◇◆★新日バトルロワイヤル★◆◇

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295只の名無し
「何故、ここまでこのゲームに乗ることができるのか?」
人生には理解できなかった。ここで理解できるていることは、殺らなければ殺られるということだけだった。
しかし、このゲームの主催者であるアントニオ猪木を殺す決意はあったが、他の参加者を殺す決意はしていなかった。というより、できていなかった。
それに何といっても、この男は、「あの」ケンドー・カシンである。説き伏せるなどということは不可能である。
方法は全て無くなった。
「ここまでか・・・・・。」
人生が死を覚悟した、その瞬間、カシンでも、ましてや自分の声でもない、第三者の声が店内に響いた。
「あ〜、アチいなあ。」
その声の持ち主である武藤敬司が入り口に立っていた。カシンと同じように銃を構えて。
296只の名無し:2001/08/17(金) 20:06
「そりゃあ、フェアじゃねえよ。石沢。」
武藤敬司がカシンに向かってこう言った。
「まいったな。武藤さんが来ちゃうとはなあ。」
一瞬にして、その場の雰囲気が変わった。変わったというより、武藤が変えてしまった。
こんな状況の雰囲気さえも変えてしまうのも武藤のスター性が成せる技なのだろう。
カシンと人生の置かれている立場が変わった。自分が何も武器を持っていないとはいえ、カシンもわざわざ無駄死をしたくはないだろう。
武藤が言った。
「行けよ、石沢。ここにいる誰一人死ぬのはイヤなんだよ。早く!!」
どうやら武藤も人は殺したくないように人生には見えた。
「・・・・・、助かりましたね。新崎さん。」
カシンはそう言い残して、こちらに銃を向けながらこの場所を後にした。
297只の名無し:2001/08/17(金) 20:09
「いや、助かりました。武藤さん。」
人生が命の恩人である武藤に話し掛けた。
「やっぱりやる気になってる人がいるんですね・・・・・。こんな、こんな馬鹿げたゲーム開いた猪木さん・・・・許せませんよ!!俺、あの人を殺し・・・」
人生は今までに自分の中に溜め込んだ猪木に対する怒りを武藤にぶつけるかのように話そうとした、その瞬間、
「!!!」
人生は喉に火がついたような熱を感じた。
「わりいな。人生。オレ、ファンの為に生きなきゃいけないから。」
武藤は引き金を引いていた。盟友である人生の喉に向かって、長州力から奪ったであろうと思われる銃で。
「何・・・・で・・・・。」
人生が倒れこみながら、小さな声で武藤に問い掛けた。人生が放った最期の言葉だった。
「う〜ん、お前のプロレス、俺は好きだったよ。あっちに行ったら長州さんとタッグ組んでやってくれよな。」
事切れた人生に武藤がこう囁き、そこからゆっくりと立ち去った。