1 :
kanrinin:
2
3 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/08 22:43 ID:u2WsNPRp
3
4 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/08 22:43 ID:PiX5oIuj
5`c
4
6
7
8
9
10
乙
自分もうっかりしてた。
最近書き込みがないなぁとは思っていたけれど
とりあえずすれ立て乙
さすがにシャア専だな
うっかりしてたらすぐこれだ。。。
>>1 乙です。1さんは気づくかなぁ
14 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/09 06:02 ID:FMH6d458
気付くまではあげてたほうがいいだろ
保守
保守だけで800くらいまで埋まってもいいや
保守
18 :
ろうろん:03/03/10 13:29 ID:???
スレ立て乙です、一応保守しときます。
19 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/10 17:21 ID:7gjteFpT
保守
1さん気づいてage
20 :
1:03/03/10 20:51 ID:???
お久しぶりです。
dat落ちしたのに気がついて、エピローグ書いたのはどうしよう・・お蔵入りかな・・と思ってたんですが、
よくみたら、kanrininさんがまた立ててくださったみたいで、ビックリしました。
本当、恐縮の限りです。自分の書きこみが遅いのがいけないので反省しています。
申し訳ありません。けれど、そこまでして頂けるのは本当に嬉しいです。
保守してくださった方やageてくださった人も有難うございます。
エピローグの方は前編・中編・後編の三つに分けることにしました。
そうしないとどうも収まりが悪いので。
あと、一つ言っておきたいのですが、これは本編の後日談的な話です。
だけれど、そこに明確な答えは敢えて書いていません。エピローグだけど朴歌的な結末じゃないかもしれません。
私自身は、こういったのもありかな、と思っていますけれど。読まれる方には、この話の意味がわからない可能性もあります・・
ですから、あまりそういったのが好きじゃない方は読まない方がいいかもしれません。
長々と、前置きが長くてスイマセン。
それでは、中編です。
21 :
1:03/03/10 20:53 ID:???
私は手紙を読む。
エピローグ中編 「 in the letter 」
前略。
手紙ありがとうございました。先週、突然送られてきたのでビックリしました。
ここに郵便物が届くことはほとんどないんです。なにせ違法居住民ですから。
それに送ってくる人もいません。ここに住んでいるのはそういった人ばかりなんです。
手紙が届くような外界の人との接触はほとんどありません。
けれど閉鎖的というのとはちょっと違います。なんというか・・ここはそういう場所なんです。
だから、僕自身、人に手紙を出すなんてしたことがないんです。
だから、少し読みづらい点があっても気にしないでください。
22 :
1:03/03/10 20:55 ID:???
どうして僕が生きているかわかったんですか?
・・いえ、貴方なら少し人を使って調べればそんなことすぐわかりますよね。
つまらないこと聞いてすいません。
・・僕はあの艦から脱出した後、そのまま月に行って、そこから地球へと戻りました。
月に行くさなか、コクピットからでも地球がオーロラに包まれる様はわかりました。
きっと貴方が書いていたアムロさんの見せた思惟の波とはこれのことでしょう?
神秘的な光景に僕も息を呑みました。
まるでそれは、あの時の僕の目には地球から光が溢れ出しているように見えたんです。
それはまるで水を掬った後、手のひらから僅かに零れ落ちる滴のように、不思議だけれど自然な光景に見えました。
胸にストンと落ちる感覚です。
あぁ、そうだ。こういうことが起こっても不思議じゃないな、とすんなり思ってしまったんです。
僕達は、こういったことをおこせるんだ。そう思ったんです。おかしいですか?
それは純粋に可能性を示唆する現象だったと僕は思います。
だけど、同時にこれは、何かの代償を必要とする光景だとも思ったんです。
パンと子供を交換していた昔の貧しい人のように、この現象にたいし、人類は何かしら代価を支払うものだと。
そうじゃなければ、この現象はどこか地に付いていないものになってしまう、と。
神様に与えられた奇跡のように解釈してはいけないんです。
あくまで人がおこすことができた事象の一つとして考えないと、いけない。
僕は、そんなことを思いながら、オーロラが消えるまで眺めていました。
23 :
1:03/03/10 21:00 ID:???
・・アムロさんが死んだ結果、起きた現象だったんですね。
そうじゃないかと思ったんです。推測が当たっちゃいました。けれど、厭です。
こんなことだけが当たるなんて。
あの人が最後に見せたあの笑顔は、僕の脳裏に鮮明に残っています。
あのときのあの人は、まるで何かの扉が開くのを待っている囚人のようにみえました。
扉が開くのは、死刑の合図かもしれません。それとも釈放の知らせかもしれません。
あの人は、静かに待っていました。それが開くのを待っていました。
そうじゃなきゃあの人の足に巻き付いている鉄の鎖は外れないんです。
その鎖を外した結果が死だったのか、あの少女だったのかはわかりませんけれど。
だけど、開かざるを得ない種類の扉なんだと僕は思います。
そしてその結果、死んだんだと。
僕はそう解釈しています。
24 :
1:03/03/10 21:03 ID:???
・・シャアさんは大忙しですね。ほぼ毎日ニュースやネットで動向が載っています。
昨日は、テキサス・シティにいっていたみたいですね。
演説のおおまかな概要が、ラジオで流れていました。もっともあんまり聞いていないんですけど。
聞いちゃうと、今の僕は混乱してしまいそうなので。色んな感情を貴方に持ってしまう。
だからいまは、貴方の考えを聞くことはできません。
僕の方は帰ってきてからというもの、ハロっていう機械を組み立てなおしています。
元々、父が作ってくれたものだったのですが、最近調子が悪かったので、解体したんです。
部品を入れ替えたり、新しいチップをはめ込んだり、少しだけ改良してみたり、と毎日没頭しています。
もっとも単なる暇つぶしです。
冬の間は畑仕事はできないし、冬は家畜の世話にはそんなに時間もかかりませんから。
そして組み立てなおしている時、よくあの艦内での生活が克明に思い出されます。
あれも何かを組み立てているような、それでいて何かを壊しているような航海だったな、と思います。
僕の中で何かが壊れて、そしてその組織を一片も残さず使いながら再構築されたような。
そんな一ヶ月でした。特にギレンが動き出してからは。
シャアさんは知らないと思いますが、貴方がいなくなってからのあの艦内は、とても凄かったですよ?
けれど、それも書くと長くなるので、書きません。
それに僕自身、冷静にそれを振り返るにはまだ時間がいると思うので。
25 :
1:03/03/10 21:07 ID:???
雨が 次第に激しくなってきました。
今、僕はラジオをつけて、部屋の中でこの手紙を書いています。カーテンは引いてません。
水滴が絶え間無く落ちているらしく、地面にぶつかっている(と表現できるほど)ようなもの凄い音がしています。
僕は、窓に顔を近づけます。けれど外は真っ暗で、何も見えません。
雨の激しい音と、微かなラジオの音の中で、僕は机に向かっています。
ラジオは世界の何処かで起きているニュースを淡々と読み上げているみたいです。
けれど、それは僕には遠い次元で起きている幻のように思えるんです。
例えば、今、ニュースではアフリカ地方に大型旅客機が墜落したと告げています。
アナウンサーの声は、とても悲しそうに、追悼の言葉を述べています。
だけど、僕にはその光景が想像できません。実像を伴って、頭の中には映し出されないんです。
今日は久しぶりに街に出たんです。
ハロの部品と生活雑貨のためにです。けれど、どっと疲れてしまいました。
ウーイッグって街は、あんまり好きじゃないんです。人がどこか陰鬱な印象をうけます。
少しうんざりした気持ちで買い物を終えた後、僕はすぐに帰らないで、少し寄り道をしました。
お墓です。
そこで、僕は・・
いえ、やっぱり止めておきます。
そんなことは別にどうでもいい事ですよね。すいません。支離滅裂な書き方で。
これ、読み返してみたら、きっと酷い文でしょうね。だけど、下書きとかはしません。
26 :
1:03/03/10 21:14 ID:???
本題に入ります。
まず何かあの艦内で重要だと思うものを持っていたら、渡して欲しいとのことですが、一つあります。
フロッピーです。
アムロさんがくれた食べ物の袋の中に入っていたんです。
中を見てみました、どうやらサイコミュの克明なデータです。
僕はメカニックじゃないので詳しいことはわかりませんけれど。
何かの役に立つとは思えませんが同封しておきます。
もう一つの方・・きっとこれがこの手紙を僕にくださった理由なんでしょうけど、僕は断らざるを得ません。
何故かというと・・シャアさん。
告白すると、僕は混乱していたんです。
焦りにもにた感情が、僕をずっと惑わしていたんです。
自分の進むべきベクトルがわからなかったんです。
27 :
1:03/03/10 21:17 ID:???
アムロさんは一体僕にどうしろといいたかったのかわかんなかったんです。
僕は、帰ってきてからずっと自分に反問していました。あの人の言葉を思い出してみました。
あの人は僕に、自分のようにはなるな、といいました。
その言葉は誓約のように、僕の心に刻み込まれています。心臓に刻み込まれています。
けれどそれはあまりに抽象的に過ぎるので、僕にはどうしていいかわからなかったんです。
アムロさんのようになるな、とは一体どういったことなのか、僕にはさっぱりわからなかった。
だけどその言葉だけが、僕の中を始終リフレインするんです。
狭いトンネルの中で音が反響するように、僕の脳内で、絶えずその言葉が響き渡るんです。
幸い、ここに帰ってきてから遠慮してるのか同居してる少女もも僕に詳しい説明を求めることはありませんでしたから、
深く考えることを放棄していました。
また、それを深く考えるには僕はあまりに疲れていました。
頭は艦を降りてからも断続的に痛んでいました。
28 :
1:03/03/10 21:21 ID:???
結局、僕は中途半端なまま、機械をいじったりして時間を浪費していました。安逸な日々です。
何もしないのは手持ち無沙汰だし、何かをしようとするとあの言葉が頭から離れないんです。
その間、何度も艦内の生活を夢に見て、夜中にとびおきました。
そのたびに自分が酷く汗をかいているのに気がつくんです。
厭な汗です。
内部から滲み出るような、とてもべっとりとした汗です。
拭っても拭ってもまたいつのまにか出てくるような。そんな種類のものです。
僕はそんな自分に嫌気がさしていました。
なにかしようと僕の歯車が動き出すと、それはすぐに歪な不協和音を立てて止まるんです。
アムロさんが、僕に期待していたのはこんな僕ではないと思うからです。それが僕の歯車を止めるんです。
夜中に、厭な汗をかいて起きるような自分に一体何をすることができるのか、そう思うとうんざりしてきました。
僕はそんな無力感と焦燥感に駆られるたびに、二つの写真を眺めていました。
出発直前に皆で撮った写真と、僕が艦を離脱するときに撮った写真です。
(その写真のスキャンをフロッピーに入れておきます。)
ロランの笑顔、、憂いを帯びたフォウさん、それにトビアや、カツさん。
そういった今はいない人たちの顔を見ていると胸が張り裂けそうな程切なくなるんです。
不思議ですね。
あの時は、自分が生きていることを実感として感じなかったのですが、死んでしまった人たちの顔を見ると、
自分が生きていることを深く考えさせられてしまいます。この写真に映っているほとんどの人が今は屍体なんです。
けれど、彼らの生命の一部が、確かに僕の中に入っていると自覚できるんです。
それが余計僕を苦しめました。あの航海を無駄なものとするわけにはいかないんです。
頭が痛むたびに、僕はそれを自覚しました。
29 :
1:03/03/10 21:28 ID:???
けれど、今日。(といってもこれを書いている時点では既に昨日ですが)
僕は、ようやく自分がするべき事に気がついたんです。
それはこういうことです。
僕はいつものように、夜中に目を覚ましました。この寒い季節でも背中にはやはり汗をかいていました。
着替える気にもなれず、かといってそのまま、寝ることもできなくて、僕は真っ暗な天井を眺めていました。
とても深い暗闇でした。完全な闇です。
その深遠は僕に宇宙を思い出させました。
あるいは宇宙よりもっと深い闇だったかもしれません。
宇宙と違い、そこには星がないのですから。そこに光はありません。
代わりに空気や、様々な感情が宙にぼんやりと漂っているのが見えます。
その空気の入り混じった闇をみてるいると永久に夜がつづくんじゃないかといった恐怖に襲われます。
滑稽に思えるでしょうが、僕はそのとき本気でそう思ったんです。
そして、それもふと悪くないな、と思ってしまっていたんです。
常に闇ならば、そこに恐怖はなくなり、諦念だけになりますから。
そのままどれくらい時間がたったんでしょうか。
それはわかりません。僕はずっとやわらかな枕に頭を沈めて、天井をみつめていました。
けれど、実際は僕は天井じゃなく、その向こうに在る空や、宇宙を見つめていたんです。
もしかしたら僕の意識はどこかにいっていたのかもしれません。
何故ならその時の記憶が僕にはないからです。
30 :
1:03/03/10 21:36 ID:???
微かな鳥の鳴き声で僕の意識は、うっすらと現実的に覚醒しました。
いつのまにか部屋に微かな光が入り込んできてました。
もうそこには先ほどみた宇宙にも似た闇は存在していませんでした。
朝が近づいているようでした。光の登場です。
また今日も、無意味に時間をつぶさなければいけないと思うと僕はまた憂鬱になってきていました。
ベッドの上で僕は何度も寝返りを打ちました。
そのとき、微かに廊下が軋む音がしました。どうやら僕の隣の部屋の少女がおきたらしいんです。
僕は慌てて寝たふりをしました。不眠症らしいものに自分がかかっているなんて知られたくないからです。
廊下の軋む音は一旦通り過ぎましたが、またすぐに戻ってきました。そして僕の部屋の前で止まったんです。
僕はベッドの中で、じっと耳を澄ましていました。そして僕は狼狽したんです。
何故なら少女が、僕の部屋のドアを開けて、入ってきたからです。
僕は混乱しました。いつもならこんなことをこの少女はしません。だから僕も鍵をかけていませんでした。
今日に限って中に入ってきたんです。なんのために?
そのことに僕は疑問に思いつつも、内心、かなり焦りました。
なぜなら僕の机の上には書きかけのこの手紙がおいていたからです。引出しにはシャアさんの手紙も入っています。
31 :
1:03/03/10 21:41 ID:???
僕としては、手紙を読まれるわけにはいきませんでした。
彼女にそういった事は秘密にしておきたかったんです。それは絶対です。
かといってここで突然起きて彼女を止めるのは無理があります。
だから、僕はただ彼女がすぐに戻ってくれることをベッドの中で祈りました。
けれど僕の心配とは余所に、彼女が僕の机を調べるということはありませんでした。彼女はそこに近寄りませんでした。
もっとも寝たふりをしている僕がそれを確認できるわけがありませんので、推測ですが。
彼女は僕のほうを見つめて、一度だけ、深く息を吐いたんです。
その肺から、出した暖かな吐息を僕は、ベッドの上でも感じられたんです。
その瞬間、僕に閃光が走りました。
細い稲妻が、僕の全身を駆け巡ったんです。
僕は、悟ったんです。
僕は彼女を守ることだけを考えればいいんだという事実に。
彼女のことだけを考え、今の生活を持続させることを考えるべきだということに。
32 :
1:03/03/10 21:43 ID:???
それ以外の事象は単なる枝葉に過ぎないと気づいたんです。彼女を守ることが本質なんです。
極端な話、幹以外がネクローシス(壊死)しようが関係ないんです。
難しく考えることはなかったんです。
それが全ての苗床だったんです。僕はアムロさんが言った言葉の意味を難しく考えすぎてたんです。
少女を守れ、というのはそのとおりの意味として受け取るべきだったんです。
そのために政治的運動に参加するわけでも、政府をよりよくするために動くとかではなく、
純粋に日々の日常を大事にして、息吹を感じるのが僕に課せられたアムロさんの思いだったんです。
それは命を育む行為なのですから。
そして、それは本当はアムロさん自身がやりたかったことだと思うんです。
けれど、あの人はそれができなかった。だから、僕がそれをしなくちゃいけないとも思います。
だから・・貴方の誘いはお断りします。
僕はこの場所を離れるわけにはいきませんから。
33 :
1:03/03/10 21:48 ID:???
かといって僕は貴方のやろうとしている事を否定しているわけではありません。
どちらが正しいとかの問題じゃないんです。
ただ、僕は貴方とは別のやり方で、アムロさんの思いを繋ぐだけです。
そして、シャアさん。そう言ったこととは別に、僕はあなたを恨みます。
貴方は艦の秘密を知っていて、それを利用しようとした人なのですから。
そのために艦内でどれだけの人が死んだと思っているんですか?
貴方には、罪があります。
それを覚えておいてください。
それが僕が貴方に言いたいことです。
さようなら。
PS.
もう、手紙を送らないでください。
シャクティがいる時に、届くと困るので。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
34 :
1:03/03/10 21:50 ID:???
「これを本当に・・私に?」
私は手紙を読み終わると顔を挙げる。そして、目の前の女性を見る。
天井の必要以上に明るいライトが元々色素の薄い彼女をもっと白く見せている。
美しい金色の髪。大きな瞳、長い睫がそれに影を作る。
数年振りにみる彼女は以前と変わらず若く見える。
まるで一年戦争の時の彼女が蘇ってきているような感覚に陥る。
けれど、よく見ると、微かに口元の辺りに過ぎ去った歳月を読み取ることができる。
それが私をどこか安心させた。
35 :
1:03/03/10 21:52 ID:???
「ええ。そうです。
貴女に渡してくれと。」
彼女の唇が開き、乾いた部屋に、透き渡った高めの声が響く。
その声は、この殺伐とした部屋に即座に吸い込まれていく・・といってもここは面会室なわけだから当然なのだが。
明らかに太りすぎと思われる看守が部屋の隅に立ったまま、こちらを胡散臭そうに見ている。
そのねっとりとした視線を背中に感じながら、私は言葉を発した。
「彼が・・?
どうして私にこの手紙を届けさせたのかしら・・」
わざわざ面会に来てまで、この手紙を渡す意図がわからなかった。
これは自分宛の手紙ではない。
「その手紙・・不自然だと思いません?」
「不自然・・どこかしら?
私の目には彼の決意が読み取れる文だと思うけれど。」
私はそこで軽く小首を傾げる。
もう一度、手元の手紙に視線を落とす。
丁寧な読み易い綺麗な文体で書かれている。
所々、不自然に乱れているところはあるけれど。
取り立てて文脈がおかしいと判断できるところはない。
36 :
1:03/03/10 21:54 ID:???
「日付を見てください。
この手紙が投函されたのは、貴方が捕まった翌日です。」
そういって彼女は、机の上にある手紙の入れてあった封筒を指差す。
私はそれを拾い上げて、消印の日付をチェックしてみる。
確かに、それは自分が逮捕された翌日だった。もう今から一ヶ月前だけれど。
「・・確かにそうね。
けれど、それがどうしたというの?」
私は言葉の先を促す。
「途中でラジオを聞いていると書いている部分がありましたよね。
貴方が捕まったことは、トップニュースでラジオで延々と流れたはずです。
それを聞いていないわけがないと思いません?
なのに・・貴方が捕まったことについて一言も書かれていない・・」
「確かにそれはそうだけど・・。」
私はもう一度その部分をみる。
文字が不自然に乱れているのはこの辺りだ。
「兄が言うには、彼は敢えてその部分を書かなかったらしいんだそうです。
意図的な欠落がそこにはある、と。」
「それで?」
37 :
1:03/03/10 21:58 ID:???
「それだけです。欠落の意味は私にも・・わかりません。
手紙を見せてそれを伝えれば、いいと兄さんにいわれたんです。
それでわかるはずだ、と。
また、補足ですけれど、このラジオの中で書いている大型旅客機の事故は存在しません。
まったくの嘘です。」
「そう・・そういうこと。」
成る程、と私は思う。
そこで私は肺の中に溜まっていた息をゆっくりと吐き出す。
前髪にかかっている伸びた髪を後ろにまわす。
そして、目の前の女性に礼を述べる。
「わざわざありがとう。」
「それと、これを。フロッピーの中に入っていたのを現像したものです」
バックから出した一枚の写真を彼女に手渡す。
「写真・・?
有難う。使わせてもらうわ。」
これは最初のページに貼り付けておこう、と、私は思った。
しかし、この手紙も写真もひとまずは看守に預けなければいけない。
写真のなかにいるアムロは、案の定、少年ではなかった。
38 :
1:03/03/10 22:24 ID:???
「ねぇ、セイラ。
貴女はどう思ってるの。」
「何をです?」
「私たちの艦内での事。あの人から聞いて、ほとんど知っているんでしょ?」
彼女はほんの少しだけうなずく。
まるでそれで十分だといわんばかりに。
「はい。凡そは。」
「どう思った?
あ、勿論、これは単なる好奇心からの質問だから、答えたくなければ答えなくていいわ。」
「犠牲になった人たちには、勿論深い追悼の念を持っています
・・兄さんがやろうとしていることは正しいことだと思います。」
その回答は私が聞きたい質問の意図とは少し違った。微かなもどかしさを感じる。
だが、彼女が敢えてずらしているのだとすれば、それを聞くのは止めておくべきだとも思った。
39 :
1:03/03/10 22:26 ID:???
「時間だ。」
そのとき、看守の野太い無感情な声が、した。
厭な男だ。
中世の断頭台のように、どこか断定的な暴力を感じさせる男だと私は思う。
もっともテロリストとして裁判中の自分を、特例とは言え、面会を許可するのは好ましく思っていないのは当然かもしれない。
「だそうよ。
わざわざ、すまなかったわね。セイラ。
けれど、貴方に久しぶりに会えて嬉しかったわ。変わりがなくて何よりだったわ。
シャア・・いや、キャスバル・ダイクン閣下にもよろしく伝えておいて。
そうだ、今、彼は何処にいるのかしら?地球にいるの?
残念ながら、ここじゃ外の動きはまったくわからないのよ」
粗末なパイプ椅子から立ち上がりながら、私は言った。
キィィィ、と椅子はまるで老婆の最後の悲鳴のような音を立てた。
40 :
1:03/03/10 22:32 ID:???
「一週間前からダカールの方に。あの・・ミライさん・・」
その声には少し躊躇いが含まれていた。
私は、ドアの前で、立ち止まる。看守が舌打ちをする。
「ミライさん・・もしよければ、この手紙の意味をお教え頂けません?
何故この少年・・ウッソ・エヴィンは、貴方の事を手紙に書いていないんです?」
私はその問いには答えなかった。
別に隠す必要もないのだけれど。
41 :
1:03/03/10 22:37 ID:???
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでで、中編は終わりです。
エピローグなのに一章並に長いのは、重々反省してます。
最後の話は簡潔にするつもりです・・
* * *
* .※ ※ ※. *
* ※ ☆ ☆ ☆ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ .☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※☆ ☆※ ※ ☆ ※ *
* ※キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!※ *
* ※ ☆ ※ ※☆ ☆※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※☆ .☆※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ☆ ☆ ☆ ※ *
* .※ ※ ※. *
* * *
1さんお疲れ様です
待ってて良かった
. キタ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
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┃ ┗┛ ┗━┛ ┗━┛┗━┛┗━┛
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ !!!
セイラさんに三度哀悼の意を。
立てて良かったということですね。
もうだめぽ
これが読みたかった
保守だ保守だ
なんとしても保守だ!
正直、前スレが落ちた時には、
「僕には竹ボウキを持って、ぴよぴよエプロン着る資格は無い!」
とか思ったものさ(w
↑何が言いたいのかわからんが
保守
>>1乙
>>kanrinin
なぜお前が勝手に立てるのか、それが分からん。前スレもだ。
>>49 別に良いジャン
気づいた人が立てれば
kanrininが気づいたから立てた。それだけだろ
マターリ逝こうぜ
あ、漏れはkanrininじゃないぞ
sage
無駄に自己主張激しい奴は死ぬほどうざいんだが
1の手前、抑えて来たが流石に限界
53 :
ほげら〜:03/03/12 23:19 ID:???
まぁ、そんなに怒らなくとも、あと一話でKanrininともお別れ(?)だから
いいんじゃねぇ?
1さんがさらに書き続けるなら知らんが…。
それにオレは新しくスレたててくれたことにはkanrininに感謝してるよ。
いきなり落ちててびびったからな。
54 :
1:03/03/13 01:08 ID:???
まったくやってらんねぇぜ。
男は呟いた。熱い。窓を開ける。だが、風は入ってこない。
男は舌打ちした。頭が馬鹿になりそうだった。
エピローグ幕間 「 だって。俺は。 」
地球。
そこのある砂漠地方。そこに砂に伸縮されつつある街があった。
とても暑い日だった。
太陽の暴力的な熱量が、整備されたアスファルトに焼きついている。
熱は、まるでホットプレートのようにジリジリと表面を焦がす。大気中にその熱気が広がっている。
とても、とても暑い午後だった。この地方でも滅多に無いような暑い日だ。
55 :
1:03/03/13 01:10 ID:???
そんな中。
ひときわ大きな会場の前の屋外駐車場に一人の男が車に乗っている。
彼は、ここで主人の出席している会議が終わるのを待たされていた。
乗っている車は、完全に黒塗りで、非常に高価そうに見える。とてもじゃないが、一般人には手の届かないものだ。
しかし、ここでその色は明らかに熱を吸収しまくっていた。ミスだ。中はうだるような熱さが渦巻いていた。
運転席の男は、完全にへばりきっているようだった。この熱さだ。無理もないだろう。
男はハンドルに持たれかかるようにして、ぐったりとしている。完全に熱さにやられているようだ。
だが、時折、思い出したように、顔を挙げるのでどうやら気を失うまではいかないらしい。
男は、熱い、喉が乾いた、死ぬ、冷たい水が欲しい。できれば女も欲しい。などと呟いている。
まだ、そういった体力は残っているらしい。これなら心配はなさそうだ。
男は更に呟いた。
「まったくやってられない・・・熱すぎる。こりゃ地獄だ。」
そういって男は、手元に置いてあったミネラルウォーターを取り出した。
キャップを外し、口をつけたが、すぐに吐き出した。どうやら、それはすでに水ではなく、お湯になっているらしい。
いまいましそうに、男はそれを後部座席に放り込む。
カランと、音がして、ボトルが床に落ちた。
56 :
1:03/03/13 01:13 ID:???
更に男は呟く。独白だ。
「どうして俺はこんなとこでこんなことをしているんだ?
一体どこから間違ってしまったんだ・・?やっぱりあの発言がいけなかったのか?面白いと思ったのに・・
あぁ・・人生やりなおしてぇ・・心の底から思うぜ・・
だいたい・・あの戦争さえなかったら・・いや、あんな命令さえなかったら・・俺はもっと出世していたはずだ。
そうだ、デニムが悪い。あいつがいけねぇんだ・・・あんな上官を持った所為で・・くそ・・
その所為でふんだりけったりの人生だ・・そうだ・・
それに元をただせば、あの戦争を起こしたギレンの野郎も・・くそ・・あのデコやろう・・」
そういってハンドルに思いっきり頭突きをする。一回、二回・・・・十五回して頭突きはやんだ。
かなり物騒なことをいっている。もう少し、前の時代なら、この男は銃殺されていただろう。
熱さの所為でだいぶ、思考が過激になっているらしい。まだ、彼は愚痴をいう。今度は叫ぶように。
「それにこの処遇・・一体、何だと思ってるんだ、あいつ・・運転手なんて・・待遇だとは・・
俺は命令どうりにずっとあそこにいたんだぞ?極寒の寒さの中・・耐えていて・・
それをまだいたの?って感じの目で見やがって・・・忘れていたのかよ・・悲しいぜ・・
いたさ!わるいかよ!俺は馬鹿だからな、変な命令でも遵守するんだ。それは先の戦争で実証済みだろ!
あの時だって、俺は残った。曹長の命令を守った!それを・・いや、これは今は関係ない。
とにかく!あそこにいるのがどんなに辛かったか!誰もわかんねえだろう!
夜は凄く冷えるのに毛布一枚だったし、ランプつければ瞬時に虫は寄ってくるし、食べ物は乾パンだけだったし・・
それでも俺は約二ヶ月近く、あそこにいたんだからな。どう考えたって誉められるべきだろう?
それなのに・・それなのに・・」
頬を冷たいものが走った。
いつのまにか涙を流していたらしい。それを服の袖で男は拭った。
57 :
1:03/03/13 01:17 ID:???
「それにあの野郎・・いつのまにかマスク被るのやめやがって・・
トレードマークじゃなかったのかよ・・ちくしょ・・俺の方が年上なんだ・・
けど・・妹・・物凄い美人だったな・・」
男は一瞬だけ、顔を赤くした。みかけによらず純情なのかもしれない。
今度会えたら、電話番号ぐらい聞いておこう、と男は思った。そしてまずは映画に誘って、と男の妄想は広がっていった。
一人で数ヶ月過ごした後遺症かも知れない。想像力は、強化人間並だった。
男が、妄想に浸っていたその瞬間、突然、一人の男が後部のドアを開けた。
運転席の男は、ギョッとして後ろをみる。金色の髪の男が、こちらを覗き込んでいた。
金色の髪、意思の強そうな眼光、どこか人と空気を緊張させる雰囲気を持った男だ。威厳といってもいい。
こういった雰囲気を持つのは選ばれたある種類の人間だけだ。彼は言った。
「どうした?一体ここで何をしている。もう会議は終わった。
三時に玄関前だと言っておいただろう・・どうして来ない?車が故障でもしたのか?」
金髪の男の唇が開き、いぶかしそうにそう尋ねる。
慌てて、男は時計を見る。三時十五分。男の顔色は瞬時に、真っ青になった。
「い、いえ・・!そんなわけじゃないんですが・・イテ・・!」
男は焦りのあまり、舌を噛んだ。血の味が一気に口の中に広がる。男は顔をしかめた。
「も、申し訳ありません!・・うっかりしておりました!」
そんな男の様子を、見ながら、その金髪の男は溜息を吐きながら言った。
「まぁ、この熱さだ・・ぼうっとなるのもわかるがな。しっかりしてくれ。
まぁ、私も久しぶりに来て、この熱さには驚かされたしな。貴様の気持ちもわからんでもない。今回は見逃してやろう。」
58 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/13 01:18 ID:p/W0z+lB
age
59 :
1:03/03/13 01:20 ID:???
金色の男は、後部座席に座って、足元に落ちてあるペットボトルを拾い上げながら、笑った。
その寛大な言葉に彼は、先ほどの自分の悪態振りを思いだし、恥じた。
もしも軍隊でこんな失態をすれば、修正をくらうところだ。男は寛大な処置に心から感謝した。
「はっ・・まことに申し訳ありませんでした!それでは、直ちに出発いたします!」
「ン・・・空港だ。急いでくれ。」
運転手の男は、キーをひねり、エンジンをかけた。
途端に、通風孔から冷風が、出てきた。エアコンの有り難さを男はつくづく実感した。
火照った体に、冷気が吸い込まれていくようだ。生き返る。女を抱くより気持ちがいい、とまでは思わなかったけれど。
しかし、もうこれで、灼熱地獄とはおさらばだと思うと、男のアクセルを踏み込む足取りも軽かった。
順調に車は、目的地である空港に向かっていて走り出した。
途中、バックミラーで後部座席の様子を確認した。
金色の男は、何やら鞄から手紙を取り出して、読んでいるらしい。
それの邪魔にならないように、なるべく車を安定させようと注意深く走る。
所々のアスファルトは塗装がはげているため、車が揺れるからだ。
男は、この主人に仕えて本当によかったと神に感謝していた。とても単純な男だった。
60 :
1:03/03/13 01:22 ID:???
五分後のこと、快調にドライブをしていた男だったが、急にプスン、プスンと音を立て車が止まった。
エンジンがイカレタな、と運転手であるこの男は思った。ウインカーを出して車を道路の脇に寄せる。
降りてエンジンを一応確かめることにする。また、熱い日差しを受けると思うと、うんざりした。
案の定、外は酷い暑さだった。エアコンに慣れつつあった身体には、それは絶えがたいものだった。
熱いボンネットの向こう側にあるエンジンを苦労して覗きこむと、自分の推測が当たっていたことがわかった。
数時間あればなんとか直せそうな気もするけれど、そんな時間は勿論なかった。彼の主人である金色の男は忙しい。
それにここでそんな作業をしていたらそれこそ日射病になるだろう。
一応、現状を報告しなければならない。
そこで彼は後ろを振り返る。
そこには、金髪の男はサングラスをかけて既に後ろに立っていた。
「申し訳ありませんが、どうやら車がいかれちまったらしいです。」
そう肩をすくめながら男は言った。
61 :
1:03/03/13 01:24 ID:???
「そうか・・故障か・それは弱ったな。私はここでこんなことをしている暇はないのだがな。時間が無い」
「そうはいっても・・どう急いでみても、修理には最低一時間はかかりそうですぜ。」
「そんなにか?どこが故障してるんだ?ちょっと見せてみろ。」
金色の男がそういってエンジンをのぞきこもうとしたとき、車のクラクションの音がした。
彼と運転手の男は顔を挙げて確認する。
人目で、人がよさそうだとわかる恰幅のいい中年が、車を寄せてきてくれた。オープンカーだ。
それも真っ赤な二人乗りのスポーツカーだ。これもそうそう一般の人が買える車ではない。
「どうなされました。」
こちらのボンネットをあげている様子をみて親切に寄ってきてくれたらしい。
サングラスを外した金髪の男が事情を話すと、彼はそれならそこまで乗せていってあげようと言った。
「ただし・・」と、男は続けた。
その言葉を聞いたとき、男は厭な予感がした。
こういったパターンは非常にまずい。直感的に、経験的に男は感じた。
これもある意味、ニュータイプ的洞察力かもしれない。
62 :
1:03/03/13 01:27 ID:???
その恰幅のいい男は、こういった。
「だだし、一人だけだよ。見たらわかると思うけれど、この車は二人乗りでね」
間髪入れず、金色の男は答えた。
「それで結構。感謝する。この男はここに残るので問題無い。」
そうだな、といってこちらを振り返る。
しかし、もちろん男はそれに反論できるわけが無い。笑顔で、勿論です、と言った。
そして最敬礼で二人が去っていくのを見送った。
見送る男の耳には、最後に聞こえたのは、この車は素晴らしいカラーリングだと誉める金髪の男の声だった。
男は一人、灼熱の道路に残された。溜息を吐いて、空を見上げた。
太陽が、彼を焼きつくそうとばかりに燃えているように見えた。
いいさ、と男は心の中で思った。
残るのは慣れている。全然、悲しくなんか無い。だって。俺は。ス○ンダーだから。
そう呟いた男の頬から、一筋だけ、流れ落ちる滴があった。
その滴は、アスファルトの熱の所為で、瞬時に蒸発して消えた。
63 :
1:03/03/13 01:34 ID:???
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
えーと、おまけっていうか、たまにはギャグ系の物をエピローグの幕間として。
前スレの147さんがこの人物の再登場を希望なさっていたので、書きました。
かわいそうですが、彼にはこういった人生がとても似合うと思うので(笑)
これ終わったら、また第一回の様な作風で書いて欲しいかも
何か書く気があるならだけど
笑わせていただきました。
哀れ、スレンダー
1さんお疲れ様です。
やはり残されるのか…(T T)
あのスレの功績はあまりにも偉大だ…
保全
保守
土曜はしっかりやらんとヤバイな
保全
種曜日対策age
ここだ、ここで保守るんだ
保守
もいっちょ
早朝
昼下がり
言ってはいけないことを言うスレの人へ
落ちてないよー 安心しるー
日付変更保守
午前保守
携帯からでも保守
深夜保守・・・・と書くと「らしい」(笑)
81 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/18 10:44 ID:WGp7luZr
朝age
夜sage
昼sage
夕sage
85 :
kanrinin:03/03/20 01:05 ID:j4Jc9baa
深夜age
昼sage
夜sage
「ねぇ、平和の反対ってなんだと思う?」
私は、街角でこんなアンケートを取っている。なんのためにかって?暇だから。
その浅黒い少女に尋ねたのは、午後のことだったわね。その子は郵便局の前で、ぼうっとしていたの。
どこか人を惹きつける素養をもった子だったわね。私が興味を持ったのもその所為かもしれない。
「突然ごめんなさいね。ちょっとしたアンケート。」
少女は驚いた顔でこっちを見た。まずい変質者と思われる。私は少しあせる。
「あ、安心して。別に貴方をとって食おうってわけじゃないわ。ただ質問に答えてほしいだけよ。
えーと、私のいいたいことわかる?平和の反対のイメージを具体的に教えてほしいの。
たとえば、幸福の反対が不幸のように。」私はそこで一旦、言葉をきる。
「参考までに言っておくと、大抵の人は、平和の反対は戦争だって言うわ。私はそれは違うと思うの。
確かに戦争の反対は平和だけど、平和の反対は戦争ではない、と思うの。
たとえば、赤の逆が白だけど、白の逆は黒のように。だって、平和じゃない=戦争って変じゃない?
少なくとも私はそう思うの。じゃあ平和の定義とはなにかしら?それが知りたいの。
だから、毎日街頭にたって、こんなアンケートを取っているのよ。」
私はそういってカラカラ笑う。自分でも、暇なことをしていると思う。
別に答えを探しているわけじゃない。ただ、いろんな人の考えを聞いてみたいと思ってるだけ。
少女は少し考えた後、こう言った。
「元々の、平和とは、魂がそれぞれの家に戻ることでありましょう。
父が、母が、そしてそれぞれの連れ合いが、寄り添うことの出来る世の中のことでありましょう。
だから平和の反対は・・孤独でありましょう。」
私は驚いたわ。しっかりとしたその考えに。人はみかけによらないってのはこのことね。
そして私が驚いている内にいつのまにか少女はいなくなっていた。
気がついたら通りには、私と、ピエロと数人の見物客しかいなかったわ。うーん。孤独、か。
これだからアンケートは面白い。
保守だな
>>88も面白かったんだが、これコピペなんだろうか。
明日のためにage
93 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/22 02:05 ID:uTIW/L1u
夜保
深夜保全
念の為の朝保守
午後3時の保全
漏れの中の人も大変だな保全
超保守
深夜age
昼前のage
102 :
1:03/03/24 15:30 ID:???
少年は濡れた髪をタオルでぬぐいながら、椅子に座った。
そしてふぅ、と一回大きく息を吐く。
ドライヤーで髪を乾かしたかったけれど、めんどくさいのでやめる。
自分の毛は柔いので、乾かしたほうがいいのはわかっているけれど。水もポツポツと床に落ちてしまう。
けれど、めんどうなので、その代わりにタオルで髪を巻いたままにしておく。こうすれば雫が落ちることはない。
冷蔵庫からコーラを取り出す。昨日、街に行った時に買っておいたものだ。
普段はコーラなんて炭酸飲料は飲まないのだけれど、今朝は何故か飲みたかった。
栓抜きでコーラの栓を抜く。
パシュ、と音がして、炭酸の泡が出る。それをこぼさないように、すぐに口をつける。冷たい。
喉にを通る心地よい甘味を感じながら、少年はビールを飲んでいた大人達を少しだけ思いだした。
一番飲んでたのは誰だっけ、ランバ・ラルさんかな、とあの老練な男を思い出す。
テーブル上のラジオをつける。相変わらず、単調なニュースがながれだす。
今は聞きたくないので、周波数を変えて、クラシックが流れている放送に切り替える。
それをBGMにして、料理を作ることにする。まだ、日が昇ってすぐの時間帯だ。
少女はまだ寝ている。
起きてくるのには、もうしばらく後だろう。
エピソード後編 「 on the earth 」
103 :
1:03/03/24 15:31 ID:???
少年はキッチンにある食材を確認する。料理をつくるのは慣れている。
考えること数分。
ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、それに自分が昔、作った羊の腸詰めソーセージを取り出す。
これで簡単なシチューを作ることにする。サンドイッチもいいけれど、ちょっと飽きてきたからだ。
それに温かいものを食べるのは、心がほっとする。
いまの自分達には暖かいものが必要なんだと思う。身も心も温めてくれるようなものが。
それを食べ物で手に入れようとは思わないけれど、取り急ぎ代用にはなると少年は思った。
ニンジンとジャガイモなどを取り出して、すべてよく洗う。
そしてかなり大きめに適当に切る。包丁の切れ味が少し悪いのが気になった。
また、研がなくちゃいけないな、と少年はつぶやいた。
その今切った材料プラス、ソーセージ、適量の水、コンソメを鍋の中に入れる。
蓋をして、この後、数十分待っていればいい。後は、最後に少し仕上げをして、おしまい。
その間に、少年はコーラを全部のみ干してしまう。
椅子にもたれ掛かりながら、光の差し込んでいる窓を見る。
外を見る。
昨夜の大雨は、嘘のように止んでいて、今は太陽がその顔を出しつつあった。
地面には多量の水溜りが至る所にできていて、昨夜の爪あとを思い出させるが、それも時期に消えるだろう。
後は、待つだけだ。時間が全てを解決してくれる。
104 :
1:03/03/24 15:34 ID:???
起きている犬に、先に食事を与えながら(今日はソーセージを奮発してやる)、少年はラジオに耳を傾けていた。
ピアノだけの音だったけれど、とてもいい音楽だった。少年は目を瞑る。
月のうえで、一組のカップルが踊っているかのようなイメージの曲だ。楽しさと哀しみが共に内包されたような。
そんな静けさと、ピンと張った琴線のような張り詰めた印象を少年は気に入る。
この作曲家は、とても哀しい人だったんじゃないかな、と少年は名前もしらない人物に思いを寄せる。
何かやりきれないことがあって、それをこの曲で表現したかったんじゃないかな、そんなことまで考える。
そんな風に感じてしまうのは自分が、感傷的になっている所為かもしれない。
105 :
1:03/03/24 15:35 ID:???
そんな考え事をしている内に、鍋がぐつぐつと音を立てていた。忘れていた。
いけない、煮込みすぎたかも、と思った少年は急いで鍋を火からおろす。蓋をあけて中を確かめる
どうやら杞憂だったようだ。野菜はいい感じに煮えていた。
少しだけスープをすくって小皿に移し味見をする。味が薄い。
塩味が足りないので、塩と荒引き胡椒を入れて、もう少し煮込む。
そして、もう一度味見をする。おいしい。今度は大丈夫だった。
その時、後ろのほうで足音がした。
少年は、鍋に蓋をして冷めないようにしてから、後ろを振り返った。
少女が、眠そうな顔でたっていた。
「おはよう」と少年は挨拶をする。
少女は、うん、と一回だけうなづくとふらっと倒れそうになる。
慌てて手を伸ばして支える。少女はとても眠そうだった。
無理もない。夕べは自分の所為で、眠れなかったのだろう。
少年は昨夜の自分を思い出し、後悔した。あれだけ雨に打たれたんだ。
もしかしたら風邪を引いているかもしれない。
106 :
1:03/03/24 15:36 ID:???
僕は卑怯なんだ。
・・僕は・・
何が・・卑怯なの・・・?
それは・・
107 :
1:03/03/24 15:37 ID:???
できたスープの評判はよかった。
自分でもおいしいと思ったし、なにより幼い男の子と、少女がそれぞれおかわりしてくれた。
男の子がソーセージをほおばりながら、ライ麦パンを詰め込む様子を、微笑みながら見る。
それでも、大分残った。予定通りだ。
残りは昼食にまわすことにする。
108 :
1:03/03/24 15:41 ID:???
朝食後、部屋に戻る。
少年はホットミルクを飲みながら、ハロの組み立てを再開する。
どうも最後のところでうまくいかない。音声センサーが壊れているのか、声が出ないのだ。
まるでその部分が欠落してしまったかのように。そして、もはや存在しないかのごとく。
一時間ほど粘ってみるが、やはり駄目。がっかりして、ベッドにバフッと倒れこむ。
これは一度、地下コンピュターバンクで音声回路の部分理論を学習しなければいけないだろう、と少年は思った。
きっとどこかの配線の組み間違え。ケアレスミス。わかってみれば簡単なことなのだろうけど。
父さんはやっぱり凄かったんだな、と少年は嘆息した。やはり自分はもっと勉強しなければいけない。
枕に顔をうずめる。
まだシーツは、微かに少女の香りがした。
昨夜のことを思い出す。昨夜は、あの後、少女は自分から離れようとしなかったのでここで寝かせた。
その後、少年は床に座って、静かにラジオを聞いていた。
一応、服は着替えたけれど、寒かったので、明け方頃にシャワーを浴びていたのだ。
それから食事を作って今に至っている。
天井を見る。、目を瞑る。耳の奥で何か音がする。
さざなみのように遠くから、微かに、そして次第に強くなってくる。何かの声だ。泣き声?
聞き取ろうと神経を集中させると、また、フェードアウトしていく。数回聞き取ろうと試みたが、無駄だった。
まぁ、いい。泣きたいのなら勝手に泣かせておこう、と少年は思った。ひとつ大きなあくびをする。
同時に酷く眠くなってくる。思いっきり手を引っ張られるように突然に。
昨夜、寝ていない所為かもしれない。
少年の意識は急速にブラックアウトしていった。
109 :
1:03/03/24 15:49 ID:???
ここはどこだろう?
僕は、いつのまにか外にたっていた。小さな畦道みたいな場所に。
服装は寝たときと同じものを着ている。僕は辺りを見渡す。
周りは誰もいない。人気がない。それ以前にここはカサレリアじゃない。
草が所々に生えていて、大きな木が道沿いに生えている。
道の向こうにはひとつの建物がぽつん、と建っている。
そんなに大きな建物じゃない。豪華な建物というわけでもない。
けれど、その外見は僕の心を惹きつけた。
空を見上げる。いい天気だった。雲ひとつない。
まるで空のキャンバスに青の絵の具を一面塗りたくったみたいだ。
それに、暑かった。
季節は少なくとも冬じゃない。この暑さはまるで夏の盛りだ。
僕は、上着を脱いで、シャツ一枚になる。脱いだ上着は近くの木の枝に引っ掛けておいた。
涼しい風が僕の頬をなでる。草がバサっとゆれる。とても気持ちがいい。
右手でおもむろに頬をつねってみる。痛くない。
110 :
1:03/03/24 15:50 ID:???
これは夢だな、と僕は判断する。
そうとわかれば不思議な事はない。なにせ夢なのだから。
それならどうしようか、と少し逡巡した後、僕はあの家に向かうことにした。何か気になるからだ。
ここから一キロぐらい離れている。けれど二十分もあるけばつくだろう。
途中、色々なものが道端に落ちていた。
僕はその全てから目を逸らす。とても直視できない。
111 :
1:03/03/24 15:52 ID:???
建物の前に着く。僕はその前で一旦立ち止まって全体を眺める。
これは、どうやら別荘のようだ。つま先で土を蹴飛ばしながら、僕は判断する。
木でできた階段を上る。
ギシギシ、と微かに階段が軋んだ。どうやら見た目よりもかなり脆いらしい。
5段ほど上りきった後に、木製の扉が目に入る。玄関。
ちょっと全体を眺める。ドアの右側の方に小さな窓が一つだけあった。
僕は取っ手を掴んで、微かに引いてみる。キィ、と音がしてドアが動いた。
鍵はかかっていないようだった。もう少し力を込めれば中に入れるだろう。
けれど、僕は入る前に、ドアの鍵穴から中を覗いてみることにした。
少しかがんで片目を瞑り、顔をドアにくっつけて中を覗く。
112 :
_:03/03/24 15:56 ID:???
支援
113 :
1:03/03/24 16:02 ID:???
思ったより中の様子がよく見えた。
応接間のような部屋に、大きなステンレス製の机がひとつ中央に置いてある。
そこの椅子に一人の男が座っている。額にある傷がやけに目立つ。手紙を読んでいたらしく、折りたたんでいた。
僕はそれを鍵穴に目をくっつけてみている。
その後、彼は、少し何かを考えているかのように虚空に目を向けたあと、目の前の電話に手を伸ばした。
そして、どこかに電話をかけた。すぐに相手は出たようだ。彼は、何かを話し出した。
会話はほとんど聞こえなかったが、ただニューホンコンという単語だけは聞こえた。そしてミライ、潜伏とも。
手紙に視線をやって、話している。・・まさか。
僕は反射的に中に入ろうと思い、立ち上がろうとした。けれど、体はまるで動かなかった。
あたかも影が地面にきつく縫いつけられているみたいに。階段のところにつなぎとめられてる。
いや、実際繋ぎ止められているのだ。比喩でもなんでもなく。
影が起き上がって、階段の手すりを掴んでいるんだ。
僕は影が憎かった。けれど、その影を作り出しているのは自分なのだ。
そう思うと、その影をどうしていいかわからなかった。
そのとき、僕の影が実像を持って、話し掛けてくる。
口の中の舌だけがやけに赤く、見える。
114 :
1:03/03/24 16:09 ID:???
影が僕に囁く。
落ち着けよ。ミライも裁かれるべきだろう?彼女は犯罪者だ。
人類が新しい次元にいくには、そのために清算しておかねばならないことがあるだろう?
影はとても愉快そうにそういった。
それは、僕もそう思う。・・けれど、オカシイんだ。
だって、あの人は既に一度裁かれているんだ。だから、二度する必要はないよ。
僕はそういった。
影は馬鹿にするように首を振った。そして僕を諭すように柔らかい口調で話した。
まるで物分りの悪い幼児に言い聞かせるように。
いいかい、精神的な罰と、肉体的な罰、これは一元的なものなんだ。どちらか一方では不完全なんだ。
中途半端はいけない。それは最悪だ。
それに死ぬことでしか、拭えないこと、達成できないこともある。それがわからないのかい?
115 :
1:03/03/24 16:18 ID:???
影はさらに言う。
アムロ・レイのことを思い出せよ?
彼は、決してミライを許したわけではない。ただ、あの場で自分が裁くのをやめただけだ。
それは私刑だからね。民主主義にのっとって裁かないと意味がないだろう?
それが秩序ってもんだ。あの電話をしている彼は、それを理解している。
けれど、それは・・どこかオカシイ・・密告するなんて・・
オカシイ?
君は本当に卑怯だな!本心では君もミライが裁かれてほしいと思ってるんだろう?そうだよな?
そうじゃなきゃ僕が影として発生するわけないもんな。僕は君の一部なんだから。そうだろ!
僕は自分の頭に血が上るのを感じた。
いいから!
その手をはなせよ!僕はそんな事思っていない!
116 :
1:03/03/24 16:30 ID:???
影は、哀れみの表情を浮かべる。
君は自分の気持ちがわかっていない。理解しようとしていない。
だから、少女にも打ち明けられないで悶々と日々を過ごしている。
昨日、ラジオでミライ逮捕を聞いたとき、それがあの男の所為だと気がついたはずだろ?
だけど、手紙の中にその事を触れていない。追求していない。何を恐れているんだ?
架空の事件について、架空の感想を書いている。それがなんになる?
僕は、ハッとする。そして何もいえなくなる。
この影はすべてを知っている。僕が目をそむけたことも、すべて。
確かに、少女を守って日常を過ごす、というのも君の真理の一部だ。
だが、そのために、君はごまかしていることが多すぎる、一度それを考えてみるんだね。
影はそういうと僕の頬を優しくなでた。
もっと楽になれよ。
君は、考えすぎなんだよ、だから頭痛もまだおさまらないんだ。それに・・泣き声はやんだかい?
そういったかと思うと、影は薄くなっていった。
そして、僕が何か、発する間も無く、消えてしまった。出てきたときと同じように、突然に。
117 :
1:03/03/24 16:32 ID:???
その途端に体が自由を取り戻す。ガクッと体が前につんのめる。
僕は一瞬、額の汗が目に入りそうになったので、目を閉じてそれを無造作に拭いとる。
そしてすぐに再び、ドアの鍵穴を覗き込む。
けれど、そこにはもう何もなかった。机も椅子も、あの男も居ない。手紙もない。電話もない。
ただ、ガランとした空間がそこには広がっていた。
118 :
1:03/03/24 16:35 ID:???
少年は目を覚ます。
視界にシーツが一面広がっている。一瞬、ここがどこかわからない。
朦朧とした意識の中で、二、三度瞬きをする内に、ここはベッドの上だと気がつく。
ベッドから上体を起こす。そして一度だけ大きく伸びをする。
どこか厭な夢だと思った。内容はまったく覚えていないけれど。
立ち上がり、机の前に立つ。
そこに置いてある時計を見る。もういつのまにかお昼になっていた。予定が大分狂ってしまった。
少年はハロを修理するのはあきらめて、ダンボールの中にひとまずしまう。
工具類も全て片付ける。ドライバーや、ネジや、様々なチップ類を放り込む。
119 :
1:03/03/24 16:37 ID:???
机の上の封筒を掴む。
そして少年は微かに違和感を感じる。
一度、取り出されているような、そんな感じがしたのだ。
彼は、ひょっとしたらこの手紙は読まれているのかもしれない、と思った。
誰に?もちろん少女にだ。
少年は首を振って、その封筒に糊付けをする。迂闊だったと思う。
とりあえず今日は、手紙を出しにいかないといけないな、と少年は考える。
そしてそのついでに、あそこに行こうと思う。少女も連れて行くのがいいのかもしれない。
そうしないと、全てが終わらないし、はじまらない。悶々としておきたくはない。
少年はそう決意すると、封筒をポケットに入れた。
そのとき、居間の方から、少年を呼ぶ声がした。
120 :
1:03/03/24 16:39 ID:???
部屋を出て、キッチンの所にいく。
そこには少女と男の子がもう座って待っていた。
シチューの残りとトマトとチーズのサンドイッチを食べる。トマトの酸味が食欲を増加させてくれる。
いつもならば軽く食べられる量だった。
少年はあまり食欲がなかったので残したかったけれど、無理して全部食べる。
残して、少女に心配されるのは厭だからだ。彼女に不安を与えたくはない。
食事の後、少年は家を出ると、近くに住んでいる女性に会いにいった。
ワッパを使うまでもない距離だけれど、地面は水でズルズルになっていたので使うことにした。
彼女は、ぐずっている赤ん坊をあやしているところだった。
こちらに気がつくと、彼女は柔らかい微笑を浮かべて、手を振った。
「めずらしいじゃない?」と彼女は言った。
最近、少年は家にずっと篭っていたので、そのことを指しているのだろう。
少年は、曖昧に微笑むと、彼女に何か、一言二言、話した。
彼女は一瞬だけ不思議そうな表情を浮かべたが、すぐに頷いて、オッケーわかったわ、と言った。
そしてまた笑う。今度はどこか含みのある笑い方だ。
少年は感謝の言葉を述べると、午後のお茶の誘いを断って、すぐに外に出た。
また、家に戻る。
帰る間、なぜか彼女の胸に抱かれている赤ん坊の笑顔が頭から離れなかった。
そして同時にあれは自分だ、とも思った。幸福な自分。泣いてない自分。
121 :
1:03/03/24 16:51 ID:???
午後、少年は少女を連れてカサレリアを離れて、ウーイッグに来た。
ウーイッグ。
東ヨーロッパの特別区のひとつ。
かつて・・まだ人類が宇宙に上がる遥か前には・・東欧チェコ共和国の首都プラハと呼ばれていた場所。
今でもその名残を示すような建造物は多い。旧ヨーロッパ的な数々の建造物。レンガ調の町並み。
もっとも、先の戦争の所為で、大抵は崩壊してしまったけれど。
現在でも、この街は復興中である。いたるところに新しい建造物が立ち並んでいる。建造中のものも多い。
街というものが仮に特殊な生命体だと仮定すれば、この街は再生中の鷲のようだ。
傷を癒し、飛び立つタイミングをじっと窺う鷲。そんな内在的な生命力をリアルに感じられる。
心なしか、すれ違う人にもこの街を立て直すという気迫に満ちているように思う。
なにやら重そうな荷物を持っている人、忙しそうに通りを走りぬけていく人、この季節に上半身裸で何かを指示している人・・
人の隙間を走り抜ける子供、野菜を運んでいるおばさん、なにやらブツブツ言っている気難しそうな老人。
歴史的にもここは抑圧されていた街なんだ・・だからみんな遺伝的にタフなのかな、と少年は漠然と思う。
ふと、マリア主義を思い出す。母性の拡大解釈により生まれた思想。戦争の原因となった思想。
母を崇拝の対象にしてしまうことの危険性。それは思慕の対象ではあっても信仰ではない。
母は絶対じゃない。限界性の認識が、健全な母子関係を生み出す。そんな事を少年は考えた。
122 :
1:03/03/24 17:00 ID:???
少年は足元を確かめるように、ゆっくりと歩く。、
少女はそんな少年の後ろをピッタリとついて歩いている。
あまりこういった場所は好きではないのだ。人ごみや喧騒は彼女はあまり好まない。
そんなことは少年も無論、承知している。彼がここに彼女を連れてきたのには彼なりの理由があった。
大きな通りを抜けて、比較的小さな通りに入る。
車は通れないところだ。人の波も比較的少ない。そこの通りの十字路の部分に少年が訪れたい建物があった。
少年は、古いレンガ調の郵便局の前で少女を待たせると、中に入る。
綺麗な受付の女性から、切手を数枚買う。爪のマニキュアの色が一つ一つ違ってて、少年はその異様さに少したじろぐ。
女性がそんな少年の態度に気がついたのか、クスっと笑って自慢げに手をひらひらさせた。
少年はそそくさとその場を離れる。
たった今買った切手の裏を軽く舐める。まずい。そして、切手を封筒にぴっちりと張る。
そこに設置してある黄色いポストに封筒を投函する。それでウーイッグに来た少年の用事は半分おしまいだ。
123 :
1:03/03/24 17:02 ID:???
外に出る。少女は通りで、パントマイムをしているピエロの様子をじっと見ていた。
周りには少女の他に五、六人の人が突っ立って見ていた。
男か女かよくわからない人が、少女の前を見つめて驚いた顔をしていた。手にはペンと紙を持っている。
アンケートでも取っているのだろうか?よくわからない。
少年は、ピエロに視線を移す。パントマイム。
そのピエロは見えない壁を表現していた。手で架空の壁をなぞっている。四方を閉じ込められた表現だ。
使い古されたネタで、新鮮味はないが、とぼけた表情と仕草に妙な味があった。
大笑いできるネタではないけれど、クスクスと笑えるネタだ。少女もおかしそうに見ている。
ピエロがまた壁に頭をぶつけて、うずくまった。おおげさなリアクションが滑稽だ。
少年もそれを見て笑う。けれど、どこか閉塞感を感じる。心に何かがひっかかる。
ピエロ。壁。見えないもの。笑い。道化。閉塞。
少年の顔から笑顔が消えたのを見て、少女が笑うのを止めた。
あれ、続きは?
1さんどうした、何か起きたのか!
影が独立するのって、世界の終わりを思い出すなあ。
125 :
1:03/03/24 21:05 ID:???
帰り道。
あの後、寡黙になってしまった少年と少女は、花を一本買うとすぐに街を出た。
少年が運転するワッパは途中から、いつものコースの道をそれる。
ひどく、入り組んだ道を行く。深い森を通り抜ける。
木々のざわめきが、何重にも重なって聞こえる。空を見る。生い茂った葉の隙間から微かに空が覗ける。
少女はそれに当惑したけれど、何もいわない。きっと少年は何かを自分に伝えたいんだとわかるからだ。
いつのまにか日は暮れてきている。
太陽は山の端に隠れつつあった。夕焼けが地面を真っ赤に染め上げる。
空も同じように真っ赤だ。少女は少年にしがみついている手に力を込める。
綺麗、と呟くと後は食い入るようにずっと空を見つめていた。
赤い世界。
126 :
1:03/03/24 21:22 ID:???
森を抜けると、素晴らしい眺めが広がっていた。
切り立った崖の上らしい。
少年はワッパを止める。少女はゆっくりと降りると、あたりの景色を見渡した。
赤い。まるで炎に照らされているように、夕日に全体が染まっている。暴力的なまでに朱に染まっている。
遠くのほうにウーイッグの街並みが見える。明かりがポツ、ポツと灯っているのがわかる。
あの街には、生命を象徴する赤がとてもよく似合っているように見える。
カサレリアの辺りの場所も、同じように赤くなっている。けれど、ここは遠すぎてはっきりとは見えない。
それにカサレリアには赤は似合わない気がした。それはちょっと強い色過ぎるから。
少女は崖から顔だけだして、下を覗き込む。
かなり高い場所だ。崖から転落したら100パーセント助からないだろう。
少年が昔していた、ハンググライダーをする時に利用するならばいい場所かもしれない。
それ以外は、何の変哲もない場所のように見える。
地面には水溜りが、所々にできている。草が伸び放題に生えている。
人の手入れがされていないそれは、自由に力一杯伸びている。まるで奔放な野生を謳歌しているかのごとく。
力強い。
あとは、その崖の一番切り立った部分に置かれている木の十字架。
それが、太陽に染まって紅に染まっている。
十字架?
127 :
1:03/03/24 21:31 ID:???
少年は、その場に立ち尽くしている少女にひとつの物を渡す。薄い色のビニールだ。真空パック。
逆光なので少年の顔ははっきりとは見えない。だが、視線を逸らしている様子は受け取れた。
少女は黙ってそれを受け取ると、中を確かめる。
硬い何かが入っている。そんなに大きいものじゃない。少女は手を入れて、取り出す。
ワッパのコンパス。
少女は思わず息を呑む。瞬時に、その意味を理解する。
微かに血の臭いのようなモノを彼女は感じ取ることができる。
手が滑って、それを地面に落とす。
運悪く、小さな水溜りに落ちて、ポチャ、と音がした。
128 :
1:03/03/24 21:42 ID:???
「シャクティ?」
少年が、そんな少女にそっと近づくと、その頬をそっとなでる。
少女の瞳には、涙が浮かんでいた。
けれど、その涙が何を意味するのか、少年にはよくわからなかった。
哀しいから、だと判断していいのか、よくわからなかった。
瞬きするたび、少女の頬から、大粒の涙が零れ落ちる。
だけど、少女は決して声には出さない。ただ、涙を流すだけだ。
感情を噛み殺すように、押し殺すように。少年はそんな少女をいじらしく思う。
少年は少女の顔を上げさせると、その震えている唇に自分の唇を重ね合わせる。
少女の目が驚きで、見開く。そして同時にまた涙を流す。
彼女の唇からは温かな生命を感じることができた。
一度、唇を離す、そして角度を変えてもう一度重ね合わせる。少女は今度は瞳を閉じる。
少年は、あぁあの人とはまるで違う、と思う。あの時はそこに死を感じ取った。確かに死を受け取り、内在した。
それは自分に絶望的な気持ちを与えた。薄れていく体温に、次第に冷たくなる唇に。
今、自分はこの少女から生を受け取りたいと思う。
暖かな心臓の鼓動、血液の流れ、口から漏れる吐息。そういったすべてを受け取り、自分に内包させたいと。
129 :
1:03/03/24 21:58 ID:???
僕の紡ぐ糸はとてもかぼそくて、時に、狡猾にならなくては切れてしまいそうで。
あの人のように、硬い糸はできそうにない。
けれど、もしその糸を二重に巻くことができれば、彼にも負けないものができる。
千切れてしまわないほど、頑丈で、水にも強い糸を。
もちろん、糸というのは比喩だ。抽象論だ。
けれど、別の言葉で言い表すのは難しいので、これでいいことにする。
これに正確な言葉を見つけられるようになった時、自分はあの人に会いに行けると思う。
130 :
1:03/03/24 22:13 ID:???
数時間後。夕焼けはなくなり、空には星が顔をだしている。
カサレリアに帰ってきた少年は、すぐに自分の部屋に戻る。
少女は、今日は、昼間頼んでおいた近くの女性の家に泊めてもらっている。
男の子も同じだ。
部屋のライトをつける。すぐに、強い明かりが灯る。
それは暗闇になれた少年の眼には少し刺激が強かった。目を瞑りやり過ごす。
目が慣れてきたのを確認してから、ダンボールを引っ張り出してハロを取り出す。
少年は、修理に取り掛かる。
チップを嵌めて、コードを繋ぎ、エネルギーを充填する。
また別のコードを外し、それを引っこ抜き、別のモノをはめ込んでいく。
少年は最後の螺子を止める。
祈るような気持ちで、ハロを起動させる。
「ウッソ。ゲンキゲンキ」
完成だ。
少年は、ガッツポーズをすると、ハロを抱えたまま、ベットに寝転んだ。
やっぱりケアレス・ミスだった。少年は、ひどく愉快な気持ちになって大笑いした。
これで、いい。自分は変わっていけるんだ。
少年は、一人で、気が済むまで笑いつづけた。
131 :
1:03/03/24 22:22 ID:???
少年の目から涙が、零れ落ちた。
それが可笑しいからか、それとも別の感情によるものかは、彼にはわからなかった。
ただ、彼は笑いながら、涙を流していた。
それは少年にはとても自然に思えた。ないている自分も。笑っている自分も。
不思議と泣き声は聞こえなかった。笑い声も発していなかった。
その代わりにハロの声が代わりに部屋の中に響いていた。
133 :
1:03/03/24 22:35 ID:???
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・はい、ここでエピローグは終わりです。第二回天下一武道会はここで完全閉幕です。
約四ヶ月の間、読んでくださった皆様ありがとうございました。
正直・・蛇足になったかもしれません。本当は、シャアのくだりでやめておけばよかったのかもしれません・・
エピローグなしのほうが、よかったかな、と自分でも思いました。
けれど、自分としてはここまでかけて、とても満足しています。その後を書くのが必要だと思ったので。
表現したいことは詰め込んだつもりです。ちょっと、いやかなり失敗しましたけれど・・
ミライとシャアの話をこの後に、繋げるつもりでしたが、もうカットしました。
あまりに、くどくなるのはどうかな、と思ったので。ここで終わらせときます。
ぱちぱちぱちぱち(やはり終幕に拍手は必要ですよね?)
5ヶ月もの長い間本当におつかれさまでした。
もう一度読み直してさらにしんみりしてみようと思います
135 :
1:03/03/24 23:01 ID:???
たったいま。第二回が終わったばかりですが・・。
第三回天下一武道会も開催しようと思います。
第三回天下一武道会ははっきりいってギャグにするつもりです。
(第二回はあまりに真面目な話になってしまったので・・)
ノリ的には、第一回天下一武道会てきな作風に戻すつもりです。>>54-
>>62のような感じの。
そのほうが、筆も進みますので。
今度はきらーくにバカげた作品にしたいと思います。
世界情勢の不安もあり、重いのは、どうも気がめいりそうなので。
それでもいいからコイツ使えよ!バカ!って奴がいたら、どうぞかいといてください。
既出な人でも全然構いませんので。ありがたく話の中で使わせてもらいます。
ただ、物凄いふざけた作品にするつもりですので、その点はご容赦ください。
後、どんどん消えていくことになるかもしれませんが、それも多めにお願いします(笑)
四月の上旬辺りまで、まったり募集をしておきます。
あ、キャラには出てきた作品をかいといてくださいね。
あとなんでも一言メッセージを書いておいてくれるとうれしいです。
136 :
1:03/03/24 23:07 ID:???
ということですので、どーか、沢山のご応募お待ちしてます。
皆様の下さったキャラから、ピックアップしますので。
今回は、ちょっと面白い試みを考えてますので、暇ならば、是非、参加してください。
四月まで、自分も休憩しておきます。
第二回の方は、ご拝読ありがとうございました。あらためてお礼申し上げます。
それでは。また・・
>>134 ありがとうございます・・最後までみてくれて。ほんとに。
えと、第三回もお願いしますね(笑)
わ〜い。内容まだ読んでないけど(w
心洗われるなぁ
がんばって保全するね。
では、初めてのリクエスト。
ランバラルかノリス。
1様、ご苦労様でした。
1様ご苦労様です。
乙のジェリド希望
1さん乙です。
ヤザンキボン
140 :
134:03/03/25 02:13 ID:???
あんたっ、人を喜ばすセンスのある人だね!
というわけで三時間考えて
Gガンダムのシュバルツ・ブルーダーもよいかと思いましたが
1さんはあまりGWXに詳しくないそうなので
ファーストの「カイ・シデン(搭乗機:ガンキャノン)」をリクエストします。
ニヒルで軟弱で「ジオンを徹底的に叩く」な彼を見せてください。
1さん乙。
カイとビルギットの2トップが見たいでつ。
>>1さん
お疲れ様でした。またあのノリの作品が読めるのか。
何故誰もアムロを書かん?
半分冗談でゲイナーをリクエストしてみる。
1さんお疲れさまでした。
これから通して読みなおしてみようと思います。
途中割り込んでしまった124は俺です。ご迷惑をおかけしてすいません。
イザークとディアッカを・・・
1さん!乙!次も頑張ってください!
>>1さん乙です!
むしろ主役キャラより、渋い脇キャラオンリーのストーリーが見てみたい。
1さんお疲れ様でした!!楽しませていただきました〜。
Ζのカクリコンを是非おながいします!
こんどはキン肉マンみたくタッグマッチとか
早朝保守
aネルから、ブレイブ・コッドをキボン
aの迷キャラを1さんがどう描くのか気になるです
ノリス…ランバラル…ブレイブコッド…ヤザン…ゲイナー…などなど
次は「ドキッ☆親父だらけの天下一武道会V!!」だ!
オヤジという事で0083のバニング大尉をキボンヌ。
実はかなり好きなキャラなのです。
オヤジというわけではないが、
∀のギャバン・グーニーをお願いしまつ。
154 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/26 23:50 ID:dYIvTdxU
ビグロのパイロット、トクワンお願いします
午前一時age
156 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/27 01:03 ID:tqmQgjpV
>>155 人は同じ過ちを繰り返す・・・・まったく
ウッソは前に進めた。少しだけ。
静止摩擦力を超えてしまえばあとはゆっくりでもわりと楽に動くもの。
エネルギーはたくさんいるけれど。
1さんお疲れ様でした。
素敵な時間と素敵な気持ちをありがとう。
第三回も楽しみにしています。
で、誰かに言われる前に(もしかしたら誰も言わないかもしれないから)
「スレンダー」
スレンダーは第二回に残るので無理です
究極の噛ませ犬キャラ、サイ。
彼を出してやって下さい。
天下一1,2を通してなぜこの名前が出ないのか?
ジュドー。 別に好きでもないんだけどさ。
やっぱカミーユの二番煎じだから?
で。個人的には。。。アストナージ。
∀のロラン希望でふ
デミトリー
クラウン
マ
キボンヌ
163 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/28 13:04 ID:NylYqHHx
08のノリス・パッカードを出して下さい。パイナポー・・・
皆さん良いご趣味だ(一部の萌え師は除く
それでは俺はダムAピンナップ記念に、
クランプでw
朝保守
萌え師だろうとなんだろうとかまわないので愉快なキャラをどんどん挙げてください
カズイを出して下さい。
なんか使い勝手が良さそうな
グエン=サード=ラインフォード
キボンヌ
やっぱりここは連邦のエース
レビル元帥で
169 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/30 13:51 ID:8iDfwkhk
いくらなんでも沈みすぎだろ508は。
ギャグならヘタレ男が必要だろう。0083のキースキボンヌ。
前田吟
朝保守
レビル将軍キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
一発保全
朝ほっしゅ
いいな。0083のカリウス軍曹たのむよ。
175 :
1:03/04/01 13:18 ID:???
どうも、皆様、お久しぶりです。
たくさんのキャラ出していただいて、本当にありがとうございます。
出してもらったのはありがたく遣わせていただきますー。
けれど、わからないのもいたので・・(ゲイナーとか、ブレイブ・コット、デミトリーとか・・)
そういったのは申し訳ないですが、ちょっと割愛させていただきます・・すいません。
あんまり、細かいのは覚えてないんです。物覚え悪くて・・
第三回は、おそらくギャグですので、かるーく読んでくださいね。第二回系とは毛並が違うものになるつもりです。
がっかりしないでくださいね(笑)。しかもこの調子では、かなりオヤヂ系かも・・
今週には始めるつもりですのでマターリ待ってください。それでは、もう少々お待ちくださいませ。
PS. 08や0083は見たけど、あんまり覚えてないんです。すいませんー。
バニング中尉は好きだったから覚えてるけど(笑)
ああ、1さんはキングゲイナー見てないのか・・・
暇が出来たらDVDレンタルしてみるといいですよ
富野監督の最新作で、ゲイナーってのはそれの主人公なんです。
177 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/01 22:44 ID:1iMvF+vm
age
カズイは出るのか・・・
179 :
1:03/04/02 00:23 ID:???
えーと、カズィもわかりません・・すいません。どっか、人物表のサイトがあればいいのですが・・
あ、ギャグもそんなに、明快っていうか、そんな感じじゃないです。
書いててそう思いました・・。まぁ、第二回よりは明るい、ってことです。
>>176 キングゲイナーですね、今度、機会があったら借りてみます。
情報ありがとうございます。
人物のデータベース、googleで探して見たらこんなん見つかりましたけど。
ttp://www.interq.or.jp/jupiter/mcmurd/kana.htm カズイは現在放映中のガンダムSEEDのキャラのため、上のサイトには載ってません。
_,,.r-一ー‐-|
/'´,.〃 |
_, -‐' ''"´ |
/´ _,,.‐-、 |
/, ' / ミ、|
/ 〃, ..:,.-一' / `'|
/ '" ..:::::/ ‐' ィテ'' |
/...:::::::::::::| ‐'''''' ´ |
`ヽ、::::::::::゙、 ,rァ | こんな奴です
``ー-r'、 ´ ' _,,. ,.r-|
ヾ-、 ´ / -‐|
`''ー- ノ-一-、|
既に執筆に取り掛かってるみたいですが、
マイナーキャラのことはあまり気にせず気楽にやってください!
第三回楽しみにしてますよー。
そしてカツ・コバヤシをキボンヌ。
181 :
1:03/04/02 04:36 ID:???
>>180 おお、どうもありがとうございます。参考にさせていただきます。感謝です。
カズイみたことあります(笑
さて、それでは、ひっそりと始めさせていただきます。
できれば、週に二回は書き込みたいと思ってますけど無理な時は多めにみてください。
なにぶん、忙しいので・・すいません。
一人称で話は進みます。
ちなみに今回の主人公はガンダムのキャラクターではありません。普通の会社員です。
彼の視点でストーリーは進みます。どういうことなのかは、まず第三回天下一、一日目をお読みくださればわかると思います。
あと、登場キャラがこんなキャラの性格じゃないって苦情もどうか、勘弁してくださいw
感想くださると非常にうれしいです、それでは・・
182 :
前書き:03/04/02 04:38 ID:???
今日から、日記をつけることにした。
今まで、日記というものは女学生がつけるものだと偏見を持っていてつけたことはなかった。
けれど、それは自分の思い違いというやつで日記とは非常に便利なものだと気がついた。
第一に、記憶を写し取るので、あとで白痴のように忘れてしまうということはない。
第二に、書きながら、明確にその事実を思い出すことができ、再考できる。
第三に、読み返して感傷にひたるという行為が簡単にできる、という点だ。
だが、私がここに日記を記すことに決めた最大の要点は、今日の出来事が原因であることは恐らく間違いない。
まさに、くだらなく、低俗で、どこか悪い夢のような物語の始まりであるからだ。
終わりはどうなるか、わからない。ただ、滑稽な結末になるだろうと思う。
まぁ、そんなことは書いても仕方がない。私は比較的に事実を正確に記すことにする。
なんか、日記でも書かないとやってられない気分だからだ。
というわけで、私はひどく憂鬱な気持ちでこの日記を書くことにする。ほんと、いやだ。
できることならこの日記に書くことがなくなればいいのだが。
まぁ、無理だろう。
あぁ、早く帰りたい。 ( 三月一日深夜。六畳一間の部屋にて。)
183 :
1:03/04/02 04:42 ID:???
第 三 回 天 下 一 武 道 会 サイドA
三月一日(豪雨)
今日も、いつもどおりに九時に出勤した。
少しくたびれたコルセットに乗った私はうんざりするような渋滞の中を、ダラダラと走っていつものビルに滑り込む。
私が、出勤しているビルは、まるで東京都庁のように、空に向かって飛び出ているかと思えるほど高い。
エリートだけが通える超一流企業だ。世界でも5本の指にはいる企業といっても過言ではない。
警備の男に社員証を出して通行許可をもらう。
厳重な警備をしている受付の男たちに、少し同情の念を隠せない。
こんな雨の中、彼らは傘もさせないのだから。だが、同時に仕方ないとも思う。
所詮、能力のないやつはあんな仕事がお似合いだ、とも思うからだ。
エレベーターで最上階まで登る。
会長室付きの秘書。
それが私の肩書きだ。見た目は重要な役職に見えるが、実は・・ただの使い走りで尻拭い役だ。
いつも他人の推測のつかないことをやってのける会長のお守りというのが実情だ。
給料は確かにいいが、その分、心にかかる負荷は並大抵のものじゃない。
私はいつも、会長のお守りにうんざりさせられている。
この会長、一代でこの会社を築いた伝説的な人物なのだが、その分行動はとっぴょうしもない。
しかも、現社長にだまされて会長職に追いやられているものだから、半分、自暴自棄のような行動に走りがちだ。
この前は、あるテレビを見て、殴り込みにいくとか言い出すし、ラジオ番組にでては子供だろうと平然と罵倒する。
雑誌のインタビューではほとんど記事にならないと記者が嘆くし、テレビの依頼なんて私が事前に断っている。
そうしないと、どんなことをいうかわからない。生放送など永遠に出せない。NHKに出たときなど、一晩中、神に祈ったほどだ。
会長は、そんな苦労をまったくしらない。しわ寄せは全て私にくるのだ。勘弁してほしい、と思う。
会長に憧れて、秘書志望にしたのは、私の一生で一番のミスだ。こんなやつだと知っていたら絶対入らなかった。
私は、秘書室に入って机に座る。毎日磨いているので、ゴミひとつない。気分がいい。清清しい気持ちで席に座る。
すると、待ちかねたかのように禿げ・・いや、T会長がやってきた。私の春は、もう消えてしまった。
秘書室のすぐ隣は、無論会長室だ。電話があるのだからから、それで呼び出せばいいのだが、この人はいつもすぐこっちにはいってくる。
彼はひどくハイテンションだった。笑顔が、うっとうしい。
精神患者の躁状態に近い。こんなときはろくなことがない、と直感でわかっていた。私はこっそりため息をつく。
私は、朝の挨拶を丁寧にしようと立ち上がると、社長は手でそれを制止して、今日は凄いですよ、といった。
何がすごいのか、と私は丁寧に聞いた。
会長は、とりあえずついてきてください、、と言い放つと仕事に取り掛かろうとする私を半ば引きずるように部屋からでていった。
さらば、私のデスク。山積みの仕事と、私は思った。
会長は自分で運転をするから私は何もすることがなく、ただ窓の外から流れる景色をみていた。
いつのまにか、雨は次第にやんできていた。通り雨とは、おもえなかったのだが。
今思えば、私の運命を象徴していたのかもしれない。
車で走ることざっと3時間。私は、とある場所に下ろされた。
つれてこられたのは、都心から少し離れた、わが社の会社私有地の中にポツンと作られた、とあるアパートだった。
アパートが二つそこにはポツンと立っていた。
いや、アパートというには少し大きい。ちっちゃなマンションといった方が近い。全部が、真っ赤に塗られた悪趣味な建物だ。
そのちっちゃなマンションの隣に、隣接するようにもうひとつ別のマンションがくっついている。こっちは白だ。
いや、よくよくみていると二つの建物は真中のところに通路があって繋がっているらしかった。凝ったつくりだ。
しかも、どうやら二つとも木造らしい。だから、私はこれをAアパート、Bアパートと便宜上呼ぶことにする。
白いのがA、赤いのがBだ。
アパートのある建物内には、まるで小学校のグランドを5つぐらい掛け合わしたような広い敷地があった。広い。
いつのまにこんなものを建築したのかと私は、とてもうんざりした。何考えてんだよ、と思ったのだ。
また、私がすべての尻拭いをしなければならないだろう。そのことを考えただけでも、私の胃は痛んだ。
会長に促されてAアパートの方の玄関から中に入る。玄関で靴を脱がされる。土足禁止。ふむふむ。
だが、スリッパはない。私は、仕方なしに靴下で歩くことになった。
中は、驚いたことに、まるで昭和50年代をイメージしたかのような古いつくりだった。はっきりいってボロイ。
しかも、どうやら、共同浴場に、共同トイレの作りらしい。さしずめ、アパートというより寮に近いものだ。
子供のころ読んだ「めぞん一刻」のような感じを想像してもらったらいいかもしれない。
まるで、私はあの時代にタイムスリップしたような印象さえ受ける。古きよき昭和の時代だ。
古ぼけたガラス板の玄関、木でできた床、歩けばぎしぎしと嫌な音を立てて軋むところなど実にリアルだ。
とても新築とは思えない。
わざわざこんな建物を建てるとはさすが、キているな、と私は思った。
靴を置く棚に目をやると、どうやらここにはざっと・・10人以上は住んでいるらしい。
名前のプレートを見てみる。
カイ・シデン、アムロ・レイ、レビル、スレンダー 、ロラン・セアック、カツ・コバヤシ・・・etc
そういった名前が乱雑に張られている。
私は頭が痛くなってきた。会長のやろうとしていることがよくわからなかった。
会長にその旨を伝えると、会長は急に憮然となって
「そういうこと聞く人嫌いです。みればわかるでしょ!」と吐き捨てるようにいった。
見てわからなかったから聞いたのだが、と思った私は泣きたくなってきた。
そんな私の表情を見て、会長は仕方ない、といった感じにため息をつくとちょっと待ってなさい、というと
私を玄関に残して、スタスタとあるいていってしまった。トントントンと、階段を上っていってしまったのだ。
残された私は仕方ないので、このアパートの見取り図を確認してみた。
玄関前のここには、掲示板が置かれている。そこに張られてあったのだ。ほかにもたくさん張られている。
私は、それを眺める。
どうやら一階は管理人の部屋や、共同浴場、食堂、などがあるらしかった。
二階と三階は、それぞれ住人の部屋になっているらしかった。まさしく、寮だ。男子寮。嫌な響きだ。
屋上は洗濯物を干せるようになっているようだ。
私は、ため息をついた。こんな見取り図をみてなんになるっていうのだ。
考えても仕方ない。なるようになるだろう、というのが私の会長との経験で得た唯一のことだった。
いつも、あの人はこっちの推測の斜め前を悠然といくのだから。
私は、正面玄関のところに座り込んだ。
そこには、一応椅子がおいてあったのだ。電話があるから(しかも黒電話)ここで話すためだろう。
ボロイ椅子だ。年季が感じられる。本当にどこかから調達してきたのだろう。
アンティークショップでしかみれないな、と私は座り心地の悪さに眉をしかめながら思った。
暑くなってきたので、背広を脱ぐ。ついでにネクタイもはずす。別にかまわないだろう、と思ったからだ。
こんなところでネクタイをしっかり締めてられるほど、私はできた人間ではなかった。
大体、三月なのにこの中暑すぎる。暖房を入れすぎだ。もったいないぞ、と思った。
ネクタイを外すと少しは涼しくなった。
気が楽になって、私は大きなあくびをする。昨日はほとんど寝ていない。女が寝かせてくれなかったのだ。
首を二、三度回して眠気を取ろうとする。何回かまわすと眠気は多少薄れていった。
しっかりしないといけないな。と、自分に気を引き締めなおす。頑張らなければ、と思った。
そして、なんの気なしに掲示板に張り出されていた張り紙を見る。
「 や ら な い か ? 」
それだけしか書いてない張り紙があった。
まるで、意味がわからない。墨で、書きなぐるようにかかれている。
私はその張り紙をまるで間抜けのように、ぼうっと眺めた。
どれだけ見ても意味がわからなかった。何をやるっていうんだ?さっぱりわからない。
けれど、じっとみていると、どこかその文字の中にどす黒い欲望、と言ったものを感じることができた。
そのとき、玄関の方から音がした。私は反射的に振り返った。一人の女性が玄関のガラス戸を開けて入ってきたとこだった。
買い物カゴをさげた女性だ。髪は金髪。目がとても澄んだ美しい女性だった。
街角でであったら、十人中9人の男が振り返るだろう。それほど、美しい女性だった。
その女性は私をみて、多少驚いたようだった。確かに、玄関前の椅子に頓馬のように座っている自分は不気味だろう。
しかも部外者だ。驚くのは無理がない。
だけど、私だって好きでこんなとこにいるわけじゃなかった。あの禿・・いや、会長の所為で仕方なくここにいるのだ。
それを主張したいわけではなかったが、私はわざとらしく立ち上がると、コホンとひとつ咳払いをした。
その咳払いで、何気ないものだったが、その場の一瞬の空気は緩和したようだった。
彼女は私を変質者と勘違いしてたらしく、玄関先にたったままだったが、その動作で安心したらしく、ようやく靴を脱いで上がってきた。
彼女が靴を下駄箱に直すとき、私は目ざとく名前をチェックした。・・セイラ・マス。
要チェックだと、めざとい私は思った。いい女には目がないのだ。
私は、彼女がこっちに振り向きなおしたのを見計らって爽やかに挨拶した。
自分は、この敷地の所有会社の社員であると。今は、会長に連れられてここにきていると簡潔に述べた。
彼女はその言葉で「ああ、そうなのですか。それじゃ、貴方が・・」と何かに気がついたようにいった。
私が、その言葉の意味が気になって問いただそうとした直後、会長が階段を降りて現れた。
彼女が、会長を見て挨拶をする。会長も今帰りですか、と聞いている。
そうです、と彼女が答えたのを頷いてきくと、私の方を振り返り、「ちょっと、食堂に来なさい」といった。
私はため息をつかざるを得なかった。
食堂はそんなに広くはなかった。
おそらく、二十人も座れば満員になるだろうと思われた。
椅子の数、机のスペースから計算して、それは間違いない。ざっと二十人だろう。
けれど、今は私と会長しかいない。
私と会長は、そこのテーブルに置かれてあった水差しから水をコップに移して飲んだ。
すごく生ぬるかった。
会長は旨そうにそれを一気に飲み干して一度唸ると、ようやく話し出した。
とても、楽しそうに。愉快そうに。目を輝かせながら。
今思うと、私はその話を聞きながら何度、目の前の水差しを頭にぶつけてやろうと思っただろう?
顔面をこの前のボブサップのようにしてやろうと何度思っただろう?
多分、18回は思ったに違いない。それほど、ばかげた話だった。まさに、コメディだった。
今、思い出しても笑えてくる。ペンを持つ手が震えてくる。ハハハ・・ハァ。
以下、全文。
私と会長の会話。一応忘れないうちにかいておこう。
(会長は私に対しても敬語を使うのだ)
「びっくりしたでしょう?こんな建物に突然つれてきて。その点はまず君に謝っておきます。
順をおって話しますからしっかり聞いてください。僕は思ったんです。このままじゃいけない、って。
僕がニュータイプって言葉を使わなくなったのは、 ニュータイプの概念を拡大解釈する人が嫌だったんです。
ニュータイプは、エスパーじゃないよ、っていってもみんなが聞かないからなんです。
だから、大河原とかが新作作ろう、とか何いっても僕は首を縦に振らなかったんです。ニュータイプは死んだとまで思ったんです。
だけど、最近僕の中でなにかが変わりまして、決してロリコンがアカデミー賞をとったからじゃないんですが、
ニュータイプって概念を消し去るのはもったいないな、って思ったんです。
私は、一度絶望したけれどもう一度だけ、夢を乗せられるんじゃないかと思ったんです。
それには、人は進化するべきだ、という僕自身の考えがあるからです。
それはどういう事かというと、 ニュータイプを今度は戦争ものじゃなくて、別の面から作り出せないか、と思ったんです。
これは私にとって、ある種の転換になったんです。」
「転換・・ですか?」
「ええ。どういうことかというと、ちょっと説明が難しいのですが、まぁ、聞いてください。
私はニュータイプを今までアニメという媒体で表現してきました。これが違ったんだと私は気がついたんです。
アニメは通り過ぎる情報ですから残らないんですね。これは盲点でした。
だから、今やってる・・シードですか?あんな愚にもつかない物を生み出してしまうんですね。」
「はぁ・・確かにそれはそうですが。」
「だから、私は今度は雑誌を作りその中で表現してみたいと思うんです。
題名も決めてるんです。週刊少年ガンダムっていうやつなんです。これで僕はもう一度チャレンジしたいんです。」
「雑誌を作るって・・会長の小説は読みにくいって評判ですよ?」
「ええ。だから、僕は書きません。アムロくんや、ロランくんといった若い人たちに書いてもらおうと思います。
そのためにこういったアパートを作ったんです。昔でいうトキワ荘みたいなものです。
知ってますか?トキワ荘?しらなくても構いませんけれど。
そして、私は同時にランバラルや、ヤザンといった年を取ったキャラにも発表の場を与えるべきだと思ったんです。
ひとつには、ニュータイプとは成長する人間がなるものだという事がわかった時点で
アムロ・レイなどが主役として果たしてきた仕事は終わっているんじゃないかと僕が思い始めてしまったという事もあるんですね。
さらに、ニュータイプとは人と分かり合えるんですから当然、活字という媒体でも自在に表現できなければおかしいんです。
そしてオールドタイプといわれる人達も、もしかしたら戦場ではなくてですね。
ペンをもった媒体の上でならきっと互角に戦えると信じたいという面もあるんです。そうじゃなきゃ、悲しいんです。
そうすれば、彼らもニュータイプとなれるんじゃないか、と僕は信じたいんです。
今のガンダムでは、オールドタイプに救いがありませんから。」
「トキワ荘・・」
「だから、ある意味救済ということでもあるんです。これは。僕は、そういう風に考えると、物凄いカタルシスを感じるんです。
昔からそうなんだけど、僕って思い立ったらすぐに行動しちゃんですね。
だから、このアパートも君に黙ってつくっちゃいました。もうひとつ別の計画も立ててます。これも貴方にお願いするつもりです。
だけどとりあえず、君にはここで彼らの書くもの・・それは、漫画であり、エッセイであり、小説であるんですが・・
それに対しての編集者的存在になってほしいと思ったからです。あくまでも存在です。
もちろん、君がそんなことをしたくないのはわかっています。わかってて敢えて頼みたいんです。
そういう意味では、僕ってひどい上司だなぁ、という気持ちがあります。 バカジャネーノ?、って思ってくれても構いません。
ただ、そういう事を経験することで君も大きくなれると思うんです。僕は、そう思うんです。
だから、君にはここに管理人として住み込んでもらおうと思うんです。」
「え・・!?私が・・ここに・・?住み込み・・ですか?」
「そうです。私は某少年漫画のように毎回アンケートを取って、一番人気のないものを打ち切りにするつもりです。
それはくだらないものを読んで、これが富野の言いたかったことと思ってほしくないからなんです。
たとえば、今度十人の人に連載を始めてもらったとします。単純に考えると十週で雑誌は終わります。
最後の週は一人の作家が全ページを書くことになります。あり得ないと思うでしょ。けれど、僕はそれでいいと思うんです。
ビビッドな感性を育てるにはそのぐらい冒険が必要だと気づいたんです。最後まで残った人にはそれなりの物をあげるつもりです。
端的にいえば、これは天下一武道会ってことです。他の漫画の表現を遣わせていただくのは大変恐縮ですが。
常識に考えて、こんなのは失敗するに違いありません。けれど、私は貴方ならそこを変えてくれると信じたいんです。
そのためにはここに住み込んで、彼らをサポートしてあげて欲しいんです。最後の一人になるまで。」
「そんな・・めちゃくちゃな理論じゃないですか・・・・」
「まぁ、深く考えないでください。あなたはただ、面白いか面白くないか判断してくれればいいんです。
別にまた富野が何かし始めたよ、ってぐらいに考えてくれていいんです。どうせ失敗するってみんな考えるのはわかってるんです。
けれど、考えてください。ガンダムだって最初は決して成功したわけじゃないんです。事実、打ち切りされてるんですから。
終わって僕が途方にくれていたら、いつのまにか人気が蘇っただけなんですね。そういう意味ではラッキーなだけだったんです。
だから、これだって最初は批判を浴びるけれども、最後はみんな認めてくれるんじゃないかな、と思いたいんです。
正直、それが成功したならば僕はもう死んだって構わないんです。とりあえず発行部数は100万部を目指します。
で、最後にいいたいのは、僕が酔狂でこれをするんじゃないってことです。貴方だからこの企画を頼めるんです。
もっと端的にいえば、貴方にしか頼めないんです。だから、お願いします。」
そういって見事に禿げ上がった頭を下げる。
私は深いため息をついた。
「・・わかりました・・どうせ、私に拒否権はないんでしょう?
いやですけど・・・首はもっといやだから・・引き受けますよ・・」
以上が、この会話の全文である。
書いてみると、彼がいかに支離滅裂なことをいっていたのかよくわかる。
しかし、話してるときは異常な説得力を持っているのも確かだ。私は、それが彼の凄いとこだと思っている。
この後、ここの住人との顔合わせがあったが、それはまた明日にでも記すことにする。
私は、ここに残って管理人になることになった。しかも「週刊少年ガンダム」の編集者、としてだ。
非常に憂鬱だ。
一階にある管理人室にまさか私が住むことになるとは思わなかった。
スーツしかないから明日はマンションに取りに帰らなければいけないだろう。
いや、もうあのマンションを引き払ったほうがいいのかもしれない。いつ帰れるのかわからないからだ。
どうしてこんなことになったのか、私は未だに理解不能だ。
だが、現状はどう考えても夢ではない。私は、これから、どうすればいいんだ。
・・ちなみに今この日記を書いているときにグエンという人物が早速、漫画を書いたので見てくれと尋ねてきた。
題名は「ロラン1/2(二分の一)」というらしい。
水を浴びるとローラという少女になってしまう特異体質を持った、ロランという少年が起こす、ドタバタコメディだそうだ。
絵は、上手いが何か邪悪なモノを感じる。大体毎ページ、主人公のヌードがあるのはどういうわけだ?サービスにしても過剰すぎる。
しかも食卓の絵には、ウインナーしかない。なぜだ?疑問に思った私は、グエンという青年の話をきくことにした。
色々と彼の話を聞いてみると掲示板にかかれていたあの張り紙は、彼が張り出したものだとわかった。・・変態カモシレナイ。
危険だ。
そう判断した私は、こんなのはボツだ。さっさと持って帰れ、と冷たく言い放った。
しかし彼は「うれしいこと言ってくれるじゃないの」 と全然めげてなかった。なんか危険を感じたので彼を全力で部屋からたたき出す。
叩き出して部屋のドアを厳重にロックした後、布団に倒れこむ。そして頭だけ上げて部屋を見渡す。
・・管理人室も昭和50年代的な部屋のつくりだ。
布団に畳、あとはコタツ机、そして白黒テレビ。これですべてだ。これは、会長の懐古趣味なのだろうか・・。
ただ、データを送るためのパソコンだけが現代との接点を感じられる。私は部屋の裸電球をじっと見つめた。
ふと、枕元に、まだ原稿用紙が一枚残っているのに気がつく。彼をたたき出した時に、落ちたものだろう。
寝転んだまま手を伸ばしてそれを拾うと、即座にグシャグシャに丸めて、ゴミ箱に投げ込む。ポス、と音がしてはいった。
ナイスホールインワンだ。やったー。ハハハ、と声を出してひとしきり笑う。
・・この仕事、早速辞めたくなってきた。明日からがとても憂鬱だ。
神よ、私を導いてください。私は生き延びることができるのか?そして雑誌は本当にできるのか?
(以上、一日目終わり)
(;´Д`)ハァハァ
ワラタ
「やらないか?」に“毎ページ主人公のヌードのある漫画”
激しく笑いました(w
乙です。
いや、しかしこうきたか。。。
楽しみが増えますた。
>>175 デミトリーはザクレロのパイロットですわん。一応。
グエン希望した者です。さっそくの起用有難うございました。
「週間少年ガンダム」
そう来たかぁー
これからも楽しみにさせていただきます
すげぇ、期待が持てる出だしです
しかし、1さんのお年がバレるような(w
ウホッ!禿しくワラタ…
まさかこう来るとは予想だにしていなかった!
祝!1さん復活。
いや、去年からお世話になってます。
また今回も楽しそうなの考えてくれちゃって…。
いや、ブックマークから削除しなくてよかった。
しかし、1さんのトミーノは生々しい
昨日はよく眠れなかった。
人間、枕が替わると眠れないというのは事実だと痛感する。
特に精神的に不安定なときは。
寝不足の今朝も、いつもどうりに七時半に起きる。別に目覚まし時計がなくても私の寝起きは完璧だ。
ロボットの様に、一ミクロンの狂いもない。
布団を折りたたんで、押し入れにしまう。押入れの中はとてもかび臭かった。
ド○えもんがいそうな押入れだ。寧ろ、いてくれたらどんなにいいだろう、と私はちらりと思った。
顔を洗うために、シャツをはおると部屋を出る。一流ブランドでオーダーメイドしたシャツで、汚れるのは厭だがしょうがない。
なにせ私は着の身着のままで、ここに放り出されたのだから。
私の住むことになった管理人室は、ちょうど玄関からあがって真っ直ぐ続く廊下の手前にある。隣は階段になっている。
だから、とてもうるさい。人が上り下りするたびに、いいようのない音が聞こえてくる。昨日もそうだ。
ギシギシと、きしむ床の音を聞きながら、私はゆっくりとあるく。髪を触ってみると、オールバックの髪がぼさぼさになっていた。
男前が台無しだ。私は、ためいきをついて玄関に向かった。
顔を洗うのは、外にある玄関脇の水のみ場しかない。二階と三階にはそれぞれあるらしいが、私は行きたくない。
何が悲しくて、あんなむさい空間に好んで足を踏み入れる必要がある?それなら私は、外を選ぶ。
まるで、運動会の小学生のようだ。子供が足を洗うところのような場所で、私は顔を洗わなければならない。朝から気分は最悪だ。
外は、私の気分とは裏腹にいい天気だった。昨日の雨が嘘のようだ。太陽は、その姿を陽気にあらわしていた。
私は、そんな外の爽やかな風景を見ると、少しだけいい気分になって、はだしのまま外に出た。
アスファルトで、水のみ場までは舗装されているので、たいして汚れないだろうと思ったからだ。
しかし、予想以上にアスファルトは熱かった。私は、まるでフライパンに投げ込まれた新聞記者のように飛び跳ねた。
そんな私の様子を見てくすくすと、笑う人物がいた。
どうやら、外には先客がいたらしい。私は、かすかに顔が赤くなるのを自覚した。しまった。
平静を装って、笑った人物を見る。足の熱はもう大丈夫だった。
美しい少年だった。いや、ある意味、少女のような顔をしている。
褐色の少年だった。アンバランスな銀色の髪がどこかその少年を際立てていた。
けれど、私は、そのときはそんなことより笑われたことの方が重要だった。
そして、この少年は、その道のやつに狙われるだろうな、と考えた。まぁ、私には関係のないことだが。
その少年は、笑うのをやめて、こちらにペコリ、とお辞儀をして「おはよう御座います」といった。
けれど、元来、見栄張りな私は笑われたことに腹を立てていたので、無視をした。
黙ってその少年の隣に立って蛇口を捻り、頭から水をかぶった。冷たくて気持ちがよかった。
綺麗な透き通った水だ。私は、一旦、頭を上げて、濡れた髪をオールバックに整えた。
手のひらで水をすくって顔をゴシゴシと洗った。石鹸はあいにく持ち合わせがなかった。
歯ブラシももっていなかったので、口をよく漱ぐことで私は我慢した。今日は取り合えず生活雑貨をとりにマンションに戻らなければ。
顔を洗い終わった私は間抜けなことにタオルを持ってきてないことに気がついた。
部屋には、一枚古ぼけたタオルがおいてあったが、あまりの汚さに雑巾だと勘違いしていたのだ。
私は、顔を洗い続けながら、困った。また、笑われるのは勘弁してほしかった。タオル持ってないのは失態だった。
そのとき、私の肩をその少年がたたいた。私が怪訝そうな顔で彼を見ると、笑いながら私に自分が使っていたタオルを渡してくれた。
「タオル持ってないんですよね?どうぞ、使ってください」そう言ってにっこりと笑う。
私は無言で彼から、タオルを借りると、顔を丁寧にふいた。ついでに頭のゴシゴシと拭いておく。
そうすると、一気に気分がさっぱりした。さわやかな風が私の頬をなでていった。
やはり朝は気持ちがいい。そう思った。
私は、その少年に感謝する気になった。イイ少年じゃないか、と思った。タオルを返しながら、ありがとう、と礼をいう。
少年は、にっこりと笑うと「管理人のかたですか?」とタオルを首にかけながら言った。
私がそうだというと、よろしくお願いします、といって頭を下げた。どうやら、彼もこのAアパートの住人らしい。
昨日は君はいなかったと思うけど、と私はあの後の光景を思い出していった。昨夜の食堂での挨拶のときだ。
確か、むさそうなオヤジどもと、生意気そうなガキ、根暗な少年がいただけだった。こんな少年がいれば、私が気がつかないはずがない。
私は記憶力がよく、一度あった人間はけして忘れないのだ。
そのことをいうと少年は、「昨日は向こうのアパートにいってたんです」と、隣のアパートを指差した。
真っ赤なアパートのほうだ。趣味が悪い。私が便宜的にBアパートと名づけたほうだ。
どうやらこの二つの建物は、線対称のようになっているらしかった。かがみに移したようにまるで同じ建物だ。
向こうにも同じように水のみ場があり、玄関があり、同じように花壇がある。ただ、色だけ違うだけだ。
少年が、ここの水のみ場の広場を、白の広場。向こうの水のみ場の広場を、赤の広場というんですよ。と教えてくれた。
私は、なるほど、と相槌をうった。
ゆっくりと周りをみわたす。白の広場は、テニスコート一面くらいの広さがあった。長方形の広場だ。
それをまるで囲うように、花が植わっている。この少年がうえたものかもしれない。水仙が綺麗だった。
桜の木もあった。だけど、それが咲くのはまだまだ先だろう。
そのとき、二階の方から声がした。
私は、顔を上にあげた。そこには窓から身を乗り出さんばかりに昨晩の青年がこちらをみつめていた。
彼は、大声で突然、叫んだ。きちがいのように。
「そうだ!
どうせ聞こえるなら、聞かせてやるさ!
ロラン!
好きだァー! ロラン! 愛しているんだ! ロランー!
君が女装をする前から 好きだったんだ!
好きなんてもんじゃない! ロランの事はもっと知りたいんだ!
ロランの事はみんな、ぜーんぶ知っておきたい!
ロランを抱き締めたいんだァ!
背骨が折れて肺に刺さり、呼吸困難に陥り仮死状態に陥るくらい抱き締めたーい!
心の声は 心の叫びでかき消してやる! ロランッ! 好きだ!
ロランーーーっ! 愛しているんだよ!
ぼくのこの心のうちの叫びを きいてくれー! ロラァァーーーン!
部屋が隣になってから、押し入れから毎日、君を覗いてローラを知ってから、僕は君の虜になってしまったんだ!
愛してるってこと! 好きだってこと! ぼくに振り向いて!
ロランが僕に振り向いてくれれば、ぼくはこんなに苦しまなくってすむんです。
優しい君なら、ぼくの心のうちを知ってくれて、ぼくに応えてくれるでしょう
ぼくは君をぼくのものにしたいんだ! その美しい心と美しいすべてを!
誰が邪魔をしようとも奪ってみせる! キースでも!ディアナでも!ソシエでも!殺してやる!
恋敵がいるなら、今すぐ出てこい! 相手になってやる! 僕が倒してやる!
でもロランがぼくの愛に応えてくれれば戦いません!
ぼくはロランを抱きしめるだけです! 君の体の奥底にまでキスをします! ハァハァ!
力一杯のキスをどこにもここにもしてみせます! だからメイド服を着てください!
キスだけじゃない! 作品もすべて君のことをかきます! それが僕の喜びなんだから !
喜びを分かち合えるのなら、もっとふかいキスを、どこまでも、どこまでも、させてもらいます!
ロラン! 君が素っ裸でブリッジしろというのなら、やってもみせる!やらないか!?
だから!布団しこう!な!? 」
私と一緒にいた少年の顔の次第に引きつっていくさまはとても興味深かった。
「君がロラン、なのかい?」と私が、つとめて冷静に聞くと少年は、そうです・・、と青ざめた顔でいった。
「毎朝、僕がここにいる時にいうんですよ。まったくグエン様は冗談がお好きなんだから・・アハハ・・」とその後に続けていった。
私にはまるっきり本気のように聞こえたが、これ以上干渉したくないのでほうっておいた。触らぬ神になんとやら、だ。
ロランと呼ばれた少年は、独り言のように小声で「キモい・・」と呟いて、先ほどまでの元気が嘘のように、しょんぼりとアパートに戻っていった。
私は少年に同情した。あれでは近い内にノイローゼになるだろう。だが、所詮人事だ。
その時の表情は、どこか、みたことがある顔だと思った。
そこで私は、少年が昨日あの男がもってきた漫画の主人公によく似ていた、とようやく気がついた。
私が一人で納得して頷いていると、Bアパートから人が何人か出てきた。
そして、同じようにアパート前の水のみ場で顔を洗い出した。あそこは、赤の広場、だろう。
地面のアスファルトも真っ赤に塗られている。なんだ、あれは。彼らは共産主義なのか?など、私は考えた。
私との距離はざっと三十メートルといったところか。彼らも太陽の陽気を浴びて気持ちよさそうだった。
だが、すぐに小競り合いみたいなものが始まった。どうやらいい年をしてケンカらしい。まったく何を考えてるんだ。
慌てて、一人の少年がBアパートから出てきて止めに入った。だが、なかなか終わりそうになかった。
私は、別に興味がなかったので、ロランという少年の後に続いて、真っ白な自分のアパートに戻った。
・・ここまで書いて思ったんだが、この調子で毎日一日を書くと、すさまじい量になりそうだ。
だが、これも最初だけだと思って我慢する。
私は一旦管理人室に戻って髪をきちんとセットしたあと、食堂に向かった。朝食をいただくためだ。
朝食と、夕食は食堂で出ることになっていた。ただし、材料費は払わないといけない。
ただで飯はたべられない、ということだ。当然のことだが。
昼食は、各自、自分でつくるかもしくは、何処かに食べに行くしかない。
幸い私は料理を作るのは、苦ではなかった。大学生時代に嫌というほど作っていたからだ。
イタリア料理店でのバイト時代を思い出す。私の得意料理はペペロンチーノだ。
そんなことを考えながら、私の足は食堂に向かった。といっても歩いて30秒もかからない。
そういえば、昨日からロクな物を食べていない。昨日は食欲すら感じなかった。
今は、幸いなことに軽い空腹を感じていた。
背中とお腹がくっつきそうなほどではなかったけれど。
食堂に入ると、既に数人が食事をしていた。
ランバラルという中年と、先ほど外であったロラン、それにニヒルな青年が一人、確か・・カイとかいったな。
食堂には備え付けのテレビが、おいてある。何やら、くたびれたアナウンサーが他愛もない事件をおおげさに伝えていた。
ここのシステムは、出来合いの料理がならんでいるのから各自が勝手にとっていくものだ。だが、朝食のメニューは決まっている。
私は、味噌汁と、豆腐、さらにご飯を大盛りに、鮭の切り身の載ったトレイを受け取ると、たったまま適当な場所を探した。
そのとき、チーンと、まるでお経の時のような音がした。
私は、後ろに立った男を見る。きざっぽい髪型をしたやつだ。私は、一瞬で、目の前の男が嫌いになった。
彼はもう一度、汚い茶碗を箸で叩いて、チーーンと音をさせた。
そして、「いい音だろ?」と自慢げにいった。私は曖昧に頷いた。確か・・マ・クベとかいう男だと私は思い出した。
彼は、食堂の女性、・・これは昨日の金髪の女性ではない。もっと地味な顔をしている。
確か、フラウ・ボウとかいった。その女性にその汚い茶碗をさしだして、私にも食事を、と言った。
だが、彼女は首をはっきりと横に振ると、
「あなたは、もっと食費を納めてもらわないとこれ以上食べさせるわけにはいきません」と、ハッキリと言った。
「ばかな、考えてもみろ?あれだけのお金を納めたのだ。私はあと十日は食べられる!」とその男は焦った様子で主張した。
そのまましばらく押し問答していたが、やがて男はあきらめたのか、茶碗を彼女の前に置き放つと
「これ、ちゃんとしまっておいてくれよ?いいものだから・・」と力なく言っていた。
私は、馬鹿らしくなってその場を離れた。
食事が終わった後、私は、マンションに一旦荷物を取りに戻った。
だが、そこでの出来事はめんどうなので割愛する。
とにかく。私は、バス停まで歩いていき、バスに3時間以上揺られ、マンションに帰り、必要なものをまとめたのだ。
すごくめんどうだった。車を会社に置きっぱなしだったのだ。
会長は車に乗って帰ったので、私はバスで戻るしかなかったからだ。
私が、服やレコード(唯一の趣味)、それに書類、のたくさん詰まったバックを持って帰ってきたのは、もう5時になろうとしていた。
アパートの後ろに、夕日が沈もうとしていた。真っ赤でとても美しい光景だった。
こんな美しい夕日をみたのは、子供のころ以来かもしれない。私はしばしその場にたたずんだ。
白の広場には、公園にあるような細長いベンチがあったので其処に座り私は夕日が沈むのをただ眺めていた。
私はリリカルな気分になっていた。世界に自分しかいないような感覚さへ覚えた。
私と太陽と地球。世界にはその三つの原子しか存在していない気すらした。私は大きく息を吸い込む。
微かに、硝煙の匂いがした気がした。私は、不思議に思った。
詩人的な気分になった私はその気持ちのまま部屋に戻った。
相変わらずの六畳一間だ。だけど、管理人室には一応水道と、ガスコンロが設置されている。
だから、コーヒーぐらいは飲める。もっともミネラルにもこだわる私には水道水でつくることはない。まずいからだ。
冷蔵庫は、食堂にでかいのがひとつあるだけだ。そこにみんな置いているらしい。
私も、あとで買ってきた瓶ビールをそこで冷やしておこうと思った。それぐらいいいだろう。
荷物をすべて下ろす。両手に大きなバッグが二つ。背中にリュックがひとつ。
そして、私は薄っぺらい座布団に腰を下ろすと、ポケットからタバコを取りだした。
禁煙するつもりだったのだが、どうも吸わないとやってられそうにない。
一本、適当に取り出すと、私はマッチを吸って、火をつけた。そして、灰皿にマッチを投げ込む。
肺のすみずみまで、煙を吸い込むと、一思いに吐き出した。私は満足する。
ようやく、人心地ついた。窓に目をやる。
ここの縁側からも夕日の沈む様子がよく見えた。赤く、力強い。
私がタバコをもみ消すべく再び、コタツの上の灰皿に目をやると、下に原稿が挟まっているのに気がついた。
そうだ。私は編集者だったんだ、と私は思い出した。
灰皿をどけてなかの書類を取り出す。ちらりと目を通して、驚いた。今回は、漫画じゃない。
コラムのようだ。面白ければなんでもありの雑誌だからそれでもいいのだけど。
まず、作者名を見る。アストナージ・メドッソ。
私は題名を読む。
「美味しいサラダの作り方。」
中々、ためになりそうだ。けれど、週刊少年誌にサラダの作り方を載せる必要があるだろうか?
私は一瞬、そう思ったけれど、取り合えず読むことにする。その後、判断するべきだと思ったからだ。
以下は、その文である。途中、省略しているところは、勘弁するように。
「美味しいサラダの作り方。」 アストナージ・メッソド
皆さん、こんにちわ。
私はアストナージ・メッソドという機械工だ。いわゆるメカニックだ。少年諸君には憧れの仕事だと思う。
機械の腕は、天下一品だ。整備した機体は完璧に仕上がっている。パイロットはみんな俺に感謝している。
それは、俺が調整した機体は、すばらしい性能を発揮するからさ。
これにはコツがある。まず、腕の部分のマニュピレーターの動作を(中略
・・というわけで、戦場でいかに美味いサラダがありがたれるかわかったと思う。
それじゃ、肝心の作り方なんだけど。ちょっと待ってほしい。
私の作るサラダは、ほんと美味しいんだ。
ほんと、これを食ったやつみんな、美味すぎて昇天しそうだ、なんて軽口をいうぐらい。
もっとも半分のやつは本当になっちゃたんだけどね・・・帰ってこないかったよ・・二度と。
もう一度、食べさせたいやつもいたんだけどね・・精神病院にいったやつもいる・・。
戦争ってのは残酷なもんさ・・俺は何度もそんなことを味わってきた・・まさに地獄・・
おっと、いけないいけない!深刻な話は、駄目だよね?
さて、それじゃあ、つくろうか。今、この原稿は実際に作りながら書いてます!
そのほうが、臨場感が伝わるだろう?読者のみんなは舌なめずりしておくように(笑)
トマトと、レタス。それにゴマを少しと、卵を用意してください。用意したかな?
まず、よく水洗いしたレタスを・・あ、ゴメン!今、携帯に連絡が入っちゃった。
ちょっと、待っててね!すぐに美味しいのを紹介するから。アストナージとの約束だよ?
(ピッ)
はい、もしもし?アストナージです。
え・・!?
ちょ、ちょっと・・!
本当に・・?嘘だろう!なぁ!!
い、いや、ゴメン・・別に君を責めてるわけじゃないんだ・・
わかった・・いや・・教えてくれてありがとう・・
それじゃ・・うん。
君も気をつけて・・じゃあ・・
(ピッ)
あ・・ごめん・・。お待たせちゃったね・・さぁ、作ろうか・・
まずはね・・よく水洗いしたレタスを・・皿にもって・・
トマト・・トマトを潰す・・オエェェェ!あ、ゴメン・・ちょっと気分が悪くなってしまって・・
トマト・・真っ赤だよねぇ・・ほんと・・凄く赤いよね・・?赤いね?
実はさ、今、知り合いから電話でケーラが・・戦死したって・・聞いて・・アァァァァ・・アアアアア!
その死体が・・まるで・・トマトの潰れたようだって・・アァァッァァッァァッァァァl!!
トマト!トマト!プチ!トマト!もうやめだ。こんな原稿。赤すぎるんだ!サラダなんてみたくもない!
読者のみんな、美味しいサラダをつくりたきゃ戦場にいくんだ!そしたら、真っ赤なトマトが・・オェェェェエエエ!・・
いつでもォォォ!見れるよ!テレビじゃ実感ないだろう!中東じゃ・・いまも・・新鮮なトマトができてるよぉぉ!!!モギタテェェ!」
(完)
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私はそれを迷わずごみ箱に叩きこんだ。
・・こんなもの載せられるわけがない。なんだ、この落ちは。わざとだろうか。グロイ。グロ過ぎる。
こういうのを読者が求めているとは到底思えない。読んでいて私は憂鬱になった。迷わず、没だ。
第一、ケーラって誰だ?説明がないぞ?
私はこんな食欲のなくなるコラムは読みたくない。夕日の赤が気持ち悪くなってきた。
せっかく人がリリカルな気持ちでいたのに台無しだ。まるで、いやがらせのようだ。
頼むからまともなのを届けてほしい。これなら「ロラン1/2」のほうがまだいい。
・・この日記を書いていて思ったのだがアストナージとやらの代わりに別の誰かをよぼう。
彼には、ここよりもっとイイ場所がある。彼の戦友もいってるみたいだから、ちょうどいいだろう。
なんか疲れた。今日は、もう日記はここまでにしておこう。
日記は、大学ノートに書いているので、普段パソコンを使い慣れた私にはきつい。
こんな風に克明に書いていたら、いずれ右手が腱鞘炎になりそうだ。まったく。
それにしても、二階が騒がしい。もう夜中なのに何をさわいでいるんだ?
うんざりだ。以上、二日目。終了。
・・そういえば、
まだ、アパート住人の名前を書いていなかったので下に記す。
昨日、会長の紹介で、一通りは食堂で挨拶をすませていたのだ。
201号室 アムロ・レイ
202号室 カイ・シデン
203号室 ロラン・セアック
204号室 グエン=サード=ラインフォード
205号室 イザーク
206号室 スレンダー
301号室 ランバラル
302号室 ギャバン
303号室 レビル元帥
304号室 マ・クベ
305号室 カクリコン
306号室 (空室) = アストナージの部屋 (補欠のクラウンが代わりに入居予定)
ちなみに階段に近いほうから番号が振られている。
そして2で始まるのが二階の部屋で、3で始まるのが三階の部屋だということをあらわしている。
見てもらえばわかるが、今朝、グエンが叫んだのは204号室からだということだ。
いずれ、このアパートの見取り図でもかこうと思うが、私は絵が下手なのでいつ書くかはわからない。
それにしても3階はむさくるしい。まさに男の園だ。近寄りたくない。
なぜ女性が一人もいないのか、私は理解に苦しまざるを得ない。これでは、楽しくない。
私は、このような人材を選んだ人達を憎まざるを得なかった。これでは、若い私はどうすればいいんだ。
まさにオヤジだらけの天下一武道会だ。
フラウボウや、金髪の女性はどうやら、通いで定期的にきてくれるらしい。住み込みではなく。非常に残念だ。
まぁ、いい。毎週、最低人気のやつはこの寮をさっていくのだ。
そうすれば、どんどんと空室が生まれていって、空気の澱みも薄れていくだろう。
グッバイ。アディオス。また、来週ってことだ。
さて、夜もふけた。私も本当に寝ることにしよう。
明日から、日記がもっと短くなることを祈って。
・・ちなみにこのアパートの名前はトミノ荘らしい。最低なネーミングだ。
それにしても、本当に二階がうるさい。いったい何をやっているんだ?
(第二日目 終了)
またキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
どんどんキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
何気にイザークいる・・・w
>やってもみせる、やらないか?
ワロタ
まさか、もう続きを読めるとわ!
>私は、このような人材を選んだ人達を憎まざるを得なかった。
正直、スマンカッタ(w
・・・・・
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朝保守
自分がリクエストしたキャラがでてくるのは嬉しいなぁ。
主人公(なんて呼べばいいんでしょ?)には恨まれてしまったけれど
ドラゴンボールの801書いてる奴らへ
好きな作品を撲滅
229 :
グ○ン:03/04/04 20:18 ID:???
>>なぜ女性が一人もいないのか、私は理解に苦しまざるを得ない。これでは、楽しくない。
ローラがいるじゃないかぁー!!!!!!
ほっしゅ
保守だな
保守です
233 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/06 20:01 ID:7CpRgAm0
age
早朝ほっしゅ
1さん、お仕事も大変でしょうし無理されないでくださいね。
いつでも気長に待ってますよ
1さん、いつもありがとう
ほしゅ
夜の保守
237 :
1:03/04/08 01:01 ID:???
どうも皆さん、たくさんのレスありがとうございます。本当に、励みになります。生生しいトミノですいません(笑)
今回も中々魅力的なキャラが集まったのでどう活かそうか考えてます。
話の方はまだまだまだまだ、触りの部分ですが、マイペースに最後まで見届けていただけると嬉しいです。
管理人である主人公の苦労話が主体ですが、まぁ、まったりと読んでいただけると幸いです。
それでは、三日目です。どうぞ。
今日も寝不足だった。私は大きく欠伸をした。昨日は、本当にうるさかった。
そういえば初日も何か音がしていたような気がする。いったい何をやってるんだ?
同じように7時に起きて、ふとんをたたんだ後、昨日と同様に顔を洗うために外に出た。今日もイイ天気だった。
太陽は、今朝もその存在を十分にアピールしていた。気持ちのよい朝だ。私は、持参したスリッパを履いて外に出た。
また、少年と出会った。どうやら彼もこの時間帯に起きる習慣らしい。
私は、軽く手を上げて朝の挨拶をした。少年・・ロラン君も丁寧に頭を下げてお辞儀をする。
今日は、タオルを持ってきたのを強調するために私はタオルをヒラヒラさせた。
ロラン君は、それを見てクスっと笑った。私も唇の端を少し上げて、笑いかえした。
石鹸を泡立てて、私は顔を洗った。水は相変わらずハッとするほど冷たくて私の精神を引き締めてくれた。
顔を丁寧に洗顔したあと、電動歯ブラシで、歯を磨く。私は面倒なことが嫌いだ。仕事ならともかく私生活では面倒なことはしない。
歯ブラシは電動の方が、よく汚れが取れる。それに楽だ。この時代に手でやるのはよっぽどの貧乏人か、ただの暇人だ。
ロラン君も隣にたって歯を磨き出した。彼のほうをちらりとみると、歯ブラシを手でゴシゴシとやっていた。
私は、彼はそんなに裕福ではないのだと推測した。もともと、こんなとこに来るのだからよっぽど生活には困っているのだろう。
彼の服装を観察した。ジーパンに真っ白なシャツというラフな格好だ。普通のこの年代の格好だといっていい。
ただ、ズボンには継ぎはぎが張られていて、それが私の推測があたっていたことを教えてくれた。
まぁ、何か事情があるのだろう。私は他人の過去には踏み込まない性格だ。そんなことをしても何の得もない。
二階から聞こえる「そうだー!どうせ(略」の声を聞きながら、私はうがいをして、朝の行為を終えた。
ロラン君の表情は、また引きつっていっていた。
今日はそのまま、ロラン君と食堂に行った。
今朝のメニューは、ハムエッグとトーストが二枚、それにトマトのサラダという軽い洋食だった。
トマトを見て私は、昨日のアストナージのコラムを思いだし、ほんの少し食欲がなくなった。
美味しそうにトマトを食べるロラン君に自分の分のトマトも勧めた。
其の後。
ロラン君が自室に引き上げた後、私は食堂に残って手帳を眺めていた。三月五日にマークがしてある。
今日が3月3日、創刊号に間に合わせるには3月5日までにみんなの原稿を集めて、パソコンで会社に送らなければならない。
となると、グズグズしていられないってことだろう。私は今日から彼らの原稿のチェックに入らなければ。
わたしは食堂を見渡した。先ほど食事をしていたときには、マ・クベがカップラーメンを啜っていたのだが、今はそのすがたがみえない。
もう8時を回っているのだが、食堂の食事を食べたのは私とロランとランバラルだけだ。マ・クベは金がないらしい。
フラウの話によると、実家の鉱山の経営がうまく言ってないらしい。
もって後一ヶ月というとこらしいが、周りには「後、十年は持つ」など負け惜しみをいっているみたいだ。まぁ。どうでもいいことだが。
私は、辺りをもう一度見渡した。食堂の中はテレビの音しか聞こえなかった。
テレビの内容は主婦をターゲットに変更したといわれている某子供番組だった。
ランバラルはそのテレビを面白そうに見ている。
私は、取り合えずランバラルに原稿のことをきくことにした。
ランバラル 「原稿?」
私 「そうです。」
ランバラル 「ハッハッハ。安心したまえ。・もう書いている。」
私 「どんな内容なのか、聞かせてもらいましょう?」
ランバラル 「ああ。漫画だ。某料理漫画をイメージのモチーフしにたものだ。」
私 「料理・・というと?」
ランバラル 「そうだな。砂漠の美味い料理を訪問したり、非常食の味の研究する男の話だ。水にもこだわる。
第一回目だからな、それで方向性を考えるとするよ。まずはそれからだ。」
私 「それは結構ですが。最低人気だと即打ち切りですから。お気をつけて。」
ランバラル 「わかっている。まぁ。若者向けに、第一回目はジムの食べ方でもおしえるとするよ。」
私 「・・ジムって食えるんですか?」
ランバラル 「・・・・・・冗談に決まってるではないか?」
そりゃそうだ。
次に今ごろに、食卓に来たカイを私は捕まえた。
カイ 「原稿?書いてるよぉ。俺はジャーナリスト崩れだぜ?当たり前だろう?
ビンタの交わし方ってコラムを書くつもりだぜ。もう執筆ははじめてるから安心しなぁ」
私 「そうか、ならいいんだが。予定までには間に合うんだね?」
カイ 「そういえば、締め切りっていつだったっけかな?」
私 「明後日だ。」
カイ 「あさってかい?!早い!早いよ!」
グエン 「かなしいこといってくれるじゃないの」
私&カイ 「うわっ!!」
いつのまにかグエンがわりこんできていた。私は反射的に身を引いた。彼はにやりと笑っていた。
このオトコは本当に何なんだ。私の背中にいつのまに、忍び寄っていたんだ?
大学時代に、空手をやっていた私の背後をこうもあっさりと取るとは信じられなかった。キケンだ。
私は、その場をそっと離れた。カイにはまた後でいっておこう。
そう判断して、手帳をズボンの右ポケットにしまうと私は、管理人室に戻るべく、食堂の出入り口へと向かった。
グエンはカイの手を握って離さない。
そんな私の耳に最後に届いたのは、グエンが発した「いいこと思いついた。」という声だった。
管理人室に戻り難を逃れた私は、パソコンの電源を入れて、その他の会社の仕事をする。
会長は編集者以外の仕事もいままでと変わらず私に任せているからだ。あの人は私に暇な時間を与えてくれないのだろうか?
12時まで、黙々と、メールで、書類を送り続ける。非常に忙しい。それでもなんとか一区切りはついた。
お昼は、各自適当なので、私はスパゲティを作ることにした。
食堂のキッチンを借りることにする。どうせこの時間は誰も居ないのだ。
別に使用してもかまわないだろう。私は食堂にいった。廊下に出るとマ・クベが電話をしていた。
「やあ、正二」などと親しげに話している。きっと友達なのだろう。私は邪魔にならぬよう彼の横を黙って通り抜ける。
食堂の厨房に入った私は、昨日もって帰ってた材料が冷蔵庫にあることを確認する
冷蔵庫の下から2段目の引き出しの右のブロックが私専用のところだ。そこから、野菜を取り出す。
使った材料は以下のとおり。
ニンニク たまねぎ
ベーコン バター
白ワイン 牛乳
生クリーム パルミジャーノ 卵黄
以下はレシピ。
でかい鍋に水を張る。このとき、みずはたっぷり使うことが肝心だ。
パスタは、少し硬めに茹で上げる。そのほうが旨い。
適当に刻んだ具をバターにてフライパンで弱火でじっくりと炒める。
イイ感じにいたまってきたら、そこに牛乳、白ワインをいれ、そのまま煮詰める 。
パルミジャーノをすりおろして入れ、生クリームとコンソメを適量入れる。
先ほど取り出しておいた、硬めにゆでた麺を入れ、絡める。
卵黄を潰して全体に絡める。 その上に少量の黒こしょうをかける。
これで出来あがりだ。なれたものだからすぐにできる。簡単で、しかも旨い。
イイ出来だ。
私が自分の出来に満足して、それを鼻歌交じりに皿に移しているところに、同じく料理をしていたフラウがやってきた。
手には、トレイを持っている。上にはサンドイッチが大量に載っている。
それは君の昼食かい、と私が尋ねたところ、「違います」と彼女はさらりと答えた。
私がじゃあ、それは誰のだい、とたずねたところ彼女はアムロの昼食よ、と答えた。
そういえばアムロレイは、食事の時、一度も見ていなかった。最初に見たきりだ。
フラウの話をよくよく聞いてみると、彼はひきこもりらしい。いわゆるヒッキ−だ。
出てくることはほとんどない、ということだ。だからこうして彼女が毎回食事をはこんでいるらしかった。
私は呆れた。もう15歳になる少年が、赤ん坊のごとく幼馴染に甘えているなど、信じられなかった。
だから「私が、それをもっていこう。」とフラウにいうと、トレイを奪って、食堂を出た。パスタはそのままにしておく。
二階にのぼる。そういえば階段をのぼるのははじめてだった。
私は手すりを左手で持ちながら、あがっていった。学校の階段のように階段は途中で折れ曲がって二階に行けるようになっている。
長い廊下がある。一直線に全ての部屋が並んでいる。トイレと洗面が206号室の隣にある。
そして手前の廊下の先のところに渡り廊下がくっついていて、向こうのBアパートに繋がっているのだ。
だが、今その鉄の扉には鍵がかかっているらしい。会長がそういっていた。となると行き来はできないのだろうか?
アムロ・レイの部屋は階段の一番手前。201号室だ。私は前に立つ。ふと、中から微かに話し声がするのに私は気がついた。
ボロイ木製のドアに、201とマジックで書いている。・・昭和ってそんな時代だっただろうか?
私は微かに首を捻りつつ、ドアのノブを掴んで回した。
・・が、あかない。どうやらかぎをしているらしい。
一応、カギはプライバシー保護の観点と、グエンがいるという理由で設置されていた。
私はドアをノックする。
「誰?」
中から、微かに慌てた少年の声がした。
「私は、編集者だ。この前あったろう?君の幼馴染のフラウに頼まれて食事をもってきた。」
「・・・そこにおいといてください。」
「この床にか?」
私はそういって古い木目調の床を眺めた。汚い。・・いや、汚そうにみえる。私はトレイを持ったままかがんで、床を指でこすった。
・・どうやら見た目よりは綺麗そうだ。このカイにはロランがいるから掃除をしているのかもしれない。
「せっかく、持ってきてやったんだ。あけてくれないか?」
と、私は頼む。置いて帰れ、なんてこっちは子供の使いじゃない。
私はもう27なのだ。子供にパシリに使われたくはなかった。
「それに君には、雑誌にかく内容も立場上聞いておかないといけない。」
「・・だったら、いいです。それ。いりません。」
「・・いらない、だと?」
私はこの言葉にほとほと呆れた。この少年は本当に引きこもりなのだ。
人生の春とも言える青春時代を、汚い4畳半の部屋で過ごすつもりなのだろうか?それで満足なのだろうか。
まぁ、私には関係のないことだ。この少年の青春が、ひきこもりだろうが関係ない。それは口出しする問題じゃない。
けれど、雑誌のことは別だ。これは私の首にかかわるからだ。
私は少し乱暴にドアを叩いた。
「おい!あけないか!
顔ぐらいみせたらどうなんだ?」
「いやです。・・ドア叩くの、やめてください。」
部屋の中からそっけないそんな声がした。私は、言い返した。
「食事、それじゃあ、もってかえるぞ。欲しいんだろ?
育ち盛りだ。お腹がすいてないってことはないだろう?食べたいなら、出てきなさい。」
「・・・僕、乞食じゃ有りませんから。」
こりゃダメだ。私は、ため息をついた。
駄目だと思ったらさっさと身きりをつける。これが私の主義だった。
無駄なエネルギーを使うことはまさしく無駄だからだ。それに私も食事がまだだった。
さめたスパゲティほど不味いものはない、というのが私の持論だ。早く食べなければ。
諦めて床にトレイを置く。そして、
「ここにおいておくぞ・・
あと、締め切りはあさっての昼までだ。忘れないように提出するように。」
と言い残して、部屋の前から去った。
狭い階段を降りながら、そういえば中で会話がしていたような・・と私は思い出した。
独り言だったのだろうか?だとしたら彼はもう末期症状かもしれない。
冷めたスパゲティは、すさまじくまずかった。
昼食後は、少し休憩のため広場に出ることにした。
外は、アサと同じようにイイ天気だった。私は、スリッパでふらりと外に出た。
白の広場に設置されているベンチにすわり、青く澄んだ空を眺めながら、タバコをふかす。
風が私の頬を優しくなでる、微かに春の匂いがした。冬ももう終わりだな、と私は思った。
始まる前からこんな調子じゃ、この雑誌が終わるのはいったいいつのことなんだ?
口からソラにぽっかりと浮かんでるのと同じ白い塊を吐きながら私は、そんなことを考えた。
そのとき、Bアパートの方から銃声らしき音がした。
パン、と乾いた音が響いた。私は反射的に立ち上がる。
が、すぐに思い直して座る。常識的に考えて銃を所持している奴がいるとは限らない。
きっと爆竹か何かだろう。その証拠にBアパートは静まり返っている。
私は、ポケットからもう一本タバコを取り出すと、ライターで火を付けた。
「一本、私にもくれんかね?」
だしぬけに玄関から、一人の初老の男が出てきて、私に問い掛けた。
眼光が鋭い。人を圧倒させるような目だ。レビル将軍である。
上に立つ才覚のある人間にだけもたらされている能力の一つだ。
私は無言でタバコを彼に差し出す。
彼は、礼を言って、一本取ると私の横に座った。
「何か起きたようだね。」
彼はBアパートの方を見て、そう私に話し掛けた。
私は、その問いに軽く答える。
「そうですね・・・きっと、爆竹かなにかでしょう?まったく五月蝿いですね。」
「・・・そうか。君は何も知らないんだな。」
レビル将軍は、タバコを旨そうに吸うと、ふと思い出したように呟いた。
私は、将軍のその言い方が気になった。
何も知らない、とはどういうことだ?
「・・知らないって・・何をです?」
「・・いや、きにせんでくれ。老人の独り言だ・・
ただ老婆心から言わせてもらうと、Bアパートには近づかないことだ。」
「なぜですか?」
「訳は聞かないほうがいい。それが君のためだ」
レビル将軍はそういうと、タバコをベンチ脇の吸殻入れに落とした。
もうこれ以上、その話をすることはできなさそうだった。彼は、もう何も話してくれないだろう。
私は釈然としないものを感じたが、曖昧に頷いておいた。別の話をしたほうがよさそうだ。
「ところで・・原稿の方はどうなっているんですか?」私は話題を変えた。
「原稿か・・もうほとんどできているよ。」
「どんな内容なのですか?」
「うむ・・・・そうだな。世界の不思議や、面白い成語について教えるつもりだ。
最近の子供は、物事をしらなすぎるからな。様々なジャンルを教えるつもりだ。
たとえば分子核構造の理論から、中国憲法、はては驚異の昆虫世界まで、わけへだてなくな。
その上で、子供が興味を持ってくれればいい。大人が子供に知識を与えなければな・・
なぁ、君。私は思うのだが、昨今もてはやされているゆとり教育などというものは愚の骨頂だと思わんかね?。」
レビル将軍は嘆くように言った。その意見に、私は頷いた。
確かに最近の子供はまるで、頭がない。
「それは私も思いますね。子供はもっと厳しく教育すべきですよ。
・・それにしてもさぞ大変だったでしょう。そんな多分野を調べるのは・・やはりインターネットをお使いに?」
「いや。私は古いタイプの人間でね・・どうもああいうのはあまり好きではない。
使えないことはないがね・・だからもっぱら書物だよ。私の狭い部屋に山済みにされておるよ。
けれど、これが一番役に立つのだから仕方がない。ハッハッハ。」
「書物ですか?確かにネットじゃなくてもそう言ったもののほうがより細かく載ってるかもしれませんね。
私も書物はよく読みますよ。岩波文庫とかありますよね・・ちなみに将軍は、どこの出版社のをお使いに?」
「民明書房だ。あそこの本はいい。実は今回の話しは全てそこから引用するつもりだからな。」
「民明書房?」
どこかで聞いたような名前だった。
だが、どれだけ頭を捻ってもどこで聞いたのかは思い出せなかった。
そのままベンチで夕食までの間、レビル将軍と雑談をする。
最終的に、かなりの洞察力と、知識と、それを活用する才覚を持った男と私は結論付けた。
中々の人物だ。私はこの将軍に好感を抱いた。だが、言葉の節々に何か微かな違和感を感じた。
夕食後。
外で微かに汗をかいた私は、ここの共同浴場に入ることにした。
初日は、ショックですぐ寝たし、二日目はマンションでシャワーを浴びたので、ここの浴室は今日が初めてだった。
狭い脱衣場で、服を脱ぐ。そして、備え付けの籠に、服をきちんとたたんで入れておく。
どうやら、何人かは入っているようだった。同じように籠に服がいれられていたからだ。
私は、一人で風呂に入りたいタイプの人間だった。男同士が一緒の浴室にはいるなど、あまり好きではない。
けれど、仕方がない。ここしか、入る場所はないのだ。あのセイラ・マスとかいう女性と一緒なら喜んで入るのだが。
腰にタオルを巻きつけると、浴室の引き戸のドア・・ガラスが蒸気で曇っている・・を引いて、中に入る。
私は中を見て、多少驚いた。私の予想以上に、浴場は狭かったのだ。
旅館の大浴場みたいなのを想定していた私には、それはかなりの狭さに見えた。
これでは、4,5人入ったら一杯になるだろう。それぐらいのスペースしかない。
そして、入り口の脇には、何故か馬鹿でかいサウナが備え付けられていた。
これが、余計狭く感じさせる原因だろう。なぜ、こんなボロアパートにサウナなんて作っているんだ。
これがなければまだマシなはずなのに。
私は、腰に手を当てたまま、その場で深くため息をついた。会長の考えることはやはり意味不明だ。
「管理人さん?」
聞き覚えのある声がして、私は振り返った。褐色の肌が目に入った。
・・一瞬女かと間違った。だが、私はすぐに誰だかわかった。
「ロ・・ロラン君か・・君もお風呂かい?」
「ええ・・どうなさったんですか。こんなとこに立ち尽くして。」
不思議そうにそう質問する。彼の声が狭い浴室にこもって反響する。
幾重にもリフレインしながら、部屋に響く。
反響音と言うのは元の声より少し高く聞こえるものだ。だから、ロラン君は余計少女みたいだった。
彼は後ろ手で入り口のガラス戸を閉めながら、大きな瞳で私をじっと見た。
その瞳に見つめられて、私は何故か動揺した。
「・・い、いや、ちょっと狭くてびっくりしちゃってね・・
これじゃあ最高で5、6人しかはいれなくないかい?」
私は話題をうまく逸らした。ロラン君はその言葉に納得したように相槌をうつ。
「あぁ。そうか。管理人さんは知らないんですね。
ここのお風呂は、交代で入る時間が決まっているんですよ。見てのとおり狭いですから。
だから、みんなが一緒になることはないんでこれで十分なんです。」
「・・そうなのか。
誰もそんなことをいってなかったからてっきり自由だとばかり。」
うかつだった。
少し考えればそれぐらいわかりそうなものだった。
「この時間帯は、僕とイザーク。それにスレンダーさんが入る時間です。
大体、三十分で交代です。今が八時ですから、八時半からはギャバンさんやランバラルさん達ということですね。」
「君達が一番風呂なんだね?」
「ええ。僕達が一番最初に入ってますけど。」
「なら、私もこれからはこの時間に入らせてもらおう。かまわないかな?」
「はい。それは別にかまわないと思います。」
よかった。あのむさっくるしいギャバンや、ランバラルと一緒に風呂に入るなど私には耐えられない。
かといって最後のほうの湯船など、変な毛が浮いてそうでいやだ。いや、きっと浮いているだろう。それも確実に。
そんな男のエキスといえる湯船に浸かることを考えただけで、鳥肌ものだ。そんなのは片足だって突っ込みたくない。
まだ、このロラン達のほうがいい、一番風呂だし。そう思った。私は彼の体をまじまじと見詰めた。
まだまだ成長過程らしい。少年期独特の体つきだ。しかし思ったより筋肉質もついている、中々引き締まった体だ。
無駄な肉がない。私は、ロラン君は貧弱ないまどきの少年(たとえば、アムロ・レイのような)とは違うらしい。
あんまりまじまじと見ていると、彼に誤解されるかもしれないので、私はカラダを洗うべく、イスに座った。
そして、備え付けの安そうなシャンプーを使わず持参してきた高級シャンプーを使い髪を丁寧にこするように洗う。
洗いながら私はハッと思った。
ここに、ロラン君がいるということはもしかしたらあの男も一緒ではないだろうか・・?
私は、あの男を思い出して、背筋に冷たいものを感じた。こんなところで彼と一緒になったら、傷物になるかもしれない。
そう考えると、一番風呂は危険かもしれない。
「あ、ちなみにグエン様は一番最後にお一人で入ることを硬く義務付けられていますから・・」
同じように髪を洗っているロラン君が私の考えを読んだかの如く、そう答えた。私は胸をなでおろした。
その後、私達は、体を一通りざっと洗ってしまうと、湯船に浸かった。
熱かったので、もともとヌルメが好きな私には少しきつかったが、それでもやはり風呂は気持ちよかった。
いつもシャワーでさっと済ましてしまうので、久しぶりだった。
誰が沸かしているのか、と私はロラン君に尋ねる。
「え〜と・・これは温泉らしいですよ?わざわざ奥深くまで掘って出したそうです。
あんまり熱いので、水で少し薄めてますけれど。誰も別にボイラーとか薪で、沸かしてるわけではないですよ」
ロランも気持ちよさそうに浴槽の中にカラダを伸ばしながらそう答えた。
「そう・・なのか。」
私はこれを掘り出すためにいくら使ったのか考えて頭が痛くなった。
無駄なことをしたがる会長だ。この辺は温泉が出るとは知らなかった。いや、温泉が出るからここを選んだのかもしれない。
温泉か。そう考えると、この湯はいつも私がはいってるのとは違う気がする。
少しなんというかミネラルが入っているというか、ちょっと肌にくっついてくる感じだ。
これなら汚れが綺麗にとれるだろう。
「美容にもいいらしいですよ。
管理人さんはハンサムだから、必要ないかもしれませんけど。」
「ハハハ。お世辞はやめてくれよ。
それにこんな男だけのアパートで美容に気を使う必要がどこにあるというんだ?」
・・少しだけドキっとしたのは気のせいだ。私にそんな趣味はない。
それより彼がなぜ金魚を股間に置いているのか、それが気になってしかたがなかった。何かの宗教だろうか?
あまりに不自然過ぎる。けれど、聞かなかった。私は干渉するのもされるのもきらいだからだ。
私はタオルを頭の上に載せて、肩まで完全に湯船につかった。
思わず口から、ふぅっと息が漏れる。熱いが、気持ちイイ。
やはり私の体は、思ったより疲れていたらしい。こうして浸かっていると緊張がほぐされていくようだ。
「あとはですね、擦り傷や、打ち身、打撲にも効用があるそうですよ。」
ロラン君が髪を額になでつけながら、そんなことを付け加えた。
それにしても湯気がスゴイ。私は浴槽から手を伸ばして、上に備え付けられている嵌め格子の窓を微かに開けた。
外は真っ暗だった。充分に夜の冷気を帯びた風が、浴場に入ってきた。
一瞬で湯気が吹っ飛んだ。気持ちがイイ。ロラン君が、少しだけ寒そうな顔をしたので、私は窓をすぐにしめた。
寮のような共同生活では、住居人全てが協調性を持たなければいけないのだ。
「そういえばセイラさん達は、ここのお風呂にはいらないのかい?」
「ええ。彼女達は通いですから・・」
「そうか。そいつは残念だな。」
私はオドケタ口調でそう言った。両肩を竦めて見せる。
「アハハ。何を考えてらっしゃるんですか?」
ロランがそんな私の仕草をみて、クスクスと笑った。
そんなたわいもない話をしばらくする。
久しぶりにイイ気分だった。今日はあがったらビールを飲もうと思った。
芯までキーンと冷えたビールの泡に口をつけて飲むことを考えると私は、とても楽しい気持ちになった。
15分後。
充分にカラダが温まったので、あがることにした。
脱衣場でバスタオルでカラダを拭きながら、ロラン君に、そういえばイザークとスレンダーとやらは来なかったな、と聞いた。
彼らは今日は入らないつもりなのだろうか?私は疑問に思った。
ロランがその質問に簡単に答える。
「いや、あの人達ならずっとサウナルームにいましたよ。ドッチが長く(サウナ室に)残れるか、との勝負だそうです。」
「また・・くだらないことをしているな・・」
「ちなみに今までの勝負は全てスレンダーさんの勝利だそうですよ。」
「そりゃ、めでたいな。」
正直、どうでもよかった。
さて・・今日の主要な出来事はこれでおしまいだ。今日も長くなってしまった。
ああ。右腕が痛い。二階は相変わらず騒がしい。タバコは切らしてしまったので余計気に障る。
だから、今夜はビールだけが私の友だ。かけがえのない友。戦友といってもいいだろう。あとは柿のたね。
ビ−ルが戦友だとしたら、柿の種は拳銃の弾薬だ。そうなると・・ピーナッツは手榴弾といったところか。
我ながらくだらないことを書いている。まぁ、いい。別に誰が読むわけでもないのだ。
それにしても、ふと私は柿の種を食べる手を止めて考えた。
昼間のレビル将軍の言葉が気になる。近寄るな、か。あの真っ赤なBアパートには一体なにがあるというんだ?
まぁ、将軍のいうことは聞いておこう。私は柿の種を口の中に放り投げ、ビールで流し込みながらそう思った。
(三日目終了)
カイ、貞操の危機?(´Д⊂
グエンはいいキャラになってますね
ローラたんハァハァ保守
保守
最後のフレーズに村上春樹節を感じ取りましたでつ
スレンダーにも勝てないのか、イザーク・・・
>>260 こと残る事に関しては
奴に勝てる者など居ない
>>259 むしろ料理してるところに感じた。
それにしてもレビル将軍・・・酸素欠乏症にかかって・・・
保守だ
随分前も言ったが1さんの食に関する描写は危険だ。
コンビニでカルボナーラ買ってきてしまった(゚∀゚)=3 ウマー!
今度はレシピに沿って作ってみよう。
あとローラたんハァハァ。これもやばいって。
265 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/09 22:26 ID:VMEoCZ9V
536、そろそろ上げ
保守だな
久々に見たら第三回が始まってるなんて…
>1さんすげえよ、あんたすげえよ!!
「やあ、正二」というとやはりあの正二なのだろうか
とか思いつつ保守です。
>>268 そう、ポップコーンの正二だよ。決まってるだろう。
今日からは、シンプルに端的に物事をかいていきたいと思う。
さきほど、この日記をかくまえに、なんとなくこの三日間の日記を見直したが、まるで女学生のように細かい。
誰がどうした、あれがこうした、など事細かくのは癖になっているのかもしれない。はっきりいって変だ。神経質すぎる。
別にこれは会社に提出する書類ではない。あくまで、自分のためにつけている日記だ。
あぁ、これもやはり秘書としての悲しい習性なのかもしれない。物事を克明に記載する習性。
だから、今日の日記からは、その辺を意識的に変えていきたい。世の中、シンプルが一番だ。
決して長い日記を書くのが、きついからではない。・・いや、本当に。
今朝は曇りだった。
私は、いつものように、ロラン君と朝のノルマを済ませる。この辺はもう今日からは省略する。面倒だ。
そんなことまで、書いていくとうんざりするほど長くなるからだ。大体日記とは、その日一日の興味のあることだけ書いていくものだった気がする。
私は日記をあんまり書いたことがないので、愚直に全てを書いているのだ。報告書みたいになってしまうのはしかたない。
昼間まで、部屋にこもって仕事をする。
その後、突然トミノ会長が様子をみにきたので、昼食がてら食堂で少し経過を報告する。
私が作ったナポリタンを食べながら、会長は私の話しに耳を傾けて、時折満足そうに頷いた。
そんなに会話自体は長くはなかった。確か30分ぐらいのものだったろう。
話したことはほとんど寮生活についてで肝心の雑誌の内容についてはほとんどはなすことがなかった。
私はこの寮の感想を述べただけだった。
けれど、会長は満足そうだった。これだけのために会長はわざわざきたのだろうか?
別にメールでも、電話でもよさそうなものだったのだが。まぁ、暇なのだろう。
会長が戻ったあとも、仕事をひたすらにする。
夕方にようやく終わったので、切らしていたタバコを買いに外出した。
外は天気が悪かった。雨が降っているわけではなかったが、こういう天気は一番嫌いだった。
雲がどんよりと分厚いカーテンのように空を覆っていた。けれど、少ししたら晴れそうな気もした。
タバコを買うために白の広場を通り抜けて、小学校のグランドのように広い私有地から出る。
そこから目の前の坂を下って20分ほどのんびり歩く。それだけ行けば、小さなスーパーがあるのだ。
その小さなスーパーで、私はタバコを買った。マイルドセブンライト。
私は店員にお金を払うと、1カートン入っているタバコを紙袋にいれてもらった。
ふと、ここは寮から近いので、おおよその材料はここで買っている、とフラウがいっていたのを思い出す。
それで、そのあとざっと店内を回ったが、そんなに安くはないようだった。卵が八個で150円は高い。
店を出ると日が傾きつつあった。私はもうそんな時間かと思った。
まぁアパートを出たのが夕方だったので仕方がないだろう。それより雲が薄れていることが私には、嬉しかった。
偶然、マ・クベがスーパーに隣接してある総ガラス張りのオシャレなパン屋でパンの耳をもらっているのを発見する。
・・そんなに家が苦しいのだろうか?私は、パン屋にはいって声をかけた。せっかくあったのだからちょっと話そうと思った。
あんまり好きな人間じゃなかったが、まぁ人間つきあいも大切だ。あと、このパン屋から旨そうな匂いがしたのも理由だ。
しかし私が話しかけると、彼はぎくりとした顔をして「シェイクスピア曰く・・」などと呟きながら、私を無視して足早に出ていった。
・・やはり声をかけるべきじゃなかったかもしれない。
まぁ、せっかく入ったので私は、夜食代わりにとその店でアンパンと食パンを一つずつ買った。
アンパンと食パンを食べれば、その店の味がわかると言うのが私の考えだった。だから、初めての店では必ずその二つを買う。
460円だといわれたので、1000円札で支払った。そのとき、私はレジの男をみて驚いた。
その男は何故かマスクをしていた。弾丸もはじきそうなマスクだ。私はマジマジとその仮面を眺めた。ちょっと、いやかなり不気味だった。
まず形が異様だ。目が見えないから気味が悪い。それに、無機質な鉄の光沢が印象をさらに悪くしていた。
「ありがとう。おつり640円だ。」
とその鉄らしきマスクの中から、くぐもった声がした。割と丁寧だ。
私は、彼からおつりをもらうと、ろくに確認もせずポケットに突っ込むとパンの入った紙袋を受け取って、店をソソクサと後にした。
それから、数十メートル歩いたところでふと、640円というのは間違いだと気がついた。460円なのだから540円が正しい。
ポケットに手を突っ込んで、金額を確認する。やはり640円あった。
私は少し迷った後、やはり100円返しにいくことにした。別に善意からではない。
もしも、あのマスクの男に100円ちょろまかしやがってと逆恨みでもされたら厄介だと、いう計算からだ。
それに味によっては今後、頻繁にいくかもしれない。印象はよいほうがいい。
店に戻って私がお釣りが多かったといって100円ポケットから返す。彼は笑いながら(顔がわからないのであくまで推測だが)
「ありがとう。もしも君が返してくれなかったら100円だけレジの金額が合わないところだ。
そうすると温厚な私でも、疑いのあまり店員を殴り殺していたしれん。
まぁ、それを押さえるためにこのマスクをしているんだがね。フハハハハハハハ。」
と、意味不明かつ怖いことを普通に言った。それを聞いた私は、みかけより冗談がうまいな、と思った。
だが、奥の方で掃除をしていた店員らしい青年の青ざめた顔をみて、私はそれが冗談でないことがわかった。
・・今。この日記を書きながら、あの店で買ったアンパンを食べているのだが、非常に美味い。
アンは粒アンでコシアン派の私は最初少しガッカリしたが、食べてみて驚いた。一粒一粒がほくほくしている。
噛むと、あえて粒の触感を楽しめる程度に残していることがわかる。餡独特のしっとりとした純粋な甘味が口の中に広がっていく。
生地がまたよく熟成された小麦粉だけがもっている粘りと、ふくらみをもっていてあれから数時間経った今もまだ焼き立ての如く柔らかい。
香りも私の食欲を引き出してくれる。また上に乗った黒ゴマも、食欲をそそってくれる。私は更にかぶりつくと、うなった。
餡と生地、その二つが口の中で、よく調和されている。この味はそんじょそこらの店で出せるもんじゃない。
これ以上餡が多くても駄目だし、生地が厚くても駄目だ。その絶妙な均衡を知っている者しかこれは作れない。
中々の名店だ。これからもちょくちょく行かせてもらおう、と私は手についたアンを舐めとりながら思った。
・・話がそれてしまった。日記はパン屋を出た後に戻る。
私がパン屋を出て歩道を歩いていると突然、目の前に現れた変な髭を生やした太った男につかまった。
某ゲームに出てきている配管工の主人公のような顔をしている。私は、なにか用か、と質問する。
しかし、その太った髭男は何かわけのわからない言葉で話しかけてきた。私には何語かもわからない。
こいつは不法入国者かもしれないな、と私は思った。いわゆる三国人、ってやつだろう。
こんなあぶなそうな奴にこれっぽっちもかかわりたくはなかった。しかもこいつはマンホールからでてきたようなきがする。
グエンとは違う意味で危険かもしれない。
私は男の方を一瞥して
「残念だけど、キノコの持ち合わせがないんだ。他をあたってくれないか」といって、その場を出ようとした。
が、男にすぐに腕を掴まれる。結構強い力だ。私は仕方なく彼の話しを聞くことにする。
そのマリオみたい男は、なにやら必死にこちらに話しかけているが、理解できない。
かろうじて、「ウダイ、臭い。」などと聞こえたが、何を意味しているかは、よくわからなかった。臭い?
けれど、じっくり男の身振りを観察してみると迷子になったらしかった。人間、言葉がなくともなんとか伝わるものだ。
私は彼に食パンを与えて、ひとまず落ち着くようにボディランゲージで示した。
けれど彼は、オドオドと落ち着きなく辺りを見渡していた。どうやら追われているらしい。かわいそうなほど怯えていた。
私が何か意見をいおうとしたとき。「イタゾ!」と外人っぽい発音がした。声のしたほうをみると黒塗りの車から何人もの外人が降りてきていた。
手には自動小銃を持っている。軍人のようだった。
慌ててその髭男は食パンを咥えたまま、物凄い勢いで歩道のマンホールの中に逃げ込んでいった。神業だった。
金髪の男たちも、マリオの後を追って、すばやくそのマンホールの中に入っていった。
私は、事情がつかめなかったが、これ以上係わり合いになりたくなかったので、マンホールに蓋をした後、その場を後にした。
ドッキリかとも思ったが、私を騙してもなんの意味もないだろう。
歩きながら、ふと、今逃げ切ったとしてもあの男のゲームオーバーは近いだろうな、と思った。
その後。
夕焼けに染まったアスファルトを眺めながら、紙袋を持って寮への坂道を登っていると、遥か前方から歩いてくるセイラ・マスを見かけた。
だが、私は声をかけなかった。男連れだったからだ。だが、オトコと言ってもさっきのようなオヤジじゃない。
ロラン君と同い年ぐらいの少年だろう。色が透き通るように白い。それはどこか病気的な印象を私は受けた。右頬が少し赤い。
何か事情がありそうだった。だからすれ違う時に、軽く会釈をしただけだ。二人は小さく会話をしていたようだったがそれが何かは私にはわからなかった。
帰った後、夕食のときに私は、食事の支度に追われているフラウにそれとなく聞いてみた。
「え、セイラと一緒にいた少年?」
「ああ、いや別にどうというわけではないんだがね・・ちょっと気になってな。」
「ええと・・それはきっと赤棟の管理人だと思うわ。色がやけに白い子でしょう?」
「ああ、病気かと思うほどにね。そうか、B棟の管理人なのか・・」
「あの子も貴方と同じように、会長が何処かから連れて来たっていううわさだけど。
あ、あとセイラは、赤棟の食事係りなのよ。私がこっち、白棟の食事係りのようにね。」
「・・なるほど。そういうわけなのか。」
という会話をフラウと交す。B棟にも私と同じように管理人がいたのか・・私はその事実に少し考えこむ。
となると、B棟にも何か「管理人」を置かざるを得ない何かをしていることになる、な。私が編集者であるように。
それは一体なんなんだ?トミノ会長は何故私に何も言ってくれないんだ?
今日の夕食は豪勢にもハンバーグだった。いっとくがこの寮はそんなに贅沢なものはほとんどでないそうだ。
まず肉はほとんどでない。もっぱら野菜や魚中心だ。だからハンバーグは大層な贅沢らしい。献立も昭和50年代なのかもしれない。
だから、今日の食事の時間には、引きこもりのアムロ以外のみんなは、私が来たときにはが既にそろっていた。
みんな和気あいあいと食事をしていた。時折大声で話しながら、談笑している。私もその雰囲気を楽しんで食事に取りかかろうとした。
だが、私の真正面にはグエンとカイが仲良く座っていたのが誤算だった。今日は席がここしか開いてなかったのだ。
皿の上にドンと乗っかっているハンバーグを食べながらの二人の会話。どっちがグエンかはわかるだろうから省略。
「こいつぁ旨そうだな。ところで、俺のハンバーグをみてくれ。こいつをどう思う?」
「凄く・・(僕のに比べて)大きいです・・」
「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。」
そこで彼はにんやりと笑う。カイは照れたようにうつむく。
「それじゃあ、とことん今週の荒岩流クッキングを教えてやるからな」
私は無言で席を立った。お茶を飲まなければ、胸焼けしてしょうがない。なにが荒岩流クッキングだ。なんの脈絡もない。
繋がりは料理というところだけじゃないか。大体、今ごろ荒岩流は古い。せめて今週のうまかもんにすべきだ。
一体、私が去った後に、カイに何が起きたのかと思わざるを得なかった。もしかしたら逃げた私にも責任があるかもしれない。
けれど、逃げなければ私がああなっていたかもしれない。
よく冷えた麦茶の入った水差しを掴んだまま、私は、微かに頭がいたんだ。元々、私は管理人には向いていないのだろう。
コップに麦茶を入れると、それをちびちびと飲みながら、再び席に戻る。
まだ、二人の会話は続いていた。私は半分やけになりながらハンバーグを黙々と口に運んでいった。旨いけれど、何か悲しかった。
自分は一体何をやっているんだと本気で思った。こんなことをするために、私はここにきたのか?
会長は私でないと駄目だといったはずだ。本当にこれが私でないと駄目なことだろうか・・私は自信がなくなった。
そのとき、反対側の方の人物が私を突っついた。
カツ・コバヤシだ。年は、いくつだったか忘れたが、確か10代後半だろう。
「ねぇ。管理人さん、僕育ち盛りだからハンバーグください。っていうかくれるべきです。」
と、甘えたことをさも当然のようにいってきた。
私はうんざりした。ゆとり教育の結果、この少年の頭にもだいぶゆとりがあるようだ。
会話するのもメンドクサイので、無視してハンバーグを食べきった。一体、どんな環境で育てられたのだろう。
食事が済んで、みんながくつろいでいるところで、私はイスから立ち上がって皆をみて喋った。
「さて、食事が終わっておくつろぎのところ恐縮だが、連絡事項を。原稿、明日の12時が締め切りだということは知ってますね?
私はそれを回収した後、それら原稿を全てスキャンして、夕方までに会社におくらなければなりません。
だから明日の12時に管理人室に、必ず!原稿を提出するようにお願いしておきます。12時までです。」
と私はその場のみんなにキツク言っておいた。
数人が途端にげんなりした顔をしていたが、仕方がない。こっちだってこのためにきているのだ。
余裕の表情の将軍らと、浮かない顔のイザークやスレンダー達の表情が対照的だった。
さて、今日は以上だ。
・・思ったより短く終わった。無論昨日にくらべれば、だが。今後もどんどん短くしていきたい。
そうしなければこの大学ノートなど、2週間もせずになくなってしまうだろう。
・・・そういえば、今日は二階から音がしないな?まぁ、いい。今日は早めに寝なければいけないからちょうどいい。
明日は、多分、すさまじく忙しくなるだろう。それを思うと憂鬱だ。
それにしても今日は変な男たち(トミノ、パン屋のオヤジ、マリオ)に会ったので、とても精神的に疲れた。
風呂に入ったので体の疲れはとれたのだが、脳の方はぐったりとしている。
┌─────────────────ー ーーーーーーーーーーー
│ 浴場 WC | | | |
│ | | |
| | 管理人 室 | 白の広場 |
|
├───────────── 玄関 -----------------------
│
| 食堂
│ |
──────────────────
・・ちなみに上のこれは、Aアパートの一階の図をかこうとしたのだが、途中であえなく挫折したものだ。
結構時間がかかったのだが、結局はこのざまだ。私は図画工作が苦手なのだ。消すのも癪なので載せておこう。
日記にこの寮の見取り図があれば便利だと思ったのだが。。残念だ。
(四日目終了)
1さん乙!リアルタイム遭遇率が結構高いです。
T会長の苗字が明かされている!?Σ(゚Д゚;
地図、復元しようと頑張ってみたけど無理ぽ。
いよいよそれぞれの漫画のお披露目か・・・スレンダーのが気になる。
最後まで残るのは、やっぱりスレンダーだった……なんてオチ
男塾キター!
hosyu
やべえ、おもしろ主義る・・
それはそうとカロッゾのパン屋キタ───
286 :
ほげら〜:03/04/12 04:06 ID:o/+qhBJd
う〜ん、前の2作と劣らぬほどの面白さ。
相変わらずクオリティたけ〜、とかいまさらながら書いてみる。
主人公はクロノクル?
カイ。・゚・(ノД`)・゚・。
シェイクスピア曰く、、ううむ
と、思いつつ保守
290 :
1:03/04/13 02:02 ID:???
どうも。皆様、こんばんわ。いつも沢山のレス感謝してます。
この第三回は、様々なところからネタを拝借してかいてます。ほんとくだらなかったらスイマセン。
ちなみに、カロッゾネタも私が時々みにいってるスレから、こっそり拝借しました・・通報はしないでくださいね?
まぁ、よくわかんないネタがあったらスルーしてくださると嬉しいです。なるべく判りやすいのにするつもりですけれど・・
さて、今日は久々に少しだけどレスさせてもらいます。
>>203 >>201 こういう構想は第二回を書き上げる少しまえから漠然と考えてました。面白くなるかな、と。
ただ、実際にこの設定で書こうと決めたのは、皆さんからもらったキャラをみてからです。特にグエンがおおきかったw
>>227 どのキャラを推薦してくれたのかわかんないですが、ありがとうございます。きっと大事に使いますので・・
>>234,
>>235 暖かい言葉、本当に感謝です。書くのが遅くて大変もうしわけないですけれど。
>>264 >>229 ロランが微妙にヒロイン化してるのは・・女キャラが出てなかったからです。まぁこれはこれでありかな、と書きながら思ってます。
幸いにもロランにはそういった路線の人気が多々あるようですし・・(笑)
>>288 カイに何が起きたのかは、この日記からは読み取れません。
また、主人公もそれを調べる気はないでしょう(笑)
291 :
1:03/04/13 02:04 ID:???
>>267 >>204 またよろしくお願いしますね。
第一回からずっと読んでくれている人がどれだけいるのかちょい気になります。もう最初から半年ぐらい経ちますから・・
>>268 おそらく、頭に浮かんだ正二が正解でしょう・・あぁ・・正二
>>279 地図は非常にムズカシイです・・
頭の中にはできてるんですが・・いざ書くとなると・・また今度挑戦するつもりではいますが・・
>>281 スレンダーの作品は見てのお楽しみです(笑)ただ、最後まで雑誌に残れるかは今のとこ内緒です。
さて、三月五日のほうですが、もうしばらくおまちください。暇が中々・・ハァ・・
あるべく頑張りますので、皆様にもマターリお待ちいただけたら嬉しいです。
それでは・・
1さんに気に入っていただけるなんて
第1回からのファンとしてとても嬉しいです。
正直スレタイ見て「なんだ糞スレか」と思いきやレスが伸びてて
覗いてみたのがきっかけで、それ以降1さんの術中にハマりっぱなしです。
実は髭を観るきっかけの一つがこのスレでして、そういった意味でも感謝しております。(今ではすっかり髭厨)
長々とスレを汚して申し訳無いですがもう一つ、
女性キャラ少ないようでしたら
よろしければ(次回作でもよいので)リリ=ボルジャーノ追加でキボンヌ
1さんマターリ頑張ってください
293 :
292:03/04/13 16:03 ID:???
書き忘れましたが
292=201です
失礼しました
自分は第二回を見て逆シャアをみる意欲を激しく喚起されたクチです。
それまでなんとなくあらすじなどは知っていたのですが、
シャアがアクシズ落しをするという動機が突飛に感じられていたので
興味が沸きませんでした
いまでは手元にあるコンビニで買ったコミック版逆シャアをたびたび見直しています。
、と書くと広告のbefore←→afterのようで可笑しいですが
本当に楽しませていただいてるのは感謝の一言では片付けられませんね。
これからも無理の無い範囲で楽しませてくださいな。
っていうかそんな事どうでもいい。
ここの>>1のすごいところは俺たちの心をリアルタイムに
掴むところだ!!うほ!とか、うほ!とか、うほ!!とか…
このスレは
>>1さんが物凄いだけに糞レスかましてる香具師が痛々しすぎます
297 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/14 18:56 ID:eLLYlaGQ
>>296 まるで他人事のように言いますね、あなた
今日は、とても疲れた上に、ビールを飲んで酔っている。
だから日記は休むことにする。明日、まとめて書こう。
(五日目終了)
昨日は日記を休んでしまった。
しょうがない。昨日はとても疲れていて、私は日記を書く気になれなかったのだ。と、自分に対して自分で自己弁護する。
うんざりするほど忙しくて、また厄介な作業が山ほどあったのだ。特にアオリを考えるのは大変だったし、一日ぐらいいいだろう。
しかし、三日坊主にならないように気をつけなければ。
今日はだから一日中のんびりしていた。おかげで疲れは取れたので、今から日記を書くことにする。
私はコタツ机の上のスタンドを灯して、大学ノートを広げる。
さて、何から書こう。まずは、昨日のことを忘れないうちに書いておこう。2日分書くのは面倒だが、仕方ない。
昨日(三月五日)は、天気がよかった。太陽は燦燦と地上を照りつけていて、もうじき来る春の訪れを感じさせた。
けれどそれは私の憂鬱を取り払うほどものではなかった。
私ははじめての締め切りということで、あらゆる事態を想定しなければならなかった。締め切りに遅れる奴がいては困る。
だが私の心配をよそに、皆、律儀に12時までに提出してきた。アムロだけはフラウを通じて、であったけれど。
私が集まった原稿を一通りざっと眺めながらテーブルに広げて、整理していると、会長から電話だとロランがノックして教えてくれた。
偶然、廊下を歩いていたロランが、電話を取り次いでくれたのだ。最初は、喋り方から変質者だとおもったらしい。
会長の言葉遣いは独特で、まるでどろりとした粘膜のような印象をうけるけれど、それは流石にほんの少しだけカワイそうだと思った。
では、最初の便宜的な挨拶は省いて、重要なところだけここに書いておく。
私と会長の会話。
「・・・ということはですね。会長、この原稿は前に言われたとおり、全てスキャンして会社に送ればイイのですね?」
「ええ。そうしてくれると、小生としても非常に助かるのではないかな、と思います。」
「判りました・・それでは夕方までに必ず送ります。jpeg形式でいいのですね?
ところで、これはいったいいつ発行されるのですか?製版、流通を会わせると今からざっと一ヶ月はかかりそうですが?」
「その問いには、バカじゃねーの、といったほうがいいですかね。発行は明日です。」
「え?明日?それは、無理ではないでしょうか?現実的ではないと思われますが。会長の妄想ですか?」
私は思わず失礼なことをいってしまった。まぁ、いいだろう。
「妄想じゃ在りません。ブロードバンドの時代ですから、わざわざ印刷などとそんなことをするのは無意味ではないか、と私は思うわけです。
小生はこれをZIP形式にして自由にダウンロードできるようにしたいのです。それは必然だと思われるんです。
週刊少年ガンダムのホームページをつくってそこで配布することを思いついたんです。
というのはつまりこうすることで無駄な紙資源も押さえられることに気づいたからです。節約するという概念です。
決してこれは僕が禿げてるからいうわけじゃないんですが、紙は大事にしなければいけないな、と思うんです。
幸いなことに最近は、画像ビューワなるものも普及し始めたようですし、こういう試みもありかなって思えるんです。
シェアファイルのようにして配布するんですね。そうすれば面倒なそういう過程は全て省略できるんです。これは嬉しいことだといえます。
これはつまり来るべき時代のことを考えれば当然の流れではないか、とも思うんです。」
「なるほど。それは確かに次世代の雑誌ということを体現しているといえるかもしれませんね。
だけど、それではMXに代表されるような違法流通ソフトによって市場に出回る・・という可能性がありますが、その点はどうなさるんですか?
特別なパスコードを入れなければファイルを開けないようにするというような手段もありますが・・」
最近はやりの違法流通には、どの業界も頭を抱えているという。
この不景気に更にそういうことをされては、まさに企業としては泣きたくなるところだろう。
私は、そう思った。そうなっては利益が得られずに困るのだ。
だが、私の予想に反して会長の考えは違った。
「そんなことは私は必要ないんじゃないかな、と思うんです。
違法で在れ、なんであれ市場に流通する、といったビビットな事実が今、大事なんじゃないかな、と思うからです。
少年ジャンプといった大衆雑誌に勝つにはまず最初に消費者の目に触れなければいけないと思うんです。
そうしなければ、結局はマイナーで終わってしまいます。しかし、僕は別にマイノリティを否定するつもりではないということも付け加えておきます。
ただ、ロリコンであるハヤオが大衆の羨望を勝ち取ったのは結局そこにあるのではないか、と小生は感じるんです。
つまりどんな低俗な内容であれ、やはり数を取ったほうが勝ちなんです。そこに僕は純粋な恐怖を覚えるんです。
自分は決して勝ち負けなんて気持ちは一切ないんですが、周りの評価は常にそこですから。
大衆はメジャーにならければやはり、トミノの試みは失敗に終わったんじゃないか、と考えていることなんです。
これにはまったくもって呆れざるを得ないのですが同時にどこかで、そう思われても仕方ないな、とも思うんです。
つまり僕が言いたいのは、そう言う風にはなりたくないな、ってことなんです。だから多少のことには目をつぶらざるを得ない、とも思うんです」
「ということは、つまり、市場に大量に流通することが目的であって、利益という面は求めていない、と考えてよろしいのですね?
そして別に違法な手段で流通されても構わない、と。まずは読者の目に触れることが大切だと。そういうことですね?」
「そうです。幸い、ネットを使うことにより、製版などに伴う費用などというものはゼロです。だから、別に費用はかかりません。
その寮にいる方々のためにかかる様々な経費と、貴方の給料ぐらいだと私は思っています。
それぐらいなら別になんとかなるんじゃないかな、と思っちゃたんですね(笑)だから、お金と言う側面はこの際あまりいいません。
その点でこれはやはり僕の道楽と思われても仕方のないんですが、それは違うと言うことも強調したいんです。
この雑誌はきわめて、民主的かつ次世代的だよ、って伝えることを僕は、渇望してるんです。
アンケートをネット上で募集することで、葉書のように全体の数%で判断すると言うことをしないですみます。
明確な民主主義です。このアンケートの結果で打ち切り作品が決まります。これって凄いことだと、思います。
かつての大統領風にいわせてもらうとすると、「人民の、人民による、人民のための雑誌」って事ともいえると思うんですね。」
「なるほど。リンカーン的な雑誌というわけですか?モノはいいようですね。」
「ええ(笑)。だから、僕は。ってことです。それでは、よろしくお願いします」
と、いうような会話が私と会長の間であった。
私は話しながら、黒電話のコードを人差し指で巻いていた。くるくると回転しながら、幾重にもねじれているそれをもてあそぶ。
途中でランバラルとレビル将軍が仲良く談笑しながら、何処かに外出していった。親しいのだろう。
電話を切った後、会長はこういうことは昨日来たときにいえばよかったのではないか、とも思った。まぁ忘れていたのかもしれない。
それにしてもこの椅子はよくきしむ。古すぎるからだろう。太ったやつが座ったらきっと折れてしまうだろう。
そうしたら即刻新しいのに変えようと私は、きしむ椅子から立ち上がって黒電話の受話器を置きながら、そう思った。
会長との電話を終えた私は食堂にいって、朝食の食器の洗い物をしているフラウに頼んでポットにコーヒーを入れてもらった。
部屋に戻り、取り合えず原稿をすべてスキャンする。
私は順にスキャンしながら、原稿用紙に全て手書きで書かれている全員の原稿をチェックした。
その全員の漫画や、コラムを読んで、概要などをつける。更に編集者のいわゆる「アオリ」と言うやつもいれている。
アオリってのは漫画の脇に載っているやつだ。そんなことまで考えないといけないとはなんとも気が重かった。
こういったものを考えるのは私は苦手なのだが、仕方がない。これも仕事だ。
私は、濃いコーヒーを片手に、タバコを吸いながら一人もくもくと考えた。
仕事だと割り切ると、けっこう案外考えるのは楽しかった。普段とは違う自分を発見出来た気がする。
何かを演じるのは嫌いではない。今の自分は、普段の冷静な自分ではなく、情熱を持った編集者の気持ちになりきる。
なんとか夕方までには出来あがった。
さて、記念すべき第一回目だ。まぁ、それほど嬉しくはないが。
だけど、一度乗りかかった船だ。うまくいけば、特別ボーナスもでるだろうから頑張るとしよう。
以下に、今回の作品の概要を忘れないように日記に記しておく。
ちなみに概要とは、私の解説みたいなものだ。さすがに本文自体を載せるのは、メンドクサイ。
値段は100円らしい。この定価が安いのかどうかは、よくわからない。
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燃えあがる雑誌!たちあがる雑誌!正義の力をぶつける雑誌!
『 週刊少年ガンダム! 』 創刊号 (定価 100円)
1. 『ワンピース』 スレンダー
概要 記念すべき創刊第1号の巻頭カラーを飾った漫画。
偶然にも某有名漫画と同じ名前である。が、内容はまったく違う。この漫画はこういいうストーリーだ。
一人のくたびれた男が、真っ暗な部屋でジグソーパズルをしている。手元のスタンドだけが彼を照らしている。
ジグソーパズルはやがて完成する。しかし、何故か一つだけピースがあまる。パズルは完成してるのに、だ。
男はそれを見て、これは自分と同じだと、自嘲する。いつもいつも残らされる自分と同じだと。
男は、そのピースをじっと眺める。涙が出てくる。それをぬぐうこともせずに、男は突然それを掴み壁に叩きつける。
ピースが壁に当たってカツン、と乾いた音を立てて、また足元に転がって戻ってくる。
その一つだけ残ったピースが酷く憎かった。つまり、ワンピース=自分なのだ。男にとってそれは自分自身なのだ。
狭い部屋の中で、ピースを見つめるオトコの目には光るものがある。ワンピース。それは絶望の証し。
アオリ文。 「たたかわなきゃ。現実と。」
2 『ボルジャーノンに花束を』 ギャバン・グーニー
概要 これも巷ではやった某有名作品とよく似た名前である。が、無論内容は違う。
一人の男が自分の機体に花束をささげるという愛と感動のストーリー。ただ、少しありふれているが。
ザクとはちがうのだよザクとは、とボルジャーノンが叫ぶところはとてもいいけれど。
アオリ文 「これでこのネタ何回目?」
3 『 ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係 』 イザーク
概要 今日、顔の傷が痛むから早く家に帰った。
途中病院で見てもらったところ、どうやら少し化膿しているらしい。
憂鬱な気持ちになって、更にキラを殺す決意が固まった。
家に帰ると、テレビで偶然ガンダムSEEDをしていた。テレビの中の人物が俺に笑いかけていた。総集編らしい。
ディアッカがソファに座って面白そうに見ていた。カールのチーズ味を食べながらとても幸せそうだった。
俺は何もいわず、腰の拳銃を抜いて、テレビを撃ちぬいた。2度、3度と撃ちぬいた。モニターはたちまち沈黙した。
ディアッカは何も言わず、一瞬こちらをみただけで、黙々と飛び散った破片をかたずけはじめた。
そんな姿を見てると、思わず涙が出た。自分に嫌気が差した。ディアッカは悪くないのだ。彼はテレビをみてただけなのだ。
手伝いたかったけれど、それも出来ず、いたたまれなくなって自室に駆け込んだ。こんなことするから巷で嫌われてるのだと思った。
しばらくして、扉が遠慮がちにノックされた。俺は反射的にベッドから跳ね起きた。
俺が少しだけドアを開けると、そこにはディアッカは既におらず、カールの袋が置かれていた。チーズ味だ。
一つ取り出して、おずおずと口に入れた。ほのかなチーズ独特の甘味が口の中にパァっと広がった。
俺は、傷の痛みが薄れていくのを感じた。嬉しかった。カールをかみ締めながら、ディアッカに後で謝ろうと思った。
だけど、よくみたら、その中には、沢山ガラスの欠片が入っていた。俺は、嫌われ者なのだ。今のでいっそう確信した。
アオリ文 「そんだけ。」
4 『 くそみそロランの奇妙な冒険 』グエン・サード・ラインフォード
概要 ロランが自分の理想だと思う一人の男がロランを天国に連れて行くまでを描いた漫画。舞台は刑務所。
何故かロランは刑務所にはいっているらしい。男(どうみてもグエンだ)の職業は、神父らしい。
執拗に「因縁!」などといってロランを追いかける男は、はたからみると変態だ。
この作品のテーマは人間賛歌だそうだ。「引力、即ち愛(ラブ!!」)とオトコは、毎ページで叫んでいる。うっとうしい。
最後のほうは時間が加速して腹の中がパンパンになるという意味不明な展開で次週に続いている。
ロランが「僕はオトコですよぉぉぉぉぉ!」と叫ぶシーンには、何処か悲痛なものさえ感じられる。
だが、それでもこの男はロランを諦めない。ゼッタイに天国に連れて行くと言うのだ。底知れぬ執念を感じられる漫画だ。
アオリ 「 NO断念!! 」
5 『拳法興亡史』 レビル将軍
概要 宙秤攣殺闘…長い伝統と歴史を持つ中国拳法史上にあっても ただ一度だけ行われたという史上最凶の戦い
明朝末期の一六一五年二月二十九日 場所は格闘技の聖地といわれた雲南省青牙山山頂火口…
当時雲南地方で勢力を二分し抗争にあけくれていた 南陽拳と北陰拳の戦いに終止符を打つべく
時の皇帝の命により双方およそ三百人からの全弟子を天秤にかけ 両派最高師範がその存亡をかけて戦ったという
勝負は北陰拳の勝利に終わり 破れた南陽拳は全滅し拳法史上から姿を消した・・そうだ。
アオリ 「この文は全てフィクションです」
6 『 まくべとつぼ 』 マ・クベ
概要 ある日、自宅の納屋に槍にささった壷を見つけた少年が、壷と共に敵を倒す冒険活劇。
けれど何故か、まくべ編と壷編にわかれている。現在、「一瞬だけのまくべとつぼ」を連載中。
今週の最後のシーンを抜粋。10年戦えると嘘をついたマクベがキシリアに縋って泣く場面は見るものの感動を誘う。
必要な嘘とはなにか、またそんなものは存在するのか。マクベの流す涙に、それを深く考えさせられる。
アオリ 「 ギャンに乗った日 」
7 『 ∀の癒し 』 ロラン・セアック
概要
たとえるなら山の端に月が満ちるように 、鮮やかに息づく美しい森の中で夏草の生命を浴びて僕はそっと目を閉じます。
瞼を閉じれば、あのときの核爆弾の白い閃光が脳裏に浮かびあがります。その中に在るガンダムを感じます。
大地に銀の涙が降り注ぐように月からは光・・淡い銀色の光が差し込む様子も、閃光と共に僕の頭に浮かびます。
それはどこか月光蝶のことを僕に思い出させてくれます。この連載で僕は、あの出来事を振り返ろうと思います。
癒しとは、その過程での再生を意味しているんです。再生とは、つまり月の繭に包まれるようなものなんです。
月の繭とは・・(以上、本文序幕より抜粋)
アオリ 「この雑誌期待の新人が思いを綴る感動の長編!」
8 『砂漠と料理と究極の至高』 ランバラル
概要 料理漫画である。料理漫画というのは、どの雑誌でもコアなファンがつくものだ。だから、この漫画には期待している。
しかし、第1話目では、何も料理を食べず、しかも水さえもらえないという始まり方はどうかと思う。
けれど、水が欲しいなら、あの町までいくんだな、という頑固な親父からは水が如何に砂漠で貴重かを教えてくれているともいえる。
だが、残りの12ページは、全て砂漠を歩いているシーンとというのはどう考えてもやりすぎだ。結局、料理は一つもでなかった。
それだけに次週が気になるところともいえるが・
アオリ 「 dangdang気になる 」
9 『 人 間 失 格 』 アムロ・レイ
概要 恥の多い生涯をおくってきました、から始まる正当な純文学。
ニュータイプの否定=人間性の否定へとの論理の飛躍には、少し疑問が残るが、それだけ著者の苦悩が伺える。
精神病院に連れて行かれる辺りは、何処となく次世代の若者への警告とも読み取れて興味深い。
非常に、洗練された文章で、人間として赤裸々に生きていきたい少年が、かなわず敗北していく過程が非常に斬新である。
父との別れ、母との決別、周りへの嫌悪、そういった著者の感情を見事に吐露したファン待望の私小説。
アオリ「 ララァと玉川入水?! 」
10 『こちらサイド7コロニー前派出所』 カクリコン
概要 巡査部長である大原カクリコンことカクリオンの派出所での騒動記。
金持ち警官シロッコと、不良警官であるジェリドの起こす騒動にいつも頭を抱えている。
今回は暴走族をしていて補導された不良のカミーユ・ビダンに対しジェリド警官が、
「お前等みたいな連中はコンクリートに頭ぶつけて死ねよ」と言ってしまい、切れたカミーユの所為で大騒動になる。
面白いのだが、後半からの絵のタッチの違いに少し首を捻ってしまう。
途中から作者は考えてないのではないか、アシスタントがかいてるのでは、との疑問も多く見られた。
アオリ 「 ギネスに挑戦!アメリアも応援しているぞ!」
11 『 びっくりするほどユートピア 』 カイ・シデン
概要 ビンタのかわし方というコラムを書くつもりだったという筆者が、急遽書きなおしたもの。
内容は、自分の知らなかった世界に、幸福があるということらしい。筆者の実体験を赤裸々に書いたもの。
少年達に、ある種の性的快楽を教えようとしたものだ。舞台は公園のトイレ。ほとんど18禁だ。
ちなみに有名なトマス・モア作のユートピアとはなんら関係もない。よっぽど没にしようと思った。
こんなのは有害図書指定がふさわしいだろう。
アオリ 「 お 前 は そ こ で 乾 い て い け 」
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さて・・以上が、創刊号の内容だ。
私のアオリの適当さには目を瞑ってほしい。これでも頭をつかったのだ。
なんせ初めてなもので、これでいいのかどうかわからない。まさに手探り状態だ。
アンケートの結果、この中のどれか一つが打ち切りになる。実にリアルなサバイバルゲームだ。
去っていく人には気の毒だが、まぁ、寮の風通しがよくなるのは大変結構だ。私としてはグエンが消えてくれるとありがたいのだが。
私は、全てを一つのファイルにまとめてメールで会社へと送信した。こういうところだけはきちんと、ブロードバンドなのはありがたい。
パソコンに送信完了の文字が表示される。それを確認した私は、大きくため息を吐いた。
ここまでが三月五日の出来事の全てだ。終わった後は疲れのあまりビールを二本飲んですぐに寝てしまった。
思ったより連日の心労がたまっていたのかもしれない。
昨日の日記を読み返すと、自分がとても疲れていたことが判る。手抜きだ。
三月六日、つまり今日は特に何もせずに、ぼうっとすごした。いつもどうりに朝はきちんとおきたけれど。
午後に、一応確認したところ、ちゃんとホームページ上からダウンロードできるようになっていた。
きちんと私のアオリ文も載っている。ただ、表紙がトミノ会長が口を全開に広げている写真なのが気になるが。
アンケートのページを見ると既にいくつか投票がされていた。さすが情報化社会。こういった試みは歓迎されるのだろう。
期限を見ると三月十日までアンケートを募集しているらしかった。戯れに自分でも投票してみる。
誰に入れたかは、立場上書くわけにはいけない。日記と言えど、偶然見られる可能性を常に想定しておくのが、賢い選択だ。
私は、パソコンの電源をシャットアウトすると、タバコを咥えて、火をつけた。
カラダに悪いとされるが、少なくとも精神には良い。私はタバコの先が灰になって落ちるのを眺めながらそう自己弁護した。
・・どうも今日は自己弁護が多すぎる。誰かに肯定してもらいたいのかもしれない。
何を?勿論、自分の仕事だ。こんなことをしてていいのかという焦りが,不安を呼び、弁護を欲している。
まぁ、いい。これで一週間は休憩できる。いや、ダメだ。会社の別の仕事をしなければいけない。あぁ、私には暇がなさ過ぎる。
・・日記はここまでにしておこう。長くなるのは禁物だ。編集者の仕事が自分にあわなくても、仕事は仕事だと割り切ることが大切だろう。
今晩は、外を少し散歩してから寝よう。月が夜空に、とても鮮明に映し出されていて綺麗だ。
それにしても・・この週刊少年ガンダム、果たして受け入れられるのだろうか?私は非常に不安だ。
(六日目終了)
313 :
1:03/04/15 15:08 ID:???
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週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1
2
3
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「 」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「 」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名( )
メッセージ「 」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「 」
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え〜と、創刊号の方は読んでいただけたでしょうか・・。上にアンケートがあります。
第三回を読んで頂いてる皆様には、ぜひ週刊少年ガンダムのアンケートのほうに回答をお願いいたします。
これの結果によって、寮から、毎週消えていく人を決めよう、と思ってます。話の展開の都合で変えるときもありますが・・
作中で、三月十日になるまで、マターリ、アンケート募集しておきますので、どうぞ気楽にアンケートお願いします。
すぐに作品に結果として現れるのが、ジャンプと違うところだと、トミノはいっております。
これが作中でトミノがいっていたリンカーン的システムです。
ちなみに毎週、一番人気が高かった作品は、幕間の時にでも、独立したSSとしておまけで発表するつもりです。
それでは、なにとぞお待ちしておりますです。
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 くそみそロランの奇妙な冒険
2 人 間 失 格
3 ワンピース
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
編集者のやる気を疑う。どれもつまらない
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(グエン・サード・ラインフォード)
メッセージ「天国へ逝ってください」
最後に本誌への感想をどうぞ。
女性作家、お願いします
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1くそみそロランの奇妙な冒険
2こちらサイド7コロニー前派出所
3∀の癒し
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係 」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「強いて言えば「戦わなきゃ現実と」かな」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(各離婚)
メッセージ「予想に反して期待させる内容だった、新キャラ次第では
大化けするかも?ガンバレ」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「最終ページに作者からの一言が欲しい」
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 びっくりするほどユートピア
2 人 間 失 格
3 ∀の癒し
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「砂漠と料理と究極の至高」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「やっつけ仕事っぽい感じがした。編集は素人さんかな?俺らくらいのマニアの目から見ると(略
面白かったのは 「そんだけ。」 」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(スレンダー)
メッセージ「今回のインパクトはアレだが、いずれ輝くかもしれない予感がする。
最後まで残って欲しい」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「マンガの絵が下手糞なのは仕様ですか?」
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1くそみそロランの奇妙な冒険
2ワンピース
3 人 間 失 格
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「びっくりするほどユートピア」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「オチがアオリ文に依存している作品があるのは疑問だが、そういう雑誌なんでしょうか。」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(グエン・サード・ラインフォード)
メッセージ「パクリ(・A・)イクナイ! でも(・∀・)イイ!」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「ど こ が 週 刊 ガ ン ダ ム な ん で す か ?」
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1砂漠と料理と究極の至高
2ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
3びっくりするほどユートピア
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「∀の癒し」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「普通だと思った。「この文は全てフィクションです」」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(イザーク)
メッセージ「原作同様、噛ませ犬にならない事を祈っています。」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「ライバルはジャンプですか?」
320 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/15 22:52 ID:C5ie9jA1
ガンガルみたいなもんか
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1こちらサイド7コロニー前派出所
2ワンピース
3くそみそロランの奇妙な冒険
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
びっくりするほどユートピア
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
担当の方がまだ恥を捨てきれていないと思います。
もっとぶっ飛ばして下さい。
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 マ・クベ
メッセージ ツボにはまりました。これからも頑張って下さい。
最後に本誌への感想をどうぞ。
毎回、ガンダムの特集について語ってみるのはどうでしょうか?
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週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 まくべとつぼ
2 人 間 失 格
3 ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「ボルジャーノンに花束を」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「『そんだけ』に深い哀愁を感じました。一見突飛なようでも見識の深さを感じます」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(カイ・シデン)
メッセージ「けして少年向けには見えませんが、大胆な構図と台詞使いになんともいえない味があるというか。。
のんけですが思わず読みいってしまいました。」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「期せずに面白かったです。次はちゃんとお金を払って見ようと思います」
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どうも、皆様さっそくアンケートありがとうございます。
ちなみに採点の基準を書きわすれてたので補足しておきます。
書いていただいた面白かった順の1位、2位、3位でポイント5,3,1を与えて採点することにしてます。
打ち切って欲しい作品は、−5点がつきます。
この採点でいくと今のところ創刊号一位は・・・「くそみそロランの奇妙な冒険」の16点です。
まだ、わかりませんけれど・・それでは、まだまだマターリまってます。感想は作品の中で反映させますので・・
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1拳法興亡史
2ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
3ワンピース
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
びっくりするほどユートピア 」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
『そんだけ』に深い感動を覚えました
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 レビル将軍
メッセージ この手の作品は好きなんで、是非頑張ってもらいたいですね
最後に本誌への感想をどうぞ。
作者の皆さんも編集者の方も頑張ってください。
326 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/17 02:23 ID:PhPsYBWR
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 砂漠と料理と究極の至高
2 ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
3 ∀の癒し
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「 人 間 失 格 」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「普通だと思いましたよ。もうちょっとケレン味があってもいいかも知れません。」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(スレンダーさん)
メッセージ「今月号では上位3位には投票しなかったけど何か光るものを感じました。
これから是非どんどん上達して最後まで残って欲しいです。」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「是非来週も買って読みたいです。100円どころか240円位の価値はあると思います。」
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 ∀の癒し
2 まくべとつぼ
3 くそみそロランの奇妙な冒険
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「『NO断念!』はさすが変態作家の作品に付くアオリだけはある」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(グエン・サード・ラインフォード)
メッセージ「性癖と同じくらい濃い作風ですね。応援してます」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「やらないか?」
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
2ワンピース
3なし
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
びっくりするほどユートピア
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「普通だと思った。「この文は全てフィクションです」」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 スレンダー
メッセージ 頑張って残ってください。
最後に本誌への感想をどうぞ。
値段が高いです。50円にして下さい。
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週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 『 びっくりするほどユートピア 』
2 『ワンピース』
3 『砂漠と料理と究極の至高』
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「『ボルジャーノンに花束を』 ギャバン・グーニー」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「「この雑誌期待の新人が思いを綴る感動の長編!」 おいおい感情移入し過ぎだろ(W」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(スレンダー)
メッセージ「貴方が俺のガンダム人生を狂わせました」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「すごい企画ですね。これから先が非常に楽しみです。」
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週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 砂漠と料理と究極の至高
2 人 間 失 格
3 ワンピース
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
びっくりするほどユートピア
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「 dangdang気になる 」←パクリ
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 スレンダー
メッセージ 残る事に関しては天下一品ですね。
最後に本誌への感想をどうぞ。
カミーユは何時頃乗り込んでくるんですか?
331 :
ほげら〜:03/04/18 00:19 ID:sBF0Zivw
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
2びっくりするほどユートピア
3くそみそロランの奇妙な冒険
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
こちらサイド7コロニー前派出所 」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
『dangdang気になる』かな?
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 アムロ
メッセージ おいおい、またヒッキーかよ。
深夜の再放送では、鉱山破壊しててカッコよかったのにな。
最後に本誌への感想をどうぞ。
とりあえずSEEDは超えといてください。
332 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/18 00:34 ID:Sht43jCL
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 次でsageて! |
|_________|
∧∧ ||
( ゚д゚) ||
/ づΦ
昨日の夜、日記を書いた後だが、外を散歩しているとB棟の管理人と出会った。
少し変わった少年だった。まぁ、別にいいのだが。会長との関係を聞きたかったのだが、そんなことを話すことはできなかった。
ただ、ひとつだけ変な質問をされただけだ。まぁ、月は目が冴えるほど綺麗だったから別によしとしよう。
今朝は、扉をノックする音で起きた。コンコン、と規則正しい音がした。
目を擦りながらドアを開けると、青ざめた顔のロランが立っていた。
私は、その姿をみて何かあったな、と直感した。ロラン君も寝ていたままの姿らしく、衣服は簡素な真っ白なパジャマであった。
私はとりあえず、ロラン君を部屋の中に入れることにした。今朝の廊下はひどく寒かった。
まるで肌をさすような寒さだ。裸足のままのロラン君はとても寒そうに身を震わせていた。
「こんな朝早くすいません・・」
とロラン君は,恐縮したように言った。私は別に構わない、と彼に言った。
枕もとの時計を見ると、5時過ぎだった。外はまだ真っ暗だ。私はこっそりと欠伸をかみ殺す。
昨日寝たのは、少し遅かったのでまだ眠かった。だが、そんな様子を見せるわけにはいけない。
ロラン君に一個しかない薄っぺらな座布団の上に座らせると、私は台所にいった。
水道を捻ってふるぼけたヤカンに水をたっぷり入れると、ガスコンロを捻りお湯を沸かすと、濃いコーヒーを作った。
あいにく食堂に豆を置いているのでインスタントの単調な味だが、精神を落ち着かせるにはいいだろう。
ロラン君のには、砂糖をたっぷりといれて、(もちろん自分のはブラック)、コタツの上に置いた。そして私も座る。
私とロラン君は狭いコタツをはさんで向き合う形になった。
とりあえずコーヒーを飲むように勧める。
ロラン君がこくこくとコーヒーを飲む。最初は、少しぬるめに入れておくのがコツだ。
すぐに、飲み干したロラン君のカップに今度は熱いコーヒーを注ぐ。
ロラン君も今度は、それにゆっくりと口をつけた。
「それで・・どうかしたのかな?」
私はロランくんの緊張をほぐすために、勤めて優しい口調で言った。
彼は少しの間もじもじしていた。私はそれを眺めながら、まさかよばいじゃないだろうな、とくだらないことを思った。
私はコーヒーを飲みながら、ロラン君の顔を眺めた。確かに女顔だ。
髪も銀色のさらりとした感じで、とても清潔そうだ。触ってみたいと思いたくなる髪だ。
上のパジャマはボタンがきっちりと止まっていたが、それが逆に何処か背徳的だった。
このオトコだらけの寮にいたら、確かにグエンがああなるのもわからないでもない。
だが、と私は思う。
彼はオトコだ。毎日、風呂に一緒に入っているから、それはわかる。
だからどんなに可愛くても私の守備範囲外だ。野球にたとえるなら、レフトフライはサードの私の守備範囲ではないってことだ。
・・少しわかりにくいかもしれないが、まぁ、そういうことだ。
それにしても寒い。やはり朝はまだ冷え込む。私は、自分の吐く息が白いのをみて、カラダを震わせた。
ロランも寒そうだ。あいにく、この部屋には暖房はこのコタツしかない。もう春だからいいと思ったが、やはり朝は寒い。
私はコタツの下に手を入れて、コードを掴みスイッチを入れようとする。
だが、中々コードが見つからない。私はコタツの中をまさぐる。
ふと、手が何か柔らかいものに触れた。ぐにゃ、としたものだ。不思議に思った私は右手でそれを乱暴に掴む。
その瞬間、ロラン君が「あっ」っと声をあげた。私は、怪訝に思って顔を上げる。彼は真っ赤な顔をしている。
まさか、私は焦った。右手を離すと、彼は「あぁ」と吐息のようなものを漏らした。目がかすかに潤んでいる。
・・・どうやら私が掴んでいたものはロラン君のいわゆる「モノ」だったらしい。乱暴につかんだものが棒だった、ということだ。
非常に、きまずい沈黙が、部屋を支配した。
私はやばい、このままではいけない、と思った。
まさか今ので、私もグエンと一緒だと思われたかもしれない。純粋な事故なのに。
どうして、わたしがオトコのモノを握りたいと思うだろう?いや、思わない(反語)
ホモの烙印を押されるのは勘弁して欲しい。と、私は背中に汗が出るのを感じた。
そんなことになっては、私の社会人としての積み重ねてきたものが粉々になってしまう。
私はこっそりとため息をついた、なんで朝からこんな目にあわなければいけないんだ。とにかく何か言わなければ。
「・・すまない。コタツのコードをさがしていて。つい」
なにが、つい、だ。と私は自分で突っ込みを入れたかったが、他にうまい言い訳を思いつかなかった。
ロランも真っ赤な顔で「いえ、気にしてません・・」などといっている。その割には声が小さい。
嘘が下手だな、と思ったが、私はこれ幸いとばかりに話を戻すことにした。
これ以上、この雰囲気を持続させては何か取り返しのつかないことになりそうだ。
「あー・・・ところで、何か用だったんじゃないのかな?」
「あ、ええ。そうでした。」
ロランは思い出したように、そういうと、再びコーヒーに口をつけた。
私も今度はコタツのスイッチを間違えずにつけると、彼の話しの続きを待った。足元がようやく温かくなる。
「実は・・グエン様が・・」
「グエン・・?彼がどうかしたのかい?」
私は、グエンの笑顔を思い浮かべた。あの何かを狙っているような含み笑いを。
朝から、思い出したくない人物ではあった。かといって夜に思い出すのも遠慮したい人物だ。
「彼が窓から叫ぶ内容・・覚えてます?」
「あ、あぁ。覚えているよ。というか、あれだけ毎日言われていれば忘れないさ。」
私たちが歯を磨くときに彼は必ず、自室の窓を開けて叫ぶ。叫ぶ内容は三月二日の日記に書いておいた。(
>>209を参考)
確かにイヤな内容だ。私宛てじゃなくてよかったと、ロラン君には悪いが内心思っている。
「それがどうかしたのかい?」
「あの中の一節に
>部屋が隣になってから、押し入れから毎日、君を覗いて
という文があるのですが。この件なんです。実は、グエン様の覗きを辞めさせて欲しいんです・・」
「覗き?」
「はい。僕の部屋の壁に穴があいてるんです。そこからグエン様が覗いているんです・・」
「なんとね・・・彼は、そんなことをしているのか。」
と、私はロラン君に驚いてみせながらも、寧ろ隣の部屋に住んでいて、彼がしていないことのほうがありえないな、と内心納得していた。
彼の情熱は、まさに、あの原稿からもあふれていたのだから、と私はグエンの原稿を思い出しながら、思った。
「そうか・・それは困っているだろう。私の方からキツク言っておこう。そんな犯罪は野放しに出来ないからな。
それで、どうしてこんなに朝早くにきたんだ?」
グエンに関していうのなら朝、どうせ白の広場で会うのだから、そのときでもよさそうなものだ。
こんな五時とかいう中途半端な時間にくることはない。正直、まだ眠い。
「実は、最初は小さな覗き穴が広がってしまって・・僕の部屋にグエンさんが侵入できるぐらいになってしまったんです。
開通したのは・・いまさっきです。僕が物音に気がつくと、部屋の壁にぽっかりと大きな穴が・・」
そこまでいうと、ロラン君はその光景を思い出したのか、顔を手の平で覆った。
正直、気の毒だった。私は心底同情した。私は手を伸ばして、彼の頭をそっとなでてやった。
「僕、結構眠りが深いほうなので、寝てしまうとそこそこの音じゃおきないんです。
だから、僕が寝た後、グエン様はこっそりと押し入れで、道具を使って壁を開けてたんです。迂闊でした。
覗き穴程度なら、ポスターを張ったりして、ふさぐことができるんですが・・あれは無理だとおもって・・」
まるで、めぞん一刻の四谷さんだな・・、と私はその光景を想像して思った。
この寮は、結構部屋と部屋との壁は分厚く作っているから覗き穴程度ならともかくそんな穴をあけるのは大変な労力だろう。
私はそこで、夜中に二階から聞こえる騒音の原因に気がついた。そうか、日記に書いていた騒音はこれ、か。
ヤツが壁に穴を彫っている音だったのだ。それはモグラが壁に穴をあけるように。
彼はきっと毎日夜通し穴を掘って、朝、歯を磨いているロランに叫んでからようやく寝ているのだろう。
事実、昼間に彼を目撃したことは一度しかない。
私はその彼の熱情に呆れるよりも、むしろ、感動した。眠気をこらえて、よく頑張った!とこの国の首相ならいってるかもしれない。
まさにロランの部屋、という聖域の構造改革を彼はしたかったのだろう・・・。いや、ロラン自身が性域か・・。それを改造・・
「あの・・」
自分の考えに没頭していた私は、ロランの不安げなその声で現実に戻った。
「あ、あぁ。それは大変だったね。
今日グエンにはしっかり言っておこう。業者に電話して壁の穴も厳重にふさいでもらう。
もう2度と入ってこれないようにな。そうだな・・鉄板にでもしてもらおうか。ついでに電流でも流そうか?」
私は、ロランを安心させるために努めて力強い声でユーモラスにいった。
いいながら、私はこれが初めて管理人らしい仕事じゃないだろうか、と思い少し苦笑した。
「電流まではしなくてもいいです。けれど、ありがとうございます」
ロランが本当に嬉しそうに声を弾ませた。
その声を聞いて、私は照れくさくなった。人に感謝されるのはなれてない。
第一、これは感謝されるようなことではない。管理人として当たり前のことだ。私は、無言でタバコを吸った。
そのとき、くぅ、とロラン君のお腹がなった。どうやらお腹がすいているらしい。
無理もない。連日覗かれていれば食欲もなくなるだろう。その不安がなくなって急にお腹がすいたのかもしれない。
「そうだ、サンドイッチでも食べるかい?」
私は、台所のところに作っておいたサンドイッチを思い出していった。
昨日の夜、夜食で食べようと思っていたやつだが、結局食べなかったのだ。
まだ、痛んではないだろう。
モッツァレラチーズとハムのサンドイッチだ。挟むパンにはこの前のパン屋の食パンを使っている。
自分で言うのはなんだが、かなりうまく出来た。とてもうまい。やはりあのパンが味を引き立てている。
「いいんですか?」
ロランが遠慮がちにそういった。
「別に構わんよ。どうせ、昨日食べなかったやつだ。寧ろ、食べてくれたほうがありがたい」
私はそういってたちあがると、台所の戸棚に、ラップしてしまっておいたサンドイッチを彼に渡す。
冷めてしまったコーヒーも別のに温かいものに入れかえる。
ロランがそれを美味しそうに食べるのを見ながら、再び欠伸をかみ殺した。
食べた後、ロラン君はまだ眠そうだったので、私は自分の布団で寝させた。
最初は、遠慮していたのだが、まさか壁に穴があいている部屋にロランを返すわけにはいけない。
そうすると今度、穴が開くのは壁ではなく、彼本人だろう。・・推測だが、当たらずも遠からずといったとこだ。
ん、もう六時か。私は、時計を見てそう思った。コタツで寝ようと思ったが、やめる。2度寝はカラダに悪い。
私は、パソコンを起動させて週刊少年ガンダムのアンケートのチェックをすることにした。
結構きているな・・私は、少しだけ驚きを隠せなかった。トミノ会長は喜んでいることだろう。
アオリ文は、結構、不人気だった。私は少しだけへこんだ。
「管理人さん・・」
まだ起きていたらしいロランがそう言った。
もう部屋の明かりは消していて、コタツの上のモニターだけが、明かりをトモしている。
だから、ロランの顔はわからなかった。
「ん、どうした?」
私はパソコンのディスプレイから目を離さずに、返事をした。
「・・・本当にありがとうございます」
「・・もうよしてくれよ。別に感謝されるほどのことじゃない。君の苦情は、住居人として当然の権利だ。」
私は、あんまり感謝されたくないので、そっけなく答えた。
それにロラン君もいずれは打ち切りになるだろう。そういったことを考えると、あんまり親しくないほうが後々いいかもしれない。
いや、こういったことまで考えてしまうのはあまりよくないな、と私は反省した。これは、どうも考えすぎだろう。損な性格だ。
そんなことを考えていると、ほどなく、ロランの規則正しい寝息が聞こえてきた。
私はというと、パソコンをつけっぱなしにしたまま、グエンの覗きを辞めさせる方法を考えることにした。
だが、中々いい案が思いつかない。
彼が無条件でやめるということはないだろう。やはり、あの方法しかないか・・。と、私はロランの寝顔を眺めて思った。
その後、昼過ぎに起きてきた、グエンと私が食堂で交した会話。
「グエン、君は覗きをしているようだな・・?」
「ええ。管理人さんも や ら な い か ?」
「全然罪悪感がなさそうだな・・いいか、彼はオトコだぞ。
今は、女みたいな顔をしているが、後、数年もすれば立派な男になる。それでもいいのか?」
「立派な男だって!ウホッ!嬉しいこといってくれるじゃないの・・」
「やはり無理か・・まぁ、わかりきっていたがな・・。辞めろと言ってもやめないだろう。
それでは仕方がない。どうだ、ここは一つ交換条件といくか?
いいか?この写真をやるから、しばらくの間は、覗きはやめるんだ。警察ざたにはなりたくないだろう?」
「ウホッ!嬉しいもの持ってるじゃないの! 」
「そうだろ。この貴重な写真をやるからしばらくは我慢しろよ、いいな?これは私も入手に苦労したんだからな・・」
と、私は彼に、今朝あの後に撮ったロランのあどけない寝顔の写真をヒラヒラと見せた。
まぁ、これで覗きが収まるのならロラン君も我慢してくれるだろう。どんな構造改革にも必ず痛みを伴うものなのだ。
(三月七日終了)
グエンが『森の人』化してきた。ウホウホ
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1拳法興亡史
2くそみそロランの奇妙な冒険
3ワンピース
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「素人っぽい『これでこのネタ何度目?』タイトル見たときまさにそう思った(笑)」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(レビル将軍)
メッセージ「こういうの大好き、がんばって欲しいです」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「結構レベル高いと思う、創刊廃刊にならないことを願う(いや、マニア向けみたいだから心配で(笑)」
ほっしゅ
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 ∀の癒し
2 ワンピース
3 まくべとつぼ
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「 dangdang気になる」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(ロラン・セアック)
メッセージ「すごく素敵だと思った」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「もっといっぱい戦いがあると面白かった」
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
2 ワンピース
3 拳法興亡史
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
びっくりするほどユートピア
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「それだけ」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名イザーク
メッセージディアッカって誰なのか気になりますが、これからも頑張って下さい、
最後に本誌への感想をどうぞ。
マニア向けですね。でも面白いです。
ほす
347 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/19 21:50 ID:lJToHv8G
足きり防止あげ
348 :
山崎渉:03/04/19 22:51 ID:???
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
349 :
山崎渉:03/04/20 00:17 ID:???
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
350 :
山崎渉:03/04/20 02:02 ID:???
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
351 :
山崎渉:03/04/20 07:05 ID:???
(^^)
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
2こちらサイド7コロニー前派出所
3ワンピース
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
∀の癒し 」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「ギネスに挑戦!アメリアも応援しているぞ!」 」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(特に無し )
メッセージ「皆さん頑張ってください」 」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「すばらしい」
今日な平穏な1日だった。取りたてて書く事はない。ロラン君の壁も修復したからよかった。
週刊少年ガンダムの次回発行日は、三月十三日だからまだ日がある。
だが、メールによると会長の構想では、週二回にするかもしれないということだ。
そのほうが、読者を惹き付けるだろうとの考えらしい。
だが、それでは作者の側が、結構辛いのではないか、と私は考えている。
中々、考えてというのは浮かばないものだ。かといってジャンプと同じ週一回では苦しい、というのもわかる。
ちなみに週刊少年ガンダムは基本的に連載と読みきりが混ざっている。
「ワンピース」や「人間失格」などは一回きりの読みきり、「∀の癒し」や「くそみそロランの奇妙な冒険」などは連載ものだ。
別にどちらの形式をとってもいいことになっている。打ち切られなければなんでもあり、だ。
まぁ、読者に飽きられないように頑張って欲しいものだ。
昼には、うどんを食べた。
私が食堂で、いつものごとくスパゲティでも作ろうと、思ったのだが、何故かうどんを食べることになった。
というのも食堂でランバラルとイザークが楽しそうにうどんをこねていたからだ。
声をかけると、イザークは顔を上げて、こちらをみて、うどんをつくっているんです、と私に言った。
おかっぱのような髪でうどんをこねている姿はどこかアンバランスなものがあった。不自然、といってもいい。
まるでケント・デリカットが,ウィッキ−さんの真似をしているような不自然さだ。・・わかりにくい表現だが。
ランバラルが小麦粉を地面において、白い麻布でくるんで、その上から足で幾重にも踏んでこねていた。
「こうするのが一番美味いのだ」とランバラルはしたり顔で説明する。イザークも頷く。
私はうどんに関しては素人なので、ただ相槌をうっただけだった。
うどんを一緒にどうか、というのでお言葉に甘えていただく。
だが、私の予想に反して、普通のうどんではなく、ざるうどん、というべきものだった。
イザークが大根おろしを私にくれたので、首を捻っていると、なんと大根をもってきた。
額の傷と大根とが妙におかしかった。だが、勿論、笑うわけにはいかない。
彼はやけに真剣な顔をしていた。おそらく手抜きが出来ない性格なのだろう。世渡りできないタイプだ。
まぁ、折角もってきてくれたんで、大根をこしこしと下ろした。
すり終わったころにランバラルが、茹で上がったうどんを持ってきてくれた。
それに出し汁。醤油のどちらかを適当にぶっかっけて、ちゅるちゅると食べればいいらしい。
私は、すった大根に、ねぎ、生姜、をうどんの器に入れる。そしてかるくまぜる。
そしてちゅるちゅると食べたのだが、これが実に美味い。腰があり、ぴんと一線入っている。
スパゲティで言うならばアルデンテといったところだ。いくらでもちゅるちゅると入ってしまう。
黙々と食べていたら、更にゆであがりをもってきてくれたので有りがたく頂く。
今度はかけだ。その上にコロッケを載せて、アツアツのまま食べるのだが、これも泣かせるほど美味かった。
私はなるほど、これだけの料理ができるから、料理漫画を書こうとしたのだな、と納得させられた。
まぁ、アンケートではあまり人気がなかったが。
私が食後に、それをさりげなくいうと、ランバラルは不満そうだった。
いつがアンケート発表だというので10日だ、と教えておいた。
10日に打ち切って、発表。
11日には、最下位との別れの予定だ。
イザークは自信があるようで、楽しみだな、などといっている。そしてうどんをすする。
こう言うタイプに限って、成績が悪いと逆上するのだ。私にはわかる。
そして幼女を殺すかも知れない。それが事故か、故意的かはわからないが。
そうならないことを祈るばかりだ。・・それにしても会長は本当に週二回にするつもりなのだろうか。
(三月八日終了)
>そして幼女を殺すかも知れない。
唐突にワラタ
最近はうどんは冷凍物しか食べてないです。
知り合いの香川出身者がうどんに並々ならぬ執着を持っていたのを思い出しました
| あなた達は愚行の数々を繰り広げる低脳で無知で強欲な生物です(^^; . |
| しかしこのFLASHを見ればきっと神は御救いになられるでしょう(^^) |
\ (^^)
http://f2.aaacafe.ne.jp/~eagle/flash/flash.htm (^^) /
\ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧
( ^^ )
(っ) ,,,,l ` γ l,,,,,
\ \/~~.... |。 ~~ヽ
\,,/ | |。田}}\ \
| |。 | ヽ_ヽ
_ | |。 | ゝつ
|\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
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< 山 崎 ! 山 崎 ! 山 崎 ! >
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週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 ∀の癒し
2 拳法興亡史
3 こちらサイド7コロニー前派出所
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係」
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
「ジャンプ臭漂ってますね」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名(ロラン・セアック)
メッセージ「やらないか」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「ここ数年のジャンプより面白かったです。来週も読みたいと思いました」
週刊少年ガンダム 創刊号 アンケート用紙
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係
2 拳法興亡史
3 こちらサイド7コロニー前派出所
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
びっくりするほどユートピア
アオリ文に対してどう思いましたか?また、一番いいと思ったのはどれですか?
ないです。
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 レビル元帥
メッセージ フィクションは良くないと思いますが頑張って下さい。
最後に本誌への感想をどうぞ。
マガジンには勝ってると思います。
保守
昨日の日記に、次の雑誌の発行は十三日とかいていたが十二日の間違いだったので訂正しておく。
五日に創刊号だったのだ。1週間後は十二日だ。こんな単純な思い違いをするとは私もやきがまわっている。
さて、昨日、私が危惧していたことは、どうやら事実になるようだった。
第二回からは、4日ごとに発行することにする、と会社からメールが届いた。
私は執拗に反対していたのだが、もう決定済みだといって聞いてくれない。
まぁ、会長のわがままは今に始まったことではないので、わかりきっていたことだが。
今日は、朝、顔を洗った後、食堂でロラン君と二人で雑談していた。
あいにく、小雨の降り注ぐ天気で、これでは散歩にもいけない。
私は少し焦げている鮭の味に顔を顰めながらも、箸を勧めていた。
ロラン君は既に食べ終わっていて、のんびりと朝のニュースを見ていた。
テレビ・・これもかなりの年代モノだ。なにせチャンネルがダイヤル式だ。リモコンなどは勿論ない。
一応カラーではあるが、フラットではないし、色も少しぼやけているのでどこかとぼけた画像だった。
その所為で折角美人のアナウンサーが出ていても、何処か楽しくなかった。顔がどこか抜けて見える。
「やれやれ。まったくこれじゃあ、テレビをみる楽しみが半減してしまうな。」と私は、味噌汁を吸いながらいった。
ワカメと豆腐の味噌汁だ。味はいいのだが、私は具が混ざった味噌汁は嫌いだった。味が濁る。
ロランが私の発言を聞いて、
「そうですね。これじゃあアニメなども見にくいですからね」
と、かすかに私と視点のずれた発言をした。私は、そう言う意味でいったのではなかった。
私はまぁ、訂正するのも億劫だったので、ロラン君がそういったのを黙って聞き流した。
米を黙って口の中にかっこむと、熱いお茶で喉の奥に流し込んだ。でがらしで茶の味がまったくしなかった。
ロランは牛乳を飲みながら、ダイヤル式のチャンネルを回すために椅子から立った。
普段と何ら変わらない朝だった。
食堂は、後ろのほうが談話できる空間になっている。
一応ソファもあるし、でかいテーブルもある。椅子もある。この寮で唯一くつろげる空間といっていいだろう。
だから、ここにはいつも誰かがいるのが常だが、今朝はまだ誰も居なかった。
まぁ10時も過ぎれば、レビルとランバラルがここで将棋でもしていることが多い。
数日まえ、二人がここでしているのを覗いたことが有った。
私は興味本位で二人の大局を眺めたのだ。
将棋においてレビルの戦い方は、歩を比較的に大事にする戦い方だったのが、意外だった。大将ともなると、歩にも気を使うのだろうか。
さすがに大局をみる目が優れているのか、レビルには高段者のようなゆとりがあった。ランバラルはその点、どこか猪突猛進だった。
結局、ランバラルがいつも負けるのだが、そのたびに実力で負けたのではない、と子供っぽく負け惜しみを言っていた。
レビルは、それを苦笑して聞き流していた。この点はやはり元帥の方が1枚上手といったところか。
今,その談話室のソファに私とロランは並んで座って喋っていた。
私は手には、食後に作ったコーヒーを持っている。テレビは、子供向けの番組であるハリケンジャ−をしていた。
それを眺めながらの会話。
「・・それじゃあ、今度からは、8日で二冊発行すると言うことになるのですか?」
「あぁ、そうなるだろうな。まったく上の奴らの考えていることはよくわからん。
だが、私はそれに文句を言うことはできないのだ。今の時代、そんなことをすればそくクビだからな。」
「へえ。管理人さんも首が怖いのですか?そんな風にはみえないけどなぁ。」
とロラン君が冗談っぽく笑いながらいった。
「痛い所をついてくるな。私は存外、こうみえても臆病だからな。
なにせ、私は天外孤独の身だ。自分のことは全て自分でしなければならん。帰る家などないしな。
まぁ、首になってもなんとかやっていけるだろうが、かといって生活水準を落とすのは厭だからな。」
「管理人さんは天外孤独でらしたのですか。すいません、失礼なこと言ってしまって・・」
「別にいい。事実だからな。謝れることはない。それに私は謝られる方が気に障る。」
それは本当のことだった。
人はどうしてそういう育ちや生まれをきくと、謝ってしまうのだろう。
気の毒、と思ったからかもしれないが、それならそれこそが侮辱だと私は感じていた。
「・・申し訳ありません。」
ロラン君がもう一度、謝った。ひどく肩を落としている。
私は思ったことをすぐに言ってしまう性質だ。これは非常に損である。きついことも、つい、言ってしまうのだ。
少しだけ気まずい空気が流れた。私は、お茶を飲みながら、困ったな、と考えた。
かといってどうすることもせずにただ、テレビから流れるボールドのCMを冷めた目でみていた。
そんなに白いシャツが好きなのだろうか、こいつらは。と心の中で難癖をつけた。
「おい、すまんが少しテレビを借りてもいいだろうか?」
そのとき、その空気を緩和させるようにオトコの野太い声がした。
私が座ったまま振り返ると、ロランのちょうど後ろに、カクリコンがたっていた。
手にはなにやら箱を持っている。
「べつにかまわんが・・何をするつもりだ?」
私は、彼の持っている箱に目をやっていぶかしげに尋ねた。
「なぁに。気分転換だよ。」
と彼は私の視線に気が付いたのか、箱を頭の辺りにまで持ち上げて、笑いながら言った。
「気分転換?」
「そうだ。まぁ、少し黙って待っていろ。すぐに準備が済む。。」
そういうとカクリコンはテレビを一旦切って、その後ろに回りこむとしゃがんで何やら作業をし始めた。
ドライバーを持ったまま、箱から何やら小さな機械を取り出すと、それをテレビの後ろにくっつけているようだ。
私とロランは顔を見合わせて、首を捻った。彼は一体なにをしようというのだろう。
まぁ、くだらないことだろう。
私は食後のコーヒーを飲みながら、作業をしているカクリコンを見ていた。
それ以外に見るものが別になかったからだ。雨は次第に激しさをましているようで、耳を澄ますとザーっと音が聞こえた。
作業はすぐに終わったようだった。
「できたぞ。みろ。」
といって彼は、もったいぶった様子でテレビのスイッチを入れた。ボールドのCMがまたやっていた。
慌てて彼は、チャンネルを1にあわせる。
するとそこには懐かしい画像が映し出されていた。粗いドット絵だ。この映像は・・
「これは・・ファミコン?」
私は言った。
「ビンゴォォォ!そのとおりだ。どうだ、懐かしかろう?」
カクリコンが満面の笑みでそう言った。かなりノリノリだった。よほど嬉しいのだろう。
だが、テレビの画像には、某超ど級の糞ゲーの画像が映っている。その所為で嬉しさは半減だった。
あるタレントの名前が冠されたゲームなのだが、あまりの糞さに私は気が遠くなったほどだ。
発売当時、まだ子供だった私でさえ、これをやった後に、舐めてるのか、と思ったほどだ。
まぁ、日記に記すのも厭なので、一応伏せておくが、『○○の挑戦状』というやつだ。
ファミコンのソフトには確かに面白いのも多々あった。だが、比例的に糞ゲームも数多い。そこに注意しなければ、ヒドイ目にあう。
これはそのことをその当時の子供たちに明確に伝えたものだった。だからこそ有る意味、伝説になったほどだ。
ロラン君が興味ぶかそうにモニターを見つめていた。彼はファミコンをしたことがないのだ。
これが旧世代のゲームなんですか〜、と失礼なことを明るく言った。カクリコンが笑いながら
「やってみるかね。まっこつ面白いぜよ。」と何故か土佐弁を話しながらコントローラーを渡した。
「え、いいんですか。うわ〜、嬉しいなぁ。」とロラン君は子供のようにはしゃいぎながら受け取った。顔は満面の笑みだ。
その顔をみながら、私は、すぐにくるであろう失望を予想していた。
開始五分後には、予想どうり、ロラン君のかわいらしいその表情は引きつっていた。
まぁ、それもそうだ。通行人を殴れて、更にそれが肉塊に変わっていくゲームなど不気味なだけだ。
しかもストーリーは意味不明。いきなり会社を首になるところから始まるところなど、子供がヒク要素がいっぱいだ。
奥さんも子供も素手で殴り殺せるゲームなどこれぐらいのものだろう。しかも音楽だけがやけに能天気だ。
カクリコンは執拗に面白いだろ?、とロランに自慢していた。ロランは力なくうなづいていた。
他にどんなのがあるのか、ふと知りたくなった私はカクリコンの持っていた箱を覗き込んだ。
スペランカー
おいしんぼ
西遊記
バンゲリングベイ
水戸黄門
私は、ため息をついた。なんだ、このラインナップは。有る意味すごいセレクションだ。
「これ一体どこで手に入れたんだ?」私はカクリコンに聞いた。
「坂を下って少し行くと、パン屋などがあるだろう。スーパーの隣に隣接しているやつだ。
そこから少し先の十字路を左に曲がると、右手に古いおもちゃ屋があってな、そこでプラモデルが安売りをしていたんでつい入ったんだ。
なかなか昔のものが豊富にそろっているところでな。ついつい長居して、色々見て回ってたんだ。
すると、ファミコンが売っているではないか。それで、思わず、他のものを買うついでに買ってきたというわけだ。」
「ついでに、か。それじゃあ他には何を買ったんだ?」
「知りたいのか?イージスガンダムと、新発売のケンちゃんラーメンだ。これはアメリアへ送るつもりだ。」
半額だったよ、と笑うカクリコンを尻目に私は、頭が痛くなった。なんでプラモ屋でケンチャンラーメンを売ってるんだ?
おそらく昔ながらの年寄りがやっている店なんだろう。ああいう店は、なんでもありだから怖い。賞味期限がきれていても、あり、なのだ。
私は脱力してその場で膝をついているとロランも、コントローラーを置いて同じように苦悩していた。
モニターを見ると、葬式の場面にモニターが切り替わってGAME OVER となっていた。呆然としている。
あまりのめちゃくちゃさに声もでないのだろう、と私は同情した。
そんな私達の様子を尻目にカクリコンは、なんだもうやらないのか、とカッカと笑いながら勝ち誇ったようにしていた。
そしてロランから取り上げて、私にコントローラーを渡したので、しぶしぶ私もゲームをはじめた。
記憶が朧なので、途中まではイイ感じで進んだのだが、宝の地図のあたりでわからなくなって死んでしまった。
葬式時の暗い音楽が食堂に再度流れた。
「残念だったな。」
とカクリコンが嬉しそうな顔で言った。私は少しカチンときた。元来、私は負けず嫌いなのだ。
「ちょっと待てよ。だいたいこんなもの説明書も攻略本もなくてクリアできるわけないだろう。」と反論した。
ロランも同じように「そうですよ。こんなゲーム、初めてでクリアできるわけないじゃないですか。」と唇をとがらせた。
私は初めてではなかったが、そのとおりだと思った。これはやりこんだ人でも無理だろう。
世の中にはそういった種類のゲームが存在する。
まさに金の無駄、というやつであるが、あの時代の子供は金がなくて時間だけ豊富にあったのでみんな必死でクリアしようとしたものだ。
だが、クリアできない。
それは、私達に努力だけではどうにもできないものを教えてくれた、というのは少し言い過ぎか。
とにかく私はずけずけと、ロランは遠慮がちにカクリコンに文句をいった。
「俺はクリアできるがなぁ。」
とカクリコンはクビを捻っていった。彼は、よほどやりこんだのだろう。
私達がそうカクリコンに文句をいっていると、後ろから「なにやってるんだい?ローラ?」と声がした。
グエンだ。私はややこしくなりそうだ、と思った。ロラン君が簡単に説明する。
彼はいちいち頷きながら、オレンジジュースを飲んでいた。そして、最後にそれを聞きおわった後にこういった。
「カクリコンのいうとおりに初めてでもクリアできるんじゃないか。きっとロランや管理人の貴方が下手なだけだ。
大体、上手な人ならばどんなゲームなど1度でクリアできるはずだ。」
カクリコンがそれを聞いて、嬉しそうに、「そう思うか。ではやってみてくれ」とコントローラーを差し出した。
私もここまで大口をいったグエンがどこまでやれるものか、と冷ややかな目で眺めた。このゲームはそんな甘いものじゃない。
だが、グエンはそれを受け取らずに、じっとロランを見て一言、こう言った。
「それじゃあ賭けをしよう。」
「え・・賭け・・ですか?」
ロランが不思議そうな顔で問い返した。無論、彼はグエンが来たときから、私の背中にさりげなく隠れている。
私とロランは顔を見合わせた。一体、賭けとはどういうことだろう。
グエンは私達の疑問に答えるように、こう補足した。
「私がこのゲームを見事一回でクリアしたら、ローラの格好をして、私と一晩過ごしてくれないか?」
「ええ・・?!そんなこと・・ゼッタイにやですよ!」
「どうしてだい?私は別に何もしない・・ただ一緒に世間話でもするだけだよ。」
グエンが笑みを口元に浮かべながらいった。
信じられるわけがなかった。どう考えても世間話ですむ男ではない。私は、側から口をだした。
「ちょっとまて、賭けなんだろう?万が一、君がクリアできなかった場合はどうなるんだ?」
「そうだな・もしもクリアできなかったら風呂場に仕掛けてあったCCDカメラの隠し場所を教えよう。」
「そんなものを仕掛けていたのですか・・」
ロラン君は、力なく呟いた。そして、そんな賭けしたくありません、ときっぱりと言った。
私も呆れたが、同時に別のことを考えた。これは悪くないかもしれない、と思った。
一昨日にもう覗きはするな、といっているし、ここでCCDカメラを外せばグエンのストーカー行為も少しは減少するはずだ。
それに風呂場に設置されているCCDカメラには無論ロラン以外も盗撮されているのだろう。私もだ。
そのビデオをみて、彼が一体なにを行っているのかわからないが、なんにしても勘弁して欲しかった。
私はロラン君のシャツの袖を引っ張って、彼に耳打ちした。
(落ち着き給え・・ロラン君・・この賭け・・わるくないかもしれないぞ)
(な、なぜです?)
(考えてみろ。あのゲームは、1度でクリアできる種類のものではない。
あの当時の購入者の内で、現実にクリアしたのはおそらく0.3%ほどだろう・・それも何度も挑戦して、だ・・
私などは50回はしたが、いつもクリアできないで死んだものだ・・周りのそんなものばかりだった。
つまりだ。あのゲームを1度でクリアする可能性は限りなくゼロに近い・・それに彼はファミコンすらしたことあるか疑わしい・・)
(そういえば・・そうかもしれませんね・・)
(だろ?だから、ここは受けたまえ。ゼッタイにクリアできない。私が保証する。
それに、ここでCCDカメラを取り除けば、君もグエンの魔の手から逃れることができるかもしれないしな・・)
(そう・・ですね。。管理人さんがそこまでいうのなら・・わかりました・)
ロランはこくり、と頷いた。
ロランはグエンの方に向き直ると、「いいですよ。その賭け受けます。」といった。
グエンはにやり、と口の端をあげて、では賭けは成立でいいんだね、と念を押した。
ロランの代わりに私が、ああ、約束は守ると言った。それで充分だった。
彼は、まだ会話が飲みこめてない様子のカクリコンからコントローラーを受け取ると、私とロランの間のソファに腰をどっかりと下ろした。
そして・・数時間後。
i. ツ ゝ_!
. !_l _r' ⌒ヽ ノ ,/
. l ゝ、 ゙T ̄了:), ri' " ,/ ← 見事に、一回でゲームをクリアしたグエン・サード・ラインフォード
゙ゝ、 `)"ー、._,r:'"` l、,/
ヾ、 l : i ,/
Y l : l'"
! l : ,l
l、 l : l
/~ ニ口ニ{ エンディングが流れた瞬間に脱兎の勢いで逃げ出したロラン。
! ヽ ゙! ↓
ゝ ヾ. ゙! ,D.
\ ヽ.゙!ー七ヽ, __
\ )゙! く ゝ、 /゙ンニヾヽ,
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / ゙!" ̄ ゙ ̄ト;'(_)゙lー! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ゝ,/ l ! l.l l_/ヽ.ヽ,H、
/ ,/ ゝニl `¨¨ ↑ ~~~
(ゞヘ、 | | なんで初めてでクリアできるんだと悩む私
(九日目終了)
いいのかなあ、こんなに面白くて。
笑いました。
ついにロランもグエンの魔手に・・(((( ;゚Д゚)))
「グエンッ!きさまっ、そのゲームをやりこんでいるなッ!」
374 :
ほげら〜:03/04/23 01:05 ID:MaptS141
ああ、ロランがぁ、ロランがぁ…。
「こんなゲームに必死になってどうすんの」
375 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/23 01:11 ID:4WGNc9nF
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公式ホームページのアンケートページより。(三月十日更新)
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週刊少年ガンダム創刊号の アンケートは締め切りいたしました。
多数の参加有り難う御座いました。集計結果は、また、後程。
次回発行は三月十二日です。
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by 編集者
まぁ保守ってとこで
なんか最近のネタ見てると、
>>1さんは俺と同じような
少年時代を送ってきたのかなあと思う。
昨日は大変、ロラン君に申し訳ないことをしてしまった。まずはあの後について書き記しておく。
あの後、ロラン君はBアパートの方に逃げ込んでしまった。まぁ、これは止むを得ないことだろう。
ローラ、というか女装なのだろうが、そういった格好をしてグエンと共に過ごすことを拒否するのは通常の男なら当然であるからだ。
約束違反には違いないが、私はこれは仕方がないと思った。誰だってわが身はかわいい。
グエンはというと、にやにや笑いながら、今の内に少し買い物にいってくるよ、などといっていた。
何を買いに行くのかと言うと、ボラギノールだといった。もう私は勝手にしろ、と思わざるを得なかった。
だが、同時に、私は少なからず自分の責任を感じていたのでグエンの問題は別として、ひとまずBアパートに彼を迎えに行くことにした。
彼がどうなるかは、ともかくまずは管理人としての責任を果たさなければならない。ロランをほうっておくわけにはいかない。
外は、小雨だった雨が本格的に強く降っていたので、私は傘を挿さざるを得なかった。
二つのアパートの玄関から玄関までの間隔は、短いので、歩いて2,3分もかからない。
私はBアパートにむかって歩きながら、ふと、考えた。
考えてみればこちらに来たことはなかった。別段こちらに来る必要がなかったからだが、私はそのことを不思議に思った。
まったく白と赤では交流がないのだ。いや、あるかもしれないが少なくとも私はみたことがない。
しかし、ロラン君がこうしてBアパートに行ったことを見ると彼は、ここに住んでいる誰かと交流があるのだろう。では、誰と?
向こうの住人はそういえば見たことがなかった。管理人と、セイラ・マスがいるのは知っているが他は誰も知らなかった。
だが、人がいるのは確かだ。日中はいないようだが、深夜にはB棟の2階や3階の部屋の窓の明かりが点っていることでそれはわかる。
・・一体誰がいるんだ?
だが、私がそんなことを考える暇もなく、気がついたときには、既に隣のB棟についていた。
私は、玄関前の軒先で立ち止まると、傘をたたんだ。
そして、改めてマジマジと、このAアパートとまったく線対称で同じ作りの建物を見上げた。
赤い。それも原色のような赤だ。よく公園にあるベンチのように、色褪せたくたびれた塗料ではなく、凛然と輝く太陽のように鮮烈な赤さだ。
そして毎日塗り替えているかのように、その鮮烈な赤さはまるで衰えていない。ゴッホの油絵のごとく、鮮烈な色だ。
手を伸ばしかけて、やめた。手ノ平に赤が染み付くような気がしたからだ。それはどうも人の血液を塗っているかのようで気分が悪くなりそうだった。
それほどに赤色はきつく強烈な印象を私に与えた、これほど間近で見るとかすかに目が傷んだ。私は目を擦った。
私は傘の水気をよく切ると、玄関のガラス戸を引いて、中に入った。
室内は別に取りたてて赤いわけではなかった。それは住居的に当然なのだが、私は室内も赤い調度品で揃えられてると思っていたので、意外だった。
大きな声で、すいません、と声をかけた。だが、返事はなかった。もう1度、声をあげて呼びかけた。だが、結果は同じだった。誰も出てこない。
私は所在無く、そこに立ち尽くした。仕様がないので、玄関口にたったまま、室内をじっくりと観察した。
観察してすぐにわかったことだが、中もほぼ私のいる白棟と酷似していた。
上がり口にある靴置き場、カーペットの模様、壊れかけた黒電話、電話の置かれた棚、さらに座る椅子の古ぼけ方や、踏めばいまにも軋みそうな床。
中央の長い廊下、その突き当たりの部分の壁に有る掲示板、食堂のドアらしきものも突き当たりの左手にある。
右手に折れ曲がって進むと脱衣場へと続くドア、さらにその奥には浴場があり、脱衣場に入らずに進めば、突き当たりにトイレがあるのだろう。
そう言う風に仮定してみると、この電話の前にある部屋は管理人室だろう。私が向こうで居住しているのと同じく。
そしてその隣の階段が2階へと繋がっているはずだ。
そういったものが向こうで使っているのとまったく同質のものに覚えた。私は微かな胸騒ぎがした。いやな予感だ。
どうして、こんなに似せて作る必要があるんだ?ただ、別のデザインをするのがわずらわしかっただけなのだろうか?
それに、何故会長は私に、このBアパートの説明をまったくしてくれないんだ?ここは何のために存在しているんだ?
突然、私の脳裏に先日、レビル元帥が言った内容がよみがえる。あのときの彼の表情、仕草、そして微かに何かを押し殺した声。
『ただ老婆心から言わせてもらうと、Bアパートには近づかないことだ。』
私は頭を振った。どうやら自分は少し混乱してきているようだった。あんな言葉は何の意味もないことだろう。きっと私をからかっているのだ。
年寄りが往々としてするように、自分より若く、そして無知な私に、からかいの他愛のないジョークとしてあんなことを言ったのだ。きっとそうに違いない。
だが、私は思う。あのときの元帥の顔からは冗談、というべきような感じは受け取れなかった。
それにしても何故誰もでてこないんだ?無人ではないはずだ。私はもう一度、中に呼びかけた。
無反応だった。ロランは居ないのだろうか。それにしてもやけに静かだ。いや、微かに何か音がする?私は耳を澄ませた。
私の耳に、外の、雨が地面に激しくぶつかる音が鮮明に聞こえてくる。雨音だ。
その雨音は建物の中に居ると、屋根や壁に激しくぶつかりあっている水滴の反響が 余計に大きくこだますような気がして、私を更に混乱させた。
少し気分が悪くなって、私は右手を額にあてて、目を閉じた。
視界が闇に閉ざされてしまうと、私の気は微かに楽になった。自分は今、完全な闇にいる、と仮定することで安心を得るという特技を私は持っていた。
私は落ち着きたいときには、こうして目をつぶる。こうすることで、小さな空間を意識の中に作ることにしている。
それは瞑想と言うほどのものではなく、親にしかられて拗ねた子供が、押入れの中に隠れて自分だけの空間を作り出すような、そんなものだ。
僅かな安心がそこでは得られるが、押入れを開けられてしまえばそこまでといったものだ。中に隠れている子供にはまた否応なく明かりが挿しこんでくる。
彼は自分が作り出した独自の空間がいとも簡単に壊れ去ることに軽い失望を覚える。そして無力感を覚える。
そういったものと同じくこれは、即席に過ぎない。瞑想などの様に邪念を払うのではなく、ただ単に拒絶し、見えなくするだけのものだ。
だが、それでもある一定の効果はある。しばらくすると私は、雨音が次第に遠ざかっていくように感じた。それと共に次第に気分も落ち着きを取り戻しつつあった。
「なにか御用ですか?」
まったく突然に、私が作り出した小さな押入れの空間は、その場違いな明るい声により亀裂が入った。
私は目を開ける。再び、意識がここに、戻る。雨音が再び、鮮明に私に降り注ぐ。
ぼんやりとだが確実に世界に色が戻っていった。
目の前の玄関の上り口には、たしかBアパートの管理人だとフラウが教えてくれた少年が立っていた。
玄関と上がり口のところには段差があるので、私は微かに視線を上げなければならなかった。
少年と目が合った。私の意識は次第に覚醒を促せされていく。
この少年とは、数日前に、鮮やかな月を見るために外に出たときに偶然少しだけ会話をしたことがあった。
その交した会話は、ほんの僅かで、しかもヒドク奇妙なものだったと私は覚えている。変な質問をされた。
その時私は奇妙な子供だな、と思っただけだった。その質問にも、中途半端に読みかじっていた本からの引用で口を濁したと、覚えている。
初めて見たときの右頬の赤味がかった腫れは既になかった。私の意識の覚醒と同じに彼の輪郭もよくわかるようになった。
陶磁器の様に白い肌に、真っ黒な瞳、髪は長く、鼻筋のところまで伸びていて、耳がすっぽりと隠れている。服装は黒のタートルネック。
年のころは、おそらく16,7だと私は推測した。身長はそんなに高くない、おそらくロラン君と同じくらいだろう。
それが私が彼をざっと一瞥したときの印象だった。そして、微かな声の掠れぐあいから、風邪をひいているのだろう、と思った。
「あ、いや。突然すまない。実はここにロラン・セアックが来ているはずなんだが・・」
と私は微かに、動揺しながら言った。この少年がB棟の管理人なのだ、と思うとどうも腑に落ちなかった。
「あぁ、彼なら僕の部屋で休んでますよ。
なにかヒドク怯えているようでしたので、今日はこちらに泊めようかと思っていたところです。」
少年はにっこりと笑ってそう言った。その表情は、どこか作られたモノを自分に感じさせたが、かといって不快になるものではなかった。
私は、ここに泊めてもらえるのなら、それがいいかもしれないな、と思った。
今ごろグエンは本当にボラギノールを買いに行っているかもしれない。少なくとも今日はキケンだ。
「そうか・・それはすまないな。」
「いえ、一向に構いませんよ。僕も夜の話し相手ができて嬉しいですし。」
「そうか。それならいいか・・君はロランとは親しんだな?いや、すまなかった。突然、来訪してしまって。」
私はそう謝辞を述べた。管理人として、自分の管轄内の不祥事なのだから、責任がある。
管理不行き届きというやつだ。この少年がトミノ会長から派遣された人物だとすると、私は少し困ったことになるかもしれない。
この件を会長に知れられたら、能力不足と判断される可能性があるからだ。
「いえ、そんな謝らないでください」
「そうね。あんまり、こちらには来ないほうがよろしいですわ」
慌てた様子の少年の声に被さるようにして、凛とした女性の声がして、私の耳をうった。
私は、顔をあげる。いつのまにか、少年の横には金髪の女性・・・・・・セイラ・マスの姿があった。が、眼光は差すようにキツイ。
久しぶりに見る彼女は料理中だったらしくエプロンをしていたが、美しく、どこか官能的な生めかさを感じた。ここ最近、女性をあまりみてなかったからかもしれない。
こちらの食堂にいるフラウはどうも子供過ぎて、私には女性という意識がなかったからだ。あれはどうもいけない。
私はこのどこか気丈なこの美人な女性に、そういった性的リビドーを感じたことを否定しない。少しだけこっちの管理人をうらやましく思った。
こういった女性がいれば、私の寮での生活はもう少し刺激のあるものになったことだろう。
だが、久しぶりにあった彼女の視線はきつく怒っているようで、私にはそれがどうしてなのか、さっぱり理解できなかった。
「こちらに来ないほうがいい、とはどういう意味かな?」
「どうもこうもありません。そのままの意味に捉えてもらって結構です」
彼女はそう言い放つと、もうこれ以上ここにはいたくないかのように、さっさと去っていった。
多少不快になった私は、わびる少年にロランをよろしく、と言い残すと、寮に戻った。
食堂に入ると、ソファでのんびりとくつろいでいるグエンとカクリコンを見つけた。グエンに買い物にいった様子はなかった。
私は、彼にロランは向こうに泊まるらしい、とだけ伝えた。意外にも、彼は、にやりと笑っただけだった。どうやら予想していたらしかった。
グエンがあまりに落ち着いた様子なので、不審に思った私は、彼にどうしてそんなに落ち着いてるのか、問いただした。
彼は、こんなことを言った。
「物事にはタイミングがある。別に私は、獣じゃないんだ。今夜でなくとも構わないよ。それに、ローラは約束を破るような子じゃない。
ふさわしい時期、それにローラの気持ちの変化。その時まで私は別に待つことにするよ。1週間でも、二週間でも。
メインディッシュは後に取っとくほうがいい。青い果実は待てばまつほど美味しくなるものだからね。」
私にはその言葉は少し意外だった。
グエンはすぐにロランをどうこうしようというわけではなかったらしい。
まぁ、それならばよかった。取り合えずの処は、よしとしよう。私は大きく胸をなでおろしたものだった。
と、まぁ、昨日の後日談はこういったところだ。追記しておく。
ようやく、日記は、今日の内容に入る。
といっても今日はそんなに記すことはない。取りたてて何もない、平平凡凡とした1日だった。
やったことといえば、ただ、アンケートの結果を確認してホームページを更新しただけだ。だから、それでも、まぁここに載せておく。
完全情報公開制の雑誌なので、サイトには、アンケート締め切りと同時に結果を掲載した。
その一部をプリントアウトしたので、以下に張っておく。
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週刊少年ガンダム創刊号アンケート結果 発表!
総合順位 一位 二位 三位 人気 アンチ票 総得点
(5点) (3点) (1点) (−5点)
1 『くそみそロランの奇妙な冒険 』 3 1 3 3 0 24
2 『ワンピース』 0 6 5 5 0 23
3 『拳法興亡史』 2 2 1 3 0 17
4 『砂漠と料理と究極の至高』 3 0 1 0 1 11
5 『 ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係 』 5 3 1 2 5 10
6 『 まくべとつぼ 』 1 1 1 1 0 9
7 『 ∀の癒し 』 3 0 3 2 2 8
8 『 人 間 失 格 』 0 4 1 1 1 8
同 『こちらサイド7コロニー前派出所』 1 2 2 1 1 8
9 『ボルジャーノンに花束を』 0 0 0 0 2 −10
10 『 びっくりするほどユートピア 』 2 1 1 1 7 −16
(*なお、7位と8位は総得点は同じだが、人気度で考慮している。)
{ 編集者からアンケート集計を振りかえって、一言 }
アオリ文が不評に終わったことをまずお詫びしたい。私なりに頑張ったつもりだったのだが、言い訳はしない。
今後、精進していきたい。
さて、今回の結果だが、やはりというかなんというかグエン・サード・ラインフォードが首位を獲得した。
こういった路線が受けるとは本人も満足しているだろう。どうせ彼は自分の欲望のままに書いただけなのだろうが。
にもかかわらず、マンベンなく票を集めたところが、首位を取れた秘訣だと感じた。人気も高かった。
だが、一位の票をもっとも多く獲得したイザークも見逃せない。やはりこれは現在放送中の利点だろう。
アンチ票も多いが、ファンの反応がもっとも多かったことはこの得票率の高さでわかる。
ディアッカとは誰?といったアンケートもあったが、これは後々明らかになるかもしれないので注目していただきたい。
2位、 3位の票を一番多く取ったスレンダーも見逃せない伏兵だ。彼は人気度の面でも一位を取り今回、三冠王だった。
本人は励ましのメッセージに感激していた。温かく見守って欲しい。実は一番愛されてるキャラかもしれない。
その他の作品はまぁ、見てもらえばわかるが、五十歩百歩だ。
マクベはどうも納得がいかなかったようだ。掲示板に張り出された結果を見て、しきりに首を捻っていた。
私としても人間失格が予想以上に低かったのにはおどろいた。2位の得票数は高かったのだが。
どうも配点システムに欠陥がありそうなので、この辺は修正していきたい。アンチ票はー3点が丁度よさそうだ。
アンチ票は、ほぼ二極化した。やはりホモを題材にしたユートピアはびっくりするほど少年の心を掴めなかったようだ。
イザークの方は、SEEDの不人気が響いた形だ。
さて、問題は打ち切り作品だ。
順当に行けばカイ・シデンなのだが、プラス得票が一つも入っていないギャバン・グーニーもかなり痛い存在だ。
いてもいなくてもいい、という存在は、有る意味、ドク○ー中松の都知事選への立候補と同じようなものだ。
ユートピアの方はプラス票(更に
>>323のような肯定意見もあるのは興味深い)ので、もしかしたらこちらが残るかも知れない。
この結果のほうは、編集長である会長次第なので、読者の皆様には第二号をお待ち頂きたい。
なお、打ち切られた作者のものは、次回の雑誌には載らないのであしからず。突然消えることになるだろう。
さて、アンケート最後についていた本雑誌への感想についての、返事を以下に少し載せておく。
これは、「感想なんて本当に読んでんかよ、どうせ読まずに捨ててんだろ?かくだけ無駄。」
といったような読者の疑惑を消すために作られた解答箱だ。
非常に適当な返事かもしれないが、それはまぁ多めに見て欲しい。
>>315 残念ながら、女性作家はこの雑誌にはいない。募集の時にあればよかったのだが。
これは君達にも責任があると思うが・・
>>316 これは興味深い意見だ。採用を検討しておく。
>>317 仕様だ。
>>318 私が聞きたいな。だが、おそらく深い意味はないだろう。
ちなみにグエンはパクリなどではないと主張している。君もパクリじゃないと思って読んでくれ。
>>319 特定の雑誌名を出すのは控えておく。まぁ、バンチでないことは確かだ。
>>322 なかなか面白そうだが、この雑誌は統一したテーマはないというのが味噌だ。
だが、いつか増刊号でも発行すればありうるかもしれない。あと・・ツボにはまりました、は洒落じゃないよな?
>>323 面白かったとは嬉しいな。だが、金をだして買ってくれ。通報はしないが。
>>325 ありがとう。そういった励ましだけが私にやる気を出させてくれる。そんだけだ。
>>326 そうか。それは嬉しいな。だが、240円にすると誰も買わなくなる可能性があるからな。
当面は100円でいくことになりそうだ。
>>327 君はグエンか?
>>328 50円にしろとは・・キツイ意見だ。勘弁してくれ。
これ以上デフレを進ませるのも同かと思うしな。うまい棒を五本我慢すればいいだけだろう?
>>329 ありがとう。会長の思惑どうりになってくれればいいのだが。
まぁ、私も人間だ。あおり文に私情が少しは入ることも有る・・
>>330 カミーユ?誰だ?名前からすると女性のようだが?
>>331 SEEDはテレビという媒体だからな。会長はテレビという媒体に失望してこの企画を思いついたらしい。
雑誌こそが、人にテーマを明確に伝えることができると言う理論だ。まぁ、努力はしよう。超えるかは、作家しだいだが。
あとアムロのヒッキ−には私も手を焼いている。だが、文は秀逸なので我慢している。
>>342 マニア向けか・・・創刊廃刊にはならないと思うが、アンケート次第では今後そうなるかもしれない。
読者の反響次第だな・・こればっかりは。
>>344 バトルは確かに少なかったな・・まぁ、『くそみそロランの奇妙な冒険 』 のバトルは今最高潮だ。
それで我慢して欲しい。
>>345 マニア向けの雑誌ではこまるのだがな。一昔前の黄金期ジャンプのようにならなければ。
まぁ、今はどの雑誌もマニア向けだといえるが。
>>352 ふむ。ありがとう。次回もよろしく頼むよ。
あと、そのもっとも適当につけたアオリを誉めてくれて感謝する。
>>358 ジャンプを読むのを や め な い か ?
・・すまない。変な口癖がうつってしまっているようだ。これからも是非読みつづけて欲しい。
>>359 マガジンには勝っているか・・ならばサンデーやチャンピオンにも勝っていると解釈していいのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて・・今日は以上だ。
明日、会長が来て、打ち合わせをすることになっている。明後日、第二号だからな。
打ち切り作家の決定だ。会長は一体どっちを切ることにするのだろうか?カイか、ギャバンか?まぁ明日になればわかる。
ん?・・どうやら玄関で物音がするな。ロラン君が帰ってきたのかもしれない。
(10日目終了)
総合順位 一位 二位 三位 人気 アンチ票 総得点
(5点) (3点) (1点) (−5点)
1 『くそみそロランの奇妙な冒険 』 3 1 3 3 0 24
2 『ワンピース』 0 6 5 5 0 23
3 『拳法興亡史』 2 2 1 3 0 17
4 『砂漠と料理と究極の至高』 3 0 1 0 1 11
5 『 ガンダムSEEDとディアッカと俺の関係 』 5 3 1 2 5 10
6 『 まくべとつぼ 』 1 1 1 1 0 9
7 『 ∀の癒し 』 3 0 3 2 2 8
8 『 人 間 失 格 』 0 4 1 1 1 8
同 『こちらサイド7コロニー前派出所』 1 2 2 1 1 8
9 『ボルジャーノンに花束を』 0 0 0 0 2 −10
10 『 びっくりするほどユートピア 』 2 1 1 1 7 −16
日記を見なおすとあまりにアンケート結果のところが、ずれているのでもう一度かいておく。
それにしても
>>389・・ずれ過ぎだ・・どうしてあんなにずれたんだ・・少しへこむ。
保守
このスレの趣旨
ガンダム+ドラゴンボール+シャーマンキング=ダイターン3&ゴーショーグン
B棟、やはり赤というとシャア専用なのかな。
謎だ
四百式
保
402 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/29 00:26 ID:Kx9DrfpH
保守age
保守です
今朝も七時に起きる。
今日は会長が11時半には来ると言っていたから、それまでに仕事の雑用はすましておかないといけない。
私はケタタマシイ音を立てる目覚し時計を乱暴に止めると、ゆっくりと布団から出る。
たたんで押入れに直しながら、どうせ夜にまたひくんだからこのままでもいいかな、とちらりと思った。
だが、それは堕落への第1歩だとわかっていたので、やはり布団をしまった。
自分がどんどん適当になっていっているのを実感し、私は少し焦った。こんな発想をするようになってはいけない。
布団は毎朝たたむ。これを怠るようにはなるまい、と自分に言い聞かす。
私は、欠伸をかみ殺しながら、外に出た。
実によい天気だった。太陽は、いつものようにその顔を出しつつあった。温かい陽光が、私の全身に降り注ぐ。
それが私にまとわりついていた眠気の霧を飛散させてくれた。いつ味わっても覚醒の瞬間と言うのは気持ちがいいものだ。
顔を水で洗い、タオルで拭きながら、私はふと、そろそろ洗濯をしなければいけないことを思い出した。
だいぶ溜まっているのだ。
持ってきた服には限りがあるから、こまめに洗わなければならない。だが、私は忙しさにかまけて洗っていなかった。
こんないい天気に洗わなければきっと更に溜まってしまうだろう。今日しなければ。
私はタオルを首に巻き、コップから歯ブラシを取り出しながら独り言を呟いた。
ここには、洗濯物を干すところが二つある。私は、それを前にロランから聞いていた。
この水のみ場の前にある物干し竿を使ってもいい、もしくは3階の上にある屋上の二つだ。
屋上はまるでよくドラマでみる病院のような作りになっているので、洗濯物を干すことができる広さが有る。
というかそのために作られているスペースだろう。会社なら昼休みに女子社員達がバレーボールをしているような場所だ。
風通しもよく、屋上なので景観もいい。床はアスファルトで舗装されている。
転落防止のためにある金網にもたれかかって、いつもギャバンやスレンダーは昼寝しているらしい。それは快適だろうとは思う。
だが、男物の洗濯物が、一面に広がっている様はあまり想像して気持ちがいいものではない。
パンツやふんどし、シャツなどみたくない。へどもどするだけだ。
だから私は屋上にあがったことは1度しかなかった。それもちらり、と見にいったくらいだ。
洗濯機は脱衣場のところの隅に一つ、屋上にも一つある。無論、旧式なので乾燥などの機能などない。
ただ洗うだけだ。こればかりはちょっと シンプル イズ ベスト とは言いがたい。
私がそんなことを考えながらじっくり時間をかけて歯を磨き終えて玄関に戻ると、ちょうど起きてきたらしいロラン君にあった。
昨夜、帰ってきたのが遅かったので、まだ眠そうだった。大きな欠伸を手のひらで隠しながらしていた。
私とすれ違いざまに挨拶を交す。
食堂で、目玉焼きと味噌汁と納豆の簡単な朝食を頂いた後、さっそく部屋に戻り溜まっている洗濯物を取り出した。
脱衣場のところにおいてある籠を一つ拝借して、それに全部ぶち込んでしまう。
私は元来、綺麗好きなほうなので、この際、いま着ているもの以外は全て洗うことにしてしまう。
どうもこの部屋に置いているだけで、昭和の匂い、といったものが染み付いてくるようだった。
どこかかび臭く、全体的にモノクロ調のイメージな匂いだ。昭和的な畳の匂い。
それから、会長がくるまでの間、私は洗濯をひたすらした。柄物と無地をわけるのは当然だ。
洗濯機の蓋をあけて、そこにきれいに仕分けした服をいれる。そして上から水をたし、さらに洗剤を振りかける。
備え付けの洗剤がボールドなのが気になった。私はあのCMに武蔵が出なくなったのが不満だった。
色物と無地などをわけて洗うので時間がだいぶかかりそうだった。
さて、洗濯を終えて、脱水をした後、広場の物干し竿を使って、ゆっくりと洗濯物を干しているともう既に昼近くになろうとしていた。
一台のカローラが敷地内に入ってきて、Aアパートの真正面に止まった。時折、会長が使っている車だ。
そして二人のオトコが車から降りてきた。
私は靴下を二枚重ねて洗濯バサミで挟みながら、その様子をぼうっと見ていた。
水のみ場は玄関の真横なので、降りてきた男たちの服装はおろか、顔のつくりまでよくわかった。
無論一人は会長だった。だが、もう一人の若い男、これは見覚えがなかった。私はじっとその顔を眺めた。
こちらノ視線に気がついたのか敬礼をしてきた。
・・敬礼?軍隊出身なのか?私はあっけにとられて、挨拶をかえすのも忘れたまま、その奇妙なオトコを観察した。
目が細い。黒目だけがやけに見える。白目が見えない。髪型はややリーゼント系のパーマだ。
私は腕時計をちらっとみた。時間は11時25分になろうとしていた。
トミノもこちらを見て手を上げた。私は黙って頭を下げる。
その禿げあがった頭上の向こう側に広がる空は、青い海のようで、そのなかを雲が気持ちよさそうにぽっかりと浮かんでいた。
そのオトコは、ブライト・ノアと名乗った。
場面は管理人室に移る。
会長は、二階と三階の住居人の様子を見てきます、といってすぐに席をたったので、今は彼と二人きりだった。
年は思ったより若く20歳だとブライト青年は言った。軍隊にいた経験があるという。だが、思うところがあってやめたそうだ。
レストランでも経営しようとおもったのだが、思いなおしてやめたらしい。
私はそんな話を聞きながら、どうして彼が会長につれてこられたのか、不思議に思った。
まぁ、考えても仕方がなかった。会長の考えることは、常に私達の理解の範疇を超えている。
わたしは彼に、お茶を入れて、煎餅を勧めた。醤油味の美味しいものだ。昨日、帰ってきたロラン君に頂いたものだ。
ブライト青年は、なかなか冷静そうに見えて、内面は情熱的らしかった。話の節々に青年らしい気概が読み取れた。
時計が12時10分ぐらいになったころに、会長がようやく戻ってきた。
そして、戻ってくるなり目の前にあったお茶を飲み干す。よほど喉が乾いたのだろう。
確かに今日はとても熱い。この季節にしては珍しいほどだ。洗濯物を干したのは正解だった。
私は会長が一息ついて、座布団に座ったのを見計らってようやく雑誌の事について話をはじめた。
勿論、懸案であった打ち切りについてだ。それが目下の重要な議題だった。
なにせ発行は明日なのだ。今日中にどちらにするか決める必要があった。そして告知しなければならない。
カイ・シデンか、ギャバン・グーニーか。おそらく私は会長の性格からいって打ち切りはギャバンだと思った。
更に戦略的にいうと、カイには、この雑誌掲載前からの古参のファンがついている。
彼等は、カイがホモ路線の作品を打ち出したことに戸惑ってはいるが、おそらく何かしらの理由をこじつけて納得するだろう。
脳内補足はお手のものだからだ。だからそれなりのアンケートは取れる。それは創刊号の結果で裏付けられた。
それに彼等の購買層を手放すのはどうも惜しい。ギャバンと違い彼には知名度が有る。
だから私は8:2でギャバンの打ち切りだと考えていたし、会長にそう進言するつもりでもいた。
だが、予想どうり、会長の判断は私の思考を超えていた。
以下、戻ってきた会長と私の打ち切りに関する会話。
会長 「両方だ」
「創刊号アンケートの下位二人、丸ごと打ち切りにする」
私 「正気か!?・・そんなことしたらアンケート出してくれた子供全員敵に回すことになるんだぜ?」
会長 「怖いのか?」
私 「うれしいんだよ・・・命じてくれ会長、今すぐ!!」
会長 「俺が許す。打ち切れ」
・・ことわっておくと、この会話はフィクションだ。簡潔にまとめるために某漫画風にアレンジしてみた。だが、話の趣旨は変えてない。
ようするにだ、カイとギャバン、二人とも打ち切りだ。両方ともアウト。
しかし二人同時に減ると雑誌のテーマと逸れるので、ブライトをその穴埋めにするということだ。
減るのは毎回一人だけで、なければならない。1作品ずつ減少のテーマは外せない。だから会長は、ブライトを連れてきたらしかった。
補欠はクラウンだと聞いていたのだが。まぁ、何か諸事情があったのだろう。この世界にはよくあることだ。
話はこれだけだった。
会長は一旦戻ってまた夕食後あたりに戻ってくる、と言った。
カイとギャバンは、その時までにアパートを引き取る準備をさせておくように、とも私に付け加えた。
彼等は即日退去だ。打ち切り者には、非常な世界である。
さて、会長が、一旦帰った後、私はブライト君にアストナージが使っていた部屋に案内した。
途中、偶然、トイレから戻ってきたらしいアムロと二階の廊下ですれ違った。彼はブライトの顔を見て、ハッと立ち止まった。
その瞬間、いきなりブライトがそのアムロの顔を平手で思いきり叩くと、
「なにひきこもってんの!」と厳しく叱責した。突然の出来事に、私は意味がわからなかった。
どうやら彼らは顔見知りらしかった。ブライトはアムロに何やら憤慨しているようだった。
取っ組み合いの乱闘になるかと思ったのだが、アムロはただ黙って、キッとブライトを見返した。唇を強くかみ締めている。
ブライトはそんなアムロの様子を冷ややかな目で見下した。そしてこう吐き捨てた。
「がっかりしたよ。貴様は、虫けら以下だ。」
アムロはそれを聞いた瞬間に、走って自室に駆け込んだ。そして中に滑り込む。
彼の部屋のドアが激しい音を立てて閉まる。
私は、廊下の壁に持たれかかりながら、また厄介な奴がきたな、と思わざるを得なかった。
どうやらまともだと思ったのは失敗だったらしい。流石、トミノが見こんだだけのことは有る。
ブライトは、こちらをみて、お騒がせして申し訳ありません、と謝った。私は、ただ頷いた。
・・いきなりあんなことして、謝られても困るのだが。それに寮内での暴力行為は禁止なのだ。
だが、私はここで注意することはやめておいた。それは彼の裏にある背景に私がほんの少しだけ興味を覚えたからだ。
アムロとブライト。この二人には、なにかがある。
だが、そういった個人的興味はともかく、ひとまず今は彼を部屋に案内するのが先だ。私は再び階段を上る。
そして306号室まで黙って歩く。
三階の一番奥だ。私はポケットからマスターキーを取り出して部屋のロックを外した。
中には、布団以外は何もない。
アストナージは退去前に掃除だけはしていたので、まぁ、なんとか寝れないことはないだろう。
その他の必要なものは、会長が手配していたらしく、二日後あたりに宅急便で送られてくるらしかった。
定期的にこの寮には必要なものが届くのだ。
歯ブラシ、洗顔剤、米、味噌、など生活必需品から個人宛てのものまで。
たとえば、ランバラルにはこの前、クラウレ・ハモンという人物から何やらでっかい荷物が届いていた。
礼をいうブライトを部屋に置いて、私は自室に戻った。
ブライトはSだろうと判断し、あまり近寄らないでおこう、と決めた。
その途中に、カイとギャバンの部屋に赤紙(打ち切り告知の紙)を部屋のドアの隙間に挟んでおく。
直接言ってもいいのだが、こうしたほうがショックが少ないだろうという会長の配慮だった。
さっきこの紙を渡されたとき、私は会長の意外な優しさに少し驚いたものだった。こういう人間味があるとは知らなかった。
さて、時間を飛ばして、いつもどうりの簡素な夕食後。
ブライトの加入と、二人の打ち切りが決まったと私は、集まった皆を見渡して早速、発表した。
カイとギャバンには既にわかっていただろうが、他の皆は知らなかった。
その直後。この食後の満腹感も手伝ったなごやかな雰囲気は、一変して押し黙った重い雰囲気に変わった。
まるでリトマス紙を水につけたときの化学反応の如く目に見えてぱっと変化した。
こんなにこの寮に住んでいたもの達が仲がよかったとは知らなかったので、私は正直いうと、この変化には、驚いた。
てっきり、ふ〜んそれで?、ぐらいの淡白な人間関係だと解釈していたのだが、どうやらそうではなかったらしい。
意外なことに、スレンダーやイザークまで押し黙っていた。そんなにも彼らは親しかったのだろうか?
まるで、聖書に有る最後の晩餐のように、食堂の中はある種の異様な雰囲気になった。
誰もが、裁きを食らったユダのように俯いて、顔を合わせなかった。私はどこか場違いのようだった。
自分がローマ帝国の役人のような気さえ一瞬覚えた。非常にナンセンスなことだが。
長い沈黙だった。
テ−ブルに置かれていたコップの中の氷が、カラン、と音を立てて溶けていった。
それだけが聞こえた音の全てだった。
数刻の後、迎えにきた会長に連れられて、カイとギャバンはAアパートを去っていった。私は玄関の外まで見送る。
もう外は真っ暗で、私は洗濯物を干したままだったことを思いだし、後悔した。
この分では明日また干しなおさなければいけないだろう。そう思うと、非常に憂鬱だった。そうでなくても明日は忙しいのだ。
皆、靴を履いて、玄関にならんで二人の脱落者を見送った。意外にも、アムロ・レイも来ていた。頬はまだ赤い。
彼は、カイと二言、三言会話を交していたと記憶している。なにを話したかは聞こえなかったが。
ロランとグエンは、ギャバンと名残惜しそうに話していた。こちらも会話までは聞こえない。
全員来ているのかと思ったが、どうやらイザークだけがいなかった。
まあ、別にどうでもいいことだが。
カイとギャバンとの少しの別れの挨拶が終わると、二人は車の後部座席に乗り込んだ。会長が運転席に座る。
すぐにエンジンがかかり、それとともに車が軽く振動する。後部座席の窓が開く。
カイはニヒルに笑って、ギャバンも僅かにだが笑って、私に原稿を手渡した。
巻末に載せる作者コメントだ。彼らは、これだけが今週掲載される。他のは、一切掲載されない。
私はそれを受け取る。無言でだ。何故かと言うと、なんといって声をかければいいのかわからなかったからだ。
気を落とすな、などと陳腐な励ましは、かえって空虚に聞こえるだけだろう。そんな言葉をかけられて嬉しいとは思えない。
カイは、最後に「はやいよね、まだはやいよ」と哀しげにいって、窓を閉めた。
それで彼等と我々との同居した空間は終わりを告げた。
車は、あっという間に見えなくなった。テールライトの残光だけが寮に残った。
皆、それを見送った後、ぞろぞろと寮に戻った。
私だけは、一応今からでも、干していた洗濯物を取りこもうと思いそこに残った。
さっさと広場の物干し竿のところに行こうしたのだが、後ろから声がかかった。
私は振り向いた。もう夜なのではっきりとは見えないが、どうやらレビル将軍だった。
「・・将軍・・どうかしましたか?」
「君は、今の彼らを見てなにも思わないのかね?」
「まぁ、気の毒とは思いますが・・打ち切りはやはり読者の要望ですから仕方ないと思うのが正直なところですね。
他の雑誌でも打ち切り自体は存在していますし。この世界は実力の世界ですから。
それにここを出てももしも彼らに実力があれば、他誌でも十分やっていけるでしょう。」
私は思ったとうりのことを述べた。別にこの雑誌以外にも職はあるだろう。それに漫画家以外にも職は腐るほど有る。
不況だが、あの若さの人物が職につけない、ということはよほどえり好みしない限り、あり得ない。
まぁ、生活はできるだろう。むしろここより良い生活ができるかもしれない。だとしたら、喜ぶべきことではないだろうか。
だが、将軍は私のその回答を聞くと、イヤな蔑むような顔をした。
まるで国賊をみるような、犯罪者を見るような、そんな感情のはいった目で私をみた。
私は、なにもまちがったことをいってないと思ったのだが・・どうも。少し思慮が足りなかったようだ。
さて、ここで今日の日記はお終いだ。
明日は、非常に忙しくなるだろう。第二号の創刊日だ。
私は枕もとの時計のアラームを6時半にあわせると、立ちあがって電灯の紐をひいた。
早く寝よう。明日に備えて体力を温存しなければ。
・・寝ようと思ったのだが、あの後、気になることがあったのでやはり記しておこう。
書くと長くなりそうなので、やめようとおもったのだが。
それは、洗濯物を取りこんだ後、いつもどうりに風呂場に向かったでのことだ。
私は脱衣場で服をぱっぱと脱ぐと、曇りガラスの戸をひいた。
いつも入る時間を少し遅れたが、まだ一番風呂の連中がいるはずだった。
相変わらず狭い浴室だ。湯気が煙のように漂っていた。
中では、スレンダーは鼻歌を歌いながら、身体を擦っていた。ロランがお湯に浸かって目を瞑っていた。
私は、ふと、今日はサウナに入ろう、と思った。
もともとサウナは好きではなかったので、1度もはいってなかったのだが、試しにはいってみるのもいいかもしれない。
それで、初めて馬鹿でかいサウナ室に入った。檜か何かでできた木目のスライド式のドアをひく。
むわっとした蒸気が襲いかかってきた。熱い。息苦しい。やはりサウナはあまり好きではない。
私はへこたれた。こんな中で何十分もだらだらできる奴等はよほどの変態だな、と思った。
だが、すぐに出るのも情けない。
私はタオルを腰にまいたまま、杉の木のような木目調の長椅子に座った。椅子は少しだけひんやりしていた。
もう汗が吹き出ていた。額の汗が目に入るのがイヤなので、私ははちまきのようにしてもう1枚のタオルを頭に巻いた。
私は目を瞑って、300数えることにした。開けていても濛々とした蒸気、湯気しかみれないのだから。
そして数え上げるまで絶対に目をあけないし、ここから出ない、と自分に誓った。
そのまま70ほど数えたところ、だんだんと頭が朦朧としてきた。酸欠状態だ。これは危険かもしれない。
だが、折角、決めたのだし、300を数えるまでここを出たくはなかった。子供ではないが、私は変に意固地なところがある。
私は冷たいビールが飲みたいと思った。
キーンと冷えた麦酒の泡に口をつけてゴクゴクと飲み干す数十分後の自分の光景を思うことで、この熱さに耐えられると思った。
馬の鼻先にニンジンをつけて走らせるのと同じ原理だ。人間、賞品があると思えば、なんとか頑張れるものだ。
私ノ意識は湯上りのビールにつられてなんとか持ちなおした。現金なものだ、と我ながら呆れた。
汗の所為で、額に巻いていたタオルがずれ落ちてまるで目隠し状態になったが、直すのも面倒だったのでそのままにしておいた。
この状態、人に見られたくないなとだけ思った。
そう思った矢先に、ドアが開いて、一人誰かが入ってきた音がした。私は、最悪のタイミングだと思った。ついてない。
私は、目を閉じたまま、というか目隠し状態だったので、誰が入ってきたかはわからなかった。
入ってきた人物は先客がいることに一瞬、驚いたように立ち止まったようだが、すぐに入ってきたらしくドアが閉まる音がした。
そしてトコトコと私の前を通りすぎる。(フシギなことにサウナ室にいると、目を瞑っていても音だけでありありと光景を脳裏に描けるものだ)
彼は私からもっとも離れたところに座ったようだった。座るときに振動が少しだけこちらにも伝わる。
部屋を無言が包んだ。向こうは話しかける様子もなかったし、私も話し掛ける気はなかった。またサウナ室は静かになった。
むわっとした熱気が私の喉をからからにしつつあった。だが、私はゆっくりと頭の中で数字を数え続けた。
そのまま、私がようやく150まで数え終えようとした時、少しだけ隣から物音がした。今まで、少しも音がしなかったのにだ。
私は耳を済ませた。サウナ室の外、浴場で誰かが湯を浴びている音が良く聞こえる。隣でした音は、気のせいか、と思った。
だが、隣からまた音が大きくなった。今度ははっきりと聞こえた。・・喉から搾り出すようにもれる音だ。
これは泣き声? また聞こえた。間違いない。確実に泣き声だ。私は確信した。押し殺すような泣き声だ。
どうやらサウナ室に入ってきて、誰かが泣いているようだった。私は誰なのかとても気になった。それはそうだろう。
誰かが入ってきて、声を押し殺して泣いているのだ、一体どうして、と疑問に思わなければ嘘と言うのものだろう。
が、まだ160までしか数えていなかったので目を開けるわけにはいかなかった。300までは開けないと決めているのだ。
それにタオルを外して、そちらの音を見るのはどうも下世話な気がした。野次馬的で俗物的だ。
どうしました、何を泣いているんですか?、という馬鹿げたことはしたくなかった。女性ならともかくこの寮には男しかいないのだから。
私が心の中で、そうやり取りしていると、いつのまにか泣き声は止んでいた。
その代わりに今度は、何かを布で磨いているような音がした。雑巾でガラスを力強く拭くときにでるような音だ。
まるでヤカンを磨いているかのような小気味のいい音がサウナ室に響いた。私はいよいよ混乱した。
何か自分が場違いな場所にいるような気がして仕方がなかった。ここはサウナじゃないのか?
いや、サウナに違いない。この蒸気がそれを証明している。私は、そう自分に言い聞かせた。
そして、ビールを飲むところを思い浮かべることでその音を掻き消そうとした。だが、その音は耳にこびり付くようで離れなかった。
だが、その奇妙な音もそんなに長くは続かなかった。
私が200まで数え終わる頃には音は聞こえなくなっていたし、250までいった頃に、その人物はサウナ室を出ていった。
再び、サウナ室は何事もなかったかのように静寂が戻った。だが、私の耳にはその音がしつこく残った。
その間、私の視界は真っ暗で、何も変わらなかった。
ようやく300を数え終わった私は、汗でべっとりしているタオルを外して、汗ばんだ手で瞼を2度擦ってから、ゆっくり目を開けた。
少し緊張した。何か起こっているだろうと思っていた。だが、それは私の取り越し苦労だった。
そこには目を瞑ったときと何も変わらない光景が広がっていた。・・つまり、ぼんやりとしてて湯気がスゴイだけだった。
変わった所は何もないように思えた。
いや、それは、それこそは私の思い違いだった。一つだけ違うところがあった。それはタオルだ。タオルが落ちていたのだ。
私が推測したところ、つまり誰かが先ほどまで座っていた、とおぼしきところに1枚のタオルが落ちていた。
拾い上げてみると、血がべっとりとついていた。真っ赤な色だ。私はそれをもったまま、しばらくその場で固まった。
真っ赤なタオルは、手にもっていると、血液独特の厭な匂いがして、喉の奥がむせかえりそうになった。
そういった匂いを嗅ぎ慣れていないので、私は唐突に吐き気をもよおした。
サウナ室を飛び出て、私はゆっくりと深呼吸を繰り返して、なんとか吐き気を押さえる。
脱衣場に戻ってみると、そこには、鏡の前に座ってのんびりと髪を乾かしているロラン君がいるだけだった。
私は誰か泣いているところを見なかったか?と聞いてみた。だが、彼は不思議そうに首を振った。
サウナ室から誰かでるところを見なかったか、といっても全く気がつかなかった、といった。
そういえば彼はお湯に浸かって、気持ちよさそうに目を瞑って入っていたから、本当に見なかったんだろう。
念のためにロラン君の目をじっとみたが、別に充血してはいなかった。サウナ室にいた人物は微かに泣いていたはずだ。
となると、彼ではない。
血の付着したタオルのことは聞かないでおいた。これは誰にでも聞けることではない。それにおおごとになるのは厭だった。
その後、管理人室に戻ってタオルを内密に処分した。ビニールに2重にくるんでごみ箱に放り投げた。
私は、薄手のシャツを羽織って食堂に向かうと、そこに設置されている大型冷蔵庫からビールを二本取り出した。
よく冷えたエビスビールを選んだ。麦100%が旨いのだ。私は、タオルの件は忘れることにした。
まぁ、考えてもしかたない。私は何も見なかった、血のついたタオルはもとから存在しなかったとするしかない。
おおげさに騒ぎ立てて、結果、何もないということは往々してあることなのだ。騒ぎすぎは良くない。
それに、もしかしたらただの鼻血などかもしれない。サウナ室で血が上って鼻血がでることはよくあることだと聞いている。
きっとそうだろうと私は勝手に結論付けた。サウナにいたのが誰かなどはどうでもいいことだ。
明日は忙しいし、今日は打ち切りの件もあったので疲れていた、私はこれいじょう問題に携わりたくなかった。
そのまま談話室のソファにでも座って、ゆっくりとテレビでも見ながら飲もうかと思ったが止めた。
レビルとランバラルが将棋をしていたのだ。さっきの今で、レビル将軍と話すのは気マズかった。
ギクシャクした雰囲気で酒などのんでも少しも旨くない。かといって部屋でわびしく飲むのはいやだった。
どうしたものか、と私は冷蔵庫の前で考えた。一瞬の後に、私は、屋上で飲むことに決定した。
夜風に当たって火照った体を冷やしながら、ビールを飲むのもなかなかに粋なものだ。そう思ったのだ。
食堂を出て、今にも壊れそうな階段を明かりもつけずにとっとと上った。
だが、私が三階から屋上へ通じる階段を上っていくと、そこの扉が完全に開いていることに気がついた。
風が拭きこんできている。誰かが洗濯物でも干した後に、開けっぱなしにしたのだろうか。
まったく戸締りがなってない・・・そう思って舌打ちしながら、扉に近づく。
いや、違う。屋上には先客がいたのだ。
誰かが、屋上の広場のちょうど、真中のところにぺたんと座り込んでいる。私は、扉のところにそっと立ってその後姿を眺めた。
夜だが、誰だかはすぐにわかった。今夜は月は満月に近く明るいし、その人物の髪型には夜でも充分に特徴があった。
おかっぱに銀髪だ。彼がちょっと横を向いた。その横顔を眺める。それで、一層確信が持てた。
イザークだ。間違いなかった。
膝のところに何かボールのようなものを抱えていているようだった。だが、それが何かは流石に月明かりだけでは良く見えなかった。
イザークはそれをじっと眺めていた。月光に彼の銀色の髪が反射して、髪は銀色というよりも寧ろ白く澄んで見えた。
彼が手元からボール?を離して、脇に置いた。そして、一言も発さぬまま、顔を手で覆った。
彼はそのままの態勢でしばらく動かなくなった。物思いに沈んでいるらしい。どうも側に行きにくい雰囲気だった。
ビールは、どうやら部屋で飲むよりなさそうだった。私はきびすを返そうとした。
が、どうも彼が持っていたものが気になったので、少しだけ近寄ってみることにした。
幸い、イザークはまだうずくまっているし、こちらを振り向くことはなさそうだった。私は、そろりそろりと足を進めた。
だが、迂闊にも扉と屋上の段差につまずいた拍子に、手に持っていたビールの缶を落としてしまった。
カン、と床にぶつかり、乾いた音が屋上に響いた。今まで、静かだっただけに、それは何倍にも大きく聞こえた。
その音にイザークが気がつかないわけがなく、彼は、ビクッとしてすばやく立ちあがりながら、こちらを振り返った。
私の姿を視界に捉えて、一瞬ハっとした顔をしたが、すぐにその顔を怒りに歪ませた。つかつかとこちらに近寄ってくる。
そしてグイっと乱暴に私の胸倉を掴むと、大声で叫んだ。
「そこで何をしてるんだ!オレを覗いていたのか!」
「いや、それは誤解だ。私は屋上でビールを飲もうと思っただけで、たまたま・・君が」
「見え透いた嘘をつくなぁぁ!」
そういって突然に激昂した彼に、私は激しく突き飛ばした。
彼は見かけより力があり、私は、突き飛ばされたはずみに、あやうく頭を扉に強打するところだった。
「ウムムム・・」
私が首を振りながら起きあがったときには、既にその場にはイザークはいなかった。部屋に戻ったのだろう。
タイミングが悪かった。あれではまぁ、覗き見していたと思われても仕方がない。まぁ、事実していたのだが・・。
しかしそれにしてもあそこまで怒るとは思わなかった。予想以上に短気な少年だ。反抗期ってやつだろうか。
ロランやアムロとは、またタイプが違う。非常にやっかいだ。腫れ物に触るように扱った方がよさそうだ。
私は、ひとまず膝についた埃を落とし、地面に転がっている二本のビールを拾い上げる。
私は首を捻りながら、つかつかと中央を横切って転落防止のためにはってある金網の前まで歩いていった。
金網の高さは持たれかかるのにちょうどよかった。私は両肘をそこについて、夜景を眺めた。遠くに明かりがぼんやりと見える。
この寮は坂の上に建てられているので、遠くまで良く見える。といっても田舎なのでビルなどはなく、眼下の町はひっそりと静まりかえっている。
都会のように、光のコントラストによる夜景を楽しむ、ということはどうもできそうになかった。まぁ、別に構わない。これはこれでいいものだ。
ビールのプリングを外して、口をつけてゴクゴクと飲む。冷たくて、喉越しに僅かに感じる麦芽の苦味がとても旨かった。
私は喉を鳴らして、ビールを最後の一滴まで飲み干してしまうと、その缶を握りつぶした。
缶をその辺に放り投げてしまう。そして、その場に腰を下ろすと、仰向けに寝転がった。シャツ越しの背中にアスファルトの冷たい感触が伝わってくる。
サウナの火照ったくすぶりがすぅっと引いていく。この感覚があるから、あのサウナを我慢した甲斐があったというものだ。
夜空を眺める。星がまるで空に無数に張りつけられているかのように鮮明に輝いていた。
幾千、幾万、幾億の星だ。宇宙に散らばる星がとても美しい。私は星座に詳しくないので、名前などはわからなかった。
さそり座・・はたしか夏だったな。北斗七星・・も夏だったかな・・、とそんな昔の知識を思い出す。
春の星座は何があるだろう、と私は悩んだのだが、結局思い出せなかった。
少しすると次第に寒くなってきたので、(なにせシャツを1枚着ているだけだ)私は部屋に戻ることにした。
すくっと立ちあがる。そして一回だけ身体を伸ばすと、階段に戻ろうと歩き出した。
だが、その時に、先ほどは気がつかなかったが、イザークが座っていたところに何かが置いてあることに気がついた。
膝に抱えていたモノだろう。私が興味を引かれて覗こうとしたものだ。先ほどはみれなかったもの。
きっと頭に血が上って、出ていったので、忘れていったんだろう。案外、抜けているやつだ。
取りに戻ってこないのを考えると、まだ気がついていないのだろう。
私は苦笑した。彼の忘れ物を私は拾い上げた。
それはヘルメットだった。
さほど大きくないヘルメット。まるで新品のように、よく磨かれている。だが、酷く破損していた。
事故でも遭ったのか、メットの部分が大分破損している。なぜこんなものを彼が持っているのだろう。
大部分が破損している所為か持ってみると、驚くほど軽かった。それにしても、私は首をかしげた。
普通の事故で、こんなにも激しく損傷するものだろうか。表面を触ってみる。とても硬い。ちょっとやそっとでは壊れそうにない。
こんな風になるのはよほどのことだ。圧倒的な力で砕かれた、そんな表現がぴったりだった。
メットの内側に手を差し入れてみた。・・・・微かに濡れている。手にじっとりとした水滴のようなものがついた。
中をよく覗きこもうとしたが、月には少し雲がかかりはじめていて、この暗さでは何も見えなかった。
メットを鼻先まで近づけてみた。僅かだが、血のような匂いがした。喉の奥から何かがせりあがってくるような匂いだ。
ふと、私の胸倉を掴んだときに至近距離で見た、イザークの目がどこか赤かったことを思いだした。
だが、それが何を意味するのかは私は深く考えないことにした。
その方がいいと思った。
(十一日終了)
昔の深夜テレビで、テレゴングを使った擬似公開裁判をやった番組があった。
例えば、三人組の女子高生が金のために殺人を犯した。
実行者、計画者、元締めのうち死刑に出来るのは一人。
あなたは誰を死刑にしますか? そういった感じだった。
もちろんフィクションだが、よくよく考えると架空とはいえ、興味半分で
生き死にを扱うとは、意外に深い番組だったのかもしれない。
今回の話でふと思い出した。
面白半分で投票に参加したが、まるでカイとギャバンを死刑台に送り出した気分だ。
イザーク・・・(泣)。
426 :
通常の名無しさんの3倍:03/05/01 09:06 ID:JVASCCpp
二人が連れて行かれるシーンは、ドナドナ
なんかジョジョの第4部みたいな匂いがしてきたな…。
待ち構えてる的って感じ
ギャバン、俺がリクエストなんてしなければ・・・すまんかった・・・
それでも出れただけましだよ
カイ、、グエンにつかまったのが運の尽き、合掌。
>>某漫画風
黒猫でファイナルアンサー
『某漫画風にアレンジ』という意味を素直にとれば、
元ネタはハンター×ハンターだろう。
深読みするとたしかに黒猫でも間違ってないけど。
1さんは聖人君子でもなんでもないから漫画とか読むんだろうけど、
やっぱり1さんがジャンプを読んでるのかと思うと少し不思議な気持ちがする。
別に誰がジャンプ読んでたっていいじゃん。
通勤列車の中で悠々とジャンプ読んでるおっさんだっているんだし。
433 :
通常の名無しさんの3倍:03/05/03 00:32 ID:BU0FVFBt
難しいことは、よく分からないが
「全ての物語は、既存の単純な物語群の、複合再構築である」
それが、いかに感動(というと安っぽいが、心の動き、つまり動揺)を誘う技術を
持っているか、と、いうことなのではないか?
多様な価値観を持てあます今こそ
「いつか見たような」という「視野的批判」をするより
「見たことあるのに、何故か・・・」という「一視点深層的感動」を重視してもいいのでは?
それが「類友的、オタ群像」と言われたら、返す言葉がないけれど。
祝復活
ということで保守
ネタスレへの回帰。1stへの回帰。ララァへの回帰。
それがシャア板の宿命である。
荒らしにおびえるな。むしろ、喜べ。それをネタにするのもシャア板だろうが。
俺が許す、誤爆れ
復活記念パピコ
保守
しかしゆるせん
442 :
1:03/05/06 18:54 ID:???
>>428 あ、ギャバン出してくださったんですか?どうも有り難う御座いました。
打ち切りにしてすいません。いつか再登場・・はないです・・きっと。
>>431 自分は漫画も結構読みますよ。ただ、子供の頃のジャンプの方が面白かったですね。
ドラゴンボールを楽しみに読んでた中学時代が懐かしいです。今のは、読むのが3つぐらいしかない・・
>>441 まぁ、マターリお願いしますね。私も何度か誤爆したことありますし・・
皆様、お久しぶりです。
鯖落ちしたときは、これまでかな、と思いましたが、なんとか復活したみたいでホッとしました。
さて、第三回なんですが、まだ全体の話で言うと、今までのところで五分の一ぐらいです。
もっと早く書きたいのですが、今回は、アンケートでキャラを減らすので、なかなか書き溜めできませんので・・
一応、色々と考えてはいるのですけど。なんせ想定してたキャラが消えてるかもしれませんし。
だからマターリ書いていこうと思います。新しい鯖に移ったことですし、GWも終わりましたし。
これで、多少は板が落ちついてくれればいいなあ、と思いますね。それでは。
今日もイイ天気だった。洗濯物を干しなおすにぴったりの朝で、私はほっとした。
さて、今日は第二号の発行日なのだ。それで朝から早くに起きたので、日記を書いている現在、非常に眠い。
気になって朝起きてすぐに、屋上にいってみたのだが、メットはもうなくなっていた。
おそらくイザークが取りに戻ってきたものと思われる。あの後、私が降りるのを待っていたのだろうか。
作品の締め切りに遅れるものはいなかった。まぁ、1週間あったから大丈夫だったのだろう。
けれど、次回からは、4日に一つの発行スピードだ。大丈夫だろうか。まぁ、今から心配してもしかたがないが。
色々と些細な混乱はあったが、まぁ、編集作業のほうは比較的穏やかにうまくいった。
しかし、これだけの作品のアオリなどを考えるのは疲れる。どうも私は苦手だ。いいフレーズが思いつかない。
前回の読者の厳しい意見を糧にしたかったのだが、それはどうやら無理だった。
私にはアオリの才能はないようだ。まぁ、残念かといえばそれほどでもない。
ランバラルやレビルなどの作品は、創刊号とがらりと変わっていた。
どうもカイとギャバンの打ち切りが応えたらしい。実際に誰かが去っていくのは、やはり効果がある。
夕方までに会社におくるファイルが完成し、送った。表紙や目次の細かいところは向こうで修正してくれることになっている。
パソコンのモニターに送信終了の表示が出る。私は、タバコを吸って一息ついた。仕事の一服はやはり旨い。
その開放感からか、寮にいる皆もどこか今日はウキウキしていた。
夕方に、皆で広場でサッカーをちょっとだけした。寮のみなで何かをするのは初めてだった。
とても疲れた。カラダを最近動かしてなかったせいか、すぐに息が切れてまいった。それにしてもイザークは動きが速かった。同じ人間とは思えない。
試合中に、多少気になることもあったが、まぁ、いい。私は、凄く眠たい。今、日記をこうして書きながら眠り込んでしまいそうだ。
だから、また雑誌の概要を貼って今日は寝させてもらう。些細なことを記載するのは疲れる。
さて、創刊号ほど売れてくれればいいのだが。
(十二日目終了)
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『 週刊少年ガンダム! 』 第2号!
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!::::: `~´ ヽ:::::: | |
ヽ::::: ,‐==-===-、 ヽ:::::: ! |
↑今回の表紙。
1・ 『クッキンググフ』 ランバラル
概要 前回のがちょっと不人気なので、焦ったランバラルが路線を変更した作品。 だが、どうもこれもダメそうだ。
クッキングパパと呼ばれるランバラルが、こっそりと料理を作ってかかわった人を幸せにする作品らしい。
美人奥さんハモンと暮らしている主任の彼はとても幸せそうだ。あの年で主任なのはツライが。
パパという割には子供はいないのが悩みだ。毎日、職場の同僚と酒を飲みにいってはイイ子供を捜している。
そして、あれが自分の子供だったらな、と思うのだ。気に入った子供には食事を奢ることもある。
だけど、変態と勘違いされて、マントのしたに隠された拳銃で毎回撃たれるランバラルは少し気の毒だ。
アオリ 「※お知らせ 砂漠と料理と・・は、本人の都合により先週が最終回です。」
2・ 『世界で一つだけの任務』 スレンダー
概要 前回と同じ男が主人公だ。話しも創刊号と続いている。
男は、パズルのピースを全部捨ててしまった。ワンピースなどみたくなかった。パズルは嫌いだ、と男は呟く。
肩で荒く息をしている。どうやらヒドク興奮しているようだ。汗が床にしたたり落ちている。
溜まっていた感情が爆発したらしかった。いつのまにか部屋にある唯一の机も粉々になっていた。
数十分後、興奮から覚めた男は、後悔した。感情に任せた行動はダメだと、わかっていたはずなのだ。
机の残骸をかたずけながら、俺はジーンのようにはならない、と呟いた。感情が先走りしては、自滅を招く。
気を取りなおすために、机の残骸に埋まっていた壊れかけのラジオをつける。FM放送にあわせると、邦楽をやっていた。
大人気のアイドルグループの歌だ。男はそれを聞いていると少しずつ気分がよくなってきた。自然に鼻歌もでる。
リズムをとってそれを聞いていた男だったが、突然、カラダが止まった。
それはサビの部分に入ったときだった。
>ナンバーワンにならなくていい。もっともっと特別な『オンリーワン』
男は、ラジオを拾い上げて壁に叩きつける。ラジオはバキィィ!と壁にぶつかって、激しい音を立てて止まる。。
部屋を再び沈黙が包み込む。ラジオはもはや何も喋らなかった。男は、また、その瞳から涙をこぼして、顔を手のひらで覆う。
オンリーワン=たったひとり孤独=ワンピース。男の中では瞬時にこういう変換がなされていた。「おまえはここに残れ」
上官の言葉が蘇る。男にとって、それは死の宣告。絶望の歌。オンリーワンなど辛すぎる。男は一人泣く。
アオリ 「君は実にバカだな。」
3・ 『パプテマス・シロッコによろしく』 カクリコン
概要 良く似た漫画があるが、あれとは取り上げているジャンルが違う。
これは、軍隊生活の中で、ひよっこの頃、夜勤をしても手当てがでない主人公の苦悩する様を大人の視点で書いている。
パイロット駆け出しの頃は、手当てが少ないので、夜勤をせざるをえない。
だけど、それでいいのか、こんなことをしていいのか、戦場に出るたびに増える、明細の給料をみて若き頃のカクリコンは思う。
戦場での倫理、モラル、新人ゆえの戸惑い。そういった葛藤を新人時代を思い出して、今カクリコンが語る。
アオリ 「ちなみにパプテマス・シロッコさんの許可は一切とってません。」
4. 『 マクベの碁 』 マ・クベ
概要 或るとき、掘り出し物の壷を探すために、骨董品屋を尋ねたマクベはそこで何故か碁盤を買った。
どこか惹かれるところがあったからだ。値段もそれほど高くなかったので、衝動買いしてしまう。
家に帰って早速それを磨く。だが、どうしても盤の隅にある血糊のようなものは取れない。
何か変な格好をした亡霊が現れた。それからマ・クベの人生は大きく変わった。
おかっぱのイザークに追いかけられたり、公園にいくと、股間から碁石をだす男がいたり散々だった。
更に毎日、囲碁をしろなどぬかしてきたので、マクベは鬱病になりつつあった。囲碁などしてる暇はなかった。
うんざりしたマクベは、碁盤を捨てる。それをお爺さんが見つけて拾っていった。
背中には、孫らしき子供を背負っている。髪型が前髪だけ金髪の変わった孫だった。
捨てた後、帰り道で、マクベは「あの碁盤・・あと十年は使えたな」と一人後悔していた。
アオリ 「・・聞こえるのですか?・・私の声が・・・・聞こえるのですか?」
4・ 『くそみそロランの奇妙な冒険』 グエン・サード・ラインフォード
アオリ 《瞬きは許されないッ! 驚倒のクライマックス!!》
センターカラーは、創刊号で見事一位をいとめたグエンの奇妙な冒険だ。
その衝撃のクライマックスをここに詳細に載せる。
天国は発動して、グエンはロランを導くために、更に加速していく。宇宙が一巡する。
人類の誕生、スペースコロニー、1年戦争、グリプス、シャアズカウンターアタック、マリア思想。
そう言った世界が、ロランの前に、まるで閃光のように現れて消えていく。その圧倒的な空間の流れ!
まさに時間の神砂嵐、次元の破局的小宇宙!究極生物となったグエンはロランを仕留めるべく、高速で迫ってくる。
ロランは、必死に逃げようとして、山の火口に止めてあったターンエーに乗り込もうと走った。
だが、コクピットを開けるとそこには、遥か後ろにいたはずのグエンの姿があった。
膝を組んでコクピット内部を興味深げに見まわしている。ロランは絶望する。
「2手・・・遅かったな・・ローラ」
そうロランに満足そうに宣告する神父の姿には、誰もが背筋に凍るような戦慄を感じることだろう。
「因縁は断ち切らなければならない。だが、その前に・・」そういって神父はチャックを下げる。スティッキ−フィンガーズ。
そしてミロのビーナスのようなポーズを取って、迫ってくる。まさに奇妙!絶対的恐怖!
ロランが絶望の悲鳴を上げたその時、無人の筈のガンダムが動き、火山の火口にビームを撃ち込んだ。
その衝撃は、眠れる火山の活動を促す!火山が噴火するッッ!!その圧倒的衝撃で、神父は、岩盤ごと宇宙に放り出されてしまう!
「なぁぁぁああににぃぃぃぃぃ!!!!」グエンの叫び声だけが、地球に残る。
地球はグエンを殺せなかった。だが、母なる地球はグエンを追放したのだ。
ガンダムに必死でしがみ付いていたロランが、目を覚ますと、そこにはもはや神父はいなかった。
まるで、全てが夢だったかのように、ロランは一人、炭坑の途中と思われる道沿いで寝ていた。鳥の平和そうなさえずりが聞こえる。
時の加速はどうなったのだろう。世界はどうなったのだろう。ロランは、そう想いながら、呆然と立ち尽くす。
神父は死んだ・・のだろうか。だとしたら、時間は、宇宙は一巡したのだろうか。
ロランは、取り合えず、屋敷に戻ることにした。もし、それがあれば、だけれど。
その時、一台のオープンカーが偶然に通りかかった。運転手が、身を乗り出して、ロランに声をかけた。
「君・・?確かハイム家の使用人だったね。・こんなところでどうしたんだい?」
それは、彼だった。優しき御曹司。笑いながら、こっちに声をかける。そして空を見上げる。
「一雨きそうだな・・私は帰るところだが、よかったらハイム家までのせてってあげよう。・・えと、君、名前なんだったかな?」
その言葉を聞いて、ロランの瞳から涙が零れ落ちる。
「ちょ・・君、どうしたんだい?・・えっと・・」その人物は困惑して、車から降りる。
そして、ロランの背中を優しくさする。
「ロランです・・」
「え・?」
「僕の名前は、ロラン・セアックです・・」 ロランは、ようやく掠れた声でそう言った。
グエンは、泣きながらそう連呼する少年に、どうして言いかわからずに少しだけ戸惑った。
− くそみそロランの奇妙な冒険 完
アオリ2 「そして… 風、立ちぬ… 」
6・ 『魁!連邦軍!』 レビル元帥
アオリ この作品も前回とは全く違うが、ある意味、民名書房とは関係があるかもしれない。
これは、レビルが通っていた時代の仕官養成学校(男児のみ)についての回想禄である。
少し旧時代的な感じの学校だったらしい。なんというか・・帝国主義的なすさまじい学校だったと元帥は書いている。
今週は、校歌を載せる。次回からは、仕官学校時代のおもしろコラムが載る予定だ。乞うご期待。
《地球連邦軍仕官養成学校校歌》
連邦兵士の生き様は 色無し 恋無し 情け有り
男の道をひたすらに 歩みて戦場を魁る
嗚呼 連邦軍 男意気
宇宙の刻を魁よ
連邦兵士の魂は 強く 激しく 温かく
任務遂行をひたむきに 求めて戦場を魁る
嗚呼 連邦軍 男意気
宇宙の明日を魁よ
嗚呼 連邦軍 駆逐艦 宇宙の刻を魁よ
嗚呼 連邦軍 巡洋艦 宇宙の明日を魁よ
アオリ 「むぅ・・この校歌は・・」
「なにィィー!!知っておるのかァァ!?パオロ艦長!!!」
7. 『∀の鼓動』 ロラン・セアック
概要 草は、夜に呼吸をします。眩い光のもとで光合成にいそしんできた身体を癒します。
夜、森や草原にいくとそういった草・・たとえば月見草のようなものですが、彼等の呼吸を感じ取れます。
それは命の鼓動なのです。彼等には血液はありません。だけど、生命といったものは、あるんです。
耳を澄ませると、ざわざわ、と風のそよぐ音と共に、僅かに聞こえてきます。
僕は、それを聞いているととても嬉しくなります。地球はいいところだと思い知るのです。
地球の鼓動。それは微細な呼吸の胎動の繰り返しです。地上はそういった鼓動に包まれてます。
月光が更にそれを包み込むように洗っています。
それは月からの癒し。地球と月の共存。僕はそれをムーンレイスと地球のみんなとの関係になぞらえたいと思うんです。
(第1章の一部部分を抜粋)
アオリ 「確かな鼓動!」
8・ 『 沈黙の艦隊 』 ブライト・ノア
概要 打ち切り作品の補填のために急遽、今週から連載が決まった作品。内容はこういったものだ。
月の衛星軌道状から、突如、連邦からの独立を宣言し、独立国家「もくば」を名乗ったホワイトベース。
乗艦しているのは、優秀なパイロット達と有能な艦長。それに最新鋭のモビルスーツ。
核を有するその艦の突然の、独立国家宣言は、サイドや連邦政府に衝撃を与えた。
なぜ、突然に!?政府高官のアデナウアーの顔が、困惑と動揺で醜く歪む。
この時を境に、人類は、シャアの反乱とよばれた革命以来の旋風に巻き込まれていくことになる。
艦長の目的は、本当にかつてのジオンのように独立なのだろうか。宇宙移民の独立が目的なのか。その真意はどこにあるのか。
そして、迫り来る連邦の第七艦隊をどう相手にするのか、非常に気になるところで終わっている。
戦うのか?はたまた降伏か?圧倒的戦力の差を前にブライトは何を思うのか。緊迫の展開は次号へ!
アオリ 「何ガチでやってんの! 」
9・ 『刻を駈ける少女』 アムロ・レイ
概要 人は死ぬ前に走馬灯をみるという。自分の生きてきた生涯を瞳にくっきりと映し出す。
それは在る意味、時を駈けぬけている、と考えることができないだろうか。自分の時を一瞬の内に駈けぬける。
勿論、これは科学的には何の根拠もないし、ナンセンスなことだといえる。非常にセンチにすぎるかもしれない。
だが、走馬灯というものを、そういう科学的な意味だけで読み取るべきではない。特にこの作品は。
アムロはこの作品の中で少女は今も生きている、と書いている。永遠に時空を泳いでいると。
真実とはいえないかもしれない。人は死んでしまえばそれまでかもしれない。
だが、そういった事実がどれだけ人を救ってくれるだろう?救ってくれはしない。
これは、著者の追悼なのだ。彼にとって彼女は今も刻を賭けているのだし、そう思うならばこれは真実なのだ。
「どうして出会ってしまったの?」と彼女が問い掛けるシーンは、人の運命を深く考えさせられる。
この作品は、永遠の少女、刻を駈ける少女へのアムロ・レイが綴る懺悔と鎮魂の歌である。
アオリ 「取り返しのつかない行為!」
10 『 ニコルとディアッカと隊長と俺の関係』 イザーク・ジュール
概要 嫌われてると一層確認した俺が部屋に閉じこもっていると、誰かが再び戸を叩いた。ディアッカだろう。
またカールでも持ってきたのなら、あいつにも額に傷をつけてやろうと思った。俺は、ガラスの破片を持ってドアを開けた。
だけど、あけるとそこには何故かニコルが立っていた。手には、あったかいうどんを持っていた。
俺はわけがわからなかったけど、とりあえず彼を部屋に入れた。
そして、一緒にうどんを黙々と食べた。妙なことだけど、なんだか心があったかくなる気がした。うどんも凄くおいしかった。
うどんの汁を残さずのみ干してしまうと、ニコルはにっこりと笑った。その笑顔はとても見てて照れくさかった。
ニコルが帰った後、なんだか、心が癒されたと思った。心の中でニコルにこっそり感謝をする。
そして、しばらくしたあと、再び誰かがドアを叩いた。俺は、笑顔でドアを開けた。
そこにはディアッカが立っていた。手には、冷えたざるそばを持っていた。
俺は、とりあえず中にいれた。そして黙々とそばを食べた。あんまり美味しくなかった。
半分以上残してしまうと、ディアッカは哀しそうな顔をした。何故か罪悪感を感じた俺は、無理をして全部食べた。
ディアッカが帰った後、俺は、食べ過ぎでお腹が痛くなったので、横になった。
また、誰かが、ドアを叩いた。俺は、うんざりしながらドアを開けた。
隊長が、おいなりさんをもって立っていた。隊長は言った。「これが私のおいなりさんだ。」
そして当然のように室内に入ってこようとした。俺は、迷わずドアを閉めた。
アオリ 「マジでそんだけ。」
作者コメント一覧
1 「こういった作風はどう思うかな。不安だ。」(ランバラル)
2 「あの曲は、本当に耳障り。麻薬中毒者の曲なんだろ。有線でながすなよ」(スレンダー)
3 「著作権によろしく」(カクリコン)
4 「半目差でもいいから打ち切りにはしないでくれよ。これはイイ作品だ。」(マ・クベ)
5 「ご愛読ありがとう御座いました。次回作スティール・ボール・ランをご期待ください。」(グエン)
6 「連邦軍・・ほんにものごっつう懐かしいのう。」 (レビル)
7 「地球は本当にいいところです。僕は、とても好きです。」(ロラン)
8 「なにこんな作品よんでんの!」(ブライト)
9 「生きていてすいません。」 (アムロ)
10 「ちなみに、それ以来いなり寿司は食べれません。」(イザーク)
敗者 「他の雑誌の編集者へ。俺の作品を、貴方の雑誌に載 せ な い か?」(カイ・シデン)
敗者2「花束は、別れの花束だったみたいです。」(ギャバン)
編集部からのコメント 「次回第3号発行は3月16日です。ご期待ください!」
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週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十四日夜まで募集してます!)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1
2
3
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「 」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「 」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 ( )
メッセージ「 」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「 」
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週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十四日夜まで募集してます!)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 ニコルとディアッカと隊長と俺の関係
2 世界で一つだけの任務
3 沈黙の艦隊
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「ニコルとのやり取りが泣けました。」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「∀の鼓動」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (イザーク)
メッセージ「ディアッカって誰ですか?」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「あおり、頑張って下さいね」
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十四日夜まで募集してます!)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 『くそみそロランの奇妙な冒険』 グエン・サード・ラインフォード
2 『 ニコルとディアッカと隊長と俺の関係』 イザーク・ジュール
3 『刻を駈ける少女』 アムロ・レイ
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「結局ゲッツ! されてしまたんですね」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「 沈黙の艦隊 」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (レビル元帥)
メッセージ「今回は最低でしたが、次回のコラムに期待します」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「表紙がキモイです。超嫌いです。次号からは美少女のグラビアにしてください」
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十四日夜まで募集してます!)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 世界で一つだけの任務
2 ニコルとディアッカと隊長と俺の関係
3 くそみそロランの奇妙な冒険
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
彼は一体誰なんでしょうか?
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
∀の鼓動
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 スレンダー
メッセージ 相変わらず飛ばしまくりで凄いですね。頑張って下さい。
最後に本誌への感想をどうぞ。
何か必死なのが一杯いますね。
459 :
通常の名無しさんの3倍:03/05/07 00:18 ID:LkQKKn8c
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十四日夜まで募集してます!)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 ニコルとディアッカと隊長と俺の関係
2 ∀の鼓動
3 世界で一つだけの任務
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「文句無しで面白かったです。いつものほのぼの感もちゃんとあったし、オチも秀逸ですた。」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「パプテマス・シロッコによろしく」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (ロラン・セアック)
メッセージ「今回はちょっと勢いがなかったけどこういう作風好きです。頑張って下さい!」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「終わって欲しくない作品ですが、上から5作品ぐらいまで書けるようにして欲しいです。」
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1パプテマスシロッコによろしく
2∀の鼓動
3刻を駈ける少女
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「コロニーに毒ガス撒き散らす上司に仕えてりゃ、そりゃいろいろと考えるだろうなぁ」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「クッキングフ 」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (カクリコン)
メッセージ「新人の彼とは上手くやっていけてますか?」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「作者の一言の採用有難うございます。個人的にはストーリー作家陣(除くカクリコン)を応援したいです。ガンバレ」
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まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1パプテマス・シロッコによろしく
2ニコルとディアッカと隊長と俺の関係
3くそみそロランの奇妙な冒険
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「面白かったです。大気圏に落ちないように頑張ってください」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「刻を駈ける少女」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (グエン)
メッセージ「次の作品も期待しています」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「面白いです。」
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十四日夜まで募集してます!)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1刻を駈ける少女
2∀の鼓動
3魁!連邦軍!
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「ギャグが多い中で哲学的で悲しい作品もいいものですマジで」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「パプテマス・シロッコによろしく」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (スレンダー)
メッセージ「残りモノには福があるマジで」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「表紙があれで会社で読めませんマジで」
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 ∀の鼓動
2 くそみそロランの奇妙な冒険
3 ニコルとディアッカと隊長と俺の関係
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「全文を読んで初めて楽しめる作品だと思います。」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「クッキンググフ」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (グエン)
メッセージ「フジテレビCSでインタヴューを受けると耳にしました。
そちらも楽しみにしています!」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「女性作家がいない!これは女性差(略」
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まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 ニコルとディアッカと隊長と俺の関係
2 くそみそロランの奇妙な冒険
3 クッキンググフ
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「隊長とか、好きだから」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「∀の鼓動」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (グエン)
メッセージ「パクリっぽいですが、オリジナルより面白かったです。」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「巻末コメントで本編の事が触れられていて、まるで某キユの事を思い出してしまいます。
何とかして下さい。」
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1魁!連邦軍!
2ニコルとディアッカと隊長と俺の関係
3刻を駈ける少女
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「なんというか久しぶりに涙が出てきた(いろんな意味で)」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「 マクベの碁 」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (レビル元帥 )
メッセージ「渋いながらも面白い、これからもそんな作風でいてください」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「この表紙はマジで勘弁してください、子供が見たら泣きます。
それと煽り文ちょっと『くすっ』ときました、これからの成長に期待してます。」
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十四日夜まで募集してます!)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 クッキンググフ
2 くそみそロランの奇妙な冒険
3 ニコルとディアッカと隊長と俺の関係
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「ランバラルに哀愁を感じる。」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「∀の鼓動」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (レビル将軍)
メッセージ「飛ばしすぎです。でも応援してます」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「この雑誌、編集にどれくらいの時間をかけているんですか?」
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十四日夜まで募集してます!)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に三つ書いてください。
1 沈黙の艦隊
2 くそみそロランの奇妙な冒険
3 ∀の鼓動
また一番いいに選んだ作品の感想を、一言お願いします。
「壮大なスケールに圧倒されました。」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。
「パプテマス・シロッコによろしく」
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージ(感想)をどうぞ。
作者名 (ロラン・セアック)
メッセージ「彼の作品を読むとほっとします。」
最後に本誌への感想をどうぞ。
「前回より格段にレベルアップしているという印象を受けました。」
今日、昼に久しぶりに鉄仮面のやっているパン屋にいってきた。
いいかげんパスタを食べるのにもあきたし、あの店のパンは極上の味だったので久しぶりに食べたいと思ったからだ。
それにアンケートは明日まで募集だし、することがなかった。仕事は今日は特になかったのだ。
それで、12時ごろに寮を出た。
管理人室をでて、廊下に出ると、食堂の方からフラウを叱るブライトの声が響いていた。
きっとアムロを甘やかすな、と怒っているのだろう。引きこもりを修正するのは大変だろうな、と私は思った。
耳を澄ませると「何、材料ケチってんの!」「だって塩が・・」と、意味不明のやり取りが聞こえてきた。
どうやら料理の味について怒っているらしかった。短気な奴だ。それにここは昼は各自用意の筈だが・・フラウに作らせているのか?
まぁ、いい。関わるのは止めておこう。
私は、ジーパンに赤いジャックパーセルを履いた。革靴はスーツでもないのに履くことはない。
たまにはこういったラフな格好もいいものだ。サングラスをかける。
外には、広場のベンチで日向ぼっこをしていたらしいロランがいた。
自分がパンを食べにいく、といったらついてきたそうだったので一緒に行くことにした。
うんざりするほど長い坂をくだりながら、アンケートの結果をロランに話した。
無論、まだ締め切りではないから途中経過だが。ロランは心配そうに聞いていた。
私は、あんまり適当なことは言えないので、まぁ、明日まで待つんだな、と気休めにもならないことを言った。
「・・大丈夫だと思いますか?」
「まぁ、なるようになるんじゃないか?」
私のその台詞はどうもロランの心配を払拭しなかったようだ。
長い下り坂を降りていると、坂の下のほうから見た顔のある少年が上ってきていた。
白棟の管理人だ。手には鉄仮面パンの袋と、もう一つ何かを持っている。国民、とかかれた袋だ。
ロランも気がついたらしく、走って坂を下って彼に近寄った。私はゆっくりと坂を降りる。
距離はまだ結構離れている。ロランが、彼に手を振った。白棟の管理人も気がついたらしく足がとまった。
何か親しげに話している。どうやら仲がいいのは本当だったようだ。
それにしても。つま先で小さな小石を蹴飛ばしながら歩く。
私はセイラの言葉を思い出していた。
「こちらにはこないほうがいい」
果たしてあれはどういう意味なのだろう。Aアパートの住人とは交流をしたくない、ということなのだろうか。それは何故だ?
私は、ゆっくりと足をすすめながら、彼を凝視した。歩くたびに、次第にはっきりと彼の顔が見えてきた。
それにしても、一体向こうには何があるんだ?
Bアパートの住人は見たことがある。こっちに赴任して最初の日に見たのが最初だ。喧嘩していたと記憶している。
日記にも確かその旨は記載していたはずだ。そのときは、なんとも思わなかったが・・
管理人と挨拶を交す。だが、それだけだった。
私が彼らのところにいくと、すぐに彼はさっさと坂を登っていってしまった。・・私は嫌われているのだろうか。
Bアパートのことを少し聞きたかったのだが、どうやらそれは無理だった。
トミノ会長との関係や、何を管理しているのか、聞きたいことは山ほどあったのだが。私は残念に思った。
ロランと一緒にパン屋に入る。
カランと、玄関のところに設置している鈴が高く、鳴ってお客がきたのを告げた。
焼き立てのパンのイイ匂いが店の中を漂っていた。香ばしい小麦粉の匂いが食欲を誘う。
途端に空腹を感じる。よく考えれば今日は朝はあまり食べなかったのだ。私はトングとトレイを掴んだ。
これは木でできていて、その柔らかな質感が、視覚的にも触覚的にも素朴な感じを出している。とてもイイ発想だ。
「あ、いらっしゃいませ!」
奥に引っ込んでいたらしい店員が出てきて元気良くそう言った。鉄仮面ではなく、あの時、怯えていた店員だ。
「キース!」
ロランが嬉しそうに声をかける。どうやら知り合いのようだ。店員も驚いたようにロランを見る。
「ロランじゃないか?!こんなところで会うなんて偶然だなァ!」
キースとロランはギュッと抱きあって再会を喜んでいる。エライ喜びようだ。幼馴染かなにかか?
「ここで働いてるの!?」
「あぁ、つい2週間前ぐらいからな!この店のパンの味を学ぼうと思ってさ!」
邪魔したら悪いな、そう判断した私は、取り合えず先に食べるものを選ぶことにした。腹が鳴っている。
熱々のピザパン、香ばしく焼けているくるみパン、甘そうなバナナクリームサンド、ハムとレタスとチーズをたっぷり挟んだサンドイッチ・・
どれも私の好物だった。取り合えず目に止まるものを全てトレイに載せていく。残念なことにドーナツは売り切れのようだった。
ロランと二人でも食べきらない量を載せていく。食べきれなかったらアパートの皆に配ってあげればいい。
たまには編集者らしいこともしないとな。差入れも必要だろう。他の雑誌の担当では餃子やユンケルを差入れたりするらしいが。
ここのパンは美味いので、喜ばれるのは間違いない。私はトレイに山盛りにパンを載せていった。
美味そうなのは、なんでも載せていった。食パンも買う。そういえば、あのときあったマリオみたいなオヤジはどうなっただろう?
私は、ふと、彼のことが気になった。ほんの少しだけだが。食パンをやったのを思い出したのだ。
ひとしきり美味そうなものを載せきった後、レジに向かう。
キースという名前らしい店員が慌てて戻ってくる。ロランもついてくる。
「すいません。キースとは昔からの友達だったものですから。」
「申し訳ありません。お客様をほったらかしてしまいまして・・」
そういってキースは謝りながらパンを袋に入れていく。私は、それなら仕方がない、気にするな、とキースにいう。
代金は4200円だった。我ながらかなりの量を買ったものだ。
私が財布を出して、代金を払おうとすると、キースがぶんぶんと手を振った。なんだというのだろう?
「今回はお代は要りません。サービスにしときますよっ」
「ん?サービス・・?」
「ええ。ロランのいるアパートの管理人なのでしょう?俺からもよろしくお願いします。」
そういってキースは頭を下げる。ロランは、照れくさそうにしていた。私は、ただラッキーと思った。
「それなら・・ありがたくもらっておくよ。ロランの事はまぁ、任せといてくれ。」
と、私はえらく勝手なことを言った。先ほど坂の上で適当なことをいっていたのは、気にしない。
紙袋二つに分けて、ロランと私で半分ずつ持つ。私の持つ方には食パンが一本まるまる入っているのでずっしりと重い。
「それじゃ、キース。またくるよ!」
「あぁ、グエン卿がいるらしいじゃないか。・・・奴には・・気をつけろよ・・」
ロランとキースがそういって別れの挨拶をする。グエンがキケンなのはどうも彼らの常識らしかった。
店を出ようとして、取っ手を掴んだ私は、最後に一つ気になることをがあったのに気がついた。
振りかえって、キースに質問をする。
「そういえば、今日はあの鉄仮面の人はいないんだな?休みなのかい?」
「あぁ、店長なら、ついさっきスーパーにいくっていって出ていきましたよ。
もう少ししたら帰ってくるんじゃないかなぁ。」
「大丈夫なのか?店長に黙ってこんなサービスしちゃって。」と私はパンのぎっしり詰まった紙袋を掲げる。
「なぁに。ばれなきゃ構いませんよ。店長、あれで存外ぬけてるんです。その辺は任せてください」
そういってキースはにやっと笑った。なかなかしたたかな奴だ。
「そうか。それならいいがな。」
「本当に大丈夫なの?キース。僕らの所為で怒られるんじゃ・・」ロランも心配そうにそう言った。
流石に4000円も店の商品をサービスしたのがばれるとやばいだろう。私もそれは思った。
「大丈夫大丈夫。店長にはバレないって。」
「何ガバレナイノダ?」
いつのまにか噂の鉄仮面が戻ってきていた。私の真後ろに悠然と立っていた。手にはスーパーの袋を持っている。
私は慄然とした。いつのまに戻ってきていたんだ?超スピードだ。
「あ・・て、店長!い、いえ!なんでもありません!」
キースが直立不動になって、応える。その怯えた顔で、何でもない、と応えても信頼性がなかった。
鉄仮面は、その突起した顎に手をやって、思案深げに言った。
「フム・・ナニカ隠シテイルナ。マァ、イイ。後デ隠シカメラを確認スレバワカルカラナ。
コノ店ニハ至ルトコロニ隠シカメラヲ設置シテイルノダヨ!フハハハハハハハハハハハハハハ!」
キースの顔はその時、まさに文字どうり青ざめていた。店長の機械的な笑い声はこの店を震わせた。空気の振動を感じる。
現にガラスが振動で激しく震えていた。袋に入ったパンが破裂した。破裂・・破裂!?振動で?うそだろ?!
この店超ヤヴァイ
珍しく動揺した私は、固まっているロランの腕を掴むと、「また、来るよ。」とだけ言い残して店を脱兎の如く後にした。
鈴の音だけが、来たときと変わらず、のどかに鳴って私の耳に残った。
恐ろしい雰囲気の店を後にした後、私はまだ固まっているロランと近所のお店にいくことにした。
せっかくここまで来たのだからすぐに帰るのもなんだな、と思ったからだ。
カクリコンが言っていた玩具屋に行く事にした。少し先の十字路を右に曲がると、商店がずらりと並んでいる。
魚屋、服屋、駄菓子屋、肉屋といった昭和の商店の形で残ってる。狭い路地の両脇に所狭しと立っているのだ。
ロランは依然として心配そうな表情をしていたが、私は、珍しいこういった町並みに気を取られていた。
カクリコンがファミコンを買ったという玩具屋を発見した。傾きかけた看板を私は読む。
『今すぐ買えよ!国民!』という名の店だ。命令形とは、なかなか凄い店の名前だ。
軒先にプラモがずらりと並んでいる。道路に今にもはみ出しそうだ。しかも戦車や飛行機など、戦争系が多い。
その大勢のプラモの前で、警察官二人と一人の若者が何か話していた。もめているようだ。若者は抵抗している。
私はそれを気にせず、ロランを促してこぼれおちそうなほど積まれているプラモの箱を眺めた。
ザク、グフ、ジオング、などガンプラと呼ばれるものも多くあった。だが、肝心のガンダムはない。というかジオン軍しかなかった。
「アッガイ大量入荷」と殴り書きされた張り紙が張られていた。私はガンプラに興味がなかったので、どうでもよかった。
狭い立て付けの悪い戸を引いて、店内に入る。中も乱雑に様々なものが置いてあった。
店内は細長い通路のようになっていて、一番奥がカウンターだ。目つきの悪い店員がこちらをみていた。
プラモ、ゲーム(メガドライブが新品)、お菓子(種類が少ない)、レコード、エロ本。
そういったものが天井すれすれまで、高く積み上げられている。
私は唖然として、その光景を眺める。よくもまあこんなに沢山残っていたものだ。この狭い店の中によくも、と感心する。
ロランが興味深げに月の絵の描かれたジグソーパズルを眺めている。私は、スレンダーのためにひとつ買ってみようか、とちらりと思った。
だが、止める。男のために何かを買うのは私のポリシーに反するからだ。
それに喜ばないだろう。
結局、悩んだあげくにカウンターにあった冷蔵庫からサイダーを二本だして買う。
パンを買っていたが、ジュースを買っていなかったのを思い出したからだ。
「二本だから200円だ、国民。」
偉そうに眉毛のない顔色の悪い男がそう私に威圧的に言ってきた。
私は少しむっとしたが、まぁ、昔の店はこういった買わせてやる口調の親父が多かったから仕方がない、と思いなおす。
財布から200円だして、払い、その場で栓を抜いてもらう。
シュワ〜と、泡が口からあふれそうに鳴るのを慌てて、口をつけて飲む。ロランも同様に飲む。咥え方が少しえろい。
私は、飲みながら、どうも変な味だな、と思った。キが抜けている感じだ。炭酸独特の苦味というものがない。甘いだけだ。
「おい、これ・・賞味期限きれてるんじゃないのか?」私は疑わしげに店員に話しかける。
「ふ・・冗談はよせ。国民。」その店員は、せせら笑うようにそういった。あまりに傲岸不遜な態度に私はかちんときた。
店員に、一言文句いおうとしたその時、ロランが「これ・・賞味期限を5年も過ぎてますけど・・」とビンの底を見ながら言った。
「200円返すよ。国民。」
店員の態度が急に変わった。
「逃げたぞー!」
店員から二百円返してもらったその時、外から警官の声と思われる叫び声がした。
わたしとロランは慌てて、外にでる。一体なにが起きたんだ。
外には、警官が一人蹲っていた。私は、賞味期限切れたサイダーを飲ませながら彼を介抱した。
あの店員がゆっくりと現れて、「万引き犯を逃がすとはな。国民。」と忌々しそうにいっていた。
話しを聞いてみると、エロ本3冊を盗んだのを現行犯で捕らえたところ、住所も名前も言わないので警官を呼んだそうだ。
それで、取調べをしていたところ逃げられた、ということらしい。
私とロランは、彼が逃げた、と警官が指差した方角に少しいってみることにした。
商店街を通り抜け、道を真っ直ぐ行くと踏み切りがあるのだが、そこに何故か人だかりができていた。そして列車が止まっている。
私はその人だかりにゆっくりと近づいて耳を澄ませた。
「うわぁ・・こりゃミンチよりひでえや・・」などとざわざわ話している。どうやら逃げる途中に轢かれたらしい。
私は目を瞑ってその若者の冥福を祈った。現場をみるまでもなかった。
帰ろうときびすを返したところ、一人の子供が手紙を持って泣いていた。「嘘だといってよ。」と泣きながら言っていた。
ロランがその子の背中をさすってあげるのをみながら、私は、これって通報した店は悪くないよな、と一人で考えていた。
帰りに、パン屋の前を通ると、
「本日は閉店いたしました。」と書かれた張り紙が張られていた。
私とロランは顔を見合わせたが、ロランも顔をそっと伏せて、中に入ろうとは言い出さなかった。
そのかわりに、ロランは一言、「よしなに」とだけ、天に祈るようにいった。
私は、人間だけを殺すパン屋かよ、と訳のわからない独り言を呟いた。パンの袋がずしりと重かった。
(十三日目終了)
ネタ満載保守 フハハハハハ
バーニィ(ノД`)・゚・。
このスレもこっちなのかな?
479 :
通常の名無しさんの3倍:03/05/11 03:20 ID:9OCDeMw/
種ネタ含んでるから・・・こっちじゃないかと。
>>480 大半が初代ネタなどで、種はほんのすこしだが。
age
なんかロランが落ちそうだよな。アンチが多い?
ageだぁ
>>483 このままじゃロランの打ち切りのせんが濃いな。
アンチっていうか、∀本編見てない人が多いのかな?
∀好きな人は1の∀解釈見たいだろうが
∀見てない(含む嫌い)人からしたら、一番いらないだろうし。
ギャバンの0票もそんな背景だったり、、、
そういう意味では1stものは強そうだな。
感想専用スレが欲しいな。
新作板にふたつほど関連スレが立ってるから、そっちを利用するといいかもしれない。
ロランの人気がないのは少年誌なのにハジケっぷりが足りないからかと。
キャラ・本編の人気でなく、あくまで漫画での勝負。カイだって打ち切られたんだ。
あっちのスレ二つとも落ちちゃったみたいだね。
せっかく1さんが足を運んでくれたのに、、
やはりこまめに保守は必要か、、
dat落ちのタイミングが掴めない当面はこまめに保守した方がいいのかもしれない
昼保守
先を越されたが更に保守
保守
夜保守
そろそろageとこう
495 :
動画直リン:03/05/17 21:56 ID:2WxezCLB
保守
497 :
1:03/05/18 15:07 ID:???
今日でここに来てちょうど2週間になる。
なんというかあっという間だった気がする。時の流は、まさしく光陰矢のごとし、といったところだ。
最初はうんざりしたものだが、次第にこの生活に慣れつつある自分を感じる。
午前中、外に出てタバコを吸っている奇妙なことがあったので記しておこう。
天気はあいにく雲が分厚くかかっていて、太陽はその姿を出していなかった。
それでもこうして外に出てるだけで、次第に暖かくなっていく陽気を感じることができた。
季節が次第に移ろってきているのは、カラダで実感として理解できた。
食堂から持ってきたコーヒーを飲みながら、広場全体を何の気なしにと眺める。
テニスコートのように細長い白の広場には、私以外、誰もいなかった。ゴミ一つなく、アスファルトは整備されたままのようだった。
その脇にある花壇には白い美しい花が咲いて、そのアスファルトの殺風景な広場に、色取りを添えていた。
私は、一人、白く塗られている木のベンチに腰を下ろしていた。後ろには、まだ蕾のままの桜がうわってある。上を向くと枝がよく見えた。
みな部屋のなかにいるようだった。明後日にはまた雑誌を発行しなければいけないので、皆、頭を悩ませているのだろう。
管理人である自分は何もすることがない。多少、この過酷なスケジュールに罪悪感を感じたが、かといってどうすることもできない。
会長が決めたことを覆す権利など私に与えられているわけもないのだ。
第二号の売上もまずまずだった。
創刊号に比べるとほんの僅か落ちていたが、これも計算の内だ。
それに、ネットには違法流通しているだろう。しらべなくてもそのぐらいのことは容易に推察できた。
つまり実際には、売上の部数のざっと倍は読んでいるものがいる、と計算できる。固定した読者がついてくれればいいのだが。
順調な出だしといえる。
マニア向けにならないように、シリアスからコメディまで備えているのがよかったのかもしれない。
だが、色気がないのが難点だ、それにやはり女性作家がいないのもきつい。アンケートにもそれが如如実にあらわれている。
何かよい方法がないものか・・・とここまで考えて、私は自分が編集者らしくなっていることに気がつき、驚いた。咥えていたタバコを落とす。
いつのまにか自然にこんなことを考えている。
やばいな。私はそう思った。どうせ10号で廃刊が決まっている雑誌に思い入れなどないほうがいい。
足を上げて、まだ煙を出しているタバコを踏みしめる。念入りに、2度3度踏んだ。思い入れなどいらない。
それは無駄だからだ。
どんなに立派な雪だるまをつくっても暖かくなれば消えてしまう。それはでかればでかいほど無様に形状を崩していく。失望が増す。
そして残るのは、泥にまみれた水だけだ。その惨めな残骸を私は想像したくなかった。物体の消滅とはいつも醜いものだ。
消える雑誌。減っていく作家。
それに会長が何をたくしているのか、何を考えているのか私は依然としてわからなかった。
視線を右に移して、Bアパートを眺める。目にやきつくように赤い。
静かだ。まるで誰もいないかのように静まり返っている。そこには密かに胎動しているものが感ぜられて、私は目をそむける。
沈黙という重いカーテンがまるで覆い被さっているかのようで、私はそれが嫌だった。その鉄のカーテンの向こうには一体何があるというんだ。
Bアパートのことはフラウから聞いて、あれから少し調べていた。
どうも朝、それもまだ日も開けぬ早朝に、そこの住人はバスに乗り込んで何処かにいっているらしい。
そして深夜、その時間は不規則だが、バスが帰ってきてまた住人を降ろしているということだ。
だが、どこに、何をしにいっているのかは、フラウ・ボウにもまったくわからない、ということだった。
何かをしているのは間違いないな。皆目検討がつかないが。それが私に苛立ちを与えている。
・・・どうしてこんなに胸騒ぎがするのだろう。
私は、苛立ちを抑えるために胸ポケットからタバコを取り出して一本咥えると、ポケットに手を突っ込んでライターを探した。
だが、みつからなかった。私は、ライターをポケットに入れたと思ったのだが、そこにはなかった。手はむなしくポケットをまさぐるだけだった。
ベンチから立ちあがって、ズボンの後ろのポケットを探す。
だが、そこにもやはりなかった。どこで落としたのだろう。私はくわえていた煙草を一旦はずした。
確か、ベンチに座ってタバコに火をつけたはずだ。それもほんの数分前に。そして、そのままベンチに・・
そこでようやく私は思い出した。
しゃがみこんで、ベンチの下を覗きこんだ。案の定、カルチェのライターはそこにあった。
雑な作りのベンチで木の板を貼り合わせたような作りだから、その木の隙間から落ちていたのだ。
私は、ため息をつきながらそれを拾い上げる。ひんやりとした金属の硬質な感触が手に伝わってくる。
この感触は嫌いでない。むしろ安心感を与えてくれる。ほどよい一定の質量感が肌にくっつくようによくなじむ。
私が顔をあげてベンチに再び座ったとき、広場の景色が先ほどとちょっと違った。
広場のちょうど中央付近に、何か緑色のものがゆっくりと転がっている。私は目をこらす。
それはボールだった。緑色のボール。バスケットボールより少し大きいぐらいのものだろう。
私はそれの近くまで歩いた。ボールは私が近づいても相変わらずコロコロと転がり続けていた。
持ち上げようとして触って気がついたのだが、それはボールではなかった。
先ほどのライターと同じく手にひんやりと吸いつくような不思議な感触だが、ボールではない。
それは機械だった。目らしきものがついている。私はそれを両手で掴みあげて、じっと見た。これは一体なんだ、と疑問に思った。
だが、ふとそれをみていると何か自分はこれに見覚えがあるんじゃないか、といった錯覚に襲われた。
「アムロ、アムロ!ワカッタワカッタ!」
そのボールが、突然、そう叫んだ。その声は、呆れるほど実に機械的な声だった。
まさに子供の頃、ロボットが喋ったらこういう声だろうな、と想像していたままの声だ。
これはおもちゃのロボットだった。ボールの内部にAIを詰め込んだものだろう。その擬似音声は甲高く、僅かに耳障りに感じた。
私は、ふと、視線を感じて、後ろを振り向いた。
二階の窓からアムロ・レイがこちらを見下ろしていた。その視線は私でなく、手に持ったボールに注がれていた。
その時のアムロの表情はなにか隠し事がばれた子供のようにみえた。私は手もとのボールを掲げた。これはアムロのものなのだろう。
そして手の中の重みを私は考えた。その重みは、ただの質量だけでなく、何かもっと本質的な重さを感じた。
それはたとえるなら恋人の形見のペンダント、そういったものを持ったときにだけ感じる、独特の重みのようなものだ。
だけど、どうしてこれにそういった重みを感じるのかは、私にはわからなかった。
寮に戻って、階段を上り、部屋をノックした。アムロに直接それを返そうと思ったのだ。アムロは驚くほどすんなり出てきた。
彼は小さな声で礼を言うとそれを受け取った。彼の後ろめたげな瞳の奥に、その奥に在る感情を読み取れた。それは、戸惑いと、後悔?
私の頭の中に幾許かの疑問がよぎった。ドアが私の目の前で再び閉まった。だが、ドア越しにそのボールの音声は聞こえてきた。
ーアムロアムロ!ワカッタワカッタ!
擬似音声でそう叫ぶあのボールに、私は何かを感じずにはいられなかった。
他愛もない言葉でそれに意味などないのかもしれない。ただの機械の故障かもしれない。
だが、その言葉には私を立ち止まらせる何かがあった。それはまさしく直感だった。むろん根拠などなにもなかった。
部屋に戻らずに、玄関に設置してある椅子に座る。それは相変わらずギィと悲鳴を立てながら私を受け止めた。
そこに背中を預けて、ぼうっと座ってると、階段から降りてきたランバラルがこちらに気がついた。いぶかしげにこちらをみて尋ねる。
「そんなとこで何をしているんだ?」
「いえ、別に何も。ただ、ここでぼうっとしているだけです」
私は曖昧な言葉で口を濁す。
ランバラルは眉を潜めたが、それ以上、こちらを追求することはなく、だが、かといってすぐに私の前から去ることもなかった。
「・・なにか?」
「いや。なにかというわけでもないのだが・・」そういって居心地悪そうにその場にまだ立っている。
「どうかしたのですか?」
もう1度私は彼に尋ねた。何か私に聞きたいことでもあるのだろう。
「いや。その、今日結果がでるのだろう?それが少し気になってな。決して教えて欲しいわけではないのだが・・わしはどうなってる?」
私は、その言葉にほんの少しだが、彼の弱さを見たような気がした。彼がアンケートの結果を気にするようなタイプだとは思わなかった。
剛毅な外見とは裏腹に実は、臆病な男かもしれない。しかし、だとしても私に彼を軽蔑する資格はない。
それは何故かと言うと、彼をこういった臆病な男たらしめたのは、会長のこの企画の所為であるからだ。
絶え間ないプレッシャーを感じ始めたゆえに少し気弱になったのかもしれない。普段なら、彼はこういったことは決して口にしないだろう。
人は環境によってその性格を様々に変化させていくものだ。それは人を脆くも、また強くもする。
会長はひょっとしたらこういうことを考えていたのかもしれない。そう私はちらり、と思った。
そういえば彼の作者コメントもえらく気弱なものだったのを私は思い出した。
「いまから、調べるところですよ。それに今はまだ二時前後でしょう。
アンケート募集は夜までやってますから、途中経過という形でしか教えることはできませんが・・まぁ、あなたは恐らく大丈夫でしょう。」
私は、脳裏に昨晩確認したときのアンケートのグラフを思い出して答えた。
そのグラフは、棒線の単調なものであるが、彼らにとってはそれが自分が打ち切られないための大事な証なのだ。
ランバラルはその言葉に幾分、自信を取り戻したとみえて、カイとは違うのだよ、といいながら靴をはいて何処かにでていった。
その変貌振りはみていて、呆れるくらいで、切り替えが早いな、と私は思った。
けれどそれがここではとても大事なことなのかもしれない。私は自分も思考を切り替えることにした。
どうも些細な出来事に気を取られすぎている。いつまでも思案したところで何がわかるということもない。
私は、部屋に戻って,仕事を進めることにした。
とりたたて今しなければということはないが、気をまぎわらすには仕事が一番だ。
昼過ぎに、腹がすいたので、ミートスパゲティでもつくろうと思って、部屋を出た。
廊下には、イザークがいて、受話器を取り上げて、何かパンフレットのようなものを見ながらダイヤルを回していたところだった。
どうも出前を注文するようだった。いつもうどんを食っていた彼だが、流石にあきたのだろう。
「あぁ、俺だ。グゥレイトな焼飯をひとつ大至急持って来い。あ?金はツケでな。いなりはゼッタイにもってくるなよ」
と、かなり偉そうに注文していた。本当に、口の聞き方がなってない。
どうも馴染みの中華料理店に電話しているようだった。だが、それにしても乱暴な口の聞き方だ。
そんなイザークの横を通りぬけて、私は食堂に入った。
入ってすぐの正面のテーブルに、ロランが一人ぽつんと座っていた。そして奥の調理室からは、オトコの妙な歌い声が聞こえた。
中には彼ら二人の気配しかしなかった。フラウ・ボウはどこかにいっているのだろう。アムロのところに料理を運んでいるのかもしれない。
「こんなところでどうしたんだ?」私は隣の椅子に座りながら、ロランにそう尋ねた。テーブルの上にはレンゲだけ置かれている。
レンゲということは、何かスープでもすくって飲むのだろうか?ラーメンでも食べるのだろうか・・私は、ちらりと思った。
ロランが本当に嬉しそうに「スレンダーさんが、美味しいお粥をご馳走してくれるらしんです。」と私の質問に答えた。
「へぇ、彼も料理が得意だとはしらなかった。」
それはめずらしいこともあるもんだな、と私は思った。スレンダーはアムロほどではないが、ひきこもり気味だ。
被害妄想のせいもあるだろうが、残らなければいけない、という強迫観念があるかららしいが少し誇大妄想の気もある。
その彼が料理を作り、しかもご馳走するなど、ちょっと考えられないことだった。自分の連載の評判がいいからだろうか。
「なんか、昔、美味しい作り方を同僚に聞いたみたいですよ?」
ロランがそう答えた。
「アンタも食いますか?」
ちょうどそのとき、スレンダーが、お粥の入った鍋と、器を厨房から持ってきながら、そう言った。
私は一瞬迷ったが断るのも体裁が悪いと思って、頷いた。スパゲティにはいささか食傷気味だったので、たまには粥もいいだろう。
それで、「嬉しいな。腹が減っていたところなんだ。」と、お世辞を言った。
スレンダーがそれをきいて嬉しそうに、頬をあげてにやつくと、有田焼風の陶器の茶碗にお粥を入れた。
「これは中国式の粥なんだ。日本のお粥とはまるで味が違うぜ。
日本のは主に病気をしたりしたときしかお粥とかは食べねぇけど、向こうは、これを祝い事などのときに食べるんだ。
すっぽんや茸、それにほしあわびなどをたっぷり入れて濃厚なダシをとってるんだぜ・・
これ自体に芳醇な旨味のエキスがたっぷりつまっててまさに至福の味だ。あとは生米からじっくり煮るのがこれを作るコツだな。
そうすることで米自体がその旨味を充分に含むんだ。だから噛むと、そのなんともいえない旨味がじゅわ、とあふれ出る。」
そんなことを自慢気にいって、粥のたっぷり入った茶碗を渡した。
私は、そのスレンダーの講釈を聞きながら、真っ白な蒸気を立てているそれをレンゲですくった。そしてじっと見つめる。
ほどよく煮えたと思われる米は、粒がピンとたっていて微かに色がついていた。香りが実にいい。
見るからに滑らかに喉を通りそうで、美味そうだ。ほかほかと湯気をたてているそれをみて、私は無性に食欲をそそられた。
「ささ、二人とも食べてみてくれよ。」
スレンダーが、促したので私はそれを早速口に含んだ。
口内に感じるなめらかな米の質感が、私を官能と恍惚の支配する味覚の世界へと鮮やかにつれていく・・はずだった。だが。
硬い!
私は眉をしかめた。硬い。米の芯が完全になくなってない。まだピンと筋が残っている。
米を充分に煮てなかったのだろう。それは口の中で、ゴリゴリとした触感で、とても美味しいとはいいがたかった。
咳をするふりをして、さりげなく舌をだして、くっついている米粒を一つとった。まだ熱いそれを含んだそれを人差し指と親指ですり合わせてみる。
やはり硬い。指の腹で押しても潰れない。芯が残っているのは間違いなかった。どうやらスレンダーの自慢料理は失敗したのだ。
生米から煮るのはやはり難しいのだろう・・それにしてもこれは噛んでいると歯が悪くなりそうだ。
「どうだい?美味いだろう?」
テーブルの正面に座って、身を乗り出しながらそう聞いてくるスレンダーに、私は返答に困った。まさか、マズイ、とはいいにくい。
それでなくとも被害妄想の気のある彼なだけに、私は返答に窮した。自殺でもされたら困る。
「お、美味しいですよ。とっても!」私が困ってるのをみて、ロランが慌ててそう返答した。彼はレンゲをまだ口に含んでいる。
「そうか!そりゃ、うれしいぜ。まだお代わりはあるからドンドン食べてくれていいぜ!」スレンダーが上機嫌で言った。
私は横のロラン君の顔をちらりと眺めた。
形のよい眉を僅かにひそめている。それはそうだろう、いくらなんでもこれが美味しいというような奴はいない。
困ったな。私は、食べる振りをしながら、実に後悔していた。こんなことなら当初の予定どうりスパゲティでも食べてればよかった。
一旦、ロランと作戦会議をする必要があった。私はコップの中の水をいっきに飲み干してしまうと、空のコップをひらひらさせて
「すまないが、スレンダー。麦茶をとってきてくれないか?厨房の冷蔵庫にはいっているはずだ。」
スレンダーにそう頼んだ。
「ああ、お粥はびっくりするほど熱いもんな。わかった、とってくる。ちょっとまっててくれよ。」
スレンダーが立ちあがって、調理場に引っ込んでいった。
私は茶碗をテーブルにおいて、ロランに話しかけた。
「やれやれ、これは食えたもんじゃないな・・。」
「そうですね・・けど、マズイなんていえませんよ。折角つくってくださったんですから・・」
話ながら、ロランは既に茶碗の半分ほど粥を食べていた。きっと飲みこむようにして食べているんだろう。
「そうだな・・これが店で出た料理なら残してでていくこともできるが、そうもいかないのがツライな。
一つ屋根の下にいる限り、なるべくなら人間関係にヒビは、いれたくない。修復するのは至難の技だからな。
だとすると仕方がない。ここはスレンダーの顔を立てて、一杯だけは完食するとしようか。」
「そうですね・・一杯くらいならなんとか飲み込むようにすれば食べれますよ。噛んだらダメですね。」
「そうだな・・麦茶で流し込むとしようか。」
そんなことを話していたらスレンダーが麦茶の入ったビンを片手に戻ってきた。
「お待たせ。」スレンダーはにんまりと笑った。
私とロランは、嬉しそうに、内面はうんざりと、スレンダーに微笑んだ。
十分後。
ようやく食べ終えた私とロランの二人は、スレンダーにお世辞をいっていた。胃がとても重い。
スレンダー自身は、粥を食べず、私達がたべているのをずっと幸せそうに眺めていただけだった。
「本当に美味かったよ。横浜の中華街で食べたのと同じような味でびっくりした。」
「ええ。僕もこんな美味しい粥は食べたことなかったです。」
「そうかい?そういってくれると作った甲斐があったってもんだ。どうだい?もう一杯?」
スレンダーが器になみなみと注いだ粥をこちらに差し出した。見た目は美味しそうなのだが。
「いや、もう結構!」
「僕もお腹一杯です。」
私とロランは慌てて、頭を振りながら、差し出された茶碗を前に、そういった。
「そうかい?遠慮しなくていいんだぜ?残念だな。」
「さて!それじゃ、私達はこの辺で失敬する。ご馳走様。」
私はロランを促して、そそくさと席を立つ。これ以上、この場にいて味の感想をきかれたらつい本音がでてしまいそうだ。
はやいとこ食堂を離れた方がいい。折角、和やかに終われるんだ。私は自分で自分を誉めてあげたかった。よく耐えたものだ。
麦茶でたぷついた胃をさすりながら私は、出口のドアに近寄った。
「腹がすいたのォ」
そういってランバラルが食堂のガラス戸を引いたのはそんなときだった。
「んん・・なにやら、いい匂いがする・・坊主たち、ひょっとしてなにか食っていたのか?」
入ってくるなり、その特徴の在る鷲鼻をひくつかせて、ランバラルはロランと私にそう質問した。
「あ、今、自分が粥を作ったんですよ。」
まだテーブルに座っていたスレンダーがその問いに、間髪入れずに答える。その声は何処か得意げだ。
「ほぅ、粥か・・それはいい。久しぶりにあっさりとしたものを食いたいと思っていたところだ。
最近、いささか胃の調子が悪くてな・・・やはり年にはかてんのかもしれん。」と、ランバラルはがらにもないことをいった。
「あ、食べますか?まだ、残ってますよ。」
なんか、嫌な予感がする。私は、彼等のやりとりをききながら、漠然とそう思った。
「まだ残っておるのか?そうか、これはついているな。なら、折角だから頂こう。」
そういってランバラルは、先ほどまで私が座っていた椅子にどっかりと腰を下ろした。
「ええ、遠慮なく食べてください。どうせあまっても仕方ないですし。それじゃ器とレンゲ持ってきます。」
スレンダーがいそいそと再び厨房に引っ込むのをみて、私とロランはランバラルに話しかけた。
「ん・・二人ともそんな真剣な顔をしてどうしたんだ?」ランバラルが、怪訝そうにこちらをみる。
私は、彼の隣に腰掛けた。そして、手を伸ばしてテーブルの上で組んだ。
どういう風に彼にいったらいいか、私は少しだけ逡巡した。だが、ぐずぐずしてる暇はなかった。スレンダーがすぐに戻ってきてしまう。
ランバラルが彼を傷つけたら、折角の私とロランの努力が水泡に帰してしまう。それだけはさけないといけなかった。
「いや、その・・一つだけいっておきたくてね。彼の作る粥は、ちょっと癖がありましてね・・
口に含んだとき、最初はちょっと違和感を感じるかもしれない。口にあわないかもしれない。けど、彼にそれをいわないでほしいんだ。
美味しそうに食べてくれると助かるんだ・・まるで食いしん坊万歳のアナウンサーのように。・・私がいいたいことわかりますね?」
私はきわめて婉曲に話を伝えた。ランバラルならこういう言い方でさっしてくれると思ったからだ。
百戦錬磨の彼なら、私のこの微妙な言い方から全てを汲んでくれると思った。言外にある意味を推測してくれるだろう。
案の定、ランバラルはハッハッハと手を振りながら豪快に笑って
「わかっておる。わかっておる。そんなのは無論、心得ておるよ。決してそんな失礼なことはせん。
第一このラルがそんなことをするような漢に見えるか?」そういってこちらをギロリと見た。
「いや、それは思いませんが、まぁ,念のためという奴です。なぁ、ロラン君?」と、私はロランに会話を振った。
「そ、そうですよ。もちろん僕もランバラルさんがそんなことをするとは思ってません。気を悪くしたなら謝ります。」
「いやいや、謝らなくてもいい。むしろ、その和を大切にする心、それにこのラル、久しぶりに心がうたれたわ!」
そういってもう一度、豪快に笑った。私とロランも、釣られて笑う。ランバラルは親指をグっと立てる。
食堂を暖かな空気が包んだ。こういった寮での生活もわるくないものだな、と私は思った。
実にいいものだ。胸がすうぅとするようだった。わだかまりなく笑えることがこんなにいいことだとは私は忘れていた。
こんな風に過ごせるのなら、ここでの生活も悪くないな、頭の隅でちらりと思った。
そのうちにスレンダーが茶碗をもって戻ってきた。そして、お粥をすくって、それにたっぷりと入れると、笑顔でランバラルに差し出した。
茶碗をうけとったランバラルがそれをゆっくりと口に含む。そして、ゆっくりと咀嚼しているかのごとく、その太い顎を上下させた。
そのたびに彼の蓄えた髭が僅かに動いた。スレンダーがそれを満足そうに見守る。
私と、ロランも、そのを固唾をのんで見守った。ごくり、と隣で生唾をロランが飲みこんだのが聞こえた。私はランバラルが言葉を発するのを待った。
ランバラルが言った。
,.. -───‐- 、
/ , ', -─‐- 、.._ _,.-.\
|二l二 / i l ‐#- 、゙ヽ. ̄ ,r`ゝ-
-─- 、 |二|二 バ ( | L_ u v \`ー-‐''/ ヽ
_,ノ ハヽヽ亅 ヽ | r‐、} ヽ ̄`ヽヽ,, ,//´7;| なんだっ・・!
┌┴─ > | |ト、|l u ` ー゚イ u vl.゚ー' | この粥はっ・・・・・・・・!
o | 土土l カ / | ヽ_|! u'_,ノ { u' }じ v |
ノ 上 匕 ( /| /! r'',ニニ=`==='=ニヽ! 芯が残ってるっ・・・!
o l \__/ |. / :| | |ー'ー'ー'ー'ー'ー'ー'ー' l‖ 芯が残ってちっとも美味くねえじゃねえかッ・・・・!
ニ|二 ,ゝ |/ :| l lーiーiーiーiーiーiーi‐rl ||
o ヽ_ノ / | iヽ. ヽヽニニニニニニニンノ
/ ! | ヽ ` ー-- ニ二二~-‐'\ 食えるかっ・・・・!
o | ヽ | | ゙i ::::::::::::/ :|\. \ こんなもん・・!
| \| ! ! // | \
r:、 / > /\ !ヽ..__,//\ |
|/ /-、 /! / oヽ |::::::::::::::/ __ \. |
o / し' ( " |:::::::::::/ `
ランバラル
r'⌒ヽ_ r'⌒ヽ_
/´ ̄l、_,/}:\/´ ̄l、_,/}:\
/__ィ::. ゝ~_ィ´:; ,ゝィ:. ゝ~_ィ´:; ,ゝ
(T´ |1:::. \_>、};;_」´:::. \_>、};;_」´
. ! ` ̄''ァ一 、\ ヽ} ''ァ一 、\ ヽ}
〈` ̄ ̄^`¬ノ .::〔 ̄´` ̄ ̄^`¬ノ .::〔
1 ヽ .:::レ ヽ ヽ .:::レ ヽ、
|_イー-、_;;j|_:. ゝ イー-、_;;j|_:. ゝ
__,,,... -- |. {―――‐フゝ、 〉 ――‐フゝ、 〉 ...,,,__
_,, -‐ ´ ,r|__ト, 1ニノ ー'´,__ト, 1ニノ ` ‐- ,,_
, ‐ ´ └―'´ └―'´ └―'´ ` ‐ 、
↑ ロランと私
(十四日目終了)
力の限りワラタ
すまんがあまりにも嬉しいので言わせてくれ
キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(` )━(Д` )━(;´Д`)ハァハァ !!
もしかして人いない?それともスレを汚したくないから控えてる?
羽目を外さない程度に感想を書いたほうが1さんの励みになるかと思う保守。
>>510 そ、そうだよね。
書くヒト少なかったから遠慮しちゃったYO
>>1 ハゲシクワロタ
AAもイイ!!
久しぶりに来て、第三回一気に読んだけどやっぱおもろかった
来週分?からはアンケも書こうと思います。
(´-`).。oO(今週のは3月14日過ぎたみたいだしなあ)
>>510 ごめん、書くの面倒臭かったから・・w
もちろん面白かったですよ。最後のAAでワロタ。
最近の1さんは2chのネタ(特にAA系)で笑わせてくれるのが上手いですね。前もたまにあったけど。
自分の出したキャラには愛着を感じる。てなわけで浮上age
ロランがいなくなったら、グエンは相当落ち込むな
それはそれで面白いけどね。
俺的に最後まで残って欲しいのは レビル・ロランタン
いつ消えても無問題なのが イザーク
皆はどうだ?
>>517 漫画はつまらないが残って欲しい:ロランたん
別にいなくていいが漫画が面白い:イザーク
何が何でも最後まで残って欲しい:スレンダーw
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残って欲しい:イザーク、スレンダー
いらん:カクリコン
動向が気になる:マ・クベ
521 :
山崎渉:03/05/22 02:39 ID:???
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
少数派かもしれないが、スレンダーネタはもう秋田
傑作age
保守しておきます。
落とすわけにはいかない。
絶対に
中途半端な時間保守
保守
ゆく川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず。
いきなり有名な古文の引用をしてみる。私はこの一節がとても好きなのだ。
日々は流れ、過ぎていくのもので、今回もこの寮から去るものがでる。
まさに無常の世界が寮の中で構築されている。規律のゆるいこの寮の中でそれだけが唯一無二の掟だろう。
脱落者。
それが誰かを書く前に、今日の1日をざっと記録しておく。
順序良く書かなければ、どうも気になる性質だ。生来、几帳面なのだろう。
それに順序を飛ばして記すと後で読み返すときに不便だし、見づらくていらいらする。
だから、なるべくなら朝から順序だてて書いておく。
・・しかし私がこの日記を読み返すことはあるんだろうか。
ないような気がするが,日記をつける行為自体は決して無意味でないと信じて今日も記しておこう。
さて、いつものようにロラン君と外の水飲み場で顔を洗い、歯を磨いた。
どこからかチチチ、とスズメの鳴き声が聞こえてきて、それが水道からでる水の音と、歯を磨く音の二つと交じり合って、朝をより意識させる。
鳴く方向をみると、2匹のスズメ・・つがいなのだろうが、それがまだ蕾の桜木の枝で仲良く鳴いていた。
控えめに、だけど、もうそこまできている春を謳歌するかのごとく。冬が去ったこの季節を。
私は丁寧に歯を磨くと、うっすらと伸びてきた髭を剃刀で剃った。外だから鏡がないので、えらく難儀した。
それでも最近の髭剃りは、あまり肌を傷つけることはないので、安心して剃ることができる。出血することはほとんどない。
「髭、っていいですよね・・」とロラン君が顔をタオルで拭きながら、私の方をみてそうしみじみといっていた。
彼は髭が好きなのだろうか・・髭フェチか?またマニアックだな。そんなくだらないことを考えながら、私はゆっくりと髭をそった。
もともと髭は濃くないし、顎のところしか生えないので、すぐに剃り終わった。
どこかがっかりしているロラン君を促して、私は朝食を取るべく寮に戻った。
最後にもう一度スズメの方を振り向くと、2匹の内、片方は既にいなかった。餌でも取りにいったのかもしれないな、と私は思った。
朝食は、何故かコーンフレークだった。
チョコフレークを皿に移し、それにたっぷりと牛乳を注いで、スプーンですくって食べる。アメリカンテイスト。
私は、それを一口だけ口に含んだ。そして、その味に失望した。
どうも馴染めない。まるで美味くない。それに、だいたい私はこのコーンフレークが好きではないのだ。
こういったのは味覚オンチのあの国が食べるようなもので、私のように繊細な舌の持ち主には大雑把な味過ぎて好きになれなかった。
牛乳をかけるとサクサクした触感がなくなり、ぬるっとまるでふやけたヌードルのような感覚はどうも馴染めない。
食べ物というのはある程度の歯ごたえがないと美味くない、と思うのだ。こういうのは入れ歯の年寄りが食うものだろう。
私は、ステンレス製のスプーンを皿に置いた。カチンと金属と金属がぶつかった小気味いい音が食堂に響いた。
そして、テーブルの目の前に置かれている牛乳を何気なくみた。
私はその「白いやつ」という商品名の牛乳が余り好きではなかった。値段が他のより五倍ほど高い割には味はそんなに美味くない。
牛乳好きには堪らないものだというが、どこがそんなにイイのか私にはさっぱりわからなかった。
それにそれには「アムロ・レイ」とでっかくマジックでかかれているのも気になった。
これってアムロ君の個人のやつじゃないのか?寮の冷蔵庫にはいってたものじゃないのか?
勝手に飲んでイイのかと私は疑問に思った。
もう一口だけ、コーンフレークを食べる。やはりマズイ。
大体、米が満腹感の持続力からいっても、栄養的にみても一番ベストなのだ。
パンはどうしてもスカスカしてうまくない。これは某マンガの主人公の台詞だが確かにまとを得ている。
私はパンが嫌いではなく、寧ろ好きなほうだが、やはり朝は米がいいと思った。あの白い湯気をみているだけで気分がいい。
どこかあのふわふわとたちこめる蒸気は人を幸せな気にしてくれる。これは本能的なものだろう。
さて、どうして今日に限ってコーンフレークなのか、というと今日はフラウが来ていなかったのだ。あのマジメなフラウが。
彼女は、住み込みでなく、通いだ。まだ朝焼けで東の空が赤く染まった頃に坂を昇ってやってきているのだ。
私は大抵七時か七時半には起きているのだが、彼女は六時半にはもう来ていて食堂で準備を始めているのが常だった。
だが、今朝はどういうわけかきていない。
それで、私とロランが食堂に入ったときには、ランバラルとレビルがぶつぶついっていた。
まったく年寄りは朝が早い。朝食を食べるためにいきているんじゃないだろうか?
とにかく、フラウの不在によって、朝食に多少は困ったが、それでもゼイタクをいわなければどうということはなかった。
こういった時のために食堂には簡単に食べれるものがストックしてあるのだ。
インスタントカレーや、インスタントラーメン、スパゲティや、冷凍チャーハン、冷凍おにぎり、その他冷凍食品などなど。
食べようと思えばこれらは寮内の共有物だから食べるのは構わない。こういう時のために買いだめしているのだから。
だが、朝からそういったものを食べるのは嫌だし、第一、作るのも面倒くさい。
解凍するのも面倒くさいとはかなりの不精だが、朝からレンジのチンと、いう音を聞きたくない。
あの極めて不快で無機質な音は、朝の独特の気だるい余韻が漂っている空気を台無しにする。それを私はとくに嫌った。
だから、仕方なく、こうして私達はコーンフレークを食べていたわけなのだが、前述した通り、あまり美味しいとは思えず、私は残した。
第一このコーンフレークの商品名が「ケロッグさん@お腹いっぱい」からして美味しそうでないと思っていたのだ。
やはりコーンフレークは「通常の栄養価の3倍」に限る。もっともそれすら最近は食べてない。私は、皿を向こうに押しのけた。
お腹がくぅ、と鳴った。腹はすいているのだ。
かといって今更別のものを食べる気にもなれなかった。
「あれ、もう食べないんですか?」テーブルを挟んで差し向かっているロランがスプーンを持ったまま聞いてきた。
「あぁ、どうもこれは私の口にはあわないよ。」
私は、そういってから椅子を引いて立ちあがり、談話室の前にある新聞を取った。
ランバラルとレビルは、早々に食事を終えて、四人掛けのクリーム色のソファにもたれかかりながら朝のテレビを興味深そうに眺めていた。
彼らはそういう洋モノを食べるのは絶対に嫌だ、と断固拒否したのだ。米と味噌汁の和食しか食べたくない、というのだ。
私が「そう言われてもこれしかないですよ。食べなくていいんですか?」、と説得したのだが、彼らは「ラマダーン」などと強がりをいっていた。
私は、そんな彼らを敢えてほうっておいた。腹が減れば、何か食うだろうし、一食ぐらい食べなくても別に死ぬわけじゃない。
テレビでは、ウィッキ-さんがオスマン・サンコンに良く似た黒人に「ぬるぽ」と声をかけて殴られていた。
朝からこんなサディスティックな番組をするとは、最近のテレビは大分変わったな、と私は妙なところで感心する。
だが、どう考えても教育上よくないだろう。これが裁判沙汰にならなければいいがな、と私はその光景をみながら思った。
カメラマンが止めにはいったところで、私はテレビを見るのを止めた。
また元の椅子に戻ると、まだパリッとする新聞を広げた。僅かにインクの匂いがするような気がして、私は新鮮な気になった。
ネットで記事がよめるようになっても朝に新聞を広げる時の感覚は決して味わえない。新聞には新聞のよさがある。
これが現在でも新聞が読まれているもっとも最大の理由だろう。紙による情報とは、思った以上に安心感を与えてくれるものだ。
それに新聞とはもはや1日の始まりを告げるようなもので、いわゆる目覚し時計とは別の朝を告げるアイテムと考えてよいだろう。
もはや身体のサイクルの一部分となっていて、読まないとどうも落ちつかないのだ。
そこには現在流行っている新型肺炎の猛威や、海外で活躍している選手の情報などがこと細かに載っていた。
別のページでは、どこぞの銀行に政府が介入したとか、株価が急落しているなどと嘆き哀しむようにかかれていた。
だが、それらはまるで遠くの世界の話しに見えた。まるで別の次元で今の私には関係のないことだ。四コマも今日のはつまらなかった。
それをざっと目を通して流し読みをして、折りたたむと、牛乳をコップに半分ほど移して飲んだ。
コーンフレークがあってもなくても、たいして味は変わらず、なんともやる気のない味だった。どうも馴染めない味だ。
『乳牛の差が牛乳の味の決定的な違いでないことを教えてやる』
そう書かれた自信満々なキャッチコピーを過大広告じゃないのか、と頭の隅でちらりと思う。
乳牛で味が決まらなければ、何で勝負が決まるというのだろう。絞り方だろうか。優しくソフトに絞ればイイのだろうか。
牛が感じるように巧く絞れば、それが牛の体内で微妙な変化を促し、牛乳が通常よりも美味しくなるのかもしれない。
私はそういった下らないことを考えて、いやになった。やはり牛乳よりコーヒーがいい。
相変わらず目の前では、ロラン君が白濁したものを口にいれていた。私は其れを眺めた。彼はなんでも美味そうに食べる。
私は、それがふしぎだった。彼が食べてるのは自分と同じコーンフレークだとは思えないほど、美味しそうだった。
もしかして別のじゃないのか、と一瞬思ってしまうほどに。
いや、彼がたべるから美味しそうに見えるのか。私にはどちらかは判断がつきかねた。
ロラン君が怪訝そうに顔を上げたので,私は曖昧に目を逸らして、手もとの新聞にもう一度目を落とした。
其の内に、廊下から人の足音が聞こえたかと思うと、すぐにブライトが食堂にはいってきた。後ろにアムロもいる。
アムロが降りてきたのを見たとき、私はふと疑問に思った。
彼はいつもフラウに食事を運んでもらっていたはずだ。ほぼ例外なく。雨の日も、風の日も。朝食も昼食も。
今日に限って何故降りてくる?
あまりに空腹で待ちきれなかっただろうか?いや、それはないと私は即座に判断した。腹がすいても部屋でじっとまっている、そういう少年だ。
何故今日に限ってはフラウ・ボウの持ってくるのを部屋で待っていなかったのだろうか。
其の理由は一つしか考えられない。
つまり、彼は今日はフラウが食事をもってこない、ということを事前に知っていたのだ。だから、階段を降りて食堂にやってきたのだ。
だが、それが何故かまでは無論わからない。フラウが事前に彼にいっていただけの事かもしれない。だが、私はそれが妙に気になった。
何故なら事前に休むということなら彼女はどうして管理人の私には何もいわないんだ?
そう頭で瞬時に判断したが、あくまで仮定に過ぎないので私はそれを顔には出さずに、彼らに挨拶をして、新聞の続きを読んだ。
ブライトが「何、食ってんの!?」とえらく気さくにロランに尋ねていた。
「コーンフレークですよ。今日はフラウさんが来ていらっしゃらないので。
僕が作ってもよかったのですが、管理人サンがそんなことしなくていい、とおっしゃたんです。けど、コーンフレークも美味しいですよ。」
ロランが律儀にそう応えていた。
「飲んだね!親父にも飲まれたことないのに!」と、アムロがテーブルの上に置きっぱなしになっていた牛乳を見て叫んだ。
誰も冷蔵庫に直してなかったのだ。すっかり忘れていた。この牛乳はアムロ君のものだったのだ。
「こんなにアムロ・レイってかいてるのに!」とアムロは憤慨した。まぁ、当然の反応だろう。誰だって自分のものを勝手に飲まれれば怒る。
が、そんなアムロを尻目にブライトがその牛乳を手にとって、口をつけて残っていたものを全部飲み干した。
「アムロ、すまんがお前のミルクをくれ。」
と、ブライトは飲み終わった後にアムロにそう告げた。口の端からこぼれたそれをハンカチで拭きながら、ブライトは満足そうだった。
そして牛乳を床に放り投げた。
「飲んだね!2度も飲んだ!」アムロがその空になった牛乳を拾い上げながら、ブライトを睨み付ける。
「飲んで何が悪い!これぐらいで目くじらを立てるなどお前は虫けらだ!」と、彼はめちゃくちゃな理論をいっていた。
それに、と彼は続ける。「貴様だって昨日、私のしまっていたコーヒー牛乳を飲んだろう!」
「あれはミロだよ!」
アムロとブライトの小競り合いは、いつ終わるともしれなかった。だが、あまりに低俗すぎるので、誰も干渉しなかった。
ロランは、再び残りのコーンフレークを食べ、私は新聞を読み、レビルはテレビを眺めていた。もう朝の気だるさはなくなっていた。
気だるさの変わりに騒々しさ、朝特有のあわただしい空気にいつのまにか変わっていた。無論、かえたのはこの二人だ。
そうこうしている内に二人とも朝から言い争うのが馬鹿らしくなったのか、静かになった。
しかし、もしもこの言葉がなかったら後,三十分は続いていただろう。いつのまにかやってきた彼は、その争いをみてこういった。
「ミルクなら俺のをあまさず飲まないか?」
そこでその会話はすぐさま打ち切られて、五分後にはアムロとブライトは仲良くカップラーメンを啜っていた。
ズルズルとまるで小池さんのようにラーメンの麺をすするブライトに私は、以前もっていた真面目という印象がなくなった。
アムロは、食堂の隅でぶつぶつ文句をいいながら、同じようにラーメンを食べていた。
拗ねているらしくて、牛乳の件で責任を感じているらしいロランが麦茶を持っていても、ありがとうの一言もなかった。
そんなアムロを尻目にソファに座っていたブライトがカップラーメンを片手にテレビを見て、「おい、みんな。フラメンコの群れだ。」といっていた。
目をやると、確かにテレビにはそれらしい鳥が数十羽まとめて優雅に空を飛んでいるシーンが映し出されていた。
ブライトは「撮影を許可するぞ」などといっていたが、無論誰もこんな映像を録画する気はなかったので動かなかった。
ブライトは自分で録画ボタンを押して悦に入っていた。鳥フェチなのだろうか。それにしてもあれはフラメンコじゃなくてフラミンゴだろう。
私は何食わぬ顔をしながら心の中で突っ込んでいた。無論、口には出さなかったが。
そんなやけに精神的に疲れる朝食を取り終わると、さっさと部屋に戻った私は、パソコンを起動させた。
メールをチェックするためだ。そこには、会長からメールが入っていた。
それに書かれていた名前を確認してから私は、赤紙を取り出した。メールに書かれている名前が今回の打ち切り作家なのだ。
そこに、一筆さらさらと言葉を書く。これは電報と同じと考えてもらえればいいかもしれない。
昔の話で今はどうだかしらないが、大学受験などに合格すると電報で知らされたものだ。
東京大学は「イチョウナミキガ君ヲ待ツ」
奈良大学かどこかは「大仏ホホエム」
鹿児島は「桜島噴火」などなど。もっとも一般的には「サクラサク」がよく知られているだろう。
そういった風情のある文句を書くとどこかもらった方もいいものだ。たとえ、それが不合格などでも。
ただ、落ちた、と書かれてるよりも、「サクラチル」の方が多少はいい。まぁ、送る方のエゴかもしれないが。
だから、赤紙にはそういったフレーズを書くことになっていた。
カイの時には「ミハルガ君ヲ待ツ」だったし、ギャバンには「ザク>>>(決して超えられない壁)>>ボルジャーノン」だった。
そして、今回の脱落者にはこう書くことにした。
「キシリアニ壷届カズ」
私はそれを筆ペンで丁寧に楷書体で書くと、その手紙を持って部屋を出た。
それを届けた後は、カイ達との前回とあまり変わらなかった、とだけ日記では書いておこう。
その後、私は雑誌の公式ホームページの更新をした。
アンケート結果の発表と打ち切りを載せるためだ。
以下、そのサイトからの転載。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【 週刊少年ガンダム第二号アンケート結果 】
総合順位 一位 二位 三位 人気 アンチ票 総得点
(5点) (3点) (1点) (−3点)
1 『ニコルとディアッカと隊長と俺の関係 』 3 4 2 2 0 29
2 『くそみそロランの奇妙な関係』 1 4 2 3 0 19
3 『世界で一つだけの任務』 1 1 1 1 0 9
4 『時を駈ける少女』 1 0 3 0 1 6
5 『 魁!連邦塾! 』 1 0 1 3 0 6
6 『パプテマス・シロッコによろしく 』 2 0 0 1 2 4
7 『 ∀の鼓動 』 1 3 1 2 4 3
8 『 沈黙の艦隊 』 1 0 0 0 1 3
9 『クッキンググフ』 1 0 1 0 2 0
うち切り「マクベの碁」 0 0 0 0 1 -3
編集者から今週を振り返って一言。
アオリ文に対する評価が少しだけあがったことをまずは喜びたい。
これは編集者としては最大の喜びである。次回も頑張るので読者の方にはお待ち願いたいと思う。
さて今回の結果だが、前回五位だったイザークが首位を奪還したことに特に注目したい。
今回はダントツの人気だった。アンチ票もなく、まさに一人天下だったといえるだろう。
最後に出てきた隊長がどうも読者の心を掴んだようだった。
そして2位には、前回一位のグエンが、3位には2位だったスレンダーが着けた。
グエンはテレビのインタビューも受けるなど、一部に熱狂的なファンがついている。スレンダーのファンもそうだが。
まぁ、この辺りは安定している。グエンとイザークとスレンダーの3強の争いが今後も続きそうだ。
その他、下位部門のほうも、妥当と思われる順位にそれぞれ落ちついただろう。
だが、常に一発勝負のこの雑誌では前回の順位などなんの考慮もされないということも改めて明記しておく。
アンチ票は比較的分散していたが、ロランに一番来たのは意外だった。
これは彼が嫌いというより、あまり少年誌的なアクション的な要素がないのが原因だろう。堅い文章がいけない。
この辺の改善をしなければ彼のうち切りもありうるだろう。次回に期待したい。
クッキングフもかなりヤバイ人気だった。ランバラルはまた作風を変えなければならないかもしれない。
だが、今回のうち切りがマクベだ。彼に対する人気が0だったのは、実に残念だ。
これから、伸びそうなキャラだっただけに新芽を摘み取るような哀しさを個人的に覚えた。
しかしこれもこの業界にとっては仕方のないことだ。壷はわれてしまった。ジ・エンドだ。
それでは最後に先週と同じく雑誌の感想に対する返答を載せることにする。
>>456 ありがとう。アオリを考えるのは疲れるが・・君のような助けが要る・・
>>457 表紙がキモイか・・会長が哀しむな・・彼は自信満々だったから
残念だが、わが雑誌には美少女などを使う予算はない・・マガ○ンと違ってな・・まぁ、考慮しておく・・
>>458 みんな生き残るのに必死だ。あと彼が誰か、という質問には今は答えられないな。
次週も買ってくれ。そしたらわかるかもしれない。
>>459 五作品?しかし、いずれ五作品以下になってしまうからな・・3作品がちょうどいいと思うが・・
しかし貴重な意見として参考にしておく。ありがとう。ロランの作風が好きといってくれるのは感謝する。
あぁいった作品はどうも受けが悪い・・わかりにくいからだろう。
>>460 読者の声は,まさに至言だ。だから作者の一言の件についてはこちらから感謝したいぐらいだ。あれは盲点だった。
ストーリー作家陣は大変そうだ。なんせ伏線を貼っても面白くなかったら終わりというのは辛い。
だから、結構考えるのも厳しい。これからもストーリー作家を応援してくれると嬉しい。
>>461 面白い・・そういってもらえると実に嬉しい。正直な所、不安だったからな・・
>>462 むしろ表紙があれだから会社で読んで欲しいな。一目置かれること間違いなし。マジで。
>>463 女性作家・・私も欲しい。超欲しい。なんで誰も書いてくれなかったんだ、と逆に謝罪と(略
>>464 巻末コメント・・誰のことだろうか?だが、いずれにしてもそういうコメントしてたら消えるだろう。
だから待って欲しい。ロケットでつきぬけるまで。
>>465 表紙の評判は本当に悪いな・・やはり男ではダメか・・
アオリ文、誉めていただけるとホッとする。成長したいとは思ってるんだが・・
あと、魁!連邦軍、ネタがふるいのでわかってくれれば嬉しい。
>>466 編集にかけてる時間か・・まぁ、アオリだけの私は1時間もかからないが。
色々全てを考えるのはやはり文章にするのに4時間はかかるな。。スキャンやら掲載順やら・・ネタやら・・
まぁ、とにかく忙しい。ランバラルに哀愁が漂っているのは私も思う。
>>467 レベルアップしてる。。そういってくれればこちらとしては嬉しいな。
なんせ進化する雑誌、というのがテーマの一つだから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、今日は以上だ。
マ・クベの去り際は実に男らしかった。会長に連れられるシーンはやはりドナドナ的だったが。
フラウは結局今日は帰ってこなかった。まぁ明日には帰ってくるだろう、と私は楽観しているが。
それより明日は第3号の創刊日だ。また、忙しくなる。今日は何人かは徹夜で作品を仕上げていることだろう。
そして、明日新しい雑誌が出て、アンケートを取れば次に消える人物も決まる。それをほんの少しだけ気の毒に思う。
だが、人の出会いは別れと直結しているのだから、それもまた運命なのだ。消えるあぶくがあれば、浮かぶ泡もある。
それが人の世の常だ。
では最後に、ここに冒頭と同じ一節を引用して今日の結びとしておこう。
淀みに浮かぶ泡沫は
かつ消えかつ結びて
久しくとどまりたる例しなし
世の中にある人と住処と
またかくの如し
(十五日目終了)
>1
いつもROMってますが始めて感想を・・・
ところどころに出てくる台詞がとくに
(≧∀≦)/イイ!!
1さんは1st好きなのね・・・今度はアンケートかきまふ
マよ……アデュー
ん〜!
素敵な夜をありがとう!
1さん!
543 :
名無しさん@お腹いっぱい。:03/05/28 02:06 ID:JhtnbFPf
保守!
544 :
山崎渉:03/05/28 17:10 ID:???
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
させんよ
深夜保守、やっぱ1さんはおもろいなあ・・
547 :
名無しさん@お腹いっぱい。:03/05/29 18:24 ID:g7kdj8Qc
哀しいけど、アゲ保守なのよね。
教祖と信者の馴れ合い会場はこちらです
楽しめる価値があるものを楽しんで何が悪い
保守だ
ほしゅそういちろう・・・
ごめん
ホス
定期age
553 :
通常の名無しさんの3倍:03/06/01 20:50 ID:JIiLCwF2
前スレ誰か保存してないのか?
最終回が・・・・・・・・
>>554 ありがとう、最終回やっと見れたよ・・・
556 :
通常の名無しさんの3倍:03/06/02 16:26 ID:OYHJtd4K
保守、と
ただいま、夜中の12時だ。
私は非常に眠たい。だから、さっさと日記を書き上げてしまおう。
ユンケルを飲んだのだが、体の疲れは取れてない。リボビタンDにすればよかったと後悔。
さて。
この雑誌は、かつてない急ピッチで、発行されている。隔週の雑誌も多いこの時代、四日に一冊のペースは前人未到だ。
このペースで雑誌を発行し続けるのは古今例がない、と通ぶっていいたいくらいだ。
無論、四日で1話書き上げる作家達の負担はかなりのものである。彼らの心労を思うと流石の私も多少気の毒になる。
ネタがなくて苦しむ姿ほどつらいものはない。ある雑誌の作家は精神がおかしくなって狂ったり、あたまが剥げたりしたそうだ。
それもこれも締めきりからくるプレッシャーのためだ。これはある意味、シロッコ並みの強力なプレッシャーだろう。
それを回避するために1度だけ、彼等は好きなタイミングで休載できることになっている。
ネタがどうしても思い浮かばなかった時のための救済ともいえる。なにせ四日しかないのだ。
ネーム、下書き、ペン入れ、その他・・などを考えるとこうしないとどうしようもない。作家一人につき一回だけの特権。
「作者取材のため休載します」というフレーズだ。これで一回だけ休める。
だが、実際に締めきり当日にイザークが私の部屋にきて、しゃあしゃあと今回は休載させてくれ、と言われたとき私は焦った。
イザークがいないのはかなりキツイ。彼は人気があるのだ。発行部数に差がでてしまうかもしれない。
ドラゴン○-ルが終わった直後のジャンプのように。ガクッとさがってしまうのは困る。
だが、権利として与えているものだから認めないわけにはいかなかった。
それで渋々だが、私はそれを認めざるをえなかった。
代わりに他の作家に増ページしておくことにした。そうしないと雑誌の総ページ数が薄くて困ってしまう。
私は集まった原稿をいつものようにスキャンにかけながら、これでなんとかなればいいがな、と頭の中で祈っていた。
その作業の合間。スキャンをひとまず終わらせた私は一旦休憩した。時間は昼を少し過ぎたところだった。
適度な休憩を取らなければ、効率はあがらない。最低でも2時間したら10分は休憩するべきだろう。
疲れがとれ、再び集中力がますからだ。これは受験勉強でもおなじことがいえるだろう。
手もとの時計を10分後になるようにする。そして、時計を裏返して、時間を見れなくする。
ちらちら時計を見ながら休憩して疲れが取れるわけがない。余計に疲れてしまうだけだ。
時計を気にしても仕方ない。精神的に安らげない。
私は、タバコを吸って天井のライトに向かって吐く、手元のコーヒーを飲みながら、レコードを聞く。
私はレコードで曲を聴くのが好きだった。MDなどは確かに便利だが、やはり聞きなれたこの音に比べるとどうも温かみがない。
デジタル化というのだろうか、それがどうも私には合わない。やはり自分は多少古風なのだろう。
レコードのどこかぼんやりしたところがあるほうが、味がある、という風に思えるのだ。なんでもデジタル化するのは味気ない。
ヨハン・シュトラウス指揮によるカノンを聞きながら、私は、もうぬるくなっているコーヒーを飲み干す。
僅かに開けておいた縁側のガラス戸から風が入ってきて、そのそよかぜの心地よさに私は目を閉じる。
どことなく春の甘い香りが感じられた。今日もいい天気だった。雲一つない晴天。空気がまるで澄んでいるようだった。
太陽の光も部屋に差込んでいて、おぼろげな光の線を部屋に残していて、それを見ることが出来た。気持ちのいい日だった。
そうそうこんな穏やかな日はあるもんじゃない。無論、仕事があるから忙しいことは忙しいけれど。
ポットからコーヒーのお代わりを飲み、昼用にと、作っておいたサンドイッチを食べる。
鉄仮面の店で買った食パンはしっとりしていて、サンドイッチに使うのにちょうどいい。
私はそれをゆっくりとかみ締めるようにして食べる。
そこで時計が鳴った。
きゅうりとハムの絶妙な味のマッチングを味わいながら、私は再び作業に取りかかった。
アオリを考え、表紙を考え、掲載順を考え、作者コメントを書き写す。
頭を捻って、読者のアンケートを見て、作品にもっともふさわしい掲載順、アオリを考えるのは酷く疲れる作業だった。
もう一人ぐらいこの作業を手伝ってくれる人が欲しいと思った。
それが美しい女性、たとえばセイラ・マスのような女性であれば楽しくできるのにな、と私はひとりごちた。
そうすればこの作業はまるで別の作業のように楽しく、有意義なものにかわるであろう。
だが、そんな妄想をしてもしかたがなかった。
現実には私はひとりで、音楽を聴きながら、ひとりで黙々とやるしかないのだから。
そう思うと少し淋しさを感じる。まぁ、だけど愚痴はここまでにしておこう。
いいだしたらきりがないの愚痴である。そして大抵の場合、ストレスが解消されるということはない。
表紙をつくり、全てを一つにまとめてから会社へと転送する。
これで仕事はフィニッシュだ。
さて、前置きが長くなった。鉛筆をもつ腕もだるい。
もうそろそろ今日は寝よう。
では、以下にいつもどうり雑誌の概要を掲載しておく。
(十六日目終了)
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. !:::i".,,_ ;.''"゙゙^i.,_'j::::::::| ゙ヽ、;,;_;,{゙、i,l |:.i, ,. 、`ー‐' ,. ヽ=' i 好
゙(´ ゙}^゙'‐-‐´ ´`i:::| ,.. -'"入'-':.゙、 ' ´i'ヽ、__ノi_ l、 /ヽ、
!~^´il,., .Y;:ソヘ,/ / ゙、.:.:.:| i l i'、 `ヽ,ノi/ l. き
ヽ:. ,_-‐=・ /´ノ:/-、 ! |\.'i, ! ! `、二ニニソ/ .i ,! で
. ヽ:. '' / // ヽ |_ \ヽゝ, ‐‐ | / / な
. ヽ、,,.. -'' ,/ !  ̄ ヽ\ ゙、__,,,,. -'ー‐' / / き
_,!-ー:、: ノ ̄ ̄ ''' l \__/-、 / ,ノ / 雑
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{: :/ = 、 ! /_ -‐<-,. ま 誌
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/i : _ヽ_, -'" ̄ ` ´} _ _,-‐-=ゥ‐- イ > r '  ̄ ト が
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1 『 ジパング 』 ブライト・ノア
概要 前回の続きから話しは繋がっている。
連邦の征討軍とホワイトベースが今にも戦闘態勢に入ろうとしたとき、異変が起きた。
それはあまりに散布されたミノフスキー粒子のせいなのか、それとも運命のいたずらなのか。
プライト艦長率いるその船は、月の上空で、忽然と姿を消した。
彼等は何処にいったのか。連邦軍は戸惑い焦ったが、どこを探しても彼らの姿はなかった。
まるで艦ごと神隠しにあったかの如く。それは一瞬にしてワープしたかのように。
艦長が目を覚ましたとき、そこは、なんとかつて歴史上で習った第二次世界大戦中の真っ只中だった。
太平洋のど真ん中にホワイトベースはいた。おそらく・・ハワイ諸島のどこかだ。艦長は其れが不思議に判った。
目の前の拡大ディスプレイに、そこを空爆している零戦の姿が映し出されていた。
信じられないことだが、タイムスリップしたのだ。何故かはわかるわけもなかった。
だが、艦長は悟る。彼は頭の回転は速く、切れ者だった。
あのまま月で戦っていれば、いかにアムロ・レイやカイなどがいるとしても戦死していただろう。
それでも連邦になにか残せれば、と思って立ちあがったのだ。死は無論、覚悟していた。
だが、この状況・・ブライトは頭の中で計算する。
あれが・・仕官時代に習った真珠湾戦争ならば、自分達は現在1941年にいることになる。
1941年、艦長はそれを頭で計算して、愕然とした。あまりに古い時代だ。
それは宇宙に住むようになった人々にとってある種、伝説のような遠い御伽噺のような過去だった。
だが、もはやこの世界の分岐点・・ここに自分達がつかわされたのは、見えざる手によるものだとブライトは解釈する。
これは神の思し召しなのか、人類はこの時点から既にやりなおしをしなければいけないのか。
そのためにこの艦の圧倒的な破壊力。まさに・・この時代の人々にとって文字どうりノアの箱舟に等しいだろう。
この世界は、俺が作りかえる。新しい秩序を構築した世界をつくってみせる。
次第にその場に倒れていたジョブ・ジョンやミライ、それにリュウ・ホセイが意識を取り戻しつつあった。
ブライトは彼らを見ながら、これからのことを思い、微かな不安を感じながらも高鳴る鼓動を押さえられなかった。
チェンバロの鐘を鳴らすのは、俺だ。誰にも聞こえないように彼は呟くと、僅かに口の端を歪ませた。
アオリ 「仰天!艦ごと昭和にタイムスリップ!!これからどうなる!?」
2 「∀の意味」
概要 ええと・・前の2章で最初にいいたかったことは言ったつもりです。
今度はもっとその中の部分を説明していきたいと思います。だけど、まだボク自身そこまではっきりとはわかってません。
ただ思うことをここに書かせてもらっています。
戦争と平和。
その二つを味わった今、僕が思うことはこういうことです。
温かいスープを安心して飲めることが、やはり幸福なんです。焼き立てのパンを食べれることが幸福なんです。
日常を楽しめること、鼓動を感じ取れ、その微かな息吹に耳を澄ませて日々を送ること。
月を月として大事に思うこと。地球を地球として慕うこと。
全てをあるがままに受け止めること。過去の歴史も、兵器も、核爆弾の閃光も。
それが∀の意味なんです。全ての要素を含むこと。数学的な意味で言うと集合全体です。
つまり全てを肯定すること。全肯定の中から生まれてくるものがきっと大切なことなんです。
ムーンレイスを肯定し、異なる文化、民族性を肯定し、また自分にそぐわないものを排斥しないことが大切なんです。
たとえばガンダムは兵器です。だけど、戦争以外にも使い道はあります。
例えば洗濯につかうこともできますし、単純作業なら手先を使って行えます。ものも運べます。
すべての機械はその使用者にかかっているのですから、兵器というだけで否定するのはまた軋轢を生むんではないでしょうか。
ボクが不安に思うのはそういうことです。意味を考えるとき、細部にこだわり過ぎると本質がみえなくなることをボクは憂うのです。
あ、だけど、女装までは肯定することはできませんけど・・あれは趣味なんかじゃありません!(ここだけ太字)
アオリ 「認めてしまえば楽になるのに。」
3 「 ジオンクエスト 〜そして伝説へ〜 」 ランバ・ラル
概要 某有名ゲームを少しパロった作品。あ、いや、少しじゃないか・・
概要はまぁ、よくある物語だ。王様の依頼をうけて世界を平和に導くというお約束のパターン。
そしてこのマンガでは、姫=キシリアである。王様=ギレン、大臣=ドズルといったところか。
主人公のランバ大尉(どうみても中年)は、それを助けるために単身ギレンにグフを与えられて旅にでる。
彼の父、じんばラルはその10年前に同じように旅に出ていたのだ。そして彼は帰ってこなかった。父の仇・・ラルは燃える。
ラーの酒場で、勇者は仲間を探した。沢山のグループがあって彼はどれを仲間にしようか悩む。以下、グループ。
Tガイア、オルテガ、マッシュのごつい戦士グループ
Uシャア、キャスバル、クワトロの真っ赤な赤魔道士チーム
Vヤナック、モコモコ、ディジーの何処かで聞いたことあるチーム
Wポップ、ヒュンケル、アバン・デ・ジュニアール三世のこれまた何処かで聞いたことあるチーム
Xジャクソン5
Yプル、シャクティ、ララァのロリコン僧侶チーム
Zさいたま、さいたま、さいたま、のさいたまチーム
勇者ラルは、迷わずYにしようとしたが、回りの視線が痛かったので言い出せなかった。ジャクソン5は無視した。
その指はUやVのチームをうろうろしていたが、最後にTを選ぶことにした。ガイアたちが嬉しそうに立ちあがった。
最初の内は男だけのむさい所帯チームは嫌だ、と思っていたランバラルだが、そのうち気心が知れてきた。
旅はあたかも青春のような楽しさに満ち溢れていた。薔薇色の生活だった。
こんなに楽しい冒険なら毎日したいほどに、彼らの中は急速に深まっていった。
それは傍目からみても良くわかった。そんなある日、彼らが泊まった後の宿屋の主人がこういった。
「夕べはお楽しみでしたね。」
ランバラルはそれを聞いて顔を赤らめた。彼等は黒い四連星になったのだ。身も心も。
アオリ 「ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ・・・」
4 「魁!連邦軍!一限目である!」 レビル元帥
概要 ある所に、敷地面積だけがやたらに広い一つの古ぼけた校舎がある。其処には連邦旗が勇ましく掲げられている。
そして「粉骨砕身!不惜身命!不撓不屈」とまるで横綱昇進の時の台詞を書かれた横断幕が垂れ下がっていた。
ここは、大地球連邦軍士官養成学校である。ここでは次世代を担う連邦幹部候補が育成されている。
人はそこを恐れをこめて「連邦塾」と呼んでいた。
そこの運動場では今、百人あまりの筋骨隆々とした漢達が、教官らしき男の合図のもと横一列に並んで腕立てをしていた。
「ほら!もっと声ださんかぁ!何だらだらとしとんじゃ貴様等!」
髭面の教官がその丸太のような腕を振り上げて、竹刀を地面に叩きつけた。乾いた音がやけに高く響いた。
「「1100!1101!1102!」」上半身裸で多量の汗を滴らせながら、その男達は声を張り上げる。
喉の奥から、身体の底から搾り出すようにしてみな声をだす。その大音量は、1キロ向こうを歩いている人達にも聞こえるほどだ。
教官が「おんしゃあ声が小さい!!」、と近くで腕立てをしていた男を蹴り上げた。
「お、押忍!教官殿!」蹴られた男は脇腹を押さえながら教官に返事をする。
「パウロ!お前だけ遅れとるぞ!貴様だけ500追加じゃああ!!」
教官がパオロをさらに蹴り上げながら、そう命令した。「押忍!教官殿!」鼻血を出しながらパウロがそう返事をする。
「おい・・パウロ・・だいじょうぶかのぉ・・」
そんななか、黙々と腕立てを続けながらジオンは、隣で同じように腕立てをするレビルに話しかけた。
連邦塾一号生筆頭レビル。その実力と貫禄と精悍な顔つきに既に一目置かれる存在になっていた。
「なぁに・・心配は無用だろう。あいつだってここに入ったからにはそれぐらい覚悟しているさ。やわな男じゃない。」
レビルは涼やかにそういいながら、胸を地面すれすれまでくっつける。腕が筋肉で盛り上がる。
「そうだといいがのぉ・・あいつ、今日39度近く熱があるらしいからのぉ・・」
ジオンはまだ心配そうに言っていた。だが、教官に睨まれて首をすくめるとまた黙々と腕立てを始めた。
カンカンと照りつける太陽が彼等の背を容赦なく焼いていく。気温は多分35度を超えているだろう。
この連邦塾では体温計で42度以下は風邪として認められない。その程度の熱で休むと、連邦男児として許されないのだ。
それに食事では銀シャリなどは到底食えず、いつもは粟やカエルの丸焼きなどを食べさせられているのだ。
これでは育ち盛りの彼等には足りるわけもなかった。パウロはカエルがどうしても食べられず、いつも残していた。
だから、体力的にも相当に衰弱しているはずだった。ジオンは不安に思ったが、どうしようもなかった。
1500回のノルマを終えたレビル達は、その場で休憩を命じられたが、パウロだけはイビリにあっていた。
パウロの顔は苦痛にゆがみ、その顔は汗でどろどろになっていた。背中には竹刀の跡が赤く残っている。
彼の腕はがくがくと崩れ落ちて、ついに1700回をいったところで彼は崩れ落ちてしまった。
「どうしたんじゃあ!パウロ!貴様は500追加といったじゃろうが!さっさと2000までせんか!!」
そのパウロを容赦なく教官が蹴り上げる。だが、パウロはもはやぴくりとも動かない。白目をむいている。
レビルはその時、突然に胸騒ぎをした。止めようと思い、立ちあがる。教官は神にも等しいこの塾内でそういうことをすれば切腹もあるのだが。
そのとき、ちょうど授業終了の鐘が鳴った。修練の時間はここまでだ。
教官は忌々しそうに唾を吐くと、「・・それでは今日はここまでじゃあ!次の時間は数学じゃ!遅れるなよ!」
と言い残して去っていた。全員直立不動して其れを見送った後、ジオン達学生はすぐさまパオロに近寄った。
「パウロ!しっかりせい!大丈夫か!」ジオンが彼の肩を掴んで揺さぶった。砂が舞う。
「あ・・あぁ・・大丈夫じゃ・・」パウロが息も絶え絶えにそういった。そして手をあげる。その手をジオンが力強く掴む。
「誰か!水を持って来い!」その言葉に慌てて一人が水道に備え付けのコップに水をなみなみと入れて持ってきた。
「パウロ!水を飲め!」ジオンが勧める。パウロが一口だけ其れを飲む。
「もの・・ごっつううまいのう・・生き返るわ」そういって少し笑った。ジオンは「そうか!もっとのめ!」と勧める。
だが、パウロは目を瞑ったままそれ以上飲もうとしなかった。彼の瞳は完全に閉じていた。
「どうした?パウロ!のまんのか?」そう疑わしげにいうジオンの肩をレビルがそっと掴んだ。
そして、首を左右に振った。
「パウロ!!嘘じゃろう!パウロォォ!」そういってパウロを揺さぶるジオン。そのたびにパウロの髪がさらさらと流れた。
周りの漢達は俯いて、唇をかみ締めた。誰もが顔を背ける。
「嘘じゃ!パウロがこの程度でまいるわけないじゃろう!」そのとき、後ろから誰かがきて、大声で叫んでいるジオンを止める。
その中国人風の男は、冷静にパウロの脈を測った。そして、長い間首の頚動脈にも手を当ててようやく口を開いた。
「「 死亡確認!王大人! 」」
その言葉は底抜けに蒼く高い空の彼方に吸いこまれていくように、レビルの耳には響いた。
同時にジオンがその瞳から止めど無く涙をながして叫んだ。男達はみな膝をついて、泣いた。男泣きに泣いた。パウロの大往生だった。
レビルはただ一人空を見上げた。雲の向こうで今もパウロが笑っているような気がした。
連邦兵士の生き様は 色無し 恋無し 情け有り
男の道をひたすらに 歩みて戦場を魁る
嗚呼 連邦軍 男意気
宇宙の刻を魁よ
アオリ 「連邦塾塾則第二十五条…男の涙は親の葬式といえども見せるべからず !」
5 『 天空の城 ア・バオア・クー 』カクリコン
概要 この世界の何処かにあるという幻のア・バオア・クーを探すカクリコン少年の物語。
鉱山で働いていた彼は、もう日も沈んだ頃に、ひとりの少女と運命的な出会いをする。
翌朝、自分のベッドの上に寝かせていた少女が気がついたところで、少年と少女は自己紹介した。
少女はアメリアといった。そして幻のア・バオア・クーへの手がかりになる少女だった。
彼女は空に浮かぶ、という幻の飛空石をもっていたのだ。実際に昨日初めてあったときも彼女は空に浮いていた。
まるで御伽噺のような話しだったが、彼女が浮いていたのをみていた少年には容易に信じることができた。
飛空石なんてものが存在していることそれ自体がア・バオア・クーの存在を証明しているようなものだ。
カクリコン少年は嬉しくなってアメリアと部屋の窓から屋根の上にでると、朝焼けの太陽がとても綺麗に見えた。
それはまるで自分を祝福してくれているようだとカクリコン少年は思う。
「やるぞー!僕は絶対ア・バアオ・クーをみつけてやるんだ!」少年は勢いよくそう叫んだ。隣でアメリアもくすくす笑っていた。
その何気ない仕草に少年はドキッとした。少女は睫毛が長く、瞳がとても大きくて可愛かった。
思わずじっとみていると、こちらを不思議そうにみたのでカクリコン少年は慌てて目を逸らす。
少女が不思議そうに首をかしげる。
そのときに、カクリコン少年は彼女の首にかかっているペンダントをみて、あることを思いついた。
「ねぇ、アメリア。ちょっとそのペンダント貸してくれない?」
「え?別にいいけど・・何をするの?」そういいながらアメリアはペンダントを渡してくれた。
それを嬉々として首にかけると、彼は屋根の一番端までいった。もう少しで下に落ちてしまいそうだった。
アメリアが危ないわよ、と注意する。ここは切り立った崖に面しているようで、かなりの高さがある。落ちたら無事じゃすまないだろう。
だが、彼は「見てて」というとそこから何の迷いもなく飛び降りた。
無論、ペンダントが光るわけもなく、少年は「ア、アメリアーーー!!」という声を残して谷底へと消えていった。
完璧に自殺行為だった。
アメリアはポカーンとそれを見送っただけだった。
遠い未来に、ア・バオア・クーは、別の少年達によってみつかることになるが、それは、また、別の、お話。
アオリ 「 来週は カクリコンとジェリドの神隠し! お楽しみに! 」
6 『 死 刑 執 行 中 』グエン・サード・ラインフォード
概要 スティール・ポール・ランの構想がどうも完全に決まってないらしく、今回は読みきりだった。
しかも今回はギャグではなく意外にもシリアスなものだった。以下、内容。
よく見られる独房の中に一人の男が蹲って座っている。
彼は今夜死刑になるのだ。連続少年強姦殺人事件の犯人としてそう宣告されていた。
確かに彼はそういう性癖があり、犯罪も犯した。だからといって死刑になるのはオカシイ、と彼は考えていた。
何故ならこれは運命だからだ。あの少年達が自分とあったのは神が導いた運命だったからだ。
彼はそんな風に思っていた。ビバ運命!彼は独房の中で叫んだ。
「TOUGH」( タフ )…だが、「TENDER」( テンダー )!! / 宇宙的謎(コズミック・ワンダー)!!!
死の迫り来るなか彼はそう叫んだ。そう、彼はこの極限的状態にありながら寧ろ興奮していた。
人生における最大の喜びとは死である。死を甘んじて受け入れる精神・・それこそが運命であり覚悟なのだ。
だからこれが運命ならば甘んじて受け入れることも彼はいとわなかった。神の意志は常に正しい。
その隣の部屋には冤罪で死刑になろうとしている銀色の髪をした少年がいた。
彼は何もしていなくて、召使としてある館で働いていたのだが、そこで遺産目当てに殺されてしまった旦那様の
殺害の罪を着せられて投獄されていた。無論、必死で無罪を主張したのだが、弁護士を雇う金もない少年は、
当然の如く敗訴になり、死刑を宣告されていた。そこの家族が裁判官にも手を回していたのだ。
少年は死にたくなかった。彼には夢があり、まだそれを叶えていなかった。死はあまりにも彼の想定になかった。
死の恐怖に震えながら、だが少年は自分の運命を次第に受け入れつつあった。
二人は、同じ時刻に死刑の待合室に移された。初老の看守が二人を閉じ込めて独房に鍵をかけると去っていった。
あとで処刑場で、柱に括り付けられて銃殺刑になるのだ。夜中の12時丁度に、どちらが先にいくことになっている。
独房の中は狭く、じめじめしていて湿気臭かった。無論、ベッドなどはなく木の椅子がニ脚あるだけだった。
どこからか鼠が出てきて、壁を走っていた。穴があいているのだろう。
鉄格子のはまった窓からは月の光が差込んでいた。美しい光の筋が部屋に入る。男の方が口笛を吹いた。
「後、数時間には、君も私も死んでいるな」男の方が、少年に静かに声をかけた。
少年はその声にビクッとした。死、という言葉に少年は反応をしたのだ。
男はそんな少年の態度に少しだけ微笑むと、彼の手を掴んだ。少年は俯いたままその手を見つめる。
美しい少年だな、と男は思った。自然と唇が上がった。
「ねぇ、君。鉄格子から外を見てみようか。」
と男は少年を誘った。
少年はその言葉の真意を量り兼ねたが、ただ座って時間を待つのも嫌だったので頷いた。
彼等は座っていた木の椅子を、壁際に寄せると、その上に裸足になって立ちあがった。
そして、二人は一緒に外の夜景をみた。鉄格子越しにみる夜の世界はどこか幻想的で、決して手の届かない世界に見えた。
雨が降った後らしく、空はとても澄んでいて、少年の瞳は其処に釘つけになった。
少年の瞳には眩しく星の光が溢れて、その所為で自然に涙がこぼれた。少年はそれ以上外を見れなかった。椅子から降りる。
「何がみえたかい?」男がそんな少年に尋ねた。少年は鉄格子に手を置いたまま、星をみました、と涙で声を詰まらせながらも応えた。
男はそれに頷きながら、少年の涙を手のひらで拭いながら、「そうか・・私は地面の泥がみえたな。」といった。
そしてその後は、それぞれ何もいわなかった。ただ、時間だけが、砂時計のようにさらさらと流れていった。
男は少年を抱こうと思えば抱けた。そういう性癖の持ち主だし、彼にしてみればそれは赤子の手を捻るようなものだった。
だが、彼は何もせずにただ少年をみつめていただけだった。
やがて、時間が来た。看守が古びた鉄のドアをあけて、男の名を呼んだ。男は、静かに立ちあがる。少年が彼を見上げる。
少年の目は不安そうなまなざしだった。無理もない。死が迫ってるのだ。
部屋から出ようとしたその男は、看守が促すにも関わらずドアの前で立ち止まって振りかえるとこういった。
「こんな詩を知ってるかい?フレデリック・ラングブリッジ『不滅の詩』の一節・・」
『 二人の囚人が鉄格子の窓から外を見た。
一人は泥を見た。一人は星を見た。 』
少年は、首をフルフルと左右にふった。そんな詩は知らなかった。だけど、「僕達にぴったりですね。」とだけ言った。
実際にその詩は今の自分達にぴたりと当てはまっているように見えた。男は振りかえるといった。
「違うな。確かに我々は囚人だ。だけど、これはそういった狭義の意味じゃない。
考えて欲しい。世界の人は全て生命という鎖に繋がれた囚人だといえないかい?運命の奴隷。
だとするとこの詩は我々を謳ったものではなく、全人類に向かって捧げた詩じゃないかな?
いいかい?死 刑 執 行 中 なのはここだけじゃない。世界中で同時にされているんだ。人類という囚人に平等に。
そしてこの詩の意味は、君が考えているよりずっと深い。」
少年はその意味を考えた。だが、いま一つよくわからなかった。男はそんな少年の様子をみて微笑んだ。
「だから、死を怖がらないことだ。そして、最後の瞬間まで星をみるんだ。目隠しなんてされないようにね。そして・・」
男がそこまでいったところで、看守がもう一度腕を引っ張ったので、そこで話しは終わった。
死刑場へと運ばれる最中に初老の看守の男が言った。「なぁ・・お前、どうしてあの少年を襲わなかったんだ。」
男はその言葉に苦笑した。
「おかしいと思ったよ。死刑囚が同じ部屋とは。やはりアレは爺さん、あなたの餞別だったんだな。」
看守はその言葉に肩を竦めて「あぁ。お前とは長い付き合いだったしな・・とびっきりの餞別のつもりだったんだがね・・」といった。
「なぁに・・あの少年・・昔の自分に似てる気がしてね・・」廊下にカツン、カツンと足音が響く。星をみてた頃の自分に。男は呟く。
「それよりあの少年がかわいそうじゃないか?同じ死刑囚の彼には餞別なしかい?」男は陽気にいった。
「あぁ・・あの子にはとびっきりの餞別を用意してるよ。」看守はポケットから鍵を取り出して、目の前の扉をあけながら言った。
「へぇ・・若い女の子でもあてがうのか?」男は、扉から外に出ながら言った。広場だ。そこには既に10人ほどの新兵が待っていた。
見たことない顔ばかりだった。男の目には、殺す彼らの方が緊張しているように見えた。
無数のライトが男を照らし上げた。
「そんなんじゃないよ。」看守は彼を広場の中央の柱に括り付けながら言った。「じゃあ、なんだい?」男は手に縄を巻かれながら平静に応える。
「無罪さ。さっき裁判官が賄賂で逮捕されてね。旦那の妻が犯人だったのさ。」看守がにやり、と笑ってそう言った。
「だから、彼はこれから釈放されることになってるんだよ。まさにハッピーな餞別だろ?」
男は其れを聞いて大笑いする。そして、目隠しを拒否して星を見上げた。地面を見ずに星を見た。そしてもう一度笑った。
その声が合図になって、新兵達は銃を撃ち込んだ。
その頃、少年は独房で、また星を見ていた。
きらきらと輝く其れはまるで天の滴のように、美しく、鮮やかに煌いていた。
少年はそれを飽きるともなく、見つめていた。だが、ふと男の話しを思い出して、視線を地面に移した。
雨で汚くなっているものの、其処は、丁寧にアスファルトで舗装されていて、男のいっていた泥はどこにも見当たらなかった。
少年は首をかしげる。どうしてあんなことをいったのだろう、と思う。そして、少年がその意味を理解することはない。
ただ、遠くで銃声が聞こえ、それを聞いて、少年はまた身体を震わせた。
(死 刑 執 行 中 完)
アオリ 「愛してその人を得ることは最上である。愛してその人を失うことはその次によい」
7 『 毒男 』スレンダー
概要 話が相変わらず暗いので、概要書くのもだるい。んで、下に適当に絵であらわす。
| ナニ・・ \
| ('A`) スレンダー
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ /
| マタカ・・ \
| ('A`) オマエハ
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ ココニノコレ /
| イイナァ・・ \
| ('A`) モビルスーツハッケン!
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ ヨシ! ホカクダ! /
\
| ヨクモジーンヲーー!!
| (゚∀゚)
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ /
アオリ 「よろこぶところか?」
8 『仮面の告白』 アムロ・レイ
概要 仮面。まずその言葉を聞いてどんなイメージを思うだろうか。中世の西洋のパーティを思い浮かべる人がいるかもしれない。
仮面舞踏会。たとえば、ロミオとジュリエットがはじめて出会ったときのように、ああいうときに仮面をつけるときもある。
だが、無論、人が仮面をつけるのは舞踏会の時だけではない。
あるものは醜い顔を隠すため、あるものは素性を隠すため、また別のものは感情を押し殺すために人は仮面を被る。
そしてこの小説の中ででてくる彼は何のためにだろうか。
アムロは戦場の中で仮面をつけたオトコとの衝撃的な出会いをこの文で回想している。
それはアムロにとって決して忘れられぬオトコだった。必然とも偶然とも言える宿命的な邂逅。
戦場で出会った一人の仮面をつけた男。シャア・アズナブル。連邦と対立するジオン軍少佐であり、ジオン・ダイクンの遺児。
彼にとってその端正な顔立ちをした彼は、倒すべき敵であり、好敵手であり、また同じ女を愛した関係でもあった。
アムロは彼の存在に心が苛立った。繊細で人一倍過敏な彼は、シャアがマスクを被っているのを卑怯だとも思った。
だが、その実、アムロは気がついていた。彼は目に見える形で仮面を被っているが、自分も見えない仮面を被っているのだと。
僕も仮面をいつのまにか戦場に出るたびにつけていたのだと。
母に会い、父と別れ、少女を失い、友を亡くすたびに自分は一つずつ仮面をつけていったのだと。
そしてその仮面は肉となり血が通いもはや剥がれ落ちることはない。あらゆる事象が自分にそれを肉付けしていったのだ。
アムロは今、思う。
シャアとは別に、僕も仮面を被っていたのだと。そして共に其れを剥ぎ取る機会を永遠に逸してしまったのだと。
もはや自分達は其れを剥がせずそれを素顔として、また受け入れていかなければいけないことを。
だからこの作品は、一見シャアという人物を書いているようにみえるが、よく読めば其処にアムロが自分を投影していることがわかる。
特に彼とあるコロニーで出会ったとき、初めてあったにも関わらず彼をシャアだと判ったことはまさに象徴的な事件だった。
仮面とはそれを誤魔化すための暗喩に過ぎない。仮面とは彼にとって虚像でなく実像として存在している。
だから仮面の告白の主体はあくまで、アムロ・レイである。そしてシャアはそれのメタファーに過ぎない。
『人間失格』『刻をかける少女』そして『仮面の告白』
自分、心から愛した少女、そして因縁の男。メビウスの輪のように連綿と現在でも続く哀しみ。そして人の繋がり。
アムロはこの1年戦争三部作で其の全てを美しい文体で見事に書き上げた。
アオリ 「今はおやすみ」
作者からの声。
1 読者のみんなは、過去にいくのと未来にいくのでは、どちらがいい?ちなみに私は断然ミライだ。(ブライト)
2 ∀って結構いい記号ですよね。考えた人はスゴイと思います。(ロラン)
3 ファミコン製造終了記念。永きに渡り青春を支えてくれて感謝する。(ランバラル)
4 パウロの時世の句「ますらおの マスせんじれば 若き血潮 ほとばしり じっと手を見る」イイ句だとはおもわんか?(レビル)
5 アンケート出したまえ!良い子だから。(カクリコン)
6 パリで個展をひらいてきました。大盛況でよかったです(グエン)
7 (・∀・)イキテルッテスバラシイ!メイレイナンテクソクラエ!(スレンダー)
8 仮面をつけた姿が段々様になってく〜・・この歌いいですよね。何の曲かわかる人いますか?(アムロ)
打ち切り 「世紀末伝承者 マクベの拳」を書く予定だったんだがな。残念だ。さようなら(ま・くべ)
※ 大変申し訳ないですが、今週のイザークは取材のため休載です
編集者から一言。
「雑誌の質を維持するため休載が今後もあると思いますが、どうかご了承ください。
ますます人気絶頂のこの雑誌!次回もお楽しみにお願いします!」
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週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1 「 」 ( )
2 「 」 ( )
3 「 」 ( )
4 「 」
5 「 」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「 」
理由( )
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 ( )
メッセージ「 」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「 」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「 」
【ご協力ありがとうございました。次回発行日は三月二十日です。】
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週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1 「魁!連邦軍!一限目である! 」 (パオロの最期には感じるものがありました)
2 「死 刑 執 行 中 」 (激しいアクションなどはないものの、違った面白さが出ていて凄いと思いました)
3 「ジパング 」 (今後の展開に目が離せないです)
4 「∀の意味 」
5 「仮面の告白 」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「 天空の城 ア・バオア・クー 」
理由(今回は粒ぞろいの作品群だった中、オチが少し弱かったから。正直、どれも打ち切って欲しくないぐらいでしたが。)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (スレンダー)
メッセージ「ジャンプでいうとジャガーみたいな面白さがあります。これからも頑張って下さい。」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「前回の方が良かったです」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「
>>459での要望を汲んでくれてありがとうございました。」
【ご協力ありがとうございました。次回発行日は三月二十日です。】
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まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
1 「毒男」 (ひたすらワラタ そして共感した自分に落ちこんだ)
2 「死刑執行中」(しばらくはネタにこまる日々が続くかもしれませんが、期待しています!)
3 「ジパング」 (このネタで独立してスレ立てれますよね)
4 「∀の意味」
5 「魁!連邦軍!一限目である!」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「仮面の告白」
理由(消去法です。もうアムロとシャアイラネ、ってのもありますね。)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (グエン)
メッセージ「シリアス展開がザ・ニュー・グエン!って感じでした」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「僕らが求めてやまないのは(僕ら、と言いきってしまいますが)、
生物学的な女性というより形而上学的ないしは観念的な女性なんです。
つまり生物学的に男であろうが可愛ければいいんです。わかりますか?
僕の言いたいことがわかりますか?」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「毎週楽しみにしているこの雑誌ですが、今号は何時もにまして面白かったです。
そろそろ少年漫画も卒業しようかな、と思っていましたがなかなか足を洗えませんね。」
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
1 「ジパング」 (切り替えの速い主人公に好印象)
2 「死 刑 執 行 中」 (いろんな引出し持ってますね)
3 「仮面の告白」 (まさか三部作だったとは)
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「∀の意味」
理由(言いたいことがダイレクトに届いてこない。魂の言葉は簡潔に)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (アムロ・レイ)
メッセージ「次回作はもうすこし明るい話がいいです」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「読者をなめてるんですね」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「あんな表紙で発行するなんて、編集者はこの雑誌を売る気があるんですか?」
578 :
通常の名無しさんの3倍:03/06/04 23:49 ID:oNP6FPkR
このスレずっと読んではいるんだが、なにが面白いのかさっぱりワカラン
楽しい?お前ら?
この神スレの面白さが理解できないなんてとんだ低脳野郎ですね。
>>1さん気にしないで続けてください。
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1 「魁!連邦軍!一限目である!」(初回から熱い展開です)
2 「 死 刑 執 行 中 」(うって変わってシリアス、痺れます)
3 「ジパング」(展開が気になる・・昭和じゃミノ粉ないし、無ければWB飛べないはずだし・・)
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「 天空の城 ア・バオア・クー 」
理由(今回はどれも面白かったので消去法で落ちの読めたカクリコンで)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (レビル元帥)
メッセージ「「ますらおの マスせんじれば 若き血潮 ほとばしり じっと手を見る」ウホッ、いい句。」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「いいかげんにしないと我が魂魄100万回甦ろうとも許しませんよ?」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「休載は残念ですが先生たちにはベストの状態を維持して欲しいので致し方ないと思います。
それと煽りちょっと面白いです、この調子でがんばってください。」
>>579 面白い面白くないは個人の主観でしかない、それについて他者を否定するのはナンセンスでしかないぞ。
無論オレはこのスレが面白いのでここにいるわけだが
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
1 「死刑執行中」 (いうことなしです。面白かったです)
2 「ジパング」 (そういえばこのネタのスレッドどこかでみたような)
3 「仮面の告白」 (渋い)
4 「∀の意味」
5 「魁!連邦軍!一限目である!」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「天空の城 ア・バオア・クー」
理由(書く離婚)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (グエン)
メッセージ「てっきり少年が看守の鼻をつかんだりするのかと思いました」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「女性という要素が時に購買意欲喚起の決定的差になりえないことを思い知らされました」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「毎週毎刊楽しみにしています。先生方および編集者様も無理の無いようご自愛ください」
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1 「死 刑 執 行 中」 (問答無用の名作だった。連載作品に期待したい)
2 「魁!連邦軍!一限目である!」 (今の少年漫画に足りない物が、この漫画からはしっかりと感じられた)
3 「∀の意味」 (ヒューマニズム溢れるテーマの間に垣間見える、作者自身の認めたくない性癖への戸惑いが良かった)
4 「仮面の告白」
5 「ジパング」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「ジオンクエスト 〜そして伝説へ〜」
理由(勢いのないホモネタは駄目だと思う)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (ロラン)
メッセージ「癒し系な作風が大好きですが、もっと素直な自分を表現して欲しいです」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「表紙デザイナーと編集を即刻東京湾に沈めるべきだ!」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「表紙で読者を逃しているように感じました。自分自身、今週号の購入を躊躇いました。
こんな表紙を採用するくらいだったら、シャウトするT会長のドアップの方がまだマシです」
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週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1 「天空の城 ア・バオア・クー」 (アメリアー)
2 「ジオンクエスト 〜そして伝説へ〜」 (昔を思い出した)
3 「ない」 ( )
4 「ない」
5 「ない」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「∀の意味」
理由(おまえ、この雑誌が少年誌だって事理解してないだろ?)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (スレンダー)
メッセージ「話がワンパターン過ぎです。最近、調子乗ってるでしょ?」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「アホやと思う。」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「酷評ばかりだけど、これからも見るよ。」
【ご協力ありがとうございました。次回発行日は三月二十日です。】
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週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
1 「天空の城 ア・バオア・クー」 (オチが面白かった。)
2 「ジオンクエスト 〜そして伝説へ〜」 (何で黒い三連星を選んだのか気になるから。)
3 「仮面の告白」 (アムロとシャアが格好良いです。)
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「∀の意味」
理由(愚痴にしか聞こえない)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (スレンダー)
メッセージ「もう少し、作風を変えて欲しいです」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「美少女を出して下さい。今の路線だと完全にマニア向けです」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「ジャンプとかだと、抽選でプレゼントとかしてますけど、この雑誌ではないのですか?」
586 :
通常の名無しさんの3倍:03/06/07 00:40 ID:QWf47uyz
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1 「天空の城 ア・バオア・クー」
(アオリが一番ワラタ、次回に期待)
2 「死刑執行中」
(原作よんでないけど、面白かった。次は平穏に暮らしたいあの人が登場?)
3 「∀の意味」
(話が進んで御大将が登場するまで残って欲しい)
4 「 」
5 「 」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「ジパング」
理由(軍隊モノ飽きた)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (ブライト )
メッセージ「軍隊モノよりも天下シリーズの元祖ロラン命としてグエンと争って欲しい」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「禿げしくイイ! 」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「アオリが面白くなってきました、ガンバレ! 」
【ご協力ありがとうございました。次回発行日は三月二十日です。】
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週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
1 「ジオンクエスト 〜そして伝説へ〜」 (ドラゴンクエストを思い出した。パーティーは変えて欲しいなぁ)
2 「天空の城 ア・バオア・クー」 (「ア、アメリアーーー!!」のくだりで笑いました)
3 「 死 刑 執 行 中 」 (少年と男のやり取りが泣けますね)
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「∀の意味」
理由(良く分からないなぁ)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (スレンダー)
メッセージ「展開がワンパターンだと思います。マイナス票は入れませんが」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「アレは女性とは言えないと思います」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「前回1位だった人の顔写真を表紙にしてみるというのはどうでしょうか?」
日曜age
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1 「∀の意味」 (ソシエたんが出てくるまで続けて欲しい。)
2 「ジパング」 (素で面白い。マジで読みたい。)
3 「死刑執行中」 (作風は前作と正反対だが面白かった。)
4 「仮面の告白」
5 「魁!連邦軍!一限目である!」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「毒男」
理由(スレンダーネタはもういいや)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (スレンダー)
メッセージ「脱落しても頑張って下さい。」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「年齢的に若い女性じゃないと意味ないです。ババァじゃだめです。」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「ジャンプより遥かに期待してます。ガンガレ」
【ご協力ありがとうございました。次回発行日は三月二十日です。】
週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
1 「天空の城 ア・バオア・クー」 (オチがマジで面白い)
2 「ジオンクエスト 〜そして伝説へ〜」 (子供の頃を思い出した。でも次回はパーティー変えて欲しいな)
3 「死刑執行中」 (作風は前作と正反対だが面白かった。)
4 「仮面の告白」
5 「ジパング」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「∀の意味」
理由(何か良く分かりませんでした)
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (スレンダー)
メッセージ「ウザイ」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「答えて欲しいんですか?」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「いつになったら女性作家は投入されるんでしょうか?」
一応保守
保守です
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週刊少年ガンダム 第二号 アンケート用紙 (三月十八日夜までマターリ募集してます)
まだ終わって欲しくない(面白そうだった)作品を順に五つ書いてください。 (
>>459で要望があったので)
(面倒だったら通常どうり3つでも結構です。また感想や要望もあったら是非お願いします)
【今後の参考にもしよければ上位三つの感想を一言ずつお願いします】
1 「毒男 」 (もう、無理 )
2 「魁!連邦軍!一限目である! 」 (こういう馬鹿馬鹿しいのの大好きです。 )
3 「ジパング 」 (次回が楽しみです )
4 「天空の城 ア・バオア・クー 」
5 「死 刑 執 行 中 」
打ち切って欲しい作品を一つ書いてください。 またその理由があればお願いします。
「仮面の告白 」
理由(よく分からん )
応援してる作者がもしもいれば、その作者あてのメッセージや質問をどうぞ。
作者名 (スレンダー )
メッセージ「… 」
今回の雑誌の表紙は前回にくらべてどうですか?要望どうり女性にしましたが・・
「もうあなたには何を言っても無駄ですね… 」
最後に本誌への感想や要望をなんでもどうぞ。
「今後の展開が楽しみです。大変でしょうが、ガンガッテください 」
【ご協力ありがとうございました。次回発行日は三月二十日です。】
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ミライがまだ帰ってこない。
それはいいかえると、食と言う楽しみを奪われてことを意味する。
どういうことかというと、つまり、この寮には、料理をする人間がいないのだ。
いや、いることはいる。ランバラルなどは以前、うどんなどを作ってくれたことがある。
大変うまかったのだが、毎日うどんというわけにはいかない。飽きるし、それに栄養の面での不安も残る。
ロランに調理を頼もうとも思ったんだが、彼等はあくまでも作家であり、締めきりにおわれている毎日である以上そんなことはさせられない。
彼等はそれほど暇ではない。なにせ生存競争にも等しい対決が行われているのだ。
ということは、必然的に料理をするのは私だということになる。
まぁ、料理をつくるのはキライではないし、たまには気分転換にもなっていいのだが、ミライが帰ってこないことがきになった。
今朝、いつもどうり皆、インスタント食品を食べているときにアムロに聞いてみたのだが、彼は応えてくれなかった。
なにか訳があるのだろう。それがなにかといと私にはお手上げだが。
アムロとの痴話げんかというのも考えられる。私のみたところ、どうもフラウはアムロに惚れているようだ。
そうでなければいくら幼馴染だかなんだかしらないが、ああも世話をやけるわけはない。全くあんなひきこもりの何処がいいのだろう。
まぁ、私にはどうにも関係のないはなしだが、それが生活の面で支障をきたすとなっては話が別だ。
実際に彼女がいなくなると、我々は一種の飢餓状態に陥ることになった。私自身、管理人のくせに彼女に頼りきりだったのだ。
すこし甘えていたと思う。これは完全に私のミスといわざるをえない。
それで夕暮れになるのを見計らって私は取り合えず買物にいくことにした。
冷蔵庫の中のものはこの2日であらかた食べ尽くしてしまったし(すごい食欲だ)、どうせ料理をするならいいものを作りたい。
インスタント食品は味はそこそこで栄養もとれるが、味気ない。食事とは単に空腹を満たすだけでなく、精神的な充足も必要なのだ。
荷物が大量になるのを予想して、誰かに手伝ってもらおうとおもってロランを探したのだが、あいにく彼はどこにもいなかった。
散歩にでもでかけているのだろう。
リビングにいたランバラルにも頼んだのが、急に「あいたたた・・腰が痛いのぉ」とあからさまないい訳を始めたので、私は諦めた。
しょうがなく一人でいこうとして、玄関で私がコンバースを履いていると、グエンが丁度降りてきて、どこにいくのか尋ねてきた。
私が下のスーパーまでちょっと買い出しにいく、と応えたら「私もいこう。」といって隣に座ってきた。
断るのも角が立つので、やむなく一緒にでかけることにした。
外は、春らしく涼しくて風も爽やかで、太陽は西に沈みつつあり、其の鮮やかな赤で眼下の町を照らしていた。
私達は坂を下りながらその美しい町並みを眺めた、それはまるで昭和を思い出させるほどレトロな光景で、どこか郷愁を感じさせた。
赤とんぼ、のような世界だった。あたかも時間がここでは昭和でとまっているかのようだった。
都会の喧騒とはかけはなれたここは、生活に疲れた現代人の保養地としては最適ではないだろうか。
我々の住んでいる所は、少し小高い丘の上にぽつんと、まるでヨーロッパの城のように悠然とたっているので眺めもいい。
その反面、交通の便は悪く、下の小さな商店街でしか買物はできないのだが、それもまた味がある。歩くこともまた楽しい。
そうおもうようになったのは、私にとって喜ばしいことなのかはともかくとして、この町にも親しみを覚えて始めていたのは間違いない。
景色を眺めながら歩いていると、思ったより早くス-パーについた。店の前には、沢山の自転車が置かれていた。
隣のパン屋もまだ営業しているようだったが、この前のことがあるのでよらないことにした。
あのキースとかいう少年がいなかったらなんとリアクションをとったらいいのかわからないからだ。
どこからか漂ってくるパンの焼ける香ばしい匂いをかぎながら、私とグエンはスーパーの店内に入った。
最近進出中のスーパー「リガミリティア」
このスーパーは僅か五年で関東圏に一気に進出してきた新興スーパーだ。
といっても値段は特に安くない。大体他のチェーン店と同じか、もしくはやや高いくらいだ。
それなのに何故こんなに一気に進出してきたのかというと、その秘訣は店員にある。
店員といって、レジのおばちゃんを想像しては行けない。ここの女性は全員可愛いのだ。それはアイドル並みに。
それが色気たっぷりにレシートを渡してくれるものだから、世の男達は忽ちにここのスーパーのファンになったのだ。
まさに男とは哀しい生き物だ。スーパーは食欲と性欲を満たす場所になりつつあった。
しかし大体買物に来るのは主婦だ。この客層をのがしてはスーパーはやっていけない。
彼女達は、可愛い女性だと逆に買いにこない。だからといって男のレジを使うわけには行かない。
この店では、女性を宝塚のような格好をしてレジを打たせることで其れを解消している。
つまり男性には可愛い女性を、女性には倒錯的だが女性の男装のレジで、うりにしているのだ。
決して万人にうけるとは言わないが、コアについてきてくれる客層をつくり、他店との差別化を図っている。
いつまでこれでいけるのかわからないが、オーナーのジンジャハナムは自信満々だった。彼はとある雑誌のインタビューでこういっている、。
「いま消費者が何をもとめているのか?それを正確にみぬくことが大切なんですよ。
今この非常に不安定な社会では、消費者は何を求めているのか?それは現代において、愛である、と私は悟ったんです。
男性も女性も愛に餓えているんです。ただ安い。なんでもある。といったものは最早二次的な要素にすぎないんです。
スーパーに行く時に、心がわくわくした少年時代、何を買ってもらおうかと母親にねだる子供。お菓子をみつめる目つき。
そこには幸福と言ったものが目に見える形で陳列されていたのです。(中略)
そういったあの懐かしき思いで、そう!スーパーと消費者の関係は、つきつめると母親と子の関係になぞらえることができるんです。
そして母から子に与えるものはなにか?それはやはり愛です。
『愛』これが我がスーパーのモットーです。どうぞ皆様、愛に溢れるわが商店にお買い物ください。」
とまあ、オーナーのいうことはこういうことだった。
愛あるスーパーとは、美女を並べることとは到底思えないが、まぁ、わからないでもない。不細工な愛よりはマシだ。
不細工だったら、どんな真実や芸術もやはり心に響かないだろう。マリアやモナリザがそれを照明している。
いったいモナリザが不細工だったらレオナルド・ダ・ビンチはあの絵を書いただろうか?そしてここまで世界的な絵になり得ただろうか?
そういった視点から考えるとまた面白いかもしれない。
だが、まあこのスーパーについての講釈はこのくらいにしておこう。書いても誰もよまないのだから。
とにかく私とグエンは店内にはいったのだ。
さて、私はさまざまなものを買わなければならなかった。
米、味噌、醤油、砂糖、塩といった基本的なものから、鶏肉、豚肉、牛肉をブロックでまとめてかう必要があった。
肉類はまとめて冷凍しておけば腐ることはないし、寮の冷蔵庫はかなり大きいのではいりきらないということはない。
かいだめしておけば頻繁にここに来る手間も省けると言うものだ。
更には野菜類も買う。栄養は偏るのがもっとも悪い。
白菜や、キャベツ、ニンジン、椎茸、大根など私は目に付いたものを手当たり次第にカゴに詰めていった。
カゴのなかにそれらを載せていきながら、今日はすき焼きにでもしようか、と私は考えた。
みな肉などしばらくくってないから(実にこの前のハンバーグ以来だ)きっと喜ぶだろう。
昨日、第三号も発行したことだし、編集者としては疲れをねぎらう必要がある。これくらい奮発してもいいだろう。
そう思い立って、すき焼き用の材料を別途選んでいく。店内は非常に混雑しているので探すのに苦労した。
この時間帯は特に人が多い。夕食のしたくのために主婦、会社がえりのサラリーマン、果ては子供までいるからだ。
だが、幸い、グエンもテキパキと手伝ってくれたので思ったより時間はかからなかった。
そんなに広くない野菜売り場の通路には、ちらろらと主婦が目に入った。
私とグエンは男二人で買物にきているので回りから少々変に思われているかもしれない。
夫婦できていると思われる目つきの鋭い男がこちらをみて
「こんな時代に男二人で買物など・・寒い時代とは思わんか・・?」と隣にいる女性に話しかけていた。
別にお前に迷惑はかけてないからいいだろうが、といいたいところだが止めておく。
確かに寒いのは事実だからだ。
私はそこで木綿豆腐をえらぶと、照明がやや明るすぎると思われる店内を歩いた。魚も買っておく必要がある。
店内のスピーカーからは「さかなさかなさかな〜」とまるで催眠術でもかけているかのような音楽が流れていた。
ここが魚コーナーだからだろうが、一体どれだけの人がこんな歌を聴いて、そうだ今日は魚を食べよう!と考えるだろうか?
まったく無意味だと思うのは私だけではないだろう。
魚を食べると頭がよくなる、と歌っているがだとすると、まずはこの歌手がたっぷり食うべきだ。
大体前からこういうスーパーで流れる歌というのはどうしてこうもくだらないのだろう。脈絡がない選曲はやめてほしいものだ。
そもそも、だんご三兄弟を和菓子屋以外が店で流す必要があるだろうか?
なにが哀しくて、こんな訳のわからない歌を強制的に聞かされないといけないのだ。これはいやがらせか?
団子サン兄弟や、さかな天国が嫌いな人・・それは主に成人男性だろうが、そういった人は店にこなくていいということじゃないのか?
これは穿ちすぎかもしれないが、少なくとも私はそう思う。
こう考えるとスーパーの音楽というのはクラシックにでもするべきだ。これなら皆、納得する。
それかずっと民謡でもながせばいいのだ。スーパーとはそういうものであるべきだ。
それにしてもまったくスーパーには色んな人間がいるものだ。
店内を走りまわり『ボマー捕まえた』という最近はやりの鬼ごっこをして遊んでいる某新聞社社員や、
パン売り場にずっと立っていていて、アンパンを誰かが買うたびに「とりあえず氏ねよオメーラ」と文句をいう男。(これは後で社員に何処か連れていかれた)
試食売り場にいて「食 べ な い か?」と言いながらソーセージを勝手に出している男と、「すごく・・美味しいです」と食べている学生のペア。
其れを見て「ウホ・・いい試食売り場・・」と呟いている男もいる。
それと「できるだけ試食です」といいながら側で食べている久○広風の男や、「アンキモ!アンキモ!アンキモ!」と叫んでいる男もいる。
更には「ジェットストリームアタック」と叫びながら試食を食べ尽くすことで恐れられている黒スーツの3連星。彼等は様々な店を試食で潰してきたらしい。
それに「ええい!野菜はいい!肉を焼け!肉を!」と叫んでる中年親父や、試食をねだる子供に忌々しそうに「子供は嫌いだ!ずうずうしいから!」と叫ぶ少女。
「食べさせはせん!食べさせはせん、食べさせはせんぞぉぉ!お前ら試食だけの奴等にこの肉は食わせはせん!」と必死に叫んでいる男の声が空しく響いた。
そして試食コーナーの総括主任は「バカな・・12枚のステーキの試食が・・たった3分だと・・ば、ばけものか・・」と唖然としていた。
更には玩具屋の店長もいた。隣には目つきのきつい女性がいる。彼等はデザートコーナーにずっともめていて、
オンナがカゴに入れようとした『ところてん』をみて、男の方が「フ・・冗談はよせ・・」と言いつつ、それを戻してアンミツを入れた。
「兄上も意外に甘い(ものが好き)なようで・・・」と女が負けずに言い返す。低レベルな争いだった。
野菜売り場では「ニンジンいらねぇっていってんだろが!この紫豚!」と叫ぶ男がいた。紫豚ってなんだ?
というように、まるで、白痴の見本市のようだ。本当にスーパーには色んな人があつまる。
特に小さな町の場合そこは一種の社交場にもなっているのだ。
それにしてもこんなやつらばかり住んでいるこの町は矢張りどうかと私は思った。
こんな異様な店内の中でみると、グエンは思ったよりまともだと私は感じた。回りのレベルが高すぎる所為かもしれないが。
店内を一緒に歩きながら、彼にその感想を正直にいう。魚を選んで、私達は再び野菜売り場に向かって歩いていた。
ちょっと椎茸を買い忘れたからだ。私は手にカゴを一つ、グエンは押し車で其れについてきていた。
「君は普段はまともなんだな・・正直、意外だよ。
こういってはなんだが、君のことを誤解していたようだ。もっと・・こう異常なやつかと思ってた。」
パックに入った椎茸を選びながら、そう素直にいった。
「心外だな。私はいつもまともさ。ただ、前よりも自分の感情に素直に動くことにしたけれどね。
態度だけじゃ伝わらないし、感情はダイレクトにだしたほうがいい。もうあんな目にはこりごりなんだ。」
私の言葉をきいてグエンは、そう肩をすくめながら応えた。
「前から聞きたかったんだが・・・どうしてそんなにロランにこだわるんだ?女性にもてないということはないんだろ?」
グエンはこういってはなんだが、中々端正な顔立ちをしている。いかにも、良家の育ちと言った感じで気品もある。
黙ってたっていれば其れこそ貴族の御曹司である。
そして、彼の作品からもわかるように卓越した想像力や,ユーモアもあるように思える。知識も豊富だ。
そんな彼を、女性が黙っておくとは思えなかった。
どうしてあれほどまでにロランにこだわるのか私は知りたかった。確かにロランは女性的な顔立ちだが、男である。
今はまだ成長期の所為か、顔立ちもやや幼く、声変わりもまだ途中なのか普通より少し高めであるけれど、純然たる男だ。
いずれ声も野太くなるだろうし、あごなどに髭も生えてくる。
毎日風呂で観察してるからわかるが、体つきだってすらっとはしているが女性的な柔らかい曲線ではない。
やはり骨のでっぱりかたや鎖骨をみてもわかるが、其れは男性のものである。
グエンはその質問に一瞬だけ遠くをみるように目をした。
何か考えているようだ。私は椎茸を潰れないように、カゴの一番上に置きながら彼が話すのを待った。
隣では、エプロンをつけたままの主婦が忙しそうに、だけど注意深く野菜を選んでいた。
ニンジンが3本百円だったのだが、少しでも大きいのを探すその努力に私は感心した。主婦の鑑だ。
主婦達の邪魔にならないように、私は、黙っているグエンを促して、少し閑散とした果物コーナーの所にいった。
そこには少し高級な果物類がところせましと並んでいた。どことなく柑橘系の甘い匂いがする。
グエンは目の前に陳列していた果物コーナーから、イチゴのパックを手にとった。
そして、其れをじっと見つめたまま話し出した。
「このイチゴ・・今が旬でとても美味しそうだとは思わないか?」
「イチゴか・・?そうだな・・確かに旬だ。とても水みずしくて美味しいだろうな。自然で純粋な甘さだし、果物本来の味が楽しめる。
イチゴは、私が好きな果物の中でもベスト5にはいるよ。」
私はそう答える。
「そうだろ?イチゴは美味しいな。だけど、この美味なイチゴでさえも、賞味期限を過ぎてしまえば食べることはできない。
誰も食べなければ、イチゴは捨てられるだけだ。廃棄されて、ゴミ袋に詰められて、翌朝清掃車に持っていかれることになる。
そして、焼却処分されることになる。イチゴは誰にも食べられることなく、ね。そんなのは嫌だろう?」
「まぁ・・それはそうだな。どんなものも賞味期限・・旬を過ぎてしまえば美味しくないし、腐ってしまえば元も子もない。
かといって食べるわけにもいかない。腹にあたるかもしれないし、それにそんなものを食べる気にもならないだろう。
けれど、ゴミとして燃やされるのはもったいないし、嫌だといえば嫌だがな。」
私は同意する。グエンは其れを満足そうに頷くと、また話を進めた。
「そこでだ、世界でも数少ないとびっきり最上級のイチゴを買った男がいたと仮定してみてくれ。
彼は、それを大事に冷蔵庫の一番奥にしまって、毎日それを眺めて楽しんでいた。
食べるという選択肢は彼にはなかった。ほんの一ナノグラムも脳裏に存在しなかった。だって、当然だろう?
食べてしまえば、最上級のイチゴというものは現実的に存在しなくなって、観念的なイチゴしかなくなるのだから。
ワインを買っても決して飲まないで、死ぬまでワインセラーに飾っている人がいるだろう?それと同じことだ。
其れはあくまで手をつけないことに意義があったんだよ。
だから男の楽しみは其れをみながら、普通のイチゴを食べることだった。実にいじましい話だとは思わないか?」
「いじましいな・・けれど、私ならそのイチゴは食べるな。だって、残しておいて痛んだらどうしようもないだろう?
さっきもいったように何事にも旬があるのだから。眺めていて、それを過ぎては折角のイチゴが台無しじゃないか?」
そう応えて私はパックのイチゴに目を落とした。イチゴの話しをしている所為か、なんだかとても美味そうに見える。
グエンは首を振る。
「だが、男はそれで幸福だったんだよ。誰がなんといおうと其れで充足された生活を送れてたんだ。
それをたた『見る』だけでね。手をつけるとイチゴはなくなってしまう。それは消えてしまい、思いでの中のものになってしまう。
その恐怖が彼にイチゴに手をつけることを許さなかった。」
グエンは其処で、また遠い目をした。遠い昔を思い出しているような、懐かしさに溢れた目だった。
店内放送のアナウンス嬢が、色っぽい声でタイムバーゲンを告げていた。
「そんなある日、男がいつものように冷蔵庫をあけると、其処にはあるはずのイチゴがなかった。
男は愕然とした。イチゴ用に特別にこしらえたブロックにはなにもなかった。そこは空洞になっていたのだ。空っぽだ。
男は混乱状態に陥った。どうしてない?なんでない?その考えで頭が一杯になった。前日の夜中に、彼がみたときは確かにあったのだ。
目を閉じれば、イチゴのつややかで真っ赤なあの美しい姿が思い出されて、彼の心を揺さぶった。
男が冷蔵庫の前で立ち尽くしていると、ふと冷蔵庫の扉にメモ用紙が張られているのに気がついた。
そこにはこう書いてあった。
あのイチゴ、とても美味しそうだったから頂きました。よしなに。
男はそのメモ用紙を握り締めたまま、その場に蹲って泣いた。ひととおり泣き尽くした後、東京ドーム3個分くらいの圧倒的な喪失感が彼を襲った。
それは男が過ごしたこれまでの生涯でもっともショックな出来事だった。地球に落ちたフィフスルナくらいの衝撃だった。
厳しい北風が勇敢なバイキングをつくった、などと意味不明のことをいって慰めるものもいたが、男にはそんなのは耳に入らなかった。
ただ悔やみ、どうして食べなかったのか、と自分を責めた。男には勇気が足りなかったんだ。
イチゴを食べる勇気というよりは、食べたあとの罪悪感と喪失感に耐える勇気がね」
グエンは一息でそういってしまう。最後の方はまるで何かにせかされるように畳みこんだ口調だった。
私は何もいわなかった。なんといっていいかわからなかったからだ。
グエンは大きなため息をついて、私が手に持っているイチゴを取り上げた。
そして、そのイチゴを再び元あったところになおしながら、最後にはっきりとこう言った。
「だから、男は思ったのさ。やはり眺めるより食べる方がいいってね。もう人に取り上げられるのは真っ平だと。
どうせ誰かに食べられるものなら、さっさと食べてしまおうと。其れが自分にとって大事なものならなおさらね。・・これが理由だよ。」
そういって手押し車を掴んで、さっさと会計をすましてしまおう、と言った。もうスーパーにきてかなり時間は過ぎていたのだ。
私は、たった今彼が直したイチゴを再び取り上げた。グエンが訝しげに私を見る。
もう話はすんだからなおしたんだが、といいたそうな顔をしている。
そんな彼の様子に私は唇の端をあげて、こういった。
「ロラン君をみながらこのイチゴを食べながら、ちょっとはその鬱屈した気持ちがなおるんじゃないか思ってね。
まぁ、一パック480円のごくごくありふれた値段のありふれたイチゴだが、少なくとも食べることに躊躇はないだろう?」
グエンは其れを聞いて爽やかに笑った。
そして其の後、牛肉すき焼き用をたっぷりと買い込んでから、レジに行く。
小さなスーパーなのでレジはいつも込んでいる。私の前には既に四人ほど並んでいた。
その中には、この前、踏み切り事故にあったときに泣いていた少年・・アルフレッドと名乗った少年がいた。綺麗な花を持って並んでいる。
なかなかレジは進まなかった。アルの前にいる女性が大量に商品を買いこんでいたからだ。
その間に私は、評判のレジ女性を観察する。
レジの女性は確かに可愛かった。これでは他の店のスーパーにいけなくなるのもわかる。名札をみると、ジュンコと書いていた。
噂ではここの女性はみなショタの気があるらしいが、これは三流週刊誌にかかれていたので本当かどうかはわからない。
待ってる間に、グエンとまた話した。なんだか、さっきの話をきいて少し彼の気持ちがわかった気がしていた。
大事にしていたものを目の前で奪い取られると言うのはとても口惜しいし、残念なことだ。
あまり感情の変化がないと思われている私だってもしもそんなことがおきれば、ひじょうに哀しむ。
もっとも私にとってイチゴのメタファーは女性で、彼にとっては女性でない、というところの違いはあるけれど。
「そういえば賭けの方も残ってる。ロラン君にローラになってもらうのはいつにする予定なんだ。」
私は、イチゴのパックをカゴの上に置きなおしながら尋ねる。ロランは其れに怯えているのだ。
「・・・それはほら、旬がきたら、だね。」
グエンはその質問にはっきりとは応えず、そう曖昧に答えた。
てっきり今夜にでも、などというと思ったので、その返事は少し意外だった。
かれは美味しい物は最後に残すタイプの食生活だな、と私は思った。前述のイチゴのようにならなければいいが。
ようやく一番前にいた女性の買物が終わって、アル少年が会計にいった。私まであと二人だ。だが、私の前にいた女性と男性が何故か列をつめようとしない。
どうも呆然と、まるで気が抜けたようにたっていた。私が、彼女の肩を叩くと、その女性は美しい金髪の髪をわずかに触りながら振り向いた。
顔色が悪い。気分がすぐれないのですか、と私は丁寧に尋ねる。
「いえね・・財布を忘れると・・わけもなく哀しくなりません・・?」と、彼女は消え入るような声で言った。隣でSARS対策だろうか立派なマスクをした男も顔色が悪かった。
私はそれは充分なわけだろうと思いながら、そうですね、とその場をかるく流した。
そしてすぐに彼女達の番になったのだが、当然金を持っているわけはなく、
彼女は隣の男に「クロノクル!(金を取りに帰って)来い!」と叫び、男は男で「姉さん!助けてよ!マリア姉さん!」と念仏の如く叫んでいた。
私達は隣のレジで会計を済ませることにした。すぐに終わった。
帰り道、坂の中腹で、赤棟の管理人とであった。
これからどこかにいくのだろうか。彼は何か考えことをしているように俯いていた。すれちがうときに私は彼と少しだけ会話を交わした。
少年の服は、少しどこか汚れていて、ジーパンも膝のところが白くなっていて、破れていた。手に、右手に大きな白い麻袋を持っている。
麻袋は中に大きなスイカでも入っているのかのように、おおきく球状に膨らんでいた。
私が彼と話している間、グエンは何処か複雑な表情をしていたので私はそれが気になった。
少年とわかれて再び、蛇のような長い坂を登る。ガードレールの脇をあるきながら、眼下の景色をもう一度楽しむ。
片方は岩壁で、左手のガードレールの下は崖になっている。
そこから下を覗きこめば、遠くに商店街の光がみえ、更に其れをとりかこむように一般家庭の光が見える。私はその光を楽しんだ。
大層重いスーパーのばかでかい袋を両手に持った態勢のままで登っていくのはちょっと難儀だった。
日は沈んで、既に辺りは暗闇に包まれつつあり、ところどころに設置してある電灯が点っていた。
その光を眺めながらゆっくりと足を進ませる。大体50メートル置きに電灯は置かれていた。
息を切らしながら、蛇のように長い坂をのぼりきったころ、今まで黙っていたグエンが突然私に、「あの少年には気をつけたほうがいい」といった。
その言葉は、ひどく小さな声で感情を押し殺したような声だったが、はっきりと私の耳に入った。
だが、私が問いただしても、それ以上彼は何もいわなかった。さっきまでの陽気が嘘のように彼は寡黙になってしまい、それ以上の追求はできなかった。
みな何かを知っている。そしてそれを隠している。酷く重要な何かを。
私はそう思い、嫌な気分になった。自分だけがなにかから疎外されているような気がした。
ふと、立ち止まり後ろを振り返った。坂を降りているはずの赤棟の管理人の姿が見たくなったからだ。
だけど、其処はもう何も見えないほどに真っ暗になっており、管理人は闇の中にまぎれてしまったのか何処にもみえなかった。
ただ電灯の光だけがまるで何か意志をもっているかのように暗闇に仄かにともっていた。
登ってきた坂は、上から見るとまるで底が見えずにどこまでも際限なく下降しているように思えた。私は夜空を見上げる。
闇夜と星の、黒と白のコントラストはとても美しく、あたかもプラネタリウムのようだった。ちょっと手を伸ばせば掴めそうなほどに近くにみえる。
だけど、私は手を伸ばさなかった。両手が荷物でふさがっていたこともあるが、童話じゃあるまいし星が掴めるわけはない。
ただふと、私がやっていることはこの数多の星の一つの光ほどの意味ももっていないのかもしれないな、と思った。
遠くで、グエンが立ち止まってこちらを呼んでいる声がしたので、私は再び歩き出した。足もとのつま先を見ながらあるく。
出掛けにきっちり締めた筈のスニーカーの紐は僅かにほつれていた。
(三月十七日終了)
606 :
追記:03/06/12 05:35 ID:???
さて、 ものすごくアバウトな見取り図をしたに載せておく。ものすごく省略しているのはカンベンして欲しい。
Aアパート(白棟)とBアパート(赤棟)の立地関係は大体こういった感じだとわかればいいんだから。
アパート内の間取りも書きたかったんだが、それはまた別の機会にしよう。それにしても適当な図だ・・
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| .r‐----------i、 .,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_ .|
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| .| | | 白の広場 | |
| .| 白棟 ., | | | |
| .| “ .| ヽ----------------″ |
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| .|--------xx-
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| r‐――ー-┴―i、 入り口
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| | | ,----------------i、
| | 赤棟 .| .| | |
| | | .| 赤の広場 | |
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| ーーーーーー″ ----------------- |
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山岡さん笑いました。
あいかわらずいい仕事です
「よしなに」
激しくワラタ!
個人的にはこのシリーズで最大のヒット!
そうかぁ、そうだったのか、、
負けるなよグエン
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│ │ ││ 白の広場 .│ ...│
│ │ 白棟 ││ ..│. ..│
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│ ... . .|..│
│ ┌───┴┴┐ 入り口
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│ │ 赤棟 ││ ..│.. .│
│ │ ││ 赤の広場 .│. ..│
│ │ ││ ..│... │
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└───────────────────────┘
610 :
ほげら〜:03/06/12 22:07 ID:wZQksHrA
これでグエンの人気がまた上がるとおもわれ
いいですね〜、いつも食に関する書き方が大変気に入っています。
それにしても赤棟の管理人がすごい気になる・・・
コメディっていいな保守
613 :
通常の名無しさんの3倍:03/06/14 14:55 ID:gLcDKnSC
グエン様週末age
容量が484KBだが、次スレはどちらに立てるべきか。
旧シャアは旧作専門だし、
新シャアは新作中心だし。
大事を取るなら新シャアだろうか。
>>614 こっちのがマターリできて安全だぞ
あっちはもうすこし種スレが落ち着いたころにしよう
>>615 向こうがおちつくことはあるのだろうか?
題名は第三回天下一武道会?
そういえばここのスレタイ、とっくの昔に終わってるのにまだ第二回天下武道会だもんな・・
第一回の時はまさかここまで続くスレだとは思わなかったw
題名は検索しやすいように「天下一武道大会」が入っていれば何でもいいでしょう。
第三回でも第四回でも外伝でも少年漫画編でも。
こっちに立てた場合、イザークの件で荒れないかが心配。
荒れんでしょ。アンチ票は増えるだろうけど。
あっちに立てた場合、土曜日に落ちないかが心配。ぶっちゃけ、ちょっと荒れても落ちない方がいいかと・・
こっちに一票。つーか作者に任せる。つーか次スレは作者が立てて。
確か1さん、スレ立てられなかったんじゃなかったっけ?
新作板はすぐ落ちるだろうから、マターリ出来るこっちがイイ!
623 :
1:03/06/16 18:29 ID:???
>>609 有り難う御座います。自分にはこういったテクが宿命的に欠けてるので助かります。
これが私が載せたかったやつそのものです。つかわせていただきますw
皆様、お久しぶりです。いつもレス励みにしてます。読んでくださってありがとうございます。
コツコツ話しを書いていたらいつのまにか書きこめなくなる手前だったのですねー。知りませんでした。
てっきり1000までかけるものだと思ってました。あぶない・・
三月十八日からは新スレに書いたほうがよさそうですね。
名前はシンプルに 『第三回天下一武道会』 でいこうと思います。
えーと、それでですね、板移動はせずにこのまま旧シャア板で行かせていただこうと思います。
ちょっと新シャアのほうは全く行ってない状態ですので・・それに向こうだとマターリできなそうですし・・
今回の話しは今までの中で一番長くなりそうです。まだ作家九人も残ってますので・・。
ちょっと日々の話しの方を短くすればいいのですが、ついつい長くなってしまって・・いけませんね。
今のところギャグ中心ですが、すこしずつ本筋にはいっていければいいな、と思ってます。まぁ、まだ大分先でしょうけど。
おそらく今回で天下一シリーズ最後になるでしょうから、マターリ書いていこうと思います。
それでは今から次スレ立ててきます。けど、できるかな・・いつも何故かたてられない・・
624 :
1:03/06/16 18:50 ID:???
やっぱり立てれませんでした。プララなのがいけないのかな・・
625 :
人物紹介2:03/06/17 03:25 ID:yAFFCYyl
;;;;;;;;;;;,,,,,,,,, ,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;,, {
,=====-、 -―=====-、 /ヽ T会長ことトミノ
,'´ / / ヽ /.i ::.. ゝ‐--//´`ヾ.、 突拍子もない行動は理解不能。
[| / / }二. {{ ..-==・==- |.r'―l l ⌒ | } だが、何か考えがあるのは確かだ。
l / / ノ ̄ヽ ::.. |l ! !⌒ // 一応、雑誌の編集長でもある。
. i.! リ:.. ヽ、._ :::.... _,ノ' ゞ) ノ/
`  ̄ ̄~ ~.i::::.. ´ヾ  ̄ ̄ ̄● i/‐'/ 「バカジャネーノ?」は彼の口癖
i:::::. ヽ:::::::::,、_ノ l、__/
!::::: `~´ ヽ:::::: | |
ヽ::::: ,‐==-===-、 ヽ:::::: ! |
626 :
1:03/06/17 03:33 ID:???
こっちは感想などでポツポツと埋めていくとか。
容量食うアンケートは当面こっちで受けつけるとか。
(アンケートは出尽くした気がするけど)
とりあえず保守しておくべきだな
保守
保
保守、
>>63 伏線探しに前スレから読み返そうとしてロランにハァハァした人の数(1)
あ、誤爆スンマソン!
管理人の部屋の押し入れの下の段には、大きなダンボールが置かれている。そこにはボツになった作品が多量に入っている。
面白くない、とか版権の都合で発表できないものや、また少年雑誌にふさわしくないものを保管しているのだ。万が一の時のためだ。
その中にはロラン2分の1、みたいな作品が誰にも触れられることなく多数眠っている。
その内の一つを今日はお見せしよう。
『ジオングクエスト2〜悪霊の神々〜』 ランバラル
内容 どうしてこんなことになっているんだろう。
トンヌラには訳がわからなかった。
「だから、迷惑だっていっているんだよ!」
ローレシア王子もょもとの苛立った声が、ここ、不気味な気配の漂うハーゴン城の一階で響いていた。
敵の本拠地だから当然といえば当然なのだが、呼吸する度に妖気がただよっていて厭な気分になる。人がいるところではない。
「まぁまぁ、落ちついて。ほら干し肉でもどうだ?坊主?」
「俺は坊主じゃない!貴様失礼だぞ!」
「ハッハッハ。すまんな。つい知っている奴らに似ていたものでな。」
「知ってるやつ?だれだよ!それ!」
トンヌラは彼らのやりとりを眺めながら、困惑を隠せなかった。
どうしてこうなっているんだろう。ブーツの先に付いている土を床を蹴って落としながら、彼はもう一度呟いた。
旅は順調のはずだった。うんざりするほど困難で、長く、鬼畜と思われるロンダルキアの洞窟を抜けたのは、ついさっきのことだ。
キラーアーマーや、ドラゴンといった最強の敵を振り払いながら、なんとか出口をみつけて、ほうほうのていで抜け出した。
一面に広がる銀世界 それに感動できたのもつかの間だった。敵はここにもウンザリするぐらいいたから。
、ぬかるむ雪を駈けぬけながら、迫ってくる敵を魔法で追い払った。敵は、しつこく、集団で、圧倒的に強かった。
べギラマを唱え、力の盾を使い、ザラキの恐怖に怯えながら、自分たちは先に進んだ。ハーゴンの城は目の前だった。
だが、山があるので、大きく迂回していかねばならなかった。
一人では死んでいただろう。この三人、もょもとと自分、それに王女のサマンサがいなければきっと無理だった。過酷な旅だった。
ようやくたどり着いたハーゴン城。不気味な建物、一見場違いな場所にある城。
その城の辺りには、濃い乳白色の霧が漂い、視界はほぼなく、多量に積もった雪で、足首まで埋まるほどだった。
中に入って、まやかしを払い、さて、戦いが始まるというところで、謎の乱入者たちが現れたのだ。
「わし等も戦いに参加するよ。」
ルビスのまもりを大事に麻袋にしまっていると、大理石でできた柱の向こうからそう声がかかった。
三人組の中のリーダーと思われる男が、でてきてそういったのだ。
「わしらも加えてくれ。」
もょもと達は、困惑した。彼らは、ロトの子孫たる自分たち以外が、ここに来ることは不可能だと思っていた。
一般の人間では、ここにくる前に死んでいる筈だ。
考えられる理由は二つ在る。一つは、彼らが自分たちと同じ位強いということだ。だが、これはどうも考えられない。
だとすると、もうひとつ。これは罠だ。まやかしだ。
つまり、彼等は、人間ではないのではなくて、魔族が化けているんじゃないのか?
魔族も手の込んだことをする・・
トンヌラは、ハヤブサの剣の柄を強く握り締めてやや下がった。隙を見せたら切ろうと思った。
「おっと。そこのボウヤ。余計なことしないように。」
男の後ろにいた一人がトンヌラの行動に気が付いて、注意した。そして、リーダー格の男の後ろにそっとたって耳打ちした。
「大尉、こいつら完璧に誤解してますぜ。切り殺されちゃたまらねえ・・どうします?」
「そうだな・・」
大尉と呼ばれた男、これは無論ランバラルである。
話すと長くなるので細かいところは割愛するが、簡単にいうと彼等はここにワープしていた。
宿屋の親父にお楽しみ、といわれて赤くなった瞬間に、突然ロンダルキアの大雪原に立たされていたのだ。
乗っていた機体は、呆然としているときに現れたギガンテスとの戦いで破壊されていた。グフとギガンテスの能力はほぼ互角だった。
グフのヒートトマホークが、ギガンテスの顔面に決まったが、向こうの棍棒もこちらの顔面を破壊していた。
ランバラル、ガイア、オルテガ、マッシュの四人のうち、マッシュはその時にブリザードの所為で死亡した。
彼等は近くの祠に逃げて、そこにいた神父の話を聞いて大体のことを理解した。
そして、その後、ここハーゴンの城で、勇者達がくるのを待っていたのだ。
だが、どうやらロトの子孫達は警戒していて、自分たちのことを仲間に加えてくれそうになかった。
まぁ当然といえば当然だった。いきなり変な中年が現れて、仲間にしてくれといっても信じるやつらなどいない。
ランバラルは困った。ハーゴンを倒せばひょっとして元の世界に、帰れるかもしれない、と思っているからだ。
ここは、彼らの警戒心をといて、一緒に行動することを考えなくてはならない。
「坊主達・・ロトの子孫だったな。となると、ロトについての文献は当然一通り読んでいるよな。」
「・・ええ。無論読んでるけど・・それは僕ら王族にとって聖書みたいなもので、子供のころから叩きこまれてるし。」
「そうか。それなら話は早い。それではその文献の中にロトの父親の名前があっただろう?」
「あったけど・・・・」
「なんて名前だ?いってみなさい。」
「・・オルテガ・・」
「そう!オルテガ!勇者ロトの父親、海パン馬鹿一代。カンダタと一緒のグラフィック。違うのは色だけ。
最初プレイしたときは、イルミネーターがなぜゾーマの城にいるんだ?、と子供心に真剣に思ったほどだ。
誰もがそう思ったし、バラモスゾンビに負けるその姿に、かっこいい勇者の親父というイメージは一瞬にして消えた。
寧ろどっちもゾーマの配下に見えた・・哀しかった。あんな奴の息子なんて・・
・・・・話が脱線したな・・そんな少年期の心温まる夏の日の想いでは、ともかくとして、だ。
あの勇者ロトの父親!これが君達の目の前にいるこいつだ。」
ランバラルはオルテガの腕を掴んで大げさにそういった。
突然のことにオルテガは、ひきつった笑いをうかべることしかできなかった。ランバラルに背中をつねられてやっと喋った。
「オ、オルテガです・・よろしく・・」
(ちょっと・・かなり無理ありません?それにグラフィックってなんのことです?)
(気にするな。お前が知ることはない。)
「す、すげーー!!」
「やだ、あたしこんな格好で恥ずかしい!」
そんなオルテガの挙動不審の態度にも気が付かずに、ロトの子孫達は、大喜びで反応した。本当に信じていた。
ちょっと考えれば違うってわかるようなものだが、彼等の脳は長年の戦いでちょっとおかしくなっていた。もょもとは特にひどかった。
名前もヒドイが頭もひどくなっていた。まぁ、とにかく彼等はそれを信じた。ロト、という言葉がつけばなんでも信じるのかもしれない。
「それじゃ、こっちの人も・・?」もょもとがもう一人、ラルの右後ろにいる人物のほうに視線をやった。
「あぁ・・そいつは・・・なぁ・・ちょっとまてよ・・そうだ!あれだ・・勇者ロトに剣を与えた人物。ガイアだ。」
ランバラルはしどろもどろになりながらも、そう紹介した。
「ガイアです。よろしく。」のりのりで応えるガイア。歯茎を見せて、しっかりと笑う。
「あぁしってる!海の中にある孤島の祠に幽閉されて死んだ英雄で、ロトが火山に投げ込んだ剣の持ち主でしょ?」
もょもとが得意そうに、そう発言した。その顔は、実に嬉しそうだ。
「そうだ。君は実に賢いな。」
ランバラルは、そう彼を誉めると、オホン、と一回おおげさに咳をして、三人を見渡した。
もょもと、トンヌラ、サマンサは、英雄をみるような目つきで彼を見つめている。
「そしてワシがランバ・デ・ジュニアール三世。
ザクを切り、グフを切り、ドムを切る。ランバストラッシュのラルだ!聞いたことあるだろう?!」
(おい・・きいたことあるか?)
(いや、僕もないよ・・・ザクって大体なんなんでしょう・・)
一気に少年達の顔色が曇った。
「さ、それじゃ、皆でボスを倒しにいこうじゃないか?」
彼らの不安を立ちきるようにランバラルがそう宣言した。
返事も待たずに、階段を上る。その後ろをフルオートマチックマシンガンを持ったガイアがついていく。
もょもと達も当惑しながらついていった。
(果たしてこの戦いはどうなるんだろう・・)
装備していた破壊の剣からハヤブサの剣にもょもとはしっかりと持ち替えながら、気を引き締めた。
サマンサは、オルテガに住所と電話番号を聞かれていた。
トンヌラは一番後ろを歩きながら、頭が痛くなった。
ロンダルキアの洞窟より大変そうだ。
長い長い階段を登って二階にたどり着く。フロア中に、耳をつんざくような巨人の足音が響いていた。
ドシン、ドシン・・並大抵の体積のモンスターじゃない。ギガンテス・・?ひょっとしたら巨人族の長アトラスかもしれない。
トンヌラは背中に冷や汗を掻いた。自分のMPは、残り少なくなっているし、サマンサも同じだ。たたかって勝てるのか果たして自信はなかった。
ランバラルは、懐に手をやって手榴弾のピンに指をかけている。
足音は次第に、ちかづいてきていた・・
「いくぞ!俺達の戦いはこれからだ!」
ご愛読ありがとうございました。おわり。
※編集者の指示により此れいじょう続きはかかないでいいということになった。つまりボツだ。
これから面白くなるところだったのに・・パズズの攻撃によりオルテガの戦死、ピンチにマッシュの登場。
ピグザムが最後に現れて、それにのってのランバラルの特攻、もょもとの涙・・全部パーになった。ショックだ。(ランバラル)
原稿の最後に書かれている管理人の評
「もょもとって時点で現在の小学生にはわからない可能性があるので、ボツ」