歴代主人公が兄弟だったらpart10

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595リレーの続き
続き>>547

今日の食卓は静かだった。

アムロ兄さんは出張で明日帰宅予定。シロー兄さんは朝まで勤務中。
ドモン兄さんは格闘技の大会に出場してて、今頃どこかのアリーナで試合をしてる筈だ。
ヒイロは任務だと言ってたけど……どこで何をしているのか?守秘義務とやらで教えてはくれなかった。
食卓を囲む人数が少ないだけじゃなくて、何かこう上手くは言えないけど、食卓を支配している不自然な静けさを僕は感じていた。

まず、ガロードとジュドーが妙に大人しい。いつもは二人で競うような早食いしているのに、二人とも食が進んでない。
身体の具合でも悪いんだろうか?心配になって二人に聞いてみるけど首を横に振って違うと言ってる。
何故だか二人とも僕と目を合わせようとしない。

キラとウッソの様子も変だった。
キラは食事をしながら他の事を考えていて頭がお留守のようだった。
その証拠にご飯茶碗をヒックリ返してしまい、それをアルに指摘される。
「あーキラ兄ちゃん、お行儀悪いんだ!」
「あ。ご免、ご免……」
「キラ、どうしたんですか?ボーッとして」
僕はテーブルを拭いてからキラにご飯をよそい直して茶碗を渡した。
茶碗を受け取ったキラは何だか上の空って感じだった。キラも僕と目を合わせようとはしなかった。

そう言えば……食事の時は学校での出来事とか、畑の作物のとかをいつも僕に話してくれるウッソも
今日は黙って食事している。僕と視線が合うと下を向いて避ける。
けれどチラチラと盗み見るような視線をウッソからは感じた。

シーブックとカミーユ。この二人はいつも通り、変わりない。
カミーユは変な珍入者や、喧嘩を吹っかけてくる相手さえ居なかったら大人しいものだし
シーブックはいつも影が薄……いや、何があろうとスルーしてマイペースで食事をしている。
この家で生活するには必須の条件かもしれない。

会話が無いまま、黙々と食事する光景というのはこの家にしてはかなり珍しい事だった。