70年代のアントニオ猪木 3

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66お前名無しだろ
アントニオ猪木への質問「今までにかけられた技で一番痛かった技はどんな技ですか?」
猪木「ゴッチとスパーリングした時、俺が下で俯せになってガードしてると、顎にすごい衝撃があって口の中がざっくり切れたことがあったんですよ。グラウンドでは完全にガードの状態に入られてしまうと相手の体は根が張ったみたいに動かなくなる。
いくらゴッチといえども、その状態になると簡単に技はかけられない。それで、拳骨で顎を打って、そのまま抉るように擦りつけたわけですね。一瞬、打たれた衝撃で隙が出来るでしょう?そこで技に入ろうとしたんですよ」
総合格闘技がブームになりかけた頃、藤原喜明にインタビューした。
グレイシー柔術の台頭で俄にチョーク・スリーパーがリアルな必殺技として脚光を浴びていた頃のことだ。
藤原はチョーク・スリーパーの話になると不適に笑いながらこう言い放った。
「首を絞めるのに、はっきりいって大した技術は要らねえんだ。それより、ゴッチから教わったフェースロックの方が遥かに高度な技術だったんだよ」
伝説のセメントマッチ、猪木×ペールワン戦においても、猪木はフェースロックの変形ともいうべき裏技を使っていた。アウェイの上にルールさえ曖昧なまま始まった極限の試合。
関節を極めてもギブアップしない相手と試合を止めないレフェリーに業を煮やした猪木は、ペールワンの顔面を絞め上げる際、指の関節を立てて目玉を抉った。
猪木はこうも言っていた。
「総合の試合で、最近、スリーパーは決まらないでしょ?来るのがわかっていれば、首のディフェンスはそう難しくないんだよ。だから俺達はフェースロックの練習をしたんだ。顎を引けば首はディフェンスできても顔面は空いてる。
今の試合みたいに殴るまでもなく、ゴッチがやったように急所に一撃を入れれば隙もできる。スリーパーはそこで入れば決まるんだ」
しかし、最後に猪木はこう言って顔をしかめた。
「ただ、フェースロックは格闘技のグローブを着けてると完璧に極められない。あのグローブは、レスラーの本当の技術を見せるには邪魔なんだ」