◇◆★新日バトルロワイヤル★◆◇

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145お前名無しだろ
「やっぱり、無茶だったかな……」
木陰で、村上がつぶやいた。
戦闘開始の合図とともに、村上は並木道の方向へとダッシュした。
銃が相手では、日本刀といえど勝ち目は無い。
しかし、この濃霧を味方に付ければ、まだ勝算はある。
カシンの放つ銃弾を辛うじて避けながら、村上は街路樹の陰で機会を窺っていた。
霧の中から、カシンの影が近付いて来る。
こちらから打って出るには、弾切れの瞬間を待つしかない。
危険な賭けだ。
だが、それしか手段は思い浮かばない。
村上は意を決して、木陰から飛び出した。
「さあ、当ててみな!」
カシンが少しぼやけて見える位置で、村上は叫んだ。
多少距離があるとはいっても、充分射程距離内だ。
カシンは村上に向け、数発連射する。
しかし、霧で視界が悪いのに加え、村上はあっという間に別の木陰へと移動してしまう。
「一成!正々堂々と闘うんだろ?
 コソコソ隠れて鬼ごっこだなんて、お前らしくないぞ!」
少し不機嫌そうな口調で、カシンが呼び掛ける。