ガンダムシリーズでシャクティが1番可愛い9

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414春の花嫁 1/10
 布で出来た色々な物が置かれているシートの上で、訪れたばかりの春の日差
しを浴びながら、ウッソは座っていた。稼いだお金の入った皮製の鞄を、大事
そうに抱えている。
 カサレリアの恋人達とマーベットは、ウーイッグの教会の庭で開かれている
大規模なフリーマーケットに、店を出していた。ピクニック用の大きなビニー
ルシートの上に並べられた布製品は、全て冬の間にシャクティが作った物だ。
ぬいぐるみや鞄だけでなく、女の子向けの服や婦人服まで並べられている。
(シャクティ、凄いよな。こんな服まで、全部一人で作っちゃうんだから。)
 ウッソの膝の前には、シャクティの作った服がある。白い大きな襟をした、
空色のワンピース。その胸元にある濃い青色をしたリボンを見つめながら、冬
の間、ひなげしの歌を歌いながら裁縫をしていたシャクティの姿を、ウッソは
思い出していた。春の日差しを浴びながら、そんなシャクティの姿を心に浮か
べていると、何だか幸せな気分になって来る。
「あ、かわい〜。ちょっと見せてもらえる?」
 母親に連れられたシャクティと同じ歳頃の少女が、店番をしているウッソに
尋ねた。どうぞと答えると、少女の白い両手がシャクティの作った空色の服を、
宙に広げる。自分の体に服を近付け、上から見つめた後、そのままクルッと体
を一回転させた。嬉しそうだ。
 母親と何か話している。少し不安気だった顔が笑顔に変わった後、その少女
はウッソに向かって、「これ下さい」と元気な可愛い声で言った。
415春の花嫁 2/10:03/09/09 11:47 ID:???
「ウッソ、店番ご苦労様。」
 少女に服を渡した後、シャクティが編んた桃色の薄手のカーディガンを着た
マーベットの声が聞こえた。ウッソは声の方に目を向けたが、隣にいる、カー
ディガンを作る時に背伸びをしながらマーベットの採寸をしていた女の子は、
ご機嫌斜めの様だ。ウッソにはそれが不思議だった。
「どうしたの、シャクティ?」
「何でもありません。」
 少し怒った口調で、褐色の肌をした少女が答える。何を怒っているのだろう。
「ハハ、ほら、すねないのシャクティ。ウッソも、女の子を見てデレっとして
ちゃ駄目よ。あなたは、いつもそうなんだから。」
 マーベットの言葉から、さっきの少女とのやり取りを二人が見ていたんだと、
ウッソは理解する。どうやら、シャクティの事を想っていた事が、勘違いされ
ている様だ。
416春の花嫁 3/10:03/09/09 11:48 ID:???
「そ、そんな、誤解だよ。シャクティの事を想ってる時に、さっきのお客が来
たんだから。」
「さぁ、どうですか。」
 シャクティの誤解は解けない。そんな二人のやり取りを見ていたマーベット
は、助け船を出す。
「シャクティ、素直になりなさい。さっきだって、ウッソの誕生日プレゼント、
必死に探してたでしょ。」
 それを聞いたシャクティは、頬を赤らめて、うつむいた。マーベットはそれ
を見て微笑んだ後、視線を下に動かして言う。
「さてと。この分だと、昼には全部なくなりそうね。ウッソ、店番交代よ。」
 買って来た荷物をシートの上に置きながら、マーベットはウッソに告げる。
その言葉を聞いたウッソは立ち上がり、スージィに任せているカルルへのお土
産を探す為、他のフリーマーケットの参加者の店を回り始た。シャクティから
自分への誕生日プレゼントの事を、気にしながら。
417春の花嫁 4/10:03/09/09 11:49 ID:???

 お土産のおもちゃで遊び疲れたカルルが眠った後、ウッソは風呂に入った。
沢山売れたなと、湯船の中で今日の売り上げを思い出す。
(シャクティが、冬の間あれだけ頑張ったんだ。当然かな。)
 シャクティの顔が頭に浮かんだ後、朝ウーイッグの教会で行なったマーベッ
トとのやり取りを思い出した。四日後は、ウッソの誕生日だ。
 シャクティは毎年必ず、ウッソに心のこもった誕生日プレゼントを渡してい
る。最初に貰ったのは、シャクティが自分で作った花の冠だった。それをウッ
ソの頭に乗せた後、「私の王子様になって」と小さな頃にシャクティから言わ
れた事は、今でも良く覚えている。
 あれからずいぶん経ったよなと思いつつ、風呂から上がった。
418春の花嫁 5/10:03/09/09 11:50 ID:???
(ま、誕生日迄のお楽しみって所かな)
 プレゼントの事で心を躍らせながら、ウッソはパジャマ姿になる。その後、
カルルと一緒に先に風呂に入ったシャクティの待つ寝室を、目指した。
 ノブに手を掛け、寝室のドアを開ける。と同時に、「ダメーッ!」というシャ
クティの大きな声が聞こえた。その声に驚いたが、目の前の光景に、ウッソは
もっと驚く。
 そこには、褐色の肌の上から直接白いエプロンを身に着けた、シャクティの
後ろ姿があった。狼狽した。
 シャクティがうずくまる。やや落ち着きを取り戻したウッソは、恥らいで体
を丸めるシャクティのそばでしゃがみ込み、下を向く彼女の顔を覗いた。必死
に目を閉じたその顔は、真っ赤に染まっている。
「ご、ごめんなさいウッソ、誕生日プレゼントだったのに……。」
 全てを理解した。ウッソがシャクティの頬にキスをすると、強く閉じられた
シャクティの瞼が開く。そこから、驚きと喜びの交じり合う二つの瞳が現れた。
「ありがとうシャクティ。でも、何でそんな格好……。」
「えっと、こういうの、男の人って好きなんでしょ。」
419春の花嫁 6/10:03/09/09 11:52 ID:???
 シャクティが語り出す。
 手作りのケーキをおととし、手作りの服を去年プレゼントしたシャクティは、
今年は何をウッソにあげようかと悩んでいた。先週マーベットの所へ相談に行
くと、これをマーベットから提案されたのだという。今日のフリーマーケット
で、このフリルの付いた白いエプロンを見付けたので購入し、先程ウッソの誕
生日の為に練習をしていたのだ。
「よく見せて、シャクティ。」
 優しい声に導かれ、シャクティは立ち上がり、恥ずかし気にウッソの方に体
を向けた。胸元に小さなサクランボの刺繍がしてある白いエプロンから、細い
シャクティの褐色の手足が伸びている。特に、肩の所に付いた大きなフリルが
目を引いた。まるで、ウエディングドレスをまとっているかの様だ。
「……綺麗だよ。何か、ウエディングドレス着てるみたいでさ。」
 そのウッソの言葉で、シャクティの表情から恥ずかしさが消えた。嬉しさ一
杯の顔で、シャクティはウッソの胸に抱き付く。そして言った。
「ウッソの誕生パーティー、今からしちゃいましょっか。」
420春の花嫁 7/10:03/09/09 11:52 ID:???

 壁に向かって両手を付き、やや前屈みになった、エプロン姿のシャクティ。
褐色の背中に、白いエプロンの紐とフリルが絡み合う彼女の後姿を、ウッソは
見つめている。
 綺麗だ。心の底からそう思った。
 シャクティの背中に、胸を合わせる。パジャマ越しでも、彼女の体温を感じ
られる程。そしてウッソの手が、エプロンの胸元に近付く。
「あっ……。」
 シャクティの口から、小さな喘ぎ声が漏れる。ウッソの手が、エプロンの胸
元にあるサクランボの刺繍を歪ませているのだ。
 布越しの快感に、生身の快感が加わる。綺麗だと言ってくれた唇が、シャク
ティの左の耳たぶを挟んだのだ。唇に挟まれた彼女の耳を、ウッソの舌が愛撫
する。高まる一方の快感に、少女は耐える事が出来なかった。
421春の花嫁 8/10:03/09/09 11:53 ID:???
「嫌……。直接、直接ウッソを感じたいの……。」
 それを聞いたウッソは、エプロンのサクランボから掌を離し、すぐそばの純
白と褐色の境目に手を入れる。そして、シャクティの胸のサクランボを弄んだ。
「あ、いぃ……。して、もっとして、ウッソ。」
 しばらく彼女の要求に応えた後、ウッソの胸が離れて行く。暖かさに包まれ
ていたシャクティの背中に、小さな、熱い感覚が生まれた。それを生んでいる
のは、ウッソの唇。白いフリルと紐が絡み合うシャクティの褐色の背中を、少
年は唇と舌で愛した。何度も、何度も。
 その感覚が、少しづつ下へと向かって行く。腰の大きな結び目を越え、熱い
唇が、シャクティの後ろにある二つの丘へと辿り着いた。
 ウッソの唇は丘の上で遊びたいのだが、唇は一つしか無い。丘は二つあるの
だ。ウッソは唇の遊び仲間に、自分の指を加える事にした。指という遊び仲間
が加わったウッソの唇は、シャクティの二つの丘の上で遊び続けた。唇と指の
遊びが止まり、再び動き出す度に、上から天使の声が聞こえて来る。
 丘の間から、甘い匂いを感じた。その甘い匂いに導かれ、もっと遊びたいと
望む唇が、朱い谷間へと近付く。ウッソの唇の間から出された舌は、その朱い
谷間におそるおそる入り込んだ。再び、天使の声が聞こえた。その声に誘われ、
ウッソの舌と唇と指は、朱い谷間を隅々まで愛した。
 大きな、天使の声がした。それと同時に、シャクティは膝を付いた
422春の花嫁 9/10:03/09/09 11:54 ID:???
 シャクティの頭の中で聞こえる天使の声が小さくなると、彼女は少しづつ、
ウッソの方に体を向けた。上にある少年の瞳を見つめならがら、言う。
「ありがとう、ウッソ。でも、これじゃあプレゼントにならないわ。」
 視線が下に向かう。求める物の目にする為に、シャクティはウッソの腰に手
を伸ばし、パジャマのズボンとその下にあるパンツを、一緒に引き下ろした。
「今度は私が、ウッソを愛してあげる。」
 シャクティはそう言って、ウッソの足の付け根へと顔を近付ける。口に含ん
だ。愛しい者を。
「あ……、シャクティ……。」
 今度はシャクティが、自分の上で天使の声を聞く。小さな唇と暖かい舌が遊
ぶ度に、天使の声は変化する。その変化を続ける声が聞きたい一心で、唇を、
舌を、遊ばせた。
 楽しかった、嬉しかった、愛おしかった。ウッソの全てが。
「もう、駄目だ……、シャクティ!」
 そう聞こえたと同時に、シャクティの喉の奥にウッソの精が入って来た。そ
の精ですら、愛おしい。シャクティは迷う事なく、それを体の奥へと運んだ。
「の、呑んじゃったの!?」
 驚いて尋ねるウッソに、答えた。そうすれば、ウッソが私の中で生き続ける
からと。
 シャクティは立ち上がり、再び壁に両手を付け、もう一つの口で再び同じ行
為をする事を望んだ。純白のウエディングドレスに、身を包んだままで。
423春の花嫁 10/10:03/09/09 11:55 ID:???
 白い布越しにシャクティの体を支え、ウッソは彼女の中へと入る。暖かい。
そう感じた時、ウッソはデジャビュに襲われた。
 一瞬何かと思ったが、すぐに分かる。朝、裁縫をしているシャクティの姿を
想っている時に浴びた、春の日差し。それと同じ暖かさを、シャクティの中か
ら感じるのだ。その時誤解され、一瞬でもシャクティの心が自分から離れた事
を償う為に、ウッソは懸命に、シャクティの想いに応え続ける。
「あぁっ、ウッソ!!」
 シャクティの想いに応え、ウッソの贖罪が終わる。同時に、シャクティは自
分の中で、ウッソの全てを許してくれた。

 翌日、昨夜挙げた二人だけのパーティーでまとった純白のドレスを川で洗う、
シャクティの姿があった。それを見付けたマーベットは、少しあきれた声で、
彼女に言う。
「シャクティ、ウッソの誕生日は三日後でしょ。」
 シャクティは恥ずかしくて、嬉しくなった。

−完−