番外編 安全な建物はどれだ?
結論から書いてしまうと、高層建築に限れば、ほぼゼロです。
理由は
>>348-350に書いてあるとおり、学者先生の間でさえ
意見の齟齬があり、万人を納得させる理論や数値が出ていないからなのですね。
建物の基礎に多数の免震バネを設置する方式や、屋上に重りを載せて
地震の揺れと建物の揺れが同期しないようにする「柔構造のカウンターウェイト方式」
など色々な理論が試されています。
しかし、いまだそれらの建物が実際に震度7クラスの地震を経験していない以上、
100%安全かどうかは、誰にも太鼓判を押すことはできないのです。
ましてや、阪神淡路大震災以前の建物については言うまでもありません。
では、翻って木造2階建てぐらいの建物はどうでしょうか?
現行の建築基準法で行くと、高層建築と木造建築では安全基準が大幅に違います。
高層建築物は「地震がおきても倒壊しないこと」が基準となります。
しかし、木造建築物の基準というのは
「地震がおきたとき、中にいる人が建物が倒壊するまでに逃げ出せるだけの強度があればよい」
とされています。つまり、最初から壊れることが前提の基準なのですね。
ですが考えてみてください。
地震実験車に乗ったことがある方もいらっしゃるかとおもいますが、
震度7ぐらいになると人間はまともに逃げることなどできません。
逃げ出すのは地震が納まった後、ということになります。
つまり、地震の最中に建物が倒壊してしまえば、中の人の安全はとても保障できないのです。
そこで安全に生き残る確率を上げる方法が「耐震補強」を施すことですね。
耐震補強を施しておけば、震度7クラスでも一発で倒壊する確立は大幅に下がります。
その間に外に逃げれば、生存率はグッと上昇するわけです。