第二回天下一武道会 エピローグ

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588通常の名無しさんの3倍:03/06/08 20:20 ID:???
日曜age
589通常の名無しさんの3倍:03/06/08 21:28 ID:???
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙  (三月十八日夜までマターリ募集してます)

まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)

                              【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1  「∀の意味」  (ソシエたんが出てくるまで続けて欲しい。)
2  「ジパング」  (素で面白い。マジで読みたい。)
3  「死刑執行中」  (作風は前作と正反対だが面白かった。)
4  「仮面の告白」   
5  「魁!連邦軍!一限目である!」

打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。

   「毒男」
理由(スレンダーネタはもういいや)


応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。

 作者名 (スレンダー)
 メッセージ「脱落しても頑張って下さい。」

今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「年齢的に若い女性じゃないと意味ないです。ババァじゃだめです。」


最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。

「ジャンプより遥かに期待してます。ガンガレ」

                                     【ご協力ありがとうございました。次回発行日は三月二十日です。】
590通常の名無しさんの3倍:03/06/08 22:39 ID:???
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙  (三月十八日夜までマターリ募集してます)

まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)

1  「天空の城 ア・バオア・クー」  (オチがマジで面白い)
2  「ジオンクエスト 〜そして伝説へ〜」  (子供の頃を思い出した。でも次回はパーティー変えて欲しいな)
3  「死刑執行中」  (作風は前作と正反対だが面白かった。)
4  「仮面の告白」   
5  「ジパング」

打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。

   「∀の意味」
理由(何か良く分かりませんでした)


応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。

 作者名 (スレンダー)
 メッセージ「ウザイ」

今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「答えて欲しいんですか?」


最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「いつになったら女性作家は投入されるんでしょうか?」
591通常の名無しさんの3倍:03/06/09 23:02 ID:???
一応保守
592通常の名無しさんの3倍:03/06/10 20:21 ID:???
保守です
593通常の名無しさんの3倍:03/06/11 22:44 ID:???
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週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙  (三月十八日夜までマターリ募集してます)

まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)

                              【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1  「毒男                      」  (もう、無理                       )
2  「魁!連邦軍!一限目である!      」  (こういう馬鹿馬鹿しいのの大好きです。     )
3  「ジパング                    」  (次回が楽しみです                  )
4  「天空の城 ア・バオア・クー        」   
5  「死 刑 執 行 中             」

打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。

   「仮面の告白                      」
理由(よく分からん                      )


応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。

 作者名 (スレンダー            )
 メッセージ「…                」

今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「もうあなたには何を言っても無駄ですね…          」


最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。

「今後の展開が楽しみです。大変でしょうが、ガンガッテください 」

                                     【ご協力ありがとうございました。次回発行日は三月二十日です。】
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594三月十七日:03/06/12 03:44 ID:???


ミライがまだ帰ってこない。


それはいいかえると、食と言う楽しみを奪われてことを意味する。

どういうことかというと、つまり、この寮には、料理をする人間がいないのだ。
いや、いることはいる。ランバラルなどは以前、うどんなどを作ってくれたことがある。
大変うまかったのだが、毎日うどんというわけにはいかない。飽きるし、それに栄養の面での不安も残る。
ロランに調理を頼もうとも思ったんだが、彼等はあくまでも作家であり、締めきりにおわれている毎日である以上そんなことはさせられない。
彼等はそれほど暇ではない。なにせ生存競争にも等しい対決が行われているのだ。

ということは、必然的に料理をするのは私だということになる。


まぁ、料理をつくるのはキライではないし、たまには気分転換にもなっていいのだが、ミライが帰ってこないことがきになった。
今朝、いつもどうり皆、インスタント食品を食べているときにアムロに聞いてみたのだが、彼は応えてくれなかった。
なにか訳があるのだろう。それがなにかといと私にはお手上げだが。
アムロとの痴話げんかというのも考えられる。私のみたところ、どうもフラウはアムロに惚れているようだ。
そうでなければいくら幼馴染だかなんだかしらないが、ああも世話をやけるわけはない。全くあんなひきこもりの何処がいいのだろう。
まぁ、私にはどうにも関係のないはなしだが、それが生活の面で支障をきたすとなっては話が別だ。
実際に彼女がいなくなると、我々は一種の飢餓状態に陥ることになった。私自身、管理人のくせに彼女に頼りきりだったのだ。
すこし甘えていたと思う。これは完全に私のミスといわざるをえない。


595三月十七日:03/06/12 03:50 ID:???


それで夕暮れになるのを見計らって私は取り合えず買物にいくことにした。

冷蔵庫の中のものはこの2日であらかた食べ尽くしてしまったし(すごい食欲だ)、どうせ料理をするならいいものを作りたい。
インスタント食品は味はそこそこで栄養もとれるが、味気ない。食事とは単に空腹を満たすだけでなく、精神的な充足も必要なのだ。
荷物が大量になるのを予想して、誰かに手伝ってもらおうとおもってロランを探したのだが、あいにく彼はどこにもいなかった。
散歩にでもでかけているのだろう。

リビングにいたランバラルにも頼んだのが、急に「あいたたた・・腰が痛いのぉ」とあからさまないい訳を始めたので、私は諦めた。
しょうがなく一人でいこうとして、玄関で私がコンバースを履いていると、グエンが丁度降りてきて、どこにいくのか尋ねてきた。
私が下のスーパーまでちょっと買い出しにいく、と応えたら「私もいこう。」といって隣に座ってきた。
断るのも角が立つので、やむなく一緒にでかけることにした。


外は、春らしく涼しくて風も爽やかで、太陽は西に沈みつつあり、其の鮮やかな赤で眼下の町を照らしていた。
私達は坂を下りながらその美しい町並みを眺めた、それはまるで昭和を思い出させるほどレトロな光景で、どこか郷愁を感じさせた。
赤とんぼ、のような世界だった。あたかも時間がここでは昭和でとまっているかのようだった。
都会の喧騒とはかけはなれたここは、生活に疲れた現代人の保養地としては最適ではないだろうか。
我々の住んでいる所は、少し小高い丘の上にぽつんと、まるでヨーロッパの城のように悠然とたっているので眺めもいい。
その反面、交通の便は悪く、下の小さな商店街でしか買物はできないのだが、それもまた味がある。歩くこともまた楽しい。
そうおもうようになったのは、私にとって喜ばしいことなのかはともかくとして、この町にも親しみを覚えて始めていたのは間違いない。



景色を眺めながら歩いていると、思ったより早くス-パーについた。店の前には、沢山の自転車が置かれていた。
隣のパン屋もまだ営業しているようだったが、この前のことがあるのでよらないことにした。
あのキースとかいう少年がいなかったらなんとリアクションをとったらいいのかわからないからだ。
どこからか漂ってくるパンの焼ける香ばしい匂いをかぎながら、私とグエンはスーパーの店内に入った。


596三月十七日:03/06/12 03:59 ID:???

最近進出中のスーパー「リガミリティア」

このスーパーは僅か五年で関東圏に一気に進出してきた新興スーパーだ。
といっても値段は特に安くない。大体他のチェーン店と同じか、もしくはやや高いくらいだ。
それなのに何故こんなに一気に進出してきたのかというと、その秘訣は店員にある。
店員といって、レジのおばちゃんを想像しては行けない。ここの女性は全員可愛いのだ。それはアイドル並みに。
それが色気たっぷりにレシートを渡してくれるものだから、世の男達は忽ちにここのスーパーのファンになったのだ。
まさに男とは哀しい生き物だ。スーパーは食欲と性欲を満たす場所になりつつあった。
しかし大体買物に来るのは主婦だ。この客層をのがしてはスーパーはやっていけない。
彼女達は、可愛い女性だと逆に買いにこない。だからといって男のレジを使うわけには行かない。
この店では、女性を宝塚のような格好をしてレジを打たせることで其れを解消している。
つまり男性には可愛い女性を、女性には倒錯的だが女性の男装のレジで、うりにしているのだ。
決して万人にうけるとは言わないが、コアについてきてくれる客層をつくり、他店との差別化を図っている。
いつまでこれでいけるのかわからないが、オーナーのジンジャハナムは自信満々だった。彼はとある雑誌のインタビューでこういっている、。

「いま消費者が何をもとめているのか?それを正確にみぬくことが大切なんですよ。
今この非常に不安定な社会では、消費者は何を求めているのか?それは現代において、愛である、と私は悟ったんです。
男性も女性も愛に餓えているんです。ただ安い。なんでもある。といったものは最早二次的な要素にすぎないんです。
スーパーに行く時に、心がわくわくした少年時代、何を買ってもらおうかと母親にねだる子供。お菓子をみつめる目つき。
そこには幸福と言ったものが目に見える形で陳列されていたのです。(中略)
そういったあの懐かしき思いで、そう!スーパーと消費者の関係は、つきつめると母親と子の関係になぞらえることができるんです。
そして母から子に与えるものはなにか?それはやはり愛です。
『愛』これが我がスーパーのモットーです。どうぞ皆様、愛に溢れるわが商店にお買い物ください。」


とまあ、オーナーのいうことはこういうことだった。
愛あるスーパーとは、美女を並べることとは到底思えないが、まぁ、わからないでもない。不細工な愛よりはマシだ。
不細工だったら、どんな真実や芸術もやはり心に響かないだろう。マリアやモナリザがそれを照明している。
いったいモナリザが不細工だったらレオナルド・ダ・ビンチはあの絵を書いただろうか?そしてここまで世界的な絵になり得ただろうか?
そういった視点から考えるとまた面白いかもしれない。
だが、まあこのスーパーについての講釈はこのくらいにしておこう。書いても誰もよまないのだから。
とにかく私とグエンは店内にはいったのだ。

597三月十七日:03/06/12 04:04 ID:???


さて、私はさまざまなものを買わなければならなかった。
米、味噌、醤油、砂糖、塩といった基本的なものから、鶏肉、豚肉、牛肉をブロックでまとめてかう必要があった。
肉類はまとめて冷凍しておけば腐ることはないし、寮の冷蔵庫はかなり大きいのではいりきらないということはない。
かいだめしておけば頻繁にここに来る手間も省けると言うものだ。
更には野菜類も買う。栄養は偏るのがもっとも悪い。
白菜や、キャベツ、ニンジン、椎茸、大根など私は目に付いたものを手当たり次第にカゴに詰めていった。
カゴのなかにそれらを載せていきながら、今日はすき焼きにでもしようか、と私は考えた。
みな肉などしばらくくってないから(実にこの前のハンバーグ以来だ)きっと喜ぶだろう。
昨日、第三号も発行したことだし、編集者としては疲れをねぎらう必要がある。これくらい奮発してもいいだろう。


そう思い立って、すき焼き用の材料を別途選んでいく。店内は非常に混雑しているので探すのに苦労した。
この時間帯は特に人が多い。夕食のしたくのために主婦、会社がえりのサラリーマン、果ては子供までいるからだ。
だが、幸い、グエンもテキパキと手伝ってくれたので思ったより時間はかからなかった。


そんなに広くない野菜売り場の通路には、ちらろらと主婦が目に入った。
私とグエンは男二人で買物にきているので回りから少々変に思われているかもしれない。
夫婦できていると思われる目つきの鋭い男がこちらをみて
「こんな時代に男二人で買物など・・寒い時代とは思わんか・・?」と隣にいる女性に話しかけていた。

別にお前に迷惑はかけてないからいいだろうが、といいたいところだが止めておく。
確かに寒いのは事実だからだ。
598三月十七日:03/06/12 04:28 ID:???

私はそこで木綿豆腐をえらぶと、照明がやや明るすぎると思われる店内を歩いた。魚も買っておく必要がある。

店内のスピーカーからは「さかなさかなさかな〜」とまるで催眠術でもかけているかのような音楽が流れていた。
ここが魚コーナーだからだろうが、一体どれだけの人がこんな歌を聴いて、そうだ今日は魚を食べよう!と考えるだろうか?
まったく無意味だと思うのは私だけではないだろう。
魚を食べると頭がよくなる、と歌っているがだとすると、まずはこの歌手がたっぷり食うべきだ。
大体前からこういうスーパーで流れる歌というのはどうしてこうもくだらないのだろう。脈絡がない選曲はやめてほしいものだ。
そもそも、だんご三兄弟を和菓子屋以外が店で流す必要があるだろうか?
なにが哀しくて、こんな訳のわからない歌を強制的に聞かされないといけないのだ。これはいやがらせか?
団子サン兄弟や、さかな天国が嫌いな人・・それは主に成人男性だろうが、そういった人は店にこなくていいということじゃないのか?
これは穿ちすぎかもしれないが、少なくとも私はそう思う。
こう考えるとスーパーの音楽というのはクラシックにでもするべきだ。これなら皆、納得する。
それかずっと民謡でもながせばいいのだ。スーパーとはそういうものであるべきだ。

それにしてもまったくスーパーには色んな人間がいるものだ。
店内を走りまわり『ボマー捕まえた』という最近はやりの鬼ごっこをして遊んでいる某新聞社社員や、
パン売り場にずっと立っていていて、アンパンを誰かが買うたびに「とりあえず氏ねよオメーラ」と文句をいう男。(これは後で社員に何処か連れていかれた)
試食売り場にいて「食 べ な い か?」と言いながらソーセージを勝手に出している男と、「すごく・・美味しいです」と食べている学生のペア。
其れを見て「ウホ・・いい試食売り場・・」と呟いている男もいる。
それと「できるだけ試食です」といいながら側で食べている久○広風の男や、「アンキモ!アンキモ!アンキモ!」と叫んでいる男もいる。
更には「ジェットストリームアタック」と叫びながら試食を食べ尽くすことで恐れられている黒スーツの3連星。彼等は様々な店を試食で潰してきたらしい。
それに「ええい!野菜はいい!肉を焼け!肉を!」と叫んでる中年親父や、試食をねだる子供に忌々しそうに「子供は嫌いだ!ずうずうしいから!」と叫ぶ少女。
「食べさせはせん!食べさせはせん、食べさせはせんぞぉぉ!お前ら試食だけの奴等にこの肉は食わせはせん!」と必死に叫んでいる男の声が空しく響いた。
そして試食コーナーの総括主任は「バカな・・12枚のステーキの試食が・・たった3分だと・・ば、ばけものか・・」と唖然としていた。


更には玩具屋の店長もいた。隣には目つきのきつい女性がいる。彼等はデザートコーナーにずっともめていて、
オンナがカゴに入れようとした『ところてん』をみて、男の方が「フ・・冗談はよせ・・」と言いつつ、それを戻してアンミツを入れた。
「兄上も意外に甘い(ものが好き)なようで・・・」と女が負けずに言い返す。低レベルな争いだった。
野菜売り場では「ニンジンいらねぇっていってんだろが!この紫豚!」と叫ぶ男がいた。紫豚ってなんだ?


というように、まるで、白痴の見本市のようだ。本当にスーパーには色んな人があつまる。
特に小さな町の場合そこは一種の社交場にもなっているのだ。
それにしてもこんなやつらばかり住んでいるこの町は矢張りどうかと私は思った。

599三月十七日:03/06/12 04:39 ID:???



こんな異様な店内の中でみると、グエンは思ったよりまともだと私は感じた。回りのレベルが高すぎる所為かもしれないが。
店内を一緒に歩きながら、彼にその感想を正直にいう。魚を選んで、私達は再び野菜売り場に向かって歩いていた。
ちょっと椎茸を買い忘れたからだ。私は手にカゴを一つ、グエンは押し車で其れについてきていた。


「君は普段はまともなんだな・・正直、意外だよ。
こういってはなんだが、君のことを誤解していたようだ。もっと・・こう異常なやつかと思ってた。」
パックに入った椎茸を選びながら、そう素直にいった。

「心外だな。私はいつもまともさ。ただ、前よりも自分の感情に素直に動くことにしたけれどね。
態度だけじゃ伝わらないし、感情はダイレクトにだしたほうがいい。もうあんな目にはこりごりなんだ。」
私の言葉をきいてグエンは、そう肩をすくめながら応えた。

「前から聞きたかったんだが・・・どうしてそんなにロランにこだわるんだ?女性にもてないということはないんだろ?」


グエンはこういってはなんだが、中々端正な顔立ちをしている。いかにも、良家の育ちと言った感じで気品もある。
黙ってたっていれば其れこそ貴族の御曹司である。
そして、彼の作品からもわかるように卓越した想像力や,ユーモアもあるように思える。知識も豊富だ。
そんな彼を、女性が黙っておくとは思えなかった。

どうしてあれほどまでにロランにこだわるのか私は知りたかった。確かにロランは女性的な顔立ちだが、男である。
今はまだ成長期の所為か、顔立ちもやや幼く、声変わりもまだ途中なのか普通より少し高めであるけれど、純然たる男だ。
いずれ声も野太くなるだろうし、あごなどに髭も生えてくる。
毎日風呂で観察してるからわかるが、体つきだってすらっとはしているが女性的な柔らかい曲線ではない。
やはり骨のでっぱりかたや鎖骨をみてもわかるが、其れは男性のものである。


600三月十七日:03/06/12 04:45 ID:???


グエンはその質問に一瞬だけ遠くをみるように目をした。
何か考えているようだ。私は椎茸を潰れないように、カゴの一番上に置きながら彼が話すのを待った。
隣では、エプロンをつけたままの主婦が忙しそうに、だけど注意深く野菜を選んでいた。
ニンジンが3本百円だったのだが、少しでも大きいのを探すその努力に私は感心した。主婦の鑑だ。
主婦達の邪魔にならないように、私は、黙っているグエンを促して、少し閑散とした果物コーナーの所にいった。
そこには少し高級な果物類がところせましと並んでいた。どことなく柑橘系の甘い匂いがする。
グエンは目の前に陳列していた果物コーナーから、イチゴのパックを手にとった。
そして、其れをじっと見つめたまま話し出した。



「このイチゴ・・今が旬でとても美味しそうだとは思わないか?」
「イチゴか・・?そうだな・・確かに旬だ。とても水みずしくて美味しいだろうな。自然で純粋な甘さだし、果物本来の味が楽しめる。
イチゴは、私が好きな果物の中でもベスト5にはいるよ。」
私はそう答える。

「そうだろ?イチゴは美味しいな。だけど、この美味なイチゴでさえも、賞味期限を過ぎてしまえば食べることはできない。
誰も食べなければ、イチゴは捨てられるだけだ。廃棄されて、ゴミ袋に詰められて、翌朝清掃車に持っていかれることになる。
そして、焼却処分されることになる。イチゴは誰にも食べられることなく、ね。そんなのは嫌だろう?」

「まぁ・・それはそうだな。どんなものも賞味期限・・旬を過ぎてしまえば美味しくないし、腐ってしまえば元も子もない。
かといって食べるわけにもいかない。腹にあたるかもしれないし、それにそんなものを食べる気にもならないだろう。
けれど、ゴミとして燃やされるのはもったいないし、嫌だといえば嫌だがな。」
私は同意する。グエンは其れを満足そうに頷くと、また話を進めた。




601三月十七日:03/06/12 04:55 ID:???


「そこでだ、世界でも数少ないとびっきり最上級のイチゴを買った男がいたと仮定してみてくれ。
彼は、それを大事に冷蔵庫の一番奥にしまって、毎日それを眺めて楽しんでいた。
食べるという選択肢は彼にはなかった。ほんの一ナノグラムも脳裏に存在しなかった。だって、当然だろう?
食べてしまえば、最上級のイチゴというものは現実的に存在しなくなって、観念的なイチゴしかなくなるのだから。
ワインを買っても決して飲まないで、死ぬまでワインセラーに飾っている人がいるだろう?それと同じことだ。
其れはあくまで手をつけないことに意義があったんだよ。
だから男の楽しみは其れをみながら、普通のイチゴを食べることだった。実にいじましい話だとは思わないか?」

「いじましいな・・けれど、私ならそのイチゴは食べるな。だって、残しておいて痛んだらどうしようもないだろう?
さっきもいったように何事にも旬があるのだから。眺めていて、それを過ぎては折角のイチゴが台無しじゃないか?」
そう応えて私はパックのイチゴに目を落とした。イチゴの話しをしている所為か、なんだかとても美味そうに見える。
グエンは首を振る。

「だが、男はそれで幸福だったんだよ。誰がなんといおうと其れで充足された生活を送れてたんだ。
それをたた『見る』だけでね。手をつけるとイチゴはなくなってしまう。それは消えてしまい、思いでの中のものになってしまう。
その恐怖が彼にイチゴに手をつけることを許さなかった。」
グエンは其処で、また遠い目をした。遠い昔を思い出しているような、懐かしさに溢れた目だった。
店内放送のアナウンス嬢が、色っぽい声でタイムバーゲンを告げていた。


「そんなある日、男がいつものように冷蔵庫をあけると、其処にはあるはずのイチゴがなかった。
男は愕然とした。イチゴ用に特別にこしらえたブロックにはなにもなかった。そこは空洞になっていたのだ。空っぽだ。
男は混乱状態に陥った。どうしてない?なんでない?その考えで頭が一杯になった。前日の夜中に、彼がみたときは確かにあったのだ。
目を閉じれば、イチゴのつややかで真っ赤なあの美しい姿が思い出されて、彼の心を揺さぶった。
男が冷蔵庫の前で立ち尽くしていると、ふと冷蔵庫の扉にメモ用紙が張られているのに気がついた。
そこにはこう書いてあった。

あのイチゴ、とても美味しそうだったから頂きました。よしなに。

男はそのメモ用紙を握り締めたまま、その場に蹲って泣いた。ひととおり泣き尽くした後、東京ドーム3個分くらいの圧倒的な喪失感が彼を襲った。
それは男が過ごしたこれまでの生涯でもっともショックな出来事だった。地球に落ちたフィフスルナくらいの衝撃だった。
厳しい北風が勇敢なバイキングをつくった、などと意味不明のことをいって慰めるものもいたが、男にはそんなのは耳に入らなかった。
ただ悔やみ、どうして食べなかったのか、と自分を責めた。男には勇気が足りなかったんだ。
イチゴを食べる勇気というよりは、食べたあとの罪悪感と喪失感に耐える勇気がね」
602三月十七日:03/06/12 05:01 ID:???



グエンは一息でそういってしまう。最後の方はまるで何かにせかされるように畳みこんだ口調だった。
私は何もいわなかった。なんといっていいかわからなかったからだ。
グエンは大きなため息をついて、私が手に持っているイチゴを取り上げた。
そして、そのイチゴを再び元あったところになおしながら、最後にはっきりとこう言った。

「だから、男は思ったのさ。やはり眺めるより食べる方がいいってね。もう人に取り上げられるのは真っ平だと。
どうせ誰かに食べられるものなら、さっさと食べてしまおうと。其れが自分にとって大事なものならなおさらね。・・これが理由だよ。」
そういって手押し車を掴んで、さっさと会計をすましてしまおう、と言った。もうスーパーにきてかなり時間は過ぎていたのだ。


私は、たった今彼が直したイチゴを再び取り上げた。グエンが訝しげに私を見る。
もう話はすんだからなおしたんだが、といいたそうな顔をしている。
そんな彼の様子に私は唇の端をあげて、こういった。

「ロラン君をみながらこのイチゴを食べながら、ちょっとはその鬱屈した気持ちがなおるんじゃないか思ってね。
まぁ、一パック480円のごくごくありふれた値段のありふれたイチゴだが、少なくとも食べることに躊躇はないだろう?」
グエンは其れを聞いて爽やかに笑った。

603三月十七日:03/06/12 05:15 ID:???



そして其の後、牛肉すき焼き用をたっぷりと買い込んでから、レジに行く。
小さなスーパーなのでレジはいつも込んでいる。私の前には既に四人ほど並んでいた。
その中には、この前、踏み切り事故にあったときに泣いていた少年・・アルフレッドと名乗った少年がいた。綺麗な花を持って並んでいる。
なかなかレジは進まなかった。アルの前にいる女性が大量に商品を買いこんでいたからだ。
その間に私は、評判のレジ女性を観察する。
レジの女性は確かに可愛かった。これでは他の店のスーパーにいけなくなるのもわかる。名札をみると、ジュンコと書いていた。
噂ではここの女性はみなショタの気があるらしいが、これは三流週刊誌にかかれていたので本当かどうかはわからない。
待ってる間に、グエンとまた話した。なんだか、さっきの話をきいて少し彼の気持ちがわかった気がしていた。
大事にしていたものを目の前で奪い取られると言うのはとても口惜しいし、残念なことだ。
あまり感情の変化がないと思われている私だってもしもそんなことがおきれば、ひじょうに哀しむ。
もっとも私にとってイチゴのメタファーは女性で、彼にとっては女性でない、というところの違いはあるけれど。


「そういえば賭けの方も残ってる。ロラン君にローラになってもらうのはいつにする予定なんだ。」
私は、イチゴのパックをカゴの上に置きなおしながら尋ねる。ロランは其れに怯えているのだ。

「・・・それはほら、旬がきたら、だね。」
グエンはその質問にはっきりとは応えず、そう曖昧に答えた。
てっきり今夜にでも、などというと思ったので、その返事は少し意外だった。
かれは美味しい物は最後に残すタイプの食生活だな、と私は思った。前述のイチゴのようにならなければいいが。

ようやく一番前にいた女性の買物が終わって、アル少年が会計にいった。私まであと二人だ。だが、私の前にいた女性と男性が何故か列をつめようとしない。
どうも呆然と、まるで気が抜けたようにたっていた。私が、彼女の肩を叩くと、その女性は美しい金髪の髪をわずかに触りながら振り向いた。
顔色が悪い。気分がすぐれないのですか、と私は丁寧に尋ねる。
「いえね・・財布を忘れると・・わけもなく哀しくなりません・・?」と、彼女は消え入るような声で言った。隣でSARS対策だろうか立派なマスクをした男も顔色が悪かった。
私はそれは充分なわけだろうと思いながら、そうですね、とその場をかるく流した。
そしてすぐに彼女達の番になったのだが、当然金を持っているわけはなく、
彼女は隣の男に「クロノクル!(金を取りに帰って)来い!」と叫び、男は男で「姉さん!助けてよ!マリア姉さん!」と念仏の如く叫んでいた。



私達は隣のレジで会計を済ませることにした。すぐに終わった。
604通常の名無しさんの3倍:03/06/12 05:20 ID:???
 
605三月十七日:03/06/12 05:30 ID:???



帰り道、坂の中腹で、赤棟の管理人とであった。
これからどこかにいくのだろうか。彼は何か考えことをしているように俯いていた。すれちがうときに私は彼と少しだけ会話を交わした。
少年の服は、少しどこか汚れていて、ジーパンも膝のところが白くなっていて、破れていた。手に、右手に大きな白い麻袋を持っている。
麻袋は中に大きなスイカでも入っているのかのように、おおきく球状に膨らんでいた。
私が彼と話している間、グエンは何処か複雑な表情をしていたので私はそれが気になった。
少年とわかれて再び、蛇のような長い坂を登る。ガードレールの脇をあるきながら、眼下の景色をもう一度楽しむ。
片方は岩壁で、左手のガードレールの下は崖になっている。
そこから下を覗きこめば、遠くに商店街の光がみえ、更に其れをとりかこむように一般家庭の光が見える。私はその光を楽しんだ。


大層重いスーパーのばかでかい袋を両手に持った態勢のままで登っていくのはちょっと難儀だった。
日は沈んで、既に辺りは暗闇に包まれつつあり、ところどころに設置してある電灯が点っていた。
その光を眺めながらゆっくりと足を進ませる。大体50メートル置きに電灯は置かれていた。
息を切らしながら、蛇のように長い坂をのぼりきったころ、今まで黙っていたグエンが突然私に、「あの少年には気をつけたほうがいい」といった。
その言葉は、ひどく小さな声で感情を押し殺したような声だったが、はっきりと私の耳に入った。
だが、私が問いただしても、それ以上彼は何もいわなかった。さっきまでの陽気が嘘のように彼は寡黙になってしまい、それ以上の追求はできなかった。
みな何かを知っている。そしてそれを隠している。酷く重要な何かを。
私はそう思い、嫌な気分になった。自分だけがなにかから疎外されているような気がした。

ふと、立ち止まり後ろを振り返った。坂を降りているはずの赤棟の管理人の姿が見たくなったからだ。
だけど、其処はもう何も見えないほどに真っ暗になっており、管理人は闇の中にまぎれてしまったのか何処にもみえなかった。
ただ電灯の光だけがまるで何か意志をもっているかのように暗闇に仄かにともっていた。
登ってきた坂は、上から見るとまるで底が見えずにどこまでも際限なく下降しているように思えた。私は夜空を見上げる。
闇夜と星の、黒と白のコントラストはとても美しく、あたかもプラネタリウムのようだった。ちょっと手を伸ばせば掴めそうなほどに近くにみえる。
だけど、私は手を伸ばさなかった。両手が荷物でふさがっていたこともあるが、童話じゃあるまいし星が掴めるわけはない。
ただふと、私がやっていることはこの数多の星の一つの光ほどの意味ももっていないのかもしれないな、と思った。
遠くで、グエンが立ち止まってこちらを呼んでいる声がしたので、私は再び歩き出した。足もとのつま先を見ながらあるく。
出掛けにきっちり締めた筈のスニーカーの紐は僅かにほつれていた。

(三月十七日終了)




606追記:03/06/12 05:35 ID:???

 

 さて、 ものすごくアバウトな見取り図をしたに載せておく。ものすごく省略しているのはカンベンして欲しい。
 Aアパート(白棟)とBアパート(赤棟)の立地関係は大体こういった感じだとわかればいいんだから。
 アパート内の間取りも書きたかったんだが、それはまた別の機会にしよう。それにしても適当な図だ・・
   

---------------------------------------------       
  |                                  |           
  |     .r‐----------i、 .,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_        .|           
  |     .|         | l゙             |        |           
  |     .|         | | 白の広場       |      |           
  |     .|  白棟  .,  | |              |      |           
  |     .|    “    .| ヽ----------------″     |           
  |     .|         |                            
  |     .|--------xx-                         
  |            |.|                             
  |     r‐――ー-┴―i、                入り口          
  |     |         |                          
  |     |         | ,----------------i、                 
  |     |   赤棟  .| .|             |      |           
  |     |         | .| 赤の広場 |      |           
  |     |         | .l゙゜       |      |           
  |     ーーーーーー″ -----------------       |           
  |                                  |           
  |                                  |           
  |                                  |           
  {,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,         
                                              
                                        
607通常の名無しさんの3倍:03/06/12 06:48 ID:???
山岡さん笑いました。
あいかわらずいい仕事です
608通常の名無しさんの3倍:03/06/12 13:36 ID:???
「よしなに」
激しくワラタ!
個人的にはこのシリーズで最大のヒット!

そうかぁ、そうだったのか、、
負けるなよグエン
609通常の名無しさんの3倍:03/06/12 14:36 ID:???
┌───────────────────────┐
│                                  |
│    ┌─────┐┌──────────┐.. .│
│    │          ││              ..│. ..│
│    │          ││ 白の広場        .│ ...│
│    │   白棟   ││              ..│. ..│
│    │          │└──────────┘.. .│
│    │          │
│    └───┬┬┘
│       ... . .|..│ 
│    ┌───┴┴┐                入り口
│    │          │
│    │          │┌──────────┐. ..│
│    │   赤棟   ││              ..│.. .│
│    │          ││ 赤の広場        .│. ..│
│    │          ││              ..│... │
│    └─────┘└──────────┘. ..│
│                                  |
└───────────────────────┘
610ほげら〜:03/06/12 22:07 ID:wZQksHrA
これでグエンの人気がまた上がるとおもわれ
611通常の名無しさんの3倍:03/06/13 16:13 ID:???
いいですね〜、いつも食に関する書き方が大変気に入っています。
それにしても赤棟の管理人がすごい気になる・・・
612通常の名無しさんの3倍:03/06/13 23:07 ID:???
コメディっていいな保守
613通常の名無しさんの3倍:03/06/14 14:55 ID:gLcDKnSC
グエン様週末age
614通常の名無しさんの3倍:03/06/15 12:13 ID:???
容量が484KBだが、次スレはどちらに立てるべきか。
旧シャアは旧作専門だし、
新シャアは新作中心だし。

大事を取るなら新シャアだろうか。
615通常の名無しさんの3倍:03/06/15 12:59 ID:???
>>614
こっちのがマターリできて安全だぞ
あっちはもうすこし種スレが落ち着いたころにしよう
616通常の名無しさんの3倍:03/06/15 15:56 ID:???
>>615
向こうがおちつくことはあるのだろうか?
617通常の名無しさんの3倍:03/06/15 16:36 ID:???
題名は第三回天下一武道会?
そういえばここのスレタイ、とっくの昔に終わってるのにまだ第二回天下武道会だもんな・・
第一回の時はまさかここまで続くスレだとは思わなかったw
618通常の名無しさんの3倍:03/06/15 17:09 ID:???
題名は検索しやすいように「天下一武道大会」が入っていれば何でもいいでしょう。
第三回でも第四回でも外伝でも少年漫画編でも。
こっちに立てた場合、イザークの件で荒れないかが心配。
619通常の名無しさんの3倍:03/06/15 22:07 ID:???
荒れんでしょ。アンチ票は増えるだろうけど。
620通常の名無しさんの3倍:03/06/15 23:39 ID:???
あっちに立てた場合、土曜日に落ちないかが心配。ぶっちゃけ、ちょっと荒れても落ちない方がいいかと・・
621通常の名無しさんの3倍:03/06/16 08:56 ID:???
こっちに一票。つーか作者に任せる。つーか次スレは作者が立てて。
622通常の名無しさんの3倍:03/06/16 11:55 ID:???
確か1さん、スレ立てられなかったんじゃなかったっけ?
新作板はすぐ落ちるだろうから、マターリ出来るこっちがイイ!
623:03/06/16 18:29 ID:???
>>609
有り難う御座います。自分にはこういったテクが宿命的に欠けてるので助かります。
これが私が載せたかったやつそのものです。つかわせていただきますw



皆様、お久しぶりです。いつもレス励みにしてます。読んでくださってありがとうございます。
コツコツ話しを書いていたらいつのまにか書きこめなくなる手前だったのですねー。知りませんでした。
てっきり1000までかけるものだと思ってました。あぶない・・

三月十八日からは新スレに書いたほうがよさそうですね。
名前はシンプルに 『第三回天下一武道会』 でいこうと思います。
えーと、それでですね、板移動はせずにこのまま旧シャア板で行かせていただこうと思います。
ちょっと新シャアのほうは全く行ってない状態ですので・・それに向こうだとマターリできなそうですし・・


今回の話しは今までの中で一番長くなりそうです。まだ作家九人も残ってますので・・。
ちょっと日々の話しの方を短くすればいいのですが、ついつい長くなってしまって・・いけませんね。
今のところギャグ中心ですが、すこしずつ本筋にはいっていければいいな、と思ってます。まぁ、まだ大分先でしょうけど。
おそらく今回で天下一シリーズ最後になるでしょうから、マターリ書いていこうと思います。
それでは今から次スレ立ててきます。けど、できるかな・・いつも何故かたてられない・・
624:03/06/16 18:50 ID:???
やっぱり立てれませんでした。プララなのがいけないのかな・・

625人物紹介2:03/06/17 03:25 ID:yAFFCYyl



   ;;;;;;;;;;;,,,,,,,,,     ,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;,,         {
   ,=====-、    -―=====-、      /ヽ       T会長ことトミノ
   ,'´  /  / ヽ  /.i  ::..       ゝ‐--//´`ヾ.、       突拍子もない行動は理解不能。
   [|  /  /  }二. {{   ..-==・==-  |.r'―l l ⌒ | }      だが、何か考えがあるのは確かだ。
   l  /  /  ノ ̄ヽ   ::..      |l   ! !⌒ //        一応、雑誌の編集長でもある。
.   i.!       リ:..   ヽ、._ :::....  _,ノ'   ゞ) ノ/
    `  ̄ ̄~ ~.i::::..  ´ヾ   ̄ ̄ ̄●    i/‐'/        「バカジャネーノ?」は彼の口癖
       i:::::. ヽ:::::::::,、_ノ            l、__/         
       !:::::  `~´    ヽ::::::         |  |
       ヽ::::: ,‐==-===-、 ヽ::::::      ! |

 
626:03/06/17 03:33 ID:???
↑はミスっちゃいました。気にしないで下さい・・
新スレなんとか建てれました。幸運です。



第三回天下一武道会
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1055782914/


以後は、向こうにマターリ書く事にします。それでは・・

627通常の名無しさんの3倍:03/06/17 23:27 ID:???
こっちは感想などでポツポツと埋めていくとか。
容量食うアンケートは当面こっちで受けつけるとか。
(アンケートは出尽くした気がするけど)
628通常の名無しさんの3倍:03/06/19 00:26 ID:???
とりあえず保守しておくべきだな
629通常の名無しさんの3倍:03/06/22 00:45 ID:???
保守
630通常の名無しさんの3倍:03/06/25 18:40 ID:???
631通常の名無しさんの3倍:03/06/28 22:41 ID:???
保守、
632通常の名無しさんの3倍:03/06/29 03:47 ID:???
>>63
伏線探しに前スレから読み返そうとしてロランにハァハァした人の数(1)
633通常の名無しさんの3倍:03/06/29 03:49 ID:???
あ、誤爆スンマソン!
634おまけー未公開ボツ作品:03/07/02 19:40 ID:???

      管理人の部屋の押し入れの下の段には、大きなダンボールが置かれている。そこにはボツになった作品が多量に入っている。
      面白くない、とか版権の都合で発表できないものや、また少年雑誌にふさわしくないものを保管しているのだ。万が一の時のためだ。
      その中にはロラン2分の1、みたいな作品が誰にも触れられることなく多数眠っている。
      その内の一つを今日はお見せしよう。


        『ジオングクエスト2〜悪霊の神々〜』  ランバラル


内容      どうしてこんなことになっているんだろう。


         トンヌラには訳がわからなかった。

 
        「だから、迷惑だっていっているんだよ!」
        ローレシア王子もょもとの苛立った声が、ここ、不気味な気配の漂うハーゴン城の一階で響いていた。
        敵の本拠地だから当然といえば当然なのだが、呼吸する度に妖気がただよっていて厭な気分になる。人がいるところではない。
        「まぁまぁ、落ちついて。ほら干し肉でもどうだ?坊主?」
        「俺は坊主じゃない!貴様失礼だぞ!」
        「ハッハッハ。すまんな。つい知っている奴らに似ていたものでな。」
        「知ってるやつ?だれだよ!それ!」

        トンヌラは彼らのやりとりを眺めながら、困惑を隠せなかった。
        どうしてこうなっているんだろう。ブーツの先に付いている土を床を蹴って落としながら、彼はもう一度呟いた。
        旅は順調のはずだった。うんざりするほど困難で、長く、鬼畜と思われるロンダルキアの洞窟を抜けたのは、ついさっきのことだ。
        キラーアーマーや、ドラゴンといった最強の敵を振り払いながら、なんとか出口をみつけて、ほうほうのていで抜け出した。
        一面に広がる銀世界 それに感動できたのもつかの間だった。敵はここにもウンザリするぐらいいたから。
       、ぬかるむ雪を駈けぬけながら、迫ってくる敵を魔法で追い払った。敵は、しつこく、集団で、圧倒的に強かった。
        べギラマを唱え、力の盾を使い、ザラキの恐怖に怯えながら、自分たちは先に進んだ。ハーゴンの城は目の前だった。
        だが、山があるので、大きく迂回していかねばならなかった。
        一人では死んでいただろう。この三人、もょもとと自分、それに王女のサマンサがいなければきっと無理だった。過酷な旅だった。
        ようやくたどり着いたハーゴン城。不気味な建物、一見場違いな場所にある城。
        その城の辺りには、濃い乳白色の霧が漂い、視界はほぼなく、多量に積もった雪で、足首まで埋まるほどだった。
        中に入って、まやかしを払い、さて、戦いが始まるというところで、謎の乱入者たちが現れたのだ。
635おまけー未公開ボツ作品:03/07/02 19:45 ID:???
        
        
        「わし等も戦いに参加するよ。」 
        ルビスのまもりを大事に麻袋にしまっていると、大理石でできた柱の向こうからそう声がかかった。
        三人組の中のリーダーと思われる男が、でてきてそういったのだ。

        「わしらも加えてくれ。」
 
        もょもと達は、困惑した。彼らは、ロトの子孫たる自分たち以外が、ここに来ることは不可能だと思っていた。
        一般の人間では、ここにくる前に死んでいる筈だ。
        考えられる理由は二つ在る。一つは、彼らが自分たちと同じ位強いということだ。だが、これはどうも考えられない。
        だとすると、もうひとつ。これは罠だ。まやかしだ。
        つまり、彼等は、人間ではないのではなくて、魔族が化けているんじゃないのか?

        魔族も手の込んだことをする・・
        トンヌラは、ハヤブサの剣の柄を強く握り締めてやや下がった。隙を見せたら切ろうと思った。


        「おっと。そこのボウヤ。余計なことしないように。」
        男の後ろにいた一人がトンヌラの行動に気が付いて、注意した。そして、リーダー格の男の後ろにそっとたって耳打ちした。
        「大尉、こいつら完璧に誤解してますぜ。切り殺されちゃたまらねえ・・どうします?」
        「そうだな・・」
        
        大尉と呼ばれた男、これは無論ランバラルである。
        話すと長くなるので細かいところは割愛するが、簡単にいうと彼等はここにワープしていた。
        宿屋の親父にお楽しみ、といわれて赤くなった瞬間に、突然ロンダルキアの大雪原に立たされていたのだ。
        乗っていた機体は、呆然としているときに現れたギガンテスとの戦いで破壊されていた。グフとギガンテスの能力はほぼ互角だった。
        グフのヒートトマホークが、ギガンテスの顔面に決まったが、向こうの棍棒もこちらの顔面を破壊していた。
        ランバラル、ガイア、オルテガ、マッシュの四人のうち、マッシュはその時にブリザードの所為で死亡した。
        彼等は近くの祠に逃げて、そこにいた神父の話を聞いて大体のことを理解した。
        そして、その後、ここハーゴンの城で、勇者達がくるのを待っていたのだ。
     
        だが、どうやらロトの子孫達は警戒していて、自分たちのことを仲間に加えてくれそうになかった。
        まぁ当然といえば当然だった。いきなり変な中年が現れて、仲間にしてくれといっても信じるやつらなどいない。
        ランバラルは困った。ハーゴンを倒せばひょっとして元の世界に、帰れるかもしれない、と思っているからだ。
        ここは、彼らの警戒心をといて、一緒に行動することを考えなくてはならない。
        
636おまけー未公開ボツ作品:03/07/02 19:54 ID:???

        「坊主達・・ロトの子孫だったな。となると、ロトについての文献は当然一通り読んでいるよな。」
        「・・ええ。無論読んでるけど・・それは僕ら王族にとって聖書みたいなもので、子供のころから叩きこまれてるし。」
        「そうか。それなら話は早い。それではその文献の中にロトの父親の名前があっただろう?」
        「あったけど・・・・」
        「なんて名前だ?いってみなさい。」
        「・・オルテガ・・」
        「そう!オルテガ!勇者ロトの父親、海パン馬鹿一代。カンダタと一緒のグラフィック。違うのは色だけ。
         最初プレイしたときは、イルミネーターがなぜゾーマの城にいるんだ?、と子供心に真剣に思ったほどだ。
         誰もがそう思ったし、バラモスゾンビに負けるその姿に、かっこいい勇者の親父というイメージは一瞬にして消えた。
         寧ろどっちもゾーマの配下に見えた・・哀しかった。あんな奴の息子なんて・・
         ・・・・話が脱線したな・・そんな少年期の心温まる夏の日の想いでは、ともかくとして、だ。
         あの勇者ロトの父親!これが君達の目の前にいるこいつだ。」
        ランバラルはオルテガの腕を掴んで大げさにそういった。
        突然のことにオルテガは、ひきつった笑いをうかべることしかできなかった。ランバラルに背中をつねられてやっと喋った。

        「オ、オルテガです・・よろしく・・」
 
        (ちょっと・・かなり無理ありません?それにグラフィックってなんのことです?)
        (気にするな。お前が知ることはない。)
             
        「す、すげーー!!」 
        「やだ、あたしこんな格好で恥ずかしい!」
        そんなオルテガの挙動不審の態度にも気が付かずに、ロトの子孫達は、大喜びで反応した。本当に信じていた。
        ちょっと考えれば違うってわかるようなものだが、彼等の脳は長年の戦いでちょっとおかしくなっていた。もょもとは特にひどかった。
        名前もヒドイが頭もひどくなっていた。まぁ、とにかく彼等はそれを信じた。ロト、という言葉がつけばなんでも信じるのかもしれない。

         「それじゃ、こっちの人も・・?」もょもとがもう一人、ラルの右後ろにいる人物のほうに視線をやった。

         「あぁ・・そいつは・・・なぁ・・ちょっとまてよ・・そうだ!あれだ・・勇者ロトに剣を与えた人物。ガイアだ。」
         ランバラルはしどろもどろになりながらも、そう紹介した。
         「ガイアです。よろしく。」のりのりで応えるガイア。歯茎を見せて、しっかりと笑う。
         「あぁしってる!海の中にある孤島の祠に幽閉されて死んだ英雄で、ロトが火山に投げ込んだ剣の持ち主でしょ?」
         もょもとが得意そうに、そう発言した。その顔は、実に嬉しそうだ。
         
         「そうだ。君は実に賢いな。」
         ランバラルは、そう彼を誉めると、オホン、と一回おおげさに咳をして、三人を見渡した。
         もょもと、トンヌラ、サマンサは、英雄をみるような目つきで彼を見つめている。
       
         「そしてワシがランバ・デ・ジュニアール三世。
          ザクを切り、グフを切り、ドムを切る。ランバストラッシュのラルだ!聞いたことあるだろう?!」
         

          (おい・・きいたことあるか?)
          (いや、僕もないよ・・・ザクって大体なんなんでしょう・・)
          一気に少年達の顔色が曇った。
637おまけー未公開ボツ作品

          「さ、それじゃ、皆でボスを倒しにいこうじゃないか?」
          彼らの不安を立ちきるようにランバラルがそう宣言した。
          返事も待たずに、階段を上る。その後ろをフルオートマチックマシンガンを持ったガイアがついていく。
          もょもと達も当惑しながらついていった。

          (果たしてこの戦いはどうなるんだろう・・)
          装備していた破壊の剣からハヤブサの剣にもょもとはしっかりと持ち替えながら、気を引き締めた。
          サマンサは、オルテガに住所と電話番号を聞かれていた。
           

          トンヌラは一番後ろを歩きながら、頭が痛くなった。
          ロンダルキアの洞窟より大変そうだ。
         長い長い階段を登って二階にたどり着く。フロア中に、耳をつんざくような巨人の足音が響いていた。
         ドシン、ドシン・・並大抵の体積のモンスターじゃない。ギガンテス・・?ひょっとしたら巨人族の長アトラスかもしれない。
         トンヌラは背中に冷や汗を掻いた。自分のMPは、残り少なくなっているし、サマンサも同じだ。たたかって勝てるのか果たして自信はなかった。
         ランバラルは、懐に手をやって手榴弾のピンに指をかけている。
         足音は次第に、ちかづいてきていた・・




         「いくぞ!俺達の戦いはこれからだ!」 
  
  


          ご愛読ありがとうございました。おわり。


          ※編集者の指示により此れいじょう続きはかかないでいいということになった。つまりボツだ。
           これから面白くなるところだったのに・・パズズの攻撃によりオルテガの戦死、ピンチにマッシュの登場。
           ピグザムが最後に現れて、それにのってのランバラルの特攻、もょもとの涙・・全部パーになった。ショックだ。(ランバラル)


原稿の最後に書かれている管理人の評

             「もょもとって時点で現在の小学生にはわからない可能性があるので、ボツ」