Gの男で、女だったらいいなと思うキャラは5?

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1通常の名無しさんの3倍
タイトルどおりのスレです。
みんなは誰がいいですか?

前スレ
ガンダムの男で、女だったらいいなと思うキャラは4?
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1048051491/
前々スレ
ガンダムの男で、女だったらいいなと思うキャラは3?
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1040908861/
前前々スレ
ガンダムの男キャラでもし女だったらいいなと思うキャラは2?
http://comic.2ch.net/shar/kako/1028/10283/1028380981.html
初代スレ
ガンダムの男キャラでもし女だったらいいなと思うキャラは?
http://comic.2ch.net/shar/kako/1028/10283/1028380981.html

性別変換SSスレ保管ページ(管理人、前スレ958さん)
http://www.katch.ne.jp/~hamada/story/

南極条約
http://red.sakura.ne.jp/~nankyoku/
2通常の名無しさんの3倍:04/01/03 15:48 ID:???
2
3通常の名無しさんの3倍:04/01/03 15:52 ID:???
前スレは容量超えで書き込めず、アナウンスなしでスレ立てとなってしまい申し訳ありませんでした。
また、前スレ>>986さんのおっしゃるように「サブジェクトが長すぎ」でNGだったので少しスレタイを変えてしまいすみません。
重ね重ねすみませんが職人さんも住民のみなさんもよろしくお願いいたします。


・・・・さん、今回も楽しかったです。
ニコルは生きているんですね。ほんとにうれしく思いました。
ペースはお気になさらずご無理のないようまったりいってくださいね。
のんびりお待ちしてます。
4通常の名無しさんの3倍:04/01/03 16:25 ID:???
新規に立てなくても、↓のスレでいいじゃん。

もし、登場キャラ達の性別が逆だったら……
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1069141012/l50
5通常の名無しさんの3倍:04/01/03 18:49 ID:???
「ガンダム」と「キャラ」を半角カタカナにしてもダメだったのかな
61:04/01/04 01:23 ID:???
>>4
そのスレは初めて知ったので見てみたんですが今のところSSの発表なども無いようですし
こことは別個にお互いまたーりとやっていくのがいいんじゃないかなと個人的には思いました。
何かよくないなぁと思うことがありましたらまたご意見聞かせてください。

>>5
思い浮かびませんでした。
なんとなくGと省略してしまいましたが後から考えてみるとGガンのみのようにも見えるしよくなかったですね。
申し訳なかったです。
次スレ立ての時にでもそちらの案を試してみたらよさそうだなと思いました。
7通常の名無しさんの3倍:04/01/04 03:14 ID:???
俺は設定が変更され最初から女になってる話も好きなんだが、
話の途中で性別が変わる、いわゆるTSものも割と好きなんだ。

ただリアルロボット系であるガンダムじゃ都合よくTSの理屈付けしにくそうだな。
ミノフスキー粒子でなんとかなるか?
8通常の名無しさんの3倍:04/01/04 12:47 ID:???
新スレおめ、と。

>>7
某プリフェみたく、全身改造されて(少なくとも見た目は)性転換ってのはあり?
9通常の名無しさんの3倍:04/01/04 13:32 ID:???
ニュータイプ研究所とかにはそのくらいの技術ありそうな気もする

Gや∀やSEEDなら楽勝で可能っぽいな
気力やナノマシンや遺伝子操作で
10通常の名無しさんの3倍:04/01/04 16:32 ID:???
髭世界での全身性転換はあの世界の創造神の怒りに触れそうだけどな。
リアルホモがいる世界だし。
11通常の名無しさんの3倍:04/01/04 18:58 ID:???
グエンはホモじゃなくて女の子的なローラが好きなだけの倒錯趣味だと思う。
ホモならロランと呼んでるはずだし女装もさせたがらないはず。
12通常の名無しさんの3倍:04/01/04 19:07 ID:???
前スレから思ってた事だがここは旧版なので種の話は
新版いけバーカ
13通常の名無しさんの3倍:04/01/04 19:08 ID:???
ちなみに↑は前スレの種厨らに言ったことですスマソ
14通常の名無しさんの3倍:04/01/04 23:44 ID:???
多分きゅうばんしんばんって呼んでいるせいでの誤字なんだろうけど、
旧版新版じゃなくて旧板新板が正しいと思われ

俺も種ネタはあっちでスレ立ててやったらどうかなと思う
出ていけとは言わんし「バーカ」は品が無いと思うがな
15通常の名無しさんの3倍:04/01/05 00:57 ID:???
2chでいちいち漢字の間違いを指摘してもなw
まああれだ。種は種の場所で。
16通常の名無しさんの3倍:04/01/06 02:36 ID:???
種ネタ書きながら、同時にローラSS書いてくれてた職人もいるのに
バーカとかいう言い方はないだろ。
どうせ前スレ終盤でプロト氏に絡んでた厨と同一人物だろうけど。でも、新スレになったので住み分けの必要もあるわけで、
あっちの板はキャラごとに分かれていてSS投下という雰囲気でもないのが難しいけど、とりあえず一度・・・・氏に新スレ来てもらってから。
17通常の名無しさんの3倍:04/01/06 02:36 ID:???
種ネタ書きながら、同時にローラSS書いてくれてた職人もいるのに
バーカとかいう言い方はないだろ。
どうせ前スレ終盤でプロト氏に絡んでた厨と同一人物だろうけど。でも、新スレになったので住み分けの必要もあるわけで、
あっちの板はキャラごとに分かれていてSS投下という雰囲気でもないのが難しいけど、
とりあえず一度・・・・氏に新スレ来てもらってから。
18通常の名無しさんの3倍:04/01/06 02:37 ID:???
二重スマソ
19通常の名無しさんの3倍:04/01/06 11:36 ID:???
いまさらだが>>1のスレタイはわかりにくい
即死防止のためいちどageておこう
20通常の名無しさんの3倍:04/01/06 14:37 ID:vzJ+dkbR
これからどうなるのか期待揚げ
21通常の名無しさんの3倍:04/01/08 01:06 ID:???
即死回避ホッシュ!
22通常の名無しさんの3倍:04/01/08 10:27 ID:FRwcyr5q
種ネタばっかりとかの状況でもなかったんだから
そう目くじら立てるより人いなさ杉の現状のが問題だと思うけどね
即死がまだ怖いのでもいちどage
23・・・・ ◆iFt60ZwDvE :04/01/09 01:00 ID:RH3T2IHp
・・・ようやく、新スレ発見しますた。
>>1さん、遅ればせながら、乙かれさまです。

あと、前回言い忘れてましたが、保管庫管理人様、
毎度の更新ありがとうございます。

(´・ω・`)・・・さて、どうしましょうか?
種のネタも書かせていただいていましたが、
前スレは板分割前のスレでしたが、
新スレで種のネタは、板ルールにも反するので・・・

一応、∀ネタのとΖΖネタの続きは無問題ですが、
しばらく(種ぽ放送終了一年後くらい?)
お休みしようかとも考えてます。

ちなみに件の種ネタ、「悪女〜」は対象年齢的にも
問題がありそうな感じになってきていたので、
そろそろ大人向けの板への移籍を考えてましたが、
「4人組〜」は新作板にも移籍先が無さそうですし・・・
(イザーク、アスランの女性化スレはSS等を投下すべき流れではないですし
SSのために別個にスレを立てるのも同系《女性化》のスレ乱立となってご迷惑になりそうですし)
放送終了一年後までお休みになる可能性が高いかも。

どちらにしても、今月中は多忙につき、ネタ作成も困難なので、
来月までに身の振り方を考えておきます。
・・・もしかしたら、休養、卒業という結論に行き着くかもしれませんがー
なるべく、今書かせていただいてる4つくらいは完走したい気もあります。

では、落ち着いた頃にまた。
自分も気づいたら保守させていただきますので
24通常の名無しさんの3倍:04/01/09 12:02 ID:???
ローラの続きは読みたい
25通常の名無しさんの3倍:04/01/09 13:33 ID:???
またG厨かと思っちゃった
26通常の名無しさんの3倍:04/01/09 19:49 ID:???
ノ 続き読みたいその2
27通常の名無しさんの3倍:04/01/09 21:07 ID:???
種(TV)はつまんなかったけど
・・・・氏のSEEDシリーズは面白かったので
続き見たいのだが。。。
28通常の名無しさんの3倍:04/01/09 23:41 ID:???
ノ 続き読みたいその3

あんな寸止めの状態で終わるのはあんまりです。
29通常の名無しさんの3倍:04/01/10 13:18 ID:???
女だったらいいキャラか……

やっぱロランがいい。
乳もみたい。

って、ここSSスレなのん?
30通常の名無しさんの3倍:04/01/11 20:22 ID:???
>>29
いや、SSに限らずそういう話をしてくれていいんだよ。
新規住人歓迎。
31通常の名無しさんの3倍:04/01/11 21:37 ID:???
アル

別にロリじゃないよ
32通常の名無しさんの3倍:04/01/12 00:05 ID:???
ローラ続き読みたい ノ 4
あそこでお預けくらうのはあまりにもむごすぎる。
33通常の名無しさんの3倍:04/01/12 20:38 ID:???
わたしはジュドーの女版ジュディの続きを読みたいです。
あとアムリィの続きをお待ちしております。
34通常の名無しさんの3倍:04/01/13 02:24 ID:???
アムリィキボン
激しくキボン
35プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/13 23:53 ID:???
アムリィの続き、楽しみにしてくれている人達がいて、とても嬉しいです。
続き、もうちょっと待ってください。ホントに、すみません。

29さんみたいに、新しい方が来てくれると、盛り上がっていいですよね。
36通常の名無しさんの3倍:04/01/16 22:51 ID:???
SS投下なくても
好きにレスしていいんだよな?
ガルマとか女にしたら、色っぽいんじゃね?
37通常の名無しさんの3倍:04/01/16 23:47 ID:raLLfVr2
公国のアイドルだな。
戦死の暁にはジオンの士気が高まりそう。
38通常の名無しさんの3倍:04/01/19 21:59 ID:???
今まで女体化した事のないキャラで良い奴いないか?
39通常の名無しさんの3倍:04/01/19 22:27 ID:???
ウッソ
40通常の名無しさんの3倍:04/01/20 17:15 ID:???
チャップマン
41通常の名無しさんの3倍:04/01/22 02:25 ID:???
師匠
42通常の名無しさんの3倍:04/01/22 19:30 ID:???
キャリオカ
43プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/23 21:14 ID:???
 二度とMSには乗りたくない・・・そう思っていたアムリィの前に、一人の女が現れた。
「よろしく、ベルトーチカ・イルマです」
 金髪の少女は、屈託なく笑った。
 懐古趣味の複葉機を乗りつけてきた、この少女が、シャアを宇宙に帰す空港までの案内人?
 アムリィは眉をひそめながらも、握手を返した。
「あなたが、アムリィ・レイ?」
「そう・・・だけど?」
「ふぅん。ヘレン・ヘレンだ」
「え?」
「石鹸。伝説のパイロットっていうから、どんな女性かと思っていたけど、以外と、普通の人なのね」
「・・・すみませんね」
 ムッとしながら、アムリィは答えた。私が機械油の匂いでも漂わせていれば、それなりに満足でもしたのだろうか、この女は。
 そんなアムリィの内心など気にせず、ベルはソファに座った。二人を見比べてハヤトが苦笑する。
 その時、部屋の外をシャアが通りかかった。
「ああ、クワトロ大尉にも紹介しておこう。ヒッコリーまでの案内人、ベルトーチカ・イルマだ」
 ベルが立ち上がり「よろしく」と手を差し伸べ、シャアは部屋に入り、ちらりとアムリィのふくれっ面を一瞥してから「可愛いお嬢さんだ」と握手に応じてから、部屋を出て行った。
「あの人、いい趣味してたわ」
「何が?」
 ハヤトが聞く。
「香水。平和のインテリジェンスは感じないけれど、戦いの中でしか見せない野性味を、上手に隠す術を、よく知っているわね。そういう人って、以外と内心は純粋なのかも」
「・・・キザなだけよ」
 アムリィはボソリと呟いた。
 ベルトーチカ・イルマ。
 この女の子のことは、好きになれない。この女には、昔のフラウのような男に媚びる匂いがある・・・

44プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/23 21:15 ID:???
 シャアとカツの乗るシャトルが発射するまで、あと5分。
 空港周辺の戦闘は、激しさを増していた。
「動けるMSは全部出すんだ!」
 アウドムラのブリッジで、ハヤトが怒鳴る。
「早く!早くなんとかして!」
 格納庫で、ベルがわめく。そんな彼女を、アムリィは冷ややかに眺めた。
「・・・男に媚びるだけの女なんて、いつも、こんなもんよね」
 つぶやきながら、ボンバージャケットのまま、リックディアスに乗り込む。
「アムリィ、出ます」
『アムリィ!君は7年、実戦から離れてたんだぞ!無理だ!』
「新兵を訓練するために、MSには毎日乗ってたわ」
『実戦は違う!分かってるだろう!』
「私に・・・ベルのような女になれっていうの?」
 虚をつかれたハヤトが黙った瞬間、アムリィはドダイに乗ったリックディアスを発進させた。

 3機。
 シャアの乗るシャトルを見送るアムリィが、この戦闘で撃墜したMSの数だ。
「これでララァを殺した借りを返したとは思わない・・・でも、とりあえず、今、あなたを守ったのはベルじゃない。私よ・・・」
 そう呟きながら、また、シャアのために戦いの場に戻ってきてしまった自分を呪うことしか、アムリィには出来なかった。
 アウドムラに戻ると、格納庫では、ベルがシャアのシャトルが無事に旅立ったことに浮かれていた。
「意地をはるためだけに、ふっきることができたんだから、あのヤンキー娘に感謝しなきゃね」
 苦笑するアムリィを乗せたアウドムラは、香港に向かった。
45プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/23 21:18 ID:???
Zのアムロは脇役なのですが
「普通に脇役している」というわけでもないので
動かしづらいです。
香港編は(彼にとっての)見せ場があまりないので
とばして、あっさりダガール編に行ってしまうかも。
46通常の名無しさんの3倍:04/01/24 02:20 ID:???
よっしゃアムリィキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
47通常の名無しさんの3倍:04/01/24 13:28 ID:???
アムリィ歓迎AGE
48通常の名無しさんの3倍:04/01/24 18:21 ID:???
待ってました!!!
このまま廃墟になるんじゃないかと心配だったが、やっぱプロトさんは偉大だ。
49通常の名無しさんの3倍:04/01/26 21:52 ID:???
保守
50通常の名無しさんの3倍:04/01/29 00:13 ID:???
ほしゅ
51プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/30 20:32 ID:???
「どう思う、アムリィ」
 某空港で補給を受けているアウドムラの格納庫で、ハヤトが訊く。
「キリマンジャロ攻撃のこと?」
「その次のことさ」
「・・・うーん、まぁ、いいんじゃない?」
 首をかしげながら、気軽に答える。
 キリマンジャロのティターンズ基地攻撃後、地球に降下してくるクワトロ大尉を回収する。そして彼がシャア・アズナブルに戻り、ダガール議会を占拠して演説する。
エゥーゴとカラバの存在と、その正当性をアピールするためだ。
 新たに、アウドムラに搬送されたMS、ガンダムmkVを見上げながら、アムリィはボーッと考えていた。
 この二作戦が成功すれば、地球上の勢力分布図からティターンズは大きく後退し、全ての決着は、宇宙でつけることになるだろう。
 そのときは、シャアと一緒に宇宙にあがるのも、いいかもなぁ・・・
「アムリィ、何をニヤニヤしてんだ?」
 ハヤトが怪訝そうに訊いてきた。
「え?あ、いや、なんでもないよぉ?」
「そんなにガンダムに乗れるのが、嬉しいのかい?」
「まぁね」
 ハヤトの勘違いを否定せず、アムリィは、軽くうなずいた。ハヤトはアムリィの胸の中に隠れているシャアへの恋心に気がついていない。
「そりゃそうか。ガンダムに乗らないアムリィ・レイなんて、おかしいものな。だけど期待しすぎるなよ。mkUを元にカラバが独自開発したものだからな」
「mkUかリックディアスより多少まし、って感じ?」
「そんなところだ。足りないところは、すまないが操縦技術でカバーしてくれ」
 ハヤトは肩をすくめながら言った。
 アムリィは、もう一度、mkVを見あげた。
mkUに似たシルエットが 初めて乗りこみシャアと互角以上の戦いをしてみせたガンダムの感触を思い出させてくれそうで、アムリィは頬をそめて、昂揚していた。

52プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/30 20:33 ID:???
 キリマンジャロ作戦の半分は成功し、半分は失敗した。
 基地は壊滅しティターンズは地球上の重要拠点を失ったが、その頭領であるジャミトフは宇宙にのがれた。
 戦いの舞台は、宇宙に移っていくだろう。
 それでも議会を通してエゥーゴとカラバの正当性を主張するために、ダガール議会占拠作戦は、予定通り行われることに決まった。
 作戦前夜、アウドムラは夜の闇にまぎれ、ダガール目指して飛行していた。

 mkVの整備を終えたアムリィは、伸びてきた赤いくせ毛を首のあたりで一つに結ぶと、シャアの部屋をノックした。返事はない。アムリィは黙ってドアを開けた。
 予想通り、明日の演説の原稿を、眉間に縦皺を刻みながら、イスに座り最終チェックしているシャアがいた。
「似合わないね。そんな小難しい表情」
 アムリィの声に、シャアは顔をあげた。
「いつだって自信ありげに私を見下す色男の顔が、あなたには、よく似合っているのにねぇ」
 ノンビリとしたアムリィの口調に、シャアは皮肉っぽく唇の端を上げた。
「ガラではないのさ。スーツにネクタイなど、パイロットの服装ではない」
「確かに、赤い彗星って感じじゃないね・・・明日、あなたは誰になるの?」
 アムリィの、その質問はシャアにとっては厳しいものだった。シャアは黙る。
 クワトロ・バジーナ
 シャア・アズナブル
 キャスバル・ダイクン
 明日、自分は誰になるのだろう。
 ただ一つ言えることは、エゥーゴのクワトロであろうと、赤い彗星のシャアであろうと、ジオンの忘れ形見であろうと、一パイロットとしての彼にとって最も大切なもの・・・自由を失うであろうことは、間違いなかった。
 シャアの表情が曇る。
 責任などという言葉は、シャアには似合わない。そういう意味では、彼は、カラバを率いるハヤトや艦長歴の長いブライトよりも、少年なのだ。
 そして女は、そんな男に魅力を感じてしまう。
「優しそうな表情は、女達の流行♪崩れそうな強がりは、男達の流行♪」
 アムリィはふと、いつも一人で体を慰めたあとにシャワーをあびながら口ずさむ歌を、小声で囁いた。
「聞いたことがない歌だな」
「旧世紀の流行歌だよ・・・明日は、崩れそうな強がりを見せて」
「そうすれば、君が優しそうな表情で、私を迎えてくれるのかな?」
 シャアの微笑に、いつもの、憎たらしいほどの男の余裕が戻ってくる。
 やっぱり、私を虜にする赤い彗星は、そうでなくちゃね・・・
シャアのネクタイを、アムリィはグイッとつかみあげた。反抗的な隷属のようにグッと上を向いたシャアの、シェパードを思わせるアゴのラインが、ゾクゾクするほどセクシーだった。
かつてシャアがアムリィにしたように、今度はアムリィが強引にシャアの唇を奪ってみせた。
熱く、長く唇を押しつける。右手がネクタイをつかみ、左手がシャアの髪をグシャグシャにまさぐる。
やがてシャアが逡巡しながらも舌でアムリィの唇を割ろうとした瞬間、アムリィはネクタイをグイッとひっぱり、シャアの顔を引きはがした。
「男をその気にさせておくだけさせておいて・・・君も罪作りな女になったな」
「続きは、明日のあなた次第。議会に走るのをためらうようなら、背中からあなたを撃つわ。演台に立って聴衆に怯えるようならば、mkVで議会ごと、あなたを踏みつぶしてあげる」
 アムリィはネクタイを手放すと、サッとドアに向かった。
 部屋を出る直前、ふと振り返る。
「さっきの歌ね、ミユキ・ナカジマという人の歌で、タイトルはね・・『誘惑』っていうの」
 シャアを置いて部屋を出ると、アムリィは、その曲の2番をくちずさむ。
「ガラスの靴を女は、隠して持っています♪紙飛行機を男は、隠して持っています♪」
シャアはまだ、紙飛行機を隠し持っている少年なのだ。そして自分もまた、シャアに、自分を宇宙に連れていってくれる王子様を重ね合わせ、ガラスの靴を隠し持つ女だ。

53プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/30 20:38 ID:???
 mkVのシートに隣接した仮設リアシートに、シャアが座る。
「ベルトーチカの車に乗った方が、安全に議会に行けると思うけど」
 アムリィの問、シャアは笑う。
「MSのコクピットの方が、気分が落ち着く」
「子供なんだから・・・アムリィ、出る!」
 ドダイ改に乗ったmkVがアウドムラを出る。
 議会に近づくまでの数分、二人は無言だった。
「来るぞ!」
 シャアが叫んだ瞬間には、アムリィは既に敵を感知し、威嚇射撃を行っていた。
 いや、威嚇だけではない。
 瞬く間にアッシマー一機が小さく火を噴いた。
 急所にあてずに撤退を余儀なくさせる。アムリィでなければ出来ない芸当だ。
 敵を殲滅し砂漠に着地する。合流地点でベルトーチカのジープが待っていた。
 アムリィがmkVのハッチを開き、その手のひらをコクピットの前に持ってくる。
 リアシートを立ったシャアが、コクピットを出る瞬間、ふとアムリィの方を振り向いた。
「私は、やられっぱなしというのは、昔から性分にあわないからな」
 一瞬、なんのことか分からずにキョトンとするアムリィの唇を、サッと奪う。
 そのまま無言で、mkVの手のひらに飛び移る。
 シャアの地上に降ろし、ジープを見送った後、アムリィは小さく呟いた。
「男って、ホント、バカ」
 そういうアムリィの表情は、だらしなくニヤついていた。
「さぁってと、私もお仕事お仕事!」
 mkVを浮上させた。

54プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/30 20:41 ID:???
「こういうとき、ニホンでは、なんて掛け声をかけるの?」
 ベルトーチカの質問に、ハヤトが大声で答える。
「こういうのさ・・乾杯!!」
 その声にあわせて、ブリッジの皆がグラスをあわせた。いや、ブリッジだけでなく艦内放送でハヤトの声を聞いたクルーが、アウドムラの中のあちらこちらで歓声を上げていた。
 シャアのダガール演説は大成功と言ってよかった。世論の支持を失ったティターンズは地球上から撤退せざるを得ない。
 だがしかし、自室の片隅で、まだスーツ姿のまま、ベッドに座りグラスに口をつけていたシャアの表情は、暗く険しかった。
 ドアがノックされる。返事はしない。ドアが開くと、予想どおり、アムリィが立っていた。
「どうしたの?」
 ノーマルスーツから、いつもの黒のボンバージャケットに着替えたアムリィが近づく。手には空のグラス。少し酒がまわっているのか、頬が赤い。
「険しい顔だね・・・作戦は成功。ティターンズは世論の支持を失い、万々歳じゃない」
「だが、これで私は自由を失った」
 シャアが呟く。アムリィが笑う。
「何がおかしい?」
「私には7年間、自由なんてなかったもの」
 サラッと言ってのけると、テーブルの上にあったワインを、勝手に自分のグラスにそそぎ、シャアの隣りにドサッと腰を降ろした。
「一人、体を慰めながら心が腐っていくだけの日々・・・でもね、そんな日々も、もうお終い・・だって、目の前に、あなたが現われたんだから」
「・・・酔っているな、アムリィ」
「ガラスの靴を女は、隠して持っています♪紙飛行機を男は、隠して持っています♪」
 いつもの歌を、アムリィは口ずさむ。
「いつまでも、紙飛行機を隠し持っている少年のままではいられない・・・人は、変わっていくものでしょう?」
 その問は、今のシャアには厳しかった。ただ黙るしかないシャアの端正な横顔を、アムリィはジッと見つめた。
 ワインを口に一口含んでから、ふっと顔を近づける。
 唇が、弱く重なる。
 アムリィの口から、シャアの口に、ワインが流れる。
 その隙間から細くこぼれた赤い筋が、シャアのアゴをつたい、ワイシャツにシミをつくる。
 互いにワインを飲み干しからになった口の中を、今度は互いの舌で埋めあう。
 すっと唇を離したアムリィが、微笑しながら訊く。
「あの歌の、サビの部分、知ってる?」
「いや・・・」
 小声で、ささやくようにアムリィが歌う。
「あなた、鍵を置いて♪私、髪を解いて♪さみしかった、さみしかった、夢の続きをはじめましょう♪」
 もう一度、シャアの唇をふさぐ。
55プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/30 20:45 ID:???
 シャアの指が、アムリィの赤いくせ毛を一つに結んでいたゴムをはずす。
 そのまま、その腕がアムリィを押し倒す。伸びてきたとはいえ、さほど長くないアムリィのくせ毛が、枕の上で広がる。
 アムリィの指がシャアのネクタイをほどき、ワイシャツのすきまから鎖骨が見える。
 シャアの腕がアムリィのジーンズを脱がし、その指がそのまま、膝から腿までを細かく動きながらはいのぼり、やがて、ショーツの上から中心をなぞっていく。
 息が荒くなる。自分の中から滲みでるものが、自分のショーツを縦に濡らしていくのが分かる。
 黒いボンバージャケットを荒々しく脱がされる。
 タートルネックのトレーナーを上にずらされ、露わになったブラの上から、小さな胸をグッと握られた。
「ン・・・クッ!」
 苦痛とも快楽ともつかない感覚のなかで声をあげ、細く目を開くと、いつのまにシャツを脱いだのか、シャアの、ギリシャ彫刻のような上半身が見えた。
 その脇腹にそっと手を添えて、彼のベルトをゆるめていく。
 トランクスの上から彼のものをそっとなでると、既に大きくなっていた彼自身が、熱く脈打っているのが分かった。
 脱ぎかけのトレーナーが首のまわりにまとわりついたまま、背中にまわったシャアの指がブラの金具をはずす。その鮮やかさ。手慣れている・・・アムリィがそう思った瞬間、彼の指はアムリィの胸の敏感な部分を責めていた。
「ッンあ!」
 電流が走り、背中を反らす。そのアムリィの頬をシャアがなでる。おもわず、指をなめ、口に含む。
 シャアがアムリィの尻に手をまわし、ショーツを脱がすそぶりを見せると、アムリィは自ら腰をうかした。
ショーツが、舌まで降りる。全てを脱がせないのがシャアの嗜好なのかもしれない。
全身をはう彼の舌のせいで、いつしか快楽の波に飲まれていたアムリィの両手首を、シャアがグッと押さえ込んだ。
やっぱり・・・と、アムリィは、なんとなく思った。
彼は、攻撃的。
そう思った瞬間、身動きのとれないアムリィを、シャアは一気に貫いた。
「・・・くうぅぅぅああ!」
 激しい声が、自分の頭の中でコダマした。
 奥まで届いた彼の動きが、一度、引いたところで止まる。どうしたの?と思い細く目を開いた瞬間に、再び一気に奥まで届く。何度も繰り返されるたびに、アムリィの声が部屋の壁を震わせる。
 そのリズムが、一回一回が力強くもスローで不規則なものから、早く激しいものへと変わっていくに連れて、アムリィの背中に走る電流が、のたうち回っていく。
 シャアが手首を離すと、思わず、彼の首に、背に腕をまわし、グッと爪を立てた。
 耳元で囁いているはずの、シャアの声が、遠くに聞こえる。激しい動きに翻弄されて、意識が白桃色の奥底へと溺れていく。

56プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/30 20:49 ID:???
 どのくらいの時間が経ったのだろう。何度も、二人は交わり、シャアはアムリィの中で何度も果てた。
 時にはシャアの舌がアムリィの中心を責め、アムリィの口がシャア自身を含み、時には後ろから貫かれ、時にはアムリィが上になりシャアの命ずるままに動き・・・
そして果てるときは、何故かいつも、向き合って、シャアがアムリィの手首を掴み、動きを封じた状態でだった。
 そして、その間、彼の口から一言も愛を囁く言葉を聞くことは出来なかった。
 全てが終わり、眠るシャアの横で、アムリィはシャアのアゴのラインをなでながら、満ち足りた時間に満足していた。ただ一言「ララァ・・・」という寝言をシャアの口から聞いてしまう前までは。

「宇宙には行かなくていいのか?」
 ハヤトが訊く。シャトルが最終発射準備に取りかかった今、訊いてみても無駄にしかならないのだが。
「行くわ。でも、そのうちね」
 アムリィが答える。
 管制塔のスクリーンの向こうでは、シャアとカミーユが乗り、Zと百式を積んだシャトルが発射するところだった。
「ガラスの靴を女は、隠して持っています♪紙飛行機を男は、隠して持っています♪」
「なんだい、その歌?」
 アムリィの鼻歌を、ハヤトは怪訝な表情で聞いていた。
「ひ・み・つ」
 アムリィは言った。
 私のガラスの靴は、あなたが私を抱いた後「ララァ・・・」と呟いた瞬間に割れてしまったけれど・・・あなたの紙飛行機は、どこまで飛び続けるのかな?
 一パイロットでありたいという願いを、あなたはどこまで抱いていられるの?
57プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/30 20:53 ID:???
えー、アムリィZ編、尻切れトンボですが、お終いです。
香港編は、省略してしまいました。
だってカミーユとの絡みとか、思いつかなかったんだもん・・・
スミマセン、Hシーンで勘弁してください・・・
余力があればCCA編まで・・・いけるかなあ・・いけないかも・・・
58プロト ◆xjbrDCzRNw :04/01/30 20:55 ID:???
あ、それからガンダムmkVは、テキトーです。
ベルトーチカのセリフではないけれど
「ガンダムに乗らないアムロ(アムリィ)って、変だよなあ」と思ったので。
皆様、それぞれの「俺ガン」を当てはめて、お楽しみください。
59通常の名無しさんの3倍:04/01/31 12:45 ID:???
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
60通常の名無しさんの3倍:04/02/01 20:15 ID:???
アムリィタソとシャアは結ばれないの・・・?
CCAまで読みたいのでガムバッテ下さい
61通常の名無しさんの3倍:04/02/04 04:37 ID:???
hossyu
62通常の名無しさんの3倍:04/02/06 22:45 ID:???
hossyuhosyu
63通常の名無しさんの3倍:04/02/08 09:05 ID:???
ほしゅ
64通常の名無しさんの3倍:04/02/10 06:18 ID:???
ホシュ
65通常の名無しさんの3倍:04/02/11 02:53 ID:???
ほっしゅ
66プロト ◆xjbrDCzRNw :04/02/12 00:24 ID:???
 チェン・アギの指がアムリィの小さな胸を撫でる。
 技術者の繊細な5本の指の腹が、ソッと、アムリィの胸から脇腹をかすめて尻に滑る。
 アムリィがチェンに教えてきた愛撫を、若いチェンは、忠実になぞる。
 傲慢な男の強引な抱き方とは、あの金髪の男とは、違う。
「今度は、私が・・・」
 チェンの耳元でそっとつぶやく。小さくうなずいてアムリィの上から動き、横たわったチェンの唇を、そっと自分の唇でふさぐ。
 そのまま、アムリィの舌がチェンの首、胸におりていくたびに、若いチェンの肢体が、少し恥ずかしそうにモゾモゾと動く。
「元気だね」
 アムリィが微笑すると、チェンは気恥ずかしそうに横を向く。
 そそり立つチェンの男根を、そっと撫でる。繊細な顔つきとは逆に、チェンの、はち切れそうなそれは、より一層、力強さを増していく。
 アムリィの舌が触れる。
 チェンが背を逸らす。
 アムリィがチェンを口に含み、ゆっくりと頭を揺らす。
「アムリィ・・・もう・・・」
 チェンはつぶやく。
「まだ、ダメよ・・・」
 いつの間に枕元から持ってきたのか、アムリィがコンドームの袋をあける。
「自分でするよ・・・」
「いいの。私がしたいの」
 慣れた手つきで、アムリィはチェンの準備をする。
 ゴムに覆われた、硬くそそり立つそれの上に、アムリィはゆっくりと腰を降ろしていく。
「ふ・・・あ・・」
 どちらのものとも分からない声が、もれる。
 アムリィがチェンの頬を撫でる。
 まだ三十には届かないアムリィは、童顔であることも手伝って、二十二、三くらいにか見えない。
 しかし、こうして実際に二十二、三でしかない若い男を見下ろすと、なんだか自分が年をとったような気がする。
「今度は、チェンが上になって・・・」
 上下を入れ替わり、今度は目を閉じる。チェンの若さが見えないように。
 彼の若く強く、早い動きに身を任せる。
 単調だと思う。テクニックに走るには、彼はまだ、若すぎる。
 しかし、若い技術は、独りよがりでしかない。そんなワガママな技巧に走るより、チェンの愚直なセックスは、少なくともアムリィには、好感が持てた。
 アムリィが教えた繊細な技巧を身につけつつ、実直な部分を失わない。
 素直なのね、チェンは・・・アムリィは、そう思っていた。
「アムリィ・・・もう・・・」
「いいよ・・きて・・・・」
 アムリィは、チェンの吐き出したものが、ゴムの向こうに溜まるのを感じた。
 彼の子を産むことは、きっと、この先、永久にないだろう。彼の素直な部分は、私には・・・シャアとララァの影に今も捕われている私には、あまりにもまぶしすぎる。
 快感の奥底の、どこか冷めた部分で、アムリィは、そう考えていた。

67プロト ◆xjbrDCzRNw :04/02/12 00:25 ID:???
「また見てるの、それ?」
 台所に立ち、朝食を作っているチェンが、アムリィに訊いた。
「うん・・・」
 青と白のストライプのショーツとブラをつけただけのアムリィは、毛布を頭からかぶったまま、テレビのスクリーンに釘付けになっていた。
 もう何度となく見た、シャア・アズナブルの政見放送。
 ネオ・ジオン軍を結成しスィート・ウォーターの占拠宣言をしたシャアは、難民たちから、ちょっとした救世主扱いされていた。
 TVでのインタビュー番組の中で、仰々しい赤の軍服を身につけたシャアがインタビュアーに答えながら、占拠宣言を行っていた。
 いたずらに、大上段から演説するよりも効果的であり、そこに、独裁者のイメージはない。
「でもなあ・・・何をするのか、分からないんだよねぇ・・・」
 アムリィはつぶやいた。
 いずれ、シャアは地球連邦に対して敵対行動を起こす。
 しかし、準備できた艦隊の数は、そう多くはないはずだ。いいとこ、ロンド・ベルの全艦数と、いい勝負だろう。
 一年戦争の頃と違って、コロニーの管理は厳しくなっているし、何よりも難民の救世主であるというイメージによって宇宙の大衆の支持を集めているシャアが、コロニー落しをするとは考えにくい。
「何か、手があるんだよねぇ・・・」
「難しい顔は、似合わないよ」
 チェンが微笑みながら、朝食をベッドのサイドテーブルに置く。
 クロワッサンとスクランブルエッグ。何の変哲もない料理なのに、チェンが作ると巧い。
「そうだよね。難しいこと考えても、わかんないものは、わかんない!いっただっきまーす」
 一口クロワッサンをかじったところで、ルームフォンが鳴った。
「あ、いいよ。僕がでるから」
 あわてて牛乳で流し込もうとしたアムリィを制して、チェンが出た。
「はい。え?ブライト艦長?」
 そう言ったチェンから、アムリィは受話器をひったくった。
「どうしたの?」
『シャアが動いた。緊急招集をかける』
 地球連邦軍外郭遊撃部隊ロンド・ベルの指揮官であり旗艦ラー・カイラムの艦長でもあるブライト・ノアが直接、かつての戦友でありロンド・ベルMS部隊指揮官であるアムリィ・レイにホットラインで連絡をしたということは、それだけ事態が切迫しているということだ。
 これは訓練ではない。
 コロニーへの偵察任務でもない。
 即実戦に入る。
 そのための緊張感をパイロットに叩き込むために、アムリィは誰よりも早く艦入りしなくてはいけない。既にブライトはブリッジクルーを最低でも十回は怒鳴りつけているだろう。
 それにしても分からないのは、シャアが、どこに向かって動いたかということだ。
「目標は?」
『フィフスだ』
 しまった・・・その手があったか。
 ブライトの言葉に、アムリィは愕然とした。
 シャアは鉱山資源採種用の小惑星フィフス・ルナを地球に落とすつもりなのだ。
 歴戦の猛者であるアムリィやブライトでさえ、開戦はシャアが艦隊を整えてから、艦隊戦かMS戦で始まると、自らの想像力を狭めてしまっていた。
 シャアがフィフスに向かっていると知ってもなお、隕石落しなどということが起きるとは信じられないラー・カイラムのクルーも信じられないだろう。
 だが、アムリィやブライトには分かる。
 シャアは、やる。
「すぐ行くよ」
 テレフォンを置くと、アムリィは手早くパイロットジャンパーに着替えながら言った。
「チェンはグラナダに向かって、νガンダムの完成を急がせて!フィフスには間に合わなくても、次には間に合う!」
「わかった!」
 チェンはアムリィが着替え終わるのを待たずに、部屋を出た。いつもなら必ずする「お出かけのキス」は、今日は、するヒマがない。
 アムリィは次を考えていた。フィフス落下を止められても、止められなくても、シャアは次の手を打ってくる。
 それにしても、シャアが動くのが、予想以上に早すぎた・・・
 艦隊準備が整わないまま、手軽に、かつ大ダメージを与えられる作戦・・・隕石落し・・・完全に、盲点だった。
 まだ、νガンダムは完成していない。
「MS一機で、戦局が決まるわけじゃない」
 アムリィは自分に言い聞かせるようにつぶやいて、チェンから遅れること五分、部屋を出た。

68プロト ◆xjbrDCzRNw :04/02/12 00:26 ID:???
「状況は?」
 ブリッジに上がったアムリィが、ブライトに聞いた。
「最悪だな」
 仏頂面のブライトが答える。
「どうして?」
「このロンデニオンとスィートウォーターは、フィフスから同じくらい離れている。先に出た方が先に着くのは、当たり前だ」
「だったら、早く出ようよ」
「手際が悪い。まだ無理だ。あと一時間はかかる」
 ブライトの言うとおり、アムリィから見てもロンド・ベルのスタッフの動きは遅かった。それでも現在の地球連邦軍の中ではライト・スタッフと言えるのだが。
 いや、一年戦争だけでなく様々な場を通して実戦に慣れすぎている二人の方が、現在の連邦軍の中では特異な存在なのだ。
「整備は?」
「アリスに任せてある」
「なら、そっちは心配ないね」
 アリス・ナム・メドッソはエゥーゴ時代からのブライトの部下だ。信頼のおける名を聞いて、アムリィは少し胸をなでおろした。
「パイロット達は?」
「ブリーフィングルームだ。緊張感がない」
 つまり、お前が行って渇を入れてこい、と言いたいわけだ。
「そういうの、苦手なんだけどなぁ・・・」
 アムリィがボソッとつぶやく。
「気持ちは分かるがな、俺だって好きで鬼艦長やってるわけじゃないんだぞ」
「うっそだぁ。ブライトは昔から、そうだったよ」
「そうか?昔のことは忘れた」
「うら若き乙女の顔を何度も叩いておきながら、忘れたの一言で済ますんだから」
 ベーッと舌を出してから、アムリィはブライトのそばを離れ、ブリーフィングルームに向かった。

 ブリーフィングルームに入ったアムリィがしなければいけないことは、パイロット達の雰囲気を一新することだった。
「全員着席!」
 ざわついた部屋が、一瞬、静かになる。
「全員、コーヒーを飲め。飲めないものは紅茶か緑茶。今から、そんなに青ざめた顔をしていては、実戦で役にたたないぞ」
 ブライトに引き抜かれてロンド・ベルに配属された当初は慣れなかった命令口調も、すっかり板についてきた。
「アムリィ大尉、戦争ってホントですか?」
 跳ねっ返りのケリー・スゥが食ってかかってきた。
「ホントよ。シャアが動いた」
「動いたって言っても、4艦ほど、廃墟のフィフスに向かったってだけでしょ?それが、どうして戦争になるんです?」
 他のパイロットも黙ってはいない。アムリィは一々答えなくてはいけない煩わしさに、小さく舌打ちしてコーヒーを一口飲んだ。
「フィフスにある核を奪うのかもしれないわね」
「核は政府が管理してるでしょ?そんなところにあるわけない」
「連邦の宇宙軍内にジオンのシンパがいないって、誰が保証したの?」
 アムリィの問に、誰も答えられなかった。
「それに、もっと簡単な方法がある。フィフスを地球に落とせばいいのよ」
 パイロットをヘタに刺激しないように言わないと決めていたことだが、この際、緊張感を持ってもらうには仕方がなかった。案の定、アムリィの狙い通り、パイロット達の顔つきが変わった。
「それって、俺達スペースノイドには関係ない話だよ」
 誰から言い出したのをきっかけに、パイロット同士で討論が始まってしまった。
「そういう考えが、シャアみたいな独裁者を生むんだよ」
「シャアは独裁者じゃないだろ」
「スィートウォーターにネオ・ジオン政権を認めればいいんだよ」
「それじゃジオンと同じだ!そんなこと、できるか!」
「政治の話だけなら、俺達が戦争する義理なんてないぜ」
 しばらく議論を聞いていたアムリィだったが、スッと立ち上がると、一息吸ってからコーヒーを壁に叩きつけて怒鳴った。
「うっるさーい!大学生の真似事みたいな討論なら、誰だって、いつだって、できる!軍人として生きることを選んだのは、自分自身であるということを忘れるな!既にロンド・ベルは軍事行動に入った!これより出撃を拒否するものは敵前逃亡で軍事法廷行き!わかった!?」
 静まりかえったルーム内に、返事はなかった。ただ、壁にコーヒーのシミが広がり、アムリィの剣幕に押された形で緊張感だけが増していった。
「全員、第二戦闘配置のまま待機。戦場にたどり着くまで、嫌というほど実戦形式訓練があるから、そのつもりでいるように。解散!」

69プロト ◆xjbrDCzRNw :04/02/12 00:26 ID:???
 リ・ガズリィのコクピットで整備と調整をしていると、メカニックチーフのアリスが近寄ってきた。
「アムリィ、皆に怒鳴ったんだって?」
 意地悪く笑いながら聞く。実戦の覚悟を決めながら、なお、リラックスしていられるのがアリスのいいところだ。
「ケリーから聞いたの?」
「そうよ。コーヒーを壁に叩きつけて、すっげー怖かったって言ってた」
「あのくらいで怖いなんて・・・もっとしっかりしろって、アンタの彼氏に言っといて」
「たははは。ムリムリ。あいつ、MSに乗ると気が強くなるんだけど、それ以外はからっきしなのよ」
 大声で笑っておきながら、急に小声になって、アリスがアムリィの耳元でささやいた。
「ベッドの中でも、元気にさせんの、大変なんだから」
 アムリィは思わず、ブッと吹き出した。
「アリスに魅力が、ないんじゃないのぉ?」
「何言ってんのよ。アムリィには勝てるわよ」
「そう?チェンはいつも、私の服を脱がす前から、もう元気一杯だけど?」
「じゃ、この戦争が終わったら、一回だけカレシを交換しよう」
「い・や」
 アムリィが舌を出すと、アリスは「へいへい」と言いながらコクピットから離れていった。
 実戦下でも、そういう会話ができる友人がいるのはいいことだと思う。アムリィから見ればまだまだ未熟な部下たちのフォローばかりしているわけにもいかない。時には、自分自身が息を抜かなければ、命を落としかねない。
 適度に緊張、適度に緩和。
 アリス・ナム・メドッソは、そういうことが、よく分かっている。
「なんでケリーみたいなボウヤに、サラダ作ったりしてるのかなぁ?」
 チェンと暮らしている自分にそんなことを言えた義理がないのは、アムリィも、重々自覚している。
70プロト ◆xjbrDCzRNw :04/02/12 00:29 ID:???
とりあえず、女アムロ(アムリィ)のCCA編導入、書いてみました。
映画の前の部分になります。
この後、映画の冒頭、フィフス落下の場面につながる予定です。
アムリィ以外には、チェンはチェーンの男性化で
アリスは、アストナージの女性化で、ケリーはケーラの男性化です。
続きがいつになるかは、ちと分からないのですが・・・
うわ〜、久しぶりにプロトさんを見たような気がする・・・・・
俺が見にきてなかっただけかもしれないけどな。

1stから続いた決着の続き待ってます。
72通常の名無しさんの3倍:04/02/12 05:07 ID:???
>>70
待ちます!そしてスレ保守しておきまっす!!
アムリィ〜〜
73通常の名無しさんの3倍:04/02/14 17:55 ID:???
アムリィキター!
74通常の名無しさんの3倍:04/02/17 00:36 ID:???
ほっしゅ
75通常の名無しさんの3倍:04/02/18 15:10 ID:???
ほしゅー
76通常の名無しさんの3倍:04/02/19 12:41 ID:???
ほしゅ
77通常の名無しさんの3倍:04/02/20 07:59 ID:gd8aKwN3
age
78通常の名無しさんの3倍:04/02/22 14:11 ID:???
ホシュ
79通常の名無しさんの3倍:04/02/24 00:38 ID:???
ホシュ
80プロト ◆xjbrDCzRNw :04/02/25 01:03 ID:???
「フィフス・ルナの核パルスに火が!」
「地球に降下を始めました!」
 ラー・カイラムのブリッジに悲痛な報告ばかりが入る。
「まだだ!アムリィのリ・ガズリィが取りつけば、望みはある!」
 ブライトが怒鳴る。
 しかし彼があてにしているアムリィのリ・ガズリィはフィフス・ルナの正面で、ネオ・ジオンの強化人間、ギュネイ・ガスの乗るヤクト・ドーガの前に苦戦を強いられていた。
「大型ランドセルを外せば、もっと早く動けるのに!」
 アムリィが怒鳴る。しかし、それはできない。
 フィフスの核ノズルを破壊し、隕石そのものにも損傷を与えられるだけのメガ粒子砲をリ・ガズリィが撃つには、大出力エネルギーパックが不可欠だった。
 大型パックを装備したままの直線的な動きでヤクトのファンネル攻撃をかわしつづけているのは、奇跡に近い。あるいは、アムリィでなければ、とっくに撃墜されているだろう。
 そんなアムリィの姿を、シャアは、サザビーのコクピットの中で笑っていた。
「そんなMSに勝っても、嬉しくないのだがな」
 見下し、一射。その気配をアムリィは感じた。
「ダメ!やられる!」
 やむをえず、大型パックを離脱させる。
 シャアの一撃がパックを直撃する。離脱が遅ければ、その爆発にまきこまれてリ・ガズリィも大破していたに違いない。
「くっ・・・」
 アムリィは唇をかみ締めた。一命とひきかえに、フィフス・ルナを破壊する手段を失ってしまったのだ。
 細いラインに変わったリ・ガズリィのシルエットを視認し、ギュネイが調子にのる。
「シャア大佐の手を借りなくたって!」
「甘くみないでよ、ぼうや!」
 ヤクトのファンネルを、身軽になり素早くなったリ・ガズリィが、全て撃墜した。
「そんな馬鹿な・・・あれが、ひょっとしてアムリィ・レイ?」
 ギュネイが驚愕して動きをとめたのを、アムリィは見逃さない。一斉射がヤクトの右腕と左脚を奪う。コクピットを直撃できなかったのは、シャアの援護射撃をかわしながらのシューティングだったからだ。
「やるな、アムリィ!それでこそ私のライバルだ!」
 サザビーの赤い機体がリ・ガズリィに迫る。
「シャア!どうして、また私の前に表れたの!?」
 シャアとアムリィのビームサーベルが交わる。
「自惚れるな!私は君に会いにきたわけではない!地球に巣食うダニを粛清しに来たのだよ」
「よく言うわ!いつまでもララァを忘れられない男が、世直しなんて、笑っちゃう!」
「だから女は馬鹿だと言うのさ!そんなことに拘っているのは君だけだ!私は過去よりも理想に殉ずることに決めた!アムリィこそ、私の温もりが忘れられないんじゃないのか?」
「男って、ホント、バカ!」
 アムリィは怒鳴り返しながらも、シャアの言葉は当たっていると思うと、頬が赤くなった。
「そんなMSで、このサザビーに勝てると思うな!」
 シャアが叫ぶ。リ・ガズリィは確かに押されていた。
 その二人の間に、ケリー・スゥのジェガンが割り込む。
「アムリィ大尉!後退してください!」
「ケリー!今、シャアを止めないで、いつ止めるの!」
「フィフス・ルナが阻止限界点を超えました。このままここにいては、フィフスと一緒に地球に落ちます!」
 アムリィは唇をかみ締めてシャアの方を見た。サザビーは、破損したヤクトから脱出したギュネイを回収して後退を始めていた。
「そんな玩具のようなMSなど捨てて、早くガンダムに乗るのだな。その君を組み伏せなければ、君を私のものにする意味がない」
 そんな、自分を見下したシャアの言葉を聞いたような気がした。
「・・・せめて、敵のMSの機体だけでも回収しよう?ネオ・ジオンの技術水準が分かるかもしれない」
 アムリィの言葉に、ケリーはうなずいた。二人はリ・ガズリィとジェガンでヤクトの残骸を牽引し、フィフス・ルナを離れた。

81プロト ◆xjbrDCzRNw :04/02/25 01:04 ID:???
「アリス、敵のMS、調べといてね」
 ラー・カイラムへ帰投したアムリィはヤクトの残骸を技術仕官アリス・ナム・メドッソに預けると、苦虫をつぶしたような顔をしているブライトが待つブリッジに上がった。
「核でもあれば、あんな石ころ、粉々にできるのに!」
 モニターに移るフィフスを見ながら、憎々しげに、ブライトがつぶやく。
「サイド2からのレーザー攻撃は?」
「どの政庁も内乱が怖いからな・・・ロンド・ベルに協力しようなんて物好きなコロニーは、ないよ」
 アムリィの問に、ブライトは吐き捨てるように答えた。
「私、フォン・ブラウンに行ってくる」
「第二派攻撃の可能性だってあるんだ。月にあるνガンダムは、チェン・アギにまかせておけ」
 アムリィは自分の提案を却下したブライトに近づき、その耳元に、他には聞こえないようにささやいた。
「赤いMS、シャアよ」
「・・・そうか」
「ガンダムで戦いたい」
「それは女のワガママだ」
「その通りよ。昔のよしみで、ワガママ聞いてくれない?」
「お前抜きで、シャアの第二派をしのげと言うのか?」
「敵も戦力は充分じゃない。第二派はない。あっても威嚇程度。そんな攻撃にブライトが艦長をしている艦隊が沈むわけないでしょ?」
「かいかぶりすぎだ。昔だって、ホワイトベースが沈まなかったのは俺が艦長だったからじゃない。アムリィがいたからだ」
「違うわ。ガンダムがあったからよ」
「・・・好きにしろ。ただし、向こうで調整している暇はない。月についたらνガンダムにチェンを乗せて、すぐに戻れ。機体の調整は実戦でやるしかないぞ」
「ありがと。戻ってきたら、お礼にキスしてあげる」
「そういうことは、チェンにしてやれ」
「それ、セクハラ」
「言い出したのはアムリィの方だろう。第一、アムリィにキスされたなんて、ミライに知られたら大変だ。人の家庭に波風を立てる気か?」
 アムリィは「ふふ、それも面白いかも」と笑い、ブライトの頬に軽く唇をつけてから、エレベーターに向かった。
それでもブライトは顔色ひとつ変えない。アムリィの気まぐれに付き合わされるのは、昨日今日のことではないからだ。
 しかしブリッジクルーは、そうは思わない。ヒソヒソと噂話が飛ぶ。
「おい、艦長と大尉って、一年戦争の戦友ってだけじゃないのか?」
「なんか、微妙な仲っぽいよな」
「不倫だぜ、フ・リ・ン」
「・・・聞こえているぞ」
 ブライトが言い、ブリッジクルーは姿勢を正す。
「第二戦闘配備中だ!くだらん噂話は、生き残ってから、好きなだけしろ!アムリィのゲタが出るぞ。対空監視、怠るな!」
 ブライトの怒声がブリッジに響く。
 アムリィの乗るベースジャバーが月に向かってラー・カイラムを発ったのは、その5分後だった。
82プロト ◆xjbrDCzRNw :04/02/25 01:07 ID:???
ども。続きが遅くてスミマセン。
読んでくださっている皆様、ありがとうございます。
保守してくださる皆様、おつかれさまです。
今回、一応、まだ先に濡場を用意しているのですが
そこまでたどり着けるだろうか・・
83通常の名無しさんの3倍:04/02/25 01:37 ID:???
>>82
アムリィたん(・∀・)イイヨイイヨー!!!
84通常の名無しさんの3倍:04/02/25 05:19 ID:???
プロトさんがんばれーー!!!
85通常の名無しさんの3倍:04/02/25 23:04 ID:???
神キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
ハイストとベルチルねたが混じってる。(・∀・)イイ!
87通常の名無しさんの3倍:04/02/27 23:07 ID:???
保守
88通常の名無しさんの3倍:04/02/28 19:34 ID:???
ほしゅ
89通常の名無しさんの3倍:04/03/01 06:52 ID:???
ほしゅー
90通常の名無しさんの3倍:04/03/03 06:39 ID:???
ホシュ
91通常の名無しさんの3倍:04/03/05 08:21 ID:???
わたし待ーつーわ。いつーまでーも待ーつーわ・・・
92通常の名無しさんの3倍:04/03/07 01:17 ID:???
ホシュ
93プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/07 20:45 ID:???
「チェン、会いたかった!」
 タタッと走りよると、アムリィはチェン・アギに思い切り抱きついた。
「聞いてよ、チェン!私、工場に入れないところだったのよ。オクトーバーさんったら、ひどいの。私をロンド・ベルのMSパイロットだって信じてくれなかったんだから」
「アムリィ大尉がチャーミング過ぎるからですよ」
「私も、もう29よ。チャーミングって言われる年齢じゃないよぉ」
 そう言いながらも、アムリィはチェンの言葉に気をよくし、ちょっとニヤッと笑ったかと思うと、チェンの唇に自分の唇を押しつけた。その後ろで、アナハイム社フォン・ブラウン工場技術部門長のオクトーバー・ハサンが咳払いをする。
「お言葉を返すようですが、私でなくても、1年戦争の英雄が、こんな素敵なレディだって信じられませんよ?」
「んっふっふ。やっぱりぃ?」
 ニンマリと笑ってから、アムリィはいきなり確信にふれた。
「νガンダム、二十四時間以内に持っていくから」
 自分を抱擁するチェンの腕をやわらかくほどいたアムリィの顔は、すでにパイロットの表情になっていた。
「そりゃ無理です。サイコフレームとフィンファンネルの最終調整に、最低でも四十八時間かかります」
「フィンファンネルは実戦でテストすればいい」
「アムリィ大尉とサイコフレームの作動微調整はどうするんです!?この新技術のテストは実戦前にやらないと、我々としては大尉の生還を保障できません!」
 オクトーバーの言葉に、アムリィは苦笑した。彼は戦争に使う道具を作る技術者であっても、戦争屋ではない。生還を保障できる戦争など、ありはしないのだ。
 それよりも気になったのは「新技術」という言葉だ。しかし今は、その言葉の深意を探っている時間はない。
「二十四時間以内に、なんとかする」
「せめて、三十六時間以内」
「ダメよ」
 アムリィの言葉に、チェンが続く。
「そうだ、ダメです」

94プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/07 20:49 ID:???
 コクピットにチェンが座る補助シートをつけ、ブースターの力を借りて、νガンダムは月の重力圏を離脱した。
「大尉・・・オクトーバーの言葉、どう思います?」
 チェンが不安そうに聞く。
「気にしない気にしない♪」
 アムリィが気軽そうに答えるが、それは演技だ。
 二人の心にひっかかっているオクトーバーの話とは、こうだ。
 νガンダムのサイコフレームに使われたアイデア・・極小のサイコチップを材質内に散りばめる分子工学レベルの技術。これはフォン・ブラウン工場のオリジナルではなく、グラナダ工場から流出したものだ。
 そして、グラナダ工場は、もともとジオニック社を吸収合併したものであり、ネオ・ジオンのMSの生産ラインが極秘裏に存在するとの黒い噂が絶えない。
 アムリィはラー・カイラムに戻ったら、捕縛したヤクト・ドーガのサイコフレームを調べようと考えていた。もしもそれがνガンダムのものと同じ技術で出来ていれば・・・
「シャア・・・そうやって女を見下すことしか出来ない男なのよね」
 険しい表情でスクリーンに映った宇宙を見つめながら、小声でつぶやいた。
「何か言いましたか、大尉?」
「・・・二人きりのときは、アムリィって呼んでよ。それから、敬語はやめてね」
「軍事行動中なのに?」
「イジワルね、チェンって」
 フフッと笑いながら、アムリィは、冷静さを取り戻した。
 もしもνガンダムの技術が、シャアの、故意の技術流出によるものであったとしても・・・今の自分は関係ない。
 自分はただ、ガンダムでシャアを倒し、チェンの元に帰ってくる。
 それがアムリィにとって、過去の呪縛を解き、未来を、幸福を手に入れるために大切なことなのだ。
「アムリィ・・あの光」
 チェンが指差した前方に、戦闘による光輪が、いくつか瞬いて見えた。
「チェン、補助シートを斜め後ろに移動して」
「はい」
 チェンは一度、シートの前方にあった補助シートをはずして、アムリィの斜め後ろの位置に固定しなおした。

「何で民間シャトルがこんなところにいるんだ!」
 そう叫んだジェガンのパイロットは、レズン・シュタイナーのギラ・ドーガに撃破された。
 シャトルの近くで光芒が広がり、客席のアデナウアー・パラヤは頭を抱えておびえた。
「民間シャトルだって、戦場にありゃ撃たれたって文句言えないよ・・・なに!」
 シャトルをかばうようにビームライフルの一撃がレズン機をかすめた。
「あのシルエット・・・ガンダム?」
 アムリィのνガンダムが迫る。
「ちっ・・・撤退だよ!」
 信号弾を撃つと、レズン機以下、ネオ・ジオンMS部隊は早々に撤退した。
「あの引き際、あざやかすぎる・・・何かの陽動が目的だったの?」
 そうつぶやくアムリィが乗るνガンダムのシルエットが、シャトルの横で静止する。
 その背中を、シャトルの窓から見つめる少年と少女がいた。
 地球連邦軍宇宙軍参謀次官アデナウアー・パラヤの息子、クェウェイン・パラヤと、ロンド・ベル指揮官ブライト・ノアの娘、チェーミン・ノアだ。
95プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/07 20:53 ID:???
前回から時間があいて、すみません。
ストーリー、元ネタと変わっていませんね・・・(汗
あまり先のことは考えていないので
チェーミンの行く末も、まだ未定。

保守している皆様、おつかれさまです。
今度がいつになるかどうかは・・・分かりません。すみません。
他キャラの話などで盛り上がっていただけると、何よりです。
96通常の名無しさんの3倍:04/03/07 21:01 ID:???
プロトさん待ってました!つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
乙です。今回もよかったですよ〜
やった!閃光のチェーンに繋がる展開!
と、勝手に決め付けておきます。
期待裏切ってくださいね。
98通常の名無しさんの3倍:04/03/08 00:06 ID:???
キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キキ( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━!!!!!!
99プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/09 01:26 ID:???
「チェーミン!」
 ラー・カイラムの廊下で、救助したシャトルから移動中の乗客の中に愛娘の姿を見たブライトは、部下であるアムリィの前にもかかわらず、思わず大声を上げた。
「パパ!」
 アムリィはニヤリと笑い、横目でブライトを見た。ブライトの家庭人としての顔を見るのは、はじめてだ。
「パパ、だってよ?」
 アムリィの、からかうような目線に少し顔をしかめてから、ブライトはチェーミンに声をかけた。
「ママとハサウェイは、どうした?」
「チケットが一枚しか手に入らなかったの。ママはお兄ちゃんを乗せたかったんだけど、お兄ちゃんは、自分はママを守るために残るって言って・・・」
「そうか・・・」
「艦長、感動の対面のところ、もうしわけないのだが」
 二人の間にアデナウアーが割り込み、何か政治の匂いがする勅命の話をはじめたので、そういうことに関心がないアムリィは、その場を離れようとした。
 そのアムリィを見つめる視線があった。
 アデナウアーの息子、クェウィンである。
 その視線に気がつかないはずがなかったが、アムリィは、あえて無視して床を蹴った。無重力の廊下を、アムリィの体が流れていく。その形のいい尻を見つめていたクェウィンは、チェーミンに訊いた。
「あのパイロットスーツの人、知ってる?」
「アムリィさんのこと?」
「アムリィって・・・あの人、1年戦争のエースパイロットだった、アムリィ・レイ?」
 それはクェウィンにとって、アングラ文書を通してしか聞いたことがない、憧れのパイロットであり、同時に憧れの女性である人の名前だった。
「アムリィ・レイの知り合いだなんて・・ひょっとして、チェーミンのパパって、あのブライト・ノア!?」
 チェーミンは目を伏せた。
 父のことは、嫌いではない。
 だが、軍人としての父は好きになれない。
 たまに帰宅すると優しいパパだが、軍務に明け暮れて家をあけることが多いブライトは、チェーミンにとって、理想のパパとは程遠い。そんなブライトをどうして許しているのか、母の寛容さと、兄の気楽さが、チェーミンには理解できなかった。
 父と、父を理解している母と兄。ノア家の中でただ一人、父を理解できないチェーミンは、寂しかった。
 だが、まだ反抗期にさしかかったばかりのローティーンの少年には、そんな少女の心境は理解できない。
「チェーミンが伝説のキャプテン・ブライトの娘だったなんて!」
 クェウィンの声が廊下に響いた。二人の大人が、同時に振り向く。
「クェウィン!静かにしないか!」
「チェーミンも、一緒に、向こうに行っていなさい」
 傲慢な政治家の顔を見せるアデナウアーの言葉にクェウィンは舌打ちし、厳徹な軍人の顔を見せるブライトの言葉に、チェーミンは小さな声で「はい・・」と答えるしかなかった。

100プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/09 01:28 ID:???
 アムリィは夢の中にいた。
 無数の光がきらめく宇宙に、アムリィは浮いていた。
「シャア?」
 振り向くと、あの男の背中が遠くに見える。
 そっと手を伸ばそうとした、その目の前を、一羽の白鳥が大きな羽を広げて飛びまわる。
「ララァ・・・あなたは、もう死んだのよ」
「私は、ただ、シャアのそばにいたいだけ」
 白鳥の羽が、優美で細い腕に変わり、全身を覆う白い羽が、褐色の肌に変わる。
 一糸纏わぬララァの細い腕が、シャアの頭をそっと抱く。
 全裸の娼婦が男にまとわりつく姿は、アムリィにとって、不潔以外の何者でもない。唾を吐きかけたくなる衝動に、アムリィは耐えた。
「傲慢な女よね、あんたって」
「あんた」などと、わざと、あばずれ染みた言葉で呼んで、ララァを貶めようとする自分が、情けなかった。
「私があなたを消してみせる。シャアを過去の呪縛から開放してあげる」
「できるかしら?他の男に抱かれて悦んでいる、あなたに」
「馬鹿にしてぇ!」
 そう叫んだ瞬間、目がさめた。その目の前に、心配そうにアムリィの顔をのぞきこむチェンの顔があった。
「・・・いつから、部屋に入ってきていたの?」
 アムリィは半分寝ぼけながらも、慌てて、と言ってもノソノソした動作で、赤いショートの寝癖を直しながら訊いた。
「今、来たばかり」
「私・・・寝言みたいなこと、言ってた?」
「何も」
 それは、チェンの優しいウソだ。アムリィと男女の関係になってから「シャア」や「ララァ」と言った寝言を聞いた回数は、もう数えきれない。
「そう・・・」
 アムリィは騙されたふりをして、チェンの前であっても気にしないでシュラフのファスナーを降ろした。
アムリィの下着姿が目にとびこんできて、チェンはあわてて、視線をそらした。ブラとショーツはブルーとホワイトのストライプ。アムリィの下着の趣味は、昔から変わらない。
「アムリィ大尉、よろしければ、MSデッキへ」
 チェンが、わざと軍務口調で言う。この若く実直な青年なりの、けじめのつけ方なのかもしれない。
「急ぐの?」
「いえ、本艦はロンデニオンへの帰投途中ですから、緊急ではないのですが・・・」
 くどくどと説明するチェンの唇を、唇でふさぐ。甘く長い口づけの後で、アムリィが小さくつぶやく。
「命令よ、チェン。私をギュッと抱いてくれる?」
「い、今、ですか?」
「でもセックスはダメ。ギュッと抱いていてほしいだけなの。ダメ?」
 女にそう言われてダメだという男はいない。しかしチェンは男としては不器用で、軍人として生真面目であり、勤務中に女を抱きしめるのに躊躇があった。
 逡巡するチェンの返事をまたずに、アムリィはチェンの首に腕をまわし、ギュッと身をあずけた。チェンはとまどいつつも、ゆっくりのアムリィの背に手をまわす。
 時間にして10秒ほどだが、二人にとっては、かけがえのない、ゆったりとした時間だった。
『シャアの中から私を消すことができるかしら?他の男に抱かれて悦ぶあなたが』
 耳元で、ララァがささやいたような気がして、アムリィは、頬を赤く染めたままではあったが、ゆっくりと、チェンから身を離した。
「先にMSデッキで待ってて。私も、10分後に行くから」
「・・・わかった」
 チェンはいかにも若い男らしく、その先に進めないもどかしさを声にふくみながらも、微笑みながら部屋を出た。
「・・・大尉、たまに情緒不安定になるんだよな」
 無重力の廊下を流れながら、ボソッとつぶやいた。
101プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/09 01:29 ID:???
たまには二晩連続で・・・
102通常の名無しさんの3倍:04/03/09 10:05 ID:???
キーワードキタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!
103通常の名無しさんの3倍:04/03/09 23:34 ID:???
age
104通常の名無しさんの3倍:04/03/10 00:45 ID:???
神キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
105通常の名無しさんの3倍:04/03/12 17:35 ID:gNtVwb3q
ほしゅ
106通常の名無しさんの3倍:04/03/12 18:45 ID:???
デュオ
107通常の名無しさんの3倍:04/03/16 07:59 ID:???
ロランが女だったら・・・そのままか?
108通常の名無しさんの3倍:04/03/16 15:21 ID:???
そのままだ・・・・・。
109通常の名無しさんの3倍:04/03/17 03:51 ID:???
結果論的にグエン様がホモじゃなくなる
由々しき自体だ!!
110通常の名無しさんの3倍:04/03/18 03:18 ID:???
早くこないかなー
111通常の名無しさんの3倍:04/03/19 02:38 ID:???
保守
112通常の名無しさんの3倍:04/03/20 08:03 ID:???
カミーユが女だったら・・・ある意味、そのままか?
113通常の名無しさんの3倍:04/03/21 05:05 ID:???
「なんだ、男か……」
「なんだと、ゴルァ!」


やっぱりいっしょだな……
114通常の名無しさんの3倍:04/03/22 13:35 ID:???
ほしゅ
115プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/22 20:40 ID:???
 ジェガンのコクピットを取り囲む大人たちの間から、ワッと歓声がわいた。
「すごいね、初操縦で3機撃墜なんて!」
 メカニックのアリス・ナム・メドッソが拍手をすると、チェーミン・ノアは照れくさそうにコクピットから出てきた。
「でも、撃墜されちゃった」
 そう言いながらも、どこか嬉しそうだった。
「すごいねアリスさん。前の戦闘から、すぐに模擬戦モードを作れるなんて」
「軍事機密だ」
 父、ブライト・ノアが口を挟むたびに、チェーミンはムッとする。その父娘を見ながら、地球連邦軍宇宙軍参謀次官アデナウアー・パラヤが、どこか愉快そうに言う。
「艦長のお嬢さんは素晴らしい素質をお持ちのようだ。模擬戦モードとはいえ、初操縦で3機撃墜は、あの、もはや伝説となったアムリィ・レイのデビュー戦と同じだな」
 チェーミンに「ニュータイプ部隊を率いた歴戦の艦長の娘さんなら、きっと、素晴らしい操縦ができる」とそそのかして模擬戦モードをやらせたのは、アデナウアーなのだ。
 しかし、そのアデナウアーの賞賛の言葉に、ブライトは眉をしかめた。
「まさか。娘に素質などありませんよ。マグレです。ニュータイプなどには遠くおよびません」
 これがきっかけで、チェーミンがパイロットの道を歩むなど、ブライトには想像したくもない未来だった。娘を戦地に送りたい父親などいない。
 しかしチェーミンには、気難しい父親の心情など理解できない。マグレなどと言われて少しムッとしたが、反抗を口にできるような性格ではなかった。
「娘など、ニュータイプなどには遠くおよびません。なあ、アムリィ」
 ブライトの最後の一言は、少し離れたところでνガンダムの整備をしていたアムリィに向けた言葉だった。
「え?なぁに?」
 手を休めて、アムリィは振り向いた。機械油で汚れた頬を汚い袖でグイッと拭いたら、さらに汚れた。その姿は1年戦争の英雄とは思えない。
 あれが、あのアムリィ・レイ?パパやママが、よく「アムリィのおかげで、自分たちは一年戦争を生き残ることができた」と言っていた、一年戦争の英雄?
 チェーミンが床を蹴って、アムリィに近づく。
 後ろでアリスが「今度は参謀閣下の息子さん、やってみたら?」とアデナウアーの息子、クウェインに言っているのを聞きながら、チェーミンは、おずおずとアムリィに話しかけた。
116プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/22 20:40 ID:???
「あの・・・あなたが、あのアムリィ・レイさんですか?」
「・・・あの、って言われるほどの女じゃないけどね」
 アムリィはおどけて肩をすくめながら言った。その姿がチェーミンにはまぶしかった。どんなに童顔でも、チェーミンにとってアムリィは英雄であり「こうなりたい」と願う憧れの女性なのだ。
「私、父や母からアムリィさんのこと、たくさん教えてもらいました」
「えぇ?照れくさいなあ。えっと、チェーミンちゃんって言ったっけ?あなたみたいな可愛い娘に知られているなんて、嬉しいな」
 軽口をたたきながらも、アムリィは整備の手を休めなかった。その、見た目を気にしない集中した仕事ぶりも、チェーミンの羨望心を刺激した。
 男に媚びない、それでいて男を魅きつけてやまない女戦士。
「何て言ったらいいんだろう・・憧れっていうか・・」
 チェーミンが照れながらも、そう呟いたとき、頭上から声がした。
「アムリィ大尉!」
「なぁに、チェン?」
 そう答えたアムリィの声は、チェーミンにとっては、意外なものだった。
 媚がある・・・?あのアムリィ・レイが男に媚びている?
 そんな、自分に憧れという名の幻想を抱く少女の心に気がつかず、アムリィはトンッと床を蹴って、頭上から流れてくるチェンの胸に軽く飛び込んだ。
「頭部センサーチェック終わりました」
「あ・り・が・と」
 軽いキスを交わす。
 その二人の姿を、チェーミンは幻滅しながら眺めていた。
 なんだぁ・・・一年戦争の英雄って言ったって、ただの女なんだ・・・
 チェーミンは、まだ潔癖なのだ。
「大人って、不潔」
 そのとき、ワッと歓声が上がったので、チェーミンは振り返った。
 ジェガンのコクピットから流れてきたクウェインが「チェーミン、俺、2機撃墜したぜ」と得意そうに言いながら、近づいてきた。
「何を不機嫌な顔してるのさ」
 クウェインが訊く。
「え?私・・・不機嫌な顔してた?」
 そう言いながら上を向く。チェーミンの視線にあわせてクウェインも上を向いた。その視線の先に、仕事の話をしながらも互いの背に手をまわしているアムリィとチェンの姿が浮いているのが見えた。
「ああ・・・そういうこと」
 クウェインがうなずく。彼はカンがいい少年だったから、チェーミンの不機嫌の理由が、アムリィに対する幻想の崩壊であることに、すぐに気がついた。
117プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/22 20:42 ID:???
 アムリィが軽く手を振ってチェンから離れ、MSデッキから出ていくのを確認すると、クウェインは床を蹴って体を流し、チェンに近づいていった。
「ねえ・・アンタ、アムリィ・レイの何なの?」
 無遠慮に訊く。チェンは一瞬、眉をひそめると「ここは民間人は立入禁止だよ」と、諭すように言った。
「艦長が許してくれたんだよ。それより、なんで伝説のアムリィ・レイが、あんたみたいは平凡な男のそばにいるのさ」
「礼儀を知らないな、小僧」
 メカニックとはいえ、チェンは軍人である。クウェインの胸倉をグッとつかむと、クウェインはチェンの腕を振りほどくことができなくて、締められた首の奥から苦しそうに「グゥ・・」と声を出した。
「参謀次官の息子だかなんだか知らないけど、一人前の男を気取るには、早すぎるな」
「・・あんた・・この艦から降りろよ・・・あんたみたいな平凡な男に、一年戦争の英雄の相手はつとまらないよ・・」
 苦しみながらも、クウェインは毒ついた。
 チェンはチラリと横目で、アデナウアーがブライトと話をしていて、こちらに気がついていないことを確認すると、つかんでいた胸倉を離してクウェインの腹をボスッと殴った。
「ぐぇ・・」
 口から漏れた唾が、空中をただよう。
「・・あんたが・・・アムリィさんのそばにいると・・チェーミンがアムリィと仲良くなれなくて、不機嫌になるのさ・・・ニュータイプどうしが近づくのに、あんた・・邪魔なんだよ・・・」
 ブツブツというクウェインの言葉を、もうチェンは聞いていなかった。わけが分からない子供の言い分にいつまでもかまっていられるほど、チェンは暇ではなかった。
「・・大丈夫、クウェイン?」
 恐る恐る近づいてきたチェーミンが、クウェインに声をかける。「大丈夫」と笑おうとしたが、苦痛で頬がゆがみ、上手く微笑むことができなかった。

118プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/22 20:43 ID:???
ども。
ペースが遅くてスミマセン。
チェーミンとクウェインをストーリーにからませるの、難しい・・・
119通常の名無しさんの3倍:04/03/22 21:23 ID:???
乙ですー!
ネ申..._〆(゚▽゚*)
120プロト ◆xjbrDCzRNw :04/03/22 21:49 ID:???
今読み返したら
前回、チェーミンはアムリィの顔を知っていたのに
今回、まるで初めて見たようなアクションをとっている・・・
申し訳ありません・・・
121通常の名無しさんの3倍:04/03/23 00:17 ID:???
キタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
122通常の名無しさんの3倍:04/03/25 00:20 ID:???
保守
123通常の名無しさんの3倍:04/03/27 22:39 ID:???
hossyu
124通常の名無しさんの3倍:04/03/30 02:49 ID:???
保守るよ
125通常の名無しさんの3倍:04/04/01 20:56 ID:???
保守
126プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/02 01:52 ID:???
 観光を基幹産業とするコロニー・ロンデニオンは、同時にロンド・ベルのベースであるという軍事施設としての側面を併せ持つ。
 アムリィとブライトは、ラー・カイラムのブリッジがら、これから入港するロンデニオンの港口を見つめていた。
「シャアは、本気で地球を冷却化するつもりかな・・」
 ブライトがボソッとつぶやいた。
「第1ラウンドは、もう、やっちゃったんだよぉ?」
 アムリィが、入港手順で忙しい他のクルーに聞こえないように、やはりボソッと答えた。
「地球を寒冷化するには、もう一つ隕石を落とさなくてはダメだ」
「そうね」
「しかし月軌道内の石っころは連邦が管理している。ムリをするよりはスィートウォーターをネオ・ジオン領土として認めさせる方が、得策じゃないか?」
「そのために、アデナウアーが宇宙に来た?」
「そう思えるな・・・」
「ブライト・・・あなた、シャアの本性を忘れた?」
 アムリィの言葉に、ブライトは口をつぐんだ。自分の考えが楽観論であることは分かっている。シャアは利益で物を考えない。理想だけを求める。
 ブライトの思考をさえぎるように、アムリィは小声で歌い始めた。
「紙飛行機を男は、隠して持っています♪ガラスの靴を女は、隠して持っています♪」
「・・・なんだ、その歌?」
「前世紀の流行歌よ・・・シャアは、紙飛行機を捨てられない男」
「今でもパイロットとして生きたいっていうのか?一軍の将の考えじゃないな」
「・・・ヤクト・ドーガ、調べたわ」
「フィフス・ルナで持って帰ってきたヤツか」
「νガンダムと同じサイコフレームが使われてた・・・シャアはネオジオンの技術をアナハイムを通じて私たちに提供したってわけ。ガンダムに使われるって、分かっていながら、ね」
「・・・ずいぶん、バカにされたような話だな」
「シャアは私と戦いたいのよ。赤いMSでガンダムと戦いたいの」
「1年戦争のやり直しをする気なのかな」
「少し違う。自分より弱い女を組み伏せても満足しない。自分と互角・・・それ以上の力を持つ女を組み伏せて、初めて、満足できるのよ。そのためだったら、何だってする」
「たったそれだけのために、敵に塩をおくり、隕石だって落とすっていうのか?」
「それが、シャアよ・・・私を殺せばララァを忘れられると思っている・・妄執ね」
 アムリィの考えこそ、シャアという一人の男に取りつかれた妄執かもしれない・・・ブライトは、その思いを捨てられなかった。いざ、戦場でシャアと対峙したときに、アムリィはシャアを殺せるのだろうか?
「・・・アムリィこそ、今でもガラスの靴を捨てられないんじゃないか?」
「ん?何か言った?」
 アムリィが、ブライトの質問が聞こえないふりをして、振り向きながら、あいまいに笑ったので、ブライトは、それ以上の論議をやめた。
 ラー・カイラムが、ゆっくりとロンデニオンの港に入っていった。

127プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/02 01:53 ID:???
 チェーミンとクウェインを後部座席に乗せ、アムリィがハンドルを握るバギーは、コロニー内の草原を走っていた。
「地球より、ずっとキレイだ!」
 クウェインがはしゃいだ声を出すと、チェーミンの気も晴れてきた。わずかだが、口元に笑みが浮かぶ。若い二人の笑顔を見ていると、アムリィの気分も楽になった。
 整備で手が離せないチェンをおいていくのは少し気にかかったけど、外に出てよかったと思う。
「・・・平和って、いいなぁ」
 自然と、そんな言葉が口をつく。いつの間にか、自分はニュータイプという名の戦闘マシンになっているのではないか・・・休暇中に見る緑と水の風景は、そんな不安を忘れさせてくれる。
「あ・・・白鳥?」
 アムリィがチェーミンのつぶやいた方を見ると、大きな白鳥が湖面を飛び立つところだった。
『フフフ』
 アムリィは目をしばたいた。ララァの幻影を見たような気がしたからだ。首を振って幻を振り払おうとしたとき、林の向こうに、馬上の人が見えた。ブレーキをかける。
「うわぁ!!」
 急停止したバギーの上で、クウェインとチェーミンがよろけた。
「・・・二人とも、バギーを降りて!」
「どうしたの、アムリィさん?
 不安気にきくチェーミンの声を無視して、アムリィは声を荒げた。
「降りなさい!早く!」
 剣幕に押された二人が降りると、アムリィはアクセルを踏み込んだ。
「シャア・・・なんで、こんなところに」
 その呟きを、チェーミンは聞き逃さなかった。しかしバギーは、遠く逃げる馬を追いかけて急加速をかけた。
「・・・シャア?あれが?」
 チェーミンはバギーを追いかけようと走り始めた。
「チェーミン、どこに行くんだ!」
 クウェインが後を追う。しかしバギーは二人を置いて、馬を追い、どんどん遠くへ走り去っていった。

128プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/02 01:54 ID:???
「なんで、あなたがロンデニオンにいるの!」
 アムリィが叫ぶ。
 白馬の上、サングラスに瞳を隠したシャアが、馬を駆りながら叫び返す。
「私はお前と違って、パイロットだけをやっているわけにはいかん!」
「なんで、隕石落としなんか!」
「重力に魂をしばられた人を粛清するためだ!やつらは地球を汚染することしか考えていない!」
「エゴイスト!あいかわらず傲慢な男ね!」
「私がエゴイストなら、地球にへばりついているヤツラは何だ!地球は人間のエゴを飲み込みきれないのだよ!」
 林から抜け出た馬にバギーを随走させると、アムリィは運転席から馬上のシャアに飛びついた。
「っんな!」
「なんとぉ!」
 どちらの声ともいえない叫びとともに、もみあって馬から転げ落ちる。
無人のバギーが川に落ち、馬が主を失っていななく。草原に落ちた二人がもつれあう。草原に背中を打ったシャアの上に、アムリィが乗った姿勢で胸倉をつかむ。
「人間の知恵は、そんなものだって乗り越えてみせる!」
「ならば、愚民どもに、今すぐ英知を授けてみせろ!」
 シャアの言葉に、アムリィは一瞬怯んだ。それができないから、人類は同じ過ちを繰り返していく・・・
 その隙をシャアは見逃さない。シャアの膝がアムリィの腹にくいこむ。
「うぅ!」
 ひるんだアムリィの腕をふりほどき、シャアが林の中に逃げる。
 痛みをこらえて立ち上がり、腰に手をまわしたアムリィは、自分が銃を持ってきていなかったことに気がついた。
「待ちなさい!」
 シャアをおいかけ、林の中に飛び込む。シャアの背中にタックルをかける。しかしシャアは、それが分かっていたかのように避けた。よろけるアムリィに、今度はシャアが飛びつく。
「っつう!」
 押し倒され、後頭部をかばうために手を頭にまわしたまではよかったが、背中を打ち激痛に声を上げた瞬間、シャアに馬乗りに乗られた。
「この!」
 拳をふりあげようとするが、下からではシャアの顎にとどかない。逆に手首を捕まれ、組み伏せられた。
 二人の視線が、合う。
129プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/02 01:55 ID:???
 林の中の静寂。肩で息をする、二人の荒い息づかいだけが聞こえる。
 木漏れ日が二人の顔に、影と光を落とす。
 合った視線が、からみあう。
 シャアの唇が、アムリィの唇をふさぐ。
「っくう・・・」
「っつう!」
 うめきながらも、アムリィはシャアの唇を噛んだ。
「・・・それでこそ、アムリィ・レイだ」
「離せ!」
 シャアの腕がアムリィの胸倉をつかみ、シャツの胸元をグッと広げる。ボタンが飛び散り布地が裂け、浅い胸の谷間が下着からのぞく。
「シャア・・・!」
 アムリィが自由になった腕をふりまわすが、シャアはかまわずに、その谷間に鼻を高い鼻梁をうずめ、舌を這わせた。
「・・うぅ!」
 シャアの肩を、胸を押し上げようと抵抗するが、かなわない。
 シャツを脱がせながら背中にまわした指が、そのまま、土と尻の間に潜る。
 ズボンの上から尻をなでられると、アムリィの頬が赤くなった。抵抗する力が緩む。
「ダメ・・」
 渾身の力を込めて拳を握り、シャアの頬を殴ろうとするアムリィの、その唇を、もう一度強引に奪う。
 舌が、口にもぐる。力が抜けていく。
「ひ・・あ」
 舌をからめながら、シャアの手はブラと胸の間に潜り、青と白のストライプの布地に指をかけたかと思うと引きちぎった。背の金具がはじけ飛び、肩紐が切れる。
「や・・やめて・・・・」
 光と影がまだらに当たる胸をグッとつかむ。
「・・痛!」
 アムリィの声が静寂をやぶる。口から首、胸をはうシャアの下が、胸の先端をなでると、アムリィの背中に電流が走る。
「ひ・・・あ!ん・・・」
 腰のファスナーを下ろされ、昔から変わらないストライプのショーツが露にされる。
「ダメ・・・ダメ・・・・!」
 ショーツの中に潜ろうとするシャアの手を懸命に抑えるが、無駄な抵抗だった。もう一度、胸を口に含まれ快感に怯んだ瞬間に、スルリトショーツの中にもぐりこんだシャアの指が、アムリィの最も鋭敏な部分に触れる。
「はぁう!」
 背が弓のように反る。
 シャアの指がうごめくたびに、自分の中心が濡れ漏れてゆくのがわかる。
「やめて・・・やぁ・・・・・」
 しかし、拒むほどの力は、もう腕にも、どこにも入らない。
 硬く閉じていた脚が、自分でも気がつかないうちに僅かに開き、ショーツが股間を離れ、腿を這い、膝を超え、足首から抜けるのを、ただ呆然と感じるしか無かった。
「こうなるのを、君は望んでいたんだろう・・・だから私を追ってきたのだろう」
 耳元で囁くシャアの声が、どこか遠くから聞こえてくるような感じがする。いつのまに開いたのだろう、腿と腿の間に、シャアの体が覆いかぶさっていく。
 ふっと目を薄く開けて、サングラスをかけたままのシャアの顔がぼんやりと見えた瞬間、アムリィの中心にシャアの中心が一気に潜った。
130プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/02 01:56 ID:???
「ぁぁぁあああああああ!」
 激痛とも快感ともつかない感覚。
 屈辱と恍惚の境界。
 止まらないシャアの中心。
「いや・・いやぁぁ・・・やめてぇ・・・」
 わずかに残る理性で、抵抗の言葉を口にする。その切ない喘ぎが、瞳を濡らす涙が、シャアの本能をさらに刺激することに、アムリィは気がついていない。
 やがて理性が悦楽に侵食され、アムリィの感覚は深いところに堕ちていく。
「忘れたのか?一年戦争の、あの日々。君は私に会うために、乗りたくもないMSに乗り、毎日のように戦場を駆けた」
「く・・あ・・やぁ・・・」
「ダガール演説を終えた私を、優しく包んでくれたときもあった」
「や・・あ・・・・ん・・・」
「だが、君は、ララァを殺した」
「・・・え?」
 濡れた海の底に溺れていたアムリィは、シャアの言葉に、ハッと我に返り目を見開いた。いつの間にサングラスを外したのか、切れ長の目に宿るのは、彗星のように光る、赤い情熱ではなかった。
「だから、私は君を許さない」
 それは・・・炎より熱い、蒼い怒りだった。
「・・・いや・・いやぁ・・・いやああぁぁぁ!」
 正常位のまま、シャアはすばやく、アムリィの膝の裏側を、自分の肘の裏側でグッとロックし、そのままアムリィの手首をつかんだ。
「やめて・・お願い・・・やめてぇぇぇ!」
 渾身の力を込めてシャアを振りほどこうとする。しかし捕まれた手首はグッと地面に押しつけられ、どんなに脚をばたつかせ、腰を動かしても、腕と、グッとのしかかられた腰全体にふさがれ、接合した部分を外すことはできない。
 アムリィの中で、シャアが一層硬くなり、膨らむ。
 はじける時が、もうそこまで来ている。
「悔しければ、戦場で私を殺すがいい。君に撃たれ、私はララァの胸元へと召されるだろう!」
「いやぁ!や!やめて!やめてぇぇぇ!いやあぁぁぁああああああ!」
 ドクン。
 ドクン。ドクン。ドクン。ドクン。ドクン。
 アムリィの中で、シャアが、あふれた。

 チェーミンは、動けなかった。
 見えなくなったアムリィを追いかけ、気がつけばクウェインともはぐれて、一人、林の中をさまよううちに、遠くかすかに聞こえるアムリィの声をとらえた。
 声を頼りに歩くと、木漏れ日の間から見つけたのは、シャアに組みひしがれていたアムリィだった。
 拒絶が、甘い吐息に変わり、再び拒絶に変わるまでの様子を、チェーミンは遠く離れて、木々に隠れて見つめていた。見たくないと思っても、目を離せなかった。
 アムリィさんだって、ただの女だ・・・なんて汚い・・・・
 そう思うのに、その場を動けなかった。

131プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/02 01:57 ID:???
 アムリィはグッタリと地面に横たわり、何もうつさない、うつろで乾いた瞳で、ただ、葉の間からのぞく空を見ていた。よく晴れた空の向こうに、コロニーの反対側の内壁にへばりつく町並みが小さく見えた。
 いつのまに服を整えたのか、シャアがアムリィを見下ろしていた。
「戦場で会おう」
 そう言い残し、シャアが立ち去っていっても、アムリィは立ち上がるどころか、指一本動かすことさえ出来ないほど虚脱していた。

 チェーミンは慌てた。アムリィを捨て、シャアが歩いてくる。このままだと自分はシャアに見つかってしまう。それでも、その場を動けない自分がいる。
 逃げなきゃ。
 そう思って、中途半端に体を動かした。
 ガサリ。葉がこすれる。
 シャアが音に気づき、止まる。
 チェーミンを動きを止める。木々に隠れ、息をひそめる。
 いつのまにシャアが動いたのか、チェーミンは気がつかなかった。
 パッと手首をつかまれた。
「ヒッ・・!」
 振り向いたとたん、息が詰まるような声が漏れた。
 そこに、シャアの顔があった。
 想像していたよりも、ずっと甘い、シャアの顔。
 厳格な父・ブライトとは対極にある、自分を魅きつけてやまない、その、気。
「・・・名前は?」
「・・・チェーミン。チェーミン・ノア」
 どうして本名を言ってしまったのか分からない。
 一時は父と一緒にティターンズと戦った男だから、私が父の娘だと気がつかれたかもしれない・・・その逡巡を感じたのか、シャアはゆっくりと口を開いた。
「一緒に、来るかい?」
 その言葉よりも、小さくうなずいた自分自身に、チェーミンは驚いていた。
「ダメだ!チェーミン!」
 振り向くと、クウェインがいた。
 しかしシャアは、チェーミンの手首をつかむと走り出した。チェーミンも走った。シャアの手が、家に、地球に、全てに縛られた自分を解放してくれる気がしたからだ。
 林を抜けると、派手な色のハイザックが降りてきた。チェーミンは、促されるままに、その手の平に乗った。
 上昇するハイザック。見下ろすと、何かを叫んでいるクウェインの姿が、どんどん小さくなっていった。

 アムリィは、重い体をようやく起き上がらせた。立ち上がろうとすると、ドロリと、股間からシャアの白濁がこぼれてきたので、またしゃがみこんだ。
「私・・・・こうなること・・どこかで望んでいたのかもしれない・・・・・」
 私のガラスの靴は、割れた。シャアが割った。
 でも、それでいい。私はそれで、全てを忘れて前に進める。戦場に出ても、あの人を撃つのに、何のためらいもない。
「今度は、私がシャアの紙飛行機を、墜とさなきゃ・・・」
 でなきゃ、シャアはいつまでも、ララァの呪縛から逃れられない。
 クシャクシャにゆがんだアムリィの表情。その瞳から、いつまでも、いつまでも、ボロボロと涙が落ち続けていた。
132プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/02 02:02 ID:???
私みたいな駄文書きを
ほめてくれたり、楽しみにしてくれる皆様
それに保守している皆様、ありがとうございます。
年度末と年度初めは仕事がいそがすぃーので
どれだけ続きが書けるか分かりません。毎回、本当にスミマセン。

と、言うわけで、今回はエッチなシーン(はぁと)
133通常の名無しさんの3倍:04/04/02 09:22 ID:???
キタ━━━━━━(≧∀≦)ノ━━━━━━ !!!!!
134通常の名無しさんの3倍:04/04/02 11:15 ID:???
(;´Д`)スバラスィ ...ハァハァ
次回も楽しみにまってますー
135通常の名無しさんの3倍:04/04/02 12:09 ID:???
キテ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ル!!!!すごい文才だと思うYO!!
136通常の名無しさんの3倍:04/04/03 02:04 ID:???
キタ━━━━ヽ(☆∀☆ )ノ━━━━!!!!
シャアとアムリィくっつけてあげてくださいヽ(τωヽ)ノアムリィカワイソウ
137通常の名無しさんの3倍:04/04/05 22:28 ID:ecoMdGIK
age
138通常の名無しさんの3倍:04/04/09 13:14 ID:???
保守
139通常の名無しさんの3倍:04/04/12 00:21 ID:???
ほしゅ
140通常の名無しさんの3倍:04/04/14 02:58 ID:???
ほしゅ
141プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/14 21:18 ID:???
 気を取り戻しながらもラー・カイラムに戻ったアムリィに、何も知らないチェンが声をかけた。
「大尉、聞きました?シャアがこのコロニーにいたって話」
「え?」
 動揺を隠せず、目を見開いてしまった。誰かが・・・私とシャアのことを知ってた?見てた?
「ブライト艦長が言ってました。シャアのヤツ、アデナウアーや連邦高官と会ってたんですって。カムランって人からの情報らしいですよ」
「あ・・そう」
 ホッと胸をなでおろした。会計監査局のカムラン・ブルームからの情報ならば、自分とシャアの関係を知られているはずもない。
 誰よりも、チェンに、自分がシャアに犯されながら感じていたなどと知られたくはない。
 しかし、そうなると別の問題が浮上する。
 シャアと連邦政府は、いったい、どんな取引をしたのか・・・
「ねえ、チェン・・・」
「何ですか、大尉?」
「そういう呼び方、今はやめて」
 アムリィがそういう時は、そういう気分のときなのだと、チェンは経験からしっていた。
 肩を並べて、自然、二人の足はアムリィの部屋に向く。
 アムリィはチェンに抱かれることで、自分の中からシャアの匂いを搾り出したかった。
 二人が肌を重ねている最中、世間では、ネオジオン艦隊がアクシズ譲渡とひきかえに、三日後に武装解除するというニュースで揺れ動いていた。
 ブライトはうめいた。シャアは、アクシズを地球に落とす気だ。
 そして、それを阻止する期限は・・・三日。
 ロンド・ベルがアクシズ死守もしくはスィートウォーター包囲のための大掛かりな軍備を整えるには、短すぎる時間だった。
 かと言って、着の身着のままで出撃すれば、他の連邦艦隊が当てにならない今の状況では、ロンド・ベル全滅が待っているだけである。結局のところ、ある程度の軍備を整えなくては、出撃はできない。
「俺たちは、シャアが動き出してから、後手に回るしかないのか・・・」
 ブライトのグチを、アムリィは知らない。

142プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/14 21:19 ID:???
 三日が過ぎた。
ネオ・ジオン艦隊が武装解除のためにルナ2に向かったという報道があった直後、ラー・カイラムはアクシズに向けて出発した。
νガンダムの整備を終え、ブリッジに上がってきたアムリィが、ブライトに近づいた。
「ルナ2は、どうなるかな?」
「シャアにやられて、全滅するだろうな。あるいは、もう全滅しているかもしれん」
 ブライトは楽観的なことは、もう言わないことに決めた。
「そうだろうね・・・ねえブライト、変だと思わない?」
「何がだ?」
「これからルナ2を拠点に出発するネオ・ジオンと、すでにロンデニオンを出発している私たち・・どう考えても、私たちが先にアクシズにつく。そんなヘマを、あの男がするかなぁ?」
 ブライトの脳裏に、かつての狡猾かつ大胆な敵、赤い彗星の姿がよぎる。
「・・・ニュースの録画、スクリーンに映せ!」
 ブライトがクルーに怒鳴ると、ノイズラインの粗い画面がすぐに映し出された。
 アムリィとブライトは、その画面を見つめた。
「・・・これと、あれ、それに、あれも・・・ダミーね」
「艦隊の半分は、もうアクシズに着いたかもしれんな」
「今頃、ルナ2も攻撃を受けているでしょう・・・アデナウアー参謀は、どうしたかな?」
「運がよければ生きのびている」
 だが、おそらく死んでいるだろう。
「厳しい戦いになりそうだな」
「私たちの戦いに、楽な戦いは一度もなかったわ・・・ブライト、チェーミンのことだけど」
 ブライトとアムリィは、クウェインから、チェーミンがシャアにさらわれたことを聞かされていた。その時にさえ表情を動かさなかったブライトが、今、アムリィの口から娘の名前が出て、はじめて、かすかに眉をひそめた。
 エースパイロットが言うこと。それは、唯一つしかない。
「・・・戦場で会ったら、撃つよ」
 戦場でのアムリィを敵として一番よく知る男がシャアならば、味方として一番よく知る男は、ブライトに他ならない。だからこそ、ブライトは確信する。アムリィが撃つと言ったならば、本当に撃つだろう。
 まるで時計ではかったかのように、ピッタリ3秒逡巡してから、ブライトは小さく、しかし、はっきりと答えた。
「当然だ」
 アムリィは、苛立たしげに指を動かすブライトの右手の甲をギュッと握り締めたが、ブライトは握り返してはこなかった。肘掛を握り、自ら指の動きを止めた。
 それでこそ、ブライト・ノアだと思う。アムリィは、シャアのように女に逃げない男の強さを、かつて自分を殴りとばしたブライトの中に、垣間見た。

「帰ってきたら、おいしいサラダ、準備してるから!」
 メカニックのアリスの声に、先発部隊のパイロット、ケリーが小声で答える。
「愛してるぜ」
「え?なんて言ったの?」
「なんでもねえよ!ケリー、出るぞ!」
 アニーが機体を離れると、リ・ガズィがカタパルトから宇宙に流れ出る。ケリーはノーマルスーツのポケットから指輪を取り出した。
「サラダの御礼に、こいつでプロポーズさ」

 アムリィ率いる後発部隊の出撃が少し遅れたのは、密航者発見の騒ぎがあったからだ。
アデナウアーの息子クウェインが「チェーミンを取り戻すんだ」と騒ぐのを、ブライトが殴りとばした。
「できもしないことを戦場で叫ぶなんて、若いよね」
 コクピットで、アムリィは、一人つぶやいた。
 自分も一年戦争の頃は、あんなに真っ直ぐだったろうか。
 いや、違う。自分は、あんなに真っ直ぐな気持ちで戦場に出たいとは思わなかった。
「単純でいいよね、男の子って・・・」
「アムリィ、何をボーっとしてんの!」
 コクピットの外の、アニーの声に、我にかえる。
「ああ、ゴメンゴメン。私の番ね」
「ねえ、アムリィ・・・友達として、お願いがあるんだけど」
「なに?」
「・・ケリーを、無事に連れ帰ってきて」
 アムリィは、守れるかどうか分からない約束は、したくなかった。戦場では、誰だって、無事に帰ってこれる保障などないのだ。
「ケリーなら大丈夫。私なんかがついていなくても、戻ってくるよ」
 なるべく明るい声で言うと「そうだね!」と、アニーの声が返ってきた。
「アムリィ・レイ、ガンダム、行きます!」
 カタパルト・デッキを滑り出るガンダムの後ろ姿を、アニーが不安そうに見つめていた。

143プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/14 21:37 ID:???
「あの機体、一機で艦隊をつぶす気か・・・まさか、ガンダム!?」
 青いヤクト・ドーガのギュネイが、遠く白い直線を描く機体を視野にとらえた。
「ガンダムをやれば、チェーミンだって大佐から奪えるさ!」
 ファンネルが白い機体に襲い掛かる。いくつかのファンネル光が白い機体の右足と左腕を直撃した。
「逃がすか・・これは、ガンダムじゃない!」
 接近したギュネイが見たのは、ケリーのリ・ガズィだった。
「まだまだ!艦隊に直撃をくらわせるまでは!」
 ケリーが叫ぶ。しかし破損したリ・ガズィはあっけなくヤクト・ドーガの発したワイヤーに捕らえられた。
「脱出コクピットが作動しない!?」
「あれは・・・ケリー!」
 もつれあう二機体を発見したアムリィのガンダムが近づく。
「そこで止まれ、ガンダム!動きを止めなければコイツを焼くぞ!」
 ギュネイの光音声がアムリィにも届く。ヤクトのビームライフルの柄が、身動きのとれないリ・ガズィのコクピットにピタリと当てられた。
「アムリィ大尉!撃ってくれ!敵は動きを止めてます!」
 叫ぶケリーの声は、アムリィには届かない。
「アムリィってんだろ、ガンダムのパイロット!ガンダムを明け渡せば、こいつは帰してやるよ!武装を外せ!」
「・・・わかった」
 アムリィがνガンダムのファンネルをはずす。薄い板状のフィンファンネルは、ギュネイには放熱板にしか見えなかった。
「ふざけるな!放熱板が、何だってんだ!」
 ヤクトのファンネルがガンダムを襲う。アムリィの無意識に中の防衛本能に、フィンファンネルが反応し、ヤクトのファンネルを墜とす。
「抵抗したな!」
 ヤクトのビームサーベルが無音で伸び、リ・ガズィのコクピットを貫いた。
 その瞬間、ケリーは消滅した。
『・・・・アニー・・!』
 その刹那の意識が、ガラスの棘となってアムリィの心に刺さる。
「ケリー!!」
「このギュネイ・ガスの忠告を無視するからだ!」
 しかしファンネルを失った状態でガンダムに一対一を挑むほどギュネイは愚かではない。撤退行動はすばやかった。
 後には、虚空に浮かぶリ・ガズィと、それを見つめるνガンダムだけが残された。

「ウソだよね?」
 一人帰艦したアムリィに、アニーが言う。アムリィはうつむいたまま、何も言えなかった。
「私、ケリーを無事に連れ帰ってきてって、頼んだじゃない・・・」
 泣き崩れるアニーを、数人のメカニックが肩を抱くようにして連れていった。
 一人、デッキに残されたアムリィに、チェンが近づいた。
「大尉・・・大尉のせいじゃ、ありませんよ」
 そっと肩に手をまわす。優しいチェンの手を、アムリィは、やんわりと外した。
「大尉・・・」
「アニーが泣いて、私だけ幸せってわけにはいかないよぉ・・・シャアをやらなきゃ、死んでも死にきれない・・・」
「そんな不吉なこと、言わないでください」
「・・・覚悟を言っただけよ・・・・チェン、大好きよ」
 乾いた声を残して、アムリィはエアロックに身を流した。
「シャア・・・そんなに大尉を苦しめて、何が楽しいんだよ。アンタが死ななきゃ、アムリィはいつまでも、俺に抱かれていても、俺を見ていないじゃないか・・・」
 誰にも聞こえないチェンのつぶやきが、虚空に取り残された。
144プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/14 21:39 ID:???
このあたりのストーリーは
本編と一緒です。
最後までいけるかどうか、不安・・・
145通常の名無しさんの3倍:04/04/14 22:09 ID:???
いいもんみたー
乙!
146プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/15 00:14 ID:???
今、気がつきましたが
アストナージの女性化の名前が
アリスだったり、アニーだったり・・・
スミマセン・・・
147通常の名無しさんの3倍:04/04/15 05:35 ID:???
キタ━━━━ヽ(^∀^ )ノ━━━━!!!!
サンクスです!ガンガレ!!!
148通常の名無しさんの3倍:04/04/15 09:19 ID:???
GJ!
チェーミンどうなっちゃうんだろ。
続きが気になる。
149プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/15 21:51 ID:???
 ブリーフィングルームに集まったメンバーは、黙って作戦仕官トゥースの言葉を聞いていた。
「我が艦隊はこのポイントで第二次攻撃をかける。しかしアクシズはルナ2から運んできた核爆弾を地表近くで爆発させて、地球を核の冬にすることもできる。
 だから今度の攻撃で、アクシズのノズルを破壊し、アクシズのノズルも破壊する」
 そこで言葉を区切り、ブライトの方を見る。トップの決断を、部下は常に期待しているものだ。
「と、いうことは・・艦隊攻撃しかない。我々に残された核は4発」
 ブライトの言葉を、アムリィが立ち上がって引き継ぐ。
「だから、その攻撃が失敗したときはアクシズに乗り込んで、内部から破壊する。坑道が網の目のようにあるので、それを利用して、アクシズの分断は可能です。
そうすれば、アクシズの破片は地球圏外に飛び出していきます」
結論は出た。後は、皆が立ち上がる一言を、リーダーが発するだけだ。
ブライトはゆっくり立ち上がると、皆を見つめた。
「すまんが、皆の命をくれ」
 その場にいた一人残らずが、娘を殺すことになっても作戦を完遂させんとする指揮官に対して、無言で敬礼を返した。

150プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/15 21:52 ID:???
 作戦前、シャアは必ず、私室に戻って隠し持っていたララァの写真を見つめるのが習慣になっていた。
 ドアがノックされる。写真をそっと引き出しに隠す。ドアを開けると、ノーマルスーツを来たチェーミンが立っていた。
「どうした、チェーミン・ノア。父親と戦うのが怖くなったかね?」
「・・私、ララァという方の、代わりなんですか?」
 小さく消えそうな声で、うつむきながら、少女が訊く。
「誰に聞いた?それより、どうして、そんなことが気になる?」
「・・・てるから」
「ん?」
「シャア大佐を、愛してるから」
「私が、信じられないかな?」
 チェーミンは、黙っていた。その顎に、シャアがそっと手を上げる。ゆっくりと上を向いたチェーミンの口を、唇でふさぐ。
「ん・・・」
 まだ幼い唇が熱い吐息をもらす。
 シャアの手が、チェーミンのノーマルスーツを脱がす。四肢をなでながら、アンダースーツを脱がす。肌をなでながらアンダーウェアを脱がす。無垢な体が、小さく膨らんだ乳房が、微かな茂みが、露になる。
 膝を地につき、少女の股間に舌をはわせると、チェーミンは熱い奔流に耐え切れず、思わず倒れそうになった。
 その小さな体を支え、抱え、ベッドに横たえると、シャアも服を脱いだ。
「シャア・・大佐・・・・」
 細い腕が、シャアの首をギュッと抱えて離さない。舌と舌がもつれあう。
 シャアはララァを思い出していた。
 幼い頃から金と引き換えに自分の体を男たちに預けてきた生まれながらの娼婦。そして、薄幸のニュータイプ。
 この少女も、同等の、あるいはそれ以上の力を持っているかもしれない・・・
 この少女なら、あの女を・・・アムリィ・レイを葬りさってくれるかもしれない。自分を過去の呪縛から解放してくれるかもしれない。
 シャアの中心がチェーミンの未発達な、それでいて充分に濡れそぼった中心を貫くと、その軽い痛みに、少女の背は弓なりにそり、その手は激しくシーツをつかんだ。
「あ・・ん・・・・!」
 シャアの動きが少女を責める。偽りの優しさで激しく責める。
「チェーミン、君のためなら、私はララァとナナイを忘れるよ」
「嬉しい・・大佐・・それならば私は、アルファで大佐を守ります・・・あぁ!」
 忘れられるわけがない。たとえナナイを・・いや、ララァを忘れたとしても、あの顔だけは・・
今は思い出の底に沈んでいるララァの顔を思い出すのに写真が必要だとしても、その、大切なララァを奪った、あの女の顔だけは、目をつぶっていても闇の中に浮かんでくる。
アムリィ・レイ。
彼女のために、この戦争をはじめたようなものだ。
「ああ・・・大佐・・・・・」
 チェーミンの声から耳を閉ざし、瞼を閉じると、アムリィの顔が浮かぶ。草原で犯した、あの顔。
 かつて貴様がララァの顔をビームサーベルで貫いたように、私の怒りの刃となったチェーミンのαアジールが、君の顔を貫くだろう・・・
 限界が近づき、チェーミンの中で、より一層、先端が膨らみ硬くなっていく。
 シャアは男根を引き抜くとチェーミンの顔に馬乗りになった。白く汚れていくアムリィの顔を夢想しながら、チェーミンの顔に欲望を吐き出した。
「ああ・・・・大佐・・・・・」
 シャアの白濁が、ララァと同じように自分を呼ぶチェーミンの唇に、鼻に、頬にかかる。少女は満足そうに、その全てを受けとめた。

151プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/15 21:53 ID:???
 これが、最後の出撃になるかもしれない。
「アムリィ・レイ、行きます!」
 もう何度、この言葉を言ったことか・・・
 νガンダムの機体が宇宙の闇に放り出される。テールノズルを伸ばし、加速をする。

 戦闘ブリッジに管制が移る。無人になった通常ブリッジに避難するふりをして、クウェインはMSデッキに向かった。
「チェーミン・・・僕が助けてあげるからね・・・」
 何かにとりつかれたように、クウェインは呟いた。

「ここから先は、アムリィさんでも生かせません!」
 バニラ色の巨体がνガンダムの前に立ちはだかる。
 脚のない巨人。αアジールにはブライトの娘が乗っている・・・
「戦場で会ったら、撃つと言ったからね!」
 いくつものMSを火球に変えてきたαの一斉射をかいくぐり、アムリィのνガンダムがαに迫る。
「前に出すぎだ、チェーミン!」
 ギュネイのヤクトが援護射撃をする。
「子供たちになんて、つきあっているヒマはないの!」
 フィンファンネルがνガンダムの周りにピラミッド状のバリヤーを張ると、ギュネイの射撃はことごとく相殺されていった。
「そんなの、αで!」
 チェーミンが叫ぶ。メガ粒子ビームがバリヤーを貫いた瞬間、アムリィのνガンダムは、もう別の場所にいた。
「そんなふうに、シャア大佐を困らせないで!」
 その意思を、アムリィの意識が拾う。
「あの子も、シャアに狂わされている・・・」

「チェン、何をするの!」
「サイコフレームが多いほうが、大尉に有利なんだ!」
 アリスの制止をきかず、チェン・アギは、捕縛し研究のために修理したヤクト・ドーガに乗り込んだ。
「こいつは、νガンダムのと同じサイコフレームが使われている。大尉の近くに行けば、必ず役に立つはずだ!」
「バカなことはやめなさい!味方に敵と勘違いされて、撃墜されるわよ!」
 アリスが叫ぶ。しかしチェンはヤクト・ドーガを発進させた。
「チェン!戻ってきて!」
 そうさけんだアリスが立っていた甲板を流れ弾が直撃した。アリスの体は霧散し、意識はケリーのもとへ還っていく。
 その爆風をさけたクウェインが、破損して着艦したジェガンに乗り込んだ。
「これ、動くぞ!チェーミン、今行くからね」
 ジェガンが艦から離れる。
 皆、どこか普通ではいられなくなっていた。

「お前をやれば、大佐だって倒してチェーミンを手に入れることだって出来るんだ!」
 ギュネイが叫ぶ。ヤクトがガンダムに照準を合わせる。
「それまでだな!消えちまえ!」
 しかし射線にビームが流れた瞬間には、今、そこにはったはずのアムリィの機体は視野から消えていた。
「どこに消えた!?」
「ギュネイ、上!」
 チェーミンが叫んだ瞬間には、すでにνガンダムから発射されたビームがギュネイの体を焼いていた。
「ギュネイをやったの?」
「いつまでも、子供につきあっていられない!」
 爆光の影に隠れて、アムリィはνガンダムの機体をαの空域から離脱させた。

152プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/15 21:53 ID:???
 シャアの、サザビーのファンネルがミサイルの一斉射を狙撃する。その一つが一際大きな光の球に変わった。
「核がある・・やるな、ブライト」
 シャアが笑う。その不敵な表情は、かつての赤い彗星の輝きを取り戻していた。

「核弾頭、全て狙撃されました!」
 オペレーターの報告に、ブライトは拳を肘掛に叩きつけた。
「シャア奴・・!これより艦隊特攻をかける!ラー・カイラムをアクシズにつけるぞ!総員、陸戦用意!」

「アムリィさん・・・どこ!あなたを倒さなければ、私は大佐に愛してもらえない・・」
 チェーミンがαの機体をグルッと転回させた。その頭部の近くに破損したジェガンが接近していた。
「こんなに近くになるまで敵機に気がつかないなんて!」
 チェーミンは、ガンダムに気をとられすぎた自分を呪った。しかし、そのジェガンは攻撃する気配すらみせず、アルファの頭部にとりついた。
「な・・なに?」
「チェーミン!そこにいるんだろ!」
「クウェイン!どうして戦場にいるの!?」
「僕と一緒に帰ろう、チェーミン!」
「私には、帰るとこなんてない!」
「僕が、君のパパのところまで連れていってあげるから」
 ブライトの影が脳裏をよぎる。
 厳しく傲慢なパパと、それを許すママ・・・
「いや!私はパパのところに帰りたくなんかないし、ママみたいな生き方もしたくないの!」
「なんで、そんなこというのさ」
「だって、だって大佐は私に優しくしてくれるもの!パパと違って、私を必要としてくれてるの!私を好きだって言って、抱いてくれるの!」
「どけ、クウェイン!」
 二人の意識の間に、チェンの声が割って入る。
 チェーミンのαが、声の方に転回する。
「ヤクト・ドーガ?ギュネイは撃墜されたはずなのに?」
 その戸惑いが、チェーミンの回避運動を遅らせた。
 ヤクトのミサイルポッドから発射された、残りわずかのミサイルがαの間接部を爆撃する。
「くぅ!」
「やめてくれ、チェン!」
 クウェインの叫びはチェンには届かない。続けて発せられるミサイルが、今度は頭部に迫る。バーニヤや駆動部が破損し、無駄に大きいだけの機体になってしまったαが、避けられるタイミングではなかった。
「ああ・・・大佐!」
「チェーミン!」
 クウェインの機体が、そのミサイルの前に立ちはだかる。
 直撃。一瞬にして、クウェインの機体が光の球に変わる。その、光が大きくなる時間が、チェーミンには妙にゆっくりと感じられた。
「しまった・・・」
 チェンがつぶやく。その意識が、茫然自失としていたチェーミンに自分の存在を教えてしまった。
「・・・あなたが、クウェインを殺したのね!」
 ボロボロのαが最後の力を振り絞って拡散ビーム砲を放つ。
「やめるんだ、チェーミン!」
 そう叫び終わる間もなく、チェンの機体が一筋のビームに焼かれて消えた。その最後の意志が、ヤクトのサイコフレームの散開にともなって、薄い緑のオーロラとともに、四方に満たされていく。
「私のせいで・・・クウェインが死んじゃった・・・・大佐・・私・・どうしたらいいの?」
 そのオーロラに包まれながら、チェーミンはただ、膝を抱えてなくことしかできなかった。
 そして、アクシズのノズル近くにいたアムリィは、チェンの最後を感じ取ることができなかった。それほど、シャアとの対決に集中していたからだ。
153プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/15 21:55 ID:???
そんなわけで、今回も一応、プチエッチを入れてみました。
それにしても、シャアは鬼畜状態・・・
一応、次で終わる予定です。
154通常の名無しさんの3倍:04/04/15 22:13 ID:???
(・∀・)イイ!
閃光のチェーミンに繋がる期待が持てた・・・・
閃ハサに妙にこだわる俺を許してください。
155通常の名無しさんの3倍:04/04/15 23:54 ID:???
αアジールはアルファじゃなくてアルパですよ
156通常の名無しさんの3倍:04/04/16 15:34 ID:???
乙です!!早く次が見たい!
157プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/16 21:48 ID:???
ガーン!!
今までαと思っていた・・・
158プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/16 21:49 ID:???
 アムリィの、νガンダムのジャイアントバズーカが4連射を放つ。
「アムリィ!ここで爆発させらら、地球は汚染させられん!」
 シャアの、サザビーのファンネルがガンダムに迫る前に、核を搭載していた無人の4番艦が巨大な火球となってアクシズの岸壁を削った。
「貴様ぁ!」
 火球に飲み込まれずにすんだファンネルのビームが、ガンダムのシールドを直撃した。
「ララァと同じように、炎につつまれて死ぬがいい!」
「情けない男!」
 小さい炎球をかきわけ、ガンダムのサーベルがサザビーに迫る。
「いつまでも、過ぎたことに、ウジウジと!」
「ララァを殺した貴様に、言えたことか!」
 サザビーのサーベルがガンダムのサーベルと交わり、閃光が弾けた。
 4番艦の2次爆発の炎注が、二人の間に割って入る。
「悪いけど、今はあなたの相手より・・・!」
 炎を目隠しに、アムリィはガンダムをアクシズの岩陰に隠した。
 ラー・カイラムのアクシズ上陸を視野の片隅に確認したからだ。
 アクシズを内部から爆発させるチャンスは、今しかない。

 シャアが再びガンダムを見つけたとき、そのハッチは開かれ、コクピットは無人だった。
「ガンダムを捨てただと!私と互角に戦えるようにサイコフレームの技術を与えてやったというのに・・・貴様は最後まで、私を否定し続ける気か!」
 プライドを傷つけられたシャアは、サザビーを降りてアムリィを探しに、単身、アクシズに入った。その時にガンダムを破壊していかなかったのは、女にプライドを傷つけられた男の愚行であると言っていい。
 採掘坑道に潜り込んだシャアのノーマルスーツに、アムリィの声が響いた。
「革命家を気取っていても、あなたはただの男。浅はかよね」
 声のする方を撃つ。手ごたえも、反撃もない。
「・・・四方から電波が飛んでくる?」
「革命の後のことを考えていないあなたが起こした戦争は、単なる私怨」
「私怨だと・・・知ったふうなことを!愚民どもに、その才能を利用されている愚かな女が、何を言うか!」
「あ、そう」
 岩陰に隠れていたアムリィがクイッと紐を引く。仕掛けた爆薬が、シャアの近くで炸裂する。
「アムリィ!」
「やっぱ、このくらいじゃ、やられないよね、赤い彗星は」
 アムリィは全力でガンダムまで退避した。シャアの戻ったサザビーのモノアイが煌くのと、ガンダムの複眼が光るのは、ほぼ同時だった。
 残弾はない。両機体が岩盤の上で激突する。ビームサーベルの閃光が交わっては遠ざかる。
「サーベルのパワーが負けている!?えぇーい!このくらい!」
 シャアが叫ぶ。サーベルを投げつけ、その隙にサザビーの握り拳をガンダムの首に叩きつける。
「甘い!」
 ガンダムの右手がサザビーの腰のエネルギーチューブを引きちぎる。同時に左拳がモノアイを叩きつぶした。
「モニターが死ぬ!?」
 サザビーの頭部コクピットが激しく揺れる。オートエマージェンシーが働き、脱出ポットが排出された。
「何!・・・ナナイ奴!いつのまにオートエマージェンシーシステムを構築していたのだ!姑息な逃げなど、私には似合わんと言っておいたのに!」
「逃がさないよぉ!」
 ガンダムの右腕が、シャアの乗せた球形のポッドをつかんだ。
 その瞬間、アクシズに、いくつもの光の帯が走った。

159プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/16 21:49 ID:???
「アクシズが割れます!」
「急速離脱!対空監視!」
 岩塊を離れたラー・カイラムのブリッジで、ブライトがブリッジクルーに怒鳴る。

「ははははは!」
 シャアの笑いが、ガンダムのコクピットに響いた。
「何がおかしいの!」
「貴様らのがんばりすぎだな。今、計算したが、アクシズの後部は地球に引かれて落ちる」
「な・・・」
「私の勝ちだ、アムリィ!」
 言い放つシャアの顔は、男の傲慢に満ちていた。屈服に唇を噛み締めるアムリィの顔を想像し哄笑する。
 しかしアムリィは言い放った。
「こんな石ころ、ガンダムで押し出してみせるよ!」
「なに・・?」
 今度はシャアが絶句した。
「無理だ!あきらめろ!バカなことはやめろ!」
「やってみなきゃ、わからないじゃない!私はあなたみたいに、全てに絶望して、やけを起こして戦争しだすような男とは違うのよ!」
 アムリィはガンダムをアクシズの下に旋回させると、シャアの脱出ポッドを右手で岩盤に押しつけ、バーニアをフル稼働させた。
「アクシズの落下は始まっているんだぞ!」
「νガンダムは伊達じゃない!」
 だって・・・シャア、あなたのサイコフレームが搭載されているんだから。
 そこまでは、声にしなかった。最後の最後でシャアに頼ることなど、認めたくない。

 敵味方入り乱れ、いくつものMSがアクシズに取り付くのが、ラー・カイラムのブリッジから観測された。
 最噴射するMSの中には、爆走する機体もある。
 やがてそれらが、ガンダムを中心に発するグリーンの光に弾き飛ばされ、安全圏まで運ばれていくのが見えた。
「アムリィ・・・お前は、まだアクシズにいるのか?」
 一年戦争以来の盟友ともいえるブライトは、加速するアクシズを、ラー・カイラムのブリッジから見つめることしか出来なかった。

「これは・・サイコフレームの共振!?」
 球の中でグリーンの帯に暖かく包まれ、シャアは目を見開いていた。
「人の意思が集中しすぎてオーバーロードしているのか・・・しかし恐怖は感じない。むしろ、安心を感じるとは・・」
「それが人の温もり・・・あなたが捜し求めていたものよ」
「だが、それを奪ったのは他ならない君だ!」
「そうよ・・だからこそ、あなたは私を求めた。チェーミンを弄びながら、本当は女に母を求める弱い男なのね」
「言うな!」
「あなたは私を抱きながら、私に抱かれることを望んでいたはずよ」
「ララァを殺した貴様に、言えたことか!ララァこそ・・私の母になってくれたかもしれない女性だった!」
 その叫びは、最後までアムリィには届かなかった。ガンダムの右腕が摩擦で引きちぎられ、シャアのポッドとともに岩盤にめりこみ、叩きつぶれ、火となり、塵となった。
「さよなら・・・シャア・・・」
 もう、決して泣かないだろう。
 シャアに犯された時、そう思ったはずなのに・・・
 目を閉じたアムリィの頬を、一筋、涙が流れ落ちた。
 腕が、脚が、次々とひきちぎれ、コクピットを含む胴体と頭部のみとなってアクシズから離脱し、落下していくνガンダムの機体の中で、アムリィの意識は薄く、遠く、どこか夢の中へと消えていった。

「アクシズ、進路変更!地球から離れて行きます!」
 オペレーターの絶叫を、ブライトはボンヤリと聞いていた。今はただ、νガンダムの脱出ポッドがスペック通りに大気圏突入に耐えうるものであることを、ただ祈るだけだった。

 αのコクピットから乗り出して、チェーミンは、呆然と地球を見つめていた。
 宇宙に煌くグリーンの帯に運ばれ、ゆっくりと、アクシズが水の惑星から離れていく・・・
 まだ・・・終われない。アムリィさんに勝てなかった私は・・・クウェインに死なれてしまった私は・・・シャア大佐に、本当は愛されていなかった私は・・・
 まだ、何も終われない・・・

160プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/16 21:51 ID:???
エピローグ

 幾星霜もの年月が流れては消えていったのだろう。
 ブライトは、豊かな口ひげをなでながら山道を登っていた。息が上がる。若い頃のように、ムリはきかない。
 銃殺刑に処せられたマフティと称する反連邦組織の中核人物が、実は女であったこと、そして、連邦軍人の雄として名高いロンド・ベル旗艦ラー・カイラム艦長、ブライト・ノアの実の娘であることが世間を驚愕させたのは、今から、3年も前の話だ。
 今では誰も、既に退役軍人となった彼のことなど、気にもとめていない。
 美しい湖の湖畔にひっそりと立つ、小さな山小屋。
 ブライトは息を整えると、木のドアをノックした。
「待ってたよぉ」
 一人の女性がドアを開け、笑顔で彼を迎えた。
「何て呼べばいいかな。やはり、アリス・エヴィンと呼んだ方がいいか?」
「今更、律儀に偽名を使われても笑っちゃうだけだよ。昔みたいに、アムリィでいいよ」
 偽名を使い、ひっそりと暮らすアムリィに会いたくなったのは、やはり戦い続けることに、生きることに疲れたからだろうか・・・
「さ、入って入って」
 アムリィに言われるまま、ブライトは山小屋の中に入った。
 小さなテーブルに、木製のイス。
「どうやって暮らしてるんだ?」
「自給自足と物々交換・・・なんてね。冗談。普段は麓の町で仕事してるわ。作業用MSを使えれば、女一人でも子供を育てるくらいできるのよ」
「そういうものか・・」
「そういうものよ。ブライトは、今、どうしてるの?」
「ノンキなものさ・・アナハイムとコロニー公社の軍需部門顧問。天下りだな。俺も無能な軍部官僚の一人だったということだ」
「そうなんだぁ」
「そうなのさ」
「レストランでも経営するんじゃなかったの?」
「そういうのは、息子夫婦にまかせてある。ミライも・・・最近は、多少は明るくなってきたからな」
 チェーミンの死がノア家を崩壊寸前まで追い込んだことは、まぎれもない事実だ。そして、それさえも乗り越える力が、ミライにはあった。そういうことなのだろう。
 アムリィがいれたコーヒーを、ブライトはズズッと音を立てながら飲んだ。決して行儀のいい男ではないのは、壮年の今も、昔から変わらない。
「このコーヒー、うまいな」
「ありがと」
「息子さんは、どうした?」
 そう言ったとき、タイミングよく、ドアが開いた。
「ただいま、母さん・・あれ、お客さん?珍しいね」
 その少年から青年に変わる途中にいる彼は、透き通るような蒼い切れ長の瞳と、ウェーブのかかった、ゆたかな金髪だった。
「きちんと挨拶しなさい、ハーン」
 そういうアムリィの声は、まさしく、母のものだった。
「わかったよ・・こんにちは」
 ハーンと呼ばれた彼は、思春期にありがちな、すこし世の中を斜めに見たような口調で挨拶をしてから、奥の部屋へと消えていってしまった。
「似ているなぁ・・・」
 再びアムリィと二人になってから、ブライトは、思わず呟いた。その言葉を聞いたアムリィが、いたずらっぽく笑う。
「ふふふ。やっぱり、そう思う?」
「ああ・・・似てる」
 赤い彗星、シャア・アズナブルに・・・そっくりだ。
 もう一度、フフフと笑ったアムリィの顔は、生きている者の幸福そのものだった。
 彼女はララァに勝ったのだ。シャアの子を産み育てることなど、ララァには出来るはずもない・・・
 そして、ハーンと呼ばれた彼・・・ハンゲルグ・エヴィンの子が、Vガンダムと呼ばれる機体に乗って宇宙を駆けることになるとは、この時、誰が予想しただろう。
 アムリィ・レイとシャア・アズナブルの血を隔世で受け継ぎ、やがてこの世に生を受け、ガンダムと呼ばれる白いMSに乗る者の名は・・・

fin

161プロト ◆xjbrDCzRNw :04/04/16 21:53 ID:???
と、いうわけで、お終いです。
エピローグは余計だったかな?とも思うのですが
遊び心ということで、許してください。
ここまで読んでくれた方々に、厚く御礼申し上げます。
162通常の名無しさんの3倍:04/04/16 22:49 ID:???
一気にキタ━━━━━━(≧∀≦)ノ━━━━━━ !!!!!
閃光をすっとばして、Vにまでもっていくか・・・・・
F91はスルーですか。・・・・そうですか。
でも、(・∀・)イイと思います。
163通常の名無しさんの3倍:04/04/16 22:50 ID:???
エピローグ余計じゃないですよ!
むしろ(・∀・)イイ!!
長編乙でした
164通常の名無しさんの3倍:04/04/16 23:00 ID:???
エピローグあった方が全然いいですよっ!!!
正直カンドーしますた
上手にハッピーエンドになってるなぁー
165通常の名無しさんの3倍:04/04/16 23:49 ID:???
やはりマフディになったのか…。
でもエピローグでブライトが立ち直ってて良かった。
長編乙でした。
蛇足だけどハンゲルグは金髪じゃなかったような…
166通常の名無しさんの3倍:04/04/17 02:11 ID:???
外国人って髪の色がころころ変わるからだいじょぶさ!
プロトさんお疲れさまでした。
エピローグはそうきたかーーーーーーーーーーーー
すばらしいです。
ああ、アムロがほんとに女だったら良かったのになあと思いました。
ありがとうございました!!!
167通常の名無しさんの3倍:04/04/19 23:29 ID:???
南極では、またアムロ女性化がチラホラあるようだ。

それはさておき、別ネタはないかい?
デギン女帝化とか。
168通常の名無しさんの3倍:04/04/20 04:55 ID:???
ヤザンとシロッコ(女化)が見たいな。
しかもよければプロトさんに書いてほs
169通常の名無しさんの3倍:04/04/22 12:56 ID:???
プロトさん乙でした!いい物読ませて頂きました。
エピローグに感動。いい女だな、アムリィ…(つД`)

>168
自分も読みたいなぁ。シロッコが女になると、サラは
少年になるのだろうか。グレミーとハマーンみたいに
なりそうだけど。
ともすれば、サラは少女のままの方が良いのかも。
女の身でありながら、男と肩を並べる上官に、憧れを
抱く少女とかでもいけるのかも。百合の園の世界にな
るが…
170通常の名無しさんの3倍:04/04/22 23:33 ID:???
 プロトさん乙です!何か漏れも昔アム子スレで途中まで書いた
のを書きたくなっちゃったよ。
171通常の名無しさんの3倍:04/04/23 02:30 ID:???
オスカルみたいに男装の麗人のハリーが女装したロランであるローラとひかれあって、
双方が自分は同性愛者じゃないはずなのにと悩むような話希望
172通常の名無しさんの3倍:04/04/24 00:37 ID:???
>>168
ヤザンとシロッコ・・・(*´д`*)ハァハァ
173通常の名無しさんの3倍:04/04/28 21:55 ID:???
バーニィ子
174通常の名無しさんの3倍:04/04/29 16:33 ID:???
バーニィ子かわいそう杉るよ
しかし激萌えしてしまうかもしれない
175通常の名無しさんの3倍:04/04/29 22:49 ID:???
ひそかに思いを寄せていたクリス(男)にミンチより酷いことにされてしまうわけですね


(´Д⊂
176福井好き ◆ceurD.dWXg :04/04/30 02:27 ID:???
 昨日の惨劇にも拘らず、街はクリスマスを祝う人でごったがえしていた。
車の窓から見える人々の顔はどの顔も幸福そうで、ヴァレリーは自然と
気分がほころんでくるのを感じた。
 明日死ぬかも知れない。いや、恐らく確実に殺されるであろう。
何しろ自分以外のサイクロプス隊を皆殺しにした怪物に、ザク一機
で挑もうと言うのだから―――。
 だが、そんな絶望的な状況にも拘らず、何故か気分は高揚としていた。
(明日死ぬかも知れないのに―――)
もう一度、それを―――確実に迫りつつある死を―――確認する。しかし、
気分が沈むことはなかった。
 再び、窓外を見やる。
どの人も、自分の間近に迫った死に誰も気付いていないようだった。
 
明日、このコロニーは核攻撃される。
 司令部でどのような思惑が働き、事態がどのように動いたのか知らないが、
ともかくそのように決まったのだった。
 明日自分があのMSを倒せなければ、この人々は核によって焼かれるのだ。
このコロニーには連邦軍の基地がある。そして、そこには新型のMSがある。
ただそれだけの理由で―――。
(―――許せない)
 思わず、ハンドルを握る手に力がこもる。
しかし、ヴァレリーの心を占めているのは上層部への怒りではなかった。
今のヴァレリーの心を占めているのは、この目の前で生きている人々を救いたいという、
ただそれだけの思いだった。
 自分の命を懸け、無辜の人々を理不尽な死から守る。それが軍人の使命である筈だ。
 そして、それを出来る軍人は、今ここには、自分だけしかいないのだ。
ならば自分がやるしかない。やらなければならない。例え刺し違えてでも―――。
 そういった理由があるからこそ、間近に迫った死を考えても、それほど恐怖を感じなかった。
(それに―――)
「ヴァレリー!」
 買い物から戻ってきたアルが、助手席のドアを開けるよう催促してきた。
(一人で戦っているんじゃ、ないものね・・・)
誇りと信頼を分かち合う戦友を乗せ、ヴァレリーは力強くアクセルを踏んだ。


>173-174様
こんな場面を想像してしまいました。でも殆ど変わらないな・・・。
177通常の名無しさんの3倍:04/04/30 05:20 ID:???
>>176
せつな杉るよ…なんていじらすぃんだ…
178通常の名無しさんの3倍:04/05/05 04:08 ID:???
ほしゅ
179通常の名無しさんの3倍:04/05/05 23:10 ID:???
プロトさん・・・忙しいのかねー
180通常の名無しさんの3倍:04/05/08 07:35 ID:???
ホシュ
181通常の名無しさんの3倍:04/05/09 23:49 ID:???
捕手
182通常の名無しさんの3倍:04/05/11 05:49 ID:???
ほっしゅ
183通常の名無しさんの3倍:04/05/13 12:26 ID:???
hosyu-
184通常の名無しさんの3倍:04/05/15 00:30 ID:???
ほしゅ
185通常の名無しさんの3倍:04/05/17 21:55 ID:???
ほしゅ
186通常の名無しさんの3倍:04/05/18 07:46 ID:???
ほしゅ。そして>176こと福井好き氏、切な杉てアルばりに
「ヴァレリー!!」と叫びたくなりました。

自分も職人さん方にならって、ΖΖのカミーユの声から重力
下のプルツーあたりを♀カミーユで書いてみようかと思った
のですが、カミーユのあの状態(精神崩壊状態)って存外
セクサレスであることに気付き、早くも挫折しかかり。
改めて職人さん方の凄さに気付かされる今日この頃です。
187プロト ◆xjbrDCzRNw :04/05/18 21:04 ID:???
ヴァレリー、最初から読んでみたいです!
福井好きさん、お願いします!

ヤザンと女シロッコのからみ(あるいは、ヤザンも女?)や
男装の麗人ハリー、面白そう!書いてみたい!と思うのですが・・・
このたび、ガノタであることを隠して結婚したので
なかなか時間がとれないかも・・・
コソコソと書けたら、いいなあ・・・
188通常の名無しさんの3倍:04/05/18 21:53 ID:???
結婚・・・おめでとうと言っておこう。

一人の気楽さを捨てたプロトさんに栄光あれ
189通常の名無しさんの3倍:04/05/19 17:01 ID:???
プロトさんおめでd
ゆっくりマイペースで投下よろしくおながいします
まったり待ちます
190通常の名無しさんの3倍:04/05/20 02:04 ID:???
プロトさんめでたいホシュ
191福井好き ◆ceurD.dWXg :04/05/22 03:53 ID:???
 プロトさん、ご結婚おめでとうございます。
お祝いになるかどうかわかりませんが、続きを書いてみたいと思います。

「・・・そんなに情けない顔しないで。明日、お父さんが帰ってくるんでしょ?」
ヴァレリーがそう言っても、アルは不満気な様子だった。
「だってぇ・・・。一緒に戦えないなんて・・・」
ザクの修理を終えた二人は、大通りに戻ってイブのパレードを見物していた。
そこで、ヴァレリーはアルに「明日は戦うんじゃなくて、お父さんを迎えに行ってあげて」
と言った。
 てっきり自分も一緒にガンダムと戦うものだと思っていたアルは、大いに不満だったのである。
「ねぇ、本当にもう手伝えることないの?」
「・・・あるわよ」
 そう言って、ヴァレリーはダッシュボードの中から紙の包みを取り出した。
「これを届けてほしいの」
包みを見ながら、アルは「何処に届ければいいの?」と聞いた。
「中にディスクが入ってるから、その指示に従って。明日もし作戦が失敗したら・・・
 私が死んだら、そのディスクを見て、指示通りの場所に届けて。大事な仕事よ」
それを聞いて、アルは弾かれたように顔を上げた。
「ヴァレリーが、死んだら・・・?」
ヴァレリーは冗談めかして
「万が一の用心よ。まあ、使われることはないでしょうね」
と言った。そして顔を前に向けると、
「・・・明日の二時。ガンダムをやっつけて、このコロニーを守ってみせるわ」
と、決然とした顔で言った。

 八時前。
ヴァレリーは、アルを家の向かいの歩道に降ろした。
「いいクリスマスをね、アル」
「ヴァレリーもね」
 そう言うとアルは家に入ろうとしたが、歩き出そうとしたところで
思い詰めたような顔をして振り返った。
「・・・ヴァレリー死なないよね?勝てるよね?」
真剣な顔でそう言ったアルを、ヴァレリーは優しい眼差しで見つめた。
「もちろん。任せといて!」
 そしてヴァレリーは、まだ心配そうな顔のアルの右頬に手を伸ばすと
「ありがとう、アル」
そう言って、もう一方の頬にキスをした。
 真っ赤な顔になったアルは「お、おやすみなさい!」と言うと、走って家の中へ入っていった。
そんなアルの背中を微笑みながら見つめていたヴァレリーは、ふと、隣家の方へ顔を向けた。
 そこには、家族とイブを過ごすクリスの姿があった。
 クリスは母親から貰ったプレゼントを開けて、中に入っていたセーターを自分に合わせているところだった。
その平和で暖かな光景に、ヴァレリーの目は一瞬だけ切なそうな輝きを放った。
 しかし、すぐに顔を正面に戻して車を走らせ始めた。

「さよなら、クリス・・・」
 振り切れなかった想いが溢れ出してきそうだったので、ヴァレリーは
それだけ呟いて止めることにした。
192通常の名無しさんの3倍:04/05/22 19:22 ID:???
プロトさん、ご結婚おめでdでつ

>>191
うはぁ、やっぱり本編以上の凄まじく悲壮な展開になってるー!!
この後のヴァレリーの運命を想像すると思わず涙が…
アルが受けるショックは、確実に本編以上でしょうなぁ
激しくこの先の展開に期待しまつ
193通常の名無しさんの3倍:04/05/23 09:24 ID:???
このクリスはどっちなのかな。
194福井好き ◆ceurD.dWXg :04/05/24 03:38 ID:???
 0080を見ていて思ったのですが、バーニィって天涯孤独なんでしょうか。
クリスやアルに比べて、家族へのこだわりが随分少ないような感じが・・・。
 オーストラリア出身ということだから、カイみたいにコロニーへ疎開してきたのかも。

 真昼を過ぎ、地上に降り注ぐ光は少しずつ和らいでいった。
空には雲がたなびき、港の方へゆっくりと流れてゆく。
 故郷のシドニーともサイド3とも違って、ここの太陽の無い空は
地上を優しく見つめているように見えた。
その下に見える街も、降り注ぐ光の中、穏やかな平和に輝いているようだった。
 平穏そのものの光景に、また、この平和を乱してしまうんだな・・・と、
ヴァレリーは少しだけ心が疼くのを感じた。
 時計のアラームが鳴って、作戦開始時刻の三十分前になったことを報せた。
ヴァレリーはジャケットのファスナーを締め、ハッチに向かって歩き始めた。
 
 父親の乗る船は、時間になっても到着しなかった。
(もうすぐ、出撃の時間だ・・・)
ヴァレリーのことが気になったが、一緒に父を待っている母親の手前
抜け出すことはできない。
 四十分頃、ようやく父がゲートから出てきた。
「アル!母さん!待たせて悪かったな」

暖気運転が終わったことを示すコールサインが鳴った。
 ヴァレリーは操縦桿の実行ボタンを押し込み、機体の立ち上げを指示した。
そして、モニターがゆっくりと開き始めた。

 港ブロックから街へ降りるリフトカーの中、アルは作戦のことが気になり、ずっと窓
の外を見ていた。その隣では、父が母に到着が遅れた理由を話していた。
「船の近くで戦闘が起きてね・・・ジオンの船が沈んでゆくのが窓から見えたよ」
 それを聞くともなく聞いていたアルは、父の話の中にひどく気になる言葉があることに
気が付いた。
「まあ、核ミサイルを?」
「ああ、連邦の調査では、その船はリーアへの進路を取っていたそうだよ。何でまた、
 この中立のコロニーに・・・」
(核ミサイル、リーアへの進路・・・)
間違いない。ヴァレリーの言っていた船だ―――!
リフトカーが駅に着くと、アルは母の「アル!降りるのはここじゃないわ!」という言葉も聞かずに
飛び出していった。
 急がなければ。ヴァレリーを助けられるのは自分しかいないのだから!
 
二時。
森に仕掛けられたガス弾が爆発し、作戦開始の狼煙を上げた。
195福井好き ◆ceurD.dWXg :04/05/24 04:07 ID:???
>192
 私もこれを書くためにDVDを借りて六年ぶりに観たのですが、前に観たのが
アルと大して変わらない歳だったので、バーニィの死は本当にショックでした。
 今はバーニィと変わらない歳になったので、バーニィの気持ちを書ければと思います。
いやヴァレリーですけど。でもまあ、男も女も闘うときは闘うものだと。君(ry

>193
 一応クリスとバーニィの性別が逆になっている以外は全員同じキャラクターのつもりで
書いています。
 でやっぱり殆ど変わらず何だか単なる私家版0080みたいになってきましたが、このまま
書き続けてもいいものでしょうか。
196通常の名無しさんの3倍:04/05/25 23:41 ID:???
福井好きさ更新乙
197プロト ◆xjbrDCzRNw :04/05/29 17:21 ID:???
福井好きさん乙です
バーニィが女性というだけで、悲劇度が増していきますね。
続きが楽しみです。

クリスやアルの家族が登場するだけに
バーニィの家族が(写真だけでも)登場しないのは
たしかに、不思議。やはり、天涯孤独だったのでしょうか・・
198通常の名無しさんの3倍:04/05/30 09:17 ID:???
プロトさんおめでとうござまーす!!お幸せに!
時間あったらなにか書いてください!!
ヤザンと女シロッコとか!!
199福井好き ◆ceurD.dWXg :04/05/31 03:27 ID:???
 ジオン軍の残党がいたことは不思議ではなかった。
 本来中立のこのコロニーでは、連邦もジオンも大っぴらに戦闘や
臨検を行うことが出来ない。
それを逆手に取っての秘匿実験場であったが、ジオンは更に
その逆手を取ってきたのである。
 ジオンもまた、このアレックスと同じように貨物に擬装した
MSを潜り込ませたのだ。
(小賢しい真似をするから、肝心な時にしっぺ返しをされるんだ)
リーア軍は支援行動を断ったらしい。それも当然だとクリスは思った。
サイド6にとってこの戦いは連邦とジオンの戦いでしかない。
 自衛行為の成立した昨日と違い、今日の戦闘はサイド6には関係の無い戦いである。
これ以上肩入れすれば、自分たちが条約違反になってしまう。
 自分達の住む街を自分で守ることも出来ない。中立地帯を逆手に取ろうとした
姑息さが故郷をそんな状態に追いやってしまったことを思えば、クリスの心中は
穏やかではなかった。
(!)
 緑色の巨人―――ザクが、運河をホバー走行しているのが見えた。
 すかさずロックを合わせ、トリガーを押し込んだ。が、ブレが大きく、
発射された弾はザクには当たらず飛沫を立てて運河へ沈んでいった。
「敏感すぎる・・・!」
 この機体はアムロ・レイ少尉のために、最終調整を済ませたところだった。
彼の驚異的な反射神経に追い付くために、パイロットの動きにほぼ完全に追従
するよう設計されている。
本来技術屋でしかなく、人手不足のためにテストパイロットもやらされているだけの
自分に扱えるはずがなかった。
 今やスカーレット隊も全滅し、このアレックスがほぼ唯一の戦力である。
ガトリング砲の残弾は残り500発。それが切れる前に勝負を決めなければ、
刺し違えを覚悟で接近戦を挑むしかない。
(厳しいな・・・)
 河の上を優雅に滑るザクを追い、クリスもまた、アレックスを運河へ踊りこませた。

「よし、追ってきた・・・!」
 アレックスを運河へ誘い込むことに成功。作戦遂行の一つ目の関門、
その半分を達成できたことになる。
 だが、ヴァレリーは後方モニターに映るアレックスの動きを油断無く見つめ、
少しの動きも見逃さないようにしていた。
(!)
 アレックスの右腕がほんの少し動くのを見て、ヴァレリーは操縦桿を思い切り右へ
倒した。次の瞬間、それまでザクの居た位置をガトリング砲の弾が貫いていった。
 強襲用の軽装甲タイプとは言え、MSを一撃で破壊した超兵器である。
一発でも当たれば機体に深刻なダメージをきたすことは間違いなかった。
しかし、ヴァレリーは前回の敗因はこの兵器の威力よりも、
不意打ちされたことの方が大きいと考えていた。
 何故か。単純に言えば、敵の動きが大げさすぎるのだ。発射時のモーション
から機体の移動まで、あのMSはすべてが大げさすぎる。
 だから簡単に発射のタイミングを読むことができるし、移動しながらの射撃は
大きく的を外すことになる。

 隊長たちの遺したデータによれば、あのMSは通常の倍近い推力を持っているらしい。
そして操縦者はその圧倒的なパワーに振り回されているのだ、と、ヴァレリーは思った。
試験機であることを考えれば、恐らくテストパイロットか、ひょっとしたら
技術者が乗り込んでいるのかもしれない。
(あの時、少尉は増加装甲の存在を知らずに、奴を倒せたと思い込んだ。だから不意打ちを食らうことになった・・・)
では、ミーシャが装甲の情報を知っていたとしたらどうか?
 ヴァレリーは、ミーシャが勝っていた可能性が高いという結論を導き出していた。
再び、アレックスのガトリング砲が轟然と弾を吐き出し始めた。しかしザクには当たらない。
(ひょっとしたら・・・)
勝てるかもしれない。急に冷静になった頭で、ヴァレリーはそう呟いていた。
200福井好き ◆ceurD.dWXg :04/05/31 03:35 ID:???
随分間をあけちゃってすみません。もうちょっとで書き終えられそうです。

>プロトさん
 人類の半分が死んだあの時代だと、むしろ死に別れ生き別れが普通なのかも
知れませんね。アムロたちもほとんど死に別れみたいだし・・・。
201通常の名無しさんの3倍 :04/06/01 22:15 ID:???
ヴァレリーって、サイクロプス隊の中でどんな扱いだったんだろう。

それはそれとして。
キョウジ姉さんとか。
謎のゲルマンくのいちとか。
202通常の名無しさんの3倍:04/06/02 11:19 ID:???
新兵でしかも女だからなぁ。
お荷物扱いでは?
んでアルから情報を引き出させると。
203通常の名無しさんの3倍:04/06/08 08:38 ID:???
ほっしゅ
204通常の名無しさんの3倍:04/06/11 01:59 ID:???
保守
205通常の名無しさんの3倍:04/06/13 16:19 ID:???
ほしゅ
206通常の名無しさんの3倍:04/06/15 16:15 ID:???
補修
207通常の名無しさんの3倍:04/06/16 03:56 ID:???
ほしゅ
208通常の名無しさんの3倍:04/06/17 18:51 ID:???
ほしゅ
209通常の名無しさんの3倍:04/06/20 10:34 ID:???
hosyu
210通常の名無しさんの3倍:04/06/22 02:23 ID:???
ほす
211通常の名無しさんの3倍:04/06/23 06:48 ID:???
ほしゅ
212通常の名無しさんの3倍:04/06/25 05:36 ID:???
ほしゅ
213通常の名無しさんの3倍:04/06/26 12:12 ID:???
捕手っとな
214通常の名無しさんの3倍:04/06/28 15:48 ID:???
ほしゅ
215通常の名無しさんの3倍:04/06/30 23:50 ID:???
ほしゅ
216通常の名無しさんの3倍:04/07/02 02:35 ID:???
ほしゅ
217通常の名無しさんの3倍:04/07/03 10:42 ID:UaqPupoX
Zのシドレ
自分が12歳の時、やられたときのセリフで
マジぬいてました。
カマだと知ったのはここ2年くらい…
218プロト ◆xjbrDCzRNw :04/07/03 19:23 ID:???
「これが、雨というものか」
 金色のモビルスーツ・スモウを着地オートモードにセットしてから、私は、コクピットから身を乗り出して暗雲の元に手をさしのべた。ポツポツと、水滴があたる。
「女王様の涙などと、父も大げさな遺言を残したものだ。ただの水滴ではないか」
 ふと、父がまだ生きていた頃の思い出が脳裏をよぎった。

「地球には『雨』が降るのだよ」
「雨?」
「そう、空から落ちてくる水のことだ」
「運河の底が割れるのですか?」
 私がそう言うと、親衛隊長だった父はフフフと笑った。
「以前、女王様がお忍びで地球に降り立ったとき、私は『雨』を初めて見た。女王様の恋を見守ることが、そのときの私の役目だったのだ・・・」
「女王様の恋?」
「そうだ。女王様を優しく包み、そして旅だった男の名は、たしかウィル・ゲイムと言ったか・・・空から降る雨は、かなわぬ恋に泣く女王様の涙だったのかもしれない」
 男として育ち、恋など無縁の教育を受けてきた私は、父の言葉にただ首を傾げるだけだった。
「お前はいずれ、私の跡を継ぐ身だ。いずれ女王様について地球に行く・・・いや、地球に帰る日が来るだろう。そのとき、雨がどのようなものか、わかるはずだ」
 父らしくないことを言う。そう思った。今から思えば、それが自分の遺言になるような予感が、父にはあったのかもしれない。
 その翌日、月社会史上初めて、テロと言える事件が起きた。
 地球帰還作戦に反対する一派がおそれおおくも女王様を暗殺せしめようとした前代未聞の事件で、女王様を守り、親衛隊長だった父が亡くなったのは、今から、わずかに2年前のことだ。
今から思えば、裏でアグリッパ・メンテナーが関係していたのかもしれないが、それは推測の域をでない。
 とにもかくにも、既に軍人として尉官の地位にいた私は、父の跡を継いで親衛隊長となった。
219プロト ◆xjbrDCzRNw :04/07/03 19:27 ID:???
 いずれこうなることを見越していたのだろう。
 父は、私が生まれたときから、私を男として育てた。
 今更、女の軍人など珍しくない。しかし女王様の親衛隊長は別だという父の信念は、私の胸が微かだが膨らみはじめても、変わることはなかった。
 父の考えは正しかった。
 私の就任式に乗り込み、自らの家のことを棚にあげて「女王様の御身を守る要職が世襲制などナンセンスだ!親の七光りか何か知らないが、とても男とは思えぬか細い体躯で、女王様の盾になれると思うのか!」とわめいたギンガナムの喉元に、私は剣先をつきつけた。
 一瞬の出来事に、周囲は、もちろんギンガナム自身も声を失った。
「彼は軍人よりも男娼の方が向いているのではないか?」などと陰口をささやいていたアグリッパも、これには言葉がなかったようだった。
「これでも、まだ私が盾として役者不足か?一人前の男とは思えぬと、侮蔑の言葉をはき続けるか?」
 赤いバイザーの奥からそう問うた私の冷たい瞳を、ギンガナムは、ただ唇を噛みしめてにらみ返すしかできなかった。

 地球で恋をしたという女王が、私の就任式のときに身にまとっていたドレスに、羨望と嫉妬の念を全く抱かなかったかと言えば、それは嘘になる。しかし私は、その日から女としての人生に対する未練を投げ捨てた。
 私の名は、ハリィ・オード。
 代々、月を統べる女王の親衛隊長をつとめてきた名門オード家の一人娘。
 そして、女として生きることを禁じられた、男装の親衛隊長。
 私が女であることを知るのは、父亡き今、私のみ。

 私はハッチの上に立ち、空を見上げた。
 水滴が・・・いや、雨が、顔にあたる。
 バイザーを叩いた雨が、そのまま頬を伝う。それはそのまま、女を捨てた私の涙のようでもあった。
「それにしても、穏健派のアジ大佐がいながら、なぜいきなり戦闘になったのか・・・やはりフィルをしめあげるしかないな・・・」
 感傷をふりはらうように、私は事務的につぶやいた。
 しかしながら、フィルの、あの好色な厚顔を思い出すと気が滅入る。ポゥとかいう部下の女性士官とも、ふしだらな関係があるらしい。
公私の区別にだらしない男など、信用できたものではない。
彼は裏で好戦派とつながりがあるのではないかという噂もあった。誰かの差し金で、私が女ではないかと疑ってかかっている節もある。黒幕はアグリッパかギンガナムか・・・
なによりも、私の僅かばかりの胸の膨らみを探ろうと、バストを隠すためにゆったりとデザインされた私の軍服の胸元をジロジロと見るフィルの視線は、不快なこと、この上ない。
220プロト ◆xjbrDCzRNw :04/07/03 19:30 ID:???
おひさしぶりです。
と言っても、人がいるのかどうか、わかりませんが
ねばり強く保守している方がいらっしゃるのは、驚きアンド喜びでした。
女シロッコは、ストーリーが思いつきませんでした。ごめんなさい。
妻の目を盗みSSを書く新婚生活って、いったい・・・(笑
221通常の名無しさんの3倍:04/07/04 15:08 ID:???
おお久しぶりにプロトさんが
GJです
222通常の名無しさんの3倍:04/07/06 19:04 ID:???
プロトさんワショーイ
223通常の名無しさんの3倍:04/07/09 06:34 ID:???
ほす
224171:04/07/11 02:04 ID:???
久しぶりに覗いたら、我が世の春が(゚∀゚)キテルー
続き超期待してます。感謝感激。
225通常の名無しさんの3倍:04/07/13 12:38 ID:???
ホシュホシュ
226通常の名無しさんの3倍:04/07/15 15:09 ID:???
ほしゅ
227通常の名無しさんの3倍:04/07/18 08:42 ID:???
ほしゅ
228通常の名無しさんの3倍:04/07/19 16:09 ID:???
hossyu
229通常の名無しさんの3倍:04/07/21 22:19 ID:???
>>194

亀レス
バーニィの「オーストラリア出身」というのはでまかせ
南半球で季節が逆だと知らないほどだ
230通常の名無しさんの3倍:04/07/23 12:34 ID:???
hosyu
231通常の名無しさんの3倍:04/07/25 14:13 ID:???
ほしゅ
232通常の名無しさんの3倍:04/07/27 18:48 ID:???
保有
233通常の名無しさんの3倍:04/07/30 01:08 ID:???
ほしゅ
234通常の名無しさんの3倍:04/08/01 23:01 ID:???
あれんぶい。
235通常の名無しさんの3倍:04/08/07 01:46 ID:???
ハリィ期待age
236通常の名無しさんの3倍:04/08/11 15:44 ID:???
プロトさんすごいなぁ。思わずモニターに食い入ってしまいましたよ。
続き期待してます


ところでガトーの女性化はガイシュツ?
237236:04/08/11 16:30 ID:???
調べたら既出だった・・・

お見苦しいところを・・・
238通常の名無しさんの3倍:04/08/12 20:02 ID:???
ガンダムフォースのシュウトとか言ってみる
だって、ポジションお姫様だよあの少年
239通常の名無しさんの3倍:04/08/17 02:09 ID:???
保守ついでにあげ
240通常の名無しさんの3倍:04/08/20 03:17 ID:???
ほしゅ
241通常の名無しさんの3倍:04/08/22 11:58 ID:???
ほしゅ
242通常の名無しさんの3倍:04/08/24 14:01 ID:???
hosyu
243通常の名無しさんの3倍:04/08/27 08:46 ID:???
ほしゅ
244通常の名無しさんの3倍:04/09/01 11:30 ID:???
ほしゅ
245通常の名無しさんの3倍:04/09/02 01:23 ID:mxemywti
ぼっしゅ
246通常の名無しさんの3倍:04/09/03 06:59 ID:???
ほしゅ
247通常の名無しさんの3倍:04/09/05 04:29 ID:???
ほしゅ
248通常の名無しさんの3倍:04/09/06 16:47 ID:???
ほしゅ
249通常の名無しさんの3倍:04/09/09 04:27 ID:???
ほしゅ
250通常の名無しさんの3倍:04/09/11 18:42:02 ID:???
補修
251通常の名無しさんの3倍:04/09/14 01:46:50 ID:???
ほしゅ
252通常の名無しさんの3倍:04/09/15 06:57:24 ID:???
ほしゅ
253通常の名無しさんの3倍:04/09/17 19:37:01 ID:???
ほしゅ
254通常の名無しさんの3倍:04/09/18 01:27:41 ID:???
hoshu
255通常の名無しさんの3倍:04/09/19 23:41:36 ID:???
ちょっと質問させて下さい。
カミーユ→女化、ファ→男化で、男化ファメインの、
ZZのころのネタをチクチク製作してるんですが、や
っぱりこれってちょっとスレ違いでしょうか。
暇が出来たら投下したいと考えているのですが…。
256通常の名無しさんの3倍:04/09/20 06:42:56 ID:???
>>255
自分は喜んでお待ちしています。
257通常の名無しさんの3倍:04/09/22 00:12:00 ID:???
保守
258通常の名無しさんの3倍:04/09/25 00:48:24 ID:???
ほしゅ
259通常の名無しさんの3倍:04/09/25 16:26:49 ID:???
ガロードとかどうよ?
声さえ気にしなければ萌えるし
260通常の名無しさんの3倍:04/09/26 16:19:05 ID:???
>>259
ティファの扱いに困らないか?
261通常の名無しさんの3倍:04/09/26 18:04:04 ID:???
そこで今流行りの百合ですよ


ってのは冗談として、

戦争で親を失い、荒野で一人モビルスーツハントを生業に生きてきいる少女と
ニュータイプであるがゆえに私欲を肥やそうとする大人に踏みにじられ
人間不信になりかけている少女がひとつの依頼をきっかけに出会い
お互いの純粋さ、まっすぐさに惹かれあう・・・

とかは萌えるかも
262通常の名無しさんの3倍:04/09/26 19:25:05 ID:???
フロスト姉妹・・・


イイ(・∀・)!かもしれん
263通常の名無しさんの3倍:04/09/26 22:29:44 ID:???
ガロードが女だったらガンダム売る前に春売ってそうだ
264通常の名無しさんの3倍:04/09/27 00:57:23 ID:???
キョウジ姉さん
ゲルマンくの一
265通常の名無しさんの3倍:04/09/28 23:34:58 ID:???
>>261

そこでジャミルおねいさまの登場ですよ!!
266通常の名無しさんの3倍:04/09/28 23:59:44 ID:???
ロザリオはGコン
「揉み上げが曲がっていてよ」とかw
267通常の名無しさんの3倍:04/10/03 03:57:28 ID:???
しかし肝いスレには違いない
268通常の名無しさんの3倍:04/10/09 12:58:21 ID:???
保守
269通常の名無しさんの3倍:04/10/09 17:07:36 ID:42ePTqAf
プロト氏カムバック
270通常の名無しさんの3倍:04/10/09 19:52:49 ID:???
カトルちゃんは男のままでもかまわない
271通常の名無しさんの3倍:04/10/10 23:02:46 ID:???
ほしゅ
272通常の名無しさんの3倍:04/10/11 16:24:43 ID:???
ウィッツの女性化とかどうよ。
根は優しいけど単純でがさつで気が強くて、いつもロアビィにからかわれて熱くなる、みたいな。

273通常の名無しさんの3倍:04/10/11 18:58:58 ID:???
では、次回はXネタでいくのか・・・
274通常の名無しさんの3倍:04/10/12 21:59:34 ID:???
ガロードで一発書きたいなぁ・・・
ティファとレズレズ、ジャミルとスールなんて美味しすぎる



もちろん声は脳内変換するけどなー
275通常の名無しさんの3倍:04/10/13 00:41:42 ID:???
フロスト姉妹も忘れてもらってはこまる
276通常の名無しさんの3倍:04/10/13 18:47:49 ID:???
フロスト姉妹イイ(・∀・)!
姉の方は縦ロールかかってるよーな濃い美女で
妹の方はアクが強いけど姉よりはさっぱり目の美少女というのが漏れの妄想

さあこれで一つ・・・
誰か書いてくれ!職人の光臨を待つ漏れ・・・_| ̄|○
277通常の名無しさんの3倍:04/10/16 01:53:51 ID:???
>>274
是非一発書いてください
278通常の名無しさんの3倍:04/10/19 18:53:40 ID:???
シオネ・アマダ
279通常の名無しさんの3倍:04/10/21 18:04:41 ID:???
ほしゅ
280通常の名無しさんの3倍:04/10/24 00:38:20 ID:???
期待age
281通常の名無しさんの3倍:04/11/01 22:45:35 ID:oh8uNaOz
アルが女だったらバーニィはロリ疑惑が出てただろーなー
282通常の名無しさんの3倍:04/11/07 11:42:58 ID:???
シーブックが女だったらまさしく百合百合だなー
283通常の名無しさんの3倍:04/11/19 18:04:25 ID:???
ろらん
284通常の名無しさんの3倍:04/11/30 23:58:11 ID:???
ほっしゅ
285通常の名無しさんの3倍:04/12/11 12:01:25 ID:bTToYwAb
保守
286通常の名無しさんの3倍:04/12/13 22:59:19 ID:???
マスター・アジア「ほぉら、お前のせいで姉はボロボロ、息もタエダエ! 全てはお前のせいだ! さあ、せめて息を引き取る前に、姉と代わってやればどうだぁ!」
ドモン「ね、姉さぁぁぁぁん…!」
キョウコ「ド…」
マスター・アジア「うわあっはっはっはっはっはっはっはっはっ!」
シュバルツ「ドモン! うっ…いけない… 意識が…あっ! 私の命もまた、キョウコとともにある! もうおしまいなのね…! いいえっ! まだ終われないっ…! 持って…! この体ぁっ!」
マスター・アジア「なにぃぃっ!?」
ドモン「姉さんっ!」
マスター・アジア「貴様何をする気だぁっ!」
シュバルツ「知れた事ぉっ! デビルガンダムを食い止めるのよぉっ!」
ドモン「無茶だ姉さん!」
シュバルツ「黙って見ていなさいっ!!」
マスター・アジア「奴め正気かぁっ!」
シュバルツ「ううっ…」
ドモン「姉さぁぁんっ!」
シュバルツ「いけない! 私まで取り込むつもりよ! …ドモン! 撃ちなさい! 私と一緒に、デビルガンダムをぉぉっ!!」
ドモン「ええっ!?」
シュバルツ「早く! 私の体ごとコックピットを吹き飛ばすのよぉっ!!」
ドモン「そんなあぁっ! 僕にはできないっ!」
キョウジ「甘ったれた事を言わないのっ!! その手に刻まれたシャッフルの紋章の重さを忘れたのっ!!」
ドモン「紋章の重さ…」
シュバルツ「あなたがこいつを倒すためのいしずえとなった、仲間たちの事を思い出すのよ! あなたもキング・オブ・ハートの紋章を持つ男ならぁ!
        情に流され、目的を失ってはいけない!! それとも、こんなキョウコのような悲劇が繰り返されてもいいって言うのっ!
ドモン「うっ…」
シュバルツ「やるのよっ! デビルガンダムの呪いから私たちを解き放つためにぃっ!」
マスター・アジア「やめろドモン! 貴様実の姉を、その手で殺めるつもりかぁっ!」
シュバルツ「お願いドモン! デビルガンダムに最後の一撃をぉっ…」
ドモン「…わかった。」
マスター・アジア「よせドモォォォン! デビルガンダム無くして、地球の未来はぁっ!」
ドモン「うっ… 姉さん…」
マスター・アジア「やめろぉぉぉっ!」
ドモン「ばぁぁくねぇつっ!! 石破ぁっ! 天きょぉぉっけぇんっ!! 姉さぁぁぁん!」
マスター・アジア「うわああっ!」
シュバルツ・キョウコ「ありがとう…ドモン」
ドモン「ねぇさぁぁぁぁん……」
287通常の名無しさんの3倍:04/12/28 16:10:15 ID:1aXtvghq
hosyu
288通常の名無しさんの3倍:05/01/04 00:09:35 ID:???
hosyusiyouka
289通常の名無しさんの3倍:05/01/14 06:30:01 ID:???
保守
290通常の名無しさんの3倍:05/01/19 13:22:58 ID:???
人居ない
291通常の名無しさんの3倍:05/02/12 02:35:42 ID:???
ハリィの話の続き読みたいage
292通常の名無しさんの3倍:05/03/10 06:01:35 ID:???
ほっしゅ
293通常の名無しさんの3倍:UC-0040年,2005/04/03(日) 00:37:21 ID:???
保守
294通常の名無しさんの3倍:UC-0040年,2005/04/05(火) 05:39:25 ID:eoXdyE/l
デキム・バートン
295通常の名無しさんの3倍
保守