紅夜叉は利用された!

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練習後、ミーティングで全選手が風間に集められた。
そこで大向のテストマッチを二月の後楽園で行うと半田に伝えた。
はい、大向はがんばってます、と半田は報告した。
事実日々の練習で大向は首の負傷をかばう仕草を見せなくなっていた。
しかし受身などの基礎練習がやっとでとても半田と試合ができるレベルには達していない。
あまり無理をさせないでね、と風間は半田に念を押した。
そしてFMWから交流戦の申し込みがあったと報告した。
土屋は平成元年組だから安田・緑・長嶋は負けないようにね、と激をとばす。
「それから安田。アンタも同じ日に再デビュー戦だからね」
  「再デビューって・・・はい、いつでも大丈夫です」
「もうすぐ衣装も出来上がるから。特攻服とサラシね」
やっぱり少し恥ずかしい、と安田は照れ笑いを浮かべた。
紅夜叉、とリングネームも決定していた。あとは安田自身がどう作り上げるかだ。
それから全女との対抗戦だけど・・・と神取が切り出した。
    「ハーレーとイーグル、それに半田で行こうと思ってる」
神取の言葉に半田が大きく頷いた。風間が先に言われたか、と微笑んだ。
    「いきなり北斗を潰すよりも、ジワジワと楽しもうよ、ああ」
相手は北斗率いるらす・カチョーラス。いよいよ初対決の時が近付いてきた。
ハーレーは大きく息を吸い込むと、私が北斗を潰しちゃいますよ、と呟いた。
ああ、それならそれで構わない、と神取が答えた。