◇◆★新日バトルロワイヤル★◆◇

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4261さん代打 ◆oOfl/2go
「カシン、何で足を狙った!後ろからなら一発で俺を殺せただろうが!」
「やだなぁ。ジュニアの最高峰にいるライガーさんに
 秒殺なんて失礼な事出来ませんよ」
目の前で仁王立ちしたカシンは、口元に笑みを浮かべながらイヤミっぽく話し続けた。
「プロレスラーは、相手を仕留めるまでの過程を演出しないとねえ。
 強ければいいってもんじゃないでしょう?」
そういうとカシンは銃をライガーの胸元に突き付けた。
「さあ、お喋りはこれくらいにして・・・ライガーさん。
 最後に何か言い残す事はありますか?」
「殺れるもんなら殺ってみろ・・・お前に人を殺すことが出来るのかっ!」
もう殺される以外道がない状況で、ライガーは叫んだ。
「ああ。出来ますよ。今さら一人や二人増えたって変わらないですよ」
「一人や二人って、お前・・・」
アッサリと答えるカシンの言葉に、ライガーは寒気を感じた。
「高岩に、一成・・・今さっき柴田も殺ってきた」
そう語るカシンの脳裏に、村上を殺めた時の事が浮かんできた。
(一成・・・この手で一成を刺したんだ・・・)
あの瞬間の感触が手に蘇る――――忘れたくても忘れられない、あの感触。
その時、ピンと張りつめていたカシンの殺気が緩んだ。
その一瞬をライガーは見逃さなかった。
デイパックからナイフを握り締めた手を引き抜き、
もう既に感覚の消えつつある両足を踏ん張り
ありったけの力を込めてカシンの腹部めがけてナイフを振り上げた。
4271さん代打 ◆oOfl/2go:2001/08/18(土) 19:46
ガツッッッ!!
切っ先に固い感触・・・
その衝撃で、ライガーの手からナイフが弾け飛ぶようにして地面に落ちた。
「・・・何するんですか。まったく無駄な抵抗ですね
 ま、刺さなくて良かったですね。いいもんじゃないですよ、あの感触は」
「何で・・・何か仕込んでるのか!?」
「ああ、ジェラルミンケースに殺った奴の武器をしまってたら
 入りきらなくなって、腰に巻いたんですよ」
そう言いながら、カシンはシャツをめくってみせた。
その腰には・・・カシンベルトが巻かれていた。
(そ・・・そんなモン巻いてるなぁ〜っ!)
ライガーにとって千載一遇のチャンスは、カシンベルトによってあっけなく打ち砕かれた。
「あーあ。ライガーさんのせいで傷が入っちゃいましたよ・・・
 でも、さすが俺のベルトだな。命拾いしたわ」
カシンはベルトを愛おしげに撫でながら呟いた。
4281さん代打 ◆oOfl/2go:2001/08/18(土) 19:46
「さあ、そろそろお別れですね・・・」
「カシン!・・・なぜお前は殺すんだ!?なぜ殺さない方法を考えない・・・」
全ての力を使い果たしてしまったライガーが、息も絶え絶えに訴えた。
「・・・結局、殺らないと殺られるだけじゃないですか。
 俺は自分が一番かわいいですからね。死にたくないんです」
そう話しながら、カシンは銃をライガーの左胸にピタリと当てた。
「じゃあ・・・さよなら、ライガーさん」
パンッ!パンッ、パンッ、パンッ!
最初の一発で、ライガーは声も立てずに崩れ落ちた。
そこへ追い撃ちをかけるように、三発。
みるみるうちに、地面に血だまりが出来た。
「ライガーさん、マスク貰っていきますね。大事にしますよ。
『獣神サンダー・ライガーが最後に付けていたマスク』ですからね」
カシンはライガーからマスクを外し、ナイフを拾い上げてジェラルミンケースにしまいこんだ。
「・・・さて。あの店に何かあるらしいな。ちょっと漁ってみるか」
カシンは、ホビーショップの方に向かって歩き出した・・・。