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1さん代打 ◆oOfl/2go:
稔のデイパックから出てきたのは、黒い小さな箱だった。
てっぺんに赤いボタンがついており「迷わず押せよ 押せばわかるさ」と書いてあった。
「押せばわかるって・・・押してみるか」
「あ、稔!押すな!それってたぶん・・・」
「え?」
カチッ。金本が言葉を言い終わる前に、稔はボタンを押してしまった。
すると箱の正面のパネルが動き出し、中からデジタルパネルが現れた。そして
「元気ですかーっ!」
突然、猪木の雄たけびが箱から聞こえてきた。
「・・・ん?」
猪木の声に、カシンの動きが止まった。
猪木の声が聞こえてきたという事は、何か良くない知らせに違いない。
金本達も同じだった。嫌な予感がする・・・。
そんな彼らの気持ちはお構いなしに、猪木の声は流れつづけた。
「元気があれば殺し合いも出来る!・・・エー、この箱は時限爆弾です。
今、ボタンを押した事により時限装置が作動しました!
制限時間は5分!5分経ったら爆発するぞコノヤロウ!
みんな頑張って5分以内に逃げたまえ。
尚、このボックスに衝撃を与えたり分解しようとするとその場で爆発するから注意するように!
では諸君の健闘を祈って・・・いくぞーっ!イーチ、ニーッ、サーン、ダーッ!」
・・・猪木の能天気な声が聞こえなくなったのと同時に、デジタルパネルが作動し始めた。
「4:59・58・57・・・」時間はどんどん過ぎていく。