◇◆★新日バトルロワイヤル★◆◇

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473◆ZNLiv1KU
辻よしなりは寝巻き姿で今にも泣き出しそうだった。
(何でこんな事に…家で寝てただけじゃないかよぉ…)
同行者のハズの棚橋は「信用できねぇ」と何処かへ行ってしまった。なんて肝っ玉の小さいヤツだ!
手に持つ武器が只のダーツ(的付き)だったことが余計に辻を不安にさせた。
(相手はプロレスラーなんだぞ?勝てるわけ無いじゃないか!!あのアゴ野郎…)
こんな状態が辻に猪木を批判させた。いささかヒネリは足りないが。
辻は誰にも会わないように路地裏で息を潜めていたが、睡眠不足と精神的疲労で眠ってしまった。
意外と神経は図太いのかも知れない。しかしそこから短い悪夢は始まった。
30分位経っただろうか、右腕のあまりの激痛に眠りの世界から引きずり起こされた。
右腕には矢が貫通していた。そしてその先5メートル程向こうに、右目が潰れ
鬼の形相をしたいかつい体格の背広を着た男が立っていた。ボウガンを構えて。
「!!……サ、サムライさん!?」
返事も返さずサムライはもう一本矢をつがえ躊躇なく放つ。矢は辻の右腿に突き立った。
痛みに悶える辻の元に近づいてきたサムライはようやく口を開いた。
「こんな所で何してる?」
順序が滅茶苦茶である。しかし小川との一戦で恨みに狂っているサムライは
正気と言える状態でなくなってしまっていた。そうとも知らず健気に必死で返事する辻。
「い、猪木さんがいきなりっ…!」
「参加させられたワケか?」
「は、はいっはいっ…だから助けてっ!…」
辻は思い切り顔面を蹴り飛ばされ、今度は左足から矢が生えた。
「っ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
「クックックックッ…かわいそうになぁ…せめてたーっぷり苦しめてから
殺してやるからな……恨むんなら猪木のアゴ野郎を恨めよ?」
サムライは笑いながら悪魔のような言葉を吐いた。
そして左腕に矢が通り、辻の悪夢はあと10分ほど続くことになる……