>>293 Vガンダムのデザインは、かっこわるいのは確かだが、「質量の存在感」というコンセプトが見えて好きなんだがな。
飛行メカに関しては、(ジェット系一辺倒だったそれまでのシリーズとは違い)
ヘリコプター系のビームローターやワッパなどの演出で、「ふわっと宙に浮く感覚」=「大気の存在感」を感じられたし、
また、コアファイター(ジェット系)とベスパMS(ヘリ系)を対比させて、空中戦の空間構成を単調にならないよう演出している。
逆に、作画的にはもっとも簡単なミノフスキークラフト機構のメカをほとんど出さなかった(MAリカールぐらい?)ことからも、大気の演出にこだわったと言える。
また地上走行メカに関しては、バイクやカミオン(トレーラー)など執拗に車輪機構を打ち出して、「地面を走る感覚」=「大地・重力の存在演出」をはかったのは明らかであり、
これもドムのようなホバークラフトなどを排除している。
つまり、地球生まれの主人公を使い第一話を地球から始めたVガンダムの地球回帰的主題を印象づけるためには、「地球の固有性、つまり大気と大地の演出」としてビームローターと車輪が必要だったと言える。
(とは言えバイク戦艦などはどう見てもネタのレベルで、Vのネタアニメ化に拍車をかけるのだが)
パーツ切り離し攻撃や、バーニアによる姿勢制御をごまかさずちゃんと描いて慣性の法則を表に出したりするあたりも物質存在の演出に気を使っていてよい。
パーツ切り離し攻撃はビット・ファンネルなどと同系列の「身体の複数化による攻撃」なのだが、
ビット・ファンネルのように精神世界に依存させず、あくまで物理世界内で納めようという意図が明らかにあるだろう。
それから、叩きに叩かれた猫目だが、ファーストのザクのモノアイと比べて、そんなに猫目が劣っているわけではない。
(ファーストのザクをそこまで格好良いとは正直思えない)
格好悪い理由はむしろ、ベスパMSのプロポーションの悪さにある。
コンティオやゲドラフ、ブルッケングなどひどいもので、特に最終決戦で出てくる三機の特別機、ゲンガオゾ(ファラ機)、ゴトラタン(カテジナ機)、リグ・コンティオ(クロノクル機)が致命的。
ゲンガオゾの背中の5連ビームランチャーと本体のバランスの悪さ、リグ・コンティオの牛のような角とずんぐりむっくり体型(パイロットのクロノクルのイメージがまったく反映されていない)
そして、ゴトラタンはビームトンファーや角のビームカッターで良い味を出しているものの、あまりにも0083のガーベラ・テトラを彷彿とさせてしまい×。せめて色がピンクじゃなければ……。
まあ、ゲンガオゾは俵屋宗達の雷神だし、ドッゴーラは「龍に雲」とマンガ日本昔話風にネタに走っているし、
結論はネタアニメらしく、MSもネタとして楽しめということだな。