憎い男と思って今度会ったらどうやってなじってやろうかと考えていても
実際に会ってみると嬉しさが勝ってしまう。つい浮かべてしまう笑みを噛み
殺して睨み付ける。
他の若い女の所にもこんな風な顔でやってくるのだ、と自分に言い聞かせると
憎しみが蘇ってきた。自分の純潔を奪っておきながら節操の無く浮き名を
流す。頭では分かっていても男のサガは許し難かった。
精一杯罵っては見たが、その視線に込められたある欲望を感じ取るとまったく
駄目になってしまう。口だけで強がっているのが分かるのだろう、気付くと
すでに側に近寄らせてしまっている。次第に体が熱くなる。顔が火照った。
上気した顔を見られないように背けると不意に顔を近づけてくる。手を握られ
てしまうと動けなくなった。せめてもの抵抗にと上目遣いに見上げると、その
余裕の表情が憎らしかった。
抱かれる覚悟を決めるとすぐに言いなりになるのがしゃくになった。他の女の
話をするとあからさまに動揺したようだ。嘘だと分かっていても、自分を一番に
考えていると言われると嬉しい。すぐに単純な自分への自己嫌悪に陥る。
肩を抱かれたまま唇を奪われた。無意識に目を閉じる。胸に手を突いて突き放
そうとするのだが、次第に力が抜けてしまう。あとは言いなりだった。服の裾から
入ってきた手が冷たく、心地よい。まるで魔法のように下着だけが床に落ちた。
気が付くと手が止まっていた。見上げると笑みを浮かべてこちらを見ている。こちら
の屈服を確認しているのだ。だがこちらももう引き戻せないところに居た。図らずも
懇願するような目をしていたのだろう。不意に延びた手が服の上から乳首をなでた。
軽く悲鳴のような声をあげてしまう。
耳は私の急所であった。甘がみされると体に電流が走った。腰に回された腕に抱き
寄せられる。すでに一人では立っていられない。体の芯が信じられないほど熱くなって
いた。むき出しの足を滑らかな指が這い上がる。期待と嫌悪が入り交じる。
足を抱え上げられ、私の繊細な部分が晒された。私は必死に両手で男の首にしがみ
ついている。もう触って欲しくて狂わんばかりだ。だが男は分かっているのでなかなか
触れない。悔しさに思わず涙がつたう。良いように嬲られている自分が情けなかった。
その悔し涙をどう捉えたのか、男は眦に口づけた。その優しい仕草に思わず自分から
唇を求めてしまう。緩やかな刺激が口腔を伝わり、頭がぼんやりとしてくる。私は呆けた
ような顔をしているだろう、と思った。それでも、と思う、このまま続けて欲しい。
私が口づけに酔っていると、男の指がゆっくりと私の中に入ってきた。はっきりとした異物感。
肉を押しのけるその刺激に、思わず「んんっ」っと大きな吐息を漏らしてしまう。男の細く長い
指が生き物のように蠢いた。切なさに身をよじる。
やがて指が私の中の要に触れる。痺れるような刺激に体が跳ね上がった。丁寧にそのあたりを
さわりながら、男が私の乳首を口に含むと、頭の中が爆発したように真っ白になった。気が遠く
なるのが分かる。もう辺りを気にすることなく私は嬌声を上げていた。
ぐったりした私を抱き上げると、男は寝室に私を運んだ。半裸で力無く横たわる私の上に
男が覆い被さってきた。耳元に唇を止せて愛の言葉を囁く。私の目は潤んでいただろう。
手を差しのべ、男を求めた。男の裸の胸が私の胸と合わさる。指よりも大きなものが私の
入り口に当たった。
男の欲望が私の中に押し入ってくる。じわじわと、だが確実に。やがて、一番奥まで入れられて
しまう。思わず大きく息を吐いた。指などとは比べものにならないほどの異物感。体が二つに
さけてしまいそうだ。やがて、一番奥まで入れられてしまう。思わず大きく息を吐いた。
男と目が合う。私のそれまでの表情をずっと見ていたのだろう。今更と思っても、恥ずかしさに
顔が紅潮した。男の目が問いかけるように私を見ていた。私の口からあの言葉を言わせようと
しているのだ。私を翻弄し思いつきで慈しみ、また出ていってしまう。だが、私は口にしてしまう。
決して自分のものにはならない男に。
「愛している。私はお前を愛している。愛しているのだ。だから・・・・・私を・・・・・」
45 :
44:04/01/02 14:29 ID:qoGKqPs2
訂正
5・6行目「やがて、一番 〜 息を吐いた」 >> 削除
書きながら送信しているので他にも誤字脱字編集ミスがあるかも。許せ。
男の体がゆっくりと動く。久しぶりの刺激に体が驚いているようだ。次第に大きくなる動き
にだんだん声が大きくなってゆくのを止められない。他人と肌を合わせることがこんなに
心地よいなんて。鋭くはないが少しづつ高まる快楽の水位に我を忘れそうになる。
体を抱かれる快楽もあるが、自分の全てを包み込まれているような安らぎは圧倒的だ。
かたく閉ざしていた心がやわやかに解け落ちてゆく
腰を抱かれて抱き上げられる。足の上に座らされると父に抱かれていた小さな子供に戻ってし
まったようだった。だが、突き上げる快楽が自分が女だと思い出させる。乳首を口に含んだ男に
対する愛しさがこみ上げて、思わず頭をぎゅっと抱きしめた。女である悦びを全身で感じた。
足が抱え上げられると体が二つに折られた。不自然な格好で男の熱い滾りが一番深い
ところを叩く。その振動は私の中の何か動物的なものを呼び覚ましてゆく。私は口の端
から涎を流し獣のように大きく悦びの声をあげながら男の背中に腕を回し爪を立てた。
全身が快楽を求めていた。
男の息が荒くなっていた。終わりが近かった。私はもはや我を忘れて男にしがみつくだけだった。
やにわに男の手が伸び私の最も敏感な芽をまさぐった。思わず「ひっ」と声をあげてしまう。
体が自分のものでは無いかのように激しく痙攣し、高まっていた快楽の堰が切られた。
我知らず愛の言葉を漏らす。白い火花が散る頭の片隅で男が私を強く抱きしめると私の奥で
精を放ったのを感じる。この上ない充足の中、意識が闇に溶けた・・・・・
夜半に目覚める。信じられないほど邪気のない男の寝顔を見ているうちにまた憎らしくなって
顔に悪戯をしてしまう。苦しげに顔を歪める男に、思わず声をあげて笑う。だが、やがて頬を伝う
熱いものに気づき驚いてしまう。何故自分は泣いているのだろう。今は、今だけはこの男は自分
の物なのだ。誰に嫉妬することもなく、少女のように男に甘えれば良いのだ。