最終回放送直前記念
製作現場に聞くブレンパワード秘話
キャラクター
デザイン
作画監督
●永野護氏といのまたむつみ氏がコンセプト
デザインで参加されていますが、お二人のデ
ザインをアニメーション用デザインにリファ
インされる際に、どのような点で苦労しまし
たか?
キャラに関しては、原則として「ブレンパワ
ードは“ い の ま た キ ャ ラ ”である」とし
ながらも、設定作業に入った段階ではいのま
たさんの絵は大ラフしかなく、しかも目の大
きさとか、鼻の描き方など変更を指示されつ
つ、かつ自分自身の絵で描いてもいけない
( や っ ぱ り “ い の ま た キ ャ ラ ” で す
か ら )という、なんだかとっても難しい作業
でした。おまけに設定画を上げて作画作業に
入ったあとで、いのまたさんから新たな比瑪
のラフをいただいたために、それまで使用し
ていた設定をボツにし、改めて比瑪の設定修
正版を作ったりしたおかげで作画の皆さんが
混乱してしまったり・・・・。その他のキャラに
ついても、必要最低限の設定しか出せなかっ
たので、色々と不満が残る結果となってしま
いました。
メカに関しても、準備稿が決定稿になって
しまったり、変な風に簡略化してしまったた
めによくわからなくなってしまったりと、ま
あ色々ありました。(重田敦司)
●メカニックではないブレンとグランチャー
の描写で気を使ったところはどこですか?
外見がメカメカしいのですが、 実 は 生 き
た 鉄 板 ( ? ) の 集 合 体 であるという
雰囲気が本編でもう少し出せたら良かったか
もしれません。外皮がゆがんだり、力んだ関
節のアップを見せたりとか、チャクラとブレ
ン本体との関わりも他にも色々あったかなぁ、
と今にして考えています。(重田敦司)
●『ブレンパワード』では場面が会場や日本
の田舎の風景、さらには寒冷地帯の山中など
変化が著しいですが、各場面での描写で苦労
した点はどこですか?
場面というより、エフェクトのある時が面倒
でした。(重田敦司)
演出
●オープニングで女性キャラが
全員裸体なのは何故ですか?
好 き だ か ら で す
監督 富野由悠季(直筆サイン)
●富野監督の演出意図とのギャップを感じら
れたことはありますか?
ギャップを感じる、というよりも絵コンテな
どから受けた印象が画面上にきちんと表現で
きたか、ということはいつも感じていました。
自分の仕事内容と理想とのギャップは大きか
ったようです。(渡邊哲哉)
こんな質問されると
ボ ク が リ バ イ バ ル
しちゃいます。(森邦宏)
あったら一緒に仕事しません。(西森章)
ありません。(南康弘)
●『ブレンパワード』は、一言でいうとどん
な物語だったのでしょうか?
親子、友人、恋人、他人、まったく違う生き
物とかとのコミュニケーションの話かな(よ
くわかんねーや)?(渡邊哲哉)
ヒ メ ち ゃ ん の 家 族
さ が し 日 記 。(森邦宏)
ラ ブ ラ ブ な 物 語(西森章)
それは富野監督に聞いて下さい(南康弘)
●『ブレンパワード』で目指した演出とはど
のようなことだったのでしょう?
「普通の画面」を作る。「普通」というのが、
どうも説明しずらいんですけど・・・・。「普通」
ってのが「理想」なんだと思います
( 書 い て る 自 分 も
よ く わ か ん ね ー や 、
こ り ゃ ) 。(渡邊哲哉)
乾坤一擲(森邦宏)
S M A P の 歌 が バ ッ ク に
流 せ る 様 な フ ィ ル ム 。
ちなみに第21話は『夜空ノムコウ』、最終話は
『たいせつ』です。(西森章)
あ り ま す が
ど う 書 い て い い か
解 り ま せ ん 。(南康弘)
絵コンテ
脚本
●『ブレンパワード』では、いわゆる「富野
ブシ」とも言えるセリフ回し、レイアウトな
どが見られますが、脚本、絵コンテ段階では
そういったことを意識されるのですか?
セリフ、レイアウトでは、していません。
(絵コンテ・南康宏)
意 識 し た っ て 、
他 人 な ん だ か ら
全 て マ ネ す る の は
無 理 で し ょ う 。
(絵コンテ・西森章)
「 富 野 ブ シ 」 は富野さんにしかできま
せんが、必死にマネしようとしている形跡が
コンテにもホンにもあると思います。富野さ
んチェック後のコンテに自分の足したセリフ
が残ってるとうれしいんです(絵コンテ・森
邦宏)
脚本段階では意識していません・・・・というか、
極力入れないようにしています。今回のブレ
ンは、今までの作品とは違った雰囲気にしよう
ということで 「 富 野 ブ シ 」 はやめよう
という話だったんですが・・・・なぜか入ってい
ますね(笑)。(脚本・西出明美)
特 に 意 識 し た
こ と は あ り ま せ ん 。
(脚本・浅川美也)
●『ブレンパワード』という物語を一貫して
いる「親子関係」というキーワードを、1話
の物語として絵コンテや脚本に変換する上で
苦労された点はどこですか?
苦労はありませんでした。ボクのやった第22
話では、具体的な親子は出てきませんでした
が、子供たちを元気に描くことで、ノヴィス
・ノア自体を親として存在させることができ
たかと・・・・。(絵コンテ・森邦宏)
親 子 ど ん ぶ り
(絵コンテ・西森章)
救いようがない家族関係を、いかに肯定する
か。最近は否定するだけ否定して、救いのな
い話が多すぎる。ブレンでは、登場人物もそ
してそれを見ている視聴者にも、 ど う す
れ ば 幸 せ に な れ る か 、 考えて欲
しいと思いながら書きました。(脚本・西出
明美)
勇の、親に対する気持ちを理解するのが大変
でした。「これこれ、こうだから、こう思って
いるのだよ」と、説明されて頭で理解するの
ではなく、感覚的にわかりたいと思いました
ので、色んな若い男の子の話を聞いたりして
みました。(脚本・浅川美也)
●『ブレンパワード』ではアンチボディがロ
ボット的な描かれ方をしていないのが特徴で
すが、ガンダムに代表されるロボットアニメ
的なものを捨てるのは相当大変だったのでは
ないでしょうか?
意 識 は し ま し た 。
(絵コンテ・南康宏)
キ ー ポ イ ン ト は 飛 ん で る と き
の 足 音 !!(絵コンテ・西森章)
今までのパターンを使えない分大変だったか
もしれませんが、アンチボディもヒメたちの
一員だと考えれば、自然にアンチボディのキ
ャラクターが発想されました。第22話で、勇
の代わりにブレンが働くシーンはその成果で
しょう。(絵コンテ・森邦宏)
第1話の時から、 「 こ れ は ロ ボ ッ ト ア
ニ メ で は な い 」 と思っていましたから、
戸惑いはありませんでした。戦闘がメインで
はなく、人間のドラマに重点を置いています。
(脚本・西出明美)
今回、初めてアニメシナリオを書かせてい
ただいたので、捨てるものが私にはありませ
んでした。(脚本・浅川美也)