【注・手書きメモ基準&湯浅と大地発言は不熱心収集なので、ツッコミないし修正歓迎&キボンヌ】
昨日の雪が止んで、今日は外で遊べるようなイイ天気なのに、
こんな暗いトコロへ(笑)来て下さってありがとうございます。
アカデミー賞に関係するハナシをします。
例えば(会場でアンケートに答えると貰える、受賞作品集のカタログ)73ページの
ショートフィルム「RYAN」。これを我々の立場ではヨシとしませんでした。
「文化庁メディア芸術祭」というイベントの趣旨とは違うからです。
ただ、技術的には極めて優れた作品なので、ぜひ見ていただきたい。
イイ作品なんだけど、ちょっと作品が暗い。
病理的な気分を喚起するから、佳作にも入れませんでした。
エエ、どうせ私ども(審査員)は、シュミが悪いです!(笑)
元気があるかどうか、が今回の授賞の基準です。
まずマインド・ゲームから………
【マインド・ゲーム一部上映】
かなり面白い作品になってます。
ただ、見た目、(絵が)キタナイアニメ、という印象があって、
興行的に当たらなかったのは残念でした。
それでも、息づかいがアニメ的に聞こえてくる、ビビッドさがあって、
気持ちよく、今回の大賞にさせていただきました。
(吉本興業のタレントを声優に起用した件について)
彼らが演れば、勢いで大体(作品に)ハマっちゃうんですよね。
「オマエの独り言なんて聞きたくねぇよ!」というアニメを……
ごめんなさい、ボクが作ってます!(爆笑)
(マインド・ゲームは)5分見て、もう見るの止めちゃえ!と思った(笑)んだけど、
7分めくらいで(もっと見たい、と)引っかかっちゃって、
審査用のDVDを取り寄せて、午前2時頃までかかって全部見ちゃった…(笑)
このキタナイ絵は我慢して(皆さんは)見て下さい。
10分見れば、後は全部見たくなりますから。
ボク、「クレしん」の絵は嫌いなのに!(笑)
それでも、共感を持てる作品です。
その(審査の)後、セルDVDも(自分で)ちゃんと買ったんですよ!(笑)
【この辺で湯浅と大地がちょっと2人で内輪の話に逸れたのを受けて】
そこ、二人だけでゴチャゴチャ話をしない!(爆笑)
【まかせてイルか!一部上映】
大地「『こどちゃ』精神で作りました。」
大地「冒頭が海で流れるように始まるのはスピード2の真似です(笑)」
大地「手話をアニメに取り入れようとして、実際に手話をヒトに演ってもらったら、
滅茶苦茶早い。カンフーの動きに見えた。(トミノ爆笑)」
大地「それで(手話の場面に)カンフーのジャッキー・チェンみたいなSEを入れたかった。」
大地「最初40分くらいかなと思ってたら、圧縮しすぎて21分になっちゃった。
でもそれだけ面白さを凝縮できたと思ってます。」
今、大地監督が言われた、21分に圧縮した面白さ、テーマ性が授賞事由です。
「カンフー手話」だとは………まさか(皆も)思わないよね?(爆笑)
手話を売り物にせず、「21分の劇」を売っている。
公共性をキチンと持ってる作品です。
ただ……(イルか!の)キャラの絵は個人的に大ッキライ!(爆笑)
コワイことを言いましょう。アニメに未来はない!
だって40年前、ボクがアニメをやっていこうと思った時代には、
こ〜〜んなに(会場を指して)アニメを作りたい!ってヤツはいなかったんですよ?
こんなに(競争相手が)いるから、
今の時代は(アニメで飯を食うには)キビシイよ!ってことです。
だから、「ジジィめ何を言っていやがる!」と返して下さい。(湯浅大地の二人に振る)
大地「アニメージュに載ってる(アニメの)絵とか、みーんな同じ絵に見える。自作も含めて、です。」
オマエ(大地)が(絵を)同じものにさせてる張本人だろうが!!(爆笑)
【アニメ稼業への姿勢についての大地発言を受けて】
基本はそれ(アニメで食っていくこと)でイイと思います。
あんな(←強調)キャラクターを使いながら、3人の女の子がキチッと自立していく…
作品のクオリティーを高めるために、
自分なりにできる「何か(他と)違ったモノ」を作品の中に埋め込んで行けばいい。
………まとまったから、もう(このシンポジウム)終わっちゃえ!(笑)
【この時、まだ残り時間は20分も!】(笑)
さっきの(アニメ誌の)話に戻ると、どれが売れるか分からないから、
(作品のキャラが)全員集合のポスター(イラスト)ができてしまうんです。
オトナは言い訳のためにキャラ全員集合のポスターを描かせて、
たまたまそのキャラの誰かが当たれば、自分の手柄にしてしまう。
そういう、責任をとらないオトナたちと闘うために、
オトナを説得するための言葉を知らないなぁ〜、というアニメ作家が
増えてきているけど、その辺、二人はどう?(と、湯浅大地の二人に振る)
自分の意見を言えないスタッフが多すぎる!
大地「隣のヒトがイイ絵を描いたとして、それを素直に褒めることをしない事が多すぎます。」
我々の世代が(若手を)褒めることをしなかったから、(若手スタッフは)無口になっていった。
俺は迂闊に(若手を)褒めて、図に乗られたら困るから、叱ってきた。
(湯浅大地の)二人はそうしないでね?(笑)
(会場の)皆さん方は(他人に)褒められるように、
自分の言葉を持って下さい、以上!(また勝手に〆ようとする・笑)
今のアニメ業界はオリジナリティを忘れている業界だと感じている。
じゃあオリジナリティって何?(と、湯浅大地の二人に振る)
大地「各作品の対象ターゲット年代を想定してやってきました。」
大地「『おじゃる丸』で主婦からファンレターが来るようになって主婦キラーになりました(笑)。」
全部が全部、好きに作っているワケじゃないよね?
大地「いや〜、かなり(自分は)多趣味です。」
多趣味を達成しようと思った時には、自分個人のスキルだけでは間に合わない。
それじゃオネーチャンも引っ掛けられない!(笑)
じゃあ、どう(作品を)ふくらます?次の手を見つける方法は?
湯浅「できるだけ、ヒトに受けるモノを、自分の(資質の)中から捜して、やっていくようにしています。」
だから、最終的には、自分の好きなモノをやるしかない。
それを、広い趣味性と重ね合わせて欲しい!ってことです。
オリジナリティとは「今、ここにないモノ」なのかもしれない。
【優秀賞の「BIRTHDAY BOY」(韓国作品)の話】
今、我々が作っている、「知ったふうな作品」ではない!
一見パラダイスに見える日本に住んでいる日本人には、これは作れない!
最後に聞きます、若者に(自分を)真似して欲しい点は?
湯浅「若い世代は、タラタラしてくれた方が僕は嬉しいです(笑)」
これが現場の本音です!(爆笑)
大地「アニメ業界がダメなほど、僕は燃えるんです。」
作り手の本音だと思います。
(会場の)オマエら、(湯浅と大地に)バカにされてるんだぞ!!ってことに気づけ。
(会場の中から)優秀なヤツが出て来いよ。
この会場を出た途端に、アナタたち(観客)は
(アニメを作る側として)10年後の未来に驀進して下さい。
………ただ、個人的には、そんなコトするな!と言いたい!(笑)
ボクは死ぬまで(オマエら若い者には)(アニメで)負けたくないんです!(爆笑)
【終 了】