第三回天下一武道会 巻乃四

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1通常の名無しさんの3倍
なくなってたので立てました。
2通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:34:47 ID:9xQoRYx0
ry
123 名前: 現在 −4月12日午後六時 [アンケート有難うございましたsage] 投稿日: 04/04/09 02:39 ID:???

ただいま午後六時すぎといったところ。
彼は、いま雑誌の編集作業をしている。ちらりと横目で確認したんだけど、今はどうやらアムロの原稿をスキャンしているところらしい。
まだまだ時間がかかりそうな気がする。もっとも最後だから多少時間がかかるのは仕方がないかな。
暇だから、僕は机の上においてある自前のノートパソコンを起動させた。マインスイーパーでもしようと思ったからだけど、やっぱり気分がのらないからやめた。
地雷なんて探してもしょうがない。あんなのゲームじゃない。やっぱり格闘じゃないと。ちまちましたのはあんまり好きじゃない。
代わりにメールソフトを起動させた。過去の送信履歴でも眺めようと考えたからだ。
Subject:おひさしぶりです(三月一日)
Subject:喧嘩        (三月二日)
Subject:アムロの部屋で (三月三日)
Subject:ビンタ       (三月四日)・・・・etc・・・
うーん・・・こうしてみると、僕も律儀にメールを書いたなぁ。ほぼ毎日かかさず送ってたもんな・・・・・
まだまだ時間かかりそうだし、ちょっと全部読み返してみようかな。本当にいろんなころがあったし・・最後の前に読み直すのもいいかもしれない。。
どうせもう見直すことはないんだし。いま、管理人さんが雑誌を終えるまではすることもないのだし、な。


僕は、Subject:三月一日のところにマウスボタンをあわせて、クリックをした。
ディスプレイに出てきた過去のメールを僕はゆっくりと読み始めた。目の前の管理人に注意をしつつ・・・・


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第  三  回  天  下  一   武  道  会     赤 棟    サイドB

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3通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:35:34 ID:???


124 名前: 3月1日 (1/2) [sage] 投稿日: 04/04/09 02:53 ID:???
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メール送信履歴

Subject:お久しぶりです
To:黒いサザンクロス([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
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3月1日(記念の日)

おひさしぶりです。
ゲイナーです。そちらとの約束どうりメール送ります。本当はサラに直接送ろうと思ったんだけど、なんとなくあなたに送ることにしました。
そのほうが、愚痴とかもかけるし。サラによけいな心配をかけるのは嫌だったんで。あなたが迷惑だと思っててもメールは貴方におくります。
サラとか他のみんなにはあなたの方から伝えといてください。


今日は記念すべき計画始動の最初の日でした。
もっとも僕にとっては記念でもなんでもないんだけど、きっと会長にとっては記念の日でした。
だから、記念の日としておくことにします。祝!をつけるまではいきませんけど。

あ、そうそう。最初に僕のここでの任務をお伝えします。
ええと、ごく簡単に説明すると、僕たちの世界でいうエクソダスみたいなものをここでするんです。
ここには「エクソダス志望者」がざっと10余人いて、彼らは僕の案内でエクソダスすることを望んでいます。僕の役目は彼らをエクソダスすることです。
ただ、僕たちのエクソダスと決定的に違うのは、ここはシベリアじゃないし、またドームポリスでもないってところ。
それに彼らは僕らと違い、別に故郷に帰るというリターニズムを目的として内在しているわけじゃないんです。
だから、エクソダスと一口にいっても、貴方みたいに僕が彼らをつれてヤーパンにいくというような任務じゃありませんのであしからず。
こう書くと、あなたって人は理解できないと思うけど。それじゃあどうして「エクソダス志望者」なんていうのかわからないかもしれない。
けど、これは純然としてエクソダスなんです。どうしてかは内緒ですが。
ま、その辺はおいおい理解できると思うけど・・・。一応、機密事項らしいので。
あと、このメールが誰かに盗み読みされると困るので、ちゃんとみられないようにセキュリティはしっかりしといてくださいよ。面倒がらないで。


んで、話を戻します。
僕がいるところは、小さな町の小高い丘の上にある館です。そこには二つの三階建ての建物、赤棟と白棟があります。
この二つはまったく同じ形をした建物で、まるで合わせ鏡をしているような気になります。違うのは色が赤と白で対照的になっているというところかな。
僕がいるのは赤棟なので、目がチカチカするけど。最近はようやく慣れてきました。最初は吐き気がして大変でしたけど、ほんとに。
この棟すごく真っ赤なんですよ。建物だけじゃなく、庭とか、基本的には全部。シベリアの真っ白な綺麗な景色になれている僕には地獄でしたよ。。
4通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:36:22 ID:???
125 名前: 3月1日 (2/2) [sage] 投稿日: 04/04/09 03:00 ID:???

それで、赤棟にいる住人についてですが、貴方も知っている人となると限られます。
多分アナ姫とヤッサバくらいかな。あとはきっと知らないから説明しない。めんどうなんですよ。実際。ま、いわゆる「種」って世界の人が多いんだけど。
カガリっていう男勝りの人や、ハロっていう小型のロボをたくさんもっているラクスっていうきれいな女性もいる。(けど、ちょっと変)
基本的には女性が多いので、僕としては嬉しい。やっぱり男ばっかは嫌ですからね。・・サラには内緒ですよ。結構、彼女嫉妬深いんだから。
あ、そうそう。白棟ってのがここ赤棟の隣にあるんだけどそこは男だけの棟なんです。みるからに暑苦しそうで、僕と同じく派遣された管理人が可哀想になりました。
よかった。あっちじゃなくて。あっちだったら僕、オーバースキルが発動してたかも。
まぁ、赤棟にも男の人がいることはいます。ニコルっていう僕と年齢が近い少年や、ヤザンという凶暴そうな男、
それにギンガナムっていうキチガ(ry・・なんでもありません。ちょっと変わった人です。いろいろと。
あとは・・・・んー・・・やっぱやめます。一人一人、説明するのは面倒なので、今度、部屋割りとか写真と一緒にファイルに送付しておくります。

えーと、僕の置かれている状況はこんなところかな。隣に寝ている人がおきると困るので、このあたりでやめときます。
あとは今日一日の行動と思ったことをここに書いて記しておきますからそれでも読んどいてください。あと、わからないことがあったらメールください。
けど、くだらない画像ファイルを備えつけるのはやめてくださいよ。重くなるから。この棟、まだADSLもないんですから。


三月一日の僕の行動。


朝   寝坊。シャワー浴びて軽く食事。セイラさん(金髪の女性で、僕の補佐役です)の料理はとてもおいしい。
     日本食ってあんまり・・って思ってたんだけど。撤回。


昼   雨が降る前に白棟に移動して、会長と管理人の到着を待つ。
    二階でしばらくまっていると会長がようやくきたから、暫く必要事項のやりとりをする。内容は内緒。
    白棟と赤棟は仲が悪いのでそのあと、こっそりと帰る。帰りぎわ、こっそりと食堂を覗くと、なにやら会長と管理人が揉めてた。
    きっと白棟に赴任するのが嫌で駄々をこねているんだろう。当然だよ。


晩  夜に、ロラン・セアックがたずねてくる。(赤棟の住人。僕は彼と仲がいい。きっと年が近いからかもしれない)
   なにやら隣の部屋から壁を削られてる音や、妙なシャッター音が聞こえるらしい・・・?なんなのかよくわからない。ただ、怖いので泊めてくれといわれた。
   となりにすんでいるのは確かグエンという御曹司。そいつがどうやら、彼に惚れているらしい。(ちなみに両方男です)。ロランは身の危険を感じている模様。
   気の毒なので、僕の部屋に泊める。ロランは涙を溜めて感謝していた。そんなに嫌なら本人に直接いえばいいのに。
   ま、いえないのが優しさなんだろうというのはわかるんだけど。命取りになるんじゃないかな。それ。
   セイラさんに二人分食事を持ってきてもらい、食べる。その後、ストUをした。ロランはすごく下手だ。僕の32勝0敗。いまどき昇竜拳もだせないなんて・・
   

   さて、今日は以上です。また明日メール送ります。そっちも何かメールください。それじゃあまた。あ、サラによろしく。
   
                                                                   ゲイナー・サンガ              (3月1日終了)
  
5通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:37:14 ID:???
131 名前: 3月2日(1/2) [sage] 投稿日: 04/04/13 17:29 ID:???

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メール送信履歴 (3月2日 23:52)

Subject:喧嘩
To:黒いサザンクロス([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
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まず一句。

エクソダス 、決行開始は、 まだまだ先 (すこし字余り)



こんばんわ・・・って、きっと、これみるの朝でしょうから、オハヨウゴザイマスってしときます。
いいかげん夜遊びやめたらどうです?そろそろまじめに生きるべきだと思いますけどね・・ま、僕には関係ないことですけど。
将来困るだけだと思いますしね・・サラに手をださなければ別に構いません。



さて、今日はさっそくというかなんというか、喧嘩がありました。
それもひどい喧嘩です。もうあれです。戦争みたいなやつでした。白煙が広場中からあがってました。
僕はそれの片付けで一日が終わっちゃいました。辺りが硝煙臭くてたまりませんでした。

ことの発端は、朝早くのことでした。僕がロランを起こして、(昨日、泊めたのは書いてましたよね?)彼を送り出した後です。
ちなみにロランはその後、白棟の管理人とあってしまったようですが、それはまぁ、関係ありません。
問題はその後です。僕はいつものどうり部屋でゲームをしようと思って、ハードを起動させていたのですが、なにやら外が騒がしいのに気がつきました。
嫌な予感がしました。まるで、最初に貴方にあったときのような感じです。
おそるおそる窓から外の様子をみると、案の定、ギンガナムとヤザンが喧嘩をしていました。それも双方、武器を持っています。
水飲み場のあたりで、顔をくっつけんばかりに寄せて、睨みあっているとこじゃあないですか!一触即発ですよ、ゲインさん!
僕は慌てて、外にでましたが、(ゲームしたかったですけど)、もう時すでに遅しです。
二人は取っ組み合いの喧嘩をはじめました。どうして銃をつかわないのかよくわからなかったんですが、最初は拳でけりをつけようとしたみたいです。
体格ではギンガナムさんが勝っていたのですが、格闘術ではどうやらヤザンさんに分があったようで、互角でした。
僕はとめようとしましたが、如何せん、体格の差というのはどうしようもできません。無理です。断固無理です。ゲインさんだったらできたかもしれません。
喧嘩はやめてください、と何回もいったんですが、聞く耳もたずです。ニコルも駆けつけて説得を手伝ってくれましたが、彼らはひどく
興奮していて僕らのほうを見向きもしません。それどころか更に益々ヒートアップしていくじゃありませんか!
二人の喧嘩は中々終わらず、とめに入った僕とニコルはあっさりと弾き飛ばされてしまいました。


あやうくアスファルトにたたきつけられるところでしたが、後ろにいたヤッサバさんが腕を掴んでくれたので、なんとか事なきをえました。
ヤッサバさんのこと覚えてますよね?きっと僕よりゲインさんのほうが詳しいと思います。彼も騒ぎに気がついて出てきてくれたんです。
僕は感謝して、そして、ヤッサバさんに一緒に彼らを止めるのを助けてくれるように頼みました。
するとあのシベリア鉄道警備隊隊長である彼は力強く頷いてから、大きく息を吸って空に向かってこう叫びました。

 /ダ                         \
/  イ                     !! \
     タ                 ヒァ
      ァ〜             ム
         〜        カァ
           〜ン   

6通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:37:46 ID:???
132 名前: 3月2日(2/2) [sage] 投稿日: 04/04/13 17:45 ID:???

ヤザン「な、なんだ?ダイターンだと?」
ギンガナム「もの凄い熱量が集まっていく?まさか月光蝶であるのか?いや違う・・・これは!?」
ヤッサバ「日輪の力を借りて、今、必殺のォ、サンアターーーーック!」



                          __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...     ド・ドーン!!
                      ..‐´      ゙      アアアァァァァァァーーーーーッ!!!
            アアアアァァァァアアアーーーー!!               \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
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 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
ゲイナー「登場していきなり某スレのパクリ、、、せめてラッシュロッドとかブラックメールを呼んでくださいよ・・・。」

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 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
ニコル  「この人にそんなこと期待しても無駄ですよ・・だからインダスから呼び戻さなければよかったのに・・・」
                                                                      (二日目終了)
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P.S
ちなみに上記の爆発はヤザンの手榴弾の暴発で、決してダイターンではありません。偶然です。ほんとに。
                                                             苦難を乗り越えるゲイナー・サンガ
                                                             
7通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:38:25 ID:???
138 名前: 3月3日(1/1) [sage] 投稿日: 04/04/21 15:51 ID:???

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メール送信履歴 (3月3日 23:52)

Subject:アムロの部屋で
To:黒いサザンクロス([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
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今日はアムロにあってきました。
アムロ・レイ。15歳。初代ニュータイプといわれる人物です。
現実には、どこにでもいそうな引っ込み思案で、多感で繊細な少年ですけれど、世間はそうは思わないみたいです。
彼の部屋は、機械を製作するための工具やら配線やらが入り乱れていて、雑然としていて、座る場所もないくらいでした。
あきれちゃいました。
けれど、彼は、ゲームが強いんですよ。ゲインさん!僕と互角に戦えるのはシンシアだけくらいかと思ってたけど、甘かったですね。
彼はとにかく読みが凄い。色んなゲームをしたのですが、ストUでの話をいうと、彼は僕が波動拳をだす呼吸を完全に見切っているとしか
思えないんですよ。完璧なタイミングですし、連続技も正確無比で、堅実です。一発を狙うこともしません。
これが戦場での彼の動きそのままだろうと、推測できました。いやいや、なかなかどうして・・って、感心しちゃいましたよ。
ニュータイプってのは便利ですね。オーバースキルがいつも発動してるんじゃないかっておもっちゃいました。
勿論、ゲームをしにきたんじゃないんですが。ついついしちゃいますね。ゲームは。。


話を戻します。
えっとですね、アムロは白棟にいるのですが、ほかの白棟の住人とは違って、実はかなり僕や会長と密接な関係にあります。
それはどうしてかというと、まぁ、彼にも色々と理由があるのですが、それでつまり彼は白棟の監視を行っているのです。
それゆえに僕はアムロと連絡を蜜にしています。白棟の内情などを聞き出したりしなければいけませんし。
彼の話によると、こっちの管理人はいまのところ、何も気がついていないようです。雑誌の編集作業に頭がいっぱいなようです。
(白棟は「エクソダス」脱落者を原稿と、読者アンケートで決めるのです。赤棟は・・・)

けれど、今日、アムロの部屋にいたときに彼からノックされたんでびっくりしましたよ。
アムロがうまく追い返したし、部屋の中にいれなかったので助かりましたけど、もしみつかってたら面倒なことになるとこでした。
どうやら昼食を持ってきただけだったらしく、サンドイッチの入った皿を置いていったのでアムロと二人で美味しくいただきました。
やっぱりシベリアよりこっちは食材が豊富ですね。飽食国家万歳といったところですか。食べたあとは早々に引き上げました。
キングゲイナー対ニュータイプの、ゲームの勝敗は・・・内緒です。


さて、それじゃ、今日はこの辺で。
また今日も棟内で喧嘩があって大変なんですよ。後始末が。血って、結構拭き取るの大変ですねぇ・・
あ、そうそう。参考までに白棟の作品をひとつ紹介しときますね。アムロが書いていた作品です。
創刊号に載せるとかいってました。あ、けど、いっときますけど、暗いですよ。ゲインさんはあまり好きじゃないかもしれませんね。



8通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:39:02 ID:???
139 名前: アムロ特別編 (1/4) [sage] 投稿日: 04/04/21 15:58 ID:???
       
                      「人間失格」             アムロ・レヰ

はしがき


私は、手元の置いてある三葉の写真を眺めている。ボロボロに擦り切ってやや茶に変色している古い写真である。
その一葉は、まず、幼い少年が笑顔で母親の胸に抱かれている姿である。隣には父親がやや固い顔で寄り添っている。
度の強そうな眼鏡をかけた神経質なところがありそうな技術者タイプの男だ。家族より仕事をとるタイプかもしれない。
母親のほうは、にっこりと笑い、息子の手を握り、頬を寄せている。息子はあどけない顔で、ただカメラをみつめている。
父親と息子は余所行きの服を着ている。母親だけが普段着のようなくだけた服を着ている。これだけみたならば単なる親子スナップだ。
「微笑ましいものですね」
などと何の想像もせずにお世辞をいう人もいるかもしれない。ただ、すこしだけ人の表情というものに造詣があるものならば、
この写真にある奇妙な雰囲気を理解し、「なんて嫌な写真だ」と思って、いまいましげに床にほうりなげるだろう。
この良く作られた、政府広報のパンフレットにおかしくもない、そんな典型的見本の家庭団欒写真には、偽りがあるのだ。
父親の顔の強張り、母親の媚びたような笑い顔、息子のどこか不安げな目。
フォーマルな服をきている父と子と、カジュアルな服装の母。私はこういったときにとる写真がどういうものか知っている。
離婚した夫婦がとる写真のようなのだ。これは。事実、この写真は父と子だけが、宇宙にいって、母親が残るその日に撮られたものらしい。

第二葉目の写真は、少し時代が進んでいるようだ。すっかり成長している。
幼かった少年は、成長して、年はハイ・スクールに通う程の年齢であろう。特徴だった赤毛のくせっ毛は相変わらずのようである。
その少年が、連邦軍らしき制服を着て、直立の姿勢で写っている。周りには、同年代の少年達がにっこりと笑っている。
場所はどこかの艦内である。またその中央には、大半の人の目を惹きつけるであろう魅力のある女性・・階級章をみると中尉だと判る・・
が、立っている。
置かれている場所が、少年の年齢を考えると、やや異様ではあるが、全体的には、順調に成長している様子が窺える。
もしも私がこの二様の写真だけを、みていたとしたら、さして興味を持たなかったであろう。
あの戦争の末期では少年兵が駆り出されることはさして珍しいことではなかったからだ。
悲劇ではあるが、それ自体はありふれたものである。


ただ、私がこの三葉の写真に惹きつけられたのは、最後・・つまりこの第三葉目の写真が、あまりにも異様だったからだ。
年はわかる。第二葉とほとんど変わらないだろう。ただ表情が全く別である。
人の表情がここまで変わるのか、とびっくりするような、まるで、そうー、あたかも灰に塗れた鼠のような、うつろな顔をしているのである。
目は胡乱で、どこもみていないようであり、髪は相変わらず赤毛だが、先ほどあったような生き生きとした癖ッ毛の元気はなく、
頬はややこけており、幼さの残っていた口元は、まるで笑うことを忘れてしまったかのように固く貝の如く、閉じられている。
それが、三方が漂白したかのように真っ白な部屋で、(もう一面はガラス張りになっているらしい。この写真はガラス越しに撮られている)
アルミ製の椅子に腰をかけているのである。
異様なのは、それだけではない。
その写真の、彼の背後に、人がいるのである。それも少女である。絶世の、まではいかないが、綺麗な翡翠の瞳をした褐色の少女が、
彼の背中の後ろに、いるのである。また、表情がなんともいえない、哀しげな、訴えかけるような顔をして、少年の背を抱きしめているのである。
ただ、その姿は少年に比べると、おぼろで、まるで砂漠に浮かぶ蜃気楼のような淡さをもって、たゆたっているので、
普通の人間ではないとは推察できる。が、それでは彼女が何なのか、と問われればわからない、としか答えようがない。

私はこの三葉の写真をみせてくれた男に質問したことがある。彼は、現在、敏腕ジャーナリストとして世間に注目されだした人物で、
この写真の男とは旧知の仲であった。彼に、どういう経緯をたどって少年が、こんな、まるで廃人のようになるまでになったのか、ということを
私は質問した。この質問に答える代わりに彼が私に与えたのは一冊の古ぼけたこげ茶色のノォトであった。


以下は、その文の転載である。


9通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:39:28 ID:???
140 名前: アムロ特別編 (2/4) [sage] 投稿日: 04/04/21 16:16 ID:???


恥の多い生涯をおくってきました。

自分には、これまでの生涯のなかで、何一つ身についたものなどありません。
ただ身に付いたことといえば以下に効率的に機械人形を使って人を殺すか、破壊するか、などという非生産的な行為の技術だけであります。
自分は、現在、どのような人物が議会にいるのかも、選挙で選ばれているのかも、また議会で何について話し合われているのかもわかりません。
興味がないのです。
所詮、そんなことを理解しても、政治に参加することができるほど自分に意味が見出せないからでしょう。
しかし、僕のしている行為、それは戦争といわれているものですが、それはまさに政治的な次元の行為なのです。
けれど、今述べたように僕には政治というものに興味を持てません。だから、ただいわれたとおりに出撃し、人を殺していたのです。
今考えると、それは盲目の人間のようであり、聾者のようであり、また唯の白痴的言い逃れであることに気がついたのです。
政治に使役されている身分で、政治に興味がないなどとはいうべきではないのです。それは子供の言い逃れ、お金なんてなくても生きていける、
というような類の妄想となんら代わりがないのです。まさにこれは赤面しても足りないほどの大恥でした。

恥の多い人生とかきましたが、幼いころ、母親が地球に残り自分を捨てたことが、僕にとっては第一の恥でした。
僕はそのときのみじめな気持ちが脳裏に常にあり、それが他人との関係を恐怖し、避けるようになる原因だったと思います。
彼女は僕と父を捨てたのです。十年あまり後、軍人になった僕は彼女を捨てることでそのときの恥をつき返しました。
もっともそれは極めて幼児的な行為だと後に思い知ることになりましたが、そのときは僕は、それが正しいことだと思っていたのです(中略)

艦内に、医者志望という美しい金色の髪と、皮膚の下を流れる赤い血液の色がみえるほど白い肌をした女性がいました。
僕はその女性と何度も性交をしましたが、愛などではなく、そこにはただ肉体的快楽があるだけでした。
気持ちいいのですが、それだけを求めるであれば、それは動物園で、僕らが軽蔑の目で眺めている猿と同じです。
僕が求めていたのは、そんな単純な犬畜生でもえられるような即物的快楽でなく、もっと深い精神的充足であったはずでした。
彼女が求めていたのもそうだったと思います。ただ、僕らにはそれをどうやって求めたらいいのかわかりませんでした。
だから、最初はぎこちなく、最後のほうは無我夢中に身体をあわせるしかすべがなかったのです。彼女の胎内はとても温かく、気持ちよかったのです。
しかし、終わったあとに待っているのは、深い奈落の底に落とされて、みじめに傷を慰めあっているだけだという現実の認識だけです。

あるとき、行為が終わってシャワーを浴びた後に、彼女が自分の兄について話しました。驚きました。
彼女の兄は僕にとっては倒すべき最大の敵だったのです。僕は彼女がどうして僕にそんな秘密を打ち明けたのか理解できませんでした。
いまならわかります。彼女は兄を、あの男を僕に殺してほしかったのです。いや、殺してほしくなかった、ともいえます。
それは明らかに矛盾していることなのですが、彼女の中ではそれはイコールなのです。殺すことで、彼女の記憶の兄は生き続けるのです。
彼女は兄を愛していたのだと僕はいまでははっきりと理解できます。彼女はそこに背徳を意識し、それを深く考えたくないがために
僕と寝ていただけなのです。つまり僕は代用品に過ぎなかったのです。ただ僕が哀れだったから寝てくれただけなのです。
彼女の話す言葉から僕が理解したのはその一点だけでした。

彼女の裏切りは僕を再びどん底に落としました。自分は女性と幸福に結ばれるような男ではないのだと思い知ったのです。
そもそも憧れていた中尉が死んでしまったときに、僕はこのことに気がつくべきだったかもしれません。僕は、そんな幸福を得られる男では
ないのです。父をみれば、それは明白なことでした。母は父を捨て、また僕もそのときに母に捨てられた子供に過ぎないのです。
僕は彼女に対して、それからあまり接しないように意識しました。動物的快楽ならば自慰で十分でしたし、また女性と付き合うことよりも
これ以降は艦隊の戦闘が激しくなり、そういったことを考える余裕すらも奪われていきました。







10通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:39:55 ID:???
141 名前: アムロ特別編 (3/4) [sage] 投稿日: 04/04/21 16:33 ID:???

ララァ・スンという女性に遭遇し、理解しあい、また失った後、僕には何も残っていませんでした。
ただ、彼女を死地へと追いやった男への復讐心だけで、機械人形に乗り込んでいました。僕にはそれしかありませんでした。
しかし、彼と接触し、彼もまた彼女を失ったことを深く哀しんでいることを知り、自分は彼をそれ以上憎めませんでした。
彼女に対する彼の愛は本物でしたし、また彼女の愛もまた彼に向けられていたのだと僕は考えるのです。
となると、僕のいったいどこに僕の入る余地があるでしょうか?僕は、彼の妹にも代用品として扱われ、また運命の女性には
遅すぎたと拒否をされ、母親には捨てられてしまっているのです。僕は心身ともにぼろぼろでした。
何も僕には残ってません。僕がずっと乗っていた機械人形もそのときには既に崩れ落ちて、その活動を停止していました。
それはあたかも僕自身のように、その身を横たえていたのです。

僕とあの男が向き合ったときに彼が放った言葉を僕はいまでも覚えています。
「君のようなニュータイプは危険すぎる、私は君を殺す」
あぁ、彼が本当に僕を殺してくれればどんなによかったろう!僕はもう生きている意味を見出せなかったのです。
彼とフェンシングで決闘をしているときも、実は、僕はこのまま彼に心臓を貫かれることを期待していた、と告白できるのです。
勿論、ただ殺されるだけではララァへの復讐になりませんので、彼も殺せればそれにこしたことはありませんでしたが、
死にたかったのは事実でした。僕には何も残ってなかったのですから。
このまま死んでララァとあえるのであれば、それは幸福なことなのかもしれない、と感じていたのです。
ニュータイプであることにも僕はなんの意味も見出せませんでしたし、それは逆に自分にとって重荷だとしか理解できませんでした。
ただ、ひとつだけいいことがあったとすれば、それは戦場から仲間を助け出すことに僕の能力が役立ったことだけです。
それは何一つ役に立たないと思っていた自分にとって、あの戦争の記憶の中で唯一、今でも覚えている幸福なことでした。
そして、僕がそんなことをしている間に、いつのまにか、本当にいつのまにかとしかいいようがないのですが、戦争は終わりを告げていました。
それはあたかも僕という存在を無視して別居した父と母の関係のように、一足飛びによくわからない終わりを迎えてしまっていたのです。

11通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:40:23 ID:???
142 名前: アムロ特別編 (4/4) [sage] 投稿日: 04/04/21 16:37 ID:???

戦争が終わり、僕らの部隊はニュータイプの部隊、人類の希望を体現した部隊、などとわけのわからないほどに賞賛されました。
無論、あまりの加熱振りにとまどいましたが、人にほめられることのなかった自分は、少し嬉しかったのも事実です。
けれど、ちやほやされたのはほんの数ヶ月だけでした。それからの世界は僕にとってまるで楽園を追われたアダムとイブのようなものでした。
僕が閉じ込められたのは、真っ白な、何もない、空気さえもほとんどないのではないかと思えるほどに、淡く希薄な部屋でした。
三方は真っ白で、一面だけ総ガラス張りになっており、そこに沢山の連邦政府の人間が待機して、こちらを絶えず監視していました。
そこで僕は毎日、白衣を着た科学者達に徹底的に調べられました。身長や体重は当然のこと、眼球運動や反射速度、感受性や
思考力の程度、更には性的嗜好やDNA成分まで、何一つ残すことなく調べられました。それは僕を、明らかに、ただの戦争の一道具として、
一分子として扱うものであり、そこに人権の尊重などという配慮は全くみえませんでした。
たとえば感受性テストなどは、その最たるものでした。僕が戦場で殺したジオン兵士の家族の写真や、哀しんでいる映像などをみせて
僕の心拍数の変化や脳波の推移を計測するという実験でした。これが、僕には一番つらい検査でした。これが、毎日あるのです。
僕の食欲は日に日になくなっていき、頬はこけ、顔に生気がなくなっていくのが自分でもわかりました。僕の精神は崩壊寸前でした。
そんなあるとき、科学者の一人が僕の血液を調べていたときにいった言葉があります。
「君は、ニュータイプの標本なんだ。まだデータを取り終わってないのだから、しっかりしてくれないと困る」
その言葉は僕を断崖絶壁から叩き落しつけました。
なんということでしょう。僕はいつのまにかそういった偶像に祭り上げられ、ただ解剖されるだけのモルモットのようでした。
僕は連邦政府に協力しているつもりでしたが、向こうはそんな気はなく、ただ僕を実験材料として観察していただけなのです。
それは僕が軽蔑していた動物園の猿となんらかわることがない境遇でした。僕は、人でなく牢獄に繋がれた只の実験動物に成り果てていたのです。
言葉は通じます。会話は通じます。けれど、我は人にあらず。

人間、失格。

僕はニュータイプという種族に分類され、既に人間ではありませんでした。ただ呼吸する、人間と同じ形状をした生物なだけでした。
それからの僕は何も感じず、何も思わず、ただただ彼らのすることに服従し、自分の考えを放棄しました。
それで、もういいのです。慣れてしまえば、それは心地よいものでした。苦痛はもはや感じず、悩みもすべて消え去りました。
僕に意識が戻るのは一日に数時間だけで、あとはなんだかよくわからない感覚に脳が満たされています。

ただ、僕は時折夢をみます。その夢のなかで僕は、戦争のさなかに図らずも殺してしまった少女に会います。
彼女は僕の震える背をしっかりと抱きしめてくれ、その赤い唇を耳に寄せて、天使のような声色でそっと子守唄を歌ってくれます。
僕はそのときだけが幸せです。そのときだけ僕は母のことを思い出し、他の僕がいままで出会ってきた人のことを考えます。
おそらく皆かなりの変貌を遂げているものと思われます。君の艦長は結婚し子供もいると、なにかの話のときに科学者が教えてくれました。
また他の者についても日々を恙無くすごしているようでした。成長しているのです。けれども彼女だけはまだ僕と出会ったころのままです。
彼女も既に人間ではないのです。僕もしかり。彼女は矢張り、この世で唯一僕と近しい存在であります。僕は彼女を愛しています。
ただ、ふと思うのです。もしも彼女が生きていたとしても、この世に僕と彼女が幸せになれる場所などなかったのだろうと。
けれど、それはもうどうでもいいことです。
一切は過ぎていきます。僕はもう今年で23になります。そういえば僕は今でも議会で何が話されているのか知りません。
12通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:40:52 ID:???
143 名前: あとがき [sage] 投稿日: 04/04/21 16:46 ID:???


私はこのノォトを読み終えた翌日、これを貸してくれたジャーナリストの友人に会いにいくために電車に乗った。
中はすいていて私の他には、仕事帰りと思わしきサラリーマンが一人いるだけであった。実にくたびれた顔をしていた。
ほどなくして、彼は降りて、電車の中は私一人になった。ノォトを小脇に抱えたまま、私は窓から移りゆく景色を眺めた。
この地区のコロニーの再開発がはじまっているらしく、いたるところに作業用ポッドが忙しげに動き回っていた。

駅前にある喫茶店にいくと、彼は、前にあったときと同じ鼠色のコートを着て、ちびちびとブランデーを飲んでいるところだった。
その隣には、20歳くらいと思われる女性がいた。こちらも前回あったときにいた女性で、確かノォトの彼の幼馴染ということだった。
私は二人に簡単な挨拶を交わした後、ノォトを彼に返し、こう問うた。
「この彼はまだ生きているのですか?」
「さぁ、どうなのかな。生きているといえば生きているし、死んでいるといえば死んでいる。
彼自身もわかっていないのかもしれないな」
「どういう意味です」
「だから、わからないんだよ。彼は脳がいかれちまってるし、心臓だってとまってるかもしれない。それに俺はもうどうだっていいんだ」
彼はブランデーをあおった。大分酔いが回っているらしいかったし、この様子では詳しい情報は得られそうもなかった。
私は、礼もそこそこに立ち上がった。今日は家内と外で食事をする約束をしていたので、一旦着替えるために家に帰るつもりだった。
外はもう薄暗く風もつめたかったので、私は外套の襟を立てて歩き始めた。すると、後ろから声がしたので、振り向くと、
先ほどの女性が立っていた。少し二人で話がしたい、というのでまた近くの喫茶店に入った。店内にはマーラーが静かに奏でられていた。

「貴方もこのノォトを読んだのですか」
「はい・・」
「どう思いましたか」
「こんなことになってるなんて・・私いつも一緒にいたんですけど、全く気がつかなくて・・」と、彼女は声を落としていった。
「彼はやや自虐的に物事を考える思考の持ち主だったようですし、なによりあの戦争は異常でした。
人は誰も自分が生きていくのに必死で、他人のことなど気にする余裕はない時代でしたから、貴方が気に病む必要はないですよ」
私が慰めようと声をかけても彼女は首を振って、
「私が悪いんです。私が・・もっと・・」
「忘れなさい。もう貴方がどうしようとも彼はきっと駄目でしょうから」
残酷なようであるが、この手記が本物であるならそれは確かなことであるように思えた。連邦に隔離されているのであれば、もうどうしようもない。
「けれど・・・」
「貴方はわるくありませんよ。皆わるくない。けれど、もしも悪い人がいるとすれば、それは彼の母親ではないかと私は思います」
時計をみると、もうそろそろ家に帰らなければいけない時間であった。私は立ち上がって帽子をかぶり伝票を掴んだ。
「ニュータイプになる人は、個人的には不幸なものであるという俗説は本当かもしれませんね。さよなら」
彼女に別れの挨拶を述べると、彼女は俯いたままこう言った。

「私の知っているアムロは、優しくて、繊細で、少し臆病ではあったけれど、意外と男らしいとこもあって・・・
ほんとに、ほんとにふつうの・・・ごくごく普通の少年だったんです」

                              
13通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:41:43 ID:???
150 名前: 3月4日(1/4) [sage] 投稿日: 04/04/30 16:59 ID:???
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メール送信履歴 (3月4日 23:52)

Subject:ビンタ
To:黒いサザンクロス([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
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今日は曇りの一日でした。どんよりとした灰色の空をみるとどこかシベリアを思いだしますね。
こっちの生活には慣れつつありますが、やっぱり僕はシベリアが好きです。こうしてこっちにいると故郷が懐かしく感じるだけかもしれませんけど。
今日は昼に会長が様子をみにきました。白棟にも様子をみにいったらしく、順調そうで満足していました。
僕のほうも尋ねられたので無論、順調だと答えておきました。白棟に負けるわけにはいきませんから。

しかし実際は色々問題があるのです・・・その筆頭は・・・ま、とりあえず以下の文を読んでください。


会長が帰って暫くしてから、僕は談話室でおやつを食べながらニコルと話していました。
ニコルは最近棟の裏庭で家庭菜園をすることに凝っているらしく、それが楽しいといっていました。
シベリアではなかなかそういったことはできません。やっぱり日本は恵まれてますねぇ。こりゃますます北方領土を返すわけにはいきません。
苺を作るんだ、といって嬉しそうに喋るニコルに相槌をうちつつ僕はそんなことを考えていました。

そんなまったりとした平穏とした時間がゆっくりと過ぎていたのですが、それを打ち破る野太い声がしました。

「いやぁ!やっぱり我が家にザクスレは最高であるな!」
第一声がこれです。
またきたんですよ。ヤッサバさんが・・・登場すると必ず別スレの話題をするという恐怖の男です。ある意味テロですよ。これは。
この前はサンアタックとか日輪とか言ってましたけど、あれもかなりぎりぎりだったんですよ、ゲイナーさん!冷や汗ものです。
これを容認するわけには管理人としていけません。僕はニコルと一緒に彼を説得することにしました。
「まゆずみさんはたまらんな!」
「あの、ヤッサバさん・・・その、そういった別スレの話題は、できれば控えて欲しいんですけど・・」
「僕もそれがいいと思います。あんまりそんなことを言っていると色々圧力がかかってきますし・・」
ニコルもすかさず声を続けてくれます。ヤッサバさんは心外そうな顔をして、
「しかしだな。俺ぁ別に他のスレをけなしているわけではないぞ。寧ろ、褒め称えておるのだぞ?」
と言いました。確かに褒めるのは構いませんが、この男の場合、きっとそれだけではすまないということはお見通しです。
「いや、駄目です。断固として駄目です」と僕。
「そう、やめたほうがいいですよ」と、ニコル。
「しかしだな、俺ぁは純粋に他のスレを応援して・・・」
「と・に・か・く!やめてください!」
・・・ついつい声を荒げてしまいました。いけないいけない。僕はクールにいこうと決めてるんですよ。エクソダスを指揮する人間が
感情的になってはいけない、と教えてくれたのはあなたですからね。COOLCOOLCOOLCOOLCOOL!です。
「そうですよ。ただでさえ貴方を出して後悔しているのに、これ以上面倒増やさないでください」
・・・ニコルもおとなしそうな顔して結構いいますね。まぁ、そういう性格じゃないとエクソダスはできないんですけど。
「・・・ふむ、君達がそこまでいうのなら、このヤッサバも快男児だ。おとなしく引き下がろう」
助かりました。なんとか彼を説得することに成功したようです。
ニコルと僕は顔を見合わせて、にっこりと笑い、小さく頷きました。助かった・・。これで色々と大人の事情も回避することができそうです。
このスレがあぼーんされることが一番の恐怖でしたから。ほんと。

14通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:42:25 ID:???
151 名前: 3月4日(2/4) [sage] 投稿日: 04/04/30 17:14 ID:???
ヤッサバさんはそんな僕らをみて、にっこりと笑いながらいいました。

「ところで俺は「ララァを喜ばせる1000の方法」のスレが好きなのだが、どうすればララァが喜ぶのかわからねぇんだ。
おめえらもちょっと考えてくれるか?なかなかこれがどうして、おもいつかんもんなのだ。俺は女を喜ばすのは苦手なんだ。
悦ばすのは得意なのだがな!おっと、これは親父ギャグくせぇか!アデットなら受けてくれるんだが、お前らには早すぎるか!
やっぱり1000をララァに取らせてあげるのが一番喜ぶのだろうか?!おっと、これは既に>>592が書いておった!こやつめ!ハハハ!」
「・・・・・・・」(僕)
「・・・・・・・」(ニコル)
馬の耳に念仏です。
どうやら彼に期待した僕らが馬鹿だったようです。こんな忠告を聞く男なら、キングゲイナーを5話で退場させられるわけありませんでした。
「いやぁ!それにしても最近忙しくてお気に入りのスレも確認できん状態なんだが、何かお勧めはあるか?
 このヤッサバ・ジン!どんなスレでも食わず嫌いせずに見るぞ!ん?なんだ?この「出てる!プルの中にでてるよぉ!」とかいうスレは・・
ふむ・・?ふむ!?ふむ!なんとぉ!このスレ・・・いいではないか!」
「あら、そんなのよりこのキラたんハァハァスレのほうがいいですわよ」と、突然現れたラクス嬢がいいました。
この人も結構電波入っているので注意が必要です。なんせ何を伝えたかったのか最後までわからない人でしたから。
「おぉ!これはお嬢ちゃん!いいところにきたな!ところで、なんだい?そのキラたんとかなんとかいうスレは?どこにもそんなんねぇぞ?」
「ふふふ・・これは旧シャアにはありませんの。ほら、新シャアの方にありますわ」
「おぉありがとよ!うわ!なんでえこの不等号の数は・・?奇妙なとこだな!この板にはちゃんと管理するシベリア鉄道隊みたいな奴が
いねぇのかい!ふん。まあいいや。んで、これか?・・・・・・な、なんだこのスレは!!」
「ウフフ、とてもよいでしょう?」
「おいこら、そこのお前達!俺の家族で萌えるな!どうせみるならアスランたんハァハァスレにでもしろ!」
と、顔を真っ赤にして怒るカガリ・ユラ・アスハ嬢が殴りこんできたので、談話室は一気にうるさくなりました。更に、
「いや、やっぱりここはディアナ様論争スレに限るのである!」と、ギンガナムや
「ヤザンが旧シャア板ガンダムの主人公だったら?がいいと思うぜ!」と主張するヤザンまでやってきました。どこで会話を聞いていたんでしょう?
「おいおい、ちょっと待てよ。一度にそんなに一杯いわれても確認できねぇぜ」
「んじゃアドレス貼りますから、そこをクリックしたらいいですわ。えーと htto://comic・・」
「ちょ、ちょっと!それだけは駄目です!そんなことしたらこのスレ本当になくなっちゃいますよ!」
直リンするなんて無理です。このスレがオーバーフリーズの目にあっちゃいますよゲイナーさん!僕は必死に止めました。
これが最後の堤防でした。他スレの話題は百歩譲って黙認できても、リンクを貼ってしまえば迷惑がかかりますし、しゃれになりません。

「まぁ、そう固いこというなって!大丈夫大丈夫!このヤッサバを信じて!ほら、酒のめ!」
「ちょ・・僕はウォッカは嫌いですって!・・・・ん・・あ、これ・・・結構いけますね。飲みやすい」
「だろ?ほら、ニコルものみな!」
「あ、えーと・・・・・・・僕未成年ですし、お酒って飲むの初めてなんですけど・・・・」
「そんなん気にしてエクソダスができるか!男だろ!貴様!ほら、飲め!」
「そ、それじゃあ少しだけ・・」

これがいけませんでした。
15通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:42:51 ID:???
152 名前: 3月4日(3/4) [sage] 投稿日: 04/04/30 17:27 ID:???
(三十分後)



ヤッサバ「おいゲイナーくんよ。何かお勧めのスレはあるかい?!
       検索するの面倒だから、そのスレを直リンしてくれたらありがてえんだけどよろしく頼まぁ!」




   ∩___∩      えぇ〜〜そうですねぁsふぁsf 僕的には
   | ノ      ヽ/⌒)    http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1082118599/がお勧めfさふぁふぁsが
  /⌒) (゜)   (゜) | .|  
 / /   ( _●_)  ミ/   ∩―−、
.(  ヽ  |∪|  /    / (゜) 、_ `ヽ
 \    ヽノ /      /  ( ●  (゜) |つ
  /      /      | /(入__ノ   ミ   ゴックスレですねあばばっあびゃばびゃばば
 |       /       、 (_/    ノ  
 |  /\ \       \___ ノ゛ ─ー
 | /    )  )       \       _     
 ∪    (  \        \     \ ニコル
 ゲイナー  \_)










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:、: : : : : : : : : : : : _,,,.....,, 、: : : : : : : . :,' :`、 . ,;' ,.'.;  ,`'" ,  `,:,、'
: : `: : 、,: : : :,,,. '"   ,'.'; `` 、 、--‐': ': :‐` '.'、. `´,. '  .,.'   ',: `,
:```: : : : `"´ ` .、 _ `´ ,.  ': , : __..`` 、´,' 、  `..´......      ,: ,'
: : : : : : : : : : : : : : : : :  : ':´: : ,: : :':     ; ._ : : . : 、       ','  
: : :` ‐‐‐‐: : .     , , ' ´' ´,' ´: : :、`    ; `      ` 、   ,','   ほ、ほんとに他スレを直リンした!
: : '‐´ ' ´: :  ,  '  ´ .'.´, '´‐ ,‐ :      ',        `  ,','     
: : ':´: : : , '.´      . : : : :.,.,.'´ __ .. _ _ ,.-; `.,         ;.;
: : : : : ': :      . : : : , '´` 、´-‐- : : `, '´ : ',      ;: ;
: : : : ; : : : .     . : : : ,.' : : : : : :  : : ‐'     : ;  .    ;. '
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16通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:43:19 ID:???
153 名前: 3月4日(4/4) [他スレの皆さん勝手にネタにしてすいませんsage] 投稿日: 04/04/30 17:52 ID:???
ヤッサバ「そんなことをする極悪人はこのヤッサバ・ジンが許さん!みていてくれアデット!
            今、日輪のぉ!ダイタァァァァアアアアアアア―――ン・キャノォォンンンンン!!!」




                          __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...     ド・ドーン!!
                      ..‐´      ゙      アアアァァァァァァーーーーーッ!!!
            アアアアァァァァアアアーーーー!!               \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
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 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
ゲイナー「これってやっぱり僕達が悪いのかな・・どうも釈然としないんだけど・・・・」

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 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
ニコル  「ていうか全然話が進まないじゃないですか・・・ヤッサバさんがいるとずっとこんなオチが続く気がします・・」
                                                                      (四日目終了)
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PS. ちなみにこの後、この件でセイラさんにビンタされました。食料の買出しにいくときも一言も話してくれませんでした。
17通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:43:57 ID:???
159 名前: 現在ーその2 [sage] 投稿日: 04/05/09 16:29 ID:???


五日分を読み終えたところでぼくは顔をあげて、一息つく。
今はまだ六時半だ。目の前に居る彼の作業はまだまだ半ば。終わる気配は見えない。原稿を丁寧にスキャンをしているからかな。
もうちょっと適当にやればいいのに、そうしないのは、彼がきっとなんだかんだいってもあの雑誌が好きだからとは思うんだけど・・・。
その気持はわからないでもないし、ぼくも赤棟が製作したアレはすごく大切に思っている。
けど、もうちょっとはやくしてくれないかな。

退屈は嫌なんだよな・・・。これが嵐の前の静けさだってことはもちろん、理解してはいるんだけど。身体を休めとかなきゃいけないってことも。
けれど、だからというべきか、かえって落ち着かない。気だけ焦る。早く済ませたいと思う。
それで、メールを読み返している。毎日、僕が赤棟から送ったメールの数々をじっくり読み返してる。
そのいくつかは、今読み返しても笑えるし、なけるし、腹が立つこともある。完全に嘘八百のメールもある。
読んでいてうんざりするのもあるし、いま読んで赤面するのもある。読みたくないのも正直多い。
けど、ほかにすることがないから、ちらちらと彼を確認しながら、とりあえず次の一週間分をまとめて読むことにしようかな。


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Subject:ごめん、サラ。  (三月五日)
Subject:管理人と遭遇   (三月六日)
Subject:さらば、ヤッサバ。インダスのかなたにレディゴー!(三月七日 )
Subject:白棟は雑誌  赤棟は○○               (三月八日 )
Subject:ロランとディアナ(キエル)とカラオケと棟内恋愛事情(三月九日 )
Subject: 一は全 全は一                     (三月十日 )
Subject: 最初のエクソダス                    (三月十一日)
・・・etcetc
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18通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:44:25 ID:???
160 名前: 三月五日(1/2) [sage] 投稿日: 04/05/09 17:32 ID:???
メール送信履歴 (3月4日 23:52)

Subject:ごめん、サラ
To:サラ・コダマ([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
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ねぇ、サラ。ぼくが君にメールを送らなかったことは確かに悪かったと思うけれど、あんな罵詈雑言を書いたメールを送ってくるのは
やめてくれないかな。あれはほとんど嫌がらせに近いよ。そりゃ、ぼくが全面的にわるいよ。だけど、あれはあんまりじゃないかな・・・
サラがヤーパンにあこがれていたのは知ってるけど、連れていけなかったんだよ。色々事情があったんだよ、僕だって。
あと君が思っているような忍者って全くいないよ。そもそもガウリ隊長のは忍術ですらないと個人的には思ってるし。
あれってどっちかというと忍者タートルズ的じゃないかな。いや、どう違うかといわれると細かいことはよくわからないんだけど。なんとなく。
あと、ぼくが君より他の女性を取ったとかいういかがわしい発想は即刻破棄するように。そんなことありえません。
ていうか、何処からそんな発想がでてくるのかな・・・ぼくが君のことをすきだってことは知ってるくせにさ。あのときのあれ、忘れてないでしょ。
誰がそんなこといってるんです?やっぱりゲインさん?あの人は女の子が沢山いるとこにいる僕を妬んでるだけですよ!ほんとに!

・・・コホン。
だから、今度から君にも送る事にするから、どうか機嫌をなおしてくださいよ。ぼくも決して他意があって君に送らなかった訳じゃないんだから。
ただ、ぼくのメールってあんまり面白いものじゃないだろ?
だから、こんなのもらってもサラが煩わしく感じるだけじゃないかな、と思っちゃっただけなんだ。他意はないから。・・・納得してくれた?


ええと、今までのメールはゲインさんに見せてもらっているんだったね。それじゃあ、いままでの説明は省いていいよね。
けど、こんなメールなんて、サラが読む必要ないとおもうんだけどなぁ。

ーーー

今日、昼間、僕が部屋でこれからのことについてぼんやり考えていると、外からニャアゴ、と鳴き声がしたんだ。
なんだろうと思って縁側にでてみると、赤の広場の隅の方で、ニコルとイザークが猫と遊んでいるところだった。
もっともニコルとイザークっていっても誰だかわからないだろうけど、とにかくそういう人達がいるんだ。年はぼくらとおなじくらい。
詳しい説明は、このまえゲインさんにメールで送付しているからそれを読んでくれたらわかるとおもう。とにかく彼らと猫がいたんだ。
ここまではいいかな?ニコルとイザークがいて、猫と遊んでいたんだ。
猫はまだ生後数ヶ月というところかな。左右で瞳の色が違う、綺麗な猫だったよ。きっとそっちの地方ではみたことないタイプだと思う。
ヴァン猫かな?あんまり猫の種類って詳しくないからわからなかったんだけど、結構めずらしい種類なのは確かだとおもう。
彼らは、どこからとってきたのかわからないけれど、猫じゃらしを子猫の前にかざして、遊んでいた。のどかな風景だったよ。
資料をよんでみてもわかるとうり彼らは元同僚ということだし、傍目から見ても彼ら二人はとても仲がいいようにみえた。
やっぱり同じ作品出身っていうのは、同郷というか、同期というか、学閥みたいな独特の繋がりがあるんだよなあ・・・。
それがうらやましいかといえば、別にうらやましくはないけれど。いや、やっぱりちょっとはうらやましいですけど。
どうせぼくはキングゲイナー出身だから、蚊帳の外ですよ。フン。って、こんなことサラにぼやいても仕方ないんだけどね。
19通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:44:58 ID:???
161 名前: 三月五日(2/2) [sage] 投稿日: 04/05/09 17:41 ID:???


ねぇ、サラ。こんなこというと変かもしれないけど、羨ましいのと同時に、彼らの姿を、ぼくはとても哀れに感じたんだ。どうしてだかわかる?
答えはこういうことなんだ。つまり、ぼくは彼らが仲良くすればするほど、その後に待っている現実がきたときにどう反応するのか、
そのことを考えただけでとても哀れになるんだ。だから、とてもいい光景だったんだけど、ぼくはどうもうんざりしてしまって、ダメだった。
勿論、これは彼らの所為じゃないよ。ぼくが勝手に想像して、勝手に哀れみを感じているだけなんだけど。それでも、ね。
洗濯物がたまっていたんだけど、それも放置したまま、ぼくは彼らの様子をずっとみてたよ。
途中、イザークとニコルの遊んでるところをみて、ラクス嬢が「萌えですわ」といってぼくに同意を求めていたのには困ったけど。
どうも女性の心理ってのはよくわからない。単純なのかな。友情を愛情に変換することができるオーバースキルを持っているのかもしれない。
ぼくならアナ姫のほうが萌えるけど・・・って、冗談だよ、サラ。ほんとに冗談だから、怒らないでよ。
アナ姫は確かにかわいいけど、そういう対象にするほど、ぼくは卓越したオーバースキルをもってませんから。

そんなこんなで色々邪魔もはいったけど、彼らの会話の切れ端をぼくは縁側からでも聴くことができたんだ。
どうやら、予定どうりに白棟は今日から雑誌を発行したらしい。
いいことだよ。エクソダスがはじまったんだ。赤棟のほうもそろそろはじめなきゃいけないんだけど、肝心のエクソダスの内容が、
実に複雑というか、白棟と違って紙とペンがあればどこでもできるような方法じゃないんだ。設備が必要なんだよ。面倒だけど。
もうちょっと時間がかかる。だから、みんなこんなふうに、のほほんとできているんだけどね。
もっとも、今がのんびりしてるぶん、後に負担がかかるだろうから、ぼくはいやなんだけど。だって後々めんどうじゃないか。


えーと、あとは何をかいておこう。サラが読んでるとおもうと結構緊張するなぁ・・
そうそう、夕食はカツ丼ってやつだったよ。知ってるかな。豚肉に衣をつけて油であげたものを溶き卵と混ぜて御飯の上にのせる料理。
これは結構美味しかった。セイラさんは料理が上手で、毎食楽しみなんだ。味付けも個人によって変えてくれるから、みんな満足してる。
ヤッサバさんだけはスパム丼の方がいいっていってたけど。あんな塩辛いもの食べたくないですよ!別にぼくら宇宙漂流してませんし。

えーと、今日はこんなところかな。とりあえずサラが機嫌を直してくれると嬉しいです。
ゲインさんのいうことは信じちゃいけないからね。あの人、嘘ばっかりなんだから。彼にぼくが怒ってたってつたえといてくれます?

あ、ついでにもうひとつ。白棟が発行した雑誌、週刊少年ガンダムっていうんだけど、サラも読みたければネットで簡単に読めるから、どうぞ。
ぼくもさっき確認したよ。ダウンロードするのに100円かかるから気をつけて。ま、その価値はあるかは正直微妙だけれどね。
人間失格はちょっと暗すぎるし、ワンピースもヒッキーっぽいし。あと、グエンって人のはちょっとイってるからサラには読んで欲しくないかなあ。
20通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:45:36 ID:???
169 名前: 3月6日(1/1) [sage] 投稿日: 04/05/18 20:21 ID:???
メール送信履歴 (3月6日 23:52)

Subject:管理人に遭遇
To:黒いサザンクロス([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
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ゲインさん!貴方がサラを煽ったんでしょ!なんでそんなことするんです!
おかげで彼女を宥めるのが大変だったじゃないですか!
だいたい貴方って人はいつもそうやって人に苦労させて・・・・・そんなんだからぼくが今回、エクソダスを引き受けることになってるんですよ!
ぼくはエクソダスなんて嫌いなのに!そんなぼくの邪魔ばかりしてたら、また引きこもりますよ?!二ヶ月くらい。
まぁ、もう済んだことをねちねち言いませんけど!二度とサラを煽らないでくださいよ。彼女、ほんと怒ったら怖いんですから!
あなた大人でしょう!?

※   ※     ※


怒ったら少しだけすっきりしました。とはいっても、許したわけじゃないですから。とりあえず、今日の報告です。

えーと、ですね。今日は白棟の管理人と会ったんですよ。といっても、ついさっきのことです。
月がとっても綺麗だったんですよ。シベリアと違って、ここ、ヤーパンはあんまり空気が澄んでないので、いつもなら鮮明に
みえることはないんですが、今日はとてもはっきりみえたんですよ。だから、外に出たんですが、そこでバッタリ。
まぁ、なんてことはないんですけれど。彼はぼくのやってることをまったくといっていいほどわかっていませんから。
ぼくと彼はだから社交辞令の挨拶をしただけです。

「こんばんわ。・・・・確か君は赤棟の管理人だったね」と、彼がいってきて、ぼくは頷きました。
「お互い大変だな」と、彼はしたり顔でいったんですが、ぼくはこれにちょっと腹が立ちました。だって、そうでしょう?
白と赤じゃ、ぜんぜん辛さが違うんですよ。嫌な部分は全部ぼくが押し付けられているんですよ!
そりゃ、こんなこと彼にいっても無駄だってのはわかってますから、何もいいませんでしたけど!
けど、ついこんなことをいってしまいました。「彼らはみんな赤ちゃんなんですよ。知ってました?」って。
この比喩がわかってくれれば、白と赤の結末を変えることができるかもしれません。きっと、無理でしょうけど。
今日はこれだけですかね。


あぁ、そうそう。
貴方がどうしても知りたがっていた二人の美少女。ラクス嬢とカガリ嬢の日常を克明に記せっていうことですけど、
お断りします。別にここはそーゆー趣旨のもとに創られた空間じゃありませんので。
けど、断ったら、また貴方がサラにあることないこと吹き込みそうなので、ここに少しだけ彼女達の日常をかいときます。
下のを読んでも彼女達にまだ興味があるのなら、あなたは真のエクソダス請負人ですね。ぼくはおなかいっぱいです。

21通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:46:00 ID:???
171 名前: そうか!よし!萌える!(1/3) [sage] 投稿日: 04/05/18 20:37 ID:???
             『ラクスとカガリの、そうか!よし!萌える!6日間』  ゲイナー・サンガ


三月一日
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                    /
                    / おい!あそこでロランがグエン・サード・ラインフォードに
                  ∠  執拗に迫られているぞ!
            ∧_∧    \_____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           (  ´Д`)  ,-っ      | そうか!よし!萌える!
          /⌒ヽ/   / _)       \       
          /   \\//           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /    /.\/         ‐=≡   ∧ ∧
         /   ∧_二つ        ‐=≡   ( ´Д`) ハァハァ 待ってろよ〜
         /   /           ‐=≡_____/ /_
        /    \        ‐=≡  / .__   ゛ \   .∩
       /  /~\ \      ‐=≡  / /  /    /\ \//
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               `)⌒`)     ‐=≡ / | /
                ;;;⌒`)    ‐=≡ / /レ   
              ;;⌒`)⌒`)‐=≡ (   ̄)

三月二日


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                    / おい!あそこでギムガナムとヤザンが喧嘩してるぞ!
                  ∠  
            ∧_∧    \_____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           (  ´Д`)  ,-っ      | そうか!よし!萌える!
          /⌒ヽ/   / _)       \       
          /   \\//           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /    /.\/         ‐=≡   ∧ ∧
         /   ∧_二つ        ‐=≡   ( ´Д`) ハァハァ 待ってろよ〜
         /   /           ‐=≡_____/ /_
        /    \        ‐=≡  / .__   ゛ \   .∩
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              ;;⌒`)⌒`)‐=≡ (   ̄) 
                    
 
22通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:46:40 ID:???
172 名前: そうか!よし!萌える!(2/3) [sage] 投稿日: 04/05/18 20:37 ID:???

三月三日
                      _____
                    /
                    / おい!白棟には男しかいないらしいぞ!
                  ∠   
            ∧_∧    \_____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           (  ´Д`)  ,-っ      | そうか!よし!萌える!
          /⌒ヽ/   / _)       \       
          /   \\//           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /    /.\/         ‐=≡   ∧ ∧
         /   ∧_二つ        ‐=≡   ( ´Д`) ハァハァ 待ってろよ〜
         /   /           ‐=≡_____/ /_
        /    \        ‐=≡  / .__   ゛ \   .∩
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       /  /   >  )    ‐=≡  ⊂_/  /    /  .\_/
     / ノ    / /       ‐=≡    /    /
    / /   .  / ./          ‐=≡   |  _|__
    / ./     ( ヽ、          ‐=≡  \__ \
   (  _)      \__つ           ‐=≡ / / /
   . ̄         ``)         ‐=≡  // /
               `)⌒`)     ‐=≡ / | /
                ;;;⌒`)    ‐=≡ / /レ
               ;;⌒`)⌒`)‐=≡ (   ̄)

三月四日

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                    /
                    / おい!白棟の奴ら、雑誌発行するみたいだぞ!
                  ∠   
            ∧_∧    \_____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           (  ´Д`)  ,-っ      | そうか!よし!萌える!
          /⌒ヽ/   / _)       \       
          /   \\//           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /    /.\/         ‐=≡   ∧ ∧
         /   ∧_二つ        ‐=≡   ( ´Д`) ハァハァ  レビル様〜
         /   /           ‐=≡_____/ /_
        /    \        ‐=≡  / .__   ゛ \   .∩
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               ;;⌒`)⌒`)‐=≡ (   ̄)


23通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:47:28 ID:???
173 名前: そうか!よし!萌える!(3/3) [sage] 投稿日: 04/05/18 20:40 ID:???

三月五日
                      _____
                    /
                    / おい!あそこでイザークとニコルが猫達と遊んでいるぞ!
                  ∠   
            ∧_∧    \_____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           (  ´Д`)  ,-っ      | そうか!よし!萌える!
          /⌒ヽ/   / _)       \       
          /   \\//           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /    /.\/         ‐=≡   ∧ ∧
         /   ∧_二つ        ‐=≡   ( ´Д`) ハァハァ ネコ・タチだと〜
         /   /           ‐=≡_____/ /_
        /    \        ‐=≡  / .__   ゛ \   .∩
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    / /   .  / ./          ‐=≡   |  _|__
    / ./     ( ヽ、          ‐=≡  \__ \
   (  _)      \__つ           ‐=≡ / / /
   . ̄         ``)         ‐=≡  // /
               `)⌒`)     ‐=≡ / | /
                ;;;⌒`)    ‐=≡ / /レ
               ;;⌒`)⌒`)‐=≡ (   ̄)


三月六日

                    /
                    / おい!むこうで
                  ∠  
            ∧_∧    \_____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           (  ´Д`)  ,-っ      | そうか!よし!萌える!
          /⌒ヽ/   / _)       \       
          /   \\//           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /    /.\/         ‐=≡   ∧ ∧
         /   ∧_二つ        ‐=≡   ( ´Д`)    ハァハァ 続きはいうなよ〜
         /   /           ‐=≡_____/ /_
        /    \        ‐=≡  / .__   ゛ \   .∩
       /  /~\ \      ‐=≡  / /  /    /\ \//
       /  /   >  )    ‐=≡  ⊂_/  /    /  .\_/
     / ノ    / /       ‐=≡    /    /
    / /   .  / ./          ‐=≡   |  _|__
    / ./     ( ヽ、          ‐=≡  \__ \
   (  _)      \__つ           ‐=≡ / / /
   . ̄         ``)         ‐=≡  // /
               `)⌒`)     ‐=≡ / | /
                ;;;⌒`)    ‐=≡ / /レ
               ;;⌒`)⌒`)‐=≡ (   ̄)


24通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:47:56 ID:???
174 名前: おまけ [sage] 投稿日: 04/05/18 20:41 ID:???




  十_ヽ     |                    −、、                     ____
  く| _)      |                       \ 、                  /    
   十        |                      ,.−ヽV´ ̄`ヽ、         /     
   二)       |                      / /`ニ´\ニニニ`=、、       |  あいつらと同じ   
   ー‐、    |                  /   /ニニニニニニヽニニニニl 、      |   
    ‐ '       |         r‐ 、            '´|   lニ_ニニニニ_ニ|ニニニlコニト    |   ガンダムSEEDのキャラだと
   | 十     |       \ \ ,.,         { |   |((_,))ニ((_,))|ニニト!‐l、    |  
   レ .ノ     |        \ \` ,.      j |  l | ニニニニニニニ|ニニ|fヽ !   <    思われたくないから、殺していいか?
    |‐    /  _、−ヽ‐、_,  \ \`'、    !,|  ト|  ニ_,ニ,ニ,ニ,_ニ|ニニ|ソ/    |   
   Cト   (   ,>    ‐zニヽ、_\ \     i |  ! ,ィく∧∧∧∧>|∧|<     |   
      / ̄  フ  _,,ノニニフ====くー \ \'',,  } |  i、´|「三三三三|「//ニニ\   \
 ̄ ̄ ̄ ̄      Z.ィ'__, ===ヽ_,ニ,=/- - \ \   |∧| `lj'−ァ三三 'lj /ニニニニ\   \____
        ふ +  l ≡ ニニニキノコ=-    \ \       /`'ー一 ''´ニニニ/ニニヽ
         ふ   く  __,  ===∨==- -    \ \ _  /  ニニニニニニニニ/ニニニニニl
                ヽ、  ニニノニコニニ      Y´_,r`ヽ ニニニニニニニニlニニニニニニ|
 僕はもう           ̄くfK /l-\=-    { l  -'´_`Lニニニニニニニ|ニニニニニニ| {、
    あきらめたよ>   /|l7 ゙´==l===l=-    j} l   ´ rくニニニニニニニ|ニニニニニニ| }!
                 | ||  ニ/ニニヾ=-    ' 〉 ニニ{、 \ニニニニニj_,r─−-、」 j' ←イザーク
         ニコル→ l |l  ./=====|=-    / ニニ/' \/, \ニニニ/ニニニ/´                        終わり
25通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:48:21 ID:???
185 名前: 3月7日(1/2) 投稿日: 04/06/05 14:04 ID:yAsESRgX
Subject:さらば、ヤッサバ。インダスのかなたにレディゴー!
To:黒いサザンクロス([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれでもいいんですか・・・さすがですよ、ゲインさん。ぼくにはとてもとても真似できませんね。
ま、別に真似したいとも思いませんけど・・・それにしてもゲインさんのストライクゾーンは広いよなぁ・・・びっくりしますよ・・
っていうか貴方、実はそういう女性を狙ってターゲットにしてるんでしょう!?
駄目ですよ。やっぱり現実の男の方がいいだろ、とかいうような歯の浮くような常套句を口にするなんてぼくは認めませんよ!
まぁ、けど、あの人達がそれで大人しくなるならいいかもしれませんけど。彼女達かなり面食いだから、ゲインさんみたいな
ちょっと汗臭い感じのタイプはきっと嫌いだと思います。ゲインなだけにゲイのネタにされるだけですよ。多分。






突然ですが、最初のsubjectにあるようにヤッサバさんとアナ姫には帰ってもらいました。
これには色々と事情がありますが、簡単にいうと、まぁ、限界だな、とぼくが判断したからです。
舞台の役者としてガンダムキャラ以外はどうも存在させることは難しいようです。やはりキンゲの作品は別にすべきでした。
というよりも彼がいると、この計画そのものが混乱するからです。はい。

会長いわく、「彼を五回でキンゲから消したぼくの気持ちがわかったでしょう」

充分わかりました。もうインダスから二度と出られないようにしてくださいよ。彼を。
アナ姫を帰らせたのは、やっぱり彼女の年齢でエクソダスさせるのは可哀相だからです。いまならまだ間に合います。
まだこっちじゃ始まってませんからね。白棟はもう始まっちゃいましたけど。

けどヤッサバさんが「消えてやる!こんな世界からは消えてやる!」って泣きながらいってたのにはさすがに心が痛みました。
いつか呼び戻してあげたいけど、おそらくそんなこと会長が許さないだろうなぁ。・・彼がおとなしく消えてくれるとは思えませんけど。




なにやら白棟に、リフォームかなにかの工事の人がきて、トカトントンと棟内を修理していました。
僕には当然よくわからないんだけど、壁が壊れでもしたのかもしれません。男だけだから、ストレスで喧嘩でもしたんでしょう。

様子をみにいっていたセイラさんが、なぜか手打ちうどんをもらってきたんで食べました。
ゲイナーさん、うどんってしってますか?知らないでしょうね。
そうだなぁ・・・そっちでいうとボルシチみたいなものかな・・・ちょっと違う気がするけど、まあそんなもんです。
小麦粉をこねてつくるんですが、スープの味がよくて、結構身体があったまります。なかなかいけますよ。
けれど、大根を入れるのは意味がわかりません・・・っていうか苦いんだよなぁあれ。キモイ味。
26通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:48:43 ID:???
186 名前: 3月7日(2/2) [最近、ペース遅くてすいませんsage] 投稿日: 04/06/05 14:09 ID:???



明日からエクソダスが始まるのですが、この棟にいる連中は何をするのかさっぱりまだ理解してません。無能です。
まぁ、ぼくが教えていないのが悪いんだけど、それじゃあ困るので、一晩かけて配るための概要書をつくりました。
パソコン使うのは嫌いじゃないんだけど、印刷のとき音がガーガーしてウルサイんだよなぁ、これ。
もうボロイんですよ。アナハイム社製のものは品質はいいんだけど、音がひどいんですよね。宇宙で使用することを
前提として作られているからかもしれませんが。宇宙は騒音がないですから。それにしても五月蝿い。

ところでちょっと気になることがありました。
これは僕が偶然コピー用紙を倉庫から出して部屋に持っていこうと、談話室の前を通ったときに聞いたんですが、

ヤザン   「うぜー棟、つうか、この棟の奴ら皆うぜー」
ギムガナム「下品な愚民どもだな」
ヤザン   「この前、ホームページに荒らしがきてさぁ・・・ほんと切れそう」

とかカッターナイフ磨きながらいってたんですよ。これはやっぱりストレスが溜まってると解釈したほうがいいんでしょうか。
手持ち無沙汰なときが人間一番危険っていいますから。
なんか近いうちに何らかの犠牲者がでそうな気がするんですよ。僕の嫌な予感って大抵あたるんだよなぁ・・・
とりあえず明日からのエクソダス計画発表でこの危険が回避されることを祈ります。
部屋に戻ってかr僕がそんなことをニコルにいうと、彼はコピー用紙を印刷機にセットしながら
「あはは考えすぎですよ、それ。大丈夫ですよ、皆さん大人なんですから。そんな犯罪なんて」と笑っていってましたが、最近は
小学生の女児でも事件を起こす世の中なんですよ!ゲインさん!やばいんだ!この国は!
と、僕が一人意気込んだところで何も変わらないのが現状ですが。それにしても・・・なんだか嫌な予感がします。


ニュースみてると憧れのヤーパンだなんてとてもとてもいえませんよ。この状況じゃあ。サラもほんとこなくてよかった。
ま、僕なんかが考えても仕方ないですけどね。

あ、ようやく印刷が終わったようです。結構、枚数があったので時間がかかっちゃいました。後はホッチキスでとめればできあがりです。
明日はいよいよ計画発表。驚く棟のみんなの顔が楽しみです。ゲインさんはなんだと思います?
白棟は雑誌、赤棟は・・・・内緒です。
ヒントは僕です。もしわかったら、僕がこっちで手に入れた秘蔵の写真あげますから頑張って考えてみてください。
まぁ、ゲインさんじゃあ無理でしょうけどねぇ・・・
27通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:49:22 ID:???
190 名前: 3月8日(1/7) [sage] 投稿日: 04/06/09 15:26 ID:???
Subject:白棟は雑誌  赤棟は○○               (三月八日 )
Subject:さらば、ヤッサバ。インダスのかなたにレディゴー!
To:黒いサザンクロス([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お待たせしました!
パンパカパーン!正解発表で--す!さぁ、正解はなんでしょうか!わくわくしますね!
果たしてゲインさんのいってた脱衣マージャン説があたるかどうか!乞うご期待です!

・・って、そんな冷たい目をしないでくださいよ。せっかくぼくが盛り上げてやろうとしてるのに!貴方って人はいつもそうだ!
ぼくを騙したり、馬鹿にしたりして!脱衣マージャンなんてやるわけないじゃないですか!頭おかしいんじゃないですか?
大体このまえのサラのことだって・・・・いや、やっぱりいいです。パソコンの前でなにやってんだぼくは。
忘れてください。
と、とにかく昨日、いったとおり赤棟が何をするか教えてあげます。長いけどちゃんと読んでくださいよ!



っと、そのまえにもう一度、棟の中のメンバーを確認しておきます。

ニコルやヤザンそれにギムガナムがいるのは知ってますよね。あと女性陣ではカガリとラクスがいることも。
実は他にもいるんです。内緒にしていたわけじゃないんですが、紹介する機会もなかなかなくて。
カテジナ・ルースという女性とララァ・スンという女性です。あと、月の女王の女性、これがディアナかキエルかは僕にはわかりませんけど。
あと男ではウッソ・エヴィンという少年です。これはカテジナが入るときいてから応募してきたらしいのですが、詳しいことは不明です。
まぁ、人が多いほうが便利なので、それは別にいいんですけど。
とりあえずこれで全員です。全員で、えーと・・・・9人ですか。男4人に女5人です。あとは僕とセイラさんですね。
全員の顔写真は今度まとめて送りますから待っててください。



それじゃ今日の昼、談話室で行われた会長の談話を書いときますから。

28通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:49:48 ID:???
191 名前: 3月8日(2/7) [sage] 投稿日: 04/06/09 15:30 ID:???
    
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

会長「まず、発表までに大変長らくお待たせしたことを深くお詫びしたいと思います。これには様々な事情があるのですが、
ここで見苦しく言い訳するのは小生の哲学に反するので何もいわないことにします。
ただひとつだけいうとすれば、諸君らにとってみればこの最初の緩慢な空気は最早味わえないものになるでしょう。
ともすれば、今までの時間は退屈ではなくてかけがえのないものだった・・と回顧することになるやもしれませんが、
それは人それぞれでしょう。小生とすれば諸君らがこの時間を有意義に過ごしたことを願ってやみません。
さて、それでは本題に入りますが、このB棟、つまり赤棟が何をつくるかといいますと、小生はそれを伝えにきたわけですが、
白棟で雑誌作りが行われていることを知らない方はいないでしょう。こちらは雑誌を作るわけではありません。
こちらが創るのは、ずばり・・・・

      , -―――-、
    /          \
   /             |
   |    ;≡==、 ,≡、|
   l-┯━| ‐==・ナ=|==・|   ゲームです。ゲームソフトを創るんです。
   |6    `ー ,(__づ、。‐|
  └、     ´ : : : : 、ノ
    | 、     _;==、; |
    |  \    ̄ ̄`ソ
    |    `ー--‐i'




皆が一瞬どよめきましたが、会長の話は続きます。

「小生が常日頃から思っていたことは、最近のガンダムのゲーム・・・それはたとえば連邦対ジオンであったり、
スーパーロボット対戦ですか?あれであったりするのですが、それのあまりに低俗なこと。それに嫌気がさすんですね。
もうロボットが戦えばいい。ロボット同士が戦ってればそれで満足。そんなのって、とっても馬鹿じゃない、ってことなんです。
それならば別にガンダムである必要はないんですね。例えばダイターン3でもいいし、グランゾートでもいいし、ダンバインでも
いいわけです。それじゃなくてガンダムとしてゲームを出すのであれば、そこに意思がほしいわけです。メッセージといってもいいです。
それがないのなら、VガンダムのDVDボックスと同じく見れたものじゃないんです。買ってはいけませんってことになります。
エンターテイメントの意味を履き違えたゲームが多くなってきているということなんです。お分かりですか?きっとわからないでしょうね。
ゲームをしててもぜんぜんハッピーじゃないんです。とはいっても口ではよくわからないでしょうから実例を目にかけることにします」
29通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:50:24 ID:???
192 名前: 3月8日(3/7) [sage] 投稿日: 04/06/09 15:34 ID:???
ここで会長は談話室に置いてあるテレビにファミコンを接続して「機動戦士Zガンダム HOT SCRAMBLE 」を映し出しました。
聞き覚えのあるメロディが流れます。僕はソフトを確認したんですが、金色パッケージなので、これはおそらく非売品である
ファイナルの方です。といってもゲームといったら臭作しかしないゲインさんにはわかんないでしょうけど。たった1000本のレアなやつです。
かくいう僕もこれをしたことはないんですけど。懸賞かなにかだったよーな気がします。


「これをみてください。これはいわゆるゲーム黎明期にでた作品です。この頃は映像技術もあまりないのでこれが
 精一杯でした。音楽も画像もちゃちです。操作性だってひどいもんです。ストーリーはないに等しい。
 だが、小生はこれは容認できるんです。これはまだボクにとって新鮮さを感じましたから。誠実さがありました。ハッピーです」
そこで、ファミコンの接続を外すと、会長はゲームキューブを取り出して接続した。
先ほどとは比べ物にならないほど美しい画像がディスプレイ前面に映し出されました。
 
「戦士たちの軌跡です。この頃になると今見て頂いたファミコンに比べてどれだけ技術力が進歩したかがご理解できるでしょう。
機体は滑らかになり、数ビットしかなかった頃にくらべると音声は格段に飛躍しています。合間にアニメすらあります。 しかし、そこにあるべき思想。メッセージ性という面では皆無です。仮にあるとしてもそれは20年前の旧態依然の1st原理主義の頃のものにすぎません。
この点ではこれはファミコンゲームと同じくらいちゃちだということがご理解していただけるんじゃないかと思います。つまりアンハッピーです」
会長はここでディスプレイを切ると、談話室に設置されている伝言板にチョークで大きくこう書きました。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                 人類ニュータイプ化計画


白ーー文学的側面から読者への精神的感化を促す
赤ーー映像的媒体からプレイヤーへの精神的感化を促す

白+赤= 両側面から刺激されることにより高次元の認識が可能になる→現実認知としてのガンダムからの脱却→ 新世界

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


注)これは会長が書いたことをそのまま丸写ししてるんで僕に説明をもとめないでくださいよ。僕だってわかりませんよ。こんな意味。
30通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:50:51 ID:???
193 名前: 3月8日(4/7) [sage] 投稿日: 04/06/09 15:40 ID:???
「白棟では小生は彼らに雑誌、つまり文学を媒介として思想を伝達することを試みています。まだ始まったばかりなので
この試みがどうなるか、それはわかりません。ただ、ガンダムという作品の表現媒体を考えた時、これは有効なのではないか、と
小生はひそかに自負しています。アニメ以外で考えられる表現方法といって思いつくのは文学がまず第一だからです。
そして、こちらでは今説明したように、ゲーム、です。諸君らにはゲームを創っていただきたいと思うのです。バンダイなんかに
負けない面白いゲームです。ただし大衆に迎合するだけの作品はいりません。独自の切り口とメッセージ性を内包した作品を小生は期待
しています。ゲームと雑誌。どちらもハッピーなものにする。他のアニメーターやゲームクリエイターが恥ずかしくてしんじゃいたくなるくらい
斬新な凄いものをつくってみてください。戦闘にとらわれることなんかないんです。そんなの気持ちよくないんです。ぶっとんだ作品でいいんです。もうそうしたら、すごいぞ、おもしろいものができるぞ、ってボクはずっと思ってるんですから」


一息にここまで喋った会長は興奮のあまり、ひどく疲れた様子だったので、ここからはぼくが代わりに話しました。
といってもコンセプトは会長が全て話しちゃいましたから、補足ですけど。
ニコルに頼んで昨夜作り上げた資料を皆に配らせてから、ぼくは説明しました。



「ここからは会長に代わり、僕、ゲイナー・サンガの方から解説をさせていただきます。
まず今手元に渡った資料の一ページ目をみてください。これには今まで発売されたガンダムのゲームが全て記載されています。

カプセル戦記シリーズ
機動戦士ガンダム クロスディメンション0079
機動戦士ガンダム Ver.2.0 LIMITED EDITION
機動戦士Zガンダム 前編 ぜータの鼓動
機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で・・・
機動戦士ガンダム外伝T 戦慄のブルー
etcetc・・・・
などなど100作品以上ありますから詳しく一つ一つは説明をしませんけど、沢山でていることはお分かりかと思います。
これらの作品群に欠点があることは今会長がご説明したとおりです。これらは全てガンダムの本質じゃないんです。
ガンダムという名前を冠して、登場するキャラやメカを利用しただけの形骸化の作品に過ぎないんですね。
単なるアクションゲームがしたければ、ストU、メカゲームがしたければアーマードコアでもしてろ、ということです。
その点からここにあるゲームは基本的にはクソゲーだといわざるを得ません。魂がないんですね。
大体、アニメの焼き直しのようなゲームをして何が楽しいっていうんです?それならアニメでいいじゃないですか?
つまり、そういうことなんですよ。

それでは次のページを見てください。ここではゲーム初心者の方のためにどのようなジャンルがあるのかを説明しています。
アクション、RPG、シュミレーション、パズルなど色々ありますが、どの形式を選んでもらっても結構です。
要はあなた方に自分の個性を前面に出した作品をつくってもらえればいいのです。
例えば、ララァさんであればアムロとシャアの対戦ゲームをつくるのもいいでしょうし、ディアナ(キエル)さんであれば
月やムーンレースを舞台にした街づくりゲーム、つまりシムシティ形式のソフトでもいいでしょう。その辺は全くの自由です」

31通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:51:50 ID:???
194 名前: 3月8日(5/7) [sage] 投稿日: 04/06/09 15:47 ID:???

「どんなジャンルでも良いのでありますね?」
とラクスが聞いてきたのに僕は頷きましたが、内心、彼女が作るものはソフ倫に引っかかるんじゃないかと思いました。
が、そんなことを気にしてもしょうがないのでとりあえず話を進めました。発禁ものになったらなったときです。
「ええ、基本的には問いません」
「そうですか・・・ウホッ・・」
ラクスさんの質問が終わった後、今度はウッソが手をあげました。
「ロリ系でもいいですか。スージーをだしたんです」
「スージーでもカルルマンでもだしてやってください」

かれ、まだ12歳くらいだよな。やっぱりヤーパンはすすんでる。と、ぼくは感心してしまいました。


「それでは次のページにいきます。そこに地図が載っていると思います。これはこの辺りを1/1000サイズに縮小したものです。
赤棟がどこかは赤く丸印をつけていますのですぐわかりますよね。あ、はい、それならいいです。
それじゃあ、そこから目の前の坂道を降りると商店街があるのがわかると思います。左手にパン屋があるのがわかりますか?
近くにスーパー「リガミリティア」があるんですけど、わかりますね?それじゃあ続けます。
その先に十字路がありますが、玩具屋があるほうに曲がってください。「買えよ。国民」っという名前の店です。
この店の真向かいに、さっきとおなじで今度は青い丸印がしてるのがわかりますか?あぁ、皆、大丈夫ですね。
ここが作業場です。ここには最新鋭の機材を揃えていますので、ここでみんなにはゲームをつくってもらいます。
ハードはなんでも構いませんが、やはり一般の方にしてもらうには広くマーケットのあるものがいいでしょうね。
ぴゅう太、なんかは駄目だということです。この作業所、ドームポリスは24時間いつでも開放してますからじゃんじゃん
泊り込みもしてもらって構いません。作品が完成するまでここがあなた方の仕事場ということです。
なお、ゲームの制作方法などは、残りのページに詳しく書いてますのでそれを読んでください。質問はありますか?」


すると、質問があるんだけどよぉとヤザンさんが手をあげてきました。
「だいたいのところはわかったが、肝心なことが一つ抜けてるぜ。
いったい期限はいつまでなんだ?白棟は一週間かそこらくらいで一冊発行するみたいだが、ゲームはそんなに簡単にできないぜ。
まずどんな形式にするか考えないといけないし、シナリオ、プログラミング、グラフィックなど仕事は山積みだ」
1
32通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:52:25 ID:???
195 名前: 3月8日(7/8) [sage] 投稿日: 04/06/09 15:58 ID:???
もっともな質問でした。彼はオールドタイプのなかではなかなか評価が高いらしいんですよ、ゲインさん。それなりの男です。
といっても見た目がかなり凶暴な外見なんで誤解されているんですが。
「これには私から答えましょう」
僕がいおうとしたら会長がしゃしゃりでたので引っ込みました。
「まず君らには数日後・・・そうですね、5日ほどあげましょうか。それまでにシナリオをつくりあげてもらいます。
できれば絵も添えてほしいですね。どんなゲームなのか考えてきてください。あと、ターゲット層も明記するのを忘れないようにしてください。
それというのもやはり創る以上それは売れなければ意味がないからです。白棟でもいいましたが、結局、結果というものは
目に見える形でださなければいけないんですね。そうしなければそれは結局、ただのオナニーになっちゃうぞ、とボクはいいたいんです。
一部の人間にだけわかる高尚な作品をつくってしたり顔をするやつらはしんじゃえばいいんです。それは間違いなんです。
イノセンスなんてものはそれの極致であったと思うんですね。あれは自慰以外の何者でもありません。気持ちいいのは自分だけです。
話がそれましたが、どのような方針でどのようなストーリーのゲームをつくるのか、それを13日までにレポートで提出してもらいます。ええ」
「そして?」
「それをですね。ネットに公開して、不評なゲームソフトを考えてきたものには消えてもらいます。
白棟風にいうと「打ち切り」というやつです。そして、残ったものを更に選考していきます。その後のことは、そうですね、
そのときにまた公表しますのでとりあえずはシナリオを頑張ってつくってください。もうね、脚本っていうのは大事なんですよ
いつまでも旧時代的な作品に引きずられている脚本はもうね、あきあきしてるんです。あれこそ重力に縛られたゴミです」
会長の説明にヤザンさんは満足したのか、シナリオかぁ・・とかなんとか呟きながら着席しました。
ほかに質問したい人がいるかと思って少し待ちましたが、もうなさそうでした。それで僕は閉会にしようとして
「とりあえずシナリオができたら僕にみせてください。そのつど、キングゲイナーの僕がゲーマーの視点からアドバイスをしたいと思います」
といいました。会長もにっこりと笑って続けました。
「それじゃあ、皆さん、期待しています。オマンコが締まるくらい素晴しいゲームを考えてきてください」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


とまぁ、こういうことですね。わかりましたか?
僕がすることは要するに、ゲーム制作の補助、ということです。ただでゲーム開発に携われるなんてラッキーです。
一度ぼくもこんなのに参加してみたかったんですよね。だって面白そうじゃありません?
けど、参考とかいっていままで発売したあらゆる種類のゲームをやらされてるんですが、それがすごい疲れます。
面白いのもあるんですが、大半はくだらないものばかりなんですよね。だいたいネット対戦もできないゲームなんて嫌いなんですよ。


今日はこんなところですかね。それじゃあ、サラに・・・
あ、そうそう、この説明会の後、会長がファミコンを置いていってたんですよ。だから、ちょっとしてみました。
そのときの僕の感想を載せときます。それじゃ。
33通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:53:05 ID:???
196 名前: 3月8日(8/8) [5300円返してくださいsage] 投稿日: 04/06/09 16:03 ID:???
「Zガンダムホットスクランブル」をプレイしてみる

     /\___/ヽ
   /    ::::::::::::::::\
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::|   
  |  、_(・)_,:  _(・)_, :::|   どんなゲームなんだろう
.   |    ::<      .::|
   \  / −  ヽ ::/
   /`ー‐--‐‐―´\


オープニングでモビルスーツの説明とともにBGMでZの主題歌がしっとりと流れる
3Dが少し見づらいので最初は難しいが、キングゲイナーの僕には簡単なくらい

出てくるモビルスーツをきっちり倒しつつ着実にステージをクリアしていく

     /\___/ヽ      あ
    /    ::::::::::::::::\  あは
    |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| はっ
    |  ゙  ̄"  |゙ ̄ " :::| は
    |     ` '    ::| は
    \  ヽニニ='  ::/ は
    /`'ー‐---‐一'´\ ♪

要塞内の面でついにキュベレイが登場した

    /\___/ヽ   ( こ
   /    ::::::::::::::::\ 
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::|  ┼'っ 
  |  '"⌒` ,: '"⌒` :::|   l
.   |  , 、_:< __,、  .::|  
   \ /\i_i_i_/ヽ ::/  l | 
   /`ー‐--‐‐―´\    ノ

だが、なぜかキュベレイは絶対に破壊できない

ファンネル放出される

    /\___/ヽ   ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ
34通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:53:33 ID:???
201 名前: ニュータイプ的生活講座(1/7) [アムロですsage] 投稿日: 04/06/21 16:21 ID:???
「ニュータイプ的生活講座」            アムロ・レゐ



序文

これはニュータイプになりたいな、なれたらいいな、などという素晴しいことを日々考えている諸兄姉に送るものであります。
新人類に成りたいと思っているのであれば、この文を読了なさい。
そうすれば、君の目の前に煌々と新次元への階段が出てくることでしょう。新世界への扉が上にはあります。
上るか、上らないかは勿論、君たちの個人的自由でありますけれども、ロープが目の前にあるのですから
カンダタよろしく必死に上り詰めてみてはいかがでしょうか?






35通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:54:16 ID:???
202 名前: ニュータイプ的生活講座(2/7) [sage] 投稿日: 04/06/21 16:25 ID:???
講座その1 「知らない男とでも戦闘すべし」

第一講座は積極性について述べます。戦闘についてであります。
戦闘というものはいつもいつも行われているものではありませんので、当然途中に間隔があくことがあります。
作戦都合上のこともありますし、機体の整備の問題もあります。又、敵である組織団体から停戦の要求があったのかもしれません。
そういうときに、我々は暫しの休息を味わうことになります。我々はこのときにだけ、一時の間、鉄の棺桶たる操縦席を離れることを
許可され、兵器の一分子として存在することを辞めることができます。つまり人間に復権できる瞬間であるのです。
この僅かな時間に人は酒を飲み、大声で喚き散らし、酒場のウェイトレスを口説きます。うまくいけばその夜は彼女と一夜を明かせる
かもしれません。そして、翌朝には何事もなかったように再び軍務に戻るのです。

さて、めでたく停戦が相成ったといたしましょう。我々はとすると、平穏で怠惰な日常に回帰することができます。
徴用兵であれば自分の仕事場や家庭に戻りますし、学徒兵であれば学問に再び励むことになりましょう。彼らは生死の切れ端を
味わったことで、一瞬一秒の大切さに気がつき、時間を惜しむかのごとく勉学に励むことでしょう。
しかし、これが職業軍人であれば話は別です。彼らにとって存在価値は戦闘にしか発生しません。戦闘が彼らのレーゾンデートルで
あるのは明白です。だから、戦闘がない間、彼らは新兵の指導にあたったり、くだらない監視の任務などにつくことになりますが、
心はここにあらず、ということでしょう。暫くの間はそんな怠惰も心地よいでしょうが、じきに戦闘がしたくなるものです。
人は平和を求めていながら、個人的には混乱を求めるものでもある矛盾の多い生き物だからです。

そんなこんなで数年が過ぎます。貴方のフラストレーションは溜まりに溜まってます。
それは風船に空気を詰めすぎた有様に似ているものです。少しでも不用意に触れればそれは破裂することでしょう。
そんな時、貴方の元に一枚の手紙が届きます。そこには決闘いたしたく候、などと古風なことが書かれているとします。
このとき、通常の人間であれば、莫迦なやつもいるもんだ、とその手紙を破り捨てて友人への話の種にでもすることでしょう。
おそらくジオンの残党か何かのやつさ・・時代錯誤もはなはだしいよ・・と仲間にいっておしまいであります。
仮に鵜呑みにして戦闘をしたとしてもそれは軍令違反で処罰されることはわかっているし、なにより危険だからです。
戦闘をしたいとおもっていても危険な目には遭いたくない。それが普通の発想であります。

だが、それでは貴方はいつまで経ってもニュータイプにはなれません。ニュータイプであればこういう馬鹿げた手紙がきたら
「悔しいけど僕は男なんだな・・・」と友人にニヒルに語ってみせて、決闘に赴かなければなりません。
このとき上官から「なにやってんの!」とビンタを食らうとなお、貴方の無謀ぶりが強調されていい感じです。こうでなくては悲壮感がでません。
ある一定量を越した滑稽さというのは悲劇性を孕むものだからです。これはサンチョ・パンサが眺めるドンキホーテの小説にその例を
見出すことができます。貴方は上官のビンタをもらった代わりに極秘の機体であるガンダムを借り受けることができます。


さて、決闘の場についた貴方を待っていたのはよくわからない機体に乗っているよくわからないパイロットです。
あたりまえのことですが、ここで有名なパイロットがでてくると思ってはいけません。それでは趣旨が違います。
しかし脳内で貴方が勝手に想像するのは構いません。寧ろ、想像しなければニュータイプにはなれないでしょう。
人を超越した想像力こそが新人類への鍵であるからです。
だから貴方は目の前の機体を サザビーであり赤い彗星が乗っていると思い込まなければ成りません。
「エゴだよ!」と貴方はしたり顔で叫んで敵を倒しましょう。


さて、無事に戦闘を終えた貴方を待っているのは独房への謹慎措置ですが、このとき決して納得してはいけません。
貴方は自己の正しさを主張し、この上官の横暴さを涙を流して糾弾しなければならないのです。
36通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:55:30 ID:???
203 名前: ニュータイプ的生活講座(3/7) [sage] 投稿日: 04/06/21 16:31 ID:???

その2 「童貞を守りとおすべし」


映画などをみると、新兵達が初陣の戦場に出る前夜に先輩の曹長から「この世の名残に女を抱いて置けよ!」といわれることがあります。
これは死んだ時に女を知らずに戦死してはあまりに哀れだ、という男の発想であります。
女を抱いて一人前、という思想が彼らには深く根付いているのであります。これは甚だ不穏当なのでここで反論しておく必要があります。
まず、第一に童貞のどこがいけないのでしょうか?貴方が尊敬しているニュータイプを思い浮かべてもらえればわかりますが、
彼らの大部分は童貞であります。もしくは処女であります。
いや、シロッコは違う、シーブックも違うだろう、などと反論もあるかもしれませんが、彼らでさえ童貞でないという証拠はありません。
寧ろ、筆者は彼らこそ童貞の代名詞であろう、と考えることもあります。シロッコの「動け!何故動かん!」とは股間のことではないでしょうか?
しかし、彼らが童貞であったかどうかは問題ではありません。それは研究者の仕事でありますから、門外漢の私は何もいいません。
大事なのは童貞でも英雄になりうるという事象なのです。むしろ、童貞のほうが英雄が多いといってよいでしょう。

第二に、童貞であることが自分の五感を敏感しているということにどうして気がつかないのでしょうか?
たとえば、これは想像してもらえればわかるとおもいますが、童貞の時分というのは夜な夜な妄想するものであります。
想像の中で自分達は好みの女性と接吻をしたり、胸を揉んだり、またチョメチョメしていることもあります。
これはあくまで妄想といわれるものでありますが、これを繰り返すことによって童貞というものは限りない想像力を持ちうることができます。
たとえば町ですれ違う女性をみるだけで、想像では彼女と自分は幼馴染だったという設定を構築して、数十年ぶりあう二人のロマンスを
脳裏に描くことができる。これが想像力の神秘です。人の思考はこの大宇宙をも飲み込むことができるのです。
だが、この程度の想像ではいけません。アッガイをみて顔を赤らめるようになって漸く一人前といってよいでしょう。
このランクになれば戦闘にでたときに、敵のザクをみてあらゆる可能性を一瞬で考えられます。
ビームライフルをうつかもしれない、ヒートトマホークをなげるかもしれない、ひょっとしたら大気圏で燃え尽きるかもしれない
そのときに無駄死にではないと励まされるかもしれない、けど無駄死にだろうな、かわいそうに・・・といったとこまで思考を働かせます。
これは戦場において生を掴むのに非常に大切な能力であります。

第三に、童貞であるということで貴方は生に執着できます。生きていたい、女を抱くまで死ねない。これは人として本源的な欲求ですから、
あなたはそのことを達成するために脳内エンドルフィンを大量に分泌して生きることに渇望します。戦闘では鬼人の働きです。
逆に女を沢山抱いた、と思われる人物ほど、生きることに希薄になります。スレッガーなどはその典型です。
また一作目では童貞であったハヤトは生き残りましたが、その後おめおめと結婚して非童貞となったハヤトはZZで敢え無く死んでしまいます。
これは童貞でなくなった所為であると断言していいでしょう。

このように童貞には非常に利点が多いのです。逆に短所が思いつかないほどです。いや、ないでしょう。
戦場で敵を落とすときにでる精神的快楽に比べたら、ちんけな肉の快楽などなんの意味があるでしょう。ありはしません。
また、これは筆者の発想ですが、ホワイトベースが生き残ったのは皆童貞だったからだと思うのはうがち過ぎでしょうか。
彼らは肉体的に童貞であり、また戦闘経験においても童貞であります。
童貞軍団であるから、敵のパイロット達は撃墜することを気の毒におもった・・・こう考えるとあの奇跡に説明がつくように思えます。

ということで結論としては貴方がニュータイプでありたいのであれば、童貞を守るべきであります。
しかしバックバージンを守るかどうかは人それぞれであろうかと思います。戦場という場所には何故かいい男が多いものです。


204 名前: ニュータイプ的生活講座(4/6) [sage] 投稿日: 04/06/21 16:42 ID:???
37通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:56:09 ID:???
204 名前: ニュータイプ的生活講座(4/6) [sage] 投稿日: 04/06/21 16:42 ID:???
講座その3「弱い者をいじめるべし」


こんなことをいうと眉を潜められるかもしれないが、書かせていただきます。
不愉快に思う方は読んでいただかなくて結構ですが、ニュータイプになりたければこれは外せません。
戦場は数が全てです。10機の機体を落としたものより20機の機体を落としたもののほうが優れているのです。
たとえば前者が落とした機体が全て高度な使い手のパイロットであり、後者が落としたものが新参兵であろうとそれは数字の上では
まるっきり解読できないのであります。となると、弱いものを倒すほうがいい、ということになります。
強いものを倒したところで名がうれているパイロットでなければ、人は認めてくれません。
シャアやランバラルなどを倒したならともかく、同じ程度の実力を持つ敵兵を倒したのではそれは歯牙にもかけてくれないのです。
すごく強い敵兵を一機撃墜するより雑魚機体を五機倒すほうが楽だし、利益になるということです。
私はこの辺のことがわかっていませんでしたので、莫迦正直に強い敵と戦ってばかりでした。おかげで撃墜数は二番であります。
これは決してテネス・A・ユング少佐への皮肉ではありません。いやいや、かくも弱い敵をよくも倒したものだと関心しているくらいであります。


戦場は数の論理です。書物や音楽もそうですが、数が多いのがいいのです。
たとえパイロットが「おかあさーん!」とか「僕のピアノッ」などと叫ぼうがそんなものは関係ありません。じゃんじゃん殺しましょう。
彼らの生涯などは所詮は我々の撃墜数に花を添えるためだけに存在したとでもおもっておきましょう。
赤い彗星でさえ、ルウム戦役で五隻の戦艦を落としてなければ今頃只の変態仮面だったでしょう。弱いものを苛めるのは最高なのです。
子供の頃に蟻の穴に水を流し込んで、大量に虐殺するときに、幼心にも奇妙な歓喜がわきあがってくるものです。
それを大人に成っても味わえるとはなんて贅沢じゃないですか!

しかしあまりに弱い敵ばかり倒していると非難をあびるかもしれません。
名前のあるパイロットを倒してなかったシャアは途中から「へたれ」「だめ男」「ロリ」などと呼ばれることになったのは承知のとおりです。
こういった汚名を挽回(返上ではありません)するためには強敵を倒す必要があります。
けれども、強い敵と戦うと負けるかもしれません。何故なら貴方はニュータイプになりたいのであってまだニュータイプではないからです。
こういうときには、あれを使って周囲の批判をかわしましょう。

まずは弱い敵を倒します。それもいつものようにあっさりと倒してはいけません。あくまで手ごわい敵とみせかけて倒すのです。
できれば体当たりをするのがよろしいでしょう。いつの世も肉弾戦というのは高く評価されるのです。
捨て身の特攻は神風の時代から、人々の賞賛の的であります。
さて、こうして無事に敵を倒した貴方ですが、すぐに帰還してはいけません。貴方の乗っている機体はけだるく宇宙空間を
さまよわなければいけません。無論、母艦に発見されやすいところを漂流するのを忘れないように。
そして、無事に味方のパイロットがみつけて声をかけてきたら、「あけてくださいよー」と無邪気にいってください。
あくまでにこやかに。さわやかにです。母親に甘える子供の如く声色をすれば尚効果的です。
そうすれば味方はなぜか涙を流しながら貴方を母艦に引っ張ってくれます。
こうして病院送りにされてしまえば、弱いものばかり撃墜した、などという中傷は影をひそめ貴方は神格化されること間違いなしです。
悲劇のヒーローというのを大衆はいつも求めていることを忘れてはいけません。


弱いものを苛めまくったあとは、最後が自分が弱いもの、庇護される対象になるのです。貴方は庇われて日々を平穏に過ごすことができます。
これこそ最高の処世術です。そうはおもいませんか?
38通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:56:49 ID:???
205 名前: ニュータイプ的生活講座(5/6) [sage] 投稿日: 04/06/21 16:50 ID:???
講座その4「人に迷惑をかけて死ぬべし」


とりあえずこれをお話して今回は休憩させてもらおうと思います。また要望があれば続きを書きたいとは思いますが、とりあえず終いです。
さて、貴方はニュータイプになりました。おめでとうございます。今挙げた項目を守ればとりあえずは貴方は英雄になります。
しかしちょっと待ってください。少しだけ、考えてみてください。
果たして「英雄」というのはどの時点で決まるか、ということです。いつの時点で貴方はニュータイプとして英雄になるでしょう?
確かに戦果を挙げている内はエースパイロットとして周りからちやほやされることでしょう。
テレビにも特集でとりあげられ、貴方の一挙一投足は国民の関心の対象になります。ファンレターも沢山くるでしょう。
しかし、どんなものにも飽きがきます。旨い刺身やステーキでさえ毎日食べればうんざりします。
次第に貴方のことを人々は話題にださなくなります。世の中には個人の興味をひくものなど天の川を流れる星の如く数限りなく
存在するのです。貴方はがっかりします。せっかく、ニュータイプになっても「そういえばいたっけ?」みたいになってしまっては仕方ありません。
そうこうしているうちに年を取って老婆に尿瓶を代えてもらいながら、こんな人生じゃなかった、などと思って死ぬのはひどく憂鬱なものです。
無様に死ぬよりカッコよく死にたい、と思うのは普通ではないでしょうか。つまり英雄とは畢竟、結末ありき、なのです。


たとえば、手持ちの本をみてみますと、カミーユ・ビダンなどは精神病院に入院したところで伝記は終わってます。
これ以降、彼がどうなっていたかはどの書籍にも載っていません。彼の人生があたかもそこで終焉したかのような描き方です。
次にジュドー・アーシタをみると、彼もまたやはり木星への連絡船に乗り込んだところで、ぷつん、と伝記は終わっています。
これ以降、彼が木星で成功したのかどうかなどは書かれていません。謎のままです。
この二つから推察できることは、大衆は彼らに平凡な人生の結末など望んでいないということです。
カミーユがあの後回復してファと結婚したとか、ジュドーがジャンク屋を開いて細々と生計を営んだなどという陳腐なみじめったらしい
ストーリィなどはみたくないのです。そんなものは売れない三流戯作に等しく、大衆にとって実に不愉快なのです。
とある30代の女性などはこんなことをいってます。


「彼らが老人になってしまうところなんかみたくないわ。彼らは早死にすべきなのよ!潔く死になさい!」


まさに至言であります。
この言葉に全てが集約されているでしょう。彼らはあくまで、英雄としての死を望まれているのです。
人として最早彼らは平凡に死ぬことはできないのです。
もし平凡に死んだなら、彼らはニュータイプではなかった、ということになるでしょう。壮絶な死、もしくは、悲劇的発狂などの方が
人々の琴線には触れるのです。そうでなければニュータイプたる資格はないでしょう。「余生」などいらないのです。
彼らは絶頂のまま、下降することなく、其の生涯にピリオドをうつべきであり、カンマなどは存在してはならないのです。
                                                                       
39通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:57:34 ID:???
206 名前: ニュータイプ的生活講座(6/6) [sage] 投稿日: 04/06/21 17:08 ID:???

ではここで、問題があります。一体、英雄的な死とはなんでしょう?
答えは一つ。人に多大な迷惑をかけて死ぬことです。
ナポレオンは革命を起こしてから死にました。シーザーは元老院などを混乱に陥れながら、ブルータスによって殺されました。
ヒトラーは戦争を起こして自殺しましたし、ギレンザビなども無辜の民、数十億人を殺してから実の妹に殺されました。
これらは全て、賛否両論があるにせよ、英雄的な死といってよいでしょう。
もしも彼らがこっそりとひっそりと死んだならば、それは英雄の死と呼ばれたでしょうか?甚だ疑問であります。
人は最後の瞬間に、全てが集大成になり、輝くのであります。

其の点でここにあげなければいけないのはシャア総帥であります。
彼の死に方は迷惑をかける、印象に残る、忘れ去られる直前の行動、の三点において条件をみたしております。
もしもここで彼は死ななかったら、そういえばそんな仮面の男いたなぁ、くらいの話題にしかならなかったでしょう。
だが、彼が一人で騒いで起こしたあの反乱の結果、今では彼は宇宙時代の革命家の代表、宇宙移民者の精神的支柱として
崇められています。後世には彼を慕ったゲリラ集団まで発生しました。草葉の陰で彼はきっと含み笑いをしていることでしょう。
これほど、生前と死後で印象の変わった男も珍しいかもしれません。殴られて泣いたことなど、もう誰も口にしなくなります。
死に方が壮絶であれば壮絶であるほど、大衆は感動してくれ、あれは偉大なニュータイプだった・・・と涙してくれるのです。・・・


墓石にはニュータイプここに眠る、と書かれることになります。おめでとうございます。


※あとがきに代えて※

さて、ここまでお話して賢明な読者の方々はわかったでしょうが、あえてご説明させていただきます。
貴方はニュータイプになりたければ、まず知らない人間でも容赦なく殺し、童貞を一生大事に守り、弱いパイロットを虐殺し、
そして最後には人口を少なくとも数万人以上減らす戦いをして死ななければなりません。
これを守って、ようやくニュータイプとして崇められ、ある種のカルト的信仰を得ることができるのです。素晴しいですね。
貴方は最早、人間ではなくニュータイプという存在だと大衆に認められるでしょう。

しかしーー。こんなことまでして、貴方はニュータイプになりたいとおもうでしょうか?またこんな定義を必要とするニュータイプなど
本当に必要でしょうか?全ての概念というのは捉えようのない事象であり、言語で定義を与えたときに陳腐化することを忘れてはいけません。
こういう人間がニュータイプだ、と定義づけられた瞬間に、その概念は翼をもぎ取られ、皮を剥がされてしまったも同然なのです。
大空を自由に舞い雷雲を発する青龍は、瞬く間に地に這い虫を食らう蛇に変わります。
もはや言語で説明できる単語になってしまった「ニュータイプ」などに何の価値があるでしょうか?あるわけがありません。
マスコミはニュータイプを只の戦闘マシーンのように誤用し、大衆はその説明に安易に納得します。
誰もがニュータイプといいながら、どのようなのがニュータイプなのかさっぱりわかってないのです。ただ定義にそっていれば、
撃墜数が多ければ、年が若ければ、それでニュータイプなのです。素晴しいと膝を叩きたくなるほどの単純さです。
どうです?まだニュータイプになりたいですか?

ここではっきりと真実を述べましょう。
最早ニュータイプなどというものはこの世に存在していないのです。あるのはニュータイプという実存から得られた
反射速度であるとか感情伝達能力などといった表層のものであり、根本にある革新的な思想ではなくなっています。

多大な努力払って貴方がニュータイプになったとしても、それは最早貴方が思い焦がれていたニュータイプという実存でありません。
希望に満ち溢れた貴方の眼前に残されているのは、思想の死骸に群がる単なる蟻の群れだけなのです。
そして、貴方の足にも蟻が這っていることに気がついたとき、最早身動きはとれず、悲鳴の雄叫びさえあげられないのです。
貴方は彼らの前に捕食され、また新しき思想の死骸と化すのです。

40通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:58:22 ID:???
214 名前: 3月9日 [保守してくださってる方々いつも有難うございますsage] 投稿日: 04/07/09 15:04 ID:???
メール送信履歴 (3月9日 22:52)

Subject ロランとディアナ(キエル)とカラオケと棟内恋愛事情(三月九日 )
To:サラ・コダマ([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
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風邪ひいてます。結構辛い。今日は段落ごとに説明します。




1  突然の来訪者



今日は立て続けに結構面白いことがあったんですよ。
まず、白棟からロランが逃げてきたんです。理由はグエンによるセクハラの所為だそうです。
彼の顔はびっくりするほど蒼白でした。綺麗な褐色の肌に漂白剤を塗りこんだのかと思うくらいに。

奥歯をがちがちと震わせて怯えている彼をとりあえずベッドに座らせました。
背中を暫くさすってやると次第に震えは納まっていきましたが、まるで屠殺される直前の牛のような怯えようで、
これはいったいなにが起きたのだろう、と僕は疑問に思いました。
もしかしたら、エクソダスが発動したのかもしれない。いや、あれは一斉に発動するというようなものではない。
けれど万一ということが。。。
と、僕が不安に駈られてはじめたころ、ようやく落ち着きを取り戻したロランが、ぽつりぽつり、と詳細を説明してくれました。
拍子抜けしましたよ。ただのゲームの賭けに負けただけのことだったんです。
しかも、「たけしの挑戦状」のようでした。あんな基地外みたいなゲームをよくもまぁ、やる気になったものだと呆れちゃいました。
くだらないゲームなんですよ。実に。あんなゲームにむきになっちゃってどうするの?って感じの。

一晩ここに置いてくれない?、と頼むロランをみて、僕はふとあることを思い出しました。

41通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:58:55 ID:???
215 名前: 3月9日(2/9) [sage] 投稿日: 04/07/09 15:07 ID:???

2 午前中の買い物


午前中のことです。
僕は前日、説明したゲーム製作所、別名ドームポリスの下見にいったんですが、その帰り道、
隣の古ぼけたゲーム屋を覗いたんです。買えよ!国民!という態度と目つきの悪い店主のいる店です。

そこはいつもガラガラで、見るも無残に寂れているのがデフォルトなのですが、この日は様子がちょっと違いました。
センスの欠片もない帽子を被った妙な男が二人でファミコンのディスプレイの前に屈みこんでいたのです。
足元には買ったのであろう、ファミコン本体の箱が無造作に置かれてありました。
狭い通路にしゃがみこんでるので僕はその脇を通りぬけるのに難儀しました。彼らは「バンゲリング・ゲイ」を凝視してました。
僕の目的はこの前でた「ガンダムシード 友と君と戦場で」というGBAのソフトだったんです。これは評判はよろしくないですが、
ガンダムのゲーム作成のマネージメントとして必要な資料だから仕方ありません。
目当てのものはすぐに見つかりました。僕はそれを手に取り、ラムネを一本手に取ると会計を済ませました。
外はしとしとと雨が降っていたので傘を差しながら帰途についたのですが、もう少しで棟という直前でまたさっきの彼らにあったんです。
帽子はもう何処かに捨てていたようですが、服と背丈が一緒なのですぐに察しがつきました。
彼らはこの雨のなか道路のど真ん中に立ち止まってなにやら熱心に話しこんでいました。はっきりいって異様です。
そしらぬ顔をして通りすぎるときに、彼らの会話が聞こえました。

「いいかい?さっき話した手筈どおり宜しく頼むよ」
「了解了解。とりあえずこのゲーム・・えぇとたけしの挑戦状だっけ?それをさせるように仕向ければいいんだろ?」
「あぁ、そうだ。事が上手くいったら銀行の君の口座に指定の額を振りこませてもらうよ…」

そのときの色黒な男の、恍惚といった顔ったらありませんでしたよ。もうキモ過ぎです。
もう片方の禿げかけた男は「えーと、まずこれをプレイして奴らが食いついてきたら・・」と指示を暗誦してました。
なんなんだろうと思いながら、僕は棟に帰りました。

42通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 22:59:52 ID:???
216 名前: 3月9日(3/9) [sage] 投稿日: 04/07/09 15:13 ID:???

3 ウッソとカテジナ


とまぁ、そういうことで、ロランの話を聞いて大体の筋書きはわかっていたのですが、僕は敢えてロランにはいいませんでした。
一つには余計なことに首を突っ込みたくないという計算がありました。白棟に関与しすぎるのはあまりよくない。
もう一つはただ、なにやら面白いことになりそうだったからです。
僕はだから、「それは大変だったねぇ。いいよ、泊まっていったらいい」と彼にいいました。
ロランは感謝カンゲキといった風に僕の手をとり涙を浮かべてました。
もちろん、単なる友情のためじゃあありません。恩をきせておくことが大切なのです。情報をくれるかもしれませんし。


怯えるロランを自室に残して、僕は何かあたたかい飲み物を調達すべく、食堂に向かいました。
そこにはカテジナとウッソがいました。ウッソはカテジナのために甲斐甲斐しく食事やら飲み物の世話をしていました。
そうそう、一ついい忘れていました。カテジナは目が見えないのです。ウッソはそれを自分の所為だと思っているのです。
どうしてこんなことになっているのかは、詳しくは説明しませんが、色々あったということです。
ウッソとカテジナはまるで親雛と子雛のような関係でした。そして、それは傍から見るとやや不自然でありますが、
どこか納得できるものもあったのです。

厨房にはセイラさんがいて、夕食の準備を忙しそうにしていました。僕は彼女に何か食べるものないか、と尋ねましたが無視されました。
彼女は白棟と赤棟の接触を僕以上に嫌悪していたからです。仕方ないことですが。
何かつまむものが無いと口寂しいのですが、あいにく、お菓子などというものは常備されていません。
セイラさんに頼むと彼女は渋々金米糖を作ってくれました。焼いた米に、氷砂糖を見ずにとかして煮詰め、小麦粉を加えて
まぶしながら炒めていくとできる綺麗な食べ物です。甘くて少し固いお菓子。懐かしい味です。
僕は皿にその真白な塊をのせて、あったかい紅茶を二つカップに注ぐと、厨房を後にしました。



43通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 23:00:17 ID:???
217 名前: 3月9日(4/9) [sage] 投稿日: 04/07/09 15:15 ID:???
4 企画書提出

部屋に戻ろうとすると声をかけられた。振り向くとそこにはカガリとラクスがいました。
なんのようです?と質問すると「お前バカかぁ?昨日言ってた企画書ができたからに決まってるだろう!」とカガリにいわれた。
そんなにいわなくてもいいでしょ!と思ったけど、ぐっと我慢しました。
「それは早いね。んじゃ、見せてもらって良いかな?」と聞くと彼女達は原稿用紙を出してきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
題名   『機動戦士ガンダムシード2 友と君と公園で』

概要   貴方は公園にいる一人の男性(ディアッカ)になり、いろんな男を便所に誘ってください。
      コーディネーターたる貴方なら出来るはずです。レッツトライ!本格アクションシュミレーションゲームとして製作予定。

ターゲット:アスラン、ニコル、イザーク、砂漠の虎、キラたん、にしこり、クルーゼ、ムウ・ラ・フラガ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一人ガンダム作品じゃないのが入っているのが気になります。


カガリ「どうだ?」
僕  「・・・・・・」
答えるのも億劫なので、その問いを無視してラクスの企画書に今度は目を通しました。
ラクス「私のはカガリのよりとても自信がありますわよ!」
僕「それは期待できますね」

そこまでいうのなら結構考えているのだろうとおもい、僕はちょっと期待して題名を確認しました。





ラクス・クライン   『機動戦士ガンダムシード3  僧衣を脱ぐとき』





 早     /::::l:::l::、:::::、:::::ヽ::、::::::::::::\:::\::::::::ヽヽ::::::ヽ   駄
 .く      /:::!::::i:::!:::ヽ:::ヽ::::::ヽ::ヽ、::::::::::\:::ヽ:::::::ヽヽ::::::',   目 
 な.     /:l::::!::::ヽ!::ヽ:::::::ヽ:::::::\:::ヽ、::::::::ヽ:::ヽ::::::::!::i:::::::!  だ 
 ん   ハ:::l:::::、::::ヽ::::\:::::\:::::::\:::`ヽ、:::ヽ::ヽ:::::!:::!:::::l
 と   /:::::::l::::::!ヽ:ヽ::::、:::::ヽ:::、:\::::: \::::::\::::!::::ヽ:!:::i:::l:l  こ
 か  !:/!:::::!::::::!::ヽ:ヽ{:::\:::ヽ::::\:::\::ヽ:::::::ヽ!:::::::}!::::l::li|   い
 し  j/:::l:::::!:、:::!::ト、:、:ヽ:::::`ヽ{、::::::\::::\{、::::::::::::::::i::!::l:l !   つ
 な    l:i:l::::i::i:、:l::lテ=-、:ヽ、_、::\_,≧ェュ、_、\:::::::::i::li::!::リ  ら
 い   !ハト:{:!:i:トN{ (:;;)ゝ、i >、{ イ (:;;) 》\::l::!:ト!!:l::l!ノ    :
 と     ヽ i、ヽ:ト{、ヾ ̄"´ l!\   `" ̄"´  |::!:l::! j:ll:!    :
  :      !::、::::i      l             u |:::/lj/l:!リ   
  :        ヾト、:!u                 j!/ j|:::リ
          ヾ!    ヽ  ‐       u /イ´lハ/
            }ト.、  -、ー-- 、__      /' !:://
             リl::l゛、  `二¨´    /  |/:/
         rー''"´ト!::i{\       /  / !:/
        / ^ヽ  ヾ!  ヽ _,,、'´    /  j/



44通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 23:00:42 ID:???
218 名前: 3月9日(5/9) [sage] 投稿日: 04/07/09 15:21 ID:???

5 微妙な心理戦。(或いは管理人との長い建前の会話)




没だと言い放ち、原稿をゴミ箱に捨てて立ち去ろうとした時、玄関で何やらおとがしました。
ガラス戸を引く音です。誰か来訪者が来たようでした。早くしないと紅茶が冷めるのに、とおもいながら僕は向かいました。
カガリとラクスはお互いの企画をみて「最高よねぇ」と言い合ってましたから応対に出てくれるわけがなかったのです。
いってみるとそこには白棟の管理人が目を瞑ってその場にぼうっとたち尽くしているのがみえました。
赤棟の内観の異様さに戸惑っているのでしょう。最初は誰だって吃驚するものです。
彼が来た用件はわかっていましたが、僕はなるべく彼に疑いをもたれないよう、注意を払って会話をすることにしました。


以下、彼と僕の会話です。(尚、AAはあくまでイメージで、会話は多少脚色しているとお断りしておきます)

僕「何かご用ですか?」(あくまで気軽な感じで)




    i:: ::::::::::::::::::、:::、:、:::、:::、:::::::::::,:::::::ヽ:::゙::::::ヽヽ::\::::::ヽ:::::',ヽ:::
    i::: ::::i::::::: ::::l\、ヽ::::ヽ::::::::::::',ヽ',ヽ、:::::、:::::::ヽ:::ヽ:ミ、:::ヽ、:::::
   i::::l:ヽ::::!::::::!:::l ッtー゙、:::::::::ヽ::'、::', ゙ヽ.ォ-=-、:::::::::::::ヽ:::ヽ:::',::::: 
.  i:::!l:::::ヽ::::::::::::l.il k::::::ハ\:::::::、:、ヾ:、〃k:::::::ソヾ、:::::::::::ヽ:::ヽ::::::   ・・・・突然すいません。
. ,ィ''i:l' !i::::::',:::::::i::::iヾ-.ニ_-' :ヽ:::',ヾ、ヽ.゙ 、..二...;シ ゙i:::::::::ヽ、::::::::::::   ロラン・セアックがこちらに来ていると聞いたのですが。
イ l リ  'i::l::::',::::::':,':! ゛""   i ヾ:、 ヽ` `""""  .li'i::::::::::::ヽ::::::::
..ヽ/ ',  i:il:::::',::::::kヾ、    !    ヽ           l!.l::::::::::::::::ヽ、
  ヽ ;  ii i::::、:::::', `     、              ! !:::;:::lヽ::',i!`
   ヽ ', ':, ',::i 'i::::':,     ヾ、 -‐           /.l::ハ::l ヽ::i !、
    ', ', ヽヾi ',:::::i、  ヽ、 ..__         , ' .i:l. リ /入',
    il ', ,ン''ヽ-'i:::l._ヽ   `.{i ゙マ''"""    /   i! ,/./ i`
   ,-┴'゙ ' ー ゙ 'i:l、 ゙\.  リ   i     ,..:''    ! , ' "  .i 
  /          ゙! ゙ヽ、 ヽ/   i  ,..::'::''     /, '  /.!←白棟の管理人(イメージ画)

45通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 23:01:18 ID:9xQoRYx0
219 名前: 3月9日(6/9) [sage] 投稿日: 04/07/09 15:25 ID:???

  ,. ‐';ニ"´ニイ:i!:、ヽ:.:`ヽ、_
/.:///:.イ:.|:|:|i:.:ヽ:.、ヽ:、ヽ、      あぁ・・
:.:/:/./://:|:.:|:!:|:|i:.:.:゙,:.:.:.リ:.ヽ\
./:.:/:/:.:.//ハ:.:i:.:l:.:.i:.:.:i:.ヽ`:|:!:.:ヽヽ    
:.:/.:/:.:./:.l!::.:.ハ:.V:.;、:i:.:.|:.:.ヽ|:.i:.i:.:.',:.゙:,   ※(さて、どうするか。ここでシラをきってロランは来てないというのも面白いが、
/l!:/.:.:/|!.|:.:./ハ:',:|:ヽ:、|!:.:.:.ハ:.||:.',:.i:、:',    そんなことをしてもこちらに何一つメリットはない。疑われるだけだ。けれど、
!|l,:!:.:.:.:|.| |レ/∧:l:メ!:.ヽ:.:|:.|/:.i:.リ:、',:|:.i:.i    ロランは帰ったら、グエンに本当にやられるかもしれない。まぁ、それでも
:|l.|:.:.:.:|!.:|:.//¬i:.{‐、.:|.ト、:l:|、:.!:.:.i:ヽ|:.|:|    エクソダスされるよりはいいだろうが、ショックのあまり彼に自殺されても困る。計画が狂う。
i:.:| |:.:.|l:.:.l/ィ示ヽミ !.メ| 〉ヽ!:|_!:.|:i.:N:.|   それにこいつは今は雑誌の編集で頭が一杯だが、いずれ赤棟に興味を持つかもしれない)
:.:.l!:l、.:.:l、:l`ヽ::ノ_, ' リ |i |.,.ィl、.|::!||:.メ:リ                               ※思考時間 0.2秒
、:.l!.N、:い!.        !く:::ソ } |:.:|/:/     ・・・彼なら僕の部屋で休んでますよ。
!:i、.i!リ ヽ!         , `~ /|:ノ:/ 
:.i|:iN  `      .: ノ  /:!レ/′
:、l:|ハ     、____    /::i/'′      (といっておくのが一番無難だろう。これならばこちらとしてはあくまで受け手だし、
小| ヽ     `''ー‐`''  /|/l          赤棟としてはただ保護しただけだという名目がつく・・・)
:.:トヽ  \       /                     




  /::i :::::::::;イ:::ヽ、::::::::::::::::`、:ヽ、 ::::::`:、`、:、、:::::`:::ー::- /
  //:::::゙ ::::::/:::゙、::ヽ:`:::::、::::::::::':;::::`'::::、:::::ヽ:゙、`、`::':ー‐-/  それはそれは・・・
/  !/:::::'、 ;':::::::::ヽ::::`:、:::::`::::、:::i:::::::::::::::`::、:',::';::ヽ;:::::::::/    
   ノ::/:ヽ ::::::::N゙ヽ::::`:::、:::::::::r!、::::、::_:::::::ヽl::ト:;:::::::::::;'    
  ,:';:.イ::::::::l`、 :::| ,'T \:、::::`ヾ、\;f'i  i\:::|:l:::゙、:::::::l       ご迷惑かけて申し訳ありませんでした。
 ノ'" |::::::::|;::、ヽ! l ヽ-' ` `' 、:::、`ヽ、`'' ' 丿.l:':::::::';:__」     
  , -+!::{'|!、::ヽ、`` -‐'    ` ヽ、  ''' ´ .ノ、::::::::l::`i       こちらのことはこちらでなんとかしますから、
f'´/  | |:;'  ヽ::::ヽ             / ||:;::::::、:::l     
 /     |    ゙;::f、`   、             | }:::;!`i、!         ロラン君を引き取らせてもらってよろしいでしょうか?
/      ヽ.   ';::ハ、.  、 ` `     ,     レ'.|:ハ .|/l
        ',  |: ヽ、  ー----‐ '"    // リ   '、
         ',   ',. i\          / / l    .::〉、
ヽ   ',     _',   ', l、 l\      ,. '´  」.._   .//\

46通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 23:01:48 ID:???
220 名前: 3月9日(7/9) [sage] 投稿日: 04/07/09 15:33 ID:???
      ____,....
  ,. ‐';ニ"´ニイ:i!:、ヽ:.:`ヽ、_         ・・・・・。
/.:///:.イ:.|:|:|i:.:ヽ:.、ヽ:、ヽ、       
:.:/:/./://:|:.:|:!:|:|i:.:.:゙,:.:.:.リ:.ヽ\     ※(カマをかけてきたな。ロランと僕は仲がいいことになっている。少なくとも、表面的には。
./:.:/:/:.:.//ハ:.:i:.:l:.:.i:.:.:i:.ヽ`:|:!:.:ヽヽ     勿論、ロランとしては純粋な友情だろうが、僕は違う。あくまでこれはエクソダスのための
:.:/.:/:.:./:.l!::.:.ハ:.V:.;、:i:.:.|:.:.ヽ|:.i:.i:.:.',:.゙:,     手段に過ぎない。白棟の情勢をしっておく必要があるからだ。ブラフだ。
/l!:/.:.:/|!.|:.:./ハ:',:|:ヽ:、|!:.:.:.ハ:.||:.',:.i:、:',     ここで彼にロランを渡すと、それは僕とロランが親しくなかったことの証拠にされてしまう。
!|l,:!:.:.:.:|.| |レ/∧:l:メ!:.ヽ:.:|:.|/:.i:.リ:、',:|:.i:.i    友人がレイプされるかもしれないのに渡すやつはいない。友情が嘘だと思われる。
:|l.|:.:.:.:|!.:|:.//¬i:.{‐、.:|.ト、:l:|、:.!:.:.i:ヽ|:.|:|    となると、ここは彼を庇っておいたほうが、管理人の倫理としてはマイナスだが、
i:.:| |:.:.|l:.:.l/ィ示ヽミ !.メ| 〉ヽ!:|_!:.|:i.:N:.|    ロランと友人関係を持つ一個人としてはプラスに扱われることになる。
:.:.l!:l、.:.:l、:l`ヽ::ノ_, ' リ |i |.,.ィl、.|::!||:.メ:リ    さて、となるとどう返事をするべきか・・・やはり友人をとったとすべきか・・)
、:.l!.N、:い!.        !く:::ソ } |:.:|/:/                                    ※約 0.13秒
!:i、.i!リ ヽ!         , `~ /|:ノ:/
:.i|:iN  `      .: ノ  /:!レ/′     あぁ・・けれど、今日はこっちで泊めようと思ってるんですよ。彼もそれを望んでますし。
:、l:|ハ       ___    /::i/'′       それに・・・ゲームの賭けの対象にされたんですよね?彼は。
小| ヽ     `''ー‐`''  /|/l          しかも貴方もそれに関与しているって聞きましたよ。賭けに参加させたんでしょう?
:.:トヽ  \       /              ちょっとは彼の気持を考えてみたらどうですか?!
                         (と、ここで友人の気持を代弁して憤慨するという熱い友情を示す)



         /!/ヽ::::\::ヽ\ヽ、::::::\ヽ:::::::::::ミ./
            /::::!i::::',ヽ::iヽ\:\!::\ヽ::ヽ`::::::::::ヽi.   :  :
         //:::::i:::::::'.,ヽ:i:::::::`::ヽ::::ヽ\:\:::::::::ヽi    :  :
         /::::::::::l:::∧:、::、:!::iヽ_::::::ヽ:::ヽ\:ヾ:::::≦   :  :
         iソ:::::::::!:i{:)ヾヾヽ::i {:ソヽ、::::::::ヽ\::\::::::i   :  :
        リ i!:::i:::::!゙=ツ` `ヾ!="  i::::::::`::ヽ:::::::ヾ',  :  :
        ! i:::!i::::i ヽ 、      i::::::::::::::::`:::、::ヽゝ
          リ i!'i:',  `       i::::::::::::::::::::::::\ミ、`-...._....-
           !  ! ハ. ヾニ=       !:へ:::、:::::::::ヽ\`
             i:i  ー     ,..ィリ  ヾ、シァヾミ、
               リヽ    ,..::'"  ! :  /'"/  `ーェ、
               `""´ヽ    :. // /    r'´  `- 、._
                   ヽ、  :/ /ン    i       `ヽ
                     ヽ'  /     i         ',
47通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 23:02:16 ID:???
221 名前: 3月9日(8/9) [sage] 投稿日: 04/07/09 15:44 ID:???

            /:::〃i::::',::::ヽヾヽ::ヽ\:、\:'.,',`ヽ::::::::::ミェ、、、           と
         /::::/::!::'::::::':,:'.,::::ヽヽ、::::::::::\\',:::::::::::::::ヽ ̄         月  て
           /::::::i:::::::i:::、::::::::ヽ:::、、:::ヽ::::、::::::\ヽ、:::::::::ヽ:ミー    な   光  も
         ,'::;::::i:::::::l!::!ァ、:::::::::ヾ:、r゙=、::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::`、ヾ、    り   蝶
         /シi::::i::i::::!:ii (::メヾ、::'.,メ (::ソ,゙i::::ヽ:::::::::ヽ::::::::::::ヽ、    ま  な
       /' i:::i::!::::::i '=テ' ` ヾ::ミ=" リ::::ヽ::::、:::::::::::::::::::::ヽ、   し  気
            i:::!:::i:::::!. ヾ .、  `    l!i:::::::::::::'::::::::::::::ミ`ヽ    た  持
          'i::::l !i:::'、 `        ! i:::::l::::::::::::::::::::ヽ`ヽ    :   ち
          'i::l i;lヾ、. ==-     , イリ,:::i゙テ、::::::::::::ミヾ、    :   に
              ';i il 'i:ヽ 'ー    ,...:': : i! ';:i'シ' `` ー-=:、ヽ
            ! ! 'i:::'、   ,...:'::::::  : ! // , ', -‐'''''ー 、\
                 リ `ー ヽ、::::::   ; ,'//〃     ` ヽ 
                     ``ヽ、 //  〃         ヽ

   ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;N      ヽ;;;;;;;;;/   l;;;;;;;;;;;;;;;;;/
  _」;;;;;;;;;;;;;;;;;ト!       ∨∨     |;;;;;;;;;;;;;;7´
 ̄`ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト、    ‐ 、        `i;;;;;;;;;/
  _>;;;;;;;;;;;;;;;;Nヽv- ‐ ミ:、__   _,,ィァ¬、vj!;;;;;/                   <赤棟にくるな!早く帰れ!
ヽ、`ヽ;;/rク7;;;ト、ミi{ {:::〉 l}>-z=i <i{ 〈:::} }/ Vニ,ヽ   ,_,ィ=-、 __,rー 、
 ';'、   { !、レハ、! ヾミ=−ジ~´   `ニ=‐'" ,}K //  //_, /,ィフ;;;;;/⌒ヽ
\};;;ヽ、>、 − i ヽ、     /゙ '^!   、、 ./ノ-'/  /;;{'´ _,/;∠ノ;;;;;∠,____
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;` ̄| }、  / ___ __ l ノl|'II゙_,ノ-';;;;ノ'´;;;;;;/;;;;;;;;;;_;;、-‐<´
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/| ヾミーム三三三三三ミニジノB;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'ー'´;;< ̄`
;;;;;;;;;;;;;;;r‐<|!ヽ,l  `ヾミ{从儿从儿从州' /Y^^i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;ナ' ノ  `ト、  `'ミ三三三三三ツ ハ ヽへ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;←突然奥から顔を出したセイラ・マス



    /::::i::::、:::ヽ、:::::\:ヽ:\::::::ヽ:::、::ヽ::、:',
    /::i|::l::ト、ヽ::、:::ヽ:、::::::\::ヽ::::l::::ヽ::i:::i:::!
   /:/:!:::!:|::ヽ:\ヽ::::、:\::::ヽ:::ヽ!::::::i::|:::!::!
   !ハ::|::::i::l:|心、:ヽ::\:ヽ_\、\:::ヽ:::|!::|:|i    ・・・・
    i、:!:|:、N{、ヒjヽゝ\ヾイ ヒj >、ヽi:、|!:|:l  (やばい。セイラのやつ、過剰に反応しすぎている。
     ヽ:!::トヽ ̄ l! `  ` ̄´ |::l::|:|j:,!:!   そんな対応をしたら何かこちらに含む所があると疑われてしまう。
      ト、::! u         j |::/lj:::!リ    なんでそんなこともわからないんだ?こいつを刺激してしまえば
        ヾ、  丶 -      リイ:|リ     遠大な計画の全てが水泡に帰してしまうというのに・・・馬鹿が・・)
        リヽ ‐、ー- 、_   /イ:::i        
       rー'"ト:l゙、   ̄   ./  , |::!      ・・・すいません。きにしないでください。彼女はちょっとヒステリー気味なんです。
      / ヘ ヾ ヽ、 _,. '   / |:'      (ちょっと苦しいな・・・このフォローは・・)




48通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 23:02:45 ID:???
222 名前: 3月9日(9/10) [sage] 投稿日: 04/07/09 15:46 ID:???

           __ __....、、
       /´:::::´::::::::<´
.       _i:::::::::::::::::::::、:::::::`≧ー-  ・・・・・すいません。もう帰ります・・
    ァ7::::::::::::::::::ヽ::::\\::::ャ、
     /,':::::::::::::::::::::ヽ::\::::ヽ:ヽ`ヽ    ロランくんは今日のところはそっちに泊めてもらったほうがいいですね・・
   /i:::::i:::::::::、::、::::、:::ヽ:::ヽ:::ヾヽ
   ソ::::l::::::::tj‐リヾミヾ_ヾ::::::::::::::゙i        それじゃあよろしくお願いします・・・
.   /::::::!::::::ト= ゙ ヾヒ'`i!::::::::::::ハ!
   l:il::::::::ハ.   . .  "" l!::::::::::!
、、._ リ i::::::l、  r‐┐   /:::::iヾl゙          あ、これはロランの着替えです・・・どうぞ・・
   ̄/ リ::::lヽ. =.-'  ,/:::::l !_リ-- 、   
   i 〃i!l. ヽ、... ィ::/kン于ラ r' ̄ヾY               渡しておいてください・・・
    i ヾ'、 'ヾ  ""゙/ i!.lヾ!//ヽヽ | l      へ,、
.    i `、ヽヽ  ,  ノ.i li //  llヽ i l   //:.、>`ー-.、
    ',  ヾ、.ー-‐,ン´,i l l i  〃l iヽヽ  ヾ、:::::::r┴-=、`i
  ',   '    `二――┴リ_l―サ┴'‐‐!l--、、_ヾxし/‐--ヽ!
ii    ,r‐''''''''ー|::::|    |        ~  i   i しー-- i
ii  /       |::::|    |          i   iーレ゙  l
!!/iソ;       |::::!     |           '   | ii   ノ
./ リ/       |::::    !             | i `ー /


 
                      ,'   ,:    /| i l l. ill. i  ! ,i l:::::::::   わかりました。渡しておきましょう。
                      ,'   /    / l   l. il|i l  ∧メ !::::::::         
                     ,'   ,'   . ,'i lハ ', i. ill    X ',、:::::::::: (やけにあっさり引き下がったな・・
                   ,'f ,' ,'  i i i! ! i l  i il i   i l.l! iヽ::::::::  初めからロランの着替えを持ってきてるってことは
                    li'}  ハ: ,'i i、! ', ' ヾi  i i  i l l l ! i:::::::r^  こっちに泊めさせる気だったのに、引き取りにきたなど
                      i!.i ソ il ir !ミ、、 i  !、 ', ! ',l  i ', ',',::::i    しゃあしゃあと白々しい手を使う・・ひょっとして今回の
                      l i ,' ハ i !! 廴ツ、ヾ  ':、 i i  i !ヽゝ::::l    ゲーム騒動は全てこいつが仕組んだことじゃないか?
                      !.li!.l|!| リ ` ェ、..ヾ ヾ、 ヽ:、 i ! ハ、!l ヾ、::l   となるとあの二人も初めから俺に見つかるようにわざと
                    ! !从      """ヾ:、ヾ: 、弌itーマ、:ヽi    あんなところで会話をしていたのか・・・?これは様子見・・
                     ′ i           .:: ヽ ー`=.公、`:i    こちらが思っている以上に、奴は赤棟に興味を持っている・・)
、、_                    _,r:::i     rー-‐ '''' ー ‐ --:: 、:ヽ::i
   `''''"'''ー- 、、、、、、、、、 -‐ー''''''' /:::'.     ``¨':':‐:::::::-::::::::、_  ヽ:;::l
               '"       ./" ゙:,  ゙、   ヽ、,..:::::::::::::::/ , ` 、  `
                __,      ',::、   ゙ヽ 、:_:::::::::::r ;´ ' ヽ、  ` -、     それじゃあ、お気をつけて。
         `;;=--‐‐''''""         ',:::、  `'':::::::::::::;: '   i    ヽ、,
        i´          ,      ',::ヽ    ::::;::i  _ -t^ヽ、_   ゙`       ロランは明日にはそっちに返しますよ。
           l          i       ヽ::`:ー ':::::i .ノ:i ノ:::::::: 〉        
         '          il      ,.ゞ=ー'"メ /::::レ:::::::::::/
           i           il   _ ,ィニ´ ニヽ    ーヽ:::::::::::::::/

49通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 23:03:34 ID:???
223 名前: 3月9日(10/10) [sage] 投稿日: 04/07/09 15:55 ID:???
6   自室にて
       __
      . ‐'"´  ,. -‐` 'ー- 、
     /    ∠-‐''''" ̄ ̄``ヽ.
    /  .       /~`´ヽ`、`、 ヽ
.   l  .'   :  .' /    l l l l l
.    l  i   i : i | {'" ̄` ヽト、} l |
   l  i  rl l トl、レi´「`  ィTiレヘノ
   |    l l l、 l  └'     U l        えらくおそかったですね。
   | :   :ヽl l `      、 ll         玄関の方で話し声がしてましたけど何かあったんですか?
.   | l : i  | ト、     ー_‐´.イl
   | l i l i| l      /i |l 
  ノ ノ l l l lヽl―‐┐ l二, l lノ
.  i ,' l _ノ-<`     、L_L ムL|_
/ ̄ `ヾ::::::ヽ      。`i/  `i::::i`ー、
       ヾ:::::ヽ     `i。  }:::



                 _,、r'´:::‐、`ヾ‐、`丶、
                /:::::l、:{⌒ヾヽ::ト、:ヽ:::::ヽ
               //!:::i:l:!::ヾ、::::::ヾ::!`ヽ:ヽ:::::ヽ
              〃:!:l::::l!:ト、::::liヽ、:::リ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
              i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:、:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
              l!::!:!:iト:::!:i:j/代トト、l:ハ::升ト!:l::!:!lj     いや?別に何も。
              li::l::N{:ヾVヘ「 ̄` lハ ソr‐テハ!:l/     
              !:l!:ト、l::l{`         !  j川/  
              ヾト辷N!       ノ  !:l/   (とりあえず今日のところはよしとするか。 
                 Yl:ト、    ヾ==r  ノ/     あいつが真理に到達する時間と、こちらがエクソダスする
                iN \.  ` ニ′/}'      時間。どっちが早いかは明白。それに気がついたところで
                 h   丶、  /        どうすることもできないという絶望感にひたることになるだけだ。
              ノ ̄´"''‐ 、   `¨´U        こちらとしては、あくまで友好を保ちつつ、それでいて距離を
           _rく    /癶V⌒!=| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  保つ関係を維持しなければならない。そのためにも、緩衝材として
      __,、=T下、``ヽ  /‐''"_, -ヘ|      |  ロランは必要だ。アムロはその点で役に立たないからな・・)
     /「 ̄´  ヽヽ \ ヽ/   ´  _,,厶ヘ       ∧=、、
     |八 \      __/      _,)ヽ___/  ヽ ``=、、
    ‖ \ ! V´ ̄:::::/      _,ノk>、`T!::::::":::\_   ‖



疲れた・・・
この後、ディアナ嬢がきてロランがドギマギするといった淡い恋愛話や、
その後に談話室のテレビを使ってカラオケをしたんですが、もう疲れたんでカットさせてもらいます・・
それじゃまた明日。たまにはそっちからメールくださいよ。サラによろしく。
50通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 23:05:45 ID:???
308 名前: 3月15日 [というわけでゲーム製作中。むずかしい。。sage] 投稿日: 05/01/17 22:21:12 ID:???
Subject:一週間振り プラス 業務報告
To:黒いサザンクロス([email protected],xx)
From:赤棟([email protected],xx)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ひさびさの連絡です。スイマセン。えーと、メール送るの一週間振りになっちゃいますか?
まぁ、こっちにもいろいろ事情があるんで諦めてください。大体、そっちからは全く連絡よこさないくせにあつかましいんですよ。

なんていったって、いまこっち(つまり赤棟)はゲームの制作をはじめてるんですから、大忙しなんです。
え?そうなんです。ゲームなんですよ。以前言っていたようにようやくゲームのシナリオができてきたんです。
ほんと疲れましたよ。ここ数日は喧喧諤諤の論議が繰り広げられてましたからね。まぁ、活気があっていいことではあるんですが。

形式はサウンドノベルです。ぼくはアクションがよかったんですが、だったらZガンダムDXでもやってろって話になったんで。
某かま○たちの夜を想像してもらえればいいかなと思います。あれ系です。
使用しているプログラムはNscriptってやつです。プレイ時間・容量はまだ未定。
絵の方もコツコツ描いているらしいのですが、まぁ期待するだけ損かもしれませんね。皆、想像はたくましいが絵はツンドラの
氷河のごとく苦手らしくて。僕のオーバースキルも役にたちません。
舞台は宇宙世紀、とだけいっておきましょう。ギャグ?シリアス?それはまだナイショです。完成するまで待っててください。
まぁ、まだまだ時間はかかるでしょうけれど・・・(げんなり)


いずれスクリーンショットでも見せられたら貼ります。そんじゃ、今日はこの辺で。徹夜で疲れてるんですよ。
あ、サラにヨロシクいっといてくださいよ。それくらいしか役に立たないんだから。
それと。暫くはゲーム制作関連しか情報送りません。「制作編」ですね。
こっちでの日常は「日常編」としていずれ報告します。色々あってますよー、色々。ちなみに白棟ではマ・クベが消えたそうです。
んじゃ。

51通常の名無しさんの3倍:2005/06/11(土) 23:20:28 ID:???
前スレ
第三回天下一武道会 巻乃三
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1075301140/l50

【天下一武道会】
http://comic.2ch.net/shar/kako/1035/10351/1035171094.html
【第二回天下一武道会】
http://comic.2ch.net/shar/kako/1037/10372/1037200217.html
【続・第二回天下一武道会】
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1044005101/(未HTML化)
【第二回天下一武道会 エピローグ】
http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/shar/1047130602/(未HTML化)
第二回天下一武道会 エピローグ
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1047130602/
↑(少なくとも私のギコナビでは読めないので、過去ログを。)
http://f4.aaa.livedoor.jp/~shar/Kassarelia/log/1047130602.html

第三回天下一武道会
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1055782914/(未HTML化)
第三回天下一武道会 巻ノ2
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1066232712/(未HTML化)

関連スレ
村上春樹的シャア専用スレ
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1083063293/l50(未HTML化)
52通常の名無しさんの3倍:2005/06/12(日) 19:05:37 ID:???
>>1
乙。突然圧縮されて落ちたんだよな。
ついでに過去すれのログもあったら頼みます。
53通常の名無しさんの3倍:2005/06/12(日) 21:49:44 ID:???
はい、過去スレは>51にあります。
変則的ですみません。
過去ログを貼って欲しいとのことでしたら、希望のものを挙げてください。

二つある「第二回天下一武道会 エピローグ」名義のスレは、
内容は同じと思われます。
私のPCに限って言えば、上は途中までしか表示されず、下はダウンロードできません。
それで、ミラー↓をつけました。
http://f4.aaa.livedoor.jp/~shar/Kassarelia/log/1047130602.html
54通常の名無しさんの3倍:2005/06/15(水) 22:08:15 ID:???

     ./l   ,-,   ,-,     
    /i l  y'- `‐‐'‐-i,   
    l i l  l ’ ι ’ l  マスコットキャラ の ドゴス・ギア
    l j l キ  iフ  メ  
    l i l   ̄l ̄l ̄`        
    (二)、_,./  `-‐‐‐-、,.-,
      liiil`‐-‐'i,/ / l___,3 .l-‐'
     (二)二二/‐‐,-,-‐,‐'
      ""    l /  l l
         __l l   ヽヽ
55通常の名無しさんの3倍:2005/06/17(金) 18:37:53 ID:???
げっこうちょう ピッピッピ
56通常の名無しさんの3倍:2005/06/20(月) 00:48:18 ID:tYcgKSXp
何かと思った。
それタンエーちゃう。
57通常の名無しさんの3倍:2005/06/20(月) 00:51:41 ID:???
Nかよ
58一部抜粋:2005/06/24(金) 18:41:56 ID:???
276 名前: 年末特別番外編 [本当にご無沙汰で申し訳ありませんです・・sage] 投稿日: 04/12/25 15:10:48 ID:???
第三回天下一武道会ーー年末特別番外編ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


白棟管理人の日記より(3月某日)



今日はとてもイイ天気だったので、私はスーパーに食材の買出しにでかけた。
タマゴやら牛乳やらが切れていたからだ。食材をキラしていては皆が煩い。とくにイザークとかが「なにキラしてんだ!」と
別のキャラと夢想してしまうから面倒くさいのだ。それで朝早く買い物にでかけた。その途中、ふと途中にある本屋に入った。
日経エンターテイメントを読むのが私のささやかな楽しみだったからだが、そこで私は予期せぬものをみてしまった。
ジャンプやらマガジンやら少年コミックが並んでいる棚の正面のスペースを全部使って

___/ ̄// 「」「」i                      / ̄ //
|_  __ ̄ ̄|| l二二il  ,「 ̄.| |  / ̄ ̄__L [][]i.  /  //
  7  // ̄|  ||  ̄ ̄  ,i'  |i' /  // ̄」  ̄|i'  /  //  
  /  //   |  ||     ,i'  |i'./_,二二..,   |i' /  //  | ̄ ||     
 /  //   |  || ____,i'  |i'  ̄  __,i'   |i' /  //__|  ||
/_//  [__|| 「______|i'    |___|i'/________|i


と描かれていた。一体なんのことなのか私にはよくわからなかったが、その棚にはインターネット販売しかしていない
筈の我が「週刊少年ガンダム」が所狭しと置かれていた。やられた。海賊本だ。
というか製造元の近くでこんなに堂々と海賊本を置くとはここは中国か?私は軽い眩暈を覚えつつ、その棚の本を
しばし物色した。どうやら週刊少年ガンダム雑誌ブームでいろんなパクリ雑誌が出版されているらしく、この
店にはそういういわば便乗雑誌を全て置いているみたいだった。昔「磯野家の秘密」という本が流行ったあとに「のび太の秘密」
「スラムダンクの秘密」といった便乗本が流行したのを思い出してもらえれば私の言いたいことがわかってもらえるだろう。
とにかくいろんな種類の雑誌が置いてあった。なかにはうちの雑誌より気合いれてつくっているのもある。

私は食材を買うのをやめて、その店にあったガンダム関連雑誌を5冊ほど買って帰った。そして帰ってじっくりと読んだ。
以下はその雑誌の評論と紹介である。雑誌の表紙と内容の一部と私の見解を載せてあるので、あわせて読んでみて欲しい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
59一部抜粋:2005/06/24(金) 18:42:27 ID:???
277 名前: 第一雑誌『ほぼ日刊愛国ジオン軍』 [sage] 投稿日: 04/12/25 15:14:03 ID:???


                『ほぼ日刊愛国ジオン軍』



                 , -─<`ヽ
                   /   ,ィ‐' ゙ー'`ゞ -r| |                   / |
       r‐─ヽ__ /    / 二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
       l,|`゙゙゙''―ll/      /r''"~ ̄^'ヽ,  "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
          ヽ     /    ノ    @  ;ヽ、 ヾ  ` ー- .._  ̄  [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
         'j_/i    r'il  _,,,,,,,,_,;;;;i゙! リ,._     ` − .._
           i   |l l''|~___;;、_y__ lミ;l゙'   i`ヽ、      `ヽ
              i    | l;| | `'",;_,i`'"|;i |    ヽ、  `ゝ     ノ
         /i      { ゙i ヽ, '~rーj`c=/     ミ、/       /
        / |      ` ̄ ヽ`ー"/ `ヽ__. -‐'"´     /
         ,'   ;!           ̄ '            /
       i   ,' i                     ,.ィ'´ヽ          |
        i   l |                 ,..ィ'"´  i. ゙l      _,人,_
    r--、 r-、   _i                    ┌───‐r┐ _ r-----、`Y´ ̄
  / / | |{ニコ|                フ _=.「Τヒ ゙'´__ ヽ`フ /.  |
 く  く.   | |   | , ─、r'^=zy^i^Lr'^-On(ゝレ、V | '/ノ l´, ┘|く_,.==、`ヽ
  \_ \.{ |{ニコ|.{(]「)ノ_/こ{(!゙「)ノ_/oト,トっ,)ノ_ノ| UYl |{_(コ_,、}{ (]_ソ ノ
     ̄  ̄、   l  ̄ `  ̄  ̄ `  ̄  ̄, ̄   ̄´  ̄  ̄    ̄ ̄
         ゙ 、 i               r'´      ノ   /
           `i             !     ,, ''  /
            i              !      _/




アオリ
      『国のために死にたい!国のためなら死ねる!国のためならこの身がどうなろうと構わない!
         そんなジオン公国国民に捧げる雑誌だぜェー!フゥハハハーハァー!』
      
60通常の名無しさんの3倍:2005/06/29(水) 05:56:56 ID:???
nurupo
61通常の名無しさんの3倍:2005/07/02(土) 08:01:01 ID:???
>>60
ふ、3日かかってしまったか……しかし、ここまでだ……



     がっ
62通常の名無しさんの3倍:2005/07/02(土) 12:42:27 ID:???
保守age
63通常の名無しさんの3倍:2005/07/07(木) 21:06:39 ID:???
64通常の名無しさんの3倍:2005/07/10(日) 14:55:53 ID:???
週間少年ガンダムまとめてよみたいけど誰かもってない?
65通常の名無しさんの3倍:2005/07/13(水) 17:57:09 ID:???
ない。

秋くらいには保管庫作りたいと、そこはかとなく思っているが。


66通常の名無しさんの3倍:2005/07/16(土) 14:10:08 ID:ttElR9GM
あげておく
67通常の名無しさんの3倍:2005/07/23(土) 21:40:42 ID:???
ho
68通常の名無しさんの3倍:2005/07/27(水) 21:11:05 ID:???
mo?
69通常の名無しさんの3倍:2005/07/27(水) 21:54:16 ID:???
232 名前: ブライト 1/3 [sage] 投稿日: 03/09/12 22:11 ID:???
2     『  木馬をめぐる冒険   』   ブライト・ノア


「私って美しい?」
木馬が僕にそんなことを聞いてきたのは、アムロ・レイが脱走した砂漠でのことだった。
そのとき、僕は煙草を吸いながら一人で星を眺めていた。彼女と話すときは一人じゃないといけないのだ。
「美しいよ」
僕は言った。事実彼女ほど美しい戦艦を今までにみたことはなかった。
滑らかな曲線。洗練されたフォルム。大胆な突起。すべてが僕の心を掴んでいた。
「少し形而上的にすぎるけど、とても美しい」僕は言った。
「嬉しい」
彼女はその大柄な体を少し震わせて喜んだ。僕は彼女にもたれかかった。
背中に彼女の硬い装甲を感じた。
「どのくらい美しい?」彼女が聞いた。
「ザクとグフが100機集まってマス・ゲームをしているより美しい」
「素敵」
木馬は体を震わせて喜んだ。あまりに喜んだのであたりに砂埃が待って仕方がなかった。
僕はパオロ艦長には悪いけど、彼女と話せるようになってよかったと思った。
木馬、つまり自分の戦艦と自由に話せるのはその艦の艦長だけなのだ。それは艦長特権だった。
僕は、それに気がついたとき、パオロ艦長が羨ましかった。尊敬した。いや、この表現は正しくない。
オーケィ、正直にいおう、僕はパオロに嫉妬していたのだ。

「戦争はいつまで続くかしら」
木馬が心配そうに言った。
「さあね。僕にはわからないな。けど、そんなに長くかからないと思う」
僕は、煙草を足元に捨てると、今度はビールを取り出した。
「私きっと壊されちゃうわ」
「大丈夫。君は僕が守るよ」
「ほんとに?」
「本当さ。僕が一度でも嘘を言ったことがあるかい?」
「私信じるわ」
僕は彼女の装甲にキスをした。硬かったけれど、それは決して嫌な感触じゃない。
「私のこと好き?」木馬が聞いた。僕はビールを飲みながら答える。
「好きだよ」
「どのくらい?」
「ガンタンクやガンキャノンやガンダムが君の中にいるのを嫉妬するくらい」
「あなたって最高だわ」木馬がくすくすと笑った。そして、ひとしきり笑った後、「守ってね」といった。
もちろん、と僕はこたえた。


けれど、結果的に僕は彼女に嘘をついたことになった。
ア・バオア・クーでのことだ。

70通常の名無しさんの3倍:2005/07/27(水) 21:57:14 ID:???
233 名前: ブライト 2/3 [sage] 投稿日: 03/09/12 22:14 ID:???
連邦とジオンの最終戦争。ア・バオア・クー。戦いは佳境だった。

戦場はますます激しさをまして、木馬を守るモビルスーツは一機もいなくなった。
カイやハヤトは既に白兵戦に突入していたし、アムロ・レイは撃沈されたのか反応がなかった。
そんななか、僕はマシンガンを持って艦長室にいた。
「ここをでなくていいの?危険よ」木馬・・彼女が僕にきいた。
「でたくないんだ」僕はいった。
「けれど、きっと守りきれないわ。私の体はすでにボロボロだもの」
木馬は淡々といった。
「貴方まで死ぬことはないわ。逃げて、生き延びて。」
「僕はここに残るよ」
「駄目よ」
「どうして?」
「どうしても」
そこで僕らの会話は終わった。彼女は沈黙して、僕はまたビールを飲んだ。
ミライがやってきた。
「どうしたの?ブライト。艦長が退艦命令だして、ボー、としているなんて」
「なにもしたくないんだ」
「なに馬鹿なこといってるのよ。ほら、艦長がでてくれなきゃ、士気があがらないわ」
ミライはそういって僕の手を引っ張った。
「君がやってくれないかな」
「ちょっとしっかりしなさい!貴方がしっかりしないと皆しんじゃうのよ!」
僕は顔を叩かれた。激しいビンタだ。一瞬意識が飛びそうになった。

「・・・わかったよ。すぐに行くから、君はカツ達をしっかりみててくれ」
そう。僕は艦長だった。艦長には責任がある。好むと好まざるとにかかわらず。ミライはうなずいて急いで出ていった。
一息にビールを飲み干すと僕は椅子から立ち上がった。そして、木馬に言った。
「僕は行くよ」
「ええ。」
僕は壁に手をやって、そっとさする。壁がすこしだけ身を振るわせた気がした。
「さようなら。今までありがとう」 躊躇いながら、僕は言った。其れ以外にいったい何がいえる?
「私。貴方に会えて。本当によかった」
彼女が笑ったように思った。
僕はドアを閉めた。非常サイレンが、けたたましく艦内には鳴り響いていた。口の中は血の味がした。


・・・一年戦争はこうして終わった。どんなものでもそうなように終わってしまえば実に馬鹿げた戦争だった。


71通常の名無しさんの3倍:2005/07/27(水) 22:07:12 ID:???
235 名前: ブライト 3/3 [sage] 投稿日: 03/09/12 22:19 ID:???

戦争が終わった後、暫くしてから僕は暇を見つけて砂漠に行った。ミライもつれてだ。
木馬を停泊していたと思わしき場所に、僕はバギーを止めた。
僕はそこに寝転んだ。ミライも黙って隣に座った。
ここで木馬と話してから半年も経っていない。けれど、僕にはあれから何年も経ったような気がした。
星は相変わらず、変わらない光を保って柔らかな色を降り注いでいた。

「ねぇ、私のこと好き?」
暫くそのままでいると、ミライが聞いた。
「好きだよ」
「どのくらい?」
「ガンタンクの砲台と同じくらい」
「ねぇ、前からいおうと思ってたんだけど、あなたって変わってるわね。」
ミライがあきれたように言った。

ミライが寝てしまった後、僕は蹲ったまま二時間泣いた。そんなに泣いたのは生まれて初めてだった。
胸にぼっこりと穴があいてしまったようだった。
ミライを手に入れてもそこが満たされることはない。そこは既に損なわれてしまったのだ。

「貴方にあえてよかった」
その言葉は僕がいうべき言葉だった。僕は彼女に何度も命を救われたんだから。
真空の宇宙。灼熱の砂漠。シャアの襲来。彼女は何もいわず、僕らを助けてくれた。けど、彼女はもういない。
僕は強くならなければならない。風が強く吹いて砂が舞った。そろそろ帰る潮時だった。

僕は、立ち上がると、ズボンについた砂を払った。空には、半分だけの月が鈍く光っていた。
僕はミライの肩を軽く叩いて起こした。彼女はすぐに目を覚ました。僕はいった。
「帰ろう」
「気持ちの整理はついたの?」ミライは目をこすりながら、僕に聞いた。
「知ってたんだ?」
「当たり前じゃない。私、そんなに鈍じゃないわよ」ミライはけろりと答えた。
「やれやれ」
僕はため息をついた。空には星が輝き始めていた。


アオリ「 そして七年後・・・アーガマをめぐる冒険。」

72通常の名無しさんの3倍:2005/07/27(水) 22:12:40 ID:???
保守がてら、「週間少年ガンダム・NO5」より。
73通常の名無しさんの3倍:2005/07/28(木) 23:07:30 ID:???
サンクス! 好きだったんですコレ
ところで「銀河鉄道の夜」をうpして下さる神はいらっしゃいませんか?
このスレの存在に気付いた時には前スレが既に落ちてて読めなかったので
74通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 23:27:35 ID:???
116 名前: 週刊少年ガンダム第四号! [sage] 投稿日: 03/07/28 17:11 ID:???

7    『     銀河鉄道の夜      』    アムロ・レヰ

 

概要    長編。童謡的な作品。長いので、途中一部省略したが、下にほぼ全文抜粋した。



・・・・   ・・・  ・・・・・・・




かたたん、かたたん。




かたたん、かたたん。




少年は気がついたとき、電車の中で、かたたん、かたたんと彼の身体は小気味いいリズムで揺れておりました。
かたたん、かたたん。電車は、線路の上を音をたてて走っています。

 (ここはどこなんだろふ)

不思議でならない様子で、少年は、せわしなくきょろきょろとあたりを見渡しました。
よくある連絡電車の三等車両だということに少年はすぐに気がつきました。窓の外は夜で、美しい星が沢山見えました。
      
「ようやく気がついたのか。」
いつのまにか目の前に、一人の男が、だいぶまえからそこにいたように座っていて、こちらをみてそう言いました。
「あの、ここ・・」
どこなんですか、と聞こうとした少年でしたが、其の声は其の後に続いた彼の声にかき消されました。
「随分長いこと寝ていたよ。けれど、起きてくれてよかった。」
そういって、彼はそれ以上しゃべることはないといった風に、口を閉じると、窓から景色を眺めました。
少年は当惑しきっていて、何か質問したかったのですが、
彼の態度は話し掛けられるのを暗に拒絶していました。
話し掛ける勇気もなかったので少年は黙っておかしいなぁ、と思いながら外を見つめました。
「時間が迫っていたからね・・・」暫く後に、彼はそう続けました。
その唇は、紫色で、血色が悪かったのが少年は、不思議に思いました。
75通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 23:30:07 ID:???
117 名前: 週刊少年ガンダム第四号! [sage] 投稿日: 03/07/28 17:16 ID:???



「あの・・・貴方は、・・・・・?」
少年は、そうつぶやくようにいうと、彼は、こちらを向いて怪訝そうな顔をしました。
その彼の顔は何処かでみたことがあるな、と少年は思いました。どこかでみたことがあるのです。けれど、わかりませんでした。
「まだ寝ぼけているのか?長く寝過ぎたせいかな。しっかりするんだ・・。君はもう・・しっかりしないといけない。
 もう寝てはいけないよ。景色でもみるといい。ほら、もうじき、星の川原につくみたいだぞ。」

彼はそういって窓から指を出して、外を指し示しました。
その指の先をたどってみてみると、確かに何やらキラキラしたもの、乳白色をした液体が其処ではさらさらと流れているのでした。
そのなかに、きらきらとしたものがあってそれは、何かというと、星なのでした。水素のように透き通った星なのでした。
牛乳のような其の川の中に、きらきらと豆電球のように輝く小さな星が集まって、そう見えるのでした。
「うわぁ・・綺麗だなぁ」少年は感嘆の声をあげました。青年も、目を細めて、満足そうに川の中にある星の粒子をみていました。
川原の石は、星でできているんだ、と少年は思いました。


少年は、その美しい風景をみて、あぁそうだ、ボクはこの電車にのっていて眠ってしまったんだ、ということを思い出した気がしました。
けれど、ボクはいつからのっていたのだろう?少年はそう思いました。
電車からくる涼しい風が少年の頬を優しく撫でていきました。電車は順調に、進んでいます。
 

かたたん、かたたん。



相変わらず窓の外では、川がさらさらと流れておりましたが、少年はあたりをまた見渡しました。
少年と少年を呼んだ青年のほかには、誰もおらず空洞のようにがらんとしていて、天井の白熱灯が静かにともっているだけでした。
「他には、誰もいないんですね。」少年が男に尋ねました。
「あぁ、この連絡電車は不人気路線だからね。いまどき、こんなのに乗る奴はいない。」
そんなものなのかな、と少年は思いました。


かたたん、かたたん。
      
76通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 23:31:39 ID:???
118 名前: 週刊少年ガンダム第四号! [sage] 投稿日: 03/07/28 17:20 ID:???



「この川にはね、鳥を捕まえる男がでるらしい。」と、彼が話し掛けてきたので、少年は再び窓の外を見ました。
「何処?」
「其の男は、ここで、ほらあそこに茂みがあるだろう?あそこで姿勢を低くしてじっと待っていてね、
鳥が水を飲みにきたところをすばやく手で捕まえるんだ。それは、あっというまで、鳥はつかまったことさえ気がつかないほどでね。
触られた鳥は勝手に死んでしまって、動かなくなるから、袋にいれてもってかえるんだ。」 
「もってかえってどうするんだろう。」
「売るのさ。きまってるじゃないか。元手がかからないから、真似をする人が後をたたないようだ。乱獲は禁止されてるのにね。
 まったく困ったものさ。あ、話をしていたら、ほら、あそこをみてみるといい。ちょうど、取っているところみたいだ。」

そういわれて、彼のいったところを少年は見てみました。
なるほど、帽子を被った背の高いすらっとした男が、川の真中にある茂みに立って鳥を捕まえていました。
鳥は、しばらく抵抗していましたが、彼が両手で足首を掴んでしまうと、すぐに固まって死んでしまいました。そして袋に入れられてます
よほど遠くなのか、電車は進んでいるのに、目線はあまりずらさくてよかったので、少年は其れを食い入るようにみました。
面白い光景でした。鳥はまるでその男に吸い寄せられているようでした。
    
「あれは、きっと鷺だろう。この川原ではあれがよく取れるから。近づいたらどうなるか考えないんだよ。あの鳥は。」
男はサングラスをはずしてながら、いいました。其のサングラスは、何処かで見覚えがあったようでしたが、少年はわかりませんでした


「ええ、そうですよ。」
そう返事したのは、今、川原の向こうでで鳥を取っていた男でした。いつのまにか少年の横に座っていたので、少年は吃驚しました。
「これは鷺です。他の鳥も取れることは取れるんですが、労力がかかりましてね。疲れるんですよ。
それを考えたら手を伸ばしたらよってくる鷺ほど楽なものはありません。一時間もあれば袋いっぱいとれます。」
「やっぱりそうですか。」
突然現れた男と、青年はそんな会話を交わし出しました。少年は、それに驚いてたずねました。
「今、向こうで鳥を取ってましたよね。どうしてここにいるんですか。」
その質問に、その商人らしき男は、こちらを不思議そうにみたあと質問の意図がわからない、といった風の顔をしました。
「どうしてって・・そう私が望んだからですよ。」
そう答えたので、少年はますますわからなくなりました。商人の男は、そんな少年の様子を見て、自分の子供に諭すように言いました


「望めば、なんでもできるんですよ。其れに気がついてない人には、それがわからないだけです。
 もしくは、そうすることを諦めているんです。初めから無理だと思ってるんです。それは、ひどく悲しいことです。」
     
そういいました。
77通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 23:33:04 ID:???
119 名前: 週刊少年ガンダム第四号! [sage] 投稿日: 03/07/28 17:27 ID:???



「それじゃあ、僕も望めばそんなことができるようになるの?」
そう尋ねると、商人は、困ったような顔をして、
「できるといえば、できなくはないですよ。けど、今は止めといたほうがいい。危険ですからね。」
そんなことをいうので、残念ですが、少年は挑戦するのをやめました。それに望む必要がないことに気がつきました。
どこにも行きたい場所が思いつかなかったからです。どこからきたのか、どこにいくのか思い出せませんでした。
「さて、それじゃあ、私はもうひと稼ぎしてきます。」
商人はそういったかとおもうと、また初めに現れたのと同じように、姿を消しました。
慌てて、外をみると、また先ほどのように川原の中央に、男がいて、こちらに手を振ってました。
少年は、手を振り返そうとしましたが、青年が其れを止めました。

「鷺をあんなにとるのは、いけないことだ。だから、手を振っちゃ行けない。」
少年は、よくわからなかったのですが、そんなものなのかな、と思って、手を振るのを諦めました。
     


(中略)


  

電車は緩やかな渓谷を抜けて、新しい場所にいきました。そこには、大きな野原になっていて、りんどうの花が咲き乱れていました。
星も燦燦と輝いていました。
「ほら、あそこが白鳥座だ。綺麗な星の集まりだろう。大きく蒼く燐のように燃えている星たちが、そうだよ。」 
青年はそういって、少年に満天の夜空に、一際大きく輝く星を指差しました。
確かによくみれば、星を線でつなげばということですが、白鳥のようにみえないこともありませんでした。
その白鳥の嘴(くちばし)の部分。橙色と三等星の星と、青みがかった五等星がかさなりあっていて、美しい二重星となっていました。
Albireoだよ、と青年は続けて言いました。アルビレオは白鳥座の、北十字の一角をつかさどっていました。
星の川原の中で泳いでいるように見える白鳥座は、とても美しく、躍動的でありました。


78通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 23:34:29 ID:???
120 名前: 週刊少年ガンダム第四号! [sage] 投稿日: 03/07/28 17:31 ID:???

少年は思わず息を呑みました。
其れはα星に比べれば幾分ひそやかな光でしたが、アルビレオには、哀光があり、背筋にぞくっとした感覚が走るようでした。
     
「あそこではね、一匹の白鳥が泣きながら、ずっと身を焦がしているんだよ。
 ある二人の男のために、この世から消滅した白鳥は、魂となってね。いまでもあそこにいるんだ。
 其れは事故みたいなものだったんだけど、男達は白鳥が死んだ後どちらも責任のなすり付けをしていてね。
 ひどいもんさ。どっちも白鳥を殺したのは、相手だって言い張るんだから。彼女の供養もしないでだよ。
 その所為で、白鳥は未だに安らかになれないんだ。ただ、悲しげに眉をひそめて、二人を見守っているんだよ。
 白鳥は、今でもあの二人の男のために祈ってその身を焦がしているのさ。彼らの幸い(さいわい)を祈って、ずっと。
 その白鳥の思いが、あぁいう閃光のような光を放っているんだよ。自分の身を焦がしながらね。
 それはとても苦痛なんだけど、白鳥は、そうすることが幸いだと信じてるんだ。彼らの幸いのためになると。」

「その男の人達は、その白鳥のことをどう思ってるんですか。」
少年は、それを聞いて、少女があまりに不憫に感じてかわいそうに感じたので、思わずそう言いました。
  
「・・その男達も、考え方は違ったとはいえ、・・彼女の幸いのためなら、身を焦がしてもいい、と祈っていたよ。」
「だったら・・」
「だけど、彼らには、それをするに至るには、遠回りをしすぎていて、結局、それはできなかった。
白鳥は、二人に仲良くしてもらいたい、と思っていたのだろうけど、それは彼らにとって無理な相談だった。
・・・いや、今考えると無理じゃなかったのかもしれない。
だけど・・彼らはわからなかった。仲良くしなかった。
それどころか、彼らは互いに殺しあったんだよ。周りの人間を沢山巻き込みながらも、彼らはそうすることを望んでいた。」
「そんな・・」
「ひどく馬鹿な話だろ?」青年はそういって、また白鳥座に視線を向けました。星は、きらりきらりと瞬きました。
呼吸しているみたいだ、と少年は思いました。

青年は、言いました。
「だけど彼らにとって、いつかしなければいけないことだったんだよ。子供が成長するのと同じように。星が、瞬くのと同じように。」
正当化するわけじゃないけどね、青年は、最後に笑ってそう言いました。けれど、少年は笑えませんでした。


「お話中、失礼ですが、切符を拝見させていただきます」


濃いねずみ色の外套を着た車掌が、帽子の所為で顔ははっきりとみえませんでしたが、いつのまにか通路にたっていました。
「あぁ、どうぞ」男の方が、胸ポケットからオレンジ色の切符をだしたのをみて、少年はそわそわしました。
「はい、どうも。・・・・結構です」
そういって車掌が切符を男に返すのをみて、少年は慌てて自分も持っていないか切符を探しました。
すると、後ろポケットに堅いものがあたったので、ええいと思って出しました。

79通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 23:36:45 ID:???
121 名前: 週刊少年ガンダム第四号! [sage] 投稿日: 03/07/28 17:39 ID:???

「はい、どうも。おや、貴方は次の駅で下車するんですね。
お忘れないように願いますね。この電車は行きしかありませんので乗り過ごすと大変ですよ」
 そういって、車掌はさらに少年の差し出した切符をまじまじと眺めて言いました。
「それにしても、君は随分長くこの電車に乗っていたんですねえ。こんなに長時間乗ってたらさぞ退屈だったでしょう。」
少年は、その意味がわからないので、曖昧に頷きました。
「だけど、ようやく目的地についてよかったですね。よい旅を」車掌は、にっこりと笑って、切符を返してくれました。
「ありがとう」
ほっとしながら、少年はそう答えました。


車掌が、去った後に、青年はいいました。
「今、車掌さんがいったとうり君は、次でおりなけりゃいけないよ。この電車は、下車する場所を間違えるとみんなが不幸になるんだ。」
「ボク、降りたくないな。このまま、この電車にのって僕も幸いをみつけてみたいんだ。」
少年は、そう願って言いました。すると、青年は困ったように首を振りました。
「幸いっていうのは、電車に乗ってればみつかるもんじゃないよ。君にとっての幸いは、また君が探すべきものなんだ。
白鳥にとっての幸いが、自分の身を燃やすことだったようにね。それは他人からは、理解できないものの場合が多いんだ。
すぐに見つかる人もいたし、ずっと見つからない人もいる。僕も僕自身にとっての幸いに気がついたのは、ほんの少し前なんだ。」
「その、貴方にとって、幸いってなんなんですか?」少年は、切符を大事そうにポケットにしまいながら、質問しました。

「ボクにとっての幸いは・・・」
そこで、青年は急に言葉を止めたので、少年はどうしたのだろう、と思いました。
青年は、窓からまだ遠くで蒼く燐と輝いているその星を見て、感慨深そうに目をとじていいました。


     「あの白鳥の火を、とめて、やすませてあげることだよ。」 

その優しい声色に、少年は、青年がとても白鳥を愛しているのだとわかりました。それでひどく照れくさくなりました。


     
『ピピ・・ガー・・まもなく、銀河ステーションでございます。お降りの方は・・』 

そう、汽車に備え付けられた古ぼけたスピーカーから、到着駅をしらせる声がしました。
少年は降りないといけません。少年の切符で行けるところは、ここまでなのでした。
少年は、悲しくなりました。この電車での旅ももう終わりかと思うと、涙がほろほろと零れ落ちるようでした。
まだまだ色々とめぐってみたいと思ったのです。もっといろんな景色をみて、目に焼き付けたいと思いました。
そしてなにより、この青年の話をもっと聞きたい、と思いました。
徐々に電車は、スピードを落としていくのが、流れていく風景の移り変わりでわかりました。

80通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 23:37:50 ID:???
123 名前: 週刊少年ガンダム第四号! [sage] 投稿日: 03/07/28 17:50 ID:???

      
「残念がることはない。この電車での旅は終わっても寧ろ君の旅はこれから始まるんだから。」
 そういって青年は、ポケットから、もういっこのまっさらな切符を取り出すと、大事そうに少年の手のひらに渡しました。

「これを君にあげる。これは、どこにでも行ける切符だよ。僕は、その切符をもらっても、結局使うことはできなかった。
これはとても便利だよ、どこにでもいけるんだ。けれど、どこにもいきたいところは僕になかった。だから使わなかった。君にあげるよ。 
今、この電車に乗れて僕は本当にほっとしているんだよ。この電車にのっていれば、白鳥のところにいけるんだからね。」
青年は本当にうれしそうにそういったので、少年はこの人が白鳥を休ませてあげることができればいい。
そのためには僕はなんだってしてあげたい、と心の底から思いました。幸いを掴むということはそれだけ素晴らしいことなんだ、と思いました。

その感情が伝わったのか、青年は、微笑むと言いました。

「こうして、君と一度話しておきたかったんだ。君は、僕の昔によく似ていて、あの頃から心配だった。
こうして、話すことができて本当によかった。彼が君に期待したように僕も君に期待するよ。あの時は、残念な結果だったけど。
今度は、君は大丈夫だと思う。もう電車は君を置いていってしまうし、二度とはこれに乗ることはできないんだから。」
「彼・・・?」
少年は聞き返しました。
「彼は、ここにはこなかった。きっとけれど、別の方法で白鳥のもとに行っていると思う。
連絡バスなのか、飛行機なのか、蒸気船なのかはわからないけれど。絶対に僕と同じ場所にいっている。
僕と彼が目指すものは究極的には同じなのだから。手段は違えど、ね。
それは、最初は嫌だったけど、とてもいいことだったんじゃないか、と今なら思えるんだ。
そして、このサングラス・・これは彼が依然愛用していたものなんだよ。どうしてここにあるのか、それはわからないけれど。」

青年は、そういってサングラスをかけると、少年にさよなら、といいました。
少年は切符を大事そうに握り締めると、同じように、さようなら、といいました。
さようなら。

電車が停まりました。少年は立ち上がりました。ずっと座っていた所為か、立つとちょっとだけ眩暈がしました。
最後に青年が言いました。
「君に全てを託すのは、卑怯だと思う。
だけど、人というのは結局そうやってしか進んでいけないんだと思う。連続性の繋がりが、僕らをつなげているんだ。
僕は、僕なりに、進めたんだと思うんだ。君も君なりに進めばいい。そして、後の世代に託すんだ。
君は、君たちは、僕と白鳥のようにはならないでほしい。それは幸いというには、あまりに遠回りしすぎているから。
・・・そんな少年の姿のままの君には、わからないかもしれないけど、戻ればきっとわかる。君なら、僕と彼にできなかったことができるよ」

そして、青年は、もう思い残すことはない、という感じに目を閉じました。
81通常の名無しさんの3倍:2005/07/29(金) 23:38:41 ID:???
124 名前: 週刊少年ガンダム第四号! [sage] 投稿日: 03/07/28 18:01 ID:???

少年は、ホームに降りました。そこには多くの人でごった返していました。
小さな子供がホームを走っていたり、大人が煙草をせわしなく吸っていました。老人は新聞を読んでいたり杖にもたれたりしてました。
すぐに、ドアがしまって、電車が動き出しました。すぐに遠ざかっていきます。少年は、それを黙って見送りました。
青年は、窓から顔をだして、最後にこちらに向かって軽く手を振りました。少年も負けずと手を振りかえしました。
彼の姿はホームからみると淡く光っているようでした。まるで、さっき少年が見たアルビオンのように。
みえなくなるまで、少年は手をふっていました。電車が、芥子粒のようにみえなくなっても、まだ振っていました。
     
さぁ、僕はどこにいこう、白い切符を握り締めて、少年は漠然と思いました。
僕は、何処にでもいける。けれど、一人というのは寂しいな、と少年は思いました。どこにいったらいいかわかりませんでした。
幸いなんて、本当にみつかるんだろうか。そう思うと、不安でなりませんでした。
ふと、後ろから少年を呼んだ人が、いる気がして、後ろを振り向きました。途端に、白い閃光が少年を一瞬にして包み込みました。



      ・・・・  ・・・・   ・・・・・



そこで、少年は目を覚ましました。
いえ、もう彼は少年ではなく、成長した大人の姿でした。
立派な、蒼い綺麗な髪をした大人でした。ホームではなく、柔らかいベットの上にいました。
夕暮れなのか室内は暗く、薬品の匂いが漂っていました。部屋の中は、まるで海の底のような、暗い膜がかかっていました。
ベッドの脇には備え付けのテレビがついていて、興奮したアナウンサーが隕石の落下は食い止められた、といっていました。
彼が、その中継の映像をみてみると、そこには宇宙が映し出されていました。地球の近くの映像でした。
大きく巨大な隕石が、緑色に発光しながら、地球を離れていっていました。ふわりふわりと何処か別の場所に向かっていました。
けれど、あまりに突然過ぎてそれが何を意味するのか彼にはよく飲み込めませんでした。これは、何の映像だろう、と思いました。
彼のベッドの傍には、一脚の椅子が置いてあって、その上に、ナイフと剥きかけの林檎が置かれていました。
そのとき、ドアが開いて、見なれた少女が花瓶を持って顔を出しました。いえ、其の顔は、少女じゃなくて、成熟した女性の其れでした。
少年は、その少女の名を呼びました。少女は、一瞬呆然としていましたが、やがてその顔は泣き笑いに変わっていきました。
そして、少年、いえその青年の名を呼びました。
自分の名が呼ばれるのを聞きながら、少年は、あぁ、僕の名前を呼んでくれる人がいるんだ、と思いました。
それが、幸いなんだ。と、思うと、なんだか涙が出てきました。
テレビでは未だに隕石が映っていて、それは、美しい残光を放っていました。白鳥座のアルビレオのように。
アナウンサーの声が病室に響き渡りました。極度の興奮でその声は震えていました。
「地球は助かったのです!隕石の落下はおきませんでした!信じられない!奇跡です!これは神の奇跡なのかもしれません!」
少年は、それは、違う、とつぶやきました。みると、隕石が一際大きく発光していました。其れは美しい美しいものでした。
少年は、暫くそれを眺めて、そして、そのあとにああ、そうか、そうなんだ、とだけ呟きました。そして一筋の涙を流しました。


白鳥座は、いまでも、輝いています。だけど、その光は、以前より、柔らかくなっているのです。いずれ、ふわっと消えることでしょう。
    
82通常の名無しさんの3倍:2005/07/30(土) 17:03:03 ID:???
>>74-81
「地球の子供たちは皆踊る」の続編になるのだろうか・・・・?
なんか、ちょっと救われたような気がした。
ありがとう。
8373:2005/08/03(水) 20:29:57 ID:???
ありがとおおお!
しんみり感動しました
84通常の名無しさんの3倍:2005/08/06(土) 19:25:42 ID:kNNo4x92
568 名前:週刊少年ガンダム第三号!投稿日:03/06/04 19:07 ID:???

6    『  死 刑 執 行 中 』グエン・サード・ラインフォード

概要  スティール・ポール・ランの構想がどうも完全に決まってないらしく、今回は読みきりだった。
     しかも今回はギャグではなく意外にもシリアスなものだった。以下、内容。

     よく見られる独房の中に一人の男が蹲って座っている。
     彼は今夜死刑になるのだ。連続少年強姦殺人事件の犯人としてそう宣告されていた。
     確かに彼はそういう性癖があり、犯罪も犯した。だからといって死刑になるのはオカシイ、と彼は考えていた。
     何故ならこれは運命だからだ。あの少年達が自分とあったのは神が導いた運命だったからだ。
     彼はそんな風に思っていた。ビバ運命!彼は独房の中で叫んだ。
     「TOUGH」( タフ )…だが、「TENDER」( テンダー )!! / 宇宙的謎(コズミック・ワンダー)!!!
     死の迫り来るなか彼はそう叫んだ。そう、彼はこの極限的状態にありながら寧ろ興奮していた。
     人生における最大の喜びとは死である。死を甘んじて受け入れる精神・・それこそが運命であり覚悟なのだ。
     だからこれが運命ならば甘んじて受け入れることも彼はいとわなかった。神の意志は常に正しい。
     

     その隣の部屋には冤罪で死刑になろうとしている銀色の髪をした少年がいた。
     彼は何もしていなくて、召使としてある館で働いていたのだが、そこで遺産目当てに殺されてしまった旦那様の
     殺害の罪を着せられて投獄されていた。無論、必死で無罪を主張したのだが、弁護士を雇う金もない少年は、
     当然の如く敗訴になり、死刑を宣告されていた。そこの家族が裁判官にも手を回していたのだ。
     少年は死にたくなかった。彼には夢があり、まだそれを叶えていなかった。死はあまりにも彼の想定になかった。
     死の恐怖に震えながら、だが少年は自分の運命を次第に受け入れつつあった。

     
     二人は、同じ時刻に死刑の待合室に移された。初老の看守が二人を閉じ込めて独房に鍵をかけると去っていった。
     あとで処刑場で、柱に括り付けられて銃殺刑になるのだ。夜中の12時丁度に、どちらが先にいくことになっている。
     独房の中は狭く、じめじめしていて湿気臭かった。無論、ベッドなどはなく木の椅子がニ脚あるだけだった。
どこからか鼠が出てきて、壁を走っていた。穴があいているのだろう。
     鉄格子のはまった窓からは月の光が差込んでいた。美しい光の筋が部屋に入る。男の方が口笛を吹いた。
     「後、数時間には、君も私も死んでいるな」男の方が、少年に静かに声をかけた。
     少年はその声にビクッとした。死、という言葉に少年は反応をしたのだ。
     男はそんな少年の態度に少しだけ微笑むと、彼の手を掴んだ。少年は俯いたままその手を見つめる。
     美しい少年だな、と男は思った。自然と唇が上がった。
85通常の名無しさんの3倍:2005/08/06(土) 19:27:10 ID:???
569 名前:週刊少年ガンダム第三号!投稿日:03/06/04 19:13 ID:???
    
 
     「ねぇ、君。鉄格子から外を見てみようか。」
      と男は少年を誘った。

     少年はその言葉の真意を量り兼ねたが、ただ座って時間を待つのも嫌だったので頷いた。 
     彼等は座っていた木の椅子を、壁際に寄せると、その上に裸足になって立ちあがった。
     そして、二人は一緒に外の夜景をみた。鉄格子越しにみる夜の世界はどこか幻想的で、決して手の届かない世界に見えた。
     雨が降った後らしく、空はとても澄んでいて、少年の瞳は其処に釘つけになった。
     少年の瞳には眩しく星の光が溢れて、その所為で自然に涙がこぼれた。少年はそれ以上外を見れなかった。椅子から降りる。
     「何がみえたかい?」男がそんな少年に尋ねた。少年は鉄格子に手を置いたまま、星をみました、と涙で声を詰まらせながらも応えた。
     男はそれに頷きながら、少年の涙を手のひらで拭いながら、「そうか・・私は地面の泥がみえたな。」といった。
     そしてその後は、それぞれ何もいわなかった。ただ、時間だけが、砂時計のようにさらさらと流れていった。
     男は少年を抱こうと思えば抱けた。そういう性癖の持ち主だし、彼にしてみればそれは赤子の手を捻るようなものだった。
     だが、彼は何もせずにただ少年をみつめていただけだった。
     やがて、時間が来た。看守が古びた鉄のドアをあけて、男の名を呼んだ。男は、静かに立ちあがる。少年が彼を見上げる。
     少年の目は不安そうなまなざしだった。無理もない。死が迫ってるのだ。
     部屋から出ようとしたその男は、看守が促すにも関わらずドアの前で立ち止まって振りかえるとこういった。

     「こんな詩を知ってるかい?フレデリック・ラングブリッジ『不滅の詩』の一節・・」

     『 二人の囚人が鉄格子の窓から外を見た。
       一人は泥を見た。一人は星を見た。   』


     少年は、首をフルフルと左右にふった。そんな詩は知らなかった。だけど、「僕達にぴったりですね。」とだけ言った。
     実際にその詩は今の自分達にぴたりと当てはまっているように見えた。男は振りかえるといった。
     「違うな。確かに我々は囚人だ。だけど、これはそういった狭義の意味じゃない。
      考えて欲しい。世界の人は全て生命という鎖に繋がれた囚人だといえないかい?運命の奴隷。
      だとするとこの詩は我々を謳ったものではなく、全人類に向かって捧げた詩じゃないかな?
      いいかい?死 刑 執 行 中 なのはここだけじゃない。世界中で同時にされているんだ。人類という囚人に平等に。
      そしてこの詩の意味は、君が考えているよりずっと深い。」
      少年はその意味を考えた。だが、いま一つよくわからなかった。男はそんな少年の様子をみて微笑んだ。

      「だから、死を怖がらないことだ。そして、最後の瞬間まで星をみるんだ。目隠しなんてされないようにね。そして・・」
      男がそこまでいったところで、看守がもう一度腕を引っ張ったので、そこで話しは終わった。
86通常の名無しさんの3倍:2005/08/06(土) 19:28:37 ID:???
570 名前:週刊少年ガンダム第三号!投稿日:03/06/04 19:21 ID:???

     死刑場へと運ばれる最中に初老の看守の男が言った。「なぁ・・お前、どうしてあの少年を襲わなかったんだ。」
      男はその言葉に苦笑した。
     「おかしいと思ったよ。死刑囚が同じ部屋とは。やはりアレは爺さん、あなたの餞別だったんだな。」

      看守はその言葉に肩を竦めて「あぁ。お前とは長い付き合いだったしな・・とびっきりの餞別のつもりだったんだがね・・」といった。
      「なぁに・・あの少年・・昔の自分に似てる気がしてね・・」廊下にカツン、カツンと足音が響く。星をみてた頃の自分に。男は呟く。
       
      「それよりあの少年がかわいそうじゃないか?同じ死刑囚の彼には餞別なしかい?」男は陽気にいった。
      「あぁ・・あの子にはとびっきりの餞別を用意してるよ。」看守はポケットから鍵を取り出して、目の前の扉をあけながら言った。
      「へぇ・・若い女の子でもあてがうのか?」男は、扉から外に出ながら言った。広場だ。そこには既に10人ほどの新兵が待っていた。
      見たことない顔ばかりだった。男の目には、殺す彼らの方が緊張しているように見えた。
      無数のライトが男を照らし上げた。
      「そんなんじゃないよ。」看守は彼を広場の中央の柱に括り付けながら言った。「じゃあ、なんだい?」男は手に縄を巻かれながら平静に応える。
      「無罪さ。さっき裁判官が賄賂で逮捕されてね。旦那の妻が犯人だったのさ。」看守がにやり、と笑ってそう言った。
      「だから、彼はこれから釈放されることになってるんだよ。まさにハッピーな餞別だろ?」
      男は其れを聞いて大笑いする。そして、目隠しを拒否して星を見上げた。地面を見ずに星を見た。そしてもう一度笑った。
      その声が合図になって、新兵達は銃を撃ち込んだ。 

      その頃、少年は独房で、また星を見ていた。
      きらきらと輝く其れはまるで天の滴のように、美しく、鮮やかに煌いていた。
      少年はそれを飽きるともなく、見つめていた。だが、ふと男の話しを思い出して、視線を地面に移した。
      雨で汚くなっているものの、其処は、丁寧にアスファルトで舗装されていて、男のいっていた泥はどこにも見当たらなかった。
      少年は首をかしげる。どうしてあんなことをいったのだろう、と思う。そして、少年がその意味を理解することはない。
      ただ、遠くで銃声が聞こえ、それを聞いて、少年はまた身体を震わせた。
      (死 刑 執 行 中 完)
      
     
アオリ 「愛してその人を得ることは最上である。愛してその人を失うことはその次によい」
87通常の名無しさんの3倍:2005/08/06(土) 19:32:48 ID:???
過去スレより。
またシリアスなのになってしまったけど。
88通常の名無しさんの3倍:2005/08/10(水) 00:14:08 ID:???
これ初めて読んだな。全スレ追っかけてきたつもりだったのに。

ガンダムにせよジョジョにせよ、切り口を微妙に変えて
筆者の主張を読み解くのが>>1さんは上手いよな、ホント。
ああ、そういう楽しみ方もあったんだ、みたいな感じ。
89通常の名無しさんの3倍:2005/08/12(金) 22:17:34 ID:???

305 名前:週刊少年ガンダム創刊号投稿日:03/04/15 14:36 ID:???

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燃えあがる雑誌!たちあがる雑誌!正義の力をぶつける雑誌!
 
   『 週刊少年ガンダム! 』 創刊号   (定価 100円)





1.   『ワンピース』  スレンダー
 


概要  記念すべき創刊第1号の巻頭カラーを飾った漫画。
     偶然にも某有名漫画と同じ名前である。が、内容はまったく違う。この漫画はこういいうストーリーだ。
     一人のくたびれた男が、真っ暗な部屋でジグソーパズルをしている。手元のスタンドだけが彼を照らしている。
     ジグソーパズルはやがて完成する。しかし、何故か一つだけピースがあまる。パズルは完成してるのに、だ。
     男はそれを見て、これは自分と同じだと、自嘲する。いつもいつも残らされる自分と同じだと。
     男は、そのピースをじっと眺める。涙が出てくる。それをぬぐうこともせずに、男は突然それを掴み壁に叩きつける。 
     ピースが壁に当たってカツン、と乾いた音を立てて、また足元に転がって戻ってくる。
     その一つだけ残ったピースが酷く憎かった。つまり、ワンピース=自分なのだ。男にとってそれは自分自身なのだ。
     狭い部屋の中で、ピースを見つめるオトコの目には光るものがある。ワンピース。それは絶望の証し。

     

アオリ文。 「たたかわなきゃ。現実と。」







90通常の名無しさんの3倍:2005/08/12(金) 22:18:05 ID:???
306 名前:週刊少年ガンダム創刊号投稿日:03/04/15 14:47 ID:???

2     『ボルジャーノンに花束を』 ギャバン・グーニー

概要  これも巷ではやった某有名作品とよく似た名前である。が、無論内容は違う。
     一人の男が自分の機体に花束をささげるという愛と感動のストーリー。ただ、少しありふれているが。
     ザクとはちがうのだよザクとは、とボルジャーノンが叫ぶところはとてもいいけれど。

アオリ文 「これでこのネタ何回目?」


3    『 ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係 』  イザーク

概要  今日、顔の傷が痛むから早く家に帰った。
     途中病院で見てもらったところ、どうやら少し化膿しているらしい。
     憂鬱な気持ちになって、更にキラを殺す決意が固まった。
     家に帰ると、テレビで偶然ガンダムSEEDをしていた。テレビの中の人物が俺に笑いかけていた。総集編らしい。
     ディアッカがソファに座って面白そうに見ていた。カールのチーズ味を食べながらとても幸せそうだった。
     俺は何もいわず、腰の拳銃を抜いて、テレビを撃ちぬいた。2度、3度と撃ちぬいた。モニターはたちまち沈黙した。
     ディアッカは何も言わず、一瞬こちらをみただけで、黙々と飛び散った破片をかたずけはじめた。
     そんな姿を見てると、思わず涙が出た。自分に嫌気が差した。ディアッカは悪くないのだ。彼はテレビをみてただけなのだ。
     手伝いたかったけれど、それも出来ず、いたたまれなくなって自室に駆け込んだ。こんなことするから巷で嫌われてるのだと思った。
     しばらくして、扉が遠慮がちにノックされた。俺は反射的にベッドから跳ね起きた。
     俺が少しだけドアを開けると、そこにはディアッカは既におらず、カールの袋が置かれていた。チーズ味だ。
     一つ取り出して、おずおずと口に入れた。ほのかなチーズ独特の甘味が口の中にパァっと広がった。
     俺は、傷の痛みが薄れていくのを感じた。嬉しかった。カールをかみ締めながら、ディアッカに後で謝ろうと思った。
     だけど、よくみたら、その中には、沢山ガラスの欠片が入っていた。俺は、嫌われ者なのだ。今のでいっそう確信した。

      
アオリ文 「そんだけ。」


91通常の名無しさんの3倍:2005/08/12(金) 22:18:44 ID:kVCwqbe8
307 名前:週刊少年ガンダム創刊号投稿日:03/04/15 14:49 ID:???




4      『 くそみそロランの奇妙な冒険 』グエン・サード・ラインフォード

概要  ロランが自分の理想だと思う一人の男がロランを天国に連れて行くまでを描いた漫画。舞台は刑務所。
     何故かロランは刑務所にはいっているらしい。男(どうみてもグエンだ)の職業は、神父らしい。
     執拗に「因縁!」などといってロランを追いかける男は、はたからみると変態だ。
     この作品のテーマは人間賛歌だそうだ。「引力、即ち愛(ラブ!!」)とオトコは、毎ページで叫んでいる。うっとうしい。
     最後のほうは時間が加速して腹の中がパンパンになるという意味不明な展開で次週に続いている。
     ロランが「僕はオトコですよぉぉぉぉぉ!」と叫ぶシーンには、何処か悲痛なものさえ感じられる。
     だが、それでもこの男はロランを諦めない。ゼッタイに天国に連れて行くと言うのだ。底知れぬ執念を感じられる漫画だ。
     

アオリ   「 NO断念!! 」


  
5      『拳法興亡史』    レビル将軍

概要    宙秤攣殺闘…長い伝統と歴史を持つ中国拳法史上にあっても ただ一度だけ行われたという史上最凶の戦い
       明朝末期の一六一五年二月二十九日 場所は格闘技の聖地といわれた雲南省青牙山山頂火口…
       当時雲南地方で勢力を二分し抗争にあけくれていた 南陽拳と北陰拳の戦いに終止符を打つべく 
       時の皇帝の命により双方およそ三百人からの全弟子を天秤にかけ 両派最高師範がその存亡をかけて戦ったという
       勝負は北陰拳の勝利に終わり 破れた南陽拳は全滅し拳法史上から姿を消した・・そうだ。

アオリ   「この文は全てフィクションです」



92通常の名無しさんの3倍:2005/08/12(金) 22:19:11 ID:???
308 名前:週刊少年ガンダム創刊号投稿日:03/04/15 14:51 ID:???

6   『 まくべとつぼ 』 マ・クベ

概要  ある日、自宅の納屋に槍にささった壷を見つけた少年が、壷と共に敵を倒す冒険活劇。
     けれど何故か、まくべ編と壷編にわかれている。現在、「一瞬だけのまくべとつぼ」を連載中。
     今週の最後のシーンを抜粋。10年戦えると嘘をついたマクベがキシリアに縋って泣く場面は見るものの感動を誘う。
     必要な嘘とはなにか、またそんなものは存在するのか。マクベの流す涙に、それを深く考えさせられる。
     
アオリ 「 ギャンに乗った日 」




7   『 ∀の癒し 』    ロラン・セアック

概要  
      たとえるなら山の端に月が満ちるように 、鮮やかに息づく美しい森の中で夏草の生命を浴びて僕はそっと目を閉じます。
      瞼を閉じれば、あのときの核爆弾の白い閃光が脳裏に浮かびあがります。その中に在るガンダムを感じます。
      大地に銀の涙が降り注ぐように月からは光・・淡い銀色の光が差し込む様子も、閃光と共に僕の頭に浮かびます。
      それはどこか月光蝶のことを僕に思い出させてくれます。この連載で僕は、あの出来事を振り返ろうと思います。
      癒しとは、その過程での再生を意味しているんです。再生とは、つまり月の繭に包まれるようなものなんです。
      月の繭とは・・(以上、本文序幕より抜粋)


アオリ 「この雑誌期待の新人が思いを綴る感動の長編!」





93通常の名無しさんの3倍:2005/08/12(金) 22:19:36 ID:???
309 名前:週刊少年ガンダム創刊号投稿日:03/04/15 14:53 ID:???



8    『砂漠と料理と究極の至高』 ランバラル
   
概要  料理漫画である。料理漫画というのは、どの雑誌でもコアなファンがつくものだ。だから、この漫画には期待している。
     しかし、第1話目では、何も料理を食べず、しかも水さえもらえないという始まり方はどうかと思う。
     けれど、水が欲しいなら、あの町までいくんだな、という頑固な親父からは水が如何に砂漠で貴重かを教えてくれているともいえる。
     だが、残りの12ページは、全て砂漠を歩いているシーンとというのはどう考えてもやりすぎだ。結局、料理は一つもでなかった。
     それだけに次週が気になるところともいえるが・

アオリ 「 dangdang気になる 」




9    『 人 間 失 格 』     アムロ・レイ

概要 恥の多い生涯をおくってきました、から始まる正当な純文学。
    ニュータイプの否定=人間性の否定へとの論理の飛躍には、少し疑問が残るが、それだけ著者の苦悩が伺える。
    精神病院に連れて行かれる辺りは、何処となく次世代の若者への警告とも読み取れて興味深い。
    非常に、洗練された文章で、人間として赤裸々に生きていきたい少年が、かなわず敗北していく過程が非常に斬新である。
    父との別れ、母との決別、周りへの嫌悪、そういった著者の感情を見事に吐露したファン待望の私小説。

アオリ「 ララァと玉川入水?! 」






94通常の名無しさんの3倍
310 名前:週刊少年ガンダム創刊号投稿日:03/04/15 14:55 ID:???


10   『こちらサイド7コロニー前派出所』    カクリコン


概要  巡査部長である大原カクリコンことカクリオンの派出所での騒動記。
     金持ち警官シロッコと、不良警官であるジェリドの起こす騒動にいつも頭を抱えている。
     今回は暴走族をしていて補導された不良のカミーユ・ビダンに対しジェリド警官が、
     「お前等みたいな連中はコンクリートに頭ぶつけて死ねよ」と言ってしまい、切れたカミーユの所為で大騒動になる。
     面白いのだが、後半からの絵のタッチの違いに少し首を捻ってしまう。
     途中から作者は考えてないのではないか、アシスタントがかいてるのでは、との疑問も多く見られた。

アオリ 「 ギネスに挑戦!アメリアも応援しているぞ!」
 


11  『 びっくりするほどユートピア 』      カイ・シデン


概要 ビンタのかわし方というコラムを書くつもりだったという筆者が、急遽書きなおしたもの。
    内容は、自分の知らなかった世界に、幸福があるということらしい。筆者の実体験を赤裸々に書いたもの。
    少年達に、ある種の性的快楽を教えようとしたものだ。舞台は公園のトイレ。ほとんど18禁だ。
    ちなみに有名なトマス・モア作のユートピアとはなんら関係もない。よっぽど没にしようと思った。
    こんなのは有害図書指定がふさわしいだろう。


アオリ 「 お 前 は そ こ で 乾 い て い け 」