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\ \ (⌒\ ( rνyy'ソ⌒レm)/// オラオラオラオラァ!!
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(´⌒;; \\ (mJ(mJ(mJ| .|/ノハλ) //レm)/;;⌒`) ;;⌒`)
(´⌒;; (´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;/(mJ(mJ#Д▼||l レm)/;;⌒`);;⌒`) ;;⌒`) 無駄無ぢャッ…
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「オラオラオラオラオラァーーーッ!!」
「無駄無駄無駄無ぢャムだほぅっ……! ちょ、ちょっと待てアムろベェッ!!!」
「今日はいつにも増して激しいね、アムロ……」
「うん。赤い彗星が本当に真っ赤に染まっちゃってるしね」
「あ、動かなくなった」
むき出しの拳が肉を叩く音が止まり、アクシズに静寂が戻る。
舞い上がった塵やホコリが静まると、そこには額の汗を拭っているアムロとシャアっぽいものがあった。
「お前の敗因はたった一つだ……シャア……。たった一つの単純(シンプル)な答えだ」
アムロはマウントポジションからゆっくりと立ち上がり、どこか遠くを見やりながらつぶやいた。
「お前は俺を怒らせた」
「……それっていつものことだよね?」
「うん。珍しくも何ともないと思うけど……」
虚空を見つめたまま動かないアムロを見てプル達がヒソヒソ囁きあう。
「分かっていませんね。あれは様式美、またはお約束というものですよ」
「そう……なんだ」
よく分からないことを言ってくるK。
と、アムロがポーズをとるのをやめてこちらを見た。
「ああ、すまないけどそこに置いてある箱を取ってくれないかい?」
「あ、はーい」
「なぁにコレ?」
箱を持ってきたAが質問する。一抱えほどもある大きなものだが、見た目のわりにかなり軽い。
「これかい? ふっふっふっふ……」
怪しい笑みを浮かべながら(機械の前以外でこの表情を見せるのは滅多に無いことだ)、フタを開ける。
そこに入っていたのは奇妙な形をした何かの器具。
「……なにコレ?」
「これはこの日のために作っておいたんだ」
「この日って……」
「そう、唾棄すべきシャアの“シャワールーム覗き百回忌念日”さ!」
「あ〜……もうそんなになったんだ。懲りないねぇシャアも」
「た、大佐は初志貫徹のお人ですから……」
「無理しなくていいよ、J」
にわかに騒がしくなるプル一同。いいかげん慣れてしまってはいたが、さすがに百回もやっていたとは
誰一人として思っていなかったからだ。
「アムロ、律義に数えてたんだ?」
「まぁね。そしていつか必ず来るであろう今日という日のために作っておいたもの……そう、これの名は
【シャア専用拘束具百式・エッケルザクス】だ!!」
「……ピッケルラクス?」
「エッケルザクス」
「もういつものロープじゃミノムシにされても全然応えなくなってしまったようだからね。改めてお灸を
据えてやろうと思ったんだよ」
「ふ〜ん……」
喋りながらいそいそとよくわからない器具を気絶したままのシャアに装着させていくアムロ。
その様子はいろんな意味でいまだかつて見たことのないものだった。
「うわぁ……」
「こ、これは……」
「なんて情熱的かつフレキシブルな光景なの……」
口々によくわからない感想を漏らすプル達を尻目に、アムロは手際良く拘束を終えた。
そして作業用クレーンのフックを拘束具のベルトに引っかけたところで、シャアが意識を取り戻した。
「ン……な、なんだこれは!? どうなっているのだ!?」
目覚めてすぐに状況を把握したシャアが騒ぎだす。
四肢の自由はまるで利かず、晒し者のように床に転がされていれば騒ぎたくもなるだろう。
「フフフフフ……おはよう、シャア・アズナブル。寝心地はどうだい?」
「アムロ・レイ! これは何の冗談だ!? 早くこの……何だかよく分からんものを解いてくれ!」
だがアムロは不気味に笑うだけで聞く耳を持つ気配すらない。
その笑顔の裏からはアクシズどころか地球も粉々にできそうなほどのプレッシャーが漂ってきていた。
するとおもむろにパチパチと手を叩く。
「おめでとうシャア。先程の愚行で堂々たる『シャワー室覗き百回』記録達成だ」
「なに? ……そうか、もうそんなに行ったのか」
「よくもまあ懲りもせずやってみせたものだよ」
「初志貫徹が私のモットーなのでね」
そう言いながら少し顔を傾けポーズのようなものをとる。恐らく無自覚にやっていることだろう。
あまりにも長く人の上に立ってきた者の、哀しい習性だ。
「自慢になるか! ……まさかララァにも同じことをしていたんじゃないだろうな……」
後半は小声でつぶやく。聞こえなかったからか聞こえたからこそか、シャアからの返答はなかったが。
「とにかく。今回はアクシズ弾劾裁判を開くまでもない……貴様はこのアムロ・レイが直々に裁く!」
そう叫ぶと同時、手の中のスイッチをピッと押し込む。
それに連動してクレーンが動き始め、さらに拘束具も何やら動き出した。妙に重々しい駆動音が響く。
「こ、これは……!? うおぉっ!!」
「ああっ!? シャアがなんだかとっても斬新なことになってるよ!(A)」
「やめろ、やめてくれアムロ! それは駄目だ! 無理! 物理的に無理!!」
「見ちゃダメです(手でLの目を覆うK)」
「ふおああぁぁぁっ!!?」
「変な叫び声だけ聞こえて来るからかえって怖いよ……(L)」
「開かん! 開くはずが無いだろう!? こんな……! これはむしろ裂ける!!」
「うひゃー……(D)」
「こ、こんなロマンティックなポーズを、私の体が!? 見える、私にもアレが見えるぞ!!」
「もうやめて下さいアムロ! このままでは大佐の中でニュータイプ以外の変な素質が目覚めてしまいます!(J)」
「……そうなのかシャア?」
「そんなはずがなかろう! だから早くこれを……ああいうソレが見えそうだっ!!」
――それからしばらくは。
シャアの周りにはプルたちはおろか、宇宙をさまよう亡霊たちですら近寄らなかったという。
これは12人のプルたちと、2人のダメ大人が演じる14ニュータイプ漂流記。
その中の、できれば忘れて欲しい黒歴史。