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長くてスマンって!:
「理不尽大王の高笑い」 冬木弘道・著より抜粋
しかしメキシコで一緒にツルんでいてわかったのが、この越中という男のムチャさ加減。
(中略)ちょうど2人で遊びにでかけて、高速道路に入ろうとした時のことだ。メキシコ
の高速道路の車の飛ばしようは、日本の比じゃないくらい危ないのだが、ちょうど合流
地点で、後ろから猛スピードのトラックが迫ってきた。
さすがに越中に、「やばいんじゃないスか?」って言ったんだけど、「大丈夫だ!まかせ
とけ!」って、まったく聞かないんだ。しかもエキサイトし出して、先を譲ろうとしない
んだ。どう考えてもこのまま突っこんだらヤバイんだけど、越中ときたら闘志メラメラよ。
”負けらんねぇよ”って顔に書いてあるんだ。こっちが道を譲らないもんで、トラックの
運ちゃんも頭に来たらしく、突然スピード出して突っこんでくるんだ。
「越中さん、ホントにヤバイすよ!」
その瞬間、びびっているこっちを尻目に、トラックはオレたちが乗った車をガリガリこすっ
た上に、バッチーンって弾きとばしたんだ。メキシコのトラックってやることが凄すぎだ。
さすがにあの時は死んだかと思ったね。(中略)
でも後で聞いたら、越中詩郎が運転を覚えたのはメキシコでなんだよ。それを知ったら、車
をこすられた時よりゾッとしたね。運転免許持ってたか、までは聞けなかったな。あんまり
怖くて。