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代行人様有り難う御座います。:
第2話 【エミリー人形】
『おはよう!』
昨日は何故だか解らないけど、
ご馳走だったわね?エミリー?
支度を整え、お父様、お兄様に朝のご挨拶をしに行く。
『おはようございます!』
「ん・・・嗚呼、おはよう。セイラ?体の調子は大丈夫かい?」
『え・・・平気よ?お父様!でも・・・昨日からみんな変よ?
学校も挨拶だけで帰るなんて・・・私、もっと色々知りたかったなぁ。』
「あーーオホン・・・と、取り敢えずセイラ?今日も寒いから
風邪には気を付けるように。それと先生の云う事を良く聞くんだよ?」
『はあい、お父様!あ・・・キャスバル兄さんおはようございます。』
「あ・・・嗚呼、おはよう・・・セイラ・・・体の具合は大丈夫か?」
『?お兄様まで・・・変なの・・・』
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『行ってきます!』
「ああ、セイラもミハルもしっかり勉強するんだよ!」
『はーい!』
「旦那様、本当に有り難う御座います。私めも学校に行かせて頂けるなんて・・・」
「ははは・・・もう良いんだよ、お礼は昨日、十分に聞いた。
それよりも、セイラの事宜しく頼むよ?何しろジンバではちと
頭が固くてナァ・・・もう少し頼れる男だと思っていたのだが・・・」
「旦那様、酷すぎです。確かに不肖、ジンバ・・・昨日のセイラお嬢様の
お体の異変には吃驚致しましたが・・・」
『何が吃驚したの?ジンバ?』
「や!これは!ははは・・・」
『?』
「ささ!セイラお嬢様!学校に遅れてしまいますぞ?
早く馬車にお乗り下さい。」
『はーい!ミハル?乗りましょう。』
「はい!お嬢様!」
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馬車を見送りながらダイクンは思った。
ついこの間迄、エミリー人形と遊んでいたセイラが
もうあんなに成長して・・・
・・・お前・・・お前も喜んでくれるか?
涙目で空を見上げると、朝靄が今は亡き妻の顔に見えてきた。
ダイクンがお約束の感傷に浸っていた頃、
後に鬼子と妹に罵られる
キャスバルはと言うと・・・
『エミリータソ・・・(*´Д`)ハァハァw』
・・・認めたくないものだな、自分自身の
若さ故の過ちと云うものを
(*´Д`)ハァハァw
(つづく)