機動新世紀ガンダムX−21

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226通常の名無しさんの3倍
この作品だけは、正直いって、設定やキャラクターだけを見ても、少しも「見たい」という気が起こらなかった。
しかしひょんな事から見ざるを得ない状況になったので、レンタルビデオを借りて見たのである。
そうでもなければ、最後まで見通すことはできなかったであろう。私としては、なにもかもがつまらなく、見ているのが退屈でたまらない作品であった。

これは、年齢的な事を考えるとある程度はやむを得ない気がする。
まず、キャラクター造形があまりにもマンガ的で、もはや大人の鑑賞に耐えるレベルではない。
美少女の顔の半分が目で占められており、鼻と口は申し訳程度に「く」「-」と表現されている。
メカニカルデザインやガンダムの世界観からかけはなれたデザインで、違和感を感じてしまうのだ。
これはやはり視聴者のメインターゲットにあわせられたものだから仕方がないのだが、最後まで「ガンダムらしさ」を感じることができなかった。

また、ガンダムXには「サテライトキャノン」という、ものすごい威力を有した大量破壊兵器が装備されているのだが、それがあまりにも強力すぎて、戦闘が白けてしまう。
ニュータイプが登場しながら、ニュータイプらしい戦闘シーンが見られなかった。それは、主人公や主人公側のキャラクターに、ニュータイプのパイロットがいなかったからである。
どのキャラクターも初めからそこそこ強く、そこそこ順調に勝利していくため、成長を見るという楽しみもない。
227通常の名無しさんの3倍:04/07/16 15:07 ID:???
さらに、主人公のガロードと美少女ティファがいきなり?ラブラブな感じなのも、大いに白ける。
ティファという少女は無口で無表情、感情の起伏がほとんどないように見受けられるが、それが、
ガロードとの交流によって変えられていくならともかく、多少はそういう面もあるにしろ、一貫して無表情である。
これはキャラクター全員にいえることかもしれないが、あまりにも人物設定が平板で、ステレオタイプそのままであり、キャラクターに人格というものが感じられない。
主人公の苦悩や葛藤を描くのが、ガンダムの一つの定石であるのだが、そうしたキャラクターの苦悩や葛藤までが、どこか「お約束」通りに思えて仕方がないのである。
そのため、ドラマとしての見どころがほとんどない。

明るく元気な主人公という設定も悪くはないが、今どきこういう主人公が多くの少年少女から支持されるとはとうてい思えない。
ガンダムに限らず、昨今のアニメの主人公に内向的だったり、孤独だったり、様々な問題や葛藤を抱えていることが多いのは、その方が、視聴者が感情移入しやすいからである。
今の10代の置かれた状況を考えると、それも当然と思われる。
ガンダムXには、そういうものが欠けていた。もしこの作品のキャラクターの中で、最も共感を得るものがあるとすれば、それは主人公の敵であったフロスト兄弟ではなかろうか。
作り手がこういう感性を失っては、もはや作品として受け入れられようもない。
ガンダムXは低視聴率のため、当初の予定を縮めて全39話で打ち切り(話は完結している)となったが、それも当然の結果といえよう。
228通常の名無しさんの3倍:04/07/16 15:08 ID:???
テレビシリーズのガンダムで、ある意味最も「迷作」とされているのが「ガンダムX」でしょう。
 主人公がかすれ声であるというだけで随分話題になった記憶があります。名前も「ガロード・ラン」ですからね。「我が道を走る?」。
 これまた、まともな感受性を持っているファンなら爆笑ものの“怪作”でした。
 全てが予定調和に悪いほうに悪いほうに的中する悪循環。何と言っても見物は「Vガンダム」など甘ったるく感じてしまう登場人物たちのエキセントリックな言動でした。
 「電波艦長」の二つ名を思いのままにした(爆)ジャミルなんか凄かったですね。突然「月は出ているか!?」と叫び始めて周囲を凍りつかせます。
 てゆーか自分で見ればいいじゃん。

 その個性的な「もみあげ」とか、突然ヘンなことを言い出しては善良なオタクの爆笑を誘っていました。だって当時の「アニメージュ」にすらそれを馬鹿にした4コマ漫画が載ってたしなー。
 「全ての展開が読める」ということで言えば例えばこんな具合です。

 この世界のガンダムは、ラジコンのプロポ(コントローラー)みたいなパーツをコクピットの一部にはめ込むことで機動するシステムです。つまりそのパーツが無いと動かすことが出来ません。
 主人公を奮い立たせようと、“電波艦長”ジャミルは突然艦外に自動車を駆って連れ出します。
 すると目の前には氷の張った池が!

 視聴者ではある私は「まさかこの池の氷の上にコントローラーを放り投げて『拾って来い』なんて言わないよなあ」などと邪推しています。
 するとなんとその通りに!
 こちらはもうぽかーんです。
 気を取り直して視聴を続けます。
 するとこのアホ主人公は、なんと恐る恐る歩を進めます。

 個人的見解なんですけど、こういう「合理的でない」場面を見るともうイライラするんですよ。
 だってこんな合理的理由が皆無の行為をするメリットが一体どこにあるのか?もうストーリー展開に詰まって無理矢理紡ぎだしているのがありありと分かる訳です。
こんなことやらなくても起伏に富んで面白いドラマの作劇法なんて幾らでもある訳です。
229通常の名無しさんの3倍:04/07/16 15:08 ID:???
つまり“前提”が間違っているのでハラハラのしようがありません。
 それでも見ているんですが、なんとこのアホ主人公は直立で薄氷の上を歩いています。
 言うまでもありませんが、この場合は四つんばいになることによって体重を四箇所に分散させて割れにくくするのがセオリーです。
 視聴者全てがそんないらんまめ知識を知っている必要も無いのですが、明らかに見ている側の知識を下回られると白けてしまいます。

 “もしかしてこれはゲットした瞬間から氷が割れ始めて、慌てて走る主人公のすぐ後ろでバリバリ氷が割れて、
しかも最後は『間に合わない!』と思わせて艦長に助けられる”とかじゃねーよな・

 ・・・その通りでした。

 まあ、「ガンダムX」とは全てがこんな調子で、とてもではありませんが「伝統ある」ガンダムシリーズの末裔とは思えない有様でした。
 私が不思議で仕方が無いのは、間違いなくカルト人気を誇っているこのシリーズに、どうして「ガンダムZZ」や「X」といった「薄い」作品が生まれてしまうのか、ということです。
 ガンダムシリーズには小説や設定資料集など、「映像化されていない」エピソードがてんこもりで、
それこそ今後10年はネタに困らないかの様に見えるのに、いざアニメを作ってみると、
あれだけのストックをまるっきり素通りして実につまらない内容のものを毎週毎週苦労しているのがサッパリ理解出来ません。
これが現時点での最新作である「SEED」にも当てはまるのは言うまでも無いでしょう。

 「ガンダムX」と言えば、「大馬鹿兄弟」と呼ばれている「フロスト兄弟」というのがいます。
 これは一言で言うと、アニメでの「決め台詞」だの「格好いい(と思われている)演出」そのもののパロディみたいな二人組です。
 「兄さん」とか、文字で書いてもサッパリ分からないでしょうが、
余りにも異常な会話を繰り広げるこの二人が街中のカフェテラスで一緒にジュースなんぞ飲んでいる場面なんて窒息するほど笑いました。