◇◆★新日バトルロワイヤル★◆◇

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15お前名無しだろ
……まさか、聞いていないのを悟られたのでは?
レスラー達は、恐る恐る猪木の視線の先を辿った。
猪木が見ていた先……そこには、小嶋聡と永田祐司の姿があった。
小嶋はまだ睡眠薬が効いているらしく、眠ったままだった。
それを永田が必死になって起こそうとしている。
「……小嶋、起きろよ。寝てる場合じゃないんだってば……」
永田は、猪木を刺激しないように、小声で呼び掛けながら小嶋の肩を揺すっていた。
その呼びかけに応じたのか、小嶋がようやく目を覚ます。
「……あれ?永田君。おはよう!。どうしたの?」
まだ現状を把握していない彼の一言が、教室中に響き渡った。
誰かの呟く声がした。
「……だめっ!」
次の瞬間、猪木は小さなリモコンの様な物を取り出すと、ゆかりに向けてそれを「ピッ」と鳴らした。
ピピピピ、ピピピピ……
何処からともなく、アラーム警告音が聴こえる。
「何だよ、目覚まし時計をセットしているの?
 でもおかしいな。外はまだ、夜じゃないのか!俺は眠いんだよ馬鹿やろう!」
まだ寝ぼけているのか、小嶋は緊迫した現状に気付いていなかった。
「なに言ってんだよ、小嶋!今はそれどころじゃ……小嶋?」
永田は、異変に気付いた。
警告音の発信元が、異常に近いのだ。
しかもそれは、小嶋の体内――頭の中から聴こえている。
「まさか……猪木さん!小嶋に何をしたんだよ!?」
永田の追及に、猪木は落ち着いた調子で答える。
「小嶋に限った事ではない。君達には、眠っている間に、『装置』を埋め込ませてもらった。
 なあに、最新技術を駆使したマイクロサイズの物だ。違和感は感じないだろう?
 それから、これには位置特定の為の発信機と、自爆装置がセットされている。
 指定の制限時間をオーバーしたり、プログラムの進行を著しく妨害した場合には……」 「場合、には……」
永田は、唾をゴクリと呑んだ。まさか……まさか、そんなことって……
そして、一番聴きたくない言葉が、猪木の口から発せられた。 「爆発する」