5 『 ザフト史上最大の一日 -後編』 イザーク・ジュール
選挙から数日後。俺達は再び隊長室に集められた。中には既に廃人のように表情の虚ろな隊長がいた。
かわいそうなことに、彼はここ数日のプレッシャーでちょっとおかしくなっている。
「えー、それでは選挙結果を発表する。」
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/ `''.v'ν Σ´ `、_,.-'""`´""ヽ
i' / ̄""''--i 7 | ,.イi,i,i,、 、,、 Σ ヽ
. !ヘ /‐- 、u. |' |ノ-、 ' ` `,_` | /i'i^iヘ、 ,、、 |
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ! iiヽ~oj.`'<_o.7 !'.__ ' ' ``_,,....、 .| ドキドキ・・
. ,`| u ..ゝ! ‖ .j (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
_,,..-<:::::\ (二> / ! _`-っ / | 7  ̄ u |i'/
. |、 \:::::\ '' / \ '' /〃.ヽ `''⊃ , 'v>、
!、\ \. , ̄ γ/| ̄ 〃 \二-‐' //
静寂が部屋を支配する。心臓の鼓動だけがやけに激しく脈打って聞こえる。
くそぅ、こんなに緊張するものだとは思わなかった。俺らしくもない。
ゆっくりと評議長が、結果の書かれた封筒に鋏を入れていった。まるで、宇宙ミリオネアの司会のみ○もんたみたいだ。
そして・・・・、ついに発表の時がきた。果たして誰なんだ?!ザラ評議長が叫んだ!
ヽ.、 `ー --- .,,─-- __,, 彡ソソノ,; ,,-弋ミミミミ
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``,.-、-─r,=====、:;;,,::;;::f" ,.'i´ o`i 冫ヽ ]-'´ ∧∧
゙iヾ ニill 〈 (.O)ーi` ̄´i _`_-_'....' li ゙_/ ヽ
゙i ill::::::::;ー-‐γ'i'::l,⌒ヾ`)::::::::::;;'' 〃u \
゙i :ill::::::::;; ソ::::;i,、, ヾ:::::::;''' _,,ノ' ,r-|
゙i、 ゙`‐=='"..::::::;i,, .,,, ゙゙'''''"~´ l_| 第二代ザフト隊隊長は・・・
ヾ.イ '''"..-一、 u .lヽ クルーゼ元隊長の再任に決定!
ヽ :;;l ̄´ _,,,...,.ヽ ,イ_〉
゙i. u ;;iェ'´ i' ヾト! ./:! \
゙!. :;;Fi、 ,,.ツ ./;:;: ゙i
./゙i ヽ ゙;ヽニ二ニ-'´ ./ :;:; / ヘ
/ i ヽ :..,,-‐' /::;' ;:; / /∨\/
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
/ ミ:::,..::- 、::;;;ミミミ彡) ./´.: .:: ~:. :.`゙ー=,
!'" ミ:::/ u`ヽ--、'k.、 ,..-一、,.‐--、,,_ i '.: .: ,,..,.,..,.. ドヾ __,,,,...::-一=、
i. ミ::/ ゙゙゙''ヽ、 u iミ;!,.'";: .: .: .: .:. :: ド;'. i _,.ァ='-ノノi!_、i /.: .: : :. :.ミ
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゙i 'ヘ i:┘ ゙ー---.,, ゙i''f..i ,.i.-./r'"r。ヾ、ィ;、゙! ゝ. u .,.-、.,.ゞ. i .r、:i‐i' ( ;) i-i;"゙i'
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ディアッカ ニコル イザーク アスラン
ディアッカ「う、嘘だろ!納得できないぜ」
ニコル 「得票数の公開をお願いします!」
二人がザラ評議長につめよる。もっともな行為だ。
クルーゼ「フフフフフ・・・ハハハハハ・・アーーーッハッハッハ!」
突然ヒステリック気味に笑い出す隊長。「隊長という職は大学で正規の教育を受けた私じゃなきゃ駄目みたいだな!」と、ガッツポーズ。
「絶対オレだと思ってたのに・・」アスランが呆然と呟いた。おいおい、あのPRでか。
ザラ評議長の後ろにいた黒服の男たち(ザフトの同僚)が、隊長をかこみ、拍手をする。
コングラッチュレーション
,―==7 Congratulation! コングラッチュレーション
|く ___ _> Congratulation!
fll`ーU+'
同僚 `''、 ー=| おめでとう・・・・・・・・!
↓ _,,..-´:|ヽー-;ー..,,_
. ,−=-, ,,..-‘≡≡:| ><´|≡::|ヽ おめでとう・・・・・・・・! おめでとう・・・・・・・・!
. | l____ヽ.|≡l≡≡≡| |::| |≡:::/::|
. |(llー´_ヽ|≡|≡≡≡|.|:::|l≡::/::::| 隊長再任おめでとう・・・・・・・・・・・・!
.. 4 l__`=|_|≡:|≡≡≡::||:::|'≡/≡|
/|\,.・|::≡:|ヽ|≡≡≡≡≡:::/|≡::| ←同僚 _,,.........、
≡|/}:ヽ|:≡|::::|{≡≡≡≡≡:::{ .|≡::| ヽ_,, ヽ
≡:| |:::|l≡:|≡|:|≡≡≡≡≡:::|. .|≡::| /_> |
:::≡l|:::|'≡:|≡:|::|≡≡≡≡≡:::|. .|≡::| 同僚→ |7 llう.. |
≡≡≡≡/|≡ヽ≡≡≡≡≡::::|. ..|≡::|. z-..,〃、 ム__ ll´.. |
::≡≡≡::/ ヽ≡ヽ≡::|―、≡≡::l ..|≡::| / ミ 1´/ヽ==,...
::≡≡≡| \≡ヽ::| ヽ≡≡l .ljヽl | 刀、ミ _,,,..-`‐三=ー-
::≡≡≡| |ヽ/ー.、.. ヽ≡≡l. .|/ | ノ= ∠i /ヽ、≡≡≡≡≡
:|¬、≡≡ヽ. |≡ゞー=ッ |≡≡| __/ (ll ー゜\|ヽ. /≡::ヽ≡≡≡≡≡
:| ヽ≡≡ヽ |≡≡ヽミ. |≡≡| l|. ll7| ヽu=/l二ll二l'''ヽ /≡:::/≡≡≡≡≡
俺だったら絶対して欲しくない祝福なわけだが、隊長は結構満足げに聞いていた。
その光景を、ぼけっとみていると、すいっとニコルとアスランが前に出た。そして、拍手の列に加わった。
i ,. ‐'´ `‐、 ヽ丶 ト/ |' { :::::`ヽ.
/ ヽ、_/)ノ \ N│ ヽ. ` ::::::::::ヽ Congratulation!
/ / ̄~`'''‐- 、..__ ノ N.ヽ.ヽ、 , ::::::::::} おめでとうございます
\\ i. / :::::l 7. ヽヽ.\ ,.ィイハ :::::::::|
\ヽ ,!ヘ. / ‐- 、._ ::::|/ ヾニー __ _ -=_彡ソノ \ヽ、::::::| クルーゼ隊長・・
. \ |〃、!ミ: -─ゝ、 __:::l __|__ .  ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,`::/ │. l  ̄リーh ` ー‐‐' l‐''::::冫)'./
┼ /`゙i ´ ヽ:::::! ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ ::::トr‐' 僕らには貴方が再任するってのは
_/:::::::! ,,..ゝ! \ヽ l `___ _i__ ::/:::| わかっていましたよ。ええ。本当に。
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 -i-____ 、 /. ヽ ヽ. `ー─''´ i /::::ト,
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / -i- >、 . /::::/::::|ヽ 今後とも僕らをよろしくお願いします。
アスラン ニコル
便乗して、この二人までそんなことをいいだした。おいアスラン。貴様、さっきなんていってた?俺は呆れてしまった。
けれど、隊長はそんな二人に熱いハグと接吻のひとつをかまして、
「ありがとう。君達は私の宝だよ。君達が使っていたガンダムは、前と同じように使っていいぞ」と、優しくいった。
そして、こちらを向いて、「イザークくん、君も宝だ。前と同じくデュエルに乗り給え!ハッハッハ」といった。まぁ、ありがたい。
いままでのザフトの態勢をどうやら壊すことはしないらしい。このメンバーのまま現状維持といったところか?
ディアッカが隊長に声をかけた。
_,-ーン),ッ_
,、,ィ'"~ , -ー' "ー、
,ノツ (イ,,;;;;;=-ー '`タ
,,l ,く、;;ノ- ' ,,,,.._`っ == `!
i_`Y" ,-',rァ、 ヾノ=i rヽ
`!=rッ、 `~ ンノ n) 他の皆が今までと同じ機体に乗って良いと言う事は・・
`! 7' _ i`チr< 隊長! オレもバスターに乗っていいよNA!?
ヽ ` 、彡' /==ヽ
r t `ヽ、_ ノ"' ̄ _!_
,、_! ! _, 」ア'-ー" ̄ ヽ
!-、`ゥ )、_,一"__ー- 、 ,-へ !
,ト-、_ラh)/∠!"Z_`_、 `i_/ i l
t-、イ /ノ、`、Z_ゥ シ, 一' !!
`ーt',i,,, `ー -一" ,,,;;;;;;,_,ィ i
,-' ''''''' ,,,;;;;;;;;;_,-ー" !
∧ ∧/ レ
/⌒〜Y⌒"""ヘ ヘ∨ ∨
/⌒/ へ \|\
/ / / /( ∧ ) ヘ ヘ
く // ( /| | V )ノ( ( ( ヘ\ て
┘/^| \ ( | |ヘ| レ _ヘ|ヘ ) _ め
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.| α _ ヘ レレ "⌒""ヘ〜⌒" ||||> や に
_∠_ イ | | /⌒ソi |/⌒ヘ < ん は
_ (_ ) ヘ | ‖ () || || () || _\ ね
/ ( ) ヘ |i,ヘゝ=彳 入ゝ=彳,i|\ |
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_) | ヘ(||ii ii|||iiii_/iii)ノヘ|||iiiii<
| ( ヘ|||||iiii∠;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; フ
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イヘ /彡 ∪/し /
ヘレ\レiiii||||iii(iii||/
隊長・・わざわざマスクを脱いで・・・
そんなにディアッカが嫌いだったとは知らなかったぞ。まぁ、ディアッカはちょっとあれだからな。
つーか、隊長、マスクをとった顔、きもすぎるよ。
「ひ、ひどすぎるZeッェェェ!」
ディアッカが泣きながら、部屋を飛び出した。おいおい子供か、お前は。
自殺しそうな勢いを不安に思ったので、俺はあいつを追いかけて部屋を出た。
すると、廊下にアデス艦長がいた。
俺 「アデス艦長?どうしてこちらに?」
アデス艦長「ん、いや、ちょっと隊長に用事があってね。」
そういうと、彼は隊長室に入った。オレも気になったので、アデス艦長の後ろについていった。中ではまだ隊長が騒いでいた。
「ん?アデス艦長じゃないか?」と、上機嫌のクルーゼ隊長は右手をだした。握手だろう。
「やあ、隊長再任おめでとう。ところで、両手をだしてくれないか?」
「あぁ、別にかまわないが」と、いって上機嫌で両手を差し出す隊長。
\
::::: \ クルーゼ隊長の両腕に冷たい鉄の輪がはめられた
\::::: \
\::::: _ヽ __ _ ザフトとの連絡を断ち切る契約の印だ。
ヽ/, /_ ヽ/、 ヽ_
// /< __) l -,|__) > 「アデス艦長・・・、私は、どうして・・・
|| | < __)_ゝJ_)_> 大卒という肩書きに・・・固執しちゃったのかな?」
\ ||.| < ___)_(_)_ >
\| | <____ノ_(_)_ ) とめどなく大粒の涙がこぼれ落ち
ヾヽニニ/ー--'/ 震える彼の掌を濡らした。
|_|_t_|_♀__|
9 ∂ 「その答えを見つけるのは、お前自身だ。」
6 ∂
(9_∂ クルーゼは輸送機の中で徹夜で辞書を読みながら泣いた。
アオリ「ペパーダイン大卒なんてかくもんじゃありません」