カート・アングルはアトランタ五輪金メダリストであり、
彼がWWE史上最も輝かしいアマレスキャリアの持ち主である事は疑いの余地が無い。
98年のWWF参戦以来幾多の強豪からタップを奪い、あらゆるタイトルを総舐めにした。
カート・アングルの試合に外れなどは無いが、特にクリス・ベノワやブロック・レスナーなどとの試合では
クラシックなレスリングを披露し、非常に高い評かを受けている。
04年には首の怪我で一時離脱してGMを務めるなどしたが、復帰後はそれまでの「おちゃらけキャラ」を払拭し、
最強のレスリングマシーンとして輝きを放つことになる。
私はこの時期のカート・アングルの名試合として、05WM、05VG、06NWOの三つを挙げたい。
ここで私が特に注意しておきたいのは、05WMや05VGが名勝負たり得たのは対戦相手の技量に依る物ではなく、
全てカート・アングルの功績だという事である。
勝敗はともかく05WMでは6:4、05VGでは7:3でカート・アングルが試合を支配していた。
相手が誰であろうと名勝負を演じる事が出来るカート・アングルの技術の高さを、
私はこの二試合を通して改めて痛感した。
そして06NWOの鬼気迫る表情、容赦無き攻撃性に至っては、最早この世の者とは思えない。
この数ヶ月間に限って言えば、カート・アングルの動きは史上最高レベルであったと言えるのではないだろうか。