◇◆★新日バトルロワイヤル★◆◇

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625◆ZNLiv1KU
[1日目午後2時ごろ]
後藤達俊は今、ある男と行動を共にしている。馳浩だ。この組み合わせは
後藤のバックドロップで馳が生死の境を彷徨ったという過去の出来事を考えると
少し意外かも知れない。しかし事故後、見舞いなどが繰り返される内に、二人の関係は
それ以前より遥かに近くなっていた。
そして今馳は後藤にとって、こういう状況でも信頼するに足る人物となっていたのである。
そこで後藤は道場で机の近かった馳に合流地点を伝え後で机の遠かった小原を探そうと
決めた。しかし小原は見つからず、とりあえず馳の提案により外部との通信手段を
手分けして探すことになった。
しかし、後藤は心配だった。小原もだがそれ以上に馳の事が。
理由はまず馳の武器、これがよく分からないスイッチだった。爆弾かとも思ったが
あまりに小さい。小さいマッチ箱にボタンが付いたようなあまりに適当な代物で、
しかも何の説明書も無かったらしい。使い道すらわからない怪しい物だった。
そしてもっと心配だったのが馳の様子だった。道場にいた頃からどうにもおかしい。
藤波の死体を見た後も妙に無表情で、外で合流した後も何とも言えない違和感が絶えなかった。
後藤はショックが大きすぎた所為だと思い手分けすることに反対したが、
いつもと変わらぬ馳の説得力のある理屈に、渋々ながらも了承したのだった。
(とりあえず今出来ることに集中しよう。)
雑念を振り切り、後藤は袖のデリンジャーを確認してから通信手段と小原を探した。