第三回天下一武道会

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360イザーク   3/3

「イザーク、君は実にいいところに気がついた・・」と、ヘンタイ仮面は俺に向き直った。
笑顔がやけにうそ臭かったが、隊長が俺の考えを肯定してくれたのは力強かった。
「私も以前から彼だけ黒人なのが気になっていたのだ。だが、これで全ての謎が解けた。
我々コーディネーターは既に人体自身にフェイズシフトをかけるほどに成長していたのだ!素晴らしい!
ナチュラルに我々が一瞬たりとも遅れをとるわけがないのだからな!」
「やっぱり!」俺は、満足した。さすが俺達の隊長だ。隊長は仮面の下に手をやったかと思うと、でかいショットガンを取り出した。
まるで某ロボット漫画のポケットのようだ。構造が気になった。
「さぁ、イザーク君!君はこのショットガンでディアッカのフェイズシフトの装甲を試すんだ!おもいきり撃ってやれ!」
「はっ」
俺はその拳銃を掴むと、隊長とアスランを置いて、トイレを飛び出した。

残った二人の会話。
アスラン「隊長・・あんなこといっていいんですか?」
クルーゼ「ん?今日はエイプリルフールじゃなかったっけ?」
アスラン「全然違います。それに・・いつまで、ここにいるんです。でていってください」
クルーゼ「君のおいなりさんをみたらすぐにでるさ」
(鈍い打撃音が暫く続いたあと、トイレを流す音)

アスラン「 ・・(ふー、すっきり)」



俺は、ディアッカを探した。
あいつは、食堂でニコルと談笑しながらカレーをうまそうに食べていた。俺は彼の肩をポンポンと、叩いた。

「水臭いやつだな!ディアッカ!フェイズシフトもっているんならいえよ!PS装甲があるなんて羨ましいぜ!」
「WHY?何をいってるんだYO。イザーク?」
ディアッカは水をぐびぐび飲みながら、怪訝そうに俺をみた。まったく演技派だな!こいつは大物だ、と俺は感心した。
まったくもうわかっているんだから隠さなくてもいいのに。
俺がにこにこしていると、ニコルが隣で何故か青ざめていた。こいつは何をびびっているんだ?
「ディ、ディアッカ、そろそろでませんか?」と、ニコルがディアッカの袖を引っ張った。
「NONO。俺はまだ食ってるぜ。ニコル。何をそんなに焦ってるんDAYO?」と、ディアッカはスプーンを口に含んだ。
「さぁ、フェイズシフトの性能みせてもらおうか!」

俺は、笑顔で銃をかまえると、ディアッカの胸に照準をあわせて躊躇することなくショットガンの引き金を引いた。
途端に、ディアッカの身体が棍棒で殴られたように数メートル後ろに弾け飛んだ。手に持っていたスプーンが鮮やかに宙に舞った。
カレーの器が床に落ちて、半分ほど残っていた中身を散乱させた。ニコルが血相を変えてディアッカに近寄った。
あたりにいたザフト兵たちは唖然としていた。
「ディアッカァ!ディアッカ!しっかりしてください!」と、ニコルが叫びながら彼の肩をゆさぶり、とめどなく涙を流していた。

ディアッカはぴくりとも動かなかった。口からは少しカレーがはみ出していた。
あいつ、もしかしてフェイズシフトダウンしていたのかな、と俺は手錠をかけられながら思った。


アオリ「 次回はアスランの隠された秘密に気がつくイザーク!彼について俺達はとんでもない勘違いをしていた!?」