、
舌打ちと共に歩みを止めた。

……今の愛機の状態で砂漠に飛び込むというのは、牙を取り戻すための戦いを無に帰す事に等しい。
先の定期放送で宣告されたとおり、風が強まるというのならば尚更だ。

今の自分が彼らに出来る事と言えば……結局、彼らの健闘を祈る事くらいのものであった。

「健闘を祈るというのもな……私の立場からすると、妙な話だが」

南の空へと敬礼を捧げるリトラ。
もともとリトラは敬礼というものを好まないが、相手の素性云々を問わず、
戦いへと向かう相手に対する敬意の表し方としては間違いではないだろう。

「……つまらん死に方だけはするなよ」

フゥと重い息を吐き出すと共に敬礼を解き。

リトラは再び工廠へと愛機を運び込むと、コンテナの中へと確保したズゴックの腕を分解し、
内部がむき出しとなっているディジェの左の二の腕と照らし合わせながら、
これから行おうとする作業の是非の検討を始めた。

マニピュレーターのような複雑なものならばともかくとしても、クローアームを閉じた状態で固定し、
必要な機構を肘の可動のみに限定するのならば、ズゴックの左腕で欠けたディジェの左腕を補う事が
出来るかも知れない。
接合部の強度を確保するには“ギプス”と同様の方法が有効だろうが、接合部がかなり太くなる為に
動きの自由度は大幅に狭まるだろう。
だが、それでもやる価値は充分にあると思えた。
腕という物は、ただあるだけでも使い道はあるからだ。

【行動 :   ロイド(ホワイトアーク)と通信終了(0) 再び工廠へと機体を運び込む(-1)
        左腕移植作業の準備(-3) 残0 】
【位置/場所 : D-12/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        破損箇所:左肘から先切断、放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下 】
【パイロット状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) ツナギ姿 】
【武装 : ビームナギナタ (ビームキャノン)】
【MS所持品: コンテナ/ショットガン(残弾6発) ビームマシンガン(残弾75%)
         ズゴックの左腕 ズゴックの装甲(おもに脚部装甲) ケーブル類 ゲルググヘッド 】
【所持品: 首輪 ディパック コッペパン×1 水2L入りペットボトル×1 歩兵用ヘルメット ケブラーベスト 煙草数箱 『バンダナ』
      応急処置が可能な薬品類&包帯類 『黒のワンピース・ドレス』 換えの衣服何着か
      クマの『ハロ』(ディパックよりチラッと頭だけ出ている) 】
【方針 : 私は“牙”を、取り戻す 】
30アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/13(水) 16:15:18 ID:???
必殺の気合いを込めて振ったビームサーベル。
俺に対して全力でビームサーベルを振ったのだろう、Gキヤノンはまだ体勢を立て直
していない。
攻撃のタイミングとしては、ベストに近い。
そしてビームサーベルがGキヤノンに届く瞬間、その機体が大きくぐらついた。
誰かの(おそらくルイスさんの)攻撃でキヤノン砲が破壊された、その反動みたいだ。
Gキヤノンを真っ二つにする筈だったビームサーベルは、そのぐらついた分だけ目標
を外れ、脇の部分を抉りとるだけに止まった。

がっくりと膝をつくGキヤノン。
真っ二つにはできなかったが、今の脇へのダメージも致命傷に近いだろう。
現に脇の切り口からはスパークが飛び、位置的にはコクピットに被害が及んでいても
不思議じゃない。
それでも最後まで油断は禁物だ。
念の為にGキヤノンから少し離れ、様子を見る。

動きを見せないGキヤノン。
最後の時は近い筈だけど、この沈黙はかえって不気味でもある。
その時、一方的に繋げられた通信回線からキリト=ヴァルリックの声が聞こえた。
「…先生?」
今までとはうって変わったその穏やかな声に少し気勢を殺がれ、興味を抱いた。
だけど考えを纏める前に、再び響き渡る笑い。
今度は笑い声も完全に度を越えている。
それはまさしく、戦闘狂の笑い……狂笑とでも言うべきか。

だがその狂笑は、俺にGキヤノンの最後の攻撃を予感させた。
頭の中から余計な考えを捨てる。
…死に逝く人間の事は、後からいくらでも考えられる。
今は最後まで集中を切らさず、俺自身が死に逝くはめにならないようにするだけ。
その俺の目の前で、Gキヤノンが壊れた操り人形のように立ち上がる。
軋む機体に、漏れ落ちるオイル。
定まらない足元で、よろよろと立ち上がるその姿は、キリト=ヴァルリックの狂笑と
合わせれば、殆どホラー映画さながらの光景だ。

それでも攻撃の意思を示すかのように腰のミサイルを一斉発射し、それと同時にシャ
ッコーに向かって一直線にダッシュをかけてくる。
あの状態の機体としては、驚異的とも言えるスピード。
残った推進力を全て吐き出そうとしている証拠だ。
そしてそれは諸刃の剣でもある。
あの状態でフルブーストをかければ、只でさえ危険な状態のジェネレータに更に負荷
をかける事になる。
その過重の負荷が限界点を越えた時、爆発という名の解放が始まる。

(続く)
31アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/13(水) 16:15:58 ID:???
キリト=ヴァルリックの執念が凄いのは認めなければならない。
1対4の不利の中、ここまで戦うとは誰が予想するだろう。
「でも…!」
Gキヤノンのビームサーベルが振り下ろされる瞬間、シャッコーを大きく右にステッ
プして避けようとする。
その時俺の目の端で、Gキヤノンの機体が光を放ったのが見えた。
「うわ…!」
太陽を思わせる光と、火山を思わせる轟音と、地震を思わせる振動。
咄嗟にシャッコーを伏せようとしたけど、その凄まじい爆風に押されて、傍のビルの
入口を突き破って倒れてしまった。
こうなった以上は、このままじっとしているしかない。
あとはビルが崩れ落ちない事を祈るばかりだ。
暫くして、光が収まったそこにはGキヤノンの存在を示すものは何もなく、荒れ果て
た街並だけがそこで戦闘があった事を物語っていた。

倒れていたシャッコーをそっと立ち上がらせる。
爆風の影響だろうか、左膝の少し反応が鈍い。
「…とんだ置き土産だ…」
溜息をつきながら、それでもどうにかシャッコーをビルの外に出した。
まあこれでも運が良い方だろう。
伏せるのが1歩遅かったら、破片で機体の一部くらいは持っていかれたかもしれない。

夜が明けている。
静寂を取り戻した街の中、朝日の眩しさに思わず目を細める。
朝と共に去っていく夜の闇のように、キリト=ヴァルリックは夜明けと共に消えていった。

【行動:ステップで躱す(−1)ビルから這い出る(−1)】
【残り:2】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食5日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
32ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/13(水) 16:26:16 ID:???
「あー………」

ぼやーっと視界が開けてきた。
どうやら離脱した直後に眠りこけてしまったらしい。
入っていた通信はいつもの定期更新。
大した内容でもなく、気にも留めない。

「………あー?」

前方確認。
地図ではこの辺りは基地になっているはずだが、その一角が無残に破壊されている。
これだけの規模、戦闘でも起きたか………
と思ったが、そうとも思えない。
これだけ破壊されるほど激しい戦闘となると、もはや一対一などというものではならない。
多対多でもなるかなるまいか。
そもそも、多対多などという状況がこのゲームでそうそう簡単に起こるはずはない。
となるとこれは、意図的に破壊されたのだろう。
恐らくは、後にこの基地に来た者が補給出来ないようにする為。

「なろー」

やったのは恐らくさっき戦ったレベッカとかいう女だ。
この基地を破壊した後に北に向かったという事だろう。
つくづく頭にくる。

「………あー」

しかし、まぁ、考えても仕方の無い事。
大体が今更あの女を追いかけて殺すだけの気力も無いし、そこまで腹は立ててない。
そもそも殺す前に殺されそうだ。
パイロットの技量としては、双方似たようなものだろうか。
しかし、決定的にMSの性能が違った。
が、なるべく言い訳はしたくない。
33ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/13(水) 16:27:17 ID:???
空腹だったファッツはコッペパンを腹に収めると今後の進路を決めはじめる。
といっても、ここから北に行っては逆戻り。
東に向かってはエリアから外れてしまう。
西は川が流れており、渡れたとしても逆戻りだ。
となると、向かう先は南しかない。

「ぐるーっと一周してみるかね」

南の街に立ち寄り、食料や水、その他日用雑貨を補給。
その後西へと進行し、北に進んで出発した基地へと戻る。
目的は優勝だ。
傷ついた敵がいるのなら、その場で殺し。
弱そうな敵がいるのなら、そこで殺す。
強そうな敵がいたら、すたこら逃げる。

「最後のはなんともヘタレくさいな」

しかし、今の自分の目的は優勝なのだ。
うだうだ文句言っていても仕方が無い。
まだこのゲームには半分以上の参加者が残っているのだ。
姑息に生きなくては早死にをする。
重要なのは生き残る事なのだ。

「隠れるってのもアリっちゃアリなんだけどね」

しかしまぁ、自分から動かなくては未来は来ない。
とかなんとか死んだばあちゃんが言ってたような気がする。

そんなこんなで弱そうな参加者を殺すべく。
誇りを失くした戦士はゆっくりと南下するのだった。

【行動 :移動(W-13→W-14→W-15→W-16→W-17→V-17→V-18)(-4P) 残り0P】
【位置 :W-13】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:なし】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×1
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー 
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :黒いワンピースドレス+銀髪のウィッグ】
【暫定行動方針:眠い】
【最終行動方針:優勝】
34ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/07/13(水) 18:46:17 ID:???
蒼空を切り裂き、衝撃波を撒き散らしながらメタスの後を追い続ける。
やがてレーダーにメタスの機影を捉えた、が、まだ遠い。
高速を保ちながら更に距離を縮めた矢先、新たな機影が二つ現れる。
しかも、メタスのとその二つの機影は、今まさに重なろうとしてる。
早まるな。言葉を歯で磨り潰す。ククルに追いつく迄あと少し!

その時、ロイドから通信が入ったが、返信する前に彼は行動に移ってしまう。
だが、それで良い。

しかし、それは一瞬の出来事であった。
ビーム粒子の熱源を探知、メタスが一機に対して攻撃を開始する。
だが、次の瞬間……メタスから大きな熱源が探知され……。
反応が二つに分かれたと思えば、片方の反応は急速に衰え、
残る反応は、隣接するエリアにまで吹っ飛んでいった。

速度をそのままに、メタスが交戦したエリアに突入する。
市街地には、二機のMSと……若干煤けた黄色の、MSの下半身部が横たわっていた。
それらにたった一瞥だけ送ると、C-21エリアに突入する。

「グウッ!」
その時。一瞬だが、頭に激痛が走った。
単なる発作的な物ではない、強い嫌悪感、絶望を感じさせる頭痛。

砂に囲まれた大地の中に、若干の緑をたたえるオアシス。
その小さな楽園の湖の真中、薄い煙を燻らせる、メタスの上半身……。
情景が、スローモーションのように流れて行く。
とても、嫌だった。その場から、飛び去りたかった。見なかった事に、したかった……。

                チイサナ ヒトカゲ

Zプラスへ通信回線を繋ぐ。
漏れて来る、ロイドの声。――笑っていた――・・・

「ロイドォッ!、気を保てぇッ!!」

奥歯を噛み締めながら、思いきり叫んだ。

「クルルの所へ、行ってやれ……奴らは、俺に任るんだ……。」

急激にトーンの落ちた声で続ける。
殆ど空になった増層を落とすと、操縦桿を握り直しながら、祈る。
そして、C-21の北部へ再突入した。
Zプラスとドクロのガンダム、バウに挟まれるように陣取ると、旋回して注意を引き付ける。
変形したZプラスなら、難無く飛び越えられるだろう。
無論、ロイドに向かって攻撃の素振りを見せる様なスキが有らば、
ドテッパラにロケット砲を打ち込んでやる。

【行動 : 移動−3 通信−1 残行動数0】
【位置 : D-19→D-20→C-20→C-22→C-21 (飛行中、市街地上空)】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:異常無し】
【人物状況 : 小疲労 疲れを感じてる場合ではない】
【通信状況 :ロイドへ通信】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4 60mm機関砲×1
       両用ロケット弾×6 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 デジカメ
       アルバム(未発見) 巻き寿司1食分 レーション×6食分】
【方針 : 機あらば攻撃】
【同盟 : 19番 ロイド・エンデバー】
【    : 20番 クルル・ヴァルデーン】
35ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/13(水) 19:39:47 ID:???
ビルの崩れる轟音と、何も見えなくなりそうな煙の中に吸い込まれていくビーム。
勿論、当たったかどうかなんて分からない
分かっているのは、あの中でシャッコーとGキヤノンが戦っているという事。
ニースは、半べその状態でそれを見下ろしている。

恐かった。
何が恐いのかよく分からないが、恐かった。
戦いが恐いのか、自分の持つ力が恐いのか、キリトが恐いのか、アルバートを失うのが恐いのか。
全部当てはまるような気がするし、どれも違うような気もする。

「…ぐす…っ」

鼻をすすって、薄れはじめた煙の向こうを見つめる。
今ビームライフルを撃っても、無駄な事くらいは分かる。
少し冷静になれたのは、この煙の中で、Gキヤノンから発せられていた黒い波動が弱まったような感じがしたからだ。

アルバートが心配でならない。
モニターを見れば、アルバートが生きているのは分かる。
それでもそれはコクピットの光景だけで、シャッコー自体の状況は分からない。
あの煙の中で、シャッコーがやられているのではないかという不安が、どうしても振り払えない。

『アルバート避けろ!!』

突然聞こえたルイスの声。
同時に、煙の中に閃光がいくつか走る。
何が起こったのか、ニースにはよく分からなかったが、黒い波動が更に弱まるのを感じた。
そして煙が消え去った後には、がっくりと膝をついたGキヤノンと、そこから離れて立っているシャッコーがいた。

「ア…アル、バードざん…」

アルバートの無事を確認して、涙が零れそうになる。
戦いが始まってから、失禁するくらい恐くて恐くて、混乱して、絶叫して。
それでも狂わずにいられたのは、アルバートの声があったから。
ニースを励ます、アルバートがいてくれたから。
そのアルバートの無事は、ニースにとってこれ以上ない喜びだった。

続く
36ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/13(水) 19:43:55 ID:???
だが、戦いはそれで終わりではなかった。
いや、むしろニースにとってはこれからが最悪だった。
ぼろぼろのGキヤノンから聞こえてきた、キリトの狂ったような笑い。

「ひっ…ぐぅ…!」

その常軌を逸した笑い声は、初めての戦闘で痛めつけられていたニースの心を、更に叩いた。

「や、あ…!や、め…やめ、やめて…!やめてやめてやめてえええ!」

声を限りに叫び、足をばたつかせる。
モニターのアルバートの顔も、傍のハスキー犬の声も、何も分からない。
飛んできたミサイルに、左の手首を破壊された事も気づかなかった。
キリトの声だけが頭の中で反響し、心が犯されていく。
あまりの恐怖に胃の中の物を吐き出し、また失禁する。
脳裏にどす黒い何かが溜り、その中で見た事もないはずのキリトが血まみれで笑っている。

「やめてやめぇてえやめへええ!いやいあいやいあやあああ!」

すでに口から出る言葉は、言葉ではなくなってきていた。
キリトの笑い声と大差のない、常軌を逸した叫び。
それはニースの精神の限界を示している。



静けさを取り戻した朝の町に、佇むゲルググ。
そのコクピットから、小さく聞こえてくる嗚咽。
結果から言えば、ニースの精神は寸前で崩壊を免れた。
Gキヤノンの爆発があと1分遅かったら、ニースはそのまま廃人になっただろう。
シートの上で膝を抱えて嗚咽するニース。

ニースの中に生まれた、戦う為の力。
その力による感受性の強さ故に、痛めつけられた心。
だが、ニースの心が壊れようが、プログラムは何事もなかったかのように今日も進んでいく。
生きる為に、それでも戦わなければならない。
それが分かっているから……それでも戦わなければならないから、辛くて、悲しい。

アルバートが無事だった事……それだけが、打ちのめされた心を癒してくれていた。

【行動:コクピット内で暴れる(−1)嗚咽(−1)】
【残り行動値:2】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:精神の疲労】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、作業着、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ
     保存食1週間分】
【行動方針:ハスキー犬の名前考えなきゃ、レベッカさんと同じ舞台に立つんだ】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬…名前はまだない】
37レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/13(水) 20:33:25 ID:???
流れ行く景色を見つめ続けて早1時間。
高速道路を降り、荒れた大地をひた走る黒い鎧を降り注ぐ太陽が容赦なく照り付けていた。
吹きすさぶ風が遠くの木々を揺らす。
枝々の擦れ合うざわめきが、微かに耳に届いたような錯覚にレベッカは立ち止まり、辺りを見回してみた。
遠く東に海が見える。
波の音はまだ聞こえてこない。
茶と灰、そしてまばらな緑の向こうに広がる青が目に届くだけ。
けれどもその青が、とても眩しい。

北の海はどんな色を見せてくれるのか。
シチリアの海と、果たしてどちらが綺麗だろうか――
そんな事を考えるだけで弾む胸を、軽く窘め少女は北へと歩みを続けた。

BGMはG線上のアリア。
奏でしは、木目の美しい古びたオルゴール。
気が向けば発条を巻き直し、また金属の音階で紡がれる旋律に耳を傾ける。

『今度お会いできる時までにはきっと……頂いたリボン、似合うような大人の女性になって見せますから。
 ですからその時は、夜のボクも子ども扱いしないで……ディナーぐらいはご一緒させて下さいね』

餞別にリボンを贈ってくれた上司へと宛てた最後のビデオメール。
『楽しみにしている』
簡潔な文面の手紙が、後日届いた。
数多居る部下の一人でしかなかった少女に、手書きの返事が届いたのだ。
思い出し、不意に目頭が熱くなる。
逢いたいと呟きそうになった唇を軽く噛んで、レベッカは押し黙った。
木と木のぶつかる音。
閉じられた蓋、鳴り止んだオルゴール。

気がつけば、目指す街はもう目の前だった。
38レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/13(水) 20:35:20 ID:???
【行動:R-09→R-05(-4)、写真からの懐古(-0)】
【位置:R-05(機体:街の入り口)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.2L×1、携行食糧6日、救急箱一式)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:チェリー食べたい、優勝】
【同盟:なし】
39ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/13(水) 21:03:34 ID:???
 強くなり始めた風に乗って 小さな声が耳に届いた 「おにいちゃん」 と。

 とてもとても小さかったその声は 笑いつづける狂気にとても深く入り込んで 引き金を引いた。
脳の中枢を大きく揺さぶり 強烈な吐き気と頭痛をまず齎す 哀れな強化人間はたちまち打ちのめされる。
憎悪が抵抗の意思を見せ 脊髄から運動神経を伝わり 何とか腕を動かそうと 奮戦してみるが
眼はグルグル 頭はガンガン 耳はキンキン 絶えられない苦痛 肉体と身体を極限まで痛めることとなり
それを抑えるためには 消えうせていた"理性"を使うしか 手段が残されていなかった。

 この場から 逃れたかった。 だから ハッチを開けた。 敵が 敵と意識していた物が眼の前に いるのに。
転がるように 橙の巨人から降りて 縺れる足を一生懸命動かして 適当な地面に身を伏せて 
腹の中から 内容物に混じって 今までのやな感情も忘れようと 吐瀉物を撒き散らした。
何故か 涙が止まらなかった。 その顔はひどく醜かった。 それでも構わず 泣いた。 全て吐き出した。
同時に 記憶の箍が 外れて 抑えられていた 堰を切って 脳に流れ込んできた。

 クルル ヴァルデーン。 

 全てが白に包まれた あの施設で。 たくさんいた 被験者の中で。 名簿を見た。 間違いなく 見た。
同じ場所に いた。 ネオジオンの 研究施設。 同じ時間に いた。 同じ UC.009……。
成績が優秀だった 自分より年下だったくせに。 ひがんでいた ような覚えがある。
たくさんいる中の 一人だった お互いに。 その内に いずこかへ いなくなった。 その後は 知らない。
俺は "おにいちゃん" なんかじゃない。 ただの "クラスメート" に すぎない。 それに もう "おっさん" だ。

 俺は 何をやってたんだろうな──

 逃げるだけ 逃げ回って 馬鹿のように 暴れまわって しまいには この様 だ。
吐き終わって ふらふら立ち上がって 壁にもたれかかり 何機かのMSを見上げて ハハハ 力無く 笑って見せた。
その眼には もう先程までの 狂気に満ちた モノは 消えうせていた。
そのかわりに やけに穏やかな それでいて はっきりとした やっぱり疲れたような 目線を掴んでいた。
戦う気はもう無くなった なんて 言ってみたところで 信じてもらえないかもしれないな。
あれだけ好き勝手 させてもらったんだ 殴られ様が 殺され様が 文句は言える物じゃないな。
だけど だけどな この腐りきった場所で 呪われた自分の運命に ようやく光が差したような気が する。

その場で 小さく呟いた 「もう少し…生きてみたいんだけど」 と。
40ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/13(水) 21:06:14 ID:???
【行動:MSから降りる(-1P) 20番の死に影響され正気に戻る(-0P)】
【残り:3P】
【位置:C-21】
【機体状況:左肩口から右腰に掛けての切り傷 表面装甲へ傷 駆動系へのダメージ】
【人物状況:頭部裂傷・精神大いに不安定】
【通信状況:無し】
【武装:ビームサーベル】
【所持品:デイバッグ(コッペパン×2 水2L入りペットボトル×2(少量消費) 前回のデータ入りディスク)
      タブレット状の精神安定剤 タブレット状の睡眠剤】
【方針:正気に戻る、他色々…】
【同盟:無し】
41エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/13(水) 21:50:28 ID:j53DoTYj
ID出しッ!
42ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/13(水) 22:07:15 ID:???
「は・・・はは・・・は・・・」
笑う。狂ったかのように、笑う。
思考が集中しない。なんで笑っているのか。今の自分は何を感じているのか。それすら分からない。
ただでさえ集中できないのに。他人の考えが、ぼくの中に聞こえる。
>>24
うるさい。
>>35-36
うるさい。
何もかも、うるさい。
あのバウも。ドクロのガンダムも。
生きる人間、全て。
うるさい。うるさい。うるさい。

―――気付かない。
―――能力が戻った・・・いやむしろ、クルルの死につられて能力が暴走していることに。
―――クルル以上に能力をコントロール出来ていない事に気付かない。

まるで頭が、出来の悪いラジオになったよう。感情も思念も、自分の物と他人の物の判別すらできない。
・・・だから、かえって喉を使った声はよく響いた。

>>34
「い・・・く・・・?」
その言葉の意味。彼の表情。声の感じ。・・・スベテ、ミエナイ、ワカラナイ。
カンガエ、ラレナイ。
だから。ただ、言うことを聞いた。
聞いて、MSを動かした。機械のように。
そうして、そこにたどり着いた。
43ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/13(水) 22:07:51 ID:???
それは、そこにあった。・・・クルルのなれの果て。
「・・・ああ」
降りて、足下にある、彼女を見つめる。
彼女は物も言わない。・・・言えない。考えもしない。・・・できない。
とても、しずか。だから、こころがクリアになっていく。
「ぼくは、また」
そうやってやっと、自分の中にあるもっとも大きい感情が、悲しみだと理解する。
「何も、できなかったのか・・・」
・・・それでも、ぼくは泣けなかった。何故だろう。
あまりに唐突だったから?
何も出来なかったから?
現実味が無いから?
・・・ぼくはもう、壊れてしまったから?
―――声が、聞こえる。
『ねえ、お願いがあるんだ、ロイドさん。もう一回あれ、やってほしいな。
 お兄ちゃんも見たいって!』
―――ぼくはもう、本当に壊れてしまっているのかもしれない。
(ああ。じゃあ、とびきりの奴を見せてあげるよ・・・)
す、とガンダムに目を向ける。搭乗者がいないのに、ガンダムは歩き出す。
『すごい!ロイドさんって、何でもできるんだね!』
(違う・・・ぼくは何もできない・・・君さえ、助けられなかった)
人は何人も殺してきたのに。誰一人助けられない。誰一人。
そこで、地面に何か落ちたのに気付いた。
『できるよ!ロイドさんは、わたしをすっごく楽しくしてくれた。
 ・・・だから、泣かないで、ね?』
あ・・・これは、ぼくの。なみだ・・・?
彼女に言われるまで、泣けたことに気付かなかった。
そうして、よけいに悲しくなった。
(何で・・・ぼくは君を守れなかったのに!)
ぼくは、決めたのに。君を守るって、決めたのに。
それなのに、どうして。ぼくを責めないんだ。
『さよなら。こっちに来ちゃ、いやだよ?』
「待って!待ってよ・・・!」
―――返事は無い。ただ静寂があるのみ。
幻覚か、それとも本当に彼女だったのか。分からない。
ただ言える事は・・・もう二度と、聞けない。もう二度と。
「は、は・・・参、ったな・・・」
ひどい。ひど過ぎる。
だって、この言葉は返せない。一生、背負い続けないといけないんだ。
ただでさえ、たくさん背負っていて。もう背負いきれないほどなのに。
また、追加されてしまった。降ろすことのできない、荷物が。
「ぼ、くは・・・ぼく、はぁっ!」
ただ、泣いた。狂ったように、でも狂うことができずに。
ただぼくは、泣き続けた。
44ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/13(水) 22:08:22 ID:???
【行動:移動C−20→C−22(2)Z+遠隔操作(1)】
【位置:C−22、砂地】
【残り行動値:1p】
【機体状況:MS,背面部装甲表面に擦り傷、ABCマントを脚部に着用済
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(全て新品同然)
      クレイバズーカ・拡散弾(気付いていないがヒビあり)
    予備 二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦(C−18に放置) メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:慟哭】
【通信状況:無し(艦は7番と繋がっている)】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.9、木刀、写真、重り×3、ボールペン、スポーツドリンク350ml
 艦内倉庫に入っている物・果物缶詰×2、魚の缶詰×2、拳銃×3 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(30食分) コーヒー紅茶セット クッキー、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:無し】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】
45T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/13(水) 22:31:28 ID:???

>>16-19
メタスの爆発を確認した巨漢は、改めて周囲を索敵する。
相変わらずモニタやメインセンサーが不良だ。ノイズにMSの反応が紛れがちだ。
しかし、これだけはっきり動いてくれれば、流石に見える。

>>21-23>>34
北から迫る2機の反応。まるでメタスの軌跡を追うような動き。

隣のエリアまで接近したのは、Zプラス。
何を考えているのか、しばらく動きを止めていたが、市街地を飛び越えるようにして湖に向かう。
一気にこのエリアにまで侵入してきたのは、セイバーフィッシュ。上空で旋回している。

巨漢は、この2機の動きに、首を傾げた。
殺し合いが避けられないこのゲームで、なぜこの二機は互いを攻撃しないのだろう。
それぞれにメタスを追いかけていたにしても、妙な動き。
巨漢はしきりに首を捻っていたが、やがて首を振って考えるのを止めた。


 そう、考えたところで、全部敵だ。


額に13の文字を掲げたガンダムは、上空の戦闘機を見上げる。
……高い。遠い。格闘用武装ばかりのガンダムには、いささか攻撃手段が足りない。
3種の実弾兵器はいずれも残弾僅かで、一瞬の牽制はできてもすぐに弾が尽きる。
ムラマサブラスターのビームガンも、射程と命中精度に難がある。
一瞬考えた結果、巨漢はそれを後回しにすることに決めた。
46T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/13(水) 22:32:35 ID:SfMT6zBd
>>39-40
そして目の前の当面の敵、バウ。
その様子は……明らかにおかしかった。
乱入者に攻撃したところまでは「合理的な判断」だったが、その後の動きが不自然にない。
奇策でもあるかと慎重に様子を伺うが、特に何もしない。
それどころか……機体から、一人の青年が転がるように降りる姿まで見える。

不審に思えども、巨漢の行動に変わりはない。
無人操作で動き出す様子もないなら、罠の可能性が少ないなら、すなわち……戦闘継続。


疵もつ髑髏を胸に抱えたガンダムが、駆け出す。
無人のバウの傍を駆け抜けながら、無造作に大剣で一閃。
その結果を見もせずに、街の南に向かって駆けてゆく。
ビルの合間をジグザグに走り、戦闘機の上空からの狙いを邪魔しながら。

やがて見えてくるZプラス。腰の周りになにやら布のようなものを巻いた細身の人型。
湖畔で、何をしたいのかゆっくりと歩いている。
髑髏のガンダムは、それが身構えるのを待つことなく、斬りかかる。

……モニタのノイズに紛れ、巨漢はZプラス足元近くの人影に気付かない。
巨漢の人間離れした感情が、殺意の刃としてZプラスに叩き付けられる。

人間らしい喜怒哀楽を欠き、孤独とエゴのみを土壌に培養された「自分以外の全て」に対する殺意が。


【行動:16番のバウに攻撃(ムラマサブラスターで通り過ぎざまに一撃)(−1p)
    C-21の戦場から撤退(−1p)、移動(C-21→C-20)(-1p)
    C-22のZプラスに攻撃(ムラマサブラスターで真っ向から斬り付け)(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:C-22】
【機体状況:額に「13」のマーキング。胸部の髑髏のレリーフに斜めに傷痕。
      ヒートダガー・ビームサーベル各1本喪失。メインセンサー不良。
      左腕Iフィールド発生装置に損傷。左肩装甲破損。
      X字型スラスターの右下一本破損。コクピット直上の装甲に亀裂。】
【人物状況:ほぼ無傷】【通信状況:なし】
【武装:頭部60mmバルカン、ビームサーベル×1、 胸部ガトリングガン×2、
    肩部マシンキャノン×2 腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、
    ヒートダガー×1、ムラマサブラスター】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、コッペパン×1、水×1、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 16番への攻撃 19番への攻撃 07番への対処(攻撃は後回し)】
【同盟:無し】
47T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/13(水) 22:33:32 ID:???
(行動訂正)

移動(C-21→C-20)(-1p)  → 移動(C-21→C-22)

単純なタイプミスです、申し訳ない
48エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/07/13(水) 23:19:54 ID:???
 砂漠を歩く。
砂嵐の予想はどうやら杞憂に終わりそうだった。
風は時おり舞い上がった砂と共に一面の壁となって機体を打ち付ける程度。
過去に経験したこれぞ砂嵐というものと比べれば天と地ほどの開きがある。
あとは方向に注意すればいい。
地平線まで続く金色の波は方向感覚を狂わせる。
真っ直ぐ進んでいると思っていたら、
緩やかに曲がっていて、同じところをぐるぐる回っているというのはよく聞く話だ。
移動の基準となりうる目印が無いからそんなことが起きる。
正しい方向を向いているか幾度も計器を確認しながら進む。

 進路の予定。
北の基地に行くことも考えられた。
食料の補給もできただろうし、
砂漠の行軍で機体内部に入り込んだ砂を落とすくらいの整備もできただろう。
しかし、昨日唐突に東から現れた【ホワイトアーク】なる物体は、
街をかすめるように北へ曲がり、索敵圏外へと消えていった。
街が戦場となっていたので、基地に行く先を変更したことは容易にに想像できる。
私が行けば彼らと鉢合わせる可能性は高い。
戦う気は既に無かった。
如何にして安全に、かつ早急に食料を得られるほうが大事だった。
途中までは真っ直ぐ北に進むが。
【D-16、17】付近から北の基地を避けるように北東に抜ける予定だった。

 浅はかだった自分を呪う。
所詮自分は労働者階級。
上からの命令に従順に従うロボット。
少し想像を進めれば分かることも分からない。
ああ悲しきブルーカラー、と嘆いてみたいがそんな状況ではない。
「はあ」
嘆く代わりにため息1つ付く。
戦うつもりは無かった。
そもそも近づくつもりすらなかった。
けれど、
向こうからこちらに来るのならどうにもしようがないのだ。
諦めの感情と共に接近する物を見据える。
まず先導するように現れた【セイバーフィッシュ】。
後に続くのは【ホワイトアーク】。
恐らく、街に向かった反応を追ってきたのだろう。
でもジンペイさん。何連れてるんですか?
泣きたくなったが、幸か不幸か涙は出なかった。
49エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/07/13(水) 23:20:27 ID:???
 対空戦闘準備! 武器がない!
退避壕に退避! 壕なんて人間サイズでも小一時間はかかる。間に合わない!
天は我を見放した。勝手に逃げろ! ……結局、これしかないわけだ。
レーダーを確認。逃げるためにも一応向こうの動向を把握しておく。
ホワイトアークが西に曲がり、【C−18】で停止した。
同時にMS大の反応が1つ南へと飛び去っていく。
艦載機だろうか。
MS大の航空機というのはもう突っ込まない。
名前が【MSZ-006A1 Z+A型】なる聞いたことの無い名前にも突っ込まない。
知らない機体と知らない名前のインフレ。
もう理性が付いていけそうも無かった。
何だという疑問は一応浮かびはするが、
そこから先に踏み込む気力が枯れ果てていた。
脇目を振らずすぐ脇を駆け抜けていくそれをみて僅かに安堵する。
しかし、別の物に逃避していられない。問題は横じゃなく前。
真っ直ぐこちらに向かってくるジンペイのセイバーフィッシュだ。
さっきのZ+Aと同じく脇目も振らず、
高空を減速するそぶりを見せずに。

 ……減速しない?
どういうことだ?
攻撃される側しか経験したこと無いが、
攻撃するときは大抵減速をしていた。
少なくとも向こうの速度が音速を超えていることはなかった。
航空機操縦の経験は無い自分でも
超音速で移動すれば、攻撃できる時間は数秒でしかないのは分かる。
もしかして、最初から攻撃する気がない?
私の存在なんて眼中にないのですか?
尋ねる前に頭上を飛び去っていく。
遅れて響いた重低音の衝撃波が答えの代わりか。
そーですか。ないですか。
所謂無視をされたのに安心しか湧いてこないのは何故だろう。
自尊心がないだけか、卑屈なだけか。
少なくとも誇れるような状態ではないが──まあいや。

 【C−18】に放置されたホワイトアークの反応があるがどうしよう。
偽装されている様子もなく、ポツンと佇んでいる。
気にはなるが、下手に触れて火傷するのも嫌だし、
放っておこう。
もしかしたら別のMSが搭載されているのかもしれない。
出て行った2人乃至3人を待っているのかもしれない。
砂の中に隠れ私を伏撃しようとしているのかもしれない。
俄然調べに行く気が無くなる。
それに、道草を食っている暇も無い。
行軍を再開した。
50エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/07/13(水) 23:21:04 ID:???
【行動:戦闘準備(-1)、移動(D−19→D−18→D−17→E−17)(-3)】
【残り:0】
【位置:E−17(砂漠)】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂】
【パイロット状況:かなりの空腹】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0),ビームトマホーク】
【所持品:布、綿、糸、裁縫道具、色鉛筆、型紙、人形
        水1L強、、MS整備の本】
【方針:食料確保】
51エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/13(水) 23:35:37 ID:???
高速で通り過ぎていく周りの景色。
攻撃は当たったのか、当たらなかったのか。それを確認する事は出来ななった。
けど……。
コンクリートを捲り上げながら着地するゲルググJ。
急いで後方モニターでGキャノンの方を確認すると……

「やっ……たの……かな。」
力無く倒れ込むGキャノンの姿が見えた。
誰の攻撃がその狂人に一撃を与える事が出来たのかはわからない。
しかしその肩に残っていた砲は既に無く、そして脇腹には大きな傷跡があった。
今度こそ……終わっ……た?

ごく僅かにだけど全身の筋肉を弛緩させる。痛い……全身が痛い。
それどころか闘いが終わったと頭が理解した瞬間、腕に力が入らなくなってしまっていた。

「疲……れた……。」
腕が動かない。足が動かない。首も動かせない。
……少し寝よう……。少し寝れば……また、動けるように……。

『くくくくっくくくくはははっはははははh 
 刃八派は8派はっ八母は刃は葉覇波破杷
 杷八派は母は歯は爬は端は琶簸覇波覇波h。』
「……!」
そう思ったときにコックピット内に響いた笑い声。
ぎこちない動きで立ち上がったGキャノンから立ち上る今までにない狂気。
それらは、油断しきっていた私の心の奥深くにまで浸食した。
心が、狂気に蹂躙され、陵辱され……あああああああああああッ!

ミサイルが向かってくる、でもそれはミサイルに見えない。
変なもの……私を殺しに来る紅い紅い変なもの……
落ちろ、落ちろ落ちろ堕ちろ落ちろ落ちろ墜ちろおちろオチロ。
二挺の拳銃を駆使し、ワタシに向かってきた二つの紅いものを落とす。
まだだ……マダダ……紅いものが……アカイモノが……あそこに……アソコニ……

「私を……ワタシを殺すのはお前かァぁァぁあァアッ!!!!!!」
絶叫する吼える叫ぶそしてそのまま突撃する。
その腕に二挺拳銃はない。道路にそれはうち捨てられていた。
変わりに握られたのは、只の、道路標識。
それをあたかも死鎌のように頭上に掲げながら、アカイモノに突撃し、鎌を振り下ろす。
ゴッ……という感触がコックピットに伝わったその瞬間、
モニター一面をアカイモノ……否、白い光が覆った。
反射的に、ワタシは光から逃れていた。私は……正面からそれを向き合えなかった。結局……敗北した。
そして、その光に包まれるようにワタシは意識を失った。
52エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/13(水) 23:36:45 ID:???
……次に意識を取り戻したその時、ゲルググJは瓦礫の中にいた。
直前に"逃げた"事が幸いしたのか、ダメージは思ったほど酷くはない。
機体の、ダメージは。

「は……はは……。」
何故か、笑いがこみ上げてきた。人が死んだのに。私は敗北したのに。
私は狂ったのだろうか。キリト=ヴァルリックが私に乗り移ったとでも言うのだろうか。
わからない。でも私は、笑っていた。
あの狂人の狂気に満ちた狂笑が伝染したように、

「……ははははははははッ!」

私は、笑っていた。

【行動:浸食(-0) ミサイル迎撃(-1) Gキャノンに標識−鎌−で攻撃(-1) 回避(-1) 笑う(-0)】
【残り:1】
【位置:U-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷 センサー一部障害 装甲にダメージ】
【人物状況:症状発生中(パニック) 脇腹に打撲(応急処置済み) ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分)
    ビームピストル(残弾:双方40% 路面に放置) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
         保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品)
    ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる ???】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース】
【共闘?:08番 ルイス?】
53アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/14(木) 00:17:20 ID:???
ニースとエルネスティーネの異常に気がついたのは、それから直ぐだった。
モニターには膝を抱えて泣くニースと、定まらない視線で笑うエルネスティーネ。
今まで戦闘の興奮の中で気がつかなかったのか。
…どちらかと言えば、エルネスティーネの方が危なさそうだ。

戦闘中のエルネスティーネからは、想像できない姿だ。
武器の扱いといい、咄嗟の機転の利かせ方といい、エルネスティーネは何らかの訓練
を受けてきた事が読み取れる。
その彼女が何故、という疑問。
勝利を確信して喜んでいる…ようには見えないし、情緒不安定というのも違う気がする。
一般的に考えられるのは、攻撃の衝撃で打ちどころが悪かったというところだけど…。

だけど…それは今考える事じゃない。
頭を1つ小突いてコンソールスティックを握る。
俺がしなければいけないのは、仲間としてエルネスティーネを落ち着かせる事だ。

路上に落ちているビームピストルを拾ってからシャッコーをゲルググJの傍に近づけて、
機体を埋めている瓦礫を1つ1つ退けていく。
「エルネスティーネ!
 分かるか……俺だ、アルバートだ。
 もう戦闘は終わったんだ!
 気をしっかり持つんだ、エルネスティーネ!」
瓦礫を退けながら、ゲルググJに通信を送る。
正直、どこまでエルネスティーネの耳に届いているか分からない。
この状態からすると外部スイッチでゲルググJのコクピットを開けて、直接エルネス
ティーネの肩を揺さぶるくらいはした方がいいかもしれないけど、とにかく先ずはこ
の瓦礫を退けてからだ。

視界の端に、まだ泣いているニースの姿も見える。
「ニース。
 大丈夫か、ニース。
 エルネスティーネを落ち着かせたら直ぐ行くから。
 もう少しだけ待っててくれ」

【行動:ゲルググJの傍に移動(−1)瓦礫を退ける(−1)】
【残り:2】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食5日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう、2人を落ち着かせる】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
54アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/07/14(木) 06:37:46 ID:???

『すいません、通信に気付きませんでした。
 何か……用でしょうか?』

眠っていたのか、作業中だったのか。
返事が無ければ速やかに接近して撃破することも考えていた彼女は、そっと胸を撫で下ろした。

「えっと、……あ、あれ?」

不意に過ぎり、言葉を切らせたのはガンダムのイメージ。

「だめ、そっちへ行っては……」
(え……)

返事の代わりに発した言葉は、目の前の人間とはまるで関係のない言葉。
アルマ自身にもよくわからない。

次の瞬間、彼女の脳裏に再びイメージが走った。
これは、髑髏のガンダムと……黄色い……誰?

「だめ、逃げて」

爆発、一閃、そして爆散。

「あ、お、お兄ちゃん、って……言った、あの子……」
(し、死んだ……?
 もしかしてνガンダムが伝えてくれてたの……?)


一連の不可解な衝動もおさまり、アルマは荒い呼吸を整えようとする。
何度も深呼吸をして、やっと鼓動は落ち着いた。
まだ頭に痺れるような感覚が残ってはいるが、先程と比べれば随分とマシになった。

「すみません、何か取り乱しちゃって……。
 私と、えーと、私の後ろにもあとふたりいるんですが、
 あなたをどうこうしようとは思いません。
 あなたが私たちを撃とうとしなければ、私はあなたに銃を向けません。
 私は、ここで少し休ませて欲しいだけですから」

そのついでにサイモンと情報交換できれば上々だ。
……図らずもクルルの死に感応することで思考をカットされた彼女は、
もっと以前に犯した大きなミスに気付いていなかった。

【行動:通信回線継続(0)、感応(-1)】
【位置:M-14/市街地】
【残り行動値:3p】
【機体状況:Green/通信回線:νガンダム、アッシマー、ガズアル】
【武装:ビームサーベル、3連装グレネード、内蔵ヘビーマシンガン(95)、ショットクロー(8)、
     ビームライフル、Eパック、偵察ポッド、Iフィールド、コンテナ(νガンダム)】
【生徒状態:Green】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx2、栄養ドリンクx7、ノートPC、食糧、生活雑貨、
      ベレッタ(16/15)、弾薬ケース、マント、バニーセット、ルージュ、携帯端末】
【行動方針:とりあえず東へ】
55ミヒャエル ◆wDvbiOAaYk :2005/07/14(木) 11:13:11 ID:???
 相手の機体から送られる、返事。
『えっと、……あ、あれ?』
 しかしそれは、奇妙な反応を示していた。
『だめ、そっちへ行っては……』
 その奇妙な反応に、ミヒャエルは不思議そうに首を傾げる。
『だめ、逃げて』
「あの、一体……」
『あ、お、お兄ちゃん、って……言った、あの子……』
(お兄ちゃん?)
 面食らうように、顔を引く。
 何を言っているのか、さっぱり理解できずに、不審な感じを受けざるを得なかった。
『すみません、何か取り乱しちゃって……。
 私と、えーと、私の後ろにもあとふたりいるんですが、
 あなたをどうこうしようとは思いません。
 あなたが私たちを撃とうとしなければ、私はあなたに銃を向けません。
 私は、ここで少し休ませて欲しいだけですから』
「そう、ですか……」
 そして、思い出したかのように、相手は喋りだす。
 後ろに二人居ると言った。さっきの言葉は、その後ろへ、発せられたのだろうか。
「私も……そういうつもりは無いんです」
 機体をゆっくりと全身させる。丸腰を示すために武器を上へ……等といっても、持っている武器が無い。
 手はだらりと放ったまま、彼は機体を前進させた。
 目の前まで来て、通信画面もオンラインとして、顔を映す。
 汗は出来る限りぬぐった筈だが、顔の赤さくらいは残っているだろうか。
 まぁ、それも仕方あるまい。彼はそう判断し、考えるのを止めてしまった。
「同じように、休みたくて、此処へ来たんです。
 攻撃の意思が無くて、助かりました……」
 コクピットハッチを開き、ワイヤーを脚へ掛けて地面へと降りる。
 ちゃんと、横目に確認している。近くには、丁度モーテルが見えている。そこへ行けば、ベッドくらい、確実に有る。
 降りたらそちらへ一直線に向かおう、彼はそう思って、地面を歩こうとした。
 足元がふらつく。
(中々、思い通りには行かないか……)
 苦笑しながら、ガズRの脚にもたれ掛かるように、腰掛けた。
 彼女が嘘を言っていて、油断させて攻撃を仕掛けてくる。
 そういった可能性は、一切忘れてしまうくらい、彼は気が急いていた。


【行動:通信持続(−0)、M−14へ移動(−2)、機体から降りる(−1)】
【残り :2P】
【位置:M−14】
【機体状況:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能、モニターに障害、胸部装甲破損】
【人物状況:完全に風邪】
【通信状況:17番、アルマと通信中】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、腕時計、鉢巻
     周辺の詳細な地図(フォルダ)、地形データディスク
     拳銃(12発×3)、サブマシンガン(4マガジン)】
【方針:街へ入って休みたい】
【同盟:―】
56ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/14(木) 18:17:51 ID:jBgnynrI
IDチェク
57ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/14(木) 18:37:33 ID:???
「オッケイ♪」

パタン、とコンパクトを畳んで一言呟いた。
寝て崩れてしまった化粧を何とかかんとか直した。
この先、誰に会うのかわからない。
会って恥ずかしくない格好だけはしておきたいのだ。
この格好が恥ずかしいってな感情もとうに消えうせた。
いや、消えたというよりは慣れた。

「………ん」

水を飲み干して、ボトルを投げる。
カン、とモニターにぶつかって地に落ちた。

「補給しないとねぇ」

街に行けば水くらい腐るほどある。
食料も同様。
流石に胃に入れたものがコッペパン一個だけでは腹が減ってしまった。
思えば街に居たのは一番最初の頃だけ。
しかも、特にこれといって補給も何もしていない。
これだけの日程が過ぎているのだから、それなりに物も腐ってしまっているだろうが
それでもコッペパンなんかよりはマシだ。

「肉、食いたいな」

食料、水、そして弱った参加者を狙い、ただ街を目指して南下していく。

【行動 :移動(V-18→V-19→V-20→U-20→U-21)(-2P) メイク(-1P) 残り1P】
【位置 :U-21】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:なし】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×1
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー 
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :黒いワンピースドレス+銀髪のウィッグ】
【暫定行動方針:街で補給】
【最終行動方針:優勝】
58ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/14(木) 19:34:36 ID:???
泣いた。泣いた。泣いて、涙も枯れた。
「う・・・ぼくは・・・」
・・・それでも、立ち直ったわけじゃない。
―――それなのに、その余裕すらドクロのガンダムは与えようとしない。
>>46
「・・・敵」
どうやらあいつはぼくも殺す気らしい。・・・クルルと同じように。
「・・・ふざけるな」
別れの決意ともに、コックピットへ上る。
・・・名残惜しくない、と言えば嘘になる。だけど。
俺は、まだ死ねない―――。
「せめて、安らかに」
そう言って、足下にあるクルルだったものを見つめた後、ハッチを閉じた。

目の前から突進してくる敵を睨む。
その動きには、純粋な殺意しかない。
だが・・・それは。
「・・・俺も同じだ」
さっきまであった表情が無くなっていく。
悲しみという感情は、怒りにとって代わられる。
その瞳は、まるで地獄の入り口のごとく漆黒。
「俺は。おまえを!絶対に許さない!!!」
その言葉に応えるがごとく、ドクロのガンダムが突っ込んでくる。・・・無駄がない。
その動きは「人を殺す」ということに関して見事なまでの美しさを持っていた。
・・・やる!
「瞬殺できないな・・・!」
なら、ここで戦ってはいけない。俺の足下にはクルルの遺体がある。
Z+を後ろに跳ばす。だが・・・敵はそれ以上に速い!あっさりとクルルの遺体を飛び越えて・・・。
「チッ!」
バズーカが斬られ、爆発する。
左腕にも傷が付いたか。パワーが落ちてしまうだろう。
だが、そんなことは関係無いことだ。真っ向から斬り合ってやるつもりはない。
俺が望むのは・・・無視界の中での戦闘。俺の力が最大限発揮される場所。
何か有益な情報を探るため、目を閉じて世界を視る。
「視つけた・・・砂嵐か。いける!」
そう言えば、定期放送で風が強くなると言っていた。なるほど、だからか。
砂嵐が来れば、普通の人間の視界は消える。だが、俺は普通じゃない。圧倒的優位に立てるだろう。
したがって、それまで待つのがベストなんだろうが。
「待てない・・・それまで!」
叫びと共に、コックピット内のボタンが押す。手を触れずに。PKの応用技。
「そこまでこいつを生かすっていうのが、気に入らないっ!」
ボタンから電気信号を受け取ったZ+は、素早く姿勢を立て直し、敵のコックピット目がけてマシンガンを連射した。
59ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/14(木) 19:35:44 ID:???
【行動:回避失敗(1)未来視(1)マシンガンで攻撃(1)】
【位置:C−22、砂地】
【残り行動値:1p】
【機体状況:MS,ABCマントを脚部に着用済、左腕に傷
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(残弾90%)
    予備(C−18に放置) 二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦(C−18に放置) メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:殺意全開】
【通信状況:無し(艦は7番と繋がっている)】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.9、木刀、写真、重り×3、ボールペン、スポーツドリンク350ml
 艦内倉庫に入っている物・果物缶詰×2、魚の缶詰×2、拳銃×3 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(30食分) コーヒー紅茶セット クッキー、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:仇を討つ】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】

訂正
下から3行目
ボタンが押す

ボタンを押す
60サイモン=クレイガー ◆JfFovM4OEg :2005/07/14(木) 22:42:13 ID:???
>>54

ファッツ・シュヴィールの生徒情報を確認し終え様子を見ていた最中、
通信の向こうにいた少女が端々に何かを呟く。
心ここにあらず――といった態。

(これは……ナインティの時に似ている?)

彼ほど取り乱した状態にはなっていないようだが、奇妙な様子と消耗に
微かながら似通った物が感じ取られる。
訝しみながら進展を伺う間に……どうやら落ち着いたようであった。
彼女が市街地をまたぐ遠方にいる相手と話をつける。

「さて、うまくいったってことでいいんだな。
 俺が見張りに立つから、一休み……の前に君から後ろの坊やをあしらってくれると楽なんだが……
 まあいい。セルフサービスでちゃちゃっと休憩を済ませてくれ」

言って、三度目となるであろうか、市街地の北部に座する高地へ足を向ける。

>>55

移動の間に、帽子付きの傍に鎮座した白銀の機体をカメラが捉える。
右腕があったであろう、切り取られ失われた空間が傷ましさを思わせた。

「おやま……ふ、む」

視点を拡大させるとおぼろに映る人影。機体の足元に腰掛けているようだ。
通信は聞こえないな、と独りごちた後にアルマへと話しかける。

「…やっぱ、ジョセフ君には俺から話をつけてみるわ。
 とりあえず、そこの青年に手を貸して休ませた方が良さそうじゃないかい、アルマちゃん。
 さすがに見張りはやりたくないだろ?」

話を聞く暇も聞かれる暇も無い。
雪だるま式に積み重なっていく問題を、額を小突いて追っ払いながら
機体を高地の麓へとゆっくり着陸させた。一時は降り続いていた雨も今は乾いた土の上、
砂埃を散らしながら機械の円盤は人型へとその身を変える。

【行動:移動(L-13→N-13)(飛行ボーナス適用)(-1P) 変形(-1P)】
【残値:2P】
【位置:N-13/山地】
【機体状況:アッシマー/MS形態 左腕部装甲に裂傷】
【人物状況:平常】
【通信状況:17番/アルマ=フローライト】
【武装:アインラッド(自動追尾)】
【所持:ディパック(水2L入りペットボトルx2、1.5Lx1、携帯糧食x4)
    ウェストポーチ(ナイフx1、ペンライトx1、煙草x1、コンパス付腕時計、携帯糧食x3)
    ショルダーポーチ(ポラロイドカメラ一式、筆記用具) ライターx1 毛布 包帯 幅広の布】
【方針:1.警戒】
【休戦:17番/アルマ=フローライト】
61リトラナ=クロームウェル ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/14(木) 23:01:43 ID:???
分解したズゴックの腕を調べてゆくうちに、根本的な問題点が浮き彫りになっていった。
ズゴックの腕部を動かす機構が流体パルス方式であるという点である。
リトラは今までフィールドモーター駆動のMSにしか触れておらず、
旧公国軍MSの殆どが流体パルス駆動であることを失念していた。

……ディジェの肘間接部のフィールドモーターさえ生きていれば、問題は無かったのだ。
必要なものは、肘の駆動機構のみであるのだから。
だが、生憎とハロルドのズサが放ったトライ・ブレードによって断たれた箇所は、
フィールドモーターを内臓する肘間接部であった。

「………む……」

顎に手を当て、額に皺を寄せながら思案にふけるリトラ。
と、資材の回収作業に用いたアイ・ザックの姿が目にとまった。

……駄目だ。
アイ・ザックもまた、駆動部には流体パル―――ス?

―――い・や?

傍らに駆け寄り、アイ・ザックの肘間接部を見ると、
その駆動方式はフィールドモーター駆動のようにも見えるのだ。

……しばし、アイ・ザックという機体の成り立ちを考える。
アイ・ザックとは、言うまでも無くRMS-106ハイザックをベースに偵察機として改修した機体である。
RMS-106という機体は実に特異な機体で、ザクのような外観の通り公国系の技術と、
そして連邦系の技術を併せた機体であった。
このMSの妙なところは、脚部の間接は公国系MSと同じく流体パルス駆動を用いているものの、
腕部に関してはフィールドモーター方式を採用しているという点であり―――

「―――!?
 フフ……あるじゃあ、ないか」

子供のように瞳を輝かせ、嬉々としてアイ・ザックの腕をバラす作業へと移ろうとするリトラ。

ディジェの上腕よりアイザックの腕を接合し、接合部をズゴックの腕の蛇腹部分を利用した“ギプス”で
覆う事で強度を確保。そののちマニピュレーター部分を排除した下腕に、カバーごとズゴックのクローを被せる。
これがリトラが新たに思い描いた、左腕移植作業工程である。

【行動 :   左腕移植作業(-4) 残0 】
【位置/場所 : D-12/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        破損箇所:左肘から先切断、放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下 】
【パイロット状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) ツナギ姿 】
【武装 : ビームナギナタ (ビームキャノン)】
【MS所持品: コンテナ/ショットガン(残弾6発) ビームマシンガン(残弾75%)
         ズゴックの左腕 ズゴックの装甲(おもに脚部装甲) ケーブル類 ゲルググヘッド 】
【所持品: 首輪 ディパック コッペパン×1 水2L入りペットボトル×1 歩兵用ヘルメット ケブラーベスト 煙草数箱 『バンダナ』
      応急処置が可能な薬品類&包帯類 『黒のワンピース・ドレス』 換えの衣服何着か
      クマの『ハロ』(ディパックよりチラッと頭だけ出ている) 】
【方針 : 私は“牙”を、取り戻す 】
62ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/07/14(木) 23:28:36 ID:???
二機を陽動するため、上空を旋回していたのだが、
ドクロのガンダムは予想に反し、ロイドの下へ掛けてゆく。
すぐさま機体を反転させて後を追う。
巧みに地形を利用し、住宅街を、ビル街を潜り抜けてゆく。
T-13……ドクロのパイロットは、並の腕ではない。

市街地を抜け、C-22エリアに戻る。
馬鹿デカイサーベルを携えたドクロは、Zプラスに向かって一直線に猛進する。
悔しいが、ドクロの加速力は尋常ではなく、出し抜かれたようにロイドへの接近を許してしまった。
その時、これまでに感じたことの無い、体の芯から吹き出るような敵愾心を覚える。
それはキリトの時とも違う、強く、純粋な殺意だった。

ドクロがZプラスに切りかかる。

「ッ!サマァッ!!」

空を切り裂く鮫が牙を剥き、獲物を食い千切らんとばかりに襲い掛かかる。
ドクロの左斜め後方より、前方に集中配置された機関砲郡が炎を吐いた。

【行動 : 移動−1 T-13に機関砲で攻撃−1 残行動数2】
【位置 : C-21→C-22 (飛行中、砂地上空)】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:異常無し】
【人物状況 : 強い敵愾心】
【通信状況 : 無し】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残90%) 60mm機関砲×1(残32発)
       両用ロケット弾×6 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 デジカメ
       アルバム(未発見) 巻き寿司1食分 レーション×6食分】
【方針 : ロイドを失わない 敵の撃滅】
【同盟 : 19番 ロイド・エンデバー】
63T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/14(木) 23:38:10 ID:PN0ILY9O
IDチェック
64ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/07/14(木) 23:45:39 ID:h/NILN6K
すいません、ID出し忘れていました。
65T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/15(金) 00:14:53 ID:BEq6tokY
>>58-59
Zプラスの反応は、良かった。
必殺の剣撃が捕らえたのはバズーカだけで、本体は素早く後ろに跳んでいる。
その動きは、単純な熟練以上の「何か」を感じさせた。
回避の起こるタイミングが、通常より半呼吸早い。
そのまま、マシンガンの銃口を向けてくる。
だがこれは、巨漢にとっては丸見えの動き。余裕を持って避けようとしたその時……

>>62
セイバーフィッシュが北の空から迫る。
まるで打ち合わせたように、Zプラスと同時にいびつな十字砲火を形成する。
頭部センサーの不良で一瞬セイバーフィッシュを見失った巨漢は、避けきれない。
Zプラスのマシンガンは避けたものの、航空機の機関砲がガンダムの身体を襲う。
そのほとんどは角度が浅く、装甲に傷をつける程度のものだったが……
降り注ぐ弾丸の何発かが、既に装甲の失われている左肩にも命中する
コクピットに、左腕の機能が完全に喪失したことが表示される。

「…………フシュル………」

巨漢が息を吐く。頭上を飛ぶセイバーフィッシュと、目の前のZプラスを忌々しげに見比べる。
このルールの下で同盟が成立する可能性は、巨漢には理解しがたいものだったが……
それでも、この2機が手を組んでいるのは間違いない。
それでも、この2機の間に信頼関係があるのは間違いない。
それでも、この2機が良いコンビであることは間違いない。
それでも、この2機が――それとも、さっきのメタスも含めた3機が?


 巨漢は、たった一人だというのに。
 この「プログラム」の中でも、外でも。
66T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/15(金) 00:15:23 ID:???

「………ウガァァあッ!」

髑髏のガンダムは剣を納めると、右手を自分の左腕にかける。
そして咆哮と共に、自ら役立たずとなった左腕を引き千切る。

「ウォオおオヲおぉォォ!!」

ガンダムのフェイスカバーが開く。ガンダムが吼える。
怒りも露に、巨漢が吼える。
嫉妬と憎悪をむき出しに、引き千切った左手を持ったまま、Zプラスに向かって駆ける。
マシンガンの火線を飛び越えるように、大きく跳躍する。
Zプラスを踏みつけるように放たれる、鋭い跳び蹴り。その足裏にはヒートダガーの刃が覗く。
それと同時に、Zプラスを踏み台にするようにして――自分の左腕を、投擲する。
上空を旋回するセイバーフィッシュ目掛けて、腕が回転しながら飛んでいく。


【行動:19番の攻撃回避(−1p)、07番の攻撃回避(失敗)(−1p)
    19番に攻撃(足裏ヒートダガー蹴り)(−1p)、07番に攻撃(左腕投擲)(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:C-22】
【機体状況:額に「13」のマーキング。胸部の髑髏のレリーフに斜めに傷痕。
      ヒートダガー・ビームサーベル各1本喪失。メインセンサー不良。
      左肩から先喪失。X字型スラスターの右下一本破損。
      コクピット直上の装甲に亀裂。】
【人物状況:ほぼ無傷】【通信状況:なし】
【武装:頭部60mmバルカン、ビームサーベル×1、 胸部ガトリングガン×2、
    肩部マシンキャノン×2 腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、
    ヒートダガー×1、ムラマサブラスター】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、コッペパン×1、水×1、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 19番07番との戦闘】
【同盟:無し】
67ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/15(金) 14:02:51 ID:???
あの戦いの中で、ニースが見たものはなんだったのか。
キリトを最初に感じたときは、黒いもやもやとしたイメージしか沸いてこなかった。
それが時を重ねていくうちに、だんだんとはっきりしていって、最後には見た事もない筈のキリトの顔になっていた。
ニースの内に生まれ、育っていく力。
時には見る物がスローモーションのようになり、時には見えるはずのないモノを察知する。
それがなぜニースの身に付いたのかは、誰にも分からない。
神の恩恵なのか?
それとも悪魔の悪戯なのか?

だが、コクピットで膝を抱えるニースに、それを思う余裕はない。
いや、たとえ思ったところで、答えなど出ないだろう。
ニースに今できるのは、生きる事。
どんなに無様でも、どんなに情けなくても、その先を目指して生きる事。
涙を流すのも、嘔吐をするのも、失禁するのだって、生きているからこそ。
そして生きていれば、何かが見えてくるのかもしれない。
ニース自身も、その内に目覚めた力も、まだ成長途上なのだから。

『ニース。
 大丈夫か、ニース。
 エルネスティーネを落ち着かせたら直ぐ行くから。
 もう少しだけ待っててくれ』

その声に僅かに顔を上げて、ゲルググの外を見る。
ゲルググJを助けだそうとしているシャッコーが見える。
モニターには、たがが外れたような笑い声を上げるエルナの姿。
アルバートが、エルナの助けを優先するのは仕方がなかった。

アルバートは優しい。
常にニースやエルナの事を、気づかってくれている。
少なくともニースの人生の中で、これほど優しい人に出会った事はなかった。
その笑顔も、声も、仕草も、全てが輝いていた。
ニースは、このプログラムの中でその笑顔を見ていられる事を幸せに感じている。
アルバートに出会えた事、そして心を通わせられた事を生涯の糧としている。
そんなニースだからこそ、アルバートの迷惑には絶対になりたくはないのだった。

「…あたし大丈夫だよっ」

少し無理をして笑顔を作り、ゲルググをビルの上から下ろした。
本当は今すぐにでも、シャッコーのコクピットに飛び込みたい。
そしてアルバートの温かい胸に抱かれたい。
アルバートが頭を撫でてくれたら、打ちのめされた心もあっという間に安らぐだろう。
アルバートがキスをしてくれたら、身体の震えもどこかにいってしまうだろう。
だがそれは、今は望んではいけない事だった。
アルバートの優しさは、ニースだけに向けられてはいないのだから。

続く
68ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/15(金) 14:04:25 ID:???
「あたし、すごい汗臭くなっちゃったからさ。
 ちょ、ちょっとデパートで着替えてくるっ」

そしてアルバートに近づけない理由が、ここにもう1つ。
ニースはさっきの戦闘中に、恐ろしさのあまり失禁した。
そしてキリトの狂気に触れて、嘔吐もしている。
…当然コクピット内は、すごい事になっているのだが…。
ニースに懐いているハスキー犬が近づいてこないところを見ても、そのすごさが分かる。
ニースは無用心にアルバートに近づいて、それを悟られるのが何よりも嫌だったのだ。
とにかく、今のうちに着替えて、少しでも中の掃除もしてしまいたかった。

ゲルググをデパート前まで移動させて、外に降りた。
異臭漂うコクピットから出て、思い切り深呼吸をする。

「…急がなきゃね」

作業を続けるシャッコーをちらっと見て呟くと、デパートに入って衣服売り場へと走っていった。

【行動:ビルから降りる(−1)デパート前に移動(−1)ゲルググから降りる(−1)衣服売り場へ移動(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:心身の疲労】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、作業着、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ
     保存食1週間分】
【行動方針:ハスキー犬の名前考えなきゃ、レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、着替えて、掃除して…】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬…名前はまだない】
69ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/15(金) 19:02:12 ID:CCZZ89e6
IDチェック〜
70ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/15(金) 19:24:00 ID:???
>>63
「・・・上手い!」
俺のマシンガンに合わせ、素早く十字砲火の形を作り出すジンペイ。
やっぱりただ者じゃなかったらしい。
だが。
>>65
こいつも、ただ者じゃないらしい。
「そろそろ消耗してるはずなんだけどな・・・」
こいつの過去を「視る」限り、相当な数の人間と連戦してきている。
にも関わらず、ドクロのガンダムにもパイロットにも限界は見えない。
「いい加減・・・諦めて死ねよ!」
叫んで、ビームカノンでの射撃に切り替えようとした瞬間。

・・・殺意の形が、変わった。
「・・・何だ?」
あくまで俺が読めるのは、思念の形。つまり感情。読心術のレベルまでは達していない。
だから不可解。戦闘機に攻撃されたぐらいでなぜこうも変わるのか。
「そんな事考えても仕方ないか。殺す相手のことなんか考えても・・・」
そう言って、正面を見る。・・・そこでは、考え以上にもっと不可解な行動が見えた。

剣を納め、左腕を引き千切るドクロのガンダム。
普通の人間なら何をするのか分からず、戸惑いが生まれるだろう。
だが・・・
「視えた!」
俺も、ただ者じゃない。サイキッカーである俺に、そういう奇策は通用しない。
蹴りを繰り出してくるドクロ。その足の裏が開く。
「知ってるよ・・・ナイフが出るんだろ!」
言って、手をクロスさせてガードの姿勢をとる。同時に姿勢を低くする。
結果、ガードした腕にはナイフは突き刺さらず、かかとだけが当たる。
その衝撃で右腕の装甲が少し凹む・・・つまり、ただの蹴りを喰らったのと同じ損傷。
そして、蹴りがヒットすると同時に、その衝撃も使って後ろに跳ぶZ+。距離が開いた。
あとは投げられる腕を回避すれば勝ちだ・・・!
そう思考した瞬間。やつは俺同様に衝撃を生かし、跳んだ。

・・・ジンペイの戦闘機に向かって。

しまった、と思った。単純な読み違え。何をやっているんだ俺は!

とっさに通信回線を開く。ドクロのガンダムへ向かって。
「お前の相手は、あくまでこの俺だっ!」
安っぽい挑発。それと同時にマシンガンを左腕に持ち替えて発射、更に右腕で抜刀、一気に距離を詰めて斬りかかる。
戦闘機とガンダム、まともに戦った場合の結果は見え透いている。
だから戦闘機の役割は、あくまで支援じゃないといけない。そうしなければ、やられる。
なんとかして奴の注意をこっちに向けないと!
71ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/15(金) 19:25:33 ID:???
【行動:未来視(1)ガード(1)25番に通信(1)マシンガン&ビームサーベルで攻撃(1)】
【位置:C−22、砂地】
【残り行動値:0p】
【機体状況:MS,ABCマントを脚部に着用済、左腕に傷、右腕に凹み
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(残弾90%)
    予備(C−18に放置) 二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦(C−18に放置) メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:殺意全開】
【通信状況:25番】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.9、木刀、写真、重り×3、ボールペン、スポーツドリンク350ml
 艦内倉庫に入っている物・果物缶詰×2、魚の缶詰×2、拳銃×3 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(30食分) コーヒー紅茶セット クッキー、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:仇を討つ】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】
72レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/15(金) 20:17:43 ID:???
フロートへと続く橋の上、全身を黒く染めたMSが佇んでいる。
見上げれば遥か遠くまで続く青。
見下ろせば遥か彼方まで届く蒼。
二つのアオが、遠く彼方で交わり水平線を形作っている。
蒼には波濤の白が時折混じり、青には雲の白が流れて不規則な模様を描き出す。

黒いMSのコックピットの中。
雪色を帯びた金糸の髪を指先で弄りながら、白皙の少女はその景色に息を呑む。
オーストラリアの近海で見た珊瑚礁の海とも違う。
シチリアのビーチから眺めた穏やかな海原とも違う。
けれども、やはり海は美しい――レベッカは心からそう思った。

思った途端に胸の中がざわめき出す。
泳ぎたい、と心が囁く。
服を脱ぎ捨て、今すぐにあの蒼の中に飛び込みたい。
一糸纏わぬ肌に水の冷たさを感じながら、蒼い空から降り注ぐ日差しを存分に浴びられたらどんなに心地良いか。
きっとこの髪も、あの人が褒めてくれた時と同じように輝いてくれる筈。
幼い頃、ホテルのプライベートビーチでそうしたように、今すぐ水の中へ――

コックピットハッチを僅かに開くと、コンピューター処理を経ていない本物の青と蒼が目に飛び込んできた。
念入りに被り直したフードを海風がはためかせる。
レベッカは慌てて乗り出した身を引っ込めた。
胸元に手を当てれば、服越しでも充分に伝わる豊かな柔らかさの奥、忙しなくリズムを刻む鼓動がある。
薄桃色の唇、軽く噛んだ歯はくすみ無く白い。
誘惑は抗いがたく、けれども決して従ってはならない。
心に浮かんだ彼女の欲求は、充足する事が即ち死とイコールになってしまうから。
潮騒の音は甘い囁きのように耳に響く。
だから、耳を閉ざすようにハッチも閉ざした。
73レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/15(金) 20:19:31 ID:???
*  *  *  *  *

十徳ナイフをディパックにしまい、溜息一つ零してウェットティッシュで指先を拭うレベッカ。
缶詰の中、チェリーは既に残っておらず。全て、彼女の胃の中に納まっていた。
好物の筈なのに余り味がしなかったのは何故だろうか。

茜色に空が染まるまで、あと少し。
日没が訪れるまでは2時間弱といったところか。
凡その見当を付け、レベッカはもう少しの間だけ、海を眺めながら体を休める事にした。

【行動:十徳ナイフ及びウェットティッシュ調達(-2)、R-05→S-05(-1)、軽食と休憩(-1)】
【位置:S-05(機体:浮島へ続く橋の上)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.2L×1、携行食糧6日、救急箱一式)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:チェリー食べたい、優勝】
【同盟:なし】
74エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/15(金) 23:00:14 ID:???
「は……はは……っ、ははは……は……は……ぁ……。」
しばらく訳も分からずに笑い続けていた。
そして、笑いがこみ上げてくるのが急だったのならば、治まるのも急だった。

「ぁ……あぁ……ッ。」
変わりに口から漏れたのは、呻き声。
いつもどうり……と言っていいのかどうか解らない頭痛と、
何時までも耳にこびり付いて離れないあの狂笑の所為。
痛い……痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
……異常だ……異常だ……!只の一人、只の一人の紅い目をした狂人が死んだくらいで……
"只 の 一 人 死 ん だ く ら い で ?"

  *   *   *

紅い世界でワタシは、笑っていたのか、泣いていたのか。
 感覚も、感情も既に麻痺していいたから、覚えていない。
  只……その視覚に唯一映っていたのは、赤。紅。朱い色ばかり。
   血の赤。人の血の紅。人がその首元などから流れ出した朱い朱い血の朱。

それらは床を染め、壁を染め、ワタシを染める。
 抵抗する事すら出来ず、ワタシはその色に染められる。
  あの色は……あの色が……朱がワタシを染めて、コワシテイク……。

  *   *   *

「嫌ァァァァッ!要らない!そんな記憶要らない!
 やめて!思い出したくない!忘れさせて!消えてェェェッ!」
両手で顔を覆い、叫ぶ。先程の記憶を全力で否定し、無かった事にしようとする。
でもそれは、ワタシの心の奥に刻まれた、強烈な出来事の記憶。
その記憶の危険さ故に、ワタシの心は私自身を壊してまで、それを封印した。
でも、"それ"は一度蘇れば頭で消そうとしても消せない記憶。
それの復活により、ワタシの心は今度こそ完全に壊れ……そうになった。

『エルネスティーネ!
 分かるか……俺だ、アルバートだ。
 もう戦闘は終わったんだ!
 気をしっかり持つんだ、エルネスティーネ!』

「……ッぁ……。」
誰かの声が、その時聞こえた。
聞こえた事そのものが、奇跡だったのかも知れない。
ワタシは、だれかの気配を感じた。
それは両手と涙との向こう、さらに機体の外。とても遠いけど、とても近い場所。
その人から……狂気は、感じられなかった。朱い色も、無かった。
心から仲間を気遣う心……優しい、心だった。

「……アルバー……ト……さ……ん?」
75エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/15(金) 23:01:31 ID:???
【行動:笑う(-0) フラッシュバック(-1) 叫ぶ(-0)】
【残り:3】
【位置:U-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷 センサー一部障害 装甲にダメージ】
【人物状況:症状発生中(パニック) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
         保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品)
    ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる ???】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース】
【共闘?:08番 ルイス?】
76ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/07/16(土) 11:30:43 ID:cldnSeap
ID出します
77アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/16(土) 13:42:23 ID:???
俺の呼び掛けに答えたのは、ニースの方が早かった。
声を聞くだけならそこそこ大丈夫のように見えるけど、まだ顔色は良くない。
まあニースにとっては生まれて初めてのMS戦だったろうから、健康に見える方がか
えっておかしいような気もするけど。
ニースはゲルググをデパート前に停めると、着替えをしに入っていく。
その足取りはまだしっかりしてたから、今のうちに少しでも休んでほしい。
キリト=ヴァルリックのような生徒がまた来る可能性もあるのだから。

それよりも、今はとにかくエルネスティーネだ。
シャッコーに瓦礫を取り除かせながら、モニターのエルネスティーネを見る。
正直何故、彼女がこんなになってしまったのか分からない。
問題はこの症状が初めて出たのかという事と、何故出たのかという事だ。
エルネスティーネの名前を呼び続けながら、可能性を模索してみた。

症状が今回が初めてだったとすると、そのきっかけはこの戦闘だった可能性が高い。
ただその説を取ると、エルネスティーネは今のが初めての戦闘という事になる。
エルネスティーネが何らかの訓練を受けているのは多分間違いないが、実戦経験は
俺と同じようになかったという事だろうか。

そして症状が初めてではないとすると、きっかけは戦闘ではなく、たまたま発作が戦
闘中に出てしまった可能性が考えられる。
この場合、エルネスティーネが軍にいた可能性は低くなる。
軍がいつ発作が起こるかどうか分からない人間を入れるとは思えないから。
病状を偽って入隊しても、発作が1回起こればそれでばれてしまう。
症状が軽いものでも敬遠されるのに、今回のエルネスティーネのような戦闘行動に影
響を与えてしまうものでは、即除隊になりかねないし。
そういった面を考えると、エルネスティーネが訓練を受けているのならそれは正規で
はなく、もっと私的なものだった事になる。

そこまで考えを進めたところで、エルネスティーネの変化に気づいた。
さっきまでの狂的な笑いが治まっている。
そしてその表情は、きょとんとした印象を受ける。
おそらく意識がぼんやりしてて、現状の把握があまりできないのだろう。
『……アルバー……ト……さ……ん?』
だけど記憶の混乱などはないみたいだ。
ほっとして、思わず笑顔がこぼれた。

「ああそうだ、アルバートだ!
 …ええと…その、俺は医療の知識がないから良く分からないんだけど…。
 体調は大丈夫かエルネスティーネ?
 頭が痛いとか、そういう症状はないか?
 目眩がするとか、だるいとか、何かあるようなら…」
たとえ何かがあったとしても俺に適切な処置ができるわけじゃないけど、それでも聞
かずにはいられなかった。
何となく、孤児院で子供の看病をしてた時の自分を思い出した。

【行動:エルネスティーネの症状を考える(−1)引き続き瓦礫を退ける(−1)】
【残り:3】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム
    ローター】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食5日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう、エルネスティーネを看る】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
78ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/07/16(土) 16:09:52 ID:???
ロイドの攻撃を避けたドクロは、無防備な姿を曝け出していた。
目標を射線上にぴたりと合わせたのを見計らい、発射釦を押すと、
鈍い衝撃ととも機関砲弾が吐き出された。

折り重なる火線が、ドクロの左半身へと吸い込まれてゆく。
表面装甲に阻まれ、25mm弾が次々に弾かれる。
だが、60mm砲弾は確実に炸裂し、相手の左腕から若干の火花が確認できた。

効果有り。一撃を終えて次の体制に移ろうとしたその時、何かが背筋に訴える。
雄叫び。己の左腕を千切ったドクロが、Zプラスに向かって猛進する。
ロイドを狙い続けるとは目敏い。
すぐさま高度を落とし、今度は超低空を維持しつつドクロの追撃に回った。
高度は50m付近。既にドクロはZプラスへ喰い付いていた。
ロイドも予想以上の動きで対応している。
と、二機の距離が開いた。
今こそが好機とばかりに、加速を掛けて攻撃態勢へ入る。

だがその時。
加速を掛け、今まさに攻撃を仕掛けんとばかりの所。
このタイミングを計ってか、ドクロは己の左腕をブン投げて来た。
予想外。回避しようにも、左腕の軌道が読めない。
射撃を回避するのとでは訳が違うのだ。

咄嗟に出した決断は、結局そのまま突っ込む事だった。
あっという間に鼻先まで迫る、ドクロの左腕。目は閉じない。

シャンッ!

刹那、腕部が通り過ぎる。思ったよりも、軽い音だった。
しかし、右垂直尾翼付近に命中した感触がある。途端に機体がブレ始めた。
同時に、合わせてあった射軸も少しづつズレ始めている。
だが、まだ命中範囲内。握り続けていた発射釦に力を込めると、
両翼より発射されたロケット弾が、ドクロに襲い掛かった。

【行動 : 腕部命中−1 T-13にロケット弾で攻撃−1 残行動数2】
【位置 : C-22 (飛行中、砂地上空)】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損】
【人物状況 : 強い敵愾心】
【通信状況 : 無し】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残90%) 60mm機関砲×1(残32発)
       両用ロケット弾×4 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 デジカメ
       アルバム(未発見) 巻き寿司1食分 レーション×6食分】
【方針 : ロイドを失わない 敵の撃滅】
【同盟 : 19番 ロイド・エンデバー】

※ロケット弾…ミサイルのような複雑な機構を除いた分、炸薬を増やして攻撃力を増した弾。
         信管の切り替えで対空にも使えるが、誘導しないため当てるのは難しい。
79T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/16(土) 16:18:22 ID:8hJQEUt2
IDチェック
80T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/16(土) 17:19:30 ID:???
Zプラスへの足裏ナイフ攻撃は、巧みに防がれる。
セイバーフィッシュに投げた腕は命中したが、見たところ異常は少ない。
そして――空中に無防備に浮かぶガンダム目掛け、二機の殺意が向けられる。
下から迫るZプラス、上から迫るセイバーフィッシュ。片方を避けてももう片方がフォローできる体勢だ。

巨漢はしかし、慌てなかった。怒りと嫉妬を胸の内に燃やしつつも、判断は冷静だった。
自由にならない空中で、即座に腰の2本のアンカーを射出する。
鎖の鳴る音が響き、金属の牙が大地を銜え込む。
髑髏のガンダムが空中で不自然に動きを止め、巻き上げられる鎖で地面に引き戻される。
自由落下よりもなお早い急降下に、コクピットには凄まじいGがかかる。
常人なら気絶しかねないそのGに、しかし巨漢は平然としていた。

>>78
セイバーフィッシュのロケット弾が、直線的に地面に戻るガンダムの頭上ギリギリを通り抜ける。
これがスラスター噴射による空中軌道なら、咄嗟に先読みして照準修正もできただろう。
だが通常ではありえない動きに、歴戦の勇士の攻撃も空を切る。

>>70-71
一方、大声で叫びつつ、下からマシンガンを撃ち迫るZプラスは……
このマニュアル外の動きに対し、それでもぎりぎりで対応してみせた。
初めて見るはずのアンカーの機能を知ってるかのように、地面に引き戻されるガンダムをマシンガンが追尾する。
そのほとんどはそれでも髑髏のガンダムに追いつかなかったが、何発かは頭や胸に命中する。
元々調子の悪かったモニタが完全に潰れ、分厚い胸部装甲は傷だらけになる。

そして、鎖を巻き切り地面に降り立った巨漢の機体に、とどめとばかりにZプラスのビームサーベルが迫る。
サブセンサーによって敵の急速な接近が警告されるが、その姿を見ることはできない。
絶体絶命の状況下、巨漢はそれでも冷静に一本のレバーを引き、そして――

蒼く光る刃が、髑髏のレリーフを切り飛ばした。
81T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/16(土) 17:20:44 ID:???
交錯するクロスボーンガンダムとZプラス。
遠くで空振りに終わったロケット弾が着弾し、爆音が聞こえる。
一瞬の静寂の後、すっぱりと切り落とされた髑髏が、地面に落下して甲高い音を立てる。

クロスボーンガンダム3号機は、しかし、まだ生きていた。
ゆっくりと、Zプラスの方に向き直る。

仮面の巨漢が、パイロットが、剥き出しのままにそこにいた。

視界を失った巨漢は、咄嗟にコクピットハッチを開け放ち、目視でZプラスの斬撃に対応したのだ。
回避動作の開始が遅かったため、開いたそのハッチの部分は切られてしまったが、致命傷ではない。
頭上1mほどの所をメガ粒子の奔流が通過する中、巨漢は恐れることなく機体を制御し刃を回避していた。

疵だらけの巨漢の身体。
肩口から覗く金属片。
表情を隠す、白い無貌の面。
全身から漂う、異様な雰囲気。

それらが余すところなく、Zプラスとセイバーフィッシュに向け晒される。
感情の読み難い小さな目が、仮面越しに2機を睨み付ける。

「……フシュルルル………」

巨漢は息を吐く。強くなってきた風が、巨漢の薄い頭髪を揺らす。
怒りの感情はそのままに、しかし彼は冷徹にひとつの結論を出す。
……この2機相手に、この機体状況でこのまま戦うのは、無理がありすぎる。

強くなってきた風の中、コクピット剥き出しのガンダムが動く。
Zプラスに向け、頭部と肩部の実弾が吐き出されるが、狙いはZプラス自体でなくその少し前の足元。
攻撃を目的としたものではなく、完全に足止めだけを狙った牽制。

それと同時に、一所に留まり難い戦闘機が旋回してくるタイミングを捉え、その下を潜るように駆け抜ける。
これでセイバーフィッシュは、なおも追うつもりならばもう一度旋回せねばならない。
足の速い戦闘機相手に、ほんの少しだけ距離と時間を稼ぐ方策。

クロスボーンガンダム3号機、象徴たる髑髏を失った小柄なガンダムは、恥も外聞もなく逃げ出していた。
荒れてきた砂漠の砂嵐が、オープンコクピットの巨漢を容赦なく襲う。
82T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/16(土) 17:22:01 ID:???
【行動:07番・19番の攻撃回避(アンカーで無理やり移動/コクピットハッチ開けて目視で回避)
   (07番の攻撃は回避成功、19番の攻撃は回避失敗)(−2p)
    撤退(&牽制)(−1p)、移動(C-22→D-22)(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:D-22】
【機体状況:額に「13」のマーキング。メインカメラ沈黙。
      コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。
      ヒートダガー・ビームサーベル各1本喪失。】
【人物状況:ほぼ無傷。疲労気味】【通信状況:なし】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、コッペパン×1、水×1、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 19番07番との戦闘から一時撤退】【同盟:無し】
83ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/16(土) 20:49:17 ID:???
>>80
アンカーで地面へと引き戻されていくドクロのガンダム。
だが、それはもう既に視えた。
あっさり相手の居場所に先回りし、そして・・・
「視え視えなんだよ!もらったッ!!!」
叫びと共に、奴の象徴であるドクロが落ちる。
できれば今ので殺したかったが、まあいい。
後は丸見えのコックピットにバルカンでも撃ち込めば・・・
「・・・へえ」
そのコックピットを見て、驚いた。

そのコックピットにいるのは、人間ではない。
白い仮面。よく分からない、埋め込まれた機械。体中にある傷跡。
そこにいるのは、正真正銘の・・・怪物。

「なるほど・・・道理で」
強いはずだ。人間でないのだから。
・・・驚きこそすれ、嫌悪はしない。
何せ今までの人生経験は、カプセルでぷかぷか浮かぶ人間がまだまともな扱いに思えるような物だし、何より。
「俺は、産んだ親に悪魔呼ばわりされた人間だしね・・・」
思わず呟いた。そういう観点では俺と奴は同類なのだろう。
・・・その思考が、一瞬の隙を生んでしまった。

頭に、電流が走る感覚。敵が火線をこちらに向ける。
「しまったっ!?」
とっさに避けようとして・・・Z+の足下に弾が着弾した。
それはさっきから吹き続ける風と共に、盛大な砂の煙幕を作り出す。
「この、逃がすか!・・・っつ!」
相手の位置を視ようとして、頭痛が走る。・・・能力を使いすぎたか。
「くそっ、限界かよ!」
能力無しで追うにも、砂嵐でミノフスキー粒子が急上昇していて、かなり困難だ。
なんせちょっと離れるだけで通信回線が自動切断されてしまうほど、レーダーには頼れそうにない。
84ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/16(土) 20:49:56 ID:???
「って、そういや通信回線開いてたんだ・・・さっきまでの独り言全部あいつに筒抜けか・・・」
まあいいか。奴が何を聞いても何も変わらない。どうせ奴は死ぬんだ・・・俺に殺されて。
そう、殺す。確実に、殺して。
「クルルの仇を・・・取る」
そう誓って、ジンペイに回線を開く。・・・かなり不安定で、ノイズが混じる。
「離れていたら聞こえにくいかな?」
Z+を変形させ、砂が飛んで一寸先も見えない地上から離れる。
通信状態は・・・良好。
「あー、ジンペイさん聞こえてる?残念だけど・・・逃げられたみたいだ。
 とりあえずこれからどうするか考え、ある?」
必要な事だけ言って、言葉を切る。これ以上・・・いつも通りに喋る自信が無い。
地面を見る。砂が飛んで見えないけど・・・ここで、クルルは。
(悪魔からずっと逃げられると思うなよ、怪物。必ず・・・消す!)
怒りのあまりそんな言葉が出かかるのを、なんとか喉で止めた。

【行動:変形(1)7番に通信(1)】
【位置:C−22、砂地】
【残り行動値:2p】
【機体状況:MS,ABCマントを脚部に着用済、左腕に傷、右腕に凹み
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(残弾85%)
    予備 (C−18に放置) 二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦 (C−18に放置) メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:能力限界・疲労・ウェーブライダーに搭乗】
【通信状況:7番】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.9、木刀、写真、重り×3、ボールペン、スポーツドリンク350ml
 艦内倉庫に入っている物・果物缶詰×2、魚の缶詰×2、拳銃×3 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(30食分) コーヒー紅茶セット クッキー、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:仇を討つ】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】
85エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/16(土) 22:27:50 ID:???
『ああそうだ、アルバートだ!
 …ええと…その、俺は医療の知識がないから良く分からないんだけど…。
 体調は大丈夫かエルネスティーネ?
 頭が痛いとか、そういう症状はないか?
 目眩がするとか、だるいとか、何かあるようなら…』
アルバートさんの言葉に、私は少しずつだけど、落ち着きを取り戻してくるのを感じていた。
子供を看ているときのような、優しい口調。それにより私は、安心感を得ていた。

「……あた……ま。」
でもそれによって、頭痛は消える事はなかった。
未だに奥底からじわじわと私を蝕んでいる。

「あたま……が、痛い……。
 でも……たまにある……事で……。
 最近は……無かったけど……ここに来てから……また……。
 人が死んだり……したから……。」
人が死んだ。その事も頭痛がし、過去の記憶が蘇り、パニックを引き起こす原因なんだと思う
でも、それ以上に……このプログラムと呼ばれる空間。
最後の一人になるまで闘うというルール
首に取り付けられた爆弾入りの首輪
時代を越えて集められた参加者
参加者以外の人間が居なくなった無人の街
それらが私の心を少しずつ蝕み、症状が発生し易くしている……だと思う

でも多分それだけじゃない。
殺して、殺されて
あの時と似た状況、同じようなシチュエーション
事件の現場と、この戦場。
共通する事は一つどちらでも戦闘が行われた事
でも決定的に違った事……
それは、一方的であったか、否か。

「っつ……あぁ……。」
また一段と、頭痛が大きくなるのを感じた。
少しずつ、少しずつ、あの時の記憶が戻ってきてる……。
止めて……だれか……止めて……っ。

【行動:会話(-0)】
【残り:4】
【位置:U-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷 センサー一部障害 装甲にダメージ】
【人物状況:症状発生中(パニック) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
         保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品)
    ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる ???】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース】
【共闘?:08番 ルイス?】
86管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/17(日) 00:04:01 ID:???
『みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。

 まず。脱落者の連絡。
 脱落者は二名。
 生徒番号05番 キリト=ヴァルリック君。
 超が付くくらい凄腕の殺し屋だったらしいんだけども
 多勢に無勢ではやはり分が悪すぎたのか駄目でした。
 生徒番号20番 クルル=ヴァンデーンちゃん。
 みんな。こんな小さな子供が命賭けて一生懸命頑張ったんだからな。
 おまえらもっともっと真面目にやれ。

 (20番の話しをするときだけ何故か声が震えて涙声っぽくなっている。
 そして暫しの間、鼻水をすする音だけがスピーカーから響いてくる。)

 あ、悪い悪い。
 先生にも子供がいてクルルちゃんと同じぐらいの年頃だったんで思わず、な。

 それじゃ気を取り直して次に立ち入り禁止区域の発表な。

 『D-06』 『J-19』 『K-25』 『N-10』
 『V-08』 『W-23』 『X-15』 『Y-13』

 の八箇所だ。気をつけろよ?

 あと天気予想。
 昼間と引き続き晴れ。
 風は夜明けに向けて少しずつ穏やかになっていくらしい。

 これで今回の放送はこれで終わり。』
 

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】 【残り行動値:∞】
【位置:Z-21】
【行動方針:殺し合い頑張れ】
87管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/17(日) 00:04:58 ID:???
生徒名簿

 番号          名前                   年齢 性別      機体

 死亡 アロンソ=セルバンデス                (70) 男性  グフ・フライトタイプ
 02番 エルネスティーネ=デア=フォーゲルヴァイデ   (16) 女性  ゲルググJ
 死亡 ハロルド=P=アンダーソン              (35) 男性  ズサ
 死亡 マサヤ=タカノ                      (23) 男性  ガンダムGP02
 死亡 キリト=ヴァルリック                   (28) 男性  Gキャノン
 06番 リトラ=クローム                     (25) 女性  ディジェ(+EWACザック◎)
 07番 ジンペイ=カザマキ                    (32) 男性  セイバーフィッシュ
 08番 ルイス=ガルシア                     (22) 男性  BD3号機
 死亡 クラウディア=ゲール                  (16) 女性  ビギナギナ
 10番 レベッカ=テスタロッサ                 (18) 女性  ベルガギロス(黒の部隊専用機)
 11番 アルバート=パーシング                 (18) 男性  シャッコー
 死亡 ネイゲスト=ザームズ                  (18) 男性  ザメル
 13番 エドワード=S=ボールドウィン             (28) 男性  ボリノークサマーン
 14番 ニース=エルネージュ                  (15) 女性  ゲルググ (ガトー専用機)
 15番 ファッツ=シュヴィール                 (23) 男性  EWACザック(+マラサイ◎)
 16番 ナインティ=アウェイキング               (27) 男性  バウ
 17番 アルマ=フローライト                  (17) 女性  エビル・S
 18番 サイモン=クレイカー                  (43) 男性  アッシマー
 19番 ロイド=エンデバー                   (18) 男性  Z+A型
 死亡 クルル=ヴァンデーン                 (11) 女性  メタス
 21番 ジェンセン=スティール                 (35) 男性  ハイザック
 22番 ブレイム=オリディス                  (36) 男性  νガンダム(+V2AB◎)
 23番 ジョセフ=ロバーツ                   (15) 男性  ハンブラビ
 死亡 アリウス=エルツベルグ                (33) 男性  ホビーハイザック
 25番 T=ドライツェン                     (25) 男性  クロスボーンガンダム三号機
 26番 ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ              (21) 男性  カズアル

 生存者18名+一匹 死者 08名

 なおも参加者募集中 。
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88管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/17(日) 00:06:19 ID:???
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 04彡◎□□△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△□┃□彡彡□□△△△□□▼10彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06彡彡□×△□┣━〓━━━┓△◎△◎┛□彡彡彡彡彡△△  ■:森林
 07◎彡◎□□┏┛◎彡□□□┗━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓□彡彡×彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡彡彡┃□△□彡◎■■△◎△□┗┓彡彡彡□□△△  彡:海 川 オアシス
 10彡彡彡彡□┗┓□□□彡□■×△△□□┃□彡□□□△△  ━:道路
 11彡彡彡★□□┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△△  〓:橋
 12彡彡彡06★━┫◆□◎彡◎□□△△┏━┛◎彡□┃△◎△  ≠:破壊された橋
 13◎彡★★□□┗━┓□彡彡□18□┏┛□□彡彡□┣━×━  ▼:市街地
 14□□□□□□□□┣━23〓17▼▼┛□□彡彡□★★□△◎  ★:基地
 15◎◎△∴∴□◎□┃□□彡□▼□□彡◎◎□□★≡×△△  U:灯台
 16△△∴∴∴∴□□┃◎□彡彡彡彡彡◎彡□□□□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴13∴□┏┛□彡彡◎彡彡彡彡彡□□□┏┛□□□
 18△∴艦∴∴◎∴22□□彡彡彡U□≠≠□□□□┃□□□□  ◎:立入禁止区域  
 19∴∴∴∴◎∴∴21□×彡彡彡彡◎彡彡彡◎□□┃□□□◎  ×:立入禁止予定区域
 20∴∴▼∴┏━━┫□彡彡彡彡彡彡◎彡彡◎□┏┛◎□△△
 21━▼16━┛∴∴┃□彡□□◎□□彡彡彡彡□15□□△◎◎
 22∴▼0725∴∴∴┃□□□■■■■◎□彡□▼02□□△△△
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼┓×□△◎
 24∴◎∴∴◎△△□■┗━━━━┛■◎彡□□□┗┓□□△
 25∴∴∴△△△△□■■×■■■■■■彡彡■■□┗┓□△
 26△◎△△◎△□■■■■■■◎■■■■彡■◎■□┃□□

02と08と11と14は同一地点
07と19は同一地点
17と26は同一地点

C-18の艦は19が置き去りのホワイトアーク
H-12の◆は23が置き去りのコンテナ(中身はフィンダーインライフル)
89アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/17(日) 00:12:09 ID:???
エルネスティーネは正気を取り戻した。
だけどそれは発作が治まっただけで、元気になったという事じゃない。
その証拠に未だにエルネスティーネの顔色は青白く、表情も全く冴えない。

エルネスティーネの口が動いた。
何かを言ったみたいなんだけど、口調が弱々しくて上手く聞き取れなかった。
まずいとは思いながらもう一度聞こうとした時、エルネスティーネがまた話した。

それによると、エルネスティーネの頭痛は今回が初めてじゃなくて、今までにも何回
かあったらしい。
そしてその原因は…人が死んだりしたから。
そこから判断すると、どうやらエルネスティーネの頭痛のきっかけは、この状況にあ
るようだ。
ただ単に人の死が原因なら、「人が死んだから」と言えばいい。
それに、クラウディアが死んだ時にエルネスティーネに発作が起こっていなかったと
ころからしても、原因が人の死だけではない事が判る。
エルネスティーネは、確かに「人が死んだりしたから」と言った。
その言葉と、周囲の状況を照らし合わせて考えてみると答えが出てくる。
…エルネスティーネの発作は、「人が死ぬような環境」で起こるものらしい。
環境と言っても、病院や事故現場みたいなものじゃなくて、こういった戦場のような
環境が危ないようだ。

…とまあ俺なりに分析をしてみたものの、そんなんでエルネスティーネの頭痛が収ま
ったら苦労はしない!
だけど直ぐに収められるような自信もない。
何と言っても俺の分析が正しかった場合、エルネスティーネの発作の原因はこのプロ
グラムそのものという考え方になってしまう。
だから彼女の発作を止める一番の方法は、プログラムを止めさせるという事なんだけど…。
そんなの無理もいいとこだ。

だからって何もしないわけにはいかない。
エルネスティーネの顔色は相変わらず悪く、微かに呻く声も聞こえる。
…とにかく一時的でも良いから、エルネスティーネの発作を止めなければ…!
(エルネスティーネの発作の原因が人の死ぬ環境だというのなら、基本的にはその逆
 の環境を作れば発作を収める事ができる…と思うんだけど…。
 プログラムを止めずに…その環境を作るには……)
結局俺は医学的な知識よりも、孤児院での経験を活かすしかできそうにない。

ゲルググJの瓦礫はほぼ全て取り除いている。
俺はシャッコーのコクピットハッチを開くと、ゲルググJの上に飛び下りた。
そしてゲルググJのモノアイに向かって大声で叫ぶ。
「聞こえるか、エルネスティーネ!
 聞こえてたらゲルググのコクピットハッチを開けてくれ!
 俺には専門的な知識なんてないけど、できる限りの事はしてみる!」

さっき思ったみたいに、自信がないなんて言わない。
不安がないわけじゃないけど、そういった負の感情は以外と伝わりやすいものだ。
だから俺はエルネスティーネに、笑顔や生きている温かさを伝えたい。
孤児院で皆に伝え、そして皆から伝えられた大切なもの。

90アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/17(日) 00:13:02 ID:???
【行動:コクピットから降りる(−1)エルネスティーネに呼び掛け(0)】
【残り:3】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
ローター】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食5日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう、エルネスティーネを看る】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
91レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/17(日) 18:25:41 ID:???
日没と共に感傷の時間は終わりを告げた。
まどろみの中で見た夢の内容すら、今となっては覚えていない。
夜。
それはレベッカ・テスタロッサにとって最も親しい時間――仮令本意で無かろうと。

――さあ、動こうか。

フードを払い、リボンを結び直し。
年端も行かぬ少女の死の知らせにすら表情を変えず、レベッカはフットペダルを踏み込んだ。

【行動:S-05→S-07→Q-07(-4)】
【位置:Q-07(機体:高速道路)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.2L×1、携行食糧6日、救急箱一式)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝】
【同盟:なし】
92ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/17(日) 20:03:36 ID:???
誰もいない衣服売り場で、自分に合いそうな服を探すニース。
ちなみに今、ニースは何も着ていない。
売り場に着いたと同時に、全て脱ぎ捨ててしまったのだ。
吐瀉物と小水で濡れた作業着はさすがに気持ち悪く、とても耐えられなかった。
着慣れた作業着を捨てるのは少し躊躇したが、これは仕方がないだろう。
あとシャワーを浴びて心身をスッキリさせたかったのだが、さすがにデパートにシャワーはなさそうだった。

売り場の中を、白い裸体の少女が弾むように駆けていく。
もう少し照明が薄暗かったら、その姿はきっと悪戯好きの妖精のように見えた事だろう。
ニースの小柄ながらもすらりとしたスタイルは肉感的な魅力には欠けていたが、母親のまわりを跳ね回る子
鹿のような、健康的な魅力に満ち溢れていた。
本人は勿論、そんな事には気づいていないのだが。

戦闘の中で心を傷つけられたニースだが、今はもう表面的にはそんな素振りは見せていない。
喜々として服を選ぶその姿は、どこから見ても今時の少女にしか見えなかった。

「えへへへ。
 これだけ沢山あると、どれにしようか……もう迷っちゃうな〜」

この表情がたとえ表面的なものであったとしても、プログラムの中で、ニースの前向きな性格がだんだんと表
に出てきている。
それはニースが無理をしているからか、それとも身体がプログラムに慣れてきているのか。
ニース自身は少し無理をしているのだが、泣いてばかりだった初めに比べれば、遥かに感情のコントロールが
できていた。

そんな中でニースが選んだのは、予想通りにオーソドックスなGパンとTシャツ。
結局は動き易さを重視せざるをえなかったところに、プログラムの哀しみが溢れている。
それでもせめてもの贅沢と言わんばかりに、Gパンは某有名メーカーの物を選んだ。
Tシャツは、気に入ったプリントの物を3枚ほど。
あとは下着売り場から持ってきたショーツが3枚。
ブラジャーを持って来ていないのは、ニースに言わせると動き辛いかららしいが。
でもそれはあくまでも建て前で、昔見栄を張ってブラジャーに入れていたパットがばれて笑われたのを、今で
も気にしているのが本当のところらしい。
まあ本人にとっては巨大なお世話なのだろう。

最後に寒さ対策を兼ねてロングコートを取ると、今度は雑貨売り場に移動した。

【行動:着替え探し(−2)着替え(−1)雑貨売り場に移動(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:少し持ち直した】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食1週間        
     分、Tシャツとショーツ×3、Gパン】
【行動方針:ハスキー犬の名前考えなきゃ、レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、あとは掃除】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬…名前はまだない】
93T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/17(日) 21:44:33 ID:???
>>83-84
「俺は、産んだ親に悪魔呼ばわりされた人間だしね・・・」

湖畔から立ち去る直前に巨漢の耳を打った一言。
巨漢はなるほどとばかりに一度二度頷き、その後、激しく首を振った。
その言葉は、巨漢の心中の何かを刺激したらしく。
駆けるガンダムの中、彼は生徒名簿のデータをモニタ上に開き、その名前の上を指でなぞった。
生徒番号19番、ロイド・エンデバー。
薔薇の騎士アリウスに次いで、巨漢が覚えた名前だった。


それから数分後。
砂嵐の中を、傷だらけのガンダムが進んでいた。
剥き出しのコクピットの中、叩き付ける砂が巨漢の身体を容赦なく打つ。
焼けた砂がその肌に無数の傷をつけていく。
マスク代わりの仮面がなければ、とてもではないが操縦などできる状況ではない。

それでも巨漢は淡々と機体を動かし続ける。
やがて行く手に見えたのは、砂漠を東西に突き切る高速道路。D-21エリアの東端。
巨漢はマップ情報を呼び出し、しばし思案する。
太い指が、考えられる2つのルートを繰り返しなぞる。

片方は、このまま道路を跨ぎ越し、真っ直ぐ一直線に北上するルート。
もう片方は、道路に沿って一旦中央の巨大湖近くまで出て、砂漠を迂回して北の基地に向かうルート。
どうやら巨漢の目的地はD-13付近に広がる基地のようだ。
この機体状況から見ても、その目的はガンダムの補修と武装強化に間違いあるまい。

巨漢の性格を考えれば、本来なら「迷わず真っ直ぐ北上」なのだろうが……
しきりにモニタ上を指で叩いているのは、E-19とC-17の「立ち入り禁止区域」だった。
砂漠横断ルートでは、そのすぐ側を通ることになる。
何も目印のない砂漠では、ただでさえ間違って踏み込む危険が大きい。
ましてや、今のガンダムはセンサー類の損傷が酷く、目視で進むにも砂嵐が酷い。
この状態でこのルートを通るのは、目隠しして綱渡りするようなものだと言えた。
……その点、東に遠回りをするルートは、道路という指標が途切れず続く上、禁止区域にも近づかずに済む。

結局、悩んでいたのは数分だった。
巨漢のガンダムは大破壊を繰り広げたオアシスの街に背を向け、とぼとぼと東に向けて歩き出した。
砂嵐は相変わらず酷く、延々と続く道路だけが道標である。
94T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/17(日) 21:45:56 ID:???
>>86
やがて、砂に遮られた西の空が紅く染まり、定期放送が流れだす。
ガンダムは少し足を止め、それに聞き入る。
巨漢はペットボトルを取り出し、仮面をズラして水を口に含む。
軽くうがいをして吐き出した水は、砂にまみれて随分と汚れている。
20番の死を悼む先生の声にも何の反応も見せず、2リットルの水の残りを一気にラッパ飲みする。
立ち入り禁止区域の段に入って初めて、彼は丁寧に禁止区域をなぞっていった。

急速に暗くなっていく空の下、まだ続く嵐の中を掻き分けるように、ガンダムは再び歩き出す。
投げ捨てられた空のペットボトルが、風に舞って背後の街の方に飛んでいく。

【行動:移動(D-22→D-21→E-21→E-20→F-20)(高速道路ボーナスあり)(−2p)、
    水を飲む(−1p)、移動(F-20→G-20→H-20)(高速道路ボーナスあり)(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:H-20】
【機体状況:額に「13」のマーキング。メインカメラ沈黙。各部に砂が侵入?
      コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。
      ヒートダガー・ビームサーベル各1本喪失。】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味】【通信状況:なし】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、コッペパン×1、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 一時撤退 機体の補修 19番への執着】【同盟:無し】
95エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/17(日) 22:12:07 ID:???
「っく……うぅ……。」
頭痛は治まることなく、どんどんと痛みは増してきているような気がした。
それどころか、吐き気や腹痛まで起こってきているような気もする。

「あぁ……あああ……。」
頭を押さえて、コンソールに突っ伏す。
……おかしい。此処まで酷い状況には、事件直後ぐらいにしかなかったはず……なのに。
そんなに……さっきの殺気と狂気が……。
確かに、あの事件以来殺気に敏感になっている事には以前から気が付いていた。
殺気に敏感すぎるって言うのも……問題と言う事なのなのかな……。

『聞こえるか、エルネスティーネ!
 聞こえてたらゲルググのコクピットハッチを開けてくれ!
 俺には専門的な知識なんてないけど、できる限りの事はしてみる!』
「う……はい……。」
アルバートさんの言葉に、私は手探りでハッチ開放ボタンを探した。
途中、幾つかのボタンを間違えて押してしまったが、
それがレーダーのボタンと、通信機のスピーカー出力のスイッチである事にはその時私は気が付かなかった。
若干苦労して私はハッチ開放ボタンを探し当て、それを押し込む。直後ハッチが開放され、
Gキャノンの爆発の影響か若干熱を帯びた空気と焦げた匂いとがコックピット内に入ってきた。
そして、眼前に広がっていたのは……

「……ぁ。」
一面に広がる真っ黒な世界。外はいつの間にか夜になっていた。
その視界の中央に、一人の人影が見えた。

「アルバート、さん……。」
この紅く、狂気に満ちた世界でなお、私を助けてくれる人。
その優しさは私だけではなく、いつもは仲間の人全員に向けられているのだろう。
それでも私は……今は、幸せだと感じていた。
四年間あの記憶とともに葬り去られた感情……私は、幸せだった。

【行動:会話(-0) ハッチ開放(何度か失敗)(-1)】
【残り:3】
【位置:U-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷 
      センサー一部障害 装甲にダメージ レーダー停止 通信機ボリューム低】
【人物状況:症状発生中(激しい頭痛・嘔吐感・腹痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品 保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品)
    ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる ???】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース】
【共闘?:08番 ルイス?】
96ブレイム ◆TjmPhqaoLQ :2005/07/17(日) 22:53:30 ID:???
どれくらい時間がたったのだろうか。
私は、ジェンセンの返事を待ち続けていた。
だが、一向に帰ってくる気配がない。
いや、それどころか、ハイザック自体の動く気配がない。
途中で一回定期放送(前スレ>>275)があったが、それにも反応しない。
定期放送の内容が、聞いても面白くもない立ち入り禁止区域の場所指定だけだったが。
それでも何かしら、反応はあっても良いのではないか?
いったい彼は何を考えているのだろうか?
彼は急いでいるらしいし、私を無視して目指すべき場所へと進むということをすることもできるはずなのだが、
彼はこの場でとどまっている。
私の質問に答える気があるとしら、なぜ答えないのか?
考えている途中というのも無茶だ。
世の中にはそういったことを苦手にする人物もいることにはいるが、
それでもそんなには長く考えこまない。
いくら考えても、彼のとっている行動は何をどう考えても不思議だ。
彼が次、何をしてくるかどうかがわからない。
私は、彼を警戒しながらも、彼の返事が返ってくるかどうかはもはやわからないが、
それでも私は返事を待ち続けることにした。

それから、また少し時間がたった。
まだ彼は動くそぶりを見せない。
いい加減、警戒のために精神を集中させていたためか、疲れ始めてきた。
空腹具合も少し激しくなってきた。
そのとき、ふと私の頭にあることが浮かび上がってきた。
もしかして、彼は私を疲労させることが目的じゃないのか。
急ぐといっておきながら、黙って立ち止まってみたりして、
何をやるかわからないと思わせて、相手をうかつに動けなくして、
精神的に消耗したところで・・・ばっさりと。
どんどんとその考えが頭の中に広がっていく。
と、そのとき、全体通信の回線が開かれた。
送信者は運営委員会、恒例の定期放送のようだ。

【続く】
97ブレイム ◆TjmPhqaoLQ :2005/07/17(日) 22:54:30 ID:R8UsZcO7
>>86

クルル=ヴァンデーンの死。
そのことを聞いた私は、クルルに対しての執着心はどこかに消えてうせてしまった。
つまりは、結局はその程度の人間だったということだ。
私の見込み違いか、それとも強化人間の失敗作を持ってきたのか。
どちらにしても、もう《出来損ない》はどうでもいい。

それよりも、今は彼がどういうつもりなのか確かめなくてはいけない。
果たして、彼のやりたいことは、私の頭に浮かんだことと同じなのか?。

「おーい。ジェンセン君。」

私は、ジェンセンに声をかけてみる。返事は、当然ながら無い。
ならばと、私は少しずつ、V2ABを彼の駆るハイザックに、慎重に近づけていく。
徐々に大きくなっていくハイザック、しかし近づいているにもかかわらず、ハイザックの反応はない。
さすがに近くにより過ぎるのは危険と思って、ある程度近づいた場所でV2ABの歩みを止める。

ハイザックの、その微動だにしない姿は、とても不気味だ。
とことん動く気が無いのはなぜなのか?その理由はまだわからないが、
いい加減、そのハイザックがどうしようもなく気に食わなくなってきていた。
何を考えているのか、もうどうでもよくなってきていた。
とりあえず、その場所を空けてほしい。
私は、そう考えて、コクピットのコンソールを弄って、機体内のあるシステムに干渉し始めていた。

そのシステムとは、火器管制システム。
使用可能な内臓火器の状況が表示される。
私は、内臓火器のロックをすべて取り外した。
そして、使用可能になった内臓火器の中から、一番火力の高そうな、肩のキャノン砲の照準をあわせ始めた。

目標は・・・ジェンセンのハイザック。

彼の考えがどうであろうと、これ以上動く気が無いのならば、ここでV2ABの的となって
私の使命のために消え去るのみだ。
動いても、何かコケにされたような気がするので、できるかどうかわからないが、
その場合でも私の使命の礎になってもらう。
そう考えると、動かないでくれたほうが少しはうれしいなと、そんなことを考えながら、
私は肩のキャノン砲のトリガーを引いた。
その瞬間、光の奔流が、キャノン砲から、ハイザックめがけて放たれていった。

【行動: 警戒(-1) ジェンセンとの通信回線接続中(0) H-18からH-19に移動(-1) IDチェック ジェンセンに攻撃(-1)】
【位置:H-19】【行動値残り:1】
【機体状況: V2アサルトバスターガンダム;異常なし】
【パイロット状況:空腹状態】
【武装:頭部バルカン砲×2 肩部メガ・ビーム・キャノン 肩部スプレー・ビーム・ポッド 
    腰部ヴェスバー×2 ビーム・サーベル×2 光の翼×2】
【所持品:なし】
【通信状況: 生徒番号22番 ジェンセン=スティールと通信回線接続中】
【方針:私の使命のために、私は生き残る。
     ジェンセンを消す。】



98リトラナ=クロームウェル ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/17(日) 23:06:05 ID:???
作業を開始して、どれ程の時が経過したのだろうか。
青い3機のMSの躯体を結合させ、リトラのディジェは失った左腕を取り戻す。
……だが果たして、それは腕と言える代物なのだろうか。
補強材によって所々が歪に膨れたあがったその腕には、すでに拳が存在せず、
ただ猛き猛獣の前肢のように、鋭き爪がその先端を光らせるのみだ。

「……正真正銘、継ぎ接ぎの化け物だな。
 だが、勘違いしてはダメだ。お前はその恐ろしい姿とは裏腹に、かつての力の内の
 どれほどを発揮できるかどうかもわからん、死にぞこないにしか過ぎんのだからな」

愛機を見上げ、呟くと、リトラは移植した左腕の可動チェックを行うべく、
そのコックピットへと乗り込む。

「ま……安心しろ。だからといって、私はお前をいい加減に仕上げたつもりはない。
 お前が死にぞこないの化け物だとしても、私はお前の全てを引き出して戦いぬいてみせるつもりだ」

愛機の動力部に灯を入れ。
リトラが試しに左腕を動かしてみると、補強材によって躯体そのものの重量が増したためか、
その動きは若干重くはあったが、左肘のフィールドモーターは正常に作動しているようだ。
クローを突き出す動作などを一通り行い、その動きに取あえずは満足したリトラ。

>>86
と、その時、コックピット内に定期放送が鳴り響いた。
告げられた戦死者の名を聴いて、リトラの瞳が大きく見開かれ、
機体を動かさんとする動きがぴたりと止まる。

定期放送で告げられた二人の戦死者。
うち一人は、まだ見ぬ強者であったらしかったが……一人は、年端の行かぬ少女であった。
そう、クルル=ヴァルデーンという名の―――

「―――死・ん・だ―――?」

呆然と呟くリトラの両の頬は、知らずのうちに濡れていた。

―――不快だった。

この殺し合いプログラムの運営者の一人という立場でありながら、少女に殺し合いを強要しておきながら、
少女の死を悲しみにも似たものを感じさせる声色で告げる、“先生”と名乗るあの男も。
おそらく、少女を死へと誘う戦いの道へと歩ませた元凶である、“ジオン”という呪わしき名も。
そして、一度として顔もあわせた事の無い少女の死に頬を濡らす、在り様を未だ取り戻せぬ自身さえも。

―――悉く、不快だった。

頬を濡らしたまま、瞳をギラつかせ、工場の一角に佇むアイザックを見遣る。
すでにボロボロの体であるアイザックには、両の腕すらも残ってはいない。
愛機をその傍らに寄せると、そのコックピットに乗り移り、ディパックを持ち出そうとした時、
ディパックより顔を覘かせる『ハロ』と一瞬だけ目が合った。
無言のままそのディパックを乱暴に掴み、再びディジェのコックピットへと戻る。
再びアイザックの傷ついた体躯を見つめたリトラの眼差しは、先程とはうって変わって静かなものであった。
99リトラナ=クロームウェル ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/17(日) 23:09:55 ID:???
「お前には、世話になったな。
 本来ならば、お前はここで静かに眠らせてやりたい所なのだが……。
 ……生憎と、対象がMSでなければ満足なテストとはいえん」

言葉の終わりと共に、愛機の左のクローアームを鋭き踏み込みと共に突き出す。
直後、金属のひしゃげる音が工場内に鳴り響き、アイザックがドゥ、と倒れ伏した。
その腹部は、クロウによって痛々しく抉られていた。其処はちょうど、コックピットのある場所である。
アイザックを潰した事は、決して八つ当たり等といった類の事ではなく、その理由の一つは純粋に
クロウの威力のテストの為であった。
本来ならば、ズゴックのクロウの一撃は、モビルスーツの腹部を貫き通す事すら可能な程の威力を
発揮するらしいが―――

「―――充分、だ」

リトラはその結果に、満足した。
多用は出来ないかもしれないが、接合部の強度は充分だという事が証明されたからだ。
それに、コックピットを潰す程度の威力を期待できるのならば、接近戦の切り札の一つとしては
充分すぎる位に機能すると言える。

そして、クロウのテストの他の、もう一つ理由。
それは、愛機であるディジェと生死を共にするという覚悟の改めである。
もはや代わりとなる機体はない。
ただ、この継ぎ接ぎの化物と共に闘い抜くのみである。

その生死を共にすべき継ぎ接ぎの化物に、もう一つだけ、装備させようと考えていた武装がある。
マラサイが手に入っていなければ、その武装は片腕を失ったファッツのアイザックの戦闘力を補うために
彼に贈ろうと思っていた物だったが、今となってはこの継ぎ接ぎの化物のために利用させてもらうつもりだ。
そう、それは初期支給武装である、MSの背部に装備するビームキャノンであった。
本来ならば重武装を好まないリトラであったが、特性を全く予測できぬ機体が多数存在するこの戦場では、
手札は出来る限り多いに越した事はない。

再びディジェをハンガーに収め、リトラはビームキャノンの取り付け作業へと入る。
今までの作業と違い、支給されたMSへの取り付けを前提とされた装備なので、
作業時間はさほど取られる事はないだろう。

作業が終わり次第、継ぎ接ぎの化物はリトラの新たな牙となるのだろうか……?

【行動 :   左腕移植作業完了(-1) ディパック回収(-1) アイ・ザックをクローで貫く(-1)
        初期支給武器のビームキャノンの取り付け作業に移る(-1) 残0 】
【位置/場所 : D-12/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クローは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下 】
【パイロット状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) ツナギ姿 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム (ビームキャノン)】
【MS所持品: コンテナ/ショットガン(残弾6発) ビームマシンガン(残弾75%) 】
【所持品: 首輪 ディパック コッペパン×1 水2L入りペットボトル×1 歩兵用ヘルメット ケブラーベスト 煙草数箱 『バンダナ』
      応急処置が可能な薬品類&包帯類 『黒のワンピース・ドレス』 換えの衣服何着か
      クマの『ハロ』(ディパックよりチラッと頭だけ出ている) 】
【方針 : 私は“牙”を、取り戻す 】
100アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/17(日) 23:58:06 ID:???
辺りはもう薄暗くなっている。
…何か異常に時間の経過が早いような気がするのは、気のせいなんだろうか?
それとも時間の経過を忘れるほどに、俺はプログラムにのめり込んでいるのか。
…たしかに考えてみれば、俺はのめり込んでいるのかもしれない。
だけど、それは決して殺す事だけではないと思いたい。
誰かを助ける事や、共に生きていく事。
そんな事の為でもあると、信じてもいい筈だ。

『アルバート、さん……。』
たった今開いたコクピットハッチの中に、俺が助けたいと願う少女がいた。
辺りの薄暗さで表情を読み取る事は難しいけど、その苦しそうな呼吸から、まだエル
ネスティーネの症状が収まっていない事が判る。
俺の曖昧な記憶では、こういう時には鎮静剤とかが必要なのかもしれないけど…。
俺の記憶以上に曖昧な知識で薬なんて扱えない。
だから…俺のやり方で、エルネスティーネの症状を止めるしかない。

「よく頑張ったね、エルネスティーネ…。
 俺が来たからには、もう何も心配なんていらないから」
勿論この言葉に根拠なんてない。
だけど何度も言うように、エルネスティーネに不安を欠片でも与えてはいけない。
焦り、不安、怒り、恐怖、悲観…。
負の感情は本人から生きる気力を奪っていく。
たとえ助かる病気でも、本人に気力がなければそれは不治の病へと変わっていく。
だから俺は孤児院でも、病気の子供をずっと抱いてあげる事が多かった。
絶対に深刻な顔もしない。
いつも笑ってあげる事。
いつも抱きしめてあげる事。
病気の子供の不安を、少しでも取り除いてあげる事。
俺にできるのは、子供が病気に立ち向かう気力を持ってもらう事だけだった。

足元に気をつけながらコクピットに入る。
エルネスティーネの美しい顔、だけど、症状に苦しむ顔が薄暗い中で垣間見える。
…でも、何となく俺を見て笑っているようにも見えるのは、気のせいなのだろうか。
「…エルネスティーネ…。
 君の症状の事は、俺なりに解釈して理解しているつもりだ」
エルネスティーネの目を見ながら、頭を優しく撫でて言う。
「だけど、何度も言うように、俺には専門の知識なんてない。
 …だから…。
 だから俺にできるのは、このくらいしかないんだ」
頭を撫でていた右手を後ろにまわすと、そっと胸に抱き寄せる。

「エルネスティーネ。
 君がどういう人生を送ってきたのか、症状とどういう関係があるのか…。
 それは…俺は知らないし、聞く事もない。
 でも、このプログラムの狂気が君を苦しめているのは分かっている」
そこまで言ってから、抱く力を少し強くする。
「でもね。
 …でも、プログラムが君に与えるのは、苦しみだけじゃないんだ。
 エルネスティーネには、俺の体温が伝わってるかな…?
 俺には…エルネスティーネの温かさ、伝わってる」
ここで出会えたからこそ、感じられる、伝えられるもの。
エルネスティーネに微笑みかける。
薄暗い中で、どれだけ伝わったかは分からないけれども。
「不安なんて、何もないんだ。
怖がらなければ、病気なんて直ぐにどこかに飛んでくものなんだから…」
101アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/17(日) 23:58:49 ID:???
【行動:コクピットに入る(−1)エルネスティーネを抱き締める(−1)】
【残り:1】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
ローター】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食5日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう、エルネスティーネを看る】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
102ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/07/18(月) 10:42:12 ID:???
戦いは、終わった。
ドクロは退いた物の、勝負に甲乙は付かなかった。

ヤツは、一体何者だったのだろう?
生徒名簿の中でも移植を放つ、“T-13”の文字。
その名に始まり、戦闘能力、判断力は只のベテランの域を超えている。
そう、少し垣間見ることが出来た、容姿すらも……。
最初は特徴的なノーマルスーツを身に着けているだけだと思っていた。
だが、その良く利く視力でよくよく見てみれば、それは何とも形容しがたい者だった。
フランケンシュタイン……まさに、大昔のB級ホラー映画に出てくるようなそれである。
それでいて顔面に真っ白な仮面を装着し、その下を窺う事は出来ない。
『正に“ツクリモノ”の名が相応しい。』ふと、そんな言葉がが頭に浮かんだ。

「帰る、か……。
 ホワイトアークへ。」
ロイドの問いに、ポツリと答える。
俺は、クルルの散った大地を見つめていた。
オアシス……湖の真ん中に刺さったメタスの上半身が、巨大な墓標のように見えた。
すまない等と、気安く言葉は出せなかった。が…・・・。

「すまない」

その言葉は、誰に向けたものだろうか?
自分でも、解らなかった。

日が傾き始めている。
定時放送を虚ろに聞き取りながら、黄昏の空をゆっくり旋回していた。

【行動 : ロイドに返信−0 定時放送受信−0 残行動数4】
【位置 : C-22 (飛行中、砂地上空)】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減】
【人物状況 : 小疲労】
【通信状況 : ロイドと通話中】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残90%) 60mm機関砲×1(残32発)
       両用ロケット弾×4 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 デジカメ
       アルバム(未発見) 巻き寿司1食分 レーション×6食分】
【方針 : ロイドを失わない】
【同盟 : 19番 ロイド・エンデバー】
103レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/18(月) 11:27:30 ID:???
|-゚).。oO(付近に敵影無し……

【行動:Q-07→M-07→M-06→J-06(-4)】
【位置:J-06(機体:高速道路)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.2L×1、携行食糧6日、救急箱一式)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝】
【同盟:なし】
104ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/18(月) 15:04:08 ID:???
雑貨売り場から持って来たのは、バケツと雑巾、それにティッシュとゴミ袋、更には消臭剤。
考えた末に決定した、コクピットの中を掃除する道具だ。
さっきコクピットを解放したから、今は空気が入れ替えられて、臭いも薄れているだろう。
あとはティッシュで汚れを取って、雑巾で拭いて、消臭剤を吹き付ければ完璧の筈だ。

「あたしだって女だもん。お掃除くらいできなきゃ…!」

自分に言い聞かせるように呟くと、1階に戻っていく。
そして1階のトイレでバケツに水を入れると、おぼつかない足取りでゲルググに行く。

外はもう暗くなっていた。
昨日に比べると、周囲の灯りは圧倒的に少なくなっている。
激しい戦闘で、破壊されたビルが多かったからだろう。
破壊されたビルに、灯りが点る事は、もうない。
付近の暗さが、寂しさを一層助長しているようだった。

向こうに見えるシルエットは、多分シャッコーとゲルググJだろう。

(まだエルナさん……元気になってないのかな…)

さっきのエルナの様子を思い心配するニースだったが、今はアルバートに任せた方がいいとも思っている。
エルナが元気になるのなら、それはアルバートにしかできないと、ニースは思っている。
ニースは一度、アルバートの看病を受けるエルナに対して、嫉妬の感情を持ってしまった。
アルバートにとっては看病するのは当たり前なのに、それに対して嫉妬してしまった自分を恥じている。
アルバートの優しさが、ニースは大好きだ。
その優しさ故に、アルバートはニース以外の人にも親身になって接するのだろう。
それだけに、ゲルググJに行ってアルバートの横から口出しするのは、ニースには躊躇われた。
アルバートに自分がエルナに嫉妬していると思われたら、それこそニースは生きていけない。
また自分にも、その優しさを向けてくれる。
ニースはそう信じて、今は自分がするべき事に集中しようと思った。

コクピットに入り、まずは中の観察。
たしかに汚れてはいるが、落とせない汚れではない。

「よっし!頑張っちゃうもんねっ!」

無意味に力強い握りこぶしを作ると、さっそく掃除を開始した。
 
【行動:道具探し(−1)1階に移動(−1)掃除準備(−1)コクピットに入る(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:少し持ち直した】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食1週間        
     分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、バケツ、雑巾、ティッシュ、ゴミ袋、消臭剤】
【行動方針:ハスキー犬の名前考えなきゃ、レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、あとは掃除】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬…名前はまだない】
105エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/18(月) 22:32:44 ID:???
『よく頑張ったね、エルネスティーネ…。
 俺が来たからには、もう何も心配なんていらないから』
「は……い……。」
開かれたコックピットハッチの向こうに現れた一つの人影。
この狂気に満ちし世界で笑顔を絶やすことなく、私を助けてくれようとしてくれる人。

『…エルネスティーネ…。
 君の症状の事は、俺なりに解釈して理解しているつもりだ』
「ぅ……。」
頭を撫でられ、思わず目を細める。
でもそれは、不快だからとかそう言うのじゃなくて……

『だけど、何度も言うように、俺には専門の知識なんてない。
 …だから…。
 だから俺にできるのは、このくらいしかないんだ』
「あ……っ。」
一瞬の浮遊感とともに、私の体はアルバートさんの身体に収まっていた。
そして私は無意識に、その身体に両腕を回していた。
まるで……今離れるのが、怖いかのように……。

『エルネスティーネ。
 君がどういう人生を送ってきたのか、症状とどういう関係があるのか…。
 それは…俺は知らないし、聞く事もない。
 でも、このプログラムの狂気が君を苦しめているのは分かっている』
「んっ……。」
ぎゅっ……とアルバートさんに抱きしめられる。
すると、トクン、トクンという心臓の音が聞こえた。
怪我をしているのに、戦闘の後で疲れているのに尚、力強く鳴り続ける心臓の音。
そして……

『でもね。
 …でも、プログラムが君に与えるのは、苦しみだけじゃないんだ。
 エルネスティーネには、俺の体温が伝わってるかな…?
 俺には…エルネスティーネの温かさ、伝わってる』
「うん……私、も……。」
何よりも感じたのは、その温かさ。
物理的な意味だけじゃなくて、私の心にまで染みこむような、温かさ。
プログラムに連れてこられる前の四年間全く感じる事もなく、私の心を凍らせていた、温かさ。
四年間失われていた温かさを感じて私の心は、溶かされていって……

『不安なんて、何もないんだ。
 怖がらなければ、病気なんて直ぐにどこかに飛んでくものなんだから…』
「うぅ……アルバぁートさん……アルバートさぁぁぁぁぁん!!!
 うぁあああぁあっ!!!!」
溶かされた心は涙となって、私の頬を濡らした。
お礼とか、いろいろ言いたい事もあったのに……今は、泣き叫ぶ事しかできなかった。
――私はこの時、それぐらい幸せだったから――
106エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/18(月) 22:33:21 ID:???
【行動:会話?(-0) 心は溶かされて――(-0)】
【残り:4】
【位置:U-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷 
      センサー一部障害 装甲にダメージ レーダー停止 通信機ボリューム低】
【人物状況:症状緩和?(僅かに頭痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
    保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品) ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる ???】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース】
【共闘?:08番 ルイス?】
107リトラナ=クロームウェル ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/18(月) 23:15:53 ID:???
ビームキャノンのバックユニットを背部に接続するのに、ディジェの放熱フィンが一枚失われている状態は
スペース的には却って都合が良かったとも言えるが、一方で、低下した放熱能力については、その問題点が
いよいよ浮き彫りになってきたとも言える。
が、その問題は機体を駆る者次第である程度は補うことが出来る。
絶え間なく苛烈な攻めを浴びせ続けるのが本来のリトラの戦闘スタイルではあるが、愛機の負担をできるだけ
軽減するような戦い方が可能な技量は、持ち合わせてはいるのだから。

じきに、ビームキャノンの接続作業が終了する。
本来ならば、右肩の上から砲身を覘かせるような位置に取り付けるべきものである筈であったが、
リトラはバックユニットを本来の取り付け位置より180度回転させ、射撃時に左脇から砲身を覘かせるような
位置へと接続していた。
その意味する所は、つまるところ、愛機をとことんまでに接近戦仕様に仕立て上げたという事である。
本来の使用方法である遠距離での砲撃にこそ向かないが、中近距離でぶっ放す為ならば、
こちらの方が向いているだろう。

ビームキャノンの接続を終えたリトラは、続けて被弾によって低下した防塵処理能力を補うため、
応急処置用のシーリング材を頭部の装甲の隙間に充填する作業を行った。
全身の防塵処理能力を修復する時間は無いが、最悪、策敵系の不調を招くような致命的な事態は
防止せねばならない。

一通りの作業を終え、継ぎ接ぎの化け物として生まれ変わったリトラのディジェであったが、
女豹の新たな牙となるには、一つだけ、重要な何かが足りなかった。

「さて、最後の仕上げだ」

呟き、塗装ブースへとディジェを搬入するリトラ。

「フフ……“私色”に、染めてやる」

見ようによっては無邪気とも見えなくも無い笑みを浮かべながら、リトラは愛機の左肩を“白銀”に染め上げる。
この作業の終了を以ってはじめて、リトラの“愛機”はようやく完全な姿になったと言えるのだ。

全ての作業を完了したリトラは、ショットガンを後腰部に接続し、右腕にマシンガンを携え、
愛機を工場内より外へと歩ませる。
108リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/18(月) 23:20:28 ID:???
月明かりに照らされ、白銀の肩が闇に煌く。

「取り戻した……」

コックピットハッチを開け放ち、身を乗り出して、夜風にその身を晒しながら。
己の髪にも似た輝きを放つ月を見上げ、女豹は高らかに吠えた。

「私は“牙”を、取り戻したぞ―――!!」

静寂の基地に、継ぎ接ぎの化け物の身より奏でられる異音と、女豹の咆哮とがこだまする。

女豹の瞳に宿る銀光は、刃にも似た鋭さを取り戻していた。

【行動 :   ビームキャノン接続完了(-1) 頭部の防塵処理能力を応急処置(-1) 左肩を白銀に塗る(-1)
        各武装を装備、工場を後にする(-1) 残0 】
【位置/場所 : D-12/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クローは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下(頭部のみ応急処置)
        左肩に白銀のペイント 】
【パイロット状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) ツナギ姿 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン ショットガン(残6発) ビームマシンガン(残75%) 】
【所持品: 首輪 ディパック コッペパン×1 水2L入りペットボトル×1 歩兵用ヘルメット ケブラーベスト 煙草数箱 『バンダナ』
      応急処置が可能な薬品類&包帯類 『黒のワンピース・ドレス』 換えの衣服何着か
      クマの『ハロ』(ディパックよりチラッと頭だけ出ている) 】
【方針 : 私は“牙”を、取り戻したぞ――― 】
109T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/18(月) 23:44:17 ID:???

巨漢のガンダムは、高速道路のジャンクションに差し掛かった。
そろそろ砂漠を抜け、ちらほらと緑も見えてくる。
風は相変わらず強いが、砂嵐はもう視界を遮ることはない。

>96-97
その分岐点で、巨漢は遠くにMSの存在を見つけた。
北隣のエリアに、2機。ハイザックとV2AB。
もっとも、巨漢にはハイザックは分かるが、V2については全く見当もつかない。
遠目にも武装過多な小型MSと分かるが、その武装もいまいち分かりにくい。
生徒名簿の機体欄を順番に指でなぞり、首を傾げた。

どちらも道路の上で、隠れる様子も逃げる様子もない。
巨漢のガンダムはセンサー類が軒並み不調なので、この距離になるまで気づかなかったが……
おそらく、向こうの2機には存在が感知されていることだろう。
眠っていたり、よほどの素人が乗っているのでもない限り。

肉眼でも確認できる様子だと、立ち尽くしているハイザックに、北からV2ABが歩み寄るようだった。
いまいち戦闘の緊迫感に欠ける様子だが、かといって友好的な雰囲気もない。
どちらにせよ、巨漢の目指すルートを考えれば、彼ら2人は邪魔になる。
素通りもできはしないだろうし、通してもらえるよう交渉するにも、巨漢は喋れない。

となれば、取れる方策は二つ。倒すか迂回するか。
……いやこの場においては、無理に倒さなくても良い。
他人を倒すことが最優先課題なら、巨漢はオアシスの街から逃げ出していない。

北から来たMSの、肩から突き出した砲身がゆっくり光りだしたのを見て、巨漢は心を決めたようだった。
それはつまり、その僅かな動きの中から、片方の未熟さともう片方の無気力さを読み取ったからに他ならない。
一気にその場から駆け出し、二機に肉薄する。

武装過多な小型MS、それは近づいてみると『ガンダム』であるようだった。
巨漢の乗るガンダムに近いサイズながら、その身体は過剰なまでの装備に覆われている。
対するは、ごく平凡なハイザック。見たところそれほどおかしな様子はない。
110T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/18(月) 23:44:56 ID:???

巨漢のガンダムは、北に向かって駆けながら身を翻して高速道路の脇に跳び降りる。
一本しか残ってない右腕で、ムラマサブラスターを逆手に構える。

V2ABのビームがハイザックに放たれたのを確認しながら。
その着弾を待たずに、巨大な剣を持ったクロスボーン・ガンダム3号機が、二機の隣を駆け抜ける。
行き掛けの駄賃とばかりに、逆手に持った巨大剣で斬りつけながら。
普通ならばサーベルも届かぬ間合いで、巨大な光の刃が二機に迫る。

確実に倒すための攻撃ではない。
足止め目的のある程度の損傷と、牽制と、威嚇を目的とした大雑把な攻撃。
脚部や推進器に傷がつけば最高だが、そこまで正確に狙ってもいない。
それよりも、狙いをつけられる前に通り過ぎてしまうことの方が優先されていた。

通り過ぎざま、「13」と額に掲げ瞳の潰れたガンダムと、乗り手の白い仮面が2機の機体を睨み付ける。
向こうからも、きっと見えたことだろう。

そのまま、巨漢のガンダムは攻撃の結果を確認さえせず、北に向けて走り去った。
まるで通り魔のような、カマイタチのような一陣の風。


【行動:移動(H-20→H-19)(−1p)、
    21番・22番に同時に攻撃(ムラマサブラスターで駆け抜けざまに斬りつけ)(−2p)
    撤退(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:H-19(エリア北端・高速道路脇)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。各部に砂が侵入?】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味】【通信状況:なし】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、コッペパン×1、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 21番・22番へ対処、倒すことより足止め重視 機体の補修 19番への執着】
【同盟:無し】
111管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/19(火) 00:02:42 ID:???
   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z 
 01彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡□□□彡彡彡彡彡彡彡★彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡彡彡□□△□□□◎彡彡彡★★〓△彡
 04彡◎□□△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△□┃□彡彡□□△△△□□▼▼彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06彡彡□◎△□┣━〓10━━┓△◎△◎┛□彡彡彡彡彡△△  ■:森林
 07◎彡◎□□┏┛◎彡□□□┗━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓□彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡彡彡┃□△□彡◎■■△◎△□┗┓彡彡彡□□△△  彡:海 川 オアシス
 10彡彡彡彡□┗┓□□□彡□■◎△△□□┃□彡□□□△△  ━:道路
 11彡彡彡★□□┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△△  〓:橋
 12彡彡彡06★━┫◆□◎彡◎□□△△┏━┛◎彡□┃△◎△  ≠:破壊された橋
 13◎彡★★□□┗━┓□彡彡□18□┏┛□□彡彡□┣━◎━  ▼:市街地
 14□□□□□□□□┣━23〓17▼▼┛□□彡彡□★★□△◎  ★:基地
 15◎◎△∴∴□◎□┃□□彡□▼□□彡◎◎□□★≡◎△△  U:灯台
 16△△∴∴∴∴□□┃◎□彡彡彡彡彡◎彡□□□□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴13∴□┏┛□彡彡◎彡彡彡彡彡□□□┏┛□□□
 18△∴艦∴∴◎∴┃□□彡彡彡U□≠≠□□□□┃□□□□  ◎:立入禁止区域  
 19∴∴∴∴◎∴∴21□◎彡彡彡彡◎彡彡彡◎□□┃□□□◎  ×:立入禁止予定区域
 20∴∴▼∴┏━━┫□彡彡彡彡彡彡◎彡彡◎□┏┛◎□△△
 21━▼16━┛∴∴┃□彡□□◎□□彡彡彡彡□15□□△◎◎
 22∴▼07∴∴∴∴┃□□□■■■■◎□彡□▼02□□△△△
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼┓◎□△◎
 24∴◎∴∴◎△△□■┗━━━━┛■◎彡□□□┗┓□□△
 25∴∴∴△△△△□■■◎■■■■■■彡彡■■□┗┓□△
 26△◎△△◎△□■■■■■■◎■■■■彡■◎■□┃□□

02と08と11と14は同一地点
07と19は同一地点
17と26は同一地点
21と22と25は同一地点

C-18の艦は19が置き去りのホワイトアーク
H-12の◆は23が置き去りのコンテナ(中身はフィンダーインライフル)
112アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/19(火) 01:24:25 ID:???
エルネスティーネが、俺の腕の中で泣いている。
それは、これまでに溜まっていた何かを吐き出すような号泣だった。
だけど流れているのは、決して悲しみの涙じゃない。
エルネスティーネは涙と一緒に、これまでの苦しみと戦っているんだ。
「何も心配なんてしなくていいんだ。何も…」
あやすように髪を撫でながら、ゆっくりと語りかける。
もう片方の腕はしっかりとエルネスティーネを抱き締める。
俺の体温が、そして心が、少しでも彼女に伝わるように。
そして苦しみを乗り越える力になるように。

俺がかけてあげられる言葉は、もうない。
あとはエルネスティーネの、気持ちの強さ次第なのかもしれない。
彼女の発作の原因が過去にあるのなら、それを乗り越えるのも彼女自身だ。
俺にできるのは、抱き締めていてあげる事。
俺に伝わってくる、エルネスティーネの温かさ。
その温かさを、生きる力を信じて抱き締めていてあげる事。

モニターの破片で受けた傷が少し痛むけど、大した事はない。
俺の傷は、放っておいても消えるような表面的なものだ。
でもエルネスティーネは、おそらく何年もの間この発作と戦ってきたのだろう。
体だけでなく、心も傷つけながら。
その苦しみに比べたら俺の感じてる痛みなんてほんの僅かなものだし、何よりこの程
度の傷を痛がっていたら、それこそ末代までの笑い者だ。

エルネスティーネが泣き止むまで、こうしていてあげよう。
俺の言葉や抱擁が少しでも彼女の勇気になるのなら、こうしていてあげよう。
この涙の先に、笑顔がある事を信じよう。

【行動:髪を撫でながら励ます(−1)】
【残り:3】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
ローター】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食5日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう、エルネスティーネを励ます】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
113レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/19(火) 12:45:21 ID:???
|-゚).。oO(依然、付近に敵影なし……ま、そう簡単には見つからないか

オルゴールの蓋を撫でながら、零す吐息は安堵か嘆息か。
自分でも分からないまま水を一口含む。
ひんやりとした感触が舌の上で転がり、喉の奥へと流し込まれていく。
嚥下する度、白い喉元が襟の下で躍動する。

*  *  *  *  *

月は中天、月影遮る雲も無く、夜空は星の瞬きを余すところ無く地上へ投げかける。
昔も今も星の美しさは変わらない。
ならばこうも心がざわめくのは何故か――

夜。
闇。
一面の闇。
遠い星。
誰もいない。
独り。
闇に、独り――

記憶が呼び覚まされる。
其処は上も下も無い闇。
闇に、独り――コノママシンデイクノカ?

「はっ……ぁぁっ……」

歩みが止まったMSの中、シートの上で震える人影。
小刻みな痙攣が体を覆う。
歯の根が合わない。
額には汗、じっとりと前髪を濡らす。
張りつき波打つ髪の下、白皙の可憐な容貌は青ざめ歪む。
右手。
強張ったままに伸ばした先、オルゴールを掴んで胸元へ抱き寄せ、力を込める。
押し付けられた固い感触に撓む2つの膨らみ、量感豊かなその下で脈打つ鼓動は酷く不正確。
縋るように左手を重ね、より強く押し付ける。
木箱の角が厚手の軍服を通して乳房へと食い込み、押し潰さんとする痛みすら痛みたりえない息苦しさ。
薄桃色の唇は陸に上がった魚の如く、力の無い開閉を繰り返すのみ。
流麗な弧を描く眉根は苦悶に寄せられ、眉間に篭った力が微かな皺を刻んでいた。
叫んだ。
最早口にした言葉の中身すら理解できぬままに、音の連なりを迸らせた。
自分が誰の名前を呼んだかも分からぬままに、ただ叫びの声を挙げた。
一層強く抱き締めたオルゴールの感触が、それでも痛みたりえずに――そのままレベッカは意識を手放した。
114レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/19(火) 12:46:33 ID:???
独りでも、仮令望んだものでなくても、夜だけは自分に優しいと思ってきた。
それなのに。
夜すらも時に牙を剥く。
宇宙漂流の記憶が形作るトラウマを呼び覚まして、優しさなど思い込みだと囁いてきた――

*  *  *  *  *

闇の中、浮かぶ人影は皆、追いかけようとすれば消えていく。
死んだ母。死んだ父。
死んだ妹。死んだ友。
皆が皆、目の前で、死体となって消えていく。

「嫌だ……ボクを独りにしないでよ……」

嘆きの声に応えるように、何処からか聞こえてくる旋律。
少女と青年。
オルゴールの音色が奏でるG線上のアリアに振り向いた先、2つの人影があった。
青年の顔は片時たりとも忘れた事無く。
少女の顔は、逆光の中で霞み、良く見えなかったが優しい感じがした。

青年へと手を伸ばす。
ずっと逢いたかった人が、今度は消えずに待っていてくれるのだから。
けれども駆け寄り、差し伸べられた青年の手に縋ろうとして、レベッカはいつも初めて気が付くのだ。
右腕が無い。
見下ろせば、焼け焦げ炭となった彼女の腕が、崩れ落ちて砕け散っていた。
ならば左手を。
そう思って見てみれば、其処にはただ黒い炭の塊があるだけ。
踏み出した右足も、地を蹴ろうとした左足も、皆等しく炭の塊となって砕けていく。
自慢の髪も炭となり、輝きを失い砂となり崩れて消える。

いつも夢は此処で終わっていた。
だからレベッカは初めて気がついた。
傍らに犬を連れたもう一つの人影が、誰かに良く似た少女が、果たして誰なのかを。
少女は仰向けに転がるレベッカの傍らにしゃがみ込み、泣いていた。
涙を拭って遣りたい。
でも、その為の指はもう無い。
だから、使うのは崩れ去りそうになる口から、どうにか紡いだ言葉だけ。

「あの日の夜はもう来ないけど……その、今、キミにまで泣かれると、困る……」

雨の降る夜。
デパートの中でそうしたようにまた、「友人」たる少女を慰めようとして――。
115レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/19(火) 12:48:00 ID:???
*  *  *  *  *

夢を見ていたらしいと知ったのは、頬が涙に濡れていたから。
どんな夢だったかも既に記憶には無い。
ただ宇宙漂流の記憶が引き金となって狭心症にも似た症状を引き起こした事だけ、レベッカは覚えていた。

【行動:J-06→G-06→G-07→F-07→F-08(-3)、トラウマによる狭心症系統の発作(-1)】
【位置:F-08(機体:高速道路)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.2L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝】
【同盟:なし】
116ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/19(火) 15:02:56 ID:???
気合いを入れて掃除を始めたまではいいが、やはり吐瀉物の処理は手間取った。
もともとは自分の中から出たもの、と思えば少しはやりやすくなるとニースは思っていたのだが、やはり現実
はそうは上手くはいってくれない。
それでも少しずつ、少しずつコクピットは綺麗になっていく。
ニースが自分の女らしさを発揮し尽くして掃除を終えたのは、それから暫く経ってからだった。

消臭剤の効いたコクピット内で大きく鼻から息を吸う。
そして臭いが殆どなくなっている事を確認すると、満面の笑みで頷いた。

「うんうん、あたしだってやればできるんだよねっ。
 これなら、いつアルバートさんが入ってきてもだいじょう……ん?」

通信機から聞こえてくる声が、ニースの言葉を中断させた。
マイクの音量が抑えてあるのか、はっきりとは聞こえなかったが、それは泣き声のようだった。
ふとモニターを見上げてみると、そこに見えたのは、誰かに縋り付いて泣き続けるエルナの姿。
エルナが縋り付いているのは、考えるまでもなくアルバートだろう。

複雑な表情でモニターを見つめるニース。
その様子を見れば、エルナの症状が何らかの回復をしたのが見て取れる。
アルバートの、そしてエルナの仲間として、ニースにとってこれほど嬉しい事はない。
その一方で、それを素直に喜べない、女としてのニースもいる。
ニースは、アルバートがやましい気持ちでエルナを抱いていない事を百も承知だ。
そのアルバートの優しさを痛いほど知っているから、それを素直に喜べない自分が嫌になってくる。

モニターから目を逸らしたニースは、バケツとゴミ袋を持って下に降りた。
道具の片付けもあったが、2人の抱擁をそれ以上見ていられなかった為もあった。
ニースの掃除が終わるのを、大人しく待っていたハスキー犬の頭を撫でる。

「エルナさんの事…素直に喜べないなんてさ…。
 …あたしって、嫌な女なのかな…?」

答えが返ってこない事を承知しつつ、ハスキー犬に話し掛ける。
何でもいい。誰でもいいから話さないと、自分が黒いものに染まってしまいそうだった。

「…ぅっ…ふぇっ…」

不意に涙が溢れそうになり、嗚咽が口から漏れる。
慌てて無理矢理嗚咽を飲み込んで、頭を振る。

「…馬鹿馬鹿…!何でエルナさんの事、素直に喜んであげないのよ…!
 こんなんじゃ、エルナさんにもアルバートさんにも、会わす顔がないよ…!」

溢れそうな涙をごしごし拭くと、ゴミ袋をデパートのホールにあるゴミ箱に捨てる。
そしてゲルググに戻ろうと出口に足を向けた時、それが聞こえてきた。

続く
117ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/19(火) 15:06:26 ID:???
途切れ途切れだが、聞こえたのは間違いなくレベッカの声だった。
あの時…そして「今」でも友人になりたいと願ってやまない、蒼い目の女性。
それが適わない願いだとしても、いや、だからこそもう一度会いたい白金の髪の女性。
ハッとして周りを見る。
…そこは、あの夜、レベッカと僅かな間一緒に語った場所。
彼女と本当に僅かな、刹那の心の交流を交わした場所。
涙を流すニースの目許を、そのしなやかな指で拭ってくれた――。

「あたし…泣いてる暇なんてないのにね…レベッカさん…」

あの時レベッカがいた場所にしゃがんで、床に触れる。
まるで、そこにレベッカがいるかのように。
そのニースの頬を伝う、一筋の涙。

そこにレベッカの姿はない。
しかしニースの目には……ニースの心には、そこに横たわるレベッカの姿がはっきり見えていた。
炭のように崩れていくレベッカの手が、ニースの涙を拭おうとするかのように伸ばされて……。

『あの……夜は……いけど…………その……キミに…泣かれると、困る……』

最後に言葉を残して、レベッカの姿は見えなくなった。
ニースはレベッカが拭う筈だった涙を、自分の手で拭った。
そしてレベッカが見えていた場所に向かって、話し掛ける。

「でもあたし、馬鹿だから…。馬鹿だから、嫉妬なんかして、泣いてばかりで…。
 …でも、それでも、レベッカさんにまた会えるまで頑張るから…。
 その時泣いても、あたしの事、泣き虫なんて思わないでね…?」

恥ずかしそうにそこまで言って、微かに微笑んで……
そして、ふと我にかえった。

そこにはレベッカの姿は、やはりない。
勿論声も聞こえない。
夢だったのか、それとも幻だったのか…。
でもそれがたとえ夢だったとしても、ニースはまた、レベッカと語り合う事ができた。
触れ合う事ができた。
それによって、また少しだけ勇気を貰った。
少女は、ほんの少しだけ成長した。

ゲルググに戻ってコクピットの確認を(臭いを含めて)するニース。
ハスキー犬は眠いのか、シートの後ろで丸まっている。
その様を微笑みながら見つめ、続けてレーダーに目をやった時、そこの反応に気づいた。

「…新しい生徒…!?」

慌てて通信を繋げてあるMSに、大声で伝える。

「北の方から新しい生徒の人が接近してきてる!
 番号は…えっと……じゅ、15番の、ファッツ=シュヴィールさん!」
118ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/19(火) 15:07:06 ID:???
【行動:掃除(−1)ゴミ捨て(−1)レベッカと交流?(−1)コクピットに入る(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:少し持ち直した】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食1週間        
     分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤】
【行動方針:ハスキー犬の名前考えなきゃ、レベッカさんと同じ舞台に立つんだ】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬…名前はまだない】
119ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/19(火) 17:43:10 ID:???
申し訳ありません。
表現に間違いがあったので、最後のセリフを次のように変えます。

「北の方から新しい生徒の人が接近してきてる!
 番号は…えっと……え?…あれ…?
 あ、あの…!め、名簿に載ってないMSだよ!?…ど、どういう事なの?」

スレ汚し、失礼しました。
120ルイス・ガルシア ◆y7pbaP9SbA :2005/07/19(火) 17:48:59 ID:???
閃光は煙の中に消えた。
しばらくして爆音があたりに響き渡り耳をつんざぐような音がルイスを襲う。

「やっと、終わったか。」

ほっと気を抜いたその瞬間。
 ――――ピピィィィィィ――――


「な、ミサイルか?」

飛んでくる狂気の塊。
その物体に向けて頭部のバルカンを放つ・・・・・・。

数発の砲弾があたった後にあたりを閃光と轟音がつつんだ。

近くで倒れるゲルググそれによってきて様子を見るアルバート。

とりあえずの危機はしのいだ。
その安堵に包まれてタバコに火をつけた。
新たな敵が近づいているとも知らずに・・・・。


【行動:射撃による防御(−1)】
【残り行動値3P】
【パイロット状況:】
【位置:U―22】  
【機体状況:右肩アーマー破損・左肘関節部アブソーバー欠損・左肘から先の装甲及び内部破損 】
【通信状況:02・05・11・14に対して通信回線継続】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2(残弾84%)、胸部60mmバルカン×2(残弾72%)、 ビームサーベル×2(散弾)ビームライフル】
【所持品:シガレットケース(葉巻10本)煙草3箱(47本) ライター (ズボン ユニフォーム アンダーシャツ) ボイスチェンジャー アサルトライフル予備マガジン×2 H&CUSP予備マガジン×1 パン×2 水2L 清涼飲料水4L  缶詰×5 塩1袋 下着類 】
【行動方針:とりあえず休憩】
121エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/07/19(火) 19:30:14 ID:???
>>48-50
 やっとの事で砂漠を抜けた。
砂と岩と、時たま思い出したかのように現れるサボテンだけの風景もここに終わった。
地図を確認する。
街はもう近い。
いい加減限界に近い腹が餌にありつけることが近いことを察し、
まだかまだかと暴れ始める。
変わりにと水を口に含むがもう騙されてくれそうにない。
空腹感に苛まれながら、街への向かう足を進めた。


【行動:移動(E−17→E−6→E−15→F−15→F−14)(-4)】
【残り:0】
【位置:F−14(草原)】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂】
【パイロット状況:かなりの空腹】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0),ビームトマホーク】
【所持品:布、綿、糸、裁縫道具、色鉛筆、型紙、人形
        水1L弱、MS整備の本】
【方針:食料確保】
122ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/19(火) 21:37:03 ID:???
>>102
『すまない』
悲しみに満ちた、その口調。
・・・なんで。
「すまないなんて・・・あなたが言う言葉じゃない・・・」
なんであんたがそんな言葉を言うんだ。
あんたは精一杯やっただろうに。
「俺が・・・謝らなくちゃいけないんだ。
 この力を、もっと早く取り戻せていたら、俺がクルルを救えたんだ。
 あなたが謝る必要は、ない」
そこまで言って・・・力の事はジンペイに隠していたことを思い出した。
だとすると、あの人は俺をただの素人だと思っている可能性もあるのか。
だから補給の時といい、余計な負担を背負い込みたがるのか?
(馬鹿だな・・・)
そう思った。もっとも、何でもかんでも背負い込むのは俺の得意技だけど。
「ついでだ・・・教えておくよ」
何年ぶりだろう。
この力を(一部とはいえ)自分から大人に教えるのは。
「俺の所属は、ザンスカール帝国軍ニュータイプ部隊、階級は少尉。
 もっとも、ザンスカール帝国なんてあなたは知らないと思うけど。
 後ろの方だけ覚えてくれていればいい。俺がただの子供じゃないってことをね」
そう言って、通信を切った。

ホワイトアークへ、Z+を飛ばす。
そう言えば、クルルの仇はもう一人いた。まあ殺したわけじゃないが。
バウのパイロット。ナインティとかいう強化人間。
狂気を丸出しにして戦う、指導者にとっておあつらえ向きの兵器。
だが、その狂気は今感じない。死んだか、正気に戻ったか。
そこで、通信中だったため定期放送が録音されているのを思い出した。
「・・・よし」
123ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/19(火) 21:39:21 ID:???
>>86
定期放送。それは、死んだ参加者を教えるわけで。
「こうもまた現実を見ると、きっついな・・・」
だが、きついのは俺だけじゃないらしい。
なぜか、あの馬鹿先生はクルルの死に悲しんでいる。子供が近い年齢だとか。
・・・かちん、ときた。
「どの口で言ってやがる、てめえ・・・!」
その少女を殺し合わせた一人が、お前だ。
そんな奴が泣くのは、偽善だ。何の慰めにもなりはしない。誰にとっても。
コックピットを蹴りたい衝動を抑えながら、続きを聞く。死亡者の通達は、終わり。
どうやら、あの強化人間は生きているらしい。それが分かっただけでもこの放送は有益だ。かなりむかついたが。
「さて、どうすっかね。クルルにグレネードぶち込んだ奴の処遇は?」
普通だったら即刻抹殺だが、強化人間だ。いちおう、お仲間である。いちおう。
「ホワイトアークに戻って、通信でもしてみるか。返答次第で・・・」
最後の言葉を飲みこんで、ホワイトアークへ着艦する。
もっとも現状、この距離からの通信は難しいか。
風はおさまっていくそうだから砂嵐もおさまるだろうが、すぐではないだろう。
「どうするかな。さっさと立ち去って見逃すってのもありだろうけど・・・」

【行動:移動C−22→C−18(2)変形(1)着艦&Z+から降りる(1)】
【位置:C−18、砂地】
【残り行動値:0p】
【機体状況:MS,ABCマントを脚部に着用済、左腕に傷、右腕に凹み
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(残弾85%)
    予備  二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦  メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:疲労・ホワイトアークに搭乗】
【通信状況:無し】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.9、木刀、写真、重り×3、ボールペン、スポーツドリンク350ml
 艦内倉庫に入っている物・果物缶詰×2、魚の缶詰×2、拳銃×3 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(30食分) コーヒー紅茶セット クッキー、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:仇を討つ&ナインティをどうするか決める】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】
124エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/19(火) 22:29:24 ID:???
「……うぅっ。」
まるで子供のように身体を抱かれ、頭を撫でられ、そして泣いて。
……でも、嫌じゃなかったし、恥ずかしさも殆どなかった。
何でだろう。いつもだったら顔真っ赤にして、取り乱して。
……でも今は心はこんなにも穏やかで、暖かくて。
別にアルバートさんにお父さんの印象がある訳じゃない。
ただ、純粋にその温かさが、優しさがとても私にとって心地よかった。

そしていつの間にか吐き気と腹痛は消えていて、頭痛も殆ど消えていた。
抱かれている身体が汗をかいたままで少し恥ずかしいなという気持ちと、
起きてから整える暇もなかった故にぼさぼさの頭が恥ずかしいなって気持ちがおきるぐらいに、
私の心の中で今まで張りつめていた何かが和らいでいた。

「アルバート、さん。」
私は涙に濡れた目をこすりながら、すぐ近くにいるアルバートさんの顔を見上げた。
目の前には先程までと変わらない、優しさに満ちし顔。

「有り難う……あなたのおかげで、私は救われた……。
 今、私は……四年間無くしていたモノを見つけられた気がして……とても……
 幸せ……とても……。
 でも私の過去は消える訳じゃないし……消しちゃいけない過去なんだと思う。
 だから……また、私が過去に囚われて……心が殺されそうになったとき……無理にとは言わないから……
 また、こうして抱きしめて……こうして……。それで私はまた……戻ってこれるから……。」
そう言うと、アルバートさんの背に回した手に少しだけ力を込めた。
これで最期になってもいい。でも最期にせめてこの温かさを、身体に染みこませ、記憶しておきたかった。

そうしてアルバートさんの言葉を待っていると、通信機から僅かに声が聞こえてきた。

『……から……い生……人が接近………てる!
 ……………と………?…あ……?
 あ、あの…!め、名簿……ってないMS…よ!?…ど、…うい…………?』
「アルバートさん、これ……って。」
音量が小さいのか、妙に聞き取りにくい音声。
でも何となく、ニースの声に聞こえなくもない。
……なんだか嫌な予感がした。根拠こそ無かったけど、とても嫌な予感がした。

【行動:会話(-0) 問い(-0)】
【残り:4】
【位置:U-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷 
      センサー一部障害 装甲にダメージ レーダー停止 通信機ボリューム低】
【人物状況:症状緩和(ごく僅かに頭痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
    保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品) ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる 通信……? ???】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース】
【共闘?:08番 ルイス?】
125T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/19(火) 23:42:35 ID:???
ガンダムが駆ける。剥き出しのコクピットの中、巨漢の顔を風が打つ。
剣をさげたまま駆けて駆けて駆けとおして、高速道路の大きなカーブの所で足を止めた。
H-17エリア、先のエリアから2エリア分も離れている。
振り返ってみるが、何かが北上してくる様子もない。大丈夫だろう。
剣を腰のハードポイントに収め、改めてガンダムは歩き出す。

小一時間ほど歩き、見えてきたのは新たな高速ジャンクション。
今度は東に向かって道が分岐している。
巨漢が目指すのは北西だが、しかしこの分かれ道の向こうに新たな機影を発見する。
月明かりの下、橋の手前の上空に、奇妙なシルエットのMAが旋回している。

23番ジョセフのハンブラビ――なのだが、巨漢にはそこまでは分からない。
分かるのは、今の武装で空を飛ぶ敵を相手にするのは骨だと言うこと。
いずれ倒すべき敵なのかもしれないが、強いて今倒すべき相手でもない。
相手がこちらに向かう様子がないことを確認すると、再び道に沿って歩き出した。

道を西に曲がりしばらくして。
巨漢はふと、自分の喉を押さえて首を捻った。
デイバッグを探るが、出てきたのは砂にまみれたコッペパンと、暗がりでは読み辛い一冊の本だけ。
とても食べれたものではないパンを放り捨てると、巨漢はあたりを見回した。

マップ上では「平野」とされる地形の中を突ききる、高速道路。
だが実際には、荒れた草原が延々と広がっているわけでもない。
畑もあれば、農家も点在する。道に沿った所にはモーテルもある。
大型の都市には及ぶべくもないが、丁寧に探せば水や食料も見つけられるはずだ。
巨漢は高速道路の上で、どちらに向かうべきか周囲を見回した。


【行動:移動(H-19→H-17→I-16→I-14→H-13)(高速道路移動ボーナスあり)(−4p)】
【残りP:0p】 【位置:H-13(高速道路上)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。各部に砂が侵入?】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味。空腹。】【通信状況:なし】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 飢えと渇きを癒す 機体の補修 19番への執着】【同盟:無し】
126リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/19(火) 23:58:15 ID:???
瞳にうつる景色が、違う気がした。

いや、景色そのものは変わりはしなかったが、それを捉える感覚が違うのだ。
無意識のうちに、戦闘にかかわる情報を拾い集め続けようとするこの研ぎ澄まされた感覚が、酷く懐かしい。
自らの在り様を見失って以来、さして時間は流れてはいないのだが、まるで何年もの間、牙を失ったままで
あったかのようにも感じられた。

「フン、二度とゴメンだ。
 私は、リトラ=クローム以外の何者であってもならんのだ」

さて、牙を取り戻したからには、早々に強者を求めて移動を開始したいところであるが。
折角の軍事基地である。確保できる物はこの機会に確保しておくべきだ。

愛機のレーダーが敵影捉えるなり、周囲に大音声で警報を鳴り響かせるようアラームをセットし、
リトラは愛機を降りて、以前に侵入した施設内へと入る。
先ず確保するつもりだったものは、洗濯及び乾燥を行った自らの戦装束である。
このツナギは戦闘を行うには生地が固すぎてイマイチ動きづらい。
例のドレスなどといったものは、問題外である。

リネン室にて戦装束を回収し、早速着替えたリトラは、再び自らの頭にバンダナを巻く。

「やはり、この格好が私には一番合うようだな」

続けて、手頃な武器が無いか、施設内の探索を始める。
思えば、自らの手に握る武器はナイフの一振りとして持っていなかったのだ。
たとえ徒手空拳でも、自らの手足を凶器と化す術を知ってはいるが、だからとて武器が不要などという事はない。

士官室を中心に探索を進めていると、ある上級将校の私室にある机の引き出しより、
大型のものと標準的なものの、二挺の拳銃を発見する事が出来た。
いささか旧い型の物である事からして、いささか趣味的なものではあるが、実用に不満はないだろう。

【行動 :   機体のアラームセット、軍事施設内へ移動(-1) 洗濯&乾燥済みの衣服を回収、着替える(-1)
        大型軍用拳銃確保(-1) 軍用拳銃確保(-1) 残0 】
【位置/場所 : D-12/基地・施設内 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クローは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下(頭部のみ応急処置)
        左肩に白銀のペイント 】
【パイロット状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナを巻き、戦装束に身を固める 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン ショットガン(残6発) ビームマシンガン(残75%) 】
【所持品: 首輪 ディパック コッペパン×1 水2L入りペットボトル×1 歩兵用ヘルメット ケブラーベスト 煙草数箱 『バンダナ』
      応急処置が可能な薬品類&包帯類 『黒のワンピース・ドレス』 換えの衣服何着か
      クマの『ハロ』(ディパックよりチラッと頭だけ出ている) 大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17) 】
【方針 : 戦斗再開 】
127アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/20(水) 08:49:22 ID:???
どのくらいの時間、エルネスティーネを抱き締めていただろうか。
言葉をかけるでもなく、俺はただ黙って抱き続けていた。

そしていつの間にか、コクピット内に聞こえていた嗚咽は消え、静寂に包まれた。
お互いの心臓の音が聞こえてきそうなくらいの静けさ。
微かに聞こえる吐息だけが、この狭い世界の中の音の全てだった。

「アルバート、さん。」
その静寂を最初に破ったのは、エルネスティーネだった。
俺を見つめている瞳に、もう涙はない。
その声を聞き、瞳を見て、俺は彼女が病に打ち勝った事を悟った。

エルネスティーネの言葉が続く。
それによると、彼女の病のキーワードは4年前、という事になる。
だけどそれは俺が聞く事じゃないと思う。
たしかに4年前に、病に繋がる何かがあったのは分かった。
でもそれが、誰かと分かちあえる過去かどうかは分からない。
現にエルネスティーネは、自分の過去を背負っていく決心をしている。
彼女の過去の出来事に、俺がしゃあしゃあと前に出るわけにもいかないだろう。
…俺がエルネスティーネの為にしてやれる事は…。

俺がエルネスティーネに返事を返そうとした時、通信機から微かに声が聞こえた。
…それは小さかったが、確かにニースが叫んでいるような声だ。
詳しい事情は不明だけど、何かがあった事は間違いない。

シャッコーに戻る前に、もう一度だけエルネスティーネの艶のある髪を撫で、返事を返す。
「…俺はエルネスティーネの背中を少し支えただけだよ。
 そんなに感謝される事はしてない。
 病を克服したのは、あくまでも君の中にある生きる力なんだ。
 …エルネスティーネ。
 君は、君自身が思ってるよりも、ずっと強い子なんだ」
そこまで言うと、俺も彼女を強く抱き締める。
エルネスティーネから溢れてくる、生きる力を感じ取ろうとするように。

「でもエルネスティーネ。
 …もしもまた耐えられない時が来たら…。
 君が言うように、過去に囚われる時が来たら……その時も遠慮なんかいらない。
 どこに居たって、俺はエルネスティーネの所に駆けつけるから…。
 だから、絶対に諦めるような真似はしないでほしいんだ。
 諦めなければ、それはきっと報われるから…」
言葉を終えると、俺はエルネスティーネを抱いていた手を放す。

(続く)
128アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/20(水) 08:53:01 ID:???
そしてデパートの前にいるゲルググを確認すると、またエルネスティーネに視線を戻した。
「さっきの通信の様子からして、何かが起きたみたいだ。
 俺はシャッコーに戻るから、エルネスティーネも少し警戒してほしい。
 でも、無理は禁物だぞ」
状態が安定したとはいえ、エルネスティーネは全快したわけじゃない。
ここでもし、また戦闘なんかになったら、症状がぶり返すのではないか?
少し心配しつつ、コクピットから出ようとする。

「あっ…と、そうだ」
ふと思い立って振り向くと、エルネスティーネの手を取った。
そしてその甲にそっと口づけする。
…2〜3秒ほどしてから同じようにそっと口を離すと、エルネスティーネに微笑んだ。
「俺の生きる力も少しお裾分けしとくね。
 …気休めかもしれないけど」

「ちょっとキザだったかな。…それじゃあ」
苦笑しながらコクピットから出て、シャッコーのコクピットに移る。
シートにつくと同時にゲルググに通信を送った。
「ニース!
 すまないけど、もう一度何があったか教えてほしい!
…あっちょっと待って…。
 ニースが言っていたのは、新しい生徒の事か?」
レーダーに映る新しい反応。
それがもたらすものが何なのか、まだ俺にも判らない。

【行動:抱き締める(−1)シャッコーのコクピットに移る(−1)通信(0)】
【残り:2】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食5日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう、現状の確認】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
129ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/20(水) 10:14:00 ID:???
街が確認できるようになる頃、マラサイの中に定期通信が流れ始めた。
死者は二名、結構いいペースかと思う。
その内の一人は凄腕の殺し屋だったらしいが、殺し屋がMSの操縦に長けているか?
っていうか、殺し屋って本当に存在するのか?と思うが。
まぁ、気にしては負け。
一人、強力な参加者が死んだ事を今は喜ぶべきだ。

もう一人、余りにもこの戦場が不釣合いだった少女の名前も挙がっていたが。
まぁ、気にするほどの事でもないだろう。
女装した折に騙れるような相手でもない。
はっきり言ってしまえば、生きていようが死んでいようがどっちでもよかった。

これで死者は8人。
ようやく8人だ。
まだ大多数が残っているこの中のたった一人しか生き残る事は出来ない。
たった一人だけ。

>>117

「ア?」

警戒せよ、とアラームが鳴り響くコックピット内。
街に行けば確かに参加者がいるとは思った。
だから、これは予想の範囲内………だが。

「人、多くね?」

4つの機体反応が目的地、U-22地区に集まっている。
しかも戦闘が行われている形跡が無い、という事はそれぞれ全員が全員。
仲良くはしていないとしても、互いに警戒をし合っていたとしても、その場に相手がいる事を認めているという事だ。
そう考えると自分も認めてもらえるかもしれないが………
しかし、認めてもらえなかった場合は4人からもれなく集中攻撃をいただくことになるだろう。

問題はそれだけではない。
その4人の中に、ファッツを知る人物………エルナとルイスがいる事もネックだ。
ルイスの場合、直接的には話をした事が無いのでさほど重要ではない。
が、しかし、これで騙れる人物リストからアルマ=フローライトの名前が消える。
最も厄介なのがエルナだ。
彼女はリトラもファッツも知っている。
そんな彼女の前でリトラを騙れるわけもなく………。
かといって、正直にファッツであると言えば砂漠で行われた戦闘の都合上、
ルイスに問答無用で攻撃されてもおかしくはない。
レベッカを騙る、という事も考えたが彼女はこちらの方向から北上していた。
ならば、ここで彼女を騙るのは得策ではないだろう。

「仕方、ねぇか」

ふぅ、と一つ溜息をつくと覚悟を決めたように正面をにらみつけた。
130ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/20(水) 10:15:27 ID:???
「夜分遅くに失礼する」

大丈夫、違和感がある声ではないはずだ。
確かに少々低いが、この容姿を見れば男と思われるほどの声ではない。

「私の名は………リトラ=クローム、管制側の言葉によれば出席番号は6番だ」

心の中で『フフフフ………フハァ――ハァ―――ッ!』と軽く叫んでモニターに映る二人の人物を睨み付ける。
一人は何と言うか、一言でいうと正統派の美少年。
男性アイドルグループに一人はいそうなタイプだ。
もう一人はイマイチ垢抜けていない少女。
全くと言っていいほど化粧っ気が無いのが少し気になる。
この年齢の少女というものは多かれ少なかれ皆、化粧やお洒落に興味が出るはずだ。
少々、勿体無いとは思うがこういう田舎娘っぽいのもアリといえばアリ。
………まぁ、んな事はどうでもいい。

「こちらに交戦の意思は無い、私の目的は街で物資の調達をする事だ。
 お前たちがこちらに攻撃をしないと約束してくれるなら、私も手を出さないと約束しよう」

口元に笑みを浮かべながら、どうだ?と言わんばかりに男の方を見つめる。
余裕を見せているように見えるかもしれないが………。
しかし、その実、背中の方は冷や汗が出放題である。
早く、急いで、迅速に、エルナにバレる前に物資を入手したい。
その思いだけがファッツの胸中を占めていた。

【行動 :11番アルバートに通信接続(-1P) 14番ニースに通信接続(-1P) 残り2P】
【位置 :U-21】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:11番アルバート・14番ニースに通信接続中】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×1
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー 
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :黒いワンピースドレス+銀髪のウィッグ】
【暫定行動方針:街で補給】
【最終行動方針:優勝】
131アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/20(水) 14:54:45 ID:???
レーダーに映っている機体は、マラサイだ。
旧式の機体だけに実物は見た事はないし、詳しいデータも知らない。
でも、今詮索するのはそんな事ではなく…。

俺はマラサイに通信回線を繋げて、リトラ=クロームと名乗る生徒を見る。
…何度見たところで、初めて会うのだから見覚えなんてあるわけないんだけど…。
妙に違和感を感じるのは気のせいだろうか?
「…ま、いいか」
俺は今感じた違和感を、あっさりと引っ込めた。
とりあえずは関係のない事だし、彼女の返答次第で違和感も解消するだろうから。
「初めまして、リトラさん。
 俺の名前は…名簿を見れば直ぐ分かりますけど、アルバート=パーシングです。
 …だけど貴方の名前は、今こうして名簿を見ても分かりません。
 リトラ=クロームは名簿によると、ディジェに乗っている筈だからです。
 何故貴方は名簿に載っていない機体に乗っているのですか?」

誰もが感じる疑問はこれだ。
何故リトラ=クロームが名簿にない機体に乗っているのか?
どこかで見つけたのか?
何かの事情があって、組織が支給したのか?
どちらもありそうだけど、納得できるかと言われれば、そうでもない。
それとは別にありそうなのが、別の生徒の存在か?
…誰か全く別の生徒が、リトラ=クロームの名前を騙って油断させようとしている。
このプログラムの性格を考えると、これもまたありそうだ。
ただ、やっぱりこの説も決定打に欠ける。
名簿を見れば1発でばれる騙りを、する意味が判らない。
彼女が本物ならマラサイに乗ってる理由を言ってくれればいいし、偽者ならどうして
すぐばれる騙りをしたのかが知りたい。

…そして本物ならば、この街に来た理由は信用できるけど……偽者だった場合、街で
の補給という説明は十中八九嘘だ。
大体他人の名前を騙ってまで、この街で補給する意味があるとは思えない。
そう考えるとやっぱり、油断させておいての不意打ちが目的か、とも思えてくる。

(…駄目だな、俺は)
こつりと頭を小突いた。
一方的な見方だけで全てを判断するのは失敗のもとだ。
プログラムの当初に、俺はそれでレベッカを敵と判断してしまった経験がある。
先ずは彼女の返答を聞いて、それから判断した方がいい。
それでも、油断だけはしない。
道路に落ちている、エルネスティーネに貸してあったビームピストルを拾う。
あとはリトラ=クロームの返答を聞いて判断しよう。

【行動:6(15)番に通信回線接続(−1)ビームピストルを拾う(−1)】
【残り:0】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、6(15)、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食5日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう、現状の確認】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
132T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/20(水) 16:09:41 ID:???
オープンコクピットの巨漢のガンダムは、高速道路を北に下りた。
そこは延々と小麦畑の広がる農業地帯。しかし青々と揺れる小麦は、そのままでは喰えない。
巨漢は他の作物の畑やこの畑を耕しているはずの農家を探し、慎重にエリア内を北上する。

やがて巨漢は、畑の中に一軒の大きな農家を見つける。
近くには鶏小屋や、自給自足用の小さな野菜畑も見える。
巨漢は機体をしゃがませて、ハッチのないコクピットから飛び降りる。

十数分後。
真っ赤に熟れたトマトと、汚れのついた鶏卵をいくつも抱え、巨漢は戻ってきた。
他の野菜は生食できそうになかったし、卵を取る時に鶏が何羽も逃げ出してしまったが、別に問題ない。
機体の足に腰掛け、仮面をズラしてトマトにかぶりつく。
3口ほどで食べきってしまうと、今度は頭の上で卵を割り、生卵をそのまま飲み込む。
実に味気ないが、水分・栄養価共に十分な食事は、ほんの数分で終了した。

食事を終えた巨漢は、再び機体に戻る。
先程、農家を探して歩いていた際、少し気になる反応を見つけていたのだ。
壊滅的ダメージを受けた頭部のセンサーが、それでも拾っていた金属反応。

やがて、巨漢は、その「物体」の前に到達する。
……MS用の大型銃器ほどのサイズのある、大きなコンテナ。小麦畑の真ん中に鎮座している。
それはこのクロスボーン・ガンダムと共に支給されたムラマサブラスターの入っていた箱に、良く似ていた。
ガンダムの腕が、そのコンテナにかけられ、忘れられた武器を開放した。

【行動:移動(H-13→H-12)(−1p)、探索(トマト・鶏卵を発見)(−1p)、
    簡単な食事(−1p)、探索(23番の置き去りのコンテナを発見)(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:H-12(平地・農業地帯)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。各部に砂が侵入?】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味。】【通信状況:なし】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター
    フェダーインライフル】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 機体の補修 19番への執着】【同盟:無し】
133レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/20(水) 19:45:27 ID:???
月は空、半ば。
風は荒れ、遠くの木々を揺らす。
誰に襲われるとも知れない場所で意識を手放した己を叱り、再び歩き始めて早数十分。
遠く影絵のような山々のライン、近くには荒れた地面が道路の脇に広がっている。
無人の荒野。
時折聞こえてくる遠吠えは野犬のものか、それとも山に住む狼か。

(どうでも良いか、そんな事は)

滲み出る額の汗をウェットティッシュで拭う。
狭心症に良く似た発作は治まってから既にだいぶ時間が経ち、体の不調も大方落ち着いてきている。

「発作はもう起きないと思っていたんだけどな」

けれども起きた。
つまりは最早夜ですら、自分が死の身近に迫った人間である事を忘れさせてくれなくなったという事。

(……・いけないな、こんなんじゃ)

頭を振る。
スポーツドリンクの入ったペットボトル、その飲み口に薄桃色の唇が触れた。
流し込まれる液体を嚥下した白い喉が僅かに上下した。
内臓の熱が冷まされていく感触を心地良く受け止めながら、レベッカは気分を入れ替える事にした。
134レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/20(水) 19:51:25 ID:???
南へと道なりに進むベルガ・ギロスの操縦席。
マップ情報から近くに基地のある事を確認したレベッカは、右マニピュレーターの修理を其処で行なおうと考えていた。
だが、事態はソレを許さない。
尚も高速道路を行き、やがて目的の基地のシルエットが遠くに見えようかという時――

「!」

注意を喚起する警告音が発せられる。
突如として索敵範囲内に飛び込んできた反応に、レベッカは思わず身構えてしまった。
見れば隣接したエリアに見知らぬ機体が1機。

(クロスボーン……ガンダム?)

ガンダムの名は彼女にとっても特別なものだ。
かつての同僚たる青年が駆っていた最新鋭機と、そしてマフティーと名乗る青年の駆る詳細不明のMS。
前者の名はぺーネロぺー、或いはオデュッセウスガンダム。
クスィーと呼ばれしは、テロリストの道具たるもう1機のガンダム。
何れも鮮烈な記憶となって彼女の心にその姿を焼き付けていた。
ガンダム。
アムロ・レイの伝説から連なるその名を継ぐからにはきっと、戦うに容易い相手ではない。

(T-Dreizehn…珍しい名前だね。ゲルマン系だとすれば……テオドールとかそんな名前かな?)

大きく息を吸い、肺の中の空気をゆっくりと吐き出す。
他愛の無い思考を巡らせ、肩に篭った力を適度に抜いていく。
赤い舌が上唇をなぞる。
青き双眸は計器類へと視線を注ぎ、エネルギー残量や機体状況が戦闘するに足りうるモノとの確認を済ます。
数秒のタメの後、意を決して彼女はH-12エリアへと足を踏み入れた。

そして少女は、本物の「怪人(ファントム)」と遭遇する――
135レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/20(水) 19:52:20 ID:???
【行動:F-08→F-10→G-10→G-12→H-12(-4)】
【位置:H-12(機体:平野)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝、T-13への対応】
【同盟:なし】
136ジョセフ・ロバーツ ◆dzi5iUzr8I :2005/07/20(水) 20:07:36 ID:???
話さなきゃ駄目だ。
そうだよ、話し掛けないとなにも始まらないんだ。
僕の意志を伝えないと……。
わからない、何もわからないじゃないか。
そうだ、そうだよ。
はら、通信を繋いで――。

>>125
「ってうわああ!?」

モニターに映った新しい光点。
それはモビルスーツの反応――新しい敵。
いや、敵じゃないかもしれないけど。
でもこっちの索敵内に入ってきたということは近づいてくるということで。
それなら攻撃されるかも……。

「あれ、行っちゃった?」

反応が消えた。
悩んでいる間にどこかに行ってしまったらしい。
……よかった。
安心した反動で少しだけ涙が出た。
僕はとても弱い。本当に弱い。
たったこれだけのことで動揺してしまうなんて……。
自分自身に呆れて泣きたくなる。

「ハハハ……」

もう、笑いしかでてこない。
僕って怯えて泣いて自嘲して、怯えて泣いて自嘲して――。
ここに来させられてからこればっかりだ。
こんな僕が生き残れるんだろうか?
どうせ、僕なんて……。

「駄目だ駄目だ!そんなこと考えちゃ駄目だ!」

底なしに沈んでいく自信を引き止める。
僕は生き残らないと駄目なんだ。
あの時に決めたんだ、僕の命は僕一人の物じゃない。
勝手に死んでなんかいられないんだ。
約束がある――きっと僕は一人じゃないから。

【行動:怯える(-0)、立ち直る(-0)】
【位置:K-14】【残り行動値:4】
【機体状況:ハンブラビ(MA形態)】
【武装:背部ビームガン×2、ビームサーベル×2、腕部クロー×2、テールランス】
【所持品:ディパック、教科書、ノート、筆記用具、携帯音楽プレーヤー】
【行動方針:サラとの約束を守る、アルマさんを追う】
【同盟:なし】
137リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/20(水) 20:26:27 ID:???
部屋を更に探索すると、先程手に入れた軍用拳銃のものと思われる予備のマガジンを発見した。
それは、この部屋の主がこれらの銃をただの趣味の一環としてコレクションしていたのではなく、
実際に愛用していたのだという事を物語っている。旧式とはいえ、その信頼性は保障されているという訳だ。

マガジンを見つける過程で、リトラは一振りのナイフをも発見していた。
“く”の字に湾曲した刃を持つそれは、グルカナイフと呼称される大型のナイフである。
作業性によし、投げるによし、敵の喉を切り裂くによし。
その妙な形状とは裏腹に優れた実用性を誇るこのナイフは、リトラがかつて好んで愛用していたものだ。
どこか猛獣の爪を思わせるような形状からいっても、まさにこの女豹が持つに相応しい代物であると言える。

思わぬ収穫に気分を昂ぶらせながら、武器マニアの将校どのの部屋を後にするリトラ。
武器は充分に確保した。あと確保すべきものは、水と食料くらいのものだ。

ファッツと語り合った娯楽室のキッチンより、幾つかの缶詰を確保し。
空になったペットボトルに水を補給すると、リトラは自らの愛機へと急ぎ戻る。

愛機のシートに身を預けたリトラは、何処へと向かうべきかを考えながら、
ディジェをハイウェイへと向かって歩ませ始めた。

候補は、3つある。

東、南、北。
南には、クルル=ヴァルデーンを殺した何者かが居る可能性が高いだろう。
東と北には、誰が居るのかも見当がつかないが、恐らくファッツはこのどちらかへと向かった筈だ。

ま、どちらに進もうとも、やるべき事は変わらない。
強者との、己の存在を賭けた死闘。
それが牙を取り戻した女豹の、たった一つのシンプルな望みである。

【行動 :   予備のマガジン発見(-1) グルカナイフ発見(-1) 缶詰確保&給水(-1) 機体に戻る(-1) 残0 】
【位置/場所 : D-12/基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下(頭部のみ応急処置)
        左肩に白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナ&戦装束姿 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン ショットガン(残6発) ビームマシンガン(残75%) 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)
      大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 グルカナイフ ケブラーベスト(着用) 歩兵用ヘルメット 】
【方針 : 戦斗再開 】
138ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/20(水) 20:45:20 ID:???
「どうするかな。さっさと立ち去って見逃すってのもありだろうけど・・・」
そう言って、溜め息を吐いた。
「大人を見逃す、か。ずいぶん俺の価値観も変わったな・・・」
呟きつつ、艦の倉庫へ向かって歩く。能力使って、腹が減った。何か食べよう。

昔の俺だったら、迷いはしない。仲間に手を出した時点で即、殺している。
・・・そんな俺がこうまで変わった原因は、分かりきってる。あの人はそれほどの人物だということだ。
「始めて会った他人にここまでしなくてもいいのにな・・・全く」
倉庫の中を見て、そうぼやいた。・・・もっともこのセリフ、クルルの件に関しての俺にも言える事だ。
そこには山の様な荷物。俺が入れた荷物を1とすると、ジンペイが持ってきた荷物は20、いや50ぐらい。
どっからこんなに調達してきたんだ?いや基地か。よくこんなに集めたな。
「一言手伝えって言ったら手伝ってやるのに。馬鹿」
そう言いながら缶詰2個とクッキー、非常食2食分と紅茶を取り出す。
ついでに・・・拳銃を二つと予備弾倉を、拝借。
なぜ二つかと言うと、俺は手に持って撃つだけの人間じゃないからだ。
こっそり銃だけ相手の後ろに回り込ませて手を使わずに発砲、なんて事を俺はできる。
「信用してないわけじゃないけど・・・持ってて損はないさ」

取るだけ物を取って、リアカーで運びながらブリッジへ向かう。・・・重い。
俺がひ弱すぎるだけかもしれないが・・・というかそれだな、多分。
ちょっと息をあがらせて、ブリッジへ到着。ここでのんびり食べようとして・・・ふと空を見た。
「綺麗だな・・・地球から見る月は」
ゲドラフで月の大地を踏みしめた時は、まるで死の大地のようだと思った。
それなのに、蒼き星から見る月はこんなにも、光に満ちあふれている。
「クルルは・・・こういうことを知っていればよかったのかな。
 大義とかそんな、人が作った下らない夢想より、もっと幻想的で、素晴らしくて、綺麗な現実を」
ふと、そんな事を思った。もし知っていれば、あんな事にならなかっただろうか・・・と。
139ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/20(水) 20:47:28 ID:???
【行動:倉庫から物を取りだす(1)ブリッジへ移動(2)食事(1)】
【位置:C−18、砂地】
【残り行動値:0p】
【機体状況:MS,ABCマントを脚部に着用済、左腕に傷、右腕に凹み
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(残弾85%)
    予備  二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦  メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:疲労・ホワイトアークに搭乗】
【通信状況:無し】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.7、木刀、写真、重り×3、ボールペン、
     スポーツドリンク350ml、拳銃×2、予備弾倉、非常食(1食分)、果物缶詰×1、紅茶(2杯分)クッキー
 艦内倉庫に入っている物・魚の缶詰×2、拳銃×1 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(28食分) コーヒー紅茶セット、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:仇を討つ&ナインティをどうするか決める】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】
140エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/20(水) 22:46:55 ID:???
『…俺はエルネスティーネの背中を少し支えただけだよ。
 そんなに感謝される事はしてない。
 病を克服したのは、あくまでも君の中にある生きる力なんだ。
 …エルネスティーネ。
 君は、君自身が思ってるよりも、ずっと強い子なんだ』
「私は……強くなんか……。」
強く強く抱きしめられながら、私はぽつりと、言葉を漏らした。
私は……強くなんかない。強かったら私は……。

『でもエルネスティーネ。
 …もしもまた耐えられない時が来たら…。
 君が言うように、過去に囚われる時が来たら……その時も遠慮なんかいらない。
 どこに居たって、俺はエルネスティーネの所に駆けつけるから…。
 だから、絶対に諦めるような真似はしないでほしいんだ。
 諦めなければ、それはきっと報われるから…』
「……。」
アルバートさんの声に、私は頷きをもって返した。
抱かれていた手を放されても、名残惜しさとかはそれほど感じる事はなかった。
諦める事がない限り、私はこの温もりを忘れる事はないから……。

『さっきの通信の様子からして、何かが起きたみたいだ。
 俺はシャッコーに戻るから、エルネスティーネも少し警戒してほしい。
 でも、無理は禁物だぞ』
「うん、了解。まずは機体が動くか確かめない……?」
コンソールに手を伸ばし、機体の状況を確かめようとすると、
伸ばした手をアルバートさんがその手に取った。
少し、私が疑問に思っているとアルバートさんは私の手に口づけした。

「あ……っ。」
数秒の沈黙。……というかなにも言えなかった。
私の顔は、少し赤くなっている事だろう。

『俺の生きる力も少しお裾分けしとくね。
 …気休めかもしれないけど』
『ちょっとキザだったかな。…それじゃあ』
そう言い残すと、アルバートさんは自分の機体……シャッコーに戻っていった。
私はコックピットに入るを確認してから、通信越しに聞こえないように、呟いた。

「……キザで、馬鹿……でも、有り難う。」
そう言い終えると、私は気持ちを切り替えた。
……うん。まだ疲労は残っているけど……闘うには十分。
機体状況は……推進剤が減ってきている程度。私同様、まだまだ闘える。

機体を起こし、周囲を索敵する。あれ、レーダーOFF……?とりあえずON。
えーと、起きてる問題って言うのは……多分新たな参加者。搭乗機は……マラサイ……?
私は目をこすりながら、もう一度画面に見入った。
確か……記憶が正しいのならマラサイという機体は無かったはず。
……まぁ、機体性能に疎い私にとっては今はそれはどうでも良い事。
問題は現在戦闘意欲のある敵なのか、補給をしに来た……敵なのか。
とりあえず通信は……まだ入ってない。
141エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/20(水) 22:48:29 ID:???
【行動:会話(-0) 現状把握(-1)】
【残り:3】
【位置:U-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷 
      センサー一部障害 装甲にダメージ 通信機ボリューム低】
【人物状況:症状緩和(ごく僅かに頭痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
    保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品) ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる 対処】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース 08番 ルイス?】
142ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/07/20(水) 23:17:38 ID:???
Zプラスが離脱したのを見計らい、自分もそれに続いた。
……スピードが、出ない。と、言うよりも、出せない。

左垂直尾翼を失い、機体バランスが狂った影響だった。
同じくして、両垂直尾翼先端に装備された警戒レーダーも飛ばされた為に、
被ロックオン時の反応や、ビーム等の高熱減特定の効果も、半分程に。

目下に、MSバウが居た。が、特に動きは見られない。
クルルに手を出した筈の人間が、目の前での潰し合いに反応しなかった理由は解らない。
うまく時勢を見計らえば、漁夫の利も狙えただろうに……。

>>122
バウの機影が遠くなりつつある頃、ホワイトアークから通信が入った。
何処からか、無意識の内に漏れた言葉はロイドに聞こえていたらしい。
彼は、己の身の上を少しだけ話してくれた。
ザン、ウンタラ帝国軍……。ニュータイプ部隊はまだ解るとして、
にしても、あの歳で少尉とは随分と立派なもんだ。
成る程。確かにロイドの戦闘振りは見事であった。
何しろ、T-13と対等に渡り合っていたのだ。
奴は只者では無かったが、ロイドも只者ではない。

(コリャ、大変な奴を守ろうとしているなァ
 一生懸命やらんと、こちらの立場が怪しいゾ……)
自然、口元が緩んでいた。
やがてホワイトアークに辿り着く。
結局、彼女を連れ戻すことは叶わなかった。
それどころか……如何ともし難い悔恨が、胸の中心で“しこり”となる。

セイバーフィッシュを着艦させると、艦橋へ上がった。

【行動 : 移動−2 着艦−1 艦橋へ−1 残行動数0】
【位置 : C-22→C-18 (着艦中)】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減】
【人物状況 : 小疲労】
【通信状況 : 無し】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残90%) 60mm機関砲×1(残32発)
       両用ロケット弾×4 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 デジカメ
       アルバム(未発見) 巻き寿司1食分 レーション×6食分】
【方針 : ロイドを失わない】
【同盟 : 19番 ロイド・エンデバー】
143ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/21(木) 12:43:31 ID:???
『ニース!
 すまないけど、もう一度何があったか教えてほしい!
…あっちょっと待って…。
 ニースが言っていたのは、新しい生徒の事か?』

シャッコーに戻った、アルバートが話し掛けてくる。
ニースが説明するまでもなく、アルバートはすぐに状況を察したようだ。
それでもニースは、自分なりに説明する事にした。
ニースに、今アルバートが認識している以上の説明ができるとも思えないが、ニースは何でもいいから少し
でも彼と話をしたかった。
ニースはアルバートに、自分の成長を少しでも見せたかったのだ。
自分がただ、怖がっているばかりではない事を見せたかったのだ。
…いや、本当はただ単に、好きな人と話したかっただけかもしれないが…。

それはともかく、ニースが口を開こうとした瞬間、振り絞った勇気は無駄になった。

『夜分遅くに失礼する。
 私の名は………リトラ=クローム、管制側の言葉によれば出席番号は6番だ』

一足先に、正体不明のMSから話し掛けてきてしまった。
アルバートもリトラ=クロームと名乗る生徒に、返事を返している。
こうなると、最早ニースが口をはさむ隙は微塵もない。

今ニース自身ができる事は、心の準備をしておく事。
何が起こっても冷静になれるように、アルバートの足手まといにならないようにする事。
もう2度とあんな醜態を晒したくない。
アルバートの横にいられるような、レベッカの前に立てるような強さが欲しい。
プログラムを生き抜く為の一途な思いが、ニースを少しずつ変えていく。

ふとモニターを見ると、煙草を吸っているルイスが見える。
少し心配になるニース。

(あのマラサイっていうMSは、まだこっちには来てないけど…。
 のんびりしてて大丈夫なのかな…?)

年齢的にも性格的にも煙草を吸わないニースには、喫煙者が煙草を吸う意味なんて分からない。
ともかく、マラサイに対する注意だけは促しておこうと思った。

「あの、えっと…ルイスさん。
 その、煙草…吸うのは構わないと思うんだけど……その、余計な口出しかもしれないんだけど…。
 北の方に新しい生徒の人来てるから、気をつけてね?」

【行動:心の準備(0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:異常なし】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食1週間        
     分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤】
【行動方針:ハスキー犬の名前考えなきゃ、レベッカさんと同じ舞台に立つんだ】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬…名前はまだない】
144ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/21(木) 15:15:56 ID:???
「初めまして、リトラさん。
 俺の名前は…名簿を見れば直ぐ分かりますけど、アルバート=パーシングです。
 …だけど貴方の名前は、今こうして名簿を見ても分かりません。
 リトラ=クロームは名簿によると、ディジェに乗っている筈だからです。
 何故貴方は名簿に載っていない機体に乗っているのですか?」

「何故、か………
 少し考えればすぐに答えは見つかるはずだがな」

フフン、と口元に笑みを浮かべてアルバートを見る。
なるほど、矢張りそう簡単には信用してもらえそうにない。
だが、ここで信用してもらえなければ補給どころかU-22地区にいるMS勢に総攻撃されかねない。
ルイス、エルナにバレないように………
そして、このアルバートとニースに疑われないようにしなくてはならない。

「以前、管制側からプレゼントと称されてコンテナが支給された事は貴様でも知っているだろう?
 これはそのコンテナの中身だ」

コンテナの中身、という点では嘘をついていない。

「ディジェは戦闘によって損壊してしまってな………
 納得していただけただろうか、アルバート=パーシング?」

【行動 :11番アルバートに通信(-0P) 残り4P】
【位置 :U-21】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:11番アルバート・14番ニースに通信接続中】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×1
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー 
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :黒いワンピースドレス+銀髪のウィッグ】
【暫定行動方針:街で補給】
【最終行動方針:優勝】
145T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/21(木) 22:14:36 ID:???
コンテナの中に入っていたのは、長銃身のビーム・ライフル。
RX-110ガブスレイのために開発されたフェダーインライフルだが、そこまでは巨漢も知らない。
分かるのは、これが恐らく他の参加者の「初期支給武器」だということ。

クロスボーンガンダムは、隻腕でその長大な銃を手に取る。
支給品として用意されただけあって、どうやら専用MSでなくても使える規格になっているようだ。
照準などを一通り確認し、巨漢は無言で頷く。
巨漢の時代から見れば旧式なビームライフルながら、その威力と射程は十分なものがあるようだ。

ただ、その長さ自体が大きな問題ではある。
元々18m級MS用に作られ、その時点で既に大型武器と見なされていたライフルだ。
15m級のクロスボーン・ガンダムにとって、それは自身の身長よりも長い。
小型MSとしては破格の腕力を誇るこのガンダムなら、片手でも構えることはできるが……
しかし扱いにくいことには変わりない。

それでも、巨漢はその銃を持っていくことに決めたようだった。
物干し竿のように右肩に担がせ、ガンダムを立ち上がらせる。
修繕によって左腕の欠損を補うことができれば、この銃もより有効に使うことができるだろう。
巨漢がそう考え、西の基地に向け機体を動かしかけた、その時。

>>133-134
間近に迫られて初めて、目の潰れたガンダムはその存在を感知する。
北からやってきた黒いMS。ガンダムタイプにも似た「人」らしい顔のMS。
ベルガ・ギロス、それも「黒の部隊」用のカラーリングの施された――

「……ガッ!!」

巨漢は一声吼えて機体を身構えさせる。
彼自身、クロスボーン・バンガードでパイロットをしていた身だ。
ベルガシリーズの基本性能の高さは、良く良く知っている。
戦うには、容易な相手ではない。
早速手に入れた武器を、相手に向けて構えようとして――
146T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/21(木) 22:16:37 ID:???

 ガンダムの膝が、ガクンと折れた。

右膝にまるで力が入らず、そのままその場に倒れそうになる。
反射的にフェダーインライフルを杖のようにして、その身を支える。
素早く巨漢の指が機体の異常を確認する。

 ――右膝の関節部に異常発生。細かな異物の侵入を確認――

巨漢は忌々しげにパネルを叩く。
その異物は考えるまでもない。砂漠の「砂」だ。
傷ついた機体で砂嵐の中を強行したのが悪かったのか、それとも砂漠の街に長居し過ぎたのが悪かったのか。
ともかく、膝関節機構の奥まで砂が侵入し、動きが格段に悪くなっている。
この場を逃げ出し基地施設でしかるべき洗浄を行えばいいだけの問題だが、足に異常のある現状では――

 まさに、その逃げることこそが1番難しい。

それでも、巨漢のガンダムは立ち上がった。
コクピット剥き出しのまま。カメラアイを大きく破損した顔で。左腕を失った姿で。
大型ライフルを杖にした、まさに満身創痍の姿で。

薄い雲が風で流され、満月から少し欠けた月がコクピットを照らす。
機体に負けず劣らず傷だらけの巨漢が、肩口から機械を覗かせ、白い仮面越しにベルガ・ギロスを見据えていた。
世界に呪われた怪物が、世界に呪われた少女にその姿を晒す。


【行動:フェダーインライフルの確認(−1p)、反撃準備(ただし銃を撃つ前に膝折れ)(−1p)、
    異常確認(−1p)、】
【残りP:1p】 【位置:H-12(平地・農業地帯)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。
      右膝の動きに異常(砂の侵入による)】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味。】【通信状況:なし】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター
    フェダーインライフル】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 10番への対処 機体の補修 19番への執着】【同盟:無し】
147アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/21(木) 22:23:57 ID:???
俺の質問によどみなく答えるリトラ=クローム(仮)。
その視線、口元や目尻の筋肉の動きには、特におかしな点は見られない。
(組織のプレゼント…プレゼント…。
 もしかして、ニースが犬を貰ったあれの事かな…?)
コンテナの配置位置の関係で俺は大して興味をもっていなかったけど、たしかにそん
な事もあった記憶がある。

腕組みをして唸る。
そういうふうに言われればそうなのかもしれないけど……でも何かがおかしい。
プレゼントと称して犬を送ってくる組織のやる事だから、マラサイが入ってても何も
不思議じゃないとは思うんだけど…。
今リトラ=クローム(仮)は、『ディジェは損壊してしまった』と自分で言っていた。
プログラムのルールによれば、機体が破壊された生徒に待つのは死だ。
つまり、だ。
ディジェが損壊して死を待つだけだったリトラ=クローム(仮)に、偶然運良くマラ
サイが入ったコンテナがプレゼントされた、という事なのだろうか?

ニースが開けたコンテナに犬が入っていたように、プレゼントのコンテナには様々な
物が入っていたみたいだ。
その中でMSが入っているコンテナがあったとしても、おそらく1つだけだろう。
たしかコンテナの数は10個前後だったから、MSの入っているコンテナを開ける確率
は10%くらい。
だからリトラ=クローム(仮)の言った事が本当だとすると、たまたまマラサイの入っ
ていたコンテナが、損壊していたディジェのすぐ近くにたまたま設置された、という
事になる。
戦場全体の広さを考えると、それはいくら何でも出来過ぎだ。

もしかしたら、組織がリトラ=クローム(仮)の近くに狙って設置した可能性もある。
でもそれならそれで、何故組織が1人の生徒にそこまで肩入れするのかが分からない。
もし万が一組織が肩入れしてるのなら、それこそそんな生徒はろくなもんじゃない。
だけど…。

「…補給するのは別の地点でお願いします」
色々考えてはみたけど、結局リトラ=クローム(仮)の補給に同意した。
俺がここで色々と仮説を立ててみても、それを証明できなければ何にもならない。
リトラ=クローム(仮)に全て偶然だと言い切られたら、それを覆す材料がないのだ
から、1発で手詰まりになってしまう。
俺の仮説を突きつけてみてリトラ=クローム(仮)に何らかの変化が表れればしめた
ものだけど、彼女のここまでの落ち着き振りを見ているとそれも望み薄だ。

それなら、とりあえず好きなように補給させてもいいと考え直した。
本当に補給だけならそれでもいいし、もし万が一襲ってくるようならキリト=ヴァルリックの時と同じように迎え撃つ。
「別の地点で補給をして、他に特別な用事がないのなら直ぐに街から出てください。
 万が一何の断わりもなしにこちらの地点に進入した場合は、こちらに対する敵対行 為とみなして攻撃します」
続いて回線を繋げている3機に通信を送る。
「ニース、エルネスティーネ、ルイスさんはそれでいいですか?
 何か他に意見があれば遠慮なくお願いします」

返答を待つ間に、コッペパンを食べておく。
色々な事が起こるから、食事をする暇もない。
148アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/21(木) 22:25:54 ID:???
【行動:思案を重ねる(0)軽く食事(−1)】
【残り:3】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、6(15)、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食5日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう、現状の確認】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
149サイモン=クレイガー ◆JfFovM4OEg :2005/07/21(木) 23:43:48 ID:???
まんじりと目をこすり、モニターを見やる。
だいぶ時間が過ぎてしまっていたようだ。だが、周辺に何らかの反応があった兆しは無い。

「良いのか、悪いのか」

呟いてディパックをまさぐり、中から食糧を取り出す。
どれほどの時間が経ったかは知らないが、この空腹から考えれば短いものでは無かったのであろう。
腹を膨らませる最低限の食事を終えると、通信の記録へ手を伸ばした。

>>86

「…………」

耳を傾けた後、生徒名簿を確認する。
たしかに05番と20番という無機質な数字は、一つの単語――死亡へと塗り替えられていた。

「……ふぅ」

水に口を付け、必要な分だけ飲み終えると一息つく。
単なる子供ではない、ということを知ってしまっている以上、感慨というものは薄い。

(状況を理解せずに敵愾心を出しているようなら、結果は見えていた…か。
 ……いや、元を辿れば結局は被害者だって、ことだな)

『先生』を名乗る男が何やら喋くっているが、何ら意味を持たないものである。
もっとも、得る物が少ないのは、これまでと比べるなら損をしているということだが。

(子供、ね……)

倫理というものが埒外となっている場所なのは、先刻承知のことである。
だが、ここに来る前から引っかかっていたトゲ……その1つが痺れを起こしていた。

――君が探している人間の場所を知っている。彼女に会わせてあげよう――

すでに遺す物も、相手も無しと向かおうとした結果、一寸場違いのような『ここ』にいるわけであったが……

「やはり、解せない」

たしかに『連中』の組織力は自分の知識を超え、目を見張るものがある。
とはいえ、自分とて一角の情報屋であった身だ。相応の人脈を持ち、数年に渡ってアタリを付けてきた。

だが、それでも彼女は見つからなかった。

いくらあの『連中』でも、そのような人間を―会わせてくれるかは別として―見つけることは可能なのだろうか。
それこそ、まるで自ら捜索するのではなく彼女自身を連れてくるか、
あるいは彼女が失踪する前まで時間を捻じ曲げて送り届けるかのようなことを……

「――はっ、バカバカしい。白昼夢でも見ちゃってるんじゃないかね、俺も?」

ぼやいてコクピットハッチを開ける。機器の熱気を遮るように入ってくる夜風が心地よかった。
頭の後ろに両腕を組み、モニター越しの月をぼんやりと眺める。
時は刻一刻と流れつつあった。
150サイモン=クレイガー ◆JfFovM4OEg :2005/07/21(木) 23:45:24 ID:???
【行動:休息(0P) 食事(-1P)】
【残値:3P】
【位置:N-13/山地】
【機体状況:アッシマー/MS形態 左腕部装甲に裂傷】
【人物状況:平常】
【通信状況:17番/アルマ=フローライト】
【武装:アインラッド(自動追尾)】
【所持:ディパック(水2L入りペットボトルx2、1Lx1、携帯糧食x3)
    ウェストポーチ(ナイフx1、ペンライトx1、煙草x1、コンパス付腕時計、携帯糧食x3)
    ショルダーポーチ(ポラロイドカメラ一式、筆記用具) ライターx1 毛布 包帯 幅広の布】
【方針:1.警戒】
【休戦:17番/アルマ=フローライト】
151アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/07/22(金) 00:21:41 ID:???

『…やっぱ、ジョセフ君には俺から話をつけてみるわ。
 とりあえず、そこの青年に手を貸して休ませた方が良さそうじゃないかい、アルマちゃん。
 さすがに見張りはやりたくないだろ?』
「まだそこまで友好的になったわけじゃありませんよ。
 言葉を信用することはできても、信頼に値するものはまだありません。
 そうでなくとも何が起こるかわかりませんから……機体から離れるのはマズイです」

アルマは通信をサウンドオンリーに切り替えると、コッペパンを取り出した。
パンを口に運んでペットボトルの水で流し込む。
味気ない。 けど、お腹は膨れる。


「あ、……これは?」

彼女は脳裏に再び髑髏のガンダムを見た。
さらに水を飲もうとペットボトルを運ぶ手が止まり、『そちら』の方角を見据える。
目には何も映らない。 けれど感じる。
開発されたセンスは、こんな時だけ敏感になる。

(これは……何か、私と同じ?
 もしかして強化人間が近くに……?
 ……でも、この違和感は何?
 ザラっとする、私とは……何かが……違う)

イメージが消える。
クルルの時とは違い、それほど長い時間の邂逅ではなかった。

(あなたは誰?
 私は……わたし、は…………誰?)

虫食い穴だらけの記憶。 もうひとりの自分。 偽りだった平穏。
自分を否定している要素は少ないながらも大きい。
確かめるのは怖い。 乗り越えるなんて考えただけで震えがくる。
朝起きたら両親がいて、朝食を食べて学校に行って、勉強したり友達と楽しく過ごしたり。
それらが全て贋物でも構わなかった。 贋物でも現実だったから。

アルマは今でも未練がましく思っている。
夢であってほしい。 次に眠って目が覚めた時は、部屋のベッドの上で目覚めてほしい。
今日の時間割はどうだっけとか、お弁当の用意しなきゃとか、宿題写させてもらおうとか、
寝惚けた頭でそんなことを考える日常に戻りたい。
モビルスーツとか、殺し合いとか、そんな物騒なことなんて考えたくもない。
帰りたいんじゃない。 戻りたい。 だから、彼女の願いは叶わない。

(私の願いは、叶わない)

自分の言葉でその事実を確認したくはなかった。
でも、自分のこと、今まで自分に起こったことを思い返せば必ずそこに辿り着いてしまう。
アルマ=フローライトは(ほぼ)完成された強化人間。
平和な日常の中に放っておこうとは思わない人間がいたって不思議ではない。
それが現実。 それが現状。 それがたった一度でも国家に人権を奪われた人間の宿命。

彼女の伏した両目から不意に涙があふれ出す。
それで何も変わらなくとも。 失ったものは戻らなくとも。
152アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/07/22(金) 00:23:12 ID:???

【行動:通信回線継続(0)、食事(-1)、感応(0)、……(0)】
【位置:M-14/市街地】
【残り行動値:3p】
【機体状況:Green/通信回線:νガンダム、アッシマー、ガズアル】
【武装:ビームサーベル、3連装グレネード、内蔵ヘビーマシンガン(95)、ショットクロー(8)、
     ビームライフル、Eパック、偵察ポッド、Iフィールド、コンテナ(νガンダム)】
【生徒状態:Green】
【所持品:デイパック、コッペパン、水2gx1.5、栄養ドリンクx7、ノートPC、食糧、生活雑貨、
      ベレッタ(16/15)、弾薬ケース、マント、バニーセット、ルージュ、携帯端末】
【行動方針:とりあえず東へ】
153ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/22(金) 11:42:26 ID:???
何はともあれ、補給作業に許可は出た。
何やら疑っているようだが、その疑いが確証ではない以上警戒はすべきだが許可しないほどでもないと思ったのだろう。
いささか甘い。
このゲームの本質を知っているのならば、多かれ少なかれ疑惑がある参加者に隙は見せるべきではない。
違うエリアで補給を行っているとはいえ、隙を見て襲うなど簡単に出来る事だ。

「甘いなァ」

通信を切ってそう呟く。
まぁ、そのお陰で今回ばかりは助かった。
素直にアルバートの言う事を聞いて、アルバート達がいる場所とは違う街エリアへと向かう。



ふぃー、と息を吐いて左右を見回す。
気分はすっかりおのぼりさんだ、昔都会に上京してきた気分を思い出す。
無駄に若さが有り余っていたあの頃、片っ端から面白そうなものを見つけてはすぐに飽きていた時代。
あの頃遊んでいた街に比べれば大した大きさでもない街を見回して、なんとなくそんなことを思い出していた。
このゲームの中ではこの程度の街でも結構な影響を与えてくれるらしい。

肩から提げたデイパックを持ってひとまずスーパーへ入ってみる。
まずは食料品、及び飲料水だ。
大方の予想通り、大抵の食料は賞味期限を過ぎており、腐り始めている。
無事なものといえば缶詰類くらいなものだ。
大した期待はしていなかったが、やはり悔しい。
裏の倉庫の方に回って、もう少し賞味期限が長いヤツが無いか探してみるが………
結果は同じ。
そもそも、賞味期限がきれていないものを見つけた所で冷蔵庫も何も持っていない上に調理器具も持っていない。
諦めておとなしく缶詰と携帯食料をディパックに詰め込んだ。
勿論缶切りを忘れるなどというチョンボはしない。
女がそれをやる場合、大抵は「ドジ」で済むが男がそれをやる場合はただの「バカ」になってしまう。
素人にはオススメできない。

奥の詰所から温くなった炭酸飲料水を飲みながらさて、どうしようかと考える。
あまり時間はかけられないが、手に入れたいものは山ほどある。
一つは新しい服。
この服は確かにかわいいのだが、戦闘をする時はひらひらとして酷く動きにくい。
次に、生身での戦闘を考えて拳銃の類。
これはどちらかといえばリトラといた基地で手に入れればよかったと思うが、今更そんな事を言っても仕方が無い。
最後はとりあえずシャワーだ。
これは服を手に入れてからの方がいいだろうが、とにかく冷えた汗が身体に張り付いてきて気持ちが悪い。
そんな事を言っている場合か、と思うかもしれないが生憎と汗かいたまま普通に過ごす事は不可能だ。
とりあえず、まずは新しい服、次にシャワーと勝手に順序を決めて立ち上がった。

【行動 :移動(U-21→T-21→T-22)(-2P) スーパー内探索(-1P) 残り1P】
【位置 :U-21】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:11番アルバート・14番ニースに通信接続中】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種3食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー 
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :黒いワンピースドレス+銀髪のウィッグ】
【暫定行動方針:街で補給】
【最終行動方針:優勝】
154レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/22(金) 21:18:37 ID:???
「え……?」

最初レベッカはソレを、ガンダムであるとは認識できなかった。
「眼」を穿たれた歪な頭、胸を裂く大きな傷跡、そして本来其処から連なるべき腕を失った左肩。
月明かりに淡く照らされた眼前のMSは、傷だらけの敗残兵が如き姿を見せていた。
けれどもレベッカはソレを、敗残兵と見做す事はできなかった。
朧に見える「色」は力強く、敗北を受け入れた者には到底纏えない色合いを見せていたからだ。
右腕が支えているのは……。
否、右腕と体とを支えているのは銃身の長いライフルだ。
MSの足運びからは僅かばかりのぎこちなさが窺える。
ライフルを杖代わりにするのはその為か。
恐らくは関節部にトラブルを抱えているのだろう――そう見当を付け、レベッカはじりじりと間合いを詰めた。
現時点で、妥当に考えれば敗北の要素は無い。
けれども今、自らと相対しているのは名前すら聞いた事の無い未知のMSであり。

(そして、曲りなりにもガンダムを名乗っている機体……)

安易な速攻を仕掛ければ足元を掬われかねない。
現に満身創痍でありながら、放つ戦意は容易に隙を窺わせない技量を感じさせていた。
だが、このままでは埒が明かない。
ならば強引にでも埒を明けよう。
一年後に確約された死を免れたいのならば、レベッカ・テスタロッサに立ち止まる事は許されない。

赤く濡れた舌先が、薄桃色の上唇をなぞり唾液で湿らせる。
月明かりを薄く遮る灰色の雲。
一陣の風と共にそれらが流され、青白い月光が闇蒼の空より翳りの地を照らす。
闇と光とが切り替わる一瞬を機と見て踏み込もうとする漆黒の機体。
抜き放ち振りかぶったサーベルが、加速による運動エネルギーを乗せ、クロスボーンガンダムに襲い掛かる。

その刹那――
155レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/22(金) 21:21:35 ID:???
少女は、レベッカは「彼」を見た。

「……嘘……」

振り下ろされる事無く止まる腕。
踏み止まり損ねた脚が僅かに蹈鞴を踏み、慣性に従って前方へと大きく傾ぐベルガ・ギロス。
オートバランサーが働き、踏み出した足が重量を支えて落ち着く一方で。
右腕がマニピュレーターに触れ、図らずも開かれる接触回線、それすら気付かず少女は見入る、魅せられる。
彼女は見た。
装甲の隙間、開け放たれたコックピットから覗く異形をその目に、しかと。
歪んだ骨格を覆う歪んだ肉を。
まばらに生えた髪の束を。
そうして形作られる、余りにヒトと掛け離れた容貌を更に覆う、ヒトの温もりを感じさせない無貌の面を。

「ファントム……?」

*  *  *  *  *

幼き日、焦がれた怪人が目の前に在った。

本物の筈が無いと理性は理解していた。
戦わなければならないと、思考はそう訴え続けていた。

けれどもレベッカ・テスタロッサは、まるで魅入られたように。
ロザリンドを一目見たフィーヴィーがそうであったように。
異形の「ファントム」へと向けた視線を、どうしても逸らす事ができなかった。
156レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/22(金) 21:22:41 ID:???
【行動:間合い詰め(-1)、ビームサーベル攻撃キャンセル(-1)、接触回線接続(-0)】
【位置:H-12(機体:平野)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:2】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)、思考半停止】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝、T-13への対応】
【同盟:なし】
157ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/22(金) 21:38:12 ID:???
『ニース、エルネスティーネ、ルイスさんはそれでいいですか?
 何か他に意見があれば遠慮なくお願いします』

リトラと話をしていたアルバートが、ニース達に聞いてくる。
もとよりニースに、アルバートに反対するつもりはない。
ニース自身がそこそこ戦えるようになっているとは言っても、こういった交渉事はできない。
だからアルバートの出した結論に、唱える異義があるわけがなかった。

「う、うん。あたしはそれで大丈夫。
 アルバートさんが出した答えだし、あたしには文句なんて言えないよ」

心中では、アルバートがその結論を出してくれた事を喜んでもいる。
まだ戦い慣れていないニースは、キリトとの戦闘の疲れが、まだ残っていた。
身体も心も、もう少しの休養を欲している。
ここでニースの精神が先ほどの戦闘の時のように集中していれば、リトラの姿の下にあるもう1つの顔に
気づいたかもしれないが、今のニースにはそこまでは気づきそうになかった。

マラサイが別の地点に移動したのを確かめると、ニースはほっと息を吐く。
このままいけば、どうやら戦いになる事はなさそうだった。
すると、安心したのとコッペパンを食べるアルバートを見たのが影響したのか、ニースのお腹が音を立てた。

「腹が減っては…って、まさにこの事かも」

ディパックから保存食を取り出すと、封を開けて食べはじめる。
するとその匂いに気づいたのか、ハスキー犬もニースの膝の上に身を乗り出してねだる。

「きゃっ…!ちょ、ちょっと待って!すぐあげるから、あたしの顔舐めちゃ…あはははは!
 く、くすぐったいって…うふ、うふふははは!」

ばたばたしながら保存食をもう1つ開けると、ハスキー犬に食べさせる。
その頭を撫でていたら、いまだに名前を決めていない事を思い出すニース。

「ホントにいい加減、名前を決めないと可哀想だもんね…。
 …って言っても、何か案があるわけでもないし…。…えっと…う〜んと…。どうしよっかなぁ…?」

…そんなこんなで、頭を抱えたり腕を組んだりして数分間。
思案顔だったニースの表情が、パッと輝いた。
そしてハスキー犬の首に抱きつきながら、嬉しそうに話す。

「ねえ、いい?今からあなたの名前は、ハリーだからね?
 ハスキー犬のハリー!…えへへ…。
 改めてよろしくねっ、ハリー!」
158ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/22(金) 21:40:42 ID:???
【行動:食事(−1)ハスキー犬の食事(−1)名前を決める(0)】
【残り行動値:2】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:異常なし】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食6と        
     2/3日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤】
【行動方針:ハスキー犬の名前考えなきゃ、レベッカさんと同じ舞台に立つんだ】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
159T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/22(金) 22:15:25 ID:???
>>154-156
巨漢はその時、冷静に状況を見据えていた。
機体の片足は意のままにならず、使える飛び道具は全て弾切れ。
右手は杖代わりの銃で塞がり、左手は肩から喪われている。
そんな絶望的な状況にあって、なお巨漢は冷静に敵の動きを観察していた。
それでもなお、巨漢は相手を倒し、勝ち残る意志を捨てていなかった。

敵は持っていたビームライフルを構えず、サーベルに手をかけ距離を詰めてくる。
ライフルに何らかの問題があるのか、乗り手の性格なのかは分からない。
だが巨漢はその攻撃に、しっかりとカウンターを合わせんと動いていた。
反応の悪い右足が、右手の杖と合わせて機体の全体重を支える。
左足が地面から僅かに浮き上がり、その足裏から鋭い刃が顔を覗かせる。
迫り来るメガ粒子の奔流に合わせるように、その足が振り上げられ――

二機の動きが、停止した。

急に止められたビームサーベル。
それは回避のタイミングを逸したガンダムのコクピット直上で、じりじりと空気を焼く。
届かなかった足裏ヒートダガー。
それは肝心のところで右膝が機体を支えきれず、ベルガ・ギロスのコクピット眼前で停止する。

ベルガ・ギロスの腕がガンダムに、ガンダムの脚がベルガ・ギロスにそれぞれ触れ、接触回線を開く。

「……嘘……ファントム……?」

少女の声。
それは『化け物』に対する嫌悪の声ではない。
驚きではあるが、むしろそれは魅了されたかのような声。

「………ル……シ………?」

巨漢の声。
それは意味を成さぬ音。呼ぶことのあたわぬ名。人名の欠片。
研ぎ澄まされた殺意は消えうせ、魅了されたかのようにモニタの向こうを見つめる。
160T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/22(金) 22:16:37 ID:???

  *  *  *

喪われた記憶の向こうに、ちらつく顔がある。
白い髪、白い肌、小柄な少女。
宇宙に生まれた、ただそれだけの理由でその身を危険に晒し、ただそれだけの理由で命を落とした少女。
彼にとって、何よりも大事な存在だったもの。

あの娘のために、彼は連邦の体制に絶望したのだ。
あの娘のために、彼は貴族主義に未来を見出したのだ。
あの娘のために、彼は二度とそんなことが起きずに済む世界を築くと誓ったのだ。
あの娘のために、彼は全てをクロスボーンに差し出したのだ。
あの娘のために、彼は戸籍を、名前を、身体を、記憶を、魂を……全てを。喪って。

 なのに、肝心のあの娘の笑顔が、名前が、記憶が、思い出せない。

  *  *  *


「……フシュゥウうゥ………」

どれほどそうしていたのだろうか。
金縛りにあったように、互いに刃を突き付けたまま停止していた2機。
巨漢の溜息と共に、ガンダムの方から構えを解いた。
一歩だけ下がってサーベルの下から離れると、通信回線を開き直す。

「……シュゥ……フシュッ……」

巨漢の口から漏れるのは、相変わらず意味を成さぬ音ばかり。
それでも何とか意志を伝えんと、頭を捻る。

結局、巨漢の取ったのは、簡単な身振りだった。
ガンダムが、手にした銃の銃座でビシッ!と西を指す。
画面越しに、巨漢が自分の左肩・膝・目・胸元を指差す。
ガンダムが、ベルガ・ギロスの右肩を指す。
そして再び指される、西の空。

戦意のなさは、もう伝えるまでもない。
西にあるのは、軍事基地。
互いの損害を示した上でそこを指す意図は、言うまでもない。


巨漢は……既に殺人マシーンではなくなっていた。かといって、強化前の大柄な青年でもなかった。
揺り戻された記憶の欠片を抱え、しかし呪われた身体も抱えた、異形の紳士。
少女に向け、「一緒に行かないか?」とばかりに、片手を差し出した。
161T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/22(金) 22:18:36 ID:???
【行動:回避&カウンター攻撃(足裏ヒートダガー)(どちらも未遂)(−2p)、
    接触回線(0p)、改めて通信回線(−1p)、ボディランゲージ(0p)】
【残りP:1p】 【位置:H-12(平地・農業地帯)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。
      右膝の動きに異常(砂の侵入による)】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味。10番に対し特別な感情?】
【通信状況:10番レベッカ・テスタロッサのベルガ・ギロスへの通信】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター
    フェダーインライフル】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 10番への対処? 機体の補修 19番への執着】【同盟:10番??】
162エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/22(金) 22:22:25 ID:???
「……ふぅ……。」
通信機から聞こえてくる会話に耳を傾ける。
どうやら、戦闘にはならないらしい……けど。
通信機のボリュームが抑えてあった所為で通信内容の最初の方を殆ど聞き取れなかった。
聞こえてきたのは、アルバートさんの『…補給するのは別の地点でお願いします』の辺りから。
……結局、相手が誰なのかは解らなかった。
そこで相手についてアルバートさんに聞いてみようとしたその時、
ちょうどアルバートさんから通信が入った。

『ニース、エルネスティーネ、ルイスさんはそれでいいですか?
 何か他に意見があれば遠慮なくお願いします』
「あ、一つだけ……。あれは……誰?
 名簿にはマラサイって言う名前はないし、こっちには通信は入ってきていないし……
 補給って話になったのならもう良いんだけど……一応、知っておきたいから。」

そう言うとゲルググJのモノアイを回転させ、
先程立ち去っていったマラサイの方を見……ようとしたその時

「……?」
カメラの動きが途中で止まってしまった。コンソールには小さくエラーが表示される。
……そう言えば、Gキャノンとの戦闘の時に頭部を傷つけられたんだったっけ……。
早く北の基地に修理に行かないと……でもその前に……着替えよう。

【行動:会話(-0)】
【残り:4】
【位置:U-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷  センサー一部障害 装甲にダメージ】
【人物状況:症状緩和(ごく僅かに頭痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
    保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品) ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる 機体の修理 着替えとシャワー】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース 08番 ルイス?】
163ジョセフ・ロバーツ ◆dzi5iUzr8I :2005/07/22(金) 22:56:12 ID:???
病院の廊下は冷たかった。
真っ白で塗りつぶされた壁が気力を奪っていく。
この病院は母さんが入院して、息を引き取った場所だった。
どうして、またここに来てしまったんだろう。
もう、母さんはいないのに。
そんなことはわかっているのに――わかっているのだろうか?

「母さん」

呟きが小波のように広がる。
病院の廊下を車椅子で移動する母さんの姿が目に浮かんだ。
母さんは本当に死んだのだろうか?
確かに眼を閉じて冷たくなっていたのを僕は見た。
だけど、僕は母さんが死ぬところを見ていない。
わからない。わからない。わからない。
どうして母さんは死んでしまったんだろう。
ずっと、ずっと生きてて欲しかったのに。

「わからないよ」

先週まで、母さんがいた病室。
ドアの前に立つと今がいつなのかすらわからなくなった。
今日は今日じゃなくなったように思えた。
まるで、ドアを開けるとそこに母さんがいるかのように――。
僅かな期待が僕の背中を押して、ドアを開かせた。

「あ……」

窓から優しい光が差し込んでいた。
母さんがベッドで寝ている光景を思い描いていた僕は現実に裏切られた。
その病室はもはや母さんのものではなくて、母さんは世界の何処にもいなかった。
ベッドで寝ていた女の子が振り返った。

「だれ?」

「ぁ、っ」

「え?」

「あ、ああ、ああぁ――っ!!」

僕はその場に崩れ落ちた。
その子の視線が僕に届いた時にはもう、どうしようもなくなった。
溢れる涙も、止まらない声も、膨れ上がる悲しみも――。
みんなが、みんな、どうしようもなくなっていた。
僕はついに追い詰められて、逃げられなくなっていた。
わかっていたんだ。
わかっていたつもりだったんだ。
だけど、きっと何もわかっちゃいなかったんだ。





僕はそれから2時間も泣きつづけた。
その病室にいた女の子は看護婦さんも呼ばずに僕を見つめて続けてくれた。
あの日、本当の意味で僕の中にいた母さんがいなくなった日に。
僕は女の子と出会った。
その子の名前はサラといった。
164ジョセフ・ロバーツ ◆dzi5iUzr8I :2005/07/22(金) 22:58:43 ID:???
「ぁ……」

いつの間にか眠っていたのだろうか。
意識が完全に覚醒するより前に強い眠気が襲ってきた。
寝ちゃ駄目だ、そんなことを思っても一向に眼は覚めなかった。
このままじゃ駄目だ、死んでしまう。
霞みかかった頭でそんなことを思い、誰もいない方へ、誰も来なさそうな方へと――。
ハンブラビの目的地を設定した。

【行動:過去夢(-0)、移動(-4)】
【位置:K-14→K-16→K-18→M-18→O-18】【残り行動値:0】
【機体状況:ハンブラビ(MA形態)】
【武装:背部ビームガン×2、ビームサーベル×2、腕部クロー×2、テールランス】
【所持品:ディパック、教科書、ノート、筆記用具、携帯音楽プレーヤー】
【行動方針:サラとの約束を守る】
【同盟:なし】
165ミヒャエル ◆wDvbiOAaYk :2005/07/23(土) 00:02:02 ID:???
 はたと気付いて、顔を上げた。
 気付くと、彼は、MSの脚の上で眠っていた。寝違えたのか、あちこち痛むような感覚が残っている。
「少しは、楽になったかな‥‥」
 まだ、熱っぽさは消えていない。
 だがしかし、今までに比べれば天と地の差が有る。少なくとも立って歩く事は出来たし、MSのコックピットへ戻ることも出来た。
「今考えると恐ろしいな‥‥機体放ったらかしだったじゃないか‥‥」
 あたりの景色は色を変えている。
 寝ていた時間は、決して短くは無いだろう。
 お礼の一つくらい、言っても良いか、そういった気分になって、通信スイッチへと手を伸ばす。
「‥‥‥‥すいません、私が寝‥‥」
 通信画面を開いた。先ほどに比べれば、体調不良が知れても大丈夫な範囲だと思えたからだ。
 だが、画面を開き、連絡を入れようとして、彼は言葉を止めた。
 相手の様子に、若干の違和感を感じたから。
「あの‥‥」
 どう声を掛けようか迷いながらも、声を出す。
「‥‥どうか、しましたか?」
 画面からは隠れているのか、涙は見えなかった。


【行動:通信接続(−1)、機体へ戻る(−1)】
【残り :2P】
【位置:M−14】
【機体状況:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能、モニターに障害、胸部装甲破損】
【人物状況:風邪・無気力】
【通信状況:17番、アルマと通信中】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、腕時計、鉢巻
     周辺の詳細な地図(フォルダ)、地形データディスク
     拳銃(12発×3)、サブマシンガン(4マガジン)】
【方針:とりあえず無し・無気力】
【同盟:―】
166アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/23(土) 13:52:38 ID:???
俺の通信を受けると、リトラ=クローム(仮)は別の地点へと移動して行った。
素性は怪しいけど、彼女がキリトのようなキレた生徒じゃなくて良かった。
マラサイへの通信回線を切りながら思う。
こちらは4機いるとはいえエルネスティーネは体調不十分だし、ニースも経験の浅さ
を考慮すると少し不安もある。
ルイスさんはキリト=ヴァルリックに対しては共同戦線を張ったけど、それは「敵の
敵は味方」の論理の部分もあって、万全の信頼関係ではない。
要するに数だけはいても、不安要素も多々抱えていたのだ。
向こうが来るようであれば迎え撃たなければならなかったけど、まあ今は戦闘にだけ
はならないようで、少し安心した。

最初に俺の案に賛成したニースは、元気に犬とじゃれあっている。
この姿だけを見てると、本当にそこらへんにいる15歳の女の子と何も変わらない。
ニースのこの元気のよさ…というか、切り替えの早さは、彼女の大きな魅力だろう。
戦場において兵士は常に現実的でなければならない。
目の前の現実を1番に信じ、それに対応して戦術、戦略を立て替えなければならない。
経験を積めば、ニースの切り替えの早さは必ず役に立つと思う。
何よりも、ニースの明るい笑顔に俺自身が癒されているのも確かだ。
できることなら、これからもこの笑顔を見ていたいし、見せていて欲しいと思う。
(…父さんが言っていた「笑いは世界を救う」ていうのも、結構本当かもね…)
ニースの笑顔を見ながら、ふとそんな事を思い出した。

エルネスティーネからも、返答がきた。
(エルネスティーネには、通信が入ってない…?
 …という事は……なるほど……)
その言葉が俺の中で反復され、ある仮説に結びついていく。
とりあえず先に通信を返す。
「今のマラサイ、パイロットはリトラ=クロームと名乗ってた。
 俺はその人の事知らないからはっきりとは言えないけど…多分嘘だ。
 エルネスティーネに通信を繋げなかったって事は、君に声を聞かれたくなかった、
 若しくは顔を見られたくなかったんだろうね」

そういう事なのだ。
本来ならここにいる全員に通信を繋げて、自分の素性や攻撃意思のない事を伝えるべきだ。
その方が時間もかからないし、余計な不信感を持たれずに済む。
にも係わらず、通信先を限定した行動が意味するものは1つ。
エルネスティーネに通信を繋げてしまうと、自分がついている嘘を見破られてしまうから。
そしてエルネスティーネに正体を知られたくない理由は、おそらく以前に彼女と交戦
した事があるからだろう。
エルネスティーネに正体を知られたら、敵と判断されて攻撃される危険がある。
だからこそリトラ=クローム(仮)は、エルネスティーネに通信を繋がなかったのだ。

(続く)
167アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/23(土) 13:54:18 ID:???
エルネスティーネに俺が見たリトラ=クロームの特徴を伝える。
服装、髪、背格好、声の感じ。
「…とまあこんな感じだけど、エルネスティーネが交戦とか、とにかく会った事があ
 る生徒の中でそんな特徴のある人っていた?
 いたのならマラサイのパイロットはその人だし、いないのなら全くの別人なのか
 …変装でもしてるのかって思うんだけど…」
そこでハッとしたように付け加える。
「あーでも。
 別に判ったからって戦おうとか、そんな事は考えてないよ。
 エルネスティーネの体調も心配だし、北の基地に行くっていう目的もあるんだから
 余計な戦闘でこれ以上消耗したくないし。
 まあこの先また会う事もあるかもしれないから、その時の判断材料になればってね」

モニターの向こうでハリー(犬の名前らしい)とじゃれあっているニースに、そして
一服しているらしいルイスさんにも伝える。
「少し遅れてしまったけど、当初の目的通り北の基地に行きたいと思う。
 それぞれ準備ができたら、直ぐにでも移動したいけど。
 あとルイスさんのこの先の行動は、ルイスさん自身にお任せします。
 俺達は北の基地に行くので、もしよかったら来てください」
通信を終えると身の回りを見る。
…よし、俺の準備はいつでもOKだ。

【行動:6(15)番の通信回線を切る(0)思案(0)】
【残り:4】
【位置:U-22(デパート前)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(詳細不明)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン2個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布】
【方針:北の基地へ向かう、現状の確認】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
168ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/23(土) 20:00:01 ID:???
「・・・ふん、馬鹿らしい」
甘い自分の考えを、笑った。
ニュータイプなんて大人にとっては研究対象なんだから、思想内容で部隊の中で扱いが良くなる事などない。悪くなる事はあっても。
研究者や上層部にとって、ニュータイプは人間でないのだから。兵器や、怪物や、実験動物であっても。
>>142
「・・・損傷があったにしては、お早いおつきで」
ジンペイが扉の「前に」立っている時に、そう呟く。
「さっさとすませるか。能力は当分使いたくないし」
ふわり、と紅茶が入ったカップが浮く。
わざわざ歩いて取りに行くのは面倒だ。
「・・・こんなんだから、ひ弱なのかな」
ため息を吐きながら、更に能力を行使。
リアカーをサイキックで軽く押す。

・・・この力は、ジンペイの前では使わない。いや、使えない。
化け物扱いされたら、嫌だから。

艦橋の扉が開く頃には、カップは俺の手に収まりリアカーは扉の前で止まっていた。
動いていた様子はかけらも残って無い。
「や、ジンペイさんお帰り。そこのリアカーに食べ物入れて置いたから。
 俺はもう食べたんで、残りをどーぞ」
明るく笑顔で話す。
さっきまでの考えを悟られないように。
俺がニュータイプと知っていても、普通に接して欲しいから。

【行動:サイキック色々・とりあえず食べませんか(1)】
【位置:C−18、砂地】
【残り行動値:3p】
【機体状況:MS,ABCマントを脚部に着用済、左腕に傷、右腕に凹み
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(残弾85%)
    予備  二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦  メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:ホワイトアークに搭乗】
【通信状況:無し】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.7、木刀、写真、重り×3、ボールペン、
     スポーツドリンク350ml、拳銃×2、予備弾倉
     リアカー・非常食(1食分)、果物缶詰×1、紅茶(1杯分)クッキー
 艦内倉庫に入っている物・魚の缶詰×2、拳銃×1 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(28食分) コーヒー紅茶セット、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:仇を討つ&ナインティをどうするか決める】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】
169エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/23(土) 22:18:34 ID:???
『今のマラサイ、パイロットはリトラ=クロームと名乗ってた。
 俺はその人の事知らないからはっきりとは言えないけど…多分嘘だ。
 エルネスティーネに通信を繋げなかったって事は、君に声を聞かれたくなかった、
 若しくは顔を見られたくなかったんだろうね』
「リトラさん……じゃない?」
アルバートさんからの返答で、私の頭の中には疑問ばかりが生まれた。
何故他人を騙る必要があるのか、その辺りの事がいまいちよく分からなかった。
さらにアルバートさんは、偽リトラさん(仮名)の特徴を伝えてくる。

『…とまあこんな感じだけど、エルネスティーネが交戦とか、とにかく会った事があ
 る生徒の中でそんな特徴のある人っていた?
 いたのならマラサイのパイロットはその人だし、いないのなら全くの別人なのか
 …変装でもしてるのかって思うんだけど…』
……微妙に、容姿については合っていた。だけども……服装と背格好がおかしい。というより……。
アルバートさんはさらに続けて、こう言った。

『あーでも。
 別に判ったからって戦おうとか、そんな事は考えてないよ。
 エルネスティーネの体調も心配だし、北の基地に行くっていう目的もあるんだから
 余計な戦闘でこれ以上消耗したくないし。
 まあこの先また会う事もあるかもしれないから、その時の判断材料になればってね』

『少し遅れてしまったけど、当初の目的通り北の基地に行きたいと思う。
 それぞれ準備ができたら、直ぐにでも移動したいけど。
 あとルイスさんのこの先の行動は、ルイスさん自身にお任せします。
 俺達は北の基地に行くので、もしよかったら来てください』

「えーと……あの生徒の事で二つ三つ……。
 私は、リトラ=クロームという生徒には西の町で一度会った事があるんだけど……
 そのリトラさんとは、確かに髪の色と口調は似てる……でも、
 背はそんなに高くはなかったはずだし、そんな服装じゃ無かったし……しそうな感じの人でもなかった。
 ……だから……リトラさんの事をそれなりに知っている人物が、
 リトラさんの格好をしていると言う事になる……かな。……何故かは解らないけど。
 ……でもまあ、アルバートさんの言う通り、戦闘になる事がないのならもう良いんだけど……。」
……ここまで言って、私は一息ついた。
リトラさんを知っていて、背格好が似ている人物……についてはその本人の名誉的に黙っておいた。
……というより、私自身その事実が信じがたかった。
だからあの人物じゃなくて、誰かその後にリトラさんが出会った誰か……
そうであって欲しいと、私は心の中で願っていた。……というか、そうじゃなかったら……。

「……とりあえず、北の基地に向かう前にシャワーを浴びて、服を着替えてきていいですよね……?」
私は最後にそうアルバートさんに告げると、機体を瓦礫脇にしゃがませて隠し、
以前と同じようにアラームをセットするとディバックを持って機体から降りた。

「……。」
そして私は、アルバートさん達に見つからないように西へ走り出した。目指すは、マラサイが佇む隣のエリア。
……果たして本当にあの人物がリトラさんを騙っているのか、確かめるために。
理由は、自分でもいまいちよく分からなかった。
でも、このままあの人を置いて町から出て行くというのも、なんだか気持ち悪かった。

「……そうじゃないと、思いたいけど……。」

あの人物の名は、ファッツ=シュヴィール。……できれば二度と出会いたくなかった類の人だった。
170エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/23(土) 22:19:25 ID:???
【行動:会話(-0) 機体から降りる(-1) T-22へ移動(-2)】
【残り:1】
【位置:T-22 市街地】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷  センサー一部障害 装甲にダメージ アラームセット】
【人物状況:症状緩和(ごく僅かに頭痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
    保存食(6) H&K P7M13(14) マガジン(3) 医薬品) ロングコート 着替え×2】
【方針:生きる 機体の修理 着替えとシャワー 確かめる】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース 08番 ルイス?】
【休戦?:リトラさんを騙る"あの人物"?】
171ブレイム ◆TjmPhqaoLQ :2005/07/23(土) 23:58:30 ID:???
どうして、誰も私の考えを理解しないのだろう。
動かない機体の中、スクリーンに書かれた復旧作業中という単語を見つめて、
大地に横たわるV2ABの中でここまでに至る経緯を考えていた。

ハイザックにキャノン砲を放った直後、恐らく反動でバランスが取れずにそのまま後ろのめりに倒れていったこと。
その直後に、謎のMSが乱入し、こちらに何か大きい長物で切りつけていったこと。
かろうじて謎のMSの攻撃が避けることはできたが、それらのことが原因で、機体管制システムその他がおかしくなって身動きできなくなったこと。
謎のMSを駆る白い仮面の巨漢が強化人間であるらしいこと。
その男を追いたくても機体が動かないことでそれが叶わないこと。
ハイザックの消息が不明なこと。
レーダーも同じく動いていなく、復旧中ということ。
そのために、ただ、復旧終了まで、びくびくおびえながら待たなければいけないこと。

そのことを考えるととても嫌になってきた。
なぜ私がこのような目にあわなくてはいけないのだろうか?
そう考えて、スクリーンを見つめる。
復旧は、まだ終わらない・・・。


【行動: 転倒(-1) 回避(-1) 精神的消耗(-1) 】
【位置:H-19】【行動値残り:1】
【機体状況: V2アサルトバスターガンダム;システム異常 復旧中】
【パイロット状況:精神的に消耗】
【武装:頭部バルカン砲×2 肩部メガ・ビーム・キャノン 肩部スプレー・ビーム・ポッド 
    腰部ヴェスバー×2 ビーム・サーベル×2 光の翼×2】
【所持品:なし】
【通信状況:システム復旧中のため、接続している回線はなし。】
【方針:システムの早急な復旧を望む】


172管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/24(日) 00:03:27 ID:???
『みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。

 まず。脱落者の連絡。
 脱落者はなし。
 
 次に立ち入り禁止区域の発表。

 『F-11』 『I-18』 『M-06』 『R-17』
 『U-19』 『V-23』 『X-22』 『Z-01』

 の八箇所だ。気をつけろ。

 あと天気予想。
 晴れ。いい加減風も収まって静かな夜になると事だ。

 んじゃ、これで今回の放送はこれで終わり。
 みんなの事いつでも先生は見守ってるからな。』
 

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】 【残り行動値:∞】
【位置:Z-21】
【行動方針:殺し合い頑張れ】
173管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/24(日) 00:06:46 ID:???
生徒名簿

 番号          名前                   年齢 性別      機体

 死亡 アロンソ=セルバンデス                (70) 男性  グフ・フライトタイプ
 02番 エルネスティーネ=デア=フォーゲルヴァイデ   (16) 女性  ゲルググJ
 死亡 ハロルド=P=アンダーソン              (35) 男性  ズサ
 死亡 マサヤ=タカノ                      (23) 男性  ガンダムGP02
 死亡 キリト=ヴァルリック                   (28) 男性  Gキャノン
 06番 リトラ=クローム                     (25) 女性  ディジェ
 07番 ジンペイ=カザマキ                    (32) 男性  セイバーフィッシュ
 08番 ルイス=ガルシア                     (22) 男性  BD3号機
 死亡 クラウディア=ゲール                  (16) 女性  ビギナギナ
 10番 レベッカ=テスタロッサ                 (18) 女性  ベルガギロス(黒の部隊専用機)
 11番 アルバート=パーシング                 (18) 男性  シャッコー
 死亡 ネイゲスト=ザームズ                  (18) 男性  ザメル
 13番 エドワード=S=ボールドウィン             (28) 男性  ボリノークサマーン
 14番 ニース=エルネージュ                  (15) 女性  ゲルググ (ガトー専用機)
 15番 ファッツ=シュヴィール                 (23) 男性  EWACザック(+マラサイ◎)
 16番 ナインティ=アウェイキング               (27) 男性  バウ
 17番 アルマ=フローライト                  (17) 女性  エビル・S
 18番 サイモン=クレイカー                  (43) 男性  アッシマー
 19番 ロイド=エンデバー                   (18) 男性  Z+A型
 死亡 クルル=ヴァンデーン                 (11) 女性  メタス
 21番 ジェンセン=スティール                 (35) 男性  ハイザック
 22番 ブレイム=オリディス                  (36) 男性  νガンダム(+V2AB◎)
 23番 ジョセフ=ロバーツ                   (15) 男性  ハンブラビ
 死亡 アリウス=エルツベルグ                (33) 男性  ホビーハイザック
 25番 T=ドライツェン                     (25) 男性  クロスボーンガンダム三号機
 26番 ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ              (21) 男性  カズアル

 生存者18名+一匹 死者 08名

 なおも参加者募集中 。
 申し込みは>>2の管制室までお気軽に♪
 新規受付は8/14までの予定なので考え中の人はお早めに♪
174管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/24(日) 00:10:39 ID:???
>171時点

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 06彡彡□◎△□┣━〓━━━┓△◎△◎┛□彡彡彡彡彡△△  ■:森林
 07◎彡◎□□┏┛◎彡□□□×━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓□彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡彡彡┃□△□彡◎■■△◎△□┗┓彡彡彡□□△△  彡:海 川 オアシス
 10彡彡彡彡□┗┓□□□彡□■◎△△□□┃□彡□□□△△  ━:道路
 11彡彡彡★□×┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△△  〓:橋
 12彡彡彡06★━┫10□◎彡◎□□△△┏━┛◎彡□┃△◎△  ≠:破壊された橋
 13◎彡★★□□┗━┓□彡彡□18□┏┛□□彡彡□┣━◎━  ▼:市街地
 14□□□□□13□□┣━━〓17▼▼┛□□彡彡□★★□△◎  ★:基地
 15◎◎△∴∴□◎□┃□□彡□▼□□彡◎◎□□★≡◎△△  U:灯台
 16△△∴∴∴∴□□┃◎□彡彡彡彡彡◎彡□□□□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□彡彡◎彡彡彡彡×□□□┏┛□□□
 18△∴07∴∴◎∴┃×□彡彡彡U23≠≠□□□□┃□□□□  ◎:立入禁止区域  
 19∴∴∴∴◎∴∴21□◎彡彡彡彡◎彡彡彡◎□×┃□□□◎  ×:立入禁止予定区域
 20∴∴▼∴┏━━┫□彡彡彡彡彡彡◎彡彡◎□┏┛◎□△△
 21━▼16━┛∴∴┃□彡□□◎□□彡彡彡彡□┃□□△◎◎
 22∴▼彡∴∴∴∴┃□□□■■■■◎□彡□1502□□×△△
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼×◎□△◎
 24∴◎∴∴◎△△□■┗━━━━┛■◎彡□□□┗┓□□△
 25∴∴∴△△△△□■■◎■■■■■■彡彡■■□┗┓□△
 26△◎△△◎△□■■■■■■◎■■■■彡■◎■□┃□□

02と08と11と14は同一地点
07と19は同一地点(戦艦搭乗中)
10と25は同一地点
17と26は同一地点
21と22は同一地点
175ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/24(日) 12:21:30 ID:???
スーパーを出て、空を見上げる。
空は少し暗くなってきているが、
急げば本格的に夜になる前に物資補給を完了してこの街を発てる。
長く居座るつもりはないのだから、出来れば早めに補給を完了したい。

まずは、服。
しかしながらこの近くにはそれらが売っているような店は見つからない。
ならば民家から奪ってみるか、とも思うがそうそうサイズが合うものを簡単に見つけられるとは思わない。
世間の平均からしてみれば、ファッツは長身と呼ばれる部類に入る。
服のサイズからして、探す事は困難だ。
その中から自分の好みを探す事はさらに困難。

「しゃーないねぇ、後回しにしますか」

服を後回しにする、という事はシャワーも後回しにするという事だ。
出来れば汗だくのまま歩き回るという事はしたくなかったのだが、仕方が無い。
大きな伸びをしながらテクテク、とあても無いまま歩いて行った。



「つっても、武器なんてもんも簡単に見つかるわけねぇしな」

民家に入って手当たり次第に武器になりそうなものを探したが………
そうそう簡単に見つかるはずもなく、手に入れたものは果物ナイフが2本のみ。
首根っこでも掻っ切れば人は殺せるのだろうが、そうそう簡単に出来るものでもない。

「拳銃、拳銃ーっと」

先ほど流れた放送によると今回も死者はなし。
一回の放送の度に二人くらいは死んでもいいと思うが………
やっぱりそれほど積極的になっている人間もいないらしい。
7軒目の家を出て、さて次はどの家に入るか。
そう考えているとふと、人の気配を感じた。

咄嗟にそちらに向き直り、懐のナイフに手をかける。
………ゆっくりとディパックを下ろし、左手で長い銀髪をなで上げた。
ナイフにかけていた右手も既にナイフを離し、腰に当てている。

「久しぶりだな、エルネスティーネ。
 どうだ、似合っているか?」

あえて口調はリトラに似せて、容姿もリトラに似せて。
しかしながら、表情はこの格好を見た彼女が一体どんなリアクションをするのか、と期待をしている。
それはもう凄い満面の笑みで。
顔だけを見れば絶世の美女なのだが、唯一長身である事だけが不自然に思えた。

【行動 :エリア内移動(-1P) 探索(-1P) 残り2P】
【位置 :U-21】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:11番アルバート・14番ニースに通信接続中】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種3食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :黒いワンピースドレス+銀髪のウィッグ】
【暫定行動方針:街で補給】
【最終行動方針:優勝】
176ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/24(日) 16:39:54 ID:???
ハリーの首に抱きついたまま、目を閉じるニース。
ハリーの温かく、柔らかい体が、ニースに安らぎを与えてくれる。
デパートのトイレで泣いていた時もそうだった。

(たしかあの時も、ハリーに慰めてもらったっけ。
 ハリーのおかげで心が静かになって、それからどんどん透きとおって…)

あの時、ハリーによって安らいだニースの心は、町の外にいたキリトを察知するほどに澄み渡った。
そう考えると、ハリーの存在もニースの心にとって、結構大きなものになっている。

『少し遅れてしまったけど、当初の目的通り北の基地に行きたいと思う。
 それぞれ準備ができたら、直ぐにでも移動したいけど。
 あとルイスさんのこの先の行動は、ルイスさん自身にお任せします。
 俺達は北の基地に行くので、もしよかったら来てください』

アルバートの言葉が、ハリーの毛並みに頬ずりしていたニースの耳に入った。

「え…?あ、う、うん、分かった。…えっと…」

慌ててハリーから手を放して、コクピット内や、ディパックを確認する。
暫く眺めていたニースは、そこにアルバートが用意した医療品がない事に気づいた。
かなり慌ててゲルググから降りて、デパートに入ると、例の場所の医療品を抱える。

「絆創膏、薬、軟膏、包帯…あとは……うん、これだけあれば、いいかな?」

中身を確認すると、それを持ってゲルググに戻って報告をする。

「あたしはもう準備おっけーだよ!
 いつでも移動どーぞっ!…って…あれ?」

アルバートに伝えるニースの目に、路地に入っていくゲルググJの姿が見えた。
エルナも何らかの用事があるのかと、ぼーっと眺めていたのだが、少しだけ違和感を覚えた。

「…何か…エルナさんの意識が、ゲルググから離れたような気がしたんだけど…気のせいかな…?」

気にはなるのだが、まだニースは自分の能力に絶対の自信があるわけではない。
とにかくエルナの準備が整うまで、少し休む事にした。

【行動:ゲルググから降りる(−1)デパートに入る(−1)医療品を取る(−1)ゲルググに戻る(−1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:異常なし】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食6と        
     2/3日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、行き先は北の基地だねっ】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
177管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/24(日) 17:54:59 ID:???
>172訂正

『あと天気予想。
 晴れ。いい加減風も収まって静かな夜になると事だ。 』



『あと天気予想。
 晴れ。いい加減風も収まって静かな陽気になると事だ。』

に訂正します。
ご迷惑かけて申し訳ありません。
178リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/24(日) 19:23:11 ID:???
愛機をハイウェイへ向かって歩ませつつ、空きっ腹を満たすべくディパックから先程基地で入手した缶詰を取り出す。
ナイフを突き立て、強引に蓋を切除し。
中身の魚の酢漬けやキャロットを食べ終えると、ハッチを開いて空缶を基地のアスファルトの上に投棄した。
これも地球を汚す行為に含まれるのかも知れないが、戦闘中にそのような事を気にしている余裕など無いし、
愛機のコックピットが魚臭くなるような事態も愉快ではない。

そう、“戦闘中”である。

今のリトラの精神状態は、行軍中といえども常に研ぎ澄まされた刃の如しである。
いや、血に餓えた獣という表現こそが、より適切な表現なのかも知れない。
が、この女豹の厄介なところは、闘争本能がいくら滾ろうとも、決して理性を失わぬ点にあった。
炎の如く苛烈であり、且つ、氷の如く冷静な女豹は、まさに闘争の申し子。
銀色に燃ゆる瞳こそ、リトラ=クロームをまさに体現していると言っていい。

>>172>>177
定期放送を耳にしながら、行軍を続ける。
夜が白み始めた頃、ハイウェイに差し掛かると、間もなく愛機のレーダーが複数の機影を捉えた。

東に二機。
機種照合。XM-05ベルガ・ギロス。
名簿通りであれば、生徒番号10番・レベッカ=テスタロッサがそのパイロットという事になる。
そして、XM-X3クロスボーン・ガンダム三号機。
同じく名簿通りであれば、生徒番号25番・T=ドライツェンがパイロットである。

どちらも、知りはしない機体である。
が、アルマ=フローライトのエビル・Sと同様の「XM」を型番とするあたり、小型でやたらと動きが鋭く、
Iフィールド発生装置などの特殊装備を搭載した(アルマの機体に搭載されていたそれを、リトラは元より
ある装備だと思っている)非常に強力な機体である可能性が高い。
それが二機、固まっているのである。
交戦しているのか、つるんでいるのかは解らないが、どちらにせよ極めて厄介な事態といえる。
が、だからといって、その事実がリトラの戦意を揺るがせる事はない。

その二機を駆っていると思われるパイロットの名にも、軽く興味をおぼえた。
レベッカ=テスタロッサ。「テスタロッサ」という家名にはどこか聞き覚えはあるものの、それがリトラの知る
「テスタロッサ」であるか否かはわからない。
T=ドライツェン。明らかに他の参加者と比べて異彩を放つその名から言って、この参加者は間違いなくきな臭い
経歴を持った者である事は間違いないだろう。
が、リトラにとって最も重要なのは、その経歴よりも、この二名が自らの闘争心に応えてくれる存在であるか
どうかといった事である。
179リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/24(日) 19:26:04 ID:???
そして、南にもまた、一機のMSが居た。
PMX-002ボリノーク・サマーン。
パイロットは、生徒番号13番・エドワード=S=ボールドウィンであるらしい。
この機体そのものはよく知らなかったが、その型番には見覚えがある。
かつてティターンズを掌握しかけた、一人の木製帰りの男が居た。
その男は謀略家としても、モビルスーツ・パイロットとしても優秀であったが、
MSの設計者としても優秀ないわゆる天才であったと聞く。
その男が手がけたMSの型番が、確か「PMX」であったと、リトラは記憶していた。

さて、困った。
東の二機には強い興味を惹かれるが、南から来たらしいこいつも、負けず劣らず興味を惹かれる機体であった。
何よりも、この機体が来た方向が重要であった。「南」という事は……あの娘の死に関係している可能性が高いからだ。

顔も知らぬ娘に対して思い入れなどは無いし、持ってはならぬとは思うが……その死の真相は知りたいと思う。
容赦なく年端のいかぬ娘を死に至らしめるような相手に対してならば、自らの闘争本能を限りなく高める事が
できるだろう。
それは、この上なく良き“リハビリ”となる筈である。

決めた。
先ず、南のエドワード=S=ボールドウィンとの接触を優先としよう。

愛機を跳躍させ、ハイウェイより草原に降り立ち。
草原を駆け、エドワードのボリノーク・サマーンへと急速接近する女豹。

闘争本能が疼いて仕方が無いが……まだ、我慢だ。
彼と接触し、その返答を以って血祭りに上げるか否かを決めねばなるまい。

【行動 :   食事(-1) 移動D-12→E-12→F-12(-2) 敵機発見(0) 移動F-13(-1) 残0 】
【位置/場所 : F-13/草原 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下(頭部のみ応急処置)
        左肩に白銀のペイント 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナ&戦装束姿 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン ショットガン(残6発) ビームマシンガン(残75%) 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食
      換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)
      大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 グルカナイフ ケブラーベスト(着用) 歩兵用ヘルメット 】
【方針 : 戦斗再開 エドワードへと接触 】
180エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/24(日) 22:03:37 ID:???
朝日が昇り始めた街を、走る。
U-22からT-22エリアに近付くにつれて、瓦礫の量は減っていく。
その街の風景を見ながら暫く走っていると、マラサイが見えてきた。
私はディバックからHk-P7を抜くと、ロングコートのポケットに入れた。
……一応、ファッツさんじゃなかったときの用心のため。

マラサイに近付くにつれて走る速度を落とし、周囲に気を配りながら進む。
すると、家から何者かが出てくるのが見えた。
……この街で人と言えば……参加者、偽リトラさん(仮)でしかあり得ない。
気が付かれる前に隠れてしばし様子を見ようとしたが、その前に気が付かれたようだ。

「……!」
相手が懐に手を入れるのが見えて、反射的に拳銃を入れたポケットに手を入れた。
が、相手は警戒を解いたように懐にあるらしい何かから手を放し、その手を腰に当てる。
そしてその口でこう喋った。

『久しぶりだな、エルネスティーネ。
 どうだ、似合っているか?』
「……ぅゎ……。」
満面の笑みで。それはもう、私を半歩後ずさりさせるぐらいの勢いの笑みで"それ"は話しかけてきた。
……逃げていいですか……本気で。だけどその衝動は何とか押さえて、
半歩下がった足を元に戻して手をポケットから抜く。そして若干ジト目で"それ"に言った。

「ファッツさん……似合ってるとは思いますよ……。
 確かに綺麗ですよ……でも……それを私に聞くのは止めてください
 ていうか口調を元に戻してください服を元に戻してください化粧落としてください
 むしろ何でその格好にってそれ以前になんで女装なんですか!……っ」
そこまでほぼ無呼吸で言って一度失った酸素を補給する。

「ふぅ……。と、とにかく、お久しぶりです。
 ……何故中途半端にリトラさんなのかは聞きません。
 でも、何で女装する必要があるんですか……もうさっぱり解らないんですけど……。」
付け足してこう言って、再度ファッツさんの方を見る。……うん。確かにとても綺麗だけど……。
やっぱり高すぎる身長は不自然だったし、何よりも声の所為でファッツさんと私が認識してしまっている以上……

正直、気持ち悪かった

【行動:……((((゚д゚;)))(-0) 会話(-0)】
【残り:4】
【位置:T-22 市街地(機体はU-22)】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷  センサー一部障害 装甲にダメージ アラームセット】
【人物状況:症状緩和(ごく僅かに頭痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
    保存食(6) マガジン(3) 医薬品) ロングコート 着替え×2 H&K P7M13(14) 】
【方針:生きる 機体の修理 着替えとシャワー ……】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース 08番 ルイス?】
【休戦?:15番 ファッツ】
181サイモン=クレイガー ◆JfFovM4OEg :2005/07/24(日) 23:40:19 ID:???
身動ぎ一つ見当たらない。視界内は勿論の事、市街からも、であった。

(……潮時だな)

これ以上の時間をかけるのは本意では無いと割り切った。
自らの手足となる機体を変形させ、スロットルを上げる。
向かうは北東の基地。

【行動:変形(-1P) 移動(N-13→O-12→O-10→Q-10)(飛行ボーナス適用)(-3P)】
【残値:0P】
【位置:Q-10/平地】
【機体状況:アッシマー/MA形態 左腕部装甲に裂傷】
【人物状況:平常】
【通信状況:無し】
【武装:アインラッド(自動追尾)】
【所持:ディパック(水2L入りペットボトルx2、1Lx1、携帯糧食x3)
    ウェストポーチ(ナイフx1、ペンライトx1、煙草x1、コンパス付腕時計、携帯糧食x3)
    ショルダーポーチ(ポラロイドカメラ一式、筆記用具) ライターx1 毛布 包帯 幅広の布】
【方針:1.自衛の確保】
182ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/25(月) 09:12:39 ID:???
「ファッツさん……似合ってるとは思いますよ……。
 確かに綺麗ですよ……でも……それを私に聞くのは止めてください
 ていうか口調を元に戻してください服を元に戻してください化粧落としてください
 むしろ何でその格好にってそれ以前になんで女装なんですか!……っ」

こちらをジト目で睨みつけながら、そう一気に捲くし立て上げるエルネスティーネ。
そりゃもう、こちらの予想通りというか、それ以上に警戒した感じに。
こちらに来たという事は、ファッツの正体を勘付いていたはずだ。
それなのに、これほどまでに狼狽るという事は………。
つまりは、とっても焦っている。というよりは目の前の存在を精一杯全否定しているのだろう。
その光景を見てファッツは盛大に笑い声を上げる。
その笑い声は何故か「フハァ―――ハァ―――!!」というものだったが………。

「ふぅ……。と、とにかく、お久しぶりです。
 ……何故中途半端にリトラさんなのかは聞きません。
 でも、何で女装する必要があるんですか……もうさっぱり解らないんですけど……。」

「いやー、女装する必要ってのもあるんだぜー?」

銀髪のウィッグを外すと久しぶりにご自慢のサラサラロングヘアが太陽の下に晒された。
とはいっても、身を包むのは可愛らしい黒いワンピースドレスだったので、全く格好よくはなかったが。
化粧は………ディバックの中にメイク落としの道具だか何だかがあったと思う。
落としたいのは山々だったが、今ここで無防備な姿を晒すのも気が引けた。

「色仕掛けっていうのか、ほら、このゲームやっぱ男多いだろ。
 幾ら殺し合いの最中だっつっても性欲なりなんなりが無くなるわけじゃないしな。
 っていうかこういう状況だからこそ性欲全開にするヤツもいるだろうし、俺とか」

お姉さんとか、と続けたかったが何となく怖いのでやめておいた。
………いや、しかし、言いたい。
あのリトラがまさかファッツと交わろうとはエルネスティーネからすれば到底思えるはずもなく。
それを聞いた時のリアクションを、是非とも見てみたい。
その思いを強引に押し付けて話を続ける。

「まぁ、そんなわけで相手を油断させるとか。
 後はほら、お前とルイスって人に気付かれたくなかったからなー、俺って。
 そうすっと変装する、或いは来た道逆戻りするしかなかったわけだけど。
 戻ってレベッカってヤツに会うのもイヤだったからなァ。
 幸か不幸か女装セットなんてものを貰ったから利用させてもらったわけよ
 それにまぁ、こうするのも結構面白かったしな」

ふぅ、と一息ついて地面にペタンと座り込む。
実際には最後の理由が一番大きい。
男が可愛らしい服を着てぺたんと地面に体育すわりをして上目遣いに見上げるものには逆に一種の清々しさがある。
183ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/25(月) 09:14:12 ID:???
「ニース………って子じゃないな、あの女の子は俺を疑いはするだろうが確証は持てないタイプだろう。
 とすると、アルバートってヤツか、見抜いたのは」

チィッと舌打ちをする。
こうも簡単に見破れるものか、普通。
違和感は無かったはずだ、交渉も悪くなかったと思う。
エルネスティーネ達に通信を行わなかったのは、そうする必要が無いと解釈出来よう。
何も全員に話す必要も無いのだから。
しかし、実際には簡単に見破られて、こうもあっさりと見逃されている。
アルバートがこちらに来ていないという事は、理由は知らないが見逃されているのだ。

「アイツ、ニュータイプってヤツじゃねぇのか?
 そうじゃねぇと説明つかないだろ、こんなの」

人類の革新がうんたらかんたらとか偉い人が言っていたが、最近はどうにもうやむやになっている。
やれ、エースパイロットのヤツらは全員ニュータイプだの。
やれ、ニュータイプとはエスパーの事だ、だの。
そりゃもう、色んな情報が流れに流れている。
噂ではホワイトベース隊の乗組員全員がニュータイプだそうだが、事実は知らない。

ふぅ、と溜息をついてエルナの姿を見つめる。
着ているのはコート。
うん?少しおかしい。
最初に会った時はこんなコートは持っていなかったはずだし、やけにダボダボだ。
………んー?

「で、エルナちゃんはここに何しに来たのよ。
 まさか俺の正体を確かめに来たってだけじゃないだろ?
 もしかして、俺との約束果たしに来てくれたのかな?」

駄目だ、口元からいやらしい笑みがこぼれる。
これだけはどうしても止められそうに無い。

「ストリップ、見せてくれるんだろ?」 

【行動 :会話(-0P) 残り4P】
【位置 :T-22】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:11番アルバート・14番ニースに通信接続中】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種3食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :黒いワンピースドレス】
【暫定行動方針:街で補給】
【最終行動方針:優勝】
184アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/25(月) 17:01:38 ID:???
エルネスティーネの返答を聞く限りでは、どうやらあのリトラ=クロームは誰かの変
装らしい。
今は戦闘はしないと決めた以上深くまで突っ込んで考えようとは思わないけど、誰が
変装しているんであっても、次に会う事があったら正体を見せてほしい…かな。
仲間になるにせよ殺し合うにせよ、その相手の顔や名前は知っておきたい。
ニースやエルネスティーネの笑顔。
レベッカやエドワードの、戦士を思わせる表情。
キリト=ヴァルリックの狂笑。
全ての顔、全ての表情がプログラムの中で、俺を形作り、少しずつ変えていく。
果たしてリトラ=クロームを名乗る生徒は、どんな表情を見せてくれるのだろう?
さっきのように、不敵な笑顔を向けてくるのだろうか?
そして俺はどんな表情でその生徒の前に立つのだろう?
プログラムが終わりに近づき、もしもその時まだ生きていたら、俺は一体どんな表情
で立っているのだろう?
その時が来て、それでもまだ俺がいつもの俺でいられたら……たとえ死んでも、俺は
満足感を得られるのだろうか?
そんな事を考えると、この殺風景なプログラムにも若干の楽しみが増えた気もする。

…エルネスティーネは着替えをするとかで、瓦礫の脇に入っていった。
シャワーも浴びるらしいから、暫く時間がかかるかもしれない。
朝の定期放送を聞きながらぼんやりと外を眺める。
(戦死者はなし、と。
 組織には悪いけど、平和でなによりってとこだね)
あの先生も、なかなか戦死者がでないからやきもきしてるかもしれない。
退屈しのぎにその様を思い浮かべながら、小さく笑って身をよじる。

「い…っつ」
胸に走った小さくも鋭い痛みに、思わず声を上げた。
…そう言えば、キリト=ヴァルリックとの戦闘で怪我したところの処置がまだだった。
怪我自体はそんな大したものじゃない。
ガラス片を抜いた時に分かったんだけど、ガラス片は俺の胸のお守りに刺さっていた。
だから実際俺の体についた傷は、そんなに大きくなかったのだ。
それでもまだ痛むところからして、やっぱり処置は必要なのかも。
化膿なんかしたらまずいし。

ディパックには、自分で用意した筈の医薬品が入ってなかった。
…我ながら間抜けだとは思う。
「…ついでだから医薬品取りに行こっかな」
シャッコーから降りてデパートに向かう。
もはや見慣れたホールの中。
こんなに近くで戦闘が行われたのに、デパートには殆ど被害は及ばなかったみたいだ。
その事に感謝しつつ、片隅の物品の中から医薬品の箱を手に取る。
家庭で使うような救急箱だけど、このくらいの傷の手当てならこれで充分だ。

プログラム開始から着続けている連邦の制服を脱ぐ。
この制服も汗を吸い込んで、さすがに臭いそうだった。
「俺も新しい服着ようかな。エルネスティーネも、ニースも着替えてたし…」
そんな事を言いながら胸の傷を見ようとして、一緒にお守りも目に入る。
ガラス片が刺さったからか大きく破けていて……
「…ん?」
そこから何か、紙みたいなものが覗いていた。
185アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/25(月) 17:04:16 ID:???
【行動:シャッコーから降りる(−1)デパートへ(−1)救急箱を取る(−1)】
【残り:1】
【位置:U-22(デパート1Fホール)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(軽傷)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン1個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱】
【方針:北の基地へ向かう、傷の処置】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
186レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/25(月) 17:25:43 ID:???
接触回線が送ってくる微小なノイズ混じりの映像の中、巨漢は仮面の下の口から、聞き取りにくい発音で何かを呟いていた。
彼が何を言おうとしたのかをレベッカは理解できない。
けれども目の前の無貌の怪人が、劇中のファントムと同じく何か悲しいモノを抱えているように思えて――

最初に身を引いたのは、傷だらけのMSの方だった。
一歩だけ下がり構えを解いたガンダムから、通信回線が改めて接続される。
モニターに映るのはやはり、一般的なシルエットからは掛け離れた異形の巨漢だ。
既に戦意の色は無い。
聞き取りにくい吐息と共に、彼は懸命にこちらに向けて何かを伝えようとしているようにレベッカには見えた。

(言葉が……上手く話せないのかな?)

顔を覆う仮面の事といい、戦場での大怪我の後遺症が残っているのだろうか?
先程の、ダガーによる見事なカウンターを思い出してレベッカは軽く首を傾げた。
と、言葉による伝達を諦めたのか、巨漢は大柄な体と自身の機体を使い、ジェスチャーらしき行動に出た。
その様子は少しだけコミカル。
思わずこぼれた微笑に、レベッカは自分がいつの間にか緊張を解いていた事に気付いた。
メガ粒子の残滓が流れる音と共にビームサーベルの刃を収め、こちらも半歩だけ下がって構えを解く。

「ああ、言いたい事は分かるよ。
 T-Dreizehn……何か呼びにくいな。まあ良いか」

白手袋に包まれた右手が、リボンで束ねた白金の髪、その毛先をくるくると弄った。
187レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/25(月) 17:26:34 ID:???
「西の基地でお互いの損傷を修理しよう、それまでとりあえずは協力し合おう……か。
 そうだね。
 もうすぐ夜も明ける。
 情け無い昼間のボクで、キミの腕前に挑むのはリスクが大きいし……うん、付き合ってあげるよ」

巨漢に向かって頷き、その手を握り返そうと生身の右手を差し出しかけ。
少しの沈黙を挟み、右手は完全には差し出されること無くレバーを握り直した。

「但し、ボクは余計な感傷をあまり背負いたくない。その事だけは覚えておいて」

雪色の金糸、白皙の肌、冬の海の色をした二つの瞳。
怜悧な演技で其処に浮かぼうとする表情を覆い、けれども覆い隠し切れないだろうと半ば諦めながら彼女は彼へと釘を刺した。
否。
もしかすると、それは半分己自身に言い聞かせたものなのかもしれない――
188レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/25(月) 17:29:37 ID:???
【行動:通信回線接続(-1)、了承の意思を示す(-0)】
【位置:H-12(機体:平野)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:3】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)、思考半停止】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝、No.25と共に基地へ】
【同盟:なし(中立:No.25)】
189ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/07/25(月) 20:52:24 ID:???
目の前に据わっているロイドは、表面上は元気に見えた。
勿論、内面のショックは大きかろうが……。
しかし、表だけでも取り繕えるその芯の強さは、素直に感心させられる物であった。

ロイドの言葉に甘えて、少々休息を取る事にする。
リアカーからビスケットタイプの非常食を失敬して、適当な席に腰をかける。
腹を膨らませるだけを目的とした糧食。
味気の無いビスケットに付属のオレンジスプレッドを塗りつけて、口へと運ぶ。
甘ったるい、ドギツイオレンジ味が口内へ広がる。お世辞にも、美味いとは言えなかった。

(お前は強いな……。そして、優しいな。)

言葉は心の中へ留め、しかしそうロイドへ呟いた。
彼は軍人で、階級も自分より一つ下の少尉である事、
そしてニュータイプ部隊に所属している事も解った。
が、此方が接する態度は変わらない。
むしろ、己の事を教えてくれた事が、何よりも嬉しく感じられたのだ。

かつて、この世の先に絶望を感じた事があった。
これでは地で、空で、海で、宇宙で、戦いに身を投じて散って逝った者達が救われない。と。
教官として『醜い豚共』の前に立った、素直な感想であった。
だが、この目の前の少年は違う。
成る程、世間から見れば若干難しい性格で、人見知りも少々。
そして、少なからず心に“闇”のような物を抱えているような感もある。
しかし、闇がある所には光が必ずある。
そして、最近少しずつ、その光が見えてきたような気がした。
光も闇も持たず、生気すら感じない。只々薄っぺらいだけの『醜い豚共』との、決定的な違いであった。
その点では、クルルにも同じ事が言えたのだが……それはもう止そう。
兎も角、だからこそ呪わしくも思えた。
この、出会いのタイミングを、彼をこんな所へ連れて来た張本人達を……。

「さて、次の行動はどうする。決まっているのか?」

今までと変わらぬ堅い口調で話しかけた。上の思考が感情に出ることは、無い。

【行動 : 食事−1 ロイドと会話−0 残行動数3】
【位置 : C-18 (着艦中)】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、速度低下】
【人物状況 : 小疲労】
【通信状況 : 無し】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残90%) 60mm機関砲×1(残32発)
       両用ロケット弾×4 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 デジカメ
       アルバム(未発見) 巻き寿司1食分 レーション×6食分】
【方針 : ロイドを失わない】
【同盟 : 19番 ロイド・エンデバー】

※リアカー内の非常食−1で残り27食になりました。
190ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/25(月) 21:37:06 ID:???
ニースが少し眠ろうと目を閉じた時、通信機から定期放送が聞こえてきた。
無言で通信機を睨みつけるニース。
睡眠の邪魔をされたのはたしかに嫌だったが、でも通信機を閉じるわけにもいかない。
眠い目を擦りながら、放送の内容をチェックしていく。

「死んだ人は…いないんだ…」

複雑な表情でそっぽを向くニース。
死亡者がいないのは嬉しかった。
でもその裏に、誰も死なないのを残念に思っているニースもいる。
最終的に生き残れるのは、たったの1人。
それは、他の生徒の犠牲の上に成り立つ生。
そしてそれは、大好きなアルバートすら犠牲にする事になる。
生きたい……でも、大好きな人を死なせたくない。
その相反した思いが、ニースの表情を暗くしてしまうのだった。

放送が終わって少しして、ゲルググの横をアルバートが走り抜けていくのを見つけた。
眠りかけていたニースの目がかっと開き、慌ててコクピットから出ていく。

「あ。ハリーはここで待ってて?」

一応ハリーに念を押すと、アルバートのあとを追ってデパートに行く。

(考えてみたら、ここんとこずっとまともに話、してないんだよね)

アルバートとは、最近は殆どモニター越しの会話ばかりだった。
戦闘やエルナの看病などが重なった事もあったが、ニースにとっては少し不満でもある。
やはり好きな人とはいつも一緒にいたいし、たくさん話もしたい。
ニースはアルバートの事を、まだ殆ど知らない。
あの夜は何もかも夢中で、話すどころではなかったから。
だから今はアルバートと2人で話す、数少ないチャンスだと、ニースは思った。

デパートに入ってアルバートの姿を探すと、医療品などが置いてある所に見つけた。
アルバートは着替えでもしようとしているのか、上半身が裸だった。

「……!」

その引き締まった身体にあの夜の事を思い出し、ニースの顔が赤くなっていく。
何を話せばいいのか困っていると、アルバートの身体に傷を見つけた。
どうやら着替えではなくて、手当てに来た、というのが正解らしい。

続く
191ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/25(月) 21:43:26 ID:???
「ア…アルバートさん!あたし、あたしが手当てする!」

思わず声を上げて、アルバートの前にしゃがむ。
上気した顔を見られないように、少し顔を俯き加減にして傷を見る。
大きい傷ではないが、かといって何もしないわけにはいかない。

「あの、消毒するから少ししみるよ?」

アルバートに自分でやると言われるのがいやだから、何か言われる前に手早く消毒液に脱脂綿をひたして、胸
の傷にあてた。
傷の周辺を念入りに拭いてから、軟膏を塗ったガーゼを傷にあてて、テープでしっかりと固定する。
最後に包帯を何回か巻いて、これもテープでしっかりととめた。

「はいっ、終わり!」

包帯を巻き終わって、アルバートの背中をポンと叩く。
夢中になっていたせいか、アルバートの裸にあまりドキドキはしなかった。

(…あれ…えっと…えっと…)

…しかし、いざ手当てが終わってみると、何を話題に話せばいいのか分からなくなった。
アルバートとこうやって面と向かって2人きりになるのは、あの夜以来だ。
まさかあの夜の事を話題にするわけにもいかず、さりとて他の話題も、緊張の為か浮かんでこない。
アルバートの顔も見れずに俯いていたニースの目に、アルバートの胸にあるお守りが映った。

「あ、あの。アア、アルバートさんの、そのお守り……。
 なな、何か、小さくて、その可愛いですね」

一所懸命笑顔を浮かべたが、やはり引きつっていたかもしれない。
この程度の話題しか出ない自分自身を、ニースは正直呪いそうになった。

【行動:ゲルググから降りる(−1)デパートに入る(−1)アルバートの手当て(−1)】
【残り行動値:1】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:緊張。でも嬉しい】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食6と        
     2/3日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、行き先は北の基地だねっ、な何か話を…】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
192T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/25(月) 21:47:31 ID:???
>>186-188
矛を収めてくれたベルガ・ギロス。画面の向こうで右手を差し出してくれる少女。
巨漢の肩から、目に見えて力が抜ける。
仮面越しにも、巨漢の嬉々とした雰囲気は伝わったに違いない。
ただ……

「但し、ボクは余計な感傷をあまり背負いたくない。その事だけは覚えておいて」

少女の冷たい言葉に、巨漢もまた喜びの色を消す。
少しの間を置いて頷いた巨漢もまた、冷たい理性で感情を包む。
顕にしてしまった心に再び、無貌の仮面を被る。

確かにそれは、この巨漢自身にも言えることなのだった。
そしてそのことを、彼自身もよく理解しているのだった。

目の前の少女が、記憶の彼方の「あの娘」でないことくらい、百も承知だ。
一瞬の混乱はあれど、動揺や感傷、未練をほとんど「奪い去られた」精神なのだ。
一息入れるだけで、すぐに自分を取り戻せる。
この「レベッカ・テスタロッサ」という少女が、「いずれ倒さねばならぬ敵」であることも理解している。

 それでも。
 その白い肌が。白い髪が。
 その身を包むクロスボーン・バンガードの制服が。
 巨漢を「化け物」と罵らぬ彼女の態度が。
 そして何より、ときおり瞳の奥に垣間見える、世界全てを呪うかのような冥い魂が。
 どこか共感を覚えずにはいられない存在感が。

 巨漢の鉄壁の理性を、奥底から揺さぶる。

巨漢はいつの間にかズレかけてた白い仮面を直すと、西を向いた。
お互いのために、あえて事務的に次にやるべきことを考えている……そんな態度だった。
193T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/25(月) 21:48:36 ID:???
>>172>>177
東の空が、明るみ始める。時間に正確に、定期放送が流れ始める。
簡単に次の禁止区域だけチェックすると、巨漢は操縦桿を握る。
巨漢のガンダムはベルガ・ギロスに背を向けると、先行するように歩き出した。
目指すは西の方角。二人の目的地、軍事基地。

巨漢のガンダムは、歩きながら時々右膝の具合を確かめているようだった。
……全く動かないわけではない。動いてくれる時には、完全な力を発揮できる。
ただ時折、ランダムに「膝の力が抜ける」時がある。
どうやら動作の伝達を担う回線の一部が「接触が悪く」なってるようだった。
こうして歩く分には、ほとんどスピードも落ちず、たまに「杖をつく」だけで済む。
が、この状態で戦闘になれば……状況によっては、致命的な結果になりかねない。
レベッカのように、ビームサーベルを止めてくれるような人物はまずいないのだから。
巨漢はただ歩くだけではなく、念入りに、己の機体の現状を把握せんとしていた。


――それは、果たして良かったのか悪かったのか。
頭部のセンサー類を軒並み喪い、損傷確認に気を取られていた巨漢は、ある参加者の存在を完全に見過ごしていた。
流石に同じエリア内にいたのなら、確認もできただろう。自分に向かって来ていたのなら、目にも入ろう。
けれども、その機体は隣のエリア。別の目標目掛け、急速に遠ざかっていく最中。

リトラ・クロームの存在に気づくことなく、巨漢のガンダムは彼女の出てきた基地へと足を踏み入れた。
朝の光が、無人の基地を照らしている。

【行動:移動(H-12→F-12→E-12)(一部高速道路ボーナスあり)(−2p)、歩きながら損害チェック(−1p)】
【残りP:1p】 【位置:E-12(基地内)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。
      右膝の動きに異常(砂の侵入による)】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味。10番に対し特別な感情?】
【通信状況:10番レベッカ・テスタロッサのベルガ・ギロスへの通信】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター
    フェダーインライフル】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 機体の補修 19番への執着】【同盟:10番レベッカ??】
194エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/25(月) 22:30:31 ID:???
『いやー、女装する必要ってのもあるんだぜー?』
そう言いつつリトラさんカラーなウィッグを外すファッツさん。
これで髪型は元に戻ったわけだけど……正直さっきより違和感があるのは気のせいですか?

『色仕掛けっていうのか、ほら、このゲームやっぱ男多いだろ。
 幾ら殺し合いの最中だっつっても性欲なりなんなりが無くなるわけじゃないしな。
 っていうかこういう状況だからこそ性欲全開にするヤツもいるだろうし、俺とか』
「……私には解らない世界ですね……。」
ファッツさんの発言を正式に態度と言葉で否定する。
そう言えば、開始直後にいきなり変な要求されたような……うん、思い出さない方が良さそう。
ファッツさんは、さらに続けてこう言った。

『まぁ、そんなわけで相手を油断させるとか。
 後はほら、お前とルイスって人に気付かれたくなかったからなー、俺って。
 そうすっと変装する、或いは来た道逆戻りするしかなかったわけだけど。
 戻ってレベッカってヤツに会うのもイヤだったからなァ。
 幸か不幸か女装セットなんてものを貰ったから利用させてもらったわけよ
 それにまぁ、こうするのも結構面白かったしな』
「面白かった……結局彼方はそれが優先されるんですか……。
 それにしても女装セット……あの、頼みますからその姿勢止めてください。
 ……って、レベッカ?」
いきなり女装の話題の中に知った名前が出てきた為、思わず聞き逃すところだった。
レベッカ=テスタロッサ……。ファッツさんは北から来たはずだから……

「やっぱり北の基地へ向かったのかな……。」
『ニース………って子じゃないな、あの女の子は俺を疑いはするだろうが確証は持てないタイプだろう。
 とすると、アルバートってヤツか、見抜いたのは』
こちらの疑問など意に介さない様子で、ファッツさんは言葉を続けた。
途中舌打ちも混じる。……どうやら、相当この変装に自信があったようだ。
……いや、確かに七、八割程度の人は騙せると思いますけどね……けどね。
思わず視線をファッツさんからずらした。……見てると"こっちまで"おかしくなりそう……。

『アイツ、ニュータイプってヤツじゃねぇのか?
 そうじゃねぇと説明つかないだろ、こんなの』
「ニュー、タイプ……?」
聞き慣れない単語に、私は首を傾げた。……多分、未来に出来た単語なんだろう。
私の知識は他の参加者に比べて、とても古い物らしい。
……もしかしたら、私は最も過去の参加者なのかも知れない。
195エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/25(月) 22:31:21 ID:???
『で、エルナちゃんはここに何しに来たのよ。
 まさか俺の正体を確かめに来たってだけじゃないだろ?
 もしかして、俺との約束果たしに来てくれたのかな?』
「約束……?」
何の事だろうと一瞬思ったが……なんだか嫌な感じの笑み。
……とっても嫌な予感がする。というかどこかで見た表情……。

『ストリップ、見せてくれるん「……このっ!」
ファッツさんが言い終わるよりも早く、私は行動に移っていた。
ロングコートがはためくのも無視して繰り出したのは、鋭い蹴り。
しかも、顔面目掛けて。それはもう鼻骨を砕かんばかりの速度で。

いわゆる、会心の一撃だった。

【行動:会話(-0) 会心の一撃(-1)】
【残り:3】
【位置:T-22 市街地(機体はU-22)】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷  センサー一部障害 装甲にダメージ アラームセット】
【人物状況:症状緩和(ごく僅かに頭痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(4) 栄養補助食品
    保存食(6) マガジン(3) 医薬品) ロングコート 着替え×2 H&K P7M13(14) 】
【方針:生きる 機体の修理 着替えとシャワー ファッツ撃破(?)】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース 08番 ルイス?】
【休戦?:15番 ファッツ???】
196ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/25(月) 22:47:37 ID:???
>>46
 近くの街灯につかまりながら、よろよろとした足取りのまま首を持ち上げていた。
その上では髑髏が未だ不敵に笑っているような表情を晒しているように見えている。
明らかに自分の中で何かを覚悟していた瞬間だった。眼の前の光景と自分の意識がリンクしていない状況。
やけに落ち着いた鼓動とそれに合わせた時間のカウントダウン。
激しく飛び散る光と砂の粒子まで見えそうなほどにゆったりとゆったりと緩やかに。

 ──ズゥゥゥン

 体からおおよそ3mほどの近い位置に倒れこんだのは自分の相棒。
太陽の下で無造作な剣圧に押されて片腕を差し出したまま真っ直ぐ重力下の支配を受けていた。
瓦礫が、土が、硝子が。衝撃とともに上空へ、ギリギリ指で指せるぐらいの距離まで飛び上がっていく。
『後、何mか左に反れていたら今頃機体の下で人間平面地図の完成と相成っていたところだったよ』
不思議と、一番最初に生み出されるはずのその手の感情はこれっぽっちも涌いてこなかった。
降りしきる細かい粒のシャワーを浴びて眼の前が人工的なセピアに染まってきてもただぼんやりと。
一歩一歩、確かな足取りを刻んでいく髑髏を冠した"GUNDAM"の背を見詰めながらただ一言。

「…ひでぇことしやがるなぁ」

 軽く漏らした吐息は小さな笑いの色を込めながら、誰に聞かれるでもなくそのまま霧散していった。
それは一つの意味で言えば仮面を被った無骨な強敵に対する感謝であると同時に
やはり、言葉通りの意味の憎たらしさを前面に押し出したちょっとした"サヨウナラ、マタアイマショウ"である。
そして、そのままナインティの体もまた後ろ向きに重力にゆっくりと引かれていった。
相棒であるバウが倒れる物ほど豪快には無理だが、背後にあった小さな山を崩すぐらいなら十分な質量で。

 ──ガシャ

 そのまま大の字になり、静かに目を閉じてみた。
この体制のまま意識も虚空の彼方へ亡くしてしまうことも容易いのだろうが、それにはいささか早すぎる。
『罪滅ぼし』と言えば少しは気が紛れそうな、自己満足の世界までこれから足を運ばなくてはならない。
そのための小休止。今はただ時間が過ぎるのを待つばかりの身。贅沢は言いたいがこれが精一杯だ。
瓦礫と石ののゴツゴツしたベッドに、汗まみれ砂まみれの体。隣には同じ様に寝転んだMS。
はっきりわかるのは自分が今生きている事ぐらい、そして自分がゲームに参加している事ぐらい。

 ──ゴォォォォォ…

 頭上に広がるのは鉛が詰まった頭を叩き割ってくれそうなほど青い空。
そこに通りかかったのは2匹の鳥。眠りを妨げる轟音を撒き散らす2匹の鳥。大きいのと小さいの。
薄ら目を開けてみれば、そこには怒りに満ちた巨大な紅白の翼とそれに続く静かな闘志を秘めた小さな灰色の翼。

「うるさいよ…」

 言い捨てると、またただ一人だけで目を閉じる。
197ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/25(月) 22:49:18 ID:???
【行動:このまま翌日まで眠りへ(-4P)】
【残り:0P】
【位置:C-21】
【機体状況:左肩口から右腰に掛けての切り傷 表面装甲へ傷 駆動系へのダメージ】
【人物状況:頭部裂傷】
【通信状況:無し】
【武装:ビームサーベル】
【所持品:デイバッグ(コッペパン×2 水2L入りペットボトル×2(少量消費) 前回のデータ入りディスク)
      タブレット状の精神安定剤 タブレット状の睡眠剤】
【方針:正気に戻る、他色々…】
【同盟:無し】
198エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/07/25(月) 22:54:03 ID:???
>>121
 暖かい朝日が頬を照らす。
瞼を開ける。
明るい日差しと共に外の景色が見えた。
朝。
最後の記憶は日が落ちて大して経っていなかったはずだ。
気を失っていた時間は長かったみたいだ。
まあ、気を失っている間は空腹感も感じないし、
良かったということにしよう。
貴重な時間を無駄にしてしまったのではということは、
あえて考えないようにしながら地図を開いて辺りを確認する。
これからどうしようかと考えたのは一瞬。
状況はそれ以上させてくれそうに無かった。

>>178-179
 反応は【MSK-008 ディジェ】。
レーダーに映る光点は北から真っ直ぐこちらの方向に移動している。

「……逃げるか」

そそくさと機体を反転させ撤退しようとする。
しかし、いざ足を踏み出そうとする直前、
メインカメラの倍率を上げ、ディジェの機体がモニターに表示されたとき、
その姿を瞳が捉えたとき、
私の身体が逃亡することを拒んだ。
古傷が、ハゲワシの翼の痕が、
体の奥で、疼いた。

 緑の草原を走る蒼の巨体。
その姿はとても歪だ。
いかにも代わりに取り付けたというようなズゴックの左腕。
──アッガイの左腕を取り付けていたのはセルゲイ曹長の乗機だったか──
明らかに後に装備したと思われる肩部のキャノン砲。
──マゼラトップ砲を両肩に装備していたのはクロード大尉の乗機だったか──
破損した部分にパッチワークのごとく継ぎあてられた追加装甲は幾多もの激戦を潜り抜けた証か。
間に合わせの道具や資材で補修された継ぎ接ぎだらけのその機体は満身創痍と呼ぶに相応しい。
しかし、地を踏みしめるその脚は、
爛々と光り輝くそのモノアイは、
その言葉を一蹴し、身体に残る継ぎ接ぎや補修の後を誇り高き傷跡だといっていた。
まるで戦場こそ我が生きる場所と言っているその様はまるで──
かつてのハゲワシ達のようで……
屍肉を得るために幾多の鋼鉄の巨人との戦いに明け暮れていたあの部隊のようで……
──過去の自分のようだった。
199エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/07/25(月) 22:55:32 ID:???
 機体を再度反転する。
砂が詰まり動作が鈍くなった脚を動かし一歩。
唯一の武器であるビームトマホークを構えながら更に一歩。
ディジェのほうに歩を進める。

 怖かった。
逃げたかった。
けれど、
一度は折れた肋骨が、埋め込まれたインプラントをも軋ませんとばかりに広がり、
一度は血に満たされた肺が、自らを破裂させんとばかりに膨張し、
一度は止まった心臓が、潰れることもじさないとばかりに脈動し、
一度は引き裂かれた動脈が、身を引き千切らんとばかり必要以上の血液を左半身を中心に身体全体に送り、
自分の制止を、脳の制止を聞かず暴走していた。

 気を失いそうな古傷の痛みの中、
理性を保とうと、たった一人の家族を、
護ると心に誓った少女の顔を想像する。
しかし、その顔は霞がかかったように、
思い浮かぶことは無かった。


【行動:移動(F−14→F−13)(1)】
【残り:3】
【位置:F−13(草原)】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂】
【パイロット状況:恐慌、興奮】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0),ビームトマホーク】
【所持品:布、綿、糸、裁縫道具、色鉛筆、型紙、人形
        水1L弱、MS整備の本】
【方針:食料確……】
200アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/25(月) 22:58:06 ID:???
すぐ近くでニースの声がした。
どうやらお守りに気を取られて、ニースが来ていた事に気づかなかったみたいだ。
当然ニースが何を言ったのかもよく分からない。
「あ…えっと…」
俺がニースに話の内容を聞く前に、ニースが俺の前にしゃがんで傷の処置を始めた。
俯き加減のニースの目に真剣なものを感じて、俺は口出しをするのを止めた。
俺だけではなかなか処置は難しいし、ニースに任せた方が上手くいくと思ったから。

予想通りニースは、手際よく俺の傷を処置してくれた。
俺だけではこうは簡単にはできなかっただろう。
お礼を言おうとニースの方を見ると……何か固い表情で黙り込んでいる。
もしかして処置に失敗したのかと思ってしまうとこだったけど、俺が見ていた限りで
は、ニースの手際に特におかしな点はなかった。

他に可能性を模索してみると…やっぱり俺が裸なのが気になるのだろうか?
ただ、汗臭くなった制服をまた着るのは、さすがに俺でも気が進まない。
どうしようかと悩んでいたら、ニースが思い切ったふうに話し掛けてきた。
「あ、あの。アア、アルバートさんの、そのお守り……。
 なな、何か、小さくて、その可愛いですね」

その緊張感丸出しの話し方に、思わず吹き出しそうになってしまった。
でも、その一所懸命さがニースの1番の魅力かもしれない。
そこにはあのホテルで見せたような、か弱げな様は何も見えない。
これが本来の、ニース=エルネージュの姿なのだろう。
「ははっ。
 褒めてくれて有り難う、ニース。
 これ、俺が連邦軍に入る時に父さんがくれたものでね。
 このプログラムに連れてこられた時の、数少ない持ち物の1つだよ」
微笑みながら、ニースとお守りを交互に見て答える。
お守りの穴から覗く紙。
ちょっと気になるけど、まああとで見ればいいかな。

【行動:ニースに答える(0)】
【残り:1】
【位置:U-22(デパート1Fホール)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(軽傷)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン1個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱】
【方針:北の基地へ向かう、新しい服の調達】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
201サイモン=クレイガー ◆JfFovM4OEg :2005/07/25(月) 23:47:15 ID:???
「海か……」

空の彼方から見下ろして呟く。
連中の監視は如何なる場所まで張り巡らされているのか。

(どこかに穴がある…なら、苦労も無いがね)

首輪を撫で付けてぼやく。

「さて、まあ……」

最たる目的も無いとはいえ、基地に篭もっている人間は誰かしらいるかもしれない。
だが、そういった人間ならば……

「好戦的かも、な」

渋面を作り、再度前を見た。昇り始めた日の輝きが眼に刺さる。

【行動:移動(Q-10→Q-08→S-08→U-08→U-06)(飛行ボーナス適用)(-4P)】
【残値:0P】
【位置:U-06/海】
【機体状況:アッシマー/MA形態 左腕部装甲に裂傷】
【人物状況:平常】
【通信状況:無し】
【武装:アインラッド(自動追尾)】
【所持:ディパック(水2L入りペットボトルx2、1Lx1、携帯糧食x3)
    ウェストポーチ(ナイフx1、ペンライトx1、煙草x1、コンパス付腕時計、携帯糧食x3)
    ショルダーポーチ(ポラロイドカメラ一式、筆記用具) ライターx1 毛布 包帯 幅広の布】
【方針:1.自衛の確保】
202管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/26(火) 00:04:03 ID:???
>201時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
 01彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡◎
 02◎◎彡彡彡彡彡彡◎彡彡彡□□□彡彡彡彡彡彡彡★彡◎彡
 03彡彡彡□◎▼彡彡彡彡彡□□△□□□◎彡彡彡★★〓△彡
 04彡◎□□△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△□┃□彡彡□□△△△□□▼▼彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06彡彡□◎△□┣━〓━━━┓△◎△◎┛□彡18彡彡彡△△  ■:森林
 07◎彡◎□□┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓□彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡彡彡┃□△□彡◎■■△◎△□┗┓彡彡彡□□△△  彡:海 川 オアシス
 10彡彡彡彡□┗┓□□□彡□■◎△△□□┃□彡□□□△△  ━:道路
 11彡彡彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△△  〓:橋
 12彡彡彡★25━┫10□◎彡◎□□△△┏━┛◎彡□┃△◎△  ≠:破壊された橋
 13◎彡★★□06┗━┓□彡彡□△□┏┛□□彡彡□┣━◎━  ▼:市街地
 14□□□□□□□□┣━━〓17▼▼┛□□彡彡□★★□△◎  ★:基地
 15◎◎△∴∴□◎□┃□□彡□▼□□彡◎◎□□★≡◎△△  U:灯台
 16△△∴∴∴∴□□┃◎□彡彡彡彡彡◎彡□□□□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□彡彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□
 18△∴07∴∴◎∴┃◎□彡彡彡U23≠≠□□□□┃□□□□  ◎:立入禁止区域  
 19∴∴∴∴◎∴∴21□◎彡彡彡彡◎彡彡彡◎□◎┃□□□◎  ×:立入禁止予定区域
 20∴∴▼∴┏━━┫□彡彡彡彡彡彡◎彡彡◎□┏┛◎□△△
 21━▼16━┛∴∴┃□彡□□◎□□彡彡彡彡□┃□□△◎◎
 22∴▼彡∴∴∴∴┃□□□■■■■◎□彡□0208□□◎△△
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎□△◎
 24∴◎∴∴◎△△□■┗━━━━┛■◎彡□□□┗┓□□△
 25∴∴∴△△△△□■■◎■■■■■■彡彡■■□┗┓□△
 26△◎△△◎△□■■■■■■◎■■■■彡■◎■□┃□□

02と15は同一地点【T-22】
06と13は同一地点【F-13】
08と11と14は同一地点【U-22】
07と19は同一地点(戦艦搭乗中)【C-18】
17と26は同一地点【M-14】
21と22は同一地点【H-19】

02の機体(ゲルググJ)はU-22に置き去り
203管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/26(火) 00:05:55 ID:???
参加者の出席情報
21番 ジェンセンさん 七月いっぱい欠席
23番 ジョセフさん 7/23〜8/10 まで欠席
18番 サイモンさん 8/1あたりから? 一週間欠席

連絡次項
08番 ルイスさん
2005/07/19(火) 17:48:59 ≫120 が最終書き込みで
書き込み期限の一週間が目前まで迫ってます。
特に緊急避難所の参加管理スレッドにも連絡はありません。
書き込みがあるのが一番ですが、多忙で書き込みが不可能の場合は
一度管制室までご連絡ください。

参加者各位へ
例年どおりにお盆のスレ進行をどうするのか今のうちから決めておきたいと思います。
【8/14〜20】の一週間をお盆期間として考えていますが、
各者、その期間に書き込みは可能かどうか連絡を管制室までお願いします。
204リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/26(火) 00:34:12 ID:???
>>198-199
こちらの急速な接近に対し、ボリノーク・サマーンは一度は逃げるような様相を見せたが、
すぐに思い直したように踵を返すと、彼奴は自らの脚でこちらへと踏み出してきた。

「ほう?」

不敵な笑みを浮かべ、愛機の歩みを速めるリトラ。
相手が“やる気”ならば、それはそれで一向に構わない。
むしろ、歓迎すべき事態といっていい。

その瞳に闘争の光を宿しながら、モニタに映るボリノーク・サマーンを見据えるリトラだったが。

>>193
レーダーが愛機の後方を移動する機体を捉え、リトラは視線をレーダーへと移す。
その機体は、先程東に居た二機のうちの一機、クロスボーン・ガンダム三号機であった。
が、奴はこちらを意に介さぬようにハイウェイを通り抜け、軍事基地へと侵入してゆく。

「……舐めているのか?」

基地へ入ったという事は、つまり修理補給の類がその目的という可能性が高いだろう。
手近に敵機が居るにも関わらず、安穏とそれを行えると考えているあたり、余程こちらを舐めているのか。

「い・や?」

それとも……油断していると見せかけて、基地よりこちらの様子を伺うつもりなのか。
深読みすれば、前方のボリノーク・サマーン、東のベルガ・ギロス、そして後方の“ガンダム”は、
まるでこちらを包囲しているかのような位置に陣取っているともとれる。

まあいい。
そうなればそうなったというだけの事、決してこのリトラ=クロームの意にそぐわぬ事態ではない。

何はともあれ、今は目の前のボリノーク・サマーンである。
唯一の武器にも見える、巨大なビーム・トマホークを構えながら一歩一歩力強く踏み出してくるその姿は、
この女豹の闘争心を刺激してやまない。
踊りかかり、メガ粒子の飛礫で以ってその雄姿に応えてやりたくなる衝動にも駆られるが……先ずは。

ボリノーク・サマーンへ向け通信回線を開く。
モニタに映った男は、その年齢からするとエドワード=S=ボールドウィン本人である可能性は高いだろう。
その男の瞳を見据え、リトラは自らの用件を簡潔に述べる。

「生徒番号13番・エドワード=S=ボールドウィンか?
 私は生徒番号06番・リトラ=クロームだ。
 お前がやる気ならば、いつでも受けて立ってやるが……その前にお前に訊ねたい事がある。
 その砂まみれの機体の様子から見て、お前は間違い無く南から来たようだから訊くのだがな。
 生徒番号20番・クルル=ヴァルデーンの死について、お前は何か知ってはいないか?」

……或いは、この男が殺したという可能性も充分に考えられるが、な。

エドワードの瞳を、白銀の瞳が射抜く。
余程のペテン師でない限りは、このリトラ=クロームを誤魔化そうとしても無駄だ。
瞳は言葉よりも雄弁に、真実を物語るのだから。

                           ロクデナシ
相手があのファッツ=シュヴィールのような “天 才” であるならば、保障の限りでは無いが。
205リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/26(火) 00:36:04 ID:???
【行動 :   エドワードへと通信(-1) 残3 】
【位置/場所 : F-13/草原 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下(頭部のみ応急処置)
        左肩に白銀のペイント 】
【通信状況 : 生徒番号13番・エドワード=S=ボールドウィンのボリノーク・サマーン 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナ&戦装束姿 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン ショットガン(残6発) ビームマシンガン(残75%) 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食
      換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)
      大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 グルカナイフ ケブラーベスト(着用) 歩兵用ヘルメット 】
【方針 : 戦斗再開 エドワードへと接触 】
206ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/26(火) 13:37:37 ID:???
恥ずかしくて、情けない。
そんな気持ちが、ニースに引きつった笑顔を作らせてしまった。
せっかくアルバートと2人で話す機会を得て、最初に交わした会話がお守りだったのだから。
本当はもっと違う事を話したい。
ニースはアルバートの事なら、何でも知りたかった。
有りがちだが趣味でもいいし、特技でもいい。
アルバートに関する事を聞きたかった。

でもニースは、昨日の戦闘の時と同じくらいに混乱していた。
お守りからどうやって話を繋げたらいいのか、分からなくなっていたのだ。

(ダメ…ダメだったら。もっと冷静に。落ち着いて話を…!)

そんなニースの思いとは裏腹に、頭の中は更にごっちゃになって、顔は恥ずかしさで赤くなる。
それでも何か言おうと顔を上げた時、アルバートが優しく微笑みかけてくれた。

「ははっ。
 褒めてくれて有り難う、ニース。
 これ、俺が連邦軍に入る時に父さんがくれたものでね。
 このプログラムに連れてこられた時の、数少ない持ち物の1つだよ」

微笑みながら、丁寧にニースの言葉に返事をしてくれるアルバート。
ニースは嬉しくて泣きそうだった。
自分の苦し紛れの話題に丁寧に答えてくれる、アルバートの気持ちが心に染み込んでくる。
しかし、ここで泣くわけにはいかない。
アルバートが話を繋げてくれたのだから、今度はニースが広げなければならない。

「へ、へぇ…。ア、アルバートさんのお父さんが…。
 アルバートさんのお父さんって、何をしてる人なの?ややっぱり…軍人さん…なの?
 え、えっと、ちなみにあたしのお父さんは、自営で整備工場やってたの。
 あたしも小さい頃から工場で遊んでばっかで、そのうちお父さんの仕事も手伝うようになったんだ」

ニースの父は腕のいい整備工だった。
人当たりも良かったから、仕事も順調で、生活には困らなかった。
皮肉にも、3人の兄妹の中でただ1人の女だったニースが1番父の血を継いでいたらしく、幼い頃から工場に
入っては工具や材料で遊んでいた。
父もニースの資質を見抜いたのか、暇をみては整備を手伝わせていた。
娘に女らしくあってほしいと願う母はいい顔をしなかったが、ニースにとって工場での手伝いは、汚れたりし
ても楽しく、そして充実した時間だった。

「あたし、簡単な整備くらいはできると思うから、何かあったら言ってねっ」

言ってニースは笑った。
考えてみれば、ニースには整備の腕があった。
MSは整備した事はないが、これまでのこれまでの経験でカバーするしかない。
でもアルバートやエルナの役に立てそうな事があるというだけで、自然に笑顔が溢れてくるのだった。

【行動:アルバートとお話(0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:緊張。でも嬉しい】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食6と        
     2/3日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、行き先は北の基地だねっ、な何か話を…】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
207ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/07/26(火) 19:57:40 ID:???
>>189
ニュータイプだと知っても、ジンペイに態度の変化は見られない。
何か思考している様子でしゃべり方も硬いが、「俺に対しての」悪意は感じられない。
思考の内容は分からなくても、それくらい簡単に分かる。
(・・・良かった)
安心した。自分で選んだ道とはいえ、心配だった。
もしまた化け物扱いされたら、どうしようかと。
本当に・・・良かった。これで当分、安心して話せる。
「これからどうするか、か。
 とりあえず基地に戻って、ジンペイさんの戦闘機の修理ってのが最優先なんだろうけど」
ちらり、とレーダーにあるバウを見る。クルルにグレネードぶち込んだあの馬鹿を放っていくのは気が済まない。だが。
(どうもおかしいな・・・殺気も狂気も感じられない。どういうことなんだろう・・・)
何か戦う気がそがれる。強化人間達には負い目があるし、ここでわざわざもう行く必要がない街まで行って戦うのはなんだかな。
・・・よし。戦うかわりに、違うことをするか。
「あー、ちょっと待ってて。あの馬鹿に恨み言を言いたいから」
言って、通信関連の操作をするコンソールまで歩く。
砂嵐も収まって、通信状況は良好。早速バウに通信回線を開く。
といってもこの距離だから言い逃げになるか。となると、短くてかつ俺の気が済むようなセリフじゃないといけない・・・。
よし、決めた。
「死んだら絶対あの世でクルルに土下座しろ、ゴミクズ」
言って通信回線を切り、ジンペイの所へ戻る。返事なんていらない。ただとりあえずあいつに不快感を味わわせて、軽い仕返しをしたいだけだ。
すっぱり気持ちを切り替えてさっきの話の続きをする。
「俺は基地へ戻った方がいいと思う。ナインティとかいう馬鹿は無視で問題ないよ。今現在は、あいつに交戦の意志は無いからね。
 それに、さっきので一応気は済んだ」
気が済んだのはあくまで一応、許してはいないが。
「まぁあのお姉さんがまた受け入れてくれるかどうか、少し疑問なところもあるけどね。
 ま、基地に行くってことでいいんじゃないか?北が駄目なら東に行けばいいし」

【行動:16番へ通信開閉(1)会話(0)】
【位置:C−18、砂地】
【残り行動値:3p】
【機体状況:MS,ABCマントを脚部に着用済、左腕に傷、右腕に凹み
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(残弾85%)
    予備  二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦  メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:ホワイトアークに搭乗】
【通信状況:無し】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.7、木刀、写真、重り×3、ボールペン、
     スポーツドリンク350ml、拳銃×2、予備弾倉
     リアカーに入っている物・果物缶詰×1、紅茶セット1杯分 クッキー
 艦内倉庫に入っている物・魚の缶詰×2、拳銃×1 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(28食分) コーヒー紅茶セット、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:仇を討つ】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】
208アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/26(火) 22:25:42 ID:???
俺の話を受けて、ニースが自分の父親の事を少し話してくれた。
聞いているうちに、ニースが何故作業服を着ていたのかが理解できた。
はじめはどこかの軍の関係の整備をしていたのではと考えた事もあったけど、それに
してはMSの操縦など、慣れていない所が多かった。
でも、父の工場で手伝いをしていたというのなら納得できた。

…それにしても、組織はどういう基準で生徒を選出したのだろう?
エドワードやルイスさんのように、パイロットというわけでもない。
エルネスティーネのように、訓練を受けてるわけでもない。
ニースは紛れもない素人だ。
ついこの間まで普通に暮らしていた、ただの一般市民なのだ。
当然ニースがこれまで体験した恐怖は、他の誰よりも大きかった筈。
それを考えると、ニースがこうして笑っていられるのは殆ど奇跡に近い。
だから俺には、ニースが向けてくれる笑顔がとても眩しく見えてしまう。

ニースなりに戦い、死線をくぐって尚、無邪気な笑顔を浮かべられる。
戦いに慣れたからと言ってしまえばそれまでだけど、俺はニースがまだニースのまま
でいるからだと思う。
数々の戦闘を経験して死線をくぐり抜けると、人は独特の雰囲気を持つようになってくる。
戦場で生きる人間から自然と滲み出る…というか…とにかく一般人とは明らかに違う
ものを持ってしまうのだと思う。

でもニースにはそんなものはない。
恐くて泣いて、嬉しくて笑う、自然な感情を見せてくれる。
エルネスティーネもそうだ。
彼女はたしかにどこかで訓練を受けてはいるけど、前にも言った通り、病気を持っている
ところからしても正規の訓練ではないと思う。
だからこそだろう。
俺の腕の中で泣いていたエルネスティーネが思い出される。
正規の訓練でなかったから……軍隊に染まらなかったからこそ、エルネスティーネは
少女らしい感情表現を表せたのかもしれない。

「それは心強いな。
 それじゃ、その時がきたら是非お願いするよ」
ニースの笑顔に応えて俺も微笑む。
実際どこまで出来るのかまだ不透明な部分もあるけど、ニースの気持ちには応えてあ
げなければいけない。
「ああそうだ、俺の父さんの事だね。
 …俺の父さんは…んー…軍人には違いないけど…ニースは、傭兵って分かるかな?
 お金を貰って色々な仕事をする兵隊の事で、父さんは隊長をしてるんだ。
 この右手の手袋も、父さんの真似をして付けたものなんだけどね」
右手に付けた革手袋を見せながら父さんの事を話す。

俺が知る限り、父さんが右手の手袋を外した事はない。
何か意味があるのかどうかは分からなかったし、もしかしたら何の意味もないかもしれない。
でも俺は父さんみたいなパイロットになるのを夢見て、士官学校を卒業すると同時に
父さんの真似をして右手に革手袋を付けたんだ。
209アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/26(火) 22:26:32 ID:???
【行動:ニースと話す(0)】
【残り:4】
【位置:U-22(デパート1Fホール)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(軽傷)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン1個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱】
【服装:連邦の制服】
【方針:北の基地へ向かう、新しい服の調達】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
210T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/26(火) 23:46:15 ID:???
巨漢のガンダムは、基地の中に入っていく。
基地の入口付近には複数のMSの足跡が残され、既に複数の「生徒」がここを利用したことを示していた。
目新しい武器などは望めないだろうが、しかし逆に言えば「使える」基地だということでもある。
巨漢はMS整備に「使えそう」な場所を探し、基地の奥に足を踏み入れる。

少し歩いた時点で、巨漢の足が止まる。
――そこには、生々しい激戦の痕が残されていた。
飛び散ったMSの残骸、砕かれた敷石、焼け焦げた建物たち。吹き飛ばされた巨大な燃料タンク。
E-12からD-12にかけ、移動しながら戦っていた様子が手に取るように分かる。
それは巨漢が「プログラム」に投下される前に散った、ハロルド=P=アンダーソンの生きた証。

しかし巨漢は特に驚いた様子もなく、ただじっと周囲を観察していた。
D-12エリアに入ったところで、隻腕のガンダムが1つのパーツを拾う。
――肩から綺麗に断ち切られた、ズサの左腕――。
頭長高にして15m、ネオジオンの機体としては異様に小さなその機体の腕。
つまるところ巨漢は、死闘の跡で「使えそうな部品」を探していただけだったのだ。

拾った腕を右の脇に挟むようにして、ガンダムはなおも基地内を探す。
やがて見つけたのは、1つの工廠。その門前には、腹を打ち抜かれたアイザック。

「…………フシュ?」

近づいて傷を確認する。新しい。穿たれてから半日も立たない傷だ。
しかし、その傷痕に無残な遺体はなく――
生徒名簿を確認しても、それを支給されたはずのファッツ=シュヴィールは未だ死亡していない。

「………??」

その意味するところを理解しかねて、巨漢は少し首を捻った。
破損の酷いセンサーで改めて周囲を索敵するが、アイザックを破壊したはずの敵は見えない。
ついでと言ってはなんだが、同行者のレベッカが少し遅れているのにも気付く。
見えないのを承知で、東の方角を伺う巨漢。
しかしどちらも諦めたのか気にしないことにしたのか、彼は軽く首を振って工廠の中に入る。
211T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/26(火) 23:47:46 ID:???

すぐ近く、「クルル=ヴァルデーンを殺した者」を探すリトラの存在にも気付かず……
巨漢はそのリトラが機体を復活させた工廠で、自機の整備を始めた。
まずは機体をハンガーに収め、右足の装甲を外しにかかる。
優先順位として、まずこの右膝の不調をなんとかせねばロクに戦闘もできない。


【行動:移動(E-12→D-12)(−1p)、探索(戦場跡・ズサの左腕入手)(−1p)、
    探索(MS整備工場発見)(−1p)、整備開始(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:E-12(基地内、工廠内)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。
      右膝の動きに異常(砂の侵入による)】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味。10番に対し特別な感情?】
【通信状況:なし(10番レベッカとは、距離が離れたことによる通信途絶)】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター
    フェダーインライフル、ズサの左腕】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 機体の補修 19番への執着】【同盟:10番レベッカ??】
212エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/07/27(水) 01:31:25 ID:???
>>198-199
 ポリノーク・サマーンは順調にディジェにむけて歩んでいた。
久しぶりに会った仲間を喜んでいるのか。
それは私には分からなかった。
幸い意識はまだある。
しぶといものだ。
右腕で脂汗にまみれた顔を拭いながらつくづく思う。
けれど、それでいいとも思う。
恐らく、気を失ってもこの機体は動き続けるだろう。
気を失っても、この機体は戦うことができるだろう。
10年もの軍隊生活の間に刷り込まれた戦闘技術。
それは意識せずとも私の身体を動かすという確信があった。
意識があれば自制が効く。
しかし意識がなければ、無意識の動きを制限する物は無くなる。
もしかしたらこの痛みは意識という枷を外すためなのではないのだろうか。
だとしたら──。
既に目の前にまで接近していたディジェを見据える。
──今は気を保つことを最優先に考えよう。
その過程で戦闘が起きたら、
不本意だがそのつど生きる方法を考えるしかない。
少なくとも、考えることはできるし、逃げることもできるのだから。
213エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/07/27(水) 01:33:11 ID:DSfQu9Ky
>>204-205
 幸か不幸か入ってくる通信。
唐突にモニターに表示される女性の姿。
頭に巻いたバンダナに、外観より機能を重視していると思われるベスト。
妙齢の女性の格好としては著しく華に欠ける。
しかし、戦場での姿とし、戦士の装束として見るならば至極真っ当だ。
戦うことに存在意義を見出す戦人。
その彼女が口を開いた。

「やる気ならば、いつでも受けてたってやる──」

自己紹介の後に続いた言葉に、ああ、と答えそうになったことに気づき慌てて言葉を飲み込む。
汗が止めどもなく溢れる。
顔の筋肉が引きつる。
それでも目の前で問いかけてくる彼女に疼く古傷を、
枷を外そうと暴れまわる翼のないハゲワシの存在を悟られぬよう、
可能な限りの自制心を以って表情を繕いその問いに答える。
けど、クルル=ヴァルデーン……誰だ?

「北からやってきたMSの中の1機に乗っていたパイロットのことか?」

喉が渇く。
舌がはりつく。
言葉一つを紡ぐにしてもここまで難渋するのは初めてだった。
左腕が、操縦桿を握って放さない左腕が戦いはまだかと急かす。
それを制止しながら更に言葉を続ける。

「南の街で戦闘があった。
 それに巻き込まれたのでは?」

それ以上のことは知らなかった。
そもそも碌に生徒名簿を確認していないから、
乗機が何だったのすら知らないのだ。

「それ以上は知らない」

終わりの言葉を継げる。
左手の握力に、ぎちっ、と操縦桿が悲鳴を上げた。
214エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/07/27(水) 01:36:10 ID:???
【行動:通信(1)】
【残り:3】
【位置:F−13(草原)】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂】
【パイロット状況:恐慌、興奮、苦痛】
【通信状況:06番 リトラ=クローム】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0),ビームトマホーク】
【所持品:布、綿、糸、裁縫道具、色鉛筆、型紙、人形
        水1L弱、MS整備の本】
【方針:食糧確……】
215ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/27(水) 15:18:35 ID:???
「それは心強いな。
 それじゃ、その時がきたら是非お願いするよ」

アルバートの言葉に恥ずかしそうに微笑むニース。
ニースの腕をどこまで信用してくれているかは分からないが、アルバートの言葉は、間違いなくニースのこれ
からの励みになってくれる。
ニースが、アルバートを好きでいる限り。

「ああそうだ、俺の父さんの事だね。
 …俺の父さんは…んー…軍人には違いないけど…ニースは、傭兵って分かるかな?
 お金を貰って色々な仕事をする兵隊の事で、父さんは隊長をしてるんだ。
 この右手の手袋も、父さんの真似をして付けたものなんだけどね」

続けてアルバートが父親の話をしてくれた。
何の事はない、ごく普通の会話だった。
しかし誰かのこういったプライベートな話を聞くのは、プログラムが始まってからこれが初めてだ。
自分が生き残る為にするのでもない、誰かを殺す為にするのでもない、どこにでもあるような普通の会話。
それがニースにはとてつもなく新鮮で、楽しい会話に思えた。
相手がアルバートだという事を差し引いても、それは変わらない。

まあ家族が傭兵というのが普通の会話かどうか、微妙なところではあるが。
だが今のニースには何を言っても関係はない。
大好きな人と楽しく話ができるという、それだけで幸せ一杯なのだから。

アルバートが、革の手袋が付いた右手をニースに見せてくれた。
アルバートの話だと父親の真似をしているという事だから、かなり影響を受けているのだろう。
ニースが父親から整備工の血を受け継いだように、アルバートは父親から、パイロットの血を受け継いだのか
もしれない。
アルバートの右手には、父親から子へと伝わった、魂のようなものがこめられているような気がした。

(アルバートさんの……パイロットの、手…)

ニースは、アルバートの右手に触れたくなった。
微かに思い出すと、あのホテルでニースを抱いた時も、アルバートは手袋を外していなかったように思える。
ただ単に勘違いかもしれないが。
勘違いでも何でも、もし許されるのなら、アルバートの手袋を外した右手に触れてみたかった。
本物のパイロットの……そして大好きな人の手に触れて、何かを感じたかった。

「あの、あの、アルバートさん。
 も、もし良ければ…その、ね。…その手袋、取ってもらえるかな…?
 そのっ、ホ、ホントにアルバートさんが良ければでいいから!」

仕方がないとは言え、また妙に緊張してしまうニースだった。
216ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/27(水) 15:19:31 ID:???
【行動:アルバートとお話(0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:緊張。でも嬉しい】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食6と        
     2/3日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、行き先は北の基地だねっ、アルバートさんの右手って?】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
217ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/27(水) 21:28:45 ID:???
「見せてくれるんだろ」の『るん』の部分でエルナは動き出していた。
そりゃもう、光の速さで。
しかしながら、本来のファッツならばこの程度の突進。
もとい、会心の一撃は軽く避ける事が出来る。
だがしかし、ファッツの注意は突進したため翻ってしまったロングコートの中身に集中してしまった。
故に………

「ぶべらっ」

クリーンヒットを許してしまう。
これがギャグ漫画ならば天高く飛ぶくらいに綺麗に顔に足がめり込む。

「おま………ちょ………うぇ」

まだ顔が痛む、唇切れたかもしれない、っていうか鼻歪んでないか?
慌ててデイパックの中から手鏡を取り出して覗き込む。
大丈夫、映っているのは綺麗な妙齢の女性だ。
少々顔を中心に赤くなっているが、時間とともに引くものと信じたい。
ほっと安堵の溜息を吐き、手鏡をしまうと儚げな目でエルナを見据えた。

「エルナちゃんさぁ、すぐに暴力振るうのはやめようよ。
 そんなんじゃ、あの年増のお姉さんみたいにピリピリした女になっちゃうよ」

本人に聞かれたら間違いなく殺されるようなことを言って、肩を竦めてみる。
どうやらこのゲームには逞しい女性しか参加してないらしい。
やれやれ、と溜息を吐いて立ち上がった。

「あー、まぁストリップはいいや、うん。」

今、見せてもらったしと心の中で付け足して。

「それで、用は?
 無いんだったら俺、服探してシャワー浴びたいんだけど………」

そこまで言ってふと考える。

「一緒に浴びる?」

懲りない。

【行動 :会話(-0P) 残り4P】
【位置 :T-22】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 顔を蹴られて痛い痛い】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種3食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :黒いワンピースドレス】
【暫定行動方針:街で補給】
【最終行動方針:優勝】
218アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/27(水) 22:24:14 ID:???
ニースの視線が、妙に右手に集中している。
父さんの話の過程で見せてみたけれど、ニースには何か感じるものがあるのだろうか?
するとニースが、手袋を取ってほしいと言ってきた。

まあ俺は父さんのようにずっと付けているわけでもないから(父さんもさすがに四六
時中つけているとは思えないけど)、これを取るのに違和感はない。
ただ、ニースが何をしたいのかがよく分からなかった。

「ああ、別に構わないよ。
 でも見せたからって、面白いもんでもないけどね」
緊張感が全身から溢れ出ている、ニースの気持ちを和らげるかのように微笑んで、俺
は手袋に手をかける。
「よ…っと」
手袋も汗を含んでいて外しにくかったけど、少し力を入れて取った。

中から出てきたのは、何の変哲もない右手。
これで義手とかが現れたら面白いんだろうけど、生憎俺の右手は健康そのものだ。
「はい、これが俺の右手。
 何か面白いものでもあるかな、ニース」
俺は笑ってニースに右手を見せた。

【行動:手袋を外す(−1)】
【残り:3】
【位置:U-22(デパート1Fホール)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(軽傷)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン1個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱】
【服装:連邦の制服】
【方針:北の基地へ向かう、新しい服の調達】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
219T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/27(水) 23:29:08 ID:???
右膝の装甲が外されると、かなりの量の砂が零れ落ちてきた。
巨漢は剥き出しになったフレームと関節を観察し、問題の箇所を発見する。
砂に擦られ、「神経」に相当するコード類が、一部千切れかけていた。
膝の動きで砂が動き、少しずつ削られていたのだろう。
……逆に言えば、関節を完全に解体するまでもなく、復旧可能だということだ。

一通り関節回りを洗浄し、擦り切れたコードを交換する。
こういった一般的な消耗物資は、この手の工廠には普通に備えられている。
少し探しただけで、近くの物資庫の中に見つけ出せた。
簡単に動作確認をして、装甲を元に戻す。

続いて、機体の他の部分も同じように洗浄してゆく。
現状では特に異常もないが、放置しておけば似たようなトラブルが頻発しかねない。
特に念入りに行われたのは胸部と頭部だ。
頭部はカメラアイのカバーが損傷し、そこから砂が入り込んでいる。
胸部は失われた左腕の傷口から砂が侵入しているし、コクピットからも侵入している。
どちらも圧縮空気で砂を吹き飛ばし、洗浄する。

装甲を外し、洗浄し、元に戻す。この繰り返し。
異常があればいつでも動かせるよう、その時に無防備な部分が少なくなるよう、考えての作業だ。

最後に、剥き出しの傷口を塞ぐシーリングを施し、巨漢は一息入れた。
応急処置の域を出ない処理だが、これで当面、砂や雨などを心配せずに済む。

ここから先は……いささか、応急処置を超えた作業ばかりになる。物資調達も必要だ。
巨漢はコキコキと首と肩を鳴らし、今後の優先順位を考え直す。
流石の改造人間といえども、ここら辺で一度休息を入れた方が良いのかもしれない。


【行動:整備作業(砂の洗浄・シーリング)(−4p)】
【残りP:0p】 【位置:E-12(基地内、工廠内)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。傷口は封鎖済み】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味。10番に対し特別な感情?】
【通信状況:なし(10番レベッカとは、距離が離れたことによる通信途絶)】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター
    フェダーインライフル、ズサの左腕】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 機体の補修 19番への執着】【同盟:10番レベッカ(?)】
220アルマ=フローライト ◆YVOiXA/Tf. :2005/07/28(木) 01:33:50 ID:???

『‥‥どうか、しましたか?』
「っ!?」

そういえばこの人のこと、忘れていた。
何か言わなければ。 充分に怪しまれていると思うが、これ以上怪しまれても困る。
撃たれない保証はどこにもない。 信じられるものなど何もない。
人を撃つ理由も、戦う理由も、何もない。

「……っ」

ごしごしと袖で涙を拭い、息を吐き出した。
落ち着けアルマ、もう相手に隙を見せてはいけない。

「な、何でしょう?
 どうもしませんよ?

 ……私、もう行きますね」

エビル・Sが息を吹き返し、コンテナの端を掴む。
コンテナを引きずって歩き出す。
何かを惜しむかのように。
何かに迷うかのように。
ゆっくりとゆっくりと。


涙が流れる。 何も見えない。
他者の屍を築き上げ、その山を踏み越えてまで果たしたいことが見つからない。
自分の記憶にある穴を埋めることに、それほどの価値はあるのだろうか?
わからない。 あるような、ないような。
わからない。

「どうしよう……。
 私……戦う理由、なくなっちゃったよ」

【行動:通信回線継続(0)、M-14→O-14(-4)】
【位置:O-14/市街地】
【残り行動値:0p】
【機体状況:Green/通信回線:νガンダム】
【武装:ビームサーベル、3連装グレネード、内蔵ヘビーマシンガン(95)、ショットクロー(8)、
     ビームライフル、Eパック、偵察ポッド、Iフィールド、コンテナ(νガンダム)】
【生徒状態:Green】
【所持品:デイパック、コッペパン、水2gx1.5、栄養ドリンクx7、ノートPC、食糧、生活雑貨、
      ベレッタ(16/15)、弾薬ケース、マント、バニーセット、ルージュ、携帯端末】
【行動方針:…………】
221ミヒャエル ◆wDvbiOAaYk :2005/07/28(木) 13:50:16 ID:???
 目の前のエビル・Sは、ゆっくりと前進して行った。
 コンテナを引きずっているからか、その速度は、遅い。

「……」

 どうするか、一瞬の間、悩む。
 今、此処で戦う事は簡単だ。その結果は何れにせよ出る。

(けど、寝ている間、相手は攻撃しなかった訳だし……)

 軽く頭を捻り、前を歩くエビル・Sを見る。

『どうしよう……。
 私……戦う理由、なくなっちゃったよ』

 悩んでいた、頭を、金槌で叩かれるように驚く。
 完全に聞き取れた訳ではない、だが、確かに、その意図は聞き取れた。

「戦う理由が……無い?」

 ガズRをゆっくりと前進させる。相手はコンテナを引いて速度が遅く、簡単に追いつけた。

「あの、戦う理由が無いなら……
 もう少しここで、ゆっくりしていかれたらどうですか?」
(私も、一度薬局によりたいですしね……)

 己が戦わない理由までは、特に述べなかった。
 聞かれれば応えるだろうが、死刑囚だと言ったところで、不信感を植え付けるだけだろう。


【行動:通信持続(−0)、M14→O14へ移動(−2)】
【残り :2P】
【位置:O−14】
【機体状況:ガズR:右肩から先完全に消失、首稼動不能、モニターに障害、胸部装甲破損】
【人物状況:風邪・無気力】
【通信状況:17番、アルマと通信中】
【武装:ビームキャノン兼ビームサーベル×2】
【所持:首輪、ディパック(水2L×2、コッペパン×2)、腕時計、鉢巻
     周辺の詳細な地図(フォルダ)、地形データディスク
     拳銃(12発×3)、サブマシンガン(4マガジン)】
【方針:とりあえず無し・無気力】
【同盟:―】
222レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/28(木) 15:07:02 ID:???
繋がりを拒むレベッカの言葉に、T-13の纏った空気の色が青く冷えたのが見えた。
そのまま巨漢は傷だらけの機体を駆って西へと向かっていった。
心が痛む。
けれどもそれは幻痛に過ぎない。
自分と彼とは何れ殺し合う間柄だ。
お互いの間に、温かいものなど必要ではない。
だから自分の言葉は、態度は正しかったのだとレベッカは声に出さず呟いてみた。
温かさなどいらない。
繋がりなどいらない。
自分はただ、炎に焼かれたこの身を癒し、日の光を浴びられる体を取り戻し、そして。

「大佐……いえ、今はもう元少将でしたね」

戻らぬ日々に約束を交わした、あの人に会いに行くのだ――

目深に被ったフードの奥、青い光が濡れたように揺らめいていた。

*  *  *  *  *

先行したガンダムよりだいぶ遅れながら、レベッカの乗るベルガ・ギロスもまた西へと歩を進めていく。
T-13の機体を示す反応は既に基地の中へと消えていた。

「……!」

それと入れ替わるように現れた反応がある。
F-13エリア、広がる広大な平地の中に未確認の敵MS反応。
生徒名簿からの照合が終わり、機体名と搭乗者名とがモニターに表示されていく。
其処に現れた名前に引っかかるものを覚え、レベッカは僅かに首を傾げた。

思考が記憶のインデックスを辿り、該当する情報を検索していく――あった。
223レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/28(木) 15:10:57 ID:???
スラングの一つもぶちまけてやりたい気分だ、とレベッカは思った。
キルケーユニットにいた頃に、ゲリラの中でも特に注意すべきパイロットの一人としてその名が挙げられていた女性。
レベッカの参加した作戦対象の中にもその銀色の肩は幾度と無く姿を見せていた。
マフティー動乱が沈静化に至るまでの間に、何処かの戦場で討たれたと人伝に聞いていたのだが――

「クロム・ショルダー……まさかアンタが此処にいるとはね!」

冷や汗が背筋に浮かぶ。
奇妙な因果を笑う余裕など、すぐには用意できそうにない。

T-13は既に作業を開始しているだろうか。
他の参加者がこんなにも近いこの状況で、機体の修理作業を始めてしまったのだろうか。
だとすれば一刻も早く基地へ向かわねば――

逸る気持ちを抑え、オルゴールの蓋をそっと撫でてから、少女は同盟を交わした巨漢の元へと急いだ。
ディジェとの相対距離はどんどんと開いていく。
その分、直接的な危険も減っていくだろう。
だからと言って、この状況で「約束」を交わしたあの「怪人」を放っておく事など、レベッカには到底できなかった。
224レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/28(木) 15:11:49 ID:???
【行動:H-12→E-12(-2)】
【位置:E-12(機体:基地敷地内)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:2】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量55%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝、No.25との「約束」を守る】
【同盟:なし(中立:No.25)】
225エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/28(木) 21:57:46 ID:???
『ぶべらっ』
それはもう、気持ちいいくらいにまともに蹴りを喰らったファッツさんは、妙な声を上げた。
あ……まともに入りすぎたかも。

『おま………ちょ………うぇ』
痛そうに呻きながら、切れ切れに声を出すファッツさん。
そして慌てた様子でディバックから鏡を取り出し、自分の顔をチェックしだした。
……そこまで慌てなくても……。
そう思っていると、ファッツさんは安心したような溜息をついて、儚げな視線をこちらに送りつつ言った。

『エルナちゃんさぁ、すぐに暴力振るうのはやめようよ。
 そんなんじゃ、あの年増のお姉さんみたいにピリピリした女になっちゃうよ』
「……悪いのはそっちです……というか……
 何で私がすぐ暴力を振るう女みたいな言われ方をしなければならないんですか!」
ファッツさんのぼやきに真っ向から反論する。
してみてから、確かに言ってる事があっているような気もして、少し意思消沈。

『あー、まぁストリップはいいや、うん。』
やれやれと溜息をつきながらファッツさんが立ち上がる。……何でまだ顔がにやついてるんですか?

『それで、用は?
 無いんだったら俺、服探してシャワー浴びたいんだけど………』
『一緒に浴び
「……だまれッ!」
またもや言い終わるよりも早く行動に移っていた。
読まれているかも。とか、これは流石に痛いだろう。とかそう言う思考は纏めて虚数空間に放り込んで、
ディバックの中にあった二リットル入りペットボトルを顔面目掛けて全力投球(?)していた。
完璧なフォームで。それが二リットル入りペットボトルとは思えない勢いで。
それは真っ直ぐに顔面目掛けて飛んでいって……

当たったかどうかは知らない。
私は、それを確認せずに踵を返してこう言い残し、民家の一つの方へ向かった。

「もう用はないですから私はあっちの民家でシャワー浴びてきます。
 ……絶対に、ついてこないように、覗かないように、入ってこないように!」

……はぁ、なんだか無駄に疲れた……。

【行動:会話(-0) 全力投球(?)(-1) 民家へ移動(-1)】
【残り:2】
【位置:T-22 市街地(機体はU-22)】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷  センサー一部障害 装甲にダメージ アラームセット】
【人物状況:症状緩和(ごく僅かに頭痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 疲労 ロングコート……のみ着用】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(3) 栄養補助食品
    保存食(6) マガジン(3) 医薬品) ロングコート 着替え×2 H&K P7M13(14) 】
【方針:生きる 機体の修理 着替えとシャワー 】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース 08番 ルイス?】
【休戦?:15番 ファッツ??】
226ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/07/28(木) 22:12:58 ID:???
「……だまれッ!」

そう言って2リットルのペットボトルを思い切り投げつけてくるエルナ。
そりゃもう、全力投球。
体感速度150km。
綺麗な右のオーバースロー、コントロールも申し分なし。
ソフトボールでもやってましたか?

「ほっ」

しかしながらそうそう何度も自慢の顔に傷をつけられるわけにはいかない。
バシィ、と右腕でそれを受け止める。
流石に野球用のボールとは全てが違うそれを受け止めるのは非常にキツかったが。
まぁ、なんとか堪えた。

「痛いっつーの」

吐き捨てて、ペットボトルをぽい、と放り投げる。
右腕イカれたか?
肩をぐりぐりと回すが問題は無いらしい。

「もう用はないですから私はあっちの民家でシャワー浴びてきます。
 ……絶対に、ついてこないように、覗かないように、入ってこないように!」

「あー、はいはいわかりました。
 つまんねーけど、まぁいいや、お姉さんと違って貧相な体なんだろうし」

何だか爆弾発言をしているような気もしないでもないが、気にしないでエルナの入った方とは別の民家へ移動する。
こちらもシャワー浴びて新しい服を着替えなくては。
その後は………
さて、どうするか。

【行動 :ナイスキャッチ(-1P) 民家へ移動(-1P) 残り2P】
【位置 :T-22】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 顔を蹴られて痛い痛い】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種3食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :黒いワンピースドレス】
【暫定行動方針:街で補給】
【最終行動方針:優勝】
227T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/28(木) 23:25:37 ID:???
休もうか、作業を続けようか、巨漢は少し逡巡する。
愛機の前に腰掛けた巨漢は、要修復箇所を指差し確認しながら、改めて考える。

コクピットハッチ。剥き出しはマズいが、単純に覆えば良いわけではもない。大きな問題が残っている。
頭部のセンサー類。特にメインカメラは機構が複雑で、一介のパイロットに過ぎない巨漢の手には余る。
喪われた左腕。ズサの腕を拾ってはきたものの、系統も規格も違う腕をそのまま繋げても使えるはずがない。
X字スラスターの、半ばから折れた右下の一本。これも簡単に直せるものではない。

いずれも、かなりの部分を諦めねばならないだろう。元の機能をそのまま取り戻すのは不可能だ。
巨漢の頭の中には損失を補ういくつかのアイデアがあったが、それでも限界はある。

そして、今できる一番簡単な問題として……
頭部のバルカンと肩付け根のマシンキャノンを、巨漢の太い指が指す。
胸中央部、髑髏の眼窩に仕込まれていたガドリングガンは、ハッチと一緒に失われている。
だが頭部と肩の実弾兵器は、弾が切れているだけだ。これを補うだけでも戦闘力がかなり違う。
巨漢は一つ頷くと、疲れた肩をトントンと叩きつつ、機体に乗り込んだ。
この補給だけ、先に済ませてしまうつもりのようだ。

>>222-224
ガンダムが工廠から出てきたところで、巨漢は遠くにレベッカのベルガ・ギロスを発見する。
基地の入り口に入ったところのようだ。こちらに向かってくるらしい。
巨漢はレベッカに向け、通信を送る――もちろん、会話のためではない。身振りのためだ。

基地内の現在地を送り、MS整備に使える工廠の位置(D-12内での位置)を伝える。
その上で、自分の行動を伝えるパントマイム。
ハンドガンの弾倉交換の動作、両こめかみと両肩を指す仕草、落ちた物を探すように手と顔を動かす仕草。
要するに、「弾を探してくる」。
……ちゃんと伝われば良いのだが。
228T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/28(木) 23:26:43 ID:???

そのまま巨漢のガンダムは、右肩にフェダーインライフルを担いで、確固たる足取りで基地の北側に向かう。
リトラやエドワードの存在に気づいてない巨漢は、実に呑気な態度ではあったが……
補修作業中もライフルを持ち歩いていること自体、常に戦闘の危険を忘れていないことの証でもあった。
聞き慣れぬMSの足音が聞こえ次第、すぐに戦闘態勢に入れる構えである。

D-11エリアに足を踏み入れた巨漢は、そしてすぐにソレを発見した。
北か南か、どちらにあるのかは賭けだったが、基地のどこかにあるとは確信していたもの。
さらには「もしそれがあるのなら、既に他の参加者に荒らされているだろう」という予測通り。
ビームの刃で断ち切られた扉を持つ建物が、そこにあった。
ルイス・ガルシアが、そしてリトラ・クロームが、それぞれ立ち寄った武器庫である。
MS用の手持ち火器などは残されていないようだが、それでも各種規格の弾薬類は山と積まれている。
巨漢はコンソールを操作して自機の固定武装の弾丸の規格を確認すると、ガンダムを降りて物色を始めた。


【行動:10番レベッカに改めて通信(−1p)、移動(D-12→D-11)(−1p)、
    探索(荒らされた武器庫発見)(−1p)、探索(規格の合う弾薬を捜索)(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:D-11(基地内、武器庫)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。傷口は封鎖済み】
【人物状況:全身に砂嵐による無数の擦過傷。疲労気味。10番に対し特別な感情?】
【通信状況:10番レベッカと通信継続】
【武装:頭部60mmバルカン×2(弾切れ)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(弾切れ)
    腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター
    フェダーインライフル、(ズサの左腕)(E-12に置き去り)】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 機体の補修 19番への執着】【同盟:10番レベッカ(?)】

(前回、移動したにも関わらず、現在位置の表示を間違えていました。
 レベッカさん他みなさんにはご迷惑をおかけしてすいません)
229ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/29(金) 10:23:55 ID:???
「ああ、別に構わないよ。
 でも見せたからって、面白いもんでもないけどね」

ニースを安心させるように優しく微笑むと、アルバートは手袋に手をかける。
瞬間、ニースの胸の真ん中あたりが、トクンと1回高鳴った。
別に中からとんでもないものが出てくるなんて、期待していたわけでもない。
今まで隠されていたところを、この目に見られる喜び……とでも言うのだろうか?
それがたとえただの右手であっても、アルバートにとっては何でもない事であっても、好きな人の隠された
部分を自分にだけ見せてくれるという事実が、ニースの胸を必要以上に高鳴らせていた。

「はい、これが俺の右手。
 何か面白いものでもあるかな、ニース」

アルバートが手袋を取った右手を見せてくれる。
ニースはささっと正座したままず近づいて、その右手を見た。
少し汗に濡れた右手は、何の変哲もない右手だった。
ニースよりも大きくて、血のかよった生身の手だった。
でもそれは、ここまで戦い抜いてきた、生粋のパイロットの手だった。

「…これが…」

少しだけ顔を上気させて、アルバートの手を見つめる。
一言ポツリと呟いて、あとは言葉が出ない。
この手に触れてみたいと、ニースは思う。
でも、あまり勝手な事をしたらアルバートの気分を害してしまうのではないか、という不安もある。

でも。
でも。

ニースは無言で、アルバートの右手を両手でそっと、包むように握った。
そして自分の胸の前に引き寄せる。

アルバートの手は、想像していたよりも柔らかくて、熱かった。
ずっと手袋を付けているから、まめなどがあまりできないのだろうか?
でもニースにはこの手の柔らかさが、そのままアルバートの優しさに通じている気がした。
そして柔らかい中に感じる、静かな熱さ。
ニースやエルナの事を本気で案じてくれる優しさの根本は、この柔らかさと熱さなのかとニースは思う。
優しくて、そして熱い。
自分の怪我に構わずにエルナを助けにいった事からも、その優しさと熱さが感じられる。

そしてこの右手は、MSを自由自在に動かすパイロットの手なのだ。
最初にエドワード、そしてキリトと激しい戦闘をしながらも、シャッコーに目立った損傷がないという事実が、
アルバートのパイロットとしての素質を示していた。
胸に引き寄せた右手を、強く握る。
アルバートの強さを、少しでも分けてもらおうとするかのように。
アルバートが父親から受け継いだパイロットの魂を、感じ取ろうとするかのように。

続く
230ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/29(金) 10:26:38 ID:???
今までニースはアルバートとエルナにおんぶしていた。
ずっと助けられる立場だった。
でも、これからは…少しでも強くなって、逆に2人を守れるくらいになりたい。
その思いを込めた触れあいだった。

「あたし、さ。これまでずっと守ってもらって、迷惑かけてるけど…。
 でもこれから少しでも強くなって、みんなの役に立つから…。絶対…!」

ニースは誓う。
アルバートに。
大切な仲間の、エルナに。
自分を守ろうとして、死んでいったクラウディアに。
何よりも、自分自身に。

【行動:アルバートの手を包む(−1)誓い(0)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:緊張。でも嬉しい】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食6と        
     2/3日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、行き先は北の基地だねっ】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
231リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/29(金) 14:31:24 ID:???
>>212-214
エドワードとおぼしき男が返答する間、リトラはその目を見つめ続けていた。
彼の瞳には様々な感情の色が混じり過ぎており、その心の内を推し測る事は出来そうにも無いが、
その奥底にある芯がどういったものであるのかは、おぼろげに理解できたような気がした。

チラと彼の服装を見やる。
黒を基調としたその軍服は、幼き瞳に焼き付いて消えもしない、“ティーンズ”のものであった。
組織の名の下に力を振るう事に酔いしれる者たちこそ、リトラが最も嫌悪する対象である。

が、リトラの知るティターンズの連中とこの男では、感じられる印象がまるで異なっていた。
広義でとらえるならば、この男と自分はむしろ“同類”であると。
そのようなきな臭い匂いが、この男からは感じられるのだ。

故に、リトラはこの男の答えを信用した。

「……そうか。回答に感謝する」

エドワードに対し短く返すと、リトラは彼に鋭い眼差しを向ける事をやめた。
情報としては極めて限定されたものではあるが、クルルという少女がそこで何物かに殺された事は、
ほぼ間違いではないだろう。
クルルを追って南へと向かったロイド達の動向が気になりもしたが、この場では知る術も無い。

再び、エドワードの瞳を覗き込む。
どこか懐かしい匂いを感じさせる男とこの場で戦うのも大いに結構ではあるが、その顔色から察するに
この男のコンディションは決して良好であるようには思えない。
コンディションを保つ事もこのプログラムの戦いに含まれるとは言えるが、どうせならば存分に実力を
出し切れる状態の相手と戦いたいものである。

それに……。

>>222-224
先刻から背後をチョロチョロと動き回っている輩が居る事が気に入らなかった。
乱戦となるのは大いに結構ではあるが、漁夫の利を狙うように横槍を入れられるような事になれば、
さすがに面白くはない。

「エドワード=S=ボールドウィン。
 こちらの質問に答えてくれた事の見返りとして、この場で手を出す事はせん。
 ……その今にも倒れそうな身体をせいぜい休めるのだな」

その言葉を最後にエドワードとの通信を切ると、踵を返し、女豹は軍事基地へと舞い戻る。
跳躍し、眼下にベルガ・ギロスの黒いシルエットを捉えながらE-12に侵入すると、同エリアのベルガ・ギロスの他に、
レーダーはD-11に例のクロスボーン“ガンダム”とやらを捕捉した。

「あの“ガンダム”、純粋に補給や整備が目的であったという事か?
 交戦するような様子もないという事は、このベルガ・ギロスは“ガンダム”の護衛だとでもいうのか」

着地するなり、建造物の影に隠れ。
ベルガ・ギロスへと接近しつつ、通信回線を開いた。
その目的を聞き出すと共に、クルル=ヴァルデーンの事も一応訊いておこうと思ったのだが―――

「こちらは生徒番号06番・リトラ=クロ―――??」

モニタに映ったフードを被った娘を見て、リトラは思わず言葉に詰まった。
およそMSのコックピットには似合わぬ風貌であったが、こいつは……曲者だ。
その瞳を見ればわかる。こいつは間違いなく、生命の遣り取りに長けた者であるという事を。
232リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/29(金) 14:38:47 ID:0CJ68vuh
……が、言葉に詰まった理由はそのような事ではない。

「お前……初めて会ったような気がせんな?」

何故だろう。
この娘と直接顔を突き合せた事は無いが、その顔には何故か見覚えがあったのだ。

「間違いない。私はお前の顔を“知って”いるぞ……?
 どこだ……何処で見……!?」

思い出した。

リトラの表情が歓喜に 歪 む。

「そ・う・か……お前かァ……。
 …フフ…フフフ………」

マフティーの支援者に雇われ、彼らと戦場を共にするを事になった時。
キルケー・ユニットの要注意パイロットとして、数名の顔写真を見せられた事がある。
その内の一名。その戦場には似合わぬ幼き容貌にそぐわぬ鋭き眼差しは、忘れようもない。
このレベッカ=テスタロッサは間違いなくあのレベッカ=テスタロッサであり、同時に「テスタロッサ」とは
間違いなくリトラの知るテスタロッサ家である事は間違いないだろう。

「私は嬉しいよ……まさかこんな所でお前のような者に逢えるなんてなァ……?
 これも“管制側”が仕組んだ演出だとでもいうのか?
 いや、そんな事はどうでも良いか」

何よりも。
脳裏に焼き付けられた、悪夢のような撤退戦の数々の記憶が。
リトラの闘争心を、これ以上無く刺激していた。

「いくぞ、猟犬」

牙を剥く、女豹。
かつて屈辱を味あわせられた者どもの喉笛を、食い破らんと。
建造物の影から、青き闘士が躍り出た。
右腕に携えられたビーム・マシンガンより、灼熱の飛礫をベルガ・ギロスへと浴びせかけながら、迫る。

【行動 :   エドワードへと通信切断(0) 移動F-13→F-12→E-12(-2) レベッカに通信(-1)
        ビームマシンガンでレベッカに攻撃(-1) 残0 】
【位置/場所 : E-12/軍事基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下(頭部のみ応急処置)
        左肩に白銀のペイント 】
【通信状況 : 生徒番号10番・レベッカ=テスタロッサのベルガ・ギロス 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナ&戦装束姿 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン ショットガン(残6発) ビームマシンガン(残65%) 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食
      換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)
      大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 グルカナイフ ケブラーベスト(着用) 歩兵用ヘルメット 】
【方針 : 基地に居る連中の動向を探……戦斗・開始 】
233レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/29(金) 20:31:02 ID:???
>>227
再び繋がれた通信に何事かと思って注視すれば、其処には巨漢のパントマイム。
言わんとする事は凡そ理解できた。
仕草自体が奇妙で滑稽であろうとも、伝えようとする意思は真剣そのものだ。
ならば伝わらぬ道理がない。
軽く頷いて見せ、レベッカもまた言葉を返そうと口を開きかけたその時――

>>231-232
悪寒が、背筋を冷たく走った。
プレッシャーが近づいてくる。
南から、気配を隠す事無く悠然と。
ツギハギだらけの異形に乗って、ソレはレベッカのもとへと近づいてきた。
入った通信。
映像回線が伝える相手の容貌は、かつて資料で見せられたのと同じもの。
美しい銀の髪、艶やかな唇、鋭く冷えた刃物のような目。
彼女はレベッカに何かを語りかけ、語るのを止め、そしてまた新たに語り始めた。

赤い。紅い。朱い。
血と肉と炎と、それぞれのアカが愉悦に歪む銀の向こうに揺らめいて見える。
怜悧に輝く銀の刃の向こう、仄暗い死の色が揺らめいて見える。
その色の全てが懐かしい――そして忌まわしい!!

『いくぞ、猟犬』

無数の光弾と共に放たれた言葉が敵意を乗せて迫る。
同時。
脚部バーニア、展開。
234レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/29(金) 20:32:52 ID:???
幾度も繰り返した回避プロセスを、この場で再び再現する。

穿――

という音と共に砕けていく壁を遠く背中に、ベルガ・ギロスは大気を蹴って大きく跳ねた。
空の蒼を背に、黒。

「アンタは死んだって聞いてたんだけどねぇっ!」

アポジモーター、正常に稼働。
着地、更にステップでディジェの左へと回り込みながらトリガー。
レベッカの指に合わせて引かれた引き金、右腕、ビームライフル、咆哮。

灼――

縮退したメガ粒子が電磁加速を受けて銃口から射出、大気を焦がしてディジェの左半身へと突き進む。

「こんな再会、こっちは呪ってやりたい気分さ、クロムショルダー!!」

【行動:回避(-1)、ビームライフル→リトラ(-1)】
【位置:E-12(機体:基地敷地内)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:2】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【通信状況:No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)、思考半停止】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量50%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝、No.25との「約束」を守る、「クロムショルダー」の排除】
【同盟:なし(中立:No.25)】
235アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/29(金) 20:34:14 ID:???
相変わらずニースの視線は右手に集中している。
文字通り、穴が開くほどの凝視というやつだ。
(…本当にニースには、何か不思議なものが見えてたりして)
右手から視線を外さないニースを見ながら、そんな事を思っていた時。
不意に手を伸ばしたニースが右手を握って、そっと包み込むように自分の胸の辺りへ
と引き寄せた。

「うわ…っと」
不意の事に思わず慌てそうになったけど、ニースは特に悪戯をするつもりじゃなかっ
たみたいだ。
その証拠に、ニースの目は変わらず真剣に俺の手を見つめ、俺の手を包み込むニース
の両手は、慈愛を感じさせるほどに優しい。

これはニースにとっては、何らかの意味がある行為なのだろうか。
最初はただ単に手袋の中に興味があるのかと思ったけど、そうでもないみたいだ。
もしそうなら俺の生身の手を見た時点で、ニースは満足するだろうから。
でもニースは、俺の手を無言で握り締めている。
…ニースは今…何を思っているのだろうか?
その静かで深い瞳の奥に、何を見ているのだろうか?
…ニースが俺に好意を寄せてくれているのは、何となく分かる。
でも俺は少なくとも今は、それに応えてはいけないと思っている。
ニースにはレベッカに追いつくという、遠くて大きな目標がある。
それを中途半端に好意に応えて、霞ませてはいけないと思っている。

俺は、俺の命が続く限りニースと、エルネスティーネを支えてやりたい。
ルイスさんのサポートもできる限りしてあげたい。
俺は自分で信じると決めた人を、最後まで支えていきたい。
その中で、いつかニースの思いに応える、その時が来るのなら……。

ニースは…俺の心を見透かしたかのように、決意を語った。
強くなる。
ニースが生き残る為に、そしてレベッカに会う為に必要な強さ。
それは戦うだけじゃなくて、この狂った世界で己を保つ心の強さも要求される。
「ニースの決意、しっかりと聞いたよ」
俺は左手でニースの頭に手を乗せると、くしゃくしゃっと少し乱暴に撫でて笑った。
「…じゃあ俺からも、応援代わりに少しだけ言っておこう。
 ニース…君が強さを追い求めるのなら、俺も協力を惜しまない。
 でもね。
 でも、強さを求めるあまりに、自分を見失うような事はしないでほしいんだ」

乱暴に撫でていた手で、今度は優しく撫でる。
「君はニース=エルネージュだ。
 いつも元気で前向きで、笑顔が素敵な女の子だ。
 もし強くなれたとしても、それを忘れてしまったら…それはもうニースじゃない。
 君を、キリトのようにはしたくはない」
ニースにキリト=ヴァルリックを重ねるのは、極論かもしれない。
でも我を見失った人間は、いつああなったって不思議じゃない。
だからニースには、心も強くあってほしい。
「ニースはいつもニースらしく。
 俺は笑ってるニースが大好きなんだから……いいね?」

(続く)
236アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/29(金) 20:35:15 ID:???
最後に、撫でていた手でポンポンとニースの頭を叩いて立ち上がった。
「さてと」
空調の効いたデパート内では、さすがに上半身裸だと寒くなってくる。
「もうエルネスティーネも帰ってくるかもしれないな。
 俺は着替えを探してくるから、ニースはゲルググに戻ってて。
 万が一の事態があったらいけないし」
俺はそれだけ言うと、衣料品売り場へと向かった。

衣料品売り場。
新しい服装を選ぶにあたって、気を使うところといったら動き易さぐらいのものだろう。
それを突き詰めたら、結局はジーンズという選択を取るしかなかった。
上半身はTシャツの上に厚手のシャツを着て、その上から革ジャンを着る。
厚手のシャツと革ジャンは破片避けの為のものだ。
気休め程度だけど、不安を残すよりかはずっといい。
あとは少し暑苦しいけど、このくらいで根をあげてたら軍人は勤まらない。

「よし」
鏡の前で、改めて自分の格好を見直して頷く。
これで気分を一新して北に移動しよう。

【行動:ニースの頭を撫でる(−1)衣料品売り場に移動(−1)服を探して着替え
   (−2)】
【残り:0】
【位置:U-22(デパート衣料品売り場)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(軽傷)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン1個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:北の基地へ向かう】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
237T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/29(金) 22:10:45 ID:???
>>233-234
通信の向こうの少女の緊張、そしてその緊張をもたらしたモノの接近に気づかず、巨漢は給弾作業に入る。
人並み外れた肉体能力を持ち、ベテランの域の技量を持ち、冷徹な観察力を持つ「怪物」であったが……
いわゆる「ニュータイプの勘」とは、全く無縁の存在であった。

と、言うよりも。
後天的にそれを獲得する処置を受けたにも関わらず、完全な失敗に終わったと言うべきか。
あれもこれもと欲張った脳改造の結果、失敗した本命の処置。
処置終了後に繰り返されたテストによって、完膚なきまでに証明されてしまった「能力の欠如」。

 その能力さえ手に入っていれば、彼も「失敗作」とは呼ばれなかっただろうに――

鈍感ながらも「常人」レベルの警戒を厳にしながら、巨漢は、淡々としかし素早く給弾作業に入る。
どうもこの弾薬庫には、古い種類の弾薬類しかないらしい。元々搭載していた弾薬そのものは見つからない。
が、しかし――同じ口径、同じ規格の古い型の弾薬を見つけ、それを手に取る。
弾頭や炸薬が旧式である分、威力は以前より落ちるはずだが、発射そのものには問題ないはずだ。
頭部バルカン、肩部マシンキャノン、その双方に弾薬を補充する。

これで、給弾作業は終わったわけだが、これで終わりと言うわけではない。
いくら口径は合っているとはいえ、新しい皮袋に古いワインを注ぐような行為だ。
逆のケースよりは問題は起きにくいはずだが、それでも試射くらいしなければ不安が残る。
巨漢が適当な射撃の的を探していた、その時――

>>231-234
遠くから連続的な爆発音が聞こえてきて、巨漢はハッとする。
それは間違いなく、メガ粒子がコンクリートを穿つ音。
南西の空に、光るものが飛び交う。

バルカンの試射も忘れ、巨漢はガンダムに飛び乗り、走り出す。
近くに立て掛けてあったフェダーインライフルを掴み、門を蹴倒すようにして一旦基地の敷地の外へ。
E-11の、基地の敷地に食い込むように広がる野原――おそらくは戦車かMSの演習場――を駆け抜ける。
238T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/29(金) 22:12:44 ID:???

 『アンタは死んだって聞いてたんだけどねぇっ!』

開きっぱなしの通信越しに、聞こえる少女の咆哮。
知り合いなのだろうか? そもそも敵は何者なのだろうか?
野原との境に立つフェンス越しに、ベルガ・ギロスが反撃している様子が見える。
そのままガンダムは、ハードルのようにフェンスを跳んでE-12のエリア内へ。

二機の戦いの見える位置まで来て初めて、巨漢は「敵」の姿を目にする。
それは、継ぎ接ぎだらけのMSの「怪物」。
どっしりしたディジェの体躯に鉤爪の腕を持つ、「出来損ない」のような「化け物」。
巨漢は、D-12の工廠内に残されていた「水陸両用MSの残骸の一部」の意味を理解する。
無理やり修復されたその姿は、まるで巨漢自身の肉体にも似て――

互いに噛み合う野獣の如き二機。
そこに近づく巨漢の心は揺れる。

 片方は巨漢を恐れず、巨漢を「化け物」と呼ばず、「普通に」接してくれた白金の髪の少女。
 片方は継ぎ接ぎのMSを駆り堂々たる構えを見せる、新たなる「敵」。

 全てを犠牲に手に入れた、冷徹な理性が淡々と囁く。
 どうせみんな敵なのだ。二機が殺しあうに任せ、漁夫の利を得るが如くどちらも倒せば良い、と。

 記憶の彼方に消えた優しき青年が叫ぶ。
 あの少女は死なせたくない。名前も忘れた「あの娘」のように、死を看取る役目はもう嫌だ、と。

 「化け物」と厭われ続けた「人造物」が呟く。
 あの継ぎ接ぎの機体には共感を感じる。同じ「出来損ない」として、できれば壊したくない、と。

 3つの声は巨漢の心の中で渦を巻き――叫びが、囁きと呟きを圧倒する。
239T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/29(金) 22:13:36 ID:hz4s4aAx
……巨漢が迷っていたのは、外から見れば一瞬だった。
傷だらけのガンダムは、背丈よりも長いライフルを構え直すと、ディジェに向ける。
そして隻腕で構えたまま、3連射。
一射目はあさっての方角に。二射目はかなり良い狙いで。三射目は正確にディジェのいた位置を。

なにしろメインカメラが沈黙している上、長大な銃を片手撃ちである。
一発目は完全に捨て、目視とマニュアル操作で一射ごとに精密さを上げていく。連射しながらの照準調整。
巨漢はその与えられた能力とパイロットとしての技量を存分に活かし――完全に、レベッカの支援に専念していた。


【行動:給弾作業(−1p)、移動(D-11→E-11→E-12)(−2p)、
    06番リトラに攻撃(フェダーインライフル3連射、一発ごとに精度アップ)(−1p)】
【残りP:0p】 【位置:E-12(基地敷地内)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。傷口は封鎖済み】
【人物状況:全身に擦過傷。疲労気味。10番に対し特別な感情?】
【通信状況:10番レベッカと通信継続】
【武装:頭部60mmバルカン×2(未試射)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(未試射)
    右腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター
    フェダーインライフル、(ズサの左腕(E-12に置き去り))】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 10番を守って06番と戦う??】【同盟:10番レベッカ(?)】
240エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/29(金) 23:15:06 ID:???
入ろうとした民家の鍵が開いているかどうか調べようとしたとき、ファッツさんの声が聞こえてきた。

『あー、はいはいわかりました。
 つまんねーけど、まぁいいや、お姉さんと違って貧相な体なんだろうし』
「……なっ。」
声がした方を振り返る。どういう形相をしているのか自分でもよく分からないけど、
怒りと羞恥心で歪んでいるのか、震えているのか……。
だがしかし、その怒りをぶつけるべき声の主は既に視界範囲内から消えていた。
仕方なく私は一応冷静になって、目標を失った銃をディバックの中に戻した。

「……はぁ。」
溜息を一つついて、家の中に私は足を踏み入れた。
鍵は、ファッツさんが既に探索した家なのか、それとも只の不用心か、開いていた。
家の中はというとそれほど荒れた様子もないし、埃も積もっていない。
……と言っても、人がいない場所では意外に埃は積もらないって聞くけど。

「……さて、と…………うーん……。」
バスルームに辿り着いた私はとりあえずお風呂にお湯を入れながら、ロングコートを脱いで唸った。
……洗濯した方がよさそうかな……直接着てたわけだし。
そう決めると、私はコートが洗濯出来る物なのか確認してから洗濯機に放り込んだ。
まぁ……お風呂に入っている内に乾燥も終わるかな……?

次に私は下着を脱ぐと、それはゴミ箱に放り込んだ。
……そう言えば、これで完全に元いた時代から持ち込んだ物は全て捨てたと言う事になる。
でも別に感傷とかそう言うのはなかった。私が生きるべき時代は別にあそこではなかったから。
……っと、そうこうしている内にお風呂は沸いたみたいだ。

「ふ……ぅ。」
容積の増加によって追い出されたお湯が流れる音を聞きながら、身体を湯船に沈める。
思えば、かなり久しぶりにお風呂に入った事になる。そりゃぁ気持ちいいよね……。

「……むぅ。」
湯船から出て、体を洗っているときに両肩にうっすらと痣があるのが鏡に映った。
恐らく、肩に食い込んだりしたシートベルトの所為だろう。
しばし鏡に映った自分の身体を見ていると、先程のファッツさんの言葉が何故か浮かんできた。

『あー、はいはいわかりました。
 つまんねーけど、まぁいいや、お姉さんと違って貧相な体なんだろうし』

「……。」
鏡に映る自分の姿は、果たして貧相なのか否か。そんな事を真剣に悩んでみたり。
……そんな事もないはずなんだけど……?
まぁ……お姉さん(多分リトラさん)には勝てないよね。あの人は確か25だったはずだし。
……むぅ……私は着やせする方なのかな……。
……

って、何を真剣に……。
241エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/07/29(金) 23:16:19 ID:???
「あーっ、私の馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿!」
そんな事を口走りながら、両手で自分の頭を殴っていると、外の景色がオレンジ色に染まっているのが見えた。
私は窓を開け、少し身を乗り出して外の景色に見入った。……まぁ、街の人はいないんだし……ね。

「夕焼け……って言うんだっけ。」
私は生まれてからずっと、サイド3の密閉型コロニーに暮らしていたから、こういう景色は見た事がなかった。
星空も、朝日も、そしてこうした夕焼けも。あったと言えば……宇宙港の窓から見る宇宙空間ぐらいだろうか。

「そういえば……忘れがちだけど、地球に……来てたんだよね。」
私はしばしの間、余裕を持って見る事も出来なかった地球特有の景色に見とれていた。

【行動:民家内探索(-1) 洗濯(-1) お風呂(-1) 景色に見とれる(-0)】
【残り:1】
【位置:T-22 市街地 民家(機体はU-22)】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷  センサー一部障害 装甲にダメージ アラームセット】
【人物状況:症状緩和(ごく僅かに頭痛) 脇腹に打撲(応急処置済み) 少しのぼせ気味】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(3) H&K P7M13(14)
     栄養補助食品 保存食(6) マガジン(3) 医薬品) ロングコート 着替え×2 】
【方針:生きる 機体の修理 着替えとシャワー】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース 08番 ルイス?】
【休戦?:15番 ファッツ??】
242リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/30(土) 11:33:38 ID:YS6Pp/YJ
IDチェック
243リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/30(土) 13:13:43 ID:???
>>233-234
速いッ!!
レベッカ=テスタロッサの駆るベルガ・ギロスは、リトラの想像を超えた鋭い動きを見せていた。
レベッカの腕が一流である事は勿論の事だが、それにしても小型MSの運動性能の凄まじさには驚愕を隠せない。
だが、その驚愕は動揺には結びつかない。更なる戦意の高揚に繋がるだけだ。

鋭いステップと共にこちらの左側へと回り込みながら、ビームライフルを放つベルガ・ギロス。
上体を沈み込ませるようにしながら右前方へと踏み込み、リトラはそれを避ける。
メガ粒子の火線がディジェを掠め、電磁波によって全天モニタの画像の一部が、僅かの間乱れた。

「ハッ!“再会”と言ったか!
 お前がキルケー・ユニットのレベッカ=テスタロッサというだけでも出来過ぎだというのに、
 私とお前は戦場で相間見えた事まであるというのか!」

避けつつ機体を旋回させ、ベルガ・ギロスへと向き直り。

「アハハハハ……ッ!!
 いい、尚の事いいぞ!」

地を蹴り、ベルガ・ギロスに向かって鋭く踏み込みながらビーム・マシンガンを放とうとした時。

「とてもいいッ!!………!?」

>>239
遠方より放たれたメガ粒子の火線が付近の倉庫へと着弾し。
続けて放たれた一撃は、ディジェの傍らを掠めた。
咄嗟に機体を跳躍させ、極めて正確にディジェを射抜こうとしていた三射目をかわしたリトラ。
放たれた砲火より敵機の位置を追うと、長い砲身のライフルを構えた白いモビルスーツの姿が目に留まった。
その姿は、間違いない。“ガンダム”だ。D-11に居たクロスボーン・ガンダムとやらが、戻ってきたのだ。

「なんだ、お前……。
 “ガンダム”だというのであれば……そんな所でコソコソ撃ってるんじゃあないッ!」

私が知る限り、“ガンダム”とは常に率先して矢面に立つものなのだ……。
お前がそうしないのならば、私から顔を拝みに行ってやる………!
244リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/07/30(土) 13:17:07 ID:???
苛立ちも露に、ガチガチと犬歯を噛み合わせ。

背部のビーム・キャノンを左脇眼下の基地の施設類をなぎ払うように放った。
沸き起こる爆煙に身を隠すように地へと降り立ち、“ガンダム”に迫る。

「私が知る限り、“ガンダム”とは常に率先して矢面に立つものなのだ……。
 お前がそうしないのならば、私から顔を拝みに行ってやるぞ……」

黒煙を抜け、再び跳躍。ガンダムの姿を確認する。
ここまで近づけば、その姿の詳細を把握する事もできた。

「酷い有様だな、お前……ボロボロじゃないか」

呟いて、唇の端にニヤリと笑みを浮かべるリトラ。
その理由は、相手が弱っているからではない。
ガンダムは損傷しているといっても、致命的な損傷は悉く避けている。
先程の狙撃といい、間違いなく……このパイロットも“一流”だ。
“一流”と“一流”がつるんでいる。状況は、間違いなく不利である。
だが、上等。このリトラ=クローム、常に不利な戦場で生き延びてきたのだ。
この状況に闘争心を滾らせる事こそあれ、臆する事などありはしない。

「クク……コンビネーションなど容易に取らせはせん。潰れろよッ!」

スラスターを咆哮させ、ビーム・マシンガンを放ちながら地上のガンダムへと迫り。
ガンダムの傍らへと降りたった勢いのまま、膝を大きく沈み込ませ地を滑りつつ、
マシンガンよりメガ粒子の飛礫をガンダムへと叩きつけるように放った。

【行動 :   回避(-1) ビームキャノンを基地の施設に放つ(-1) クロスボーン・ガンダムに接近(-1)
        クロスボーン・ガンダムへビーム・マシンガンで攻撃(-1)  残0 】
【位置/場所 : E-12/軍事基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下(頭部のみ応急処置)
        左肩に白銀のペイント 】
【通信状況 : 生徒番号10番・レベッカ=テスタロッサのベルガ・ギロス 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナ&戦装束姿 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン(一時使用不能) ショットガン(残6発) ビームマシンガン(残50%) 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食
      換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)
      大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 グルカナイフ ケブラーベスト(着用) 歩兵用ヘルメット 】
【方針 : ただ、闘争 】
245レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/30(土) 13:36:40 ID:098rEkx8
ID確認します
246T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/30(土) 17:18:26 ID:yffLMsxg
IDチェック
247T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/30(土) 18:04:25 ID:???
>>243-244
ガンダムの狙撃は、相手の素晴らしい反応によって避けられる。
跳躍して避けた空中の無防備な敵を、長すぎる銃は追尾しきれない。

「フシュル……」

巨漢の口から、ため息が漏れる。
爆煙に乗じてベルガ・ギロスを振り切り、迫る敵が見える。
空中で、ビーム・マシンガンを構える敵の姿。

降り注ぐメガ粒子の雨。
その一滴でもむき出しのコクピットに飛び込めば、タフネス自慢の巨漢と言えどもあっさり昇天できる。
避けきれぬ正確な射撃の中、ガンダムはライフルを捨てて右手を天に突き出した。

不可視の傘に守られ、雨が機体を避けて流れていく。
Iフィールド・ジェネレーター。クロスボーン3号機の誇る、無敵の盾。

だが、腕一本のガンダムでは、守ってしまえば攻撃できない。
攻撃してしまえば、守れない。

ディジェは大地に降り立つと、なおもビームマシンガンを打ち放つ。
ガンダムはなおも腕を突き出し、メガ粒子の光は円錐形に逸れてゆく。
足元に放り出されたフェダーインライフルが流れたメガ粒子に穿たれ、爆発する。

 『強制冷却マデ、アト40……20……』

電子音声が告げる、迫る限界。
巨漢は迫るディジェから跳んで逃げる。
後ろ跳びに建物を越え、姿を隠そうとする。

 『……10……ゼロ、冷却開始……』
248T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/07/30(土) 18:05:49 ID:???

建物を盾に隠れる寸前、メガ粒子の動きが「曲がらなく」なる。
数発のメガ粒子が、その肩の装甲に雨垂れのように穴を穿つ。

「フシュ……ッ」

建物の影に身を寄せた巨漢は、損傷を確認する。
肩の被弾は内部機構には及んでいなかったが、もはやその装甲は役立たずだ。
やはりこの状況、腕一本で攻防を同時にこなすには厳しいものがある。ましてや両腕を失えばどうなることか。
物陰で、ガンダムは右のシザーアンカーに手をかける。
「手」を増やすため、ちょっとした工夫をするつもりだった。


【行動:06番の攻撃を防御(Iフィールド)(途中で冷却限界、一部被弾)(−1p)、
    建物の影に避難(−1p)、攻撃の準備作業(右シザーアンカーに……)(−1p)】
【残りP:1p】 【位置:E-12(基地敷地内)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。ここまで傷口封鎖済み
      右肩装甲に一部損傷】
【人物状況:全身に擦過傷。疲労気味。10番に対し特別な感情?】
【通信状況:10番レベッカと通信継続】
【武装:頭部60mmバルカン×2(未試射)、ビームサーベル×1、肩部マシンキャノン×2(未試射)
    右腕部Iフィールド発生装置×1、シザーアンカー×2、 ヒートダガー×1、ムラマサブラスター
    (ズサの左腕(E-12に置き去り))】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 10番を守って06番と戦う??】【同盟:10番レベッカ(?)】
249レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/30(土) 18:37:17 ID:???
「思い出したくも無いけどね!」

嫌悪。悪寒。怒り。
銀色の凶笑はレベッカの心に容赦の無いざわめきを与える。
それは記憶を呼び覚ます。
あの日の出撃を、あの人の下から引き離されるきっかけとなった出撃を――

(アンタらゲリラが余計な真似さえしなければ、ボクは大佐の傍に……っ!)

ビームマシンガンの銃口がベルガ・ギロスを捉え、再び熱の弾幕を撒き散らそうとするかに見得た刹那。
ディジェの傍で、倉庫が爆ぜた。
何事かと思う暇もなく続けて飛来する光の矢を、紙一重で回避するディジェ。
更に迫る3本目を跳躍でかわしたディジェの視線を追えば其処には、

「T-13……」

フェンダーインライフルを構え、たった今3発の援護射撃を仕掛けたガンダムの姿があった。
何故、とは思わない。
疑問は浮かばず、代わりに形を採って心を占めたのは、

「ありがとう」

という感謝の言葉。
繋いだ回線から無貌の巨漢へソレを贈り、ディジェとの間に開いた距離を詰めようとペダルを踏み込み機体を駆けさせる。
基地施設を焼く光が、黒煙と爆発を障害と為してレベッカの行く手を遮った。
光を放ったのはディジェの背部、据付けられたビーム兵器。
ソレが引き起こした結果は、レベッカが他の基地で燃料タンクに引火させた時よりも遥かに小規模の火災だ。
250レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/30(土) 18:38:47 ID:???
「ちっ」

舌打ち。他人にやられれば腹は立とう。
もうもうと立ち込める黒煙の向こうにディジェの後姿が消えるのを歯痒く見据え、彼女は改めて周囲に視線を走らせた。
目に留まったのは、折れ曲がった鉄骨だ。
爆発で吹き飛ばされたものが転がってきたのか、MSの腕よりも少し長いぐらいのソレが数メートル先に転がっていた。
左腕が拾い上げる。金属の骨の先に瓦礫を纏った姿は棍棒のように見えなくも無い。
しっかりと握ったのを確認すると、レベッカはすぐさま煙の中へと己の機体を走らせた。
視界は最悪。
爆発前に確認したガンダムの位置を頼りに、一気に駆け抜けた。

(見つけた!)

煙の晴れた先、戦火を交える2機のMS。
ディジェの放ったビームマシンガンを前に右手をかざすガンダム。
避けろ!
と叫ぶ暇もなく、信じられない光景が目に飛び込んできた。

(アレは……まさか、MSサイズのIフィールド!?)

驚きに思考を裂くだけの時間的余裕は無い。
左足から右足へ。
右足から腰へ。
腰から上半身へ、そして肩から左腕へ。
最初に踏み締めた脚から流れるように伝わっていく運動エネルギーが、左腕マニピュレーターから鉄骨をディジェ目掛けて撃ち出す。
投擲の反動を無理に殺さず、そのまま追いかける様に前方へ跳躍。
姿勢制御はオートに任せ、空中からディジェの背中へとビームライフルの一撃を放った。
251レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/07/30(土) 18:40:25 ID:???
【行動:No.25及びNo.06に回線接続(-2)、鉄骨回収(-1)、鉄骨投擲・ビームライフル×1→リトラ(-1)】
【位置:E-12(機体:基地敷地内)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:0】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側装甲を僅かに損傷、右肩装甲大破、右腕反応率7%低下】
【通信状況:No.06、No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量45%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝、No.25との「約束」を守る、「クロムショルダー」の排除】
【同盟:なし(中立:No.25)】
252ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/30(土) 21:39:16 ID:???
「ニースの決意、しっかりと聞いたよ」

左手をニースの頭に乗せて、にっこりと微笑むアルバート。
乗せられた左手も、右手と同じくらい柔らかくて、その心地よさに思わずニースは目を細めた。
その左手が、ニースの髪を少し乱暴に撫でる。
アルバート以外の男性にされたら少しムッとなったかもしれないが、アルバートにされるとそれはニースに
とって、心の棘を吹き払ってくれるような心地よさがあった。

「…じゃあ俺からも、応援代わりに少しだけ言っておこう。
 ニース…君が強さを追い求めるのなら、俺も協力を惜しまない。
 でもね。
 でも、強さを求めるあまりに、自分を見失うような事はしないでほしいんだ」

その言葉と共に、髪を今度は優しく撫でてくる。
アルバートの優しい撫で方に、鳥肌が立つような感覚を覚える。
それはニースにとって、心の汚れを洗い流してくれるような気持ちよさがあった。

「君はニース=エルネージュだ。
 いつも元気で前向きで、笑顔が素敵な女の子だ。
 もし強くなれたとしても、それを忘れてしまったら…それはもうニースじゃない。
 君を、キリトのようにはしたくはない」

アルバートの言葉を、頷きながら聞くニース。
だが正直なところ、ニースに理解できたのは半分くらいといったところだった。
今のニースは、まだ強くなった自分、というのもよく分かっていないのだ。
レベッカに会う為、アルバートの足を引っ張らない為に、強くなければならないのはよく分かっている。
だけれど、強くなる事と、キリトのようになる事の関連性がピンとこない。

「ニースはいつもニースらしく。
 俺は笑ってるニースが大好きなんだから……いいね?」

「は…はいっ!」

アルバートの言ったように、元気に返事をするニース。
たしかにニースは、アルバートの言った事を全て理解しているわけではない。
でも、目の前のアルバートを見ていると、分かるものがある。
アルバートが笑っていてくれれば、自分も笑っていられる事。
そして、アルバートや、エルナ。
大切な仲間がいる限り、キリトのようにはならない事。
自分の為だけでなく、誰かの為に生きていられる自分である限り、ニースはニースでいられるだろう。

ニースの髪を撫でるのをやめて、アルバートが立ち上がった。

「もうエルネスティーネも帰ってくるかもしれないな。
 俺は着替えを探してくるから、ニースはゲルググに戻ってて。
 万が一の事態があったらいけないし」

そう言い残して、アルバートはデパートの奥へ入っていく。
考えてみれば、アルバートの言う通りだ。
思わずアルバートを追ってデパートに入ったニースだが、ニースがゲルググを留守にした事によって3機の
MSに大きな隙ができてしまった。
ここでさっきのリトラのような生徒が町に入ってきたら、あっというまに全機が破壊されてしまう。
もう日が暮れる。
MSをこれだけの長い時間留守にして、何も起きなかったのは運が良いとしか言い様がなかった。
253ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/07/30(土) 21:40:26 ID:???
アルバートの姿が見えなくなると、ニースはゲルググに戻ろうと立ち上がる。
そして外に出ようと視線をずらした時、アルバートが脱いだシャツと制服が目に入った。
さっきまでアルバートが着ていたそれから、目が離せなくなる。
ゴクリと唾を飲み込む音が、いやに大きく聞こえる。
アルバートは、着替えを探しに行くと言っていた。
…と言う事は、この制服とシャツは用済なのだろう。
1歩1歩、自然と足が近づいていってしまう。

そしてニースがデパートから出た時、そこにあった筈の制服とシャツはなくなっていた。

ニースは必要以上に息を切らして、ゲルググに戻ってきた。
胸にアルバートの制服とシャツを抱いて。

「…ごめんなさいアルバートさん…!ホントにごめんなさい…!」

こんな真似をしたのは、勿論生涯初めてだった。
胸の鼓動が異様に早い。
用済の物かもしれないとはいえ、勝手に人の物を持ってきてしまったのだから、当然だろう。
しかし、その鼓動の早さの訳には、隠しきれない興奮もあった。
大好きな人の着ていた物が、自分の胸にある。
そう考えるだけでニースは、自分の胸の中にアルバートがいるような錯覚を覚えてしまうのだった。

【行動:アルバートとお話(0)アルバートの制服を取る(−1)デパートを出る(−1)ゲルググに乗る(−1)】
【残り行動値:1】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:緊張。でも嬉しい】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食6と        
     2/3日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、行き先は北の基地だねっ】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
254ブレイム ◆TjmPhqaoLQ :2005/07/30(土) 22:07:51 ID:???
《機体管制システム復旧》
スクリーンにそう映し出されたのを見て、私は物思いにふけっている場合ではないと思い、
急いでV2ABを起き上がらせようとした。
着々と迫り来る死から逃れるために。
《ユーザー:BR運営委員会 からのアクセスを確認しました。
 BR運営委員会 からデータを受け取っています・・・》
スクリーンにまたもや別の内容のメッセージが流れてきているが、
それを気にしているわけには行かない。
そんなことを気にして、迫り来る死から逃れられなかったということは避けたい。
私の使命はまだ果たされてはいないのだから。
操縦桿を握り締めて、V2ABに指令を与える。
その指令どおりにV2ABは、地面からのっそりと起き上がった。
《データの受信が完了しました。
 データ更新中・・・
 更新完了
 更新箇所 
 会場地図
 定期通信内容の一時保存フォルダ。
 
 定期放送の一時保存フォルダ内の
 音声データを読み込んでいます・・・》
そして、私はV2ABをあるところに向かせた。
私が攻撃を仕掛ける前にハイザックが存在した場所を。
いったいハイザックはどうなっているのか?ということを確認するために。
『一時保存してある定期放送を再生します。
 なお、このデータは再生が終了すると自動的に消滅します。
 それでは、定期放送を再生します。
 ・・・・・・・・・・・・
 みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。・・・・・・』
なにやら受け取っていたらしい音声データが流れる中、私はスクリーンを凝視した。
そこに移っていたのは・・・・・・

【行動: 復旧完了(-1) V2ABを起き上がらせる(-1) ハイザックのいた場所に向く(-1)】
【位置:H-19】【行動値残り:1】
【機体状況: V2アサルトバスターガンダム;異常なし?】
【パイロット状況:精神的に消耗】
【武装:頭部バルカン砲×2 肩部メガ・ビーム・キャノン 肩部スプレー・ビーム・ポッド 
    腰部ヴェスバー×2 ビーム・サーベル×2 光の翼×2】
【所持品:なし】
【通信状況:なし】
【方針:ハイザックはどうなったのか。その所在を探る。】
255管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/31(日) 00:05:09 ID:???
『みんな。こんばんわ。
 定期放送の時間だ。

 まず。脱落者の連絡。
 脱落者はなし。
 
 次に立ち入り禁止区域の発表。

 『B-11』 『E-07』 『H-24』 『K-19』
 『P-11』 『Q-01』 『U-16』 『Y-08』

 の八箇所だ。気をつけろ。

 あと天気予想。
 今夜は晴れ。だけど雨雲が近付いてきてるみたいだから
 雨になっても良いような準備をしておいたほうがいいぞ。

 んじゃ、これで今回の放送はこれで終わり。
 みんなの事いつでも先生は見守ってるからな。』
 

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】 【残り行動値:∞】
【位置:Z-21】
【行動方針:殺し合い頑張れ】
256管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/31(日) 00:06:48 ID:???
生徒名簿

 番号          名前                   年齢 性別      機体

 死亡 アロンソ=セルバンデス                (70) 男性  グフ・フライトタイプ
 02番 エルネスティーネ=デア=フォーゲルヴァイデ   (16) 女性  ゲルググJ
 死亡 ハロルド=P=アンダーソン              (35) 男性  ズサ
 死亡 マサヤ=タカノ                      (23) 男性  ガンダムGP02
 死亡 キリト=ヴァルリック                   (28) 男性  Gキャノン
 06番 リトラ=クローム                     (25) 女性  ディジェ
 07番 ジンペイ=カザマキ                    (32) 男性  セイバーフィッシュ
 08番 ルイス=ガルシア                     (22) 男性  BD3号機
 死亡 クラウディア=ゲール                  (16) 女性  ビギナギナ
 10番 レベッカ=テスタロッサ                 (18) 女性  ベルガギロス(黒の部隊専用機)
 11番 アルバート=パーシング                 (18) 男性  シャッコー
 死亡 ネイゲスト=ザームズ                  (18) 男性  ザメル
 13番 エドワード=S=ボールドウィン             (28) 男性  ボリノークサマーン
 14番 ニース=エルネージュ                  (15) 女性  ゲルググ (ガトー専用機)
 15番 ファッツ=シュヴィール                 (23) 男性  EWACザック(+マラサイ◎)
 16番 ナインティ=アウェイキング               (27) 男性  バウ
 17番 アルマ=フローライト                  (17) 女性  エビル・S
 18番 サイモン=クレイカー                  (43) 男性  アッシマー
 19番 ロイド=エンデバー                   (18) 男性  Z+A型
 死亡 クルル=ヴァンデーン                 (11) 女性  メタス
 21番 ジェンセン=スティール                 (35) 男性  ハイザック
 22番 ブレイム=オリディス                  (36) 男性  νガンダム(+V2AB◎)
 23番 ジョセフ=ロバーツ                   (15) 男性  ハンブラビ
 死亡 アリウス=エルツベルグ                (33) 男性  ホビーハイザック
 25番 T=ドライツェン                     (25) 男性  クロスボーンガンダム三号機
 26番 ミヒャエル=レニ=ハイドリヒ              (21) 男性  カズアル

 生存者18名+一匹 死者 08名

 なおも参加者募集中 。
 申し込みは>>2の管制室までお気軽に♪
 新規受付は8/14までの予定なので考え中の人はお早めに♪
257管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/31(日) 00:09:22 ID:???
>254時点

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 03彡彡彡□◎▼彡彡彡彡彡□□△□□□◎彡彡彡★★〓△彡
 04彡◎□□△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△□┃□彡彡□□△△△□□▼▼彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06彡彡□◎△□┣━〓━━━┓△◎△◎┛□彡18彡彡彡△△  ■:森林
 07◎彡◎□×┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓□彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡彡彡┃□△□彡◎■■△◎△□┗┓彡彡彡□□×△  彡:海 川 オアシス
 10彡彡彡彡□┗┓□□□彡□■◎△△□□┃□彡□□□△△  ━:道路
 11彡×彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△△  〓:橋
 12彡彡彡★06━┫10□◎彡◎□□△×┏━┛◎彡□┃△◎△  ≠:破壊された橋
 13◎彡★★□13┗━┓□彡彡□△□┏┛□□彡彡□┣━◎━  ▼:市街地
 14□□□□□□□□┣━━〓▼▼17┛□□彡彡□★★□△◎  ★:基地
 15◎◎△∴∴□◎□┃□□彡□▼□□彡◎◎□□★≡◎△△  U:灯台
 16△△∴∴∴∴□□┃◎□彡彡彡彡彡◎彡□□×□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□彡彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□
 18△∴07∴∴◎∴┃◎□彡彡彡U23≠≠□□□□┃□□□□  ◎:立入禁止区域  
 19∴∴∴∴◎∴∴21□◎彡×彡彡◎彡彡彡◎□◎┃□□□◎  ×:立入禁止予定区域
 20∴∴▼∴┏━━┫□彡彡彡彡彡彡◎彡彡◎□┏┛◎□△△  〇:立入不可能区域
 21━▼16━┛∴∴┃□彡□□◎□□彡彡彡彡□┃□□△◎◎
 22∴▼彡∴∴∴∴┃□□□■■■■◎□彡□0208□□◎△△
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 25∴∴∴△△△△□■■◎■■■■■■彡彡■■□┗┓□△
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06と10と25は同一地点【E-12】
07と19は同一地点(戦艦搭乗中)【C-18】
08と11と14は同一地点【U-21】
21と22は同一地点【H-19】
17と26は同一地点【O-14】

02の機体(ゲルググJ)はU-22
258管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/31(日) 00:11:06 ID:???
>257訂正

>254時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
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 05彡彡□△△□┃□彡彡□□△△△□□▼▼彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06彡彡□◎△□┣━〓━━━┓△◎△◎┛□彡18彡彡彡△△  ■:森林
 07◎彡◎□×┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓□彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡彡彡┃□△□彡◎■■△◎△□┗┓彡彡彡□□×△  彡:海 川 オアシス
 10彡彡彡彡□┗┓□□□彡□■◎△△□□┃□彡□□□△△  ━:道路
 11彡×彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△△  〓:橋
 12彡彡彡★06━┫□□◎彡◎□□△×┏━┛◎彡□┃△◎△  ≠:破壊された橋
 13◎彡★★□13┗━┓□彡彡□△□┏┛□□彡彡□┣━◎━  ▼:市街地
 14□□□□□□□□┣━━〓▼▼17┛□□彡彡□★★□△◎  ★:基地
 15◎◎△∴∴□◎□┃□□彡□▼□□彡◎◎□□★≡◎△△  U:灯台
 16△△∴∴∴∴□□┃◎□彡彡彡彡彡◎彡□□×□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□彡彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□
 18△∴07∴∴◎∴┃◎□彡彡彡U23≠≠□□□□┃□□□□  ◎:立入禁止区域  
 19∴∴∴∴◎∴∴21□◎彡×彡彡◎彡彡彡◎□◎┃□□□◎  ×:立入禁止予定区域
 20∴∴▼∴┏━━┫□彡彡彡彡彡彡◎彡彡◎□┏┛◎□△△  〇:立入不可能区域
 21━▼16━┛∴∴┃□彡□□◎□□彡彡彡彡□┃□□△◎◎
 22∴▼彡∴∴∴∴┃□□□■■■■◎□彡□0208□□◎△△
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06と10と25は同一地点【E-12】
07と19は同一地点(戦艦搭乗中)【C-18】
08と11と14は同一地点【U-21】
21と22は同一地点【H-19】
17と26は同一地点【O-14】

02の機体(ゲルググJ)はU-22
259管制室 ◆8ng23kNer. :2005/07/31(日) 00:12:10 ID:???
参加者の出席情報
21番 ジェンセンさん 七月いっぱい欠席
23番 ジョセフさん 7/23〜8/10 まで欠席
18番 サイモンさん 8/1あたりから? 一週間欠席

連絡次項
地形追加
〇:立入不可能区域
 ティーチャーにより立ち入り禁止が告げられたエリアに囲まれた区域です。
 そのエリア自体は立入禁止区域にはなってませんが、進入するためには
 立入禁止区域を通過しなくてはいけないので実質侵入できないエリアです。

生徒番号08番 ルイスさん
2005/07/19(火) 17:48:59 が最終書き込みで
書き込み期限の一週間が過ぎました。
参加者自身の私生活の都合を予め確認させていただいていたので
こちらの独断にてまだ放棄確定扱いにはしておりません。
管制室にまで一度ご連絡をお願いします。
なお、来週の定期放送までに連絡が無い場合には
通常の放棄扱いの手続きを始めさせていただきますのでご了承ください。

生徒番号21番 ジェンセンさん
参加管理スレにて上記の通りに七月いっぱい欠席とご連絡を承っていますが
八月の予定にはかかれていません。
その場合には管理側としましては、八月は書き込みが可能と判断し、
放棄扱いになる日数の管理を8/1から開始することになります。
本スレへの書き込み。もしくは、管制室への連絡や参加管理スレッドの再度の書き込みをお願いします。
尚、それらの書き込みが無い場合には通常の放棄手続きを始めてしまいますのでご了承ください。
260ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/31(日) 14:28:05 ID:???
 目を閉じたままでも確実に瞳孔を打ちつける光を感じて、自然と瞼が開いてしまった。
仰向けに寝転んだまま軽く全身を解すように背伸び。"ビキ"というやな音と刺激に思わず顔が歪む。
やはりいくら疲労が蓄積された状態とは言え石と土のベッドでは体は休む事は出来ないらしい。
とはいえ、気持ちの整理も幾分付いたことだし頭は不安になりそうなぐらいハッキリしている。
つまりは自分の中で覚悟らしき物が芽生えてきたと言う事だろうか。
悲しいかな実感と呼べる物は周りに落ちてる砂粒の欠片ほども浮かんでこないのだが。

 『確認作業』が済んだらやっとのことで意識と神経が前向きに連動し始めた。
ゆっくりと腹筋と背筋に力を込めて一気に上体を持ち上げる。後は勢いのままに行くだけだ。
「よっこらせ」という年よりくさい掛け声とともにようやくのことで垂直に立ち上がる。
軽く世界がグラリと揺らぐような貧血感。よくある立ちくらみに襲われて現実感が涌いて来た。
ふと周りを見渡してみれば差し込む光の色は茜の色調を纏っており
日は既に地平の奥底へその姿を隠そうとしているところである。

「さて、と……」

 体中の砂埃を叩き落としながら夕焼けに映えるその橙の機体へと足を運ぶ。
寝ている間に誰かに壊されてたりしたらたまらないが、首周りの金属の感触を確かめる限りそれは無いらしい。
ただ、表面の傷の凄まじさには軽く唇を噛む。憑かれていたようなあの時間の記憶も鮮明だから尚更だ。
どれほどごまかしていても戦争の為に作られた過去は変えられないし、それに伴う狂気もしかり…。
背負い込む必要も無いとわかっていても肩にかかる重さは取れることも無い。

 開きっぱなしのコクピットハッチには薄く土が入り込んでいるが、基本的には綺麗な物だ。
ところどころ茶色い跡が見えるがこれは確認するまでも無く自分の血。傷はもうふさがっている。
中に入り込むと不自然な体制のまま機器の確認。そしてその体制のまま腕を伸ばし通信の確認。
何者かが通信してきた形跡も殆ど無く、お決まりの下品な定期連絡。死亡確認…。
アリウスとクルルという二つの名前には淋しくも感慨深い。どんな悪夢でも味わえない後味の悪さ。
と、その中に一件だけ他の参加者からの通信があった。送信者はロイド=エンデバー。
生徒名簿で素性を確認する前に手っ取り早く通信を開いてみる。何となく嫌な予感だけが募る。

『死んだら絶対あの世でクルルに土下座しろ、ゴミクズ』

 反射的に頭から首を捩じらせてしまった。苦々しい感覚に襲われるほどの純粋な怒りの感情だ。
まぁ、こちらとしては寝てる間に殺されなかっただけでも感謝としておくしかない。
ふと自分の昔を重ね合わせてすぐに首を振る。若さから来る行動としてはあながち間違っていない。
年よりくさい説教が出来るわけでもない自分を罵るぐらいなら幾らでも受け入れよう。

 ごそごそと相変わらずの不自然な体制のままコクピット内を這いずり回る。
そこで視界に映りこむ黒い物体。これは最初に支給されたデイバッグ。中身は一応変わっていない。
日にちが経過したせいで硬くなってしまったパンと温くなった水をとりあえず口に入れる。これは後で口直しが必要だ…。
パンをくわえたままでさらに中を漁っていると、一枚のディスクがカバンの隅から姿を表した。
一人で何か納得したように首を頷かせる。そういえばこれの正体すらわかっていなかった。おあつらえ向きに少し歩けば街だ。
ディスクを持ったままコクピットを這い出ると外がすっかりと薄暗くなっていた。
再び街へと足を運ぶ。今度は闇雲じゃなくしっかりとした意識を持って。
261ナインティ=アウェイキング ◆yx7NlvS2DE :2005/07/31(日) 14:29:43 ID:???
【行動:コクピット漁り(-1P)、ディスクの中身を確認しに街へ(-1P)】
【残り:2P】
【位置:C-21】
【機体状況:左肩口から右腰に掛けての切り傷 表面装甲へ傷 駆動系へのダメージ】
【人物状況:頭部裂傷】
【通信状況:無し】
【武装:ビームサーベル】
【所持品:デイバッグ(コッペパン×2 水2L入りペットボトル×2(少量消費) 前回のデータ入りディスク)
      タブレット状の精神安定剤 タブレット状の睡眠剤】
【方針:……・・・。】
【同盟:無し】
262アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/07/31(日) 23:55:50 ID:???
とりあえず当初の目的を達成したわけだけど、他にここで何もする事がないかという
とそうでもない。
次に俺は文具売り場へと移動した。
少し前から考えていた事があって、それを実行する為にはここで道具を集めなければ
ならない。

まあ集めるのは難しくも何ともないけど。
少し歩き回って持ってきたのは、コピー用紙の束とマジックを5本ばかし。
これを使ってするのは、筆談だ。
今直ぐに筆談をする事態かというとそうでもないけど、でもいずれは必要になるかも
しれない。
詳しい事は、ニースやエルネスティーネに渡す時にでも伝えよう。

さて、集める物も集めたし、さっさとシャッコーに戻ろう。
また何だかんだ言って、随分長時間機体を空けてしまった。
まだ20人近い生徒がいる中で、少々軽卒だったかもしれない。
反省しながらホールに戻り、ニースがゲルググに戻っているのを確認してからたった
今持ってきたコピー用紙に、マジックで文を書いていく。

この筆談の紙が必要になる時がくる事を祈りながら。

【行動:文具売り場に移動(−1)道具を探す(−1)ホールに移動(−1)紙に文を
書く(−1)】
【残り:0】
【位置:U-22(デパート衣料品売り場)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片が刺さる(軽傷)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン1個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、マジッ
    ク5本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:北の基地へ向かう】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
263アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/08/01(月) 17:50:53 ID:???
ホールに響く先生の定期放送。
それは戦死者のいない事を告げると、あっさりと途切れた。
俺も長々と聞くつもりなんてないから、有り難い事だと思う。

放送で聞いた立ち入り禁止地区のチェックを終えると、また紙に視線を落とす。
そして時々考える仕草をしながら、思った事を紙に書いていった。
少し長めの文になったけど、誰にでも分かりやすく伝えるにはこのくらいがいいかも。
俺が書いたのは次の文。

『今渡したのは筆談に使う紙とマジックだ。
 何故いきなり筆談なのかと思うだろうけど、ちゃんと理由もある。
 
 ここのところ先生が、放送の最後に「いつも見守っている」って言ってるけど、そ
 れは文字通り生徒を常に見張っているという事だろう。
 生徒が反抗や脱出を計画しないように、または計画したら直ぐに首輪を爆破できる
 ように監視していなければいけないから。
 で、先生の言う通り常に生徒を見張っているとするなら、それは常に生徒の身近に
 ある物で見張っているんだろう。
 
 全ての生徒が漏れなく持っていて、四六時中傍にある物と言えば、勿論首輪だ。
 あの組織の事だから、首輪に盗聴器くらいは仕掛けている可能性が高い。
 そして万が一首輪の盗聴器が壊れても、他の場所にも仕掛けているかもしれない。
 例えばコクピットの中とか。

 そんな訳で、もしも先生に知られたくない事柄がある時は、なるべく機体から降り
 て筆談をするようにしたい。
 勿論どうしても機体から降りれない場合もあるから、重要な事柄以外はコクピット
 内でもOK。

 まあ今は特に筆談しなければいけない事なんてないからいいんだけど、もしもこの
 先必要になる時が来たら、渡した紙とマジックを使ってほしい』

首輪に盗聴器が付いてるかなんて、完全に想像でしかない。
だけど組織が生徒を監視する為には、首輪を利用するのが1番効率が良い。
たしかに想像でしかないけど、おそらく真実に近い想像だと俺は思ってる。

俺は今書いたばかりの紙と、コピー用紙の束とマジックを持ってデパートを出た。
そしてゲルググに近づいて、手を振って叫ぶ。
「ニース!ちょっと降りてきてくれないか?」
辺りはすっかり暗くなってるけど、デパートの光があれば字も充分に読めるだろう。

【行動:デパートから出る(−1)】
【残り:3】
【位置:U-22(ゲルググの近く)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン1個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、マジッ
    ク5本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:北の基地へ向かう】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
264リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/08/01(月) 19:41:51 ID:gg6Xfd5f
IDチェック
265ジンペイ=カザマキ ◆6fCY9104KQ :2005/08/01(月) 19:56:51 ID:???
誰かの声に、ふと目を覚ます。
目の前の通信機が、定時放送を受信していた。
太陽は傾き始め、艦橋は黄昏に染まっている。
一回、大きく背伸びをした。が、あまり気分はよろしくない。
多分、不快な放送の声によって起こされたからだろう。
とはいえ、久々の大休止は蓄積していた疲労を大方取り除いてくれた。
移動の前に休息を取ってはどうだろうか?
ロイドに意見を求めた身分で、口を挟むのはどうしたものかと悩みはしたが、この先はまだ長い。
このタイミングですり減った神経を回復させるのも良かろうと、提案に踏み切った結果だった。
自分の意見を遮られたロイドは、小難しい顔をしながらも、この意見に賛成してくれたのだった。

さて、これから夜間行動となる。
夜間の移動には最深の注意が必要だが、北部の基地はそう遠く無いため、
注意しつつ移動すればさしたる問題も無く到達できるだろう。

ロイドに一声かけると、メインエンジンを起動させてホワイトアークを発進させた。
レーダーを注視しながら北上を続ける。
と、その探索網が複数の機影を捉えたのは、D−14エリアに進入した時だった。

【行動 : 起床−0 移動−3 残行動数1】
【位置 : C-18→D-18→D-14 (操艦中)】
【機体/状況 : セイバーフィッシュ:右垂直尾翼破損、レーダー精度半減、速度低下】
【人物状況 : 普通】
【通信状況 : 無し】
【武装 : 機首部25mm機関砲×4(残90%) 60mm機関砲×1(残32発)
       両用ロケット弾×4 フレアー装置×2 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 デジカメ
       アルバム(未発見) 巻き寿司1食分 レーション×6食分】
【方針 : ロイドを失わない】
【同盟 : 19番 ロイド・エンデバー】
266ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/08/01(月) 20:02:39 ID:???
民家に入ってまずは自分の着ていたカウボーイスタイルの服を乾燥機付の洗濯機に入れる。
続いて、一階にある洋服ダンスを漁る。
一階には………どうやら、無いらしい。
二階へ続く階段を見つけ、それを上へと上がる。
目の前にそんなに長くない廊下と二つのドア。
近い方のドアを開けるとそこは18歳くらいの少年が持ち主らしき部屋だった。
グラビアアイドルらしき女性の水着のポスター、熱心にやっているのか汚れたサッカーボール。
有名らしいサッカー選手のポスターに、使い古されたコンポ。
青く清潔な印象を与えるベッドの横には、漫画やファッション雑誌の類が山積みになっている。

「さてさてー」

ベッドの横上、フックになったところにかかっているハンガーを手に取る。
かかっているのは、薄い茶色のジャケットと動きやすそうなジーンズに白のシャツ。
サイズの方は………大丈夫らしい。
それらをありがたく頂いてシャワールームに向かう。
勿論、浴びている最中に誰が入ってくるかわからないので注意をはらいながら。



シャワーを浴び終わり、乾燥機の中から下着とカウボーイハットを取り出す。
男の着替えには興味が沸かないとみて、ここは省略。
つまるところ、ファッツは着替えをしてそれは女装ではないという事をわかってもらえればいい。

服を見つけた以上、ここに留まっても仕方ないので外に出る。
薄く橙色に鈍く光る夕日を見つめる。
スペースノイドならば、この光景に感動をするのだろうが………
生憎とファッツは生粋のアースノイドであり、こんな街中での夕日なんてのはしょっちゅう見ている。
その上、これ以上に綺麗な夕日が見える場所を知っているのだ。

「行かないとなぁ」

そう、あの頃へ行かなければならない。
あの美しい草原と、大地と、風があったあの頃へ。

「の為には、とりあえず………」

人を殺さなければならない。
それに対して躊躇いが無いといえば嘘になるが、仕方が無いと割り切るしかない。
友人知人を殺せというわけじゃないのだし、その点では非常に楽だ。
267ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/08/01(月) 20:04:04 ID:???
「エルナちゃん、なぁ」

彼女はまだあの民家にいるのだろうか。
いるとしたら、どうしているだろうか。
シャワーを浴びているか、何かを物色しているのか。
油断はしているのか、していないのか。

「………………」

油断していようと、していまいと、
たかだか16歳の少女に白兵戦で負けるほど自分は弱くないと思う。
拳銃の類を持っていたいとしても、距離を詰めれば簡単には使えないはずだし使わせる前に倒す事も可能だ。
だが、問題はそんな事ではない。
彼女の『仲間』がこの近辺にいる、という事が問題だ。

帰りが遅いエルナを心配してここに来たところに鉢合わせ、という事態にはなりたくはない。
ニースとかいう小娘は置いといて、アルバートという男は大層キレるらしいし、
ルイスもやって勝てない事は無いだろうが何があるかわからないのがこの戦場だ。

ファッツのような境遇の人間やリトラのような過去を持つ人間。
そして、アルマやレベッカのようにあの年齢にしてファッツと渡り合う事の出来る人間もいる。
普通、適当に集めた二十弱の人間の中にこれだけほいほい強烈な個性の人間がいるわけない。
そう考えると、エルナやニースも普通とは少し違う人間なのかもしれない。
あくまで、想像だけど。

「………やめとこ」

エルナは殺さない。
もしかしたら、格闘技世界チャンプだとかで『普通』の人間じゃないかもしれない。
だとしたら、返り討ちに合うかもしれない。
ここは大人しく引き下がって、チャンスを見極める。
その為には………
268ファッツ=シュヴィール ◆zIufWZ1Xhs :2005/08/01(月) 20:05:51 ID:???
マラサイのコックピットに乗り、周辺のMSが移動していない事を確認する。
どうやらあのアルバートとかいう男、いいヤツのようだ。
攻撃されても不思議じゃないのに、攻撃する意思すら見せていないところを見るとわかる。
どうにも、このゲームの中で敵を倒して生き残る以外の道を目指しているようだ。
まぁ、関係ないけど。

コンソールパネルを叩いて通信回線を開く。
相手は………あの田舎娘っぽいのでいいか。
アルバートとかいう男、いいヤツだがキレる。
出来れば、話したくは無い相手だ。
ルイスはこっちを嫌ってるはずだから問題外。
エルナはまだ戻ってないだろう。

「こちらファッツ=シュヴィ………………」

ブゥン、と回線が開いて飛び出た画像は。
ニースという少女が、アルバートのものと思わしき服を胸に抱きしめている映像だった。

「………失礼しました」

通信回線切断。
やはりこのゲーム、普通の参加者は参加していないらしい。
いや、彼女の行動が恋焦がれる乙女ゆえとするのならば、普通なのかもしれないが。

【行動 :探索(-1P) シャワーを浴びる(-1P) マラサイに乗り込む(-1P) 14番ニースに回線接続・切断(-1P) 残り0P】
【位置 :T-22】
【機体/状況 :マラサイ/右腕切断 右肩アーマー損傷】
【パイロット状況 :左手甲に切り傷 右肩に噛み痕 顔を蹴られて痛い痛い】
【武装 :ビームサーベル ヒートホーク 頭部バルカン砲(残弾70%) ビームダガー ビームピストル(EN 40%)】
【通信状況:】
【所持品:ディパック 水2g入りペットボトル×2 缶詰携帯食料各種3食分 缶切り
     コイン トランプ 小銭 チタン合金製ワイヤー  果物ナイフ×2
     女装セット(下着・服・化粧品・本、その他オンナノコに必要なもの♪)】
【容姿 :薄茶のジャケット+ジーンズ】
【暫定行動方針:街で補給】
【最終行動方針:優勝】
269リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/08/01(月) 21:01:17 ID:???
>>247-248
今まさに叩きつけられんとするメガ粒子の雨を隔てるように、“ガンダム”は右掌を眼前に突き出した。
一見、自暴自棄になた行為のようにも見えるが……続けて起こった現象に、リトラは感嘆の想いが込められた
口笛を思わず吹いてしまう。
突き出された“ガンダム”の右腕を避けるように、円錐状にそれてゆくメガ粒子の雨。
それはまさしく、“ガンダム”がIフィールド・バリアを発生させた事実を物語っていた。

「ハハ……さすが“ガンダム”だ。
 その小さな右腕にそれほどの機能が秘められているとはな」

だが、リトラはビームマシンガンを撃ち続ける事を止めない。
機械というものは、その機能以上の事は出来ぬものだ。
あれ程までに小型化したIフィールド発生装置は驚異的な代物だが、フィールドをいつまでも発生させ続るには
荷が重いのではないかと、リトラは判断した。
その検証を含めて、リトラは“ガンダム”に迫りつつ破壊のスコールを撒き散らし続ける。

照準装置を介した正確な狙撃というものは、技量の問題ではなく性格的な問題として、リトラはあまり得意とはしない。
が、得意でないのはあくまでも狙撃であって、近距離での撃ち合いならば話は別である。
じきにガンダムの傍らに転がるライフルが爆ぜ、ガンダムは後退を始めた。
逃がさんといわんばかりに執拗な追撃をかけつつ尚もマシンガンを放ち続けるリトラの前に、
ガンダムのIフィールドはついに限界を迎えたようだ。
建造物の影に逃れる直前、ガンダムの肩部装甲をメガ粒子が撃ち貫いた。

「限界かね、ガンダム……?」

更なる追撃をかけるべく追おうとするリトラ。
が、コックピット内に警告音が鳴り響き、リトラは後方に振り向きつつ反射的に横に飛びのこうと―――

>>250-251
「……なにッ!?」

迫り来る、巨大な鉄骨。
反射的に左腕で叩き落とそうとするものの、その勢いを完全にとめる事はできず、
リトラのディジェは振り向こうとする動きの途中で体勢を崩した。

「ぐ…ぅ…!?」

直後、浴びせかけられんとする破壊の閃光。
飛び退く様にそれを回避しようとするリトラ。
反応そのものは早かったが、体勢を崩した愛機の動きが遅れた。
跳び退かんとする愛機の直前を掠めたメガ粒子の火線が、右腕のビーム・マシンガンを貫く。

「やってくれる……外見に似合わず、なかなか荒々しい戦い方をするじゃないか」

沸き起こる爆光から逃れるように飛び退きつつ、レベッカのベルガ・ギロスへと向き直ったリトラ。
後腰部にマウントしていたショット・ガンを、ディジェの右腕に掴ませる。

「だが……そういうのは嫌いじゃないぞ、レベッカ=テスタロッサ……」

艶っぽく微笑みながらショット・ガンを構え。

「私の……好みだよ」

迫り来るベルガ・ギロスを迎え撃つように、散弾を叩き込んだ。
270リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/08/01(月) 21:03:05 ID:???
【行動 :   投げられた鉄骨を左腕で叩き落し、続けて放たれたビームを回避……しきれずマシンガン喪失(-1)
        ショット・ガンでレベッカを迎撃(-1) 残2 】
【位置/場所 : E-12/軍事基地 】
【機体/状況 : MSK-008ディジェ/首周りは“ギプス”によって固定、破損した各部装甲も追加装甲で補う
        左下腕はズゴックの腕を移植(クロウは可動せず閉じたまま固定、メガ粒子砲は使用不能)
        破損箇所:背部放熱フィン一枚、左肩ウェポンラック 防塵処理能力低下(頭部のみ応急処置)
        左肩に白銀のペイント 】
【通信状況 : 生徒番号10番・レベッカ=テスタロッサのベルガ・ギロス
        生徒番号25番・T−13のクロスボーン・ガンダムX3 】
【生徒状況 : 額に怪我(処置済み&頭に巻かれた包帯) バンダナ&戦装束姿 】
【武装 : ビームナギナタ 左腕クローアーム 背部ビームキャノン(一時使用不能) ショットガン(残5/6発) 】
【所持品: 首輪 ディパック 水2L入りペットボトル×2 煙草数箱  応急処置が可能な薬品類&包帯類
      缶詰等の保存食
      換えの衣服 『黒のワンピース・ドレス』 クマの『ハロ』(ディパックより頭が出ている)
      大型軍用拳銃(弾9) 軍用拳銃(弾17)&マガジン×1 グルカナイフ ケブラーベスト(着用) 歩兵用ヘルメット 】
【方針 : ただ、闘争 】
271T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/08/01(月) 22:23:22 ID:???
建物の影で、ガンダムは一本しかない腕でシザーアンカーに「仕込み」を行う。
ほんの数秒の、相手の視界から外れる時間。
一対一の戦いならその僅かな時間さえ得ることは困難だが……しかし、今は。

>>250-251
さらなる追撃をかけんとしていたディジェが、振り返ってよろける。
「友軍」レベッカ・テスタロッサのベルガ・ギロスの攻撃だ。
拾った鉄骨を投げるというワンアクションを置くことで、相手の反応を乱している。
最初に出会った時といい、この場で戦闘が始まってからといい……実に、腕がいい。巨漢は改めて感嘆する。
彼女の腕と機体なら、少しの間くらいなら、安心して場を任せることができる。

>>255
「仕込み」を終えたガンダムは、巨大剣ムラマサ・ブラスターを手に、盾とした建物を回り込んで駆ける。
さきほど越えた建物をもう一度飛び越えることは可能だったが、「仕込み」の関係上それは避ける。
太陽が沈み、西の空が最後の残光に紅く染まる中、定期放送が流れるが、巨漢は気にも留めない。

大回りしてきたガンダムが出たのは、ディジェの背後。
ベルガ・ギロスに向けショットガンを乱射している。
友軍の危機に、ガンダムは右手にムラマサ・ブラスターを構え、敵に向かって突進する。
腰の辺りに構えられた巨大剣には既に14本のメガ粒子の刃が突き出し、凶悪な本性を露わにしている。
初めてそれを見る者の目にも、絶大な威力を予感させる凶刃。
光の刃が、ガンダムの小柄な体を半分ほども隠してしまっている。


ディジェまであと一跳びで斬りかかれる、そんな間合いで。
隻腕のガンダムは、剣を中段から上段に構えなおす。メガ粒子の光が夕闇に残像の尾を引く。
一刀両断、脳天唐竹割りに切りかからんと、高々と掲げられた剣が――


 ――振り下ろされない。

 代わりに、何のモーションも無しに、光の槍がディジェ目掛けて撃ち出される。

272T−13 ◆8pZ1aGg3Pw :2005/08/01(月) 22:24:16 ID:C4nBSHg7
クロスボーン・ガンダムのフロントスカートアーマー。
その右側が、ビームサーベルを咥えて空を飛んでいた。アンカーの鎖が光の槍を追って伸びる。
フロントスカートに装備されたシザーアンカー。それに予め刃を出しておいたサーベルを持たせる「仕込み」。

派手な外見のムラマサ・ブラスターは、完全に囮だったのだ。
中段の構えは、アンカーに「仕込んだ」サーベルを巨大剣で隠すため。
建物を回りこんだのも、跳躍すれば下から丸見えになってしまうから。
巨大剣を高々と掲げたのは、そちらに視線を移させ反応を遅らせるため。
腕の良いパイロットは、斬撃を剣先で見ずに相手のモーションで見切るが……その見切りをこそ欺く攻撃。
手・足・腰の動きは完全に「大剣での斬撃」を思わせる動き。アンカーの射出にはモーションは不要。

計算されつくしたフェイントに隠されて、あり得ぬ間合いのビームサーベルの突きが、ディジェに襲いかかる。


Tフィールド、ムラマサブラスター、シザーアンカー。
つまるところ、巨漢は機体に隠された機能を一切出し惜しみすることなく、全力でリトラを倒さんとしてるのだった。
同じ戦場に――いずれ殺しあわねばならぬレベッカ・テスタロッサがいるというのに。


【行動:建物を回りこんで移動(−1p)、ムラマサ・ブラスターで攻撃の構え(構えだけ)(−1p)、
    06番に攻撃(シザーアンカーに掴ませたビームサーベルをアンカーごと射出)(−1p)】
【残りP:1p】 【位置:E-12(基地敷地内)】
【機体状況:額に「13」のマーキング。コクピットハッチ喪失(コクピット剥き出し、天井なし)。
      メインカメラ沈黙。左肩から先喪失。X字スラスターの右下一本喪失。ここまで傷口封鎖済み
      右肩装甲に一部損傷】
【人物状況:全身に擦過傷。疲労気味。10番に対し特別な感情?】
【通信状況:10番レベッカと通信継続】
【武装:頭部60mmバルカン×2(未試射)、肩部マシンキャノン×2(未試射)、
    右腕部Iフィールド発生装置×1(冷却中)、シザーアンカー×2(うち右側はビームサーベル装備)
    ビームサーベル×1、ヒートダガー×1(左足収納)、ムラマサブラスター、ズサの左腕(E-12に置き去り))】
【所持品:無貌の面、デイバッグ、『サバイバルの手引き』】
【方針:??? 10番を守って06番と戦う??】【同盟:10番レベッカ(?)】
273ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/08/01(月) 23:55:23 ID:???
アルバートの制服を、胸にぎゅうっと抱きしめる。
多分アルバートの汗なのだろう、酸っぱい匂いが鼻につく。
だが普通なら吐き気を催しかねないそれも、今のニースには興奮を高める媚薬でしかなかった。

「…アルバートさん……」

アルバートの汗。
大好きな人の汗が染み込んだシャツ。
その匂いが、ひんやりした肌触りが、ニースの脳の中枢を激しく刺激する。

「アルバート…さん……!」

身体が熱くなっている。
殺し合いのプログラムは続いている。
そんな中でいけない事だと、頭では分かっている筈なのに、でも熱くなる身体を止められない。
ニースは、これから強くならなければならない。
アルバートに、寄り掛かっているばかりではいけない。
その条件の1つである、精神的な強さがニースはまだ未熟だった。
アルバートによって掘り起こされた、女としてのニース。
もう1人の自分がもたらす衝動を抑え込む術を、まだニースは身に付けていなかった。

「…今だけ…。いま、だけだから…」

口から漏れる、言い訳じみた言葉。
言い訳を口にする事で、快楽に溺れそうな自分の自己弁護をしているかのようだった。
そして、衝動に逆らう事も出来ず、ニースが刹那の快楽に身を任せようとした、その時。
その衝動は無理矢理抑え込まれる結果となった。

「こちらファッツ=シュヴィ………………………失礼しました」

一瞬だけ繋がった通信回線。
その向こうの男性と、僅かに視線が合って……。
274ニース=エルネージュ ◆LuqsQs0P4w :2005/08/01(月) 23:56:30 ID:???
「ひゃあああぁああぁ!!」

暫しの沈黙のあと、コクピット内に珍妙な悲鳴が響き渡った。
それに驚いてハリーが吠えまくる。

「あああ!ご、ごめんハリー!ね、ね、落ち着いて?」

ハリーをあやしながらモニターを見るが、既にそこには男性の姿はない。
ニースはもう、快楽どころではない。
驚きと恥ずかしさだけで、頭の中が一杯だった。

『ニース!ちょっと降りてきてくれないか?』

更に外でアルバートの声が聞こえると、ますます恥ずかしくなってくる。
火の出るような恥ずかしさとは、まさしくこの事を言うのだろう。
アルバートにまで見られていたのではないかという、被害妄想も出てきそうだった。
それでも反射的に身体が動き、多少ぎこちない動作でゲルググを降りる。

そこで渡されたのはコピー紙と、マジック。
その理由も紙に書いて教えてくれた。
まだ多少動転しながらも、こくこくと頷いてそれを受け取ってコクピットに戻る。
シートに座って、首に付いている固い物に触れる。
もしアルバートの書いた内容が本当ならば、アルバートとの事は全て聞かれている事になる。
ホテルでの出来事も。

「………はぁあぁ……」

深い溜息をつくニースだった。

【行動:少しいけない事(−1)ゲルググから降りる(−1)ゲルググに乗る(−1)】
【残り行動値:1】
【位置:U-22】
【機体状況:左肩装甲と左手首破壊、左足カバーとスラスター一部破壊、機体に擦り傷】
【通信状況:2番8番11番に回線継続】
【人物状況:緊張。でも嬉しい】
【武装:狙撃用大型ビームライフル(EN残量:70%)、ビームナギナタ】
【所持品:ディパック 水2g3本 コッペパン2個、ドライバーとモンキー、LLのTシャツ、保存食6と        
     2/3日分、Tシャツとショーツ×3、Gパン、ティッシュ、消臭剤、ロングコート、医療品、ア
     ルバートの制服とシャツ】
【行動方針:レベッカさんと同じ舞台に立つんだ、行き先は北の基地だねっ】
【同盟:アルバートさん、エルナさん、(ルイスさん)】
【ペット:ハスキー犬のハリー】
275管制室 ◆8ng23kNer. :2005/08/02(火) 00:05:28 ID:???
>274時点

   A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
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 04彡◎□□△▼▼彡◎彡□□□△△□▼▼◎彡彡彡彡彡△◎
 05彡彡□△△□┃□彡彡□□△△△□□▼▼彡◎彡彡彡△∴  □:平野
 06彡彡□◎△□┣━〓━━━┓△◎△◎┛□彡18彡彡彡△△  ■:森林
 07◎彡◎□◎┏┛◎彡□□□◎━━━┫□□□彡彡彡◎△△  △:山地
 08彡彡彡彡□┃△◎彡彡□□◎△◎△┗┓□彡彡◎彡□△△  ∴:砂地
 09◎彡彡彡彡┃□△□彡◎■■△◎△□┗┓彡彡彡□□◎△  彡:海 川 オアシス
 10彡彡彡彡□┗┓□□□彡□■◎△△□□┃□彡□□□△△  ━:道路
 11彡◎彡★□◎┃□□□彡◎■■△△□□┣━〓━┓△△△  〓:橋
 12彡彡彡★06━┫□□◎彡◎□□△◎┏━┛◎彡□┃△◎△  ≠:破壊された橋
 13◎彡★★□13┗━┓□彡彡□△□┏┛□□彡彡□┣━◎━  ▼:市街地
 14□□□□07□□□┣━━〓▼▼17┛□□彡彡□★★□△◎  ★:基地
 15◎◎△∴∴□◎□┃□□彡□▼□□彡◎◎□□★≡◎△△  U:灯台
 16△△∴∴∴∴□□┃◎□彡彡彡彡彡◎彡□□◎□┃◎□△  ≡:延焼した基地
 17△△◎∴∴∴□┏┛□彡彡◎彡彡彡彡◎□□□┏┛□□□
 18△∴∴∴∴◎∴┃◎□彡彡彡U23≠≠□□□□┃□□□□  ◎:立入禁止区域  
 19∴∴∴∴◎∴∴21□◎彡◎彡彡◎彡彡彡◎□◎┃□□□◎  ×:立入禁止予定区域
 20∴∴▼∴┏━━┫□彡彡彡彡彡彡◎彡彡◎□┏┛◎□△△  〇:立入不可能区域
 21━▼16━┛∴∴┃□彡□□◎□□彡彡彡彡□┃□□△◎◎
 22∴▼彡∴∴∴∴┃□□□■■■■◎□彡□0208□□◎△△
 23∴∴◎∴∴∴□┗━┓■◎◎■┏━━〓━▼▼◎◎□△◎
 24∴◎∴∴◎△△◎■┗━━━━┛■◎彡□□□┗┓□□△
 25∴∴∴△△△△□■■◎■■■■■■彡彡■■□┗┓□△
 26△◎△△◎△□■■■■■■◎■■■■彡■◎■□┃□□

06と10と25は同一地点【E-12】
07と19は同一地点(戦艦搭乗中)【D-14】
08と11と14は同一地点【U-21】
21と22は同一地点【H-19】
17と26は同一地点【O-14】
276レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/08/02(火) 00:32:03 ID:ZwdLBVku
「ニース……キミって子は……」
ID確認。
レス投下は遅くとも夕方までに完了させるつもりです。
277レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/08/02(火) 15:40:21 ID:???
ビームマシンガンの破壊を確認、されど快哉の声には遠く値しない。
リトラ・クロームの判断は早く、そして正確だった。
ディジェの腕が背中へと伸びる。
素早く抜き放ったショットガンの銃口から円錐状に展開される金属弾が、落下軌道に入ったベルガ・ギロスに迫った。
切り替えの早さ、トリガーのタイミングと角度、何れも申し分の無い出来だ。
回避は不可能と読み、レベッカはベルガ・ギロスの左腕でコックピットを庇う事を選択した。
致命傷に至る傷のみ防げれば良い――彼女の判断もまた、早い。
空気が熱で焼かれる音が、僅かに耳に届く。
次の瞬間、其処から発生した光の盾が機体前面を覆い、放射状に展開する散弾の大部分を受け止め蒸発させた。

「行儀と可愛げを空に置いてきたお陰さ……っ!」

けれども拡散する弾丸の全てを防ぎ切るには至らない。
ビームシールドの展開範囲から外れた金属弾が次々と装甲を穿ち、削り、破損させていく。
モニターに映るワイヤーフレームが損傷状況をリアルタイムでフィードバックし表示するのを全て確認。
損傷はほぼ想定の範囲内。
主要な推進部に損傷が無い事を確かめると、黒の騎士がすぐさまバーニアで宙を蹴る。
見下ろす先の2機、内1機は「約束」を交わした相手の機体。
その動きに合わせる様に、シェルフノズルを羽ばたかせ、ベルガ・ギロスは自身の落下軌道を大きく後方へと逸らした。
着地。
地響きの音は、かつての愛機たるグスタフ・カールよりも小さかった。
損害状況を再度確認。
姿勢制御用のアポジモーター、及びスラスターの内数機が破壊されている。
これまでと同様の機動を行なおうと思えば、今後は一層シェルフノズルに依存せねばなるまい。

知らず唇を紅く濡らしながら、レベッカは「次」を仕掛ける機を窺う――窺う事自体が、手練の戦士に対する牽制となる。
278レベッカ・テスタロッサ ◆SNOW/gQMH2 :2005/08/02(火) 15:42:06 ID:???
【行動:防御・不完全(-1)、強引な姿勢制御・軌道変更(-1)、機を窺う(-0)】
【位置:E-12(機体:基地敷地内)(パイロット:コックピット内)】
【残り行動値:2】
【機体名:ベルガ・ギロス】
【機体状況:左肩/右脚部外側/右腰部装甲を僅かに損傷、左脚部装甲中破、右肩装甲大破、
       アポジモーター及びスラスター11%破損、右腕反応率9%低下】
【通信状況:No.06、No.25】
【パイロット状況:「もう、戻らない」、機能的には健康(但し死に至る病を抱えてます)】
【武装:ビームサーベル×2、左腕ビームシールド、デナン・ゲー用ビームライフル(E残量50%)】
【所持品:オルゴール、白のフード付きロングコート、サングラス、赤いリボン
      ディパック(コッペパン×1、水2L入りペットボトルx3、同1.5L×1、
      アイソトニック系飲料1.1L×1、携行食糧6日、救急箱一式、十徳ナイフ、ウェットティッシュ)】
【服装:クロスボーン・バンガードの軍服】
【方針:優勝、No.25との「約束」を守る、「クロムショルダー」の排除】
【同盟:なし(中立:No.25)】
279ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/08/02(火) 19:15:09 ID:???
>>265
「ふわあああ・・・」
大きなあくびをして、ソファから起きあがる。
ちょっと声を掛けられただけできっちり起きるのは、部隊でそう仕込まれたから。
・・・そもそもなんで俺は寝ていたんだっけ?
えーと、そうそう。ジンペイさんが基地に戻る前に少し休もうとか言いだしたんだっけ。
それで寝た。何かこっちに拉致されてから寝てばっかのような気がするな。
そんな風にのんきに考えていると、レーダーを見ていたジンペイさんの表情が急に変わった。
「どうかした?さっきの化け物でもいた?」
そう言いながら一緒にレーダーをのぞき込む。
・・・いた。
「ずいぶんあっさり会えたな・・・」
思わず呟きを漏らす。もしかしてマリア様の導きってやつか?そんなもの信じていないけど。
まあどうでもいいけど。やることは変わらないんだ。
さっそく格納庫へ向かおうとして・・・ふと立ち止まった。
まだここに用がある。ジンペイさんに言っておくことがあった。
「悪いけど、ジンペイさんは艦に残ってくれない?
 たくさんこの周辺に集まってるみたいだし、艦を盗まれたらまずいでしょ。
 それに、あなたの戦闘機は損傷してるしさ」
できるだけ穏和に喋る。興奮を抑え、冷静に、笑顔で。
・・・はっきり言って、これらは二次的な理由でしかない。艦に残っていて欲しい理由は別にある。
そう。本当の理由は。
「・・・あいつはクルルの仇だから。横取りして欲しくない」
そう言って、歩き出す。ちっとも穏便じゃなく、ちっとも平和的じゃない様子で。
やっぱさっきまでの努力は無駄無駄だったらしい。笑顔なんてもうかけらも残ってないと自分でも分かる。
そのかわり、殺意だったらオールドタイプでも分かるレベルまで発しているが。
「・・・ま。そうゆう事だから一人で行かせてくださいな」
冗談めかして敬語で言って、格納庫へ向かう。また笑顔を作ることには、失敗した。
280ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/08/02(火) 19:16:53 ID:???
Z+を起動させる。いい加減、こいつの(ザンスカールのMSと比べると)不便なコックピットにも慣れてきた。
機体状況を確認する。システムオールグリーン、砂の影響も見あたらない。
今度こそ、逃がさない。前のようなへまはもう、しない。
そう、前のような。・・・前、か。
「そういや・・・なんで前は逃がしちゃったんだろうな」
俺の能力上「相手がどこを狙っているか」なんて事は一瞬で分かるのに、煙幕なんて下らない物に引っ掛かった。
それに頭痛がしたとはいえ、能力は使えないわけじゃなかった。そのまま追撃すれば、倒せたのに。
あいつはクルルの仇なのに、なぜその程度で追撃を諦めたんだろう。
「ま、どうでもいいか」
そう、どうでもいい。前に逃がしてしまった理由なんて。
いま現在、奴が・・・あのガンダムが存在するなら。すべきことはたった一つだけ。

「ただ・・・消すことだけさ」

呟くと同時に、Z+を発進させた。目指すは奴のいる場所。
だが到着の前に、やるべきことがある。
「さすがに二人同時に相手は無理だろうし」
あの黒い機体が奴と組んでいるのは明白。おまけに、パイロットも普通の人間じゃないみたいだ。そもそも普通の人間なら奴と組まないだろうけど。
もしかしてこのプログラム、俺や奴みたく人間じゃない奴ばっか集めてるのか?
まぁそれは置いといて・・・相手が組んでいる以上、こっちも組むしかないだろう。通信回路を開く。
相手は基地で飛んだり跳ねたりしていた、無茶苦茶格好悪いMS。
「お久しぶり、お姉さん。お手伝いっているかな?
 ・・・ま、いらないって言っても手伝うけどね。あのガンダムは・・・クルルの仇だから」
ここで、いったん区切った。できるだけ冷静に喋るために、少し間をおいて。
「あいつへの攻撃は、せいぜい援護程度にしてくれると助かるんだけど。
 あいつは・・・俺の手で殺したいんでね・・・!」
できる限り、冷静に喋ったつもりだけど・・・一般的に言えばこれでも冷静には入らないだろうな、という確信があった。
281ロイド・エンデバー ◆tW13rMBWhI :2005/08/02(火) 19:17:40 ID:???
【行動:起きる(0)会話(0)格納庫へ移動(1)Z+搭乗・発進(1)移動・E−14→E−13(1)6番リトラに通信(1)】
【位置:E−13、基地】
【残り行動値:0p】
【機体状況:MS,ABCマントを脚部に着用済、左腕に傷、右腕に凹み
       艦,損傷無し、重石付き】
【武器:MS 頭部バルカン砲×2 ビームサーベル×2 腰部ビームキャノン×2、ABCマント、120mmマシンガン(残弾85%)
    予備  二連装ビームガン(取り付けしていない)
    艦  メガ粒子砲×1、ビーム・シールド×1、ミサイルランチャー×8 重石】
【生徒状態:Z+に搭乗】
【通信状況:6番リトラ】
【所持品:デイパックに入っている物・コッペパンx1.9、水2リットルx1.7、木刀、写真、重り×3、ボールペン、
     スポーツドリンク350ml、拳銃×2、予備弾倉、紅茶セット1杯分
     リアカーに入っている物・果物缶詰×1、クッキー
 艦内倉庫に入っている物・魚の缶詰×2、拳銃×1 サブマシンガン×2 弾薬 メディカルバック×3 
  非常食二箱(28食分) コーヒー紅茶セット、ビスケット等の菓子 ビール×18 ワイン×4 日本酒×1 生活用品】 
【服装:ザンスカール製ノーマルスーツ】
【暫定行動方針:仇を討つ】
【最終行動方針:優勝】 
【同盟:7番・ジンペイ=カザマキ】
282アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/08/02(火) 19:37:18 ID:???
直ぐにゲルググからニースが降りてきた。
…あれ?
ニースの挙動が少しおかしい。
妙に顔が赤いし、動きもぎこちない。
説明を書いてきた紙を見せながら、もう少しニースを見てみる。
…たしかに少しおかしいんだけど、思い当たる理由がない。
思い当たる理由がなければ、推測もできない。

(…いや、人の事を無理に勘繰るのはよくないな)
俺は思い直した。
コクピットは生徒にとっての、ある意味プライベートな空間だ。
艦に例えれば、そこではパイロットが艦長であり乗組員でもある。
従ってコクピット内での行動は、全てパイロット個人の責任であり、自由なのだ。
余程の事がない限り、俺の邪推が入る隙間はない。

まあ流石に、ニースの挙動の原因が俺にあるとは欠片も思っていなかったんだけど。

コピー用紙とマジックを受け取ったニースがゲルググに戻ると、俺は今度は瓦礫の陰
に止まっているゲルググJの所に行った。
「エルネスティーネ!すまないけれど、降りてきてくれないか?」
ニースの時と同じように手を振って声をかける。
…だけど暫く待ったけど、反応がない。
もう1度呼び掛けてみたけど、結果は同じだった。

考えられる事態は2つ。
1つ目は、エルネスティーネがまだ戻ってきていない。
2つ目は、エルネスティーネの機嫌が斜め。
…普通に考えれば、時間的にももう戻ってきててもいい筈だ。
だけどコクピットハッチが開いたままのゲルググを見る限りでは、エルネスティーネ
はまだ戻ってきていない。

まずい事に、俺はエルネスティーネがどこに行ったのか全く分からない。
シャワーを浴びると言ってたから、どこかのホテルとか民家に入ったんだろうけど、
この広い街からそれを限定するのは不可能だ。
(落ち着け……落ち着けアルバート。
 戻りが遅いからって、トラブルに巻き込まれてる訳じゃない。
 疲れているから、シャワーのあとで眠っているのかもしれないじゃないか…)
さっきの放送では戦死者は伝えられていないから、どこかで生きているのは確かだ。
…だからって探しに行こうものなら、いつどこですれ違いになっても不思議じゃない。
「…待つか」
暫く考えてから呟いた。
とにかくどこに行ったのか全く分からないんだから、無闇に動いても無駄足になる。
だけど、エルネスティーネは必ずゲルググの元に帰ってくる。
それなら、ここで待っていた方が確実だろう。

「…綺麗な星空だな」
ゲルググJの足に寄り掛かって、空を見上げる。
満天の星達は、地上で殺し合う人間の営みを知らぬかのように瞬いていた。
283アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/08/02(火) 19:39:06 ID:???
【行動:ニースに筆談の道具を渡す(−1)ゲルググJの足元に移動(−1)】
【残り:2】
【位置:U-22(ゲルググJの足元)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン1個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、マジッ
    ク4本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:北の基地へ向かう】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
284リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/08/02(火) 19:48:15 ID:hLvzTB2p
IDチェック
285エルネスティーネ ◆tf5U6oR8/w :2005/08/02(火) 22:29:52 ID:???
「……もう、行かなきゃ……。」
結局私は、辺りが暗くなるまで景色を見続けていた。
……よくよく考えれば果てしなく不用心だったかもしれない。
急いで私はお風呂から上がり、とりあえず体を拭いて髪を乾かし、
ディバックから新しい下着を取り出して身につけ、さらにディバックを漁る。

「……確か、このへんに……。」
ディバックから取り出したのは、新しい包帯と湿布。
お風呂に入る前に取った物に変わり、それで再度処置をしておく。
ニースかアルバートさんによって施された応急処置によって以前よりマシになったが、まだそれなりに痛むからだ。
次にデパートで用達した服に着替えた。選んできたのは、タンクトップにジーンズ。
……ニースと少しかぶる、かも。まぁいいや……動きやすければそれでいいし……。
次に拳銃のホルスターをベルトに通し、腰の後ろへ。一応タンクトップの裾で隠しておく。
ふぅ……これで、準備は終わり……

「……っと、忘れるところだった……。」
私は最後に、ゴムで長い髪を一つに縛った。これは……なんとなく、気分的に。
縛るにしても、そのままにするにしても邪魔なので切った方が早いんだけど(小さい頃はそうだったし)
それはなんだか嫌だった。髪を伸ばしている理由は……思い出せないけど。

「あとはコート……。」
ロングコートの方はというと、洗濯と乾燥はとっくに終わっていた。
私はそれを取り出すと丁寧に折りたたみ、ディバックの中に仕舞った。
……いつか、返せる日が来るかどうかは解らないけど、大事に扱わないと……。

「これですべて終わり……かな。
 ……お邪魔しました。殺し合いに行ってきます。何処の誰の家かも知りませんけど。」

誰の物とも知れない民家に別れを告げると、
装い新たに。私はゲルググJの元へ掛けだした。

【行動:色々と準備(-2) U-22へ移動(-2)】
【残り:0】
【位置:U-22 市街地 】
【機体状況:ゲルググ・J 胸部装甲・右肩部スラスター損傷  センサー一部障害 装甲にダメージ アラームセット】
【人物状況:症状緩和 脇腹に打撲(処置済み) 動きやすい服装・拳銃装備】
【通信状況:08.11.14番に通信継続】
【武装:腕部110.mm速射砲×2(残弾:各1斉射分) 】
【所持:ディパック(コッペパン(2) 水2L入りペットボトル(3) 栄養補助食品 保存食(6) マガジン(3) 医薬品)
     ロングコート 着替え×1 H&K P7M13(14)(腰後ろ)】
【方針:生きる 機体の修理】
【同盟:11番 アルバート 14番 ニース 08番 ルイス?】
【休戦?:15番 ファッツ??】
286エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/08/03(水) 02:15:44 ID:???
>>212-214
>>231-232
「エドワード=S=ボールドウィン。
 こちらの質問に答えてくれた事の見返りとして、この場で手を出す事はせん。
 ……その今にも倒れそうな身体をせいぜい休めるのだな」

 通信が途絶えると同時に背を向けて去っていくディジェ。
小さくなっていく後姿を眺めているうちに沸き起こる感情はいったい何なのか。
戦いが避けれて嬉しいのか、戦いができずに悲しいのか。
私には判別できそうになかった。
ただ、操縦桿を握って放さない左腕は、
待てとでも言うように、過去の幻影に追いすがるように、
震えながら、MSの左腕を伸ばしていた。

 1人、どうしようか考える。
唯一自由に動くのは右腕だけ。
それは潰されたコックピットの中で数百、数千ボルトもの電流が流れる電気コードに触れることなく、
醜くひしゃげ左半身を押し潰したフレームに挟まれることもなく、
衝撃で割れたメインモニターの破片が刺さることもなく、
私の体の中でただ1つだけ、ハゲワシの翼の痕がない部位。
それでできることは──
顔に吹き出る汗がそろそろ気にかかってきたので、
その右腕で汗を拭う。
──これだけ……。
痛みを増し始めた胸は冗談を言うなとでも言っているのだろうか。
眉をしかめる。
これをまずどうにかしなければいけない。
意識を奪おうとするこの痛みを何とかしなければいけない。
けれど、この傷の疼きを、
撃墜と共に死んだ自分の幻影を取り除く方法は容易には思いつかなかった。

 もう一度、少女の笑顔を思い出そうとしてみる。
が、朝にやってみたときと同じように脳裏に映ることは無かった。
思い出せない。思い浮かべることができない。
違う。
突如、胸の奥から言葉がにじみ出てくる。
それを否定したくて首を振るが、
この言葉を払拭することはできなかった。

 思い浮かばないのではない。
 ただ、
 
 忘 れ た だ け だ 

287エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/08/03(水) 02:16:56 ID:???
 突きつけられた言葉に、気づいてしまった事実に、
叫び声を上げようとするのを必死にこらえる。
だけど、今の状態はまるで糧を敵から得る過酷な戦場生活の末、
父と母を殺されたという漠然とした恨みだけを残して、
家族の存在を、家族の記憶を忘れ去ってしまった過去の自分のようで……。

「……違う」

声に出して否定する。
同時に脳裏に幾多もの情景を思い浮かべる。
2人で過ごしてきた日々を思い浮かべる。
けれど──

「違うっ」

脳裏に浮かぶのは白一色。
思い出せない。思い浮かばない。
日々の生活……何があった?
たまには2人で出かけたこともあった……どこに行った?
そもそも少女の顔は?
少女の来ていた服は?
髪型は?
髪の色は?
瞳は? 声は? 肌は? 匂いは?

「違う!」

力を振り絞り自らを一喝する。
しかし、脳裏には何も現れない。
少女の存在を示す物は現れることはなかった。
288エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/08/03(水) 02:17:58 ID:???

 ……そうだ。私は少女の存在を忘れてしまったのだ。
 忘れないと誓ったはずだったのに……

 悔しかった。情けなかった。
だけど、涙を流すことすら出来ない。
記憶にない少女の存在など、存在しないのも同然なのだ。
存在しない物を何故悔やむ?
存在しない物に何故涙を流す必要がある?
存在しないはずがないのにそれを否定することが出来ない。
むしろ納得してしまっている自分がいた。
頼みの綱が切れた以上、限界だった。
もう、疲れた。

 眼を閉じると古傷の痛みに身を任せた。
意識が遠のいていくのが分かる。
このあとこの機体はどうなるのだろう、と疑問がわいた。
私は意識の無いままこの機体を動かすのだろうか。
それとも新たなる私の……いや、昔の私の意識が覚醒してこの機体を動かすのだろうか。
でも、今の私にはどうでも良かった。

「ごめん──」

ただ、か細く謝罪の言葉を呟いた。

「約束、守れなくて──」

 最後に呟いた言葉、
ヤクソクという言葉が頭の奥に重く響く。
その言葉が記憶の奥底を洗っていく。
そうだ、何かを約束したんだ。
何かを作り続けると誓ったんだ。
あれは、
手作りの、

 ──クマの縫いぐるみ──

289エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/08/03(水) 02:18:43 ID:???
 瞼を開ける。
まだ私の意識はある。
そのことを確認しつつ、
視線をコックピットの底に向ける。
転がっている2つの鞄。
上体を不恰好に折り曲げ、
右腕で自分が持ってきたほうの鞄を持ち上げる。
膝の上にそれを乗せると、
パンパンに膨らんだチャックを開いた。

「こんな所にいたのか……」

 沢山の綿に、幾重にも折り重ねられた布。
裁縫道具が入った小箱に何枚かの型紙。
そして、
造りかけの縫いぐるみの脚と、奇妙な人形。
手のひら大の奇妙な形をした人形を、
記念すべき第一作にして、記念すべきでない失敗作一号、
サイモンと名づけられた人形を両手でつつむ様に抱きしめる。
少女の、レイチェルの笑顔が見えた。

 当時悩んでいた私に、
クロード大尉が勧めた提案。
自らの手でレイチェルの喜びそうな物を作ってはどうか。
その一言をきっかけにして作ったのがこれだった。
作り始めの頃はこんな物にどれほどの意味があるのかと思っていたが、
しばらく作っていくうちに蘇る思い出と共にいつの間にか涙を流しているのに気づいた。
流れるその涙は自分でも信じられないほど暖かかった。
不揃いな四肢に膨らんだ下腹部。
楕円形をしている頭部に飛び出ている瞳。
テディベアと言い張るのもおこがましい代物であるが、
それに縫い付けられたものは、
その後も作り続けた幾多の縫いぐるみよりも濃密で純粋な想い。
その想いを忘れないためにも私はこの人形にサイモンと名前を付けたのだった。
サイモンの綴りは【Simon】。
私のミドルネーム。
奇妙な形をしていて、普段はぞんざいな扱いをしているが、
私自身でもあった。

 すでに胸の痛みは引いていた。
左腕は私の意思で動かすことが出来た。
心臓の鼓動も穏やかなものになっていた。
ここまでくればもう大丈夫なのだろうけど、
一瞬でも忘れてしまった罪を償おうと、
暫くこのまま思い出の中に浸り続けていた。
290エドワード ◆71GpdeA2Rk :2005/08/03(水) 02:19:38 ID:???
【行動:苦悩(1)、復活(1)】
【残り:2】
【位置:F−13(草原)】
【機体状況:胸部装甲に損傷、間接部に砂】
【パイロット状況:安堵】
【通信状況:なし】
【武装:肩部3連装ミサイルランチャー(残弾左1、右0),ビームトマホーク】
【所持品:布、綿、糸、裁縫道具、色鉛筆、型紙、人形
        水1L弱、MS整備の本】
【方針:食糧確保】
291アルバート=パーシング ◆n/1NtkuBMs :2005/08/03(水) 18:46:56 ID:???
しばらくじっとして星空を眺める。
先生は雨が降るかもと言ってたけど、この空を見る限りではまだ大丈夫そうだ。
「俺のコロニーは…どこらへんかな…?」
心に残る故郷を思い返しながら、星々を見渡す。

母さんや弟、妹は元気だろうか?
無理をして身体を壊したりしてないだろうか?
弟も妹も、ちゃんと母さんを支えてくれてるだろうか?
孤児院の子供達も変わりはないだろうか?
いたずらっこのトムは、少しは大人しくなっただろうか?
身体が弱かったアンナは、元気になっただろうか?
家族やそれと同様の子供達の顔と思い出が、次々と浮かんでくる。

俺は今地球で、俺自身ですら想像する事のなかった殺し合いをしている。
もう1人…殺してしまった…。
母さんは……俺が士官学校に入る事に最後まで反対した母さんは、それを知ったらきっ
と悲しむだろう。
孤児院のみんなはどうだろう。
人を殺した事を嫌がるのか、それとも生きてる事を喜んでくれるのか。

父さんは…父さんは褒めてくれるかな?
きっと今もどこかで戦っている、父さん。
こんなプログラムの中でも、俺のパイロットとしての成長を認めてくれれば嬉しいな。
「…と、そうだ」
俺はお守りから見えていた紙の事を思い出して取り出した。
普通はお守りの中にこんな紙は入っていないから、おそらく父さんが入れたんだろう。
で、父さんが入れたのなら、何らかの伝言が書いてあるかもしれない。

俺はお守りの穴から、紙を取り出して広げてみた。
予想通りそこには父さんの字で、俺への手紙が書いてあった。
だけど…。
だけどその手紙の内容は、俺には理解できなかった。
ごく一部を除いて。

「父さん…」
紙を見ていた視線をまた星空に向けて、ここにいない父さんに話し掛ける。
「父さんにとって、俺のもう1つの名前には…一体どういう意味があるんだ?」
だけど俺の問いかけは、星空の、そして街の暗闇へと消えていくだけだった。

【行動:お守りの手紙を見る(−1)】
【残り:3】
【位置:U-22(ゲルググJの足元)】
【機体状況:コクピット付近の装甲に切り傷、左膝ピストン歪み(小)】
【人物状況:胸にガラス片の傷(処置済み)】
【通信状況:2、8、14番に通信回線継続】
【武装:ビームサーベル×2、右肩部2連装ショルダービームガン(90%)、ビーム    
 ローター、ビームピストル(左40%右40%)】
【所持:ディパック、水2?入り4本、コッペパン1個、保存食42/3日分、お守り、
    ペンライト、ポータブルプレイヤー、毛布、救急箱、コピー用紙の束、マジッ
    ク4本】
【服装:革ジャンとジーンズ】
【方針:北の基地へ向かう】
【同盟:ニース、エルネスティーネ、(ルイス)】
292リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/08/03(水) 20:10:07 ID:???
>>277-278
放たれた散弾がレベッカ=テスタロッサの駆る黒いMSを襲う。
回避は難しいと判断したのか、咄嗟に左腕でコックピット周辺を庇うベルガ・ギロス。
果たしてその判断は、正しかったと言えよう。
このショットガン、モビルスーツを一撃で粉砕できるような威力などは無い。
もともとショットガンという武器自体、“装甲”に対して効果を期待できる代物ではないのだ。
だがそれでも、センサー類や間接部などに散弾が当たればただでは済まない。
中近距離の牽制用としては充分過ぎるくらいに効果的な武装である。

散弾に晒され、各部に細かい損傷を負いながらも、ベルガ・ギロスは致命的な損傷を被ってはいないように見える。
だが、もとよりその程度の損傷を与えられれば上等だとリトラは考えていた。
もともと機体のスペックでは向こうに相当な分がある事は間違いないが、こういった細かいダメージの蓄積によって
徐々に相手をこちらのステージに引きずり込んでゆくのがリトラの目的なのだから。
獣の支配する泥沼の戦場に引きずり込まれた時、レベッカ=テスタロッサはどのような戦いを魅せてくれるのであろうか。

フフ……レベッカお嬢ちゃん……。
そうなっても戦い続けられるだけのタフネスを期待するぞ……?

>>271-272
リトラの迎撃を受けベルガ・ギロスは一時間合いを離したものの。
続けて畳み掛けるように、背後より“ガンダム”が迫り来る。
奴等がこのプログラムの中どれだけ行動を共にしているのかは知らないが、見事に連携が取れている。

「やはり来たか……ガンダ……」

が、リトラもみすみすと背後から斬らせるほど間抜けではない。
“ガンダム”の気配を捉えたリトラは、素早く機体を旋回させる。
ベルガ=ギロスには背後を見せる事になるが、構わない。
射線軸的に迂闊に撃てば“ガンダム”を危険に晒す事になるからだ。

ガンダムの姿を視界に捉えるなり、リトラは信じられないものを目の当りにする事となった。

「……ム……!?」

リトラの全身よりドッと冷や汗が吹き出る。
たとえリトラ=クロームと言えども、本能的な恐怖は抑えようが無かった。
問題は、それに押しつぶされるか否か……である。そして、リトラの心は臆してはいない。
臆しては、いないが。

右腕に携えたアレは何だ?あの巨大な剣は、何だ?
その無骨な刀身より生えた幾本もの光の刃は、その一本一本がビーム・サーベルのようにも見える。

……一部のパイロットが噂するところ、“ガンダム”には悪魔が宿っていると言う。
が、リトラに言わせてもらえばそんな事は眉唾ものである。
確かにマフティー=ナビーユ=エリンの“Ξ”は鬼神のような活躍を見せたが……その最期は、あまりに儚かった。

ルイス=ガルシアの“ブルーディスティニー”の異常な反応速度を目の当りにして、
その伝説を多少なりとも信じる気にもなったが、奴と対峙した自分はいまだ生きている。
少なくとも自分にとって奴は強敵ではあるものの、“悪魔”と呼べる存在ではない。

が、現在対峙しているこいつはどうだろう?
その手に携えられた幾本もの光剣を束ねた絶対的な破壊の力。
モビルスーツを破壊するのに、あれほどのものがどうして必要といえよう?
受け止めるなどとは考えてはならない。紙一重でかわそうなどと考えてはいけない。
あの刃は掠っただけでディジェの身を容易に断ってしまうであろう。

剥き出しのコックピットより、相手の姿がくっきりと見えた。
白い無貌の仮面に顔を包んだ巨漢の姿は、これでもかという位に悪魔の機体と調和していた。
そして、この男こそ名簿の通り、T−13であるとも確信できた。
その異質なる名前は、まさにその姿に相応しきものであったからだ。
293リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ :2005/08/03(水) 20:12:17 ID:???
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巨大な光の刃を携えて、“ガンダム”は迫り来る。
矮小なる女豹の生命を、刈り取らんと。

だが、全身から汗を噴出させ。
歯の奥をガタガタと震わせながらも。

女豹の貌は、歓喜に笑っていた。

「デカければ強いなどと……云う事はないぞ」

あと一跳びの間合いまで迫り来るガンダムに対し、リトラはショットガンを構える。

「弾けろとッ………!?」

大上段に巨大なる剣を構え、跳びかからんとする“ガンダム”に向かって、散弾をブチ込んでやろうとした時。
リトラの脳裏に、一筋の線が浮かんだ気がした。
その線の名は、“死線”。
それはまさに、生と死の狭間に身を置いた瞬間を示していた。

恐れは、何処へなりとも吹き飛んだ。
奇妙な陶酔感にも似たものが、リトラの身を突き動かす。

巨大な剣は、その存在そのものが囮であった。

ノーモーションで放たれる、“ガンダム”のフロントスカートアーマーのシザー・アンカー。
ビームサーベルを抱え込み放たれたそれは、必殺の一撃となる筈であった。

が、リトラは僅かに機体を左へと逸らせ、紙一重でその一撃をかわす。
右肩のシールド・アーマーを光の刃が掠め、その下半分を抉り取るのみに終わった。

出来過ぎだ。

リトラ自身、内心そう思っていた。

ああ、この瞬間だ。この瞬間こそ、まさに自分がこのプログラムに望んだものだ。
そういった陶酔感にも似た感情が内から沸き起こってはいたものの、それに身を任せるのは危うすぎるとも感じていた。

「……言っているッ……!」

ショットガンを構え、敵機より繰り出されたシザー・アンカーをかわした一連の動きの流れは、
ほんの一瞬の間の出来事であった。
咆哮と共にショットガンを放つが、この一撃は、攻撃というより敵機への牽制を主なる目的としたものだ。
ガンダムのコックピットハッチは、失われている。
そのような相手にとって、今はショットガンのような武装こそある意味最も恐るべきものと言えよう。

ショットガンを放ち、間髪入れずに建物の影へと跳んだリトラ。
敵が一機であれば、間違いなくこのまま畳み掛けていただろうが、あの二機を相手にその行為は死を早めるだけだ。
それを解っていながら尚も踏み込もうとする衝動が身を突き動かそうとしていたが、
リトラはその衝動に溺れはしなかった。

陶酔感に身を捧げようとする自分。冷静に戦況を見定めようとする自分。
この狭間で揺れ動く事に、リトラはたまらない生の充足感を感じていた。
294リトラ=クローム ◆Q1oSLvtePQ
その危険なゆらぎこそ、最上の戦場でしか味わえないものであるから。

>>280
と、レーダーが新たな機影の接近を捉えた。
その機種に、リトラは軽く驚きをおぼえる。
それは、ロイド=エンデバーのZプラスであった。

『お久しぶり、お姉さん。お手伝いっているかな?
 ・・・ま、いらないって言っても手伝うけどね。あのガンダムは・・・クルルの仇だから』

クルル=ヴァルデーンを追って基地を去ったロイドが、今ここに戻ってきた理由とはなんだ?
浮かんできた疑問は、彼の言葉によって氷解した。
その言葉に、リトラの瞳が見開かれる。
今相手をしていたあの“ガンダム”こそ、少女を殺した相手だというのだ。

……剥き出しのコックピットより姿を見せた、奴の姿を思い出す。
ギリ、と歯を鳴らすリトラ。

「……成程、奴はその姿の通り……正真正銘の“怪物”らしいな」

低く呟き、レーダーに映った“X3”を示す光点を睨みつける。

「そうだろう……?
 子供を手にかける奴は……人間じゃあ、ない」

リトラの脳裏に、焼かれた街の光景が蘇る。
歯止めの効かなくなった連邦鎮圧部隊によって生み出された、屍の山。
そこに、老若男女の区別は無い。
撃たれた者、焼かれた者。そして、モビル・スーツによって踏み潰された者―――

「そして、子供を戦いに引き込む奴もな……」

リトラの脳裏に、慕ってくれた子供達の顔が蘇る。
彼らはその憧れ故に……リトラに人殺しの道具の使い方を教わってしまったが故に。
その幼い生命を散らす事になったのだ―――

ディパックより頭を出している『ハロ』を、ちらりと見遣る。
『ハロ』を幼き手に渡すべき男は……この女豹の手によって、死んだ。
幼き瞳がいくら濡れようとも……永遠に、戻らない。

そう、戻らない。
ならば、私のすべき事は―――闘争の先にあるものは―――

『あいつへの攻撃は、せいぜい援護程度にしてくれると助かるんだけど。
 あいつは・・・俺の手で殺したいんでね・・・!』

少しの間の後、ロイドが言葉を続ける。
平静を装うとしているが、その声色に、そして瞳に混じる憎悪は、隠しようが無かった。

少年が憎悪の炎に身を捧げる事を、悲しく思わなくは無い。
だが、リトラは彼を止める事はしない。
無駄だからだ。それに、この少年は、戦士であった。
……戦士にとって決して避けて通れぬ戦いがあるという事を、リトラは身をもって知っている。