◇◆★新日バトルロワイヤル★◆◇

このエントリーをはてなブックマークに追加
156お前名無しだろ
カシンの足音が近付いて来る。
もはや、弾切れを待っている余裕など無い。
ほんの一瞬でいい。カシンの動きを封じる事さえ出来れば……村上は思考を巡らせる。
そして、村上は背中のバッグを下ろした。
陰からそっと顔を出し、カシンとの距離を見る。
「(――届く!)」
村上は心の中でそう叫ぶと、バッグをカシンの真正面へ向けて投げつけた。
カシンの目線に、突然、バッグが飛び込んで来る。
反射的に銃を構え、カシンはそのバッグに銃弾を撃ち込んでゆく。
空中でバッグが二度、三度と踊った。
そして、踊り疲れたバッグが引力に引かれ始めたその瞬間――
バッグが作った死角から、村上が一気に飛び込んで来る。
バッグに気を取られていたカシンは、予想外の進撃に反応出来ない。
村上は低位置からカシンの懐に入り込むと、刃を180度返し、
渾身の力を込めてそれを拳銃に叩き込んだ。
「とぉりゃあああああっ!!!」

ガキィィィン!!