◇◆★新日バトルロワイヤル★◆◇

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67お前名無しだろ
「辰っつあん……俺、俺、……」
児童公園のベンチで、長州力は震えていた。
その震える手には、拳銃が握られている。

長州は出発した直後、校門近くの茂みに身を隠していた。
立入禁止エリアになるギリギリの時間まで、藤波の近くに居たかったのだ。
一人、また一人と、参加者が校門を過ぎて行く。
この場に留まっていられる時間が、どんどん少なくなって行く。
長州は怖かった。
校門より先の世界に出ることが、たまらなく怖かった。
(殺される。誰かに会ったら、殺される。
 だから守らなくちゃな。この銃で、自分を守らないと……)
支給された銃を握って、長州はこの言葉を何度も何度も繰り返す。
その時だった。
「あ、長州さんじゃないですか!どうしたんですか?」
長州は素早く反応する。
(見つかった!?)
長州は声のした方向へと向き直り、銃を構えると、引き金に力を込めた。
そこで初めて、声の主が高岩竜一である事を知る。
しかし、高岩は長州に危害を加える素振りを見せなかった。
いつもの様に、むっつりしていた。
(――撃っちゃダメだ!)
長州は瞬時にそう思った。だが、引き金を引く指の動きは止まらなかった。
そして……