◇◆★新日バトルロワイヤル★◆◇

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60お前名無しだろ
いつしか、玄関はアントニオ猪木と兵士達によって包囲されていた。
「まったく、困った野郎どもだ……ここには大会本部が設置されている。
 これ以上戦闘を続けた場合、プログラムの進行を著しく妨害したものとして……」
そして猪木は、『あの』リモコンをポケットから取り出し、掲げる。
思わぬ水入りだった。
カシンは悔しそうに唇を噛む。
そして西村は、ほっと胸を撫で下ろした。
とりあえず、差し迫っていた危機は回避出来た。
しかし、決してプログラムから解放されたわけではない。
撃たれた天山の状況も、予断を許さない。
――と、ここで西村は天山の異変に気付いた。
さっきまでの苦しそうな息遣いが聴こえない。
何事も無く、静かに眠っている様に見える。
いや、天山は寝息さえ立てていなかった。
「……山本?」
嫌な予感がした。
西村は慌てて天山の手を掴み、脈を測ろうとする。
……もう、天山の鼓動を感じることは出来なかった。
(うそ……嘘だろ?山本……)